これはモバマスssです
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~事務所のとある一室~
文香「…皆さん。何故、集められたか…理解は出来ていますか…?」
朋「…わかってるわよ。あたし達が弱いからでしょ?」
美波「弱いって言うより、苦手だからです」
ありす「私は、文香さんの助手として来ました。まだ何も聞いてませんが…」
文香「…プロデューサーさんから頼まれた時…ようやく、私の出番かと喜び狂ったものです」
ありす「そんな文香さんは想像出来ません…」
朋「確かに意外だったけど、文香ちゃんだしできるかもってね」
美波「では…お願いします!」
朋「…期待してるわよ!」
文香「…では、みなさん」
文香「配布したスライド、先ずは2ページ目を開いて下さい」
ペラッ
ありす「これは…量子、力学…?」
文香「はい…今日は先ず、そのプロローグからです」
朋「実は、履修可能単位余ってたからなんとなく量子力学取ったはいいけど」
美波「ちょっと上手く理解出来なくて、文香ちゃんに教えて貰う事になったの」
ありす「…えー…」
文香「私の趣味は読書です…当然、物理学の参考書等も守備範囲ですから…」
ありす「当然って何がなんですか…」
文香「そして…その知識によって、他の方の知識を強められる…素晴らしい事です」
文香「では…助手のありすちゃんに、音読して頂きます…」
ありす「私の知ってる文香さんは…」
文香「時間は有限です…ありすちゃん、少し早目に…」
ありす「えー、ごほんっ…さぁ、これから始まる量子力学の講義。険しく厳しい道かもしれないが…皆んなはついてこれるかな?」
美波・朋「もちろんっ!」
文香「…んふっ」
ありす「今笑いましたよね?!」
文香「…私が本当に笑ったかどうか、確かめるまで分からない…そんなシュレーディンガーに関するお話は、また次回です…」
ありす「絶対笑ってました。直接見てましたから」
美波「ありすちゃん、続き読んで貰える?」
ありす「あっ、すみません…」
場の量子論まで頼むぞ
お~ええやん(期待)
スレタイで完璧に騙された
でもバイオレンスふみふみじゃなくてよかった
これからどうなるんだ
物理の講義が始まる
ψにΦ、ψにΦ
>>10
なんやっけこれ
シュレディンガー音頭?
>>11
YES
ありす「量子力学とは何かを大雑把に説明すると、『電子や原子等ミクロな粒子の運動の法則を調べる為の、古典力学とは異なった新たな力学体系』です」
朋「…かっこいいわね!」
文香「もちろん、この説明では分かり難いでしょう…ありすちゃん、続きを…」
ありす「はい…えー、古典力学、所謂ニュートン力学が対象としているのは普段私達が目にしているマクロな粒子の運動です。これは、位置と運動量が同時に決定されるモノですね」
美波「つまり、普通の力学って事ですよね?」
文香「そうなります…」
朋「アイドル事務所で普通の力学なんて単語を聞くなんておもって無かったわ」
ありす「私もです…」
ありす「それに対し、日常生活ではほとんど目にする事が出来ないミクロな粒子の運動を対象としているのが量子力学です。こちらは、位置と運動量が同時に決定出来なかったり、力学的な状態が波動関数…文香さん、このマークはなんですか?」
文香「ψ(ぷさい)です」
ありす「ψという複素関数で間接的にしか表現出来ません」
朋「ありすちゃんって頭いいのね」
ありす「プリントを読んでいるだけですから…」
文香「ψという文字は…当然、目にした事があると思います」
美波「普通は使いませんけどね」
ありす「私なんて見た事もありませんでした」
朋「タロットカードに書いてありそうね!」
文香「…力学は、オカルトとは対極の学問ですが…」
文香「よろしければ…ありすちゃんも、これを機に少しでも量子力学に興味を持って頂ければ…」
ありす「流石に早過ぎませんか?」
朋「あら?ありすちゃんは大人になりたいんじゃなかったの?」
ありす「量子力学大好きな大人なんて限られてますから…」
美波「寧ろ、凛ちゃんや蘭子ちゃんが好きそうよね」
文香「さて…ここで、何故古典力学が使えないかと言う説明ですが…対象がミクロな粒子になると、『粒子と波動の二重性』が顕著になってくるからです…」
美波「つまり、決定論的な古典力学の考え方では対処出来ないって事ね」
朋「…なんであたしは此処に居るのかしら」
ありす「私のセリフです…」
文香「先程、美波さんが蘭子さんみたい、と仰ってましたが…それでは、アイドルを熊本弁で…?朋さん、どうぞ」
朋「え、あたし?!…えっと、光の使者?」
文香「では…粒子と波動の二重性を、光について軽く解説してゆきましょう…」
ありす「振りが雑過ぎますって…」
文香「ありすちゃん、続きをお願いします…」
ありす「えー、光が波動の性質を持っていると言うのはご存知だと思います。そして、前振りでなんとなく察しがついたと思いますが…」
