ぱいちゃん「けー・ゆー・えむ?」 (44)
ピピピッ…ピピピッ…
ぱいちゃん「……ん、んー……」
ぱいちゃん「……ん?」ガバッ
ぱいちゃん「うんん……」
ぱいちゃん「まだ、6時じゃん……」バタッ
ピピピッ…ピピピッ…
ぱいちゃん「ぅんん……」
ぱいちゃん「むにゃ……」
ぱいちゃん「……もう少し……すーすーすーちゃましよ……」
ぱいちゃん「……」スースー
ピピピッ…ピピ…
ぱいちゃん「……」グーグー
ウィーン
ガシャッ
ドーーーーン!!!
ぱいちゃん「きゃぁっ!」ガバッ
『おーーーーきーーーろーー!!!!』
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ぱいちゃん(ば、爆発……?)ドキドキ
『呼び出しです! 緊急事態! 直ちに準備してあと1分以内に登校しなさい!』
ぱいちゃん「は、はい! ……えっ、1分以内!? 無理です! 私、パーマかけたり、メイクもしないと……あ、それから歯磨きと、朝ごは、」
『59……58……57……』
ぱいちゃん「ま、まって! わ、私だけ?」
『もちろん“2人”もです。 3人が集まれなかった場合、連帯責任です』
ぱいちゃん「えぇ……うそぉ……!」
『56……55……54……』
ぱいちゃん「そ、そんなぁ……急げ……!」
タッタッタッ…
ガチャッ!
ぱいちゃん「うっちー!」
うっちー「……」スースー
ぱいちゃん「起きて! あのっ、よっ、呼び出しが……っ……!」
うっちー「ん、んん……うるさい……」
ぱいちゃん「う、うるさいじゃなくてっ、よびだっ、」
うっちー「あ゛ぁ゛!? うるせぇっ! 黙れボケッ!」ガバッ
ぱいちゃん「ひっ……」
うっちー「朝からピーピーなんなんだよ!」ゲシッゲシッ
ぱいちゃん「いたい! いたいっ……う、ううっ……違います……ぅ……私が、起こしたいわけじゃ……ぐすっ」
うっちー「……ふんっ、泣かれたら面倒だし準備すっかぁ」
ぱいちゃん「うわぁーん……う、うっ……」
『40……39……』
ぱいちゃん「や、やばい、こうしてる暇じゃなかった!」
タッタッタッ…
ガチャッ!
ぱいちゃん「すーちゃま!」
みもりん「あ、おはよぉ~」
ぱいちゃん「ほっ……よかった、すーちゃまは起きてたかぁ……んっ?」
「……」スースー
ぱいちゃん「そ、そこで寝てる人は誰かなぁ……」ワナワナ
みもりん「あー、夜な夜な護身術の勉強に付き合ってくれてたんだよ」
ぱいちゃん「……」
みもりん「うそうそ、ぱいちゃんが1番だよ」
ぱいちゃん「もう……すーちゃまったら……って、そうじゃないし!」
みもりん「ん?」
『25……24……』
ぱいちゃん「あ、あと、20秒! い、いそ、いそいで! はやくっ! 制服!」
みもりん「あーおっけおっけ。 ぱいちゃんこそ」
ぱいちゃん「へ?」
みもりん「まだパジャマじゃん」
ぱいちゃん「あっ!」
みもりん「いそげー」
ぱいちゃん「う、うんっ!」
みもりん「あははー、ぱいるちゃんはうっかりさんだなぁ」
ぱいちゃん「もー……」ヌギヌギ
ぱいちゃん(いったい誰のせいだと……)
みもりん「うほー、いい眺め」
ぱいちゃん「……」
『10……9……』
ぱいちゃん「って、やばっ!」
みもりん「ほら、ほらほら! はやく!」
うっちー「おーーーい、もう車だすよー」
ぱいちゃん「今行く!」
みもりん「うっちー、エンジンかけてチョットマッテテー」
うっちー「言われなくてもわかってるっつーの」カチッ
ぱいちゃん「よし着れた!」
みもりん「よっし、いくわよー」グイッ
ぱいちゃん「わわわっ!」
バタン!
みもりん「扉しまりました! 準備万端! しゅっぱーつ!」
うっちー「出発すんのお前じゃないだろ。 大学までぶち飛ばしていくから掴まってて」
ブロロロロ!!!
うっちー「っ、あぶねっ、」
キキーッ!
ぱいちゃん「きゃっ!」
みもりん「うひょー、うっちーの運転はこうでなくっちゃ!」
うっちー「ちっ、クソジジイがっ! いきなり出てくんじゃねぇよっ!!!」ププーッププーッ!
みもりん「まあまあうっちー落ち着いて。 おじいさんクラクションにかなりびっくりしてるよ」
うっちー「てめぇは黙ってろ。 下ろすぞ」
みもりん「ひど……」
うっちー「……ふん」
ぱいちゃん「き、今日うっちー、1段と速いねぇ……な、何キロくらい出してるの?」
みもりん「さっきメーター確認したけど180くらい?」
うっちー「……」
ブロロロロ!!!
みもりん「うわっ! い、いきなり走り始めんのやめてよ危ないなぁ!」
うっちー「文句あるなら自分で免許とれ」
みもりん「……」
ぱいちゃん「あっ、す、すーちゃん、これ……一周してるから、300キロ以上でてるよ……」
みもりん(こりゃいつ死ぬかわからないな……)
うっちー「おい」
みもりん「ん?」
うっちー「面倒だけど、理事長に連絡入れといて」
みもりん「えー、なんであたしが……」
うっちー「一応リーダーでしょ」
みもりん「でも怖いし……」
うっちー「はやくしろ」
みもりん「う……」
ぱいちゃん「そうそう。 はやくして、どうぞ」
みもりん「ぱいちゃんまで……あーもう……分かったよぉ……」ピッ
プルルルル…
ガチャッ
みもりん「あー……もしもーし……」
『遅いっ!!!』キーーン
みもりん「ううっ……!」
『1分以内って言ったでしょ!? 何分待たせてると思ってんの!』
ぱいちゃん「い、今のところかかっているトータル時間、約2分36秒であります!」
みもりん「だって! 充分早いじゃーん。 多分あと47秒後くらいにつくよ」
『なんなのその細かい単位は……』
うっちー「いつも大体私達が家を出るまで66秒。 これを分単位に直すと1分06秒。 それから大学に到着するまでの運転時間が93秒。 分単位だと1分33秒」
『……』
みもりん「お、校門が見えてきた! と、いうわけであと1秒ほどで車を止めて」
うっちー「それからコーヒーを買って理事長にたどり着くまで44秒」
みもりん「てなわけで呼び出しくらってから目的地に到着する最短時間はトータル203秒。 3分23秒であります! 今度から3分23秒で支度しろとお申し付けください! 失礼します!」
ガラッ!
