男「誰よりも下手なピアニスト」 (68)

◇SSの投稿は初めましてです。


◇書き溜めはしていません。ちょっとした息抜きの予定です。


◇あまり長くはならないと思われますが、地の文混じりになるかもしれません。


それでも宜しければどうぞよろしくお願いいたします。

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子供「ねえお兄さん。どうしてお兄さんは私よりも簡単な曲ばかり弾くの?」

男「簡単だよ。それは君の方が僕よりもピアノが上手だからさ」

子供「変なの。だって、お兄さんはいつも沢山沢山ピアノを弾いてるよ?」

男「そうだね。僕にはきっと才能ってやつがないんじゃないかな?そんなことよりもほら、お母さんが呼んでいるよ」

子供「うーん……。またくるね、お兄さん」

男「またね。もう来なくていいけどね」

店員「そろそろ閉店ですので……」

男「失礼しました。今日もありがとうございました」

店員「いえいえ」

店長「よう男。今日もまた下手くそのままだったな」

男「ええ店長。今日もまだ独り身のままですね」

店長「……お前のピアノもその生意気な口ぐらい滑らかに歌ってくれればいいのにな」

男「……ピアノは歌いませんよ」

店長「そんなことよりだ。お前今日はどうするんだ?家に……帰るわけ無いよな」

男「お気遣いなく。暖かくなってきましたし、死ぬことはないですよ」

店長「おいおい……。健康で文化的な最低限度の生活ってやつか?」

男「ダンボールハウスが文化的と言えるのであればそうかもしれませんね。憲法なんてまあ、そんなもんですよ」

店長「じゃあ、俺の……」

店員「店長。いつまでも駄弁ってないで、お店閉めますよ」

男「じゃあ、この辺で」

店長「あ、おい!男!」

男(暖かくなって本当に良かったなあ)

僕は両手に息を吹きかけて、何度か握ったり開いたりを繰り返す。
息が白くならないという事実がとても暖かい。

男(あの女の子、最近何度も来るなあ)

僕に声を掛けたツインテールの女の子。最初に出会った時には、じっと演奏する僕のことを
見つめられたっけ。そして、ミスタッチをした途端に……

子供『こうやって弾くんだよっ!』

流麗な旋律を奏でてくれたのだった。

男(よし、今日は空いてる)

僕がたどり着いたのは幹線道路の道の駅だ。観光シーズンであれば、必ず遅くまで開いているのだけれど、
冬から春へと移り変わる中途半端なこの季節では、時折早仕舞をしてしまうのだった。

男(そーっと……そーっと……)

どうせばれるし、ばれたところでお咎めはないのだけれど、誰に見つかるかによって面倒の度合いが違う。
できるだけ、穏便に事が進む相手を探すため周囲を見渡す。

女「きゃー泥棒よー!」

男「え?どこ!?」

女「あんたよ、馬鹿」

男「あいたっ」

よりによって、一番面倒な相手に見つかってしまった。

男「泥棒だなんてひどいじゃないか。僕はただ、少し暖かい寝床を探して辿り着いただけなのに」

女「じゃあ、宿泊代をいただきます」

男「すいません。僕は泥棒ということで結構です」

女「あんたはどうして家があるのにうちに来るのよもう」

男「いやあ、女に会いたくなってね」

女「えっと、警察ですか?強盗と痴漢を犯した犯罪者が目の前に……」

男「刑務所って快適かな?ピアノはあるかな?」

女「全く狼狽えてくれないっていうのも、非常にツマラナイわね」

男「溜息をつくと幸せが逃げるよ?」

女「あんたが帰れば幸せよ」

男「申し訳ございません」

晩御飯。

女「まあどうせあんたが私を幸せにしてくれる訳なんてないんだから……」

男「じゃあいつも通りお世話になります」

女「あんたのその泊めてもらって当たり前って態度が滅茶苦茶むかつく」

男「い、いや……そんなことない……ですよ?」

女「……はあ。それじゃあ、シャッター降ろしてね」

男「……布団は?」

女「そこの熊の剥製に抱きついて寝なさいよ」

そう言って女は店舗奥の居住スペースに向かってしまった。入り口のドアの鍵まで掛けて。
女じゃなくて、女のお母さんに見つかっていれば、今頃僕は布団の温もりに包まれていただろうに。

男(寝床を得られただけ、良しとしよう)

男「おやすみ、剥製くん」

魂を抜かれた剥製は何も答えはしなかった。

────────────────────

目が覚めるといつも通り通用口から脱出する。
何度目かに寝床を借りた時に、鍵をポストに入れてくれれば勝手に出て行ってくれて良いと
女のお母さんに言われたのだった。僕は少し早起きが過ぎるらしい。

