名探偵オペラ 安斎都の事件簿Q シンデレラ寮殺人事件!? (119)

モバマスの安斎都ちゃんSSです。
なんちゃってミステリーなので矛盾が有っても、突っ込みながら読んで貰えたらと思います。
スマホだからゆっくり更新

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1378267830

9月某日 22時10分 シンデレラ寮1003室

凛「~♪」

凛「ただいまー。少し帰るの遅くなっちゃったけど……。電気消えてる?」

凛「あっ、晩御飯作ってくれてたんだ。もしかして、もう寝ている? に……」

凛「……え?」

?「……」

凛「ッ!」

凛(頭……叩かれた……? 意識……が)

凛「」

?「……ふふっ」

9月某日 25時 903号室

560さん「イワコデジマイワコデジマ! 本怖、五字切り!」

小梅「はーっ……! ……最近の本怖、あんまり怖くないかも……」

小梅「夜更かし……しちゃった。明日も仕事あるから……、早く寝ない……」

ドンッ!!

小梅「! な、何……? い、いいい今の音……、窓から?」

小梅「!!」

小梅「ほ、本当にあ、有った? お化けの……、あと?」

同日 26時30分 1003号室前

翠「その、申し訳ありません。無理を言ってしまって。こんな遅い時間に」

管理人「全くだわい。一体全体こんな夜遅くに何の用が……」

翠「渋谷さん? あの、言われた通り来ました……プロデュー……サー?」

管理人「ほ、包丁が刺さって……! け、警察と救急車を呼ばないと!!」

翠「きゃああああ!!」

同日 7時21分 ああ安斎都探偵事務所(4869プロダクション)

コホン! 私の名前は安斎都、今巷で有名な探偵アイドルです! といっても、まだまだ駆け出しですけど、いつか憧れのホームズ先生と肩を並べるような素敵な探偵を目指して頑張っています!!

P「巷で、って言っても町内会のお爺さんお婆さんに可愛がられているだけなんだけどね」

都「ああ安斎都探偵事務所は、電話帳の一番か最初に書かれています! ご用の方はお気軽にお電話を!!」

P「色々ギリギリな名前だよな……。それよりもトップアイドル目指さんかい。そもそもここ、芸能事務所だからね。所属アイドルキミだけなんだけどさ」

ちひろ「まあまあ! 都ちゃんも楽しんでいるから良いじゃないですか! それよりも、新開発のエナドリQってのを作ったんですけど、飲みませんか? 今ならお得な纏め買いが……」

P「遠慮しときます」

ちひろ「残念ですね……。今日も今日とて売り込みに行きますね!」

P「事務仕事して下さい! って行っちゃった……。でもあの怪しいドリンクがうちのプロダクションの収入源なのは事実だしなぁ」

彼は私の助手、プロデューサーさん。所謂ワトソン役です。名探偵である私には無くてはならない、優秀な助手です。後プロデューサーとしても優秀です。

P「アイドル活動はついでみたいに言うなよ」

都「爽やかな朝は、ブラックコーヒーから始まります。お洒落なBGMとともに……」

P「オハヨーオハヨーってミルキィホームズのOP聞きながら何を言うか」

都「苦い……」

と格好つけてみても、見た目は子供、味覚も子供。まだまだ私の舌には早過ぎたみたいです。あっ! もちろん頭脳は大人ですよ!!

P「ほれ、砂糖入れますからねー」

都「流石名探偵の名助手! また腕、上げましたね!」

彼は私の求めている物をいち早く察知してサポートしてくれます。

都「今日も一日、謎に満ちた素敵な一日になりそうですね」

その日も私たちにとっては、極々普通の一日になる、と推理していました。仕事の中で謎や不思議を見つけて推理して。そしてその中に隠された真実を見つけだして。
プロデューサーさんは呆れたように笑うけど、それでもこの毎日に充実感と居心地の良さを感じていました。

都「で、今日はどんな事件が私達を待っているんですか? 窃盗ですか? 誘拐ですか? 放火ですか? 冬季限定生チョコレート事件はまだですか?」

P「事件ってあのねぇ……。今日はラジオに出演だね。凛ちゃんがパーソナリティをしている、勇気凛々胸いっぱいラジオのゲストだな」

都「凛さんの番組に出れるんですか!?」

渋谷凛さん。私より年下ですが私の何倍も活躍している今をときめく人気アイドルです! 私が探偵アイドルを目指すようになったのも、彼女がきっかけでした。
偶々見に行ったライブで凛さんのステージに心を奪われて、ステージに私たちを魅了する秘密があるんじゃないかと調査していたら、プロデューサーさんに捕まったんでした。

P「おっ、良い食いつきっぷりだ。デビューしたての頃、レッスンを見てもらったりしてたしね。凛ちゃんサイドから番組に出ないかって打診があったんだ。人気のあるラジオだし、ここでアピール出来れば仕事が増えるかもな」

都「事件の依頼ですか!? 俄然やる気が出て来ました! 孤島の館……、想像するだけでゾクゾクします!」

P「いや、それは無いんじゃないかなぁ……」

都「犯人は……、お前だ! 指の角度、もう少し上げた方が良いかな?」

P「まあ、やる気があるなら良いのかな? おっと、電話だ」

P「はい、こちらああ安斎都探偵事……失礼致しました、4869プロダクションです! ええ!? 今日の収録は中止!? 一体どうしてですか……へ? テレビを見てくれ、ですか?」

都「テレビですか? この時間は『ハルチカ~上条春菜と横山千佳』を放送しているんじゃ? ってプロデューサーさん! これ……」

その報道は、私たちの日常を切り裂きました。

P「人気アイドル渋谷凛を殺人容疑で逮捕……、って何ですってえええええ!?」

都「殺人……事件?」

日常は非日常へ。そして始まる、真実への挑戦。その先にある物は……。

導入部終了。スマホからだと打ちにくくて仕方が無いので、明日ネカフェから書き溜めをメールで送ってから一気に投下するようにします。
一応、出題編と解答編も作る予定です。都ちゃんの出てるドラマと思って読んで貰えたらと思います。

書いてきます。便宜上凛Pに名前がついてますが、ご了承ください。

P「えらいことになってるな、こりゃ……」

都「凛さんが逮捕って……。別人、ですよね? ほら、ドッペルゲンガー的な」

P「いや……、その渋谷凛だな。同姓同名の他人ってことはなさそうだ。しかし殺人事件だなんて……」

都「えっと……、被害者は?」

P「担当Pの安久路以登(アク・ロイト)Pだね。俺とさほど年齢も変わらないのに、多くのアイドルをプロデュースしてきてトップアイドルに導いてきた若手敏腕Pだったんだ」

都「世界一有名な被害者みたいな名前してますね」

P「何度か話す機会があったけど、中々好感の持てる人だったよ。凛ちゃんと深い信頼を築いていたはずなのに……」

都「アイドルが担当Pを殺した……」

P「事実かどうかは分からないけど、警察はそう思ってるっぽいね。しかしどういうことだ? 今日のスケジュールがあいたのはともかく、あの子が人殺しなんて……」


都「行きましょう!」

P「へ?」

都「現場にです!」

P「現場にってまさか……」

都「はいっ! 凛さんにはお世話になってきました。だから、私には凛さんが人を殺すなんて到底思えないんです。だから……」

都「この事件、私が真実を暴いてみせます!」

P「しかしどうするつもりだ? 警察が捜査しているんだし、俺ら一般人に入り込む隙は無いぞ?」

都「そこは……、大丈夫です! ……多分」

P(ホントか?)

都「膳は急げです! さぁ、現場に行きますよ!」

P「あっ、ちょ待って!」

『新しい情報が入ってきました! えっ? 大変失礼いたしました……。先ほどの報道は……』

8時00分 シンデレラ女子寮前

P(シンデレラ女子寮……、業界大手のCGプロダクションが有するアイドル用の寮だ。10階建てで1階には設備の整ったレッスン場が有り、数多くの人気アイドルやトレーナーが入寮している)

P「朝も早いってのに、野次馬どもが集まってるな。仕事はどうしたんだよ」

P(俺もだけど)

