電「着任した司令官が不審者だったのです」 (169)


※艦これSSです、一応。

※一部不審者が紛れておりますが、融合次元の回し者ではありません。

※このSSで……みんなに……笑顔を……。

※以上のルールを守って楽しくスレ運用!!



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481725344

―――宛、機関大本営。



―――発、○○鎮守府。




電「……ええと、"此度の作戦行動における我が艦隊の損耗率と敵部隊への進攻率について"……」カチャカチャ




皆さんこんにちは。


特III型(暁型)駆逐艦4番艦「電」なのです。


今日は深海棲艦の襲撃も無いようなので、司令官さんの部屋で大本営への電報を打っているのです。



この所、電達の鎮守府は連戦連勝の快進撃が続いているのです。



それもこれも、最近来た新しい司令官さんのおかげなのです。





……ただ。


その、何と言うか。


……。





電「…………、」チラリ



司令官(?)「……ん?どうした、電?」



電「い、いえ。なんでもないのです」



司令官(?)「……?そうか」




最初は、電達の鎮守府には司令官が居ませんでした。

なので、大本営の方から"司令官着任"の一報が届いた時は皆で喜んだのです。


実際に、司令官さんはとてもいい人なのです。


ちょっと、年は若いけれども皆を良く引っ張……


……。


引っ張ってくれる、力強さがあるのです。


……。



……。



ただ。







電「……あの、司令官さん」



司令官「何だ、電?」



電「いえ、その……電がどうこう言う問題では無いと思うのですけれど」





電「"大本営支給の制服"とか、"海軍帽"とか、"着ている所を全く見た事が無い"と思ったのです……」



司令官「…………」



電達の鎮守府では服装に関する規定は無いのです。


というより、そこを指摘されると一部の艦娘達から不満の声があがる事は勿論。


そもそも戦艦の皆さんとか潜水艦の皆とかの服装は軍属においてはとても奇抜―――ごほん、なのです。



それはまあ置いとくのです。


兎に角、服に関しては自由度はかなりあるのです。


けれども。


司令官さんの服装はそれにも増して自由すぎると言うか……。







司令官「……制服を身に纏うという事は己の魂を組織という枠組みに封じ込める事に匹敵する」

司令官「俺の意思―――鉄の心、鋼の信念―――矜持は俺だけが決めるものだ」


司令官「命を救ってくれた事については今を以って感謝に堪えない上、それを忘れた事など一度も無い」


司令官「そして、ここを放り出して己を探しに行くという恩知らずな真似もしない」




司令官「それだけでは、不服か?」



電「い、いえ……そんなことは無い……なのです」フルフル



電「(相変わらず言い回しが独特というか……なんというか、なのです)」



司令官「しかし……俺は至極普通のつもりだが、そんなに変か、この服装は?」



電「……」





"変"と言うか。






―――"ほぼ全身黒ずくめの服"に。
―――"目線も解らない程真っ黒けのサングラス"。
―――"口元まで覆うようなマフラー"。







以上の3点セットから連想する単語は…。








電「(夜道で出会ったら潮ちゃんとか腰を抜かしそうなのです)」ペチペチ



けれども電はそれを提督には伝えない。


敬愛するべき提督に対し、多少の欠点を見てみぬふりをする優しさが、彼女達にはあるのだ。


……が。



司令官「……そういえば、"そろそろ時間"だな」


電「……あ、そうなのです」



電が心配している点は、"そこだけでは無かった"。



今日は、「新艦娘の着任の日」でもあるのだ。



共に戦う仲間が増えるのは心強い。


心強いのだが。


電にとっては。



電「(とっても不安なのです)」



司令官の方を見ながら、胃がキリリと痛むのを感じていた。





司令官「電、今日から着任する艦娘の種別は解るか?」


電「は、はい。ええと……大本営から送られてきた書類には"駆逐艦"と表記されているのです」


司令官「駆逐艦、か。……艦隊の機動力が増えるのは喜ばしい事だな、響や暁、雷……他の水雷戦隊の負担も軽くなるからな」


電「は、はあ……」




電「(言葉を聴いている限りは、電達の事を考えてくれているすっごく良い司令官さんなのです……服装以外)」



後は。


その、着任する艦娘が、電の不安を的中させるような子でなければ幸いなのだが。




電「(着任報告、何事も無く終わってくれればいいのですけど)」ペチペチ




無論。


そんな甘い願望はすぐに砕かれることとなる。







―――ガチャ。





不知火「―――駆逐艦、不知火です。ご指導ご鞭撻、よろし……」








司令官「―――!」ギンッ!!








電「(あ、こりゃやべえのです)」







不知火「……?あの、司令……―――」





―――"瑠璃"?





不知火「……はあ?」





司令官「"瑠璃"、なのか……!?」ガタッ!





不知火「……いえ、わ、私は陽炎型駆逐艦2番艦……」







司令官「何故瑠璃がここに?」ジリッ



司令官「逃げたのか??」ジリッ



司令官「自力で脱出を???」ジリッ







不知火「あ、あ、あの、その、私、は……」ビクビク



電「はわわわわ……!まずいのです……!」ムセンムセン!!



司令官「瑠璃!る―――!!」









―――ゴシカァン!!!










司令官「ガ―――!?」



不知火「―――!」


電「あ―――!」














―――彼女は。









武蔵「―――"瑠璃"ではない」



武蔵「と、いうか毎度毎度思うのだが"瑠璃"とは何だ?」




電「―――武蔵さん!!」




司令官「る……瑠璃ぃ……!」ブルブル



司令官「―――ガクッ―――」






不知火「…………」


電「…………」







…………。



いつもの事ながら。



まるで意味が解らんぞ、なのです……。






不知火「……あの、これは、一体……」


電「……いつもの事なのです、気にしたら負けなのです」


不知火「いつもなのですか(呆れ)」


電「これでも最初の頃ほどじゃ無いのです(白目)」



武蔵「(提督を椅子に戻しつつ)さて、気を取り直して」


武蔵「良くウチの鎮守府に来てくれた、私はここの秘書艦を勤めている大和型2番艦の武蔵だ。よろしくな」



不知火「……不知火です、コンゴトモヨロシク(棒)」



武蔵「こっちで伸びているのがウチの提督だ。ちょっと変わった所が……まあかなりあるが根は悪いヤツじゃあないから心配するな」



司令官「――――――、」チーン



不知火「あの、泡を吹いているのですけれども」


武蔵「うん?何だ、相変わらずちょっと小突いたくらいで軟弱な提督だな!」カラカラ


電「(大和型の出力で思い切りお腹を殴ったらさもありなんな気がするのです)」



不知火「あの、救護室に連れて行った方が宜しいのでは?」


武蔵「ん?いや、その必要は無いだろう」



司令官「はっ―――!る、瑠璃ぃっ!!」ガバッ!



武蔵「ほら起きた」


不知火「えぇ……(ドン引き)」





司令官「こ、ここは……!?」キョロキョロ



武蔵「ここは鎮守府の司令室で、お前は司令官、OKか?」



司令官「ここは鎮守府……俺は、司令官……」ブツブツ




不知火「あの、ぶつぶつ言ってるのですけれど、大丈夫なのですかこの司令は?」


電「それは……ちょっと事情があるのです」


不知火「……???」



司令官「そしてお前は―――瑠璃ぃ!!」


不知火「ひっ―――!?」



武蔵「(ゴスッ!)だから違うというに」


司令官「ゴハッ―――!!」


武蔵「―――というより、だ」









武蔵「いい加減で"記憶の方は戻ったりはしていない"のか、司令官」








司令官「……………………………………………………………………、」




不知火「……え?"記憶"???」


電「……、」




司令官「瑠璃、瑠璃……」


司令官「くっ……"思い出せん"―――"何一つ"!!」ダンッ!



武蔵「……まあいいさ、一先ずは」













―――お前の名前は"黒咲隼"。







武蔵「そしてこの鎮守府の提督にして我々の司令官だ」


武蔵「今はそれだけで、いいだろう」



隼「………………武蔵」






不知火「……あの、しんみりしようとしている所申し訳ないのですけど、私の着任報告の方は―――」




隼「瑠璃いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ガタッ!!!




不知火「―――っひいいいいいいいいいいいいいいい!?」





―――ドゴム!!!!!



