女「……」チューチュー 男「」 (9)
女「……」チューチュー
男「……お前さ、何飲んでんの?」
女「え……見てわかんない?」
男「俺が見てるものが正しいならさ」
女「うん」チューチュー
男「輸血パックに見えるんだけど」
女「うん。あたり」
男「いやちょっと待て」
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女「……?」チューチュー
男「可愛く首をかしげるな。色々聞きたいことがある」
女「何……?もうすぐお昼休み終わっちゃうけど……」
男「ああうんそうだな。じゃあいくつか質問するから答えてくれ」
女「いいけど……」
男「まず何で輸血パックなんか飲んでんの?」
女「吸血鬼だから……かな」
男「なるほど、なら仕方ないな」
女「うん……じゃあそろそろ教室戻るね」
男「いや待ってくれ」ガシッ
女「まだ何かあるの……?」
男「ありすぎだよ馬鹿」
女「馬鹿じゃないもん……」
男「いや論点はそこじゃない。もう一つ質問いいか?」
女「私この間の定期テスト数学と科学以外満点だったもん……」
男「化け物かよ」
女「吸血鬼だから、間違ってはない……かも?」
男「そうそれだ。吸血鬼だって?」
女「うん」
男「あの人間の血を吸う?」
女「最近はあんまり人の血を吸っちゃダメだから……」
男「なるほど、だから輸血パックか」
女「そう。わかってくれた?」
男「わかったけどわからんな」
女「むう……何がわからないの?」
男「色々わからんがお前が吸血鬼ってことが1番わからん」
女「えっと……牙、あるよ」アー
男「うわめっちゃ尖ってるしちょっと長い」
女「わかってくれた?」
男「……まだ信じたわけじゃないぞ」
女「むう……強情」
男「いきなり吸血鬼です、って言われて信じるやつがいるか」
女「別にいきなりじゃない……血を飲んでるの見られたし、牙も見せた。ちゃんと証拠もある」
男「いやでもなぁ」
キーンコーンカーンコーン
「「あ」」
男「急ぐか……」
女「あなたが引き留めたせい……」
放課後
男「お」
女「あ」
男「昼休みの続き、いいか?」
女「私、図書委員の仕事があるから」
男「んじゃ俺も行くわ」
女「……そんなに私のことが知りたいの?」
男「5、6限の間ずっと気になってたんだよ。何で日光の下でも平気なんだ?とか」
女「どうでもいいことを気にするのね、あなた」
男「いやよくないだろ」
女「しょうがない……質問には図書室で答えてあげる」
男「おっけ。さっさと行こうぜ」
図書室
男「誰もいないのな」
女「テスト期間は結構いるけど、普段はこんな感じ」
男「初めて来たかもしれんわ、俺」
女「人はもっと本を読むべき……」
男「吸血鬼的には人間の本は面白いのか」
女「そもそも吸血鬼と人の性質はほとんど一緒だから……違うところは吸血鬼は人の血を吸うことと、少し寿命が長いくらい」
男「え、そんだけ?日光とか十字架に弱いとか、ニンニクや流水がダメとか、そういうのは?」
女「それはデマ」
男「そっかぁ……デマだったのかぁ……」
女「他に質問は?」
男「んー……周りには吸血鬼ってことは知られてるのか?」
女「ううん、人として生活したほうがいいって、パパとママが言うから」
男「あーそういう感じか。お父さんとお母さんは両方吸血鬼なのか?」
女「ママは吸血鬼だけど、パパは人」
男「つまりお前は吸血鬼と人間のハーフか」
男「ん?そういや俺にはバレてもよかったのか?」
女「極力バレない方がいいけど、バレちゃったものは仕方ない。けど、できれば周りには内緒にしてほしい」
男「それはいいけど……」
女「まだ何かある?」
男「そうだな……輸血パックとかどこで手に入れたんだ?」
女「家、だけど」
男「家に輸血パックあるとか病院か何かかよ」
女「そうだけど」
男「え、マジ?」
女「パパ、ママと結婚するために頑張って勉強したんだって」
男「輸血パック確保するために医者になったのか……しかも自分の病院を建てるとか凄いな」
女「結構大きい病院だからあなたも知ってると思うけど」
男「近所のでかい病院って言うと○○病院か?」
女「うん、それ」
男「すげえなお前の父さん……愛の力ってやつか」
続けて頂戴
いい雰囲気だ
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