トントントン 絵里「な、何?」 (58)

亜里沙「あははは」

絵里「亜里沙?まだ、テレビ見てるの?早くお風呂に入っちゃいなさい」

亜里沙「あと少しだけ」

絵里「ダメよ。いくら明日が土曜日で学校が休みだからって。宿題だってあるんじゃないの?」

亜里沙「はーい。じゃあ、お風呂に入ってくる」

絵里「ふふっ、亜里沙は聞き分けがいいわね。お風呂から出たらコンビニで買って来たハーゲンダッツを出してあげましょ」

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トントントン

絵里「え?何?なんの音?玄関から?」

トントントン

絵里「な、なんなの?誰?なんでインターホン鳴らさないの?」

トントントン

絵里「どうしよう。出た方がいいのかしら…いや、いきなり開けるのは…先ずは中から確認して…」

トントントン

絵里「…」ソロ~リ

穂乃果「あれ~やっぱり絵里ちゃんいないのかな?」

希「いや、この時間やしいるやろ」

凛「やっぱり、普通にピンポンしようよ」

絵里「なんで来てるのかしら…」

ピンポーン

絵里「もしかして…いや、もしかしなくて遊びに来たんだわ…なんで、こんなに元気なのかしら…」

穂乃果「やっぱり、居ないみたいだね」

希「仕方ない…」

絵里「ほっ。大人しく帰るのね」

希「電話してみようか」プルルルル

絵里「え?」プルルルル

凛「あっ、玄関の向こうから聞こえるにゃ」

絵里「しまった…携帯も一緒に持って来てしまってたわ」

希「えりち…いるんやね」

ガチャ

絵里「…いるわよ」

穂乃果「え~酷い。なんで居留守なんかしたの?」

絵里「あなた達…遊びに来たんでしょ?」

希「おっ!分かっとるやん」

凛「野球盤持って来たから皆んなでやるにゃ」

絵里「やらない。やらないし今日はもう遊ばない。私はお風呂に入って勉強して寝るの」

穂乃果「え~いいじゃん。絵里ちゃん勉強出来るんだしさぁ」

凛「そうだよ。家で勉強する必要ないにゃ」

絵里「あのね?決して私は勉強が出来るわけじゃないの。だから、毎日コツコツ勉強しなきゃいけないの。勉強しないでいい点なんて取れる人は稀よ?」

穂乃果「いや、まあ…うん。その通りだけどさ…今日くらいさ」

絵里「今日くらいが続いたらそれはずっとなのよ?言ってる意味分かる?それに穂乃果も凛もこないだのテスト結果悪かったらしいじゃない」

穂乃果「赤点じゃなかったよ」

凛「凛もギリギリセーフだったにゃ」

絵里「あのねぇ…ギリギリセーフは決していい意味ではないのよ?」

希「まあ、確かにえりちの言う通りやな」

絵里「そうでしょう?流石は希。何だかんだで話が分かるわ」

希「ウチは良いって事やろ?」

絵里「いや、ダメ」

希「え?何で?ウチはテストの点良かったんよ?」

絵里「そもそも論点がズレたわ。私が勉強するから遊ばないって事なの」

希「え~なんやの。めっちゃ期待させといて。酷いわえりち」

穂乃果「そうだ、そうだ。期待を裏切られた」

凛「抗議するにゃ。これほ抗議するにゃーーー」


絵里「いや、そんな事しても無駄よ?」

穂乃果「またまた~」

希「なんだかんだでえりちは優しいからなぁ」

凛「凛達と遊んでくれるよね」

絵里「はあ…本当に今日は遊ばないから」

バタン

穂乃果「え?嘘?」

凛「溜め息ついてたにゃ…」

希「どうする?」

穂乃果「う~ん。にこちゃんと遊ぶか…解散するか…解散しようか?」

これすき

01

絵里「疲れたわねぇ。今日はぐっすり眠れそうだわ」

穂乃果「そうだねぇ」

凛「わかるにゃ~」

絵里「と言う事でさっさと帰りたいんだけど…どうして二人は私の腕を掴んでいるわけ?」

穂乃果「だって絵里ちゃん放っておいたら帰っちゃうじゃん」

絵里「当たり前でしょ?もう帰る時間じゃない」

凛「どうして気づいてくれないの?凛達は絵里ちゃんと遊びたいんだよ」

絵里「今度いくらでも遊んであげるから。ね?腕を離して?」

穂乃果「やだ」

絵里「やだって…子供じゃないんだから」

穂乃果「絵里ちゃんを帰さない為なら穂乃果は歳なんて気にしないよ」

絵里「なんでそこまでして私と遊びたいのよ」

穂乃果「そんなの楽しいからに決まってるじゃん」

絵里「え?」

凛「絵里ちゃん…分かってくれた?」

絵里「二人とも…嬉しい事言ってくれるじゃない。でも、帰るわ」ダッ

穂乃果「あっ!?油断した」

絵里「フッフッフッ、油断禁物よ。私はこのまま帰るわ」

希「甘いなぁ~。そうは問屋がおろさへんよぉ」

ことり生きてんの穂乃花カッスは多聞丸と夜戦したの安価は絶対だろ

絵里「希っ!?」

希「その二人しかいない時点でウチがいない事を怪しむべきやったんよ」

