モバP「1/5」 (22)


P「おはようございます。」

友紀「あ、おはよう。プロデューサー!」

P「うおっ! ……何だ友紀か。驚かすなよ。」

友紀「ひっどいなー。折角可愛い女の子が出迎えてあげたっていうのに。」

P「そう言われてもなぁ。事務所の玄関開けたら目の前にいるんだぜ? 驚きもするよ。それでどうしたんだ?」

友紀「おお、良い所に気がついたね。ワトスン君。」

P「……誰がワトスンだ。お前がホームズって柄かよ。」

友紀「まぁまぁ、細かいことは気にしない。では問題です。今日は一体何の日でしょーか?」

P「バレンタインだろ。」

友紀「うわ、即答! 男の子って、もっと照れたりとぼけたりするもんじゃないの?」

P「もう男の子って歳じゃないからな。そういうのは高校と一緒に卒業したよ。」

友紀「枯れてるね、プロデューサー。」

P「ほっとけ。……それで、期待してもいいのか?」

友紀「もちろん。わざわざそのために待ってたんだから。」

P「おお、嬉しいな。まさか友紀から貰えるとは思わなかったよ。」

友紀「私を何だと思ってるのさ?」

P「ビール片手に野球観戦するやつ。」



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友紀「いや、合ってるけどさ。何か、そう言われるとオジサンみたいじゃん。」

