千早「今日は肉じゃがを作って優勝していきます。……優勝?」 (39)


千早「ねぇ、春香、優勝って?」

春香「すっごく幸せってこと! 今の流行りなんだよ!」

千早「へぇ……なるほど……面白いわね。本来自分の中でそうと位置づけるはずの幸福という概念を、あえて、勝ち負け、相対的な成果である優勝という言葉を使うことで――」

春香「ストップストップ千早ちゃんストップ! そんなに難しく考えなくていいから!」

千早「そう? なかなか含蓄のある表現だと思うのだけれど。流行っているということは、作詞家の先生もご存じなのかしら? 次の新曲には是非そういう概念を――」

春香「この動画は! 自炊にも大分手慣れて来た千早ちゃんが、楽しくお料理をする動画です!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1582628514


千早「こほん。改めまして、こんにちは。如月千早です。お料理にも動画にも、まだまだ不慣れな点が多いかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」

春香「カメラ&アシスタントの天海春香です! 可愛い千早ちゃんをバシバシ撮って行きますよー!」

千早「か、かわっ……もう、春香、そういうの止めて……」

春香「千早ちゃんは可愛いなぁ!(えへへ、ごめんなさい)」

千早「もう! 春香!」

春香「わわ、間違った! ごめん、ごめんってばー!」

千早「可愛い禁止!」

春香「え、それは……」

千早「春香……?」

春香「はーい……」


千早「さて。それでは、早速お料理に取り掛かって行きたいと思います。……今更なのだけれど、どうして肉じゃがなのかしら?」

春香「千早ちゃんの作った肉じゃが食べたいです!!」

千早「そ、そう……」

春香「それにほら、私たちにとってもある意味で思い出のお料理というか……ね?」

千早「あの時は本当に……その、春香には迷惑をかけてしまって……」

春香「やめてよー。千早ちゃんと仲良くなるきっかけの一つになった、すっごく大切な思い出なんだから!」

千早「春香……ふふ、そうね。……ありがとう」

春香「千早ちゃんかわい」

千早「……春香?」

春香「な、なんでもないでーす!」


春香「え、えーと。そんな肉じゃがを今日は作ってもらうんだけど、あ、千早ちゃん、ちょっと下の方指差してみて」

千早「指差す? こう?」

春香「もうちょっと上、できれば両手で……うんうん、おっけー! 材料はこんな感じでーす」


  じゃがいも  4個
  人参・玉ねぎ  各1個
  豚肉こまぎれ  300g
  しらたき(糸こんにゃく)  200g
  水  300ml
  醤油・酒・味醂・砂糖  各大さじ3


千早「? こんな感じ?」

春香「後で律子さんにテロップ入れてもらうんだー」

千早「なるほど……口で説明するよりも分かりやすそうね。ありがとう、律子」


  どういたしまして


春香「ちなみに今回のレシピは、いつも千早ちゃんが作ってるやつ?」

千早「いつもという程作っているわけではないのだけれど……量が分かりやすいからいいかなって。ただ……」

春香「ただ……?」

千早「普段一人で食べるには、ちょっと量が多いのよ……」

春香「あー。確かに。これ、結構すごい量になるよね」

千早「でも、半分にしちゃうと、人参と玉ねぎが余っちゃって……。お料理できる日も限られてるから、なるべく一度に使い切りたいの。結果的に、2、3日同じものを食べることになったり、ね」

春香「なるほど。一人暮らしあるあるなのかなぁ? 響ちゃん……は家族の分もあるし、貴音さん……は全部食べちゃうだろうし……、あ、律子さんなら共感してくれそう!」

千早「律子……律子、ねぇ……? ああ見えてプライベートでは結構ズボラな所あるから、ふふ、多分余らせた食材を冷蔵庫で腐らせてると思うわよ」


  うるさい!!


