霧切「探偵として地味なのはどうかと思うわ」 最原「はあ……」 (38)

ガチャの話をするとしよう。

出ない水着鯖。イベ礼装も不足。レースの合間にキミに伝えよう。
水着ネロのガチャ結果は爆死の一言であったと。

まあそれはそれとして、その悲しみを糧に小ネタ集を書こう。ガーデンオブアヴァロン!

……ダンガンロンパスレだよ?

霧切「探偵……ディテクティブ……恋はスリルショックサスペンス……」

霧切「いけない。話題が脱線しそうになったわ。つまりこういうことよ」

霧切「あなた地味すぎるわ」

最原「えっと……そりゃ霧切さんと比べたら僕は普通の探偵助手だし……」

最原(この希望ヶ峰学園に入学してから約二か月が過ぎたころ、仲良くなった霧切さんにふとそんなことを言われた)

最原(大分トンチンカンなことを口走っているがずっと無表情だ)

霧切「一応言っておくと……見た目どうこうのことを言っているわけではないの」

霧切「もっとこう……ほら、あるでしょう?」

霧切「探偵補正的なものが。ね?」

最原(ね? と言われましても)

霧切「そう、あの見た目は子供、頭脳は大人な名探偵のような……」

霧切「事件を解く才能はあっても、事件に衝突する才能が致命的に欠けていると思うの」

最原「はあ」

霧切「というわけで、ちょっと待っていてね。あなたにプレゼントしたいものを持ってきたの」ゴソゴソ

最原「ええっと……」

霧切「とある美術商から手に入れた呪いゲフンゲフン、曰く付きゲッフンゲッフン」

霧切「えーっと、とにかく何らかの凄いパワーを秘めた謎色の香水よ」

霧切「これをかけると一週間前後不幸なことが目白押しになるらしいわ」

最原「あの……」

霧切「ぶしゅっとな」ブシュッ

最原「目に沁みる」イテェ

霧切「ということであなたは死神の足音が聞ける私と同じステージにやっと立てたのよ。お礼はいいわ」フッ

霧切「そうね。香水の効力が消える一週間の間は夜あたりに会ってどんな事件に遭遇してどう解決したかを報告しあうっていうのはどう?」

最原(いつにも増して人の話聞かないな)ズーン

霧切「勝負よ最原くん! 私とあなた……どちらが優れた探偵なのかを! 白黒ハッキリ付けましょう!」ズギャァァン!

最原(こんな香水程度で何が変わるわけないと思うんだけどなぁ……)

三時間後

テレビ『ご覧ください! ついに悪の秘密結社DICEによる大規模な北海道ジャックが行われています!』

王馬小吉『お前の北海道は俺のもの! 俺の北海道は俺のもの! 蟹食い放題で鮭食べ放題!』

王馬『あーっはっはっは! まっじい! 蟹の盃で飲むプァンタ相当にまっじい! ゲロ吐きそう!』オゲロロロ

テレビ『今や北海道全土はDICE有する謎の戦闘用ドローンが占拠! もうやりたい放題です!』

テレビ『北海道解放の条件としてDICE総統である王馬小吉は、クラスメートである赤松楓の恥ずかしい自撮り画像を要求しており……』

最原「どこからどうツッコミを入れればいいのかわからない!」ガビーンッ!


prrrr


最原「あ。茶柱さんだ。珍しいな、あっちからかけてくるなんて」ピッ

最原「もしもし? 茶柱さん? どうかしたの?」

茶柱『最原さん、助けてください!』

茶柱『赤松さんが転子と濃厚なレズセックスをしたいと迫ってきてるんですッ!』

最原「」

赤松『お願い、わかって茶柱さん! 北海道を救うにはもうこれしか……! これしかなくって!』ウインウイン

茶柱『きゃあああああ! いやあああああ! その手に持っているモザイク必須の何かを下ろしてーーー!』

茶柱『あ、ああ! いや! 初めてがこんな凌辱系エロゲみたいなのなんてイヤあああああ!』

最原「すぐ助けに行くからあと少しだけ耐えてーーー!」ガビーンッ!