隼「―――!!!???」ブハッ!!



武蔵「だーかーら、彼女は新規艦であって瑠璃じゃない、わかってるかー?解るまで殴るぞー?」



―――ドゴッ!!ドゴッ!!ズゴッ!!!




隼「ぐはっ!ごはっ!!る、瑠璃……!!俺は……俺はあああああああ!!!」





電「………………、」






……。




ああ、もう滅茶苦茶なのです。(呆れ)







不知火「"記憶、喪失"?」



隼「…………、」



電「まあ、一言で言うとそうなのです」



不知火「失礼ですが、記憶喪失の方に艦隊運用を任せるというのはどうも……」


武蔵「何、出自が何であれ、我々の指揮及び艦隊運営が順当に行える行動力と発言力が伴っていればそれでいい。後のフォローは我々艦娘の仕事だ」

武蔵「その点で言えばこいつは欠点こそあれ能力は高く、ウチの鎮守府の運用に滞りは無い、大丈夫だ、信頼に値するヤツだ」



不知火「は、はあ……」チラッ




隼「コイツハルリデハナイ、コイツハルリデハナイ、コイツハルリデハナイ、コイツハルリデハナイ、コイツハ……」ブツブツブツブツブツブツブツブツ……






不知火「あの、こちらを向きながらぶつぶつ呟いている事に安心できる要素が何一つ……」



武蔵「そこはおいおい譲歩していけばいいさ(断言)」


不知火「えぇ……」


武蔵「まあなんであれ着任を歓迎する。電、不知火に鎮守府を案内してやってくれるか?」


電「はい、了解なのです」


不知火「すみません、助かります」ペコッ


武蔵「それでいいな……"提督"?」



隼「……ああ、構わない」フー



電「(あ、元に戻ったのです)」



電「それじゃあ失礼しますのです。不知火さん、電について来て欲しいのです」


不知火「は、解りました―――それでは失礼します」ビッ




―――パタン。




隼「………………、」



武蔵「………………、」




隼「………………俺も少し外に出てくる。武蔵、後の事は頼む」



武蔵「それは別に構わんが何処に行くつもりだ?」



隼「ちょっと、外の空気を吸ってくるだけだ」



―――パタン。

『鎮守府屋上』





隼「……………………、」ゴソゴソ。




隼「―――――――――、」スゥ……











BGM:https://www.youtube.com/watch?v=TXIh46n-8Iw








時津風「……あれぇー?この曲って……」


島風「あー、提督が良く吹いてるアレだねー」


雪風「また屋根に上ってるんでしょうかねー?」


天津風「あの人、顔や指揮能力はいいんだけどちょっとしょってるっていうか……」


初風「天津風、提督に対してそんな言い方無いんじゃないの?」


初雪「私……ちょっとだけ、あの人、苦手……」


深雪「えー?そっかなー、確かに雰囲気でちょい怖そうに見えるけど喋ると結構優しいじゃん?」


初雪「そうじゃ……なくて……」


白雪「ま、まあ最初の頃は追い掛け回されていたもんね、私達……」


島風「"るりー! るぅりー!!"だったっけ? 私は別に、追いかけっこ楽しかったし♪」


初風「そんなの、あんただけでしょうよ……」


秋雲「……う~ん、記憶が無いって事といい実にミステリアスなんだよねー。あっそうだ(唐突)今度鎮守府の官報に載せる漫画のネタはこれで行こう♪」メモメモ


巻雲「はわわ!そんな事勝手にしたら司令官さんに怒られちゃいますよ~!」







―――キャッ、キャッ―――





隼「………………、」




俺は、部下である彼女達の喧騒をどこか遠くで聞きながら、自分の思考に深く身を沈めていた。



俺には自分の名前以外の記憶が無い。


何処から来たのか。


何処へ行こうとしているのか。


……、


否。



正確に言えば、断片的にだが記憶はあるのだ。



ただ、それが余りにも断片的過ぎて言葉の意味を成して無い、意味の解らない単語の羅列になってしまっている。





―――"ユート"。



―――"エクシーズ"。



―――"融合"。



―――"アカデミア"。



―――"次元戦争"。



―――"ランサーズ"。



―――"RR(レイド・ラプターズ)"。



そして。







隼「(―――"瑠璃"……!!!)」




その単語を心の中で呟く度に、何故か強烈に胸が締め付けられそうになる。


ここにいる場合じゃない。


一刻も早く戻らなければ。


戻る?戻るとは何処にだ?


帰る場所があるというのか。


この俺に。


提督であるこの俺に。



……違う。



俺は"提督"などではない。



俺は、



俺は―――!!


なんかのクロス?




~~~~~~~♪!



