(事務所)
P「みんな連絡した通り『赤ん坊の頃の動画』を持ってきたかー?」
杏「はーい」
悠貴「はい!」
響子「ちゃんと持ってきましたよ♪」
P「よろしい。今度の番組で使うから、一応中身はチェックしておこう。杏のから見せてもらえるか?」
杏「ん。面白みはあんまりないと思うけどね」
P「ふむ。どれどれ再生、っと」
ピッ
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杏(2)「…」ボ-ッ
杏母「あら杏ちゃん。またジュースのストロー咥えたままぼーっとしてるわね…」
杏(2)「ボー、ボー…」
杏母「ボー? ああ、たまごボーロが欲しいのね」
杏(2)「アー…ダー…」モグモグ
杏母「杏ちゃんはたくさん食べて偉いわねぇ。きっと大きくなるわ♪」
杏(2)「♪」ンマンマ
ピッ
P「うーん。やっぱり赤ん坊の頃は可愛い」
杏「聞き捨てならないぞ。赤ん坊の頃『も』でしょうが。今も昔も変わらずキュート。それが双葉杏クオリティだよ」
P「はいはい。じゃあ次は響子」
杏「オラァッ。反応が雑だァ」ドスドス!
P「痛い痛い。ヘドバン頭突きするのはひどく痛い」
杏「ふん」
P「ああ腰にダメージが。まあいい。響子の動画を再生するぞ」
響子「はい♪」
ピッ
響子(3)「んー…おかたぢゅけしないと」
ヒョイヒョイ
響子母「あら。遊んだものをお片づけできて偉いわねー♪」
響子(3)「あのね。お人形さんは赤い箱で、プラスチックのものは青い箱でね、ご本は緑色の箱にアイウエオ順で並べるの…」
響子母「いや主婦か」
響子(3)「あ、このおもちゃはもう遊ばないから、フリーマーケットに出して新しいおもちゃを買うお金を貯めるの…」
響子母「主婦かァ!」
ピッ
P「響子の主婦魂はDNAに刻み込まれてるのかな?」
響子「やっぱり駄目ですね」
P「駄目ってことはないけど」
響子「整理整頓が甘いです。遊んだものは箱にしまう前に一度汚れを落とさなければいけませんよ」
P「そこじゃねーよッ!」
悠貴「小さい頃から響子さんはしっかりしてたんですね。憧れちゃうな」
P「しっかりしてたとかそういう次元じゃないね。『家事』がプログラミングされてるんじゃないかな?」
杏「一家に一台五十嵐響子」
P「欲しいなぁ」
響子「ほ、欲しいですか…?」テレテレ
P「ん?」
杏「ストップ! もう甘酸っぱい勘違い系のラブコメを進行させてたまるものか! さっさと次行こうっ。次ッ」
P「おお、ラストは悠貴のビデオだな。いくぞー」
悠貴「はーい」
ピッ
悠貴(1)「ン゛ン゛ン゛ッ!」プイッ
悠貴母「あらあら。ほら、あーんよ♪」
悠貴「ン゛ッ!」ペシッ!
悠貴母「もぅ。本当にホウレンソウのペーストは嫌がるわね…」
悠貴「バッチィ!」ペッ!
悠貴母「あ! スプーンを手ではたき落した!」
悠貴「ふふん♪」
ピッ
杏「まさかホウレンソウのペーストを拒否して勝ち誇るとは」
悠貴「あ、あはは…なんかワガママな赤ちゃんでしたね…///」
P「いやいや。可愛かったよ」
悠貴「え? もう一回」
P「可愛かった」
悠貴「もう一回だけ!」
P「可愛い」
悠貴「えへへ~///」
杏「おらァッ。舵をそっちに向かせるわけにはいかないよ。ただでさえLOVEに振り切ったら面倒な2人が集まってるんだから、話題だけは絶対に平和な方向へ持っていくんだ」
P「さっきから荒ぶってるな」
杏「誰のせいさ」ゴスッ!
P「痛い! ヘディングをするなんて理不尽だ!」
杏「ふん!」
響子「喧嘩はいけませんよ。2人とも」
P「ごめん」スッ
杏「こっちこそごめん」スッ
2人「「握手」」ガシッ!
悠貴「仲直りが一瞬」
杏「ところで悠貴ちゃんは、もうあんな風に野菜を『ペッ!』なんてやらないんでしょ?」
悠貴「え?」ドキリ
P「ははは。まあ、悠貴も大きくなったことだし野菜くらいどうってこと」
悠貴「モチロンデスヨ」
P「目が泳いでるゥ」
悠貴「ど、ど、どどど、どうかしましたか。プロデューサーさん?」シドロモドロ
P「動揺してるね。悠貴」
悠貴「動揺なんてしてません!」バ-ン!
