サーバル「うわぁー!今日も星がきれいだね!」
かばん「そうだねサーバルちゃん」
サーバル「みてみて、あそこ!星が川みたいになってるよ!」
博士「あれは天の川というのです」
サーバル「あっ博士!」
助手「天の川といえばそろそろ“アレ”の季節なのです」
博士「七夕ですね、助手」
かばん「たなばた?」
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博士「七夕というのはかつてヒトが行っていたとされる行事の一つで発祥は諸説ありますがちゅうごくちほーからにほんちほーに伝わったとされるのが一般的だそうです」
助手「かつてちゅうごくちほーには織姫と彦星というヒトが存在していました。働き者の彦星でしたが織姫とつがいになった事によりいつしかだらけるようになりそれを見かねた偉いヒトが云々かんぬん…」
かばん・サーバル「???」
博士「…要するに皆でお願い事を書いた短冊を笹に吊るし、年に一度の織姫と彦星の再会を祝うおまつりのことなのです」
サーバル「おまつり…」
かばん「へぇ~ヒトってそんな事もしてたんですね」
博士「興味を持ったのですか?」
かばん「少しだけ…」
サーバル「じゃあさ、それわたしたちでもやってみようよ!」
かばん「サーバルちゃん?」
サーバル「だってみんなでおねがいごとして星を見ながら遊ぶんでしょ!?わたしそのおまつりっていうのやってみたーい!」
助手「…どうしますか博士?」
博士「無理なのです。大体お前は文字が書けないではないですか」
かばん「あの…それってボクが代わりに書いちゃ駄目なんでしょうか…?」
博士「…まぁ別に代筆するのがいけないという決まりは無かったと思いますが」
助手「博士…かばんがやる気なのです」
博士「まったく…ヒトの事になるとすぐこれなのです。…分かりましたやりましょう」
かばん「ほんとですか!?ありがとうございます!」
サーバル「わーい!おまつりだー!」
博士「まぁ確かにこれを機に我々もヒトの文化に触れてみるのも面白いかもしれませんね」
助手「しかし博士。現実的に考えて今から全てのフレンズに文字を教えるのは不可能では…?」
博士「まぁやれるだけの事はやってみるのです。島の長としての威厳を見せつける時ですよ助手」
助手「では早速周りのフレンズに告知をしてべんきょうかいを開くのです」
サーバル「みんなは何をおねがいするのかなー?楽しみだなー!」
~さばくちほー~
ツチノコ「(…さて、今日のところはこれくらいにしておくか)」
スナネコ「ツチノコ」
ツチノコ「うおわッ!?…何だお前か」
スナネコ「明日のたなばたまつり、楽しみですね~」
ツチノコ「あぁ…そう言えばもうそんな時期か…」
スナネコ「ツチノコは何を書くのですか?」
ツチノコ「…オレは何も書かねぇ。願いとか祈りってのは期待した分だけ裏切られた時のショックがデカいからな」
スナネコ「はぁ」
ツチノコ「自分から聞いておいて飽きるなよッ!!…そういうお前は何を書くんだ?」
スナネコ「ボクのたんざく見ますか?我ながらよく書けたと思いますよ」
ツチノコ「よく書けた…?それってどういう…ってあああああぁぁ何やってんだオマエェ!!!!」
スナネコ「え?そんなに下手でしたか?」
ツチノコ「そうじゃねぇ!!これはラクガキの為の紙じゃないって博士に散々言われただろッ!!」
スナネコ「え?そうなんですか?」
ツチノコ「あのなぁ~紙も貴重な資源なんだぞ!まったく……ホラ、代わりに使え」
スナネコ「えっ、いいんですか?でもこれツチノコの…」
ツチノコ「さっきも言っただろ。オレは書かないって」
スナネコ「ありがとうございます。じゃあボクがツチノコの分も書きますね」
ツチノコ「…フン。勝手にしろ」
スナネコ「………」
ツチノコ「…どうしたんだよ」
スナネコ「まんぞく…」
ツチノコ「おいッ!!」
スナネコ「じゃあボクはこれで。このたんざくはツチノコにあげますね」
ツチノコ「いらんッ!!」
スナネコの飽き性をなんとかしろ ツチノコ
~みずべちほー~
プリンセス「…はい!今日の練習はここまでにしましょう!」
イワビー「うわぁ~疲れた~!」
フルル「おなかへったー」
ジェーン「でもやっと様になってきましたね」
コウテイ「うむ。この調子なら明日の七夕ライブもうまくいきそうだな」