外はまだ薄暗く僕以外に目覚めていそうなのは、新聞配達員と小鳥だけのような気がする。
世界を独占している心地さえする。

僕が朝を過ごす定位置となっている公園のベンチに腰掛けて、両手に息を吹きかける。
尻尾だけが白く濁る息に、微かな冬の匂いを感じる。
握って開いて……少しだけぎこちない。

男(やっぱり、寒いなあ……)

それでもじっと僕は身を縮めながら、公園のベンチに座り続けるのだった。

男「おはようございます」

男「おはようございます」

男「おはようございます」

少しずつ増えてきたランナーに一応挨拶をしてみるけれど、ほとんど返事は返ってこない。
耳に挿したイヤホンのせいだと思いたいけれど、毎朝のようにベンチに座っている僕のことを
不審がっているのだろうと思う。

男(そろそろ変えなきゃだめかな。緑が多くて心地良かったのに……)

新しい居場所を探すのはなかなかに骨が折れる。

店長「おう、男。今日ははえーな」

男「不本意ながら」

店長「また居場所が無くなったか?まあ、入れ入れ」

男「お邪魔します」

結局昨日に引続き店長のところにお世話になる。
店長が経営しているのは小さな小さな街の電気屋さん。
店長と言っても、二人しか店員はいないけれど。

店長「どうせお前朝飯食ってないんだろ?ほら、食えよ」

男「……いただきます」

僕は知っている。澱みなく笑う店長が誰のために二人分の朝食を用意しているか。
少しだけ冷たくなった朝食が何だか切なかった。

店長「あー食った食った。お前今日も弾くか?」

男「ごちそうさまでした。ええ、弾きます」

店長「そうか。わかった」

男「開店準備手伝います」

店長「おう、悪いな」

開店準備も手慣れたものだ。最近はいつも出勤前に準備が終わっているものだから、
店長は店員さんに

店員『これ私クビを覚悟する時が来ましたかね?』

と満面の笑みで聞かれたと嘆いていた。

ひと通りの準備が終わって、一番最後に僕の相棒を引っ張りだす。
日に焼けて、薄茶色になってしまった古い古いアップライトの電子ピアノ。
楽器に詳しい人が見ればすぐにわかるような高級モデル。
ボロボロになってしまってはいるが、音はとても素晴らしい。

ちなみに店長曰く、
店長『そいつはまだ売り物だからな。売れた時は諦めろよ』

と言うことらしい。とはいえ僕がこの相棒を弾くようになってから、
一度も値札を付けているのを見たことは無いし、
仮に付いていたとしても誰一人見向きもしないだろう。

僕とそっくりな相棒をそっと撫でてから、今日も僕は演奏を始める。
一音一音確かめるようにゆっくりと……。

店長「……珍しいな。お前がいつもと違う曲を弾くなんて」

男「そういう気分だったんですよ。幸いまだお客さんは来ていませんから」

店長「いつもと違う曲だから、ミスばっかりだったけどな」

男「こういう曲だってことにしてください」

店長「ははは、仕方ないな」

そう言って店長は店舗の奥へ歩いて行く。今日はフランスの作曲家が作った
細々した旋律のパヴァーヌを弾きたい気分だったのだ。
和音を省略しながら、ぎこちなく旋律を響かせる。

少女「お兄さん今日も弾いてるんだね」

男「やあ、下手くそだけれどね」

気まぐれが終わりいつも通りの曲のローテーションに戻った辺りで
少女がやってきた。

少女「相変わらず同じ曲ばっかりなんだね」

男「そうだね。今朝は珍しく違う曲を弾いたんだけどね」

少女「えー!弾いてよー弾いてよー!」

男「誰も聞いてないから弾いたんだよ。ごめんね」

少女「ぶー。けち」

男「けちで結構」

少女「大事なこと教えてあげようかと思ったけど、けちんぼのお兄さんには教えなーい」

男「え?大事なことって何さ?」

思わず手を止めてしまう。

少女「うーるーさーいー。もう……。あっ、そうだ!お兄さん。そのピアノ弾かせて!」

男「いいけれど……」

得意げな表情を浮かべて少女は旋律を奏でる。
……この曲は……。
誰もが知っている第一主題を奏でて、中間部に入る所で少女は手を止めた。

少女「……これでわかったでしょ……けちんぼのお兄さんっ!」

男「……うん。わかったよ。今度はその続きも弾けるようになってきてね」

少女「私より下手くそなのに生意気!ばーかっ!」

男「うん、馬鹿だよ。それじゃあね」

少女は途中から涙を浮かべながら僕を睨みつけていた。
お母さんに手を引かれながら歩いて行く姿はとても小さく見えた。

男「……引っ越しちゃうんですね」

店長「あー……そうだな。あそこの家は俺のお店に世話になったからって、わざわざ引越し先で
   使う家電をうちで買ってくれようとしてたんだよ。色々うちに在庫が無いものも多くて、
   何回もうちに来てたんだ」

良スレ

男(寂しくなるなあ)

