希「一人暮らしあるある」 (36)
穂乃果「ねえねえ、希ちゃん?」
希「ん?どうしたん?」
凛「希ちゃんって一人暮らしだったんだね」
希「うん。そうやけど?」
穂乃果「実は穂乃果、一人暮らしとかした事ないんだけどさ」
希「うん。そうやろうね」
凛「凛も一人暮らしじゃないんだ」
希「うん。知ってる」
穂乃果「一人暮らしってどんな感じなの?」
希「どんな感じって言われてもなぁ」
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穂乃果「ご飯はどうしてるの?」
凛「自分で作ってるの?」
希「まあ、自炊してるよ?」
凛「カップラーメン?」
希「カップラーメンは自炊とは言わんやろ」
穂乃果「何つくるの?」
希「まあ…おうどんさんはよく作るかなぁ」
凛「うどんだけ?」
希「後はやっぱりカレーやね」
凛「へえ。カレー作るんだ」
穂乃果「そっか。カレーって多く作れば何日にも分けて食べれるもんね」
希「そうなんよ」
凛「毎日カレーを食べれるなんて羨ましいにゃ~」
穂乃果「ね!カレー美味しいもんね。穂乃果もカレー大好きだよ」
希「そう思うやろ?毎日カレー食べれてラッキーって思うやろ?」
穂乃果「うん。思う」
凛「むしろ思わない人が居たらあってみたいにゃ」
希「でもな…来るんよ。飽きが」
穂乃果「え?カレーなのに?」
凛「飽きるの?」
希「うん。前にな5日間連続でカレーを食べた時があったんよ」
希「一日目は…」
一日目
希「やっぱりカレーは美味しいなぁ。簡単に作れて楽やし経済的やし。一人暮らしの味方やな」
二日目
希「二日目のカレーは美味しいなぁ。なんで美味しいんやろ?ウチが寝てる間に何が起こったらこんなに美味しくなるんやろか」
三日目
希「カレー…美味しいけど少し飽きてきたなぁ。ソースでも掛けて味を変えてみようかな?」
四日目
希「なんでこんなに作ってしまったんやろ…。味を変えても限界があるなぁ」
五日目
希「はあ…。カレーってなんなんやろ………」
希「てな事があってなぁ」
穂乃果「え?じゃあ、もうカレーは懲り懲り?」
希「でも、不思議と時間が経つとまた作ってしまうんよ」
凛「へえ。希ちゃんは学習しないんだね」
希「カレーは作るの楽やからね。材料も安いし」
穂乃果「そうなんだ」
希「うん」
穂乃果「一人暮らしってやっぱり寂しい?」
希「まあね。もう慣れたけどな。それでも、急に寂しさに襲われる時はあるなぁ。独り言が多くなるし」
凛「独り言?」
希「うん。テレビのクイズ番組とか見ててな」
『じゃがいもの生産量が一番多いの都道府県は』
希「北海道!」
『北海道ですが二番目に多いのはどの都道府県でしょう?』
希「え~どこやったっけ?習った様な気がするなぁ」
『さあ、後1分』
希「え~ちょっと待って待って。今思い出してるから」
『正解は』
希「あっ!長崎や!」
『長崎です』
希「ほら~。な?言ったやろ?前に授業で習ったんよね~」
『続いての問題です』
希「さあ、どんどん来い!」
希「てな、感じでテレビと喋ってしまうんよ」
穂乃果「それは大丈夫だよ。穂乃果だってドラマとか見て喋っちゃうもん。雪穂に怒られるんだから」
希「じゃあ、一人暮らしとか関係ないんかな?」
穂乃果「関係ないよ」
凛「え~凛はそんなのないよ?」
希「そうなん?」
凛「うん」
希「じゃあ、あれは?Siriとずっと話したりとか」
穂乃果「Siri?」
希「うん」
希「ヘイ!Siri?」
『ハロー』
希「ウチ暇なんよ」
『しりとりでも始めましょうか?私からいきますよ?iPhone。あっ、んがついてしまいましたね』
希「あ~もう、おっちょこちょいなんやなぁ」
『よく分かりません』
希「あ~ごまかしたなぁ。ねえ?面白い話しして?」
『前にもお聞かせしましたよ?』
希「え~そうやったっけ?じゃあ、もう一回」
『仕方ありませんね』
希「てな感じで」
凛「希ちゃん…可哀想だにゃ」
穂乃果「流石に穂乃果もスマホとは喋らないよ」
希「いや、結構面白いんよ?」
凛「なんか…ペットとか飼えば?」
希「いや、ウチのアパートはペット禁止やから」
凛「そうなんだ」
希「あっ!でも、あれがいるわ」
穂乃果「あれ?」
希「ルンバ!」
凛「ルンバ?」
希「うん」
見てるで
餌やってんのか
希「ただいま~」
ウィィィィン
希「お?お出迎えしてくれてるん?」
ウィィィィン
希「ふふっ。可愛いなぁ。ほら、おいで」
ウィィィィン
希「ちゃうよ。こっちやって」
ウィィィィン
希「ほら。ここにご飯があるよ~」
ウィィィィン
希「あ~癒されるわぁ」
希「ってな感じ」
穂乃果「希ちゃん…」
希「ん?」
穂乃果「掃除機はペットじゃないよ?」
凛「希ちゃん寂しかったんだね。だから、掃除機とかスマホをお友達だと勘違いしちゃったんだね」
希「いや…ちゃうちゃう」
穂乃果「希ちゃん。学校じゃ明るいから…ごめんね。気づかなくって」
希「いや、ちゃうから。そんな大袈裟な話やないから。一人暮らしのあるあるやから」
穂乃果「あ、そうなの?なんだぁ」
凛「心配してそんしたにゃ~」
希「切り替え早すぎやろ」
おもしろい
言う程ルンバに話しかけるか・・・?
