【ガルパン】西住隊長の転校 (154)
まほ「…」
まほ「ふぅ…」
エリカ「これで大体片付きましたね」
まほ「悪いなエリカ、転校の準備まで手伝ってもらって」
エリカ「いえいえ、隊長にはお世話になりっぱなしでしたから、せめてこれくらい」
まほ「だがまだ身の回りのものが片付いてなくてな…」
エリカ「一緒に片付けてしまいましょう」
まほ「助かるよ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488027531
まほ「…」ゴソゴソ
まほ「この黒森峰の生徒手帳」
まほ「これはいるか?」
エリカ「これはもういりません」
エリカ「隊長は、転校してしまうわけですから」
まほ「…」
まほ「そうだよな」
まほ「私はもう黒森峰の生徒じゃなくなるんだもんな」
まほ「これはいらないか」
エリカ「…」
まほ「あ、そうだ」
まほ「このパンツァージャケット」
まほ「これはいるよな」
エリカ「いりません」
まほ「なんで」
エリカ「今度からはこれを着てください」
まほ「なんだこれ」
まほ「ピンク色の全身タイツ?」
まほ「これを着て戦車に乗るのか?」
エリカ「いえ、踊ります」
まほ「お、踊る?」
まほ「戦車道全然関係ないんじゃないか?」
エリカ「このタイツは大事です」
まほ「そうなの?」
まほ「…まぁ、いいか」
まほ「…」ゴソゴソ
まほ「これ、私の戦術ノート」
まほ「これはいるだろ」
エリカ「いりません」
まほ「なんで?」
まほ「これ…これのおかげで」
まほ「いろんな相手を倒せてきたじゃないか」
まほ「これは私の全てだぞ」
エリカ「そんなものよりコッチを持っていってください」
まほ「なにこれ」
まほ「転校先の学園艦の地図?」
エリカ「はい」
まほ「なにに使うんだ」
まほ「私が道に迷うとでも思ってるのか?」
エリカ「隊長の転校先の高校」
エリカ「戦車はあるみたいなんですが」
エリカ「学園艦のどこにあるかわからないらしいんです」
エリカ「それを探してください」
まほ「え?」
まほ「戦車くらい、ガレージに置いてあるだろ」
エリカ「…」
まほ「…森とか所々大雑把に丸が書いてあるけど」
まほ「ここら辺にあるかもしれないってことか?」
まほ「この丸なんか池の真ん中にかいてあるぞ?」
まほ「潜って探せってことか?」
エリカ「…」
まほ「そうか…」
まほ「わかったよ、探せばいいんだろ」
エリカ「はい」
笑う犬の小須田課長の奴か
まほ「あ、咽喉マイク持ってかなきゃ」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!」
まほ「コレがなきゃ通信できないだろ!」
エリカ「通信する相手がいないんです」
まほ「!?!?!?」
まほ「通信する相手がいないって…どーゆーこと?」
エリカ「転校先の高校、戦車道をやってる人がいないんです」
まほ「いないの!?」
まほ「それじゃ…通信云々以前に戦車を動かせないじゃないか!」
エリカ「探してください」
まほ「なにを?」
エリカ「戦車に乗る人をです」
まほ「戦車以外に戦車に乗る人も探さなきゃならんのか!?」
まほ「なぜ私がそこまでしなきゃいけないんだ!」
まほ「そーいうのは学校の仕事だろう!」
エリカ「転校先の学校は戦車道の授業がありません」
まほ「ないのかよ!!」
まほ「それは戦車以前の問題だろ!」
まほ「戦車とか探す前にやるべきことがあるだろう!」
エリカ「なので転校したら戦車道の選択科目を作ってください」
まほ「私が作るかよ!!」
まほ「一から全部やんなきゃいけないのか!?無理に決まってるだろ!!」
エリカ「…」グスッ
まほ「泣いてんの…?」
まほ「…わかったよ、やればいいんだろ」
まほ「せっかくここまで戦車一筋でやってきたんだ」
まほ「例え戦車道がない学校に転校しようが」
まほ「この私が作り出してやる」
エリカ「流石です、隊長」
まほ「…」
まほ「漫画本は持って行こう」
まほ「暇つぶしになるし」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!!!」
まほ「これを持っていくのは私の勝手だろ!?」
エリカ「そんなもん持って行くなら、こっちを持って行ってください」
まほ「…『サルでもわかる戦車の動かし方~入門編~』」
まほ「なんだこの本」
まほ「バカにしてんのか」
エリカ「いいえ、これを使って隊長が教えるんです」
まほ「何言ってる、初心者なんか集めるわけないだろ」
まほ「経験者のみを探すからいらん」
エリカ「転校先に誰1人いませんよ、戦車道経験者」
まほ「嘘だろおい!!!!!」
まほ「1人くらいはいるだろ!!」
エリカ「…」
まほ「い…」
まほ「いないの?」
エリカ「…」
まほ「あ…そう」
まほ「わかったよ、私が教えればいいんだろ?」
まほ「人に教えるのは慣れてるよ、うん」
エリカ「隊長ならできます」
まほ「…そうか?」
エリカ「当然です」
まほ「…エリカにそこまで言われたらなんかやる気出てきたよ」
まほ「一から戦車道を築き上げるのもなんか楽しそうだしな」
まほ「頑張ってみるよ」
エリカ「応援してます」
まほ「…戦車道以外にも、学業を疎かにしてはいけない」
まほ「大学入試の問題集も持って行くか」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!?!?!?!?」
まほ「勉強はしなきゃダメだろ!!!」
まほ「高校生なんだから!!!」
エリカ「隊長」
エリカ「転校先の高校で次の戦車道全国大会に優勝できますか?」
まほ「できるわけないだろ、素人しかいないんだから」
エリカ「ですよね」
エリカ「実は転校先の高校は全国大会で優勝しないと即刻廃校になってしまうんですよ」
まほ「!?!!??」
エリカ「まぁ優勝は不可能なんで」
エリカ「学校は廃校となり、隊長は中卒ということになります」
まほ「…」
まほ「…だから…大学のための勉強をする意味はないってか…?」
エリカ「…」
まほ「私は…なぜそんなところに転校しなければならないんだ…」
エリカ「うぅッ…」
まほ「…泣いているのかい…?」グスッ
まほ「う…」
まほ「…♪顔が埃にまみれようと~我らが心は郎らかに郎らかに~…」
まほ「♪我らが戦車~風を切り突き進む~…」
まほ「うううぁぁぁあ………!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「テレビのインタビューで!!」
エリカ「『イェーイお母様みてるぅー?』なんてVサインするからいけないんだ!!!!!」
まほ「あれかぁ~~~………」
続きは明日です…
廃校になっても別の学校に転校になるから中卒にはならないんじゃ・・・
乙
気の早い話だがこのSS終わったらミル姉さんで一ネタやって欲しい
乙です。
まほさん(笑)
みほはこのまほを見て何を思っただろうか。
よくこの状態でハッピーエンドに持っていけたな
これ見てる人で
「小須田課長」分かる人いるかな?
はっぱ隊とか、テリー&ドリーなんて知ってるわけないじゃないか
ミル姉さんっ!!
小須田課長って確か最期宇宙に行って…
元ネタ抜きで見るとエリカどんだけ情報通なんだよと
懐かしい
おつ
まほ「…」
まほ「ふぅ…あと少しだな」
エリカ「失礼します」ガラッ
まほ「おぅエリカ、よく来た」
エリカ「すみません遅れてしまって」
まほ「いいんだ、わざわざ熊本から茨城まで手伝いに来てもらってるんだから」
まほ「礼を言うよ」
エリカ「いえいえ、一度ここも伺ってみたかったものですから」
エリカ「それにしても隊長凄いじゃないですか」
エリカ「戦車道無名校を優勝させちゃうなんて」
まほ「いやぁ、ここの生徒が優秀なだけだ」
エリカ「決勝も熱かったですね~」
まほ「流石に黒森峰には勝てないだろって思ってたけど、勝てちゃったな」
まほ「みほのティーガーとの戦いも良かった」
まほ「そー言えばみほは元気か?」
エリカ「え?…あ、はい」
エリカ「元気ですよ」
まほ「そーか」
エリカ「あんこう踊りも良かったですよ」
エリカ「youtubeで見ました」
まほ「練習したからな、西住流に不可能は無い」
エリカ「良かったですね、廃校の話も無くなって」
まほ「あぁ…せっかくこの学校の皆とも仲良くなれたのに、もう転校だ」
エリカ「それは寂しいですね」
まほ「ほとんど片付いたんだが、まだ迷ってるものがあってな」
エリカ「よし、じゃあ片付けてしまいましょう」
まほ「助かるよ」
まほ「えーっと」ゴソゴソ
まほ「この生徒手帳」
まほ「これはいるかな」
エリカ「いりません」
まほ「そうか」
エリカ「これからは隊長は、大洗女子の生徒ではなく」
エリカ「ドゥーチェになられるわけですから」
まほ「ドゥーチェ」
エリカ「はい」
まほ「ドゥーチェ?」
エリカ「はい」
まほ「…よくわからんな」
まほ「まぁいいや」
まほ「そうだ」
まほ「このパンツァージャケット」
まほ「これはいるか?」
エリカ「いりません」
まほ「なんで」
エリカ「今度からはこれを着てください」
まほ「ん?真っ白い服?」
まほ「こんなの、汚れがすごく目立つじゃないか」
エリカ「あとこれもかぶってください」カポ
まほ「ん?」
まほ「コックさんの帽子じゃないか」
まほ「これ、コックさんの衣装か?」
まほ「これ着て戦車に乗るのか?」
エリカ「いえ、料理を作ります」
まほ「…」
まほ「まぁ、そうだよな」
まほ「私、料理は苦手なんだが」
エリカ「どうにかなると…思います」
まほ「…」
まほ「あっ」ゴソゴソ
まほ「これ、私の戦術ノート」
まほ「これはいるだろ」
エリカ「まだ持ってたんですか」
まほ「この学校の戦車、黒森峰より貧弱すぎて」
まほ「黒森峰基準の戦術ノートが全く役に立たなかったけど」
まほ「次の高校では役立つかもしれないだろ」
エリカ「それじゃ今回もいりません」
まほ「なんで?」
エリカ「こっちを持って行ってください」
まほ「『サルでもわかる、イタリア料理の作り方』」
まほ「何だこの本」
エリカ「この本が隊長のノートより百倍役に立ちます」
まほ「なんだと」
まほ「私の戦術ノートはこのサル向けの本より百倍役立たずってことか」
エリカ「はい」
まほ「はいってお前…」
まほ「それにまた料理に関するものだ」