女の子が弾いた別れのエチュードを反芻するように弾いてみる。
僕も女の子と同じ所で手が動かなくなってしまった。

男(練習してみようかな)

それでもきっと僕は弾けないままだろう。
そして女の子が下手くそな僕を笑って、

少女『お兄さん、下手くそだね』

あのパッセージを華麗に弾いてくれるならそれも良いと思う。

店長「男。今日はそろそろ閉めるぞ」

男「はい。わかりました」

店長「今日は……まあ泊まっていけよ」

男「……不本意ながら」

店長「ははは、不本意ながら泊まっていただけて大変光栄でございます」

男「……」

いつもは絶対に言わない一言がとてもありがたかった。
さようなら僕の小さな聴衆さん。
いつかまた逢えますように。

店長「しかし今日は珍しかったな」

男「何がです?」

店長「お前がいつもと違う曲を2曲も弾いただろ?」

男「……たまにはそういうこともあります」

店長「まあどうでもいいけどよ。何か良くないことでも起きるんじゃないかと思っちまうわ」

男「……」

店長「……ま、風呂入って寝ろよ。明日もまた弾くんだろ?」

男「ええ」

重たい空気から逃げるように僕は風呂へと向かった。

できるだけゆっくりと、壊れ物を扱うように自らの身体を洗って
浴室から出る。

男(もう眠っていると良いけれど)

