野崎「堀先輩、大学生活はどうですか?」 (23)
堀「大学生活か? まぁそうだな……高校よりも自由だから伸び伸びとできるな」
野崎「伸び伸び……ですか」
堀「そうだな……まぁ一番驚いたのは」
堀「都さんと同じ大学ってことだな」
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回想
野崎『堀先輩、大学はもう決めたんですか?』
堀『ああ、◯◯大学にしようと思う』
野崎『!!!?』
堀『ん? なんでそんなに驚いてるんだよ?』
野崎『その大学……都さんの通っている大学です』
堀『都さん? 都さんって確か……お隣の漫画家さんか?』
野崎『はい』
堀『……すげえ偶然だなそれ』
野崎『因みにどうしてその大学を?』
堀『いや、ただ距離が近いってだけだ。 それに今の成績で行けそうだしな』
野崎『なるほど……』
ピンポーン
堀『ん?』
野崎『誰だろう』
ガチャッ
都『こんにちは野崎くん、墨汁返しに来たの』
堀『!』
野崎『都さん』
都『あら? 堀くんもいるのね』
堀『こんにちは……あの、都さんって◯◯大学に通っているんですか?』
都『? ええ、そうよ』
堀『実は俺もその◯◯大学を受けようと思ってるんです』
都『まあ!? 本当!?』
堀『はい』
都『◯◯大学はいいところよ!! 駅の近くにあるし、キャンパスが大きいし』
堀『……イケメンはいますか?』
都『へ?』
堀『うちの鹿島よりイケメンはいますか?』
野崎『』
野崎『そんなの聞いてどうするんですか』
堀『この大学、演劇サークルがあるって聞いてな。 ちょっと気になってな』
堀『これがうちの鹿島の写真です』
都『凄いわ……顔だけ見ると美少年にしか見えないわ』
堀『そうでしょう?』
野崎(嬉しそうだ……)
都『そうね……この子よりイケメンな人かぁ……』
堀『……』
都『……いないわねー』
堀『くっ……喜んでいいのか悲しんでいいのか分からねえ』
野崎(忙しい人だな……)
野崎「それで都さんの言ってた通り、鹿島よりイケメンな人はいなかったんですか?」
堀「ああ、いなかった」
野崎「都さんとはキャンパスではよく話すんですか?」
堀「ああ、そうだな」
堀「……もうこんな時間か。 んじゃ、またな。 またなんか恋愛ネタあったら報告するな」
野崎「はい、ありがとうございます」
別の日
堀「二限目も終わりか……」
堀「しかし高校よりも授業の時間がすげーなげえな……」
堀「……3限まで時間あるし食堂にでも行くか」
堀「今日は友人は全員大学来てねえしな……一人で食べるか」
都「あら? 堀くん?」
堀「! 都さん」
都「今一人なの?」
堀「はい、今日は友人は全員休みで……」
都「私も今一人だったの。 ……よかったらいいかしら?」
堀「いいですよ」
都「本当? ありがとう」
都「凄いわね、背景をそんな綺麗に描けるなんて……野崎くんが羨ましいわ」
堀「いや、俺はそんな……都さんはアシスタントさんとは普段はどんな話を?」
都「私? 私はね……」
遼介「さて、次の授業まで時間がある」
遼介「そう、この僅かな時間を使って……」
遼介「都との距離を縮めるぜ!!」
遼介「そうと決まれば早速都探しっと……」
遼介「……!! いた!!」
遼介「おーい! みや……」
都「うふふ……本当野崎くんって面白いわね」
堀「いやあ……もう溜まったもんじゃないですよ」
遼介「!!!!?」
遼介「あ、あれは……鹿島くんの先輩!!」
※堀先輩と遼介くんは原作73号で面識があります。
遼介(どういうことだ、なんで彼がここに……?)
遼介(!! そうか、彼は去年は高3……つまり今年大学一年で……◯大に入ってきたのか!!)
遼介(いや、驚くことはそこじゃない)
遼介(一番驚くべきことは……)
遼介(都と……物凄く仲良く話しているということだ!!!)
遼介(落ち着け!! 頭を整理しろ瀬尾遼介!!)
遼介(あれはきっとただの男友達!!)
遼介(……のわりには都、めっちゃ楽しそうじゃねえかよ!! 一体どんな話を……?)
堀「やっぱり鹿島が一番ですよ」
都「確かにかっこいいわねー」
遼介「!!?」
遼介(鹿島くん……? まさか後輩自慢か?)