絵里「確かに…希の言う通りだわ。希の様な策士と呼ばれる人間が次の手を考えてない訳がないのに」

希「ふふっ。分かっとるやん」

穂乃果「へ~希ちゃんって策士って呼ばれてたんだ」

凛「凛達は何て呼ばれてるのかな?」

希「と言う事でえりち。えりちは今三人に囲まれてる状況なんよ?もう無駄な抵抗はやめて大人しくウチ等と遊びに行こう」

絵里「ふっ」

希「ん?」

絵里「ふふっ。ふふふふふ」

希「なっ…この状況で笑ってる?気でも狂ったん?」

絵里「確かに希は優秀な策士だわ。でも、一つだけ大事な事を忘れてる」

穂乃果「え?希ちゃんの作戦に穴はないはず」

絵里「いいえ。忘れてるわ。私は逆境の中でこそ燃える人間だって事を」

凛「そ、そんなの根性論にゃ」

絵里「人の気持ちは時として理屈を超えるわ」

希「ふふっ、それでこそえりちや。行くよ、穂乃果ちゃん!凛ちゃん!」

穂乃果「うん。ファイトだ!」

凛「覚悟するにゃ~」





花陽「先に帰ったら悪いよね…4人とも楽しそうだなぁ」

02

亜里沙「じゃあ、行ってきまーす」

絵里「気をつけるのよ」

亜里沙「は~い」

絵里「ん~、いい天気ねぇ。最高の休日だわ。部屋の掃除をしてから海未から借りた本を読んじゃいましょ」

ピンポーン

絵里「あら?誰かしら?」

ガチャ

凛「おはよう」

絵里「凛…おはよう。どうしたの?何か約束してたかしら?」

凛「してないよ?してないけど暇だから来たんだ」

絵里「そうなの…」

凛「うん。穂乃果ちゃんもいるよ?」

穂乃果「ん……」

絵里「へ~、寝てるじゃない」

希「ウチもいるよ~」

絵里「でしょうね」

希「でしょうねって随分と冷たいやん」

絵里「ごめんなさい。私これから部屋の掃除をしなきゃいけないから」

凛「え~そんなの明日でいいにゃ」

絵里「明日は朝から練習でしょ?」

凛「絵里ちゃんいつも土曜日だったら遊んでくれるって言う癖に」

絵里「そ、それは…」

希「ウチの知ってるえりちは嘘なんかつかないはずやんな?」

凛「そうだよ。絵里ちゃんは嘘をつかないにゃ」

絵里「それは…あの…何も予定が入ってない時の場合のみなの」

凛「うわぁ。後からそうやって付け足すのズルいにゃ。だいたい部屋の掃除って予定に入るの?」

絵里「入るでしょ!?掃除だって立派な予定よ。希だってそうでしょ?」

希「ウチは小まめに掃除してるから慌てて掃除なんてする必要ないんよ」

凛「絵里ちゃんもコツコツやればいいのにね~」

絵里「別に慌ててはないわよ。それと凛の言葉はそのままそっくりノシ付けて返すわ。主に勉強面で」

凛「ノシって何?」

絵里「そういう所よ」

希「まあ、あれやったらウチ等も掃除するの手伝うから」

絵里「え?本当?それなら…いや、でもその後読書したいし…」

希「ウチと凛ちゃんは引き出しとか収納箱の整理を担当するこら」

絵里「いや、やっぱりダメよ。漁る気満々じゃない」

希「別にえりにの黒歴史を探すだけやって」

絵里「だからダメなのよ。って言うか別に黒歴史なんて私には存在しません」

凛「自作ポエム集も?」

絵里「ない」

希「まあ、半分冗談やから」

絵里「半分は本気なんじゃない…って言うか穂乃果は?」

凛「あれ?」

希「あっ!?玄関に靴置いてあるやん」

絵里「え?いつの間に?」

凛「中にいるの?」

穂乃果「ふぁ~」

絵里「私の部屋からだわ」

穂乃果「絵里ちゃんの布団まだ温いから気持ちいいよ」

絵里「ちょっと。そんな大声で変な事言わないで。ご近所に聞こえるじゃない」

希「…行っちゃったね?」

凛「とりあえず上がろうか?」

何気にさっきまで寝てたのか

03

絵里「じゃあ、また明日…」

穂乃果「え?また明日?また明日だって。うん、絵里ちゃんまた明日」

希「なるほど。そういう事やんな?えりち、また明日な!」

凛「絵里ちゃんまた明日にゃ!」

絵里「え?」

希「どしたん?」

絵里「いえ、今日金曜日だし明日の練習は午後からだし、てっきりいつもみたいに」

穂乃果「いつもみたいに?」

絵里「いえ…やっと分かってくれたのね」

穂乃果「さて、帰って準備しなくちゃね?」

凛「凛、トランプ持って行くよ」

希「じゃあ、ウチは怖いDVDを持って行こうかなぁ」

絵里「三人は…お泊まり会でもするの?」

希「うん…そうなるかな」

絵里「へ、へぇ~」

穂乃果「穂乃果は何を持って行こうかなぁ」

絵里「あの…穂乃果さん?言葉の使い方がおかしくないかしら?」

穂乃果「なんで?」

絵里「だって、希が怖いDVDを持って行くんでしょ?で、凛はトランプを持って行くのよね?って事はお泊まり会が開催されるのは穂乃果の家よね?その場合は穂乃果は何を用意しようかって言い方が正しいと思うんだけど?」