~~~~~~~♪!!



~~~~~~~♪!!!






19「……おー、何か今日の提督いつもよりちょっと激し目なのね♪」


58「……んあー、そうでちねー……」ボー


168「58、ちょっと気だるげだけど大丈夫?疲れてるんじゃない?」


8「んー、まだカレクルを50週しかやってないから疲れてるわけじゃないと思います」


26「(拝啓、何だかニムとんでも無い所に来てしまった気がします……)」


呂500「大丈夫♪ろーちゃんも慣れたから、26もすぐに慣れるって♪」


まるゆ「(出荷予定じゃないだけマシと言うべきかな?それとも出荷されれば休めると考えるべきなのかな?)」ブツブツ



401「あー、いってらっしゃーい。401は消費資材の関係でここで休んでるからねー!」ブンブン




大淀「―――あ、401さん。貴女はこれから5-5攻略の艦隊に組み込まれる予定ですので戦闘待機でお願いします」




401「……。」



58「囮、頑張ってくるでちよ……(ぽん)」


19「骨は拾ってあげるのね(ぽん)」


168「401、貴女がこの鎮守府に来てくれたこと、イムヤ忘れないからね(ぽん)」


8「(無言の肩置き)」ポン


呂500「ろーちゃん、いってらっしゃいって♪(ぽん)」


まるゆ「(無言の敬礼)」


26「(憐れみの視線)」



401「……………………( ゜Д゜)」




―――脱兎。




58「あ、逃げたでち!捕まえるでちよ!!さもなくば明日はわが身でち!!」



>>26
単語ぐぐったら遊戯王のクロスっぽいわ
クロスならスレタイか最初に書いておいて欲しいよな





―――離せぇ!(本音)何すんのぉ!!(本音)



―――大人しくするのです!



―――流行らせコラ!流行らせコラ!!(錯乱)



―――煩いでち、6隻に勝てるわけないでち!



―――馬鹿野女郎!私は勝つぞお前401は!!



…………!


…………!!


………………!!!




その瞬間。


>>30
>>1で書いてるやん…とはいっても遊戯王知らんやつからしたらわからんわな






Biiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!



Biiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!!



Biiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!









58「……んあ?」


8「何ですか??」


26「これって……」







隼「………………、」




ハーモニカの音も掻き消える大音。



これは……。




隼「―――"敵"か!!」




提督は身を翻すと一目散に駆けてゆく。


その表情には先程までの自分の存在に揺らいでいた動揺は微塵も見られない。


それは。



歴戦の、戦士の顔だった。



『作戦司令室』







隼「―――どうした、何事だ!」バッ!!






ポーラ「……んあ~?あー、ていとくですかぁ~!ていとくもどうですかあ~?ことしのワインはおいしいですよぉ~?」ケタケタケタ




隼「………………、」


隼「ポーラ、だったか。何故お前がここに居る?」




ポーラ「ん~っと、なんででしたっけえ~?たしかばーでいっぱいのんでたらきゅうにうるさくなってえ~それでここにきたんでーす」ヒック♪




隼「……警報の原因は何だ、敵の襲撃か?それとも……」



ポーラ「んん~ぽーらワカリマセーン!無線のむこうでぇ~なにかいってるみたいですけどぉ~いたーりあの艦だからぁ~にほーんごはあまーりとくいじゃないんで~す!」ヒック♪




隼「…………………………、」


知ってる人しかわからない注意書きって意味ないじゃん




―――パチン!。




妖精A「ハイ、テイトク!!」

妖精B「オヨビニナラレマシタカ!!!」



隼「……医務室だ。連れて行ってやってくれ」



妖精A「ハーイ、ショウチシマシター!!」


妖精B「ウオ、サケクッサコノヒト!!」



ポーラ「あらぁ~せいかいがゆれてーていとくもふたりになってますぅ~ぽーらをいったいぜんたいどうしようっていうんですかぁ~えへへぇ~」



―――ズルズルズル……。





隼「………………、」


隼「さて(真顔)」



大淀「すみません、遅れました!」ダッ!


明石「今電文を読み解きますので暫くお待ちを……あれ、どうしたんですか?」



隼「……いや、なんでもない」


隼「それで、内容は?」


明石「は、はい……ええと」



明石「―――! 鎮守府に向かっている輸送船団が敵深海棲艦の攻撃を受けているそうです!」


大淀「我、至急救援ヲ求ム!の事です、司令官!」



隼「……敵の規模は?」



明石「"戦艦多数を含めた連合艦隊"、更に航空母艦と思しき敵機の姿も見られるとの事!」



隼「……中々の部隊だな、恐らくはこちらを奇襲するつもりだったのが輸送船団とはち合わせになったのか……」



大淀「……如何、致しましょう?」



隼「見捨てるという選択肢は有り得んだろう―――よし!」





隼「オーダー(編成)を伝達!2艦隊による敵部隊へ攻撃作戦を図る!」



隼「先ず軽巡と駆逐艦による高速水雷戦隊を偵察及び露払いで出撃させ、続いて戦艦と空母部隊による撃滅作戦とする!」



隼「救助任務故に時間が惜しい、電と武蔵にも出撃翌要請を!」



明石&大淀「「―――了解(です!)(しました!)!!」」



隼「そして後詰及び直接指揮を執る為に―――」










隼「 俺 も 出 撃 (で) る ! ! ! ! 」カン☆コーン!









明石&大淀「「―――ダメです(素)」」




隼「―――!? 何故だ!!!」ダンッ!!



明石「いや、何故も何も……」


大淀「指揮ならここ(司令室)でも十分執れますし……」




隼「何!!指揮官とは自ら前線に赴くモノではないのか!!??」





明石&大淀「「(何言ってだこの人……)」」






明石「いやいやいや、貴方ここの総司令官なんですよ?解ってます役職の重さ??」


大淀「……提督の実力は艦娘一同"良く解ってます"ですが……」


大淀「万が一提督が戦闘の最中行方不明という事にでもなってしまえば、この鎮守府は立ち行かなくなってしまいます。今回は、(というか常に)ご自愛下さい」




隼「……俺に、仲間だけを危険に曝させて、自分だけのうのうと安全な場所で待機していろと……」


隼「そのような恥知らずな真似をしろというのか、貴様らは!!!」




明石「いやいやいや、貴方世の後方支援の方々に直接喧嘩売ってますよ大丈夫ですか?」


大淀「と、いうか普通の司令官は皆それ(的確な指示)が仕事ですから……」




隼「話にならん!―――俺は往く!!」クルッ


隼「どうしても止めたければ……鉄の意志と鋼の信念で止めてみせろ!!」カン☆コーン!!






大淀「では、そうさせて貰います」―――パチン




妖精C「オヨビデスカー?」

妖精D「オヨビトアラバソクサンジョー!!」



大淀「妖精さん達、提督を椅子に縛り付けてください」



隼「―――なっ!!??」




妖精E「リョウカイー!」


妖精F「ヨカレトオモッテロープモッテキマシター!!」


妖精G「クヤシイデショウネエー!!!」




隼「止めろ、何をする貴様ら!!」




隼「離せ!離せええええええええええ!!」






―――ドスン!バタン!!ガチャン!!!!!









隼(闇の呪縛)「瑠璃!!瑠璃いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」ジタバタ







明石「(無視)えー、繰り返します。総員、第一種戦闘配備。編成に割り振られた艦娘は所定の位置に待機していてください、繰り返します……」





大淀「第一艦隊の出撃を確認後、第二艦隊も出撃願います。作戦開始時刻はフタマル―――」




『出撃ドック・第一艦隊』





電「……」


響「うん、どうした電?」


電「いえ、何だか司令官さんの声が聞こえたような気がするのです……」


雷「司令官?―――キョロキョロ―――何処にも居ないじゃない?」


暁「どうせ、今度もまた出撃しようとして大淀さん達とモメてるんじゃない?」


響「ハラショー、その可能性は十分に考えられるね」


電「……心配なのです」


雷「司令官が?それとも大淀さん達が??」


電「取りあえずは両方なのです」


暁「それにしても失礼しちゃうわね!レディーである暁達が頼りないって言うのかしら!」プンスコ



電「…………、」



電「(電達を頼りにしていない、というよりも、もっと、何か……)」




電「(司令官さんは、一人でなんでもやるのが当たり前な、そんな寂しい空気が時々感じられるのです……)」







電「…………、」



雷「電ー!早く来ないと置いてっちゃうわよー!!」


電「はわわ!待って欲しいなのです!!」





電「(まあ、今回の作戦は救助が主ですし、司令官さんが大人しくしているウチにきっと終わるのです)」





『出撃ドック・第二艦隊』





武蔵「…………、」ウ~ム



赤城「あら、武蔵さん?どうしたんです、考え事なんて珍しいですね」



武蔵「赤城か。いやな……よもやと思うが提督のやつが"また"勝手な事を仕出かさないか少々、不安でな」



赤城「……ああ、そうでしたか」メソラシ



加賀「毎度毎度の事ながら―――」


瑞鶴「―――心配するこちらの身にもなってみなさいってのよね!」



加賀&瑞鶴「「………………、」」ジロ~



翔鶴「くすっ♪仲が良くて結構なことですね」



