曜「4月のフール」 (55)

少し遅れましたがエイプリルフールを題材にしたssです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522853948

梨子「ねえ曜ちゃん」

曜「なに?」

梨子「いつ千歌ちゃんに告白するの?」

曜「な?!///」

曜「な,なななーにを言ってるのかな梨子ちゃんは?///」

曜「わ,私が千歌ちゃんに告白?///」

曜「どうして私が?///」

梨子「だって曜ちゃん,千歌ちゃんのこと好きでしょ?」

曜「」

梨子「みんな気づいてるよ?」

曜「……マジ?」

梨子「マジ」

曜「ううううわああああああ!!」ジタバタ

曜「なんで?!どうして知ってるの?」

梨子「いやいや,あれで気づくなって方が無理だよ」

梨子「だって曜ちゃん,千歌ちゃんと話す時だけ顔赤いし」

梨子「すっごく嬉しそうだし」

梨子「なにより目がもう恋する乙女だもん」

曜「ううううおおおおおおおおおお!!」バタバタ

曜「なにそれめっちゃ恥ずかしいやつじゃん!」

梨子「いや~あの曜ちゃん可愛かったなあ~」ニヤニヤ

曜「やめてえええ!!」ゴロンゴロン

曜「……ねえ待って」

梨子「ん?」

曜「千歌ちゃんも?千歌ちゃんにもバレてる?!」

梨子「ううん,千歌ちゃんはたぶん気づいてない」

曜「よかった~」ホッ

梨子「私たちからしたら,何で気づかないのか不思議なんだけどね」

曜「やめて.千歌ちゃんにバレたら死ねる」

曜「プールの水抜いて飛び込みやる」

梨子「変にリアルだからやめて」

曜「まあ冗談だけど……」

梨子「それよりも」

梨子「告白だよ告白」

梨子「しないの?」

曜「……無理だよ」

梨子「どうして?」

曜「だって,成功するわけないもん」

梨子「やってみないとわからないでしょ?」

曜「わかるよ.幼馴染だもん」

梨子「千歌ちゃんも曜ちゃんのこと好きだと思うけどなあ」

梨子「いつも2人でいるし」

曜「千歌ちゃんは誰にでもあんな感じだよ」

曜「人懐っこくて,底抜けに明るくて,いつも前向きで」

曜「私がそこにいるから,自然とそうなってるだけ」

曜「別に梨子ちゃんや果南ちゃんがいたとしても同じだと思うよ」

梨子「そんなことないと思うけど……」

曜「だから私は告白するつもりはありません」

梨子「千歌ちゃんが他の人に取られちゃってもいいの?」

曜「それは……嫌だけど……」

梨子「千歌ちゃん結構人気あると思うよ?」

梨子「明るいし,顔が幼いのにスタイルは悪くないし」

梨子「なんか守ってあげたくなる雰囲気出てるし」

梨子「曜ちゃんが1番わかってるでしょ?」

曜「うん……」

梨子「……じゃあ私が奪っちゃおうかな?」

曜「えっ?梨子ちゃんも千歌ちゃんが好きなの?」

梨子「ううん,違うよ?」

梨子「でも,千歌ちゃんが彼女だったら絶対楽しいとは思うの」

梨子「それに,好かれてる自信はあるし」

梨子(曜ちゃんほどじゃないけど)

曜「だ,ダメだよ!好きじゃないのに告白なんて変だよ!」

梨子「そう?付き合ってから好きになるってパターンもあると思うけど?」

曜「それでもだめ!千歌ちゃんもそうとは限らないし……」

梨子「違うでしょ?」

梨子「私の千歌ちゃんを取らないで,でしょ?」

曜「そ,そんなつもりじゃ……」

梨子「そんなに嫌なら告白すればいいのに」

曜「っ!とにかく!告白なんてダメだからね!」

曜「私はこっちだから!バイバイ梨子ちゃん!」タッタッ

梨子「……はあ」

梨子「私が好きなのは―――

―――――――――
―――――――
―――――

鞠莉「曜,ちょっといい?」

曜「なーに?鞠莉ちゃん」

鞠莉「曜って,ちかっちに告白しないの?」

曜「鞠莉ちゃんもか~」ガクッ

鞠莉「他の人にも言われた?」

曜「梨子ちゃんにね」

鞠莉「え?梨子が?」

曜「うん,この前言われた」

鞠莉(何考えてるのかしらあの子)