ちょっと時間経過。体育館裏

赤松「もう少し……もう少しだったのに! ごめん、北海道! 私……何もできなかった」エグエグ

茶柱「……」ガタガタ

最原(な、なんとか間に合った……! 危なかった……あと少しで茶柱さんが全人類を大嫌いになるところだった)

赤松「もうこうなったら相手が誰でもいいや! なんかそれっぽい趣味してそうだから茶柱さん選んだだけだもん!」

茶柱「男死が嫌いなだけであって女子に劣情を催したりはしてませんが!?」ガビーンッ!

赤松「誰か……誰かいないか……!」キョロキョロ

赤松「あ! 最原くんいた! 最原くん、ちょっと撮影に付き合ってほしいんだけど!」

最原「流石に青姦はちょっと……ハメ撮りも趣味じゃないし……」アタフタ

茶柱「弱ったなぁみたいな顔して語るに落ちてるんですけど」

カベドンッ

赤松「リラックスして……すぐに終わるから……」

最原「あ、赤松さん……!」ドキドキ

赤松「あ。茶柱さんはこのビデオカメラ持ってて。後で王馬くんに送るから」

茶柱「こんなこと言いたくはないんですが、女性を本気でぶん殴りたいと思ったのは初めてです」



その後、王馬くんが鮭に当たり、ドローンの操作に異常が発生。
その隙を付いて入間さん作成の超巨大ロボに乗った百田くんが奇襲。

銀河に風穴を開ける空色デイズな激闘の末、北海道は解放されました。めでたしめでたし。

最原くんと赤松さんは茶柱さんに殴り倒されて何もできませんでした。

次の日

霧切「……まさか最初からこんな大事件を引き当てるなんて……」

霧切「負けてられないわね。こっちも頑張らなくっちゃ」フフ

最原「ふふ、じゃないんだけど。本当に大迷惑なんだけど……」

最原「この香水の効果っていつくらいに切れるんだっけ?」

霧切「一週間。つまりあと六日程度」

最原「また帽子被りたくなってきた」

霧切「まあ、最初はあんなのだったけど、流石にもうあれだけ大きな事件は起こらないでしょう」

霧切「気楽に行くといいわ」

最原(そうなるといいんだけどなぁ。凄いイヤな予感する)

もう帽子被っていいよwwww

一時間後

入間「ダサイ原ァ! 助けてぇ! 全人類を俺様レベルの知能にするビーム兵器が暴発しちゃったよぉ!」

入間「なんかみんな漏れなく酷い下ネタ口走りはじめて……お、俺様……」カァァ

東条「最原くん。この陥没乳首処女の手伝いをしてくれないかしら」

東条「暴発のショックで本当に全員入間さんレベルの下ネタを口調の節々に混ぜているわ」

東条「私は下の口も併せて辛うじてまともだけど! 貞操帯のような鋼じみた精神力の賜物ね!」キリッ

入間「うええええん……全然まともじゃねぇよお……!」エグエグ

最原「安息はないのか」ズーン

東条「さあ。行きましょう。ひとまず被害状況を具体的に割り出すところから」

東条「最原くんはそこの陥没乳首が二度と暴走しないように手綱」

東条「いえ、バイブのリモコンをしっかり握っておいてね!」キリッ

最原「これなら全人類がのび太くんレベルな世界の方が百倍マシだーーーッ!」ガビーンッ


SAN値をゴリゴリ削りながらも最原くんと入間さんと東条さんのトリオは活躍。
その後、北海道旅行をしていた百田くんも帰還、そして加入。

下ネタという副作用と引き換えに、知識だけで根源へと到達しそうになっていた希望ヶ峰学園の全生徒に対し
百田くんの脳波を複写した『バカビーム』をぶち込むことによって入間の『俺様ビーム』を相殺。

百田くんによってギリギリのところで世界は救われた。

ああ、素晴らしきかなバカ!

その日の夜

霧切「助かったわ……苗木くんに下ネタ交えて話しかけたとき『あ、もう死ぬしかないな』と思ったもの」

霧切「すんでのところで中和ビームが間に合って本当によかった……」

霧切「苗木くんもバカビームを受けて記憶が吹っ飛んだみたいだし」

最原「おかしいなぁ。百田くんあれで結構勉強できるんだけど……」

霧切「……ところで最原くんは好きな女の子に下ネタで話しかけられたらどう思う?」

最原「うーん……今回はケースがケースだからなぁ……」

最原「忘れてって言えば忘れたフリくらいはする、としか……」

霧切「忘れないの?」

最原「忘れられないだろうね……」

霧切「苗木くんを殺すのと、自殺するのとではどっちが手軽かしら……」

最原「霧切さん?」

次の日

最原(今日で三日目か……流石にもうアレだよね。一昨日と昨日みたいなことは起こらないはずだよね?)