えみつん「……」ギロッ
ぱいちゃん「あ、はは……」
うっちー「えみつん、ごめんね……みもちゃんの準備が遅かったばっかりに」
みもりん「あたしのせい!?」
えみつん「……はぁっ、うっちー、まず理事長のことをえみつんって言わない」
うっちー「ごめんなさーい」
えみつん「はぁぁ……」
みもりん「で、で、今日はなんなの? 全裸の強盗が入った? 痴漢が爆発した?」
えみつん「今日は……2つ、報告したいことがあります」
みもりん「ふむ」
うっちー「……めんどくさ。 ふぁぁ……」ポリポリ
ぱいちゃん「……」
えみつん「えー、まず、転校生が入ってきました」
ぱいちゃん「てんこうせい……」
みもりん「お?」
うっちー「はぁ……なんで呼び出してまでそんなこと……」
えみつん「あんた達はこの学校の代表的存在でしょ。 だからいちはやく情報を……」
うっちー「あー、はいはい分かった。 つまりお世話しろってことね」
えみつん「そうとは言ってないでしょ。 で、その転校生っていうのが……」
?「……」ズルズル
うっちー「……そこでうどんしこたま食ってる子か」
みもりん「てかなんで理事長にうどんが……」
えみつん「はいー、そろそろうどんを口から離してねー」
?「んむむっ……」パッ
みもりん「お、さっきまでうどんまみれでよくわかんなかったけど案外かわいー顔してんじゃん」
ぱいちゃん「……!」
うっちー「……? ぱいちゃん?」
ぱいちゃん「あ、な、なんでも、ない……」
うっちー「?」
えみつん「さ、自己紹介して」
?「えーと……わたくし、くすd、」
えみつん「こら」
?「ほえ?」
えみつん「この学校では原則本名は言わない。 与えられたアルファベット二文字が名前って言ったでしょ」
?「ああそうだったっけー、へんなのー」
みもりん「ねー、変だよね。 ちなみにあたしは“MM”だよ。 みんなからはみもちゃーとかみもりーんとか呼ばれてるから。 よろぴこ」
?「いいなぁ! えむえむ! かわいい! なんかちょっと卑猥な感じもするし……」
みもりん「でしょ?」
?「私はねぇ……えーと、なんでしたっけ?」
えみつん「えーと……あなたのアルファベットは……“KS”ね」
KS「……だって」
うっちー「……かす?」
KS「もー! それ言わないで! ちょっぴり気にしてるんだからぁ……てか理事長さん! なんでそんなアルファベットなのぉ? いじめなのぉ? てかなに基準で決めてんのぉ?」
えみつん「……わたくしのインスピレーションです」
KS「えー! なんじゃそりゃ!」
みもりん「じゃああたし達みたいにあだ名決めてさ、今度からそれ名乗ればいいよー」
KS「あだ名!」
みもりん「ちなみにねぇ……そこのさっきから機嫌悪そうな人は……」
うっちー「あ?」
KS「え、なになに? ブチギレさんとか?」
うっちー「殺すぞ」
KS「ひぃ」
みもりん「あはは、だーいじょうぶ。 実際殺さないから……多分。 でね、彼女は“UC”。 みんなうっちーって言ってる」
KS「おー! うっちー!」
うっちー「……」
みもりん「だからKSさんはぁ……けーえす、けー、えす……」
KS「……ふんっ。どうせカスとかいうんでしょ」
みもりん「いーわないよ! えーと……かす、かすって読み方が悪いんだなぁ……うーん、かす、くす……くす?」
KS「くす……くす……」
みもりん「くす、くす……くっすん! くっすんとかどう?」
KS「いいねぇーー! 気に入った!」
みもりん「え、まじで」
くっすん「今日から私はくっすんだ!」
みもりん「よしっ、よろしくね、くっすん」
くっすん「わーい!あなたを今度から名付け親としてたたえまつる! ……あ? でさでさ、そこの……ギャルっぽい子の名前は?」
みもりん「えーと……」
ぱいちゃん「……」
みもりん「おーい、ぱいちゃん」
ぱいちゃん「……」
みもりん「ぱいちゃんっ!」
ぱいちゃん「わっ!」ビクッ
みもりん「もー、なーにぼーっとしてるのよぉ」
ぱいちゃん「あっ、あはは……な、なんだっけ?」
みもりん「名前の話! 彼女は“PI”、みんなからはぱいちゃんーとか、ぽんこつぱいるー、っていじられてる」
くっすん「ぽんこつぱいるー」
ぱいちゃん「ぱ、ぱいちゃんでいいし……」
くっすん「あはははっ!……でもさぁ、これ意味あんの?」
みもりん「んー?」
くっすん「アルファベットを名前にするって……」
えみつん「……話聞いてなかったの?」
くっすん「へっ」
えみつん「ここはスパイ育成学校、OTNスクール」
くっすん「……おー、てぃー、えぬ……おちん?」
みもりん「おち〇ちんじゃないのよねーこれが」
くっすん「はぇー」
えみつん「ごほんっ、話をそらさない! ……OTN、それは……正式名称“OTONOKI”からきてるの」
O.T.N スクール
そんな卑猥な学校名だが、教育内容は卑猥とは遠くかけ離れている
彼女達は女子大生スパイとして日々世界の平和のために戦い、
銃の使い方を学び、隠密行動のハウツー、さらには護身術まで
徹底的にスパイとして活躍する術を叩き込まれるのだ!
