良子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…」はやり「決勝後半戦だぞッ!☆」 (543)



古今東西の女子高生雀士が集まり、№1の雀士を決定する“全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ”本選決勝戦…!

ファイナリストの小鍛治健夜、三尋木咏、白築慕、戒能良子の四名は、前半戦、14局にも亘る激闘を終え、後半戦に向けてしばしの休息を取っていた…


14:55

~観客席~


 ザワザワザワ… ワイワイガヤガヤキャッキャッキャ・・・・♪

 ピンポンパンポーン・・・ 


館内放送「みさき『…お伝えします。 まもなく決勝後半戦を開始いたしますので、選手の皆さんは5分後までに闘牌ステージの方までお集まり下さい…』」


 オッ、モウハジマルノカ  ミサキチャンノコエヤ!  ジャアマタノヨリンノカイセツカ!  ワクワクドキドキ♪  ザワザワザワ・・・・


恭子「? な、なあ、スズちゃん、戒能さんはどこ行ったんや?」

漫「え、あれ? ほんまや、いませんね。 さっきまでそこにいると思ったんやけど…」

由子「戒能さんなら、ちょっと一人になりたいって、特別休憩室の方に行ってしまったのよー」

恭子「え…? この放送聞いてるんやろか… ちょっと私呼び行ってくるわ」タタタ…



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504703903


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・ミスコン・モチコンシリーズ
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469532409/)  の続編なのです。

・第一スレ→久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」
       久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485685602/)

・第二スレ→恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦)
      恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486037996/)

・第三スレ→えり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです!」咏「だねぃw」(1回戦前半)
       えり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです!」咏「だねぃw」(1回戦前半) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489231941/)
     
・第四スレ→みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3
       みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491999549/)

・第五スレ→裕子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!」良子「一回戦第七・八戦です」
      裕子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!」良子「一回戦第七・八戦です」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493898752/)

・第六スレ→健夜「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…」はやり「準決勝前半編だぞっ!☆」
       健夜「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…」はやり「準決勝前半編だぞっ!☆」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496490092/)

・第七スレ→咏「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだねっ!」えり「準決勝後半編です」
      咏「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだねっ!」えり「準決勝後半編です」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498564311/)

・第八スレ(前スレ)→はやり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!☆」恒子「決勝戦だアァーッ!!」
          はやり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!☆」恒子「決勝戦だアァーッ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502537568/)

・ちょっと大がかりな読み手参加型闘牌SSなのです

・「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ」とは、竹井久提案主催のイベントで、古今東西の様々な「女子高生雀士」を集めて最強決定戦の個人戦を行うものです。 大人や中学生も、過去や未来から「女子高生」として参加しています。

・このスレでは、一回戦、準決勝を勝ち上がった4名による決勝戦の後半戦を行います

・みんなで楽しんでいけたらいいなと思います。 >>1は運営に徹しますので、どうぞよろしくお願いします




~館内・特別休憩室~


 ガチャッ


恭子「あのー… 戒能さん、そろそろ後半戦が・・・ひいぃっ?!?」=3


良子「・・・・・・」ズモモモモモモモモモモモモモオオオオオオオオオオォォォ・・・・・!!!


恭子(な、なな、なんやこりゃ…??)カタカタ


その時、その薄暗い部屋で恭子が見たモノは・・・

畳の上で座禅を組んでいる良子の後ろ姿から… 十体近い様々な魔神が湧き出て、良子にまとわりついている様だった・・・


恭子「・・・あ、あ、あのっ、戒能さん、そろそろ、試合が・・・」

良子「…ん? ああ、末原さん… わざわざ呼びに来てくれたんですか」シュウウウゥゥゥ……


アッという間に良子の背中の中に入り込んでしまった魔神たち…


恭子「…な、何してたんですか…?」

良子「いえ何… ちょっと集中力を高めて“気”を練っていただけです」ニコッ

良子「では行ってきます。 私が全員ディフィートして… チャンピオンになるところを見ていて下さいね」ゴゴゴゴオオォ・・・

恭子「は、はい…」カタカタ


 ガチャッ、カツカツカツ・・・・


休憩室を出ていった良子…


恭子「………」

恭子(ふーっ… ビビったわ… 凡人の私にもあんなにハッキリオカルトが見えるなんて、どんだけの出力やねんホンマに…!)ドキドキ

恭子(やっぱり、戒能さんの魔物レベルはハンパないで… これが本物のオカルトの帝王…!)

恭子(宮永咲やヴィルサラーゼの比じゃあらへんわ… とてもうちらと同じ高校生とは思えん…)

恭子(前半でけっこうな点差がついてまったけど… 何故だか… あの人が負ける気がせえへんわ…)

恭子(頑張って下さいよ…! 戒能さん!)


日本最強のオカルト遣い、魔人戒能良子・・・!

他家を殲滅せんと… 再び、苛烈なる戦場へ―――!!


~観客席~

5分前…


慕「みんな、ただいまー♪」テコテコ

閑無「オーッ、慕ッ! おつかれっ!」

杏果「おかえり慕ちゃん」

はやり「最後のハネ満ツモ、カッコ良かったよ!☆」

悠彗「私、南三局の嶺上開花で鳥肌立っちゃったよ」

曖奈「悠彗ちゃんの腐一色を使いだした時は、どうしちゃったのかと思ったけどねぇ…♪」

真深「あれは惜しかったね。 でも、いいメンタル攻撃になったんじゃないの?」


 アハハハハハハハ・・・!  ソレハイエテルワネェ  コカジノヤツナイテタモンナ!  カワイソウニナッチャッタヨ…  ハハハハハハ……


慕が帰ると同時に、笑顔が溢れ返る朝酌陣営・・・

まだ箱割れの状況で、トップまで8万点以上もの点差があっても… 悲観的な雰囲気は全くない…!


杏果(やっぱり、すごいな、慕ちゃんは…)

杏果(あなたはどんな時も周りを笑顔にさせる力がある… これこそが慕ちゃんの一番の“才能”なのかもしれないな…)


閑無「ほら慕、差し入れだぜ。 これ飲んで後半も頑張ってな」スッ

慕「あ、ありがとう… わ、やった! つぶつぶドリアンジュース・・・しかもホット!」

杏果「すご… このジュースこの時代でも売ってるんだ…」

はやり「一度販売停止になったみたいだけど、また復刻したって、この時代のおかーさんが言ってたよ☆」

慕「ぷはぁーっ、やっぱり美味しい・・・!///」ゴキュゴキュ…

悠彗「慕の味覚だけはよく分かんないな…」


慕「ふぅ… ごめんね、みんな… もうちょっとやれると思ってたけど、全然ダメだったよ…」テヘヘヘ…

閑無「なーに言ってんだ! まだまだこれからだろ?」

はやり「準決勝でも、一時は8万点以上点差があったけど… 南場だけで引っくり返したんだから! 大丈夫!☆」ハヤッ 

慕「う、うん・・・」ポロポロ…

杏果「!? え? し、慕ちゃん!?」

悠彗「ど、どうしたの…?」


一様におののく一同… 突然、慕が涙を流し始めたのである…!


慕「……」ポロポロポロ・・・

閑無「ど、どうしたんだ? 慕?」

はやり「慕ちゃん…」

杏果「…?」


閑無(・・・や、やべえ、なんか、地雷踏んだか私…?)

閑無(やっぱり、相当ヤラれたもんな… いくら慕でもショックだったのか…?)

閑無(もう怖くて麻雀卓に座りたくねーとか… そういうことなのか…?)

閑無(…く、くそっ! こーゆー時って、なんて声かければいーんだよっ?!)モンモン


杏果「…慕ちゃん、大丈夫? 良かったらわけを聞かせて…?」

慕「…あ、ご、ごめんね…? 突然泣き出して、ヘンだよね、私…」グイッ

慕「大丈夫♪ これ、嬉しくて泣いてるだけだから…」ニコッ

閑無「う、ウレシイ・・・??」


慕「うん。 あのね、さっきの前半戦、ほんとにいろいろあったけど、今思うとすごく楽しかったなぁって思って…」

慕「三尋木さんも、小鍛治さんも、戒能さんも… 本当に、ほんっとうに凄くて…!」

慕「こんなに凄い人たちと一緒に麻雀が打てる… まだあともう一回打てるんだ、って思うと、幸せだなぁって思って……」

慕「それにこうしていつでもみんなが私のことを応援してくれる… そうしたら、なんか、嬉し過ぎて、涙出てきちゃった♪」

閑無「………」


閑無(そんなこと考えてたんかよ、こいつは… 全く、初めて会った時から全然変わんねー… あきれた麻雀バカだな慕は!)

閑無(たとえあんな奴らが相手でも、慕なら何も心配はいらねーな… こいつなら、またいつも通り笑顔で楽しんで… そして、勝ってきてくれるはずだッ!)

閑無(私はただ慕のことを信じて、最後まで精一杯、応援すればいいだけだ…!)


ピンポンパンポーン・・・ 

…オツタエシマス  マモナクケッショウセンコウハンセンヲカイシイタシマスノデ、センシュノミナサンハ…


はやり「あ、慕ちゃん、時間みたいだよ…」

慕「う、うん、じゃあ、行ってきます! このジュース持ってくね♪」スイッ

曖奈「いつも通り、楽しんできなさいねぇ♪」

悠彗「ずっと私たちがついてるからね、慕」

真深「このアイドル春日井真深が全力で応援してるぞッ!★」

杏果「…ファイトだよ、慕ちゃん…!」

閑無「ブチかましてこい慕ォッ!!」

慕「うん!♪」ニコッ、クルリッ!


 ザッ!!


元祖牌に愛された子、白築慕…

壁は高ければ高いほどに燃える…!

8万点のビハインドを引っくり返すべく… いざ、再び、魔物の巣窟へ―――!!



ピンポンパンポーン・・・ 

…オツタエシマス  マモナクケッショウセンコウハンセンヲ…


靖子(高3)「あ… 時間みたいですね、三尋木さん」

咏(高3)「はえーなオイッ! 休憩時間短くね?」モグモグ

貴子(高2)「確かに10分は短いですね… 20分くらいは欲しいところですが…」


前半戦、5回もの和了を決め、トップ快走中の三尋木咏…!

彼女は同じ時代から来た顔馴染みの靖子と貴子の元で、何故かスルメをかじりながら寛いでいた…


貴子(まったく… これからまたあの大舞台だっていうのに、よくスルメなんか喉を通るな… どうゆう心臓をしてるんだこの人は…?)

咏「ねえ貴子ちゃん、知ってる? ガムとかスルメをかじるとさ、噛む時の刺激が伝わって脳が活性化されるんだぜ?」ニッ

貴子「は、はあ…」

咏「ほんじゃまあ、行ってくるわ! なんかこの大会、私、一回戦→準決勝→決勝って、上っていくたんびにちょーし良くなってるからさぁ…」

咏「次の半荘こそは最強の私… 完全体の“三尋木咏”が見れるかもしんねーぜ! 知らんけどw」

靖子「…まあ、油断だけはしないで下さいよ… 小鍛治さんはもちろん、戒能も白築も“まくり”に関しては相当なモノを持ってますから」

貴子「最後まで気を抜かずに… 優勝、決めてきて下さいよ!」

咏「もち!w ・・・ん? 小鍛治さんってどこ行ったん?」

貴子「小鍛治さんならさっき、トイレに行ってくるとか言ってましたけど…」

咏「トイレ? 大丈夫かおい? この放送聞こえてんのかな?」






~館内トイレ~


ピンポンパンポーン・・・ 

…オツタエシマス  マモナクケッショウセンコウハン…


健夜(17)「わ… もう時間か。 もう、休憩時間短いなぁ…」ジャバジャバ…


洗面所で手を洗い、鏡を見て前髪を整える女子高生健夜…

と、そこへ、


?「ジュンー! はやくはやくっ! 後半戦始まっちゃうよ!」


健夜「ん…? あの子は……?」


トイレに入ってきたのは… ひょろりと背の高い短髪のイケメン少女と、頭にウサ耳のカチューシャをつけた、小学生のような金髪の少女だった…


純「お前がトイレつきあえって言ったんだぞ」

衣「だって一人で行くのこわ・・・ な、なんでもないっ!///」

純「プッw お子様なのはタッパだけじゃないのなーw」

衣「う、五月蠅い! 衣は子どもじゃ・・・ん? おぬし・・・?」

健夜「……」


洗面所で目が合ってしまった衣と健夜…


健夜(…この子、確か、一回戦で宮永照と互角に闘ってた天江衣……)

衣「…おぬし、今決勝を闘っている小鍛治だな?」

健夜「…そうだけど」

衣「ふふ…w 厠で邂逅するとは、此れ亦奇遇だな…w」ククク…


魔王健夜を前に、ニッと不敵な笑みを浮かべる衣・・・


衣「貴様とは少し話をしたいと思っていたのだ…」ニイィ…

健夜「…何? サインとかはちょっと、もう今時間ないから…」

衣「そんな事じゃない。 おぬし・・・そろそろ、麻雀を打ったらどうだ?」

健夜「・・・? 今、打ってるけど?」

衣「お前のは打ってるんじゃない・・・」

衣「打たされてるんだ」

健夜「!?」


健夜(この子… 私の“奥”が見えてる? まさか・・・?)

衣「ふん… そんなに警戒することはない。 衣はただ、“お前自身”の麻雀を見たいだけだ」

健夜「…」

衣「まだ麻雀を始めて数か月とかいう貴様には分からないかもしれないが・・・」

衣「麻雀というものは只の遊戯ではないのだ。 各々の潜心熟慮… 運否天賦… 百戦奇略の限りを尽くし、全てをぶつけ合って闘うことで… お互いを理解し合うことにその本質があるのだ」

健夜「……」

衣「…衣も嘗ては感覚の傀儡となって麻雀を打っていたが… その感覚を選択肢の一つとし、自分自身で麻雀を打ち… そして敗衄した…」

衣「だが、そのことで衣は孤独から解放され、世界が開けたのだ。 其の切っ掛けを作ってくれた相手・・・咲には今でも感謝しているし、衣の大切な莫逆の友の一人だ」

衣「お前は何か昔の衣の姿とダブる。 このまま“打たされる”だけでは、きっと独り法師のその状態から脱け出ることは・・・って、オシッコオシッコ! 漏れるっ!!」タタタッ、バタンッ!


健夜「………」


衣も純もトイレの個室に入っていき、洗面所に一人残された健夜…

しかしその体からは、あの黒々とした禍々しいオーラが滲み出るように噴き出してきた…


健夜(私は…独りぼっちなんかじゃない…!)ズモモモモモモオオオオォ・・・!


 “スコヤチャン・・・”


健夜の… 暗く重い意識の中で、小さな少女の声が響く…


健夜(大丈夫だよ… あなたを裏切ったりなんか、絶対しないから・・・)

健夜(“朔夜”)ギュッ


余りにも… 残虐なまでに強いが故に孤独な小鍛治健夜…

彼女は、卓上の相手のみならず、自分の中の葛藤とも闘うことになるのだった…


~実況室~


みさき「さあ… お送りしております全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…!」

みさき「二日に亘って繰り広げられてきたこの大会も、いよいよ決勝後半戦… 最後の半荘戦が始まろうとしています」

のよりん「ドキドキ!♪」プンプン=3

みさき「ここから、東場の間の実況はわたくし村吉みさき… そして解説は皆さんお馴染み、今日もいつも通りぷんぷんしてる野依理沙プロでお送りしてまいります」

のよりん「ぷんぷん余計!!」プンスコ=3

みさき「ふふw たまにはぷんすこしてない野依プロも見てみたいもんですね♪」ツンツン

Σのよりん「!? ほっぺ、つつくな!!///」プンスコリン=3


みさき「野依プロは、過去の自分… 女子高生時代の御自分もこの大会に参加していたわけですが、残念ながら準決勝で敗れてしまいましたね」

のよりん「麻雀! 運! そういうこともある!」プンプン=3

みさき「確かに、麻雀は運の要素の大きい競技だということがよく言われていますが…」

みさき「先ほどの決勝前半戦は、三尋木選手が絶好調…! 運までをも味方につけ、ほとんど他家を寄せ付けないと言ってもいいくらいの強さを見せていました」

のよりん「白築! 最悪!!」プンスコ=3

みさき「は、はい… 逆に現在ラスの白築選手は、特にこれといったミスはないようでしたが… ツキに見放され、今もって箱割れという厳しい状況に立たされています」

みさき「どうでしょう野依プロ、正確な予測は難しいとは思いますが… この後半戦、どのような展開になると思われますか?」

のよりん「はい、そうですね。 やはり現在トップの三尋木選手とそれに迫っている小鍛治選手が有利だとは思いますが、まだまだ戒能選手と白築選手も余力を残しています。 下位が追い上げて引っくり返るという展開も十分有り得ると思いますよ」ペラペラ

みさき「・・・堂々とカンペ読みながら解説しないで下さいよ… 誰に書いてもらったんですかコレ?」

のよりん「比与森さん!」プン=3

みさき「新道寺の監督さんですね。 まったく… こんな物は没収です」グイッ

Σのよりん「!? ヤメテッ! さわるなエッチ!!///」プンスコリン=3


みさき「な、何がエッチですか…/// とにかくカンニングペーパーは禁止ですからねっ///」

のよりん「みさき、意地悪!!」プンプン=3

みさき「私はただ野依プロにしっかり自分の言葉で解説をして欲しいだけですよ・・・っと、そんなこと言ってるうちに、卓上では場決めが終わったようですね」



決勝卓・場決め(後半)
東 良子(66)
南 咏 (47)
西 健夜(32)
北 慕 (29)

     健夜
     (西) 
   ――――――

   |    |
  慕 |    | 咏 
 (北)|    |(南)
   |    |
   ――――――

     良子    
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、慕の「プリマヴィント」が南三局と四局で発動されるので、この試合は「健夜(東1)→咏(東3)→良子(南1)→慕(南3)」の順になる。

※「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「慕→良子→咏→健夜」。ただしこの最後の半荘は、「主役」も「能力ステージ」になる。 基本、後半は全ての局で誰かの能力が発動される。


みさき「これは… 前半の時とは大きく席が変わりましたね。 三尋木選手だけ南家なのは変わりませんが…」

のよりん「白築! チョベリグッ!!」プンスコ=3

みさき「チョ、チョベリグ…? あ、はい… 白築選手は北家、つまりラス親…!」

みさき「準決勝でも北家でしたが、その時はラストの南四局で三連荘…! 南三局からの怒涛の連続和了で一気に7万点以上もの大差を引っくり返し、大逆転を果たすということがありました」

みさき「現在ラスの白築選手にとっては、優勝への希望をつなぐ最高の席順かもしれませんね」

のよりん「親! 大切!!」プンプン=3

みさき「はい。 親で和了れば打点は1.5倍… そして連荘にもつなげられますからね… 確かに前半でも、現在優位の三尋木、小鍛治両選手は親の時に大きい手を和了っていました」

みさき「この後半でも、自分の親番をうまく生かせるか… そして他家の親番を早目に流せるか? といったことが、勝負の肝となってくるかもしれません」

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☆対局前に、能力に関するルールなどまとめときます↓


※能力には「常時発動系」、「ステージ発動系」、「特殊発動系」の3種類があります

・「常時発動系」→基本的に東一局から南四局まで常に発動している能力

・「ステージ発動系」→本選では全ての局が“ノーマルステージ(常時発動系と特殊発動系以外は能力が発動されない局)”と“能力ステージ(特定の誰かが能力を発動する局)”に分かれています。
           基本的には東一、東三、南一、南三が“能力ステージ”。 東二、東四、南二、南四が“ノーマルステージ”。 連荘の一本場、二本場などはオーラス以外は全て“能力ステージ”です。
           「ステージ発動系能力」とは、その能力ステージにおいて四人が順番に、あるいはコンマ等で誰が発動できるかが決められて、一人ずつ発動される能力です。
          
・「特殊発動系」→ある特定の条件をクリアした場合に発動される能力


※「ステージ発動系」の能力の発動される順番は、東一局の「北→西→南→東」という順番です。

※ノーマルステージでは毎回誰かが「主役」になります。主役が巡る順番は「能力の発動される順番と逆(基本、東→南→西→北)」。 ただしこの決勝後半戦では実質能力ステージと同じ。

※特殊発動系能力が発動されると、せっかくステージ発動系能力を発揮する順番がやって来たのに、ツブされて次局に回されるということも有り得ます。
 ただし、能力がかぶっても問題なければ、一局で二人以上の能力が同時に発動されることもあります。

※二人以上の能力が発動され、どちらかの能力を優先しなくてはならない場合は、基本ランキング上位者の能力が優先されます(特殊能力が二つ以上発動され、それらがなんらかの事情により発動できない場合、基本、次局でランキング上位者一人の特殊能力が発動される(一回戦第八戦東三局の状況))。

※自分が能力を発動しておらず、主役でもない場でリーチをかけた時は、打点が1ランクアップする。 和了できなければ1000点を失う。


<決勝戦における「ステージ系能力」使用のルール>

・各自、自分のステージ能力は二半荘の試合の中で「3回」まで使用可能。 ただし良子だけは4種類各一回ずつ、更に「ネクロマンシー」のみ二回使用可能なので合計「5回」まで使用可能。

・尚、それぞれ一回戦と準決勝で闘った相手の「ステージ系能力」を一回ずつ使うことができる。(最初は、それぞれ自分自身の能力から使用する) 

良子は「小蒔・美穂子・透華・ハオ・明華・爽」
咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」
慕は「爽・曖奈・悠彗・善野・洋榎・のよりん」
健夜は「憧・優希・閑無・照・小蒔・杏果」
 
かぶってる小蒔、洋榎、爽は、一度どちらかに使われた能力はもう使用不可。

・この決勝後半の半荘は主役(ノーマル)ステージ無しの「全ステージが能力ステージの殴り合い」。

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≪決勝戦出場者の能力詳細≫

『S1 小鍛治健夜(高三)』

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    他家3人のうち2人を降ろす。残った1人とタイマン。和了率80%。和了れば裏ドラが二つのる(満貫4翻、ハネ満6翻、倍満8翻、三倍満11翻)。
    尚、自分が振り込むことはない(その場合流局になる。「残った一人」はツモ和了りしかできない)。
    ※「裏ドラが二つのる」は、打点としてドラが二つ乗る翻数になるということ。 和了りの形としては、「裏ドラ2」ではない場合もある。

<ス>→「メガディザスターリーチ」
    黒い牌(風牌と二・四・八筒)が集まる。 和了ればローカル役満黒一色の形で和了れる。 実際の打点はハネ満or倍満or三倍満or役満。 
    コンマバトルで、自分だけコンマ以下の数を2倍にできる。

<特>→「魔王の呪い」(オーラスで振り込んだ場合は発動されない。前半の南四局で振り込んだからといって、後半の東一局で発動したりはしない)
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ雀士には一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」(「魔王の呪い」と一緒で、オーラスで発動条件を満たしても発動されない)
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。(「最下位が既に一万点を切っており、健夜が和了ってトップになった」場合は発動されない) 
    次局でその最下位に“ハネ満”を直撃する。 一人につき一度だけ発動できる。

※二半荘で試合が長いため、「魔王の呪い」が「一試合で同じ雀士には一度しか効かない」のは健夜にとって不利。 なのでその代わりに「ファイナルオールクラッシャー」を満貫からハネ満へとランクアップ。
 また、慕と特殊能力がかぶった場合は、健夜の方が優先され、慕の特殊能力は発動されない。

※この後半戦における南四局(オーラス・オブ・オーラス)では「魔王の呪い」と「ファイナルオールクラッシャー」は発動できない。(連荘があった場合の南四局一本場や二本場も同様)

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『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<ス>無し(南三局で必ず「プリマヴィント」を発動する)

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では必ず一向聴からスタート出来る。 和了できれば三翻以上で和了れる。 (親が和了した場合の南三局一本場や南四局一本場では発動されない)

<特>→「天衣無縫の極み」
    麻雀が純粋に楽しいという気持ちに立ち戻っての覚醒状態。 コンマバトルで自分だけ30ポイントプラスした状態で闘える。
    打点表を掲示したレスのコンマがゾロ目の時、次局で発動。 発動回数に制限は無いが、オーラスでゾロ目になっても発動されない。

※慕は変わらず自分のステージ系能力は無し。 しかし特殊能力の「天衣無縫の極み」が加わったため、「プリマヴィント(最上の風)」を、打点満貫以上から三翻以上へとランクダウン、更にオーラスでの連続使用は不可に変更。
 また、「プリマヴィント(最上の風)」と「天衣無縫の極み」が重複した場合は、どちらかを選択して使用する。

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『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満or倍満。

<ス>→「迫り来る神域の火力」
    和了率40%。 三倍満or役満。 

※「迫り来る怒涛の火力」が、“ハネ満以上”から“ハネ満or倍満”に変更(平均打点はほぼ同じ)。 また「怒涛の火力」と「神域の火力」は、他家の和了率を含めて考えた場合の得点期待値は大体同じ。


『S5 戒能良子(高三)』

<常>→「テスカトリポカ」
    “煙を吐く鏡”を意味するアステカの全知全能の神。
    他家に自分の能力の正体や手牌を察知されるのを防ぐ。(照の照魔鏡だけでなく、美穂子や憩など、手牌を特別な能力で読んでくる相手に対しても有効)

<ス>→「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
    他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
    “この大会に参加していない雀士”の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。     

※ネクロマンシーで呼べる雀士(例)↓

1、東横桃子「ステルス・モモ」 和了率70%、ロン和了り限定。 ただし三倍満以上は倍満に繰り下がり。 また自分自身は絶対に振り込まない(その場合相手のツモ和了りになる)。

2、メガン・ダヴァン「デュエル」 選定した特定の相手とタイマン。 和了率60%。ハネ満or倍満。 和了れば相手から出和了りを取れるが、和了れなければ自分が相手に振り込む(相手の打点は通常)。

3、亦野誠子「フィッシャー」 和了率90%、ただしハネ満以上は満貫に繰り下がり。

4、その他。 和了率70%、三翻以上。

    「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
    人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
    特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

    「ソロモン第56柱グレモリー“時の魔神”」
    過去、現在、未来の全てを掌握できる魔神。
    5巡目くらいまでの自分のツモ牌を知れるため、淀みなくテンパイできる。 和了率70%。

    「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
    他者の企みを看破できる魔神。
    一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

<特>→「ソロモン第29柱アスタロト“能力殺し”」
    右手に巻きつけた毒蛇の力で相手の能力を塞ぐ。
    一半荘で一度(一局)だけ、他家の常時発動系か特殊発動系の能力を完全に封じることができる。 他家が振り込みそうな時などにも使用可。

※「ネクロマンシー」が、「他の選手の能力をコピー」から「大会に参加していない雀士のコピー」に変更。この能力だけ特別に前半と後半で各一回ずつ、合計二回まで使用可能。

※決勝戦では、「テスカトリポカ」は実質効力はありません。 しかし「アスタロト“能力殺し”」は、咏、慕、健夜の常時発動系と特殊能力のどれかを一半荘で一回、つまり最高で二回無効化できます。
 >>1の方からは、“良子が振り込んだ時”“良子が親っかぶりをした時”に「能力殺し」を使うかどうかの呼びかけをしますが、それ以外の状況でも書き込みがあれば使用する可能性はあります。

具体的には…

・「魔王の呪い」「ファイナルオールクラッシャー」→発動時にキャンセル
・「プリマヴィント」「天衣無縫の極み」→振り込みなら、他家に押しつけられる。 親っかぶりは、流局か他家へのロン和了りに変更できる。


<打点表>(2つのレスのコンマ以下の合計)

01~30→1翻

31~70→2翻  
71~100→3翻  
101~130→4・5翻(満貫) 
131~160→ハネ満   
161~180→倍満    
181~190→三倍満   
191~200→役満     

※ツモかロンか決まってない場合は、和了点のコンマが偶数ならツモ、奇数ならロン
ロンの場合、コンマが3の倍数なら和了者の下家、3の倍数+1なら対面、3の倍数+2なら上家からの出和了り


<その他細々したルール>

※コンマ以下の数の大小を競う場で、同点が二人以上いた場合は「秒」の大小で決定。

※牌表記
一ニ三→萬子
①②③→筒子
123→索子

※点数の符は基本30符で固定です。暗刻や明刻などあっても、符は増やしません。
 そして30符4翻は7700ではなく満貫8000になります。
 ただし、カンをしていて3翻以下だった場合だけは、符を増やして計算します。

 また、ピンフツモ(20符)と七対子(25符)の4翻以下は基本出てきません。(能力発動や、もう勝敗が決定している場合などには出てくることもある)

※決勝戦はトビ無しの箱下清算有り


~闘牌ステージ~


咏健夜良子慕「「「「…………」」」」ズモモモモモモオオオォ・・・!!


卓上… 再び相見える四人の超人女子高生…!


咏「さてと、慕ちゃん…」

慕「ん?」

咏「前半の点棒があるから、私が有利なんだろうけどさ…」

咏「当然、そんなことは一切考えないからね。 またゼロに戻ったと思って、全力であんたを倒しにいくから… よろしく頼むぜ?」ニッ

慕「もちろん! 望むところだよ♪」ニコッ


健夜(… 私は独りぼっちなんかじゃない… 麻雀だって… 自分で打って、勝つんだから…!)ブツブツブツ…

良子(…ん? 小鍛治さんが、前半の時とはまた少し様子が違うようですね…?)

良子(まあ、余計なことは考えていられません。 とにかく、この最後の半荘・・・)

良子(私の全ての力を駆使して・・・全員、ディフィートするだけです!!)ゴゴゴゴゴオオオォ…!


【後半東一局 親:良子】


 ビ―――ッ・・・!


良子咏健夜慕「「「「 よろしくお願いします!!!! 」」」」


 …チャッ、パシッ、タンッ  チャッ、ピシッ、トンッ!  パシッ、タンッ!  チャッ、パシッ、トンッ・・・・


再び、卓上で牌を操作し始めた四人の超人女子高生…!


 みさき『さあ、いよいよ始まりました決勝後半戦…! この大会最後の半荘のスタートです!』

 みさき『点数は前半の結果をそのまま引き継ぎますので、戒能・白築両選手は出来る限り大きい手を和了っていきたいところでしょう』

 みさき『対して、上位二名、三尋木・小鍛治両選手は、自分の親の時以外は、なるべく早めに場を回したいところかもしれません』

 みさき『さあまずは、誰が仕掛けていくのでしょうか…?』

 のよりん『みさき!!』プン=3

 みさき『は、はい?』

 のよりん『〇〇! 動く!!』プンスコ=3

 みさき『え・・・』


のよりんがそう指摘した直後…!


〇〇「ポン!」パシィンッ!


 みさき『おや、これは・・・?』


※〇〇は誰…?(「ゴッドハンドリーチ」の健夜とタイマン。 最も早く3票を獲得した雀士が健夜に挑戦)

1、良子
2、咏
3、慕
4、コンマ

2

2

4

2

2、咏


咏「ポン!」パシィンッ!→「北北北」


 みさき『おや、これは…? なんと三尋木選手がいきなりオタ風を鳴いてきました!』

 のよりん『レア!』プンプン=3
 
 みさき『はい、確かに… 三尋木選手といえば徹底した面前主義の打ち手… 副露をすることはほとんどないと言われていますが…?』

 のよりん『狙ってる!!』プンスコ=3

 みさき『狙ってる? 何をですか?』

 のよりん『スーシーホー!!』プンスコリン=3

 みさき『す、四喜和??!』


慕(!? み、三尋木さんがポン??)

良子(確か三尋木さんはここまでほとんど鳴くことはありませんでした… 何か企んでるんでしょうか…?)


1巡目でいきなり意表をついたオタ風ポンを見せた咏…

そして3巡目、


健夜「…」トンッ→「西」

慕「……」スッ…

咏「あ… 慕ちゃん、ちょい待ち」

慕「え?」ピタッ


自分の牌をツモろうと手を伸ばした慕を、咏がおもむろに止めた。


咏「ん、悪いね慕ちゃん。 その西・・・ポンだわ」パシィッ!→「西西西」


良子(…なっ? またオタ風ポン?)

慕(三尋木さんが序盤から鳴くってことは… 高い手を和了るアテがあるってことだよね…)

良子(ただの鳴きホンイツなどで私の親を流そう、というわけでもないでしょう… そんな打ち方をこの人がするわけはない…!)

慕(オタ風の二鳴き… これって、もしかして……)

良子慕((四喜和??))


 ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ・・・・


後半戦開始初っ端からの、咏の異様な攻めにざわつく観客席…

そして… 四喜和と言えば・・・!

―――――

 初美「まさか… 三尋木さん、私の十八番で和了るつもりなんですかねー?」

 巴「ちょっと強引だけど… ただの鳴きホンイツじゃないみたいだね…」

 霞「三尋木さんならやりかねないわねぇ…」

 初美「そんな、でも… 私以外が、そう簡単に四喜和を和了れるわけありませんよー!」

―――――

慕(四喜和なら、残りの風牌… 東と南が、最低でも2枚はいる…)チラッ

慕(…! 河にはまだ東も南も一枚も出てない…? ほ、本当に四喜和?)

慕(う…! そんなのトップの三尋木さんに和了られたらもう追いつけないよ… でも、振り込むわけにはいかないし…)

慕(とにかく風牌をツモったらもう手牌に抱えるしかない…)チャッ、パシッ


と、思ったその時、


健夜「……」タンッ→「南」

慕(え、ええっ?! ちょっ、小鍛治さん? 何やってるの??)


健夜、平然と咏の自風の南切りッ!

そして…


咏「それもポン!!ww」パシィッ!→「南南南」


すかさず飛びつく咏… わずか5巡目にして風牌三副露!!


咏手牌:???? 鳴き「北北北」「西西西」「南南南」


 みさき『こ、これは… 三尋木選手、本気で四喜和を和了るつもりなんでしょうか?!』


良子(っく…! 親ですが、ここは無理は出来ません…)

慕(残りの東の在り処が分からない今… 危険牌はもう絶対切れない…!)


警戒感を高め、早くもオリ気味の良子と慕… しかし、6巡目、健夜がそんな二人を尻目にとんでもない行動に出る…!


健夜「・・・リーチ」トンッ

良子「は?」

健夜「オープン・・・」バララララァ・・・

慕「えっ、ええっ? ええええぇぇ・・・??」


なんと健夜、オープンリーチ! その手牌を卓上に全て晒してしまう…!


健夜手牌:二二二三四五六七八九⑨⑨⑨


慕(お、オープンリーチ?? どうしてここでオープンリーチなの…??)

良子(一-四-七・三-六-九萬待ちの超多面チャン…! 確かに待ちはベリーグッドですが、役はオープンリーチのみ… 一萬が入ればイッツーもつきますが…)

慕(誰も振り込むわけないし… 第一、東でもつかんだらどうするつもりなんだろう…?)


 みさき『なんと小鍛治選手、三尋木選手の四喜和を匂わせる鳴きに対して、大胆にもオープンリーチです!』

 みさき『しかしこれは… 全くもって意図が読めません! オープンリーチは二翻役ですが、当然出和了りは期待できなくなってしまいますし…』

 みさき『ツモのみに限定して攻めていこうということなのでしょうか…?』

 のよりん『違う!!』プン=3

 みさき『はい?』

 のよりん『直撃! 狙ってる!』プンスコ=3


 みさき『直撃って… 何言ってるんですか野依プロ。 決勝戦にまで進んできた選手たちが、オープンリーチなんかに振り込むわけないじゃないですか…』

 のよりん『三尋木、見ろ!!』プンプン=3

 みさき『え… ん? あれ、これは・・・?』


咏手牌:???? 鳴き「北北北」「西西西」「南南南」


咏の手牌を映し出すモニターに目を走らせるみさき… その、残った四つの牌は・・・!


みさき『こ、これは・・・ 確かに、三尋木選手は振り込んでしまうかもしれませんね、小鍛治選手に…』

みさき『まあ、振り込んでも、この大会では「オープンリーチに、リーチせずに振り込んだら役満払い」というルールは採用されてはいませんが…』


慕(一体、小鍛治さんは何を・・・ん?)

咏「……」ピクピク


先ほどまでの威勢の良さはどこへやら… 何故か真っ青になって頬をひくひくさせている咏…


慕(…? どうしたんだろう三尋木さん… …あ、もしかして…?)

慕(三尋木さんの、残り四牌は、東以外は萬子…?)

慕(だとしたら、例えば・・・)


東東三三


慕(三尋木さんがこんな形でテンパイしてるとしたら、小鍛治さんの残り当たり牌の一、四、七、六、九萬のどれかをツモったら、もう東を切り出すしかない… つまり四喜和の目は消える…!)

慕(いや、それどころか…! 三尋木さんが東をまだ持ってない可能性もある。 そうなると、例えば・・・)


三三六六


慕(こんな形でホンイツトイトイの形でテンパイしてるとしたら、もう逃げ場がなくなってオープンリーチに振り込む可能性もある…!)