穂乃果「絵里ちゃんは何行ってるの?穂乃果ん家ではお泊まり会しないよ?」

絵里「えっと…じゃあ、どこで?」

希「えりちん家に決まってるやん」

絵里「あの…」

凛「ちゃんと明日になったら行くにゃ。0時過ぎたら行くにゃ~」

絵里「ダメに決まってるでしょ!!」

凛「なんで?また明日って言ったにゃ」

絵里「練習で会うからねっ!」

希「怖いDVD見た後はちゃんといつも通り一緒の布団で寝てあげるから」

絵里「なんで誤解を生むような嘘を吐くのよ。第一怖いDVDも見ないし」

穂乃果「え~じゃあ何見る?ロッキー?ザ?ファイナル?」

絵里「も見ないしそもそも私の家ではお泊まり会をしません。だいたいなんでファイナルなのよ。最初のも見た事ないわよ」

凛「え~凛、絵里ちゃん家行きたい」

希「ウチもえりちん家がいい」

穂乃果「穂乃果も」

絵里「そう。でも、私は嫌」

穂乃果「なんでさ?多数決なら絵里ちゃん家で決定だよ?」

絵里「多数決ならね」

穂乃果「日本は民主主義だけど?」

絵里「日本はね」

凛「絵里ちゃんだって日本に住んでるんだから…」

絵里「ええ。確かに私は日本に住んでいるわ。でもね?私の家は私の城よ。私が主人なの。あの家の権限は全て私にあるのよ!!!!!」

凛「そんな大声で叫ばなくても…」

穂乃果「恥ずかしいってば…」

希「もしもし?亜里沙ちゃん?うん。そうなんよ。泊まりに行くから亜里沙ちゃんも一緒に遊ぼうな?うん。じゃあ、また後でね」

絵里「え?希?」

希「城を落とす方法なんていくらでもあるんよ?」


結局怖いDVD見せられてそう

04

絵里「せっかくの休日だし今日こそ掃除をしましょうか?」

亜里沙「うん。私も頑張る」

絵里「さて、先ずは押入れの整理を」

亜里沙「あっ。ねえ?見てお姉ちゃん?」

絵里「どうしたの?」

亜里沙「これ!」

絵里「あら?これって…バレエの衣装じゃない。懐かしいわね…でも、これ私のじゃないわ」

亜里沙「そうだよね?これ中学生用くらいの大きさだよね?何で家にあるのかな?」

絵里「お古とか?あの時は辞めるとは思ってなかったし」

亜里沙「かな?」

絵里「それしかないと思うわよ」

亜里沙「ねえ?お姉ちゃん着てみてよ?」

絵里「ええ?まあ、良いけど。中学生用入るかしら?」

亜里沙「どう?着れそう?」

絵里「なんとか…でも…キツイ…」

亜里沙「ハラショー。でも、何とか着れたね」

絵里「そ、そうね」

ピンポーン

絵里「あっ!?お客さんだわ」

亜里沙「誰だろ?」

絵里「ちょっと出て来るわね」

亜里沙「あっ!?お姉ちゃん…服…」

絵里「今出ま…はっ」ガチャ

穂乃果「あっ!絵里ちゃ…」

バタン!!!!!!