穂乃果「ルンバあるって事は自分で掃除はしないんだ?」
希「いや、するよ」
凛「どうして?自分でするならルンバの意味ないにゃ」
希「だって、あの子じゃ手の届かない所とかあるやろ?高い所とか無理やもん」
穂乃果「あ~なるほど」
凛「高い所なんてたまにでいいんじゃないの?」
希「あかんて。直ぐに埃とか溜まるんやから」
穂乃果「へえ、そうなの?」
希「うん。油断してると直ぐに溜まるよ?誰かが来た時埃が溜まってたら恥ずかしいやん?」
穂乃果「誰か来たりするの?」
希「え?……まあ、来客は少ないけど」
凛「凛達だって最近だもんね?知ったの」
希「だから、たま~に夜とかピンポン鳴るやろ?」
穂乃果「うん」
希「普段人なんか来ないからびっくりするんよ」
凛「希ちゃんでもびっくりするんだね」
希「そりゃ、ウチだって怖がったりするよ。心霊番組とかやってたりするやろ?いつもは平気で見れるのに急に怖くなったりする時もあるし」
穂乃果「へ~、希ちゃんは貞子くらいなら遭遇しても大丈夫だと思ってた」
凛「凛も」
希「そんな訳ないやん。普段幽霊が見えてる人でも悪霊とかは怖いって」
穂乃果「そんなもんかな」
希「そうや。だから、急に来客が来てびっくりした後に来客がえりちだった時のあの安心感。えりちが神様に見えてくるんよ」
穂乃果「絵里ちゃんは昔からよく来てたの?」
希「うん。だって、初めての来客はえりちやもん」
凛「へぇ。最初緊張した?」
希「何が?」
凛「絵里ちゃんが遊びに来た時」
希「全然」
凛「本当に?」
希「うん。なんで友達が遊びに来るのに緊張するん?しかも、えりちやし」
凛「初めての友達が遊びに来るって緊張するのかなって」
希「初めての来客とは言ったけど初めての友達とは言ってないやん」
凛「そうだっけ?」
希「そうやって」
希(本当は…)
希「今日はえりちが初めて家に来るんだから部屋を綺麗にしなきゃ」
サッサッ
希「オヤツとかあったかな?えりちは確かチョコレートが好きだったよね?どうしよう?買いに行こうかな?でも、買いに行ってる間にえりちが来たら大変だし」
テキパキ
希「えりち、普段はどんな事して遊んでるのかな?私遊ぶもの何も持ってないけど…」
サッサツ
希「あまりにも綺麗にし過ぎたかな?これじゃあ、えりちが来るからって凄い張り切った様に思われちゃう。もう少し散らかして…」
希(ってな感じやったけど)
穂乃果「ねえ、希ちゃん」
希「へ?」
穂乃果「あれはないの?あれ」
希「あれ?」
穂乃果「一人暮らしと言えば隣の部屋の人にお料理のお裾分けだよ」
凛「そうだよね。ハンバーグ作り過ぎちゃったんで良かったらどうですかって」
希「あ~、そんのは現実ではない。全然ないよ。後、ハンバーグは作り過ぎないなぁ。普通、カレーとか肉じゃがとかやろ」
穂乃果「え~そうなの?隣の部屋の浪人生にお裾分けとかしないんだ?恋も走り出さないね」
希「しないよ。週5でカレー食べてたんやからね?漫画の読み過ぎやって。そんな展開は現実では起こらんし、ウチの隣は浪人生ちゃうし空き部屋やし。恋が始まったらアカンやろ?一応アイドルなんやから」
凛「でも、期待したでしょ?」
希「してないよ。する訳ないやん。ウチはそう言うキャラちゃうやん」
穂乃果「ちゃうのか~」
希「うん。ちゃう」
穂乃果「ふ~ん。じゃあ、一人で何してるの?」
希「だから、テレビ見たりとか…」
凛「以外は?」
希「ん~そうやなぁ」
穂乃果「一人暮らしならではの事でないの?」
希「一人暮らしならでは?」
穂乃果「うん」
希「夜中に一人ファッションショーとかしちゃうかな」
凛「一人ファッションショー?」
希「うん。普段着ない服とか引っ張りだしてな」
穂乃果「あ~なるほど。で、中学の時の制服とかを着だしたりするんだよね?」
希「そうそう。おっ!まだ全然着れるやんとかね。まあ、実際は着れない事の方が多いんやけどな」
凛「にこちゃんならまだ着れそうだよね」
希「あ~にこっちならね」
かわいいな
穂乃果「へ~やっぱり誰も見てないと変な事しちゃうんだね」
凛「もっと人には言えない事とかしてないの?」