また「私は料理をする為じゃなくて、戦車に乗る為に…」
エリカ「わかってますよ」
まほ「…」
まほ「わかってるならいい」
まほ「…咽喉マイクは?」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!?」
まほ「使ったぞ!お前が前にいらないって言ってたけどこの学校で咽喉マイク使ったぞ!」
エリカ「こっちの方が必要です」
まほ「トンカチ?」
まほ「なんだ?操縦手の肩を足で蹴るんじゃなくて」
まほ「トンカチでぶっ叩くのか?」
エリカ「…怖いこと言わないでください」
まほ「んじゃあ何に使うんだよ」
エリカ「そりゃあ、出店を作る為ですよ」
まほ「…出店?」
エリカ「はい」
まほ「出店を作って、どうするんだ?」
エリカ「料理を売ります」
まほ「あの…私は戦車に乗るために」
エリカ「わかってますよ」
まほ「てか、確認したいんだけど」
まほ「今度の転校先に、戦車道はあるんだよな?」
まほ「また一から人集めたりしろとか言わないよな?」
エリカ「安心してください、転校先に戦車道はあります」
まほ「そうか」
まほ「ならいい」
まほ「…」ゴソゴソ
エリカ「なんですかこの棒」
まほ「ふふふ」
まほ「ダウジングだ」
エリカ「いらないです」
まほ「いる!!!」
まほ「これで転校先に眠っている戦車を探して、戦力を強化するのだ!!」
エリカ「残念ながら転校先に放置されてる戦車はありません」
まほ「な…ないのか…」
エリカ「代わりにこれを持っていくといいですよ」
まほ「なんだこの紙」
まほ「中古戦車ショップのチラシじゃないか」
エリカ「どれが良いですか?」
まほ「どれが良いかって…」
まほ「そりゃ…ドイツ重戦車がいいけど」
まほ「うわ、ティーガーって中古でもこんなに高いのか」
エリカ「転校先でみんなと好きな戦車でも決めるといいですよ」
まほ「え?」
まほ「好きな戦車決めていいのか?」
エリカ「決めるのは自由ですから」
まほ「まさか…お母様が好きな戦車をプレゼントしてくれるとか…?」
エリカ「そんなわけないじゃないですか」
まほ「え」
エリカ「買うんですよ」
まほ「は?」
エリカ「自分たちで戦車を」
まほ「何を言ってるんだ」
まほ「買えるわけないだろ、こんな高いやつ」
まほ「乗用車よりも全然値段高いんだから」
まほ「てか、女子高生が自分の小遣いで車を買えるか?」
まほ「普通戦車なんて学校が保有してるか、学校が買ってくれるか…」
まほ「…あの、エリカ」
エリカ「なんですか」
まほ「転校先に放置されてる戦車はないと言っていたが…」
まほ「もしかして戦車、一つもないのか?」
エリカ「あるに決まってるじゃないですか」
エリカ「戦車道があるのに、戦車が無いのはおかしいでしょう」
まほ「あーなるほど」
まほ「放置戦車はないけど、学校自体には戦車はあるのね」
エリカ「いっぱいありますよ」
まほ「おおッ?」
まほ「いっぱいあるのか?戦車」
エリカ「たーっくさんありますよ、大量に」
まほ「そんなにあるのか!?」
まほ「なんだぁ探さなくても買わなくても良いじゃないか!」
まほ「んじゃあ戦車道が盛んで強い学校なんだな!」
まほ「ちなみに主力戦車はなんだ?」ワクワク
エリカ「豆戦車です」
まほ「は?」
まほ「…は?豆?」
エリカ「豆戦車です」
まほ「豆戦車が主力なのか?」
エリカ「はい」
エリカ「主砲を持たない、機銃がメイン武器の豆戦車です」
まほ「主砲が無いのに主力なの?」
エリカ「まぁ、たくさんありますから、豆戦車」
エリカ「必然的に主力ですよね」
まほ「他に戦車はないの?」
エリカ「自走砲が片手で数えるほど」
まほ「他には?」
エリカ「ありません」
まほ「え…」
まほ「えぇえ~…そんなぁ~…」
まほ「大量の豆戦車と数台の自走砲…」
まほ「どうやって戦うのぉ…?」
まほ「中戦車も重戦車もないのか…?」
エリカ「だから買うんですよ」
まほ「だから買えないだろ!高いんだから」
エリカ「転校先の学校は貧乏なんです」
エリカ「だから生徒は皆、自分でお金を稼いで」
エリカ「戦車の修理費とかやりくりしてるんです」
まほ「なんだその学校…」
エリカ「欲しい戦車があれば自分で稼いで買う」
エリカ「それがその学校のスタイルです」
まほ「落ちてる戦車拾うほうがマシなのですが…」
まほ「大体私はアルバイトとかやったことないし…」
まほ「その…コンビニ店員とか…タバコの銘柄を覚えられる自信ないし…」
エリカ「コンビニ店員とかじゃなくて」
エリカ「そのためのこの本です」
まほ「サルでもわかるイタリア料理の作り方か」
エリカ「絶品イタリア料理を作って売って、稼いだお金で戦車を買うんです」
まほ「無理に決まってるだろ」
まほ「私は料理が出来ない」
まほ「家にいた時は家政婦さんが作ってくれたし」
まほ「学校ではいつも学食だ」
まほ「寮ではコンビニ弁当かレトルト食品だ」
まほ「料理なんてしたことないのに、絶品イタリア料理なんて作れるわけないだろ」
エリカ「ただ料理を作れば良いってわけじゃありません」
エリカ「ほとんどの生徒がお金欲しさで、毎日出店で自慢の料理を売っています」
エリカ「その学校は毎日が祭りのようだと言われています」
エリカ「そんな激戦区の中、金を稼ぐには」
エリカ「見た目、味、出店の雰囲気、適切な価格設定」
エリカ「丁寧な接客、ブランド力、リピーターの確保、お得なポイントカード…」グスッ
まほ「…泣いてるのか?」
エリカ「…」
まほ「…お金を稼ぐって、大変なんだな…」
エリカ「はい…」
まほ「私には出来そうに無いから…豆戦車で頑張るよ…」
エリカ「料理も出来ない!戦車も弱い!」
エリカ「それじゃ転校先でのあなたの価値はゼロに等しいですよ!!!」
まほ「♪顔が埃にまみれようと~!!我らが心は郎らかに郎らかに~!!」
まほ「♪我らが戦車~!!風を切り突き進む~!!」
まほ「うううぁぁぁあーーー!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「実家に仕送りでアンコウを送ったときに!!」
エリカ「『アンコウは美容に最適です、今のお母様にピッタリですね』なんて手紙を添えるのが悪いんだ!!!!!」
まほ「良かれと思ったんだぁ~~~………」
続きは明々後日までには…
ちっからのーかぎりーいーっきてーやーれぇー♪
これもしかしてエリみほが結婚するのか?楽しみ
よくよく考えてみたら、黒森峰追放はともかく、それ以降の行為に関しても文句付けて転校させるとか、しほはどれだけ複数の学園艦に影響あるんだよ
元ネタありきとは言え、やり過ぎ感が半端ない
実の娘を保護者の権限で転校させてるだけだから、学園艦への影響力は関係なかろう
こりゃ犬も笑う。
今更だけど小須田「部長」な
引越しシリーズは何度見ても笑えるのがすごい
笑う犬じたいが名作なんだろうけど
やらかすけど仕事は有能、有能だけどしれっとやらかすまぽりん、嫌いじゃないぜ…
ちなみに元ネタの人(のキャラ設定)は1945年8月16日生まれの熊本県(人吉市)出身、微妙に関係があるとも言えなくもねーな
まほ「…」
まほ「大体まとまったな」
エリカ「隊長!」
まほ「おーエリカ」
エリカ「すごいですよ!そこら中に美味いイタリア料理の出店が!」
まほ「いっぱい食べてきたか?」
エリカ「その中でもダントツで美味いのが!」
エリカ「中央広場に堂々と構えてる隊長の店ですよ!」
まほ「私の店、『ニシズ・ミラノ』にも行ったのか」
エリカ「ホンモノのカルボナーラってあんなに美味いんですねぇ~」
まほ「喜んでもらえて何よりだ」
まほ「最初は犬小屋みたいな出店からスタートしたんだかな」
まほ「修行に修行を重ね…」
まほ「私の料理が評判を呼び…」
まほ「店の規模もどんどん拡大して…」
まほ「今じゃ出店の枠を超えて、生徒約100人で運営する学校一の高級レストランだ」
まほ「私の料理は学校を超えて日本を超えて…」
まほ「本場のイタリア人だけでなく世界中の人から認めてもらえる味となったのだ」
まほ「今も生徒たちが私の弟子になろうと大勢詰めかけてくる」
まほ「いやはや、本当に毎日お祭りのように忙しかったな」
エリカ「すべての人を魅了する…ドゥーチェの名に恥じない活躍ですね!」
まほ「あのレストランも私が建築したんだ」
エリカ「え゛ッ!?マジですか!?」
まほ「エリカからもらったトンカチを使ってな」
エリカ「すごい…!!」
まほ「そしてついにP40重戦車を買うことができた」
まほ「ここまでの道のり…長かったよ」
エリカ「私…!本当に尊敬しています!!」
エリカ「あなたは私の誇りです!!」
まほ「ふッ…よせ、照れるじゃないか」
まほ「だが残念なことに、また転校だ」
エリカ「ニシズ・ミラノはどうするんですか…?」
まほ「優秀な後輩がたくさんいる」
まほ「これからは彼女らがニシズ・ミラノを支えてくれるだろう」
まほ「このままの調子でいけば、ティーガーだって買えるさ」
まほ「次期ドゥーチェも決めたしな」
まほ「心残りはない」
エリカ「そうですか…」
まほ「ただ、まだ転校の準備が終わってなくてな…」
エリカ「それじゃ、ちゃっちゃと片付けちゃいましょう」
まほ「ありがとう、エリカ」
まほ「…では」ゴソゴソ
まほ「この生徒手帳」
まほ「これはいるか?」
エリカ「いりません」
まほ「そうか」
エリカ「隊長はこれから、ドゥーチェではなく」
エリカ「淑女になるわけですから」
まほ「淑女?」
エリカ「はい」
まほ「淑女…なんかよくわかんないな」
エリカ「大丈夫です」
まほ「ならいいか」
まほ「よっと…」
まほ「このパンツァージャケット」
まほ「これはいるのか?」
エリカ「いりません」
まほ「なんで」
まほ「…どうせまた、変な服だして」
また「戦車道と関係ないことやらされるんだろ」
エリカ「いえ」
エリカ「転校先で新しいパンツァージャケットが渡されるので」
エリカ「それ着ればオッケーです」
まほ「あ」
まほ「そうなの」
まほ「ふーん…」
まほ「あの、先に聞くけどさ」
エリカ「はい」
まほ「今度の転校先は、戦車あるの?」
エリカ「ありますよ」
まほ「豆戦車じゃなくて、中戦車と重戦車だぞ!」
エリカ「中戦車も重戦車もありますから」
エリカ「安心してください」
まほ「お!」