最原(仮に起こるとしても、こうやって寮で着替えをしているときに何か起こったりはしないでしょ)

最原(えーっと今日の天気はどうなってるかなー)

テレビ『緊急速報です。冬木市にて起こっていた連続殺人事件の容疑者、夜長アンジーが脱走しました』

最原「ブーッ!?」ガビーンッ

テレビ『夜長アンジー容疑者は繰り返し無実を主張しており、留置所内でも拘束は不当だと主張していた模様です』

テレビ『なお、脱走の際に共犯者が目撃されており、クハハという笑い声を聞いた者も――』

最原「嘘でしょアンジーさん! こんなことになってたの!?」


ガシャパリーンッ!


アンジー「やっはー終一ー! ちょっとかくまってー!」

最原「当然のように窓を破壊して来たーーーッ!」ガビーンッ!

なんか復讐しそうな人「クハハハハハハ!」

最原「誰!?」ガビビーンッ!

なんか復讐しそうな人「俺を、呼んだな!」ギンッ

最原「呼んでませんが!?」

数分後

最原(ひとまず遅刻覚悟でアンジーさんから事情を聞いた)

最原(やはりというべきか、アンジーさんは無実の罪で拘束されていたようだ)

最原(現実的に考えてアンジーさんにしか犯行が可能だった人間が存在せず、しかも現場にアンジーさんの指紋が残されていたことが拘束の理由らしい)

最原(やっとのこと探偵っぽい事件が巡ってきた、けど……)

なんか復讐しそうな人「クハハハハ」

最原「事情はおおよそ把握できたと思う」

なんか復讐しそうな人「クハハハハハハ!」

最原「アンジーさんのことも全力でバックアップしたいと思う!」

なんか復讐しそうな人「コーヒーを淹れたぞ」

最原「あ、どうも」

最原「……あ、いい匂い」

アンジー「でしょー? このコーヒー病みつきになるんだよねー!」

なんか復讐しそうな人「クハハ」ニッコリ

最原「うん。ごめん。その上で聞かせてくれるかな」

最原「この人、誰!?」ガビーンッ!

アンジー「……」プイッ

なんか復讐しそうな人「……」プイッ

最原「急に静かになるのやめてくれないかな!?」


その後、冬木市に向かおうとするところでバッタリ出会った百田くんにも事情を話し
なんやかんやで冬木に巣食う連続殺人事件の犯人を追い詰め
その裏に存在した巨大な陰謀と黒い怨念を叩き潰し

百田くんが聖杯を素手で叩き壊して事件は終結した。

謎の人物はアンジーさんの保護者として残留した。



なんか復讐しそうな人「クハハ!」

その日の夜

霧切「学校をズル休みしていたと思ったらそんなことを……」

最原(あの聖杯って素手とかじゃ叩き壊せないはずだったんだけど……)

最原(いや、こんなことを霧切さんに相談しても無駄だな)

霧切「ところでさっき夜長さんのお父さんに会ったのだけど」

最原「えっ」

霧切「色々助けてくれたお礼だクハハ、とか言ってとらやの羊羹を片っ端からアンジーさんの同級生に配ってたみたいよ?」

最原(お金どこから持ってきたんだろう?)ズーン

霧切「後で貰いに行ったらどうかしら」

最原「いや、いいよ……」

あ、休憩します!

言い忘れてたんだけどネタバレ注意。
あと育成計画時空のような何かのような!

R版にしたのはアレよ。保険。エロいハプニングの一つくらいあるかなーって……

次の日

最原(四日目。特に何の問題もなく教室に辿り着けた)

最原(下ネタを口走ったりしてないし、誰かが無実の罪で捕まったりしてないし王馬くんもいるし)

最原(頼むからもうこれ以上ヘンテコな事件起こらないでくれ)

白銀「に、憎い……平然とした顔で『あ、自分十連で星5引きました』とかSNSでほざいてくるサイコパスソシャゲ野郎が憎い!」

白銀「滅ぼすしかない!」

真宮寺「実行犯役は僕に任せてほしいネ。意外と姉さんの友達になってくれるかもだし」

白銀「人間が憎い。人間滅ぼそう」キラキラキラ

真宮寺「喝采を! 彼女の憎悪に喝采を!」キラキラキラ

最原(急激に事件の気配が濃厚になってきた!)ガビーンッ!