くっすん「なるほど!」
えみつん「まさか分からずに入学してきたということは……?」
くっすん「えー、まさかぁ。 そんなことないですよぉ。 こ難しい勉強あんまりせずに大学出られたら楽だろなー、なんて思って……ごほんっ」
えみつん「……」
くっすん「えへっ、それで? 続けてくだせぇ」
えみつん「つまり、スパイをするにあたって……こちらから無駄な個人情報を晒すのは命取り。 個人情報にはいろいろあるでしょ?」
くっすん「スリーサイズとか……?」
えみつん「スリーサイズに限らず……住所、血液型、電話番号、その他もろもろ……」
くっすん「あー、なる」
みもりん「で、その最たるものが名前、nameってわけ」
えみつん「本名で呼び合うのなんてスパイ学校として言ってみれば全裸で歩いているようなもの」
くっすん「いやーん!」
えみつん「……と、いうわけなのです」
くっすん「はいはい、つまりは、私はくっすんと名乗り呼ばれればいいと」
えみつん「はい」
くっすん「わかりやした。 ……それでさ! ここにいる3人はなんなの? 特別招集されたみたいだけれども」
みもりん「よくぞ聞いてくれました!」
くっすん「うぇっ」
えみつん「彼女達は……言ってみればOTNのエリート……」
みもりん「はい!」
えみつん「……の、ようなものです」
みもりん「がくっ」
くっすん「……“の、ようなもの”?」
えみつん「まあこの話はよいとしましょう」
くっすん「えっ」
えみつん「そろそろ授業も始まることだし、3人には2つ目の要件を伝えます」
みもりん「そうこなくっちゃ!」
うっちー「……はぁ、やっとか」
くっすん「え? え?」
みもりん「それでっ、なになにっ?」
えみつん「はぁっ……」
ぱいちゃん「……」
えみつん「また……怪盗KKNが現れた」
みもりん「おぉ……!」
うっちー「……!」
えみつん「今回はしかも……生徒に直接挑戦状が届いたの」ペラッ
みもりん「なんだってー!」
うっちー「へぇ……」
ぱいちゃん「……そうなんだぁ……」
くっすん「えっ、あの……! KKNってあれっすよね! ニュースとかでよくやってる……! 彼女に盗めないものはない! って、やつ!」
うっちー「……しかも、彼女を捕まえようとしたものはみんな瞬殺される」
くっすん「ひぇぇ……そんなん聞いてないよぉ……」
みもりん「これはニュースでも言ってないからねぇ」
くっすん「ゴイスー……」
ぱいちゃん「……そんなKKNを私達3人は追ってるんだよー? すごいー? すごい?」
くっすん「なるほど! 3人はそういう集まりなのね!」
うっちー「それはちょっと違う」
くっすん「ずこー!」
Nは警察じゃないのか……
みもりん「それでっ!? その挑戦状っていうのは!?」
えみつん「それは実際に受け取った人から入手してください」
みもりん「そんなぁ……ケチケチせずにぃ。 じゃあそのえみつんが持ってる紙はなんなのさ!」
えみつん「これはコピーです。 嫌がる受け取り主の生徒から無理矢理コピーしたものだから見せるのは気が引けます」
みもりん「ちぇぇ……じゃあ生徒の情報だけでも教えてよー! ねっ?」
えみつん「アルファベットは“SK”ね」
みもりん「へー……化粧水みたい」
うっちー「とりあえず、その生徒“SK”を脅して挑戦状パクればいいってことね?」
ぱいちゃん「も、もっと平和にいこうよぉ……」
うっちー「その方が手っ取り早くない?」
みもりん「よーし! そうと決まったらそのSK……えすけー……えすけーつーはかわいそうだ……ええい、しか! シカちゃんのところにいっくぞー!」
ぱいちゃん「お、おー!」
えみつん「うん、まあそれは……」
キーンコーンカーンコーン…
えみつん「……授業が終わってからね」
みもりん「でぇー!」
うっちー「……いいや、1限って座学でしょ? たるいしSKのとこ行っちゃお」
えみつん「あ、こら!」
うっちー「しつれーしました」
バタン
みもりん「あ、まってまってあたしもー!」
ぱいちゃん「すーちゃんまって!」
くっすん「なら私もいっとく! 失礼しましたでやんす!」
バタン!