千早「まぁ、今日は春香がいてくれるから。食べきれるんじゃないかしら?」

春香「えへへー。ごちになります!」

千早「ところどころ手伝ってもらうことにはなると思うけれど」

春香「はーい。先生、よろしくお願いします!」

千早「むしろ先生は春香の方……って、これじゃいつまで経っても進まないから……えーと、まずはお湯を沸かします。これはしらたきの下茹で用ね」

春香「はい、先生、どうして下茹でをするんですか?」

千早「こんにゃく特有のくさみを取るためね。友人の春香って子から教えてもらったの」

春香「なるほどなるほど……きっとその春香って子は、明るくて可愛くてお料理も上手で千早ちゃんの大親友なんでしょうねぇ……」

千早「お湯を沸かしている間に野菜の皮を剥いて、切っていきます。ほら、春香、手伝って」

春香「ちょ、スルーは傷つくよぅ、千早ちゃーん……それに手伝うの早くない?」

千早「目の前に丁度いい労働力があるんだもの。使わない手は無いわ」


春香「えーと、それじゃあ、カメラを一度設置して……このくらいかな? うーんと……良し。天海春香、現場入りまーす!」

千早「ふふ、じゃあ今までどこにいたのよ」

春香「はーい。改めまして、こんにちはー。春香さんでーす」

千早「手を洗ったら、そっちのじゃがいもお願いね」

春香「うわ、この人、皮剥くの面倒な方任せてきた!」

千早「じゃがいもと人参は乱切り……一口大……じゃがいもはもう少し大きい方が好みね。適当な形に切って、玉ねぎは、えーと、くし形切りって言うんだっけ?」

春香「うんうん、合ってるよー」

千早「半分に切ったら、真ん中に向かって……実際に見てもらうのが早いわね」

春香「千早ちゃん、ピーラー使う?」

千早「ええ。ありがとう」

らら?お水入れるんだ


千早「春香は……流石ね、包丁でするすると……」

春香「えへへ。慣れですよ、慣れ」

千早「まるで普段のどんくささが嘘のように……」

春香「ちょ、千早ちゃん!?」

千早「ふふ、冗談よ。半分は」

春香「残り半分はっ!?」

千早「皮を剥いた人参は、こんな感じで、回しながらランダムに切っていきます。なるべく同じ大きさになるように」

春香「うぅ……千早ちゃんがバラエティ慣れしてきて、嬉しいやら悲しいやら……」

千早「春香たちのお陰よ、ありがとう」

春香「え、えへへ……うん? あれ、これ褒められてる?」


千早「玉ねぎは……よっ、と。こういう風に、上と下を包丁で落として、そしたら手で皮を剥いて……あ、こういうちょっと皮っぽい色の所は包丁で削っちゃいますね。よっ、と。半分に切ってから……とん、とん、とん。こんな感じで中心に向かって切っていきます」

春香「今の、とん、とん、とん、可愛かった……」

千早「はーるーかー?」

春香「だ、だって可愛かったんだもん!」

千早「もう……で、じゃがいもは剥けたの?」

春香「はい、この通り! 買ったばかりのじゃがいもならそんなに心配もいらないと思うけど……芽っぽい所はこうやって削っておくねー。半分に切って、ほっ、ほっ、人参と同じように乱切りにして、水の中に……」

千早「へぇ……切ったものから水につけていくのね?」

春香「うん。あく抜きと、えーと、他にも何か意味があったような……。律子さん、お願いします!」


  変色を防ぐ、表面から出てくるでんぷん質を流してくっつくのを防ぐ、などの効果があります


千早「ふふ、春香にも知らないことがあるのね」

春香「もちろん! ……というか、知らないことばっかりだよ!」

千早「ちょっと信じられないけれど……きっと、それだけ、お料理は奥が深いということなのでしょうね……」

春香「そうそう。……と、野菜の準備もできたし、この辺で私はカメラに戻るね!」

千早「ええ、ありがとう、春香」

春香「えへへ。どういたしまして! それではみなさん、天海春香でしたー!」


千早「さて。次は、あ、お湯が沸いてるみたいなので、しらたきを下茹でしましょう。袋からざるに開けて……ちょっと長めのようですね……とん、とん。適当に切ったら、お湯の中に入れて……春香ー、何分くらい?」

春香「え、ちょ、ちょっと待って! カメラがまだ……よいしょ……うん、オッケー! えーと、何だっけ? しらたき?」

千早「ええ。どのくらい茹でるものなの?」

春香「3分くらいかなぁ……? あんまりちゃんと気にしたことないかも」

千早「こういう時は」

春香「うん」

千早「律子、よろしくね」
春香「律子さん、お願いします!」


  ……調べてみたのですが、30秒~5分と物によって様々でした。というか、しらたきの入っていた袋に書いてあるでしょう?


