希「支配された世界」 (19)
希(三年前、人類の科学技術は急速に進化を遂げた)
希(労働には作られたアンドロイドが使用されるようになり、多くの雑務から人類は解放された)
希(料理、洗濯、掃除、その他諸々……挙句には会社の社長、国会議員ですらAIが務めるようになる)
希(人々は思った。これからは自由が来るのだと。全てから解放されるのだと)
希(でも、それは間違いだった。発展しすぎた科学は、やがて人類の叡智の及ばぬところまで発展する)
希(そして、人類は機械に支配された)
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ピピピピピ
『No.19636。起床の時間だ』
希「はいはい……今起きるよ」
『30分後に朝食、その後労働を開始せよ』
希(人類は機械に管理されている)
希(与えられるのは管理ナンバー。元々名前を持っている人はともかく、新しく生まれた子供には名前が与えられない)
希(そして、生まれてから死ぬまでのスケジュールも全て機械に管理される)
カチャカチャ
希「はぁ……今日も一日面倒やな」
にこ「希、おはよう」
希「ん、おはよ、にこっち」
にこ「……穂乃果の消息が掴めたわ」ボソッ
希「っ! ほんまなん……!?」ボソッ
にこ「ええ。逃げてるところを見かけた人がいるみたいなの」ボソボソ
希「……良かった。まだ生きてるんやな」ボソボソ
希「それで、何処におるん?」
にこ「それは━━━━」
『No.25252。早く席につけ』
にこ「はいはい、わーってるわよ」
にこ「……また今度」ボソッ
希「……うん」
希(穂乃果ちゃん……まだ逃げとるんやな)モグモグ
希(なんとかして助けにいかんと)モグモグ
希(人類のためにも……)
ガシャァァァァァァァァァン!
希「!?なんの音!?」
『No.65314。お前を反逆罪で処刑する』
「ひっ!?な、なんでよ!」
『お前の部屋から爆薬が発見された。これは我々に対する反逆とみなす」
「ち、違う!それはたまたま拾っただけ……!」
『問答無用だ』ジャキ
希「っ、あかん!」
にこ「抑えなさい、希」
希「で、でも、あの子が……!」
にこ「あんたがここで出て行っても、ここで殺されるだけ。そうすれば、全部が水の泡よ」
希「っ……!」
バァァァァァァァンッッッ!
希「あいつら……こんな……こんな……!」
にこ「……今は耐えるのよ、希」
にこ「いつか、あいつらを潰すために」ギリッ
希「にこっち……」
ウ━━━━ウ━━━━!
希「今度はなんや!?」
『警報発令。警報発令。テロリスト、高坂穂乃果をOT地区にて発見。住民は支給部屋に戻りなさい』
希「穂乃果ちゃん!?あかん、すぐ助けにいかんと!」
にこ「落ち着きなさい、希!これは罠よ!」
にこ「あいつらが人の名前を呼ぶわけがない!私たち反乱軍を炙り出す罠に違いないわ!」
希「でも……それなら穂乃果ちゃんはどうなるん!?」
にこ「それは……」
希「穂乃果ちゃんが死んだら、反乱軍はバラバラになる」
希「あの子だけは絶対に助けないといけない」
にこ「そうね……リーダーが死ねば、全てが終わる」
にこ「行くわよ、希」
希「うん!」
ババババババババ
ガガガガガガガガ
「リーダー!敵の増援が到着しました!」
「前線間も無く崩壊します!早くお逃げください!」
穂乃果「……ううん、完全にここは包囲されてる。逃げる場所なんてない」
「くそっ!こんなことなら……リーダーは本拠地から動くべきではなかった!」
「こうなれば、全員で突撃して人類の誇りを知らしめ━━」
バァァァァァン!
アンドロイド兵『』
穂乃果「最後まで諦めちゃだめだよ」シュゥゥゥゥ
穂乃果「全員で血路を開こう!一点突破!」
「いけぇぇぇぇぇぇぇ!」
「リーダーを守りつつ右手に一斉砲火を浴びせろ!」
穂乃果「…………」
穂乃果(敵兵隊はざっと300。こっちは40)
穂乃果(こっちの武器は旧型。突破は……無理かな)
穂乃果(ごめん、皆。穂乃果は多分ここまでだよ)
穂乃果(最後に……一体でも多く道ずれにして……)
ズドォォォォォォォォォォォォォン!!!
穂乃果「!?」
ブォォォォォォォン!
にこ「何諦めた顔してんのよ穂乃果!」
穂乃果「にこちゃん!?希ちゃん!?」
にこ「希!もう一発やってやんなさい!」
希「おっけー!せーの!」ガチャ
ズドォォォォォォォォォォォォォン!!!
「アンドロイド兵が吹き飛んだ!?」
「ロケットランチャーか!?」
穂乃果「今だよ皆!あそこから脱出して!」
キィィィィィィィィ
希「皆!すぐにトラックに乗って!」
穂乃果「希ちゃん!なんでここに!?」
希「うちのスピリチュアルパワーで穂乃果ちゃんの居場所が分かったんよ!」
にこ「あいつらが勝手に教えてくれただけでしょ!そんなことより早く全員乗りなさい!」
穂乃果「待って二人とも!トラックじゃ絶対逃げ切れない!絶対追っ手に見つかるよ!」
希「その辺もうちのスピリチュアルパワーでなんとかしたるから安心して」
希「にこっち!」
にこ「おっけー。全員乗ったわね。飛ばすから捕まってなさい!」
ブォォォォォォォォ!!
希「おー、追って来とる追って来とる」
穂乃果「あれは……自動追尾型兵器……!」
にこ「あー、やっぱり来たわね」
希「ま、予想通りかな」
希「アンドロイドじゃなくて良かったわ。無駄な弾使わんでええし」
穂乃果「え?」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン
穂乃果「嘘……止まった?」
にこ「今の間に距離を離すわよ!」グッ
穂乃果「なんであいつらは止まったの?」
にこ「衛生にハッキングしてもらったのよ。あいつらは衛生情報を元に敵を追跡するから、その情報が無くなれば動けなくなるわ」
穂乃果「そうなんだ……」
穂乃果「……二人とも、助けてくれてありがとう」
希「お礼を言うのはこっちだよ」
希「穂乃果ちゃんが表立って戦ってくれたおかげで、うちらはいろんな準備をすることができた」
希「穂乃果ちゃんは人類の希望なんよ。穂乃果ちゃんが頑張ってるから、皆も頑張れる」
希「ま、計画にはちょっと早いけど……そろそろ派手に動き回るのもいいやろ」
穂乃果「今からどうするの?」
にこ「仲間を集めるわ。私たちの力になってくれる、仲間を」
にこ「みんなで、絶対あいつらを倒すわよ!」
穂乃果「うん!」
穂乃果「それで、最初は誰を仲間にするの?」
希「そうやね……北の方でいつもアンドロイドとドンパチやってる人達がいるらしいから、まずはそこ行ってみようか」
希「交渉は任せるで、穂乃果ちゃん」
穂乃果「うん、任せて!」
希(人類の未来は絶望的)
希(けど、うちらにはまだ希望が残ってる)
希(希望が光り続ける限り、人類は敗北しない)
希(さあ、反撃の時間が来たで)
希(絶対にお前らを絶滅させたるからな)
希「うちらの戦いは、ここからや!」
おわり
なに打ち切っとんねん
終わった…?
面白そうなのにもったいない
第二部はよ
乙
このSSまとめへのコメント
おい!打ち切りENDか!書くなら最後まで書けよ!