まほ「重戦車あるのか!」
エリカ「良かったですね」
まほ「あぁ」
まほ「じゃあこの咽喉マイクは?」
エリカ「持っていっていいですよ」
まほ「持っていっていいのか!?」
エリカ「はい」
まほ「今までダメだったじゃん!」
エリカ「まぁ…今まではアレでしたけど…」
エリカ「今回は戦車道に集中できる学校ですから」
まほ「戦車やる人探せとか、料理作れとか言わないんだな!?」
エリカ「言いませんよ」
まほ「本当か!」
まほ「いやぁやっと戦車道に集中できそうだ!」
エリカ「はい」
まほ「じゃーこの戦術ノートも持って行って良いんだな!」
エリカ「いりません」
まほ「なんでだよ!」
まほ「流れ的に持って行ける雰囲気だったろ!」
エリカ「隊長にはこれが必要です」
まほ「『サルでも分かる、礼儀と作法』…」
まほ「このサルでも分かるシリーズを渡してくるのやめてくれんか」
まほ「人間でも分かるで良いんだよ」
エリカ「隊長、今度の転校先は超お嬢様学校です」
エリカ「最低限の礼儀作法がないと」
エリカ「生きていけませんよ」
まほ「大袈裟すぎじゃないか」
エリカ「隊長は男勝りな性格なんですから」
エリカ「性格から捻じ曲げていかないと…」
まほ「それは私が私でなくなってしまうではないか」
エリカ「だからそうしないとダメなんですって」
エリカ「だって隊長ガサツでしょ?」
まほ「失礼だなキミは」
エリカ「礼儀作法を知らないでその学校行ったらイジメられますよ」
エリカ「お嬢様学校のイジメって陰湿なんですよ?」
エリカ「靴に画鋲入れられたり」
エリカ「オジサンとホテルに行ってたって、ありもしない噂流されたり」
まほ「私は屈しないぞ」
エリカ「屈しる屈しないじゃなくて、礼儀作法を学びゃいいんですよ」
エリカ「そうしないと戦車乗らせてもらえないですよ?」
まほ「やっぱりすぐに乗せてもらえないんじゃないか!」
エリカ「礼儀作法さえマスターすれば乗せてもらえますから!」
エリカ「料理人になるより簡単でしょ!」
まほ「…確かにな」
まほ「今まで私がやってきたことに比べりゃ簡単だな」
エリカ「隊長ならできますよ」
まほ「よし、任せろ」
まほ「…」ゴソゴソ
まほ「見ろ、立派なフライパンだろ」
まほ「これで転校先の皆に料理を振るってやる」
まほ「これ持ってけば友達はたくさんできるだろ」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!!!」
まほ「世界中の人を魅了させた料理を作ることができるんだぞ!」
まほ「これを捨てろというのか!」
エリカ「こっちのほうが重要です」
まほ「…ティーカップ?」
エリカ「とりあえず、その学校はそれが全てです」
まほ「…ティーカップが全ての学校ってなんだよ」
エリカ「ティーカップがないと生きていけません」
まほ「死ぬんか」
エリカ「隊長、お嬢様学校のイジメって陰湿なんですよ?」
まほ「わかったよ!カップ持ってかないとイジメられんだろ?持ってくよ!」
まほ「…」ゴソゴソ
まほ「重いけど、ダンベルを持って行こう」
まほ「最近筋肉が落ちてきた気がするからな」
エリカ「いりません」
まほ「なんで」
エリカ「こっちのほうが必要です」
まほ「なんだこれ」
エリカ「膨らませるとバランスボールになります」
エリカ「これでバランス力を鍛えてください」
まほ「ふっ」
まほ「エリカ、私はバランスには自信があるぞ」
まほ「バランスボールの上であぐらをかくことだって出来るのさ」
エリカ「…あ、魔法瓶に紅茶を入れてきたんで飲みますか?」
まほ「なんだよ唐突に」
まほ「まぁ頂こうか」
エリカ「どうぞ」トポトポ
まほ「ふむ、いい香りだ」
まほ「…」ズズッ
エリカ「…」ドンッ
まほ「うわッちゃァァッ!!??」
まほ「エリカ!飲んでる最中に押すなよ!こぼしちゃったじゃないか!!」
エリカ「あーダメですね」
まほ「はぁ?」
エリカ「こぼしちゃダメなんですよ」
まほ「こぼすだろいきなり押されたら!」
エリカ「今度の学校、紅茶を飲みながら戦車に乗るんですけど」
エリカ「どんなに戦車が揺れても絶対に紅茶を一滴もこぼしちゃいけないんですよ」
まほ「なんだそりゃ!」
まほ「戦車のなかで紅茶を飲むのもおかしいけど!」
まほ「一滴もこぼしちゃいけないってのは無理だろ!!」
まほ「戦車はめちゃくちゃ揺れるんだから!」
エリカ「それじゃあ戦車に乗れないですよ」
まほ「まーた戦車に乗れないじゃないか!!」
エリカ「だからこのバランスボールでバランス感覚を…」
まほ「私は普通に戦車に乗りたいんだ!!」
エリカ「右手に紅茶を持つこと以外は普通に戦車に乗るのと同じですよ」
まほ「右手に紅茶を持つことが普通じゃないの!!」
エリカ「しょうがないじゃないですか、その学校の伝統なんですから」
まほ「しょーもない伝統だな」
エリカ「…」
まほ「わかったよ、究極のバランス力を手に入れればいいんだろ?」
エリカ「隊長なら出来ます」
まほ「何を根拠に…」
エリカ「隊長」
まほ「なんだ」
エリカ「現実を受け入れることで、希望が見えてくる」
まほ「なんだよいきなり」
エリカ「誰の言葉か知っていますか?」
まほ「知らないよ」
エリカ「ダメですね、これを持って行ってください」
まほ「…『世界の偉人格言集』」
まほ「…この本は何に使うんだ」
エリカ「隊長、転校先では言われた格言に対して」
エリカ「誰の格言か当てないと戦車に乗せてもらえないんですよ」
まほ「なんでだよッ!!」
まほ「何その決まり!!」
まほ「戦車に乗るためには!?」
まほ「礼儀作法はまだわかるよ!」
まほ「紅茶を一滴もこぼしちゃいけない!?格言を覚えなきゃいけない!?」
まほ「そんな事よりやるべきことがいーっぱいあるだろ!!」
まほ「体力作りとか戦車戦のシミュレーションとか!」
まほ「無駄が多すぎる!!」
エリカ「隊長、そんなワガママ言っててもしょうがないじゃないですか」
まほ「ワガママも言いたくなるよ!」
エリカ「黒森峰のキツイ練習に比べたら楽じゃないですか!」
まほ「私は黒森峰のようなキツイ練習を求めているんだ!」
まほ「自分を追い込んで力をつけて」
まほ「強大な敵に挑んで行く…!」
まほ「そーゆー物を私は求めているんだよ!」
まほ「紅茶とか格言とかどーでも良いの!」
エリカ「自分を追い込む」
エリカ「強大な敵に挑む」
エリカ「そーゆーのを求めてるわけですね?」
まほ「え?」
まほ「…そうだよ」
エリカ「でしたら転校先は隊長にぴったりの学校ですよ」
まほ「は…?」
エリカ「実は転校先の戦車道は」
エリカ「OG会に支配されてるんですよ」
まほ「OG会…?」
まほ「卒業生ってこと?」
エリカ「はい」
エリカ「そのOG会は、あえて強い戦車を使わせないようにしたり」
エリカ「大会の編成にすら口を出してくる厄介な連中なんです」
まほ「…どーゆーこっちゃ…」
エリカ「黒森峰で例えたら」
エリカ「ティーガーやパンターを使うなと指示をしてきたり」
エリカ「次の試合では固定砲塔の使用を禁止すると指示をしてきます」
まほ「なんだそれ…」
まほ「そんなにイチャモン付けられたら自分の力を出し切れないじゃないか」
エリカ「そこで今回の隊長の転校先での仕事は」
エリカ「主にOG会の説得です」
まほ「え」
エリカ「卒業生連中は特に礼儀作法にうるさいです」
エリカ「在校生でOGに口を出せるものはいません」
まほ「そんなOGたちにもう口出しするなと説得するのが私の役目ってことか…?」
エリカ「はい」
エリカ「だから礼儀作法は大事だって行ってるじゃないですか」
まほ「簡単に説得出来るのか?…出来るわけないよな」
エリカ「今までOG会に説得を試みた在校生たちは」
エリカ「皆ボロボロになって帰ってきました」
まほ「こわッ」
エリカ「隊長」
エリカ「OG会のイジメは特に恐ろしいんですよ?」
まほ「どーせ靴を隠されるとか陰湿なやり方だろ?」
エリカ「三角木馬に乗せられてムチで叩かれます」
まほ「!?!?!?!?」
まほ「イジメレベルが跳ね上がったぞ!?」
まほ「やってることがお嬢様というより、SM嬢じゃないか!!!」
エリカ「OG会は表向きは優雅で気品のある淑女の集まりですが」
エリカ「裏の顔は自分たちに刃向かう在校生を調教し屈服させる女王様軍団なんです」
エリカ「在校生が口出しできないわけです」
エリカ「どうです?強大な敵に立ち向かってみては?」
まほ「いやだよ!怖いよ!!」
エリカ「隊長なら出来ます」
まほ「むりむりむり!」
エリカ「でも転校は決まってるんです」
まほ「じゃあ転校してもその学校では戦車道はやらん!」
エリカ「いやぁそれが」
エリカ「もう転校先の学校は元黒森峰の隊長がやって来るって話題で持ちきりなんですよ」
エリカ「OG会を倒す救世主がやって来るって」
まほ「なッ!?」
エリカ「もちろんOG会の連中の耳にも入ってるでしょう」
エリカ「OG会は真っ先に隊長を潰そうとするでしょうね」
まほ「誰がそんな話題振ったんだよ!」
エリカ「私です」
まほ「おまえかよぉ!!!」
エリカ「いや…こちらも礼儀正しくしとかないといけないと思いまして…」
エリカ「隊長の代わりに転校前の挨拶に行ってきました」
エリカ「『西住まほがOG会を倒してみせます!』って」
まほ「勝手なことすんなよぉ!!」
エリカ「OG会の皆さん、きっと可愛がってくれますよ…!」グスッ
まほ「なんでお前が泣いてんだよ!泣きたいのはこっちの方だよ!!」
まほ「♪顔が埃にまみれようと~!!我らが心は郎らかに郎らかに~!!」
まほ「♪我らが戦車~!!風を切り突き進む~!!」
まほ「うううぁぁぁあーーー!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「料理雑誌のインタビューで!!」
エリカ「『お母様の料理って不味いんですよ』なんて答えるからいけないんだ!!!!!」
まほ「あれかぁ~~~………」
大人げねぇーーー!
おつおつ
横浜に革命の風は吹くのか…?
あれ…これお姉ちゃんどんどん完璧人間になっていってないか…?
チハタンで全部リセットされるでしょ(適当)
乙です。
そう言えば、元ネタを無視して考えたらこのまぽりんはそのうち留年してでもすべての戦車道参加校を回るんじゃないのだろうか?