淡い期待を抱いて食卓に戻ると、酔っ払った店長が食卓に突っ伏して眠っていた。
重石が落ちたように安堵が体中にこみ上げる。

本当ならば抱きかかえて寝室へと運びたいところだけれど、僕の身体では無理だろう。
せめてもの気持ちとして、ブランケットを背中に掛ける。

店長「……め……」

耳を傾けるなと不協和音のような警告が頭に響いた。
それでも、僕は口元へ耳を近づけていた。

店長「……娘……」

男「……」

僕が食べてしまった朝食を食べるべき人。
店長が未だに待ち続けている人。
そして、僕の相棒のパートナーとなるべきだった人。

店長「……ごめんなぁ……ごめんなぁ……」

僕はこみ上げる罪悪感に耐え切れずに、
寝室へと逃げ込んだ。

────────────────────

翌朝、朝食を食べる店長はいつもと変わらなかった。
僕もできるだけいつも通りでいられるように努めた。

朝の準備を終えて、相棒を引っ張りだした所で、
珍しく店長が僕の近くに腰掛けた。くたびれた丸椅子が可哀想だ。

男「何ですか?下手くそって笑いたくなったんですか?」

店長「お前の場合は下手くそすぎて笑えねえからなあ……」

男「口の悪い聴衆に聴かせるピアノはありません」

店長「まあまあ、そうカッカしなさんなって。……昨日の朝の曲、もう一回弾いてくれないか?」

先ほどまでのおちゃらけた雰囲気はどこへやら、僕を見つめる真剣な眼差しにたじろぐ。

男「……いいですけど……。下手くそですよ?」

店長「道化はいいから。弾いてくれ」

そう言って店長は頭を下げた。

休憩。

>>19
コメントありがとうございます。
のんびりではございますが、ちまちま書いて参ります。
深夜までには終わらせる心づもりです。

大きく息を吸い込んで初めの一音を慎重に打鍵する。
強弱記号に指示されているよりも更に弱く、それでいて確かな音が響くように。

下手くそな僕がそんなことを考えても、あっという間に破綻してしまうことは
目に見えていたけれど、僕の身体へのせめてもの抵抗だ。

ゆっくりと暗がりの階段を登るように、手探りでドアノブを探すように
蜘蛛の糸のような細く強い旋律を奏でる。

隣に座るたった一人と……もう一人に届くように。

ぎこちないアルペジオを経て、何音か抜けた最後の和音を響かせる。
沢山のミスタッチも、省いた和音も気にならなかった。

余韻と言うには烏滸がましいけれど、妙な満足感に浸りながら
僕は店長に目を向けた。

呆けた様子の店長は僕の視線に気づいて、

店長「相変わらずへったくそだなあお前は!」

そう言って僕の背中を強く叩いた。

店長「はは、強く叩きすぎたな。悪い悪い」

店の奥に下がっていく背中はいつもより丸まっていた。
僕は背中に残るじぃんとした痛みを感じながら、
涙が浮かんだ店長の目を思い出していた。

店長が店の奥に戻ってしまって、僕の演奏を聴く人は誰もいなくなった。
後はいつも通りの曲のローテーションに戻るだけだった。

ローテーションに入ってすぐに店員さんが出勤してきたけれど、
僕には目もくれず、お店の中に入っていってしまった。

それだって、いつも通りのことなのだ。
何も気にすることなんかない……。

僕の中のエゴイズムが騒ぐのを無視するために、いつもより少しだけ打鍵が
強くなったような気がした。

店員「じゃあお先失礼しますね」

店長「おう、お疲れさん」

その会話を聞いて、ようやく夕方になったことに気がついた。
没頭すると時が経つのを忘れてしまう。例えそれが単純作業だとしても。

男「店長それじゃあ片付け始めますね」

店長「待て男」

男「はい?」

店長「今日は夜中まで店を開けてよう。理由は聞くな」

男「……別にいいですけれど」

店長の気まぐれは時々あることだから、全く僕は気にしなかった。

お店を開けたまま食べる夕食の席で、珍しく店長は無言だった。
いつもの銀色の缶ビールではなく、ウイスキーを煽っていた。

僕は食事を終わった途端に相棒を弾き始める。
ヘッドホンから音を出すようにして、変わらないローテーションを始める。

1曲弾き終わるごとに、街の静けさがヘッドホンの隙間から入り込んできて
目を瞑ると五感が全て失われてしまったような錯覚を覚える。

そして、最初の打鍵によって触覚と聴覚だけが取り戻される。
研ぎ澄まされた感覚で奏でる下手くそなピアノは自分の演奏ながら
とても滑稽でつい、笑い出してしまいそうになる。

店長「おう、じゃあ……店じまいに……すっかあ……」

また僕は時間を忘れていたらしい。
辺りを見回せば、どの家にも明かりは灯っていなかった。

男「店長飲み過ぎですよ。座っててください」

朝に座っていたくたびれた丸椅子に店長を座らせようとしたところで、
店長の肩越しに女性の姿を見つけた。

?「相変わらず、飲み過ぎてるんだね」

男「いえ、そんなことないですよ。珍しいです」

店長の名誉のために、しっかりと抗弁しておく。
僕が知るかぎり、昨日と今日ぐらいだ。店長がお酒に飲まれているのは。

?「それじゃあ、少しは変わったんですかね」

男「……はあ?僕は昔のことはあまり知らないので……」

店長「男ぉ……お前誰と喋ってるんだあ……?」

男「……えーっと……」

誰とと言われても、初対面の女性に関して僕が説明できる情報など
無いに等しい。

?「あー、大丈夫大丈夫。今見える所に行きますから」

男「じゃあ、お願いします」

店長「あーん……?」

俯いたままの店長の目の前で女性は足を止めた。

そして、店長の首のあたりを両手で掴み、強引に顔を上げさせた。

?「ただいまっ!」

店長「……は?」

?「だから、ただいまって言ってんの!返事は?」

店長「だって……お前!」

?「ひどいなあ、君もそう思わない?折角実の娘が10年ぶりに帰ってきたって言うのに……」

男「店長、おかえりですよ」

店長「……ああっ。ああっ……おかえり……娘っ」

娘「ただいま。お父さん」

くたびれた椅子に座って、泣きじゃくりながら娘を抱きしめる店長は
よっぽど娘さんよりも子供に見えた。

店長「お前がラヴェルなんかを弾くからだ!」

娘「はいはい、親子が再会できるきっかけを作った恩人になんてこと言うの!それよりも、具合悪いならさっさと
  トイレにでも行って吐いてきなさいっ!」

10年間という年月さえも、親子という繋がりをもってすれば、些細な隔たりなのかもしれない。
気の置けない二人の会話を聞いているとそう考えずにはいられない。

店長「うっ……やばいっ!トイレ……!」

娘「あーあーあー……」

男「今日は珍しくウイスキーを飲んでたので、きっと今更具合悪くなっちゃったんですよ」

娘「あははは、お父さんらしいや」

男「詳しくは聞いていないですけれど、10年もどうして帰っていなかったんですか?」

僕が知っているのは娘さんが家を出て、帰っていないという事実と
僕の相棒に関する話だけだ。

娘「あー……そうだったんだ。私のお母さんが死んじゃった時にね、喧嘩したの。お父さんと」

男「……」

娘「続けるね。喧嘩の内容なんて、どうでも良い事。そして、どうしようも無い事だったの。お母さんが
  事故に遭ったって連絡を受けた時、私はすぐに学校から病院に向かった。だけど、お父さんはお店を
  急に閉めるわけにいかないって、閉店時間になるまで病院に来なかったの」

そこで娘さんは大きく深呼吸をした。
未だに背負い続けているのだろう。その時起きたことを。きっとそれは店長も同じだ。

娘「お母さんね、ずっと病院でお父さんのことを呼んでたの。本当におしどり夫婦だったから。時々お父
  さんがお酒を飲み過ぎても、優しくお母さんが面倒を見てあげて……。本当に幸せそうで、私にとっ
  てずぅっと憧れの二人だったの」