マーゲイ「皆さんお疲れ様です!博士達から短冊貰ってきましたよ~」
プリンセス「ありがとうマーゲイ。じゃあ皆、早速取りかかるわよ!」
ジェーン「えっと、これにおねがいごとを書けばいいんでしたっけ?」
コウテイ「ねがいごとか…プリンセスはもう考えたのか?」
プリンセス「私は勿論明日のライブの成功よ」
コウテイ「なるほど。じゃあ私は歌もダンスももっと上手くなる、だな」
イワビー「俺は願い事なんか書かねぇ!自分の力で叶えてこそのロックだからな!」
マーゲイ「良いですねぇ~!!それでこそイワビーさんです!」
イワビー「(ほんとはべんきょうかいサボったせいで文字が書けないなんて言えねぇ…)」
イワビー「で、お前は何書くんだ?」
フルル「ふぇ?」
ジェーン「あっ…!?フルルさん!短冊、短冊食べてますよ!!」
フルル「あれー?ジャパリまんといっしょに食べちゃった…」
イワビー「お前はヤギか!」
コウテイ「フルルらしいな…。ジェーンはどうするんだ?」
ジェーン「私はおりひめさまとひこぼしさまが無事会えますように、でしょうか」
マーゲイ「流石溢れ出るチームの良識!!模範解答です!!」
イワビー「でもよー、何もこんな天気の悪い日が続く時期にそんな約束するとか本当にこいつら会いたいのかって感じだよなー」
マーゲイ「ムフフ…案外そういう“ぷれい”なのかもしれませんよ?」
フルル「じゃあコウテイといっしょだ~」
イワビー「何でお前はそういうのばっかり反応するんだよー」
プリンセス「そう言えばマーゲイはどうするの?」
マーゲイ「わ、私は…もう今十分に幸せですからこれ以上おねがいごとなんてしたらバチ当たっちゃいますよ…」
イワビ―「何言ってんだ。マーゲイはずっと俺たちの為に頑張ってきてくれたじゃねぇか」
ジェーン「そうですよ。こんな時くらい自分の為に祈ったって良いと思いますよ」
コウテイ「そうだな。むしろこんな時だからこそ願うべきだと私は思う」
プリンセス「私も皆の意見に賛成よ。マーゲイ、あなたには私達本当に感謝しているの。だからこの短冊の願い事はどうか自分の為に使って」
マーゲイ「は、はい…!」
これからもPPPがわたしの、みんなのアイドルでいられますように マーゲイ
~ひのでこう~
リカオン「博士から短冊を頂いてきましたよ」
キンシコウ「お疲れ様です。ヒグマさんはねがいごと、もう考えましたか?」
ヒグマ「そうだな…。私は休みが欲しいな」
キンシコウ「確かにここ最近はハンターの仕事に加えて博士達の料理番と働き詰めですもんね…」
ヒグマ「でもせっかくのねがいごとだし…私はやっぱりハンターとしてみんなの安全を願う事にするよ」
リカオン「ヒグマさん…」
キンシコウ「じゃあ私がヒグマさんのお休みが貰えるようにお祈りしますね」
ヒグマ「え、でもそれじゃお前が…」
キンシコウ「いいんです。ヒグマさんの願いが私の願いですから」
リカオン「(相変わらずこのふたりは家族みたいだなぁ…)」
ヒグマ「で、リカオンはどうするんだ?」
リカオン「私は最近知り合った一匹狼の野生のリカオンに素敵な家族ができますように、ですかね」
キンシコウ「へぇ~良いですね!素敵です」
ヒグマ「お前にそんな知り合いがいたなんてな…。名前はなんて言うんだ?」
リカオン「ソロです」
~としょかん~
博士「はぁ…。予想はしていましたが文字を教えるのがここまで大変とは…」
助手「ですが何とか明日の本番までには間に合いそうなのです」
博士「かばんがいてくれて助かったのです」
かばん「いえ、元々興味を持ったのはボクの方ですから。それに博士さんと助手さんの短冊に書く文字だけを絞って教えるって方法、とっても良いアイデアだと思います」
博士「当然です。我々は賢いので」
助手「賢いので」
博士「そう言えば我々の短冊がまだだったのです。助手は何をおねがいしたのですか?」
助手「私はこの島の平和と種の繁栄ですね」
博士「…」
かばん「すごいです!流石ですね」
サーバル「なんかカッコいいー!」
助手「この島の長として当然なのです」
サーバル「博士はなんて書いたのー?」
博士「…ギクッ」シュッ
サーバル「えっ!?どうして細くなるの!?」
博士「べ、別に細くなってなどいないのです…」
かばん「あっ、短冊が落ちましたよ。えーっと…」