健夜(…慣れてない鳴きを使うから、こういうことになるんだよ、三尋木さん…)ズモモォ…

健夜(ほら… 早く私の当たり牌を出しちゃいなよ…!w)ニタアァ…

咏「…!」ギリッ


攻めの多鳴きが災いし、追い詰められつつある咏・・・

しかし、勝負するべき局面で、三尋木咏には押し引きの押しはあっても引きは無い!!


咏「カン!!」パシィッ!→南「南南南」


7巡目、ツモった南で加カン…! 嶺上牌へと手を伸ばす!!


咏(この私に対してオープンリーチだと…? ナメやがって…!)ズオオオオォ・・・!

咏(こんにゃろっ! 来いッ! 来やがれッ!!)チャッ!

咏「…!!」


咏のつかんだ、その嶺上牌は・・・


>>40コンマ以下(和了者)
01~80→健夜(「ゴッドハンドリーチ」発動)
81~00→咏(「ゴッドハンドリーチ」が発動されているため、ツモでしか和了れない)

打点
>>41>>42コンマ以下(打点表>>23

はい

03健夜 17+30=47(二翻ロンだが、「ゴッドハンドリーチ」の能力により2翻アップ、満貫ロン)


咏「…!!」


咏のつかんだ、その嶺上牌は・・・


 四萬


咏「あっがぁ…?!」


愕然とする咏・・・!

何故なら… その手牌は…


咏手牌:三三六六 嶺上ツモ「四」 鳴き「北北北」「西西西」「南南南南」


慕が予想した通り、三-六萬のシャボ待ち!

そこへ四萬をツモったということは・・・手牌の全てが健夜のオープンリーチの当たり牌!!


咏(こ、こんな、バカな・・・??)ワナワナ


“振り込むと100%分かってるのに牌を切る”・・・ そんな屈辱的な事があるだろうか?


咏(このォ・・・!!)ギロォ…


四萬を握りながら下家の健夜を睨みつける咏・・・

健夜でなければ縮み上がって失禁するほどの強い眼光である・・・!

だが…


健夜「…何? 和了りじゃないなら早く切ってよ…」フン

咏「ぐぬぅ…!」ギリッ


魔王健夜、咏の視線など歯牙にもかけず…!


咏「やかましい! 今切るわっ!」タァンッ!→「四」

慕(あ…)

良子(ジーザス…)


咏、歯ぎしりしながら四萬強打!

そして… 当然、下家の少女が和了の声をあげる…


健夜「はい、ロン」

健夜「オープンリーチ・一発・・・ カンドラが乗って満貫」


健夜手牌:二二二三四五六七八九⑨⑨⑨ ロン「四」 カンドラ「九」


  ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ…  ナ、ナンダアレ??  ドーユーアガリナノヨー…  アクマヤ…! ワイワイザワザワ・・・・ 


またもや… 健夜の人智を超えたかのような異様な和了りに、ざわめく会場…


 みさき『こ、これは… 野依プロのおっしゃった通りになってしまいました…』

 みさき『三尋木選手、恐らくは四喜和を意識しての序盤からの攻めでしたが、多鳴きが災いし、手牌の全てがオープンリーチの当たり牌に…!』

 みさき『しかもあの絶対安牌の南を切れば良かったのに、加槓で攻めたことで、当たり牌をつかんでしまいました。 さらに相手の手にカンドラを乗せてしまうという間の悪さ…!』

 みさき『まるで、小鍛治選手が掘った落とし穴に自分から突っ込んだみたいでしたね』

 のよりん『おバカ!!ww』プップスー=3


咏「ほらよ…」ジャラ…

健夜「……」チャッ


咏の出した8000の点棒を無言で受け取る健夜…


咏「小鍛治さんよう…」

健夜「…ん?」

咏「私は麻雀牌を握ってから10年以上経つけど… ここまで屈辱的な振り込みは初めてだよ」

健夜「ああ、そう…」

咏「言っとくが… この試合… 私はあんたには絶対負けないぜ…!」ギロッ

健夜「ふーん… 弱い犬はナントカっていう…ことわざ知ってる?」フフン


咏・健夜「「……」」バチバチバチバチバチ…!!


 みさき『三尋木選手、満貫の振り込みでトップから陥落…! 小鍛治選手、後半戦が始まると同時にトップを取り返しましたッ!』


後半東一局
 
東 良子 11300
南 健夜 55500→63500
西 咏  70200→62200
北 慕 -17000


【後半東二局 親:咏】


 みさき『三尋木選手この決勝戦初めての振り込み! トップ交代…! この半荘が大きく荒れることを予感させるような滑り出しとなりました…!』


配牌…

咏(ナメんじゃねーぞ…! トップなんかすぐに取り返したるわ!)カチャカチャ

健夜「……」カチャカチャ

慕(はあ、用心しといて良かった… 三尋木さん、カンしなければ振り込まずに済んだかもしれないけど…)カチャカチャ

慕(リスクを省みずに強引に高めの和了りに向かうのが、三尋木さんの怖いところだからね…)ジャッ!

慕(ん…♪ 配牌一シャンテン。 まずはここは三尋木さんの親を流すことを優先させ・・・ひゃっ?!)ギョッ


 ブワアアアアァッ!!


おののく慕…!

その、下家では・・・


良子「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォォ・・・!!


魔人戒能良子の後頭部の髪留めが吹っ飛び、紫の頭髪がザワザワと逆立ち始めていた・・・!


良子(クク…w 親番を流されたのはペインフルでしたが… 今度は私の番ですよ!)

良子(さあ…! 満を持しての登場です! 出でよッ!! 〇×△!!!)バッ!


※良子が召喚したのは・・・?(最も早く「3票」を獲得した番号でイキマス。 ゆっくりどうぞ)

1、小蒔「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。

2、美穂子「ブルー・オッドアイ」
     右目を開眼することで、卓上で起きていることをほぼ完璧に把握できる。
     自分の手が悪ければ他家を支援して削りたい相手を振り込ませる。(満貫以下)
     手が良ければ、最速で和了へと向かう。(和了率70%。 ただし残りの30%の時は、自在に他家を出和了りさせられる)

3、ハオ「一色三歩」
    和了率9割。 ただし三倍満以上は和了できず、倍満に繰り下がる(さらに常に役は1ランク下がるから実質ハネ満に繰り下がる)。

4、明華「ミストラル」
    歌を歌うことで、一局だけ配牌・ツモが良くなる。
    和了率70%。

5、爽「赤い雲」
   他家に数牌を寄せることで、自分に字牌が集まる。
   和了率70%。和了れば1ランクアップの役で和了れる。

6、爽「白い雲」
   索子を集める。
   和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

7、爽「パコロカムイ(寿命の支配者)」
   特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

8、爽「フリカムイ」
   自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了


9、「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
  他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
  “この大会に参加していない雀士”の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。     

10、「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
  人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
  特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

11、「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
  他者の企みを看破できる魔神。
  一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

3

7

7

7

7、爽「パコロカムイ(寿命の支配者)」
  特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)


良子(出でよッ!! ネクロマンシーの使い手・・・“ガミジン”!!!)バッ!


 ブワアアアアアアァァ・・・!!


慕咏健夜「「「!??」」」


良子の背後に現れたるは… 一回戦、準決勝でも猛威を奮った、“他人の魂を召喚する能力”をもつ魔神ガミジン・・・!


ガミジン『ブルルルルウウゥ・・・!!=3=3』


その、頭は馬、体はムキムキマッチョの人間というなんとも禍々しさを感じさせる異形は、赤い目をギラギラと光らせて他家3人を睨みつけた…


咏(ちぃ…! 私が親の時に、厄介なことになったねぃ…)チッ

慕(これ、誰か他の人の魂を召喚するヤツだよね…? 一体、誰を呼ぶんだろう…)

健夜(…小癪… まあ、なんでも使えばいいよ…)フン


~観客席~


爽「…んぉ? こりゃー… やべえの出してきたな、戒能…」

揺杏「あん? なんだ爽、何か見えんのか?」

爽「ああ、アレは他人の魂を自在に召喚でき…ふごっ」パタリッ、zzzzzz…

ユキ「? さ、爽さん? どうしたんですか?」

成香「突然糸が切れたように眠ってしまいました…」

誓子「いやねぇもう、ヨダレたらして…」

爽「… zzzzzzzz…」グゴォーグゴォー・・・

揺杏(…? もしかして… 爽の魂を召喚するつもりなのか?)


~闘牌ステージ~


良子「・・・ん」パチッ

咏(ん?)

慕(あれ、何か…)

健夜(雰囲気が、変わった…?)


良子「… ふー… なあみんな知ってる? トイレは入れるとこじゃなくて出すとこなんだぜ?w」ヘラヘラ


健夜「・・・は?」

咏(なんだこりゃ)

慕(…こ、これ、獅子原さんだ…)タハハ…


良子(ククク…w この局面、様々な打ち手のメニ―な能力の中でも、ベストはコレ…! 準決勝で闘った獅子原さんの“パコロカムイ”…!)

良子(親ではないのですから、まだ私自身はここで無理に和了る必要はありません。 今ファーストなのは、なんといっても上位を削ること…!)

良子(獅子原さん、レンタルさせてもらいますよ… あなたのとっておきを…! では!)

良子(やるしかないか!!)ブワアァッ!


〇×「・・・ん?」ゾクッ!


良子の体から、真っ黒な、まるで老婆のような姿形をしたカムイがまろび出て・・・〇×の体にまとわりつく!


良子(ぬふふ…w これでこの局、あなたは確実に振り込むのです!!ww)グフォフォフォ…!


・パコロカムイが憑いた相手は…?(3票先取)
1、咏
2、健夜
3、慕

2

2

2

2、健夜

本日ここまでだじぇ
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00から


>>46一部訂正(咏と健夜の場所が入れ替わってる)

後半東一局
 
東 良子 11300
南 健夜 55500→63500
西 咏  70200→62200
北 慕 -17000

後半東一局
 
東 良子 11300
南 咏  70200→62200
西 健夜 55500→63500
北 慕 -17000

乙です

やばっ! とんでもない間違いしてる!!ww

東二局は本来なら慕が主役なのに、何故か二番目に主役が回る筈の戒能さんが・・・

また明日、19:00くらい?に、「このまま良子の主役で、慕と良子の主役の局を入れ替える」か、「良子の能力をキャンセルして、予定通り東二局は慕の能力で行く」かを投票で決めたいと思います。

ごめんなさい。 なんでこんな間違いしたんじゃろか…?

乙どんまい

乙、どんまいあざす。ホントにすみません…

では… >>1のミスで、本来なら慕が能力を発動するべき場所で、良子さんがハッスルしちゃってるので… どうするか投票で決めたいと思います。

>>18にあるように「主役(実質能力ステージ)」が巡る順番は「慕→良子→咏→健夜」と決まっているのに、良子が慕より先に主役となって能力を発動してしまってるわけですね…

1番目と2番目が入れ替わったからといって、有利不利は無いだろうとは思うけど… と思ったら、もし東四局が慕の主役になった場合、慕には有利かもしれない。 親だから。

でも慕や健夜の特殊能力の連発があった場合、慕の主役が回ってこないという事が100%無いとは言い切れないので、その点は不利かも。

偶発的な>>1のミスなので、これも勝負のアヤと見るか、あくまで最初に決めた順番でやるべきか…

1か2で投票願います。先に3票を獲得した方でイキマス。


1、このまま東二局は良子の主役で、慕と良子の主役の順番を入れ替える

2、良子の能力をキャンセルして、最初に決められた順番通りに、東二局は慕の主役へと変更する

2

2

2

投票あざす

では、「2、良子の能力をキャンセルして、最初に決められた順番通りに、東二局は慕の主役へと変更する」で決定とします。

昨日パコロカムイを選択した方たち、ほんとゴメンナサイ。

とりあえず慕が何の能力を使うかまでちょっと進めます。






良子(やるしかないか!!)ブワアァッ!


健夜「・・・ん?」ゾクッ!


良子の体から、真っ黒な、まるで老婆のような姿形をしたカムイがまろび出て・・・健夜の体にまとわりつく!


良子(ぬふふ…w これでこの局、あなたは確実に振り込むのです!!ww ・・・あれっ?!)



 “ズモモモモモモモモモモモモモモモモモオオオオオオォォォォ・・・・!!”



咏(ひっ?!)

慕(わっ!?)

良子(なっ、これは・・・??)


そこで良子が見たのは… 健夜の体からあの禍々しい黒いオーラが、まるで墨汁を流すかのように広がり… パコロカムイがその闇の中へと吸い込まれていく様だった…


“パコロカムイ「アガッ!?  グギョギョギョギョギョギョオオォ・・・!!?」ジタバタ”

健夜「……」ズモモモモモモモオオオオオォ・・・!!


アリ地獄にはまったアリのように、成す術もなく健夜の闇に吸い込まれていくパコロカムイ…!


良子(そ、そんな…?! ソレは獅子原さんからレンタルした大事な魔物なのに…!!)

健夜(…まったく… この程度の低級魔が私に通じるとか思ってるなんて… この勝負ナメてんのかな?)フン

良子(っく…! 見誤りました…! パコロカムイは、末原さんや本藤さんにも通じたカムイ… これならばと思いましたが…)

良子(通じませんでしたか… やはり、小鍛治健夜はそこらへんの強豪とはレベルも次元も違い過ぎるということですね…)グムム…


咏(…良子ちゃんと小鍛治さんのオカルト対決かい。 ま、私はかんけーねーわな。 私は私の麻雀を打つだけ…)チャッ、パシッ

慕(・・・んんん? 何が起きたんだろう? 最初に戒能さんの体から馬みたいな人が出てきて、そのあとに戒能さんが獅子原さんみたいになって…)

慕(そして今度は真っ黒なお婆さんみたいのが出てきて小鍛治さんにくっつこうとしたけど、ソレを小鍛治さんが吸い込んじゃった・・・??)

慕(なんか凄いことになってるけど… 二人がお互いに牽制し合ってるんなら、この局は私にチャンスがあるかも…!)

慕(まずは出来るだけ高い打点で、三尋木さんの親を流す! 頑張るよ!)グッ!


※慕、何を使う…?(最も早く「3票」を獲得した能力でイキマス。ゆっくりどうぞ。番号間違えないようにお気をつけあそばせ)

☆慕は「爽・曖奈・悠彗・善野・洋榎・のよりん」(全ての能力に常時発動系能力「フォーゲルセット」が併用される)

1、爽「赤い雲」
   他家に数牌を寄せることで、自分に字牌が集まる。
   和了率70%。和了れば1ランクアップの役で和了れる。(「フォーゲルセット」と併用されるため実質2ランクアップ)

2、爽「白い雲」
   索子を集める。
   和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

3、爽「パコロカムイ(寿命の支配者)」
   特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

4、爽「フリカムイ」
   自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了

5、曖奈「クレイムフラッシュ」
    鳴きの速攻。 和了率70%。

6、のよりん「ハイパープンスコモード」
      完全無欠の防御。 自分の振り込みと他家のツモ和了りを完全に封じる。(和了確率は全員25%になるが、自分の振り込みは他家に押しつけられ、他家のツモ和了りは自分のツモ和了りになる)

7、善野「浪速のスナイパー」
    選んだ特定の相手を狙い撃ち。 70%で七対子ドラドラ(子のロン和了りで6400)か満貫かハネ満を出和了る。  

8、洋榎「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

8

1

1

4

1

1、爽「赤い雲」

獅子原忙しいな…

では、ちょっと時間おきます

また22:00頃から進めていきます。ちょっと遅れるかも


良子(…仕方ありません。 ここは一旦ガミジンは引込めましょう… この局は自力でファイトするとしますか…)スウウウゥ…


致仕方なく、ネクロマンシーの使い手ガミジンを体内に戻す良子… と、その時…!


慕「・・・うほっ?!」ピクッ!

良子「ん?」

慕「… んん~~…?」キョロキョロ


一瞬、目を大きく見開き、あたりをキョロキョロと見回し始めた慕…


咏(む? 今度は慕ちゃんの様子が…?)

健夜(? あれ? 戒能さんにあった獅子原さんの気が、白築さんに…?)


慕「… ふ~~ん… 戒能サンあんた、やっぱりいつ見てもすばらなおもちしてるねぇ…w」ニタニタ

良子「え?!」

良子(し、しまった、これは・・・!)

良子(獅子原さんのソウルを戻すつもりが、手違いで白築さんに転送されてしまった??!)


慕(爽)「……」グフォフォフォフォフォフォオオオォ…


良子(ぐうぅ…! 私としたことが、なんていうミスを…! 敵に塩を送ってしまうなんて…!)ギリッ


そしてその時、慕の脳内では… 慕の意識は消えることなくそのまま残り、そこへ爽の意識が入り込むことで、“一つの体に二つの心がある”状態になっていた…


“慕(…?? ちょ、ちょっと、何が起きてるの? 勝手に私の口がおかしなことを…? 自分の思い通りに体が動かない…?)ムググ”

“爽(へへ…w 白築ちゃん、なんかよく分かんねーけど、私の意識が白築ちゃんの中に入っちゃったみたいだぜ?w)グヒョヒョ”

“慕(は…? え、その声、獅子原さん? どうしてここに?)”

“爽(さあ? ま、こまけーことはいーじゃん!w ここは私に身も心も預ければいいんだよ…w ヒヒッ、白築ちゃん、痛くしねーから安心しろよな…w)ハアハアモミモミ”

“慕(ちょっ?! 勝手に私の手で私の胸さわらないでよっ!!///)=3”


 みさき『おや、これは・・・?』

 みさき『どうしたんでしょう。 白築選手、突然ニタニタ薄ら笑いを浮かべながら自分の胸を揉み始めてしまいました』

 のよりん『ヘンタイ!!ww』プップスー=3


慕「……///」グフォフォフォニタニタモミモミ…

健夜「…あ、あの、白築さん…? ツモ番だけど…?」

慕「ん? あぁーハイハイ、ツモね…」チャッ…


心ここにあらずといった感じで牌をツモる慕(爽)・・・


“慕「ちょっと! 獅子原さん私の体返してよ! 出てって!」プンスカ=3”

“爽「まあまあ… せっかくだからさ、この局は私に任せろよ?」”

“慕「…獅子原さんが私の代わりに打つってこと?」”

“爽「そーだよw まあ、白築ちゃんはちょっと休んで高見の見物してなって? このオカルトデパート獅子原サマが・・・」”


“爽「最上級のバケモンどもをブチのめすところをよっ!!」カッ!”


慕「さー楽しんでこーぜっ!w 行くぜッ! “赤い雲”!!」ボッ!!

良子咏健夜「「「 !!?? 」」」


慕が空中で“何か”をつかみ、卓の右隅に叩きつけると同時に… ふわりと赤い煙のようなモノが卓上に舞う…!


咏(まーた慕ちゃんの人格が変わっちまったぜ…)

健夜(何かの手違いで戒能さんから白築さんに、獅子原さんの意識が移った…?)

良子(ぐむ… やっぱりこうなりますね… 赤い雲ということは・・・)

良子(“字牌占有能力”・・・! あ、和了らせたら大変な事になりますッ!)ゾクッ


 チャッ、パシッ、タンッ  チャッ、コトッ、パシッ!  トンッ!  チャッ、ピシッ、タンッ・・・・


牌が巡るにつれ… 次々と慕の手に流れ込んでくる字牌・・・!


“慕「…ね、ねえねえ、獅子原さん、この“赤い雲”って、字牌を呼び寄せる能力なの?」”

“爽「ん? いや、まあ結果的にはそうなるんだけど、実際は違うんだよね」”

“慕「? どうゆうこと?」”

“爽「赤い雲の力は、正確には“他家に数牌を流し込む能力”なんだよ。 その結果として、私のとこには字牌が多くやって来るってわけ」”

“慕「…なんでその赤い雲を使うと相手に数牌を流し込めるの…?」”

“爽「古の時代の蝦夷地で… アイヌの神が天地創造の際に、“五色の雲”を世界を形作るための色々なモノに変えたんだ。 そんで、赤い雲は金銭へと変えられたんだ」”

“慕「金銭・・・ あ、だから・・・!」”

“爽「分かった? さすが白築ちゃんは察しがいいみてーだなw 麻雀牌の数牌は全て金銭を元にして創られたモノなんだよな」”

“慕「うん。 萬子は昔の中国の金銭単位… そして筒子は貨幣の形状、索子は貨幣の穴に通してまとめるための竹串をモチーフにしてるんだよね」”

“爽「そっ! だから、この赤い雲を他家にかければ、もう相手には数牌しか流れない… そうなると必然的に字牌がジャンジャン私のとこに舞い込んでくるってワケ!w」”

“爽「さあ見てろよ白築ちゃん…! 私が面前で大三元を和了るところをよ!!w」”

“慕「そんなにうまく行くかなぁ…?」”


が… 慕の心配をよそに、順調に字牌が集まり… 8巡目には慕の手はとんでもないことになっていた…!


慕手牌:東東發發白白白中中12⑥⑦


 みさき『こ、これは…!? 白築選手の手が凄まじいことになってきました! あと發か中が来れば小三元確定…! 当然メンホンも狙えますし、大三元や字一色も夢ではありません!』

 みさき『それに対して、他家3人にはまったく字牌が来ません… どうなってるんでしょうかこれは?』

 のよりん『オカルト!』プンスコ=3


咏(…なんだこりゃあ? 手にも河にも字牌が全くねーぞ? もう捨て牌二段目に入ってるっつーのに…)チャッ

健夜(く…! この支配はかなり強力…! とてもじゃないけど抑え込めない…)パシッ

良子(まずいですね… もしこのあと白築さんが役満をツモるとしたら… 親の三尋木さんとの点差が8000縮まる、というアクティブな見方も出来ますが…)タンッ

良子(ダンラスとはいえ白築さんに勢いをつけるのもベリーデンジャラス…! ここはやはりなんとしても止めなくては…!)


良子「ポン!」パシィッ!→「②②②」


 みさき『戒能選手鳴いて加速…! これで一シャンテンです!』

 のよりん『焦ってる!』プンスコ=3


良子(なんの…! 白築さんに字牌が集まるのなら、数牌オンリーの麻雀を打っているのと同じ… それを前提とすれば、こちらにもアドバンテージはあります!)キッ


“慕「あっ、獅子原さん、戒能さんが加速してきたよ…!」”

“爽「心配すんな! 私の方が速いッ! 私は、惚れたヒトの為ならなんだって出来るんだッ!!」クワッ”

“慕「えっ? ほ、惚れ…?/// そ、それって、どういう…?///」”

“爽「こういうことだああああああああぁぁぁぁっっっ!!!!!」ズオオオオオオォォッッ!!!”


 チャッ!


慕「・・・!」


その時… 慕(爽)のツモった牌は…!


>>86コンマ以下(和了者)
01~70→慕(爽)(「赤い雲」発動)
71~80→良子
81~90→咏
91~00→健夜

打点
>>87+>>88コンマ以下(打点表>>23) 

81咏 89+03=92(三翻ツモだが、「業火の火力」により満貫ツモ)


 チャッ!


慕「・・・!」

“爽「あちゃっ、一個ズレてんよ…」”

“慕「残念…」”


慕、起死回生の大三元をテンパイするも、最後の牌を引けない…!

そして… その隙を突いたのは・・・!


咏「あぁーらよぉっとおおぉっ!!」タアァンッ!!


咏が、ツモると同時にその牌を親指で弾き上げ・・・ 落ちてきた牌をつかむや否や卓上に叩きつけるッ!!

―――――

 咲(えっ? あ、あれって…)

 久(わ、私の放り投げツモ!?)

―――――

会場の全ての者が目を見張ると同時に… タカタカタカッと小気味よい音を立てて現れた牌姿は…!


咏手牌:一二三七八①①①②③789 ツモ「九」


咏「ジュンチャン・ピンフ・ツモ! 満貫4000オールだねっ!!」クワッ!


 ウワアアアアアアアァァァ―――ッ!!  デタァッ!  ミヒロギサンチョーカッコイイヨーッ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


“慕「ちょ…! 獅子原さん! 親の三尋木さんに和了られちゃったじゃん!」=3”

“爽「・・・いやぁ… あれ? おかしいなぁ…? ど、どうしてコウナッタ??」”

“慕「もういいよ… やっぱり獅子原さんなんかに任せるんじゃなかった。 あとは私が打つからもう出てって」フン”

“爽「……」ショボーン…”


良子(!? こっちですか…? く…! 対応しなくてはいけない場所が多過ぎてパニクりそうです…!)

健夜「……」ギリッ


咏「さあさあさあッ! まだまだこんなモンじゃねーぞ? 一本場だッ!!」タンッ!


後半東二局
 
東 咏  62200→74200
南 健夜 63500→59500
西 慕 -17000→-21000
北 良子 11300→ 7300


【後半東二局一本場 親:咏】 ※連荘時は主役を先に回します。よって良子の主役ステージ。


 みさき『三尋木選手追いつきました…! 大三元をテンパイしていた白築選手を一蹴!! いやはやさすがです!』

 のよりん『お見事ッ!』プンスコ=3

 みさき『これで先ほどの振り込みなど帳消し…! アッという間にトップに返り咲きです!』


健夜(強い…! 本当に強い。 これが… 子どもの時からずっと、自分の麻雀を追求してきた人の強さなのかな…)

慕(私の十八番のジュンチャンで… んんん~… 三尋木さん凄いっ! でも悔しい! 次こそは私が和了るよ…!)グッ

良子(トップとの点差が開いてしまいましたね… しかし、まだまだ…! 私の能力が本領を発揮するのは・・・ここからです!)カッ

良子(さあ顕現せよッ! 〇×△□!!)ブワアアァッ!!


※良子が召喚したのは・・・?(最も早く3票を獲得した能力。 ゆっくりどうぞ)

1、小蒔「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。

2、美穂子「ブルー・オッドアイ」
     右目を開眼することで、卓上で起きていることをほぼ完璧に把握できる。
     自分の手が悪ければ他家を支援して削りたい相手を振り込ませる。(満貫以下)
     手が良ければ、最速で和了へと向かう。(和了率70%。 ただし残りの30%の時は、自在に他家を出和了りさせられる)

3、ハオ「一色三歩」
    和了率9割。 ただし三倍満以上は和了できず、倍満に繰り下がる(さらに常に役は1ランク下がるから実質ハネ満に繰り下がる)。

4、明華「ミストラル」
    歌を歌うことで、一局だけ配牌・ツモが良くなる。
    和了率70%。

5、爽「白い雲」
   索子を集める。
   和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

6、爽「パコロカムイ(寿命の支配者)」
   特定の誰か(爽自身が選定できる)を確実に振り込ませる。 誰がロン和了りするかは未定(爽の和了率は50%)

7、爽「フリカムイ」
   自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了


8、「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
  他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
  “この大会に参加していない雀士”の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。     

9、「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
  人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
  特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

10、「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
  他者の企みを看破できる魔神。
  一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

6

6

6

6、爽「パコロカムイ(寿命の支配者)」

パコロカムイを憑かせる相手は…?(3票先取)

1、咏
2、健夜
3、慕

1

1

1

1、咏

咏「ん…? なんかイヤな予感がするねぃ…」

本日はここまでだねぃ
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00から

乙です


相変わらずシノチャーはコンマ運悪いなぁ

乙あざす
進めてくにょ



良子(さあ顕現せよッ! ガミジン!!)ブワアアァッ!!


魔人良子再び召喚! 卓上に、ヒトの魂を操る術を使う魔神・ガミジンが現れる・・・!

そして、その時… とある精神世界では…!


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


爽「・・・・・」トボトボ

爽「はあ… せっかくのチャンスだったのに… 白築ちゃんに嫌われちまったよ…」ハア


慕の体から追い出された爽は、一人淋しく、どこか荒涼とした夢の中のような世界を歩いていた…


爽「…てか、ここどこだ…? 暗くてどんよりしてて… もう私、自分の中に帰りてーんだけどな…」トボトボ


“クク…w ここは黄泉比良坂(よもつひらさか)… 生者の住む現世と死者の住む他界との境目にあるプレイスですよ…”


爽「なっ? だ、誰だ?!」


どこからともなく響いてきた怪しげなる声…!


爽「よ、黄泉比良坂って、死ぬ前に通る場所だろ? なんだよ私って、死んだんか?」


“ノーノー、死んだ訳ではありません。 黄泉比良坂は行き場のない魂が一時停留するスポットでもあるのです”


爽「ゆ、行き場のないって… 私は早く自分の中に帰りてーんだよ! それが無理ならもう一回白築ちゃんの中に・・・げえぇっ?!」=3

ガミジン『ブルルルルルルルウウウゥ~~ン…!!』=3=3

爽「な、なんだコイツ?! ちょっ、何すっ! やめっ! ぴぎっ?!=3」カクン…


突然現れたマッチョな馬人間に有無を言わせず締め落とされてしまった爽・・・


“良子「フフ…w 人気者は辛いですね、獅子原さん…w」ククク…”

“良子「申し訳ありませんが、あなたはまだ帰しませんよ… 私のために働いてもらいます!」ニタッ”


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


~観客席~


爽「… zzzzz…」グゴーグゴォー…

成香「…爽さん、起きませんね…」

誓子「そうね。 せっかくの決勝戦なのに、観なくていいのかしらね?」

爽「… ウゴギガギギギギ…!!」ウーンウーン…

ユキ「なんか寝言でうめいてますよ。 宇宙人にさらわれる夢でも見てるんでしょうか…」

揺杏「……」

揺杏(多分あの卓上に呼ばれてコキ使われてんだろーな… 生きて帰ってこいよ爽…!)ナムナム


そして闘牌ステージでは…!


良子(さあ… 先ほどはミステイクでしたが、今度はうまくヤッてみせます…! 復活せよッ! 寿命の支配者・・・“パコロカムイ”!!)カッ!

健夜「…ん?」ズモモモオォ…


健夜の闇に吸い込まれていた老婆のようなパコロカムイが、ズルリズルリとその身をよじりながら再び現れる…!

そして…


咏「…ほっ?!」ピクッ

咏「わっ? あひゃっ?! な、なんだコレ?!」=3


今度は咏の小柄なロリ体型にいやらしくからみつくパコロカムイ…!


良子(むふふ…!w 小鍛治さんは無理でも、三尋木さんはオカルトに対してはほぼ無力…! パコロカムイに憑かれては成す術もないはずです!w)

良子(これで確実にトップとの点差を詰めることができます。 三尋木さん、もはやあなたにはエスケイプする場所はありません…! この局は振り込むしかないのですッ!!w)グフォフォフォ…!

健夜(…私は無理と見て、三尋木さんに仕掛けてきたか… まあ、私にとっても都合がいいからほっとこ…)チャッ

慕(…? 真っ黒なお婆ちゃんが今度は三尋木さんに… な、なんか、エロ…/// ていうかマニアック…!///)


咏(こ、こんにゃろ…/// なんか私に仕掛けたな? か、体中まさぐられてるみたいで気持ちわりぃ…!///)モジモジ

咏(くそっ! でもなぁ… この程度でこの三尋木咏を止められると思うなよッ!)カッ


全身を触手のようなモノで撫でさすられながらも、必死に牌をツモる咏…

そして、またもや“迫り来る怒涛の火力”の名にふさわしい異常な引きの強さを見せる…!


9巡目…

咏「……///」ハアッハアッハア…

咏(ど、どうだこのヤロウ! これでテンパイだ!!)


 みさき『おおおぉ三尋木選手が…! 凄まじい引きです! 9巡目で遂に四暗刻単騎待ちをテンパイ…!』


咏手牌:三三三六六六555888南


 みさき『まったくあきれた引きの強さですね… これを和了れば親の役満48000…!』

 みさき『トップの三尋木選手がそんなモノを和了れば、優勝を大きく手繰り寄せる一撃になるでしょう…』

 のよりん『危ないッ!』プンスコ=3

 みさき『はい、そうですね。 他家三人にとってはこの上なく危険な状況… こんなモノに振り込みでもしたら、もう這い上ってくることは不可能と言っていいかもしれません』

 のよりん『違う! 三尋木、危ないッ!!』プンスコリン=3

 みさき『え・・・?』


 みさき『どういうことですか? 野依プロ?』

 のよりん『三人! 手牌見ろッ!!』プンプン=3

 みさき『ん…?』


のよりんに促され、みさきが確認した他家三人の手牌は…!


健夜手牌:?????二二二四五八八八 (三-六萬待ち)

 慕手牌:?????11112367 (五-八索待ち)

良子手牌:??????南南南西西北北 (西・北待ち)


 みさき『こ、これは…? 三尋木選手が暗刻にしている牌の全てが他家の当たり牌になっている…?』

 みさき『しかも三尋木選手は現在南の単騎待ちで待ってますが、残りの南3つは全て戒能選手がガメてしまっています… これではこの四暗刻、和了り目はありません…!』

 みさき『仮に西や北を引いて河に出せば戒能選手の字牌シャボ待ちに刺さりますし… 南を捨てても大明槓をされる可能性があります』

 みさき『これはなんとも… 三尋木選手、せっかく役満をテンパイしているのに身動きが取れません! 完全にがんじがらめです!!』

 のよりん『袋のネズミ!!ww』プンスコ=3


そして10巡目…

咏「…」チャッ

咏(あん…? 三萬?)


咏、四つ目の三萬をツモる… しかし、その牌は…!


健夜「……」ギラッ!


下家に座る魔王健夜の当たり牌!!


咏(…ちっ、四暗刻テンパイしてんだから、暗槓なんかしてもしょーがねーんだけど…)

咏(どーもこの牌はヘンな感じがする。 やむを得ないね… ここは全部抱えるか!)ジャッ

咏「カン!」パシィンッ→「三三三三」


咏、ツモった三萬で暗槓! そしてつかんた嶺上牌が…


 六萬


咏(ほえぇ…?)


なんとまたもや健夜の当たり牌、六萬…!


咏(これもイヤ~な感じがするねぃ… しょーがねえっ!)ザッ!

咏「もいっこカン!」パシィッ!→「六六六六」

健夜「…!」


咏、連槓で健夜の当たり牌三-六萬を全て握り潰すッ!

しかし…!


 チャッ!


咏(…なっ、今度は八索?)


慕「……」ギラッ!


次の嶺上牌は対面慕の当たり牌八索…!

いくらツモっても当たり牌をつかんでしまう…!!


咏(こなくそ…! こうなったらヤケだっ!)

咏「カンだっ!」パシィンッ!→「8888」


さらに暗槓… しかし四つ目の嶺上はまたまた慕の当たり牌、五索…!


咏「も、もいっこカン!!」パシイィンッ!!→「5555」

慕「…!」


咏、なんと四連続カンの裸単騎! アッという間に四暗刻&四槓子のダブル役満テンパイ!!


咏手牌:南 暗槓「三三三三」「六六六六」「5555」「8888」


 みさき『え、ええぇっ? な、なんですかこれは・・・?』

 みさき『三尋木選手、次々と他家の当たり牌をつかみ、それをことごとく暗槓で逃げ… 気がついたら四槓子テンパイ!!』

 みさき『しかし、これは・・・』

 のよりん『和了れないっ!』プンプン=3

 みさき『そうですね… 残りの南は全て戒能選手が持っていますから、このままではほぼ間違いなく和了ることは出来ません』


咏「…ちぃっ」タンッ→「南」


咏、最後の嶺上で良子の当たり牌西をつかむが、また危険と感じ南を切り出す…

一応ダブル役満の西単騎待ち…!

しかし…


良子(フフ…w 三尋木さん、私の当たり牌をつかみましたね…?)ニタアァ…

良子(暗槓でよく逃げましたが、しかしそれもここまで… 裸単騎になったあなたにもう逃げ場はナッシング!w)

良子(パコロカムイに完全に取り憑かれたあなたは、絶対に残り一つの西をツモることはインポッシブル…!)

良子(いくら役満でも、和了れなければ絵に描いたライスケイク… 意味など無いのです!!w)


健夜「……」チャッ、パシッ、タンッ

慕「……」チャッ、パシッ、タンッ


咏の連槓で当たり牌を握りつぶされた健夜と慕も、わずか一巡で待ちを切り替え、改めてライフルの照準を咏にピタリと合わせる…!


健夜慕良子「「「………」」」ズモモモモモモモモオオオオォ…!!!


咏(…な、なんだぁ? なんか寒気がする… 私だけ狙われてる気がすんぞ…?)ゾクッ

咏(い、一体、どうなって・・・ ん?)チャッ

咏(この牌は・・・!)


11巡目… 牌をツモった咏の手がピタリと止まる…!


咏(… 西と、今ツモった〇・・・ どっちもあぶねー気がすんな・・・)

咏(…く、くそっ! こっちだ!!)タンッ!


意を決して、牌を切り出した、その直後・・・!