鞠莉「それで?なんて答えたの?」

曜「告白はしないって言ったよ」

鞠莉「どうして?」

曜「きっと上手くいかないから」

曜「そしたら梨子ちゃん酷いんだよ?」

曜「じゃあ私が取っちゃおうかなって,好きなわけじゃないのに」

鞠莉(梨子……)

鞠莉「曜の背中を押そうとしたんじゃないの?」

曜「そうかもしれないけど……」

鞠莉「……曜」

鞠莉「自分の気持ちは絶対に伝えるべきよ」

鞠莉「これは先輩からのアドバイス」

曜「なんでそう言い切れるの?」

鞠莉「私がそれで後悔したからよ」

鞠莉「曜だって知ってるでしょ?2年前の私たちのこと」

曜「それは……うん」

鞠莉「あのころの私たちはso foolだったわ」

鞠莉「私も果南もダイヤも」

鞠莉「みんなそれぞれ考えや思いがあったのに,それを伝えようとしなかった」

鞠莉「その結果すれ違って,本当の気持ちに気づかないまま離れ離れになってしまったわ」

鞠莉「その経験をしたから言っているの」

鞠莉「伝えたら後悔しないとは言わないわ」

鞠莉「でも,伝えないで後悔するよりはずっと良いと思う」

曜「鞠莉ちゃん……」

鞠莉「それに,好きな子に真剣に気持ちを伝えるのってso coolだと思わない?」

鞠莉「私は応援するわよ」

曜「……でも怖いよ」

曜「そりゃ告白して,千歌ちゃんも同じ気持ちで,付き合えたら最高だと思う」

曜「でも失敗したら?」

曜「千歌ちゃんに振られたら私,きっと立ち直れない」

曜「そうなるくらいなら,このままの関係でいた方が幸せだよ」

鞠莉「その結果後悔することになっても?」

曜「私は……千歌ちゃんが幸せになるのが1番だから」

鞠莉「……そっか」

鞠莉「曜がそう言うなら,これ以上は何も言わないわ」

曜「うん,ありがとう」

鞠莉「また明日ね」

曜「うん,バイバイ」テクテク

鞠莉「……きっと後悔するわよ」

―――――――――
―――――――
―――――

ブロロロロ

曜「危ない危ない,バス行っちゃうとこだったね」

善子「……曜」

曜「どうしたの?」

善子「早く千歌に告白しなさい」

曜「善子ちゃんまで……」

善子「梨子と鞠莉にも言われたんでしょ,聞いてるわ」

曜「それなら私が告白するつもりがないのも知ってるでしょ?」

善子「ええ,知ってるわ」

曜「じゃあ何で言うのさ」

善子「告白してもらわないと私が困るからよ」

曜「どうして?善子ちゃんには関係ないじゃん!」

善子「関係あるわよ!」

曜「どう関係あるのさ!Aqoursのメンバーだから?!」

善子「違う,そんなんじゃない」

善子「……私も千歌が好きなのよ」

曜「えっ……」

善子「だから,あんたが早く告白してもらわないと困るのよ」

曜「なんで?別に私のことなんか別に放っておけばいいじゃん!」

曜「ライバルが告白しないって言ってるんだよ?チャンスじゃないの?」

善子「チャンスよ!でもそれじゃダメなのよ!」

善子「私は,千歌と付き合いたい気持ちと同じくらい曜に報われて欲しいとも思ってるの」

善子「曜は千歌と幼馴染で,私よりもずっと長く千歌のことが好きだってわかってる」

善子「私と比べものにならないくらい」

善子「だから,最初のチャンスは曜に与えられるべきなのよ」

善子「そうじゃないと私が納得できないの!気持ちよく告白できないのよ!」

曜「善子ちゃん……」