えみつん(……大丈夫かな)
~
みもりん「と、いうわけでシカちゃん!」
シカちゃん「なんやのシカちゃんて……」
みもりん「ならSKさん」
シカちゃん「……もうそれでいいわ」
みもりん「KKNからの挑戦状見せてください!」
シカちゃん「だからやだって」
うっちー「なんでやなんだよ見せろコラ」
シカちゃん「……」
うっちー「あ? うんとかすんとかなんか言えや」
くっすん「すん」
うっちー「おめぇじゃねぇよっ!」
くっすん「あはははは!」
うっちー「てかなんでついてきてんの……」
くっすん「えへっ」
ぱいちゃん「う、うっちー……もうちょっと、や、優しく……」
うっちー「うるせぇな」
ぱいちゃん「うう……」
うっちー「ほらてめぇははやく挑戦状とやらを……」
シカちゃん「……」
「だめーーーっ!」バッ
みもりん「ん……? その声は……りっぴーじゃないの!」
りっぴー「はぁ、はぁ……もう、みもりんったら! 私がいない間にシカちゃんいじめないでよ!」
みもりん「あーごめんごめん……って、シカちゃんってもうシカちゃんってあだ名先についてたんだ……なんかショック……」
シカちゃん「はぁ……てっきりりっぴから聞いてたんかと思ったわ」
みもりん「てかいじめてたのうっちーだし!」
りっぴー「もう! やめてよ……って、え!? うっちー!?」
うっちー「あ?」
りっぴー「うっちー、って……あの……『KUM』の……!?」
くっすん「けー、ゆー、えむ……?」
りっぴー「えー、知らないの? ……ってありゃ、見たことない顔……転校生?」
くっすん「うん。 くっすんだよー」
りっぴー「そっか! よろしくねーくっすん! ……てか、KUMしらないのはまずいって!」
くっすん「まずい?」
りっぴー「この学校では3人1組のチームを組んで、基本的に行動するのは知ってるよね?」
くっすん「あー……多分」
りっぴー「……で! この3人で事件を取り締まったりするんだけどもー……このKUMはね、OTNが誇るミッションクリア実績1位のチームなわけ!」
くっすん「まじ!? すげー!」
りっぴー「言ってみれば学校のアイドルだよ!」
みもりん「照れるなぁ、やめてよぉ」
うっちー「……そのKUMになんで挑戦状見せられないのかなぁ?」
シカちゃん「だって……」
うっちー「もうだりぃな! いいから見せろよ!」
シカちゃん「あんたにだけは死んでも見せん!」
うっちー「はぁ!?」
ぱいちゃん「え、えと……シカ、さん……」オズオズ
シカちゃん「あ、あんたまでなに……?」
ぱいちゃん「ち、挑戦状が、怪盗KKNから来たってことはまずいことだとおもう……い、いのちに、関わる、かも、だし……」
シカちゃん「……」
ぱいちゃん「……もし、よかったら、シカさんを守らせて、ほしいです。 私達、力になりたいから……みせて、くれないかな?」
シカちゃん「……しょうがないなぁ。 はい」
ぱいちゃん「あ、ありがとう……!」
うっちー「……」
みもりん「えーと、どれどれ……うわ、なにこれ……」
りっぴー「いいなぁ、私も見せてー」
くっすん「私もー!」
ぐーもる!⊂(^ω^)⊃
SKに告ぐ⊂(^ω^)⊃!
明日、20時にレストランHomuraに1人で来い(⊃^ω^)⊃
必ずひとりでこいよ∩(^ω^)∩
それからこの手紙のことは誰にも言うなよ∩(^ω^)∩!
もし言ったら……⊂(´・へ・`)⊃
シカちゃん「……って、内容だったんだけどさ」
みもりん「なるほどなぁ……だから挑戦状見せたがらなかったんだ。 ごめんね? 強引に……」
シカちゃん「別に……」
みもりん「ほら、うっちーも謝って」
うっちー「ふん」
シカちゃん「……」
ぱいちゃん「あああ……ごめんなさいごめんなさい……」
見当がつかない
はよ
りっぴー「えー! てか私にも言わないのはひどくない!? チームじゃん!」
シカちゃん「ごめん……」
くっすん「へぇー、2人はチームなんだ。 もうひとりは?」
シカちゃん「おらん」
くっすん「はぇ?」
りっぴー「あのねー、シカちゃんが人見知りこじらせすぎてねっ、私以外とはかかわりたくないーとか言ってて! あはは!」
くっすん「あー……」
みもりん「あ、じゃあくっすんチームにいれたげてよ」
くっすん「あぇ?」
りっぴー「へぇ?」
シカちゃん「は?」
みもりん「いーじゃん! この子明るいし! 入れたげて入れたげて!」
うっちー「……私たちで面倒見なくてよくなるしね」ボソッ
みもりん「ま、まーまー……それは言わない約束……」
くっすん「うぇーん、邪魔者扱いされたぁ……」
みもりん「そういうわけじゃないよ! 半分くらい! だって、くっすんもチーム入っときたいでしょ? ぼっちいやでしょ?」
くっすん「まあ……うん」
みもりん「それならおっけーじゃん?」
くっすん「んならはーいろ。よろしくねーりっぴー! しーかちゃん!」
りっぴー「まあいっか! よろしくぅ!」
くっすん「うぇーい」
シカちゃん「えぇ……?」
うっちー「……はぁ、話戻すけどさ、シカちゃんだっけ。 明日の夜、私達も20時にHomuraいってシカちゃんのこと監視するから」
シカちゃん「は、は……? や、やめてや……うちが死ぬやん」
うっちー「そんな見えるとこから監視するわけねぇだろ。 こっちは陰で様子見するってこと」
シカちゃん「なんでや……」
みもりん「心配してるんだよ、こう見えてもうっちーはっ」
うっちー「そんなの、考えてない」
シカちゃん「……」
うっちー「怪盗KKNとかいう調子乗った奴を捕まえて、晒しあげたいだけだから。 勘違いしないで」
シカちゃん「……」
ぱいちゃん「……し、シカちゃんっ、あ、あなたのこと、ちゃんと、このKUMがまもるから!」
シカちゃん「……あっそ、どうもね」
うっちー「てめぇなんだその態度は」ガタッ
ぱいちゃん「や、やめてよぉうっちぃ……」
みもりん「えー、とりあえず! あたし達も明日の20時! Homuraに向かいます! シカちゃんにはなーんの危害も加えませんので! 約束します」
シカちゃん「はぁ……」
みもりん「では失礼しまーす!」
うっちー「……」
ぱいちゃん「し、失礼しました!」
バタン
くっすん「……なんだかすごい集団だよねぇ」
シカちゃん「騒がしいだけやんか……」
くっすん「まあそうだけどさぁ……こう、気迫? というのが……」
りっぴー「ま……KUMはすごいけど問題児の集まりでもあるから……」
くっすん「問題児……」
りっぴー「でも3人だからバランスが取れてるんだって」