響子「じゃあどうしていきなりスクワットを始めてるんですか?」
悠貴「え?」セッ! セッ! セッ!
P「あからさまじゃねぇかァ!」
悠貴「ふん! ふんふんふん! これはっ! 断じてっ! 動揺なんかじゃありませんっ! ふんっ!」セッ! セッ! セッ!
P「やめんか暑苦しい」
悠貴「…」ゼイゼイ
杏「ま、本人が苦手じゃないって主張してるんだし。とりあえずほうれん草を食べてもらおうよ」
悠貴「!?」
P「そうだな」
悠貴「でっ、でででででも! ほ、ほうれん草なんて都合よく事務所にあるわけ…」
響子「こんなこともあろうかと冷蔵庫に入ってます!」バ-ン!
悠貴「ッァァァァァ!!!」
(しばらくして)
響子「let's cooking」
グツグツグツ...
トントントン...
ジャジャ-ン!!
響子「出来ました♪」
悠貴「畜生です! うっれしいなァ!」ブンブンブン!
杏「荒ぶってるね」
P「だな。ちなみにこれは?」
響子「茹でたほうれん草にオリーブオイルと塩をかけたものです。ポン酢で食べても美味しいですよ」
P「んまそう」ジュルリ
杏「いいね」ジュルリ
悠貴「ァァァッ!」
P「ええい。もう十中八九黒だけど食べてみるんだ。悠貴」スッ
悠貴「うぅ…」
杏「さ、逝ってきなよ」
P「漢字ィ」
響子「美味しいですよ。どうぞ♪」ニコリ
悠貴「は、はい! 私は食べられる私は食べられる私は食べられる私は食べられる私は食べられる…」ブツブツブツ
P「そんなに自分を追い込むようなもの!?」
悠貴「えーい!」パクッ
P「…」
杏「…」
悠貴「…」ドカ-ン!!!
P・杏「「爆発したァ」」
響子「そんな!?」ガ-ン!
悠貴「」キュ-
(しばらくして)
悠貴「私は野菜なんて大嫌いです!」バ-ン!
P「開き直ったな」
杏「開き直ったね」
悠貴「野菜なんてこの世から根絶してしまえばいいんですよ! ああもう! ふんです! ふーん! ふんふん!」プンスカ
P「こんにゃろう。ここぞとばかりにワガママを言いおって。嫌いなものが多いとグルメ番組での起用が出来なくなって困るんだよ」
響子「それはさしたる問題ではありません! 野菜を摂取しなければ健康に重大な害を及ぼします!」カッ!
悠貴「ふーん! カボチャとかスイカとかサツマイモとかを食べてるから平気ですよーだ!」プ-イ
P「全部甘いもんじゃねぇかァ!」
杏「まあ栄養はあるけどね」
響子「駄目です! 緑黄色野菜も食べなさい!」
悠貴「カボチャは好きだもん!」プイッ!
響子「だもん、じゃありません! めっ!」カッ!
P「お母さんと娘だな」
悠貴「もう野菜信仰はやめましょうよ! だいたい何なんですか! パクチー女子とか流行っているのが頭おかしいんですよ! なんで笑顔で草食ってるんですか!?」バ-ン!
P「パクチー女子をディスるのはやめなさい」
杏「そうだよ。ただあの人たちは食欲よりも承認欲求が強いだけなんだから」
P「おらァ。本物のパクチー好きを敵に回すからやめろォ」
杏「嫌いじゃないけど山ほど食べてる人は流石にドン引きするよね」
P「パクチー女子がいるなら『キャベツ女子』とかもいていいのにな。キャベツの山盛りをむさぼる女とか」
杏「そんなのインスタ映えしないでしょ」
P「むしろ映えない?」
響子「パクチー談義はやめて説得してください!」カッ!
2人「「はい」」
悠貴「ふーん! とにかく食べません! ふんふんふーん!」プイッ
P「意固地だなあ。ニンジンとかどうよ。グラッセにすれば美味しいぞ」
悠貴「プロデューサーさんは私をウサギ扱いするつもりですかっ!」バ-ン!
P「しねーよ!話が飛躍しすぎだろ!」
響子「へいお待ち! グラッセを作りました!」
【ニンジンのグラッセ】ド-ン!
P「作ってくるのが早すぎィ! 『グルメテーブルかけ』でも持ってんのかよ!?」
響子「さあ食べなさい!」
悠貴「ふーん!」プイ-
杏「お母さんに聞いた話だけど、昔はもうちょっとニンジンってえぐみがあったらしいよね」
P「今は美味しいよな」
悠貴「ふんふーん! ニンジンなんて美味しくありません! だってキャロットの味がするんですもん! それがなければ食べます!」
響子「ニンジンもキャロットも同じですよ!?」ガ-ン!