加賀&瑞鶴「「冗談じゃ(ないわ)(ないわよ!)」」




隼鷹「まー、提督が出撃(で)てくるとあれなんだよなー楽が出来るっちゃ出来るんだけどさ」


瑞鶴「それこそ冗談!栄えある空母の私達がよりにもよって提督の後ろで控えてろっての!?」


陸奥「まあまあ、流石に今回は提督の出番は無いでしょうね」


長門「そうだな、明石と大淀、それに夕張が"そちらについては十分対処した"と言っていたしな」



武蔵「……ま、それなら何も気にせず作戦を進めるだけだが……」








武蔵「―――どうにも何故か、嫌な予感がするのだよなあ……」





『作戦司令室』






隼「………………………………………………、」





明石「第一艦隊、会敵開始!」


大淀「航空支援艦隊は艦載機の発進願います!」


明石「続いて第二艦隊は長距離砲撃支援を―――!」





隼「………………………………………………、」





明石「あの、提督?そろそろ救援のタイミングについての支持を頂ければと思うんですけれど?」クルッ




隼「……………………………………………………、」ダラーン







明石「大淀さん、何か提督の様子がおかしいんですけど」


大淀「……?おかしいのはいつもじゃないですか」


明石「(何気に酷い)」


大淀「提督?どうされたのですか??」




隼「……………………………………………………、」




大淀「おかしいですね、そんなに強く縛ってはいないのですけど……」



大淀「―――はっ!!??」











隼(?)「―――――、――――、」※くず鉄の案山子






大淀「やられました!こ、これは……人形!?」


明石「ええええええええええええええーっ!!!???」


大淀「鎮守府内の妖精さん達に伝達!直ちに提督を捕縛するようにと!!」



明石「ほんっっとにあの提督ロクなことしやがりませんね!!てゆうかどうやって拘束を……!」








―――カチッ!!





ビイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!



ビイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!



ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!





…………。



『???』




―――ワーワー!!


―――テイトクドコダー!!!



―――ツカマエルー!!!



―――ホウシュウハマミヤサンノアイスダッテヨー!!!





隼「―――、気づかれたか」


隼「だがもうここまでくればこちらのものだ」


隼「…………、」





俺の目の前にあるのは、数十枚に纏められた"紙束"と。


一台の―――"バイク"。



ここに来た時に、俺と共にあったモノだ。


これらが本当に俺の物だったのか、それを示す確証は何も無い。


だが心の奥底にある、己の魂とも呼ぶべき部分が確信を促す。



隼「(俺の相棒、俺の魂)」





―――R・R(レイド・ラプターズ)





隼「俺が何者であるのか、何故ここに来たのか、何をさせようというのか」


隼「肝心なことは何一つ解らないままだ」


隼「だが」



俺は紙束を握り、己の腕に装着させる。


否。


コレは紙束などではない。


そして。



コレを装着した瞬間、俺は"提督では無くなった"。



そう。


俺は。






隼「―――決闘者(デュエリスト)だ……!!」





それは、何を意味する言葉であるのか。


今はまだ思い出せない。


しかし、魂が叫ぶ。





―――デュエリストなら戦え、戦って、己の明日を掴み取れ。







待ち受ける困難が何であろうとも。







隼「それが、今の俺に出来る唯一の……ん?」



バイクに手をかけた瞬間、違和感に気づく。





……それは"鎖"だった。




無数の、先程己を拘束していたのとは比較にならぬ程の頑丈なソレが、バイクを地面に縫い付けるようにして展開していた。






隼「……………………、」






何気なくサドルに目を向けると。


一枚の張り紙があった。









―――提督へ。








おいたを余りするのは駄目ですよ?








―――夕張より♪








隼「……………………、」




隼「……………………」フー







―――俺のターン!ドロー!!!!(シュバッ!!!






―――オレハテフダノレベル4ヲツウジョウショウカン、ソシテテフダノレベル4ヲトクシュショウカン、ソシテ……!!!










ちゅどおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!






妖精G「ウワー!!ナンダアー!!」


妖精H「シンカイノバクゲキカー!!」


妖精I「イヤ、アレハ……!!」





隼「――――――、」ギュオオオオオオオオ!!









―――道は、己の手で切り開く物だ。







『作戦司令室』




大淀「ッ……!な、何事ですか!!??」



妖精J「テイトクガカクノウコヲブッコワシテシュツゲキシテイキマシター」



明石「はあああ!?夕張特製の、大和型すら拘束する鎖をぶっちぎってですかあ!?」


大淀「……これはもう駄目かもわかりませんね(諦め)」


明石「ど、どうします?先行している武蔵さん達に伝えますか?」


大淀「……お願いします。……ん?」


大淀「入電?戦闘海域から?……偵察部隊からみたいですね」


大淀「…………、」



大淀「―――!!!!」ガタッ





明石「ど、どうしました??」



大淀「"我、陸上型深海棲艦ノ浮上ヲ確認ス"……!?」


明石「……え!?」


大淀「明石さん、急いで前線に入電!先の艦隊は陽動だったようです!」








―――最初から、こちらの艦隊をおびき寄せる腹積もりだったんです!!





『同刻・敵中心艦隊』




―――ズドン!!



―――ズドドン!!



―――ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドド……!!!!







天津風「うきゃああああああああっ!!!」



雪風「ひい~!至近弾ですぅー!!」



時津風「痛~!お尻打ったあー!!!」




天津風「ど、どうしてこんなところから―――」







―――敵の大部隊に挟撃されるのよおおおおおおおおおおおおっ!!!!








……、……。




……………………。




…………ウフ。



……ウフ、ウフフフフフフ…………。



アハハハ…………!




アハハハハハハハハハハハハ!!



ワナトモシラズニノコノコト……チビドモガアツマッテ……ワラッチャウワネ……!








中間棲姫「―――サイショカラユソウセンナンテドウデモヨカッタノヨ……!」



中間棲姫「ソレデモナカマヲタスントシテコノザマ、ウエノレンチュウノ、ナントイウイジマシサ……!」


中間棲姫「イマハ、センカンヤクウボノカリョクカンはハオラズ、シエンモソウソウサイカイハデキナイダロウ」






中間棲姫「モラッタゾ、イマイマシイカンムスドモメ……!!!」ジャキッ!!








ズドン!!ズドズドズドン!!!



暁「ど、どうするのどうするの!!撤退するの進むのぶっ飛ばすの!!??」


響「暁、少し落ち着け。レディーが台無しだ」


電「はわわ、電達陸上用の装備なんて持ってきてないのです!!」


暁「兎に角後方の第二艦隊と合流しないと……!」


雷「待って!それじゃ輸送船団の人達が全滅しちゃうじゃない!何の為に出撃したのよ!?」


暁「だけど!このままじゃ私達の方が―――!!」



―――ズ ド ン !!!!!!






第4駆逐隊「「「「―――きゃああああああああああああああっ!!!!!」」」」








雷「っつつつつつ……痛ーい!!もー!!」


電「はわわ……ど、動力がおかしくなったのです……」ギュルルルルル!


響「流石に、これは、まずい……な」


暁「次、こちらを狙われたら……!!」






中間棲姫「アワレナエモノハ、ソチラカア……!」ジャキッ!!







暁「―――って狙われてるしいいいいいいい!!??」









中間棲姫「イイゾオ……ソノムネントイカリヲカカエタママ……シズンデイケエッ!!」





―――ィィィィ……!!




中間棲姫「アハハハハハハハハハ……!!!」




―――イイイイイイイイイイイ……!!





中間棲姫「アハ、アハハハハハハハハハ……!!」




―――イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!






中間棲姫「………………………………、」






中間棲姫「……???」クルッ







突如、静かな海に鳴り響いた異音を無視できなくなった中間棲姫は。


音の発生源―――自分の真横―――へ振り向いた。


すると。










隼「…………………………………………、」ギュイイイイイイイイイイ……!!













中間棲姫「…………………………」








さしもの深海棲艦もその異様な光景に絶句した。



何だ。


何なのだコレは。




波間を切り裂くように失踪する鉄で出来た何かに跨った艦娘……。



"ではない"。



男……ニンゲン、紛れも無くそれは人間。



この戦場に最も相応しくないモノが自己主張を強めそこに乱入していた。



そして。



呆気に取られていた中間棲姫の視線に気づいた人間は。



徐に陽光を遮るサングラスを外すと。








