智絵里「あ、噂をすれば…」

美穂「あれ？ みんなどうしたの？」

李衣菜「美穂ちゃん。チュッチュワってどういう意味？」

美穂「え、意味？ 意味って言われると、うーん、難しいなぁ…強いて言うなら、応援…みたいなものかなぁ？」

まゆ「『応援してくれて』じゃなくて『チュッチュワしてくれて』なんですね？」

美穂「応援とはちょっと違うかなって」

智絵里「応援とはちょっと違う…うーん」

加蓮「あ」

李衣菜「わかったの??」

加蓮「うん、多分ね。美穂、アタシがちょっと歌ってみるから、実際にチュッチュワしてみてよ」

美穂「わたしがチュッチュワするの？」

加蓮「そうそう。じゃあいくよー」

加蓮「失敗したって、いいさ」

美穂「いーいさ♪」

李衣菜 まゆ 智絵里「??」

加蓮「挑戦しなくっちゃ、始まんない」

美穂「はーじまんない♪」

加蓮「夢中になって、ガムシャラ」

美穂「シャーラ♪」

加蓮「やっぱりね」

李衣菜(美穂ちゃんもしかして)

まゆ(ライブのコールのこと)

智絵里(チュッチュワって言ってる??)

加蓮(なにそれかわいい)

李衣菜「美穂ちゃん、コールって知ってる？」

美穂「コール？ 知ってるよ！」

まゆ「まぁ、そうですよね」

美穂「電話のことだよね？」

智絵里 李衣菜 まゆ「」

智絵里「美穂ちゃん、コールっていうのはね──」

加蓮「待って！」

美穂「？」

加蓮「うん、その通りだよ。コールは電話で合ってる」

智絵里『ど、どうしたの加蓮ちゃん？』

加蓮『美穂には黙っておこう』

まゆ『どうしてですか？ちゃんと伝えた方が…』

加蓮『かわいいから』

李衣菜『だよねー』

加蓮『それにコールのこと話しちゃったら、美穂のことだし恥ずかしがって今度から言わなくなりそうじゃん』

美穂「みんなヒソヒソ話して何かあったの？」

李衣菜「な、なんでもないよ！」

加蓮「美穂はかわいいなって言ってただけだよ」

美穂「か、かわっかわいいなんて、ほんとに何の話だったのー///」



李衣菜(美穂ちゃんにチュッチュワというのはコールのことなんだということをちゃんと伝えなかったことが、後の悲劇に繋がるなんて、まだ誰もが思いもしませんでした)

別の日

李衣菜「みんなー応援ありがとー！」

智絵里「ファンの皆さんのおかげで、とってもいいライブができました！」

美穂「チュッチュワしてくれて、ありがとうございまーす！」

加蓮(かわいい)

まゆ(チュッチュワ…)


李衣菜(その後も美穂ちゃんはコールのことをチュッチュワと言い続けました。可愛いかったので誰も指摘しませんでした)

李衣菜(そして事件は起こりました)

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ある日

夏樹「みんな！応援サンキュー！」

李衣菜「みんなのチュッチュワすごかったよ！」

夏樹「え、チュッチュワ？」

李衣菜「あ」

夏樹「チュッチュワってwwwwwだりー、可愛いこと言うじゃねぇかww」

李衣菜「//////」


李衣菜(美穂ちゃんのチュッチュワを聞きすぎてチュッチュワがうつってしまったのです)

───────────────────

別の日

モバP「智絵里、今日はキャンディアイランドのライブだ！頑張ろうな！」

智絵里「はい！」

杏「めんどいなー。前金くれー」

かな子「杏ちゃん、ほら飴だよー」

杏「おお！」

智絵里「えへへ。飴でいいんだ」

P「今日は俺も客席側から見てるからな。杏もがんばれよ！」

杏「わかってるって」

かな子「今日は舞台袖じゃないんですね？」

P「ああ、といっても関係者席なんだけどな」

智絵里「あ、じゃあプロデューサーさん、チュッ──」

かな子「？」

智絵里(危なかった…コールのこと、チュッチュワって言いかけちゃった…)

杏「智絵里ちゃんも大胆になってきたねぇ」

智絵里「え？」

杏「だって智絵里ちゃんからプロデューサーにキスをねだるなんてね」

P「え！智絵里、キスしたいのか??」

智絵里「え??あ、いや！違います！！」

かな子「え、でも智絵里ちゃんさっきチュウって」

智絵里「ちちちち違いますっ！チュウじゃなくてチュッチュワです！」

かな子「チュッチュワ？」(なにそれかわいい)