絵里「しまった…着たままだった…」

穂乃果「ちょっと、絵里ちゃん?なんで閉めるの?」

希「えりち?どしたん?」

凛「今日はちゃんと土曜日に来たよ?」

胸のあたりがはち切れそう

絵里「あの…ちょっと今出れない状況で…」

穂乃果「なんで?」

絵里「なんでって…」

希「え?なんか言えない様な事してるん?」

絵里「いやぁ…そんな事は」

凛「とりあえず開けてよ」

絵里「ダメ。それだけはダメ」

穂乃果「もしかして裸とか?」

絵里「そんな訳ないでしょ」

希「じゃあ、開けてよ。開けて上げてよ」

絵里「いや…ダメ…それだけはダメ」

凛「なんでダメなの?穂乃果ちゃん?穂乃果ちゃんに原因がある?」

穂乃果「ええ?なんで穂乃果なのさ」

希「だいたい何かやらかすのは穂乃果ちゃんやからなぁ」

凛「問題児だからね」

穂乃果「え?そんなイメージなの?二人の中で穂乃果ってそんなイメージなの?」

絵里「ほ、穂乃果?大丈夫だからあまり玄関の前で騒がないで?」

穂乃果「本当?穂乃果大丈夫?」

絵里「ええ…大丈夫。大丈夫だから…」

凛「じゃあ、玄関開けてよ」

絵里「ダメよ。それだけはダメなの。正直言うとね、今玄関に出れる格好じゃないの」

穂乃果「やっぱり裸なの?」

絵里「だから違うって」

凛「パジャマ?」

絵里「違うけど…」

希「え?どんな格好してるの?」

穂乃果「何か気になるんだけど」

凛「凛、気になるにゃ」

絵里「絶対にダメよ」

穂乃果「そん何なの?そんなに変な格好なの?」

絵里「だって…」

希「あんな、えりち?よ~く、考えて?今ウチ等の頭の中ではえりちは凄い格好をしてるんよ?」

絵里「え?」

希「実際はそうでもないのに想像の中ではその何倍もやばい事になってるかも」

穂乃果「うわぁ…それはやだね?」

凛「うん。最悪だね」

希「な?だから、大丈夫やから開けて?」

絵里「確かに…希の言う通りかも。わ、笑わないでよ?」ガチャ

希「う、うわぁ…」

穂乃果「ハハッ…」

凛「にゃあ…」

05

絵里「ねえ?一つ聞いていいかしら?」

凛「どしたの?」

穂乃果「何か気になる?」

希「あっ!もしかして、シャンプー変えたの分かった?」

穂乃果「え?そうだったの?」

凛「全然気づかなかったにゃ」

希「二人には期待してないから大丈夫!」

絵里「そんなの朝から気づいてたわよ。って、私が聞きたいのはそれじゃなくって」

穂乃果「朝から気づいてたんだ…」

凛「それはそれで…ね?」

絵里「ねえ?何であなた達は私についてきているの?あなた達の家はこっちにはないでしょ?」

穂乃果「まあ、絵里ちゃん家に行くつもりだからね」

凛「こっちに自分の家がない事くらい分かってるにゃ」

絵里「帰りなさい、自分の家へ!散りなさい、西へ東へ! !」

希「そんなに大きな声で言わんでも。ミスチルみたいになってるし」

絵里「だって、あなた達私の家に上がるつもりなんでしょ?」

穂乃果「うん。遊ぼうよ」

絵里「嫌よ。今日水曜日よ?明日も学校なのよ?」

希「大丈夫!えりちん家から登校するから」

穂乃果「シャンプーの匂いまた変わっちゃうね」

希「そんなコロコロ変わってたら変な勘違いされてしまいそうやね」

絵里「大丈夫よ。安心しなさい、泊めないから」

穂乃果「え~なんで?」

絵里「あのね?いい?良く考えなさい?」

凛「あっ!凛が絵里ちゃん家泊まったら明日かよちんは一人で登校する事になっちゃうにゃ。って事はかよちんも誘わなきゃ。でも…かよちん今日の夜はみたいアイドル特番があるって言ってたし…」