一時間後

江ノ島「ぐあああああああ! 熱い! 超熱い!」ボォォォ!

白銀「罪人ナンバー001、江ノ島盾子。あなたはSNSで私に対して『単発で星5余裕だわ』などと禁断の呪文を唱えました」

白銀「あまつさえ『星1の銅枠なんて一切育ててないわ』などとカスみたいな戯言を呟く始末」

白銀「あとこれは関係ないのですが、松田くんとのツーショット写真を定期的にアップしてくるの許すまじ」

白銀「何『はあ……好き』とか呟いてるんですかぁ! あなたそんなスイーツなキャラじゃなかったでしょう!?」

真宮寺「うーん、江ノ島さんはちょっとなー。不適格」

真宮寺「このまんま火あぶりでいいと思うヨ」グッ

江ノ島「燃えるーーー! 足元から燃えてきちゃう!」ボォォ

江ノ島「お願い! 私の灰はトイレあたりに流して捨てて!」

江ノ島「あと葬式では鬼灯の冷徹のオープニング流して!」

最原「葬式でアレを!?」ガビーンッ!



その後、白銀さんと真宮寺くんのコンビは江ノ島さん以外にも多数の同級生をデストロイ。
手口も段々とエスカレート。

流石に見るに見かねた百田くんがコンビニでiTuneカードを大量に買って白銀さんに与えることによって事件は収束を迎えた。

結果? 無記名霊基の無の字もねぇレベルの爆死だよ!


真宮寺「友達増えなかったなァ」

最原「いい加減サイコキラーやめない?」

その日の夜

霧切「最原くん。最原くん、見て」

霧切「超高校級の王女のソニアさんがコミケに参加してたらしいわよ」

霧切「しかもそのときの対応が全部レベルが高かったみたいで第二の叶姉妹と呼ばれているみたい」

霧切「来年は一緒に行ってみない?」

最原「早速僕の呪いに関して飽きてきてるよね!?」

霧切「ん? 呪いって?」

最原「最悪だ! 実行犯のくせして真っ先に忘れちゃってるよ!」

霧切「冗談よ。流石に忘れたりしてないわ……」

霧切「ええっと……林原くん?」

最原「僕の名前すらうろ覚えになってるよ!?」ガビーンッ!

霧切「今日で四日目。あと三日程度頑張ってね」

次の日

最原(五日目。特に何もないまま昼休みになった)

最原(ああ、安息の時間がこんなに長いのは初めてだなぁ)

最原(このまま何事もないまま終われば一番だけど)

花村「みんな大変だーーー! 今すぐ料理を食べるのをやめるんだー!」

最原「え? 花村くん?」

最原(今からカレーを食べようと思ってたんだけど……)

獄原「ゴン太の研究教室から逃げた猛毒鱗粉を持つ蝶がここに迷い込んじゃって……!」

獄原「その鱗粉が料理に混入しちゃったみたいなんだ!」

獄原「死にはしないけど経口摂取すると変な幻覚が見えるよ!」

赤松「へえ。そうなんだ。ところであそこにイモトアヤコさんがいるんだけど」

赤松「イッテQのロケかな?」

最原「手遅れだーーーッ!」ガビーンッ

赤松「へえー。そうなんですか。希望ヶ峰学園の大パイズリ祭りを取材に……」ユンユン

赤松「あれ? それって宮川さんの領分じゃ?」ユンユン

最原「帰ってきてーーー! お願い、幻覚の果てから帰ってQしてーーー!」

赤松「ああ。最原くんだー。ちょうどよかったー。なんかね、ロケでね、祭りを見たいらしくってね」

赤松「ふんっ」ガシャーンッ!

花村「ああっ! 僕の料理がテーブルから叩き落されたーーー!」ガビーンッ!