博士「あっ!?見てはいけないのです!!」
かれーたべたい はかせ
一同「…」
博士「……何ですかその目は!?何か言いたい事があるならハッキリ言うのです!」
助手「いえ…」
サーバル「なんか…」
一同「(かわいい)」
博士「まったく油断も隙もあったもんじゃないのです…。ぷらいばしーのしんがいなのです…」
かばん「げ、元気出してください。カレーだったらボクがいつでも作りますから」
助手「それに明日はPPPのライブに加えかばんとヒグマの料理対決コーナーも設けているのです。カレーをたらふく食べるチャンスですよ博士」
博士「うぅ…優しいフォローがかえって悲しくなってくるのです…」
助手「ちなみにふたりは何をおねがいしたのですか?」
博士「そ、そうです!これでもし私より変な願い事だったら…」
かばんちゃんとずーっといっしょ さーばる
サーバルちゃんとこれからもいっしょにいられますように かばん
博士・助手「…」
かばん「えへへ…何かちょっと恥ずかしいですね」
サーバル「あのね!これかばんちゃんといっしょに書いたんだ!わたし上手に書けないからかばんちゃんがこうやってわたしの手を握ってくれてね…」
助手「もういいです。満腹満足なのです」
サーバル「えぇ!?どういう事!?」
博士「(うぅ…もはやサーバルにすら負けた気分なのです…)」
サーバル「でも明日楽しみだなぁ~!わたし皆でほしを見るのって初めてかも!」
かばん「ボクも。明日晴れるといいね!」
博士「…こうなったら明日はやけ食いするのです。ふーどふぁいとなのです」
助手「博士。辛いカレーは食べ過ぎると次の日おしりに響きますよ」
~そして七夕当日…~
ザアアアアアァァ………
かばん「………」
サーバル「………」
博士「………」
助手「………」
おわり
~Cぱーと~
アライさん「昨日はひどい雨だったのだ」
アライさん「でもアライさんもようやくこのたんざくというモノを手に入れたのだ!これでおねがいごとが書けるのだ!」
フェネック「あれー…?アライさんそれって…」
アライさん「たんざくなのだ!フェネックにもいちまいあげるのだ!」
フェネック「あーうん、じゃあせっかくだし貰っておくよ」
アライさん「…よし、書けたのだ!あとはこれをつるすだけなのだ」
アライさん「…そうなのだ!せっかくおねがいごとを聞いてもらうのにたんざくが汚れていてはお星さまに悪いのだ」
アライさん「よーしアライさんがピッカピカにしてあげるのだ!」
ゴッシゴッシ ジャッブジャッブ…
フェネック「あーアライさんそれはやめておいた方がいいと思うよー…」
アライさん「どうしてなのだ?…ってゔぇええええええ!!?!?アライさんのたんざくがボロボロになってしまったのだ!?」
フェネック「あちゃー…遅かったかー。紙は水に弱いんだよー」
アライさん「うぅ…知らなかったのだ……。これではつるせないのだ…」
フェネック「…あとついでに言うと七夕は昨日だねー」
アライさん「なにぃ~!?という事はおまつりは…」
フェネック「うん、終わっちゃったねー…」
アライさん「そんな…。せっかく皆で準備したのに……こんなことあってはならないのだ…!!」
博士「その通りなのです」
フェネック「はかせ?」
博士「我々があれだけ苦労してお前たちに文字を教えたというのに何ですかこの結末は…」
助手「博士は昨日の七夕まつりが中止になりカレーが食べられなかったせいで今非常に虫の居所が悪いのです」
フェネック「あははー…」
博士「……かくなる上は…お前たち!!各地のフレンズにすぐ集まるよう呼びかけてくるのです!りべんじするのです!!」
助手「りべんじおぶ七夕まつりなのです」
アライさん「りべんじ…何だかよく分からないが面白そうなのだ!」
博士「さぁ行くのです!おまつりが我々を待っているのですよ!」
アライさん「任せるのだ!フェネック行くのだ!」
フェネック「はーいよっと」
その後一日遅れの七夕まつりが無事かいさいされましたとさ
おしまい
ありがとうございました。
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けものにさちあれ
おつ
乙乙
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