男「神様の居る世界」(10)
友「お疲れー、遅れてごめん」
男「1分そこらだろ、謝ることないって」
友「いや、ほら一応」
男「ああ、ははは。まあな」
友「飯どこいく?」
男「んー、蕎麦?」
友「肉だろ肉」
男「なら聞くなって。よし、焼肉行くか」
友「おっしゃ。おすすめの店あるから行こう」スタスタ
男「んー……ないね、店。粉々だ」
友「ああ、なんかやったんだな」
男「教典にあったっけ、焼肉のルール」
友「焼肉売るべからず的な?」
男「そうそう、肉焼いたら雷落とす的な」
友「ないない。脱税かなんかしたんだろ」
男「あちゃー、新しいルール発見したと思ったのに」
友「ははは、焼肉で天罰下るなら俺1000回は地獄落ちてるわ」
男「1000回も焼肉するって凄いな」
友「普通に生きてたらその位いくって」
男「あ、そうか……そうか?」
友「つーか飯どうするよ」
男「蕎麦」
友「もう一件美味い店知ってるんだけどなぁ」
男「わかったわかった。早くいこうぜ」
友「ここのカルビやっぱ美味いなぁ」モグモグ
男「タレが良いな。ご飯に合う」モグモグ
友「あ、そういえば3組に居たヤンキー覚えてる?」
男「いつの3組だよ」
友「高1」
男「ああ、あのヤンキーか」
友「昨日天罰食らったって。雷直撃でこんがり」
男「うえー。今する話かー?」
友「ごめんごめん」
男「どのルール破ったの?」
友「暴力だって」
男「今時そんなことする奴居るんだなぁ」
友「結構居るって。お前ニュースとか見ないの?」
男「全然」
友「暴力なんて週1で誰かやってるぞ。ほら、一昨日もフィリピンで1件あったらしいし」
男「ふーん。阿呆が多いんだなぁ」
友「でも一番多いのはあれだな、嘘をつく」
男「それ位は知ってるぞ」
ピカッ! ズドーン!
男「あ、また落ちた。今の結構近いんじゃないか?」
友「近い近い。駅の方じゃない?」
男「食った食った。歩き難いわ」
友「お前結局俺より食ってたもんなぁ」
男「あ、ここの交番跡地コンビニになったんだ」
友「そうそう、仕事帰りいつも寄ってる」
男「なに、なんかご利益あんの?」
友「流石に天罰落ちたからってご利益ある土地にはならないだろ」
男「えーなんかありそうじゃん。ご利益付きの土地売ります、みたいな商売出来そう」
友「ははは、やったら天罰落ちそうだな」
男「新ルール追加だな、ご利益付きの土地売るべからず」
男「お邪魔しまーす」
友「遠慮しないでくつろいでくれ」
男「マスター、ビールジョッキで」
友「セルフで」
男「はいはい。――プハァ、美味いな」
友「おいおいー乾杯無しかよ」
男「焼肉の時しただろー」
友「それはそれだ。――ふぅ、やっぱ家で飲むのが一番落ち着くなぁ」
男「あれ、そういえばお前んちまだ鍵つけてんだ」
友「大家がリフォーム代渋ってんだよ。まあもう直ぐ変えてくれるだろ」
男「なにが理由で雷落ちるか分かんないからなぁ。良い時代になったわ」
友「だなー」
テレビ『次のニュースです。バチカン跡地問題に進展、一次管理をしていたイタリア政府が正式な権――』
友「ああ、結局イタリアになるんだ」
男「だなー」
友「喧嘩になりそうじゃね? 国連が黙ってないだろ」ゴクゴク
男「ならないならない。天罰落ちてないってことは、ほんとにイタリアのものってことなんだろ」
友「つーか一国壊滅って流石に笑えるよな。全員嘘ついてたのかよって」
男「いや、動物と植物だけ無事だったらしい。あと虫も」
友「不思議だよなー。どうやってるんだろ」
男「それこそ、神のみぞ知る」
友「ははは。その通りだ」
男「うちの隣も教会だったから大変だったんだぞ」
友「え、巻き込まれたの?」
男「まさか。ほら、審判の日って夜だったじゃん。隣であんだけ光るもんだから寝れなかったんだよ」
友「なるほどなぁ。あ、もう一杯飲む?」
男「うん。もう缶のままでいいや」
友「あいよー」ゴソゴソ
殺伐としてるんだか、なごめるんだかw
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