・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
-----事務所-----
ガチャ
杏「……おはよー」
智絵里「おはようございますっ」
かな子「今日も一日、頑張ろうねっ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505007633
杏「うーん……杏、頑張りを家に置いてきちゃったから、取りに帰るね」クルリ
智絵里「わわっ、駄目だよ杏ちゃん。事務所に来て十秒でUターンは、さすがに早いよぉ」
かな子「頑張りって、置いてくるとか、そういうものなの……?」
杏「二人と違って、杏にはデフォで装備されてるわけじゃないからね」
かな子「そのうさぎさんと一緒に、きちんと持ち歩かないと」
杏「ぅわーん。かな子ちゃんが無茶振りするー」
智絵里「そ、そんなに無茶じゃないと思うけど……」
かな子「あっ。それじゃあ、杏ちゃんが頑張れるように……」
杏「んー? あ、もしかして飴でもくれちゃう? お菓子でもいいけど」
かな子「えっ? あ、そうじゃなくて……」
かな子「ちひろさんがよく持ってる、スタミナドリンクを分けてもらおうか、って言おうとしたんだけど……」
杏「ぅおぅ、そ、そう来たか……。てっきり甘い物を恵んでくれるのかと」
智絵里「わ、私も、そうだとばかり……」
かな子「ご、ごめんね!? そっちのほうが良かったよね!」アセアセ
杏「いや、謝られても……こっちこそなんかゴメン」
智絵里「えと、私には、何か出来ること、あるかな……? 杏ちゃんのための四つ葉のクローバー、探してくるとか……」
杏「智絵里ちゃんは存在そのものが癒しだから、そのままでいいよー」
智絵里「そっ、そうかな……?」テレテレ
杏「ほんとほんと。いやー、智絵里ちゃんマジ天使」ナデナデ
智絵里「ひゃっ! ……えへへ……」
杏「んー、元気出てきた出てきた」グデー
かな子「言葉と姿勢が一致してないけど……」
杏「分かってないなぁ。せっかく補充した元気を、仕事前に無駄遣いできないじゃん?」
杏「だからこうやって、セーブしてるんじゃない」
かな子「うーん、そういうものなのかな……?」
杏「ほら。みんなも一緒にだらだらしようよ。はい、だらーん」グデー
智絵里「だ、だらーん?」グデー
杏「違うよ智絵里ちゃん。もっと手足の力を抜いて、脳みそを空っぽにする感じで」グデェー
智絵里「こ、こう……?」グデェー
かな子「な、なにかレッスンみたいなのが始まっちゃった」
杏「ふふん、杏はこのジャンルじゃ既にマスタートレーナー級の実力者だからね」
杏「杏に師事すれば、智絵里ちゃんもきっと一流のダラケニストになれるよ」ウンウン
智絵里「だ、だらけにすと、かぁ」
かな子「初めて聞く言葉なんだけど……」
杏「そりゃ、今考えたし」
かな子「駄目だよ杏ちゃん。智絵里ちゃんはダラケニストじゃなくて、私たちと一流のアイドルになるんだから」
智絵里「う、うん。一流、っていうのは大変かもしれないけど」
かな子「もちろん、杏ちゃんもだからね?」
杏「えー……? そっかぁ、ダラケニストじゃなくて、アイドリストかぁ」
智絵里「リストはいらないんじゃないかな……」
杏「ウタリストでオドリストしないといけないのか……しんどいなぁ」
かな子「オドリスト、って絶妙に語呂がいいけど、それってもう普通にダンサーのことだよね」
智絵里「大変だけど、その分達成感もあるから……杏ちゃんも、一緒に頑張ろう?」
かな子「ガンバリスト、だよ! 杏ちゃんっ」グッ
杏「うぐぅ……しょうがないなぁ」ムクリ
杏「二人のために、杏もちょっとだけ本気出すよ。……明日から」
智絵里「きょ、今日もレッスンなんですけど……!」
杏「明日出来ることは今日やらない! これが双葉家の家訓なのです」ドヤ
智絵里・かな子「なんでやねんっ!」ビシ
杏「あぅ」
かな子「もう、そんな家訓、あるわけないでしょっ」
杏「えー? あるある、あるって。『可愛い子にはだらだらさせよ』とか、『三十六計サボるに如かず』とか……」
智絵里「……もしかして、それも今考えたんじゃ……?」
杏「まぁね」
かな子「杏ちゃんって、意外とコピーライターとか、そういうお仕事も向いてるんじゃないかな?」
智絵里「商品のキャッチコピーとかを考えるお仕事、ですよね。ポスターなんかに書かれてる……」
杏「コピーライターねぇ……とりあえず、身体を動かす必要はなさそうで、いいね」
かな子「試しに、智絵里ちゃんにキャッチフレーズを付けるとしたら?」
智絵里「わっ、私ですか?」
杏「ふーむ……」
智絵里「えと……お、お手柔らかに、お願いします」ドキドキ
杏「……『クローバー畑に舞い降りた、癒し系アイドル』……いや、『四つ葉の天使』とか……?」
杏「うーん、思ったより難しいなこれ。月並みなのしか思いつかないよ」
かな子「そうかなぁ? いい感じだったと思うよ?」