娘「でも、お父さんは間に合わなかった。お母さんがずっと呼んでいたのに間に合わなかった。その時私
  は、どうしてもそれが許せなくって……」

そう言った途端、娘さんの瞳から堰を切ったように
涙が溢れだした。声をあげることなく、僕から目を逸らすことなく、それでも涙は溢れていた。

店長「娘は本当に馬鹿だな」

男「……店長」

娘「お父さん!なんでっ!?」

娘さんは慌てて涙を拭っているけれど、涙が止まる気配はない。

店長「あの時、娘に罵られたのはきつかったよ。家を出て行かれたのもそうだ。……まあ酒に溺れた俺が
   悪いんだけどな」

そう言って店長は頭を掻いた。

娘「いや、あたしだって!」

店長「いいんだよ。どうせ俺も娘も10年間も会えなかったのはただ、意地張ってただけだろ?別に、そ
   んときの喧嘩の内容とか、言った言葉とかが大事じゃなくて、どっちかが先に折れたらすぐ元通り
   になれたようなことだったろ?」

娘「……」

店長「本当は俺がすぐに娘に連絡をすれば良かったんだよ。それが、いつまで経っても怖くてできなくて
   ……。それで気づいたら、10年も経ってた。本当にごめんな」

そう言って店長は娘さんを抱きしめた。

娘「お父さん、私こそごめん……ごめん……」

僕はここに居ないほうが良いだろう。そう悟った僕は
道の駅で身につけた忍び足で、どうにかこれから二人が暮らすであろう
家を離れるのだった。

僕が公園で凍えながら一夜を明かし、忘れ物に気づいて
店長の店に戻ると、

店長「すまんっ!」

開口一番に謝られてしまった。

男「……えっと……?」

店長「お前どうせ昨日公園で過ごしたんだろ?夜も遅かったし、いつもの道の駅は閉まってただろうし……」

男「ああ、大丈夫ですよ。慣れたものですから」

店長「それでもすまん!」

男「何ですか?気持ち悪いですよ。もっと下手くそだとか外がお似合いだとかそういう言葉を……」

店長「そんな事言えねえよ。お前は俺と娘が会えるきっかけを作った恩人だからな」

男「殊勝な店長は気持ち悪いですね」

店長「……お前は人が下手に出ればすぐこれだよ。……まあいいや。俺が娘と会えたのはな、お前のラヴェルの
   おかげなんだ」

店長「何の気の迷いだったのかは知らないが、お前がラヴェルを弾いて、あの女の子がショパンを弾いて、
   急に怖くなったんだ。娘が二度と会えないどこか遠くに行ってしまうんじゃないかって」

男「……」

店長「それに……お母さんが死んでちょうど10年だったからな。ようやく俺も、娘に連絡してみようと
   そう、思えたんだ。ありがとう」

男「……一歩踏み出したのは、店長ですから。にしても、どうやって連絡を?」

店長「それは……」

娘「私の卒業アルバム引っ張り出してきて、同級生に片っ端から連絡してたみたいよ」

男「あ、おはようございます」

娘「おはよう!……おかげさまで、ストーカー被害を心配するメールがどっさりよもう」

店長「娘!それは言わない約束じゃねえか!」

娘「いーじゃん!どうせいつかばれるよ。ねえ?」

男「ははは、それもそうですね」

店長「何だよもう……俺の威厳が……」

娘「元々そんなの無いっての……」

そう言って店の奥に引っ込んでしまった店長は心底しょぼくれていた。

男「それはそうと、店長からは何て連絡があったんですか?」

娘「あー……無言電話よ無言電話。何にもなし」

男「じゃあなんでここに?」

娘「君の演奏のおかげよ」

男「え?」

娘「電話越しにピアノの音が聞こえたの。懐かしい音」

男「でも、このピアノは弾いてないんじゃ?」

そう、店長が娘さんとの仲直りのために買った僕の相棒は
その目的を果たしてはいないはずなのに。

娘「私だって……寂しかったから何度かこの家の近くには来てたのよ?見つからないようにしてたけど……。
  そしたら、あのピアノの音が聞こえて……」

男「……誰が弾いてたんですか?」

娘「……お父さんよ。すっごい下手くそで笑えちゃったけど、すっごい練習してたみたい」

男「その時に弾いていたのは?」

娘「きらきら星。しかも連弾用の」

男「……似合わないですね」

娘「ほんとね。でもいつかあのピアノでお父さんと連弾してみたいかな」

男「きっとまた泣きますよ」

娘「あはは。間違いないね」

男「じゃあ、僕はそろそろ行きますね」

娘「うん。ありがとう。下手くそのピアニストさん」

男「やっぱり父娘ですね。口が悪い」

娘「君ほどじゃあ無いかな」

そう言って笑う顔は驚くほど瓜二つだった。

休憩、第二弾。

ちょっとピアノ練習するか…

僕はきらきら星の練習を続ける店長を想像して、ぴったりと今の僕に重ねあわせてみた。
ほとんど違いはないと思う。ただ、一つだけ違うのはその練習が誰かのためなのか、
自分のためなのかという事だけだと思う。