都「ハンカチもあんぱんも忘れてませんね! それじゃあ、現場に……」

暑苦しい刑事「ジャースティース! こらっ、ダメじゃないかッ! 現場に入ろうだなんて! ここは関係者以外立ち入り禁止だよッ!」

都「わっ!」

P「ほら、言わんこっちゃない」

都「えっと! 私は探偵なんですよ!」

P「えーと……、その助手? です。というかプロデューサーです」

暑苦しい刑事「探偵? 君のような小さな子が? 確かに着ている服だけはそれっぽいが……。では、探偵免許を見せたまえッ!」

都「た、探偵免許!? え、えっと……。忘れちゃいました?」

暑苦しい刑事「残念だが、自分はキミたちをここに入れるわけに行かないようだ。探偵免許の制度はニホンにはないからね」

都「は、嵌められちゃいました!」

暑苦しい刑事「さぁ! ここは警察に任せたまえ! 市民の安全を守るのも、自分のジャスティスだ!」

P「そりゃそうだよなぁ……。ここは弁護士先生に任せるしか……」

都「でも……」

P「気持ちは分かるよ? 俺だって凛ちゃんが安久Pを殺したとは思えない。だって……」

都「だって?」

P「いや。何でもないよ。多分だけど警察も知ってるだろうし。すみません、お騒がせしました」

暑苦しい刑事「うむ。その気持ち、自分にはよく分かる。だからこそッ! 自分たちに捜査を任せ」

??「イイんじゃないですか? 別に捜査したって」

暑苦しい刑事「むっ、キミは……片桐君!」

早苗「その探偵っぽい格好している子、被疑者の知り合いみたいですし。この写真に一緒に写ってますよ?」

都「あっ、それレッスンのときに撮った写真です!」

暑苦しい刑事「なんと! しかしだね……」

早苗「ほらっ、そこは彼女なりのジャスティスがあるのよ! きっと」

暑苦しい刑事「ジャスティスだとッ! ぐぬぬ……、自分は誰の正義を信じればいいのだ!!」

早苗「勝手な行動とるようならこっちでシメとくんで、刑事は自分のジャスティスに素直になってください♪」

暑苦しい刑事「そ、そこまで言うなら仕方が無い! キミたちのジャスティスを信じて、捜査を許可しよう!」

都「! 本当ですか!」

暑苦しい刑事「ジャスティスに二言はない! では片桐君、よろしく頼むよ!」

P「えーと……、良いんですか?」

早苗「うーん、いいんじゃない? 一応あたしが監視するんだし。あっ、自己紹介まだだったね。あたしは片桐早苗、事件の初動捜査を担当している刑事よ」

都「安斎都です! 探偵志望です! 後それとアイドルやってます」

P「だからアイドルはオマケなんかい! 俺は彼女のプロデューサーです。一応コイツのワトソン役でも有りますね」

早苗「アイドルねぇ。道理で一緒に写真に写ってるわけだ。まぁ現場の捜査粗方終わっているから、好きに捜査して貰ってかまわないわよ? あっ! でも物に手を触れたりしないでよ? 怒られるのお姉さんなんだからね。始末書100枚近く溜まってるんだし、余計な仕事与えないでよ?」

P(なにやらかしたんですか)

都「それじゃあ早速現場に行きましょう!」

P「……なぁ都?」

都「なんですか?」

P「現場って事はさ……、殺人があった形跡があちらこちらにあるってことだろ? 怖くないの?」

都「大丈夫です! ドラマとか小説で慣れてますから!」

P(本当に大丈夫か?)

現場検証 1003号室 リビング

P「うっ……、あの赤いのって……」

早苗「当然、被害者の血痕よ。この部屋で事件がおきたってことを物語ってるわね」

P「おーい、都? 大丈夫……」

都「きゅー……」

P「お-い。……気絶しちゃったよ」

早苗「まっ、そんなモンよね。で、どーするの? プロデューサー君。ここ、保健室じゃないわよ?」

P「仕方ない、俺が話を聞きます。そもそもの疑問なんですが、何で凛ちゃんが逮捕されたんですか?」

早苗「色々あるけど、現場に凛ちゃんが居たって言うのが大きいかしら?」

P「まぁこの部屋、凛ちゃんの部屋ですからね。いるのは当然ですね」

早苗「そっ。それにこの部屋、独り暮らしにしては荷物が少し多いと思わない?」

P「確かに……、言われてみればそんな気がしますね。ってまさか……」

早苗「業界じゃ有名な話だったみたいだけど、安久Pだっけ? 被害者とデキてたみたいね。知ってた?」

P「ええ、まぁ。この業界って情報伝達早いですからね」

早苗「15歳に手を出したってアレだよね? しかも! 被害者のポケットには婚約指輪があったのよ! ホント、どうかしてるわ」

P「こ、婚約指輪ぁ!? り、凛ちゃん宛てにですか!?」

早苗「そうじゃないかしら? しっかしまぁ、本当なら豚箱に送ってるとこなんだけど、今はそれどころじゃないからね」

P(まぁ、後1年は待つべきだったよなぁ)

早苗「半同棲状態ってところかしらね? 普通は認められていいものじゃないんだろうけど、凛ちゃんのモチベーションのためにも事務所も黙認してたっぽいわ」

P「ふむふむ……。同棲していた、と」

早苗「まぁ被害者のほうも住んでいたアパートが火事に遭ったみたいで、とりあえず凛ちゃんの部屋に住んでいた、という事情が有るっちゃ有るんだけどね」

P「それは災難ですね……」

早苗「だからあたしとしても、あの子が犯人とは思いたくないんだけど、あの子が犯人だとすると全ての辻褄が合うのよ」

早苗「油断していたんでしょうね。歯を磨いている所で後ろからブスっと! 行ったみたいよ。んで振り帰ったところでお腹にもう一発! 被害者は2回刺されたのよ」

P「歯を磨いているところを……」

早苗「親しい間柄じゃないと出来ないわ。目の前で歯を磨くなんて」

P(言われてみればそうかも)

[被害者の状況] 事件が起きたのは21時から23時の間。歯を磨いているところを後ろから刺されさらに腹部も刺されたため、傷跡は2箇所ある。凶器は包丁。

[包丁] 凶器。残された指紋は凛のもの。

早苗「それと凛ちゃんの着ていた制服には返り血が付いていたわ。制服の裏には凛って刺繍が縫われていたわね。余り手先は器用じゃないのか、ちょっと不恰好だけどね」

[制服] 返り血がついている。刺繍が縫われている、世界に1着だけの制服。

早苗「でも被害者もただではやられなかった。刺されても意識は残ってたみたいで、近くにあったフライパンで一発お見舞いしたのよ!」

P「フライパン、ですか。そりゃ痛いですね。でもまだ息が有ったって分かるんですか?」

早苗「力尽きる前にあたしらにメッセージ残してたのよ。フライパンで殴られて気絶した凛ちゃんは第一発見者が来るまで目が覚めなかったみたいね」

P「第一発見者? その人が警察に連絡を?」

早苗「微妙に違うかしらね。2時半頃この部屋を訪れた子がいるのよ。なんでも用が有ったみたいね。えーと、何って言ったかしら? 弓道をしているとか言ってた気がするけど……」

P「? 随分と遅い時間ですね」

早苗「近所迷惑なことに、インターホンを何回も鳴らしたけど出て来なかったみたい。それで仕方ないから管理人さんに鍵を開けてもらったみたい。管理人さんも大変よね、こんな遅くまでアイドルたちにパシられるなんて」

P「そこで発見しちゃったわけですか……」

早苗「第一発見はその子と管理人ね。ちなみに通報してきたのは管理人。携帯を持ってきてなかったから、わざわざ一階まで降りて通報したみたいね」

[フライパン] 被害者が凛を殴って気絶させた。指紋は被害者のものが残っている。

P「さっきメッセージって言ってましたけど……」

都「うぅ……、すみません。気を失っていました……」

P「お目覚めか? まぁ遺体が無いだけマシ、なのか?」

早苗「? いたい?」

都「精神的にちょっと来ましたけど……、もう大丈夫です! えっと。都にも情報をください!」

P(片桐刑事から聞いた情報を都に伝えた)

P「認めたくないけど、現場が現場だし歯磨き中に刺すなんて芸当が出来るのは凛ちゃんだけしかいないよな……」

都(本当にそうなのかな? こういう時は現場の状況と照らし合わせて……)

都「おやおや?」

P「どうした?」

都「これ、見てください。机の上にご飯置きっぱなしですね。サラダにハンバーグに……。私の推理によると、食べられていないっぽいです」

P「推理って……、見りゃ分かるね。食べちゃダメだよ?」

都「私は喰いタンじゃ有りません! 美味しそうですけど」

早苗「あー、それ? 被害者が作ってたみたいよ?」

P「被害者がですか?」

早苗「聞いたところによると、被害者は料理が趣味だったみたいね。今回の事件の凶器も包丁なのよ」

都(文字通り最後の晩餐、ってわけですね)

都「うーん……。でもそれって、なんか変じゃないですか?」

P「変?」

都「普通歯を磨く時って、ご飯後ですよね? なのに被害者はご飯を作るだけ作って、食べずに歯を磨いている……。これ、おかしいと思いませんか?」

P「! そこんとこどうなんですか?」

早苗「いや、警察も気付かなかったわけじゃないわよ? でも重要なのはどうして歯を磨いたかの理由ではなくて、『歯を磨いていた、そこを襲われた』ってことなのよね」

P「つまり……、そのご飯はさほど重要じゃないと?」

早苗「気になるのは分かるけどね。それに、まだあるわよ? 渋谷凛が犯人として逮捕された理由」

早苗「現場は半密室だったのよ」

都「半密室? それ、どういう意味ですか?」

早苗「現場は事件当時のままなんだけど、見ての通りベッドの傍の窓だけは開いていたのよね。一方ドアの鍵は閉まっていて、中には被害者と気絶した凛ちゃんだけがいた」

P「成程、窓は開いているけどこの高さじゃ逃げれない、か」

早苗「詳しい高さは分からないけど、10階建てのマンションだしだいたい30~35mってとこかしらね。身を乗り出したら危ないわよ?」

都「だから半密室なんですね」

早苗「そーゆーこと。一応横に飛び移れるかもって考えはあったけど、流石に無理が有ったわ。隣の住民、気付くだろうし、下手しなくても死ねる高さよ」

都「検証してみましょう!」

P「無理言うなよ」

都「輿水さんを呼んで!」

P「どういう扱いだよ!」

[半密室] 扉は閉められており、窓は開けっぱなし。

都「! むむむっ、これは……。鳥の羽ですね」

P「鳥の羽?」

早苗「窓開けっ放しだったから、入ってきたのかしらね?」

都「!! 見えました! 今回の事件!」

P「へ?」

都「この半分密室を解決する方法を思いついたんです!」

早苗「一応聞いてあげる。何かしら?」

都「簡単ですよ! 犯人は……鳥人間なんです!」

P「は? 鳥人間?」

都「そうです! 窓から侵入して、安久さんと凛さんを襲い窓から飛び立ったんです! この羽は……、犯人の羽です!」

都「真実は……、都のも」

P「……いや、これスズメの羽じゃない?」

早苗「……少しでも期待した私が馬鹿だったわ」

都「の……とは限りませんね。分かってましたよ! これはプロデューサーさんを試したんです! さすが名探偵の名助手! 見事な推理でした! これからも精進してくださいね!」

P(推理もくそもねーよ!)