P「人格を全否定したな」
杏「ニンジンだけに?」
P「よくぞ気付いてくれた」ハハハ
杏「流石でしょ?」ハハハ
響子「プロデューサーさんと杏ちゃんはいつまで夫婦漫才してるんですか! 悠貴ちゃん! あんまりワガママ言うとハンバーグ作ってあげませんよ!」カッ!
悠貴「は、ハンバーグ…!?」ガタッ
P「お、心が揺らいだぞ」
杏「響子ちゃんのハンバーグは美味しいもんね」
悠貴「…食べたいです」シュ-ン
響子「じゃあお野菜も食べられますか?」
悠貴「…ヤダ」
響子「それじゃあハンバーグは抜きですね」
悠貴「ヤダ! ヤダー!」ジタバタジタバタ
響子「どっちかですよ!」
悠貴「ヤダー!!」
響子「もう知りません!」プイ-!
P「なんかスーパーとかでよく見る光景だよな。これ」
杏「ワガママを言う子供と叱るお母さんね」
悠貴「ハンバーグ!!!」
響子「…もうっ! 野菜も食べてくださいね!」
悠貴「はい!」
P「あ、お母さんが折れた」ズズズ
杏「こんなもんだよ」ズズズ
響子「そこの2人! お茶をすすってないで手伝ってください!」カッ!
P「ウス」
杏「はーい」
(しばらくして)
響子「とりあえず。ニンジンのグラッセはどうですか?」スッ
悠貴「ふん!」プイッ
響子「一品でも食べないとハンバーグはお預けです!」
悠貴「ぬぬぬ!」
P「ほっほっほ。北風のごとく力で言うことを聞かせようとしてもダメなのじゃよ。響子や」
響子「何かアイディアがあるんですか。プロデューサーさん?」
P「任せておけい」
悠貴「…」
P「ほら悠貴。これは道名津(どうなつ)と言ってな。とても甘くて栄養のあるものなんだよ」スッ
悠貴「ただの『真ん中をくり抜いたニンジン』じゃないですか! 『JIN』風に持ってきても食べませんよ!」カッ!
P「チィッ!」
響子「ダメじゃないですか」
P「力不足だったな」
杏「結果は残念だったけどさ、やっぱり『食べなきゃいけない』って強要するのは良くないと思うんだ。人のやる気を奪うものは義務感だからね。その点、プロデューサーのアプローチは悪くないよ」
P「『しなければならない』は苦痛だよな」
杏「そうそう」
響子「アドバイス参考になります」
P「頑張れお母さん!」
杏「全国2000万人の主婦と私たちがついてるぞ!」
響子「ありがとうございます! 私! くじけません!」
悠貴「ふーん!」プイ-
響子「悠貴ちゃんが野菜を食べないというなら…食べたくなる野菜料理を作ればいいんです!」カッ!
P「ほほう」
響子「うぉぉぉぉぉっ!!!」
トントントントントン!
カッ! カッ! カッ! カッ!
ジュワ-!
ボ-ン!
響子「はい! まずはこちら!」
【ポトフ】ジャ-ン!
P「んまそう」
杏「ゴロゴロ野菜がたまらないんだよねぇ」
悠貴「…!」ヨロリ
悠貴「ハッ! だ、駄目です! 大きいニンジンも! ブロッコリーも私の天敵です!」
響子「あと一歩でした! 作ったものは2人で食べてください!」
P・杏「「ウィース」」ガツガツ
響子「次行きますよ! うぉぉぉぉぉっ!!!」
トントントントントン!
カッ! カッ! カッ! カッ!
ジュワ-!
ボ-ン!
響子「はい! 次はこちら!」
【スムージー】ジャ-ン!
悠貴「!!」
P「ほほう」
杏「何のスムージーなの?」
響子「豆乳とバナナをベースにして小松菜を入れてます! 苦味がないので忙しい日の朝ごはんにピッタリですよ!」
P「んまっ!」ゴキュゴキュ
杏「響子ちゃん。うちにお嫁に来てよ」ゴキュゴキュ
響子「お断りします!」
杏「ケチ」
P「うちはどうよ」
響子「ぷ、プロデューサーさんのお嫁にですか…!?」ヨロリ
杏「そこまで反応が違うと傷付くね。ていうかラブコメには進ませんぞ。ほらほら、悠貴ちゃんに注目だよ」
響子「は!」
悠貴「ジュース…甘い…あれは野菜じゃない…」ノソノソノソ
悠貴「…」スッ
ゴキュゴキュ
P「!」
杏「!」
響子「!」
悠貴「美味しい…♪」プゥ
P「悠貴が! 悠貴が野菜を食べたー!」
杏「すごいなぁ」
響子「やりました! 愛は好き嫌いをも凌駕するんです!」バ-ン!