健夜or慕or良子「ロン!!!」

咏「うぇっ?!」


>>118コンマ以下(和了者)
01~50→良子(「パコロカムイ」発動)
51~75→健夜
76~00→慕

打点
>>119+>>120コンマ以下(打点表>>23) 

はい

39良子 85+57=142(ハネ満ツモだが、「パコロカムイ」により咏にハネ満直撃)


良子「ロン!!!」ゴォッ!

咏「うぇっ?!」


待ってましたとばかりに、一気に手牌を倒した良子・・・!

その時、咏の出した牌は・・・


 西


良子「フフ…w 遂に捕まえましたよ、三尋木さん…!」ズモモモモモモモモオオオオォ・・・!!

良子「メンホン・ドラ3… ハネ満の一本場は12300ですッ!!」カッ!


良子手牌:①①①⑥⑦⑧南南南西西北北 ロン「西」 カンドラ[①]


咏(!? このォ…!)ギリッ


 ドオオオオオオォォ―――ッ!!  カイノーサン!  サスガナノヨー!  エゲツネーアガリダナww  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


 みさき『東二局一本場… トップで親の三尋木選手に対して、他家3人が一斉に狙い撃ちをするかのような局でしたが・・・』

 みさき『弾を当てたのは戒能良子選手! 相手のカンドラを乗せての見事な和了りです!!』

 みさき『三尋木選手は必死でかわし続けたのですが、最後は戒能選手の当たり牌西と、小鍛治選手が切り替えた待ち牌四萬をツモってしまい、どっちを切っても振り込んでしまうという形でした…』

 のよりん『呪いの力!』プンプン=3


咏(ちっ… まあいいよこんくらい。 攻めていけばこういうことも当然あんだから…)ジャラ…

良子(さて… これを反撃の狼煙としていきたいところですね…)チャッ

健夜(三尋木さんとの点差が大分つまった… 次の親番でまた逆転しておかないとね…)

慕(た、楽しいけど… 和了れない…!)


後半東二局一本場
 
東 咏  74200→61900
南 健夜 59500
西 慕 -21000
北 良子  7300→19600


【後半東三局 親:健夜】 


 みさき『三尋木選手、振り込みで親を流されはしたものの、まだギリギリトップは維持しています。 2位の小鍛治選手はここでトップを取り返しておきたいところでしょう…』

 みさき『下位の二人は果たして上位との点差をさらに詰めていけるのか…? いよいよ東三局、小鍛治選手の親番です!!』


健夜「……」ゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・!


慕(う… 今度は小鍛治さん… またあの黒いオーラが…!)ゾクッ

良子(親番ですから、当然本気で来るでしょうね… さあ、次はどんな手でいくべきか・・・ んぉっ?!)=3


咏「……」ズモモモモモモモモモモモモモオオオオオォォ・・・・!!


卓上を侵食する健夜のオーラに対抗するように… 咏の小さな体から、紅蓮の業火の如き真っ赤なオーラが噴き出す…!


良子(ほ、What? これは・・・?)


※咏、何を使う…?(最も早く3票を獲得した能力でイキマス。 ゆっくりどうぞ…)

☆咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」(全ての能力に常時発動系能力「業火の火力」が併用される。ただし「迫り来る怒涛の魔乳」 のみ例外、三翻で和了る可能性がある。 優希と靖子は条件上発動できないので省いてあります)

1、怜「リーチ一発ツモ」
   鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

2、怜「ダブル」
   和了率70%。

3、怜「トリプル」
   自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)

4、洋榎「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

5、霞「絶一門」
   70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

6、霞「迫り来る怒涛の魔乳」
   10000%の確率でホンイツ(3翻or満貫)を和了する。

7、衣「一向聴地獄」
   他家3人が流局寸前までテンパイできない。
   70%の確率で海底撈魚+α(満貫以上)をツモ和了る。


8、「迫り来る怒涛の火力」
  和了率70%。 ハネ満or倍満。

9、「迫り来る神域の火力」
  和了率40%。 三倍満or役満。 

6

6

6

6、霞「迫り来る怒涛の魔乳」

トゥデイはここでフィニッシュです
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00から


魔乳(偽)


あがりと引き換えにうたたんのプライドとかSAN値とか色々削られそうな能力だなぁ

乙です

乙あざす
またーり進めてくにょ


良子(ほ、What? こ、これは・・・?)


咏「……」ズモモモモモモモモモモオオオォォ・・・・!!


卓上を侵食する健夜のオーラに対抗するように… 咏の小さな体から、紅蓮の業火の如きオーラが噴き出す…!!


良子(Oh…, ガッデム…! 親の小鍛治さんだけでなく、三尋木さんまでもが攻撃力MAXの状態に…!)ワナワナ

良子(これはもうウカウカしてはいられません! 私も最凶の能力者を召喚して対抗しなくては・・・)

良子(さあ出でよッ! ネクロマンシー・・・“ガミジン”!!)ブワアアァッ!!


良子、早くも三度目…! ヒトの魂を操る魔神ガミジン召喚…!!


健夜咏良子「「「・・・・・・」」」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴオオオオォォ・・・・!!


健夜の黒、咏の紅、そして良子の紫… 三人の超人少女のオーラが三つ巴となって絡まり… 卓上でうねりを伴って上昇していく…!


慕(わわわ…! なんか超能力バトルみたいになってきたよぉ…!!)


~観客席~


初美「・・・なんか卓上が凄いことになってきましたよー…」

巴「小鍛治さんと三尋木さんのオーラがステージ上に充満して… 拮抗してる…!」

春「… オーラだけで麻雀卓が吹っ飛びそう…」ポリポリ

小蒔「ええ… でも、春ちゃんの従姉妹さんも対抗して、また降霊術系の能力を使用するようですね…」

霞「さっきは獅子原さんの魂を呼び寄せてたみたいだけど、今度は一体・・・・うっっ?!」パタッ、zzzzzz……

巴「!? 霞さん?」

初美「! 霞ちゃんがまた、姫様みたいに突然寝てしまいましたよー? 姫様、これって…」

小蒔「…はい。 一回戦の時のように、また霞ちゃんを召喚してあの二人に対抗するみたいですね」

春「……」ポリポリポリ


霞「zzzzzzz…」グーグー…


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

その時… ついさっき、爽が彷徨っていた精神世界では…!


霞「……」テコテコポヨンポヨン

霞「あらあら…? 気がついたらなんだか荒れ果てた荒野に・・・」キョロキョロ

霞「ここって… もしかして、黄泉比良坂かしら?」


“ククク・・・w さすがは春の先輩、六女仙のリーダー石戸霞…! ここがどこだか分かるようですね…w”ズモモモモオオォ…


霞「あらら、あなたは・・・?」


魔乳の前に現れたるは魔人…! 最強のオカルト遣い戒能良子が霞の前に現れる…!


良子「フフ…w 石戸さん、あなたのそのベリークレイジーでストロングな力… またレンタルさせてもらいますよ!」ニタアァ

霞「あらまあ、これはこれは…」

霞「でも戒能さんあなた、一回戦でも私を召喚したわよね? いくら春ちゃんの従姉妹だからって… 二回も私をこんな所に呼ぶなんて、ちょっと厚かましいんじゃないかしら?」ポヨン

良子「ソーリー。 しかし今はあなたの力が必要なのです。 あの二人とまともにヤリ合える能力者と言ったら、獅子原さんか石戸さん、あなたしかいないのですから…」

霞「うーん…」フンフム

霞「お断りするわ」

良子「! なにぃ・・・?」ギラァ…


霞「だって、貴女にそんなに義理立てする筋合いはないもの。 私、この決勝戦は三尋木さんを応援してるんですよ? 準決勝で共に闘った戦友だから…」

良子「…ふむ。 ならば… 本意ではありませんが、ここは力づくでイクしかなさそうですね…!」ズモモモモモオオォ…!

霞「!!」

良子「悪く思わないで下さいよ! さあガミジン! あのオッパイオバケを叩きのめして私の中に取り込むのです!!」クワッ!


“ガミジン『グオゴゴゴゴゴオオオォ・・・!!』バッ!”


どこからともなく現れた、頭は馬で体は海パン一丁のボディビルダーというなんとも異様なる怪人が霞に襲いかかる・・・!

が!!


霞「獣風情が… 大人しくしてなさいっ!!」ヒュンッ!

“ガミジン『!?』”



 ドッッ


 バアァッ!


 チイイイイイイイィィィ――――――――ンッッッ!!!!!



“ガミジン『たわばっ?!?!』=3”


ひらりと身をかわした霞が、上半身を一ひねり・・・!

猛烈な暴風を伴って振られたその超弩級の魔乳は、巨人のようなガミジンの馬面を直撃・・・!

あわれ、魔神はまるで高速でダンプに跳ねられたオッサンのように吹っ飛び、キリキリと空中を回転したのち、したたかに地面に叩きつけられていた・・・


“ガミジン『……』チーン、ブクブク…”


良子「なっ、なぁっ!? 地獄の使者の魔神を、オッパイビンタ一撃で・・・??」カタカタ


霞「ふふ…w 私を力づくでなんて、百億光年は早いんじゃないかしら、戒能さん?w」ウフフフ…

良子(う、ううぅ…! こ、これが、ネットの一部では未だに睾丸クラッ〇ャーなどと呼ばれて畏怖されている石戸霞のリアルファイト…!)ブルブル…


霞「じゃあそういうことで、私は帰るわね♪ あ、でも、せっかくこんな所に来たんだから、三尋木さんの応援をしていこうかしら…?」テクテクボインボイン


良子(っく…! 中東で傭兵稼業もこなす私ですが… このバケモノには、かないません…!)ガクゥ…!


ガックリと膝をついた良子を尻目に… 乳神・霞は鼻歌を歌いながら黄泉比良坂をあとにしたのだった…


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


そして、卓上では・・・!


健夜・咏「「・・・・・!!」」ゴゴゴゴゴゴゴオオオォォ・・・!!


 みさき『さあっ! 決勝卓、とんでもないことになってきています…! 麻雀の竜虎が正面から激突…! 常人の私でも卓上を異様なオーラが渦巻いているのが見えます!!』

 のよりん『デュエル!!』プンスコ=3

 みさき『麻雀界の二大巨頭同士のぶつかり合い…! 果たして、勝つのは・・・?』


咏(・・・っく…! ちょっとキツイねぃ… さすがに小鍛治さん相手に正面からヤリ合うんは分がわりーか…?)クッ

健夜「……」ズモモモモモモモモモモオオオォォ・・・!!


最初は拮抗しているように見えたオーラ同士のぶつかり合いも、徐々に健夜の黒々とした空間が咏の紅いオーラを侵食し始めていた・・・

しかし、その時!


咏「・・・ほひっ?!?」=3

健夜「…ん?」ピクッ

咏「・・・・・・あ――・・・」

咏「あらあら、大変なことになってるのねぇ…♪」ウフフ…

健夜「・・・は??」


慕(え、ナニコレ)

良子(!? しまった! 石戸さん、あなた本当に三尋木さんの中に・・・?)


咏「… ふんふむ…」ウムウム


自分の手牌と卓上を見渡し、ふんふむを始めてしまった咏…


健夜(…?? こ、これは…? 永水女子の石戸霞…? なんで三尋木さんに…??)


しかし… 本当の超常現象はここからだった・・・!


咏「……」ムクムクムク・・・

健夜(…え?)


・・・ぼぼぼぼぼぼぼいぃんぼいいぃんっ!

ドドドドドドッ!ドドドドバアァァッチイイィィィンッ!!=3

どぅばばばばばばばばばいんばいいいぃんっ! ぼっふぅるるおおぉんっっ!!!=3=3


健夜「きゃっ!?」
慕「どひっ?!」
良子「…!!」

 
 みさき『なっ!? あ、あれは・・・??』

 
咏「……」ドタポヨォーン…!


なんたることか・・・!

咏のあの実につつましやかなつるぺたおムネに… 一瞬にしてエベレスト級の超絶魔乳が出現…!

当然着物は大きくはだけ、その襟の間からは、グランドキャニオンの如き巨大な谷間がのぞいていた…


慕(…!?? す、すっごぉい…!/// 三尋木さんがいきなり物凄いオッパイに…! これはやりちゃんの比じゃないよ!///)

健夜(やっぱり石戸霞が取り憑いてる… 厄介なことになったね…)

良子(ジーザス…! 石戸霞の絶一門の力をレンタルしようとしたら、また他家に取り憑いてしまうなんて…! 裏目ってばかりです!!)


咏「はぁ~~… 肩が凝るわぁ~~♪」コキコキ


 みさき『これはこれは… 一回戦でも、戒能選手の胸が突然巨大化するという珍事がありましたが、今度は三尋木選手が…!』

 みさき『しかもあの小柄で華奢な体にあのオッパイ…! これぞまさにワールドカップ!!』

 のよりん『ロリ超乳!!ww』プンスコリン=3


~観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  マ、マタカヨ?  コンドハウタタンガ…!  ス、スバラ…!///  バクニュウノウタチャン…! サ、サイコウナノデス!!///  ガヤガヤワイワイ・・・・


爽「・・・・んっ?!」パチッ

誓子「あら… 爽、やっと起きたわね」

揺杏「生きて帰ってきたか」

爽「んん~~…? し、試合はどうなって・・・って、なんだありゃ?!?」=3

成香「突然三尋木さんの胸が膨張し始めたんですよ…」

爽「すすす、すっげぇ…!/// いいねいいね!和服爆乳ロリかよ!! ありゃユキよりデカいんじゃねーか…?」モミモミ

ユキ「!/// い、いきなりどこさわってるんですかっ!!///」バチィッ!!

爽「あらふぉうっ!!」=3


そしてその時、咏の脳内では…


“咏「ちょ… あんた石戸さんか? 勝手に私の体を乗っ取らんでくれんかねぃ! てかこの胸重過ぎるわっ!!」=3”

“霞「まあまあ… 準決勝で闘ったよしみ、私にも手伝わせて下さいよ♪ 悪いようにはしないわよ?」”

“咏「…相手はあの小鍛治さんだぜ? 勝算があるんかよ?」”

“霞「ふふ…w ご覧に入れて差し上げますよ♪ 私のこの胸の、本当の力を…!」ズモモモモオオォ…”


 カッ!!!


健夜「うっ!?」
慕「ふぁっ?!」
良子「…っくぅ!」


 ピカアアアアアァァァ――――――ッ・・・!!!!


 みさき『ななな…? な、何が起きてるんでしょうこれは? 巨大化した三尋木選手の胸がサーチライトのように光を発し始めましたッ!』

 のよりん『ホタルイカみたい!w』プン=3

 みさき『え、いや… ホタルイカどころではありませんよアレは… 卓上のみならず会場全体をも照らすほどの凄まじい光量ですよ!?』


健夜(う…? こ、これは…?)グググゥ…!


突如妖しい光を発し始めた咏(霞)の双丘…!

その光は、卓上に充満していた健夜の禍々しいオーラをも押しのけ始めていた…!


~観客席~


憧「な…何が起きてんのアレ?」

穏乃「すっげぇ…! 光属性の新技みたい!」

宥「光るオッパイ… あったかいかも…///」ホワアアァン

灼「で、でもなんでいきなり胸が光って…」

憧「しかも小鍛治さんのあの重っ苦しいオーラを相殺してる…? どうなってんの?」

玄「むふふ…w 灼ちゃん憧ちゃん! アレは“乳光(にゅうこう)”という聖なる光…! 何も不思議な現象ではないのです!ww」ヌッ

灼「玄?」


憧「玄・・・って、何そのモノクルみたいなの」

玄「クク…w これはOP(おもちパワー・おっパワー)の出力を自動的に量ることの出来るおもちスカウタ―なのです!」スチャッ

穏乃「おもちスカウタ―? カッコイイ! 私にもつけさせてよ玄さん!」

玄「穏乃ちゃんのOP力・・・ 5。 ふん、ゴミめww」ドュフフ…

穏乃「へ?」

玄「いいですか穏乃ちゃん… 現在のあの三尋木さんのおもちのOPは一億を超えている…! コレはスーパーサ〇ヤ人4並のパワーに匹敵するのです!」

玄「その莫大なパワーをもってすれば、空気中にプラズマを発生させて発光することくらいなんでもない…! しかも乳光はこの世の全てを浄化できる聖なる光…!」

玄「あらゆるカオスと闇を照らし出す奇跡の光・・・ミラクルライトなのです! あの力をもってすれば小鍛治健夜の闇の力すら怖くはないのです!!」カッ


~闘牌ステージ~


 ピカアアァァ―――ッ・・・!!


健夜(うっ、まぶしい…! それに… なんだか、体から力が抜けていく…?)スウウゥゥ…


良子(!? 三尋木さんの光のオーラが小鍛治さんのオーラに打ち勝っている…?? い、石戸霞の“迫り来る怒涛の魔乳”・・・ ま、まさかこれ程とは・・・!!)


慕(超能力バトルで私置いてきぼりだよ… でも…また私だけヤキトリだし… いつまでもカヤの外にいるわけにいかない!)カッ!

慕(この局こそ私が和了るっ!)フワアアァ・・・!!


咏「…あら?」


  フワアアアアアアアァァァ・・・!!


健夜のオーラが収まったところ… 卓上に風が凪いだような一瞬の静寂が訪れた隙を突き… 白築慕、ここで“鳥瞰”発動・・・!

だが!!


咏「甘いわね」ブンッ! ゴオォッ!!

慕「えっ?!」グラッ!


なんと… 慕の背中から、“両翼の生えたもう一人の慕”が浮き上がろうとしたその時―――

咏(霞)がそのおもちを一振り! それによって竜巻を発生させたのであるッ!


 ゴオオオォッ!! ・・・


慕(う…! こ、これじゃ飛べない…! 私の鳥瞰が通用しない??)


まさに最強最凶、霞の“迫り来る怒涛の魔乳”・・・!

この決勝卓に残った最高峰の超人雀士たちが相手でもその効果は絶大・・・!


咏「うふふふ・・・w」チャッ


さらに… 他家が沈黙する中、その絶大なるOPによる暴引力で有効牌を引き寄せ… アッという間に手牌を字牌と筒子のみに染め上げていく・・・!!


健夜(くっ、このままじゃ…)

慕(オッパイ魔人になっちゃった三尋木さんにツモられる…!)

良子(ううぅ… またトップとの点差が開いてしまいます…!)


超絶なるレジェンドおもちの前に、魔王、天才、帝王… その全てが完全に成すすべなし・・・!


咏・霞「「 ロンorツモ!! 」」


咏が、その爆乳で自分の手牌を倒したのは… わずか6巡目だった。


打点
>>153コンマ以下(「迫り来る怒涛の魔乳」発動)
01~50→3翻
51~00→満貫

31三翻ロン(3の倍数+1で対面慕振り込み)


慕「…」チャッ!

慕(…南? うーん字牌かぁ…)チラッ

慕(三尋木さんは筒子のホンイツだよね… テンパイしてるとしたら字牌は危ない…)

慕(でも… 南は河にもう二枚出てるし、ま、まだ大丈夫、だよね?)タンッ…→「南」


慕、おそるおそる南をツモ切り・・・

しかし、無情にも対面の巨大な爆乳が、ぶるりと揺れながら手牌を倒した・・・


 パララララララァ・・・


慕(え、えっ?! 字牌単騎??)

咏「ロン! うふふ…♪ メンゼンホンイツ、三翻は3900でお願いしますね♪」ニッコリ


咏手牌:①②②③③④⑧⑧⑧西西西南 ロン「南」


慕(そ、そんな、前巡に七筒を切ってるのに…! どうして六-九筒のリャンメン待ちを蹴って字牌の地獄単騎なんかに…??)ワナワナ


 みさき『で、出ました…! オッパイによる倒牌! これは言わずと知れた永水石戸霞選手の必殺技…!』

 みさき『これにて三尋木選手の点棒は65800! 2位の小鍛治選手にもじわりじわりと差を広げつつあります!』

 みさき『なかなか!』プン=3


健夜(こ、こんな… アッサリ親が流されるなんて…!)ギリッ

良子(やっぱりこうなりますか… まだ他家へのロン和了りだった分、不幸中の幸いといったところでしょうか…)

咏「ふうぅ…」シュウウウウゥゥゥ~~・・・

慕(あ、胸が戻った…)


後半東三局
 
東 健夜 59500
南 慕 -21000→-24900
西 良子 19600
北 咏  61900→65800


~観客席~


霞「・・・ん」パチッ

小蒔「あ、霞ちゃん…! 目が覚めましたね!」

春「おかえり…」ポリポリ

初美「戒能さんに呼ばれたみたいですけど、なんで三尋木の方に取り憑いてたんですかー?」

霞「うーん… だって、戒能さんには一回戦でも利用されてたし… このまま言われた通りにするのも、少し癪だったからね♪」ウフフ

巴「2位の小鍛治さんの親も蹴って、これで三尋木さんはほぼ盤石でしょうか」

霞「さあ、どうかしらねぇ…? 三尋木さんは防御はちょっと弱いところがあるから、まだ分からないわよ…?」

霞「最後まで油断せずに打って、優勝を決めて欲しいわね♪」


【後半東四局 親:慕】 ※咏の主役


 みさき『さあ場は東四局へ…! 親は白築選手。 先ほどの振り込みもあり、未だ点棒箱割れで後半に入ってからまだヤキトリという厳しい状況ですので… ここはなんとして和了っておきたいところでしょう』

 のよりん『ガンバレッ!』プン=3


慕(南三局までに、出来る限り点差を縮めないと… この親番こそは絶対に和了るっ!)カチャカチャ


だが… そんな慕の希望を打ち砕くかのように… さらにあの小さな怪物・三尋木咏の目が怪しく光る!!


咏(ふふ…w 慕ちゃん、ここは当然強引に和了りに来るんだろうけどさ…)カチャカチャ

咏(そうはさせねーぜ!w さーて、こん局はどうイクかねぃ…?)


※咏、何を使う…?(最も早く3票を獲得した能力でイキマス。 ゆっくりどうぞ…)

☆咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」(全ての能力に常時発動系能力「業火の火力」が併用される。 優希と靖子は条件上発動できないので省いてあります)

1、怜「リーチ一発ツモ」
   鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

2、怜「ダブル」
   和了率70%。

3、怜「トリプル」
   自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと確実に振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)

4、洋榎「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

5、霞「絶一門」
   70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

6、衣「一向聴地獄」
   他家3人が流局寸前までテンパイできない。
   70%の確率で海底撈魚+α(満貫以上)をツモ和了る。


7、「迫り来る怒涛の火力」
  和了率70%。 ハネ満or倍満。

8、「迫り来る神域の火力」
  和了率40%。 三倍満or役満。 

7

3

7

3

3

3、怜「トリプル」
   自分で和了ることはできない。 卓を読んで操り、特定の誰かを、特定の誰かへと確実に振り込ませることができる。(満貫かハネ満か倍満)


では、咏に「振り込ませる相手」と「和了らせる相手」を決めてもらいます。

以下から番号を選んでレスして下さい。最も早く3票を獲得した番号でイキマス。(〇→×の場合、〇が振り込む人、×が和了る人です)


1、健夜→慕

2、慕→健夜

3、慕→良子

4、良子→慕

5、良子→健夜

6、健夜→良子


※左が振り込む者、右が和了る者

ゆっくりどうぞ。 各自の特殊能力の特性等も考慮して決めて下さい。

1

1

1

1、健夜→慕(健夜振り込み、慕和了り)

慕が健夜から満貫かハネ満か倍満を和了ることになります。(咏の能力の効果の為、打点1ランクアップの「フォーゲルセット」は併用されない)

この場合、例えば慕が健夜から親の満貫12000を和了った場合、健夜の「魔王の呪い」が発動されるため、次の一本場で健夜が慕からハネ満の一本付け12300を和了ることになり、結果的に健夜が慕から300点取った、という状況になります。

このまま「1、健夜→慕」でいいでしょうか?


1、決め直そうか

2、いや、このままで良い


先に3票を獲得した方でイキマス

じゃあ1

1

1

咏が仕組んだことだから魔王の呪い関係ないと思ってたわ
てかすこやんなら咏の仕業ってことに気付きそうだけど

>>170「すこやんなら咏の仕業ってことに気付きそう」

それもそうね。やり返すんなら咏の方を攻撃するのが筋だよねぇ…

でもそれでは、咏は健夜を振り込ませる相手として選ぶことはまず出来ないですね。

コレどないすんのが妥当だ…?


1、健夜は振り込み者として選ぶことは出来ないことにする

2、ま、とりあえずこのままもう一回決めてみよか


とりあえず2で行こうと思います。0:10にもう一度振り込み者と和了者を決める投票を行うので、何か意見あったら、それまでにお願いします。

筋は通らないかもしれないけどそれはシステムの仕様ってことでいいんじゃね
状況によって能力が変化するのも何だし


ではもう一度、咏に「振り込ませる相手」と「和了らせる相手」を決めてもらいます。

以下から番号を選んでレスして下さい。(〇→×の場合、〇が振り込む人、×が和了る人です)


1、健夜→慕

2、慕→健夜

3、慕→良子

4、良子→慕

5、良子→健夜

6、健夜→良子


※左が振り込む者、右が和了る者

ゆっくりどうぞ。 「各自(健夜・慕・良子)の特殊能力の特性等も考慮して決めて下さい」

あ、3票先取ね

これ選べないなぁ
すこやん選んだら相手が貧乏くじだし選ばずに慕と良子のやり取りだと咏的には何のメリットもないし…

6
良子は魔王の呪いをキャンセルできたよね

6

6

6、健夜→良子

いろいろ悩ませてごめんなさい。 >>1ももし自分が咏ならここは6です。

トリプルで誰かを削るなら、当然点差の最も近い健夜。

そして慕はダンラスだけど親なので、早く流したいしなるべく和了らせたくはない…

良子に健夜を削らせれば、恐らく良子は能力殺しを使って魔王の呪いをキャンセルするので、咏としては優勝に向けて最もメリットがある… かな、と思います。

(良子の「能力殺し」は一半荘で一回ずつ使用可能なので、前半で一度使ってるけどここでも使用可)


今日はここまでよ~♪ウフフ
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00から

マジ乙


技多いし仕方ないね

乙です

乙です

乙あざす
進めてくにょ



咏(さーて、こん局はどうイクかねぃ…?)カチャカチャ…

咏(石戸さんのおかげで小鍛治さんの親も無難に流せたし、この局もサクッと和了ってさっさと南入したいとこだねぇ…)

咏(さあ、好配牌ちゃん、おいでませっ!ww)チャッ!

咏(…ほひっ?!?)=3


気合いを入れて配牌を起こした咏、心の中で悲鳴を上げる…!


咏(な、なんじゃこりゃあぁ・・・?? 五・・・いや、六シャンテン? ほぼかんっぜんにバッラバラ・・・!!)

咏(数百回に一回くらいしかこねぇ超が付く悪配牌だぜ… 対子も一個もねーから七対子ってわけにもいかんし、ヤオチュー牌もほとんどないから国士も無理…)

咏(箸にも棒にもつかねえってのはこの配牌のこったな… こんなんで無理に和了りに行ったら振り込むのがオチだ。 残念だけどここは和了りはあきらめるしかねーわ…)ハア


肩を落とす咏… しかし…!


咏(でもでも! 麻雀ってのは、和了るばかりが能じゃねーんだ。 こんなクソ配牌でもやれることはある…!)

咏(捨て牌で染め手や国士を匂わせて他家をビビらせて足止めしたり… 下位の二人の和了支援して2位の小鍛治さんに和了らせんように仕向けたり… トップなんだから安めの手に差し込んでやったっていい…)

咏(・・・ま、でも… そーゆー理屈は分かってんだけど、私はそういうのちょーっと苦手なんだよねぃ… 上手く立ち回る?みたいな打ち方)

咏(はあ… こーゆー時に、良子ちゃんみたいな、他人の手牌透視したり未来が見えたりとかの力があると便利なんだろーけどさ…)

咏(無いモノねだりしてもしょーがねーわなぁ…)ハア


小さくため息をつく咏・・・

しかし、その時だった・・・!


“?『呼ばれた気がしたでぇ~~ww』ヌウウゥ…!”


咏(ふあぁっ?!)=3


突然、咏の斜め後ろから、四頭身ほどのセーラー服を着た妖精のような少女が現れたのだ…!


“枕神トキ『毎度お馴染みチリ紙交換~…やなくて超絶美少女の枕神トキちゃんの登場やでぇ~~!♪』フヨフヨ”

“枕神トキ『って、チリ紙交換なんて今時どこにあんねん!!』ズビシッ!”


咏「な、だ、誰だいあんた??」


“枕神トキ『ん~~? 分からへんの? この顔見てピーンと来ぉへんかな~?』ズイッ”

“咏「…? せ、千里山の、園城寺…? な、なんか体が縮んでるけど…??」”

“枕神トキ『せやでぇ~! うちは言わば“もう一人の怜”…! “一巡先を見る者”園城寺怜の能力が実体化した妖精さんなんやで!w』フヨフヨ”


~観客席~


竜華「…ん?! ちょ、アレって… と、怜!起きてや!」ユサユサ

怜「ん~…? なんや竜華… もう決勝終わったんか…?」ムニャムニャ…

竜華「い、いや、そうやないけど… ちょっ、ほんまに一回起きてや。 闘牌ステージ見てみ!」

怜「なんやもう… うちは別に誰が勝とうが負けようが別に・・・あん?」


 セヤデェ~!  ウチハイワバモウヒトリノトキ…!  フヨフヨ


怜「なんやアレ。 トキちゃんやんか。 いつの間にあんなとこに…」

竜華「うちが聞きたいわ… どないなっとんの?」


そう… 怜の分身“枕神トキ”は、通常は怜本人と、フトモモにトキパワーを貯めこめる竜華にしか見えないのである…!


怜「あの子たまに勝手にどっか行ってまうんや。 気まぐれなやっちゃからなぁ… なんかイタズラしに行ったんちゃうか?」

竜華「い、イタズラって… 大丈夫なん? 大事な決勝戦なんやで?」

怜「まぁ、ほんまに悪いことはせえへんから… ほっときゃええと思うで…」ポフッ…


~闘牌ステージ~


“咏「ほぇ… あの園城寺さんのオカルト能力の妖精さんねぇ… で、私に何の用なんよ」”

“枕神トキ『あんたはうちの宿主の戦友やからな~… お近づきの印に、ちょちょいのちょーいと未来を見せたろうかと思うてなぁ~♪』フヨフヨ”

“枕神トキ『なーんて! ほんまは怜も竜華も早々に負けてしもうたから、出番がなくなって、ちょいと一暴れしたくなっただけなんやけどな!w』”

“咏「マジかw そりゃ面白そうだねぃ…」ニタァ”

“枕神トキ『どうや~? お礼は一回膝枕してくれるだけでええでぇ~?』”

“咏「んー… ほんとはオカルトに頼るのは私の信条に反するんだけど… せっかくだからね!w じゃ、この局だけ手伝ってもらおうかねぃ」”

“枕神トキ『おまかせあれやでっ! ほな早速・・・』スウウウゥゥ・・・”


“枕神トキ『 トリプル!!! 』ブワアァッ!”


 ブワアアアアァァァ・・・!!!


咏(おっ、おっ!? おおおおおぉぉ・・・?? こりゃ凄いねぃ!!!)ブワアアアアァァ・・・!


咏の脳内に… 次々と流れ込む卓上の“未来”の映像…!

更に… トキちゃんがこっそり他家の手牌を覗きこみ、咏には未来の他、三人の手牌の情報まで完全に伝わっていた…


健夜手牌:一五④④⑤⑥⑧⑧⑧⑨中中北 

 慕手牌:二三六八八②④2558西白  

良子手牌:399①①⑦⑨東東南發白白  


咏(ほおぉーん… なるほどなるほど~…? こりゃ便利だねぃ!ww)

咏(この手牌で、こう動いていくんなら・・・ うん、うまく2位の小鍛治さんを削ることが出来そうだねぃ…)ニタッ

咏(小鍛治さん、悪く思うなよ… あんたも普段は反則気味のオカルト力で麻雀打ってんだからさ… 今度は私がやり返す番だねっ!)

咏(ハメてやんよ!w あんたを・・・!ww)グフォフォフォォ…w


健夜「……?」


慕(…? なんか、誰かに後ろから覗かれてる気がする…?)

良子(…何か卓の周りにいますね… これは…?)

良子(小鍛治さんに憑いているモノとはまた違うような… とりあえずテスカトリポカのエフェクトを強めにしておきますか…)シュウウウウゥゥ・・・!


手牌を覆い隠すテスカトリポカの煙の効果を上げる良子… 

しかし…! ソレは照魔鏡や美穂子のブルーオッドアイのような特別な能力をシャットダウンするものであり… 後ろから物理的に覗かれた場合は効果はない…!


“枕神トキ『むふふ…w そんな事しても、お風呂シーンで大事なトコを隠すお決まりの湯気ほどの効果もないで~…? うちには全てパンッ!ツー!マルッ!見え!!やで!ww』フヨフヨ”

“枕神トキ『まさにモロリと見えるモロリズム… チラリズムより時代はモロリズムなんやでっ!w』グフォフォ…”


3巡目

咏「……」タンッ→「赤5」

慕「! ポ、ポン!」パシィッ→「555」

慕(よ、よし… 配牌悪かったけどなんとかなるかも… これでタンヤオ二シャンテン…!)


咏、序盤で対面慕に赤ドラを鳴かせてしまう…!

しかし、当然、それは咏の思惑通り…!


咏(ふふ、見えた通り…! これで小鍛治さんのツモを飛ばすことが出来たねぃw)

咏(今、慕ちゃんに鳴いてもらわないと小鍛治さんが中ホンイツをテンパイしちゃってたからね…)

咏(小鍛治さんの手はホンイツやトイトイ、三暗刻まで見える大物手… この局、絶対ヤツにだけは和了らせるわけにいかんのよ)

咏(それに対して、慕ちゃんの方は鳴かせたことで、タンヤオ赤1止まりの手… 親とはいえダンラスだし、ほとんど怖かーない)

咏(ふふ…w 未来が見えるっつーのはやっぱ面白いもんだねぃ!ww)


慕(…でも、三尋木さん、序盤から赤五索を手出ししてくるなんて… どんな手なんだろう?)

健夜(三尋木さんはチャンタ…? いや、染め手なのかな?)

良子(三尋木さんの手が気になりますね… ここは…アンドロマリウスの千里眼で覗いておきますか…)ゴゴゴゴゴオオオォ・・・!

良子(・・・ん? バラバラ…? 国士や七対子というわけでもない… 一体、何を狙って…??)


咏「……」ムフフフ…


だが… 4巡目、枕神トキが2回目のトリプルを使った時… 咏の脳内に恐るべき映像が流れてくる…!


“枕神トキ『 トリプル!!! 』ブワアァッ!”


咏(おうっ、これは…?)


 “健夜『ツモ! 中・メンホン三暗刻赤1…! 倍満4000・8000!!』クワッ!”


最悪…! 魔王健夜が5巡目でテンパイ、そして6巡目で倍満ツモ…! やはり小鍛治健夜は少しツモを削ったくらいで止められるタマではない…!


“枕神トキ『あっちゃあ~~、残念やったなぁ… こりゃ止められへんで… すまんな、未来が見えてもこーゆーこともあんねん…』”

“咏「は? 何言ってんの? この未来が見えてりゃーいくらでも止めれるって」”

“枕神トキ『? いやでも、コレ、鳴いてズラすこともできひんで?』”

“咏「ふん… あんたも甘ちゃんだねぃ…w ま、見てなって!w」”

“枕神トキ『・・・?』”


5巡目

健夜「……」チャッ

健夜(よし、テンパイ… コレを和了ればまたトップに戻れる…!)

健夜(次でツモれる気がするけど… 鳴いてズラされる可能性があるし、ここはダマ…)タンッ


健夜手牌:④④④⑤⑥⑧⑧⑧⑨⑨中中中 (四-七-九筒待ち)


健夜、中ホンイツ高め三暗刻テンパイ…! トキの見せてくれた未来がいよいよ現実のモノとして迫ってきた…


“枕神トキ『ほーらやっぱ止められへんで? 次でこの八の字眉毛のおねーちゃんがツモるわ。 どないするっちゅーねん?』”

“咏「心配ねーって… こーすんだよ!!」バッ”

“枕神トキ『!?』”


咏「 チー!! 」パシィンッ!→「二四五」


 みさき『え? は? え、これは・・・?』


良子「な!?」

慕「え、三尋木さん、それ・・・」

健夜「……」


咏鳴き「二四五」


 みさき『これは… 三尋木選手なんと誤鳴き!??』


驚愕…! なんと咏、あろうことか四五萬のターツで良子の出した二萬を喰い取る! つまり誤鳴き! さらし間違いである!!