くっすん「へぇぇ……」
みもりん「あー、早く明日にならないかやなぁー」
りっぴー「……まず、リーダーの“MM”ことみもりん。 お調子者で尻軽だけど人気ナンバーワンなの」
くっすん「美人だもんねー」
りっぴー「そうそう。 食った女の数は星の数! 座学での成績は1位、そして要領もめちゃくちゃいいからなんでも卒なくこなす憎まれ者!」
くっすん「……へー」
りっぴー「……ただ、欠点が」
くっすん「……欠点?」
みもりん「怪盗KKNってさぁ……なんか噂によるとロリ系らしいのよ……げへへへ」
りっぴー「……無類の女好きでタラシ、それから肝心なところでは役に立たない、言っちゃえば……まあ、天才とバカは紙一重、みたいな。 とにかく、女関係になるとだらしないらしい」
くっすん「……かわいそ」
りっぴー「でも大丈夫!」
くっすん「んえ?」
りっぴー「そんなみもりんを引っ張るのが……」
うっちー「またキモいこと言ってる……」
りっぴー「みもりんの右腕的存在の“UC”、通称うっちー」
くっすん「あの怖い人ね」
りっぴー「武術、射撃訓練、対人格闘……まあ言ってみればそういう系は全部うっちーが1位を占めてんの」
くっすん「つ、つぇぇ……」
りっぴー「ただ……うっちーにも欠点が……」
くっすん「へっ……?」
うっちー「……いい加減にしねぇとぶち殺すぞ」
りっぴー「一度キレたらもう止まらない。 現場が血の海になるまで暴れ倒す。 うっちーにトラウマを植え付けられた人間は数えても数え切れないらしいよ……」
くっすん「やっば……」
りっぴー「だけどこれも大丈夫!」
くっすん「おお!」
ぱいちゃん「よしっ、シカちゃん守るぞっ……!」
りっぴー「KUM唯一の常識人“PI”……愛称ぱいちゃん」
くっすん「おー! ぱいちゃん!」
りっぴー「ぱいちゃんは言わばうっちーのストッパー役って感じかな?」
くっすん「なるへそ」
りっぴー「秀でてすごい! ってのがないのがぱいちゃんなんだけど……とにかく、OTN1優しいの、ほんっっとやさしい」
くっすん「……えーそれだけ?」
りっぴー「うん?」
くっすん「だってほかの2人はすげー! って感じなのにさ、ぱいちゃんのは……」
りっぴー「くっすんはさー、あの2人に挟まれてずっと生活できる?」
くっすん「うっ、無理……」
りっぴー「でしょお? ちなみに、チームごとに量が決まってて、大学4年間のうちほぼほぼチームと過ごさなきゃだから」
くっすん「うっちーとみもりんと4年間……胃が痛てぇ」
りっぴー「だよねだよね。 だからぱいちゃんが1番すごいのかも。 だけど……」
ぱいちゃん「あっ! しまった! 今日1日中スカート後ろ前になってた……!」
りっぴー「……チーム1抜けてる」
くっすん「ぱいちゃん……」
りっぴー「そんなぱいちゃんにツッコミ入れたりなんだりしてるのが、みもりんってかんじかな?」
くっすん「おお、トライアングルや……」
りっぴー「そうそう。 だから相当バランスいいんだよ。 ま、エリートであり問題児であることにかわりないけど」
シカちゃん「ほんとにあの人らに任せて大丈夫やろうか……」
~
そらまる「はっ、は……はっ……」タッタッタッ
ガチャッ!
そらまる「失礼しますっ!」
?「……おー、そらまるか」
そらまる「ボス! 今日は報告があります!」
?「なになに? えー? 次のターゲットが決まった? 今度は何か? 宝石か?」
そらまる「いいえ違います!」
?「なんだよ」
そらまる「ボスに見合う女性を見つけてきました!」
?「は……?」
そらまる「3X歳でレズをこじらせ恋愛経験ゼロのボスがあまりにも可哀想だったので……余計なお世話だとは思いますが……」
?「れ、レズ言うな……で、ど、どんな子だよ」
そらまる「はい! この子です! モニターにご注目ください!」ピッ
?「お……? おおぉぉぉ……! かっわいーじゃん! うひょー!」
そらまる「張り込み調査をしたところ、名をシカちゃん、また、SKというらしいです」
?「えす、けー……? おい、なんだよその奇妙な呼び方……まさか……」
そらまる「……あい。 OTNの生徒でござりましゅ」
?「はぁぁぁぁ!? なんだよそれ!」
そらまる「だけど可愛いですよね! この子! ボス好みでしょう?」
?「ま、まぁな……///」
そらまる「⊂(^ω^)⊃♪」
?「って、ちげーよ! やばいだろ! OTNは!」
そらまる「でももう招待状まで書いちゃいましたし……はい……」
?「し、招待状って……」
そらまる「Homuraに明日の20時! 行ってください! 腹を括って!」
?「ええぇ!?」
そらまる「⊂(^ω^⊂)goです!」
?「つっ、てもよぉ……もしOTNの全勢力に待ち伏せられてさ、捕まえられでもすれば一生の終わりじゃん……?」
そらまる「そこは大丈夫です! 招待状に口止めも、1人で来いって旨も、ちゃーんと書きましたから!」
?「そんな簡単に行くぅ……?」
そらまる「多分……?」
?「いやいやぁ……」
そらまる「怪盗KKNでしょ! そんなことに怯えてたら一生……ひとりですよ!」
怪盗KKN「うぐっ」
そらまる「腹括りましょ」
怪盗KKN「はぁぁあ……まじかぁ……まあ行くだけなら……」
そらまる「そのいきです!」
怪盗KKN「うぅん……」
ガチャッ…
怪盗KKN「……お、とか言ってたら帰ってきたか」
そらまる「おかえりー」
?「……た、ただいま」
そらまる「今日も潜入捜査お疲れさまー」
?「ありがと……はぁ、つ、疲れたぁ」
怪盗KKN「この調子で、頑張ってくれよ」
?「……」
怪盗KKN「……ぱいちゃんっ」
ぱいちゃん「……はい」
とりあえずここまで
パロディにしようと思ったけどほぼ原作無視になってしまった
飽きなかったらぼちぼち書くんでよろ
ぱいちゃん…
面白い
待ってるぞ
~20:00 Homura~
シカちゃん「……」ドキドキドキ
シカちゃん(うう……なんであたしがこんなことに……)
シカちゃん(……あー、帰りた……)
シカちゃん(まじで今日が命日かもしれんな……お母さんとかに遺書かいときゃよかった……)
シカちゃん(今更おそいけど……)
シカちゃん(はぁぁ……)
シカちゃん(……つか、怪盗KKNとかいうふざけたやつ全然こないじゃん)
シカちゃん(殺すなら殺すでさっさとこいや……)
「あの」
シカちゃん「!」
シカちゃん(怪盗、KKN……!)バッ
怪盗KKN「うぉっ」
シカちゃん(……けー、けー、えぬ……?)