早苗「子守も大変ねー。仮に鳥人間だとしても、それじゃあ指紋はどうなの? って話よね。ナイフにもフライパンにも第三者の指紋はないわよ?」

都「うぐぐ……」

P「まっ、気を取り直していこうぜ。そう言えば、鍵はどうなんですか? 鍵を使えば普通に出入りできますけど」

早苗「それも無理ね。管理人さんが持っているマスターキーを除いて鍵は2つ在るんだけど、1つは凛ちゃんの物、もう1つは被害者の持ってた合鍵なのよ」

都「鍵はどこに有ったんですか?」

早苗「凛ちゃんの持っているもとの鍵は本人が持っていたわ。で、合鍵のほうは被害者の財布の中に入っていたのよ。あっ、財布ってコレね。窓際のベッドの上に落ちていたわ」

P「縦長のタイプか。お金が溜まるって言うよね。これはピンバッジかな? 少し欠けている部分が有るけど、『P』の形をしているな」

早苗「『P』roducerの『P』かしらね?」

P「中には安久Pの免許証か。だから被害者の持ち物だと判明したんですね」

都「この写真……、子供のころの安久さんでしょうか? 小さな女の子と写ってますけど」

早苗「被害者にとって大切な写真だったんじゃないかしら?」

都「ってアレ? この財布、光ってません?」

P「光る?」

都「こうやって手で抱えるようにして光を遮ると……」

P「あれま、ホントだ。夜光塗料でも塗られてるのかね?」

[2つの鍵] 凛と安久Pが持っている。1つは財布の中から発見された

[安久Pの財布] 『P』の形を模ったピンバッジがつけられている。中にはお金と鍵と写真が入っている。何故か夜光塗料が塗られていた。

早苗「指紋を検出したところ、被害者と容疑者のものが検出されたわ。まっ、当然よね」

P「他にはないんですか?」

早苗「現場に残っているものというと……、そうそう! こういうのはお姉さんたちより若いキミ達の方が得意じゃないかしらね?」

P「なんですか?」

早苗「被害者が血で残したメッセージよ。人差し指にしっかり血痕が残ってたわ。ほら、そこ書かれているでしょ? 被害者の下に有ったみたいで、動かしたから出てきたのよ」

P「シャイニングメッセージだべっ!」

都「ダイニングメッセージです! どんなのですか?」

P「いや……、なんかそう言う様に怪電波が来たといいますか……」

都「コホン。ダイイングメッセージですか、私こう見えて暗号は得意ですよ?」

早苗「こういうの得意じゃないのよね。だいたいさ、被害者も被害者よ! メッセージ残す元気があるならストレートに犯人の名前書けって話! そう思わない? 揃いも揃って推理小説の読みすぎよ!」

P(ミステリー全否定だこの人)

[ダイイングメッセージ] 被害者が残したメッセージ。縦に4十☆と書かれている

P「なんだこりゃ?」

都「4、十、☆……。これはなかなか難しいですね……」

P「どういう意味だ? 4と10と星……」

早苗「さぁ? 4月10日かと思って、この女子寮に住んでいる4月10日生まれの眼鏡アイドルしょっ引こうとしたけどその子アリバイは有ったし、オマケに冤罪を眼鏡をもって償えー、って煩いのよね」

P(あー。あの子ね。ハルチカのハルだ)

早苗「仕方ないから眼鏡掛けてあげてるんだけど。どう? 眼鏡のお姉さんもいい感じじゃない?」

P「ええ、ハイカラで素敵ですよ?」

早苗「あらっ、分かってるじゃない! ちょっとグラって来たわよ?」

P「後他に有りますか?」

早苗「現場に残されたものはこんな感じかしらね」

都「分かりました、ありがとうございます!」

捜査終了

早苗「もちろん他の場所も捜査しているけど、めぼしいものがなかなか出てこないのよね」

P「そうですか。すみません、無理言って現場に入らせてくれて」

早苗「良いってことよ」

都「そうだ! 面会って出来ませんか?」

早苗「面会? うーん、どうだろ。今はジャースティースって煩い刑事が取調べしてるんじゃない?」

P(ああ、あの一昔前の特撮ヒーローみたいな刑事さんか)

P「面会するにも、もちっと後ってことだな」

都「そうですね……。その間に重要な証言を探さないと! 情報は足で拾うんですよ!」

早苗「それなんだけど、夜遅くってことも有って事件の目撃者は第一発見者の子と管理人のお爺さんぐらいなのよね。あまり期待できないかもしれないわ」

都「監視カメラとかは無いんですか?」

早苗「1階のエントランスにだけ設置されてるわ。管理人さんに言えば見せてくれると思うわよ? ちなみに。この寮の門限は0時みたいね。0時になると入れなくなるんだとか」

P「すみません、片桐刑事。色々助けてくれて」

早苗「あー。早苗さんで良いわよ。刑事だなんて堅苦しいし。あーあ、私もアイドルになっちゃおうかなー? チラッ、チラッ」

P「あはは……、考えておきましょうか」

都「それじゃあ行きましょう! 凛さんが無実だという証拠を探すんです!」

早苗「あっ! そう言えば……、すぐ下の903号室の子が何か言いたそうにしてた、って事情聴取していた刑事が言ってたわね」

P「なんですか? その言いたいことって」

早苗「それは聞いてみてのお楽しみよ! 面会可能になったら連絡するわねー!」

P「なかなかエキセントリックな人だったな」

都「でも、協力してくれました! レストラード警部ですね!」

P「あはは。さて、どうするかね? 凛ちゃんの面会は無理っぽいし、カメラ見に行くか?」

都「それも気になりますけど、まずは903号室に行ってみましょう! 都の探偵の勘がささやいています! 大きな手がかりがあるって!」

P「だな。もしかしたら何か重要なヒントをくれるかもしれないし。ん、あれ?」

都「どうかしましたか?」

P「いや。あれさ、屋上への入り口の扉。何か張ってないか?」

都「何々? 鍵が壊れているので、上に昇れません。管理人」

P「まぁ開放してても危ないだろうしな」

都「でも屋上で寝転がって物思いにふけてみたいと思いませんか?」

P「んー、分からんでもないな」

都「ゴロゴロするのはまた今度で! 行きましょう!!」

一旦ここで切ります。続きは夜投下いたします

書いていきます

12時30分 903号室

P「なになに……、白坂小梅ちゃん、ねぇ。この子もこの寮に住んでたんだな」

都「知ってるんですか?」

P「怪談番組とかでちらほら出てくる、売り出し中のアイドルだよ。最近CDデビューの話が有るし、勢いはある子かな」

都「私のCDデビューはいつになるんでしょうか? 『恋はスリル・ショック・サスペンダー』なんてどうですか? パラパラ踊りながら……」

P(無表情でパラパラを踊る都……)

P「……ノーコメントで。日本コロ○ビアにも言ってくれ」

都「むぅ……」

P「んじゃピンポーンと」

??「あれ? 刑事さん……、では無いですね」

都「あっ! この人は……」

P「もしかして……、新田美波さん?」

美波「ええ、そうですけど……」

都「あのっ! 安斎都って言います! ?クロス探偵MINAMIのファンなんです!」

P(言っとくけど?はクロスを意味しているだけだからな。マでもないしセでもないからな)

美波「ふふっ、それは嬉しいですね」

都「このマグカップにサインを……」

P「こらこら、サインもらいに来たんじゃないだろ? つーかなに持ち歩いてんだか」

都「ハンチング帽、パイプ、マグカップとあんぱん! 探偵の必需品ですよ!」

P「最後のどちらかと言ったらデカじゃないか? すみませんね、うちの探偵バカが無理を言って。つーかキミもアイドルってこと、忘れてないよね?」

美波「いえいえ。構いませんよ? これで良いですか?」

都「ありがとうございます! これ、大切にしますね!」

?「新田さん、一体何を……」

?「何や何や? お客さんかいな?」

?「……ホームズ?」

P「あらま。皆さん来ちゃいましたね」

翠「失礼ですがどちら様でしょうか?」

笑美「んー? その子どっかで見たことあるんやけど……、思い出せんわ。なんやっけ? 新喜劇か?」

小梅「あ、あの……」

P「おっと。申し訳ないね、行き成り押しかけちゃって。俺は4869プロダクションのプロデューサーで、こっちの謎ミルキィが」

都「ああ安斎探偵事務所所長の安斎都です! 真実一路の名探偵、と憶えておいてください」

P(あっ、所長なんだ)

美波「探偵?」

P「探偵アイドル、ですね。あはは……」

P(思わぬ人たちに出会っちゃったな……)

P「新田さん達はどうしてこの部屋に?」

翠「事情聴取が終わった人たちで集まっていたんです」

美波「その……、小梅ちゃんがラップ現象に遭ったって聞いたもので、皆で話を聞いていたんです」

P「ラップ現象?」

都「少女にゃ十分証拠不十分! 冤罪生み出すコエンザイム! ホームズ読みたきゃ今すぐゴーホーム! みたいなやつですよ」

笑美「そりゃラップや! しかも微妙に違うで! ラップ現象っつーのは……、小梅っち、どう説明したらええんや?」

小梅「……何も無いところからきしむ音がしたり、振動が……起きたりするんです……」

P「ポルターガイストみたいなやつ? まさか」

小梅「窓を……誰か……が、叩いた……」

都「ぷ、プロデューサーさん! れ、霊界のことは探偵とは関係ありませんよね! 安久さんの怨霊とか、ありえませんよね!?」

笑美「! んな縁起でもないこと言わんとってよホンマに!! ……いくら冗談でも言って良いことと悪いことはあるで?」

小梅「それは……嫌……」

P(涙目になっとる。やっぱ怖いよな、お化け)