希「してないよ。してたとしてここで言う訳ないやん」
凛「そうだよね」
希「でも、モノマネとかやっちゃうなぁ。一人やと」
穂乃果「モノマネ?」
希「うん。野球モノマネとかマスターしたし」
穂乃果「え?そうなの?誰が出来るの?イチロー?」
希「ミレニアム打線は殆ど出来るよ」
穂乃果「何それ?」
希「多分、分からんと思う」
穂乃果「じゃあ、あれだね?海未ちゃんとか一人暮らししたら大変だね」
希「そうかもしれんなぁ」
凛「キャラ崩壊しちゃうかもしれないよね」
穂乃果「そうだね。海未ちゃんが一人暮らし始めようとしたら
全力で阻止してあげなきゃね。それか一緒に住むかだね」
凛「それは、海未ちゃん苦労しそうだにゃ」
穂乃果「どう言う事?」
凛「そのままの意味だよ」
穂乃果「そのままの意味だと穂乃果と暮らすと海未ちゃんが苦労するって事だよ?」
凛「うん。その通りだにゃ」
穂乃果「……そっか。まあ、そうか」
穂乃果「なんだ、結構楽しそうにやってじゃん」
凛「本当だよ」
希「でも、風邪とか引いたら最悪やから」
穂乃果「希ちゃん、風邪引くの?」
凛「希ちゃんが風邪を引くなんて聞いた事ないにゃ」
希「どう言う事?ウチだって風邪くらい引くよ。ウチの事どう言う風に思ってるん?」
凛「なんか凄いパワーを持ってる人」
穂乃果「希パワーでしょ?あれ注入すると風邪とか治るの?」
希「知らん。知らんよそんなのは。いい?一人暮らしで風邪を引くとな」
希「うう…辛い…」
ピピピピ
希「うわっ。38度9分…。見なきゃ良かった。ああ…立ち上がるのが辛い…でも、薬飲まなきゃ」
チクチク
希「時計の音が気になって眠れない…鼻詰まりも辛い…うぅ…心細い……ウチ…このままずっと一人なんかなぁ…」
チクチク
希「きっとそうや。このまま一人で苦しまなきゃいけないや」
希「と言う感じ辛いし心細いしでかなりキツイんよ。病院も自分で行かなきゃいけないしね」
穂乃果「うへぇ。それは確かにきつそうだ」
凛「風邪の時って歩くのもキツイもんね」
希「でもな…」
ピンポーン
希「誰や……こんな時に…」
ガチャガチャ
にこ「あっ!鍵空いてるわよ?」
絵里「全く、不用心ね。希、入るわよ?」
希「えりち…にこっち…来てくれたん?」
絵里「希が学校休むなんてよっぽどだと思ってね」
にこ「全く。連絡くらい寄越しなさいよ。ほら、にこのプリティフェイスを見たら元気出るわよ?」
希「はは…にこっちは相変わらず元気で羨ましいわ。何とかは風邪引かないって言うもんなぁ」
にこ「何よ。憎まれ口叩く余裕があるんじゃない。馬鹿は風邪を引かないんじゃなくて体調管理が出来ないお馬鹿が風邪を引くのよ」
希「そっか…。これは…一本取られたなぁ」
にこ「ほら。プリン食べる?今日は特別に食べさせてあげるわよ」
希「ありがと…にこっちのたった一人のファンに恨まれてしまうなぁ」
にこ「一人じゃないわよ。沢山いるわよ」
絵里「希?キッチン借りるわよ?おじやだったら食べれでしょ?」
希「えりち…ありがとな」
希「ってえりちとにこっちが来てくれたんよ」
凛「やっぱり持つべきものは友だね」
希「そうやねぇ」
穂乃果「穂乃果はにこちゃんの言葉が凄い胸に突き刺さったよ!」
希「まあ…そっか」
穂乃果「うん!」
凛「なんでそんなに元気に返事が出来るのかな?」
穂乃果「一人暮らしって結構大変なんだね」
凛「凛もいつかするのかな?」
希「さあ?分からんけど。人生経験として一度はしてみてもいいかもしれんね。きっと、お母さんの居るありがたみが分かると思うよ」
穂乃果「そっか。確かにそうだね」
凛「うん。じゃあ、今日は希ちゃんが一人で寂しくならない様に希ちゃん家で遊ぶ?」
希「ウチの家?」
穂乃果「うん。ダメなの?」
希「いや、オッケーやけど」
穂乃果「じゃあ、決定だね。後は絵里ちゃんを捕まえなきゃ」
凛「そうだね。ここからが本番だにゃ」
希「よっしゃ、行こうか!」
完
おつおつ
乙
乙
えりちの人か
この話をしたら遊びに来てくれそう
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