善子「もし意地でも告白しないっていうなら私も腹をくくるけどね」

善子「でもできれば告白して欲しい.曜と千歌が付き合うのなら私も納得できると思うから」

善子「も,もちろん?曜が振られたら私がすぐに千歌を取っちゃうけどね?」

善子「それが嫌ならさっさと告白することね!」

曜「ありがとう……善子ちゃん」

善子「それでどうするの?告白するの?しないの?」

曜「……するよ」

曜「これだけみんなが背中を押してくれてるんだもん」

曜「それに,やっぱり伝えたい気持ちもあるし」

善子「その意気よ.もし振られたら慰めてあげるわ」

曜「はは……そうならないように頑張るよ」

曜「あ,着いた.じゃあね善子ちゃん!本当にありがとう!」テクテク

善子「……頑張るのよ」

―――――――――
―――――――
―――――

曜「……」

曜(やばいやばいやばい)

曜(どうしようどうしよう.緊張で心臓が)

千歌「曜ちゃん?」

曜(なんとか千歌ちゃんを呼び出したけど……)

曜(なんて言えばいいの?素直に好きって言えばいいの?)

曜(それともムードを作るべき?どうやって作るの?)

千歌「おーい?よーちゃーん?」

曜「」ハッ

曜「な,なに?千歌ちゃん」

千歌「やっとこっち見てくれた」

千歌「話があるんでしょ?なに?」

曜「えっと,あのね?」

曜(いやいやいや無理でしょこれ)

曜(え,告白ってこんなに緊張するの?聞いてないんだけど)

千歌「むー!よーちゃん!」

千歌「何もないなら帰っちゃうからね!」

曜「ま,待って!言うから!」

曜(落ち着け……落ち着け……)

曜(大丈夫……きっと大丈夫……)

曜「ふう……よし」

曜「千歌ちゃんあのね」

曜「私,渡辺曜は……」

曜「千歌ちゃんのことが大好きです!」

千歌「え,えええっ///」

曜「私と付き合ってください!!」パッ

曜(わーー!言っちゃったよーー!)

曜(やばいやばい,これってどうなるの)

曜(千歌ちゃんの様子は……)チラッ

千歌「///」ウツムキ

曜(うわ~なんか下向いてる~)

曜(あ,これダメなやつだ)

曜(どうしよどうしよ……なんとかしないと……)

千歌「よ,曜ちゃん!///わ,私もその……曜ちゃんのことが「な,なーんちゃって!」……え?」

曜「ごめん冗談だよ!」

曜「今日はエイプリルフールだからね!ちょっと嘘ついてみたんだ!」

曜「ビックリした?ごめんごめ―――」

千歌「……」ポロポロ

曜「え……」

曜「千歌ちゃん?!何で泣いてるの?!」

千歌「……あ,あれ」ポロポロ

千歌「ごめん……なんでだろ」ポロポロ

千歌「ごめんね?ビックリしたからかな」グシグシ

千歌「そっかーエイプリルフールだったかー」

千歌「全然忘れてたよ~」

千歌「私すっかり騙されちゃった」アハハ

千歌「酷いなあ曜ちゃんは……」

千歌「そうだよね……曜ちゃんが私のこと好きなわけないもんね」

曜「ち,ちがっ―――」

千歌「もー!来年はは騙されないんだからね!」

千歌「次は私が騙すんだから!」

千歌「あ!もうこんな時間!」

千歌「今日家のお手伝いしなきゃだからもう帰るね!」

曜「ま,待って!千歌ちゃ―――」

千歌「バイバイ曜ちゃん!」タッタッ

曜「……」

曜「……私の馬鹿」

――――――――――――

千歌「うぅ……」トボトボ

千歌(そうだよね……私なんか……)