花村「異物混入したとは言えこれはちょっと心に痛すぎる!」

赤松「客人をもてなすテーブルの上は好きでしょ?」ガッ

最原「えっ。何急に大統領みたいなこと言ってるの?」

赤松「きっと今! 肉体が新しい生命を求めているからだ!」

最原「なんか余計に大統領じみた台詞言ってるよ!」

最原「ちょっ……いくら何でもこんな形ではダメでしょ! 花村くん! ゴン太くん! 助けて!」

花村「愛の形は人それぞれだと思うよ」キラッ

獄原「ゴン太は急いで猛毒の中和剤を持ってくるよ!」ギュンッ

最原「直近の危機をどうにかしてほしいんだけどなぁ!」ガビーンッ

赤松「さあ! 最原くん! こっちの準備は万端だよ!」ヌギヌギ

最原「いやいやいや! こんな大勢の人が見ている場所でなんてとても……」

辺古山「アイムスパークリングジャスティス!」シャキーンッ!

九頭竜「てめぇ英語版ダンガンロンパをプレイしたな!?」

狛枝「はあ……はあ……希望が! 希望が輝いて……いや違うな。希望はもっとこう、バーって動くもんな」ガクガク

赤松「花村くん以外誰も見てないけど?」

最原「本当だ! みんなラリってる!」ガビーンッ!



その後、ラリった生徒たちの内の何人かが食堂から大脱走。
ゴン太くんから中和剤を分けてもらった百田くんも動き、ギリギリのところで大事に至らずに済んだ。


赤松さんは取り返しのつかないプレイをする前に正気に戻ることができた。めでたしめでたし。

その日の夜

霧切「……」

霧切「苗木くんに薬をもったら私も襲ってもらえるかしら」

最原「不穏なこと言うのやめよう?」

霧切「半分くらい冗談よ。流石に獄原くんも花村くんも今回の件はトラウマになったみたいだし」

最原「そういう配慮できてるのに半分は本気なのか……」

霧切「ところで最原くん。前から聞きたかったのだけど」

最原「何?」

霧切「あなたはいつから水を被ると女性になってしまうようになったのかしら?」

最原「中和剤貰ってくるね!」ダッ

休憩!

百田くんが全体的に尻拭いしてて草生える

百田の活躍ぶりが笑える

最原(六日目。深夜。というよりかなりの早朝)

最原(僕は何かの駆動音で目が覚めた)

最原(なんだろう……このウィーン、ガシャンって音。かなりの数が聞こえるけど……)

キーボs「人類滅ぼす。人類滅ぼす」ウィーンガシャン

最原「寮の外にキーボくんが大量にいるーーー!」ガビーンッ!

ドンドンドンッ

キーボ「最原クン! 最原クン! 大変です! 飯田橋博士が失恋のショックでボクを大量生産し始めたんです!」

キーボ「自分よりイケメンな人間を滅ぼせば世界一のモテ男になれるとか言って!」

最原(飯田橋さん大分卑近的すぎるな!)ガビーンッ

キーボ「その中でも最も機能が優秀な個体が飯田橋博士を拘束し、スペースコロニーを乗っ取って……!」

キーボ「あと十八時間以内に止めないとスペースコロニーに搭載された対メテオ兵器が地球に向かって発射されてしまいます!」

最原「なんか段々話がSFじみてきたな! いやキーボくんの存在がそもそもSFか……!」

ガシャパリーンッ!


天海「話は聞かせてもらったっすよ! やはり宇宙っすか。俺も同行するっす」

最原「当たりまえみたいに窓をぶち破って来ないでくれるかな!?」ガビーンッ!

キーボ「うひゃああああ! 量産キーボsがこっちに来るーーー! 開けて! 最原クン、ここを開けてくださいー!」

天海「最原くん! ひとまずこの寮を脱出っす! 後で百田くんにも合流するっすよ!」

天海「スペースコロニー……そこに妹がいるかもしれない!」ギンッ

最原「いないと思うけど」

天海「キーボくんを助けつつ量産キーボsの包囲網を突破っす! 行ィィィくぞォォォ!」

天海「うおおおおおおおおお!」

最原「まずい! 段々とノリについていけなくなってきた……!」



その後、天海くんの家の財力を総動員し、最原くん、天海くん、キーボくん、百田くんの四人はスペースコロニーへと突入。
キーボ誕生に隠された真相。飯田橋博士の悲しい過去。スペースコロニーに込められた邪念の数々などと対面。