また一つ居場所を無くした僕に残された居場所は少ない。
片手で足りるどころの騒ぎではない。
実質三択だ。

道の駅か公園か実家か。

道の駅には昼間から行くわけにはいかない。接客で忙しいところを邪魔できないからだ。
泊まるのはいいのかと訊ねる意地悪な人が僕の数少ない交友関係の中に居ないのが幸いだ。

公園を利用するのはできれば朝だけにしたい。昼間も居着いてしまえば、いずれ警察に
通報が入ってしまうかもしれない。

そうなると……実家だ。僕にとって最も居心地の悪い居場所だ。

実家に帰るのは何ヶ月ぶりだろうか。誰もいないタイミングを見計らって
忍びこむように寄ることはあったけれど、滞在時間なんてほとんどなかった。

さすがに今回はそうも言ってられない。少なくとも昼間の間は、
この居心地の悪い居場所で、呼吸を殺さなくてはならないのだ。

覚悟を決めてドアを開ける。

男「……ただいま」

誰にも聞こえないような声で呟いた。
自分の声とは思えなかった。

忍び足で階段を登る。
後数段……という所で、階段が大きく軋んだ。

母「誰ー?男なのー?」

こうなってしまっては仕方がない。
僕は努めて冷静に声をあげる。

男「ただいま帰りました」

リビングに入ると同時に母は捲し立てるように
喋り出す。

母「あら!おかえりなさい!大丈夫?元気にしてた?風邪とか引いてない?」

男「大丈夫ですよお母さん。僕は元気です」

母「あらあら!良かった!今夜はごちそうね」

男「いえ、夜にはまた出ます」

母「あら、そうなの!そうよね、年頃だものね。色々あるわよね」

男「では、部屋で休みます」

母「そう!わかったわ!何かあったら何でも言ってね?」

男「ええ、ありがとうございます」

リビングを出て、一目散に自室へ向かう。
寝よう、寝てしまおう。そう決意してベッドに潜り込む。
やたらと整理された部屋は、もはや僕の自室とは思えないものだった。

僕が思っていたよりも身体に疲れが溜まっていたらしく、
目が覚めた時にはもう静けさが辺りを包み込んでいた。

時計を確認するとまだ、ぎりぎり道の駅がやっている可能性のある時間だった。

登るときに軋んだ段を飛ばして、階段を降りる。
出来るだけ音を立てぬように家を出て、追手から逃げるような勢いで
走りだす。

肺が痛くなるのも構わず、足がもつれるのも構わず、
ただ、道の駅を目指して僕は駆けていく。
度々、クラクションを鳴らされながらも、どうにか怪我一つなく
道の駅までたどり着くと、ちょうど女がシャッターを閉めようとしているところだった。

女「あんた……どうしたのそれ?」

男「……はあはあ……」

女「もやしの癖に走るから……まあいいや、入りなよ」

男「……はあはあ……」

僕が呼吸を整えるのを女は静かに待ってくれていた。
女の言うとおり、もやしである僕が生きも絶え絶えに
登場するなんて大事件なのだから当然なのかもしれない。

女「……だいぶ落ち着いた?」

男「……水……」

女「あーはいはい、待ってなさい」

……親切にしてもらって非常に申し訳ないのだけれど、
優しい女って、とてつもなく気持ち悪い。

女「ほれ、飲みなよ」

男「ありがとう」

一息に水を飲み干して、ようやく一息つくことができた。

女「で、どうだったの?実家は」

昔馴染みというのも良い事ばかりではない。
全てお見通しというのはなかなかに世知辛い。

男「どうって……いつも通りだよ。何重に仮面を被った母さんが出迎えて、居た堪れなくなって逃げてきた」

女「……」

仕方のない事なのだ。わかっている。だからこそ、どうしようもない。

僕は、将来を嘱望されたピアニスト……正確にはピアニストの卵だった。
色々なコンクールに出て、当たり前のように優勝して、難しい曲だって何でも弾ける、
そう思っていた。

父と母も僕のことを大いに応援してくれていて、時に厳しく、時に優しく僕のことを
育ててくれていた。

上手に弾けた時に、父と母から身体が痛くなるくらいに抱きしめられるのが嬉しくて
僕は繰り返し、繰り返し、難曲と言われる曲達を練習し、弾きこなしてきたのだった。

その喜びは、3才の時にモーツァルト最初のメヌエットを弾いた時から、ずっとずっと
変わらない喜びだった。

けれども、いくら繰り返し、繰り返し僕が練習を重ねても弾けそうにもない難曲というのが
この世には沢山あって、少しずつ褒めてもらえることが減っていった。
観客からの喝采は飽きるほどに浴びることができていたのに。

