ガチャ

絵里「お疲れ～」

シーン

絵里「あれ？誰も居ないのかしら？」

犬「ワン」（俺が居るよ）

絵里「きゃああ。な、何？」

犬（騒がしい奴だな）

絵里「び、びっくりしたぁ。犬…そっか。そう言えばことりが言ってたわね。えっと…名前は何て言ってたかしら……確か…ポチ？」

犬「ワンワン」（ジロウだよ）

絵里「あっ！返事したわ。やっぱりそうだったのね！」

犬「ワン」（ちげぇよ）

絵里「ふふっ、よろしくね？ポチ」

犬「ワン」（ジロウだって）

絵里「私の言う事がわかるのね」

犬「ワンワン」（お前は俺の言ってる事を分かってないけどな）

絵里「えっと…」

犬「ワンワンワン」（やっぱり分かってないな）

絵里「あっ！もしかして、お腹空いてる？」

犬「ワン」（そんな事言ってないけど空いてるよ）

絵里「やっぱり！ちょっと待っててね？」

犬「ワン」（何かくれるのか？こいついい奴だな）

絵里「ふふふ～ん～エリチカのチョコレートーはっと…」ガサゴソ

犬「ヘッヘッヘッ」（早く早く）

絵里「じゃーん。あったわ！でも、チョコっとだけよ？チョコレートだけにね？」

犬「ワン」（何言ってんだよ。早く食べさせてくれよ）

絵里「あれ？でも、犬ってチョコレートを食べれるのかしら？」

犬「ヘッヘッヘッ。ワンッ」（大丈夫！大丈夫だから早くくれよ）

絵里「もし、犬にとってチョコレートが有害だったとしたら…ん？」

犬「ワン」（平気だってば）

絵里「あれ？中身が…ない…どうして？」

犬「くぅ～ん」（え？嘘だろ？）

絵里「あっ、そう言えば…あの時、にこと希が…」

犬「ワン」（嘘だろ）

絵里「そうだわ。あの二人が勝手に食べたんだわ」

犬「ワンワンワン」（おいおい。そりゃないぜ…）

絵里「ちょっと、待っててね。にこ、希…待ってなさい…」

ガチャ

犬「ワワン、ワン」（おい！どこに行くんだよ）

犬「くぅ～ん」（期待させるだけさせといて…なんて奴だ）

ガチャ

犬「！」（ん？誰だ？）

凛「え？たぬき？」

犬「ワン」（犬だよ）

凛「あっ、なんだ。犬か」

犬「ワンワン」（俺ってたぬきに似てるのか？）

凛「そう言えばことりちゃんから連絡が来てたなぁ」

犬「ワン」（だったら間違えるなよ）

凛「名前なんて言ってたっけ…」

犬「ワン」（ジロウだよ）

凛「そもそも名前あるって言ってたっけ？」

犬「ワン」（ジロウだって）

凛「凛がつけてあげようか？」

犬「ワンワン」（だからジロウだって）

凛「えっとね…タマ！」

犬「ワンワンワン」（だからジロウだって。タマって…）

凛「なんてね。嘘だにゃ～。本当はちゃんと覚えてるよ」

犬「ワンワン」（なんだ。そうだったのか）

凛「タロウくんだもんね？」

犬「ジロウだよ」

凛「あっ、そうだ！ちょうどボールがあったんだ！タロウ？投げるから取ってくるんだよ？」

犬「ワンワン」（タロウだって。だからお腹空いたって）

凛「えいっ」

犬「ワンワンワン」（でも、反応してしまう）

凛「楽しそうだにゃ～。さてと、凛はカップラーメンを食べる準備をしようかな」

犬「ワンワン」（うわっ、なんて奴だ…自分だけ…）

凛「ラーメン二郎のカップラーメンだにゃ～。タロウは…ラーメンは食べれないよ？」

犬「ワンワン」（わざとなのか？色々とわざとなのか？）

凛「あっ！？」

犬「ワン？」（なんだよ？もしかして、くれるのか？）

凛「お湯がないにゃ」

ガチャ

犬「ワンワン」（おい！また置いてけぼりかよ）

犬「…」

ガチャ

海未「ごきげんよう」

犬「ワンワン」（おっ！お前は朝の）