P「しかし窓を叩くって……、ここ9階だよ? 巨人じゃあるまいし……」

翠「それはそうなんですけど……」

美波「隣の人が物干し竿で叩いたんじゃないかって思ったんですけど、両隣とも不在みたいで」

小梅「それに……、窓に跡が……ついたんです」

都「あ、跡? そ、そんなこと有り得ませんよね? ね? 幽霊なんてプラーズマー的な何かであわわわわ!!」

P「落ち着きなよ」

翠「オカルトの類いは信じないんですけど、事実窓に残っているんです。不思議な跡が」

P「跡? 窓ってアレだよね。俺の目には良く見えないけどなぁ」

笑美「しっかしなんなんやろ。暗いところで光るんやろ? あれどうなっとんやろなぁ」

都「!」

P「都、それって……」

都「それ! 警察の人に話しましたか!?」

小梅「……は、話してません……。きっと、信じて貰えないから……」

P(確かに、それは信じがたい。幽霊の仕業、だとしたらの話だ。でも……)

都「あの証拠とリンクします!」

都「警察の人は関係性に気付いていないっぽいですね」

P「みたいだね。えーと……、それ何時ごろか分かるかな?」

小梅「あ、あれは……深夜1時……」

都(ポルターガイストじゃない。多分それは……)

都「夜光塗料……」

翠「夜光塗料、ですか?」

笑美「確かに言われたらそんな気もするけど、んなモンどうやったら窓につくんや?」

[903号室の窓] 1時ごろに窓を叩く音がした。何故か夜光塗料がついている

都「少し聞きたいんですけど、皆さんの部屋の位置取りを教えてくれませんか?」

美波「部屋ですか? 私は406号室です」

翠「私は3階の2号室です」

笑美「ウチは最上階の1006号室や!」

[部屋割り]
302号室 水野翠
406号室 新田美波
903号室(夜光塗料のついた窓) 白河小梅
1003号室(現場) 渋谷凛
1006号室 難波笑美

都(事件のあった部屋とこの部屋はちょうど一階違い……、偶然じゃない、よね)

P「そう言えば! もしかしてだけど、この中に弓道をしている子っていたりする?」

翠「? 私の事ですか?」

都「弓道をしている子……、第一発見者ですね!」

翠「! え、ええ……そう、なりますね」

P「嫌なことを思い出させるかもしれないけど、話して欲しいんだ。その時のことを」

都「お願いします。私たち凛さんを助けるために独自で捜査しているんです」

翠「渋谷さんを助ける?」

都「はいっ。凛さんが安久Pを殺そうとしたなんて、考えられませんから」

美波「それは私たちも同感です。あんなに仲が良かったのに、犯人だなんて……。翠ちゃん、大丈夫? 無理しなくても……」

翠「……分かりました。私の憶えている範囲でお話しますね」

都「はい、お願いします」

 昨日の夕方なんですけど、私の部屋のポストに手紙が入っていたんです。パソコンで入力したもので、差出人は渋谷さんでした。

都「手紙ですか?」

翠「ええ。もとの手紙は警察の人に渡しちゃったんで無いんですけど、コピーをとった物なら有ります」


[手紙] パソコンで打ち込まれたもの。翠の部屋のポストに入れられていた
詳細
『水野さんに折り入ってお話があります。26時30分に私の部屋に来てください。もしインターホンを鳴らしても出てこなかったら、管理人さんにマスターキーを借りてください。管理人さんは3時ぐらいまで起きてますから。待っています 渋谷凜』

都「むむっ……、手書きなら筆跡鑑定ができたんですけどね……」

小梅「これじゃあ……無理……」

P「これは渋谷さんが書いた手紙なの? お話ってのが気になるけど……」

翠「それは私も分かりません。妙な手紙だなとは思っていたんですけど、疑うのも悪い気がして。安久さんが渋谷さんと半同棲生活をしているのは私たちも知っていましたから」

美波「ええ。この寮じゃ暗黙の了解ですからね」

笑美「どこでもイチャついとったからなぁ。実は火事も安久Pが一緒に住むための口実で起こしたんとちゃうんか? って噂になっとったぐらいや」

小梅「Pさんは……、そんなこと……する人じゃないよ」

笑美「冗談やって。でも他の住民の寝タバコでの火事があったってのに、禁煙は上手くいっとらんみたやったなぁ」

P「タバコ、か……。一応憶えておくか」

美波「でも最近は……上手くいっていなかったみたいです」

P「へ? そうなの?」

笑美「ん? 安久はんに他に好きな子が出来た! って奴か? でもそれ、根も葉もない噂やろ?」

小梅「でも……たまに凛さんと喧嘩も……していた」

P「まぁ喧嘩ぐらい男と女の関係じゃ珍しくも無いだろうけどさ」

翠「えっと、話を戻してもよろしいでしょうか?」

 それで今日ですね。渋谷さんの言うように部屋に行ったんです。何回かインターホンを鳴らしたんですけど、出てくる気配が無くて。不思議に思って、管理人さんに鍵を借りに行きました。

 鍵を開けたのは管理人さんです。扉を開けるとリビングに、包丁が刺さった安久プロデューサーと返り血を浴びた渋谷さんがいたんです。

 警察に通報したのは管理人さんでした。私も管理人さんもすぐに終わると思ってたので携帯を持って来ていなかったんです。管理人さんは1階まで降りて通報しました。私はその……、恥ずかしい話ですが腰が引けてしまって……。

美波「ううん。仕方ないと思うよ。包丁に刺されていたなんて、目の当たりにしたら、私だってきっと……」

P「辛かっただろうに。でも話してくれたから、事件解決に一歩近づけた。ありがとう」

都「はい、水野さん。ありがとうございます」

翠「いえ……、事件解決に役立てたのなら、幸いです」

笑美「そう言えば、そろそろ準備しないとまずいんちゃうの?」

美波「あっ、いけない。準備しないと……」

翠「! もうこんな時間でしたか」

都「準備?」

美波「いえ。私と翠ちゃんは海外ロケが有って今日の15時過ぎに出発するんです。だから荷物をまとめとかないと……」

翠「申し訳ありませんが、私たちはここで……」

P「おっと。それは申し訳ない、時間取らせてしまったね」

美波「いえ。その、真犯人捕まえてくださいね。凛ちゃんの無実、晴らしてあげてください」

翠「私からもお願いいたします」

都「はいっ! 名探偵安斎都にお任せあれ!」

P「さて、それじゃあ俺たちもお暇しようかな」

小梅「あ、あの……」

P「? どうかした?」

小梅「見える……?」

都「えっ? み、見えるって……」

小梅「幽霊……、ひげを生やしてパイプを加えているロバートでダウニーな息子みたいな英国紳士の幽霊が肩に乗って……」

都「いやあああああ!」

P「あはは……。そりゃシャーロックホームズだな」

小梅「守って……くれる?」

笑美「頼むでー!」

翠「渋谷さんのこと、よろしくお願いいたしますね」

都「ぜぇ……、ぜぇ……。よくよく考えたらアレ、ホームズ先生の特徴ですよね……。つまり、私にはホームズ先生の守護があるってことですね!!」

P「だな。さてと……、管理人さんに話を聞こうか。監視カメラ、見るんでしょ?」

都「それなんですけど……。さっきの話を聞いて、気になったことが有るんです」

P「窓に付いた夜光塗料だよね。どうしてついたんだろうな、あれ」

都(こういう時は集めた情報のつながりを追っていけば良い、ってプロデューサーさんから借りたゲームで言ってました)

都(ここで一旦情報をまとめてみましょう。先ほど得た、あの情報を整理して、と)

[安久Pの財布]×[903号室の窓] 夜光塗料の付着

都「あの跡、財布についていた夜光塗料と同じやつでしょうか?」

P「だと思うけどなぁ。でも、何で窓についたかは分からないな……」

都「1時に窓を叩かれた……、夜光塗料……、財布に入った鍵……。繋がってきそうなんですが……」

都(そう言えば事件現場には鳥の羽があったっけ。空を飛べれば、窓から逃げる……。逃げる? いや……まさか!)

P「何か思いついた?」

都「プロデューサーさん……! 半密室の謎、分かったかもしれません!」

P「! 本当か!? どうやって……。犯人は空を飛んだ鳥人間、とか言わないよな」

都「そ、それは忘れてください! 忘れて忘れて忘れてビーム!」

P(あら可愛い)

都「コホン! それじゃあ気を取り直して……、私の推理、発表しますね! ??」

都「Q.E.D、で良いんでしたっけ?」

P「しかし、まだ決定的とは言えないな。証明終了と言うには証拠が足りない。だけど」

都(私の推理が正しければ、監視カメラに映っているはず……ッ! 犯人の姿が!)