千早「いよいよ火を通していきますね。大き目のお鍋に火をつけて、油を入れて……中火くらい? 温まる間に、豚肉も適当な大きさ……これくらいかしら? に切っておきます」

春香「いいよいいよー。千早ちゃん、手慣れてる感じ出てるよー」

千早「茶化さないの。温まったお鍋に切った豚肉を入れて、そのまま――」

春香「待って! 千早ちゃん、一度手を洗っとこ?」

千早「……そうね。生肉を扱った後ですもの。ごめんなさい、少し迂闊だったわ」

春香「そのためのアシスタントですから! なんて、えへへ」


  肉(魚)を触った後には必ず手を洗いましょう。まな板、包丁などもその都度洗浄を欠かさないように!!


春香「そういえば、千早ちゃんは豚肉派なんだねー」

千早「? 肉じゃがは豚肉じゃないの?」

春香「牛肉を使う人も多いみたいだよ? どっちが正解ってわけじゃないんだけど。ちなみにうちも豚肉だなー」

千早「……あ」

春香「……あ(やば、ちょっとマズったかも……)」

千早「…………ふふっ!」

春香「……ち、千早ちゃん?」

千早「そうね。こういうの、家庭の味っていうのかしら。特に意識したことは無かったのだけれど、自然と、『肉じゃがといえば豚肉』になっていたみたい」

春香「え、えへへ、お揃いだね!」

千早「ええ。……家庭の味……そうよね、私にも……ふふっ」


千早「と、お肉に火が通ってきたところで、じゃがいもから入れていきます」

春香「その心は!?」

千早「え? 火が通りにくい順に……と思っていたのだけれど……」

春香「………………正解っ!」

千早「もう! 急に驚かさないでよ!」

春香「あはは、ごめんごめん。……でも、レシピによっては、旨味を出すために玉ねぎから炒めるっていうのもあるんだよ?」

千早「……そうなの?」

春香「うん。お料理って、絶対の間違いはあるんだけど、絶対の正解も難しかったりするから、『どうしてそうするのか』考えながらやるといいのかもね」

千早「なるほど……流石は春香ね……とてもためになる言葉だわ」

春香「そ、そうかな? えへへ……」

千早「早速作詞家の先生に連絡を取って、次の新曲には今の言葉を……」

春香「やめて!!」

千早「ふふ、冗談よ」

春香「うぅ……千早ちゃんがいぢめるぅ……」

メンドクサイフェアリーの人?


千早「人参、玉ねぎと順番に入れていって、ある程度火が通るまで……ねぇ、春香、この場合のある程度ってどのくらいを言うのかしらね?」

春香「うーん……結局、煮ちゃうわけだから、本当に人それぞれだよねぇ……そもそも、炒めないで最初から煮るってレシピもあるみたいだし……」

千早「へぇ……!」

春香「私の場合は、私の場合は、だよ? 表面に火を通して野菜の旨味が外に出ないようにする、っていう考え方だから……大体、じゃがいもの表面が透き通ってくるくらいかな?」

千早「なるほど。さっきの『どうしてそうするのか』に繋がってくるのね」

春香「うん。多分、正解はないから、自分が納得できるやり方でやるのがいいと思う」


千早「さてさて、そうこう話している間に、じゃがいもの表面が透き通って来ましたので、水とお酒、味醂、砂糖を入れていきましょう」

春香「先生! お醤油は一緒に入れないんですか?」

千早「え、と……お醤油が一緒だと、甘さが入りにくい、だったかしら?」

春香「……」

千早「……」

春香「………………正解っ!」

千早「はぁ……もう、だから、急にそういうのやめてよ」

春香「えへへー。撮れ高意識!」


千早「そろそろ沸騰してきたわね。そんなに煮汁は多くないから、鍋を傾けながらあくを取ります……ほ、ほ、よいしょ、と……こんなところかしら?」

春香「あんまり取り過ぎても旨味がなくなるって言うからね」

千早「そうなの?」

春香「うん。だから、集まってきた所を、一気にびゃっって取るのがいいみたい」

千早「へぇ……。これくらいで、どう?」

春香「えーと……うん、いい感じだと思うよ?」

千早「良かった……。それじゃあ、火を弱めて、軽く沸騰が続くくらいで、しらたきを加えましょう。そしたら、アルミホイルをこんな風に整えて、何か所か穴を開けて……鍋の中に、ぽん、と。落とし蓋って言うんだっけ?」