隼「―――おい」












―――デュエルしろよ。













中間棲姫「…………………………、」







ナンナノダ コレハ。




ドウスレバ ヨイノダ。




その宣言の意味を、何一つとして理解出来なかった。

それにしても、この不審者ノリノリである(記憶喪失)。

今日はこれにて失礼します。


次回:「反逆の翼翻す刻」

おつw

良い勢いだw乙ですw

乙乙
もうスレタイ見た瞬間「黒咲かな?」って直感で思った···

乙!

クロス先や話は好みなのに淫夢臭すぎて俺には無理だ
キャラに自分の性癖を無理やり語らせないっていう版権ssをやる上で最低限の事すら出来ないなら>>1はss描くの向いてないぞ

やっぱり艦これ次元かww

仮面ライダークロスかと思ったわ
デュエリストかよ

深海棲艦が特殊召喚扱いなのかどうかが重要だな

お待たせしました。再開でございます。





―――疾走決闘(ライディングデュエル)






それはスピードの世界で進化した決闘(デュエル)。



そこに命を賭ける伝説の痣を持つ者を、人々は5D'sと呼ん―――。










朝霜「いや呼ばねえよ?」ピシャアン


睦月「っていうか、誰の声にゃしい??」



『敵戦隊中枢部』








中間棲姫「―――、―――、」パクパクパク……





隼「貴様が敵の首魁か。俺の部下達が世話になったようだな」ギュオオオオオオオオ!!!







隼「―――この場は俺が引き受けた、お前達は輸送船の護衛に回れ!」シュバッ!








電「司令官……」


響「なんという冷静で的確な判断力なんだ……」





……、……。




"なんて"。






朝霜「言うとでも思ったかあ!!!」ガーッ!!

夕立「何またこんな所(戦場)に出てるっぽい!?死にたいっぽい!!??」

浦風「そこ棒立ちされちゅうとこちらも撃てんとよ!?」

初霜「私達はまだ自力で動けますから司令官も退避しててくださいな!」

時雨「というか、司令官は何しに来たの?」







隼「………………。」





隼「――――――(カチャ)」


※サングラスを外した。









隼「 支 援 に 参 っ た 」ドヤァ…










望月「いやいらないから!!帰れよ!!!」


初春「寧ろ"邪魔しに参った"の方が正しくないかのう……?」ゲンナリ


菊月「下手すると要救助者が一人増えるだけの結果になりかねんぞ……」


敷波「いや、もうなってるっしょ……」


磯波「ああなると司令官、テコでも動きませんもんね……」




霞「~~~~~~~~~~ッ!」イライライラ




霞「ちょっと!アンタが沈んだらこちらの負けだって何度言えば解るのよこのグズ!!!」


霞「指揮だけしてりゃいいのに無駄に戦場を引っかき回して!それでもアンタ提督(Admiral)なの!!??」







隼「――― 決 闘 者(D U E L I S T) だ ! ! 」カン☆コーン!  霞「やかましいわよこのグズ!!!!」







朧「霞、もう何を言っても無駄だと思います……」


秋雲「あぁ~もう(戦略が)滅茶苦茶だよ、どう責任を取ってくれるんだよ」









隼「心配するな―――」



隼「 俺 は 負 け ん ! ! ! 」ギンッ!!







三日月「いや心配してるのはそこだけどもそこだけじゃないです」


望月「もう司令官ごと敵を撃っちゃってさあ、終わりでいいんじゃね?」


水無月「もっちー、それは流石に言いすぎだって……」







電「………………、」







電「(嫌な予感、的中なのです……)」アタマイタイノデス







隼「―――バトルは俺の先行から行かせて貰う!!」キンッ!!



中間棲姫「!?」



夕立「提督さん、相手の了承ぐらい得るっぽい。友達無くすよっぽい」




隼「"ドロー"!!!」シュバッ!!




晴天に響き渡る程の声量で高らかに宣言する。


その手に握られた紙束……カードの枚数は6。


彼はそれらを一瞥すると。




隼「俺は手札より、このカードを―――"召喚する"!!」バシィッ!!




その中の一枚を叩き付けるようにして置いた。


そして。




隼「現れろ!レベル4!!!」





隼「RR(レイド・ラプターズ)!―――《バニシング・レイニアス》!!!」カッ!!








バニシング・レイニアス「―――キエェェエエエエエエエエエエエエエエエエン!!!!」







青き戦場に、一陣の翼が舞い踊る。






それは、鋼の肉を持ちながらも生物的なフォルムを擁する摩訶不思議な生き物。




中間棲姫「―――!?」





中間棲姫は目を見開いた。



何だこれは?

"急に空中に出現"したぞ?

艦娘どもの秘密兵器か?

目の前の人間が呼んだのか?

空を飛んでいる―――艦載機か?



その脳裏では多様な疑問が渦を巻いては消えて行く。





涼風「おお、出た!!提督の"良く解らない艦載機っぽい何か"!」


龍驤「ウチが言うのもなんやけど、どういう原理なんやろなあ……」※支援艦隊が追いついた。






バニシング・レイニアス「―――!」ギロッ!!



中間棲姫「―――ッ」



鉄の爪を持つ猛禽が、硝子の瞳でねめつけるようにして中枢棲姫の方を振り向いた。



中間棲姫「(ナンダ、クルノカ……!)」



隼「―――"まだ"だ!!」


中間棲姫「―――!?」



砲を身構えようとした深海に対して異を唱えるように提督が吼える。




隼「俺は召喚した、《バニシング・レイニアス》の"効果を発動"!」

隼「1ターンに一度、手札からレベル4以下の《RR》モンスター1体を特殊召喚する!!」



隼「現れろ!!―――《RR-トリビュート・レイニアス》!!!」バシッ!!







―――カッ―――!!!








トリビュート・レイニアス「―――クウェエエエエエエエエエエエエン!!!」






中間棲姫「!!!!」



中間棲姫「(マ、マタ カンサイキガ フエタ……!?)」







まずい。


このまま敵の好きにさせていたら囲まれてしまう。


その前に……!







隼「"更に"!!」  中間棲姫「―――!」ビクッ!!




隼「俺は、レベル4《バニシング・レイニアス》と、《トリビュート・レイニアス》で―――」












――― オ ー バ ー レ イ ・ ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 ! ! !












バニシング&トリビュート「「―――!!!」」




突如、戦場に出現した二体の"艦載機"が。


提督の叫びと共に光の粒子と化し。


二乗の渦となって中空に吸い込まれて行く。


そして。





渦の中で光の粒がより集り、"一つの影"が形成される。












―――"冥府の猛禽"よ。




闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!





 エ ク シ ー ズ 召 喚 ――― ! !









―――ズドオオオオオオオオオン!!!―――










隼「飛来せよ―――《ランク4!》―――《RR-フォース・ストリクス》!」
















フォース・ストリクス「―――フォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」








中間棲姫「……!!」

中間棲姫「(ナ、ナンダ……!?)」



光の中から現れたのは、先程の二機の艦載機とは比べ物にならないくらいの小型機。

"フクロウ"のような形をした機体(?)だった。



中間棲姫「(ワカラナイ、カズデセメルノデハ ナイノカ……?)」



何故二機ではなく、態々数を減らしてまで一機にしたのか。


彼女からしてみれば、敵の意図が全く読めない行為に他ならない。


対して、その当事者本人はというと。







隼「俺は、カードを一枚伏せ!―――」キン!






隼「――― タ ー ン エ ン ド ――― ! ! 」ドギャァン!











隼「さあ、 貴 様 の タ ー ン だ !!! 攻 撃 し て こ い !!!」ズギャァン!!






















中間棲姫「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
















中間棲姫「―――ハァア?」





思わず、素で聞き返してしまった。

すいませんちょいと一時中断します。

先行は攻撃できないかんね、しょうがないね。

おつw

しょうがないなぁ

乙!
色々とワロタww

自演楽しい?

再開。




隼「さあ、どうした!早く攻撃するなりモンスターを召喚するなりしたらどうだ?」ギュオオオオオオオ!!







中間棲姫「………………………………、」



>しかし ちゅうかんせいきは こんらん している 。







艦娘達「「「「「…………………………、」」」」」



>かんむすたちも こんらん している 。






隼「ふっ、冥府の猛禽に怖気づいたか」ドッヤァァ




長波「いや、呆れて声も出ないんだと思うぞ(白目)」

天津風「っていうか、何であの人はいつもいつもいつも敵の的になろうとするの!?馬鹿なの死ぬの!?」

初風「正直あの状況だと洒落になってないわよそれ……」

雪風「し、しれー!逃げてくださいー!!」




隼「……それはできない」 


天津風「だから何でよ!?」





隼「決闘者(デュエリスト)たるもの、目の前の決闘(デュエル)から背を向けて逃げるような真似などできん!!」カン☆コーン!