12時10分 管理人室

管理人「監視カメラの映像が見たい? アンタら警察?」

都「いいえ、探偵です!」

P「まぁ、そういうことなんです。一応警察からも捜査の許可は貰ってますよ?」

管理人「ああ、アンタらか。無駄に可愛らしい婦警さんから頼まれてたよ」

P(無駄が一切無い可愛らしさだったと思うけどなぁ)

都「それじゃあ早送りしながら見てみましょう!」

P「確か小梅ちゃんが聞いた音は1時だったな。その前後に誰かここを通る人は……」

都「……いませんね」

P「……だね」

管理人「この寮の門限は0時だからな。それ以降はこの玄関のドアは開かないようになっているんだ。開けたければ、玄関にあるインターホンでワシを呼ばなくちゃいけんのだよ」

P「ちなみに、門限を破った子は?」

管理人「おらんよ。皆まじめで管理人としてもやりやすいぐらいだわい」

都「そんな……」

都(誰も玄関を行き来していない? じゃあどうやって……?)

P「じゃあ1階の窓から外に出ることって出来ますかね? 1時ごろなんですけど」

管理人「いや、出来なくもないが……、その時はワシも起きていたからの。窓を開ける音が聞こえたら直ぐに気づくわい」

P「そう、ですか……」

都「一階のレッスンスタジオはどうですか? ここからじゃ見えませんけど」

管理人「レッスンスタジオが使えるのは11時までで、鍵を締めるんだ。その鍵はわししか持っていないし、複製出来ないようになっているよ」

都「八方塞がりですね……」

都(考え方は間違えていないはず……、だけど証拠は残っていない。どうすれば……)

宅配便「すみませーん、宅配便でーす」

管理人「ああ、悪い悪い。このマンションではわしが一旦預かることになってんだ……」

都「……」

P「弱ったな……、カメラに映っていないんじゃどうしようも」

携帯>バッドシティバッバッシティ ファットシティバッド

P「電話だ? もしもし?」

早苗『あー、ワトソン君? 捜査の首尾はどう?』

P「早苗さん! 実は凛ちゃん以外にも半密室を作り上げることが出来る、という仮説は立てれたんですけど、如何せん証拠が足りなくて……。ってワトソンって何ですか……」

早苗『成程ね、行き詰っちゃった感じか。そうそう! さっきジャスティス刑事から報告があって、凛ちゃんと面会できるようになったわよ!』

P「! 本当ですか!」

早苗『無罪だー、って言うんならさ、凛ちゃん長い取調べで結構参ってるから、元気付けてあげなさいよ? じゃーね♪』

都「……」

P「ほらっ! しゃきっとしなさい! 名探偵なんだろ? ほら、アレだよ」

P「霧の向こうの真実を追い続けることをやめたとき、目の前の高い壁を見て諦めた時、探偵もアイドルも死んだも同然だ」

都「それ、誰の言葉ですか?」

P「By俺?」

都「ぷっ、なんですかそれは」

P「まだ事件は終わっていないんだ。だからキミのすべきことは……」

都「最後まで真実を追い続けること! たとえそれが残酷なものだとしても……、私は探偵です!」

P「そういうこと。まっ、俺も助手としてもちっとこの辺調べてみるわ。留置所行って来な」

都「はいっ!」

13時05分 留置所 第3面会室

早苗「あら! いい顔してるわよ? 覚悟決まった、って感じね」

都「はい、諦めないって決めましたから。自分の目で真実を見たいんです」

早苗「おーけー、ちょっと待ってて。準備するから」

凛「……都ちゃんか」

都「えっと……、来ちゃいました」

都(凛さん、すごくやつれてる……。無理も無いですよね、大切な人が死んで疑われて、取調べを受けて……。ううん。ここは年上の私がしっかりしないと!)

都「凛さん! 今私たちは事件の調査をしているんです。私たちは、凛さんが犯人じゃないって信じていますから」

凛「うん、警察の人から聞いたよ。……気持ちはすごく嬉しい、だけど都ちゃん達が頑張らなくても良いんだよ? だってさ、私自信が無いんだ。帰ったとき、もう既に刺されていて。その後誰かに殴られて気絶して。……持ってもいない包丁から指紋が出てきたし、服には血が付いていて。もしかしたら本当に私がやったんじゃないか、全部私のせいなんじゃないか、って」

都「凛さん……」

凛「事務所が有名な弁護士の先生を呼ぶみたいだよ。名前何って言ったかな? 古美……なんだっけ? お金はかかるみたいだけど」

都「大丈夫です! 私たちは凛さんを信じていますから! 真実にもう少しでたどり着けそうなんです。だから……、私たちを信じてください! 絶対に、ここから救い出してみせますから! それが、探偵アイドルの仕事です!」

凛「都ちゃん……」

都「凛さんの歌、私は大好きです。Naver Say Never。絶対に諦めないって歌ったじゃないですか! だから私は諦めません」

都「一緒にラジオ、出演しましょう!」

凛「……うん。そうだね、少し気が楽になったかな」

都「凛さん! 良かった、笑顔が戻ってくれて」

凛「約束、しても良いんだよね?」

都「はいっ! 任せてください! なんてったって凛さんは、最初の依頼人ですから!」

凛「あっ、ハナコが迷子になったときのことか。あの時も結構強引に依頼させられたっけ」

都(今なら話してくれそうだ。聞くべきことは……)

都「安久Pさんって、タバコを吸われるんですか」

凛「うん。止めなよ、って何度も言っているんだけどね。それでも中々止めれないみたい」

凛「緊張したりすると吸いたくなるみたい。一応事務所の皆の前では吸わない様にしているけど、たまに私の部屋にタバコの匂いが残ってたりするんだよね。慣れちゃったから良いんだけど、見てる側としても口の中がヤニだらけになるのは嫌だよね」

都(口の中がヤニにだらけ……)

都「もしかして、ですけど。タバコの後って歯を磨いたりしていませんか?」

凛「あれ? どうして知ってるの? エチケットを気にしないと嫌われるよ、って言ったらタバコ後は歯を磨くようにしているみたい。それならタバコごと止めなよ、って話だけどね」

都(じゃあアノ時、Pさんはご飯を作った後、タバコを吸っていて。その前後で来訪者がいたんだ。目の前で歯を磨くぐらい親しい間柄の誰かが……)

都「後、来ていた服に返り血がついていた、って事ですけど」

凛「それは私にも分からない。目が覚めたら、血のついた服を着ていたし……」

都(もしかしたら、犯人は凛さんの服と同じ服を着て、ナイフで刺して返り血をつけたとか? ボタンの制服だし、難しくは無いかな?)

都「あの制服が別の物、ってことはないですか? 例えば犯人が凛さんと同じ服を着た状態で安久さんを刺せば、返り血はつきます。その後着せ替えれば」

凛「いや、それはないと思うよ? ちゃんと刺繍は入っていたし」

都(となると、制服は交換されていない……)

凛「そもそも私が部屋に入ったとき、もう既に血を流して倒れていたんだ。それに驚いている間に後ろから殴られたみたいで……」

都「じゃあ2度刺されたって言うのは」

凛「私の手に血まみれの包丁が有ったのは多分、気を失っている間にもう一度刺されたんだと思う」

都(包丁を握らせれば指紋が付く。だけど返り血は……?)

凛「どうしたの? 怖い顔して」

都(凛さんにナイフを持たせて、そのまま突き刺した――。そうすれば返り血も指紋も付く。凛さんは知らず知らずのうちにPさんを傷つけていたなんて……)

都(私は犯人を……許せない!)

凛「そう言えば。警察の人が言ってたんだけど、財布の中に鍵が入っていたんだよね? その財布って、どんな財布だった?」

都「えっと。安久さんの財布ですね。中に子供のころの写真が入っていて、『P』ってバッジが付いてました」

凛「あれ? 変だ……」

都「変って、何がですか?」

凛「いや……、私の記憶に間違いが無ければ、あの財布には『R』って模られたバッジが付けられてたはずだよ」

都「え? 『R』ですか?』

凛「うん。路以登(Roito)の『R』」

都「『P』じゃない? でもあの財布は……」

凛「どういうことだろ?」

都(『P』財布には免許証が入っていた……。だけどそれはおかしい?)

都「もしかして……!」

都(あの時……! やっぱり、私の考えは間違っていない!)

都「証拠がまだ、残っているかもしれません! 凛さんの無罪を証明する、取って置きのピースが!」

凛「それじゃあ……、たどり着けそうなんだ。真実に」

都「はいっ! これで情報は粗方集まりました。凛さん、これから最後のピースを探しに行きます。少しの間、待っていてくださいね!」

凛「うん。……信じているから、ね」

都(急いで戻ろう! でもまだ分かっていないことが有る。あの暗号、一体……)

早苗「きゃあ!」

都「ってうわっ!」

「いてて……、すみません。ぶつかっちゃって……あっ、拾うの手伝います!」

早苗「あー、気にしなくて良いわよ。こっちも前見て歩いてなかったし。全く、資料ぐらい自分で持ってきなさいよねあの課長は!」

都「あれ? これって……」

早苗「あーそれ? 連続メガネ強盗事件の起きた場所をまとめてるんだけど、どうかしたの?」

都「そういうことでしたか! 暗号の謎……、解けました!」

早苗「へ?」

都「ありがとうございます! 安久さんの残した最後のメッセージ、しっかりと受け取りましたよ!!」

早苗「えっ、犯人が分かったの!?」

都「はい! だから急がないと!」

早苗「……よしっ、それじゃあお姉さんがパトカー出したげる!」

都「ええ? お仕事中じゃないんですか?」

早苗「雑用なんかよりも重要よ! ほら、そこのキミ! 地図課長のとこに持ってって! さもなくばシメる♪ え? 始末書? 今更増えたところ痛くもかゆくも無いわよ!! ほら、急ぐわよ!」

都(プロデューサー、寮の皆。少しの間、時間を稼いでください!)