残酷な真実を受け入れ覚醒したキーボくんは、学友である三人を伴ってスペースコロニーのコントロールをギリギリのところで奪い返すのであった。

しかしその際、キーボくんは自らの身を犠牲にし、百田くんの代わりに大気圏へと突入。

戻らない物が多いまま事件は幕を閉じたのであった。


キーボ「いや死んでませんが!」

天海「あ。生きてた」

その日の夜

霧切「あら。地球を救った英雄さんが何故こんなところに。アメリカでパレードをするって聞いたけど」

最原「手柄は全部百田くんに譲ったから……っていうか実際彼とキーボくんの手柄だし」

霧切「無欲なのね」

最原「いやまあ天海くんも似たようなスタンスだから、別に僕がどうこうってわけじゃないんだけど」

霧切「……でももうこれ以上の事件はないでしょうね。なんせ地球を救ったんですもの」

最原「あの、ごめん……今日は一日ずっと走りどおしだったから眠くって……」

霧切「あら。ごめんなさい。引き留めてしまったわね」

霧切「今日はゆっくり休むといいわ」

霧切「……」

霧切「宇宙食とか食べたの?」

最原「言ったそばから好奇心抑えきれてないね……」

最原(さて……今日はもう疲れた。本当に疲れた……よく考えたら無重力空間にいたんだもんな)

最原(早く寝よう……)

最原「……明日で……終わり……」スヤァ



五時間後


??「……はら……最原……起きて……」


ユッサユッサガクガク


最原「ん……んん……誰……?」

最原「……」

最原「いや誰でもダメだよ。ここ僕の部屋だよ!?」ガバァ!

春川「最原!」

最原「えっ。春川さん?」

春川「どうしよう! どうしよう、最原! 大変なことになっちゃった!」

最原「珍しいね。そんなに春川さんがテンパるなんて。どうしたの?」

最原(春川さんが僕の部屋に不法侵入したことに関してはもうどうでもいい)

春川「百田が世界救いすぎたせいで、なんか変なヤツから恨み買ったみたいで……」

最原「んっ?」

春川「パレード中に百田の頭をふっ飛ばせって依頼が……!」ガタガタ

最原「んんーーー!?」ガビーンッ!

休憩!

最原(まだ太陽も出ていない時間だった。あまり寝た気がしないな……)

春川「どうしよう最原……! 私……私……!」

最原「どうしようも何も……」

最原(今までの事件は大体百田くんが解決してたけど、その百田くんが事件に巻き込まれてるわけだしなぁ)

最原「……」

最原「春川さんに暗殺を斡旋してる組織は解体できない、って話だったよね?」

春川「うん。それは無理」

最原「ならもう、確率は低いけど、方法はたった一つに限定されるかな」

春川「どんなことでもやるよ。百田は絶対に殺さない。殺せないから」

最原「ひとまず巻き込める人間を全員巻き込んでみよう」

最原「その依頼主に何か問題があることを証明する。それしか方法はないと思う」

最原「依頼主に問題があれば、そもそも暗殺依頼は撤回せざるを得ないからね」

春川「わかった。頑張る」

最原「一応額面上は勝負ってことになってたけど、この際霧切さんも巻き込むか……」ポチポチ

ピコン!

霧切「ん……こんな時間に最原くんから連絡……?」

霧切「なるほど。百田くんが……これは大変ね。ひとまずこっちでも頼れそうな伝手を当たってみましょうか」



十神「む? 霧切から連絡だと? ふむ、百田が……」

十神「どうでもいいが、何かの役に立つかもしれん。あいつに連絡を入れて面倒ごとを押し付けるか」



豚神「ん? 十神くんから……えっ! 百田くんがそんなことに!」

豚神「確かアメリカには今田中くんがいたよね! 連絡して守ってもらわないと!」



田中「む。十神から連絡……何ィ! 百田が『ヤツら』に狙われているだとぅ!?」

田中「下等な人類のことなどどうでもよいが……忠告くらいはしておくか」




最終的に百田くんに連絡が行き、日本時間で朝日が昇る前に自力で事件は解決された。

その際、まったく関係のないテロリストグループが用意した『汚い爆弾』を止めたり、ペンタゴンにハッキングをしかけた王馬くんをぶん殴ったりしたりしたので、百田くんのパレードは余計に豪華なものとなった。

その際、心配して渡米した春川さんを隣に伴っていたせいで全米に色々と噂を立てられることになったが、まあこれはどうでもいい話だろう。

その日の夜

霧切「春川さんってあんな笑顔できる人だったのね。不愛想だと勝手に思ってたわ」

最原(食堂でパレードの生中継を見ながら霧切さんはそう呟いた)