海未「ジロウ？いい子にしていましたか？」

犬「ワンワン」（やっとまともそうな奴が来たな）

海未「まだ誰も来てないのですか？」

犬「ワン」（来たけどどっか言っちまったよ）

海未「…」

犬「ワンワン」（ん？どうした？）

海未「ジロウのハート撃ち抜くぞぉ」

犬「ワン？」（ん？なんだ？）

海未「ラブアローシュート！！！バァン！！！！」

犬「ワンワン」（おいおい、どうした？）

海未「どうでしょうか？」

犬「ワンワンワン」（何がだよ？）

海未「もしかして、褒めてくれたのですか？」

犬「ワンワン」（ちげぇよ）

海未「ジロウ、ありがとう。少し自信がつきました」

犬「ワンワン」（ちげぇって言ってんだろ）

海未「では、もう一度。皆んなのハート撃ち抜くぞぉ。ラブアローシュート！！！」

犬「ワン…」（こいつ、一番やべぇな）

海未「あっ、実は笑顔の練習もしてるんです」

犬「ワン…」（いや、知らねえよ。何なんだよお前は）

海未「ウフッ。どう」ニコッ

ガチャ

海未「です…か？」

穂乃果「いやぁ、ごめんごめん。宿題忘れて呼び出されちゃってさぁ…って海未ちゃんだけ？」

海未「な、な、何をやっていたんですか！」ニコッ

穂乃果「え？なんで笑いながら怒ってるの？怖いんだけど…大丈夫？」

犬「ワンワン」（こいつさっきからずっとこんなんだぞ？）

穂乃果「あっ！ジロウ～。海未ちゃんと二人だったんだぁ。楽しかった？」

犬「ワンワン」（怖かったよ）

穂乃果「で？海未ちゃんは何してたの？」

海未「な、何もしてません。皆んなを待ってたんです」

犬「ワンワン」（嘘つけ）

海未「そ、それにしても遅いですね。ことりは何をしてるのでしょうか？探して来ます」

ガチャ

穂乃果「え？ちょっと…」

穂乃果「行っちゃったね」

犬「ワン」（なんだったんだ、あいつは）

穂乃果「海未ちゃんと二人で何してたの？」

犬「ワンワン」（ひたすら変なことしてた。あいつが）

穂乃果「へ～って言ってる事分からないよねぇ。お互い」

犬「ワンワン」（俺は分かるけどな）

グゥ～

穂乃果「あら？…ジロウは…お腹空かないの？」

犬「ワンワン」（空いたよ。ずっと空いてるよ）

穂乃果「実はね…絵里ちゃんが部室にチョコレートを隠してるんだよね。まあ、ジロウは犬だからチョコレートは食べれないけど」

犬「ワンワン」（なんだよ。大丈夫だよ）

穂乃果「でも、にこちゃんもお菓子隠してるんだよね。しかも、お煎餅を。意外でしょ？」

犬「ワンワン」

穂乃果「ん～お煎餅は…」ガサゴソ

犬「ワンワン」（早く早く）

穂乃果「ほら、あった」

犬「ワンワン」（なんかお前とは仲良くなれそうな気がする）

穂乃果「ほら、お食べ」

犬「パクパク」

穂乃果「美味しい？」

犬「ワン」（美味しいよ）

穂乃果「そっか、そっか。さて…あれ？チョコレートがないぞ？」

ガチャ

にこ「だからにこじゃないってば」

絵里「嘘をつきなさい。あの場所はあなたと希しか知らないはずよ？」

穂乃果「あっ…絵里ちゃん…にこちゃん…」

犬「パクパク」

にこ「あっ！」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「いや…違っ…だって、チョコレートなかったし…」

にこ「何が違うのよ？」

絵里「まだ何も聞いてないわよ？」

犬「パクパク」

穂乃果「に、逃げろ」

ガチャ

にこ「逃げたわ」

絵里「待ちなさい」

犬「…」（ふう。お前のことは忘れないぜ）

つまんね

つまるぞ

SSの出来からお前の頭が犬並みだとわかった