14時40分 シンデレラ女子寮前

笑美「いやー、しっかしあれやなぁ! 幽霊が出るんやってね、小梅の部屋に!」

小梅「う、うん……。だから今晩私の部屋……、来て欲しい……」

笑美「えー。ウチこう見えてそういうホラー苦手やねんて」

小梅「……私も苦手。初対面の幽霊……相手に、何を話せばいいか分からない……」

笑美「そっちかーい!! 話の流れやとお化けが怖い、っつーことちゃうんかい!」

小梅「……そうだっけ?」

笑美「ウチに聞くなや!」

美波「えーと……」

翠「これ、いつまで続くんでしょうか……」

10階 廊下

P(すまない、笑美ちゃん小梅ちゃん! その2人を足止めしてくれ! 都のメールから犯人はどっちかが分かった。そして最後の切り札は……、何とか見つけることが出来た。結構骨が折れたけどね)

P(だけど、どうやってカメラに映ることなく、あの計画を実行に移せたか……)

P「っと、行き止まりか。ん? これは非難はしご? ……おいおい、これ漢字間違えてない……!」

P「ティンと来た!」

P「そうだ! コレを使えば……、あのトリックを可能にすることが出来る!」

P「そうと分かれば、確認しておかないと!」

笑美「そ、それじゃあお次は……ウチのモノマネでどや! ハリセン持って、バスターブレイダー!!」

翠「その……、コントも面白いんですけど……」

美波「流石に次のバスに乗らないと収録に間に合わない……」

都「その収録……、ちょっとまったあああああ!」

小梅「来たっ!」

笑美「いよっ! 待っとったで! ヒーローは遅れてくるなんてよう分かっとるやん!」

翠「安斎さん?」

美波「えっと、これはどういうことですか?」

早苗「さてと。ちょっと時間もらうわよ?」

都「ええ。ステージは整いました。私のライブ、聞いてもらいますよ!」

都「スポットライトに照らされた真実は、都のもの! 決まった……! どうですか? 格好良かったですか?」

早苗「……唐突過ぎて変じゃない?」

都「コホン! それでは、推理を披露いたしましょう!」

美波「推理って……、犯人が分かったんですか?」

都「ええ。犯人は、この中にいます!」

小梅「……!」

笑美「なんやて!!」

美波「! この中に」

翠「犯人が!?」

早苗「えっ? あたしも容疑者?」

都「えぇ……この事件、とても難しい事件でした。ですが、光る財布と……矛盾するアルファベット、そして被害者のダイイングメッセージで私にはわかりました……アイドル探偵安斎都が真実を暴いてみせます! ……決まった!!」

出題編はこれにて終了です。ここまでの情報で犯人を推理することは可能だと思います


・ズバリ犯人は誰か?
・どうやって半密室を作り上げたか?
・4十☆の意味する物は?


解答編は1時間後ぐらいに投下する予定です。それまでイベントを走りながら上の三つを推理してみて下さい

時間になったので解答編投下します

都「まず事件をおさらいしましょう」

都「事件が起きたのは21時から23時の間となってます。凛さんが帰ってきたのが、22時10分。その時、凛さんは刺された被害者を目撃しています」

都「凛さんを信用すると、犯行はそれより前に行われたことになります。21時から22時10分までの間、と考えて良いでしょう」

都「現場の状況を見るに、被害者は料理を作って用意していたようですね。恐らく凛さんと一緒に食べる予定だったのでしょう、手を付けられた形跡はありません」

都「料理の後、被害者は歯を磨いています。最初は食事前に歯を磨くなんて不思議で仕方が有りませんでしたが、凛さんが教えてくれました。安久さんはタバコを吸った後は歯を磨いている、と。恐らく……、部屋でタバコを吸っていたんでしょうね。窓を開けていたのもそのためでしょう」

早苗「タバコ……、そう言えば被害者の持ってた携帯灰皿に新しいタバコが入っていたわ。それで歯を磨いていたわけね」

都「途中来訪者が訪れます。そう、今回の事件の犯人です。それも、歯を磨いたまま応対出来るような親しい人物です」

都「2人の間でどういうやりとりが行われたかまでは分かりませんが、背中を見せたその時、犯人は包丁で背中を刺しました。これが最初の傷です」

1.犯人→被害者 包丁の先制攻撃だべ!

都「そして犯人は凛さんが帰ってくるのを待ちました。凛さんが帰ってきた後、被害者を見て動揺したところを、料理に使われたフライパンで殴打します。このフライパンに残っている指紋は被害者さんのものです」

2.犯人→凛 フライパンでの一発

都「しかし、だとすると妙なんです。凶器である包丁も、同じくPさんが料理に使いました。にも拘らず、彼の指紋は付いていない。付いているのは、凛さんの指紋のみでした」

[包丁]×[フライパン] 指紋の食い違い

都「もし凛さんが刺したのならば、Pさんの指紋を消した上で、わざわざ自分の指紋を残すでしょうか? つまり、この包丁は一度血と指紋をふき取られたんです。血痕の上に指紋が残ることを恐れたんでしょうね。後から包丁を握ったってことになりますし」

都「犯人は気絶した凛さんに指紋が付くように持たせて、そのままナイフを突き刺したんです。その時被害者は壁に背を向ける形で倒れていたはずです。腹部にナイフを刺して、凛さんが着ていた制服に返り血が付いてしまいました」

3.凛→被害者 包丁による二度目の刺し傷

笑美「気絶した人間に包丁持たせて刺すって……」

早苗「ずいぶんエゲツナイことをするわね、その犯人」

都「そしてフライパンを被害者の手元に起き、恰も彼が反撃したかのように演出したんです」

都「つまり、包丁(犯人)→フライパン(犯人)→包丁(凛)で使われたことになります。これが事件現場で行われた工作です」

都「次にこの事件最大の謎を解き明かしましょう。どうやって犯人は現場から脱出したか?」

早苗「この事件のメインね」

笑美「現場は10階やろ? 開いとる窓から飛び降りた……、は有り得んか。流石に死ぬわ」

都「この現場の特殊なところは、密室ではないが密室、言い換えれば半密室、と言う所です。玄関の鍵は閉まっていて鍵は中にある。ですが窓だけは開いていました。そこがミソなんです」

都「といっても、10階の窓から中に入るなんて無理な話です。故に、密室が成立してしまうんです」

早苗「上から飛び降りて映画みたいに入ったとかは? タバコ吸っているんだから、窓は開いてたはずよ?」

都「いえ、屋上への扉の鍵は壊れていました。屋上に行くこと自体、不可能です」

都「次にこの事件最大の謎を解き明かしましょう。どうやって犯人は現場から脱出したか?」

早苗「この事件のメインね」

笑美「現場は10階やろ? 開いとる窓から飛び降りた……、は有り得んか。流石に死ぬわ」

都「この現場の特殊なところは、密室ではないが密室、言い換えれば半密室、と言う所です。玄関の鍵は閉まっていて鍵は中にある。ですが窓だけは開いていました。そこがミソなんです」

都「といっても、10階の窓から中に入るなんて無理な話です。故に、密室が成立してしまうんです」

早苗「予め屋上からロープを垂らしていて、そこから昇ったとかはどうかしら?」

都「いえ、屋上への扉の鍵は壊れていました。屋上は行くことも出ることも不可能です。それにそんな仕掛けを用意していたら、気付かれますしね」

小梅「それに屋上には……フェンスがある……」

早苗「まっ、そりゃそうよね。飛び降りだなんて洒落になんないし。屋上説はボツね」

翠「では、犯人はどうやって密室を作り上げたんですか?」

都「難しいことではありません。単純に鍵を使って閉めたんです。1003号室には2つ鍵が有ります。使われたのは、被害者の合鍵でしょう」

都「犯人は堂々と部屋の玄関から出て行きました。そのとき、電気を付けたままにして窓を開けておきます」

笑美「へ? そのまま?」

都「はい。出入り口は1つしかないんですから、当然そこから出るしかないんです」

都「鍵を部屋から持ち出すとき、一緒にこの財布も持ち出しました。免許証を見るに、被害者自身の財布です」

小梅「財布を……持ち出す……?」

都「ええ。鍵だけだとやりにくかったのでしょうね。今回犯人が使った方法だと」

笑美「で、何なんや? その犯人がつこうた方法って?」

都「ここから、あの部屋まで財布を飛ばしたんです!」

早苗「飛ばしたって……、こっから10階の部屋に?」

笑美「いやいや……、新庄やないんやから、あんな高い所に投げ飛ばせるわけないやろ? ウチらかてか弱い女子やで?」

都「確かに、一見不可能にも見えます。ですが……」

都『実にシンプルですよ。鍵を使ってそのまま出たんです!』

P『へ?』

都『私の考えはこうです。昨晩安久さんと凛さんを襲った犯人は、鍵と財布を持ち出して窓を開けたまま部屋の外に出たんです。鍵が有るんですから、当然閉めることは出来ますよね』

P『だけどその財布と鍵は部屋の中にあったぞ?』

都『開いているじゃないですか、窓が! 空を飛んだのは犯人じゃなくて、財布なんです!犯人はそこに向かって鍵を財布に入れて投げ入れたんです!』

P『……はい?」

都『だから! こうやって放物線を描くように投げたら……窓に入る、かもしれませんよね?』

P『おいおい、いくら何でも投げて届く距離じゃ……』

都『そうでしょうか。出来そうな気もするんですよ。あの人ならば」

P『どうやってさ?』

都『思いついたんです。例えば! 矢に財布と鍵をくくりつけて、部屋に向かって放ったのなら? 鍵は部屋の中に入って、半分密室を成立させることが出来ます』

P『矢って……まさか!」

都『弓道家の水野さんなら不可能ではない、そう思いませんか?』

P『いやいやいや……、確かにあの財布は中身がほとんど無くて軽かったけど、そう上手く放てるものか?』

都『少し調べてみたんですけど、水野さんは弓道で国体にも出場して好成績を収めるほどの腕の持ち主みたいです』

P『国体出たからって出来るものかね? 確かにそうすれば鍵を部屋の中に入れることが出来るが……』

都『夜光塗料は財布投げを夜遅くに行ったため、見やすくしたんでしょう。失敗しても下に落ちてきた矢と財布を回収すればいい話です。夜光塗料があれば探しやすくなりますからね』