絵里「それじゃない!私が言いたいのはそれじゃないの。いい?人が泊まりに来る時って準備とか色々あるの」

希「別に気を使わなくてもいいのに」

絵里「あなたは少し気を使いなさいよ」

希「え~えりちには気を使いたくも使って欲しくもない」

穂乃果「穂乃果も」

凛「凛も。だから、準備なんて」

絵里「あ~そう。分かった。じゃあ、正直にいうわ。本当はただ単に疲れたからゆっくりしたいだけ。早く家事を終わらせてゴロゴロしたいだけ」

希「えりち…やっと本音を話してくれたね」

穂乃果「ずっと待ってたんだよ?」

凛「凛、嬉しいにゃ」

絵里「分かってくれたの?」

穂乃果「うん。それじゃあ、絵里ちゃん家でゴロゴロしようか?」

希「賛成~」

凛「じゃあ、あれだね?好きな人の話でもしようか?」

希「キャーーー。めっちゃ恥ずいわぁ…明日からどんな顔して学校に…ってウチ等って女子校やん!」

凛「そうだったにゃ。うっかりしてたにゃ」

穂乃果「もう、禁断の扉開けちゃう所だったじゃん…ってあれ?絵里ちゃんは?帰っちゃった?」

希「え?嘘やろ?普通この流れで帰る?」

凛「絵里ちゃんらしいにゃ…」

06

絵里「さてと…あれ?私の鞄がない…」

フッフッフッ

絵里「誰?」

穂乃果「聞いて驚け!」

凛「見て笑え」

絵里「穂乃果…凛…私の鞄がないんだけど?もしかして、あなた達の仕業かしら?」

穂乃果「そうだよ。絵里ちゃんの鞄は穂乃果達が預かった」

凛「返して欲しければ凛達と遊ぶにゃ」

絵里「やってる事がセコイ上に要求が随分と可愛いわね…」

穂乃果「どうする、絵里ちゃん?鞄がないと帰れないよ?」

凛「でも、鞄を取り返す為には凛達と遊ぶしかないよ?」

絵里「そう…で?希は?」

穂乃果「ふっふっふっ、それを教える訳には…」

絵里「返しなさい」

凛「え?」

絵里「いいから返せって言ってるのよ」

穂乃果「あ、あれ?絵里ちゃん?もしかして…怒ってる?」

絵里「喜んでるように見える?」

凛「いや…言い出しっぺは穂乃果ちゃんです」

穂乃果「うわっ!嘘でしょ?違うよ?皆んなでやろうって言ったでしょ?」

絵里「そんなのどっちだっていいのよ。誰が言い出しっぺでも同罪よ」

穂乃果「あっ、えっと…希ちゃん?」

シーン

凛「あれ?おーい!希ちゃん?」

シーン

絵里「私の鞄…返しなさい」

穂乃果「あの…ちょっと待って?希ちゃんが…」

絵里「1…2…3…」

凛「え、え、待って。今、希ちゃん探しに行ってくるから」

絵里「5…6…」

穂乃果「あの、ちょっと、待っててね?いるはずだから。希ちゃんいるはずだから。希ちゃーーーーーん」

凛「出てくるにゃ~」

絵里「…………1から数え始めた場合どこで止めればいいのかしら…10からカウントするんだった…」

07

絵里「あの…ねえ?」

穂乃果「え?何?」

希「どしたん?何か言いたそうな顔やね?」

絵里「何度目かしらこのセリフ…どうして私の後をついてくるの?あなた達の家はこっちじゃなないでしょ?」

凛「やっぱりね」

絵里「え?」

穂乃果「穂乃果達だってバカじゃないんだよ」

絵里「それはどうかしら…」

凛「何故凛達が絵里ちゃん家に行きたがるか納得して貰う為に意見をまとめて来たにゃ」

絵里「何それ…」