春香「うん、合ってるよー。……あ、先生! ちなみに、どんな効果があるんですか?」

千早「え、また?」

春香「お願いします!」

千早「え……えーと……煮汁が染みやすい……とかだった気が……」

春香「……」

千早「……」

春香「…………」

千早「…………」

春香「………………」

千早「引っ張り過ぎ!!」

春香「ギリギリ正解!」

千早「ギリギリ!?」


春香「もう少し詳しく言うと、『煮汁が全体に行き渡って均一に味が染み込みやすく』なって、あと、『具材が動かないから煮崩れしにくく』なるんだよねー」

千早「……ねぇ、春香」

春香「な、なーに?」

千早「その手に持ってる紙は何かしら?」

春香「台本! 台本です!」


  この撮影に台本はありません


千早「へー、この行き当たりばったりな撮影に、台本なんてあったんだ……?」


  この撮影に台本はありません


春香『のワの』

千早「春香、あなた、その顔すれば誤魔化せると思ってる節があるわよね?」

春香「……うぅ……カンニングしてました……ごめんなさい……」

千早「まぁ、別に、事前に調べてくることは悪いことではないと思うけれど」

春香「じゃあ何で今私いぢめられたのっ!?」

千早「…………だ、だって、春香だけ『凄い』ってなるの…………ずるい」

春香「ぐぅ……っ!(ち、千早ちゃんが可愛すぎて辛い!!)」

>>8
無水肉じゃが、結構難しくないですか? 上手く味が回らなかったり……

>>16
その人です。ありがとうございます。


千早「……春香?」

春香「だ、大丈夫だよ。致命傷で済んだから」

千早「何が!?」

春香「こほん。……落し蓋をして、この状態でどのくらい煮るの?」

千早「え? あ、えーと、15分? 20分くらいかしら? じゃがいもに火が通るまで……」

春香「ほうほう。20分煮たものがここに……」

千早「ありません」

春香「ありませんので、このまま煮ていきましょう!」

千早「タイマーを一応20分にセットして……」

春香「あ、そうだ! あのね、千早ちゃん、そういえばこの前――」


  ※ 早送り中


春香「――で、美希が翼ちゃんに言ったことがすっごく面白くて……あ、タイマー」


  20分間、2人でしゃべり続けていました



千早「さて。アルミホイルを一度取って……おいもさんの様子は……」

春香「おいもさん!? ち、千早ちゃん、か、かわ、かわっ」

千早「……っ! もう! 春香っ!!」

春香「千早ちゃんが可愛すぎて辛い」

千早「うぅ……もう! もうっ!」


  千早さん、顔が真っ赤です


千早「とにかく! じゃがいもも柔らかくなったみたいなのでっ! お醤油を加えます!」

春香「うーん、香りも、色合いも、一気に肉じゃがって感じになってきたねー」

千早「さっきのアルミホイルを戻したら、また10分くらい、煮ていきましょう」

春香「10分煮たものがここに」

千早「あります」

春香「ほえっ!?」

千早「嘘です。このまま煮ていきます」

春香「ほえええっ!?」


千早「春香、うるさい」

春香「だ、だって千早ちゃんがー」

千早「そんなわけで、後は完成まで見守るだけですね。またアラームをかけておいて、と」

春香「待ってる間に余った食材でもう一品、と行きたい所だけど……見事に何も余ってないね……」

千早「そういうレシピですもの」

春香「だねー(ドヤ顔可愛い! アップで撮っとこ!)」


  貴重な千早のドヤ顔シーン


千早「そういうレシピですもの」


  貴重なのでリピートをどうぞ


千早「……あ、ご飯も炊き上がったみたい」

春香「うー! みなさんにもお届けしたい! 肉じゃがの甘いお醤油と、ご飯の炊き上がりの匂い!」

千早「これだけで幸せな気持ちになってくるわね……」

春香「日本に生まれて良かったー!」

千早「ふふ、大袈裟な……でも、気持ちはすごく分かるわ」

春香「あ、でもでも、あずささんとかこのみさん、莉緒さんとかなら、ご飯じゃなくてお酒飲んじゃうのかもね!」

千早「……ええ、その光景は簡単に想像できるかも」


  料理しながら飲んでるんじゃない?(実体験に基づいた勝手な偏見です)