杏「またまたぁ。チョコのことチョップって言った時みたいに照れ隠しでしょそれ？素直に言っちゃいなよ」

智絵里「違います！って何で知ってるんですか?? ってほんとに違うんですー！！コールです！コールのことなんです！！」///////

杏「え？ コールって…チュッチュワと一文字もあってないけど？」

P「智絵里、何も言うな！智絵里の思いは伝わった！こういうのは男の俺からリードしてやるもんだよな」

智絵里「全然伝わってませんよね??」

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まゆ「プロデューサーさーん」

P「お、まゆライブ前にどうしたんだ？ 何かトラブルでもあったのか？」

まゆ「プロデューサーさんにお願いがあるんです」

P「お願い？」

まゆ「まゆとチュウ──」

P「あ、コールのこと？もちろん俺もやるよ」

まゆ「」

智絵里「わかってるじゃないですか！」

P「智絵里??」

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未央「いやーいいライブでしたなぁ！」

凛「うん。ミスも無かったし、練習の成果がキッチリでてたね」

卯月「はい！大成功でした！」

美穂「みんなー！おつかれー！」

卯月「あ、美穂ちゃん！」

凛「美穂も来てくれたんだ」

美穂「うん、今日はお仕事もう無いし来ちゃった。大盛況だったね！ ニュージェネレーションのライブ」

未央「お客さんのコールも凄かったねー！ これぞ、未央ちゃんの求めていたライブって感じ！」

美穂「？ ……コールあったの？」

未央「え？ 至る所にあったよね？」

美穂「そっかぁ。ニュージェネレーションのライブでもコールあるんだ」

卯月「美穂ちゃんの席からは聞こえなかったんですか？」

美穂「うん。わたしは関係者席だったから気がつかなかったな」

未央「気がつかなかったの?? 関係者席どんなところにあったの??」

凛「えっと…美穂はコール否定派なの？」

美穂「否定派っていうか、ライブ中にコールがかかったら周りのお客さんに迷惑がかかっちゃうよね？」

凛「うーん…迷惑だと思う人ももちろんいるけど、ウチはどっちかといえばコールで盛り上げていこうってかんじのライブだったしね」

美穂「コールで盛り上がる??」

未央「でも、みほちーもライブのときコール喜んでたよね？」

美穂「よ、よろこばないよぉ！ むしろわたしのライブ、つまらなかったのかなって悲しくなるよ…」

卯月「え！ 美穂ちゃん、ほんとはコール嫌だったんですか?? うぅ、今まで美穂ちゃんのライブでコールしててごめんなさい！」

美穂「え、卯月ちゃんもわたしのライブのときコールしてたの??」

凛「卯月だけじゃなくて応援に来た事務所のみんなでコールしてたけど…」

美穂「じじ事務所のみんなで！！？？ プロデューサーさんも??」

未央「っていうか、サビのところなんて会場にいたみんなで一斉にコールしてたよね」

美穂「そ、そんな…！ うぅ、わたし今まで、恥ずかしさのあまり幻覚でも見てたのかな…」

卯月「で、でも！ 美穂ちゃんのライブがつまらなかったからコールしてたわけじゃないんですよ！ むしろ楽しくてやってたんです！」

美穂「な、なにを楽しむの??」

未央「一体感？」

美穂「ないよね??」

凛(どことなく会話が噛み合っていないような…それにしても、美穂がコール嫌いだったなんて初耳だよ。今まで美穂もコール喜んでた風に感じてたんだけど。スマホで加蓮に美穂のこと聞いてみようかな)

凛『美穂ってコール嫌いだったの？』

加蓮『コール？ チュッチュワのこと？』

凛『いや、チュッチュワって何？』

加蓮『美穂はコールのことチュッチュワって言うの。可愛いでしょ？』

凛『え、チュッチュワって何かなって思ってたけどコールのことだったの？』

加蓮『そう。それでコールのことが電話をかけることだと思ってるの』

凛『なるほど。そういうことだったの』

加蓮『どうしたの？』

凛『事務所のみんなで美穂のライブでコールしてたって言ったら美穂がすごくショックを受けてた』

加蓮『ウケる』

凛「美穂、コールの真似してみて」

美穂「え、コール…？」

凛「うん」

美穂「えっと、もしもし～？ 今ライブ～。うん、チョーつまんないマジ帰りた～い…こ、こんな感じ？」

未央 卯月「??」

凛(ちょっと卑屈になってる…)

凛「美穂、それコールじゃないよ」

美穂「え？」

凛「卯月、ちょっと歌ってみて。それに合わせて未央、コールしてみて」

卯月「はい！」

未央「オッケー」

卯月「揺らせ！ 激しく Heart Beat！」

未央「Heart Beat！」

美穂「！？」

卯月「君の Emotion」

未央「Emotion！」

卯月「さらけ出せたら 無敵だね！」

未央「フヮ フヮ フヮ フヮ！」

凛「これがコールだよ」

美穂「え、それ、チュッチュワですよね??」

未央「チュッチュワ？」

凛「それがコールのことなんだよ」

美穂「そ、それっていうのは…」

凛「チュ、チュッチュワのこと……」

卯月「わぁ、凛ちゃんのチュッチュワかわいいです！」

凛「……」///

美穂「じゃ、じゃあわたし今まで…！」

未央「コールのことを勘違いしてたということですな」

美穂「うわあああぁ！！ 恥ずかしいよぉ！」

卯月「でも、どうして美穂ちゃんはコールのことチュッチュワだと思ってたの？」

美穂「わたしが上京してデビューしたばっかりの頃にプロデューサーさんが──」

P『お客さんもいっぱいチュッチュワしてくれたな！』

P『俺も客席でチュッチュワするからな！
』

美穂「ってずっと言ってたから…」

未央「つまりプロデューサーが上京したての美穂ちゃんに変な教え方したのが原因ってわけかぁ」

美穂「ごめんね、わたしの勘違いのせいで…」

凛「ううん、全然気にしてないよ」

卯月「せっかくだから、わたしたちも、コールのことチュッチュワって言いませんか！」

未央「いいねぇ！しぶりん、もう一度チュッチュワって言ってみてよ！」

凛「も、もう言わないから！」///

美穂「わ、わたしも今度から──」

未央「みほちーは直しちゃダメ！」

美穂「えぇ！どうして！？」

卯月「だってかわいいですから！」

おわりです。

（かわいい）

チュッチュッチュッチュワ♪
コ・シヒカリ♪