穂乃果「何故、穂乃果達が絵里ちゃん家に行きたいのか。それは、絵里ちゃん家が居心地が物凄くいいからです」

絵里「へえ」

穂乃果「で、なんで居心地が良いのかと言うと。絵里ちゃん家はいい匂いがする」

絵里「は、はあ?」

希「あといつもお布団もフカフカやし」

絵里「勝手に人のベットで寝ないで欲しいんだけど」

凛「あと陽当たりもいいにゃ」

絵里「今夜だけどね」

穂乃果「あとやっぱり、絵里ちゃんが居ると言う安心感」

絵里「私の家だからね」

希「な?これだけ要因があるんよ?ウチ等がえりちん家に行きたがるのも理解できるやろ?」

凛「まとめるの苦労したんだからね」

穂乃果「どう?納得してくれた?」

絵里「…こんな事してる暇があるなら宿題やれば?」

08

穂乃果「じゃあ、穂乃果達こっちだから」

希「また明日~」

凛「お疲れ様にゃ~」

絵里「ねえ、あなた達?」

穂乃果「え?何?」

凛「どおしたの?」

希「何かあったん?今日はもう暗いし早く帰りたいやけど」

絵里「いえ…今日はついてこないの?」

穂乃果「え?だって今日は疲れたもんね?」

凛「うん。練習長かったしね?気づいたら真っ暗にゃ」

希「今日は後ちょっと遅かったら学校に閉じ込められるところだったんよ?」

絵里「そ、そうね」

穂乃果「うん。もう、いい?ことりちゃんと海未ちゃんが待ってるんだけど?」

凛「凛もかよちんと真姫ちゃんが待ってるから…」

希「ウチもにこっちが…ってにこっちとはとっくに別れたやん!」

絵里「で、でも…」

穂乃果「何?」

絵里「I am afraid of the dark.」

穂乃果「え?なんて?」

希「私は暗いのが怖いですだって」

凛「なんで英語なの?」

絵里「え、英語の方がまだ情け無く聞こえないでしょ?」

穂乃果「いや、同じだけど…」

凛「絵里ちゃん一人で帰るのが怖いの?」

絵里「…YES。だから…」

穂乃果「でも、今日宿題あるし…」

凛「凛も英語の勉強しないと少し不味いんだよね」

絵里「そんなの私が教えてあげるわよ」

凛「ん~…受験英語の人はちょっと…」

絵里「なんで少し上からなのよ…」

>>38
このぽんこつ…

穂乃果「まあ、絵里ちゃん家に行きたいのは山々なんだけどさこれ以上宿題やらないと海未ちゃんに角が生えちゃうからさ」

凛「凛も今日はやめとくにゃ」

絵里「そんな…」

穂乃果「ごめんね、絵里ちゃん」

凛「また明日ね」

絵里「……」

希「えりち?」チョイチョイ

絵里「希?」

希「ウチは暇やけど?」

絵里「え?そ、そうなの?」

希「うん」

絵里「そ、それじゃあ…ウチ来る?」

09

絵里「…」テクテク

穂乃果「…」テクテク

凛「…」テクテク

希「…」テクテク

絵里「…」ピタッ

穂乃果「うわっ」ドンッ

凛「ちょっ」ドンッ

希「わわっ」バイン

穂乃果「ちょ、ちょっと絵里ちゃん。急に止まらないでよ」

凛「そうだにゃ。希ちゃんとの格差を実感させられて物凄く不愉快だにゃ」

希「凛ちゃん。この世に物理法則と言うものがある限りそれは仕方ないんよ」

絵里「あのねぇ…どうして付いてくるの?」

穂乃果「え?聞く?」

絵里「いえ。いいわ。なんとなく分かってるから。私の家に着いてくるつもりなのよね?」


凛「うん。その通りだにゃ」

希「わかってるなら話は早いね?」