P『じゃあ小梅ちゃんが聞いたラップ音って』

都『多分ですけど、一度失敗したんじゃないでしょうか? 部屋の位置関係を見ると903号室と1003号室、一階違いですしね』

P『あんまり高くしすぎると屋上に飛んじゃうもんな。で失敗したものが小梅ちゃんの部屋の窓に当たった、と。でも現場には矢はなかったぞ? 早苗さんもそんなこと一言も言っていないし……』

都『それともう1つ。彼女は第一発見者です。疑うような真似はしたくないんですが、管理人さんが下に降りた後、矢を回収することも出来たはずです。こういう言葉があります』

都『犯人は現場に戻ってくる。そうして半密室を作り上げたんです』

P『じゃああの手紙も』

都『自作自演、とも考えられますね』

P『確かに上手い具合に誘導されていると思ったけど……』

都『それにこの手紙、凛さんが作ったと思えないんです」

P『え? どうして?』

都『よく見てください。名前の部分が微妙に違いませんか?』

P『渋谷凜……あっ、漢字が違う! 誰だよ!』

都『そうです。犯人が間違えて変換したのでしょう。普通自分の名前を誤変換したまま手紙に出しませんよね? それにこんなことしなくても、メールで事足りる内容です。にも拘らず、わざわざ手紙として水野さんに渡したんです』

P『じゃあ本当に水野さんが……、いや。その理屈で行くならば……新田さんも怪しくなるぞ』

都『そうなんですよね……。同じ要領でラクロススティックに財布を入れて、窓めがけて投げれば』

P『財布を事件の現場にシュゥゥゥゥゥト! ってわけか』

都『超エキサイティンな方法ですが、可能性を否定することは出来ません』

P『いや……逆にさ、屋上から鍵を入れる方法も有るんじゃないの?』

都『上からですか?」

P『そっ。ミステリーではお馴染みのテグスやらタコ糸を使ってさ、財布のファスナーの輪っかの所に通してそれを下に垂らすんだ』

都『成程、それをこうやってブーン! って振り子みたいにして……、でもそれ難しいですよね』

P『上手い具合に窓の内っ側に入るかどうか分からないけどさ。それならばその2人じゃなくても可能じゃないかな? 財布が中に入ったのを確認して、テグスを回収するんだ。まぁ本当にそれだったなら、結構杜撰な計画だけどね』

都『テグスの長さが合わず下の階の部屋にぶつけちゃいましたしね。そもそも、屋上には入れませんでした。上から、ってことは無さそうです』

P『だな。だから俺も都の考えを支持するよ。恐らく犯人は……水野さんか新田さん』

P『どちらかが、彼を殺したんだ』

都「水野さんと新田さんには可能なはずです」

翠「まさか……、私達が犯人だって言いたいんですか?」

美波「可能って一体どういう事でしょうか?」

都「弓矢とラクロス。その2つなら、あの高さの部屋の中に入れることは可能です!」

翠「!!」

美波「!!」

笑美「つーことは……、鍵入り財布をぶっ放した、ってわけやな!」

小梅「……それなら、出来るの?」

都「ええ、不可能では有りません」

美波「ちょっと待ってください! 事件のときは暗かったんですよ? 財布をあんな高い所に投げ入れるなんて、無茶苦茶です!」

都「的となる1003号室の電気をつけていたんでしょう。確かに、失敗するリスクも十分ありました。事実、少なくとも一度失敗していますからね。1時に、聞いた人がいますから」

小梅「! それじゃあ……、あの……音って」

都「ええ。白坂さんが1時に聞いた窓を叩く音は、財布がぶつかった音なんです。そして、あの窓には決定的な証拠が残っていました」

笑美「それが夜光塗料っちゅーわけやな!」

都「はい。犯人は失敗したときのことも考えていたのでしょう。そうなれば落ちた財布を回収しないといけません。ここには電灯はありませんし、寮の真下には草が生えていて探しにくい。そのため、夜光塗料を塗ることで見つけやすくしたんです」

都「何度チャレンジしたか分かりませんが、結果として財布は窓の向こうに入りました。そうして鍵は2つとも部屋の中に有る、半密室を作り上げたんです!!」

早苗「成程ね。あたしたちは勝手に密室だと思っていたけど、ちゃんと穴があったわけね」

笑美「そ、それで誰なんや! 犯人って……」

都「実はついさっきまで、悩んでいました。第一発見者で矢を回収することが出来た水野さん、ラクロススティック使って財布だけを飛ばせる新田さん」

都「どちらかが彼を殺した、そこまでは分かっていたんです。ですが、あの現場には最初から犯人の名前が書かれていたんですよ」

都「安久さんは残りの体力を振り絞ってメッセージを残しました。それが、縦に書かれた4十☆です」

翠「4、10、☆?」

笑美「どういうことや?」

都「いいえ、正確には10は漢字の十ですね。それは、犯人の名前を示したPさんの最後のメッセージです。これを単品で見てしまうと意味が通じませんが、それらをくっ付けてみてみると、見えてきませんか?」

『 4 
  十 
  ☆ 』

http://i.imgur.com/hKINC29.jpg

早苗「! まさか……東西南北!?」

都「ええ。地図に書かれている、東西南北のマークです。早苗さんの資料を目に入れなければ、気付けなかったかもしれません」

都「そして、この☆が意味するものはホシ。犯人の隠語です」

美波「……!」

都「星が付いているのは、下(みなみ)。そう……」

ttp://i.imgur.com/hKINC29.jpg




早苗「! まさか……東西南北!?」

都「ええ。地図に書かれている東西南北のマークです。そして、この☆が意味するものはホシ。犯人の隠語です」

美波「……!」

都「そして星が付いているのは、下(みなみ)。そう……」








都「犯人は新田美波さん! あなたです!!」






小梅「み、美波さんが……」

翠「犯人……」

美波「私が……、犯人? えーと……、冗談、ですよね?」

都「いいえ、本気です。ここに来る前、パトカーの中で少し調べてみました。以前貴女を担当していたプロデューサーが安久さんだった……。違いますか?」

早苗「確かにそれだけの間柄なら、歯を磨きながら応対しても問題は無いわね」

美波「……確かにそうです。私は彼にスカウトされてこの世界に来ました。だから! 感謝こそすれども、殺す理由なんてどこにもないんですよ?」

美波「それに……、私は昨晩マンションから一歩も出ていません。監視カメラを見てもらえば分かるはずです! どうやって外に出て、財布を投げ入れたって言うんですか!? 私には不可能です!」

都「それは違います! 確かに監視カメラに貴女の姿は映っていませんでした。ですが……、外への出口は一階だけとは限りません!」

P「そういうことですよっと! 窓からジャースティース!」

早苗「! あ、あれは……避難はしご!」

都「流石名助手! 最高のタイミングです!」

美波「クッ……!」

都「窓から避難はしごを垂らせば、監視カメラに映ることなく外に出ることは可能です! 新田さんの部屋は4階、避難はしごの高さも足りるはずです」

都「それとこの寮の門限は0時です。1時に財布を投げたのは、誰にも見つからないようにするためでしょう。その時間、この辺の交通量は多くないですからね。うってつけの時間帯です」

P「急いでマンションの中の避難はしごを調べてみたけど、使われた形跡は無かった。そこで管理人さんに聞いてみたんだ。個人で避難はしごを買った人はいないかをね」

P「最初は個人情報が、って渋ってたけど事件解決に繋がるって説得したら教えてくれたよ。新田さんが通販で避難はしごを買っていたってね」

美波「!!」

都「それらをまとめると、全ては新田さんの行動に繋がるんです」

美波「それは……! 単純に外に出るために使っただけです。その……、何度か門限を破ったこともあって。友達と遊びたい年頃ですから。でもそれだけです!!! 財布を投げたなんて、していません!」

美波「その夜光塗料だって、真犯人のミスリードかも知れませんよ!? 現場にいた凛ちゃんだって! 屋上から紐で財布をくくって窓にぶつけることは出来ます! そのダイイングメッセージも本当に彼が書いたものなんですか!?」

都「いいえ。新田さんが外に出て、財布を投げた。その証拠は有るんです」

P「ほらよっ! 最後のピースだ!」

美波「なんですかそれは……」

都「この財布が被害者のもの、それは中身を見れば分かります。免許証入ってますからね」

都「ですが、それならばおかしいんです。凛さんはこう言っていました、安久さんの財布には『R』のバッジが付いている、と」

都「ではなぜ、安久さんの財布には『P』のバッジが付いているのでしょうか?」

笑美「財布自体がベツモンやないの?」

都「いいえ。この最後のピースを組み込むことで、その理由が判明します」

P「ちょっと探すのに骨が折れたな、こいつは。でもまぁ、その分の効果はあったようだね」

都「これが、最後の証拠です!! くらえっ!」







『P』→『R』







美波「!!」

都「恐らく、窓にぶつかったとき壊れたんでしょう。そのせいで、『R』が『P』になってしまった。夜光塗料を塗っていたとは言え、この小ささです。草むらの中に落ちていたことに気付くことが出来なかった」