嵐「いやいやいや、今のアンタは提督じゃないのか(呆)」


親潮「(いつも思うんですけれど、決闘者って何なんですかと尋ねるのは駄目なんでしょうか?)」ヒソヒソ

舞風「(いやぁ、記憶無いから厳しいんじゃない?)」ヒソヒソ

満潮「ってことは本能でああってワケ?」

曙「救いようが無いクズね(棒読み)」

潮「曙、そんな事言ったら司令に悪いです……」



漣「あのさー、暢気に押し問答しているけどさー……」








中間棲姫「………………、」エエト、エエト……




中間棲姫「エイ……!」ジャキッ!!




―――ズドン!!―――





余りの事態に混乱していた中間棲姫は、どうにか正気に戻ると。


砲の一門を提督に向け、発射した。


唸りを上げる砲弾は、空を切り裂いて一目散に提督に向かう。






隼「何!―――いきなりダイレクトアタック狙いだと!?」


電「いや(戦略上)至極当たり前だと思うのです」



隼「だが―――させんぞ!」



隼「罠(トラップ)発動―――!!」




言い切る前に。




ズドン!!ズド!!!ズドドドドドド!!!




着弾、爆発、爆炎。



無常にも轟音と猛火が無防備な提督に襲い掛かった。







如月「!!!!!」


吹雪「し、司令官あああああああああああああん!!!」





立ち上る黒煙と硝煙。

生ける物総てを拒否せんとする猛火に対し、歴戦の提督であろうと成すすべなく消滅するしかないのであろうか。


―――否。






―――ギュウイィィィィィィィィイ!!!






白露「―――!」

海風「あれは……!」







黒煙を引き裂き、炎を我関せずという風に飛び出してきたのは。


我らが提督―――黒咲隼、その人だった。




彼は、砲撃の直撃を受けたにも関わらず涼しい表情でそこに立っていた。





中間棲姫「…………!!!」




これにはさしもの深海棲艦も驚愕するしかない。







隼「ふっ、中々の攻撃だな」

隼「だが俺は、このカードの効果を発動していた!それは……」




隼「―――《RR-レディネス》―――!!」




◦《RR-レディネス》
通常罠

(1):このターン、自分フィールドの「RR」モンスターは戦闘では破壊されない。
(2):自分の墓地に「RR」モンスターが存在する場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。
このターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。





隼「この効果により、俺の場の《RR》は戦闘では破壊されない」


隼「残念だったな」キン☆




中間棲姫「…………?」



いや、自分が狙ったのは艦載機などではなく……?






隼「―――ぐふっ!?」ゴハッ!



電「―――!!」


雷「し、司令官!大丈夫!?」



隼「くっ、《フォース・ストリクス》を破壊から守れたが……」

隼「貫通ダメージは受けることになる、か……!」




黒咲 LP(ライフポイント) 4000→2700 ピピピピピピピピピ……!




暁「全然大丈夫じゃないじゃないーっ!?」ガビーン!

響「最早目的が支離滅裂になってしまってるんだが、大丈夫なのか司令官は(主に頭が)」




隼「……………………、」



隼「……ふっ」



隼「……ふ、ふふふふふふふふふふ……!」




響「…………?」

電「し、司令官が……」


睦月「笑ってる、にゃしぃ……?」





隼「やはり、決闘はいい……!」




隼「この"痛み"、この痛みこそが、俺を本気にさせるぅぅ……!」フゥオォォォォ……!  長波「おいあの司令悦に入ってんぞ大丈夫か」





如月「大変、頭とか打ったんじゃないかしら!?」アセアセ


浜風「……いや、いつもの提督なんじゃないですか?」

谷風「いつもの提督だねぃ」

磯風「いつもの提督だな」

長月「いつもの提督だなぁ」

文月「いつもの提督だよねー」




……、……。




"なら、いっかあ"



最早、何をしに来たかも蚊帳の外になり始めていた。

"この痛み―――美しい!!"



提督は趣旨を理解しているのか居ないのか。もうこれわかんねえな。

短いですが本日はこれにて。

救いようがねぇな

Dホイールと一体化する黒咲さん

艦娘は拾った。

楽しそうだからいいんじゃないかな

>>116
ひょっとして軍艦とも一体化出来るのでは……?
つまり男の艦むす(決闘者)になれる

よく分からんから遊戯王?知らん奴にも分かるように補足してくれ

はよ

補足すると
デュエル(遊戯王内で勝負するゲームの総称)ではダメージを負ける直前まで受けるのを楽しんでいる。
敢えて極限状態に追い込まれながらも、そこから生還するかの如く相手を倒すことで『生きている』と実感できると豪語

要するにドMです

この黒咲はアニメ次元と漫画次元のハイブリッドかww

あれ、よく見たら先行でドローしてる?

お待たせ致しました。大変短いですが再開します。

>>124
あ、やば。先行ドロー廃止していたのすっかり忘れておりましたばい。
つい昔の時の癖で……。


※今回より未OCGカードやアニメ版効果などが都合よく融合しておりますが、融合次元の回し者ではありません。
※展開を考えるとこうせざるを得ませんでした。

「非力な私を許して欲しい……」

これまでの かんたんな あらすじ





鎮守府へ補給物資を輸送していた船団が、深海棲艦の攻撃を受けた。


艦娘達は味方を救援するべく出撃する。


しかしそこでは我らが提督、黒咲が(無理矢理)大活躍をしていた!





朝風「只今絶賛ピンチの真っ最中だけどね……」


菊月「提督の頭の中には"撤退"という文字が欠けてるんじゃないのか?」



鳥が変更されておりますが>>1です。

パスの記憶がマインドクラッシュしてしまった模様なので、このまま進めさせていただきます。

非力な私をry





黒咲:LP2700




隼「―――これ以上、良い様にはさせん!」 



神風「そう思うんなら早く下がって欲しいんだけど提督?」

春風「ダメです神風、あの顔はご自分の世界に埋没してしまっている表情です」




隼「俺のターン、ドロー!!」シュバッ!


隼「俺は、自分の場の《フォース・ストリクス》の効果を発動!」キン☆



中間棲姫「―――!?」



隼「このカードに重ねられたX(エクシーズ)素材を一つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル4モンスターを1枚手札に加える!!」



隼「ラプターズ・アセンブル!!」




フォース・ストリクス「―――!!!」クワッ!!




・《RR-フォース・ストリクス》
エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守2000

レベル4モンスター×2
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカード以外の自分フィールドの鳥獣族モンスターの数×500アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから鳥獣族・闇属性・レベル4モンスター1体を手札に加える。




隼「この効果で手札に加えたカードは…2体目の《バニシング・レイニアス》!!」

隼「今再び舞い上がれ!《バニシング・レイニアス》!!」バシィ!!



―――カッ!!




バニシング・レイニアスB「クェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!」


・《RR-バニシング・レイニアス》
効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1300/守1600

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの
自分メインフェイズに1度だけ発動できる。
手札からレベル4以下の「RR」モンスター1体を特殊召喚する。





隼「《バニシング・レイニアス》の効果発動!自分の手札にあるレベル4以下のRRカード1枚を召喚する!」

隼「俺が呼び出すのは、3体目の《バニシング・レイニアス》!!」バシィッ!




バニシング・レイニアスC「キェエエエエエエエエエエエエン!!」






中間棲姫「マ、マタ、カンサイキガ……!?」



隼「―――"まだ"だ!!!」 中間棲姫「―――!!」ビクッ!



隼「俺は3体目の《バニシング・レイニアス》の効果を使い、手札のRR《ミミクリー・レイニアス》を特殊召喚する!」



隼「現れろ、《ミミクリー・レイニアス》!!」




―――カッ!!




ミミクリー・レイニアス「キェエエエエエエエン!!!」



・《RR-ミミクリー・レイニアス》
効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻1100/守1900

「RR-ミミクリー・レイニアス」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。
自分フィールドの全ての「RR」モンスターのレベルを1つ上げる。
(2):このカードが墓地へ送られたターンの自分メインフェイズに、
墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「RR-ミミクリー・レイニアス」以外の「RR」カード1枚を手札に加える。



隼「そして!レベル4《ミミクリー・レイニアス》と《バニシング・レイニアス》で」



隼「オーバーレイ!!!」



隼「飛来せよ!ランク4!!―――《フォース・ストリクス》!!!」