P「違うのか?」

友紀「違うよっ! そんなこと言ってるとあげないからね。」

P「ハハッ。悪かったよ。可愛い可愛いアイドルさ、友紀は。」

友紀「調子いいなぁ、全く。仕方ないからあげるけどね。はい、これ。」

P「ありがたく貰うよ。」

友紀「ん、しっかり味わって食べるよーに! ……ところでさ?」

P「うん、どうかしたか?」

友紀「3月20日にキャッツのオープン戦があるんだよねぇ。」

P「……。」

友紀「……。」

P「そういうことか。」

友紀「そういうことだね。」

P「……わかったよ。チケット取っといてやる。」

友紀「やった! ありがと、プロデューサー! ちゃんと休みも入れといてね!」

P「はいはい。」



まゆ「友紀さんは元気ですねぇ。」

P「まぁ、それが彼女のいい所ではあるんだけどな。もう少し落ち着くことを覚えてもいいじゃないかと偶に思うよ。」

まゆ「うふふ、Pさんまるでお父さんみたいですね。」

P「勘弁してくれ。男の子でもないがそこまでの歳でもないぞ?」

まゆ「じゃあ、旦那さま辺りですかぁ……。まゆはいつでもいいですよぉ?」

P「ハハハ。じゃあ大黒柱は仕事をしないとな。」

まゆ「もう、冗談だと思ってますねぇ? まぁいいですけど。頑張るPさんにはプレゼントがあります。」

P「お、まゆもくれるのか?」

まゆ「もちろんですよぉ。これがチョコレートでこっちはネクタイです。」

P「ありがとう。お返しもちゃんと考えておくよ。」

まゆ「いいんですよ。まゆは友紀さんと違っておねだりはしませんから。ちなみにそのネクタイ、世界に一つしかないんです。」


P「そうなのか?」

まゆ「はい。この真っ赤なリボンタイと同じ生地から作って貰った特注品なんです。まゆとお揃いですよぉ。」

P「そりゃあ凄いな。値も張ったんじゃないか?」

まゆ「これでもPさんより稼いでますから。……お仕事が大変になったら、まゆが養ってあげますよぉ。」

P「あ、アハハ。」

まゆ「うふふ。」

P「うん、なんだ。魅力的なお誘いではあるが、流石に年下の女の子のヒモってのは格好がつかないからな。遠慮させてもらうよ。」

まゆ「残念ですねぇ。でも、まゆはいつまでも待ってますからねぇ……?」

P「あ、ああ。」

まゆ「Pさん。」

P「うん?」

まゆ「そのチョコレート。ハート型の手作りですから。忘れないで下さいね?」

P「……善処します。」



P「うん。まゆは基本的にはいい子なんだけどなぁ……。」

あい「おはよう。Pくん。」

P「ああ、あいさん。おはようございます。」

あい「どうやら早くも両手に花といったところかな?」

P「ええ。友紀とまゆからです。」

あい「ほう。まゆくんはまだしも友紀くんとは意外だな。」

P「お返しはキャッツのオープン戦のチケットでいいそうです。」

あい「成る程。彼女らしい。」

P「ええ、本当に。……ところで。」

あい「うん? これが気になるのか? ご明察の通りだよ。
   私としては君が体重計と睨めっこしなくてはならなくなるのではないかと少々心苦しいがね。」

P「あー、確かに脂肪は落ちにくくなってきてますね……。でもそれはそれ、これはこれですよ。」

あい「フフッ。なら受け取って貰おうか。他人のために折角と用意したものを自分で食べるのは味気ないからね。」

P「どうもありがとうございます。」

あい「中身はウイスキーボンボンだ。ちゃんと家に帰ってから食べてくれよ? 微量とはいえアルコールだからね。
   君が事故に遭いでもしたら、私は他の子に何と言って詫びればいいか分からないからね。」

P「わかりました。楽しみさせてもらいますよ。」


あい「よろしい。それとだね……。」

P「なんです?」

あい「後ろでわくわくしている二人にも食べさせないように。」

P「え?」

楓「わくわく。」

志乃「わくわく……って私も言わなければならないのかしら。」

P「ああ。二人ともおはようございます。」

楓「おはようございます、プロデューサー。私からもどうぞ。」

P「ありがとうございます。」

楓「一緒に食べようとラム酒入りのを選んだんですけど、どうやら裏目に出てしまったみたい。ちょっと恨めしい。
  でも、入っているのはチョコっとなんですよ? ふふ。」