これはエリカとみほが結婚してまほがむせび泣く流れやな
「女のヒステリー程醜いものは無いってね、オバサン!」byソニックボンバー
期待
まほ「…」
まほ「ふぅ」
まほ「これで大体、済みましたわね」
エリカ「失礼しまーす」
まほ「エリカ」
エリカ「いやー綺麗なところですね、流石お嬢様学校」
まほ「エリカ」
まほ「ここは聖グロリアーナのなかでも特に神聖なる場所、紅茶の園よ」
まほ「他学生でも礼儀正しく、優雅に振る舞いなさい」
エリカ「し、失礼いたしました…」
まほ「そこにお掛けなさい」
まほ「お客様にお紅茶を」
「かしこまりました、ディンブラ様」
エリカ「でぃ…ディンブラ様…?」
まほ「紅茶の園は戦車道の幹部のみが加入できるクラブなのよ」
まほ「そしてその幹部たちには紅茶の名前が与えられるの」
エリカ「はぁ」
まほ「エリカ、こぉんな格言を知っているかしら?」
エリカ「あの」
まほ「…何かしら?」
エリカ「普通に喋ってもらえません?」
まほ「え?」
エリカ「なんか…絡みにくいです」
まほ「あ、そう…」
「ダージリンティーです」コト
エリカ「どうも」
「ディンブラ様、お好みのアッサムティーです」コト
まほ「ありがとう」
まほ「私は彼女と昔話に花を咲かせながら転校の準備をするわ」
まほ「席を外してもらえるかしら」
「わかりました、ディンブラ様…お世話になりました」ペコ
エリカ「…慕われてますねぇ」
まほ「そりゃあ…頑張ったからなぁ」
エリカ「隊長、本当に頑張ったと思います」
エリカ「あのOG会を説得させるなんて」
まほ「もうOG会は在校生に口は出さないだろう」
まほ「逆に今は在校生が力を発揮できるように援助してくれる立場だ」
まほ「OG会は我が校に欠かせない存在となった」
エリカ「何をしたんですか…」
まほ「誠心誠意、自分の気持ちを伝えただけだ」
エリカ「すごい…OG会を味方にするなんて…」
まほ「今じゃコメット、チャレンジャー、センチュリオンが主力だ」
エリカ「タダでさえ強いこの学校が」
エリカ「戦車まで強くなって…他校も恐れていますよ」
まほ「私は、自分の仕事をしたまでだ」
エリカ「隊長のそういうところ、本当に尊敬します」
まほ「…エリカ」
まほ「黒森峰で隊長になったんだってな」
エリカ「…え、えぇ、まぁ」
まほ「…おめでとう」
エリカ「よ、喜んでいいんだか…」
まほ「しかし、みほじゃないのが意外だな」
まほ「もちろん、エリカも隊長に相応しいと思っているが」
エリカ「み、みほが」
エリカ「『エリカさんが隊長なら頑張れる!前のは色々メンドくさかったからなぁ』って言ってまして…」
エリカ「それで私が隊長でみほが副隊長です…」
まほ「…」
まほ「…前のって…私のことか?」
エリカ「…」
まほ「…」
エリカ「さ!片付けちゃいましょう!」
まほ「おい!エリカ!私ってメンドくさい人間だったのか!?」
エリカ「ハハハ」
まほ「私の質問に答えろ!エリカ!私は黒森峰で煙たがられていたのか!?」
エリカ「隊長!もう生徒手帳はいりませんよ」
まほ「いらねぇだろ!転校すんだから!!」
まほ「そんな…みほ…」
まほ「私は黒森峰のときも頑張っていたのに…」グスッ
エリカ「…」
エリカ「元気出してください隊長」
エリカ「一応みほも、隊長のこと気にしているんですよ」
まほ「え、みほが!?」
まほ「みほはなんて言ってたんだ!?」
エリカ「え…」
エリカ「…お姉ちゃんって今生きてんの?って」
まほ「もしかしたら死んでんの?って思われてるじゃねーか!!!」
まほ「なんも気にしてくれてないじゃないか!!」
まほ「あーもうやる気出ない」
まほ「いっそ死んでしまおうか」
エリカ「隊長…元気出してくださいよ」
まほ「出るわけないだろ」
まほ「もう私の元気は枯渇した」
エリカ「ここまで頑張ってきたじゃないですか」
エリカ「きっと黒森峰に帰れるときが来ますよ」
エリカ「みほも待ってますよ」
まほ「うそこけ」
まほ「どーせみほはお姉ちゃんのことなんか忘れてるんだよ」
エリカ「勝手に決めつけないでください!!」
まほ「えっ」
エリカ「もしかしたら、みほは隊長の帰りを待ってるかもしれないじゃないですか!」
エリカ「みほに会うまで、みほの気持ちを決めつけないでください!!」
まほ「エリカ…」
エリカ「隊長は今、いつか黒森峰に帰るために頑張ってるんでしょ?」
まほ「あぁ…」
エリカ「ここで諦めていいんですか?」
まほ「…」
まほ「エリカ、目が覚めたよ」
まほ「ありがとう」
エリカ「隊長…!」
まほ「私は必ず黒森峰に帰る!!」
エリカ「隊長…!私はいつまでも待っています!」
エリカ「隊長の帰りを!!!」
まほ「よし!じゃあさっさと転校の準備をしよう」
エリカ「はい!」
まほ「…この生徒手帳はいらないんだったよな」
エリカ「はい」
エリカ「隊長はこれから、淑女ではなく」
エリカ「あまになるわけですから」
まほ「あま?」
エリカ「はい」
まほ「あまってなんだ」
エリカ「まぁ…大丈夫です」
まほ「何が大丈夫なんだ?」
エリカ「…」
まほ「…大丈夫なの?ならいいけど…」
まほ「あ、そうだ」
まほ「この学校のパンツァージャケット結構好きなんだけど」
まほ「これはいるか?」
エリカ「いりません」
まほ「あ、やっぱり?」
まほ「まぁパンツァージャケットは転校先でもらえるか」
エリカ「その代わりこれを持って行ってください」
まほ「!」
まほ「また全身タイツだ!」
まほ「しかも今度は黒い」
まほ「今度はうなぎ踊りでもしろってのか?」
エリカ「あとこれも忘れずに」カポ
まほ「ん、なんだこれ」
まほ「シュノーケル?」
まほ「あ!これウェットスーツか!」
エリカ「…」
まほ「あまって海女さんのことか!?」
エリカ「まぁ」
まほ「今度は何させられるんだ!?戦車には乗れるんだろうな!?」
まほ「まさか海底に沈んだ戦車を引きあげろとか…」
エリカ「そんな無茶なことさせませんよ」
まほ「…」
まほ「そうか」
まほ「…じゃあこの咽喉マイクは」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!!」
エリカ「海の中でそんなのつけてもしょうがないじゃないですか」
まほ「海の中で使えないのはわかってるよ!!」
エリカ「こっち持ってってください」
まほ「…棒?」
エリカ「モリです」
まほ「これで魚を突けってか?」
まほ「獲ったどー!っつって」
エリカ「ははは、懐かしいですね」
まほ「はははじゃないよ!」
まほ「何させられるかハッキリ言え!今度はどうしたら戦車に乗れるんだ!!」
エリカ「戦車に乗りたきゃ、戦車道の授業を履修すればいいじゃないですか」
まほ「え?」
エリカ「海女と戦車道は今回全く関係ありません」
エリカ「海でやることをちゃんとやって」
エリカ「戦車に乗るときは戦車に集中して」
エリカ「メリハリつければ誰も文句言いませんよ」
まほ「じゃあ…戦車に乗る条件とかは…?」
エリカ「ありません」
まほ「しょぼい戦車しかないとか…?」
エリカ「中戦車、重戦車共に充実しています」
まほ「ほんとうか!?」
エリカ「はい」
まほ「…なんかやる気が出てきたぞ」
まほ「実は私、モリで魚を突くヤツをやってみたかったんだ」
まほ「いい運動になるんじゃないか?」
エリカ「でしょうね」
まほ「タコとかウツボとか…!獲ってみたいなぁ…!」
エリカ「もっと大物もいますよ」
まほ「それは楽しみだ!」
まほ「あ!と言うことは…」
まほ「これはいるだろ!!」
エリカ「ビキニ…ですか」
まほ「前に大洗で買ったんだが、忙しすぎて着る機会がなくてな」
まほ「…これ、持ってっても大丈夫か?」
エリカ「まぁ…別に…いいんじゃないですか」
エリカ「休みの日とかに…着てみれば…」
まほ「そうか!」
まほ「よし!青い海に白い砂浜!」
エリカ「青い海に白い…まぁ…白いですけど…」
まほ「モリ漁だって言い方変えれば!」
まほ「スキューバダイビングみたいなもんだろ!」
まほ「澄んだ海で魚たちと一緒に泳げるなんて…ロマンチックじゃないか!」
エリカ「…」
まほ「なんだエリカ、私がロマン語るのがおかしいか」
エリカ「いや、元気出てよかったなぁって」
まほ「そりゃ元気も出るさ」
まほ「人間頑張れば、いつかご褒美が来るんだなぁ」
まほ「いかんいかん」
まほ「浮かれてばかりいられん」
まほ「戦車道の授業は真面目に受けなければ」
まほ「私の戦術ノート持って行こう」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!?」
まほ「戦車道に集中できるって言ったのはエリカだろ!」
エリカ「…こっち持って行った方がいいですよ」
まほ「また本か」
まほ「どーせ魚図鑑とかだろ」
まほ「…」
まほ「『今すぐ話せるロシア語入門』…」
まほ「待て待て」
まほ「なんだこれ」
エリカ「え?」
まほ「この本はなんだって聞いてんだ」
エリカ「サルでも分かるヤツの方が良かったですか…?」
まほ「違うよ!」
まほ「それに対して言ってるんじゃないよ!!」
まほ「なんでロシア語を勉強しなきゃいけないんだってことだよ!」
エリカ「ロシア語が嫌ならこっちを覚えてください」ヒョイ
まほ「え?」
まほ「『よく分かる青森の方言《津軽弁・南部弁・下北弁》』」
まほ「これはなんだ」
エリカ「ロシア語か青森の方言を覚えないと」
エリカ「転校先で誰ともコミュニーケーションとれませんよ」
まほ「どんな学校だよ」
エリカ「どっちにします?」
まほ「え?」
まほ「どっちかしかないの?」
エリカ「友達できませんよ」
まほ「…」
まほ「あ、青森弁にするぞ!ロシア語は難しいからな!」
まほ「まだ日本語なだけマシだよな!」
エリカ「わかりました」
まほ「…」
エリカ「…?」
まほ「…」
エリカ「…どうかしましたか?」
まほ「エリカ」
まほ「私は海に潜るんだよな」
エリカ「はい」
まほ「なんで…ロシア語か青森弁を覚えなくちゃいけないんだ?」
エリカ「何か不安でも?」
まほ「だって」
まほ「青い海に白い砂浜」
まほ「照りつける太陽に、サンゴ礁に集まる小魚たち」
まほ「そーゆう景色に無縁な言葉じゃないか」
エリカ「…」
まほ「私は一体どこに転校するんだ?」
エリカ「青森県の学校です」
まほ「…」
まほ「…もう一度聞くぞ」
まほ「私は海に潜るんだよな?」
エリカ「はい」
まほ「青い海に白い砂浜…だよな?」
エリカ「青い海に…白い雪です」
まほ「 死 ん じ ゃ う よ !!! 」
まほ「私に青森の海に潜れっていうのか!?」
まほ「死ぬに決まってるだろ!!」
まほ「私に何をさせる気だ!?」
まほ「言え!!全部言え!!」
エリカ「実は…」
エリカ「今度、家元がお偉いさんと西住邸で食事会をすることになりまして」
まほ「…お母様が家で?」
エリカ「…で、そのお偉いさん」
エリカ「本マグロが大好きらしいんですよ」
まほ「…」
エリカ「隊長が獲ってきてください」
まほ「無理に決まってんだろ!!!!」
エリカ「家元は『西住流はマグロも獲ることができる』って言ったらしいんですよ」
まほ「できねーよ!!!」
まほ「何考えてんだ!マグロくらい買えよ!ウチはお金持ちだろ!!」
エリカ「西住流を売り込みたいらしくて」
まほ「戦車で売り込めよ!!!」
エリカ「…」
まほ「てかマグロをどうやって獲るんだよ!!」
エリカ「大丈夫です、安心してください」
エリカ「転校先の学園艦がクロマグロの生息域の上を通過する時があるんですよ」
まほ「そんで?」
エリカ「そんときに学園艦から飛び降りて」
まほ「死ぬって!!!」
エリカ「ビキニじゃなくてウェットスーツを着るんですよ?」
まほ「ウェットスーツでも死ぬだろ!!」
まほ「飛び降りても死ぬし寒さでも死ぬんだよ!!」
まほ「そういえばマグロって時速70キロで常に泳いでんだろ!?」
まほ「どうやってモリで獲るんだよ!!」
まほ「漁船と網をよこせよ!!!」
エリカ「今まで頑張ってきたじゃないですか」
エリカ「努力すればマグロも獲れます」
まほ「今回は努力じゃどうにもならないよ!!」
まほ「努力してる途中で死ぬから!!」
まほ「無理だよ無理無理無理!!」
エリカ「無理でも行くんですよ」
まほ「ッ…!?」
まほ「…」
まほ「もしだよ!?」
まほ「もし私が死んだらどうするんだ!?」
まほ「お偉いさんにマグロを提供できないぞ!?」
エリカ「そんときは買うそうです」
まほ「最初から買えよおおおおおお!!!!!」ドンッ!!!