智絵里「う、うん……ちょっぴり照れちゃうけど」
杏「杏も自分で言ってて恥ずかしかった」
智絵里「あっ、じゃあその、杏ちゃん自身だったら、どんなキャッチフレーズになるかな?」
杏「えー? 杏なんてテキトーでいいよ。『飴女』とか」
智絵里「え、えぇー……」
かな子「響きがアイドルっていうより、妖怪みたいなんだけど……」
杏「確かに」アハハ
かな子「暗い夜道で、一人ぼっちの子供を見付けては、背後にそっと忍び寄って、飴を渡していく……みたいな?」
智絵里「それなら、良い妖怪さんですね」
杏「でも、夜に出歩くのめんどくさいしなぁ。家でゴロゴロ、ゲームとかしてたいし」
智絵里「じゃあ、お昼に行動するの? 妖怪っぽくなくなっちゃうけど」
杏「んー……手渡しじゃなくて、郵送とかじゃだめ?」
かな子「随分手抜きな妖怪だね……」
智絵里「差出人不明の荷物って、ある意味怪奇現象だけど……」
杏「あ。ちなみに着払いね」
かな子「ひどい!」
杏「いやだって、ただほいほいプレゼントするだけじゃ、もうサンタクロースと大差ないじゃん」
智絵里「サンタさんに飴って、あんまりお願いしないんじゃないかな……?」
杏「え、私頼んだことあるよ。小学生の頃」
かな子「私も飴ではなかったけど、お菓子をたくさん! とかなら……」
智絵里「そ、そうなんだ……。私はおもちゃとか、本が多かったけど……」
杏「あーあ。毎日がクリスマスだったら、プレゼント貰い放題なのになぁ」
智絵里「それ、小さい頃に同じこと言ってた気がします」
かな子「ふふっ。そうだったら、毎日ケーキを食べられるねっ」
智絵里「……でも、私たちって割と、毎日に近いペースでケーキ食べてるよね?」
杏「かな子ちゃんがしょっちゅう持ってきてくれるからね」
かな子「そう、だっけ? あはは……」
智絵里「これで七面鳥もあれば完璧だね」
かな子「さっ、さすがに七面鳥は料理したことないよ……」
杏「フライドチキンでも買って来る?」
智絵里「未央ちゃんが喜びそう……」
かな子「なんだか、こんな話してると、パーティやりたくなってきたね」
杏「TRPGでもするの?」
智絵里「そのパーティじゃないよ、きっと」
杏「いやいや、かな子ちゃんならパティシエのジョブとかあれば、なんやかんや活躍出来そうだし」
かな子「えっ、えっ? 何の話?」
智絵里「お菓子を作って、味方を回復させてあげられそうだね」
杏「そうそう。……あーでも、智絵里ちゃんもヒーラーっぽいよなぁ」
智絵里「杏ちゃんは……人形使い、とか? うさぎさんを操って戦うの」
杏「なんか杏の負担が大きそうなパーティが出来上がってしまった」
かな子「あの、よく分からないけど……」
かな子「私たち三人とも、ジョブは"アイドル"、でしょ?」ニコ
智絵里「ふふ。それもそうだね」
杏「……かな子ちゃんのそーゆーとこ、ズルいと思うなぁ」
かな子「そう?」
杏「もうズルすぎて、みんな骨抜きになるレベルだね」
かな子「フライドチキンが?」
杏「なんでやねん!」ビシ
かな子「ひゃぅ」
智絵里「ファンの皆さんが、ですよねっ」
かな子「あはは、わかってるよ~。冗談、冗談」
杏「まったく、うちのパーティメンバーは大物だよ、ほんと」
智絵里「ステージでもだらだらキャラをやっちゃう杏ちゃんも、充分大物だと思うな……」
かな子「それを言うなら、いざという時の智絵里ちゃんのチャレンジ精神だって」
杏「あれ、もしかしてキャンディアイランドって最強パーティじゃない?」
智絵里「そうかも、ですねっ」
かな子「二人と一緒なら、どんな大変なお仕事だって、頑張れるよ!」
杏「杏にとっては、どんなお仕事も魔王討伐並に疲れるんだけどなー」
智絵里「疲れた時は、私たちが頑張って、回復するよ?」
杏「そうだった。……しょーがないなぁ」
ガチャ
卯月「おはようございますっ!」
杏「それじゃあ、いっちょ今日も、魔王を倒しにいきますか!」
かな子・智絵里「おーっ♪」
卯月「まっ、魔王!? あれれ、ここって異世界かなにかでしたか!?」
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
いつもに輪をかけて内容すっからかんな気がしないでもないけど、そもそもそういうコンセプトだし別にいいか。
前回
キャンディアイランドの実は毒にも薬にもならないおしゃべり
も、よろしければどうぞ。
乙
事務所に魔王なんかいるわけないよな
魔王は居ないが神は居る
禍ツ神ちひろは既に・・・ん?真昼間から空が緑色になっt
乙
実際このメンバーをRPGで当てはめるとしたらアタッカーが杏と卯月しかいないかもね
前衛職はドナキチメガキチくっ殺と押忍にゃんくらいか
かわいい(かわいい)
卯月も守備値のほうが高そうだし杏ちゃんが頑張るしかないね……
おつ
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