千歌「ちょっと期待しちゃったよ……」

千歌(ぬか喜びして……馬鹿みたい)

千歌「曜ちゃん……好きだったなあ……」ポロポロ

千歌「あはは……また泣けてきちゃった」ポロポロ

千歌「……早く帰ろ」ダッ

ドンッ

??「きゃっ!」ドスッ

千歌「わっ!」ドスッ

千歌「いてて……あれ?」

千歌「善子ちゃん……何してるの?」

善子「千歌じゃない.忘れ物を取りに来たのよ―――って」

善子「なんでそんなに泣いてるのよ.目が真っ赤よ」

千歌「ちょっとね……でも大丈夫」

千歌「気にしないで,私はもう帰るから」スッ

善子「待ちなさいよ」ガッ

善子「そんな状態のあんたを1人にできないわよ」

善子「何があったの?話してみなさい」

千歌「本当に大丈夫だから」

千歌「離して?早く帰らなきゃ」

善子「嫌よ」

善子「あなたの力になりたいの」

善子「辛いことがあったのね……話せば少しは楽になるかもしれないわ」

千歌「善子ちゃん……うわああああん!!」ギュッ

善子「よしよし」ナデナデ

千歌「曜ちゃんがね,曜ちゃんがね」

千歌「……告白してくれたの」

善子「……そっか」

善子(ついに言えたのね)

善子「よかったじゃない.千歌も曜のことが好きなんでしょ?」

千歌「……うん」

善子「なら何で泣いてたのよ.OKしたんじゃないの?」

千歌「……そのつもりだったの」

千歌「私曜ちゃんのこと大好きだから,曜ちゃんも同じ気持ちだったんだってすごく嬉しかった……でもね」

千歌「嘘だって」

善子「……は?」

千歌「エイプリルフールだって.そういえば今日4月1日だもんね」

千歌「告白してビックリさせようとしたんだって」

善子「あんの馬鹿っ!」ギリッ

千歌「曜ちゃんが私なんか好きになってくれるわけないもんね」ポロポロ

千歌「舞い上がっちゃって馬鹿みたいだよね」ポロポロ

千歌「それでいたたまれなくなっちゃって……逃げてきたの」

善子「……千歌」

善子「辛かったわね……可哀想に」

千歌「辛かった……悲しかった……」

善子「私なら千歌にそんな悲しい思いはさせないわ」

千歌「善子ちゃん?」

善子「あのね千歌」

善子「好きです.私と付き合ってください」

―――――――――
―――――――
―――――

鞠莉「はあ?!」

鞠莉「エイプリルフールだってごまかした?!」

曜「はい……」

鞠莉「呆れた!ここまで臆病だとは思わなかった!」

鞠莉「それは1番やっちゃダメなことよ!相手の気持ちを踏みにじったのよ?!」

曜「返す言葉もございません……」

鞠莉「ああ……可哀想にちかっち……」

鞠莉「どれだけ辛かったか……」

曜「で,でも,もし千歌ちゃんが別に私のこと好きじゃなかったなら―――」

鞠莉「そんなわけないじゃない!好きに決まってるわよ!!」

鞠莉「周りから見てても丸わかりだったわ……」

曜「……」

鞠莉「……曜,今すぐちかっちの家に行きなさい」

曜「え?どうして……」

鞠莉「もう1度ちゃんと告白するために決まってるでしょ!」

曜「そんな……今さらそんなことしても」

鞠莉「いいから行くのよ!まだ間に合うかもしれないわ!」

鞠莉「本当にちかっちのことが好きなら,ちかっちのことをちゃんと考えてあげて……」

――――――――――――

曜「はあ……」

曜「とりあえず千歌ちゃんの家の前に来たけど……」

曜(……気が重いなあ)