最原「自他共に認めるほど不愛想だよ……ただ百田くんの隣にいるときは改善されるだけで」

霧切「……それはそれとして、私のことを利用した?」

最原「えっ」

霧切「ドミノ倒しの最初のコマにされてしまったというわけね。やられたわ」

最原「それは違うぞ!? 今回のアレは本当に偶然で……!」

霧切「結局、この一週間での勝負は私の敗北と言う他ないでしょうね」フゥ

霧切「ちょっと自分で自分に賭けをしていたのだけど……」

最原「賭け?」

霧切「この勝負に勝ったら苗木くんに告白しようかなって……」

最原「大分重要な賭けしてた!」ガビーンッ!

霧切「私もこの一週間は何もしていなかったわけじゃないのよ」

霧切「ほら、あそこにある段ボール箱を見て」

最原「凄い量の書類が入ってるけど……」

霧切「私が電話口で解決したコールドケース六千件よ」

最原「そっちはそっちで凄すぎない!?」

霧切「流石に世界を救った英雄の前には霞むわ」

霧切「あとはそうね。日帰りで温泉旅館に行って、苗木くんと一緒に事件を解決したりもしたのだけど」

霧切「小さい温泉があるだけで随分と古い旅館で、他に誰もいなかったから苗木くんと混浴したりもしたんだけど」

霧切「それ以外は特に進展も何も無かったわね。勝負と恋の両方で」

最原「さらっと流したけど霧切さんって恋に対して押せ押せスタンスなんだね……」

最原「……」

最原「霧切さん。実際さ、僕が解決した事件なんてほとんどないよ」

最原「全部百田くんの手柄だ」

霧切「……」

最原「だから霧切さんの勝ちでいいんじゃないかな」

霧切「私は……」

最原「ぶっちゃけ混浴を許すんならもう告白もOKでしょ……」

霧切「そうかしら?」

最原「そうだよ」

霧切「……まだキスまでしか行ってないのだけど……」

最原「いやもう充分だよ。逆に告白してないのが不思議なレベルだよ」

霧切「……フッ。完敗、ね。まさか私の恋という事件まで解決するなんて……」

最原「上手いこと言って誤魔化すのやめようよ。あんまり上手く言えてないし……」

霧切「で、でもそうね。私が勝ったというのなら、もう憂いはないわね」

霧切「……今から苗木くんに連絡するわ」ポチポチ

最原「もう夜なんだけど」

霧切「シカト決め込むつもりならこっちから押し掛けるから大丈夫よ」

最原(押せ押せすぎる……)

霧切「あ。後で近くの公園で待ち合わせ、って」

霧切「……段々と緊張してきたわ。化粧とかする必要あるかしら」オロオロ

霧切「あ。香水があったわね。何もないよりはマシでしょう」プシュッ

最原(あっ)

霧切「じゃあ私はこれで。この一週間、楽しかったわよ。最原くん」

霧切「……ありがとう」スタスタスタ

最原「……」




最原「あれ確か呪いの香水じゃ……」

最原「……」

最原「今度は僕が助けないとなぁ……」



その後、霧切さんは苗木くんに対して告白しようとしたが、呪いと霧切さんの探偵体質の相乗作用によって未遂に終わる。
人類史上最大最悪の絶望的事件が起こりそうになったり、モノクマが大量発生しそうになったり、これまでの比ではない惨劇が大量発生した。

だが百田くんの繰り出す超巨大ロボと希望ヶ峰学園の生徒が全員合体し、銀河に風穴を開けたことで大体全部どうにかなった。

この学園で起こった出来事は、最原くんにとってすべて掛け替えのない宝物だ。

学園から卒業した一年後、最原くんの探偵事務所の元に、百田くんと春川さんの結婚式の招待状が届くことになるが、今の彼はそのことをまだ知らない。


色々とめでたしめでたし。

完結です!

レースの合間合間にほのぼのした日常系の話を書いて癒されようと思いました!

ほのぼのしました!

今回は……胃痛要素! なしでした!


余力があれば霧切さんサイド書こうと思ったけど、余力がないのでHTML依頼出してきます。お疲れ様でした

面白かった

貴方か。あぶねえ。R板とは思わず見落としかけてた。予言通り食いつきました。お疲れ様です

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