絵里「…ダメよ?今日は勉強するんだから。だいたい明日も学校なんだから…」

穂乃果「フッフッフッ」

絵里「な、何よ?」

希「えりちならそう言うと思ったわ」

絵里「だったら…」

穂乃果「勝負だよ!」

絵里「え?」

凛「凛達と勝負にゃ」

絵里「勝負?」

希「まあ、早い話がえりちとウチ等三人でなんかしらの勝負をしてえりちが勝ったらそのまま帰えってもいい。でも、ウチ等が勝ったら…」

穂乃果「穂乃果達と遊んで貰うよ」

凛「もちろん正々堂々ズルはしないにゃ」

穂乃果「真剣勝負だよ」

希「さあ?何で勝負する?」

絵里「いや、それ私はやらなきゃダメなの?」

凛「凛達の不戦勝で良いっ事?」

絵里「そうじゃなくて…そもそも私は勝負を受けなきゃいけないの?」

穂乃果「いや…だって…このままじゃ…いつもみたいにらちがあかないし…」

絵里「勝負を受けて勝ったところで私にメリットはないじゃない」

凛「いや、だから…絵里ちゃんが勝ったら凛達大人しく帰るよ?」

絵里「別に勝負しなくても家に迎え入れなきゃいいだけじゃない」

穂乃果「いやいや…え?あら?希ちゃん?思ってた展開と違うんだけど?」

希「う~ん…にこっちや真姫ちゃんなら煽れば乗ってくるんやけどなぁ」

絵里「という事で私は…」

穂乃果「わかった。じゃあ、穂乃果達が負けたら絵里ちゃんの言う事を…」

絵里「じゃんけんポン」パー

穂乃果「え?うそ?」グー

希「うわっ。ズルイ。卑怯や」

絵里「はい。私の勝ち。回れ右!命令よ」

穂乃果「ま、待ってよ?まだ、何で勝負するかも決めてなかったし。まだ、穂乃果しか負けてない」

絵里「私はやらなくてもいい勝負を引き受けたのよ?なのに負けた言い訳をするの?女がすたるわよ?」

穂乃果「くっ…えっと…夜道は気をつけるんだね!」ダッ

凛「ほ、穂乃果ちゃーーーん。くっ、覚えてろにゃーーー」

希「あーー、待ってよ」

絵里「どんな捨て台詞よ…」

10

絵里「はあ…もうこんな時間なのね…おかげで練習に顔出せなかったわ」

ガチャ

真姫「あっ、絵里」

絵里「真姫?まだ居たの?」

真姫「え?だって…」

絵里「もしかして、待っててくれたの?」

真姫「だ、だって、絵里は暗いのが苦手だから一人で帰れないからって希が…」

絵里「そうなの?」

真姫「それに…だって、今日の夜は絵里の家でお泊まり会だって…私、ちゃんと用意だってしてきたし…」

絵里「え?あっ…そうなの?」

真姫「また聞いてないの?」

絵里「まったく…あの子達は…」

真姫「ど、どうするの?」

絵里「そうね。取り敢えずコンビニに寄って夜更かしする準備でもしましょうか?たまには…ね?」

真姫「う、うん」

絵里「何を買って帰りましょうか?」

真姫「私、食べてみたいお菓子があって」

絵里「そうなの?」

真姫「うん。…ってお菓子なんだけど」

絵里「え?食べた事ないの?流石はお嬢様ね」

真姫「もう、からかわないで」





穂乃果「凄いいい雰囲気だね?」

凛「やっぱり真姫ちゃんを投入するとすんなりいくね?」

穂乃果「穂乃果達も明日からツンデレになる?」

希「いや、そこやないやろ…」








おつおつ

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