フォース・ストリクスB「フゥォオオオオオオオオオオオン!!!!」





隼「そして、2体目の《フォース・ストリクス》の効果を発動!!デッキより鳥獣族モンスターを手札に加える!!」


隼「手札に加えたのは、レベル4《ファジー・レイニアス》!」チャッ☆


隼「このカードは自分の場に《ファジー・レイニアス》以外のRRモンスターが存在する場合、特殊召喚が可能となる!」


隼「出ろぉ!RR―――《ファジー・レイニアス》!!!」バシバシィ!!





―――カカッ!!




ファジー・レイニアス「―――!!!」



・《RR-ファジー・レイニアス》
効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻 500/守1500

「RR-ファジー・レイニアス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
このカードの効果を発動するターン、自分は「RR」モンスターしか特殊召喚できない。
(1):自分フィールドに「RR-ファジー・レイニアス」以外の
「RR」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「RR-ファジー・レイニアス」1体を手札に加える。





中間棲姫「・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・」



中間棲姫「―――エッ……?」




隼「更に俺は!残った《バニシング・レイニアス》と特殊召喚した《ファジー・レイニアス》でオーバーレイ!!」



隼「飛来せよry 冥府のry フォースry」



―――チュドオオオオオオォォォン!!!




フォース・ストリクスC「―――ホッホォォオオオオオ!!!」








中間棲姫「………………( ゜Д゜)」ポカーン




隼「3体目の《フォース・ストリクス》の効果!素材となったオーバーレイユニットを一つ取り除く事でデッキからry」


隼「更にだ!オーバーレイユニットとなっていた《ファジー・レイニアス》が墓地へと送られたターン!その効果を発動!」


隼「デッキより3枚目の《ファジー・レイニアス》を手札に加え、更に!!!」


隼「手札より魔法(マジック)カード《RR-サンクチュアリ》を発動!俺はデッキから手札を2枚補充する」シュバッ!






・《RR-サンクチュアリ》※未OCGカード

通常魔法

(1):自分フィールドに「RR」モンスターが3体以上存在する場合にこの効果を発動できる。
自分のデッキからカードを2枚引く。






隼「そして俺は、装備魔法《ラプターズ・アルティメット・メイス》を発動!」




・《ラプターズ・アルティメット・メイス》

装備魔法

「RR」モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
(2):装備モンスターが、装備モンスターより攻撃力が高い
モンスターの攻撃対象に選択された時に発動できる。
デッキから「RUM」魔法カード1枚を手札に加え、
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。





隼「このカードが装備されたモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする」


隼「俺はこのカードを1体目の《フォース・ストリクス》に装備!」



フォース・ストリクスA「―――!!!!」



フォース・ストリクスA 攻撃力 100→1100 ピピピピピピピピピ……!!






隼「……そして」



隼「場にX(エクシーズ)モンスターが存在する時、手札の《RR-シンギング・レイニアス》は特殊召喚する事が出来る」



隼「現れろ!《シンギング・レイニアス》×2!!」バシバシィッ!!





シンギング・レイニアスA「―――!!!」


シンギング・レイニアスB「―――!!!」





・《RR-シンギング・レイニアス》※アニメ効果Ver()内はOCGにおける変更点
効果モンスター

星4/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 1800(100)

(「RR-シンギング・レイニアス」の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない)

(1):自分フィールドにXモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。





隼「そして、《フォース・ストリクス》の攻撃力は自分の場の、このカード以外の鳥獣族の枚数×500ポイントずつアップする」


隼「俺の場の鳥獣族モンスターは計5体」


隼「よって、その分の攻撃力が《フォース・ストリクス》へ反映される!」




フォース・ストリクスA 攻撃力:3100

フォース・ストリクスB 攻撃力:2100

フォース・ストリクスC 攻撃力:2100



ピピピピピピピピピピピピピピピ……!!




黒咲隼 


場(フィールド):


フォース・ストリクス×3

シンギング・レイニアス×2

装備魔法×1




―――ド☆ン☆!








中間棲姫「(アレ……?)」


中間棲姫「(モシカシテワタシ……カコマレテル……!?)」








秋月「……いつの間にか形勢が逆転してますね」


深雪「相変わらず何やってんのか全然解んないけどね」


白雪「あの人……なんか、一人でやってるよ……」





隼「―――準備は整った」キン☆




隼「 バ ト ル だ ! ! ! 」



速いですが今回はここまでです。
本当はもっと書きたいんですが、職場が繁忙期の為どうしても……。

展開の為とはいえガチなRRデッキ使いの方からしてみればまだまだまだまだまだまだ甘い回しでごわす。

でもここまでしても環境トップになれないって、今の遊戯王に一対何が……(最近復帰勢、全盛期の最強デッキは5DsBF"初期")
嗚呼、「シロッコつえー、シロッコつえー」って言ってたあの頃はいずこへ。

多分、噂になって"いた"「インゼクター」や「征龍」なんかとかち合ってたら覇王十代から逃げ出したオブライエンのようになっていたと思います。


それではこれにて。

梶木漁太「ワシじゃダメだったんか?」

自分のターン終わらなさそう

今日はここまでと言ったんだが……スマンありゃウソだった。

早出?睡眠?そんなモノはリリースしてしまえ。

>>143
水属性デュエリストはシャークにしようかどうかガチで悩みましたです、ハイ。




隼「―――俺は、1体目の《フォース・ストリクス》で相手プレイヤーに直接攻撃(ダイレクトアタック)を宣言!!!」バッ!!

隼「行け、《フォース・ストリクス》!!」



フォース・ストリクスA「―――!!!」ヒュバッ!!




中間棲姫「―――ッ!!!」




天高く舞い上がった猛禽は、鋭き爪を展開し敵目掛け急降下を開始する。


だが、それを黙って見ているほど敵も甘くは無い。




中間棲姫「ナメルナ―――ザコメガァッ!!!」ジャキッ!!



砲を構え、迎撃姿勢を取る。




―――ズドン!!ズドドドドド……!!





巨砲が火を噴き、高高度まで届いた火弾が爆発。


猛火と熱波、爆風が中空の猛禽を叩き落さんと迫り来る。


だが。




隼「―――無駄だ」ギン!



中間棲姫「……!!!」



当たらない。


冥府の猛禽は、地上よりの砲火を物ともせず一直線に敵目掛けて降下する。


そして。



猛禽の爪が、敵深海棲艦の艤装を貫いた。




中間棲姫「!?―――ガアアアアアアアアッ!!??」




剥ぎ取られた艤装の弾薬に誘爆したのか、至近の爆発により真白の肌が熱波に晒された。





隼「続いて、2体目の《フォース・ストリクス》で攻撃!」



フォース・ストリクスB「フォオオオオオオオオオオオオオオン!!!」



間髪入れずに、二匹目の猛禽が無事な方の艤装に喰らいつき―――爆発。




中間棲姫「アアアアアアアアアアア―――!!??」




隼「ラストだ!3体目の《フォース・ストリクス》、攻撃!!!」




フォース・ストリクスC「キェエエエエエエエエエエエエン!!!!」




音壁すら突破せん程の速度で飛翔した3匹目の猛禽は、己の身体全体を砲弾と化し。


敵の身体に突き刺さった。







中間棲姫「………………!!!」ゴバッ!!




深々と身体に貫く衝撃に、悶絶しながら錐揉み状に吹き飛んだ中間棲姫は、二転・三転しながら海上を転げ。

やがて伏した姿勢のまま、止まった。




中間棲姫「……………………―――――――――」シーン



隼「………………、」





隼「(終わった、か?)」



敵旗艦は、伏したままピクリとも動かずにいる。




隼「俺は、カードを1枚伏せ―――ターンエンドだ」キン!






朝霜「いやいやいやいやいや!何してんだよトドメ刺せよ!!」



隼「……?」キョトン



川内「"え、何言ってんのコイツ?"みたいな顔されてるんだけど……」


能代「寧ろ、それは能代達の台詞なんですが……」





※一度のバトルフェイズ中に攻撃出来るのは一度きりです(一部、"例外アリ")。






龍驤「ま、まあどっちみちええんとちゃう?あんなん遅かれ早かれ……」




中間棲姫「―――、―――、」ポクチーン






隼鷹「……そうだねい。見た感じ艤装も使えなくなってるみたいだし、ありゃ完全に大破状態さね」


飛鷹「ちょっと気が引けるけど、動けない今なら提督を避けつつこっちから砲撃を―――」



その時だった。



隼「―――!」キン!



"それ"に最初に気がついたのは提督であった。


