七尾百合子「箱根駅伝?」 (21)
一月二日 AM7:30
百合子「おはようございます」
P「ああ、百合子、おはよう。正月からお勤めご苦労さん」
百合子「プロデューサーさんもお疲れ様です」
P「まあ、おまえたちに付き添わないといけないからな」
P「にしても、仕事までまだ時間はあるしこんなに早く来る必要なかったんじゃないか?」
百合子「家にいても暇ですし。それに杏奈ちゃんにお年玉で新作のゲーム買ったから一緒にやろうって言われてて早めに事務所に来ちゃいました」
P「事務所はゲームセンターじゃないんだけどな」
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P「事務所はゲームセンターじゃないんだけどな」
百合子「でも事務所においてあるゲーム機って全部プロデューサーさんの私物ですよね」
P「アイドルとのコミュニケーションに必要な備品だからセーフ」
百合子「それ、ただプロデューサーさんがゲームしたいだけですよね」
P「アイドルとのコミュニケーションもとれて、楽しめるんだからwin-winだろ?…ちなみに杏奈はどのタイトル買ったんだ」
百合子「今年で13年目を迎える人気シリーズって言ってました」
P「おっ?杏奈あのシリーズの最新作買ったのかあとで一緒にやるか」
百合子「やっぱりプロデューサーさんも遊びたいんじゃないですか…」
P「必要なコミュニケーションだからセーフなの。ほら、そこらへんで適当にくつろいでなさい」
百合子「はーい」
百合子(計画成功♪)
百合子(もちろん杏奈ちゃんとの約束もあったから私は朝から事務所に来ました!)
百合子(でも真の目的は違います…)
百合子(それはズバリ!プロデューサーさんと二人きりの時間を作ることです!)
百合子(仕事があるとはいえお正月のこんな早い時間から事務所にいるのはプロデューサーさんくらい…)
百合子(だから私はあえて朝早くから事務所にきてプロデューサーさんと二人きりであんなことやこんなことを…)
百合子(タイミングよくプロデューサーさんがいる場所はテレビの前のソファー)
百合子(さりげなくプロデューサーさんの隣に座って急接近しちゃいます!)
百合子(そう、恋人のようにその手をさりげなく握って――)
P「――子、百合子!おーい、七尾さーん!」
「え?う、うわ、あわわわわわわ!!」
P「どうしたんだいったい」
百合子「な、ないです!なんでも!全然なんでもないですから!」
百合子「「…ってプロデューサーさん何観てるんですか?」
P「ん?ああ、箱根駅伝」
百合子「箱根駅伝ですか?」
P「そ、百合子も名前くらいは聞いたことあるだろ?」
百合子「な、名前くらいは。駅伝ですよね」
P「そりゃあ名前に駅伝ってはいってるからな。じゃあ箱根ってどこかわかるか?」
百合子「えっと…確か神奈川県でしたっけ?以前何かの本で読みました」
P「正解。東京から箱根までを10人で行って帰ってくる駅伝で総距離約217キロ」
百合子「た、たった10人で!?」
P「単純計算で一人あたり21.7キロだな。実際は区間によって距離が違うけど」
百合子「プロデューサーさんってこういうのも観ているんですね」
P「これでも箱根路を夢見た元学生ランナーの一人だからな」
百合子「そうだったんですか?」
P「中学から陸上部だったからな」
百合子「ちょっと意外です」
P「失礼な。これでもちょっとは結果残してたんだぞ」
P「まあ、現実は厳しかったけどな。箱根駅伝なんて夢のまた夢だったよ」
百合子「でも夢がかなってたらプロデューサーさんはここには…」ゴニョゴニョ
P「ん?なんかいったか?」
百合子「なっなんでもないです!」
百合子「けど箱根駅伝ってそんなにすごいんですか?」
P「あたりまえだろ。日本で長距離走やってたら誰もが一度は夢に見る舞台だぞ。出るだけで一生モノの自慢話だ」
P「そうだ、百合子も一緒に観るか?」
百合子「一緒にですか?」
P「仕事までまだ時間はあるし杏奈もまだ来る気配はないしな」
百合子「けど私あまりスポーツには詳しくないですし…」
P「まあぶっちゃけるとただ走ってるだけだから専門知識とか全然いらないぞ」
百合子「そういえばプロデューサーさん、お仕事は大丈夫なんですか?」
P「見る前に終わらせてあるから問題ない…っともう15分前か、そろそろ選手が出てくるころだな」
百合子(そういってプロデューサーさんはテレビに意識を戻した)
百合子(プロデューサーさんには申し訳ないけど、ただ走っているのを観るのが面白そうとは思えなかった)
百合子(でもせっかくのプロデューサーさんと二人きりの時間だし、プロデューサーさんとおしゃべりしながらテレビを見るのも悪くないよね!)