遼介「……!!」
遼介(堀くんっつったか……確かあの子って鹿島くんの話でよく出てきたよな)
遼介(話を聞く限りだとすげー憧れるっぽいけどな)
遼介(俺は付き合ってるんじゃないかと思ってたが……)
都の友人「あんた、さっきから何ジーッと見てんのよ」
遼介「!!」
都の友人「なんかまるでストーカーみたいよ」
遼介「い、いや……これはその……」
都「……あら? 遼介くん?」
遼介「!! み、都……」
堀「!! 瀬尾の……お兄さん!?」
遼介「ひ、久しぶりだね……」
堀「ここの……大学だったんですか?」
遼介「あ、ああ……そうなんだ」
都の友人「ゆかりおはよー」
都「あれ? 今日は休みじゃ……?」
都の友人「レポート今日までだからさ、提出しに来たの」
都「なんだそっかー」
遼介「……」
遼介(み、都の隣に来ちまった……)
遼介(そして目の前には堀くん……)
遼介「……」
堀「あの……具合でも悪いんですか?」
遼介「い、いや……そういうわけじゃ……なぁ堀くん」
堀「……なんですか?」
遼介「……大学に好きな人はいるかい?」
堀「へ?」
都「なになに!? 恋愛話!!?」
遼介「!!!」
遼介(都がいつになく食いついてる……)
堀「いやあ……別に好きな人とかは……」
遼介「すぐ近くにいたりしないか?」
堀「……? はい、いないです」
遼介「本当だな!!? 本当に本当だな!!?」
堀「はい」
遼介「本当に本当に本当に本当だな!!?」
堀「は、はい」
都の友人「ちょっとあんた、何後輩いじめてんのよ」
遼介「……!! ああ、悪いな堀くん。 つい……」
堀「い、いえ……」
遼介(この表情……嘘は言ってねえな)
堀「……」
堀(差し詰め都さんが漫画家なのを知ってて恋愛ネタを探すのに協力してるってところか? だからあんなに必死で……)
堀(だとしたら悪いな、なんの収穫もないから……)
遼介「……」グッ!!
堀(なんでガッツポーズしてんだ……)
遼介(そうか……この二人は付き合ってない……ハズ!!)
遼介(だったら……)
遼介「……俺にはな」
都「遼介くん……?」
遼介「俺にはいるぜ……好きな人がな」
堀「!!!」
都「遼介くん!! 好きな人がいるの!? 誰!?」
遼介(食いついてる!!)
遼介「ああ、その人はな……」
都「その人は……?」
遼介「その人はな……」
堀「その人は……?」
遼介(言え!! 言うんだ俺!!)
遼介「俺の目の前にいる!!」
都「!!!」
遼介(言った……ついに言ってやったぞ!!)
遼介(都……俺が好きなのはお前だ!!)
都「堀くん……私達、あっちで食べましょうか。 邪魔しちゃ悪いわ」
堀「え……は、はい」
遼介「えっ」
都「じゃあ二人とも……仲良くね」
タッタッタッ……
遼介「えっ……ちょっとおい!! 都!!」
遼介「なんで……」
都の友人「……」
遼介「あっ!!!!」
都の友人「はぁ!!? あんた私の事が好きだったの!!?」
遼介「ちげーよ!! そんなわけねーだろ!!」
都の友人「そうよね!? じゃあゆかりよね!?」
遼介「ああそうだよ!! 都だよ!! 俺が好きなのは都だよ!!!」
都の友人「やっぱり!! だってあんた、ゆかりの店行ってバニーガールリクエストしたそうじゃない!!」
遼介「してねーよ!!!!」
都の友人「てゆーかなんであんな回りくどい言い方したのよ!! 素直にゆかりが好きって言いなさいよ!!」
遼介「うるせーな!! お前がいること忘れてたんだよ!!」
都の友人「どんだけ存在感薄いのよ私!!!」
都「……はっ!!」
堀「こ、今度はどうしたんですか?」
都「私ったらつい堀くんを連れて来ちゃったけど……」
都「本当は遼介くん、ゲイだったのかもしれない……」
堀「は!!!!?」
喫茶店
鹿島「ええっ!? 堀先輩、お兄さんと同じ大学なんですか!?」
遼介「ああ、俺もびっくりしたぜ」
鹿島「そっかー……よーし、オープンキャンパスは絶対そこに行こう!!」
遼介(やっぱ堀くんのことが好きなんだな)
鹿島「……そういえば大学で彼女とかできたのかなぁ」
遼介「!」
遼介(ははーん……やっぱり気になるんだな)
遼介「安心しな、この間聞いたらいないって言ってたぜ」
鹿島「そっかぁ……もしいたら跳び蹴りとかの対処法とか教えた方がいいかなって思って」
遼介「!?」
鹿島「私は身体ヒョロヒョロじゃないからなんとかなったけど……」
遼介「高校の時何されてたの!?」
終わり
乙
おつ
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