まほ「♪顔が埃にまみれようと~!!我らが心は郎らかに郎らかに~!!」
まほ「♪我らが戦車~!!風を切り突き進む~!!」
まほ「うううぁぁぁあーーー!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「会う人会う人に!!」
エリカ「『私がガサツなのはお母様譲りだ』なんて言うからいけないんだ!!!!!」
まほ「あれかぁ~~~………」
おつおつ
やはりみぽりんが娘ポジなのか
そして既にエリカが西住家に相当入り込んでいそうな件
そこはドライスーツ用意してやれよ
懐かしいなぁ。乙。
なんで実の娘よりエリカが事情に詳しいんだよ
192:名無しNIPPER[sage]
2017/02/27(月) 05:16:01.17 ID:C3Qgn93+o
体調崩してインフルかかったわ全裸待機も考えものだな
193:名無しNIPPER[sage]
2017/02/27(月) 09:45:10.25 ID:mN/pAbMHo
>>192
そのインフルエンザウィルスを、全身くまなくじっくりと調教してやるんだよ。
そして「もう二度とご主人様(の体内)で悪戯なんてしません」って誓わせろ。
そうすりゃこっちのもんよ。
(訳:ちゃんと治すんだぞ、お大事に)
生きてるって何だろ?
生きてるってー、な、あ、に?
ぅおねぇーちゃあーん!
ミル姉さんならぬルミ姉さんとかもイケるな
パタヤビーチと思いきや津軽海峡でした
元ネタ知らないど面白い
まほ「…」
まほ「よし、だいたい片付いた」
エリカ「隊長!」
まほ「おぉよく来たエリカ」
エリカ「さ、寒いですねぇ!」
まほ「そりゃあ北海道より北の海を航行してるからな」
エリカ「隊長!やりましたね!」
エリカ「おおっ!」
エリカ「この大きな魚拓!」
エリカ「隊長が獲ったマグロ…!?」
まほ「あぁ」
エリカ「こんな寒い中、海に飛び込んで」
エリカ「マグロを獲ったんですか!?」
まほ「突然飛び込んだら体がビックリして」
まほ「ほんとに死んじゃうからな」
まほ「寒さに慣れる練習から始めてな」
まほ「エリカからもらったモリも」
まほ「マグロに刺さらないから自分で作ったよ」
エリカ「それでも…どうやってマグロを…?」
まほ「ここで役立つのが意外にも西住流だった」
まほ「エリカ、西住流とは?」
エリカ「え…と」
エリカ「撃てば必中、守りは固く」
エリカ「進む姿は乱れ無し」
エリカ・まほ「鉄の掟、鋼の心」
エリカ・まほ「それが西住流」
まほ「そうだ」
まほ「海中でモリを構えてる時も」
まほ「西住流の精神を忘れてはいけない」
まほ「マグロは海中を時速70キロで泳ぐ、そうだろ?」
エリカ「はい」
まほ「M18ヘルキャットより遅い」
エリカ「え」
まほ「モリは砲身であり、砲弾でもある」
まほ「偏差射撃でマグロの急所を一撃で貫く」
まほ「…マグロから白旗が上がったのが見えたよ」フッ
エリカ「かッ…かっこいい…!」
エリカ「やっぱり西住流に不可能はないんですね!!」
まほ「あぁそうだ、これも戦車道だ」
まほ「それで、お偉いさんは喜んでいたか?」
エリカ「…」
エリカ「それが…」
エリカ「お偉いさんはマグロが好きなことは確かなんですが…」
エリカ「その日は牛肉が食べたいと仰ったみたいで…」
エリカ「マグロは売りました」
まほ「…はあ?」
まほ「売ったのォ!?」
エリカ「…」
まほ「え…」
まほ「な…なんだよーそれぇ…」
まほ「私頑張ったのに…」
まほ「死にものぐるいで頑張ったのに…」
エリカ「わかってます!だって隊長がマグロを捕まえたのは事実なんですから!」
エリカ「誰よりも努力して、誰よりも人のために頑張る」
エリカ「隊長そういう立派な人だって、私は誰よりもわかってますから!!」
まほ「エリカ…」
エリカ「たとえ全世界が隊長の敵になろうと、私は隊長の味方です!!」
まほ「…」
まほ「…可愛い後輩にここまで言われたらショゲてられないな」
まほ「ありがとうエリカ、私はまだまだやれそうだ」
エリカ「さすが隊長です!隊長は私の誇りです!!」
まほ「因みにマグロはいくらで売れたんだ?」
エリカ「え?」
エリカ「…立派なマグロでしたからね、200万は超えてるんじゃないですか」
まほ「その200万円はどうしたんだ?」
エリカ「…」
まほ「あぁ、その200万で高級牛肉を買ったのかな」
まほ「何にせよ、お母様の役に立てて良かった」
エリカ「いえ、200万円は私がもらいました」
まほ「…」
まほ「なんで?」
まほ「なんでエリカがもらうんだ?」
エリカ「最近…頑張ってるからって、家元がお小遣いを…」
まほ「…意味わからん」
まほ「とりあえずその200万円は私のものだ」
まほ「よこせ」
エリカ「もう使っちゃいました」
まほ「早いよ!!!」
まほ「女学生が一瞬で200万使い切るってどんなもん買ったんだよ!」
まほ「言ってごらん!!」
エリカ「…」
まほ「人に言えないようなものを買ったのか!?その金は私のだぞ!!」
エリカ「お金の問題じゃないと思うんですよ」
まほ「お金の問題だよ!!」
まほ「私がマグロ1匹捕まえるまでにどれだけ体にムチ打って努力してきたか!!」
まほ「お前にはわかるよなぁ!!」
まほ「それには200万円以上の価値があるんだよ!!」
まほ「なにを買ったか言え!!」
エリカ「あの…」
エリカ「今、九州にクルーズトレインってのが走ってるじゃないですか」
まほ「あぁ、ななつ星だっけか」
エリカ「それにみほと乗りました」
まほ「…何故みほと」
エリカ「最近、みほすごく頑張ってるんですよ!」
エリカ「ご褒美あげたくて…!」
まほ「…そうか」
まほ「みほの為か」
まほ「なら私も頑張った甲斐がある」
エリカ「3泊4日コースで1人100万円ぐらいするんで、ちょうど良かったです」
まほ「…」
まほ「なんか腑に落ちないが、エリカも頑張ってるからな」
まほ「その豪華列車の旅は私からのプレゼントとして受け取ってくれ」
エリカ「ありがとうございます!!」
まほ「さ、エリカ」
まほ「引越しの準備をしてしまおう」
エリカ「はい!手伝わさせていただきます!」
まほ「毎回助かるよ」
まほ「…ではこの生徒手帳、これはいるか?」
エリカ「これはもういりません」
まほ「…そうだよな」
エリカ「隊長はもう海女ではなく」
エリカ「きちょうになられるわけですから」
まほ「きちょう?」
まほ「きちょう…?」
エリカ「はい」
まほ「…なんだそれは」
エリカ「まぁ…大丈夫です」
まほ「何が大丈夫なんだ?」
エリカ「安心してください」
まほ「…そうか」
まほ「…じゃあ、このパンツァージャケットはいるのか?」
エリカ「これはいりません」
まほ「…また戦車に乗れなくなるのか?」
エリカ「いや、乗れますよ」
エリカ「この学校と一緒で、戦車道を履修すれば」
エリカ「戦車に乗れます」
まほ「そうなのか?」
エリカ「だから転校先でパンツァージャケットをもらってください」
まほ「おぉ、そうか」
エリカ「嬉しそうですね」
まほ「そりゃあな」
まほ「この学校でもIS-2を乗り回したし」
まほ「マグロ獲るのは大変だったけど、戦車道は充実していた」
まほ「次の学校でも戦車に乗れるなら頑張れるよ」
エリカ「そうですか」
まほ「…咽喉マイク、これはいるか?」
エリカ「持って行ってください」
まほ「おお!」
まほ「いい流れだな!」
エリカ「是非戦車道で使ってください」
まほ「そうか!」
更新来てる(*´ω`*)
乙です。
まほ「じゃあ、私の戦術ノートも必要だな!」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!!」
エリカ「こちらを持って行って勉強してください」
まほ「…『航空力学の基礎』…?」
まほ「きちょう…機長…!」
まほ「まさか私に飛行機のパイロットになれっていうのか!?」
まほ「無理だ!!出来るわけない!!」
エリカ「隊長、落ち着いてください」
まほ「飛行機だぞ!」
エリカ「私だってヘリコプターの操縦ができます」
エリカ「私にできて、隊長にできないわけないじゃないですか」
まほ「…そーゆーもんか?」
エリカ「それに生きたマグロをモリで突くより簡単だと思うんですよ」
まほ「そんなことはないと思うが…」
エリカ「飛行機の操縦も西住流でなんとかなると思います」
まほ「テキトーなこと言ってるなエリカ」
まほ「…まぁ、大空を飛ぶのも」
まほ「悪くないかもな」
エリカ「最高に気持ち良いですよ」
まほ「そうか?」
エリカ「隊長は転校したら大学の航空輸送科になります」
まほ「大学?」
エリカ「隊長の転校先は大学の付属高校なんですけど」
エリカ「付属高校には航空輸送科はないので、大学で勉強してもらいます」
エリカ「飛び級的なモンですね、どこかの島田流と同じです」
エリカ「まぁ在籍は高校ですけど」
まほ「はぁ」
エリカ「飛行機乗って、戦車に乗って」
エリカ「最高じゃないですか」
まほ「なんか楽しみになってきたぞ」
まほ「よし、これを持って行こう」
エリカ「何ですかこれ」
まほ「人生ゲームだ!この学校ではなかなか盛り上がったぞ」
エリカ「いらないですね」
まほ「…そうか、モノポリーとかのほうが良いのかな?」
エリカ「これを持って行ってください」
まほ「…」
まほ「…なぜコンドーム」
エリカ「転校先は共学なんですよ」
まほ「…」
エリカ「やっぱり避妊って大事だと思うんですよ」
まほ「ヤらねーよ!!!」
まほ「それとも何だ!?男どもにマワされるようなアブない学校なのか!?」
エリカ「そんなんじゃないですけど…」
エリカ「ほら…隊長も18歳なんだから」
エリカ「恋愛の一つや二つ経験しとかないと…」
まほ「余計なお世話だ」
まほ「お前だって一つしか歳離れてないだろ」
まほ「お前は恋人いるのか?」
エリカ「…」
まほ「…いるの?」
エリカ「いや…」
まほ「怪しい」
まほ「ケータイよこせ」バッ
エリカ「あッ!」
まほ「若いヤツは大体、ケータイの待ち受け画像を彼氏とのプリクラとかにしてんだ」
まほ「私知ってんだぞ」
エリカ「見ちゃダメですって!」
まほ「…」