百合子地上波デビュー記念に1月に冒頭だけ書いてそれっきりだったやつをひとつ
今年の箱根駅伝のハイライトを箱根駅伝の小ネタも添えて百合子と振り返っていく予定です
>>1も2か月前の記憶を掘り起こしたりいろいろ調べまわって書いてるので書き溜めはぜんぜんありません。期待せずお待ちください
期待
乙
だが期待はさせてもらおう
アナウンサー『さあ、選手がスタートラインに並びました』
P「選手が出てきたな」
百合子「うわあ…すごい寒そう…」
P「気温四℃のなかあの格好だからな。手袋をはめたりして寒さ対策している選手もいるが」
百合子「それでもみんな平気そうですね」
P「鍛えてるからな。百合子もあれくらい鍛えればマグロ漁船に乗っても平気だろ」
百合子「あ、あんなの嫌ですよ!二度としたくありません!」
下田何してんねん
『スタートラインに並んだ選手が号砲がなるのを待ち構えています』
百合子「みんな真剣な表情をしてますね」
P「そりゃあ1年の集大成といっても過言じゃないからな」
百合子「そういえば、どこのチームが強いんですか?」
P「ああ、チーム紹介がまだだったな。時間もないしとりあえず注目大学だけ教えるぞ」
P「まずは名門中の名門の西洋大」
P「箱根駅伝は今年で76回目。文句なしの名門校だな」
百合子「76回も出てるんですか!?」
P「それだけ長い歴史があるのが箱根駅伝ってことだ。戸塚大学なんかは今年で86回目だぞ」
P「今年はエントリーの半分以上が1・2年生の下級生チームだな。ここ数年は常に3位以内をキープしているから最低3位、最高翌優勝ってとこか」」
P「次は東陸大学」
P「主力は高校時代に長距離界を引っ張ってきた2年生3人、それ以外にもエースクラスの選手が勢ぞろいしているレベルの高いチームだな。そのおかげで今シーズンの出雲駅伝は見事優勝」
P「ただ東陸大学はスピード重視のチームだから比較的距離の短い出雲には強いが距離の長い全日本や箱根になると分が悪いという見方もあるな。俺もおおむね賛成だ」
P「それでも、トラックで鍛えたスピードは十分武器になりえるし上位を狙えるチームだな」
P「次は神奈山大学。去年の全日本大学駅伝優勝校」
P「正直全日本優勝までは完全にノーマークだったな。上位入賞はあっても優勝はないだろくらい」
P「二区にエントリーされている4年生のエースを中心に全員が堅実な走りで順位を上げていく安定した強さがあるチームだな」
百合子「あ、あの…全日本とか出雲って何ですか?」
P「おっと、ごめんな。出雲駅伝は毎年10月に島根県で行う駅伝で全日本大学駅伝は11月に伊勢路を走る駅伝のことだ。この二つと箱根駅伝をあわせて三大大学駅伝と言われている。まあどっちも駅伝の全国大会みたいなもんだな」
百合子「あれ?箱根駅伝って全国大会じゃないんですか?」
P「ん?ああ、そこは今話すと長くなるからおいおい話すよ」
P「そして、最後は前回王者赤山学院大学」
P「百合子も名前くらいは聞いたことあるだろ」
百合子「はい。テレビにもよく出てますよね」
P「そうだな。2014年に初優勝してから圧倒的な強さで3連覇を成し遂げてる強豪だ。しかも2年目は完全優勝、3年目は史上4校目の三大駅伝三冠を達成しての優勝だ。間違いなく優勝候補の一角だろう」
P「ただ今シーズンはエースクラスの調子がなかなか上がってこなかったという不安材料もあるな。それでも出雲も全日本も上位につく選手層の厚さは誇っているが。エースクラスの選手が調子を合わせてこれていたら4連覇も夢じゃないな」
P「とりあえず注目大学はこんなところか。あとはレースを見ながら紹介を入れていくか」
今日はここまで
この後は1区間ごと書いていくつもりですがレース中家族にテレビを取られて>>1が中継を見れてなかったなどの理由で極端に内容が薄かったりする場所があるかもしれません。
極力調べたりして書いてはいますが期待せずお待ちください
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