慕「み、三尋木さん、ソレ違うよ…?」

咏「…ん? あ、ホントダネーw 間違っちったよ!!w いやー悪い悪いww」ヘラヘラ

咏「ま、さらし間違いはそんまま鳴いて和了放棄だからさ。 メンゴメンゴ、気にせずにそのまま続けてよw」


健夜(つ、続けてよって… あなたの誤鳴きで私の当たり牌がズレちゃったじゃん…! 何してくれんの?!)

咏「……」ニタアァ…


そのあと… 一つズレたため、健夜の下家の慕が当たり牌七筒をつかむが… 危険を察知して手牌に取り込み… 健夜、咏の誤鳴きにより和了ならず…!


 みさき『三尋木選手が信じられない鳴きミスをしました… しかし、これ… チョンボにはならないんですか?』 

 のよりん『ならない!! 誤ツモはチョンボ! だけど誤鳴きはそのまま!!』プンスコ=3

 みさき『そのままって… なんのペナルティもないんですかね』

 のよりん『和了れないだけ!!』プンスコリン=3


まさにルールの網を潜り抜けた咏の機転…!


咏(ふふ…w 私はこの局、ハナっから和了る気はないんだからね… 誤鳴きしようが何しよーが関係ないんだよ!w)


しかし…! 7巡目、枕神トキが3回目のトリプルを使った時… またもや恐るべき映像が!!


 “健夜『ツモォ! 中・メンホン三暗刻赤1…! 倍満4000・8000です!!』クワァッ!!”


“枕神トキ『あらら… このねーちゃんしつっこいな! ズラしても和了ってくるわ!』”


そう… 魔王健夜の勢いは、当然一回ズラしたくらいで止められるものではないのだ…!

9巡目でまた倍満をツモる未来が見えてしまう…!


“枕神トキ『今度こそ観念するしかなさそうやで… ま、親っかぶりじゃないだけ被害はそこまででもないやろ?』”

“咏『アンタさ、つくづく甘ちゃんだねぃ… だからこの未来さえ見えてれば、なんとでも出来るんだよっ!w』”

“枕神トキ『へ…?』”


そして、運命の9巡目…! 


健夜(よし、今度こそツモれる… もう誰にも邪魔はさせない! あの次ツモで私の倍満…!)ジリジリ…


手ぐすね引いて待ち構える健夜… しかし! 健夜がツモる直前!!


咏「……♪」タンッ


健夜「・・・え?」

良子「は?」

慕「ぷ?」


 みさき『・・・は? な、なんですかアレ??』


ななななんとなんと…! 今度は咏、山から牌をツモらずに牌を切ったのである!!


健夜「ちょ… ちょっと待ってよ!」=3

咏「…ん? どした?」

健夜「どうしたって… 三尋木さん今ツモってないじゃん! ツモらずに牌切ってるよ?!」

咏「あー… ホントだねぃw こりゃ少牌になっちゃってんなw まーたミスっちったわw」

健夜「い、いいから早くツモってよ…」

咏「なんで?」

健夜「…は?」


咏「少牌はそのまま続けるのが普通だろ? 和了れねーだけでさ。 ルール知らんの?」

咏「私の少牌ノーテン… それでいいじゃんw」

健夜「・・・っくぅ・・!?」ギリッ…

咏(へへ…w 小鍛治さん、あんたの上家でホントに良かったよw ここならいくらでも邪魔ができる…!w)グフフゥ…


 みさき『な…なんと三尋木選手今度は少牌! 確かにこれはチョンボではありませんが… アレってわざとじゃないです?』

 のよりん『わざと! でも証拠が無い!!』プンプン=3

 みさき『そ、そうですね… 三尋木選手、もう和了り目が無いことを逆手に取って、なんだかやりたい放題になってきました…』 


健夜「……」チャッ


仕方なく、本来なら上家の咏がツモるはずだった牌をツモる健夜…

しかし当然和了れずそのままツモ切り… またもや、下家の慕に自分の当たり牌を取り込まれてしまう…!


健夜「…!」ギロォ…!


猛獣すら失禁しそうな眼光で咏を睨みつける健夜…!

しかし、それくらいで動じる三尋木咏ではないッ!


咏(ふん… カン違いしてんじゃねーよ… 麻雀ってのは元々こーゆーモンなんだよ…)

咏(私は今日、遊びにここに来てんじゃねーんだ。 小鍛治さん… あんたを殺しにここに来てんだ…!)

咏(ここは戦場なんだ。 私はルールの範囲内ならどんなことでもするぜ…?)


そう… 麻雀を始めて数か月の健夜と異なり、物心ついた時から牌をつかみ、小二の時から全国の舞台で活躍してきた咏は、バリバリの“達人”…!

当然、その気になればありとあらゆる麻雀のラフプレイもお手の物なのである…!


健夜(このぉ…! も、もうこうなったら… ツモなんかに頼らない! 強引に出和了りに行くしかないっ!)チャッ!

健夜「カン!」パタッ、タシッ!→「⑧⑧⑧⑧」


咏「ん?!」


健夜、ツモった八筒で強引に暗槓…!


“咏「な、なんだこりゃ? 暗槓? おいおい妖精さん、こんな未来見えなかったぜ?」”

“枕神トキ『あ… たまーにこういうことあんねん。 多分、本人も予定してなかったことで、突発的に作戦を変えたんやないかな~?』フヨフヨ”

“咏「作戦を変えた…? 一体、どういう・・・ あっ?!」”


咏(こ、これは・・・出和了り狙いか?)


健夜手牌:④④④⑤⑥⑨⑨中中中 暗槓「⑧⑧⑧⑧」

良子手牌:99⑦⑨東東東  鳴き「白白白」「①①①」


咏(小鍛治さんの手は四-七-九筒待ち… そして今暗槓で八筒をわざと卓上に全部さらした…!)

咏(それに対して良子ちゃんは今、チャンタのカン八筒待ちだから当たり牌を完全に握りつぶされた… ってことは・・・!)

咏(まずいぜっ! 良子ちゃんの手には七-九筒はもう不要…! こりゃ振り込むぞ?!)


10巡目… 咏にツモを封じられながらも、凄まじい執念で和了りを目指す健夜…

狙いを変え、良子にピタリとライフルの照準を合わせるッ!


良子「……」チャッ!

良子(…ふむ、九筒ですか)


良子手牌:99⑦⑨東東東 ツモ「⑨」 鳴き「白白白」「①①①」


良子(チャンタの八筒待ちでテンパイしてましたが、もはや八筒は純カラ… このままでは和了り目はゼロ…!)

良子(ここはホンロートイトイもつく九筒と九索のシャボ待ちに切り替えですね…)チャッ


九筒をツモった良子、待ちを変えるためもはや不要の七筒に手をかける・・・!

が、その時!


 ゴオオォッ!!


良子「!?」ビクッ


突如、良子の下家から凄まじい殺気…!


咏「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴオオオォ…!

良子(み、三尋木さん? What? な、なんですか?)


咏(七筒を切るんじゃねー…! それは小鍛治さんの当たり牌なんだよ…!)ズモモモモオオォ…

咏(ここはいったん回せ! そうすれば良子ちゃん、あんたが和了れる“未来”が見えんだから…!)キッ!


良子(…? よ、よく分かりませんが… 私にこの七筒を切るなと警告している…?)

良子(もう和了り目の無い三尋木さんが、なぜそのようなことを…? ・・・は、まさかコレは・・・)

良子(小鍛治さんの当たり牌?)


健夜「……」ズモモモモモオオオォ…!


良子(小鍛治さんが大物手を和了れば三尋木さんにとっては不都合… だから私に待ちをティーチしてきた、ということでしょうか…?)

良子(有り得ない話ではないですね… ここはいったん… テンパイを崩しますか)タンッ→「9」

健夜「…!?」

咏(よぉーっしそれでいいんだ、良子ちゃん!w)


良子、咏の警告を受けて、九索の対子落としに変更… いったん回す!

そして、12巡目…!


健夜「…」チャッ

健夜(ん…? 五筒が重なった…)


健夜手牌:④④④⑤⑥⑨⑨中中中 ツモ「⑤」 暗槓「⑧⑧⑧⑧」


健夜(七筒か九筒が戒能さんから出ると思ったけど… 待ちを感づかれたかな…?)

健夜(じゃあ… こっちを切って、待ちを変えよう)チャッ…


 タンッ


健夜、五筒ツモを受けて、六筒を手出し… つまり五-九筒待ちのホンイツ三暗刻以上確定のツモリ四暗刻シャボ待ちに受け替える!


健夜(五筒ならまだツモれるかもしれないし、出和了りも期待できる…)



 「ロン」


健夜「…ん?」


 パララララララァァ・・・・


健夜(…え? は? え、何??)


この大会が始まって以来、初めて・・・! あの魔王健夜が、完全に意表を突かれ、唖然とした表情を見せる・・・!!

そう… 対面の魔人の開いた手は…!


良子手牌:⑤⑦⑨⑨東東東 ロン「⑥」 鳴き「白白白」「①①①」


良子「ホンイツ・東・白・・・ ドラ〇…!」ズモモモモモオオオオォ・・・!!

良子「満貫orハネ満or倍満!!! 〇〇〇です!!」クワッ!


健夜(!? う、うそ…! 2巡でチャンタ手からホンイツのカン六筒待ちに切り替え・・・??)


咏(ひひ…w うまくイッタぜ!!ww)ニタアアアァ・・・


良子の打点
>>209コンマ以下(咏の「トリプル」発動)
01~33→満貫
34~66→ハネ満
67~00→倍満

60ハネ満

良子「ホンイツ・東・白・・・ ドラ2…!」ズモモモモモオオオオォ・・・!!

良子「ハネ満!! 12000です!!」クワッ!


良子手牌:⑤⑦⑨⑨東東東 ロン「⑥」 鳴き「白白白」「①①①」 赤[⑤]カンドラ[⑦]


健夜(そ、そんな、バカな…!)ブルブル

慕(す、すごぉ…! 戒能さん、八筒を握りつぶされたのに、七-九筒を残して和了り切ったんだ…!)

慕(親が流されちゃった… でも、少しヘンな局だったなぁ…? 三尋木さんが何かやっていた?)


咏「……」ニタニタ


怜の“枕神トキちゃん”本領発揮…! そしてその力を駆使し、咏、完全に卓上を操るッ!!


 ワアアアアアァァ――ッ!! スゲェッ!  スコヤンカラデアガリ…!  サッスガカイノーサンナンデェー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…


沸き返る観客席… しかしその中で、卓上で何が起きたのかを正確に理解したのは、二人だけ…!


竜華「あらら… なんかかわいそうやなぁ、小鍛治さん…」タハハ…

怜「でも今のはトキちゃんだけの力やないな… 三尋木さんの機転があっての和了りや」

竜華「誤鳴きとか少牌とか、なんでもありやったねw」ナデナデ

怜「せやな… 普段はヘラヘラしとる人やけど… 勝負に対しては徹底的にシビアっちゅうことなんやろな…」スリスリ


~闘牌ステージ~


“枕神トキ『ほなうちは帰んでぇ~… あんたの着物の膝枕なかなか良かったで! また機会あったらトキちゃんをよろしゅう頼むでー!♪』フヨフヨピューン・・・”

咏(うおお… 飛んでっちった… いやーでも、マジで助かったぜ!w これで目障りな小鍛治さんを蹴落とすことが出来た…w)ククク…


健夜「………」


良子(ふぅ… 三尋木さんに和了らせてもらう形になりましたね…)

良子(しかし麻雀は、場合によっては共闘や援助をし合ったりしながら闘うモノですからね…)

良子(まあ、ここは一応感謝しておきますが… 最後には私をヘルプしたことを後悔させてみせますよ…!)ゴゴゴォ…!


 みさき『戒能選手が小鍛治選手からハネ満の出和了り! 相手の当たり牌を取り込んでの、トリッキーな和了りに、魔王小鍛治選手もぐうの音も出ません…!』
 
 みさき『これにて・・・最後のオーラスもいよいよ南入です!!』

 のよりん『みさきは軟乳!』プンスコ=3

 みさき『えっ、は?! な、何言ってるんですか野依プロ…!?//////』

 のよりん『ふよふよん♪』プンスコリン=3


後半東四局
 
東 慕 -24900
南 良子 19600→31600
西 咏  65800
北 健夜 59500→47500


健夜(…今のは驚いた… 本当に驚いたよ…!)

健夜(戒能さんもだけど… 今のは、裏で糸を引いてたのは三尋木さん…!)ギロッ…

健夜(よくも手玉に取ってくれたね… ちょっとイラッてきたよ… ちょっとだけど!)

健夜(こうなったら、二人ともまとめて地獄を見せてあげるよ!!)カッ!


 ブワアアアアアアァァ・・・!!


健夜の後ろに、また何か、もじゃもじゃとしたジャングルのようなモノが浮かび上がり…  カタカタと麻雀卓全体が震動を始めた…!


健夜「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・!!


慕(ひゃっ、また…!)

咏(来たかい…)

良子(…ん? これは… 前半でも見せていた“やり返す能力”でしょうか?)

良子(ならば・・・!)カッ…!


※健夜が満貫以上を振ったため、「魔王の呪い」発動。 良子、「アスタロト(能力殺し)」を使うか、否か…?(先に3票を獲得した方で。 この局面で使わないということは有り得ないとは思いますが、一応形式的に投票を行います)

1、使う(「魔王の呪い」をキャンセル)

2、今は使わない(「魔王の呪い」により、次局で健夜に100%倍満を振り込む)

1

1

1

1、使う


健夜「……」ズモモモモモオオオォ・・・!!


再び発動! 健夜の防御と攻撃を兼ね備えた最強最悪の能力「魔王の呪い」…!


―――――

 晴絵(16)「う゛っ・・・! お、おええぇ・・・!!」=3

 憧「ちょっ?! ハルエ!? 大丈夫!?」

 晴絵(16)「あ、ああ… だ、大丈夫だ… ちょ、ちょっと、トイレ、、行ってくる・・・」ヨロヨロ…

 穏乃「せ、先生…」

 灼(ハルちゃん… やっぱりまだ、小鍛治健夜のことがトラウマになってるんだ…)

―――――


かつてインハイで対戦した時、レジェンド赤土晴絵に牌を持てなくなるほどの強烈な心的外傷を与えた最凶能力・・・!


 ゴゴオオオオオオオオオォォ・・・ッッ!!


咏「ん?!」

良子「!!」


それが、良子と咏に同時に覆いかぶさるように襲い掛かるッ!


だが!


良子(出でよッ! 地獄を支配する最高位の悪魔が一柱・・・大魔神“アスタロト”ッ!!)カッ!


 “ズッッドオオオオォォ―――ンッ!!!”


健夜慕咏「「「 !?!? 」」」


突如卓上に落雷のような衝撃が降下… 三人は思わず椅子から転げ落ちそうになった…

そして、魔人良子の背後に顕現するは、巨大なサラマンダ―にまたがった、ビキニアーマーに身を包んだグラマラス美女・・・!


“アスタロト『ムフォフォフォフォフォ・・・!!ww』”ズモモモモモモモモオオオオォ・・・・


健夜(!? ちょ…またコレ?)


 ブシュウウウウウウゥゥゥ―――ッッ!!! …


さらにアスタロトの右腕に巻きついている蛇が、毒霧のようなガスを発射… 健夜に向かってダイレクトに吹きかけるっ!


健夜(やだやだもうっ! 臭いってこれ! やめてよぉっ!!)パタパタ


良子(フフ…w アスタロトのオカルトキャンセラーの力は獅子原さんのホヤウカムイの数十倍の強度があります…! いくら小鍛治さん、あなたのその異能の力がベリーストロングでも、私には通じませんッ!!)


 シュウウウウウウゥゥ~~~・・・


そして黒い霧が晴れると同時に… そこから、全くもって迫力もオーラも無いただの地味な少女が現れた…


健夜「…う、ううぅ、もー…!」ムググ…


咏(ふー… 小鍛治さんが大きいのを振り込むと“やり返す”のは有名だからねぃ… コレを抑えられんのは良子ちゃんだけなんだろーな…)

咏(クク…w 何もかも私に有利な方向に傾いてきたねぃ…w こりゃー天も私の味方をしてくれてんのかな?)ニヒヒ…


健夜(もう、失礼しちゃうなー…! なんなのこの臭いガスは・・・あっ?!)ギョッ


更におののく健夜…! 良子の背後に… 今度は〇〇〇が現れていたのであるッ!


良子「……」ズモモモモモモモモモモオオオオオォ・・・!!


健夜(こ、これは・・・?)


良子(さあ…! この南一局の親番で、一気にトップに立ちますよ!!)カッ


※更に良子が召喚したのは・・・?(最も早く3票を獲得した能力。 良子は親です。 ゆっくりどうぞ…)

1、小蒔「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。

2、美穂子「ブルー・オッドアイ」
     右目を開眼することで、卓上で起きていることをほぼ完璧に把握できる。
     自分の手が悪ければ他家を支援して削りたい相手を振り込ませる。(満貫以下)
     手が良ければ、最速で和了へと向かう。(和了率70%。 ただし残りの30%の時は、自在に他家を出和了りさせられる)

3、ハオ「一色三歩」
    和了率9割。 ただし三倍満以上は和了できず、倍満に繰り下がる(さらに常に役は1ランク下がるから実質ハネ満に繰り下がる)。

4、明華「ミストラル」
    歌を歌うことで、一局だけ配牌・ツモが良くなる。
    和了率70%。

5、爽「白い雲」
   索子を集める。
   和了率70%。和了れば1、2、3翻役は満貫に繰り上がる。

6、爽「フリカムイ」
   自風以外の風牌を集め、70%の確率で鳴きホンイツ(満貫以上)を和了


7、「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
  他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
  “この大会に参加していない雀士”の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。(桃子「ステルス・モモ」、ダヴァン「デュエル」、誠子「フィッシャー」etc.)     

8、「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
  人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
  特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

9、「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
  他者の企みを看破できる魔神。
  一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

3

3

3

3、ハオ「一色三歩」

今日はここまでなのです
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00頃から

乙です

おつ

乙あざす
進めてくにょ


【後半南一局 親:良子】


~実況室~


みさき「さあ! そういうわけで… 南入いたしましたので実況解説を交代したいと思います。 佐藤アナ、よろしくお願いします」

裕子「はい、任せて下さい♪ 最後の実況… 精一杯頑張りますね!」ボインボイン

良子(20)「決勝戦もラストの南場… この解説はベリーインポーテントですね…」バインバイン

はやり(28)「この大会ももうちょっとで終わっちぁうんだネ! はやりさみしィーなぁー☆」ポヨンポヨン♪

みさき(… この3人が実況室に入ると、なんか… 暑苦しいな… デカチチ三姉妹みたい…)

みさき(戒能プロが少し変人だけどしっかり者の三女… 佐藤アナがキャリアウーマン&ゆるふわ系な次女… そして…)

みさき(どう見てもワガママな末っ子にしか見えない頭の軽い瑞原長女…)

はやり(28)「? 村吉さん? 何考えてんのぉー?☆」ヒョコッ

みさき「あ、いえ、別に…」


みさき「では野依プロ、最後に締めの一言を… この後半東場の闘牌はいかがでしたか?」

のよりん「オッパイ!!!」プンスコ=3

みさき「そ、そうですね… 確かにあの三尋木選手の胸が膨張したのは凄かったですね…」

みさき「野依プロも… やっぱり大きい胸が好きなんですか…?」

のよりん「小さいのもいい! みさきの軟乳、大好き!!」ニコォッ、プンスコ=3

みさき「だ、大す・・・/// わ、私も、野依プロ、好きですよ…/// む、胸が…///」

裕子「はいはい、時間ないのでお二人はもう出てって下さいね…」

はやり(28)「理沙ちゃんと村吉さんっていつも仲良しだねッ! はやりちょっと妬いちゃうなー♪☆」ハヤヤッ


裕子「ではでは、ここより実況はわたくし佐藤裕子… 解説はお馴染み、戒能プロと瑞原プロのW解説でお送りしてまいります」

裕子「さてまずは、簡単に現状を整理したいと思いますが… 現在トップは三尋木咏選手… この東場で二度の振り込みがあったものの、前半の南二局からずっとトップを守り続けていますね」

はやり(28)「この試合の咏ちゃんはほんとーに強いねぇ… さっき自分の配牌が悪かった時も、良子ちゃんを補助してすこやん削ったりしてたし… スキが無いカンジだねっ!☆」

裕子「そして2位は小鍛治選手。 相変わらず存在感は凄まじいモノがあるのですが、じりじりと削られ… 少し雲行きが怪しくなってきています」

良子(20)「いえ… 前半も小鍛治選手は南入してから本気を出しましたからね… ここから一気に取り返す展開もあるかもしれませんよ」

裕子「続いての3位は戒能選手。 後半に入ってからまだ振り込みがありません。 うまく立ち回り、2位やトップに上がる展開も見えてきたかもしれません」

はやり(28)「やっぱり準決勝が終わった時にはやりが言ったとーりだよねッ!☆ 良子ちゃんがこの試合のキーになってるYO!」ハヤヤ

裕子「…えっと… それ、もうちょっと詳しくお願いできますか?」

はやり(28)「つまりぃー、純粋な総合力ならやっぱすこやんが一番強いと思うんだけど、良子ちゃんの異能の力がそのすこやんのパワーをうまく制御してるんだよね…」

はやり(28)「だからイマイチすこやんはノリ切れてない… ちょっとカラ回りしてるカンジだよね☆」

はやり(28)「それに対して咏ちゃんは、その良子ちゃんの能力を逆に自分の都合の良いように利用してるカンジ… それがここまでトップを守れてる一つのじゅーよーな要素だと思うなッ!☆」


裕子「な、なるほど… やはり麻雀は四人でやる競技。 そういった相性のようなものも大きく戦況を左右させるわけですね…」

良子(20)「イグザクトリー。 特に私は、まあ少し特殊ですから… 相手によって向き不向きはかなりありますからね…」

裕子「そして、ラスは白築選手… 前半終了時に既にマイナスの状態でしたが、この後半の東場でもまた一度も和了れず、さらに点棒が減衰・・・という厳しい状況に立たされています」

裕子「結局白築選手は、一回戦、準決勝、決勝前半後半と四半荘で、一度も東場では和了れませんでした。 このことについては… チームメイトだった瑞原プロ、どうでしょうか?」

はやり(28)「えぇ~~? うーん、確かに… 慕ちゃんの東場の和了率は南場の半分もないと思うけどぉ…」

はやり(28)「東場の慕ちゃんはとにかく耐えて耐えて、自分の中にパワーを貯めこんでるカンジなんだよね! 絶対ここから盛り返してきてくれると思うYO!☆」

裕子「なるほど。 果たして準決勝のような白築選手の猛烈な追い上げがまた見れるのか…? 期待して見ていきたいですね」

裕子「さあ最後の半荘、南場の第一局がスタートしましたが、まずは誰が・・・おや?!」


 ズモモモモモモモモモモモモモオオオオオオオオォォォ・・・!!!


裕子「なっ! あれは・・・??」


~闘牌ステージ~


良子「……」ズモモモモモモモモモモオオオオオォ・・・!!


健夜(くっ! こ、これは・・・?)

良子(さあ…! この南一局の親番で、一気にトップに立ちますよ!!)カッ


最後の親番、気合を入れる良子…!

しかし、その背後に現れたのは・・・


“ガミジン『… グッ、ウウウウゥゥ…』ヨタヨタヨタ…”


霞のオッパイビンタで叩きのめされたことで、全身ボロボロ、松葉杖姿となったあの馬人間、ガミジンであった…


健夜(またこのコ…? すっごい大ケガしてるみたいだけど… 大丈夫なのかな?)


逆に思わず心配してしまう健夜… しかし腐っても本物の魔神! 仕事はきっちりこなす…!


良子(最後の親番、大事に使いたいところです。 ここは…)

良子(この“現世代”でも最高レベルの守備力と和了率を誇るあの人に来てもらいましょう! さあガミジン! GOです!!)


“ガミジン『グオゴゴゴゴゴオオォ…ッ!!』ズモモモモモオオォ…!”





―――――

~観客席~


ダヴァン「いよいよラストの南場… 戒能が追い上げてきましタネ」

ネリー「でも前半の貯金がある分、やっぱり三尋木が有利なのかなー?」

明華「いえ… きっとこの南場は大きく風向きが変わるはずです。 それを追い風にできれば、まだ戒能さんにも十分チャンスがあるはずですよ」

智葉「そうだな、今の小鍛治へのハネ満直撃は、どうも三尋木に援助してもらっての和了りだったようだが…」

智葉「三尋木は後悔することになるかもしれない。 あの魔人を補助などしたことをな…」

ダヴァン「そうでスネ… ところでハオは、このあとどういう展開になると思・・・ン?」

ハオ「… zzzzzz…」スースー…

ダヴァン「ハ、ハオ? いつの間に眠って…?」

ネリー「疲れてたのかな?」

智葉「…?」


ハオ「zzzzz…」グーグー…


明華(ハオ…? まさか、戒能さんに呼ばれて…?)






~闘牌ステージ~


良子(ハオ)「・・・はっ!?」パチッ!

良子(ハオ)(…お、おや、おや? ここは…? 在哪里??)キョロキョロ


咏「…」チャッ、パシッ
健夜「…」タンッ、ピシッ
慕「…」トンッ、キュッ、ピシッ


良子(ハオ)(ここは…先ほどまで観戦していた闘牌ステージの卓上…?)

良子(ハオ)(な、なぜこんな所に突然… い、いや、これは、私が戒能さんに成り変わっている…??)


“「ふふ…w その通りです、ハオさん。 あなたは今、私の体の中にソウルが入り込んだ状態なんですよ…!」ズモモモオオォ…”


“ハオ「! その声は…戒能さん!?」”


“良子「はい。 このベリーインポーテントな親番… 連荘するためには、あなたの力が必要だと思い…」”

“良子「勝手ながらあなたのソウルを召喚させてもらいました」”

“ハオ「私の…力が、必要…?」”

“良子「イエス。 私は様々な打ち手のソウルを呼ぶことができますが… 今、一番必要なのは絶対にあなただと思ったのです」ヨイショヨイショ”

“良子「どうか… 私が優勝するために、ハオさんの力をレンタルさせてもらえませんか…?」オソルオソル…”


霞の件があったため、丁重に慎重に頼む良子…

ハオは・・・!


“ハオ「もちろんです! 何故今まで私のことを呼ばなかったんですか?!」”

“良子「え、はい?!」”

“ハオ「この決勝卓で私の力を使えるのなら… いつでも来たのに…!」”

“良子「は、はい、なかなかタイミングが、その…」オロオロ”

“ハオ「とにかく任せて下さい。 必ず… 戒能さんの逆転の切っ掛けとなるような和了りを見せてみせますから…!」ゴオオオォォ…!!”


“良子(よ、良かった… この方にリフューズされたら、どうしようかと思ってました…)ホッ…”


2巡目、

良子手牌:一二九②③⑧1357中西北 


良子(ハオ)(うーん… 一見バラバラだけど… この手なら、中國麻将のあの役を狙っていけそうだな…)

良子(私は、準決勝ではほとんど自分の力を発揮できなかった… 明華にも二度負けて、内心悔しい思いをしていた…)

良子(この、決勝卓に座るチャンスを得たのはまさに天啓…! 必ず、この最強の雀士たちを相手に、和了り切ってみせますよっ!)ゴオオォッ!


良子「チー!」パシィッ!→「一二三」


4巡目

良子「チー!」ピシイィッ!→「②③④」

慕「…ん?」


 裕子『戒能選手積極的です! 序盤で二副露…! しかし、この鳴きは・・・?』


慕(・・・今の、なんかヘンだよ… 二三筒のリャンメンターツで、私が出した四筒を喰い取られたんだけど…)

慕(一巡前に私が捨てたのは一筒。 どうしてその一筒で鳴かずに、四筒の方で鳴いたんだろう…?)

慕(一筒を鳴いて「一二三」「①②③」の形にすれば、三色も狙えるだろうし、他家にチャンタ手だと思わせることも出来るのに…)

慕(なんでわざわざ一つズレた四筒で鳴くんだろう?)


咏(…? 「一二三」「②③④」の鳴き…? なんだぁ? 隠れ三色? それとも萬子のイッツーか?)

健夜(戒能さんの雰囲気と打ち筋が変わった。 手が読めない… 親だし、振り込まないように気をつけないと…)チャッ


さらに6巡目

良子「チー!!」パシィンッ!→「345」

慕(!?)

慕(え、ナニコレ…? イッツーも三色も消えた? どうゆうこと…?)


良子手牌:???? 「一二三」「②③④」「345」


慕(こんな鳴き、もう役牌しかない…)

健夜(? まさか、役牌の後付け…?)

咏(ああん? これって… 中國麻将か?)


 裕子『戒能選手早くも三副露! しかしこの鳴きは… どうも違和感がありますね?』

 裕子『配牌から考えれば、123の三色やチャンタも狙っていけるのではないかと思ったんですが…』

 裕子『何故かそれを避け、まるっきり役のつかない鳴きの連続になってしまっています…』

 はやり(28)『これは中國麻将だNE! 三色三歩高じゃないカナ?☆』ハヤッ

 裕子『サンソーサンプカオ?』

 はやり(28)『多分あの良子ちゃんわ今、中身は臨海のハオさんになってるんだと思う。 そうだよね? 良子ちゃん!☆』

 良子(20)『は、はい、そうですね… ラストの親番ということで、防御力もあり和了率の高いハオ選手のソウルを呼び込んだようですね…』

 良子(20)『アレははやりさんが言うように中國麻将の三色三歩… 3種類の数牌で数字が1ずつ連続してずれた順子を作ればエスタブリッシュする役です』

 裕子『は、はあ、なるほど… そういえばハオ選手は、インハイで一色三歩高という役を和了っていましたね。 あれの三色版ということですか』

 はやり(28)『ハオさんは三色三歩の方もあの準決勝で和了ってるんだよッ! 12巻の194pを見よッ!☆』

 裕子『え…? あ、ホントですね、なるほどこれが三色三歩…』ヨミヨミ

 はやり(28)『一回戦の時もハオちゃんはこの三色三歩を和了ろうとしてたんだよねー♪ 結局その時は流局になっちゃったけど… 今回は和了れるカナ?☆』


 裕子『しかし… 当然この大会の麻雀は日本式ですので、三色三歩という役はありません。 戒能選手、あの手牌からどうやって和了るんでしょうか…?』


そう、実はその時の、良子(ハオ)の手牌は・・・!


良子手牌:17中中 「一二三」「②③④」「345」


ノーテン…! 三回も鳴いてまだテンパイすらしていない…!

しかも役牌の中もまだ対子! 完全に役無しである…!


“良子「ちょ… ハオさん、こんな鳴き方でオールライトなのですか?」”

“ハオ「心配いりません。 私はただ・・・」”

“ハオ「“感じたままに、打つだけ”です―――!」ズオオオオオォォッ!”


良子「…!」チャッ!


7巡目…! 良子(ハオ)のツモった牌は・・・!


>>245コンマ以下(和了者)
01~90→良子(「一色三歩」発動)
91~93→咏
94~96→健夜
97~99→慕
00→流局(良子テンパイ)

打点
>>246>>247 (打点表>>23

それ

07良子 40+02=42(二翻ツモ。 しかしハオの「一色三歩」は常に1ランク下がるので、一翻ツモ)


良子(ハオ)のツモった牌は・・・!


 七索


七索! ここで重ねる! これで中と七索のシャボ待ちテンパイである…!

しかし… 役が無いので、実際には七索では和了ることの出来ない、中のみの待ち…

しかも既に中は河に一枚出てるので、実質地獄単騎…!


“良子(こ、こんな待ちで、和了れるのですか…?)”


が… 自らの培った感覚を信じるハオの一筋気な思いが… ピンポイントに牌を引き寄せるッ!!


良子・ハオ「「 フ――!! 」」

咏健夜慕「「「 !!? 」」」


良子とハオの、「和(フー)」の声が決勝卓の上に響くッ!!


良子「ツモ! 中のみ、500オール!!」パララァ…


良子手牌:77中中 ツモ「中」 鳴き「一二三」「②③④」「345」


健夜(!? ほんとに役牌後付け…?)

慕(でも、結果的に和了り切った…)


咏「・・・おい、良子ちゃん、なんだそりゃ?」

良子「はい?」

咏「その手だよ… そんなしょぼい豆鉄砲で、私に追いつけると思ってんのか?」

良子「ノープロブレム… きっとこの局面はこれがベストでしたから…」


健夜「……」
慕「……」


この時の良子の言葉は、強がりなどではなかった・・・


 裕子『戒能選手・・・中のみの和了り! しかしこれは・・・』

 裕子『結果的にタンヤオチンイツドラ1をテンパイしていた小鍛治選手… そしてジュンチャンピンフ三色ドラ2をテンパイしていた白築選手の手を潰しましたっ!』

 はやり(28)『さっすがハオちゃん! これはワザアリだね!☆』ハヤッ


良子「一本場です!」ドォッ!


後半南一局
 
東 良子 31600→33100
南 咏  65800→65300
西 健夜 47500→47000
北 慕 -24900→-25400


【後半南一局一本場 親:良子】


 裕子『南入一発目は親の戒能選手…! しかし当然一翻の和了りでは差を詰めることはできません』

 良子(20)『イエス。なんとかここは連荘に持ち込みたいとこですね…』


咏(ふん… 麻雀の和了りは、リスクと引き換えに掴み取るもんなんだよ! いくら親でも、そんな安和了りしてるうちは怖くねーぞ…?)カチャカチャ

良子(ハオさん、あなたの和了りは無駄にはしませんよ… これを切っ掛けに、ネクストこそはビッグな手を…!)カチャカチャ

慕(和了れない… テンパイまでは行くんだけど… 何か、風が淀んでいるような感じ… ここは空気を変えていかないと…!)カチャカチャ

健夜(んん~… さっきの、あの蛇のガスをかけられてからどうも調子がおかしい…)カチャカチャ…

健夜(ここは… なんだかみんなさっきから、他の人の打ち筋をコピーしたりして打ってるから… 私もやってみようかな…?)


※健夜、何を使う…?(最も早く「3票」を獲得した能力でイキマス。 健夜は自分の能力は既に「3回」使っているので使用不可。 また、発動条件等が合わない能力が多いので、今使えるのはこの2種類のみ)

1、新子憧「スーパーあこっち」
  鳴き三色や鳴きイッツー、染め手、三色同刻などを視野に入れた鳴きの速攻。
  和了率70%。

2、稲村杏果「マザーキョウカ」
  超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
  和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

1

1

1

1、新子憧「スーパーあこっち」

本日ここまでだし
とりあえず主役が無事全員に回って一安心です
安価・コンマ対応あざした!
また明日22:00から

乙です

おつ


そういえば本編で憧の鳴きの解説したのすこやんだっけ

>>260
それ咏じゃなかったっけ…? と思って確認してみたら、確かにすこやんでした。

健夜「上手い下手はともかく、新子選手はそこを得意としてる」

と、褒めてるけどやや辛口の評価をしてますね…

この人のスレって更新速度とか乙の割に見られてないよね

乙あざす
進めてくにょ

>>262
? なんか怒ってる? 不満とかあったら率直になんでも書いて。 ちゃんと聞くよ?



健夜(ここは… なんだかみんなさっきから、他の人の打ち筋をコピーしたりして打ってるから… 私もやってみようかな…?)

健夜(一回戦や準決勝で闘った子たちを、自分に取り憑かせたりしてる人もいるし… 私もそうゆうの出来たら面白そうだけど…)

健夜(私は…あんな勝ち方してきたから、誰も協力なんかしてくれるわけないしね… まあ、やっぱり自分で打とうかな…?)フウ…


“麻雀デストロイヤー”の名に恥じぬ凄惨な破壊っぷりでここまで勝ち上がってきた健夜…

当然、同卓して負かした相手の協力なぞ得られるわけがない…と、自虐的に、ため息をつく…

しかし、その時だった…!


“?「そーでもないんじゃない?」フワアアァッ”

健夜「え?」

“?「あなたに協力してあげてもいい人間が・・・ まず一人! ここにいるッ!!」ザッ!!”

健夜「!? あ、あなたは・・・?」


その時… 健夜の背後から、ふわふわと空中を浮きながら現れたのは…!

ベージュピンクの明るい髪色… ルビーのように紅く澄んだ瞳… 頭の両サイドからちょろりと伸びたツインテール… そして程よい大きさの、極めて完成度の高い胸の双丘…!

そして、なんとなくちょっとどこかで援〇でもしてそうな雰囲気の・・・い、否、清純可憐なる美少女天使だったのである…!!