怪盗KKN「え、えへへぇ、は、ははぁ、ど、どうもぉ、え、フヒッw えへへ……あ、あっ、」
シカちゃん「……」
怪盗KKN「あ、あー、ど、どうもー……エヘヘ、お、おくれちゃって、す、すいません……フヒヒ……w」ペコペコ
シカちゃん(なん、か……)
怪盗KKN「あっ、あっ、すっ、座りますね……エヘヘ……w」ペコペコ
シカちゃん(しょぼ……)
シカちゃん(……じゃないわ、ちゃんとしないと……こう見えて、殺人犯なんだから……こいつは……)キッ
怪盗KKN「ひっ」ビクッ
シカちゃん「あ、さーせん……」
シカちゃん(うー……そう考えたらちびりそ……)
シカちゃん(つか……あのKUMのふざけた馬鹿どもはちゃんといるんだろうな……? 心配になってきた……)
~
シカちゃん「……」キョロキョロ
みもりん「……おっ、シカちゃんがキョロキョロしております! どうぞー!」
ぱいちゃん「そ、そうですね、どうぞー……」
うっちー「……はぁ。 張り込み場所が天井の柱って……もっといいとこなかったの? 腰いたーい」
みもりん「うっちー! どうぞー、がないぞ!」
ぱいちゃん「ご、ごめん……ここしかバレずに様子を見れる場所がなかったから……」
うっちー「はぁ」
みもりん「ぱいちゃんも!」
ぱいちゃん「ど、どうぞっ!」
みもりん「いえーい!」
うっちー「静かにしろよ。 バレたら殺されるよ。 冗談抜きで」
ぱいちゃん「っ、つ……」ビクッ
みもりん「まあまあ! そう怖がらせないの! 平気だよー、ぱいちゃーん」
ぱいちゃん「す、すーちゃまぁ……」
うっちー「はぁ……」
みもりん「つかさぁ……KKN案外可愛くない?」
うっちー「はぁ? 目ぇ腐ってんの?」
みもりん「え、可愛いじゃん」
うっちー「まあ小さくて可愛らしいのは分かるよ。 そうじゃなくてさ、怪盗をそんな目で見るなんて頭おかしいんじゃねぇのって意味だよ」
みもりん「えぇ~」
うっちー「あほが」
みもりん「ひどい……ぐすん」
みもりん(でもまじで可愛くね……? タイプだわぁ……)
ぱいちゃん「……」
みもりん「えーと……そうじゃなくて……シカちゃん守らないとなんだよね。 ちゃんと観察しとかなきゃ……」ジッ
うっちー「あ、酒飲んだ」
ぱいちゃん「ご飯も食べてるね。 報告書に書いとかなきゃ」メモメモ
みもりん「もー! そんなことどうでもいいでしょ!?」
うっちー「は? 観察してんだよ? 細かいことも見とかなきゃいけねーじゃん」
みもりん「そうだけどさぁぁぁ……」
うっちー「だって今のところ怪しい動きもしてないし、そんくらいしかなくない?」
みもりん「うーん……まあ確かに……戦闘態勢に入ってるわけじゃないし……ふつーに、お食事会みたいな?」
ぱいちゃん「……」
うっちー「ね……SKを殺す感じでもないし」
ぱいちゃん「なっ、こ、殺すなんてことしないよ!」
うっちー「っ」ビクッ
みもりん「ぱ、ぱいちゃん……?」
ぱいちゃん「……あ、な、なんでもない……えへへぇ」
うっちー「……?」
みもりん「まあでも……お食事会、というよりは……」
ぱいちゃん「……」
みもりん「なんていうのかな……こう……」
ぱいちゃん「……」
うっちー「……うん」
みもりん「お見合い……みたいな……」
ぱいちゃん「……!」
♪ピロピロピロ
みもりん「あ、えみつんだー、もしもーし?」
ぱいちゃん「ほっ……」
みもりん「どうしたのー?」
えみつん『軽っ……』
みもりん「あはは、今順調ですよ~ん。 ちゃくちゃくとKKNについて調査しております!」
えみつん『そんなにでかい声出して大丈夫なの……?』
みもりん「多分」
えみつん『はぁ……まあいいか。 で、SKの様子は? 安全?』
みもりん「うんうん、ちょー安全。 ご飯食べてる」
えみつん『ご飯、って……』
みもりん「だってほんとーだもん。 ね、ぱいちゃん」
ぱいちゃん「う、うん……報告書、に、残してます……一応、映像にも……」
えみつん『うーん、じゃあ挑戦状って一体なんのことだったんだろ』
みもりん「さぁ……」ジーッ
怪盗KKN「~、ー、────、!」
みもりん(はぁ、ほんと、何話してるんだろ……)
みもりん(てか……ほんとに……)
みもりん(……かわい、)ツルッ
みもりん「あっ」
うっちー「!」
ぱいちゃん「すーちゃま! ケータイ!」
みもりん「手が滑っ、」
えみつん『────え、ちょ、』
ガシャーーーーン!!!