春香「この前なんか、律子さーー」


  ※ 早送り中です


千早「――くふっ、でも桜守さんのそういうのは見てみた……あ、時間ね」

春香「おおっ! それじゃあ、いよいよ!」

千早「……何だか緊張するわ。アルミホイルを取って……」

春香「わあああああ!! 美味しそおおお!!」

千早「うん、いい感じね。……良かった。本当は少し寝かせた方が味が染みるとは聞くのだけれど……」

春香「先生! 我慢できそうにありません!」

千早「ふふ。ということですので、これで完成です」


  肉じゃが完成です!


千早「はい。それでは実食していきます。ここからは春香も一緒です」

春香「どうもー。春香さんでーす」

千早「肉じゃがとご飯。シンプルだけど、もうこれだけでご馳走ね」

春香「しかも千早ちゃんの手作り! 優勝! 優勝です!!」

千早「もう……せめて食べてから言ってよ」

春香「えへへ……それもそっか。じゃあ、早速!」


千早春香「「いただきます!」」


春香「美味しー!!!」

千早「……うん、ちゃんと肉じゃがね」

春香「優勝! これは優勝です!!」

千早「ふふ、大袈裟なんだから……」

春香「そんなことないよ! じゃがいもはほくほくで、人参にはまだ少し食感が残ってていいアクセントだし、あんなにシンプルな調味料なのにこんなに美味しいなんて!」

千早「少し甘めの味付けだから、砂糖の量を減らしてもいいかもね」

春香「そうかなぁ? うちの肉じゃがもこれくらいだけど……」

千早「まぁ、人それぞれかしら。多分、もう少し煮る時間を増やせば、じゃがいもに芯まで味が染みてくると思うのだけれど、私はこのくらいが好みだし。お箸で割って、煮汁に少し浸して……うん、美味しい」

春香「待って待って! カメラ持ってくるから、今のシーン、アップでもう一回お願いします!」

千早「へ? もう一回?」

春香「よいしょ、と。おっけー、お願いします!」

千早「え、えーと、ちょっと大きめのじゃがいもを、こう、お箸で割って、煮汁に少し浸して……はむ」

春香「ちは……かわ……」

千早「も、もう! 春香! こっちをアップにしないでよ!」


春香「――でも千早ちゃん、ほんとにお料理上手になったよねー」

千早「春香のお陰よ。色々教えてくれて……」

春香「ううん。千早ちゃんが頑張ったからだよ。あの、指を絆創膏だらけにしていた千早ちゃんが……うぅ……」

千早「……ありがとう。ふふ、流石に、お醤油とソースを間違えることもなくなったわね」

春香「あはは。懐かしいねー。あれから、もう二年? 早いなぁ……」

千早「あっという間。本当に……」

春香「あっ! ねぇねぇ、そういえば、あれ覚えてる――?」


  手作りの肉じゃがをつつきながら、2人の話は絶えそうにありません
  春香も絶賛の肉じゃが、是非みなさんも作ってみてください



  追記 タッパーに持って帰って来てくれた肉じゃがは、千早の言う通り少し甘めで、何だか優しい味がしました

  ありがとう



  【さつえーごー!】



春香「次回からは、なんとっ、ゲストを招いてお届けしていきます!」

千早「ゲスト? 誰が来てくれるの?」

春香「現在調整中! 投稿時期も含めて、詳しいことは公式ページをご覧ください!」

千早「公式ページ? そんなものまで……」

春香「今律子さんが作ってくれてます!」

千早「律子……ごめんなさいというか、ありがとうというか……」


  また作ったものを持って帰ってくること!


春香「それではみなさん! また次回! 好きな食べ物は肉じゃが、天海春香と!」

千早「えっ!? え……と……好きな食べ物は……お蕎麦? 如月千早でした」

春香「そこは肉じゃがじゃないんかーい!?」

千早「だ、だって、二人一緒だと挨拶の意味が……」

春香「真面目かっ!?」

千早「しょ、しょうがないでしょ! だいたい、何で急に――」


  ご視聴、ありがとうございました


以上です。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
千早、誕生日おめでとう!!!
世界で一番幸せであれ!!!!!



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