様子見をしていた眉間に皺が寄り、油断せず手札を身構える。






長良「……あれ?提督、どうし―――?」



続いて艦娘達も気づいた。


倒れ伏し、艤装もロクに使えなくなっているハズの敵深海が音も無くゆらりと立ち上がっていた。




中間棲姫「………………、」



火花が散る艤装と、怨念めいた感情を向けてくる瞳。


裂傷と火傷に晒されながらも、透き通るように白い肌を通して出る空気はさながら幽鬼そのもの。






隼「(……やはりな)」



提督は心中で頷く。


ボロボロになりながらも、その全身から醸し出している……オーラとでも言うべきだろうか。

実際に戦っている間柄でしか感じ取れないその気配が、微塵も薄れていなかったからである。


だが。



隼「瑠ry―――龍驤の言う通りだ」



北上「(大井っち。今提督、瑠璃って言おうとしてなかった?)」ヒソヒソ

大井「(正直、カッコつけるなら最後までしてくれないって思いません?北上さん)」ヒソヒソ



隼「お前の場にはモンスターは愚か1枚の伏せカードも無い、最早逆転は望むべくも無い」



黒潮「(そんなん(リバースカード)出来るのん提督はんだけやけどな)」

野分「だけど、これで……」

舞風「ま、後は消化試合っしょ」







隼「……降伏(サレンダー)しろ。そうすれば苦しまずに―――」


隼「―――トドメを刺してやる」ギンッ!



吹雪「…………ッ!」ブルッ!

響「…………。」

雷「な、なんか司令官って時々……」

暁「ちょっと、怖くなるって言うか……」



電「…………、」


電「(また、"あの顔"なのです……)」








中間棲姫(大破)「………………、………………」




隼「―――さあ!降伏か交戦か、どちらか選んで貰うぞ!!」ビシッ!




中間棲姫(大破)「…………、―――、―――」



中間棲姫(大破)「―――フ」


中間棲姫(大破)「フ、フフフフフフフフフフフ……!」



隼「……!」



中間棲姫(大破)「フフフフフフフフフフフフフ……!!!」ケタケタケタケタ




望月「お、おい、何か敵さん……」


由良「笑って……る……?」




敗北を察して精神が壊れたのか?


否。






中間棲姫(大破)「ズニノルナヨ……!」



中間棲姫(?)「タカガニンゲンノブンザイデエエエエエエエエエエエエ―――!!!!!!!」グオオオッ!



潮「きゃっ―――!?」

朧「……!!」

曙「ちょ、ちょっと!何なの、これ!!」

漣「ぎゃ~!スカート捲くれるしぃー!!!」



隼「……っ!何だ……!?」




"黒い雲"のようなどす黒い空気が渦を巻き。


半壊状態の中間棲姫を覆い尽くしてゆく。


そして。








中間棲姫(本気)「―――オッオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!!」




半壊していた艤装が、傷だらけの身体が。


みるみるうちに修復されて行く。


いやそれ所か、先程までの姿では見られなかった新しい形へと変貌していた。



隼「……ッ!」



隼「これは、まさか……!!」



隼「―――RUXC(ランクアップ・エクシーズ・チェンジ)か!?」カン☆コーン!



電「……いや、ただ単に本気になっただけだと思うのです……」

巻雲「巻雲、提督の事が偶に解らなくなります(真顔)」


浜風「……いや、そんなことよりも」


長波「おいおいおいおいおいおい、何かちょっとやばいんと違うかあ!?」







中間棲姫(本気)「アハハハハハハハハ……!!コンドハ サキホド トハ チガウゾオ!!」


中間棲姫(本気)「アラワレロオ!ワガ シモベ タチィ!!」パチン!




―――ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!




隼「……!"海中"から!?」




浮遊要塞A「―――オォォォォォォォォォ……ン!!!」
浮遊要塞B「―――オォォォォォォォォォ……ン!!!」
浮遊要塞C「―――オォォォォォォォォォ……ン!!!」
浮遊要塞D「―――オォォォォォォォォォ……ン!!!」
浮遊要塞E「―――オォォォォォォォォォ……ン!!!」




中間棲姫の声に応える様に、水底より出現した浮遊型深海棲艦が、主を護衛せんとその周辺に浮かび上がった。




中間棲姫(本気)

場:



中間棲姫(本気)

浮遊要塞×5






―――ズオォォォォ……ン!!






隼「……!(敵の場に、5体ものモンスターが一気に揃っただと……!)」



那智「いや、ただの増援だろ」

羽黒「那智姉さん、暢気に分析してる場合じゃないと思うんですけど……」



中間棲姫(本気)「ヨクモ サンザン コウゲキ シテクレタナ …… ?」ユラア


中間棲姫(本気)「ウラミ ハラサデ …… オキベキカァ!!」グアッ!!



隼「(―――!来るか……!)」



中間棲姫(本気)「ヤレ! ワガシモベタチ!!」


中間棲姫(本気)「マズハソノ メザワリナ カンサイキ カラダアッ!!」



浮遊要塞A「―――!!」
浮遊要塞B「―――!!」



赤い煙を吐き散らす要塞が、徐にその身を提督の……眼前に鎮座するモンスターに向けた。


そして。



―――ドゴオオオオオオオオオオ!!!!



解き放たれた砲身から発射された弾丸が。



シンギング・レイニアスA「―――!!」バキン!

シンギング・レイニアスB「―――!!」バリン!



無常にも鉄の鳥達を呆気なく粉砕して行く。





隼「ぐっ、《シンギング・レイニアス》……!!」



中間棲姫(本気)「マズハ ニタイ …… !」


中間棲姫(本気)「サラニ ホウゲキダアッ!!」


中間棲姫(本気)「カマエ……!!」



浮遊要塞C「―――!!」ジャキッ!
浮遊要塞D「―――!!」ジャキッ!
浮遊要塞E「―――!!」ジャキッ!




隼「……!!」



中間棲姫(本気)「―――ウテエッ!!!」




―――ズド!ズドドドドドドドド……!!



間髪いれずに放たれた砲撃が、《フォース・ストリクス》の一群に襲い掛かった。





フォース・ストリクスC「―――!!??」バギン!



隼「が―――ッ!!!???」



黒咲 LP:2700→2000 ピピピピピピピ……!



それは、宛ら台風に晒された小枝のように。

容易く折れ、砕け散る。

そして。

その余波が容赦なく提督にダメージとして浴びせられた。



隼「(いかん、《フォース・ストリクス》は……!)」



《フォース・ストリクス》は集団でこそそのポテンシャルを遺憾なく発揮する黒咲隼のエースモンスター。

だが、RRの数が減る度、無常にもその攻撃力は軒並み下がって行く。



フォース・ストリクスA 攻撃力:3100→1600

フォース・ストリクスB 攻撃力2100→600


ピピピピピピピピピ……





中間棲姫(本気)「マズ イッピキメ……ツヅイテ、ニヒキメェ!!」



フォース・ストリクスB「―――!!!」ズガン!



隼「ぐは―――!!!」



黒咲 LP:2000→800 ピピピピピピピピ……!




中間棲姫(本気)「サンビキメェ!! コレデ―――トドメダァ!!」





―――ズゴオォォオオオォォォン……!!







フォース・ストリクスA「―――!?」ズドオォォォ!!




黒咲「―――!!!!」



至近弾。

最後の猛禽が火球となり爆発四散する。



中間棲姫(本気)「アハハハハハハハハ……! オチロ! オチテシマエ! ヒニ ツツマレナガラア!!」



それと共に、傍の提督の身体も諸共に焔に包まれ……。



……。



包まれ……?







中間棲姫(本気)「―――ン?」



隼「…………、」ギュイィィィィィィィ!!



中間棲姫(本気)「……? ナゼ マダ イキテイル ……?」



首をかしげる。


確かにこちらの砲弾は艦載機ごとヤツを破壊せしめた筈だった。



隼「……装備魔法《ラプターズ・アルティメット・メイス》の効果により、このカードを装備したモンスターがバトルで破壊された時、発生する戦闘ダメージは無効となる……!」



中間棲姫(本気)「……?(ヨクワカランガ)ナルホド、ナカナカ コソク ナ テヲツカウナ……」


中間棲姫(本気)「―――"ナドト"」


中間棲姫(本気)「イウトデモ …… オモッタカアッ!!」グアッ!




隼「―――!」



中間棲姫(本気)「マダコチラ ノ コウゲキ ハ ノコッテイルコトヲワスレタカ!!」ジャキッ!!

中間棲姫(本気)「ニンゲンニシテハ ナカナカネバッタ ヨウダガ……コレデホントウニ ――― サイゴダ!!」




中間棲姫(本気)「――― シ ズ メ エ ェ ッ ! ! ! 」




―――ズドオォォォォォォォォォン!!!




隼「…………、」



提督は、迫り来る最後の砲弾を。



回避しようとはしなかった。


或いは、回避する力がもう残っていないのか。





三日月「提督……!!」

朝霜「お、おい……ありゃガチでマズいぞ!?」

天津風「急いで救援に行かないと……!」

夕雲「だ、駄目……!間に合いません―――!」




そして。







―――カッ―――!



―――チュドオオオオオオオォオオオオ…………ン!!!




これまでにない程の閃光が、辺りを覆い尽くす。





電「―――し」








電「司令官さあああああああああああああああああああああああん!!!」





今回はこれで本当に最後だす。

敵側が6体となっておりますがそこは艦これ次元における特殊ルール的なモノとして思っていただければ。


それでは。

おつ

伏せカードがあるんだよなぁ…

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