まほ「…」
まほ「エリカ」
まほ「なぜケータイの待ち受け画像が」
まほ「みほとエリカのツーショットのプリクラなんだ?」
エリカ「…友達ですから…不思議なことでは無いですよ」
まほ「じゃあこの1ヶ月記念って文字は何なんだよ!!お前らは中学の時から友達だろ!?」
エリカ「…」
まほ「付き合ってんのか!?みほと付き合ってんのか!?」
エリカ「ははは」
まほ「答えろエリカ!!」
エリカ「まぁ…はい、付き合ってます」
まほ「…」
まほ「そうかい」
まほ「みほは元気かい」
エリカ「はい」
エリカ「一緒にクルーズトレイン乗ったときも」
エリカ「『まるで走るラブホテルだね!』って元気にハシャいでました」
まほ「…」
まほ「元気ってそういう…」
エリカ「…」
まほ「…」
まほ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」ガバッ
エリカ「…」
まほ「…大丈夫だ」
まほ「逆に安心したよ、みほが変な男と付き合ってなくて」
まほ「恋人が私の信頼しているエリカで良かった」
エリカ「ありがとうございます」
まほ「みほを…幸せにするんだぞ」
エリカ「はい」
まほ「因みに本当のラブホテルは行ったことあるのか?」
エリカ「…」
まほ「エリカ?」
エリカ「…」
エリカ「さ、片付けの続きをしましょう」
まほ「行ったんだな!?ラブホテル行ったんだな!?」
まほ「はぁ…」
まほ「あ、筆箱持ってかなきゃ」
エリカ「隊長、こちらも持って行ってください」
まほ「ん?筆?」
まほ「スズリと墨も?」
まほ「何に使うんだ?」
エリカ「家元ってスゴく達筆じゃないですか」
まほ「あぁ、そうだな」
エリカ「西住流を継ぐ者として、隊長も少しぐらいお習字を…」
まほ「…」
エリカ「隊長の字、汚いですから」
まほ「うるさいな」
まほ「ただ一理ある」
まほ「暇なときにでも、精神を集中させるためにやっとくか」
まほ「…エリカ」
エリカ「何ですか?」
まほ「私は機長になって何をするんだ?」
まほ「お母様の専属パイロットとか…?」
エリカ「いえ…」
エリカ「実はですね」
エリカ「最近、人気が右肩上がりの戦車道にあやかって」
エリカ「『戦闘機道』を始めてみようという流れになりまして」
まほ「戦闘機道!?」
エリカ「それで家元が戦闘機道連盟委員長になることが決まりまして…」
まほ「お母様が!?」
まほ「てか戦車道は!?」
エリカ「兼任するそうです」
まほ「大忙しだな…お母様…」
まほ「で…なんなんだ、戦闘機道って」
エリカ「戦車道と同じですよ、戦車が戦闘機になるだけです」
エリカ「フォッケウルフ…スピッドファイア…ワイルドキャット…ゼロ戦…」
まほ「ほぉ、なかなか面白そうだな」
まほ「私が戦闘機道の最前線に立つために予め練習をするわけだな?」
エリカ「まぁ…はい」
まほ「しかし戦車道との両立ができるかどうか…」
エリカ「火付け役みたいな物ですし、そこまでやり込まなくても…」
まほ「しかしやるからには、だな!」
まほ「…でも、戦闘機道って安全なの?」
まほ「弾は実弾なのか?」
エリカ「えーと」
エリカ「戦闘機にも戦車と同じ特殊カーボンを使用するので」
エリカ「弾幕浴びようがエンジンが燃えようが」
エリカ「機内は安全です」
まほ「相変わらずスゴイな特殊カーボン」
エリカ「ただ機体は撃破されたら落ちます」
まほ「…」
まほ「落ちたらどうなるんだ?」
エリカ「わかりません」
まほ「わからないって…」
まほ「そんな曖昧じゃ戦闘機道なんて普及出来ないぞ」
エリカ「それを隊長が試すんです」
まほ「…は?」
エリカ「隊長には特殊カーボン製の試作ゼロ戦に乗ってもらって」
エリカ「高度…まぁ大体1万メートルから墜落してもらいます」
まほ「死ぬだろ!!!!!」
エリカ「それで隊長が無事でしたら、戦闘機道の安全が証明されます」
まほ「死ぬに決まってるだろ!!!」
エリカ「特殊カーボンがありますから」
まほ「頑丈な金庫の中に生卵を入れてビルから落としたら!」
まほ「中の生卵はどうなっちゃうかわかるよな!?」
エリカ「…」
まほ「黙るなよ!」
エリカ「マグロ獲れたんですし、今回も死なずに済みますよ」
まほ「済むわけねーだろ!!!!!」
まほ「お母様は…!お母様は私が死んでもいいと思ってんのか!?」
エリカ「娘が死んでもいいなんて考える母親なんていないですよ!!」
まほ「じゃあなんで…」
エリカ「きっと隊長が生きて帰ってくると信じているからですよ」
まほ「だから死ぬに決まってんだろ!!!!!」
まほ「まさかこの習字セットで遺書を書いとけとでも言うんじゃないだろうな!?」
エリカ「…」グスッ
まほ「♪顔が埃にまみれようと~!!我らが心は郎らかに郎らかに~!!」
まほ「♪我らが戦車~!!風を切り突き進む~!!」
まほ「うううぁぁぁあーーー!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「『夜のお母様はマグロだった』と言いふらしたのが悪いんだ!!!」
まほ「昔見ちゃったんだよぉぉぉぉぉ…」
いつもよりちょっと長い乙
まほさん、しほさんのこと嫌いだろう
エリカとみほは地味に恋人生活をエンジョイしているな(  ̄▽ ̄)
まほの稼いだ金だけどな
みほも、しほさんからたんまりとお小遣いを貰っていそうだな。
>>102
同意
ここまでくると、娘が功績上げたのを妬んでいるのも混じっているんじゃないかと邪推せざるを得ない
>>106
まぁ、自分の性生活(?)やその他諸々を方々で暴露されたらね…ハハハ
やっぱり最後は隕石破壊ミッションなのかなぁ
10円
上野駅、某喫茶店
杏「…」
杏「チッ…」
杏「…遅いなぁ」
ニーナ「んぁー、どーもどーも」
杏「え?」
ニーナ「大洗女子の、生徒会長の角谷杏さんですねぇ」
杏「そうだけど…あんたがプラウダの」
ルクリリ「ご注文は」←喫茶店バイト
ニーナ「んあ、水下さい」
ルクリリ「…水っすね」
杏「…」
ニーナ「申し遅れましたぁ、おらプラウダ高校のニーナと言いますぅ」
ニーナ「いやぁ~待たせてしまってすんません」
ニーナ「わざわざ上野駅まで来ていただいてありがとうございますぅ」
ニーナ「これ、つまらないものですが、リンゴです」ドサッ
杏「何これ」
ニーナ「手ぶらじゃアレだから」
ニーナ「ウチの隊長が持ってけって」
ニーナ「ウチのちびっこ隊長が」
杏「こ、こんなダンボール箱いっぱいのリンゴなんて持って帰れないよ」
ニーナ「そぉんな遠慮なさらず~」
杏「違うよ!重くて持って帰れないんだよ!」
ニーナ「…」
ニーナ「確かに角谷さんも、ヒョロヒョロでちっちゃいですもんねぇ」
杏「あんたに言われたくないわ」
ニーナ「おらは装填手だから、これぐらい余裕です」
ニーナ「おらは、装填手だから」
ニーナ「かーべーつーの」
ニーナ「装填手だから」
杏「知らないよ…」
杏「…で、何の用件で私を呼んだの?」
ニーナ「これ、請求書です」
杏「請求書?」
ニーナ「この前、プラウダ学園艦で」
ニーナ「プラウダと大洗の合同練習やったでしょ?」
ニーナ「そんときの学園艦のホテル代やメシ代の」
ニーナ「請求書だべ」
杏「それちゃんと払ったでしょ」
ニーナ「えぇ、確かに受け取りました」
ニーナ「…」
杏「?」
ニーナ「…実は、不手際がありまして」ヒソッ
杏「不手際?」
ニーナ「しっ!」
杏「!?」
ニーナ「ほがの人に聞かれると危険です」
杏「そんなにヤバイことなの…?」
ニーナ「実は…」
ニーナ「計算違いで…」
ニーナ「大洗からお金を多く貰ってしまってたんですよ」
杏「…え?」
ニーナ「これが本当の金額の請求書です」
ニーナ「差額をご確認ください」サッ
杏「…」ジッ
杏「え」
ニーナ「10円、多く貰ってしまったんですよ」
杏「10円!?」
ニーナ「はい、10円返しに来ましたぁ」
杏「10円のために…!わざわざ呼んだのか!?」
ニーナ「しっ!」
ニーナ「これが世間に知られたら、マスコミに叩かれます」
杏「叩かれねーよ!」
杏「…10円…って…」
杏「私、生徒会の大事な会議抜け出して水戸から特急電車に乗って急いで来たんだよ!」
ニーナ「ふーん」
杏「ふーんてお前…」
ニーナ「青森から来ましたぁ」
杏「青森ぃ!?」
ニーナ「知らないの?青森」
杏「知ってるよ!」
杏「え、10円返すためにわざわざ青森から来たの!?」
杏「プラウダ学園艦が関東に寄港したついでとかじゃなくて!?」
ニーナ「はい、はやぶさで来ました」
杏「はぁ?」
ニーナ「新幹線の、はやぶさ号で」
ニーナ「新青森から」
ニーナ「はやぶさで来たんだぁ」
杏「…あのさぁ」
杏「10円返すために新幹線で来るって馬鹿馬鹿しいと思わない?」
ニーナ「グランクラス乗って来ました」
杏「は?」
ニーナ「新幹線の、ファーストクラスと言われる」
ニーナ「グランクラス、知ってる?」
杏「グランクラスはもういいよ!」
ニーナ「まぁおらの場合は学校から交通費が出るんですけどね」
杏「私のここまでの交通費は?」
ニーナ「学校から出ないの?」
杏「出るわけないでしょお!?」
杏「マジかよ…大事な会議抜け出してわざわざ来たのに…」
ニーナ「…大事な会議って、ホントに大事なの?」
杏「大事だっつってんだろ!」
ニーナ「大洗の生徒会長っていったら、干し芋食って怠けてるって評判だべ」
ニーナ「会議にいてもいなくても変わらないでしょ」
杏「うるさいんだよ!今回の会議は結構重要なんだよ!」
ニーナ「じゃああんた、何でここにいるんだ?」
杏「おめーに呼び出されたんだよ!」
ニーナ「たかが10円のために、大事な会議抜け出して」
ニーナ「こんなとこまでノコノコやって来てぇ」
杏「10円だってわかってりゃわざわざ上野になんか来なかったんだよ!」
ニーナ「じゃー戻ればいいー」
ニーナ「じゃー」
ニーナ「戻ればいいー、じゃー」
ニーナ「戻ればいいー」
杏「…」
ニーナ「ただこの10円は返しませんけどね」
杏「いらねーよ10円なんて」
ニーナ「こんにゃろう!こっちは青森からわざわざはやぶさで来たんだ!」
ニーナ「はやぶさで!」