母『もっと頑張れるよ男なら!』

父『大丈夫、やればできるさ!』

また、褒めてもらいたくて僕は練習を続ける。それでも間違えてしまうところがどうしてもある。
そんな日々が続いていた。

ある日、僕はピアノのレッスンの最中にうまく弾けないことに苛立って、
癇癪を起こしてしまった。

講師からの連絡を受けた慌てて母が駆けつけて、見慣れない僕の姿を見て、こう言った。

母『辛いならピアノ止めてもいいのよ?』

僕には、その言葉がとてもショックだった。

男『お母さんとお父さんに喜んでもらいたくてここまで頑張ってきたのに!
折角、こんなに沢山練習してきたのに!
こんな一回きりの事で止めても良いなんて言わないでよっ!』

そう言って、僕はレッスンルームを飛び出した。
程なくして僕は……。

【ドンッ!!】

「おいっ!轢かれたぞ!大丈夫かっ!」

「やだっ!子供じゃないっ!救急車!救急車!」

薄れゆく意識の中で僕が思ったのは、帰ったら練習しなきゃ……。
そんなことだった。

そして今の僕は、道の駅の剥製のように。古ぼけたあのアップライトピアノのように……。
ひたすらに始まりのメヌエットを弾くだけになってしまった。

そして、母と父も壊れてしまった。
僕の事故をきっかけに父は家に帰るのが遅くなり、母は僕に気を遣いすぎて……
もはや、他人になってしまった。

全て、僕が原因なのだ。そして、もう直すことはできないのだ。

女「あんた、いい加減前に進んだらどうなの?」

男「前に進むったって……どうしようもないよ」

努めて冷静に言おうとしても、声が震えているのが自分でもよく分かる。

女「だって、あんたはいつまで経ってもピアノに囚われてる。なんでピアノにあんたの人生まで変えられなきゃ
  いけないの?」

男「仕方ないだろ!僕にはピアノしか無いんだ。手がうまく動かなくたって、僕にはピアノしか無いんだよ!」

握って開いて、そんな動作もぎこちないこの手が本当に嫌になる。

女「ピアノしか無いって言うなら、どうしていつまで経っても逃げてるの?いつまでも、あの小さなお店で5才
  のモーツァルトが作った曲を弾いて、それに何の意味があるの!?」

男「意味なんて無いよ!……でも……どうしたらいいのかわからないんだよ。何をしたいのか自分でもわからな
  いんだよ……」

嗚咽が漏れないようにするので精一杯だった。僕も……見失ってしまったのだ。
メヌエットを弾くことだけが目的のようになって、何のために弾いていたのかを……。

重苦しい沈黙を破るように女が口を開いた。

女「店長さんから聞いたよ。すごい久しぶりにメヌエット以外の曲を弾いたんだってね。店長さんと女の
  子のために」

男「……」

女「店長さん、喜んでたよ。あいつも一歩前に進んだのかもなって。後、俺も前に進まなきゃなって」

男「……」

女「それとね、店長さんこう言ってた。男はピアニストだって。人に音楽を聴いてもらって喜ばれるのが
  大好きなんだって」

男「……」

女「ねえ男。もう練習はいいんじゃない?男なら大丈夫だよ。メヌエット、聴かせてあげようよ」

男「でも……手が……」

女「そんな弱音は吐かない。何より、店長さんと女の子に失礼でしょ?演奏者がだめだって思っている演
  奏で感動した馬鹿だぞって思われるんだよ?」

男「……」

女「男、大丈夫。男なら出来るよ。あたしが保証する」

男「……わかった」

女「……!よし、じゃあ今からやるよっ!」

男「ちょっと!心の準備ってもんが……!」

女「うるさいよ!誰よりも下手くそなピアニストに準備なんて要りませんっ!」

そう言って僕の手を引く女はとても嬉しそうだった。

手を引かれるがまま、僕は店長のお店に連れて行かれ、
女といくつか言葉を交わした店長によってタキシードに着替えされられていた。

着慣れない服に居心地の悪さを感じながらも、相棒の前に座って女が帰ってくるのを待つ。

店長「……やっとお前も前に進むんだな」

男「……何も変わらないかもしれないですよ」

店長「卑屈なお前ほど気持ち悪い人間はいないな」

娘「お父さん口縫い付けるよ?」

店長「おお、こわっ」

わざとおどけてくれているのがわかる。
僕が緊張しているのを見越してのことだ。

幾ばくか緊張がほぐれたおかげで少しだけ周囲を見る余裕が生まれていた。
日焼けしてぼろぼろの僕の相棒を慈しむように撫でる。
本当に僕とお前は似たもの同士だな……。
少しだけ、力を貸してくれるかな……。

女「男っ!連れてきたよ!」

母「……男……」

父「……男お前……ピアノは……」

男「誰よりも下手なピアニストの男です。今日はここにいる皆さんに少しだけ僕の演奏を聴いてもらいたいと
  思います。終わったら沢山下手くそと馬鹿にしてください。それでは、演奏します……」