“健夜「あなたは… 一回戦で対戦した、新子さん?」”

“スーパーあこっち『そうでぇーっす♪ 阿知賀のアイドル・超絶美少女アコちゃんとはあたしのことよ!』カッ”

“健夜「・・・何そのメイドみたいな恰好…? なんで翼生えてるの?」”

“あこっち『フフ…w 私は新子憧本体とはまた少し違う存在… ネット麻雀のアバターが実体化した存在、って言えば分かるかな?』”


そう… 原村和に対するライバル意識の強い憧は、当然ネット麻雀も嗜む事があり… そこでは夢乃マホのように「スーパーあこっち」のハンドルネームを使用していた…

そして、和と同じように、その電脳世界のアバターをスタンドのように召喚することも出来るようになっていたのである…!


“健夜「ふぅーん… で、負けた人が何か用?」”

“あこっち『もーあなたも素直じゃないのねぇー… 他家の人たちが、一回戦や準決勝で闘った相手に協力してもらって打ち出したから、ちょっとウラヤマシイ、とかって思ってたんでしょ?』ニタニタ”

“健夜「……」”

“あこっち『だから、そんな心の声を聞いたこの天使のように優しい憧ちゃんが、こーして出張ってきたってわけ! それに・・・』”

“あこっち『あたしはね、ハッキリ言って、あなたに負けたとか思ってないから』”

“健夜「ん…?」”


“あこっち『あの一回戦は東四局でトビ終了になったから、消化不良な感じだったし…』”

“あこっち『あたしはあなたから直撃も取った。 そのあと一回だけ振り込んだけど、お互いに振り込み合ったんだからアレは引き分けだったと思ってる』”

“健夜(… 気の強そうな子だとは思ってたけど… 随分負けず嫌いだなぁ…)”

“健夜(そういえばこの子… インハイで闘った赤土さんのチームメイトの、新子望さんの妹なんだよね…)”


“あこっち『だからね、あたしはあなたの応援というよりは、自分自身の強さを証明しに来たの』”

“健夜「証明?」”

“あこっち『そっ! あたしがここであなたに代わって打って、見事にこの最強の雀士たち相手に打ち勝てば… この憧ちゃんの力もあなたに劣ってない、ってことになるでしょ?』”

“健夜(・・・そうかなぁ?)”

“あこっち『だからさ、この局だけあたしが打ってあげるから!』スウウウゥゥ・・・!”

“健夜「!?」”


健夜の体の中に、吸い込まれるように入り込んでしまった“あこっち”…


“あこっち『じゃ、そういうことで! 小鍛治さんは口出ししないで見ててね♪』”

“健夜「・・・そこまで言うなら、この局だけ代わりに打ってくれてもいいけど・・・」ズモモォ…”

“あこっち『ん?』”

“健夜「もし和了れなかったら・・・・・ 分 か っ て る よ ね ? 」ゴオォッ!!”

“あこっち『ひいぃっ?!?』チョロ…”


“あこっち(う、うえええぇこの人相変わらずガチやばっ! も、もう少しで漏らしちゃうとこだった…)ハアハア”

“あこっち(で、でも… この魔王を見返してやる為に来たんだから…! 見てなさい! 阿知賀のポイントゲッター・・・新子憧の本気をッ!)カッ”


と、その時、


?「ポン!」パシィンッ!


健夜(あこっち)「ん…?」


良子「・・・・・」ズモモモモモモオオオォ・・・! 鳴き「發發發」


健夜(あこっち)(ふぅーん…? 3巡目で親の戒能さんが特急券の發ゲット… これはウカウカしてらんないな…)チャッ、パシッ


健夜の体に入り込んで、決勝卓という場で牌をツモる憧の分身、あこっち…!


健夜(まあ、あんまり警戒しなくてもいいかなー? さっきはこの人、一翻の安和了りだったし…)


が、次巡、


健夜「…」チャッ

健夜(一筒… いらない)タンッ→「①」

良子「ポン!!」パシィッ→「①①①」

健夜「ふきゅっ?!」ビクッ=3


健夜の出した一筒を良子がすこさず拾い上げ… 憧…否、健夜の唇から変な声が漏れる…!


健夜(發鳴きのあとに一筒ポン…? ホンイツ? いや、これ・・・ ホンロートイトイ??)ゾクッ 


良子手牌:??????? 鳴き「發發發」「①①①」


ただの役牌とホンロートイトイでは、その破壊力は段違い…! 最低でも満貫、もしホンイツや役牌、ドラなどがからめばアッという間に倍満まである…!


健夜(うぇあ… そんなの親に和了られたらガチでやばいじゃん! なんとかしないと…!)アセアセ


慕(・・・今、小鍛治さん・・・ 『ふきゅっ』って言った…? 『ふきゅっ』??)

咏(なんか別のモン憑いたんか…? でも、ハッキリ言って普段の小鍛治さんより断然迫力が無くなった… これはチャンスかもねぃ…w)ニタァ…


健夜(やばいやばい、速攻で流さないと・・・ん?)

良子「……」タンッ→「⑧」

健夜「! それポン!」パシィッ→「⑧⑧⑧」

健夜「おっと! チー!」タシイィンッ!→「234」


 裕子『親の戒能選手、この局も序盤から二鳴きの積極的な攻め…! それに対抗するかのように、小鍛治選手も連続副露で手を進めてきました』

 裕子『しかし… なんだかさっきから、小鍛治選手の様子がちょっとおかしいような気がするのですが…?』

 はやり(28)『ホントだよねッ! いつもすこやんって、どこかめんどくさそーに打ってるのに… あんなにイキイキしたすこやん、初めて見たカモ☆』

 良子(20)『……』


健夜(鳴き合戦なら負けない…! “現世代”でもトップレベルのフーロセンス、見せてやるっ!)キッ


鳴きで序盤のうちに一シャンテンまで手を進めた健夜(あこっち)…

しかし、捨て牌が二段目に入った、7巡目・・・!


咏「…」チャッ

咏(ほい来たねぃ、テンパイ・・・!)ニイィ…


怪物・三尋木咏がきっちり面前で大物手をテンパイする…!


咏(タンヤオ手のノベタン… 待ちは悪くはねーんだけど…どーすっかな? 即リーかけるべきかぁ?)チラッ…


良子手牌:??????? 鳴き「發發發」「①①①」

健夜手牌:??????? 鳴き「⑧⑧⑧」「234」


咏(雰囲気変わった小鍛治さんは一筒切ってるし、十中八九ただの喰いタンだろうねぃ。 でも…)

咏(良子ちゃんは下手するとホンロートイトイだ。 この手にヤオチュー牌を切るのは冒険だねぇ…)

咏(んー… 親にデカいの振り込むのはさすがに怖いし、トップだからそこまで無理する必要はねーし… ちょーっと一巡待ってみようかねぃ?)タンッ


咏、いったんリーチを保留… が、同巡…!


慕「……」チャッ

慕(ん、来た、テンパイ…!)


慕もタンピン手をテンパイ…! 二-五-八索待ちの三面チャンである!


慕(点差も大きいし、リーチかけたい… でも…)

慕(振り込んでこれ以上点差を広げることはできない。 どうしようかな…?)ウムム…


 裕子『三尋木選手、タンヤオ手をテンパイしましたが、いったんリーチは保留でダマ… そしてその直後に白築選手が…!』

 裕子『良形の三面チャンでテンパイしましたが、ここで少考です…!』

 はやり(28)『リーチかけるかどーするか、迷ってるみたいだね…☆』ハヤヤ…

 
慕(うーん… ここは…)


※咏、慕、リーチをかけるか?

22:35まで時間を取るので、リーチをかける場合は名前を書いて下さい(咏or慕)。

ここでのリーチは、咏も慕も主役でも能力発揮の場でもないので、和了れば打点1ランクアップ、和了れなければ1000点を失います。(それぞれ打点アップの能力が併用されるので、慕は実質2ランクアップ、咏は実質ハネ満以上を和了る)

22:35までに二回名前の書かれた雀士はリーチをかけます。(両方二回書かれれば、咏と慕の二軒リーチもあり)

慕のみリーチ


慕(よし、ここは… 残りの局数も少ないんだし… やっぱり攻めないとだよね!)チャッ!

慕「リーチ!」ドォッ! フワアアァッ!


慕、勢いよく牌を曲げる! そして同時に舞う白い羽…!


咏(おーっと来たかい慕ちゃん…! やべえ匂いのぷんぷんするリーチだな…)クンクン

咏(ここはやっぱ、とりあえずダマだね。 振り込んだら元も子もないからねぃ…)クワバラクワバラ


 裕子『白築選手、少し間を置きましたがリーチ…! 鳴きで攻めていた二人より、面前で手を進めた二人が先にテンパイ! そして三尋木選手はダマテンを選択しましたが、白築選手は勝負に出ました!!』


健夜(出たっ! 白築慕のリーチ…!)

健夜(ふん、でもまあ… 多分私のこの鳴きで、ただの喰いタンだと思って油断してるんだろうけどさ…)

健夜(残念でしたッ!w あたしが本領を発揮するのはここからッ!!)


憧「ポン!!」パシィッ!→「888」


咏「ん?」
慕「え?」
良子(…おや?)


健夜手牌:???? 鳴き「⑧⑧⑧」「234」「888」


慕(え、何、この手… もしかして…)

慕(三色同刻?!)


健夜(そう…! あたしが目指してるのはただの喰いタンに非ず! そして三色同順でもなく、三色同刻!!)

健夜(一回戦の時、この役であたしは小鍛治さんから満貫を出和了ったんだ… この局も決めてやるッ!)チャッ!


咏(鳴いても喰い下がりのない三色同刻かい… 確かにそりゃあちょっと考慮してなかったねぃ…)

咏(でも、三色同刻の出現率は役満並の低さだぜ…? そんなモノ簡単に和了れるわけねっつーの。 私の方が速い!)チャッ、タンッ!


良子「…!」チャッ

良子(少し遅れましたが私もテンパイです…! この手で和了って、二本場に繋げますよッ!)パシッ!


四者四様、様々な思い渦巻く卓上・・・

そして、10巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>280コンマ以下(和了者)
01~70→健夜(「スーパーあこっち」発動)
71~80→慕
81~90→良子
91~00→咏

打点
>>281>>282コンマ以下(打点表>>23

てい

はい

84良子 11+83=94(三翻ツモ)


良子「 ツモ!! 」カッ!

健夜「ふきゅっ?!」=3


 パラララララアァ…


健夜(あこっち)の小さな悲鳴と共に、開かれた魔人の手牌は・・・!


良子手牌:一一44北北北 ツモ「4」 鳴き「發發發」「①①①」


良子「發・トイトイ… 三翻の一本場は2100オール!!」クワッ


“あこっち(あ、あれ? あれれ…? こ、このあたしが、引き負けた??)”


残念あこっち…! 8の三色同刻をテンパイしていたものの、和了ならず…!


 裕子『四人全員テンパイの団子状態から脱け出たのは、親の戒能選手! 二連続和了です!!』

 はやり(28)『さっすが良子ちゃん! イケイケッ!☆』ハヤヤッ


咏(はあん… ホンローを匂わせての一萬四索のシャボか。 四索掴んだら出してたねぇ… あぶねえあぶねえw)

慕(ん~… ダメか。 でも親のツモならトップとの点差はリー棒分しか広がってない。 次だよ次…!)


胸を撫で下ろす咏… 気持ちを切り替える慕…! そして・・・


“あこっち「ま、こーゆーこともあるよね麻雀は! しょーがないしょーがない!w」”

“健夜「ねえ」チョンチョン”

“あこっち「え、あ、はい?」クルッ”

“健夜「あなた・・・ 出しゃばっておきながら、 な に や っ て ん の ?? 」ゴオオオオオオオオォォォッッ!!!”

“あこっち「どっひいぃっ?!?!=3 うっ、アッ! ああ゙ぁ゙んっ!/// ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙んぅ~~~~っっ!?!?//////」ジョワアアアアアァァァ~~~・・・!!!”


良子「二本場です!!」カッ!


後半南一局一本場
 
東 良子 33100→40400
南 咏  65300→63200
西 健夜 47000→44900
北 慕 -25400→-28500


~観客席~


  ザワザワザワ・・・  カイノーサンオイアゲテキタナッ!  ダテンアガッテキテンデ  ツギハヤクマンナノヨー!  ガヤガヤワイワイ・・・・


ハオ「・・・ んっ?」パチッ

ダヴァン「あ、ハオ、目を覚ましましタカ」

ネリー「ハオ! 気持ちよさそーに寝てたね!」

ハオ「… あ… し、試合は?」

智葉「南一局で戒能が二連荘… 小鍛治をまくりそうだ」

ハオ「…!」

ハオ(よし! その調子ですよ戒能さん…!)


明華(ふふっ、ハオ… 前局のあなたの見事な和了り、見てましたよ…)ニコッ

明華(やはり風向きは変わった… ここが勝負所ですよ戒能さん!)


【後半南一局二本場 親:良子】


 裕子『さあ、これで2位と3位の点差がかなり詰まってきましたね… これは久々に順位が変わる予感がしますね!』


健夜(まったく… やっぱり新子さんなんかに任せるんじゃなかったよ… 三尋木さんまくるどころか、戒能さんに点差詰められちゃったじゃん…!)カチャカチャ

良子(ふふ…w この和了りは、先ほどのハオさんの和了りがなければ出来なかった… さあ! まだまだ! この親番で一気にトップに立ってみせますよ…!)カチャカチャ

咏(連荘されちゃったねぃ… こりゃ点差に胡坐かいてる場合じゃねーな。 気ぃ引き締めていかねーと…!)カチャカチャ

慕(局数が増えるのは大歓迎だよ…! さあ、おいでっ! 私の牌たち…!)カチャカチャ…


※全員主役は回ったので、コンマバトルにて能力を発動する雀士を決めます。(最も大きい数の雀士が能力発動)

咏→>>288

健夜→>>289

慕→>>290

良子→>>291

うぃ

咏57 健夜03 慕43 良子55 (咏能力発動)


咏(さーって今回の配牌ちゃんはっと・・・♪)カチャカチャ…

咏(どうかなっ!?)ジャッ!

咏「お…!」


一気に配牌を引き起こした咏の口角が上がる…!


咏(よっしゃ! ツキが回ってきたぜ…? この手で一気に優勝に近づいてやんよっ!!)カッ!


※咏、何を使う…?(最も早く3票を獲得した能力でイキマス。 ゆっくりどうぞ…)

☆咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」(全ての能力に常時発動系能力「業火の火力」が併用される。 優希と靖子は条件上発動できないので省いてあります)

1、怜「リーチ一発ツモ」
   鳴かれない限り和了れる。 和了率40%で満貫以上確実。 ただしリーチをかけているため、失敗すると振り込むこともある。

2、怜「ダブル」
   和了率70%。

3、洋榎「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。

4、霞「絶一門」
   70%の確率でメンゼンチンイツ(ハネ満or倍満)をツモ和了する。

5、衣「一向聴地獄」
   他家3人が流局寸前までテンパイできない。
   70%の確率で海底撈魚+α(満貫以上)をツモ和了る。


6、「迫り来る怒涛の火力」
  和了率70%。 ハネ満or倍満。

7、「迫り来る神域の火力」
  和了率40%。 三倍満or役満。 

3

3

3

3、洋榎「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。
    和了率70%。


では、咏(洋榎)の狙う「特定の他家」を先に決めます。

一回戦では、出バナくじきリーチはその選んだ相手とのタイマンでしたが、今回は普通、全員和了の可能性有りです。


※咏(洋榎)の狙う「特定の他家」は・・・(3票先取)

1、健夜

2、慕

3、良子

4、コンマ

1

1

1

1、健夜

咏には「業火の火力」があるため必ず満貫以上で和了るので、健夜から和了った場合、確実に「魔王の呪い」を喰らうことになります。

このままでいいでしょうか?(3票先取)


1、このままで良い

2、ま、決め直すか

3、コンマ

3

3

2
すこやんのカウンターはどうも忘れがちになるな

2

2

2、決め直す

ではもう一度


※咏(洋榎)の狙う「特定の他家」は・・・(3票先取)

1、健夜

2、慕

3、良子

3

3

3

すまんエラー出たけど書き込めてた

3、良子

本日ここまでやでっ!
安価・コンマ対応あざした
また明日22:00から

乙です

おつ


70パーが引けないとキツいなこれ

乙あざす
進めてくにょ



咏(よっしゃ! ツキが回ってきたぜ…? この手で一気に優勝に近づいてやんよっ!!)カッ!


好配牌なのを隠そうともせず、ゴキゲンな様子の咏・・・


良子(… 三尋木さん… 配牌がグッドみたいですね…)チラッ

良子(私はやや愚形の四シャンテン… バット、まだこの親を手放すわけにはいきません!)

良子(この局も和了って、連荘をコンティニューさせてもらいますよ!)クワッ

良子「ポン!」パシィッ!→「二二二」


 裕子『親の戒能選手、この局も序盤から鳴いてきました。 なんとしても連荘を続行してやろうという気迫が感じられます!』

 はやり(28)『がぁーんばれ良子ちゃん!☆』 


だが…! 良子はこの鳴きを入れた直後、下家の怪物の目がギラリと妖しく光ったことに、気がつかなかった…


咏(…ふん、よく鳴くねぃ良子ちゃん… ま、配牌がわりーから焦ってんだろうけどさ…)

咏(鳴いて自分の墓穴を掘っちまうこともあるんだぜ…? この局は、ソレを教えてやろうかねぃ…!w)ククク…


ほくそ笑む咏… そして、その時、咏の脳裏には、一人の赤毛のタレ目少女の顔が思い浮かんでいた…


“「ほんまに… 麻雀ちゅうのは死地に踏み込む勇気があってこそ、楽しめる競技やで」”

“「危ない橋の一つも渡れんビビリがおるとほんまにつまらんわぁ…」ハア…”


咏(…あの、一回戦で私よりも稼いだ姫松のカニ頭のおねーちゃん… ほんとにイイ事言ってたよねぇ…)フフフ…

咏(まさにそうさ、麻雀ってのは“不確実を楽しむ競技”なんだ。 人にはどうしようもねー“闇”と戯れるんが麻雀なんだよ…)

咏(ただしかし、その“闇”を探るのは人間の手だ。 だからこそ、麻雀は人の心を読み、裏をかき、操ることも必要になってくる…)

咏(その点、あのコの得意技の「出バナくじきリーチ」は面白かったねぃw リーチをかけてから、トラッシュトークで相手が振り込むように誘導する…)

咏(ふふ…w ちょっとこの局は、あの姫松のコの真似をしてみようかねぃ?)

咏(会場のみんなに見せてやんよ、三尋木咏流の・・・「出バナくじきリーチ」をねっ!)チャッ…


咏「…さーってそんじゃ… いっちょ景気づけいっとこうかねぃ!」カッ

咏「 出バナくじきリーチ!! 」ドォッ!→「三」

咏「“先んずれば人を制す”・・・ってか?」ニタッ!


 裕子『は、速い! 三尋木選手、わずか四巡でリーチです! いや、しかし、これは・・・?』

 裕子『ドラの三萬を切って、わざわざリャンメン待ちを捨ててのリーチ… なんでしょうこれは、どういう意図があるんでしょう?』

 はやり(28)『ん~? 確かにヘンだね… ま、咏ちゃんだから、何かの気まぐれなんじゃないの?☆』

 良子(20)『…いえ、違います、はやりさん… アレは、狙っているんです…』

 はやり(28)『狙ってる? 誰を?』


 良子(20)『・・・私です』


~観客席~


 ザワザワガヤガヤ…  ワイワイガヤガヤ…


恭子「で、出バナくじきリーチ?!」

漫「た、確かに、今そう言いましたね… 三尋木」

由子「パクリなのよー」

絹恵「おねーちゃんの真似をするつもりなんやろか…?」

洋榎「…はん、小癪やな、三尋木。 そう簡単にうちの真似なんかできるわけないやろが」フン


自分のオリジナルの打ち方を、そう簡単にコピーなど出来るはずがない、という顔をする洋榎…

だが… 洋榎はこのあと、咏の反則スレスレの特殊な“トラッシュトーク”を見ることになるのだった…


健夜(ドラ切りリーチ…?)

慕(う… 三尋木さん、また高そうだなぁ…)

良子(一体どんな待ちで・・・ん?)


咏「……」ピッ!


良子(? は? これは…?)


その時… 咏は奇妙な行動を取っていた…

卓上で自分の右手の人差し指をピッと立てて、他家三人によく見えるように掲げていたのである…

そして…


咏「……」ピッ、パッ、ピッ、パッ…


さらに、残りの中指薬指小指も立て、そして閉じる、そしてまた立てる… ということを繰り返す…

それは、数字の「1」と「4」を現しているようだった…


さらに、

咏「……」モゴモゴ


健夜(? なんか小声でしゃべってる?)

慕(? 三尋木さん、一体なんのつも・・・ん?)


咏「… イー・スー・マン、  イー・スー・マン…」ボソボソ…


良子(!? “一-四萬”? ワッツザファック!? どういうことですか… わざわざ自分のリーチの待ち牌を宣言している??)


 裕子『ん…? なにやらリーチをかけた三尋木選手が、手を掲げて、何か、サイン? みたいなことをしてましたが…?』

 はやり(28)『・・・あーゆーのホントは三味線行為なんだけどね… もう、咏ちゃんナニやってんの…』

 良子(20)『…確かに、三味線行為を疑われるムーヴメントをしていましたが… ああいう微妙なモノはあれ以上追及できません。 本人が、“指の体操をしていただけ”とでも言えば、故意の三味線行為だとは証明できないんですから…』

 良子(20)(2年前のあの私では… ああいうラフファイトに対する免疫はほぼナッシング… これは、騙されて振り込むかもしれませんね…)


良子(一-四萬待ち…? それが本当なら… この対子を捨てたら当たるということですか…?)ソッ…


自分の手牌の左端にある一萬に触ってみる良子…


良子(い、いや、本当の待ち牌をティーチするはずがありません! これはフェイク…! 騙されてはいけません…!)


慕(一-四萬待ち… それがもし本当なら、三尋木さんは二三三萬とあるところから、ドラの三萬を切り出してリャンメン待ちに受けたことになる… 確かに辻褄は合う…)

慕(で、でも、本当に一-四萬待ちなわけないよね? あれって、きっと、私たちを惑わせるためのワナ・・・みたいなもんだよね?)


健夜(…なんでわざわざ一-四萬待ちなんていう情報を…? 本当の待ちは間の二、三萬あたり? それとも萬子じゃなくて筒子か索子の一-四待ちとか…?)

健夜(いや、分からない… 三尋木さんのことだから、その裏をかいて本当に一-四萬待ちということもあるかもしれない…)


咏(ふふ…w 迷ってる迷ってるw 余計な情報与えられたもんだから、さすがのこの3人も戸惑ってるねぃ…w)ククク…

咏(やり方は色々あるけど、こうやって一つの“幻影”を与えることで相手をビビらせるのは麻雀の常套手段の一つだ)

咏(これで、一-四萬はもちろん… その近辺の牌や一-四筒や一-四索なんかも危険牌に見えてしまう…)

咏(麻雀は如何にして和了るか以上に、如何にして相手をオロすかが重要な時もある。 そんな時、こーゆーやり方も、効果があるんだよねぃ…w)グフフ…


慕(… 五萬切りたいけど… 三尋木さんの言ってた一-四萬の近くだし… ちょっと抱えとこう…)チャッ

健夜(一筒切りたい… でも、もしあのリーチが実は一-四筒待ちだったら…)パシッ

良子(… うーん… 手が進んで、一萬の対子が邪魔になってきましたが… 本当に一-四萬待ちでそれに振り込んだら、とんだピエロになってしまいます…)タンッ


序盤のリーチと反則スレスレの三味線行為により、卓上を支配してしまった咏…

しかし、8巡目に、一つの動きが起きる…!


良子「…」チャッ

良子(ん? 二萬…? ということは・・・!)

良子(三尋木さんの手はやっぱり一-四萬待ちではない! これで二萬が四つ全て揃ったんですから…!)


そう…! 2巡目に二萬をポンした良子は、この二萬ツモにより、四つ全てコンプリート… 従って咏の手に二三萬のターツなどあるわけがないッ!


良子(ふふw 見切りましたよ、三尋木さん… あなたのさっきの行動はやはりフェイク…! 少なくともこの一萬は絶対にセイフティー…!)

良子(これであなたのインフォメーションはガセだということが… 証明されてしまいますね、三尋木さん…w)チャッ…


良子、切りたかった左端の一萬対子に手をかける… 

が、その時!


 “ゴオオォッ!!”


良子「ん?」


咏「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・


良子(…What? 何か、嫌な予感が・・・)

良子(い、いえ、でも、この一萬が当たり牌なわけありません… これは安牌のはずです…!)

良子(さっきの一-四萬待ちというのは、ただこちらを惑わせようとしただけのフェイク…! そ、そうです、あんなの何も、気にすることは……)ハアハア…


安全とは思いつつも、なかなか一萬を切れない良子…

どうしても咏のあの謎の行動が頭を離れず… 疑心暗鬼の状態から抜け出ることができない…!

その額から、ふつふつと脂汗が噴き出てきた…


良子(・・・くっ・・・ こ、この牌です!)タァンッ!

咏「…!」ピクッ


>>332コンマ以下(和了者)
01~70→咏(「出バナくじきリーチ」発動)
71~80→健夜
81~90→慕
91~00→良子

打点
>>333>>334コンマ以下(打点表>>23

咏さん、勝負決めれそうだっただけに勿体ない

81慕 44+36=80(三翻ツモ。「フォーゲルセット」の能力により1ランクアップ、満貫ツモ)


良子(・・・くっ・・・ こ、この牌です!)タァンッ!

咏「…!」ピクッ


その時、良子の出した牌は・・・!


 二萬


一萬に非ず! 二萬ツモ切り!!

咏、ピクリと頬を動かすが、沈黙・・・!


良子(そう… たとえ二萬がナッシングでも、一-四萬待ちはポッシブル…!)

良子(つまりシャボ待ち! 三尋木さんは一一四四のシャボ待ちでテンパイしている可能性があります…!)

良子(当たり前のことですが、固定観念にとらわれて、リャンメン待ちと思い込んでいました…)

良子(三尋木さんなら、裏をかいて本当に一-四萬で待ってるかもしれません。 この一萬は切れない…!)


そう… 良子、ギリギリで振り込み回避ッ! その時の咏の手牌は・・・


咏手牌:③③④④⑤⑤⑨⑨⑨一一四四


ピタリ一-四萬シャボ!! なんと咏は一一三四四とあるところから、普通は四萬を切って二-五萬のリャンメン待ちにするところを、わざわざドラの三萬を切って一-四萬シャボに受けていたのである…


咏(…あれ? 良子ちゃん、絶対一萬の対子を落としてくると思ったんだけどねぃ…)

咏(素直に二-五萬で待ってれば良かったか…? いや、何かカンづかれたかねぃ…?)


そして・・・


慕「ツモォ!!」タァンッ! フワアァッ!!

良子咏健夜「「「 !?? 」」」


後半戦始まって以来初めての… 白築慕の澄んだ声が卓上に響くッ!


慕「ツモ・ジュンチャン…! 満貫の二本場は2200・4200ですっ!!」カッ!


慕手牌:1199七八九九九九①②③ ツモ「1」


咏(…! 私の脅しで、五萬を切り遅れているようだったけど… きっちり捨てて和了り切ったか…)

良子(… 親が流されました… 振り込みはしませんでしたが、何か、三尋木さんに振り回された気分ですね…)フウ

健夜(まずい… 私の最後の親番は白築さんお得意の“南三局”だし… 次の局こそは和了らないと…!)


後半南一局二本場
 
東 良子 40400→36200
南 咏  63200→60000
西 健夜 44900→42700
北 慕 -28500→-18900


【後半南二局 親:咏】


 ワアアアアアアァァ――――ッ!!  ヨッシャシノォッ!  シラツキサン、ココカラハンゲキジャー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


 裕子『遂にこの人が来ました! 白築選手、お得意のジュンチャンで満貫和了!!』

 裕子『結局… 奇妙なシャボ待ちでリーチをかけていた三尋木選手は和了ならず! リー棒も持ってかれてしまいました』

 はやり(28)『咏ちゃんはザンネンだったねー☆ アレ和了ってればそーとー有利になれたのにッ!』

 裕子『はい、しかし… 戒能プロ、先ほど、三尋木選手のリーチは戒能選手から直撃を取るため、とおっしゃってましたが… もう少し詳しくお願いできますか?』

 良子(20)『イエス。 おそらく三尋木選手は、2巡目に私が二萬ポンをした時点で、手牌に一萬の対子があることを看破していたんです』

 裕子(20)『…? 何故それだけで一萬が手牌にあると?』

 良子(20)『あの当時の私は、理牌に少しクセがあるんですね… それは、萬子の並びは必ず手牌の左端に揃えるということなのです』

 良子(20)『前半の東一局の九萬単騎ツモだけは、私は単騎待ちを悟られまいと九萬を手牌の中央に紛れ込ませていましたが、アレ以外では、私は全ての局で、萬子は必ず左端に揃えていました』

 良子(20)『そして丁寧に上下も揃えて、数のスモールな方から並べる… そして、あの二萬ポンをした時、私は手牌のレフトから3番目と4番目の牌を倒した。 つまり、左端に残った2牌は・・・』

 良子(20)『一萬の対子以外有り得ないということです。 三尋木選手は、そういった打ち筋のクセを観察してきたことで、私の手牌には必ず一萬の対子があると見抜いていたのでしょう、メイビー』

 裕子『な、なるほど… それで、戒能選手がタンヤオに向かった時に、一萬の対子を落としてくる・・・と読んだわけですね?』

 良子(20)『イグザクトリー… あの一-四萬待ちだと教えるような三味線行為も、まさか本当に待ちを教えるはずがない、という他家の心理を利用しようとしたわけですね』

 良子(20)『でも結局、ギリギリで私は三尋木選手の待ちに気づき、振り込みだけは避けることが出来ましたが… この親を失ったのはベリーハードですね…』


 裕子『さあ、決勝戦も残すところ3局…! 未だにトップは“迫り来る怒涛の火力”三尋木咏選手!』

 裕子『南二局は彼女の親番。 ここはまた出来れば連荘で突き放したいところでしょう』

 裕子『対して、他家3人はなんとか大きい手を和了って差を詰める、あるいはまくってしまいたいところ…』

 裕子『さあ配牌、まずは誰が・・・ おやっ?!』


 ズモモモモモモモモモモモモオオオオオオオォォ・・・・!!


 裕子『これは・・・? 〇〇選手が・・・!』


※既に主役は全員回っているので、この局で能力を発動する雀士を決めます(コンマ以下最大の数の雀士が能力発動)

咏→>>341

健夜→>>342

慕→>>343

良子→>>344

うぃ

咏31 健夜91 慕66 良子05 (健夜発動)


健夜「」ズモモモモモモモオオオオォォ・・・・!!


 裕子『これは・・・? 小鍛治選手が、またあの黒いオーラを・・・!』


健夜(南三局からまくるのは厳しい。 勝つには、ここで和了ることが絶対必要だ…)

健夜(この局でハネ満以上をツモって、三尋木さんをまくる…!)

健夜(ふふ…w 楽しいねw 楽しくなってきたじゃん…!)ゴゴゴゴゴオオォ・・・!


※すこやんはもう使える能力が杏果の「マザーキョウカ」しかないので、自動的に決まり

稲村杏果「マザーキョウカ」
    超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
    和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

本日ここまでだよもー
安価・コンマ対応あざした!
明日はちょっと私用のため休み。 次は明後日の22:00から進めていきます

ちょっと来週、平日の夜はあまり時間がないので、日曜までに終わらない時は少し間空いちゃうかも

おつ


シノチャーやっとあがれたかー

乙です

乙です

乙あざす
進めてくにょ


でもその前に一つ。

すこやんの使用可能な能力が、この局で尽きてしまうので…

今後南二局か南三局で連荘があり、またすこやんが能力を発動する機会が来た場合について、取り決めておきたいと思います。

一応準決勝までは、使える能力が枯れた雀士がコンマで選ばれた場合は、ノーマルステージ(誰も能力を発動しない)になっていたので、


『一応公平な条件とルールの下で各自に能力が割り振られ、その上で枯れてしまったのだから、すこやんが選ばれた場合は誰も能力を発動しない「ノーマルステージ」になる』


ていう風にするしかないのかな、と思ってます。 他に良い方法が思い浮かばない…

すこやんは照や優希は条件が合わないから使えない、姫様も使えない、かと言ってさすがに杏果の「マッドリーカンナー」は使えるわけないし…

もしこのことについて何か意見あったら、是非レス下さい。



健夜(ふふ…w 楽しいねw 楽しくなってきたじゃん…!)ゴゴゴゴゴオオォ・・・!

健夜(さて、配牌は・・・?)カチャカチャ…ジャッ!

健夜(ん――…?)


牌を引き起こした健夜の顔がやや、曇る…!


健夜配牌:①④⑧二五九388南北發中


 裕子『おっとっとこれは…? 小鍛治選手の配牌がかなり悪いですね…? 対子が一つある以外は完全にバラバラ… これは6シャンテンですかね?』

 良子(20)『ノー、七対子なら5シャンテンですが、一般手なら7シャンテンです。 ブリッジにもロッドにも付かない配牌ですね』

 裕子『は、はい?』

 はやり(28)『良子ちゃん! ブリッジじゃなくてそこはチョップスティックでしょッ!☆』

 良子(20)『あ、そ、ソーリー… そうでしたね///』


健夜(ふーん… ここでこの配牌かぁ… 困ったなぁ…)


かなりの悪配牌を前に、少し眉をひそめる健夜… しかし、その表情は、思ったほど困った様子ではなく… まるでどこか他人事かのように余裕の色があった…


健夜(こうゆう配牌なら、横に伸ばすよりタテに伸ばした方がいいかな…? あ、そういえば・・・)

健夜(準決勝で闘った朝酌の稲村さんって、やたら手をタテに伸ばしたがる人だったなぁ… ほとんどシュンツを作る気が無い、みたいな打ち筋だった)

健夜(普通、同種牌を集めるのは効率が悪いから、一般的なシュンツ手よりも手が遅いもんだけど… 稲村さんは刻子手を作るわりには驚異的なテンパイ速度だった)

健夜(ふふ…w じゃあ、私が“ソレ”をやったら、どうなるか、試してみようかな・・・?)ククク…w

健夜(稲村さんの数倍は強力な“引き”を見せてあげるよ…!)ズモモモモモモモモオオオオォ・・・!!


 ゴゴッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォォ・・・・!!!


咏(ん?)

慕(え?)

良子(ホワッツ? これは…?)


突如、闘牌ステージ上に不穏な地響きのような音が響き渡る…

と同時に、卓上の牌が、カタカタと、まるで恐怖に怯えるかのように小刻みに震え始めた…!


慕(う… これ、また…?)

咏(小鍛治さん、後半に入ってからは比較的大人しくしてたけど…)

良子(いよいよ来ましたか…! さあ、魔王退治の始まりですねッ!!)キッ


健夜「……」チャッ

 裕子『おや… 小鍛治選手第一ツモが八索。 唯一あった対子を刻子にしました』


健夜「……」チャッ!

 裕子『ん… 北ですね。 これで対子…』


健夜「……」チャッ!!

 裕子『! え、また北…? これでアッという間に刻子が二つになりました!』


健夜手牌(3巡目):①⑧二九888南北北北發中


さらに… 健夜の異常な“同種牌引き”は続き… 6巡目には…!


健夜手牌(6巡目):①①①⑧二九九888北北北


 裕子『え、ええぇ…? なんということでしょうこれはっ!? 小鍛治選手、あの超悪配牌から、わずか6巡で四暗刻の一向聴ですっ!』

 良子(20)『クレイジー…』

―――――

 閑無「な、なんだぁ…? 小鍛治の奴、あの配牌から三暗刻確定だぁ…??」

 悠彗「ここまで一個も無駄ヅモが無いね…」

 はやり「ま、まるで、杏果ちゃんみたいだね…」

 杏果「……」

 杏果(い、いや… 小鍛治健夜のアレは、私のとは全然違う…! で、でも、悔しいけど私の力よりずっと強力だ…!)ギリッ

―――――

稲村杏果は、その圧倒的な母性により、優しい母を慕って寄り添う子どもたちのように牌が集まってくる…

しかし! 健夜の“同種牌引き”は、結果は同じでもその過程は全く逆… その様はまるで恐怖政治…!

恐るべき暴君の力により、無理やり人民をかしずかせ、ひれ伏させるように牌を集めていたのである…


“牌'S『………』カタカタカタカタカタ…”


相変わらず卓上に積まれた牌山はカタカタと小刻みに震えていた…

魔王健夜の力にかかれば、34種全136枚のその全てを支配下に置くことも可能…!

どの牌も、もはや健夜の成すがままなのだ…!


健夜(ふふw 幸い、この局は他家も手が遅いみたい。 それなら…この手、ただの三暗刻や四暗刻では済まさない…!)ゴゴォ・・・!