曜「千歌ちゃんに謝るのと,改めて告白すること」

曜(……1回目より圧倒的にキツイよ)

曜「でも,1番辛いのは千歌ちゃんだもんね……」グッ

ピンポーン  ハーイ  

ガララッ

志満「どちらさまで―――曜ちゃん……」

曜「こんにちは,千歌ちゃんいますか?」

志満「ごめんね,いることはいるんだけど……」

志満「なんか曜ちゃんには会いたくないって言ってるのよ」

曜「そうですか……」

志満「千歌となんかあった?」

曜「ちょっと私が千歌ちゃんを傷つけちゃって」

曜「本当にすみません」

志満「別にいいのよ,喧嘩くらいよくあることだもの」

志満「ただ,申し訳ないけど今日はそっとしておいてあげてくれる?」

曜「……わかりました」

志満「ごめんね?」

曜「いえ,失礼します」ガララッ

曜「ふう……どうしようかな」

曜(ここで帰るのは簡単だけど……そうはいかないよね)

曜「千歌ちゃんの部屋はあそこか……聞こえるといいけど」

スウッ

曜「千歌ちゃん!!千歌ちゃーん!!!」

曜「お願い!!私の話を聞いて!!」

曜「どうしても言わなきゃいけないことがあるの!!謝りたいの!!」

……

曜「ダメか……」

ガララッ

千歌「曜ちゃん?どうしたの?」

曜「千歌ちゃん!」

曜「昼間は本当にごめん!まずはそれを謝りたいの!」

千歌「謝る?何のこと?」

曜「エイプリルフールだって言って告白したこと!」

千歌「あれは曜ちゃん悪くないよ?騙された私が悪いの」

曜「そんなことない!私は千歌ちゃんを傷つけた!」

曜「それにね!私逃げたの!!」

曜「あれ嘘じゃないの!本当に千歌ちゃんのことが好きなの!!」

曜「今さら虫が良いってわかってる!でも!!」

曜「千歌ちゃんさえ良ければ,私と付き合ってください!!!」

千歌「……」

千歌「……ごめん」

曜「……そっか,そうだよね」

千歌「ごめんね……ごめんね曜ちゃん……」グスッ

曜「なんで千歌ちゃんが謝るの?悪いのは私だよ?」

千歌「ううん,違うの……そうじゃないの」

千歌「私もね?曜ちゃんのことが好きなの」

曜「ほんとに?それなら……」

千歌「でもね,ダメなの.もう遅いの」


千歌「私,善子ちゃんと付き合うことになったの」

曜「えっ……」

千歌「あのとき教室から出た後にね,善子ちゃんに会ったの」

千歌「泣いてる私を引き留めて,慰めてくれた.支えてくれた」

千歌「そのときにね,善子ちゃんに告白されたの」

千歌「真剣な目だった.本気で私のことが好きだっていうのが伝わってきた」

千歌「すごく嬉しかった」

千歌「それと同時に思ったの.ああ,私はこんな風に告白されたかったんだなって」

千歌「きっとこの人は私のことを悲しませたりしないだろうなって」

千歌「大切にしてくれるだろうなって」

曜「……」

千歌「……それが曜ちゃんだったら良かったんだけどね」

曜「そんな……」

千歌「ありがとう,謝りに来てくれて」

千歌「ありがとう,ちゃんと告白してくれて」

千歌「曜ちゃん……大好きだったよ?」

曜「千歌ちゃん!待って!」

千歌「これからもずっと友達でいようね……ばいばい」

ガララッ

曜「千歌ちゃ―――」

曜「ああ……あああ……」

曜「あああ!ああああ!!」ポロポロ

曜「ちかちゃ……っ!千歌ちゃん……っ!」ボロボロ

曜「あああああ!!!」ボロボロ

曜「どうして!なんで私は!!」ドンッ

曜「大切な人を傷つけて!!応援してくれた人たちの気持ちを踏みにじって!!」ドンドンッ

曜「好きな人にあんな顔をさせるなんて!!」ドンッ!