男「モーツァルトでメヌエット」

http://www.youtube.com/watch?v=7UcokDiBdgE

簡単なこの曲を慈しむように奏でる。3才の僕が奏でて褒められたメヌエットを。
多少のミスタッチは気にしない。響いてくれればいい。歌ってくれればいい。

僅か1分と少しのこの曲をこの場所にいる幾人かに届けられればいい。

とても長く感じる。何度も弾いてきた、目を瞑っていたって弾けるような曲なのに。
フィーネが来ないで欲しい。同じ旋律を延々と弾き続けていたい。

そうすれば変わらずにいられる。貶されてどん底に落ちる必要もない。
そんな考えが頭に浮かぶ。

それでも、前に進まなくてはならないのだ。この簡単な曲を、動かない手で弾きこなして、
僕は、あの事故を乗り越えなくてはならない……。

最後の一音が目の前に迫ってくる。後少し、あと少しで終わる。

……僕の手が最後の鍵盤を押さえている。これを離してしまえば、
全てが終わってしまう。どうしようもなく怖い。見捨てられてしまうのがとても怖い。

このまま離さずにいたい……。
そう思った途端、背中に衝撃を受ける。

女「男っ!!!よく頑張ったねっ!!!」

男「……はは……」

気の抜けた笑いが漏れる。本当の演奏会ならあるまじき事だ。
それでも……とてもありがたい。とてもありがたい……。

女が離れてから振り返ると、音が出ているのかわからない程度ではあったけれど、
お母さんとお父さんが拍手をしていた。

女「ほら、行きなよ」

女に促され、二人の前に立つ。

母「……男、よく頑張ったわね。上手だったわ」

父「男、お前は凄いよ。ずっとピアニストだ。俺たちの誇りだ」

男「お母さん、お父さん……。ありがとう」

溢れ出る涙を堪え切れずに、僕はそれこそ3才の子供のように二人の腕の中で
泣きじゃくってしまった……。

────────────────────

エピローグ

女「ほんと良かったよね。無事元通りになれて」

男「うるさいなー。もういいだろ?それは……」

女「そうはいきませんよー。泣きじゃくる男なんて貴重な姿を見れたんだから!」

男「って、女を含めてあの場に居た人みんな泣いてただろ!」

女「そんなことはありませんよー!」

男「……ったく。……まあいっか。そうだ女、今日店長のところ行かないか?」

女「え?今日も弾くの?」

男「あー、うん。弾く」

女「何弾くのー?教えてよー!」

男「うるさいなー。着いてからのお楽しみだよ」

http://www.youtube.com/watch?v=pcLn5yr8Ko0

────────────────────
fine

http://www.youtube.com/watch?v=U0uK_AFwF0g
ラヴェル……亡き王女のためのパヴァーヌ

http://www.youtube.com/watch?v=SV-N0bhzkC8
ショパン……エチュード10-3 別れの曲

こんな具合でお終いです。
特にプロットもなく思いつくままに書いてみましたが、
楽しく書くことができました。ありがとうございました。

惜しむらくは、大好きなショパンの曲をあまり登場させられなかったことでしょうか。
機会がありましたら、是非クラシック音楽にもちょろっと手を伸ばしていただけると幸いです。
それでは、お目汚し失礼いたしました。

追記。

>>43
コメントへの返信が遅くなり申し訳ありません。
ピアノいいですよね。昔習っていましたが今は
まぁーったく弾けません。

弾けないどころか、楽譜はオタマジャクシの乱舞にしか見えない
有り様です。

老後とかにもう一度ゆっくり習ってみたいものです。

乙です。とても綺麗で引き込まれる物語でした!

ピアノは私も同時に片手しか動かないです。
ト音記号を左手で、右手で交互に弾く以外両手は使いません。

右手に、左手のヘ音記号の楽譜部分を合わせるのなんか厳しすぎてもう………


ペツォールトのメヌエットなら昔弾けたんだが今はどうだか

皆様コメントありがとうございます。

>>64
とても嬉しいコメントありがとうございます。
綺麗なんて、最大限の褒め言葉ありがとうございます。

これからもたまぁに物書きをしていきたいと思いますので
よろしくお願い致します。

>>65
ピアノは本当に難しいですよね。
上手な方の演奏を聴いてしまうと虚しささえこみあげてくるレベルです。

それでも自分で弾いてみたいと思わせる不思議な魅力が
ピアノには沢山詰まっている気がします。

>>66
世界で最も有名なメヌエットかもしれませんね。

音の一つ一つが瑞々しい曲で、小さな子どもが弾いていると
一層瑞々しさが際立って、思わず笑顔になれる気がします。

小さい頃はまだ、バッハの作品だと言われていた時期だったような
気がしますね。

それでは皆様ありがとうございました。

見なおしてみると一人称が変わってたり、名前が統一されていなかったり、
ちょろちょろっとやらかしていましたが、そんなもんかなと思います。

html化の依頼を出しますので、またお会いした際にはよろしくお願い致します。

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