健夜「カン!」チャッ、タシィッ!→「8888」


 裕子『なっ!?』


 裕子『なんと小鍛治選手、7巡目で遂に八索を槓子に…! 迷わず暗槓です!』

 良子(20)『!? これは…?』


さらに8巡目、

健夜「カン」パシィッ→「北北北北」


 裕子『え、え…? さらに北まで四つ揃えました! 小鍛治選手連槓…?』


健夜手牌(8巡目):①①①⑧二九九 暗槓「8888」「北北北北」


 裕子『凄まじい引きの強さです小鍛治選手… まるで約束されたかのように同じ牌が重なっていきます!』

 裕子『これは・・・三槓子を目指すつもりなんでしょうか?』

 良子(20)『…いえ、小鍛治選手のことですから、その程度で終わらすつもりはないでしょう、メイビー…』

 裕子『…と、言いますと、つまり?』

 はやり(28)『ゆーこちゃん、すこやんはね、四暗刻四槓子のダブル役満を和了るつもりなんだYO!☆』

 裕子『だ、ダブル役満?!!』

 はやり(28)『他家の心を折りにきたね… 相変わらずえげつないなァ…☆』


 裕子『そ、そういえば… この後半戦、東二局の一本場でも、三尋木選手が四暗刻四槓子をテンパイしてましたよね…?』

 良子(20)『はい、確かにそうですが… アレは私が呼んだパコロカムイの魔力によって、当たり牌をつかまされ続けた結果、そうなっただけで…』

 良子(20)『今の小鍛治選手はその時とは全くディファレントです。 自分の“引き”の強さだけで本気で四暗刻四槓子を和了るつもりなのでしょう』

 裕子『な、なるほど…? この終盤に来て、もし役満など和了ったら一気に勝負を決する一撃となるでしょう…! い、一体、どうなるのでしょうか…?』


侵略的…悪魔的…! 圧倒的な力で卓上を支配する魔王健夜…!!

そして、9巡目!


健夜(よし、次のツモで一筒を引いて、まずは三槓子確定に…!)


次のツモが一筒なのを確信する健夜…

しかし! 健夜が牌をツモる直前!!



咏「チー!!」パシィッ!


健夜「え?」


目を剥く健夜… あの超面前主義の咏が突然の副露!!


健夜(三尋木さんが、チー・・・?)

咏「… 小鍛治さんよぉ… なんでも自分の思い通りになると思ったら、大きな間違いだぜ…?」ズモモォ・・・

咏「つまんねーんだよ。 あんたのその“予定通りに進めるだけ”みたいな麻雀は… 麻雀は“不確実を楽しむ競技”だぜ?」

咏「私があんたに・・・麻雀の本当の“面白さ”を教えてやんよっ! 授業料は高いぜッ!!」カッ!


啖呵を切る咏…

そう、鳴きでツモ順がズレることで、健夜は予定していた一筒を引けず… ここで初めて嶺上以外で無駄ヅモを引く…!


健夜(ズラされたか… でも、三尋木さん、今のはあなたの力じゃないでしょ…?)

健夜(戒能さんが、自分の手を崩して三尋木さんが鳴ける牌を出したんだ… それで、三尋木さんがその意図を理解して、無理矢理鳴いてズラしに来た)

健夜(二人がかりで止めにきたか… まあ、いいよでも、それなら九萬をあと二つ引いて三槓子にしてやる…!)ゴゴォ・・・!


が、10巡目!


慕「カン!!」パシィッ!→「1111」

健夜「!?」


 裕子『おっと…! こ、今度は白築選手が暗槓! 一索をその手に四枚全て揃えてしまいました。 さすがは“鳥使い”…!』

 はやり(28)『さっすが慕ちゃん! これですこやんはもうカンは出来ないねッ!☆』

 裕子『え?』

 良子(20)『四槓流れのルールがありますからね… 二人以上の打ち手がカンをすると、四回目のカンが起きた時点で場が流れてしまいます』

 良子(20)『恐らく白築選手は、これ以上小鍛治選手にカンをさせないために先にカンを仕掛けたのでしょう』


慕(小鍛治さん… あなたがいくら牌を自由に引き寄せようとしても… 一索だけは私のモノだよっ!)キッ

健夜「……」


咏、良子、慕の三人が一丸となって、健夜の超大物手を止めにゆく…!

それはさながら大魔王に協力して立ち向かう勇者パーティのようだった。


健夜(へえ… すごいなぁ… この試合が始まる前は、どうせまた私が勝っちゃうから、どうやって手加減するかとかそんなこと考えたりしてたけど…)

健夜(こんなに、“思い通りにならない”試合になるなんて、思ってもみなかったよ…)


そう…“人は予想を超えてくる”―――!

如何に小鍛治健夜といえど、牌をかしずかせることは出来てもこの3人の打ち手を思い通りには出来ないッ!!


健夜「……」フフッ


が、魔王、ここで微笑む・・・!


健夜(そうか… これが三尋木さんの言った“麻雀の面白さ”か… 思い通りにならないのを楽しむのが麻雀なんだ…!)ニコォ…


慕(…? こ、小鍛治さん、笑ってる…?)

良子(…私たちにディスターブされても… 余裕だということですか…?)

咏「……」


今まで、健夜にとって、麻雀は勝ちが約束されたゲームを一人でやるような、退屈な遊びだった。

しかし、この時初めて… 他の対戦相手と全力でぶつかり合い、本気で勝利を目指し、先の見えない不確実な未来を自らの手で手繰り寄せることの面白さを知り、興奮していたのだ…!


健夜(そうか… 麻雀って面白いんだ…! 今まで、ヒマをつぶせる程度のモノにしか思ってなかったけど…)

健夜(この人たちとの麻雀なら、本当に、こんなにも楽しめる…!!)

健夜(でも・・・・・)



“ごめんね”



“それでも・・・”



“和了るのは、私――――!!”



 ズオオオオオオオオオォォッ!!!



慕良子咏「「「 !?!? 」」」


3人の目の前で・・・ 無情なる魔王の手が山に伸びるッ!!


 チャッ!



?「ツモorロンor〇×!!!」


>>366コンマ以下(和了者)
01~40→健夜(「マザーキョウカ」発動)
41~60→慕
61~80→良子
81~00→咏

打点
>>367>>368コンマ以下(打点表>>23 ※健夜の二翻ツモだけ無し、その場合ロンになる)

はい

52慕 73+08=81(三翻ロンだが、「フォーゲルセット」の能力により1ランクアップ、満貫ロン。 3の倍数なので下家良子振り込み)


 チャッ!


健夜「ツ・・・ ん?」


牌をツモるや否や、「ツモ」と発声し、牌を叩きつけようと腕を振り上げた健夜…

しかし…!


健夜(…九萬じゃない…? 八萬??)


ツモり四暗刻の二・九萬シャボ待ちに受けていた健夜… しかしその手が掴んだのは、一つズレた八萬!


健夜(・・・おかしい・・)タンッ


仕方なく健夜、八萬ツモ切り…

そして!


慕「 ロン!! 」フワァッ!

良子「!?」


 パララララララァ・・・!


慕「西・チャンタドラ1…! 満貫8000です!」ニコッ!

良子「う、うぅ…!」


慕手牌:①②③⑦⑧⑨一一西西 ロン「西」 暗槓「1111」 カンドラ[③]


咏(おろろ、これは・・・?)

良子(私と三尋木さんでツモ順をズラしたことで、小鍛治さんがツモる一筒が白築さんに回り…)

良子(結果として、チャンタ手を成立させてしまいましたか… く…! やはり麻雀はディフィカルトですね…)ギリッ

健夜「……」


後半南二局
 
東 咏  60000
南 健夜 42700
西 慕 -18900→-10900
北 良子 36200→28200


【後半南三局 親:健夜】


 オオオオオオオオォォォ―――ッ!!  ヤッタァシノチャンッ!☆  イイゾシノォッ!  レンゾクホーラッスー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・


 裕子『南二局、和了ったのはまたもや白築選手! 満貫の連続和了で点差を詰めてきました!!』


健夜(全力だった… 全力なのに、和了れなかった・・・)

健夜(この人たちは… 本当に、私が全力を出しても壊れないんだ…! 私の全力を受けとめてくれる…!)


麻雀などつまらない、どうせ勝ってしまうし… 皆、この世の終わりでも見るかのような顔で私を見るから…

そう思っていた健夜の心理に、変化が表れ始めていた…

今まであまりなかった“勝ちたい”・・・という欲求が、芽生え始めていたのである…!


健夜「……」ゴゴゴゴゴオオオオォ・・・

咏「お…? 小鍛治さん、ちょっと顔つきが変わったぜ? どうよ、麻雀の面白さに目覚めてきたんじゃねーの?w」

健夜「…うん、そうだね… こんなに楽しいと思える対局は、本当に初めてだよ…!」

健夜「覚悟してなよ、三尋木さん… この親番で、私はあなたをまくるからね…!」ズモモモモモモモモモオオオオオォォ・・・!!

咏「ふん… そりゃあ怖いねぃw ちびりそうだわww」ニタアアアアァァ……!!


健夜からは黒、そして咏からはまた紅のオーラが噴き出し、再び卓上でぶつかり合い、絡み合っていく・・・!

だが、


 “フワアアァッ!!”


健夜咏「「!?!?」」


卓上に充満していた二人のオーラが、一陣の風に薙ぎ払われるッ!!


咏(なぁ?)

健夜(え…)

良子(いよいよ来ましたか…)タラリ


慕「・・・・・・」フワアアアアアアアアアァァァ・・・!!


最上の風を受け、黒髪をざわざわと浮き立たせながら、慕がそのセピア色の目を爛々と光らせる・・・!


慕「…三尋木さん、小鍛治さん、悪いけど・・・」ズモモモモモオオオォ・・・

慕「ここはもう、あなた方のテリトリーじゃないっ!!」クワッ!!


遂に顕現・・・!

満を持して、最後の“南三局の白築慕”、始動―――!!

今宵は此処迄だッ!
安価・コンマ対応あざした
また明日22:00から

乙です


シノチャーがんばれ

おつ

乙あざす
またーり進めてくにょ


~観客席~


 ザワザワ・・・  オオォ…?  シラツキサンガ…  コワイカンジニ…!  ガヤガヤザワザワ・・・・


闘牌ステージ上の大型スクリーンに、髪がざわざわと浮き上がった慕が大映しにされる…!


閑無「来たな… 遂に南三局が…!」

悠彗「そうだね… 東場で全く和了れなかった時は、ハラハラしたけど…」

杏果「南一局二本場からの満貫二連続で、加速して南三局に入った…」

はやり「この流れは、慕ちゃんにとって、決して悪い流れじゃない…!」

曖奈(…そうね、でも…)

曖奈(トップとの点差はまだ70900もある… この莫大な点差を、慕ちゃんはこの南三局とオーラスの親番で引っくり返さないと、優勝はできない…!)


曖奈は… 準決勝第三戦白虎の間… あの慕の奇跡の大逆転を思い返していた。


曖奈(あの時… 南三局に入った時、トップの善野さんと慕ちゃんとの点差は実に74900もあった)

曖奈(それを… 慕ちゃんは怒涛の四連続和了で、善野さんからの直撃すら取らずにまくってしまった…)

曖奈(しかし、奇跡はそうそう頻繁に起こることじゃないわ。 滅多に起きないからこそ、奇跡と言うんだから…)

曖奈(でも、慕ちゃんなら・・・ 慕ちゃんなら、もう一度、私たちに奇跡を見せることが、出来るはず・・・!)グッ


閑無(頑張れよ、慕…)

悠彗(慕… ここがキメ所だよ…!)

はやり(大丈夫! 慕ちゃんなら勝てる…!)

杏果(慕ちゃん、勝ってあなたが戻ってくるって… 信じてるよ…!)


祈るような気持ちで闘牌ステージをジッと見つめる朝酌女子の面々…

そして、その後ろで、春日井真深も静かに戦況を見守っていた。


真深(“奇跡は二度起きない”っていう言葉がある… 奇跡的なことを連続で達成するかが如何に難しいかを、よく現した言葉だ…)

真深(確かに慕ちゃんは、準決勝で私たちに奇跡を見せてくれた。 しかし…)

真深(この決勝戦で、準決勝の時みたいに逆転をキメるのは、はるかに困難…! 何故なら、あの時とメンツが違うから…!)

真深(この決勝卓は全員筋金入りの本物のバケモンだ。 如何に慕ちゃんでも、あのメンツを相手にここからまくるのは相当に厳しい…)

真深(でも・・・)

真深(こんな言葉もある。 “奇跡やドラマは起きるんじゃない、起こすんだ”・・・!)

真深(どんなに困難な状況でも、あきらめなければ、必ず道は開ける…!)

真深(さあ、、最高のドラマを見せてくれよ! 白築慕!!)


~闘牌ステージ~


 裕子『さあ、白築選手の二連続和了で、お得意の南三局に突入…!』

 裕子『未だダンラスではありますが、次局のオーラスは親番ですから、ここで大物手を和了ればまだまだ分かりませんっ!』


慕「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!


咏(来たかい慕ちゃん、やっぱり、こうじゃなくっちゃあねぇ…!w)ニタッ…

良子(前半では南三局と四局で大きく差を詰めてきた… バット、今回は思い通りには行かせませんよ…!)

健夜(ここからの白築さんは本当に強い。 でも… この親番、そう簡単に流させはしない…!)


慕(・・・さあ、見ててよ… 閑無ちゃん、杏果ちゃん、はやりちゃん、悠彗ちゃん、曖奈さん、真深さん…)

慕(そして・・・おかーさん・・・!)

慕(いざ、勝負! どんな時も…笑顔で、私らしい麻雀を―――!!)チャッ!


 チャッ、ピシッ、タンッ  チャッ、コトッ、タシッ!  トンッ!  チャッ、パシッ、タンッ、コトッ…! …


四人が・・・牌をつかむ音、手牌に入れる音、河に出されてマットと牌がこすれる音…

今まで、何度も聞いてきたその音が、静まり返った会場の中、厳かに響き渡る…


 ゴクリ・・・!


会場の誰かが、唾を飲む音が響いた、その時・・・!


○○「リーチ!」ドォッ!


 裕子『ん、これは・・・!』

 裕子『来ました! まずは○○選手が6巡目で先制リーチです!!』


※リーチをかけたのは…?(慕以外なので、リーチ者は和了れば打点1ランクアップ、和了れなければ1000点失う)
>>385コンマ以下
01~33→良子
34~66→咏
67~99→健夜
00→やり直し、下のコンマ

はい

07良子

良子「リーチ!」ドォッ!


 裕子『来ました! まずは戒能選手が6巡目で先制リーチです!!』


良子が千点棒を出すと同時に、その背後にラクダにまたがったアラブの衣装をまとった美女が現れる…!


良子(よし…! この局は、グレモリーの力で面前でテンパイできました…!)

良子(この手で白築さんを先制し… 上位二人をまくるッ!)カッ


良子手牌:???二三四六七八2355


 裕子『これは、一-四索のリャンメン待ちですね? さあ、このリーチに他家はどう動くのか…?』

 良子(20)『一-四索はまだ山にたっぷり残っていますからね… これはわりとアッサリ和了ってしまうかもしれません』

 はやり(28)『ん~… 慕ちゃん出遅れたかぁ… ガンバレ慕ちゃんッ!☆』ハヤッ


だが、その次巡…!


慕「……」チャッ


 裕子『おや…! 白築選手もすぐさま追いつきました! テンパイです! ここは追っかけリーチをかけるでしょうか?』

 良子(20)『い、いや、これは… デンジャラスですね。 普通にテンパイを取ったら私のリーチに一発で振り込んでしまいますよ…』

 裕子『え…?』


慕手牌:③④⑤二三四五五五4688 ツモ「7」


 裕子『あ、た、確かに… ここは四索を切って五-八索のリャンメンに受けるべきところですが… 運悪くその四索は戒能選手の当たり牌…!』

 はやり(28)『あらら…ピーンチ! 慕ちゃんダメだよッ! よく考えてよォ!☆』


慕「……」


慕「… ふぅー…」スウウウウゥゥ…!


“鳥瞰”…! 慕、またもや、背後に両翼の天使召喚…!!


慕(戒能さんのリーチ… 捨て牌は素直なタンピン系に見えるけど… 下の三色の可能性が高い。 この四索は危険…!)キイイィーン・・・

慕(それに対して、上なら通る筈。 大丈夫…今の私は卓上の流れが全て見える…! ここは、慌てなくてもいい…!)タンッ→「8」


 裕子『! 白築選手かわしました…! ここは八索切りでいったん四索単騎のダマテンに受けました! 振り込み回避ですっ!』

 はやり(28)『ふーっ、あっぶなぁい…☆』ハヤヤ…

 良子(20)『今の、超集中状態の白築選手は格ゲーの無敵モードのようなものです。 恐らく卓上のほぼ全てを看破しているのでしょう…』


良子(白築さん… 私の待ちをリアライズしましたかね…?)


その後も慕、危険牌をつかみ続けるが、徹底的に回し… なんと678のシュンツを落としてしまう!


咏(んん…? 慕ちゃん、678のシュンツを手出しだぁ…?)

健夜(戒能さんのリーチをかわしながら… 手を作り変えてる…)チラッ…


そして11巡目…

慕「…!」チャッ!


 裕子『え、お…? 白築選手張り替えました! 今度はカン四筒待ちでイーペーコーもつきます!』


慕手牌:③③④⑤⑤二三四五五五34 ツモ「3」


 裕子『しかしテンパイするには三索をアタマで固定しなくてはいけませんから、またもや戒能選手の待ち牌四索を切らなくてはいけません…』

 良子(20)『ええ… それにカン四筒は既に三尋木選手が一枚、そして小鍛治選手が対子で抱えています』

 良子(20)『つまりあのままでは、和了り目はナッシング… 幻想のイーペーコーですね…』 


慕(…四索は当たる。 三索は幸い、さっき小鍛治さんが通してる…)チラッ

慕(…うん、やっぱりこれも違う。 この手はイーペーコーじゃない…!)タンッ→「3」


 裕子『!! し、白築選手またテンパイ取らず…! まるで私たちと同じように、卓上を上から全て見ているかのようです!』

 良子(20)『普通なら先制リーチがかかってる場で、テンパイを取らずに回すのは勇気がいりますが… さすがは白築選手、じっくりと腰を据えて打っています』

 はやり(28)『ラス前の慕ちゃんには、卓上を全て俯瞰する力があるからね… きっと、このあとの和了り形もイメージ出来てるんじゃないカナ?☆』 


そして12巡目、

慕「…」チャッ!

慕(ん、来た! そう、私が待っていたのは、この牌…!)


慕手牌:③③④⑤⑤二三四五五五34 ツモ「②」


 裕子『あ…! 白築選手、二筒をツモりました! これは…?』

 良子(20)『ええ、テンパイですね…! 三筒を切れば、カン四筒待ちからの二-五索のリャンメン待ちにチェンジ… 高めなら三色がつきます』


まさに縦横無尽…! 慕、ひらりとひらりとかわしながら、イーペーコーから面前三色テンパイ…! この手牌の最高形まで持って来るッ!


慕(よし…! ここはイッチャウよねっ! 勝負!!)チャッ

慕「とおらばリーチ!!」ドォッ!→「③」

良子「…!」


 裕子『白築選手ここで満を持しての追っ掛けリーチ! さすがは“元祖牌に愛された子”白築慕…! 実に華麗な打ち筋です…!』

 良子(20)『卓上のツキが、白築選手に流れ込み始めたようですね…』


良子(ここで引き負けるわけにはいかない…! 私にも意地があります。 和了るのは私ですっ!)パシッ

咏(良子ちゃんに続いて慕ちゃんも来たかい。 とりあえず振りこまねーようにしないとな…)チャッ

健夜(出遅れた…! でも次巡ツモでテンパイ… その次まで牌が巡れば私が和了る!)タンッ!


良子は一-四索… 慕は二-五索…! どちらの牌が先に出るのか…?

それとも他家二人が追いついて和了り切るのか?

緊張感高まる中… 大逆転を狙う慕の右手が山に伸びる!!


慕(さあ、おいでっ、二索!!)チャッ…!


?「ツモorロンor○×!!」


>>393コンマ以下(和了者)
01~70→慕(「プリマヴィント」発動)
71~80→良子
81~90→咏
91~00→健夜

打点
>>394>>395コンマ以下(打点表>>23) 

うぃ

82咏 91+22=113(満貫ロン。 3の倍数+2で上家良子から出和了り)


慕(さあ、おいでっ、二索!!)チャッ…!

慕「…!」


が… 慕、つかめず!


慕(だ、大丈夫… まだまだ、次…!)タンッ


気を取り直す慕だが… その直後、対面の小さな怪物が嗤う…!


良子「…」タンッ

咏「・・・ふう、間に合っちゃったねぃ…」ニタリ…

良子「え?」


 パララララララアアァ・・・


慕「…うっ!」

良子「ぐぅ…?」


真っ青になる二人の前で、無情にも開かれたその牌姿は・・・


咏手牌:②③④⑦⑧⑨⑨⑨⑨白白白西 ロン「西」


良子(!? しゃ、西単騎・・・!!)

咏「ロンだ。 白・メンホン…! 満貫8000とリー棒二本! 頂きだねっ!!」ニカッ!


魔人良子から満貫直撃…! 三尋木咏、健夜の親を流し、慕の最上の風をも止めての渾身の一撃!

優勝に向かって大きく一歩を進める…!!


 ワアアアアアアアアァァ―――ッ!!   マタデタァ!  ホンマニツヨイワマッタク…  サスガネミヒロギサン♪ ミヒロギサンカワイクテカッコイイヨモー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・


 裕子『おおぉ・・・! あ、和了ったのは三尋木選手です! 二人のリーチに追いつき、追い越してしまいました!』

 良子(20)『白築選手は… 私のリーチを警戒して手を回した分、遅れてしまいましたね… そのスキに、三尋木選手もメンホンを仕上げることが出来ました』

 はやり(28)『ううん… 慕ちゃん、ザンネン…☆』ハヤヤ…

 良子(20)『三尋木プロが、“後半の肝心な場で流れをつかんだ者が勝つ”と言ってましたが… その通りになってきたかもしれませんね…』


咏「さーって、やっとオーラスだねっ! ま、最後まで楽しんでこーぜっ! 知らんけど!!」

 
慕(うう、残念… でも、次は親なんだから、和了り続ける限り負けることはない…!)

慕(私はまだあきらめないよ、三尋木さん・・・!)


良子(トップまで5万点超…! 三倍満の直撃でも引っくり返せない点差ですが…)

良子(ラス親の白築さんが三尋木選手を削ってくれれば、まだまだ、私にもチャンスはあります…!)


健夜「………」


 裕子『さあ! 長きに亘って繰り広げられてきた女子高生たちの熱き闘いも次でいよいよ最後!!』

 裕子『オーラス・オブ・オーラスですッ!!』


後半南三局
 
東 健夜 42700
南 慕 -10900→-11900
西 良子 28200→19200
北 咏  60000→7000

本日ここまでなのだッ☆
安価・コンマ対応あざした!
明日は少し早めに、21:00頃から始めると思います

>>397一部訂正(咏が7000点になってた)

後半南三局
 
東 健夜 42700
南 慕 -10900→-11900
西 良子 28200→19200
北 咏  60000→70000


70パーセントが遠い…

乙です

乙あざす
ゆっくり進めてくにょ

オーラスなので、打点表は今までの2レス合計制ではなく、下↓の一発勝負形式を使います


<オーラス打点表>

コンマ以下
01~10→1翻
11~30→2翻
31~50→3翻
51~70→4・5翻(満貫)
71~80→ハネ満
81~90→倍満
91~98→三倍満
99、00→役満

※和了点のコンマが偶数ならツモ、奇数ならロン。

ロンの場合、コンマが3の倍数なら和了者の下家、3の倍数+1なら対面、3の倍数+2なら上家からの出和了り(ただし役満ロンだけはあとで振り込み者を決める。だが、三倍満ロンが役満ロンに繰り上がった場合は普通に3の倍数にて振り込み者決定)


【後半南四局 親:慕】


 裕子『では! 対局開始の前に、各選手の現状を簡単に整理しておきましょう!』

 裕子『まず現在トップは神奈川妙香寺高校3年、“迫り来る怒涛の火力”こと三尋木咏選手・・・!』

 裕子『前半の南二局でトップに立ち… 一度小鍛治選手にまくられる事もありましたが、それも一局だけ! ほぼずっとトップを維持し続けています』

 はやり(28)『咏ちゃんのこの試合での強さはぁ… 普段より振り込みが少なめなのもあるケド、それより平均和了速度が速いことだよネッ!☆』

 良子(20)『イグザクトリー。 三尋木選手は火力が高い分、手は遅めなのですが… この試合では、そのデメリットがあまり感じられません』

 良子(20)『高火力に加えてスピードまで身につけ、本物のモンスターになっています。 それがあのメンツ相手に圧倒と言ってもいいほど有利なシチュエーションに立てている理由ですね…』


 裕子『そして、現在2位は茨城土浦女子高校3年、“グランドマスター”小鍛治健夜選手・・・!』

 裕子『彼女らしい壮絶な圧倒的迫力での和了を見せてきましたが、後半では東一局で満貫を和了って以来、和了りがありません。 じりじりと削られて、1位の三尋木選手には今27300の点差がつけられています』

 はやり(28)『すこやんが苦戦してるのはー、咏ちゃんが予想以上にちょーしいいのもあるけど、それよりやっぱり、良子ちゃんが度々すこやんの能力を封じちぁってるからだYO!☆』

 良子(20)『はい… 試合前は、あの2年前の私が小鍛治選手にどれだけ通用するか、予想できませんでしたが… ここまでは確かに“足止め”に一役買っていますね』

 はやり(28)『すこやんって今でも良子ちゃんのこと苦手にしてるもんねー♪☆』ハヤヤ


 裕子『はい、確かに… しかしその、愛媛大生院女子3年“オカルトの帝王”戒能良子選手ですが・・・』

 裕子『ここまで前後半合わせて、トップの三尋木選手に並ぶ8回もの和了を決めていますが、振り込みも多く… 未だ3位に甘んじています』

 はやり(28)『良子ちゃんはすっごいガンバッてんだけどねー… 小鍛治さんを止めるのに集中し過ぎて、その間に他の人に和了られちゃったり… 自分の能力を逆に三尋木さんに“利用”されたりして、イマイチ上手くノリきれてない、てカンジだね☆』

 良子(20)『イエス… 今の私ならあんな不器用な立ち回りはしませんが… 未熟さが現れてしまっているのは、見ててもどかしく感じます』

 良子(20)『しかしラストまであきらめずに、全力を尽くしてファイトして欲しいですね』


 裕子『そして、4位は島根朝酌女子高校3年“元祖牌に愛された子”白築慕選手・・・!』

 裕子『前半の南一局で小鍛治選手の鬼のようなオヤッパネ直撃を喰らってマイナスに落とされ… それ以降、奮闘はしているのですが、未だ箱割れの状態から脱け出ることができません』

 はやり(28)『うーん・・・慕ちゃんはねぇ・・・ そのすこやんへの交通事故みたいな振り込みも痛かったケド、“ここ一番”ってところで和了れないことが多いんだよね…』

 良子(20)『テンパイまではよく行くのですが、最後のあと一歩が出ないことが多いですね。 ここまでは残念ながらハードラックなことが続いてしまっています』

 はやり(28)『うん。 でもね! この後半、慕ちゃんが北家を引いたのはラッキーだったと思うよ♪ ラス親の追い上げは慕ちゃんが一番力を発揮するところだからね…』

 はやり(28)『まだまだ! 誰が勝つかは分かんないと思うナッ!☆』ハヤッ


~観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ツイニオーラスカ…  ミヒロギサンTUEEEEEE!  イヤ、デモマダワカランデ?  シラツキサンガオヤダシネ  カイノーサンニモチャンスハアルノヨー!  ワイワイガヤガヤ・・・・


閑無「っく…! 南三局の慕が、止められた…?」ワナワナ

悠彗「惜しかったよね… 先にテンパイしてたのに…」

曖奈「オーラス… 三尋木さんはなんでも和了れば勝ちだから、大分有利ねぇ…」

はやり「いや、でも… 三尋木さんは速攻の安和了りは苦手ですから… ここは親の慕ちゃんの方が速いはずです!」

杏果「うん、そうだよね… 連荘で繋げられれば、慕ちゃんならまだ全然、大丈夫…!」グッ

真深(… 親番一回で、8万点以上の点差を引っくり返す、か…)

真深(一応役満を直撃させれば逆転だし、不可能ではないんだけど… 相当に厳しくなったな…)

真深(でも、ドラマを創るための最高の舞台が整った、ていう前向きな見方もできる。 まだ何が起こるかは、分かんないぞ…!)


洋榎「うーん…? さっきまでは小鍛治をまくれる流れやったんやけどなぁ…?」

絹恵「また点差がついちゃったね、戒能さん…」

由子「満貫二連続振り込みが痛かったのよー」

漫「トップまでは5万点超… 一発で逆転するには、役満直撃しかないですね…」

恭子「……」

恭子(現実的には、三尋木から役満直撃で一気にまくる可能性より… 白築の援助をして三尋木を削らせてから、自分が和了ってまくるっちゅう作戦の方が勝率は高いんやろうけど…)

恭子(恐らく、あの卓上はもう、そういう理論やら確率やらは通用せん流れになっとる… あそこだけ時空が捻じ曲がっとるようや。 何が起きても不思議やないで…)

恭子(逆に… 有り得へんことがサラッと起きてしまうような気もする。 戒能さんが、ここで役満を和了る・・・っちゅうことも、なんか、起きるような気がすんで…!)


~放送スタッフ用モニタールーム~


えり「三尋木選手、本当に強いですね…! あのメンツ相手に、ほとんどずっとトップじゃないですか…!」

咏(24)「そうねぃw でも、合い間合い間のトラッシュトークひでぇーな!w 我ながら恥ずかしいわ、若気の至りってヤツだねぃww」フリフリ

えり(…今とあんまり変わらない気もするんですが…)

えり「このまま一気に優勝を決められますかね?」

咏(24)「さーねぇ? そんなん分っかんねーってマジで!!w」イヤサッパリ


恒子「ちょっと、すこやんヤバイじゃん! 後半入ってから一回しか和了ってないよ?」

健夜(27)「う、うん… やっぱり予想通り戒能さんに邪魔されちゃうのと、三尋木さんのあの凄い気合いに気圧されてる感じだね」

恒子「だいじょーぶなの? 私、最後はすこやんの麻雀アルマゲドン爆発!って感じで終わらせて欲しいんだけどなー…」

健夜(27)「…どーだろ。 なんだかでも、あの私の中で、いろいろ心境の変化が起きてるみたいだね…」

恒子「ん? 心境の変化…?」


みさき「いよいよオーラスですね… それにしても三尋木選手の強さには目を見張るモノがありますね」

のよりん「順位が変わらないっ! ツマンナイッ!」プンスコ=3

みさき「そ、そんなのしょうがないじゃないですか… これは真剣勝負で、経過も結果も選手たち次第なんですから…」

みさき「野依プロの予想としては、誰が優勝することになると思います?」

のよりん「白築! 大逆転!!」プンスコリン=3

みさき「やっぱり大穴狙いですか」


~闘牌ステージ~

 
 裕子『さあ、遂にオーラスの配牌が始まりました…! この局で終わることになるのか… それとも、親の白築選手の和了りで次局へ持ち越しとなるのか…?』

 裕子『結果はまさに神のみぞ知るというところでしょう! ご照覧あれ! いよいよ全世代最強のチャンピオンを決定する闘牌のスタートですっ!!』


良子(配牌次第で… 役満を狙うか、親の和了り支援か、決めないといけませんね…)カチャカチャ

慕(親だけど、安易な早和了りばかりじゃ、追いつくのは無理… なるべく高い手を狙ってくよ…!)カチャカチャ

咏(さーってと… 点棒では有利だけど、甘かねーぞ… なんでも和了れば勝ちっつっても、私は鳴きの速攻とか役牌のみの早和了りとか苦手だからねぃ…)カチャカチャ

健夜「……」カチャカチャ


黙々と自分の配牌を取る健夜・・・

しかしその時、健夜は、後半が始まる前にトイレで出会ったあのウサ耳の少女の言葉を思い返していた・・・


“衣「お前のは打ってるんじゃない・・・」”

“衣「打たされてるんだ」”


健夜「………」カチャカチャ…


健夜(“打たされてる”か… 確かに… 私はそう言われても、仕方がないのかもしれない…)

健夜(運命を捻じ曲げたり… 自分の都合の良い未来を創ったり、起こった出来事をキャンセルしてしまったりっていう、私の“能力”は本当は私のモノじゃない…)

健夜(私の双子の妹… “朔夜”のモノなんだから・・・)


 “スコヤチャン…”


健夜(…ごめんね、朔夜… 私、この試合だけは… もう、自分一人だけで、闘ってみたいんだ…)スウウウウウウゥゥ…!


咏「ん?」

良子(お、おや? 小鍛治さんの、禍々しいオーラが・・・)

慕(消えた?)


健夜(この試合・・・私、“小鍛治健夜”という人間の力を全て使って・・・勝つ。 そして、私自身の存在を、証明するんだ・・・!)


―――――

 衣「…む?」ピクッ

 透華「衣? どうかしましたか?」

 衣「ふふ…w 小鍛治、遂に手套を脱す気になったか…w」ククク…

 一「は?」

 純「何言ってんだおめー?」


 衣(小鍛治… 見せてもらうぞ! お前自身の“麻雀”を…!)


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


健夜(私には子どもの頃、双子の妹がいた。 名前は小鍛治朔夜…)

健夜(一卵性双生児だけど、性格はまったく違い… 引っ込み思案で根暗な私と違って、朔夜は活発で、いつも私を引っ張ってくれた)


“さくや「もう、すこやちゃんは私がいないとダメなんだから!」”


そんな風に言っては、私の妹、朔夜はパァッと花が開くようによく笑った。


“モブ男A「こーの八の字眉毛! なんかくせーぞコイツ!w」”

“モブ男B「ウンコしたあとケツふいてねーんじゃねーのコイツ?ww」”

“すこや「うっ、うぅ・・・!」グシュ…”


小学低学年の頃、どんくさかった私は、よく男子にいじめられていた…


“さくや「こらぁーっ! なにやってんの男子ィ!!」”

“さくや「わたしのすこやちゃんに悪い事したら許さないよぉ!!」ムキィッ!=3”

“モブ男A「わっ! 男女の方のコカジが来たっ!w」”

“モブ男B「逃げろ逃げろっ、あいつ女のくせにボーリョクふるうからなっ!w」”

“さくや「待ちなさーい!」”


こんな風に、朔夜はいつも姉の私を守ってくれた。


健夜(そんな朔夜は、9歳の時に水難事故で命を落としてしまい… もうこの世にはいない)

健夜(その時、私も一緒に事故に遭ったんだけど、私の方だけは九死に一生を得た…)

健夜(朔夜を失った私は、自分自身が半分無くなってしまったようで… ポッカリと心に穴があいて、しばらく何も手につかなかった)

健夜(でも… その時から、私は奇妙な幻を見たり、幻聴が聞こえたりするようになったんだ…)


未来の映像が見えたり、人の心の声が聞こえたりするようになっちゃったんだ


そして… 私の周りでも奇妙な事が頻発するようになった

私をいじめたり、嫌がらせをしたりした子たちが、次々と不幸に見舞われるようになったのだ…


その不幸…ケガの仕方も不自然だった

何もない所で転んだり、誰もいない所で押されて階段を転落したり、水の中で足を引っ張られて溺れそうになったり・・・


そんなことが続くうちに、私は“呪われている”という噂がたつようになった

そして、人から避けられるようになり… ただでさえ孤独だった私は、さらに一人でいることが多くなっていってしまった…


あとで両親から聞いたことだが、私は、あの事故で数週間意識不明が続いた時に… 脳死状態になった朔夜の臓器が移植されたのだという

私の体に… そして心にも朔夜の霊魂が宿り、朔夜は死んでも私を守ろうとしていたのだ


そしてそれだけでなく、自分の望んだことが不自然に現実化したり… 最高に気持ちが昂ぶった時には、起こってしまった“現実”が消えて別の現実に置き換えられるということまで起きるようになった


気味悪がられ、疎まれ、人との関わりを避けるように生きてきた私だったけど… たまたま3カ月前に牌を握ったことが、私の一つの転機になった

どんな不利な状況でも勝ってしまうところを、麻雀部の部長に目をつけられ… 助っ人を頼まれたのが、試合に出た最初だった…


健夜(それ以来、私は一切麻雀で負けることはなかった)

健夜(むしろどうすれば負けることが出来るのか、というような状態だった…)

健夜(仮に負けたくても、私の中の朔夜が、運を支配して私の都合の良い未来を創って勝ってしまう)

健夜(麻雀だと、表向きは偶然として片付けられることが多いから… 私はそれほど気味悪がられることもなく、賞賛もされた)

健夜(試合で対戦相手が、みんなこの世の終わりみたいな顔をするのを見るのは忍びなかったけど、仲間から賞賛されるのが嬉しくて… 私はなんとなく今まで麻雀を続けてきてしまった…)


勝ちたいなんて本気で思ったことはない どうせ勝ってしまうから

でも・・・でも! 今、ここにいる3人は…! この3人だけは… 本当に、私だけの力を思いっきりぶつけて… そして、勝ってみたいと思わせる、何かがある…!