曜「どうしてこんなにっ……!馬鹿なんだっ……!」ガリガリッ

曜「本当に……救えない……」






終わり

本当はここで終わりにするつもりだったのですが,一応続きも書きました.
当初の予定ではここで終わりなので,どうしてもこのエンドでは納得いかない方のみ続きをお読みください.

テクテク

梨子「……曜ちゃん?」

梨子「曜ちゃん!どうしたの!こんなにボロボロになって!」バッ

曜「りこ……梨子ちゃ……」

梨子「何があったの!しっかりして!」

曜「私が……私のせいで……」

梨子「とりあえず私の部屋に来て!ほらこっち!」グッ

曜「うう……千歌ちゃん……」ズルズル

――――――――――――

梨子「はいこれ紅茶」スッ

曜「ありがとう」

梨子「ちょっとは落ち着いた?」

曜「うん,心配かけてごめんね?」

梨子「ほんとよ,すっごく心配したんだから」

曜「ごめん……」

梨子「それで?」

曜「ん?」

梨子「何があったの?」

曜「……言わなきゃダメ?」

梨子「どうしても言いたくないっていうなら聞かない」

梨子「でも,曜ちゃんが心配なの.あんな曜ちゃん初めて見たから……」

曜「……わかった,言うよ」

曜「梨子ちゃんも背中を押してくれたもんね」

梨子「それって……」

曜「うん,千歌ちゃんのことだよ」

曜「今日ね,千歌ちゃんに告白したんだ」

梨子「そう……ついにできたのね」

曜「ううん,できなかった」

梨子「え?どういうこと?」

曜「今日ってエイプリルフールでしょ?」

曜「逃げたの私」

曜「告白した後に,嘘だよって」

曜「ほんと馬鹿だよね」

梨子「そんな……」

曜「後からすっごく後悔してね,鞠莉ちゃんに相談しに行ったの」

曜「そしたら,今すぐもう1回ちゃんと告白してきなさいって」

曜「怒られちゃった,当たり前だよね」

曜「最初は迷ったんだけど,やっぱり謝らなきゃダメだと思ったし」

曜「何よりこのまま中途半端じゃ嫌だったから,千歌ちゃん家まで来たの」

梨子「だからあそこにいたのね」

曜「まあ家には入れてもらえなかったんだけどね」

曜「でも諦めるわけにはいかなかったから,下から千歌ちゃんの部屋に向けて叫んだ」

曜「出てきてって,謝りたいからって」

曜「千歌ちゃんは出てきてくれた.正直それだけでも嬉しかった」

曜「ああ,まだ幻滅されたわけじゃないんだって」

梨子「それで?今度はちゃんと言えたの?」

曜「うん,言えたよ」

曜「謝って,改めて告白した」

梨子「それなら―――」

曜「千歌ちゃん,善子ちゃんと付き合うことにしたんだって」

梨子「うそ……」

曜「全部私が悪いの」

曜「最初の告白で誤魔化したりなんかしなければよかった」

曜「あれで全てが狂った」

曜「千歌ちゃんに言われたんだ」



『曜ちゃんだったらよかったのに』

梨子「っ!」

曜「酷いよね私……」ポロポロ

曜「好きな人を傷つけて……そんなセリフを言わせて……」ポロポロ

曜「梨子ちゃん,鞠莉ちゃん,善子ちゃん,みんな応援してくれたのにっ……!」ポロポロ

曜「その気持ちを踏みにじってっ……!なのに!」ポロポロ

曜「それなのに!」

曜「千歌ちゃんと付き合えなかったことを1番悔やんでるっ……!!」ボロボロ

曜「心の奥に善子ちゃんのことを恨んでる自分がいるのっ!!」ボロボロ

曜「悪いのは全部自分なのに!」

梨子「曜ちゃん!」ギュッ

曜「結局私は自分のことしか考えてない!」

曜「好きな人よりも自分が大事で!大切な仲間を恨んだりできちゃう人間なんだ!!」

曜「他の誰よりも自分を優先しちゃう人間なんだ!!」