ニーナ「高い金払ってはやぶさのグランクラスで来たんだぁ!!」
杏「わかったよ受け取りゃいいんだろ!?」
ニーナ「ま、おらの場合は交通費出ますけどね」
杏「腹立つなお前…10円よこせ」スッ
ニーナ「…」バシッ
杏「痛ッ」
杏「何すんだよ」
ニーナ「受け取りにちゃんと、サインしろ」トントン
杏「10円だろ!?」
ニーナ「おらはいいけど、隊長がおこだから」
ニーナ「サインもらわんと、激おこだから」
ニーナ「激おこプンプン丸だから、隊長が」
杏「何がプンプン丸だよ…」
杏「…」
杏「ペン貸して」
ニーナ「嫌だ、これはおらのだ」
ニーナ「持ってねぇのか?ペン」
杏「忘れて来ちゃったんだよ」
ニーナ「んじゃあ、そこに売店あるから」
ニーナ「買ってこい」
杏「…10円の為に100円のボールペン買えってか」
ニーナ「これはおらのだ!」
ニーナ「おらの、ペンだぁ!」
ニーナ「だからお前には貸さん」
杏「…」
杏「あの、すみません」
ルクリリ「はい」
杏「ボールペン貸してください」
ルクリリ「ありません」
杏「…」
杏「胸ポケにあんじゃん…」
杏「借りるよ」スッ
ルクリリ「チッ」
杏「チッって…」
杏「ったく…なんなんだよ今日は…」カリカリ
ニーナ「…そーいえば、遅いなぁ」
ニーナ「西住隊長」
杏「…西住隊長?」
ニーナ「えぇ、大洗の西住隊長」
杏「西住ちゃんがなんだってんだよ」
ニーナ「大洗の危機だって電話したら、すぐに行きますって」
ニーナ「良い人だなぁ、西住隊長」
杏「西住ちゃんに電話したのか」
ニーナ「学校に電話したら迷惑かなって思いまして」
ニーナ「西住隊長に直接電話しましたぁ」
杏「…で、私にも電話したのか」
ニーナ「はい」
杏「むちゃくちゃだなアンタ!!」
ニーナ「いやぁ、両方に電話して」
ニーナ「どっちか片方だけでも来てくれたら、めっけもんだなと思って」
杏「いい迷惑だよ!」
杏「今西住ちゃんどこにいるか知ってんの!?」
杏「私の水戸ならまだいいよ!」
杏「西住ちゃんは実家の熊本に帰ってんだよ!?」
杏「10円の為に飛行機乗って来るかもしれないじゃんかよ!!」
ニーナ「…熊本かぁ」
ニーナ「懐かしいなぁ」
杏「…あんた青森だろ」
ニーナ「幼稚園の頃、親の転勤で少しだけ熊本にいたんだぁ」
ニーナ「田舎の方でね…田んぼが広がってて…」
ニーナ「そこで戦車に乗った姉妹に出会ったんだべ…」
杏「…?」
ニーナ「その妹の方と意気投合してな…」
ニーナ「その子、戦車道を家の事情でやらされるのが嫌だったらしくて」
ニーナ「逆におらは姉妹に出会って戦車道に興味が出てたんだべ」
ニーナ「そこで約束したんだ」
ニーナ「一緒に戦車道をやろうって」
ニーナ「でも、おらはすぐに親の転勤で青森に引っ越したんだべ」
ニーナ「おらはその子のおかげで戦車道をこうしてやっているけど」
ニーナ「あの子はやっているんだべか…」
杏「…」
杏「それって…」
ニーナ「実はこのボールペン、その子から貰ったモノなんだべ」
ニーナ「おらの宝物だ」
杏「!?」
杏「このクマのボールペン…!」
杏「やっぱり西住ちゃん!」
ニーナ「え?」
杏「それ絶対西住ちゃんだよ!」
ニーナ「西住…隊長?」
ニーナ「いや…そんなはずは…」
ニーナ「顔も覚えてないし…」
杏「西住ちゃんは幼い頃、お姉さんとII号戦車に乗ってよく出かけてたって言ってたんだよ!」
ニーナ「…」
杏「西住ちゃんが戦車道をやり始めたのは…」
杏「あんたのおかげってことか…?」
ニーナ「…どーだべ」
杏「西住ちゃんが戦車道をやってなかったら」
杏「大洗女子も廃校になっていた…」
杏「今大洗女子が健在なのも…あんたのおかげ…」
ニーナ「そんな…大袈裟だべ…」
みほ「会長!」ダッ
杏「西住ちゃん!」
みほ「大洗の危機って…!また何かあったんですか!?」
杏「西住ちゃん!そんなことより!」
杏「ニーナちゃんだよ!」
みほ「え?」
杏「むかーし、熊本で会ったでしょ!?」
杏「西住ちゃんが戦車道を頑張るきっかけになった子だよ!」
ニーナ「…!」
杏「この…!」
杏「このボールペン!西住ちゃんがあげたやつでしょ!?」
杏「西住ちゃんの大好きな!クマのキャラクターのやつ!」
みほ「これ、プーさんですよ」
杏「えっ」
みほ「人違いですね、行きましょう会長」スタスタ
杏「あっ」スタスタ
ニーナ「…」
ニーナ「この…」
ニーナ「この、高ぶったままの気持ちは…」
おわり
まほの引越しももう少しで終わります
閑話休題乙です。グランクラスでワロタ
おつ
他にもシリーズあったのかおもしろかった
終わらせますのでもうしばらくお待ちを…
期待
エリカ「…」
エリカ「広い学園艦ね…」
エリカ「隊長にここで待ってろって言われたけど」
エリカ「肝心の隊長はどこ…?」
男子学生「hey彼女」
エリカ「ひゃい!?」
男子学生「ここは滑走路のど真ん中」
男子学生「そんなとこに突っ立ってると飛行機に水平線の彼方までぶっ飛ばされちゃうぜ」
男子学生「HAHAHAHA」
エリカ「あ、あはは…スミマセン」
男子学生「それに、そろそろエースパイロットが帰ってくる頃だ」
エリカ「エースパイロット?」
キィィィィィン…
エリカ「飛行機?なんかコッチに向かってくる」
シュゴオオオオオオオオオオオオオ
エリカ「え、F-22ラプター!?」
エリカ「サンダースはラプターも所有してるんですか!?」
男子学生「いいや、コレは米軍機だよ」
まほ「…ふぅ」カポ
エリカ「隊長!?」
男子学生「おかえりマホ、ラストフライトは楽しめたかい?」
まほ「あぁ、最高だった」
エリカ「なんで…隊長がラプターを!?」
まほ「米軍が私の実力を買ってくれてたまに貸してくれるんだよ」
男子学生「マホは転校の準備があるんだろ?ラプターは片付けとくからそっちに集中しな」
まほ「サンキュー」
エリカ「…」
まほ「ありがとうな、エリカ」
まほ「わざわざ長崎まで転校の準備に…」
エリカ「いや、熊本から近いですから、全然」
まほ「あぁそうか」
エリカ「隊長…米軍とパイプがあるんですか…?」
まほ「話すと長いんだがな」
まほ「まず最初に、戦闘機道は廃止になった」
エリカ「その話は聞いています」
エリカ「しかしなぜ?」
まほ「特殊カーボンの戦闘機が墜落したらパイロットはどうなるかっていう実験があったよな」
エリカ「はい」
まほ「実際に行ったんだ」
まほ「私が零戦に乗って、もう一機無人自動操縦の零戦が空に上がった」
まほ「高度1万メートルに到達したら無人機が私の機を撃ってきた」
まほ「しかし私はこわくなってな」
まほ「いくら特殊カーボンがあっても、こっから落ちたら死ぬだろと」
エリカ「…」
まほ「死んでたまるかと無我夢中でいたら」
まほ「私が無人機を撃墜していた」
エリカ「えぇ!?」
まほ「そしたら無線で怒られたよ」
エリカ「…怒られたんですか」
まほ「意地でも実験を強行したい連盟は」
まほ「空自のF-15を飛ばしてきた」
エリカ「!?」
まほ「そしてF-15とドッグファイトを…」
エリカ「隊長が乗ってるの零戦ですよね!?」
まほ「機銃でF-15の右翼をもぎ取ってやった」
エリカ「零戦で!?」
まほ「F-15って本当に片翼でも飛べるんだな」
まほ「そのあと普通に飛んで基地に帰っていったから驚いたよ」
エリカ「隊長が操縦する零戦がF-15を倒したことの方が何倍も驚きですよ!!」
まほ「まぁ結果的に私が空飛ぶ税金を破壊してしまったからな」
まほ「そんなこと自衛隊も公にできず…」
まほ「結局戦闘機道は廃止だ」
エリカ「そうでしょうね…」
まほ「そして零戦でF-15に勝った噂はあれよあれよと米軍に」
まほ「まぁココがアメリカと繋がりがある学校ってのもあるけどな」
まほ「米軍に腕を買われて、F-22の操縦法を教えてもらったのさ」
エリカ「…」
エリカ「隊長、すごいですね…」
エリカ「隊長が本気になれば、本当に不可能なことはないのかもしれません」
まほ「必死だったからな」
まほ「さて、この学校とのお別れも寂しいが転校の準備をしよう」
まほ「今度はどこで何をするんだ?もう怖いものなど何もない」
エリカ「今の隊長ならなんでもできますよ」
まほ「この生徒手帳はいるか?」
エリカ「いりませんね」
エリカ「隊長はこれからチャレンジャーになるわけですから」
まほ「チャレンジャー?」
まほ「巡行戦車になるのか?」
エリカ「違いますよ…」
まほ「何に挑戦するんだ?」
エリカ「それは後ほど」
まほ「そうか」
まほ「このパンツァージャケット、これはいるか?」
エリカ「いりませんね」
まほ「…この学校では航空機に乗ってばっかで、戦車に全然乗らなかったからな」
まほ「このジャケットも全然着なかったな」
エリカ「隊長、あらかじめ言っておきますが」
エリカ「転校先では戦車に乗れません」
まほ「…また戦車道がない学校か」
エリカ「戦車道はあります、が」
エリカ「乗る暇はありません」
まほ「…」
まほ「そうなのか…」
まほ「じゃあ咽喉マイクも戦術ノートもいらないな…」
エリカ「いらないですね」
まほ「…」
まほ「あ、携帯電話持ってかなきゃ」
エリカ「いりません」
まほ「なんで?」
まほ「別に携帯は持っていってもいいだろ?」
エリカ「圏外です」
まほ「圏外…って…」
まほ「学園艦には基本、携帯の電波が入ってくるじゃないか」
まほ「今の時代、圏外の学園艦なんか聞いたことないぞ」
エリカ「だって学園艦には行きませんもん」
まほ「え?」
エリカ「一応高校に在籍はしますが、チャレンジは学園艦外で行います」
まほ「…何にチャレンジするの?」
エリカ「…」
チャレンジャー
あっ(察し)
まほ「…あ、そうだ」
まほ「ここで友達になった子が良いドライヤーをくれたんだ」
まほ「持って行こう」
エリカ「いりません」
まほ「なんで!?」
エリカ「電気がありませんから」
まほ「…」
まほ「電気がない」
まほ「とは?」
エリカ「そのまんまです」
まほ「そのまんまって…」
エリカ「電気ガス水道のうち、電気とガスがありません」
まほ「ガスも!?」
まほ「じゃあ火はどうするんだ!?」
エリカ「これ使ってください」
まほ「木の棒…?」