健夜(私は… 約束された勝ちは、もういらない・・・!)

健夜(自分だけの力で闘って、この人たちに勝ちたい…)

健夜(私は、もう、一人で、この勝負を・・・楽しみたいんだっ!)カッ!


ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー


~闘牌ステージ~


 裕子『さあまずは、各選手の配牌は・・・ ん?』


 慕配牌:⑨⑨二四八九239白白中發北

良子配牌:一九九①⑤⑧⑨79東西白中

 咏配牌:二六七九③⑤⑥⑨669白東

健夜配牌:②③③⑤⑦⑨五1347西北 


 裕子『これは… それぞれ、それほど良い配牌とは言えませんね… やや重い場となるかもしれません』


慕(出来る限り高い手に仕上げていきたいけど、和了れなければ元も子もない…)

慕(白が出たら鳴こう。 そして、チャンタを視野に入れながら手作りだね…!)チャッ!


良子(9種10牌ですか… 一般手なら5向聴。 普通なら流すところですが…)

良子(ここで和了って勝つには、私はトップの三尋木さんに役満を直撃させるしかない。 イチかバチか、国士にチャレンジするとしますか…!)キッ


咏(ふぅん… ま、手なりに進めてリーチだねこりゃ…)

咏(普通ならヤオチュー牌をさっさと払って喰いタン狙ってくとこなんだろーけど… 私のスタイルはやっぱり面前からのリーチだ。 最後も当然、満貫以上を目指してくぜ…!)ゴゴォ…!


健夜(ふう… “以前”の私なら、この配牌からでも強引に四暗刻を狙っていけたけど…)

健夜(もうそういうのは無し。 自分の純粋な“運”を頼って、楽しみながら、手を作っていけばいい…)

健夜(ここで一発で勝つには、最低でも倍満を作らないといけない。 となると、筒子で染めてチンイツを作るしかない…)ス――…


小鍛治健夜… 新鮮な気持ちで、ここで大きく深呼吸…!


健夜(さあ… 先行きの見えない、楽しい冒険の始まりだよっ!)タンッ!→「五」


 チャッ、ピシッ、タンッ  チャッ、コトッ、パシッ!  チャッ、パシッ、タンッ、コトッ…! 


健夜「……」チャッ、パシッ


咏(…? なんかホントに小鍛治さんの雰囲気が変わったねぃ… あのサイコなオーラが全くねーし… 表情も穏やかになった…)

咏(打ち筋も… 素人みてーだ。 初っ端からド真ん中の五萬手出し、そして索子のターツも手出し… どう見ても筒子の染め手一直線…)

咏(ま、倍満以上作んなきゃいけねーから、確かに手は限られるけどさ… 小鍛治さんならタテに伸ばした刻子手で来るかと思ったけどねぃ…)タンッ→「白」

慕「ポン!」パシィッ!→「白白白」

咏「ん」


4巡目… 咏が手出しした白を、慕が待ってましたとばかりに拾い上げる…!


咏(慕ちゃんは親だからねぃ、特急券ゲットで早和了り狙いか)

咏(ま、打点は高くなさそうだし、それほど用心せんでもいいわな…)チャッ、パシッ


が、次巡


慕「ポン!」タシィッ!→「中中中」

咏「ん?!」


慕、今度は良子がツモ切った中を拾い上げる! 早くも三元牌二副露…!


慕手牌:??????? 鳴き「白白白」「中中中」


咏(おん…? 白、中… おい、發は…?)チラッ


河に視線を走らせる咏… まだ5巡目ではあるが、發はまだ一枚も場に出ていない…!


咏(…! お、おいおいやべーな、まさか・・・大三元狙ってんじゃねーだろーな…?)

咏(もし、大三元…つまり親の役満なんかに振り込んだら、一発で引っくり返って負けることになるぞ…?)

咏(っく…! これ、もし發つかんじまったらやっべー…!)


慕「……」ゴゴゴゴオオォ・・・


※各自の現時点(5巡目)でのシャンテン数を決定します。
慕→1向聴(「プリマヴィント」発動)
良子→>>423
咏→>>424
健夜→>>425

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴

※シャンテン数が少ないほど、和了のチャンスが早く来る可能性が高まります。 

はい

凄い設定キタ

慕→1向聴 良子→4向聴(32) 咏→5向聴(18) 健夜→5向聴(04)  


慕(よし…! 白だけじゃなくって、中まで重なって鳴けた…! これで1向聴!)

良子(っく…! やはり9種からの国士狙いはハードですね… 有効牌がまだ一つしか来ません…)

咏(あーらー? なんかサッパリ手が進まねーなー…? こりゃこの局はオリるしかねーか?)

健夜(う・・・! 筒子の染め手決め打ちだけど… 全然筒子来ないよっ!)=3

健夜(で、でもあきらめないよ…! この不確実の世界に身を委ねて・・・そして勝つんだから!)チャッ!

健夜(・・・やっぱり無駄ヅモ…)オヨヨヨ…


 裕子『5巡目…! ただ一人一気に手を進めたのは白築選手! このまま和了り切ることが出来るでしょうか…?』


慕(さっきは三尋木さんに止められちゃったけど… 私の風はまだやんでないっ! これで、テンパイッ!!)チャッ!


※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
26~50→良子
51~75→咏
76~00→健夜

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回…! 4つのレスでテンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた雀士は2回和了チャンスを得ます。(ただし、慕か咏がテンパイした場合は、その時点でストップ)

うぃ

70咏、68咏、76健夜、38良子

慕(1向聴のまま) 良子(4向聴→3向聴) 咏(5向聴→3向聴) 健夜(5向聴→4向聴) 


慕(これで、テンパイッ!!)チャッ!

慕「……」

慕(ダメ、か…)タンッ


一気に1向聴まで進めた慕だが… そこから引けない…!

対して、咏の手元には・・・


咏(おっら!)チャッ

咏(そりゃこいっ!)チャッ!

咏(よしよし… 和了り目が見えてきたぜ…?)


これが巨星の持つ引力の成せる業か・・・?

5向聴から一気に連続で有効牌を引き寄せ、慕にジリリと迫るッ!


さらに・・・


健夜「…」チャッ!

健夜(あ、来た! 来た来たっ!w)


有効牌が一つ来ただけで嬉しそうに微笑む健夜…


健夜(うんうん、やっぱり… “先が見えない”から楽しいんだね… 運命が分かってたら、こんなに面白い気持ちにはなれないよ…!)ドキドキ


どんな手に育てようか…? どんな牌が来るかな? ここで何を切ろうか…? 相手の手はどんなだろう?

そういった、麻雀をプレイする時の“ドキドキ感”“ワクワク感”を初めて味わい… 生き生きとした表情を見せる健夜・・・


良子(・・・何か、小鍛治さん、迫力はなくなりましたが楽しそうですね… おっと!)チャッ!

良子(…! ナイスです、私も国士の3向聴まで来ました! この手・・・成就させてみせますよぉっ!)カッ


※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
26~50→良子
51~75→咏
76~00→健夜

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回…! 4つのレスでテンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた雀士は2回和了チャンスを得ます。(ただし、慕か咏がテンパイした場合は、その時点でストップ)

慕は呪われてるのだろうか…

慕、ここまで来ても運が...

63咏、47良子、82健夜、97健夜

慕(1向聴のまま) 良子(3向聴→2向聴) 咏(3向聴→2向聴) 健夜(4向聴→2向聴) 


咏(…よしっ!)チャッ

良子(カモン!!)チャッ!

健夜(わ、来た来た! 連続で来た…! これでチンイツ二向聴!!)ドキドキ…


 裕子『南四局…! 5巡目で1向聴まで手を進めた白築選手でしたが、、そこからなかなか有効牌を引けません!』

 裕子『そして13巡目…! 他家3人も追いついてきました! 戒能、三尋木、小鍛治、全員2向聴の横並びですっ!!』


慕「・・・・・」ハアッ、ハアッ、ハアッ・・・!


ここまで来て、どうしても勝利の天秤を自分の方に傾けることが出来ない慕・・・


慕(知ってる… 麻雀の神様は、とっても気まぐれなんだ…)ハアハア…

慕(でも… 負けない!! この手は絶対に和了るんだッ!!)カッ!


―――――

 閑無「くぅ… 慕!」

 悠彗(慕・・・ がんばれっ!)

 はやり(慕ちゃん・・・!)

 杏果(お願い…! 神様・・・!!)ギュッ…!


慕(閑無ちゃん… 悠彗ちゃん… はやりちゃん… 杏果ちゃん・・・!)

慕(お願い! 私に力を貸してッ!!)


慕「アアアアアアアアアアァァァッッ!!!」ズオオオオオォッ!


  チャッ!


慕「・・・!」


慕の咆哮が卓上に響き・・・ 引かれたその牌は・・・!



※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
26~50→良子
51~75→咏
76~00→健夜

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回…! 4つのレスでテンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた雀士は2回和了チャンスを得ます。(ただし、慕か咏がテンパイした場合は、その時点でストップ)

はい

さて

wwww

慕でなく、すこやんがやっぱり最後持ってくか

もう笑うしかない

76健夜、30良子、80健夜、90健夜

慕(1向聴のまま) 良子(2向聴→1向聴) 咏(2向聴のまま) 健夜(2向聴→テンパイ+1) ※テンパイ+1なので、健夜2回和了チャンスゲット 


慕「…!」チャッ!

慕「う・・・?」ジワァ…


引けない!!

慕、どうしても引けない・・・!


そして、その横で・・・!!


健夜「……」チャッ!!

健夜(あ・・・来たっ! テンパイだっ!!)


新生小鍛治健夜、まさに奇跡の引き・・・!

不確実と言う闇に身をゆだねながらも、遂に逆転の手をテンパイ!!


健夜(す、すごぉ…! や、やだ、濡れそう・・・!///)ハアハアハア…


初めて麻雀というものに、堂々と正面から向かい合った健夜に、卓上の神が微笑む・・・!


 裕子『な、ななな・・・? なんですかこれは・・・??』

 裕子『最も早くテンパイに到達したのはなんと小鍛治健夜選手ぅ! 物凄い引きですっ!!』

 裕子『メンチン、一気通貫、ドラ1・・・! ダマでも倍満、リーチかけてツモれば文句なしの三倍満・・・!!』
 
 裕子『これは・・・小鍛治選手が最後にまくるという展開になるのでしょうか?!』


―――――

セーラ(すっげぇ…! さすがは大魔王や…!)

塞(ま、マジでこれ、和了るの…?)

照(小鍛治さん・・・)モグモグ

憧(小鍛治… こうなったらもうあなたが優勝しなさいっ!)

久(“ここ一番”で和了れる者が一番強い… やっぱり、あの人はそういう星の下にいるのかしら…?)

―――――

観客席の… 昨日、今日と卓で闘ってきた女子高生雀士たちが、皆、一人残らず、固唾を飲んで見守る・・・

その中で!


(健夜「ロンorツモ!!!」)


打点(健夜)
>>450>>451コンマ以下(打点表>>406) ※どちらかが咏をまくれる打点なら和了。三倍満以上ツモ、あるいは咏に倍満以上直撃など

笑いの神よ

お疲れ様でした

まだ続け!

逝きましたー

うん知ってた

最終的にすこやんが最強ってことか。慕がいい所まで追い上げると思ったけど、慕じゃなくてもこりゃ泣くわ
お疲れ

ま、まあ実力どおりだし(震え声)

わろた

終わってみれば当然の結果だったな(遠い目)

46三翻ツモ・98三倍満ツモ(三倍満ツモがあるため、健夜和了)


健夜「 リーチです!! 」カッ!


慕良子咏「「「!?!?」」」


もつれにもつれた最終南四局!! 終盤16巡目に来て、遂にリーチ棒が卓に叩きつけられる!!


慕(う… 追い越された…!)

咏(おい、マジかこれ…ww)

良子(く… 国士1向聴まで来たんですが…!)ギリッ


一様に顔を歪める三人…

そして・・・


健夜(誰かの・・・)

健夜(心を、打ち震わせることも出来ないで・・・)

健夜(何が人生だ・・・! そんな生き方に、どれほどの価値があるっていうの・・・!!)

健夜(私は・・・ 生きながら、死んでいたのかもしれない・・・)ズオォ・・・

健夜(私はもう逃げない。 ここで、自分の力でこの手を和了って・・・!!!)ズオオオォ・・・!

健夜(私の・・・“小鍛治健夜”の存在を、ここに、証明するっっ!!!!!!!)ズオオオオオオオォォ・・・!!


小鍛治健夜が・・・勝負という漆黒の闇の中へ、深く手を入れ・・・息を止めて、牌をツモる!!




 チャッ・・・!!



 裕子『あ・・・!』


 爽「うっお…!?」

 穏乃「ま、マジ??!」

 ダヴァン「Oh… My God…!!」 

 咲「ぅわ…!!」

 友香「で、でえええぇ…??!」

 由子「の、のよおおぉっ?!!」 

 優希「じぇじぇじぇじぇえぇっ!?」

 照「・・・すごい!」

 久「・・・う、ウソでしょ?!」

 煌「す、す、すばらあぁ…!!」

 霞「あら、まあ・・・!!」

 いちご「・・・そんなん考慮しとらんよ・・・」 


健夜のツモった牌がスクリーンに映されると同時に、、、観客、瞠目・・・!!

その、直後ッ!!



健夜「 ツ モ オ ォ ォ !!!!! 」タアアアアァァンッ!!! 


慕「あ…?」

咏「うぉ…!?」

良子「ぐぅ…!!」


 パラララララララララアアアアァァ・・・・・!!


最終18巡目・・・!

今大会一番の威勢の良い発声で、開かれた、その手は・・・・・!


健夜配牌:①①①②③④⑤⑥⑥⑦⑦⑧⑨ ツモ「⑧」 


健夜「リーチ・ツモ・メンチン・ピンフ・一気通貫・ドラ1・・・・・!!」ズモモモモモモモモオオオオオォォ・・・!!


健夜「三倍満!! 6000・12000ですッッ!!!」クワッ!!



 シイイイイィィ――――――――ン・・・・・・


ドッオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ―――――――ッッッ!!!!!  ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ――――――――ッッ!!!!!

スッゲエエエェェッ!!!  マジカァッ!!  スコヤンツエエエェェッ!!  ダイギャクテンダヨー!!  カッコイイヨコカジサアァーンッ!!  オメデトーウッ!!  アンタガイチバンヤアアァッ!!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・・・!!!!!



一瞬、水を打ったように静まり返った直後に・・・大歓声に沸き返る会場!!


 はやり(28)『は、は、はややあぁ・・・?!』

 良子(20)『Oh・・・ マーベラス・・・!!』

 裕子『け、け、け、けけけけ・・・・・!』


 裕子『決着ですッ!! 南四局、三倍満ツモで大逆転んんッ!!!』

 裕子『全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ、優勝者は・・・・・・・』


 裕子『“グランドマスター”小鍛治健夜選手ですッッ!!!!!』
 

決勝戦後半南四局(終局)
 
東 慕 -11900→-23900
南 良子 19200→13200
西 咏  70000→64000
北 健夜 42700→66700


≪全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ・結果≫

1位 小鍛治健夜(優勝)
2位 三尋木咏 (準優勝)
3位 戒能良子
4位 白築慕


ーーーーーーーーーーーーーーー
本日ここまでですのだ
お疲れ様でした
安価・コンマ対応あざした!

表彰式&締めくくり、ちゃっちゃと書きたいんですが、ちょっと、予告してた通り来週の平日の夜は時間が取れないので、次は土曜日の夜にまとめて投下します

選手の皆さんもお疲れ様でした


終わったぁ

おつかれさまです


得点や試合展開に目をつぶればまあ順当な結果だったのかなと

乙かれっす

乙です


最初から最後までシノチャーはコンマ神に嫌われてたな

>>466
? えっと、ごめん、得点や試合展開に目をつぶればって、どゆこと?

得点は符が30符固定だったことかな 試合展開は?

咏がかなり調子良くて、良子にたびたび足止めくらって、健夜の調子は絶不調に近くて
それでも最終的には健夜の勝ちか

シノチャーがコンマに嫌われながらも最後に上がってくるかって思ってたけど、最後まで絶不調でねじ伏せられたねぇ、

>>470
S1のすこやんの勝利自体は順当だったけど派手な点数点差はコンマの偏りで順当じゃなかったってこと

>>473
あ、そゆことか///
ごめん、説明あざした

乙あざす
運営としてはやはりもう少し南四局を続けたかったところではありますが、これも勝負のアヤというものでしょうか。
慕、良子もよく頑張りました。


ごめんなさい、今日はまだ間に合わず、投下できません。 明日の夜に投下したいと思います。

表彰式では、優勝・準優勝以外にも様々な賞を用意しようと思うんだけど…

今のとこ考えてるのは以下の通り↓

MVP
ファイティングスピリット・アワード(敢闘賞)
首位打点王(火力王)
最優秀防御王
総合獲得点王(最多獲得点数王)
最高和了率王
最多直撃王
役満賞
ベストバウト賞

ファイティングスピリット・アワード(敢闘賞)の該当者を、レスの意見を参考に決めたいので、「最も印象に残った、すばらな闘牌をしていた雀士」がいたら、是非名前を書いてレスして下さい。1~2人くらい。

また、ベストバウトは>>1の独断と偏見により「一回戦第八戦」「準決勝第一戦青龍の間」「決勝戦」の3つを表彰したいと思ってますが、これについてももし意見があったらレスお願いします。


>>418一部訂正(四人の配牌に、九筒が合わせて5個あるので、咏の九筒は無し)

×咏配牌:二六七九③⑤⑥⑨669白東

○咏配牌:二六七九③⑤⑥⑧669白東

おつ
爽かな

格上を揃って倒してきた臨海コンビに

ハオと明華

ハオミョンに一票

準決勝でマイナスから逆転したシノチャー

すこやんに一撃くらわせたアコチャー

南三局、南四局で慕が和了れずとかいうまさかの事態がおきちゃったからね、仕方がないでしょう
敢闘賞は前哨戦から勝ち上がってきた明華と杏果あたりかな、
ベストバウトですが、準決勝第三戦白虎の間の勝負がいいかな

順当なら、敢闘賞は明華とハオ、爽でしょうね。
ベストバウトなら、敢えてすこやん、憧、優希、閑無の試合。
すこやんが、何年後にシノハユに登場するとき、どんな惨劇が起こるのかと思うと戦慄を覚えた。

いろいろ意見あざす 参考にさせてもらいました

すこやんは初心者なのに何故最初から強かったのかは、謎ですが… いつかシノハユで明らかになる時が来るでしょうか

では、最後まで投下します

安価・コンマは今日はありまセーヌ川



 裕子『全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ、優勝者は・・・・・・・』

 裕子『“グランドマスター”小鍛治健夜選手ですッッ!!!!!』


 ワアアアアアアアアアアアアァァァ―――――ッッ!!   ピ―――ッピ―――ッ!!  ヒュ――ッヒュ―――ッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパtパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・・!!! 


一閃・・・!

小鍛治健夜の三倍満ツモ・・・!!

誰も予想だにしていなかった、未曽有の一発大逆転・・・!!!


咏「・・・たっは――・・・! マジかこれww いやー…マイッタマイッタww」タハハ…


ずっとトップを維持してきたのに、オーラスでまくられた咏は… もう悔しさより、笑うしかないといった様子…


良子「… ふぅ――っ… これで、全て終わったんですね… 皆さん、ナイスファイトでした」ニコッ…


魔人戒能良子は… 勝負が終わった途端、憑き物が取れたように穏やかな表情になり… 軽く微笑むと、椅子の背もたれに寄りかかって眠るように目を閉じた。


慕「・・・・・・」ボロボロボロボロォ……


そして、オーラスの序盤は最も早く手を進めていたのに、最後の一牌を引けずに和了れなかった白築慕は…

目と鼻から水分が溢れ出るまま、身動きすらできずに茫然自失としていた…


慕「………」ボロボロボロ…


健夜(う、うわ… 白築さんめちゃくちゃ泣いてる…! ちょ、ちょっと、声かけた方がいいかな…?)

健夜「白築さん、あの… コレで涙、拭きなよ…」スッ…


慕に自分のハンカチを差し出す健夜…


慕「…あ、う、うん… アリガトウ…」フキフキ、チーン! ズビビビビビイィー…!


健夜(…お、思いっきりハナかんでる… まあ、いいけど…w)


咏(慕ちゃん… 全小の決勝で負けた時は、随分爽やかな顔してたけど… 今回は悔しいんだねぃ…)チラッ

良子(無理もありません… この局、序盤でリードしてたのは白築さんですし… なんとしても連荘に希望を繋げたいところだったでしょうから…)チラッ…


心配そうに慕に視線を送る咏と良子… しかし、ハナをかんだ慕の口から出たのは… 二人の予想だにしていなかった言葉だった…



慕「・・・ 淋しい」ポツリ…


咏「さ、淋しい??」

慕「うん… だって… 私、こんなに楽しい試合、初めてだったから…」

慕「もうこのお祭りが終わっちゃったんだなぁ、て思うと、淋しくって…」

慕「私が和了れば… まだみんなと麻雀ができたのに…!」ポロポロ…

慕「…あ、ごめんね、私… 自分のことだけ考えちゃって… 小鍛治さん、優勝おめでとう!」ニコッ…


健夜「……」


咏「なーに言ってんのよ慕ちゃん! 今生の別れじゃあるまいし… 麻雀なんかいつでも出来んだろ?」

良子「そうですよ。 白築さんと小鍛治さんはセイムなジェネレーションですから、また対戦する機会があるでしょうし… 私も、プロの舞台なら一緒に卓を囲めるはずです」

健夜「私で良ければ… いつでも相手になるよ? 私と麻雀して楽しいって言ってくれる人、少ないから… ていうかほとんどいないし…」

慕「う、うん、ありがとう…」グシュ


咏「ま、とりあえずさ、試合も終わったんだし、みんなの手見せてよ? ほら答え合わせ答え合わせっ!w」パララァ…


咏の呼びかけで、健夜以外の3人も自分の手を卓上に開いてみる…


 慕配牌:⑨⑨八九23發 鳴き「白白白」「中中中」

良子配牌:一九九①⑧⑨19東西北白中 

 咏配牌:二六七③⑤⑥⑦⑨66699 


咏「うわぁ… やっぱ良子ちゃんは国士か。 あと發か南さえ引けりゃテンパイだったんだねぃ」

良子「はい… 私は一発で勝つには役満しかありませんでしたから…」

咏「慕ちゃんは白・中・チャンタの1シャンテンか。 發が重なれば大三元の1シャンテン… 惜しかったねぃ」

慕「うん… 5巡目まではいい調子だったんだけど、そこから風が凪いじゃったみたい」

咏「ふふw これじゃあやーっぱ私の手が一番出来損ないだねぃ…w ただのゴミ手の2シャンテンだもんな…」

良子「いえ… 三尋木さんは和了れば勝ちでしたから、あとワンブレスでしたよ」

咏「? あと一息ってことね? ま、和了れなきゃ意味ないけどねぃ。 私も最後にツキに見放されたかな?」

咏「そーいえば、全小で慕ちゃんと初めて対戦した時も、私って最後に小禄さんに24000和了られてまくられたんだよね… まーたやらかしちゃったわぁ…w」

慕「あ、小禄さんなら、こないだインハイで対戦したよ♪ 三尋木さんも来年高校生になればまた対戦できるんじゃない?」

咏「慕ちゃん、私も今は高3なんだぜ」オイオイ

良子「今さらですが、ややこしいですね… 私も、小学生の時にテレビでずっと見ていたレジェンドの皆さんとこうしてファイトできたというのは、なんだか夢のようです」


咏「それにしても小鍛治さん! 三倍満は凄かったけどさぁ… なーんか随分雰囲気違ったじゃん? なんかあった?」

健夜「ん? いや…/// 私もちょっと、麻雀の面白さに目覚めちゃった・・・みたいな?」

咏「そりゃ良かったねぃ♪ 小鍛治さんの麻雀、つまんねーとか言っちゃったけど・・・取り消すわ。 この局はあんた、最高にカッコ良かったよ」

咏「今回は完全に負けたわ。 でも・・・次対戦する時は、絶対に勝ってみせるからねっ! 首を洗って待ってな!♪」

慕「私も… 次こそは、負けない!」

良子「ネクストファイトが今から楽しみです」ゴゴォ…

健夜「う、うん、まあ・・・お手柔らかにね・・・///」


 “スコヤチャン…  オメデトー…!”


健夜(…うん、見守ってくれててありがとう、朔夜… これからも… 一緒だよ…!)ギュ…!


結局、一度も負けることなく不敗のまま優勝を達成した総合ランキング1位・小鍛治健夜…!

この後、彼女は高校卒業後にプロになり、毎年のようにリーグのMVPに選ばれ… 永世称号七冠獲得、史上初の九冠保持者、そして世界ランク2位にまで上りつめることになるのは、周知の事実である…


健夜咏良子慕「「「「 ありがとうございました!!!! 」」」」


 裕子『これにて、全世代麻雀チャンピオンシップ・・・二日に亘って行われたこの大会も、その全ての試合が終了いたしました!』

 裕子『この後、今から約20分後… 16:00頃から中央ステージにて表彰式を行います。 優勝、準優勝だけでなく、和了率№1、守備率№1、平均打点№1などの選手たちの表彰、そしてベストバウト賞なども用意しておりますので、お楽しみに!』


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・  ザワザワ・・・  ガヤガヤザワザワザワ・・・・・






表彰式までの休憩時間… 激闘を終えた四人のファイナリストたちは、それぞれ、自分の仲間のところへ戻ってきていた…


慕「ただいま! みんな・・・応援してくれてたのに、ごめんなさい!」ペコリン!

閑無「おーう慕ォ! 何はともあれおつかれだッ!」

悠彗「謝ることなんてないじゃん。 いつも通り楽しめた?」

慕「うん、本当に楽しかったけど… おわっちゃった……」シュン…

はやり「慕ちゃん、強い人たちと麻雀するの大好きだもんね…」

杏果「またいつでも試合なら出来るじゃん。 次の大きな大会は… 高校卒業して、インカレかな?」

慕「うん。 しばらく麻雀は控えめにしないとかも。 私、受験勉強しないと」

曖奈「慕ちゃんならどこでも余裕でしょぅ?」

慕「そんなことないですよ…/// 閑無ちゃんとはやりちゃんにいつも教えてもらってます」

杏果「はやりちゃんと閑無は学年№1と№2だもんねぇ…」

悠彗「はやりはともかく、閑無が勉強できるってのが納得いかない」

閑無「んだと? 私は基本無敵だぞ! 苦手なモノなんてねーんだよ!!」


 ハハハハハハハハww  カンナオバカキャラニミエルノニww  キキズテナラネー!  アハハハキャッキャッキャ・・・♪


真深「……」


真深(仲いいなみんな…w 慕ちゃんが南四局で和了れずに終わっちゃった時は、一瞬お通夜みたいになったけど…)

真深(みんなすぐに気持ちを切り替えられたみたい。 まあ、悔しい気持ちが無いわけではないだろうけど…)

真深(でもそれ以上に、この闘いは慕ちゃんにとって意味のあるモノになったのかもしれない。 勝負は、当然勝つことも重要なんだけど…)

真深(それ以上に、勝ちとか負けにいたるプロセス・・・過程の方が大事。 その人間にとって大きな意味をもつことになるもんだ…)

真深(慕ちゃんの麻雀は、どんな時も楽しみながら、あきらめずに前向きに取り組み… 見ている人たちをいつもドキドキワクワクさせてくれる)

真深(人の心に残る勝負を出来るというのは、ある意味才能だ… 自分の生き方や魂をかけて牌をつかみ、前向きに努力する姿は、私たちの心を震わせてやまない)

真深(ふふ…w アイドルとしてエンターテイメントの質を常に求められる私にとっても… 勉強になる対局だったな♪)

真深(慕ちゃんもはやりちゃんも、みんなも… 今回の大会は終わったけど、また新しい勝負のステージが待っている… これからも日々精進、だよ! ガンバレ!★)


“元祖牌に愛された子”、可憐なる麻雀シンデレラ白築慕、4位―――!

しかし、どんな時も明るく笑顔で生き生きと牌を打つ彼女の姿は、多くの選手、観客たちの心に残ったのだった―――


良子「ただ今戻りました。 皆さん… 応援ありがとうございました」

絹恵「おかえりなさい、戒能さん…」

恭子「お疲れ様でした」

漫「惜しかったですね…」

洋榎「ほんまや。 最後の国士さえテンパイしとればなぁ…」

善野「あと一歩やったね、戒能さん」

良子「いえ… 二歩も三歩も相手の方が上手でした。 私はまだまだソフト・ボイルドです…」

絹恵「ソフ…ト、ボイル…??」

由子「多分半人前って言いたいのよー」

洋榎「半熟卵食いたぁなってきたな」グー

漫「半熟より生ですよやっぱ。 卵かけごはん…TKGは日本の朝の定番ですよ? ちなみにうちは醤油以外にマヨネーズもかける派です」

洋榎「そこまで聞いとらんわ」

恭子「……」


恭子(…うちはTKGにはツナマヨトッピングに刻みネギをちらす派や。 って、TKGは今はどうでもよくって…)

恭子(戒能さんは謙遜しとるけど… マッチメイクをして流れを作っとったのは戒能さんやった。 小鍛治さんの能力をうまく抑えとったし、三尋木さんのバカヅキを再三止めたのも戒能さんやった…)

恭子(今回はちょと残念な結果になってまったけど、“総合力”ではあの二人にも負けとらん。 きっと、次闘う機会があれば、今度こそは戒能さんが勝つはずや!)


由子「でも、これだけ大きい大会で3位は立派なのよー!」

絹恵「そうですよ! 私も鼻が高いです」

良子「そう言ってもらえると嬉しいですが… 反省の多い試合でした。 また修正して、次に備えたいですね…」

善野「ところで戒能さん、卒業後の話やけど… 私は進学の予定やけど、戒能さんはプロに行くの?」

良子「イエス。 地元の松山フロティーラからスカウトの声が来ているので… そちらでお世話になる予定です」

良子「この大会で学んだことを生かして… 腕を磨いていきたいですね」ニコッ


日本最強の“オカルトの帝王”、魔人戒能良子、3位―――!

卒業後、すぐにプロ入りした良子は、新人離れした活躍で麻雀界を席巻…! その年ルーキーオブザイヤーとシルバーシューターをダブルで受賞し、一躍時の人となることになるのだった…


咏「ただいまー! 帰ったよん♪」フリフリ

健夜「ただいま…」テコテコ

貴子(高2)「あ、お疲れ様でした、二人とも…」

靖子(高3)「やったな、優勝に準優勝…! ワンツーフィニッシュ…!」

咏「オイオイオイちょっとちょっと!w なんだよこれ? 私らチャンピオンと準チャンピオンなのに、出迎えが二人だけって、コレどーなのよ!w」

貴子「いや、そんなこと言われても… メタな話になりますけど、土浦女子も妙香寺もまだどんなメンバーがいるのか不明ですし…」

靖子「登場してもモブAとかBだぜ。 二人いるだけマシだと思えよ」

咏「はぁ… 世知辛い世の中だねぃ、まったく…」フウ


?「あらあら… お祝いなら私たちがしてあげますよ、三尋木さん♪」ウフフ…、ドタポヨン


咏「むっ!? このエベレスト級のオッパイは・・・!」


霞「総合準優勝、おめでとうございます三尋木さん♪」

優希「しびれたじぇ! カッコよかったじょ!!」

怜「おめっとさーん、見てて楽しかったで」

衣「準優勝… 大義であった! 今はゆるりと休むが良い」


咏「オーッ! こりゃわざわざドーモドーモw ま、最後にすこやんにまくられたから、正直かなーり悔しいんだけどさぁ…」

咏「そう言ってもらえると嬉しいよ! 応援ありがとさん!!」


 ワイワイキャッキャッ♪  ソレニシテモキョニュウニナッタトキハオドロイタジェ  イヤーw、イワトサントオンジョージサンノオカゲダワ、マジデww   トキチャンガヤクニタッタミタイヤナァ  ガヤガヤワイワイ・・・♪


健夜「……」


健夜「………」ポツン…


対戦した仲間たちに囲まれ、祝福を受ける咏を尻目に、健夜は一人ポツネンと佇んでいた…


靖子(…あっちゃあ… 小鍛治さん、優勝したのに誰にも賞賛されてねー…)

靖子(まあ当然なのかな… 一回戦、準決勝であんだけひどい勝ち方してりゃ、みんな祝う気にはなんねーよな…)

靖子(強過ぎんのも考えもんってわけか。 ったく、同情すんぜ…)ヤレヤレ


が、その時・・・!


衣「おいっ、小鍛治!!」

健夜「え?」


衣「ふふ…w 見させてもらったぞ! 南四局・・・お前の“本当の姿”を!!」

健夜「……」

衣「どうだ? “打たされて打つ”のではなく、運否天賦に身を任せながら、機略縦横…掉尾奮戦の限りを尽くして闘って勝つというのは、また格別だろう?」

健夜「…そ、そうだね… うん、あなたの言う通りだったよ…」

衣「これでお前も、孤独な独り法師からは解放だな!」

健夜(…そ、そう…? 確かに楽しかったけど、あんまり周りは変わった気はしないけど…?)

衣「ん? なんだその顔は? 衣の言う事を信じぬのか?」

健夜「え、いや、別に・・・」


?「おめでとう! 小鍛治さん!」

健夜「へ?!」


憧「優勝おめでとう。 私の“スーパーあこっち”は役に立たなかったみたいだけど…w」

優希「小鍛治もおめでとうだじぇ! 悔しいけどもう祝福するしかないじょ!!」

小蒔「最後の三倍満… お見事でした」

照「さすが小鍛治さん… 本当に強かった」

豊音「小鍛治さんちょーカッコ良かったよー! サイン下さぁーい!!」

エイスリン「ナイスファイト! コカジ!!」

久「お疲れ様でした小鍛治さん♪ さすがはグランドマスターねw」

セーラ「最後の三倍満はほんまに凄かったでっ!! 俺もリスペクトや!」

美幸「小鍛治さん、本当にカッコよかったよもー!」

やえ「お前は麻雀初心者らしいが… 最早ニワカではないなッ!!」

煌「大変すばらな試合でした! 優勝おめでとうございます!!」

穏乃「うおおおおおおぉぉ小鍛治さん! 爪のアカ下さい! 私飲みますんでっ!!」=3


健夜「えっ? ちょっ! な、なに??」


突然現れた大群衆に、わらわらと取り囲まれてしまった健夜・・・


セーラ「よっしゃ! みんなで小鍛治さんを胴上げや!! この人こそが俺たちの代表やでっ!!」


 オ―――ッ!!!  ソーレワッショイ! ワッショイ!! ワッショーイッ!!!


アッという間に担ぎ上げられて、群衆に胴上げをされる健夜…


健夜「ちょっ!? ワッ?! やだっ!/// スカートめくれちゃうって!/// キャーッ!誰?お尻さわってるの!!///」=3


戸惑いながらも、大きくスイングする世界を見ながら、健夜は今日一番の笑顔を見せたのだった…


小鍛治健夜、三尋木咏・・・!

日本麻雀界の偉大なる二大巨頭の激突は熾烈を極めたが、最後に勝利を手にしたのは小鍛治健夜・・・!