曜「最低な……人間なんだよ……」ボロボロ

梨子「そんなことないよ……そんなことない……」ギュッ

梨子「曜ちゃんは優しい人だよ……?私わかってるから……」

曜「……なんでそんな風に言えるの?」

曜「どうしてそんなに私に優しくしてくれるの……?」

曜「聞いててわかったでしょ?みんなに酷いことしたんだよ?」

梨子「……曜ちゃんのことが好きだから」

曜「えっ……」

梨子「好きだから.ずっと見てたから」

梨子「みんなを元気づけたり,励ましてる曜ちゃんを見てたから」

梨子「みんなの相談に乗ったり,助けてあげてる曜ちゃんを知ってるから」

梨子「曜ちゃんは最低な人間なんかじゃないよ?」

梨子「自分のことが大切なのなんて当たり前じゃない!私だってそうだよ!」

梨子「それでも曜ちゃんは周りの人をちゃんと想ってる」

梨子「曜ちゃんは優しい人なの……私知ってるから……」ポロポロ

梨子「だから……自分のことをそんな風に言わないであげて……?」ボロボロ

曜「梨子ちゃん……」

梨子「私がついてるから……私は曜ちゃんの味方だから……」

曜「……ありがとう」

―――――――――
――――――
―――

曜(次の日,善子ちゃんは全員の前で千歌ちゃんと付き合うことになったと告げた)

曜(みんな驚いてたけど,ちゃんと祝福してくれたみたい……よかった)

曜(善子ちゃんは私に謝りに来てくれた.私もそれ以上に謝ったけどね)

曜(千歌ちゃんとはまだ少しギクシャクしてる.元に戻るにはもう少し時間がかかるかな)

曜(そして私はというと……)

梨子「曜ちゃん!こっちこっち!」

曜「今行くー!」

曜(今日は梨子ちゃんと買い物に来ています)

梨子「ねえねえ!これとこれどっちがいいかな?」

曜「うーん,どっちも可愛いなあ」

梨子「もう!ちゃんと考えて!」

梨子「今日は私に似合う服を選んでくれるんでしょ?」

曜「わかったわかった.もう1回合わせてみて?」

曜(結論から言うと,私と梨子ちゃんは付き合ってません)

曜(でもあの日――――)


梨子『諦めないから!絶対私のこと好きにさせてみせるんだから!』


曜(宣言されてしまいました)

梨子「ねえ曜ちゃん」

曜「ん?なに?」クルッ

梨子「ちなみに……こんなのはどうかな……?///」

曜「り,梨子ちゃん?!それはちょっと肌の露出が?!///」

梨子「ふふっ曜ちゃんのえっち///」

曜「梨子ちゃんも顔真っ赤でしょ!///」

曜(あの梨子ちゃんがここまで積極的になるとは……)

曜(落とされてしまう日は近いかもしれません)

曜(それにしても……)

曜「エイプリルフールか……」

梨子「曜ちゃん?どうしたの?」

曜「……ううん,なんでもないよ」

曜(あの日の選択は私の道を大きく変えたのかもしれない)

曜(後悔してないといえば嘘になる)

曜(だけどそれじゃあ何も変わらない)

曜(私が見なきゃいけないのは,これから先の人生なのだから)





本当に終わり

今度こそ終わりです
読んでくださった方ありがとうございました

以前こんなものも書いたのでよろしければどうぞ

ルビィ「私は大丈夫だから」
ルビィ「私は大丈夫だから」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521438660/)

>>38
正直ここはいらなかった

曙かと思ったら曜だった

胸糞系って下手な人が書いたら不快感残るだけだな

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