エリカ「これを手で挟んで擦るように回すと火を起こせるんですよ」
まほ「知っとるわ」
まほ「なんでそんな原始人みたいなことしなきゃいけないんだ」
まほ「ライターかマッチを持っていけば良いだろ」
エリカ「雨水に濡れて使えなくなったらどうするんですか」
まほ「屋外に置いておくわけないだろ」
エリカ「屋外しかないんですよ」
まほ「…」
まほ「私はどこに行くんだ」
エリカ「森ですね」
まほ「森って…」
まほ「もしかして水道って川のことか?」
エリカ「はい」
まほ「私は森で何をチャレンジするんだよ!!!」
まほ「言え!!エリカ!!」
エリカ「…」
エリカ「サバイバルですね」
まほ「サバ…イバル…?」
エリカ「生きるために大切な知識をしっかり身につける」
エリカ「大事なことじゃないですか」
まほ「…確かにな」
まほ「戦車道も樹海の中が試合会場に含まれることもあるし」
まほ「遭難して助けがなかなか来ない場合もある」
まほ「その時、自分の身を守れるのは自分の知識でしかない」
まほ「とても大切なことだ」
まほ「なるほど、日本高校戦車道の先頭に立つ私が自らサバイバルをし」
まほ「他の戦車道を履修する生徒たちに、そこで得た知識を教えるわけだな」
まほ「一緒にサバイバルをする講師の方とかいらっしゃるのか?」
エリカ「隊長一人だけです」
まほ「…え」
まほ「それはさすがに怖いんだが…」
まほ「誰か知識がある人とか来てくれないと危険じゃないか?」
エリカ「隊長なら大丈夫です」
まほ「毎回毎回なんの根拠があって大丈夫なんだよ」
まほ「…転校する前に色々調べて知識をつけないと…」
エリカ「間違って毒キノコとか食べちゃったら死んじゃいますもんね」
まほ「…」
エリカ「そんな顔しないでください」
エリカ「私からお守りを渡しますから」
まほ「鈴…?」
まほ「綺麗だな、良い音だ」チリンチリン
エリカ「熊除けです」
まほ「ふざけんな!!!」
まほ「熊出んのか!?」
まほ「そんなところに私を一人置いて行くのか!?」
エリカ「大丈夫です!そのための鈴ですから!」
エリカ「それにそんなに熊は出没しないですから!」
まほ「食い殺されたらエリカのせいだからな」
エリカ「西住流で倒してくださいよ」
まほ「倒せねーよ」
まほ「…森の中でサバイバルってのが、転校先でのやることか」
エリカ「はい」
まほ「二泊三日くらいか?長くて…一週間か?」
エリカ「三ヶ月間です」
まほ「三ヶ月ぅぅぅぅ!!??」
エリカ「隊長、飛行機からパラシュートで降下できますか?」
まほ「そりゃ…この学校で何回もやってるよ!」
エリカ「隊長はテキトーな森の上で飛行機から突き落とされるので」
エリカ「着地地点でどうにか三ヶ月生き延びてください」
まほ「そんなの死ぬに決まってんだろ!!餓死するわ!!熊に殺されるわ!!」
まほ「そもそもなんでそんなことしなきゃいけないんだ!!」
エリカ「…」
エリカ「みほが、ボコというキャラを好きなのはご存知ですよね」
まほ「あぁ、あの変なクマだろ」
エリカ「実は大洗にボコミュージアムというのがあるのですが」
エリカ「赤字経営が続いて、スポンサーがつかなければ廃館してしまうそうです」
まほ「うん」
エリカ「…で、みほが家元にボコミュージアムのスポンサーになってくれと頼んだみたいですが」
エリカ「家元もタダでそんなことするはずもなく…」
まほ「だろうな…」
エリカ「賭けをすることになりました」
まほ「賭け?」
エリカ「人は…誰も助けに来ない森の中で三ヶ月間生き延びることができるのかと…」
まほ「…」
まほ「…」
まほ「…私が死んだら…」
まほ「ボコミュージアムは…」
エリカ「…」
エリカ「…」グスッ
まほ「♪顔が埃にまみれようと~!!我らが心は郎らかに郎らかに~!!」
まほ「♪我らが戦車~!!風を切り突き進む~!!」
まほ「うううぁぁぁあーーー!!」
まほは歌いながら泣き崩れた
エリカ「あなたが!!」
エリカ「この学校の航空ショーで!!」
エリカ「大空にでっかく『I?しほ』と書くのがいけないんだ!!」
まほ「お母様へのサプライズだったのにぃぃぃぃぃぃ」
みほはどっちに賭けたんですかね…?
乙
高度1万メートルって実用限度ギリギリじゃね…?
そんな状況でドッグファイトできる隊長すげえ
>>136
すぐ上に書いてあるぞ
乙です
小ネタでいいからてるとたいぞうをひなたかで読んでみたい
文盲には読み解けなかったので、是非>>135のどこからみほがどちらに賭けたのか分かるのかを教えてほしい
ボコミュージアムの進退でエリカは涙流さないだろうしだとしたら自分が死んだらボコミュのスポンサー成立って思って恐る恐る聞いたまほに対して涙ぐんでるんじゃないのか?
エリカ「隊長ーッ!!」
エリカ「隊長ーーーッ!!」
エリカ「…」ピポパ
エリカ「…逸見です」
エリカ「西住まほの姿は…どこにも見えません」
エリカ「恐らく…はい…」
エリカ「可能性は…ないですね…」
エリカ「…わかりました、私も後処理が済んだら戻ります」
エリカ「…」ピッ
エリカ「…隊長」グスッ
???「アアアアアアアアー??」
???「ウワァァァアァァアアァー??」
エリカ「!?」
まほ「エリカァァァァァ!!!」
エリカ「隊長!?」
まほ「エリカァァァァァあああ!!!」
エリカ「隊長!!生きてたんですか!?」
まほ「さっき向こうで!!熊に襲われたんだ!!」
エリカ「え゛!?マジで熊出たんすか!?」
まほ「熊が襲いかかってきて!!」
まほ「そんで熊と取っ組み合いになって!!」
まほ「死んでたまるかって!!死んでたまるかって!!」
エリカ「はい…!」
まほ「私は必死に抵抗して!!掴んだ木の棒を熊の目に突き刺してやったんだ!!」
まほ「撃てば必中だ!!ここでも西住流が役に立ったんだ!!」
エリカ「はい…!はい…!」
まほ「それで熊を撃退したんだ!!私は三ヶ月間、この森で生き抜いたんだ!!」
まほ「辛かった…!この三ヶ月間…!」
まほ「食べるものが何もなくて死にかけるし…!やっと見つけて食べたキノコが毒キノコで死にかけるし…!!」
まほ「でも私は今生きている!!!」
まほ「私はこの大自然に勝ったんだ!!!」
エリカ「わかってます!隊長!!!」
エリカ「あなたは…!尊敬されるべき人間です!!」
エリカ「あなたの伝説は日本戦車道に永遠に語り継がれることでしょう!!!」
まほ「さぁエリカ!!次は私はどこに行くんだ!!」
まほ「もう私に怖いものなどなにもない!!」
まほ「エリカ!!私はどこで!!なにをするんだ!!!」
エリカ「隊長…!」ガシッ
エリカ「もう…終わったんです!!」
まほ「!?」
エリカ「私と一緒に…黒森峰に帰りましょう!!!」
まほ「…」
まほ「…」
まほ「…」
まほ「…本当…ですか?」
まほ「黒森峰に…帰れるん…ですか?」
エリカ「はい!!」
エリカ「実は家元とみほは、森の中で隊長が生きていたら」
エリカ「隊長を黒森峰に帰らせるという賭けをしていたんですよ!!」
まほ「…そうなのか?」
まほ「そっか…」
まほ「…みほが助けてくれたんだ」
まほ「みほが私を…黒森峰に帰らせてくれるんだ…!」
まほ「みほ…!!」
まほ「みほは昔からお姉ちゃんッ子で…」
まほ「いつも私に甘えてきて…」
まほ「そんなみほが可愛くて可愛くて…」
まほ「…みほに感謝しないとな…」
まほ「ありがとう、みほ…!」
まほ「これで…みほの…ボコミュージアム…だっけ?」
まほ「廃館にならずに済むな…!」
まほ「みほも喜ぶだろう…!」」
エリカ「…」
エリカ「…残念ながら、それはありません」
まほ「え?」
まほ「何故だ?私が生き延びたらボコミュージアムのスポンサーになるって…!」
まほ「そういう賭けをしてたんじゃ無いのか?」
エリカ「隊長が生き残るに賭けたのは」
エリカ「家元なんですよ!」
まほ「…」
まほ「…」
まほ「エ?」
まほ「…」
まほ「…てことは」
まほ「みほは」
まほ「私が」
まほ「死ぬと?」
エリカ「…」コクン
まほ「…み…み」
まほ「みふぉぉ…」
まほ「そんな…あんなに『お姉ちゃん、お姉ちゃん』って甘えてくれてたのに…」
まほ「みふぉ…」
まほ「…」
まほ「アァ…」ガクッ
まほ「そんなぁぁぁ…」
まほ「うわあぁぁぁぁ…!!」
まほ「うわぁぁぁぁぁん!!」
エリカ「元気出してください隊長!」
エリカ「前を向いてください!!」
エリカ「あなたの心は戦車のように硬くて強いんです!!」
エリカ「こんなところで立ち止まらずに前進してください!!!」
まほ「うぅ…」
エリカ「…♪嵐でも 雪でも 日の光 さすときもー」
エリカ「♪うだるような昼 凍えるような夜ー」
まほ「この歌は…!」
まほ・エリカ「「♪顔がほこりに まみれようとー」」
まほ・エリカ「「♪我らが心は 朗らかに 朗らかにー」」
まほ・エリカ「「♪我らが戦車~! 風を切り 突き進む~!!」」
まほ「エリカぁぁぁぁぁ!!!」
エリカ「たいちょおおおおおお!!!」
ダキッ
まほ「私は!!黒森峰に帰るぞおおおお!!!」
エリカ「はいいいいいい!!!」
まほ「また黒森峰で隊長をやせてもらえるのかああああ!?」
エリカ「隊長の座は譲りませんんんんんん!!!」
まほ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
~ E N D ~
乙です
まほ…力の限り生きてくれ
大丈夫だまぽりん
今の君の実力と人脈ならエリカは愚か家元にも下克上出来る
乙です。
つまりまほが生きていたら帰れるように手配する、死んでたらスポンサーになる、ここまでの経緯を考えると生きてる可能性のが高いからそっちのがいいと、そう家元が先に賭けたと思っておこう……思っておこう。
元ネタからして途中から明らかに社長は殺しにかかるし娘と部下は腹黒くなるんだよな
おつよー!面白かった
乙でした‼
乙です!元ネタ生かしてかなり面白かったw
乙 このスレを見付けて元ネタをYouTubeで見直したよね。めちゃくちゃ楽しかったです。
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