健夜はこの後、プロ入りをしてからはもはや手をつけられない圧倒的強さを手にし… 国内無敗記録更新、各主要タイトル総ナメなど、数々の偉業を達成することになり・・・

咏も、その圧倒的火力で横浜ロードスターズを優勝に導いてゴールドハンドを受賞…! 日本代表チームの不動の先鋒として、日本を牽引する雀士となっていくのであった・・・





~実況室~


裕子「さあ! 遂に全ての試合が終了しました今大会… まずは、先ほど行われた決勝戦を振り返ってみたいと思います」

裕子「ファイナルステージは、小鍛治健夜、三尋木咏、白築慕、戒能良子という、総合ランキング上位の強者たちによる非常にレベルの高い闘牌が展開されたわけですが…」

裕子「各自それぞれ、持ち味を生かした超人的な打ち筋をこれでもかと披露してくれました。 …しかし、何か、私はまるで卓上に特別な“流れ”があるかのような印象を受けたのですが…?」

良子(20)「イエス。 前半においてその流れをつかんで乗り切ったのは三尋木選手でしたね…」

裕子「はい、前半終了時で三尋木選手の点棒は実に7万点以上…! 半荘で一度の振り込みも無く着実に点棒を積み上げ、ほとんど独走態勢に入っていました」

はやり(28)「うん、ホントーにあの時の咏ちゃんは“運を味方に付けた”ってカンジだったよね!☆」

裕子「後半に入ってからも、一局だけ小鍛治選手にトップを取られる時がありましたが… その直後の親番で即、逆転…!」

裕子「そのあともオーラスまでトップを明け渡すことはありませんでした。 ほとんどワンサイドゲームと言ってもいいくらいの強さだったと思います」

良子(20)「麻雀は四人でやる競技ですから、普通は一人がトップでい続けるのはディフィカルトなのですが…」

良子(20)「それでも止まりませんでしたね。 優勝したのは小鍛治選手ですが、この試合、観客の方々も“とにかく三尋木咏がストロングだった”という印象をもった方が多かったでしょう」

はやり(28)「後半はジッサイ、咏ちゃんは3人から狙い撃ちされる場面もあったんだけどね… それでも止められなかったね☆」


裕子「後半の始まる前、戒能プロが三尋木選手を“火力に加えてスピードまでをも身につけたモンスター”と表現していましたが、まさにそんな感じでした」

はやり(28)「うん。 逆に、慕ちゃんはほとんどの場でツキに見放されてたよね… 慕ちゃんの運を咏ちゃんが吸い取ってたみたいだったYO! 咏ちゃんの正体は人の運を吸い取る座敷ワラシなのかもNE!☆」ハヤヤ

良子(20)「それはテリブルですね…w しかし、麻雀という競技が他と大きく違うところは、“テクニック”と“メンタル”の二つの要素に加えて、“運”が大きく関係していることです」

良子(20)「ですから、麻雀は如何にしてツキを自分に引き寄せるか・・・ということが大きく勝敗に関わってきます」

良子(20)「麻雀は、“運”という目には見えませんが有限のモノを卓上で奪い合う競技でもあるのです。 三尋木選手はその運のやり取りに勝利し圧倒的アドバンテージを築いていた・・・という見方も出来るかと思います」


裕子「なるほど… しかし、それだけ優位に立ちながら、三尋木選手は結局は優勝することは出来ず・・・最後に勝ったのは小鍛治選手でした」

裕子「この、二人の差は・・・あるとしたら、なんだったんでしょう? テクニックか、メンタルなのか、能力なのか、それともやはり運だったんでしょうか?」

良子(20)「三尋木選手は確かに強かったです。 二半荘で8回の和了、そして振り込みも最小限… まさに鬼神の如き強さでしたが、一つだけ、確実に小鍛治選手に負けていたところがあります」

裕子「ほお…? なんですかそれは?」

良子(20)「はい、本来なら三尋木選手の最大のストロングポイントでもあるはずの・・・」

良子(20)「“火力”です」


裕子「火力・・・! 確かに… 三尋木選手はそのほとんどの和了が満貫以上なので、“迫り来る怒涛の火力”の名の通り、非常に高火力という印象を受けますが…」

裕子「この決勝戦、いえ、一回戦と準決勝を含めてもそうなんですが、三尋木選手は“一度も倍満以上を和了っていない”のです」

はやり(28)「あれだけ和了っといて倍満が一度も無いって、逆に珍しいかもねー☆」

良子(20)「イエス。 その点、小鍛治選手は決勝での和了は5回と少なかったですが、二度の三倍満和了など、非常に火力が高かったのです」

裕子「こちらに決勝戦の打点のデータがありますが… 三尋木選手の一回当たりの平均打点は約10737点… それに対して、小鍛治選手の打点は17600点。 実に1.5倍以上の差があったんですね」

良子(20)「その火力の差こそが、明暗を分かつポイントだったと言って良いでしょう、メイビー…」

裕子「戒能選手も三尋木選手に並ぶ8回の和了がありましたが、やはり火力の差で優勝は出来なかった…というところでしょうか」

良子(20)「イグザクトリー。 それと私は親の時に大きい手を和了れなかったことと、振り込みが多過ぎたのが災いしましたね…」

はやり(28)「良子ちゃんはすっごくいろんなことして、この決勝戦を面白くしてくれてたんだけどね… はやり的には良子ちゃんがMVPだYO!☆」


良子(20)「白築選手もこの決勝ではあまり活躍できませんでしたが、最後… あの南四局の親番で和了ってさえいれば、何が起きたか分かりませんよ」

裕子「そうですね。 あの、どれだけ苦境に立たされてもめげずにあきらめずに闘う姿は、多くの観客の方々の心をとらえていたと思います。 私も、今だから言えますが、心の中では応援せずにいられませんでした…」

はやり(28)「慕ちゃんの麻雀にはだれよりも“花”があるからねっ!☆ 今日は負けたけど… 絶対復活して次こそすこやんや咏ちゃんを負かしちゃうと思うナ!♪ ネバーギブアップ! ふぁいとだYO!慕ちゃん!!☆」ハヤヤッ

良子(20)「ええ… 最終的にはビッグな点差がつきましたが、この四人の総合力はやはり大した差はないでしょう。 また、このメンツが卓を囲むところを私も見てみたいですね」


裕子「ありがとうございました。 では… 最後にこの、全出場者59名、二日間に亘る大会全体を振り返って、一言頂きたいのですが・・・」

良子(20)「そうですね… ワンワードで言うなら、とにかくホットでグッドな試合が多かった、ということです」

良子(20)「前哨戦も、イントゥルスティングな試合が多かったですね。 原村和と新子憧の、最後までもつれた幼馴染対決に始まり…」

良子(20)「雀さんのあの四暗刻単騎の大逆転、片岡さんと未来の雀士3名による先輩後輩対決… 新道寺のWエースによるガチバトルも見応えがありました」

はやり(28)「白水ちゃんと鶴田さんは面白かったよね♪ 二人とも配牌が全く同じ!とかのシンクロ麻雀もあったし!☆」

良子(20)「はい。 姫松と白糸台の部長対決も、最後まで火花散る好試合でした。 東場のみの短期決戦なのがもったいなかったですね」


裕子「本選に入り、SランカーとAランカーの選手が登場してからは、更に闘牌の激しさが増していきました」

良子(20)「イエス。 しかし一回戦は、そういった強者を相手にしたBランクの選手たちの躍進が目立ちましたね。 トップ通過を果たした愛宕選手や雀選手は言うに及ばず…」

良子(20)「惜しくも負けはしたものの、大会屈指のテクニックで上位を追い詰めた福路選手や龍門渕選手… それにもう一歩で役満和了を決めていた染谷選手に、そのライバルのエイスリン選手もエクセレントな闘牌でした」

はやり(28)「悠彗ちゃんや曖奈さん、園城寺さんも強かったよねっ!☆」

良子(20)「はい… 準決勝では、全ての試合がランキング上位者の勝利という結果にはなりましたが、A、Bランカーの選手たちも負けず劣らずの活躍を見せていました」

良子(20)「決勝進出者が全員“過去”の雀士になったため、“現代の雀士は過去の雀士に劣る”という見方もありましたが…」

良子(20)「私はそうは思いません。 現代の雀士にも、非常にストロングで・・・魅力的な闘牌を見せる雀士がたくさんいました」

良子(20)「彼女たちがいれば、これからも高校麻雀界のフューチャーは明るいと思います」

はやり(28)「はやりもそう思うナ!☆ あと、この大会には参加してないけどすっごくつおい子とかもまだまだいるしね!♪」


裕子「ありがとうございました。 では・・・ステージの方で表彰式の準備が整ったようですので、そちらに中継を切り替えたいと思います。 福与さーん?」





~中央闘牌ステージ~


恒子『はいはいはい! 皆さん大変長らくお待たせしました! お久しぶりの登場! あなたのセクシーダイナマイトアナウンサー・福与恒子ですよォッ!!』

健夜(27)『セクシーダイナマイトって… いくらなんでも盛り過ぎでしょ…』

恒子『ただ今、表彰者として御大小鍛治プロにも来て頂いてます! 小鍛治プロ、最後の締めですからバッチリお願いしますよ?』

健夜(27)『う、うん…(私自身に表彰するとか… とんだ茶番だよ…)』ハア

恒子『では早速! 主役を及びしたいと思います! まずは総合準優勝・三尋木咏選手! そして総合優勝・小鍛治健夜選手! 壇上に上がってきて下さい!!』


咏「ほいほい♪ お邪魔するよん♪」フリフリ

健夜「……」テクテク


恒子の呼び掛けで… 咏と健夜が揃ってステージに姿を現す…

その姿は小柄で華奢で、言われなければただの可愛らしい少女にしか見えないが… その正体は、紛れもない最高峰の魔物、雀鬼、怪物・・・!!


健夜(27)『え、えっと… 小鍛治さん、優勝おめでとう…///』

健夜(17)「は、はあ、どうも…」


 ダハハハハッ!!ww  ジブンデジブンニヒョウショウシトルデッ!  マンザイカ!!ww  ピ――ッピ――ッ!!  ヒュ――ッヒュ――ッ!!  スコヤンオメデトオオォ―――ッ!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・・!!!


健夜(27)が咏と健夜(17)に表彰状と盾を渡し、『Zensedai Mah-jongg Champion』と印字されたティアラを健夜(17)の頭にかぶせてやると、観客席から賞賛の声と拍手の他、笑い声も沸き起こる…


恒子『なんか皆さん笑ってますね!w ぶっちゃけ私も笑いをこらえるので精一杯なのですが…w』

恒子『とりあえず軽く突撃インタビュー! まずは三尋木選手! 準優勝おめでとうございます!!』サッ

咏『…ん? なに? 何しゃべりゃいいの?』

恒子『え、いや、準優勝に輝いた今のお気持ちとか、今大会に参加した感想とか・・・』

咏『そうねぃ… そんなん分っかんねーっ! って言いたいとこだけど… それじゃまあつまんねーし…w ちょっくらしゃべるかねぃw』

咏『準優勝には満足してねーよもちろん。 次当たったら、今度こそはこの隣の八の字眉毛をコテンパンにしてやるね』ニタッ

健夜「……」


咏、壇上で健夜を挑発…! それに対して、健夜はただ居心地悪そうに苦笑い…!


咏『悔しい気持ちはあるけど、3回試合をしたのを振り返ると… 本当に楽しかったよ! 対戦した相手も面白い子たちばっかだったし、観客の人たちの応援もありがたかったねぃ』

咏『私は物心ついた時からずっと… もう10年以上も毎日牌を握ってるけどさ、今日は改めて・・・“麻雀ってやっぱおもしれぇー!!”って思ったねw』

咏『みんなもその麻雀の面白さ、楽しさを味わってくれたんなら、嬉しく思うよん♪ どーもありがとね! 三尋木咏でした!!』


 ワアアアアアアァァァ―――ッ!!  ウタターン!  ツギハユウショウヤァ!!  ミヒロギサンヤッパリチョーカワイイヨー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


恒子『ありがとうございました!! では次、総合優勝を成し遂げた小鍛治選手にインタビューを・・・』スッ

恒子『と見せかけて! すこやんへのインタビューは最後ねっ!w』
 
健夜「え」ズルッ

恒子『その前に、今大会の他の賞の受賞者を発表しちゃいたいと思います!!』


恒子『えー… 他の賞と言ってもいろいろあるのですが… 首位打点王、最優秀防御王、最高和了率王、総合獲得点王、最多直撃王、大逆転王、殊勲賞、敢闘賞、役満賞、ベストバウト賞、そしてMVPの、全十一種類・・・!』

恒子『ちょっと長くなるけど、私が一つ一つ、該当者を発表していきますので… 名前を呼ばれた方はステージ上に上がってきて下さいね!』

恒子『ちなみに、打点については親や子はそのままです。 つまりハネ満は子なら12000だけど、親なら18000ね♪』

恒子『でも連荘時の積み棒分と、流局は計算に入れていません。 あ、あと、計算に入ってるのは本選の試合ね! ではまずは、“首位打点王”の発表です!!』

恒子『首位打点王とは、今大会で最も和了時の平均打点の高かった選手… つまりは“火力王”のことですが…』

恒子『名誉あるこの賞を賜るのは・・・“迫り来る怒涛の火力”の三尋木選手でも、総合優勝の小鍛治選手でもありません!!』


 ザワザワ・・・  エッ、ジャアダレダ?  シノチャー?  イヤ、カスミサンジャネ?  ガヤガヤ・・・・


恒子『ふふ…w 今回、首位打点王に輝いたのは・・・』


恒子『有珠山高校3年生! “オカルトデパート”獅子原爽選手です!!』


爽「え、私? マジで??」


  シシハラダァ?!  マジカww  オメデトォーッ、シシハラサン!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


恒子『はい! 2位の小鍛治選手の平均打点13668点という凄まじい火力をわずかに凌駕したのは… 驚くべきことに! 獅子原選手だったのです! その平均打点は実に13833点・・・!』

恒子『特に一回戦でのあの鬼のような連荘が大きかったですね。 さすがの爆発力でした!』


爽「いやはははw 全然考えてなかったけど、さすが私! てカンジ?」ヘラヘラ


恒子『厳密に言うと平均打点ジャスト2万点のエイスリン選手が一番なんだけどね♪ でも彼女は2回しか和了っていないので、今回は6回和了してこの打点を叩き出した獅子原選手を表彰いたします!!』


恒子『続きましては! “最優秀防御王”の発表です! これは、最も振り込みの少なかった選手を表彰するものなワケですが…』

恒子『今大会、一度も振り込まずに済ませた選手は、全部で五人いました。 それは、片岡優希選手、森脇曖奈選手、園城寺怜選手、石戸霞選手、野依理沙選手の五名なのですが…』

恒子『この中で、最も多くの局をこなしていたのは・・・やはりこの人! “鉄壁のぷんすこプロテクション”を持つ新道寺女子高校2年生、野依理沙選手です!!』


のよりん「…!?」プンスコ=3


 サッスガノヨリサン!  スバラデス!ノヨリセンパイ!!  マモリカテェーモンナァー…  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


恒子『なんと彼女は、実に22局もの間、一度も振り込まずに闘ったのです! その様はまさに、凄まじく堅固な野依城!!』

恒子『いやはやさすがさすが! 将来、3年連続で最優秀防御率を誇ることになるだけのことはありまくりですねっ!!』


恒子『さあドンドン行きますよぉ! 続きましては“最高和了率王”! これはつまり、消費した局数の中で、自分の和了がどれだけあったかの割合が最も高かった選手なわけですが…』

恒子『麻雀の和了率というものは3割を超えたらかなり強いと言われていますが、この大会、実に和了率4割以上を叩き出した選手が二人!いるのです!!』

恒子『それは、あの姫松の“浪速の氷帝”善野一美選手と、白糸台の“現世代インハイチャンプ”の宮永照選手! そしてこの二人の一騎打ちで、わずかに上回ったのは・・・!』

恒子『インハイチャンプ宮永照選手ですっ! 実に和了率44.8%という信じ難い数字を叩き出していました!!』


淡「わぁ! テル―さっすがぁ! オメデトー!」

照「う、うん、まあ… 私は連続和了があるからね…」


 サスガチャンピオン!  コカジサンニモイッシムクイタノヨー  ヤッパリテルテルガイチバン!  オメデトーオネーチャン!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


恒子『彼女の代名詞でもある連続和了は本当に凄かったですね! 特に一回戦ではなんと一回の半荘で9回も和了したのです! 当然これは今大会のダントツの最高記録ですっ!!』


恒子『さて次は“総合獲得点王”…! これは、局数に関係なく、とにかくこの大会で各自の稼いだ点棒を合計して単純に比較したモノなわけですが…』

恒子『これはもうダントツ!! 2位の三尋木選手の1.5倍以上もの点棒を稼いだ人がいました! その合計点! 実に218700点ン!!』

恒子『そんなことが出来るのは当然この人しかいません! 優勝者でもある小鍛治健夜選手です!!』


健夜「……」


 ザワザワ・・・  ナンダニジュウイチマンッテww  ヨンハンチャンデニジュウイチマン…?  ヤッパリツヨスギヤ!  ガヤガヤパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・


恒子『ちなみに“最多直撃王”も小鍛治選手です! これは5回以上和了のあった選手たちの中で、直撃が占める割合を計ったものなのですが…』

恒子『小鍛治選手は16回の和了りのうち実に13回もロン和了りだったのです! 割合にして81.25%・・・!!』

恒子『この、総合獲得点と直撃率の高さが、小鍛治選手がどれだけ悪魔のように強かったかを如実に表していますね…』


恒子『続いては“大逆転王”…! これは、今大会で最も劇的な逆転勝利を成し遂げた選手を表彰するものですが…』

恒子『あの前哨戦での雀明華選手のオーラスの四暗刻単騎… それに一回戦でのチャンピオン宮永照の怒涛の連荘での逆転など、劇的な展開の試合がありましたが、一番はやはりこの人でしょう!!』

恒子『準決勝第三戦白虎の間において、最高で実に86500点もの点差があったのを引っくり返し・・・“奇跡の大逆転”を成し遂げた麻雀プリンセス・・・!』

恒子『朝酌女子高校3年生! “元祖牌に愛された子”白築慕選手です!!』


慕「はいっ! ありがとうございます!」シュタッ


 ワアアアアアアアアアァァ―――ッ!!  シノチャーオメデトーゥ!!  アノシアイハカンドウシタデッ!!  サスガダワシラツキサン!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


恒子『特に南三局からの怒涛の4連続和了は圧巻でした…! 彼女のあの大逆転は、私たちの心を強く揺さぶり… あきらめなければ人は本当に奇跡を起こすことも出来るのだということを教えてくれました!!』


恒子『さて続いては殊勲賞なのですが… これはザンネンながら、該当者無しです!』

恒子『優勝した小鍛治選手に勝利した選手がいればその方が殊勲賞だったのですが、御存知の通り、小鍛治選手は完全に無敗… 全ての試合をトップ通過していますので、殊勲賞はいません!』

恒子『しかしもう一つ、“敢闘賞”・・・「ファイティングスピリット・アワード」は、二人! 該当者がいます!!』

恒子『これは勝敗に関わらず、よく健闘し、見る者の心に強い印象を残す闘牌を展開した雀士に送られるモノなわけですが・・・』

恒子『運営も悩みに悩んだようですが、このお二方に決まりました! 一人は臨海女子高校2年生、“風神”雀明華選手…! そしてもう一人は、同じく臨海女子高校1年生、“アジア2位”ハオ・ホェイユー選手です!!』


明華「え、私たちが…?」

ハオ「どうして…」

ネリー「わああぁやったねミョンファ! ハオ!」

智葉「これはある意味最も名誉な賞だな…」

ダヴァン「二人の努力が認められたのでスネ!!」


 オメデトウナンデェー!!  オフタカタ、タイヘンスバラデシタヨォッ!!  チョーカッコヨカッタヨフタリトモー! パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!


恒子『彼女たちは二人ともBランカーですが、一回戦において、格上のS・Aランカーの二人を大接戦の末破り、二人揃って準決勝に進出…!』

恒子『準決勝でも、魔人戒能良子、オカルトデパート獅子原爽というランク上は格上の相手に対して、堂々と正面から勝負を挑み…』

恒子『最後の最後まで粘り強く闘い、惜しくも敗れはしたものの、そのひたむきに闘う様は勝者以上に輝いていたと言っても過言ではなかったでしょう!!』

恒子『彼女たちは、闘うというのはどういうことなのか、何が一番大切なのか、ということを私たちに教えてくれたように思います。 本当に素晴らしかったです!!』


恒子『そして続きましては“役満賞”… 今大会、役満は3回和了がありました。 一つ目は前哨戦での雀選手の四暗刻単騎…!』

恒子『そして二つ目は小鍛治選手のあの大三元字一色四槓子のトリプル役満…! そして三つ目は…』

恒子『一回戦第五戦、神代小蒔選手のチンイツ数え役満です!!』


初美「わあ、姫様、おめでとうございますー!」

小蒔「は、はい… 私が賞なんかもらっていいんでしょうか…///」

霞「これだけの参加者がいて、役満は3人しか和了ってないんだから… 堂々と表彰されましょうよ小蒔ちゃん♪」


 ヒメサマオメデトォーッ! アレハスゴカッタネェ  マタカミサマオロシモヤッテホシイヨモー!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!!


恒子『そして“ベストバウト賞”は3つの試合が選ばれました。 一つ目はあの一回戦第八戦、宮永照、辻垣内智葉、荒川憩、天江衣による闘牌・・・!』

恒子『現世代のインハイ個人戦1~3位の超強豪と、インハイ史上最多獲得点数記録保持者の天江衣選手による、マニア垂涎の好カードは、期待以上の誰もが驚く壮絶な試合となりました』

恒子『“満月の衣”の圧倒的な魔力…! 宮永照の終盤のプライドをかけた凄まじい連続和了…! 辻垣内智葉の鬼神の如き機転…! 荒川憩の超人的悪魔的策略…!』

恒子『とても一回戦とは思えないハイレベルな闘牌が繰り広げられ、私たちに目を離すスキさえも与えませんでした!』


恒子『二つ目は敢闘賞にも輝いた臨海のお二人と、戒能良子、獅子原爽による準決勝第一戦青竜の間・・・!』

恒子『戒能選手と獅子原選手によるトップレベルの“オカルト力”の激突…! そしてそこへ自らの鍛えに鍛えた技術と持ち味を生かして闘う臨海の二人…!』

恒子『四人の思惑と魂のこもった牌が巡る一進一退の攻防は実に見応えがありました!』


恒子『そして三つ目は・・・やはり決勝戦! これはもう説明は不要でしょう!!』

恒子『まさに神に選ばれた超人女子高生四人・・・小鍛治健夜、白築慕、三尋木咏、戒能良子の四名による超絶麻雀バトル・・・!』

恒子『これぞ最高峰! 超トップレベルの実力を持った者同士の空前絶後の闘牌の数々は・・・今大会を締めくくる闘いとして実に相応しいものでしたッ!』


恒子『さあ、そういうわけで・・・長々としゃべってまりましたが、次で、最後! 今大会MVPの発表です!!』

恒子『しかしこれはもう、当然ながら一人しか適格な選手はいません! 観客の皆々様もあの選手しか脳裏には浮かばないでしょう!!』

恒子『総合優勝、総合獲得点王、最多直撃王という三冠を達成し、自らが間違いなく“全世代最強”であることを証明したこの方・・・!』

恒子『我らが麻雀リーサルウェポン!! 小鍛治健夜選手です!!』


 ワアアアアアアアアアアァァァ―――ッ!!  アラタメテオメデトウッ!  モウハクシュスンノツカレタワー  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・!


恒子『では! 待たせましたね! すこやん! 優勝して“全世代最強”・・・そして“雀帝”の名に輝いた、今の気持ちを一言! お願いします!!』

健夜『えっと… じゃ、じゃあほんとに、手短に…』



健夜『正直、私が優勝しちゃって良かったのかなぁ、というのが、率直な気持ちなんですが…』

恒子『? なんで? 誰もあなたが最強なんだってことに、異論はないと思うけど?』

健夜『いや、私はその… 麻雀始めてまだ3ヶ月くらいしか経ってないし、他の皆さんみたいに、牌にかける青春とか、日々培ってきた技術とか、長年積み重ねてきた想いとか、よく分からないし…』

健夜『そいうのを知らないポッと出の私が優勝しちゃっていいのかな、ていう思いは確かにあるんです』

健夜『実際私は… こう言うと怒る人もいるかもしれないけど、麻雀もなんとなくやってきただけで、そんなに強いこだわりとか勝負に対する想いとか無かったんです』

健夜『でも、決勝戦で初めて、“本気でこの人たちに勝ちたい”って思えてきて…』

健夜『最後の三倍満を和了った時は本当に嬉しかったし、今まで味わったことのないような物凄い快感、達成感を感じました』

健夜『それで… これが麻雀の面白さ、楽しさなのかな?って、初めて思ったんですね…』

健夜『今までは、麻雀に対する強い想いはなかったけど、今は、違うような気がします。 対戦者の人たちが、私に麻雀の本当の面白さを教えてくれたので…』

健夜『あんまりチャンピオンとかそういう自覚は無いかもだけど、これからも、自分なりに麻雀を楽しんでいけたら・・・と思っています』

健夜『ということで、これからも小鍛治健夜をよろしくお願いします! 私と麻雀、打って下さいね!♪』ニコッ


  ソリャ-ゴメンダ!w  ブッコワスノダケハヤメテクレヨォッ!  ワタシハイツデモアイテニナルワヨォッ!  ツギコソハタオシテヤルジェ!!  ガヤガヤワイワイ・・・・  


恒子『ありがとうございました! では、これにて・・・!』


恒子『“全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ”閉会を宣言します!! 皆さん、お疲れ様でしたァッ!!!』



 ワアアアアアアァァ――――ッ・・・!  コーコチャンモオツカレー!  チョータノシカッタヨー!  ピーピ――ッ!  ヒューヒュ――ッ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!



このあと… “違う時代”から来た者たちは皆、神代小蒔の開いた時空の扉を通ってそれぞれの時代へと戻り…

過去・現代・未来の女子高生雀士が一同に会して競い合った一大イベントは、幕を閉じたのだった……


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≪全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ・最終結果≫


総合優勝:小鍛治健夜

準優勝:三尋木咏


首位打点王(火力王):獅子原爽

最優秀防御王:野依理沙

最高和了率王:宮永照

総合獲得点王:小鍛治健夜

最多直撃王:小鍛治健夜

大逆転王:白築慕

殊勲賞:該当者無し

敢闘賞:雀明華、ハオ・ホェイユー

役満賞:雀明華、小鍛治健夜、神代小蒔

ベストバウト賞:「一回戦第八戦(宮永照、天江衣、荒川憩、辻垣内智葉)」「準決勝第一戦青竜の間(戒能良子、獅子原爽、雀明華、ハオ・ホェイユー)」「決勝戦(小鍛治健夜、三尋木咏、戒能良子、白築慕)」


MVP:小鍛治健夜


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それから半年の月日が経った、ある日のこと…

5月・清澄高校麻雀部部室


優希「タ・コ・ス! うっまいじょおおぉぉ~~~!!」ムグムグ

京太郎「おい優希てめえ! 食べカスが雀卓に落ちるだろーが!」

咲「ゆ、優希ちゃん、お行儀が悪いよ?」

まこ「これ優希! 何度言わすんじゃ! 部活中は対局に集中せい!!」

和「そうですよ優希、私たちはもう2年生、先輩なんですから。 しっかりしてもらわないと困ります」

優希「先輩って言ったって、後輩はムロ一人だけだじぇー… 大して変わんないじょ」グデェー…

ムロ「……」


新年度になり、清澄高校麻雀部は久が抜け、まこが新部長に… 

そして新入部員として、高遠原を卒業した室橋裕子が入っていたのである…


優希「それにしても… ムロが清澄に入って、ミカは花田先輩のいる新道寺に合格して福岡に… 今、高遠原の麻雀部はどうなってるんだじぇ?」

ムロ「一応、マホが新部長としてやってはいますが…」

咲「マホちゃんが、部長…?」

和「大丈夫なのですか…?」

ムロ「私も心配でしょうがないんですよ。 あいつの代で高遠原麻雀部が潰れるんじゃないかって…」


 バアアアアァ―――ンッ!!


?「あーら、ここはいつ来ても変わらないわねぇ?」

?「うふふ、来ちゃいましたー♪」


優希「な? おぬしらは・・・!?」


優希「(元)部長!!」

久「おひさー♪ 優希、いつまでも私のこと部長じゃ、ややこしいでしょ? 竹井先輩とかにしなさいよ」

優希「染谷部長は染谷部長って呼ぶから大丈夫だじぇ」

まこ「また来たんかいあんたは… って、もう一人は…?」

和「マホちゃん?」

マホ「お久しぶりです! 和先輩、今日もお手合わせお願いしますです!!」


ムロ「マホ、お前… 自分のとこの部活はどうなってんだよ?」

マホ「部活は副部長の高橋さんが見てるから大丈夫なのです! 部長の私は遠征の武者修行で力をつけてるところですから…!」フンス=3

まこ(…ただ単に他の部員に厄介払いされとるんじゃないか…?)


咲「竹井部長は… 大学の方の部活は、大丈夫なんですか」

久「だいじょーぶよw 美穂子もゆみも分かってるからw」


地元の大学に進学した久は、そこで福路美穂子と加治木ゆみに再会… 揃って麻雀部に入り、一年生ながらに既にレギュラーの座を獲得していたのである…


久「今度私たちもインカレの県予選あるんだけどね… 長野は大学の数も少ないし、楽勝だと思う。 私たちの目はもう全国に向いてるわ」

京太郎「インカレって… やっぱり強豪は大阪や東京なんですか?」

久「そーね♪ 大阪では、千里山と姫松の3年生が合わさったドリームチームが誕生…」

久「愛宕さんも江口さんもプロには行かず進学だったし、2学年上にあの去年のインカレチャンピオン藤白七実もいるしね… 間違いなく団体でも優勝の最有力候補だわ」

まこ「結局、久の世代で卒業後即プロに行ったんは宮永照と辻垣内さんだけじゃったかいのう」

久「あと白水さんね。 野依プロを追ってエミネンシア神戸に入ったみたい」


優希「宮永照と辻垣内がプロの方に行ったんなら、東京の大学は大したことなさそうだじぇ」

久「そんなことないわよ。 東京はこうゆう田舎と違って全国から人が集まってくるんだから…」

久「弘世菫が入った大学に、阿知賀の松実宥と宮守の臼沢さんが入ったって情報があるの。 本当なら相当な強敵になるわ…」


久「って、今日はこんな話をしに来たんじゃないのよ! みんなと麻雀の試合を観戦したくて来たのよ♪」

和「試合?」

久「プロのタイトル戦よ! 九大タイトルの中でも最も権威のある・・・“雀聖”戦!!」

久「須賀くん! 悪いけど、資料室から大型のテレビ持ってきてくれる? PCに繋げて欲しいの」

京太郎「あ、はい・・・」





京太郎の運んできた大画面テレビにPCが接続され… 即席の麻雀鑑賞会がはじまった…


<恒子『さああぁ! 遂にここまで来ましたッ! 麻雀タイトル雀聖戦決勝戦ンンッ!!』


優希「またあのうるさいアナウンサーだじぇ」

和「でも部長、なんでまた急に、麻雀のタイトル戦なんか…?」

久「ふふ… それはね、この試合、半年前に開いたイベント・・・全世代女子高生麻雀チャンピオンシップの、“あのメンバー”がそっくりそのまま出てるのよ!」

咲「あのメンバー…?」


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 恒子『では早速出場選手の紹介に参りましょう! 一人目はこの方ッ!!』

 恒子『一昨年ルーキーオブザイヤーとシルバーシューターをダブルで受賞して以来、常に第一線で活躍し続ける、松山フロティーラの絶対的エース…!』

 恒子『日本が誇る“オカルトの帝王”! 魔人戒能良子オオオオオォォッ!!!』


良子(21)「ハローエブリワン、どうぞよろしく」ポインポイン


 恒子『準決勝では期待の新鋭、辻垣内智葉プロを大接戦の末打ち破り、この決勝戦に駒を進めてきました!』


 恒子『そして二人目は・・・いよいよ登場! 現雀聖であると共に、現在六冠保持者でもあるこの人ォ!!』

 恒子『日本代表チームの不動の先鋒…! 団体戦で連続優勝中の横浜ロードスターズのスーパーレジェンド・・・!』

 恒子『“迫り来る怒涛の火力”! 三尋木ィ・・・咏アアアァァ――――ッ!!!』


咏(25)「さぁーっ! 今日も一発楽しんでこーぜっ!!w」フリフリ


 恒子『ここまでさすがの強さを見せつけ、準決勝では昨年度のインハイチャンピオン宮永照プロをも自慢の火力で叩きのめし、プロの洗礼を受けさせて勝ち上がってきました!!』


 恒子『そしてそしてぇ! 三人目はなんとこの人だァ!!』

 恒子『大学卒業後に一時プロになったものの… 3年前にドイツのヨーロッパリーグに移籍していたこの人が帰って来てくれましたっ!!』

 恒子『“元祖牌に愛された子”! 奇跡の麻雀シンデレラ! ハートビーツ大宮の天才・白築ィ・・・慕オオオオオォォ――――――ッ!!!』


慕(28)「はぁーい! よろしくお願いします!!」ニコニコ


 恒子『ここまで、まったくブランクを感じさせずにあの華麗なる打ち筋を発揮ィ! 準決勝では盟友瑞原はやりプロをも破って決勝戦に進出して参りましたァ!!』


 恒子『そしてそしてそしてェ!! ラストはやっぱりこの人なのだァッ!!』

 恒子『2年ほど前に、地元のクラブチームに入ってしまってタイトルなどとは縁遠い存在となっていたこのお方が、第一線へと復帰してきたのですっ!!』

 恒子『もはや説明不要! 永世称号七冠! かつて史上最年少そして史上初の九冠保持という偉業を達成した・・・』

 恒子『“グランドマスター”! 恐怖の麻雀デストロイヤー!! 恵比寿レッドスナッパーズ、小鍛治ィィ・・・・健夜アアアアアアァァ―――――ッ!!!』


健夜(28)「何度言ってもこーこちゃんは私を怪獣にするのをやめないんだね…」テコテコ


恒子『相変わらずの超破壊っぷりで敵を薙ぎ倒し・・・準決勝では神戸エミネンシアの野依理沙プロをも打ち倒して、この決勝戦に、降・臨!だああああああぁぁっ!!』


良子咏慕健夜「「「「…………」」」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォォォ・・・・・!!!!


卓上で・・・不敵な笑みを浮かべながら向かい合う超人雀鬼四名・・・!!


良子「ふふ…w 懐かしいですね皆さん、このメンツで卓を囲むのは3年ぶりでしょうか」

咏「ん? ちげーだろ良子ちゃん、8年ぶりじゃね? 知らんけど」

慕「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップで対戦したよね♪ あれはみんないろんな時代から来てたから、そうゆう感覚ってそれぞれで違うんだよ」

健夜「… みんなあの時のこと覚えてるんだ… 神代さんたちに記憶を消してもらったんじゃないの…?」


良子「忘れていましたが、最近思い出しました。 あんな強烈な試合… そう簡単にフォーゲットできませんよ!」

慕「私も! あの時は楽しかったね♪」

健夜「大丈夫なのかな…? タイムパラドックスとか…」

咏「別に平気っしょ? 知らんけど!w」


咏「まあそういうのはさておいてさぁ… すこやん、あん時は最後にまくられて負けたけど、今日はそうはいかんからね!」ニタッ

良子「私もあの時は3位でしたが… 今日こそは皆さん全員をディフィートして優勝させてもらいます」

慕「私も、あの時以上に麻雀いっぱい楽しんで・・・そして、勝つよ!!」

健夜「… 今の私はあの時の数倍は強いからね… 悪いけど負けてあげるつもりはないから」


健夜咏良子慕「「「「…………!!!!」」」」バチバチバチバチ…!!


 ス、スゲエエェニラミアッテル…!!  スコヤンガンバレェーッ!  ヨシコチャン、シノチャン、ファイトダヨッ!☆  ミヒロギプロ、ガンバッテクダサイ…!  ワイワイガヤガヤガヤ・・・・・


 恒子『うおおおぉ凄まじい視殺戦です!! これはこの試合! やはりただでは済まないぞォ!!』

 恒子『会場のボルテージも最高潮に…! 観客の皆さんもこれには溢れ出る期待感を隠せません!!』

 恒子『でわ!! いざ参ります! 麻雀タイトル“雀聖”戦、決勝戦・・・・・!』

 恒子『闘牌! スタァ―――――トですッッ!!!』



健夜咏良子慕「「「「 よろしくお願いします!!!! 」」」」




カン!


これにてこのSSはカンです
毎回安価・コンマに参加下さり、ありがとうございました

なるべく読み手の人自身が闘牌に参加できるように、を意識して書いてきましたが、少しでも楽しんでもらえたなら幸いです

気が向いたら、また今度はRの方で久のエロゲスレでもやってみようかな、と思ってます

ではまたどこかで


数倍強くなってるとかすこやん怖すぎ問題

乙です

完結乙

乙 色々あったけど楽しかったよ


楽しかったよ


>>520改めて見ると恐ろしい面子だな
右も左も怪物だらけだ

完結乙かれさまです

>>534
もうニーマンとか木っ端だなww

長期間乙
そしてすこやんおめ

おつおつ

おっつー
そりゃ初心者のときから10年も経験積んだら数倍強くなってても不思議じゃないよね

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