P「……絶好調っすね。」

楓「ええ。今日はとっても良い日ですから。」

志乃「私からはこれよ。」

P「志乃さんまで。わざわざ済みません。」

志乃「いいのよ。Pさんにはいつもお世話になっているから。……お酒の後とか、ね。」

P「……ああ。」

志乃「だからそのお礼って程じゃないけれど、これからもよろしく頼むわね。」

P「はい、任せて下さい。」

志乃「期待しているわ。疲れたらそのチョコレートを食べなさい。私のはアルコール入ってないから。」

楓「あら、入ってないんですか?」

志乃「ええ。……だってお酒が入ってたら、勿体無くて自分で食べてしまいそうだもの。」

茄子「あ、プロデューサー。」


P「おはよう。茄子。」

茄子「ああん、もう、また! だからカコですって。
   ふふっ。そんなにチョコレートを抱えて幸せそうなプロデューサーにはもうお裾分けは無しです。」

P「悪い悪い。」

茄子「プロデューサーはいっつもナスって言うんですから。」

P「いや、反応が毎度毎度可愛くて。」

茄子「好きな子に悪戯したいって、小学生の男の子みたいな感じですか?」

P「さぁ、どうだろう。」

茄子「そこはそうだって言ってくれれば、少しくらい多めにみてあげてもいいのに。」

P「本当は茄子の言う通りからかいたくなるんだ。」

茄子「今更言ったってダメですー。もう、調子が良いんですから。」

P「こりゃ手厳しいね。それで、お裾分けは頂けるのかな?」

茄子「ずるい人。私が渡さないなんて、微塵も思っていないくせに。」

P「プロデューサーだからな。いつも見てる。」

茄子「私を?」

P「みんなを。」


茄子「ふふっ。そうですね。プロデューサーですもの。
   まぁいいです。仕方がないからあげちゃいます。」

P「ありがとう。こっちがチョコだな。それでこれは?」

茄子「それもチョコですよ。運試し用の。」

P「運試し?」

茄子「はい。金なら一枚、銀なら五枚です。」

P「おー、懐かしいな。俺もよく集めてたよ。最も、五枚たまったことはないけどね。」

茄子「私もなんです。」

P「茄子もか? 以外だな。」

茄子「確かによく出るんですけど……。不思議なことに五枚集まる前に無くしちゃうんですよね。」

P「あー、確かに。俺も三枚位になるといつもどっかいっちゃうんだよな。……金は?」

茄子「そっちなら何度か。色々入っていて、結構楽しいんですよ。」

P「羨ましいな。俺は一度も見たことがない。」

茄子「今度は当たるかも知れませんよ?」

P「そうだといいな。」

茄子「届いたら、中身見せてくださいね? それじゃ、今日も頑張ってください。」




P「おはようございます。ちひろさん。」

ちひろ「あ、おはようございます。Pさん。
    ……凄い量。相変わらずモテモテですねぇ。」

P「はは。そんなんじゃないですよ。」

ちひろ「どうかしら? 意外とお熱な子もいるかも知れませんよ。」

P「みんな若いですし、恋に恋するってやつでしょう。アイドルやってると余計に。」

ちひろ「あー、確かにアイドルにとって恋愛はタブーですからねぇ。憧れがあってもおかしくはないかも。」

P「ええ。そういうことですよ。そういうことにしといて下さい。」

ちひろ「それじゃあ、そういうことにしておきますか。では、その代わりに恋愛がタブーでない事務員からのプレゼントです。」

P「あ、ありがとうございます。」

ちひろ「結構奮発したんですよ。なにせ一万円もしたんですから。」

P「い、一万もですか!? そんな高いもの用意して貰っちゃって済みません。」

ちひろ「いえいえ、良いんですよ。Pさんにはいつもお世話になってますから。実際、お仕事大変でしょう?」

P「確かに大変ですけど、好きでやってることですから。」

ちひろ「それでもですよ。それに……。」

P「それに?」


ちひろ「三倍。」

P「え?」

ちひろ「三倍返しですから♪ 丁度、新しいバッグ欲しかったんですよねぇ……。あ、こんなところにかたろぐが。」

P「図ったな! ちひろ!」

ちひろ「嫌ですねぇ。そんなこと、ある訳ないじゃないですか。」

P「目を見て言いなさい。」

ちひろ「あ、これ素敵だと思いません? 春の新作。お値段は……。おお! にまんきゅうせんはっぴゃくえんだー!
    ほらほら、Pさんも見て下さいよ。」

P「全くもって全く。……あれ? その手、どうしたんです?」

ちひろ「え? あ、ああ、これですか? えっと、……さっき書類で切っちゃって。」

P「大丈夫ですか? 俺も偶にやるんですけど結構痛いんですよね。」

ちひろ「ええ、本当に。でも大した怪我じゃないんで大丈夫ですよ。」

P「それなら良いですけど。……早速ですが、これ、食べてみてもいいですか?」

ちひろ「え? これって?」

P「そりゃチョコですよ。俺、一万のチョコなんて食べたことないんで気になっちゃって気になっちゃって。」

ちひろ「い、今ですか? 家でゆっくり食べた方がいいんじゃあ……。」

P「それもそうなんですが、ほら、ちょっとだけならって。ちひろさんもどんな味だか気になりません?」

ちひろ「いえ、私はもう――。じゃなくて、お仕事しましょうよ! 疲れてから食べた方が絶対に美味しいですって。」

P「いいえ、もう食べます。気になって仕事どころじゃないですから。」

ちひろ「ああん、もう、Pさんのばかー!」


P「では早速。凄ぇな、一粒二千円ですか。ん?」

ちひろ「ど、どうかしました?」

P「いや、一つだけ歪なのがあって。」

ちひろ「い、歪ですか? 気のせいじゃあ、ないですかねぇ……。」

P「これはもう、気のせいってレベルじゃあ――。ああ、成る程。」

ちひろ「……なんですか。こっち見て。」

P「いえ、別に。折角だからこれ、頂きますね。」

ちひろ「あ……。」

P「……。」

ちひろ「……。」

P「……。」


ちひろ「……にやにやしてないで、言いたいことがあれば言えばいいじゃないですか。」

P「ええ、そうですね。……不器用な人だと。」

ちひろ「ッ――仕方ないじゃないですか! 普段から忙しくて外食ばっかりなんですから!火傷のひとつやふたつだって、そりゃしますよぅ……。」

P「いえ、そういう意味ではなくてですね。ただ色々と。」

ちひろ「色々って何ですか……。」

P「そりゃあもう、色々、ですよ。」

ちひろ「……。」

P「バッグ。」

ちひろ「え?」

P「バッグ、どれがいいんです?」

ちひろ「……あっ。え、えっと、それじゃあ――。」




終わりです

気付いたらバレンタインの話を書いてたけど一ヶ月寝かせるのもあれなので
投下したら意外と短かったのでもう少し人数増やせば良かった

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