千早「寝れないわ」



千早「完全に目が覚めてしまったみたいね」



千早「どうしましょうか……」



千早「…………あ」



千早「腹筋を、しましょう」

千早「そうね、名案だわ」



千早「筋トレをして疲れれば、眠くなるかもしれないもの」



千早「……それじゃ、早速」



千早「1……2……3……4……5……」



千早「6……7……8……9……10……」

千早「11……12……13……14……15……」



千早「16……17……18……19……20……」



千早「21……22……23……24……25……」



千早「26……27……28……29……30……」



千早「31……32……33……34……35……」

千早「……おかしいわね」



千早「腹筋をしているのに、ちっとも眠くならないわ」



千早「どうしたらいいのかしら……」



千早「………あ」



千早「プロテインを、飲みましょう」

千早「よく考えたら、その通りね」



千早「筋トレの直後に飲まないと、効果は薄いもの……プロテイン」



千早「確か、真にもらったものが……」



千早「………あった」



千早「えっと、牛乳は……」

客観的に見て深夜に筋トレする女はどうだろう

千早「……」ｺﾞｸｺﾞｸ



千早「……」ｺﾞｸｺﾞｸ



千早「……」ｺﾞｸｺﾞｸ



千早「……」ｺﾞｸｺﾞｸ



千早「……」ｺﾞｸｺﾞｸ

千早「……ぷはっ」



千早「………」



千早「あ」



千早「つい、普通に牛乳を一気飲みしてしまったわ」



千早「どうしましょう」

千早「新聞のバイクの音が、聞こえる」



千早「私の鼓動が、聞こえる」



千早「私の腹筋の声が、聞こえる」



千早「プロテインを飲ませろ……って」



千早「……」

千早「こんなとき、春香ならなんて言うのかしら」



千早「春香なら………」



千早「…………あ」



千早「盲点だったわ」



千早「春香に、助けてもらいましょう」

千早「……」ﾎﾟﾊﾟﾋﾟﾌﾟﾍﾟ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

千早「……出ないわね」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「まだ、寝ているのかしら」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「寝る子は育つ、と言うものね」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「…………くっ」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「出ないわね……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ



千早「……」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

千早「あ、春香？」



千早「どうしたの？　全然出なかったじゃない」



千早「何かあるなら、相談に乗るわ」



千早「………」



千早「……そう？　なら、いいのだけど」

千早「それで、本題に入るわね」



千早「ええ」



千早「実は…………牛乳を分けてほしいの」



千早「…………」



千早「春香？　春香？　聞いてる？」

千早「そう、牛乳よ」



千早「……もう、何言ってるの春香」



千早「私は、今、春香に電話をかけたのよ？」



千早「今、牛乳が欲しいからに決まってるじゃない」



千早「……」

千早「なんで、って？」



千早「………」



千早「ちょっと、恥ずかしくて言いにくいのだけど……」



千早「分かった、分かったわ春香、だから落ち着いて」



千早「…………実はね」

千早「うちの牛乳、切らしてしまったの」



千早「………」



千早「ええ、そうよ？」



千早「……分かったわ春香、だから落ち着いて」



千早「今、何時だと思ってるの？」

千早「プロテインを飲もうと思ったの」



千早「そう、それで牛乳を」



千早「なんでプロテイン、かって？」



千早「…………」



千早「腹筋、したからよ」

千早「なんで、腹筋かって？」



千早「春香、腹筋はね」



千早「歌を歌う上では一番重要な筋肉なのよ」



千早「だから、鍛えるときは重点的に………」



千早「ごめんなさい春香、落ち着いて」

千早「え？　なんで筋トレかって？」



千早「なんでだったかしら……」



千早「……」



千早「…………あ」



千早「私、寝れなかったの」

千早「春香、何度も言うけど落ち着いて、ね？」



千早「…………ええ」



千早「………」



千早「……え？」



千早「寝る方法が、ある………？」

ちーちゃん……

千早「それは、どうやって」



千早「………」



千早「………」



千早「なるほど、よく分かったわ」



千早「ありがとう春香、それじゃ」ｶﾞﾁｬﾝ

千早「もうこんな時間だし、牛乳は明日貰うとしましょう」



千早「………」



千早「それにしても」



千早「春香、以外と物知りなのね……」



千早「羊を数えて寝る、なんて」

千早「きっと、よく寝れるわ」



千早「春香に教わった方法だもの」



千早「………」



千早「ありがとう、春香」



千早「おやすみなさい」

千早「羊が一匹…………」



千早「羊が二匹…………」



千早「羊が三匹…………」



千早「羊が四匹…………」



千早「羊が五匹…………」

千早「羊が六匹…………」



千早「羊が七匹…………」



千早「羊が八匹…………」



千早「羊が九匹…………」



千早「羊が十匹…………」

千早「羊が十一匹…………」



千早「羊が十二匹…………」



千早「羊が………………」



千早「……………………」



千早「…………暇ね」



おわり

以上です。
たまには、ほのぼのもいいよね、うん

おつー　

春香が寝不足になってないことを祈る。

春香が気の毒だな
乙

羊は頭の中で数えるもんなんだよお……

あと英語の話だから意味無いったらありゃしないんだよ

乙