悠貴「もうこれでしか野菜は摂りません♪」ニコリ
杏「あ、また悪い偏り方してる」
P「これはいけない」
響子「安心してください! まだまだたくさん作りますから!」
響子「うぉぉぉぉぉっ!!!」
【こうして響子主婦のクッキングは続いた】
響子「はいはいはいはいはいはいはいはい!!!!」
P「す、すごい…! なんて調理スピードなんだ…!」
杏「あれが…事務所主婦ランキング第1席の実力…!」
事務所主婦ランキング
【第1席 響子: 第2席 川島さん: 第3席 まゆ】
響子「出来ました! おあがりよ!」
【ラタトゥイユ】デデ-ン
杏「なんだっけアレ?」
P「フランス南部の地方にある郷土料理だな。トマトで野菜を煮込むやつ。詳しくはディズニー映画の『レミーの美味しいレストラン』を観ろ」
杏「へー。でも、野菜たっぷり系は悠貴ちゃん苦手じゃ…」
悠貴「くっ…何故か美味しそうに見えてしまう…!」ヨロヨロ
杏「惹かれてる! なんで!?」
P「まさか…!」
響子「ふふふ…気付いたようですね! そう! このラタトゥイユは玉ねぎとミートボールを惜しみなく使った『対・子供舌』のラタトゥイユなんです!」
悠貴「美味しいー!」ムシャムシャムシャ!
響子「ナスとズッキーニもたくさん入ってます。お好みでチーズや唐辛子を使っても美味しいですよ」
杏「辛くするとラタトゥイユっていうより『アラビアータ』だね」ムシャムシャ
P「んまけりゃいいんだよ」ムシャムシャ
響子「お次はロールキャベツ!」バ-ン!
3人「「「言うまでもなく最高!!」」」ムシャ-!
響子「たけのこご飯! シンプルに炊き上げて焼き海苔をちらしました!」
P「あ~。海苔がやばい」ムシャムシャ
杏「これは肥える」ガツガツ
悠貴「お茶と合いますね…」ズズズ
P「でもこれ野菜?」
杏「細かいことはいいんだよ」
響子「はい! 次はアスパラガスの豚味噌巻き! 山菜の天ぷら! アボカド納豆! えんどう豆の卵とじ! 角チーズを混ぜます!」
P「あかんあかん」ムシャムシャ
杏「美味い! 美味いよ!」ガツガツ
悠貴「うわぁ~♪ 本当に美味しい♪」
P「幼児退行していた悠貴がいつの間にか元に戻っている」
悠貴「もっと食べたいです!」カッ!
響子「ニヘイゴハン!」バ-ン!
P「それただの肉ゥ」
響子「私、変です…! 止まらないんです。素晴らしいレシピが、次々と洪水みたいに頭になだれ込んできて、私、もっともっと強くなれる…!」
P「(覚醒…! これからだったのだ。強くなるのは)」
響子「五十嵐流・百式観音! うぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
トントントントントントン!
ジュワ-!
(しばらくして)
悠貴「…お野菜も食べてみると美味しいんですね。今回、それがよくわかりました♪」
響子「ええ。今度からは作った人に感謝して、きちんと食べるようにしなければ駄目ですよ?」
悠貴「はい! 生野菜はまだちょっと苦手ですけど、頑張ります!」
響子「よろしい♪」
響子「…ところで」
P「…」ゲプッ
杏「…」プニ-
響子「2人とも…太りましたね」
P「き、気のせいだよ」
杏「そ、そうそう。肥えてなんかないよ?」
響子「普段から運動をしている悠貴ちゃんとは代謝がまるで違うんですから。たくさん食べるとそうなっちゃいますよ」ハァ
響子「…食べたら運動。頑張りましょうね♪」ゴキゴキ
P「」
杏「」
イャァァァァァァ!
【2週間で痩せました】
終わり
悠貴もB-70なんだよなぁ
乙倉と夕美全く同じじゃねーか
主婦ランキング、ウサミンとウミサンとだりーはどうした?
響子母の主婦かァ!にやられたww
○○ィ!とか○○ゥ!とか臭い言い回しなければもっと良かった
知るか
なおタイでもパクチーあんなバクバク食う奴なんていねぇよっておかしい人扱いされてる模様
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