美波「違う……、そ、それだって……! 凛ちゃんが上からぶつけたのなら、壊れる可能性も……」

都「屋上は封鎖されていました。それに……夜光塗料は暗いところで光る透明な液体です。それが窓に付着していたんです。私の推理が正しければ、まだどこかについているはずです。気付いていない、夜光塗料が」

美波「! それは……」

都「新田さん、逃げる場所はどこにもありませんよ。真実からも……、あなた自身の罪からも!」

早苗「悪いけど、調べさせてもらうわよ。あなたの荷物、それと部屋も隅々徹底的にね。ここまで来たら、無関係の住民とは思えなくなるわ」

美波「……」

翠「そんな……」

笑美「嘘やろ?」

小梅「美波さん……」

P「新田さん。キミが……」

美波「ふふっ。どうやら私の負け、みたいですね」

早苗「認める、ってことで良いのね」

美波「ええ。彼を殺したのは、私ですから……」

笑美「何でや! 何で殺すなんてアホな真似したんや!? 感謝しとるっての、嘘やったんか……?」

美波「感謝はしています……だけど、許せなかったんです。私ではなく、凛ちゃんを選んだことが……」

美波「以前私は彼のプロデュースを受けていました。男女が二人三脚で夢を目指す、自然と恋心も膨らんでいきました。CDデビューが決まった日、告白したんです。だけど彼は、アイドルとプロデューサーがそんな関係になるなんてダメだ、って」

美波「分かってはいました。それがアイドルとして、プロデューサーとして正しいことぐらい。だけど……凛ちゃんは……、彼の特別になったんです」

美波「そのとき……、全部が崩れ落ちるような気がして……。アイドルとしても、女としても。膨れ上がったのは、醜い嫉妬でした」

美波「海外ロケがある日まで、私は待ち続けました。彼を殺して、私は逃げて。この国ではないどこかで、静かに死のうと思っていたのに……。邪魔、されちゃいました……」

都「美波さん……」






「……ッ! それは……違うんだよ」





美波「え?」

P「へっ……、ってええええええええ!?」

都「!! ど、どどどどどどうして!?」

美波「プロデューサーさん……!」

安久P「あ、ああ……」

P「で、ででで……出たぁぁぁぁぁぁ!?」

都「どうして生きてるんですかあああああああ!?」

早苗「へ? 何言ってるのよ。被害者は死んでなんかいないわよ?」

P「はいぃ!? え、えええ!? う、嘘でしょ!? そ、そっくりさんだよね?」

笑美「ハァ? まさかあんたら、勝手に安久はんのこと殺しとったんか!? あー、だからあん時幽霊がどうのこうの言ったんやな。無知っちゅうもんは残酷やでしかし」

都「い、生きてたんですか? 夢、じゃないですよね?」

早苗「ホンとよホンと。ニュース見てないの?」

P「え、えーと……。俺が見たニュースじゃ安久さん殺人の容疑で凛ちゃんが逮捕された、って言ってましたけど……」

笑美「なんやそれ?」

小梅「初耳……です」

翠「そのニュース、どのチャンネルでしょうか?」

都「ハルチカの局だから……某局です!」

早苗「あー、あの勝手に殺人事件と思い込んで放送しちゃった局ね。あの後ちゃんと訂正してたわよ? 被害者は意識不明の重態だって。いや……流石のあたしもこんなに早く回復すると思ってなかったけど。コレばっかりは。ピンピンしてるじゃない」

安久P「エナドリQを飲んだら回復、したんだ……」

P「マジかよ!! ちひろさん、遂に人の生殺与奪まで支配するようになったのか……」

都「……真実はいつもコメディ、なんですかね? どんな顔、すれば良いんですか?」

P「笑えば良いと思うよ、うん」

笑美「まぁ笑えるってのはええことやな。何事とオモロイぐらいがちょうどええねん!」

安久P「俺が、悪いんだ……。美波にキチンと話していなかった俺が……。聞いてくれ……」

安久P「俺と凛は……、腹違いの兄妹なんだ」

美波「……えっ?」

都「ふぇ?」

一同「ええええええええええ!?」

笑美「きょ、きょきょ……兄妹!?」

小梅「知らな……かった……」

翠「じゃ、じゃあ一緒に暮らしていたのも……、兄妹だから?」

早苗「ってことは何!? キミは実の妹に婚約指輪買ったの!? 腹パン食らわせてタイホするわよ!?」

安久P「黙っていて、ごめん。俺は凛を妹としてではなく、1人のアイドルとしてプロデュースしたかった。だから、黙っていたんだ……」


都(あの子供の写真……、安久さんと凛さんだったんだ)

美波「う、嘘です……。それじゃあ私は、凛ちゃんからお兄さんを奪おうと……。勝手に勘違いして、嫉妬して……!」

凛「……義兄さんは。最初から美波さんに夢中だった。義妹の私がうらやましく思うぐらいに愛していたんだ」

P「凛ちゃん! 留置所にいたんじゃ……」

早苗「ジャスティスね。憎いことしてくれるじゃない」

美波「嘘……、そんなはず……、有り得ない! だって彼は! 私を告発……しようと……。凛ちゃんを、守ろうと……」

都(! もしかして、あのダイイング……、改めリビングメッセージの伝えたかったことって……)

都「新田さん。きっと彼は、気付いていたんです。美波さんが高飛びして、誰にも見つからないところで死を選ぶと。だから、私たちにメッセージを残したんです。彼女を止めてくれ、って。捕まえて、罪を償わせて欲しい、って」

早苗「余りに簡単すぎるメッセージじゃ、彼女が消すと思ったわけね」

美波「そ、そんな……。どうして……」

安久P「俺は……、最低だ。自分の優柔不断さで凛を、美波を……大切な人たちを傷つけて。プロデューサーとアイドル、それ以上の関係へと行くのが怖かったんだ。美波の未来を奪ってしまいそうで……」

美波「プロデューサー、さん……」

安久P「だからきっとこの傷跡は、大切な人を傷つけたバツなんだ。美波……、わがままなのは分かっている。何を今更、って思うかもしれない。だけど、俺自身の気持ちからは逃げたくない。それが、俺の真実だ」

安久P「美波……、これを受け取ってくれ……」

美波「指輪……ッ!」

安久P「俺はキミを愛している」

美波「!! も……、もっと! 早く言って欲しかった、です……!!」

そう言って泣き崩れる彼女を安久さんは強く抱きしめました。すれ違いから生まれた悲劇。それは私たちの心の中に消えることなく残っていくでしょう。
ですが、彼らには未来がある。全ての罪を償ったとき、もう一度。チャンスは訪れるはずですから――。

P「どんな『P』ainも、いずれ『R』ebirthするんだ。だから、彼らは大丈夫さ」

都(何言ってんだろ、この人)

都「でも……、皆の傷が癒えた時は、許せるのかな……」

安久P「ッ! み、美波……、そこはちょっと痛い……」

あっ、痛そう。

凛「これで、事件は終わったんだね。もう誰も傷つくことはないんだ。ありがとう、小さな名探偵」

都「! 名探偵……、なんか照れちゃいますね。えへへ……」

P「……こうやって見るとどっちが年上か分からないよな」

早苗「これで一件落着、ってとこかしら? あーあ、あの2人見せつけちゃって。良いなぁ、あたしも結婚したくなってきたわねー。チラッ、チラッ」

P「すんません、何故チラチラと俺を見るんですか?」

早苗「……キミ、結構タイプなのよね。どう? お姉さんにタイホされてみる? 今なら豚箱、空いてるわよ?」

P「! け、結構です! ほら、都。お暇しよう……」

早苗「こらっ! 待ちなさい! 新宿の女狼と呼ばれた私から逃げられると思うなー!! こっちもギリギリなのよー!!」

P「ぎゃおおおおん!!」

都「なんだかんだ言っても、笑顔が一番ですね!」

こうして、私の始めての大きな事件(ステージ)は幕を閉じました。

P「何とか逃げ切れた……。しかし見事な推理だったよ、都」

都「えへへ。プロデューサーさんも助手として素晴らしい働きでしたよ!」

P「まぁあのエナドリオチは予想外だったけどな……。そう言えば早苗さんもほかの皆も一言たりとも『安久Pが死んだ』ってこと言ってなかったんだよなぁ……。情報はちゃんと得るべきだな、うん」

都「でも! きっとこの先は、笑顔が待っているはずです。それが、この事件の真実ですから!」

P「だな。凛ちゃんの疑いも晴れたんだ。安久Pと美波ちゃんの未来は決して楽なものじゃないと思うけど、それでもあの2人なら大丈夫なはずだ。美波ちゃんも、罪を償って帰ってくるさ」

都「そうだ! 打ち上げしませんか! 事件解決祝いに! 良い所知っているんですよ? サンドリヨンってバーで、女子高生マジシャンがマジックをしてくれるんです! あの手品、必ずトリックがあるはずです! ほら、見破りにいきましょう! あっ、でもビビルバーのパンツマジックも気になります!」

P「全く、好奇心は尽きないもんだな」

都「そこに真実がある限り! 探偵アイドルは輝き続けるんですよ!!」

ああ安斎探偵事務所は電話帳の一番最初に載っている探偵事務所です! ご依頼ご相談のある方は、ぜひお電話を!! 探偵アイドル安斎都が、真実を探し出します!!

Fin.

このSSはこれで終わりです。重要な場面でミスったりしましたけど、何とか書けました。不自然な部分も少なくないでしょうが、こんなもので一つ。
探偵漫画はああ探偵事務所が一番好きです。余り語られることが無いので少し寂しかったり。

読んでくださった方、ありがとうございました

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