シカちゃん「うぉ!?」
怪盗KKN「ひっ!?」
みもりん「や、っばぁ……」サー
うっちー「ばっ、か……!」
ぱいちゃん「……け、KKNの、ご飯の上に、す、すーちゃんの、けー、たいが、落ちました……ど、どうぞ……」
~
怪盗KKN「な、な、なんだぁ……?」
シカちゃん「ケータイ……」
怪盗KKN「……? う、うえ、から、降ってきたよな……?」キョロキョロ
シカちゃん「あーーーー!」
怪盗KKN「えっ」ビクッ
シカちゃん(ま、まさか……上から、降ってきたってことは……)チラッ
うっちー「てめぇ! なにやってんだよ!」ボコッ
みもりん「いたぁい!」
ぱいちゃん「し、しーっ! しーっ!」
シカちゃん(やっぱりーーー! 上におるやんあいつら!)ワナワナ
怪盗KKN「な、なんだよ」
シカちゃん「あ、あー! えっとですね……上は、見ない方が……」
怪盗KKN「は?」
シカちゃん「あっ、あはは、ふ、不幸になるよ、上を向いたら……」ダラダラ
怪盗KKN「馬鹿か……上を向いて歩こうってよく言うだろ、こういう時こそ上を向いて……」
シカちゃん「アカーーーーン!!!!」バッ
怪盗KKN「えぇ!?」
シカちゃん「だめっ、だめだめだめ! 見んな!」
怪盗KKN「そう言われると余計気になるな……」チラッ
シカちゃん「っ!」
シカちゃん(ああ……もうだめだ……)
怪盗KKN「って……え?」
うっちー「もうこうなったら正面突破だごらぁぁぁぁ!!!」バッ
怪盗KKN「上から人が……ふって……」
シカちゃん「!?」
怪盗KKN「ちっ……やっぱりOTNがつけてやがったか……! 結局戦うのかよっ!」ジャキッ
シカちゃん「ひっ、こいつ銃もっとる……!」
怪盗KKN「あ、こ、これは……護身用というか……」
うっちー「っ、!」ジャキッ
バンッ!
怪盗KKN「うぉ、あぶねっ!」サッ
うっちー「……! くそっ、」
うっちー(避けられた……!)
怪盗KKN「あ、あぶねーなぁ……突然発砲すんなよ……!」
うっちー「うるせぇ!」ジャキッ
バンッ! バンッ! バンッ!
怪盗KKN「っ、は、はなしきけよ!」
怪盗KKN(せっかくのお見合い邪魔しやがって……)ピッ
怪盗KKN「おい! そらまる! 聞こえてる!?」
そらまる『もちろんばっちり! 店に突入した方がいいですか!? 一応店前に張ってたんで!』
怪盗KKN「頼むわー、OTNにやっぱつけられてた。 しかもそいつの結構腕が良くてさ、あたし死ぬかも」
そらまる『すぐいきます!』
うっちー「なに1人でこそこそ話してんだよ!」バンッ!
怪盗KKN「あぶないっつってんだろ!」ジャキッ
バキューン!!!
ガガガガガ!
バンバンバン!
シカちゃん「あぶっ、あぶなっ、しぬ!」
ぱいちゃん「シカちゃん! 助けに来たよ!」ヒョコ
シカちゃん「わっ!」
みもりん「やっぱり銃撃戦になっちゃったか……あたし、うっちーの援護にいくから、ぱいちゃんはシカちゃんとカウンターの陰にでも隠れてて! あと、お客さんの安全確保!」ダッ
ぱいちゃん「らじゃっ! いこ! シカちゃん!」
シカちゃん「う、うん……」
みもりん「うっちー、平気!?」
うっちー「さっさと構えろ!」パンッ! パンッ!
怪盗KKN「ち、ちょっとー、2対1なわけ?」バンバンバン!
みもりん「……」
みもりん(やっぱりかわいー……)ボケーッ
怪盗KKN「おっ! スキあり!」バキュン!
うっちー「っ、おい!」ドンッ
みもりん「いたっ!」ドサッ
うっちー「なにぼけっとしてんの!? 構えろって言ってんじゃん!」
みもりん「あ、はは……助けてくれてありがと……よしっ!」ジャキッ
怪盗KKN「よーし……こうなったら! ……こうだっ!」バッ
うっちー「!? なにする気、」
ドロン!
モクモクモク…
うっちー「……! うっ、けほっ、ごほっ、煙幕……!」
みもりん「ごほっ、ごほ……! なにも、見えない……!」
バンッ! バンッ!
うっちー「わっ、銃弾……っ! この煙の中撃ってくんの、卑怯すぎだろっ……!」バンッ!
みもりん「くそぉぉ……! こっちだって……!」バキュン! バキュン!
モク…モク…
うっちー「けほっ、煙が、晴れてきた……! 怪盗KKN、そこまで、だっ……、っ、え?」
みもりん「……!?」
そらまる「……ぼくでした!」ニヤリ
うっちー「そん、な……KKNが、消えた……!」
みもりん「逃げられたか……」
うっちー「追わなきゃ、」
そらまる「そうはさせないよ!」チュドーン!
うっちー「っ!」
そらまる「そうしたかったらぼくを倒してから進め!」
うっちー「……っ、あーもー! うぜぇ!」バンバンバン!
そらまる「わー! あぶない! あぶない!」ヒョイヒョイ
うっちー「くそっ、ちょこまかと……! みもちゃん!」
みもりん「う、うん!」
うっちー「私はこのふざけた野郎をぶち殺す! だからKKNを追って!」バンッ! バンッ!
みもりん「わっ、わかった……!」ダッ
みもりん(お、追うって、言っても……!)キョロキョロ
みもりん「あ……!」
みもりん(……あんなところに、裏口が……!)
みもりん(あそこが、怪しいな……)タッタッタッ
そらまる「あー! 1人逃げられた!」
うっちー「うるせー! さっさとしね!」バンバンバン!
そらまる「ちょ、ちょっと! ぼくほんとは弱いんです! 助けて! 助けて!」
~
怪盗KKN「はぁ、はぁ……」タッタッタッ
怪盗KKN「へっ、ちょろいぜ……!」タッタッタッ
怪盗KKN「……しっかしまあ、あのお嬢ちゃん、銃の扱いうめーなー、もうちょいで死ぬとこだった」タッタッタッ
怪盗KKN「そらまる、死なないといいけど……」タッタッタッ
怪盗KKN「……ま、大丈夫か。 いつもなんだかんだ生き延びてるしな……」
怪盗KKN「……っ、はー」
怪盗KKN「つかれた……」
怪盗KKN「ここらで休憩……」
ジャキッ
みもりん「……追い詰めた」
怪盗KKN「……させて、くれないみたいだな」
みもりん「怪盗KKN……」
怪盗KKN「……」
みもりん「あなたを逮捕します!」
怪盗KKN「……はは、もう、まいったな」
みもりん「銃を置きなさい!」
怪盗KKN「わかった……わかったからさ、頭に向けてる銃をさ、そっちが先に下ろしてくんない?」
みもりん「私語は許しません! 銃を置けっ!」
怪盗KKN「……はぁ」
みもりん「……」
怪盗KKN「わかった……よっ!」ジャキッ
みもりん「!」ビクッ
怪盗KKN「……さぁ、銃を置け」
みもりん「……っ」
怪盗KKN「頭ぶち抜くぞ。 お嬢ちゃん」
みもりん「それなら……こっちが先にぶち抜くまで」チャッ
怪盗KKN「……」
みもりん「……」
怪盗KKN「……はぁ、わかった、わかったよ」
みもりん「……は?」
怪盗KKN「こんなとこでさ、命捨てるの惜しくね? な?」
みもりん「……」
怪盗KKN「だからさ……いっせーので、銃を離すんだ。 そうしようよ」
みもりん「そんな罠に……ひっかかるとお思いで」
怪盗KKN「いやいやいや……あたし、マジで死にたくないからさ。 そっちもでしょ?」
みもりん「……」
怪盗KKN「しかもケーサツはさ、人をむやみやたらに殺せないんだろ? 知ってんだよ。 でも、あたしなら迷わず殺せる」
みもりん「別に……殺しますけど」
怪盗KKN「あー、まてまてまて! だから今この状況ではさ、あたしのが有利ってこと」
みもりん「……」
怪盗KKN「だからさ、どっちも銃下ろした方がよくない?」
みもりん(一理、ある……けど……)
みもりん(……信じていいのかな)
みもりん(でも……確かに……でまかせいっちゃったけど、殺せないしな……)
怪盗KKN「……」ニヤリ
みもりん(くそ、笑った顔可愛いな……信じて、みるか……)
怪盗KKN「よーし、せーの、で置こう。 せーの」
みもりん「……」スッ
怪盗KKN「お、まじて下ろした。 あはは」ジャキッ
みもりん「……っ! 騙したな……!」
怪盗KKN「あははは!」
みもりん(う、ここまでか……ああ……)
怪盗KKN「なーんてな」スッ
みもりん「あ……」
怪盗KKN「まーさかさ、本気で下ろしてくれるとは思わなんだ。 だから保険として、って意味」
みもりん「……」
怪盗KKN「そこまでゲス野郎じゃないわ。 あたしもね」
みもりん「……あ、で、でも!」
怪盗KKN「ん?」
みもりん「ひ、人殺しじゃん!」
怪盗KKN「は? 殺したことねぇよ」
みもりん「う、うそだ! だって……怪盗KKNを見たものは全員死ぬって……!」
怪盗KKN「なんだよその噂は……あのね、あたしは殺人に関しては手を加えてない」
みもりん「っ、あ、アメリカの美術館で、警察官が全員倒れた、って……!」
怪盗KKN「あー、それはね、怪盗KKNの捜査=死ぬって謎の偏見のせいでさ、あたしから挑戦状届いた翌日に警察官の方達がたくさんごちそう食ったらしいのよ」
みもりん「はぁ……」
怪盗KKN「んで、捜査翌日、そのごちそうに入っていた牡蠣にあたったらしく、その場で動けなくなったんだと。 まぬけだよなー」
みもりん「え、じ、じゃあ……ロシアの極寒の池に全員沈めたっていうのは……」
怪盗KKN「沈めたんじゃない。 沈んだの! あたしをおってきた警察のボートが! もろかったんじゃね?」
みもりん「……」
怪盗KKN「と、いうわけで、殺人は一切してないから」
みもりん(うっそぉ……)
みもりん「っ、でも! 物盗むじゃん!」
怪盗KKN「ああ、ビジネスだからな」
みもりん「……」
怪盗KKN「あんたもさ、こうやって悪党を追い詰めたり捕まえたりしてんだろ? それと同じことよ」
みもりん「全然同じじゃないよ! 盗むのは悪いことじゃん!」
怪盗KKN「はっ。 知ったこっちゃないね。 盗むのが悪いことだなんてそちら側の都合だろ」
みもりん「屁理屈だよそんなの!」
怪盗KKN「さっきからうるせぇな。 あたしにとっては警察が悪なんだよ。 わかる?」
みもりん「分かりません!」ズイッ
怪盗KKN「うぉっ、近っ……」
みもりん「……っ!///」ドキッ
みもりん(うおー……ほっぺすべすべー……///)
怪盗KKN「……はぁ、もういいか?」
みもりん「はっ……! い、いや、だめ! 逮捕……」
怪盗KKN「あー、そう。 あはは、じゃあな」スッ
みもりん「え、ちょっ、ま、」
ドロン!
モクモクモク…
みもりん「ごほっ……また煙幕……!」
みもりん「けほっ、おえっ……!」
みもりん「……こほ、っ」
ポツーン
みもりん「……あーー! あいついないし!」
みもりん「くっそ……!」
ガチャッ!
うっちー「みもちゃん!」タッタッタッ
ぱいちゃん「すーちゃま!」タッタッタッ
みもりん「あっ……ふたりとも……!」
うっちー「KKNは!?」
みもりん「ご、ごめん……逃した……」
うっちー「はー!? 何やってんの!?」
みもりん「……ごめん」
うっちー「まあ私も……あのすばしっこいの逃がしたんだけどさ……はーぁ」
みもりん「そ、そっか……は、はは……」
くぅつか
おやすみ
乙
果たしてジョルシカなのかみもジョルなのか
おつ
みもりんは誰が書いてもブレないな
飽きちゃったかな?
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