朋「あたしの熊本弁、予定調和だったのね」
ありす「もう一つ…あの、これはなんと読めば…」
文香「フォトンです…」
ありす「光子(photon)という、粒子としての性質も持ち合わせています」
文香「フォトンと言う単語は…聞いた事があるのではないでしょうか」
朋「写真みたいね」
ありす「クラスの男子が、フォトンスラッシャーと言ってたのを聞いた事なら…」
ふじともにそんな雑な振りするくらいならダークイルミネイトよんであげたらw
ありす「この様に、この世に存在する全ての物質が粒子と波動の二重性を持っている、と言うのが量子力学の出発点です。二重性の現象を対処としている為に、量子力学の理論も複素関数と実数関数の二重構造になっています」
朋「…ふーん」
ありす「なるほど…」
朋「ありすちゃんは理解出来た感じ?」
ありす「全く分かりません。複素関数って何なんですか…」
文香「…虚数によって表される式と思って頂ければ…」
ありす「まず虚数が分かりませんって…」
美波「よく考えたら、ありすちゃんはそもそもまだ一次方程式すら習ってないものね」
文香「光子は粒子なので…当然、エネルギーと運動量を有しています…光子のエネルギーはE=hvで表します。hはプランク定数、vは振動数です。ではまず、古典力学において光の強さは何に比例していましたか?朋さん」
朋「え?えっと…電磁波の振幅の二乗じゃなかったかしら…」
文香「その通りです…しかし量子力学では、hv×光子の個数によって表されます…」
ありす「ほんとこれ私要りました?文香さんがいつになく饒舌なんですけど」
美波「ツッコミは多いほうがいいのよ?ありすちゃん」
ありす「この空間がギャグって言ってる様なものじゃないですか…」
文香「次いで運動量ですが…これは、p=h/λで表されます。λはご存知、波長ですね」
ありす「ご存知じゃないですって…」
朋「物理学やってないと分からないわね」
文香「つまり、ですが…式の形を少し変えれば、波長λ=h/pとなります。有名なド・ブロイ波長ですね」
朋「普通知らないって…」
美波「取り敢えず、次仕事あるからありすちゃん早目に読んでもらっていい?」
ありす「美波さん割と容赦ありませんね…ごほんっ。古典力学では、光は波動として捉えられていました。ヤングの干渉実験やフレネルの光の波動説、そしてマクスウェルが電磁波の存在を導き出したのが大きいですね」
朋「ありすちゃんよく噛まずに言えるわね」
ありす「自分でも驚いています」
文香「…」ペラッ
ありす「文香さん既に興味なくし始めたのか本読んでるんですが…」
文香「あ、いえ…これは偉人伝ーアインシュタイン編ーです」
ありす「アインシュタインなら聞いた事がありますが…関係あるんですか?」
文香「もちろんです!…ごほんっ、光の波動性が世界的に認められていた19世紀ですが…20世紀になると、状況が一変します」
美波「20世紀…アインシュタインね!」
文香「その通り!…まず最初はプランクが振動数vの電磁放射ではエネルギーがhvの整数倍のやり取りしか許されないとして、放射法則を導きました。そして次に、アインシュタインが光子説を唱え、これを使う事で光電効果を説明しました」
朋「光電効果なら聞いた事があるわね」
文香「ありすちゃん、簡単に光電効果の説明を…」
ありす「無理です」
文香「…金属に振動数vの光を照射した時、金属内の電子は光のエネルギーE=hvを得ます…しかし、この振動数vがある値v0よりも大きくなければ、どんなに強い光を当てても電子が外部に飛び出してくる事はありません…」
美波「金属内の電子を束縛してるエネルギーWがあって、電子が最大で1/2×mv^2の運動エネルギーを持って飛び出すにはhv>Wを満たす必要があるから、ですよね?」
朋「流石美波ちゃん…」
美波「高校の頃やってませんでした?」
朋「覚えてないわよ…」
文香「ここで、W=hv0とおくと…hv>hv0、つまりv>v0を満たさなければいけなかったわけです。以上を式で表すと…スライドにもありますが」
「1/2×mv^2=hv-W :mは電子の静止質量(9.109×10^-31kg) vは電子の速さ(m/s)」
文香「こうなります…これが光電効果の考え方で、一見光子の存在を裏付けている様にも見えますね」
朋「え、これが前置きな感じ?」
文香「ではありすちゃん…続きを」
ありす「けれどこれで明らかになったものは、光のもつエネルギーの最小単位がhvである事だけでした。光子の存在そのものを直接的に示しているとは言えません」
美波「あっ、もう時間ない」
文香「もうすぐ、纏めに入りますので…」
ありす「そんな事を言われながら読む私の気持ちになって下さい…」
朋「あたしがツッコミしなくていいって凄く楽ね」
ありす「は?…ええと、しかしその後のコンプトンの実験によって光が粒子性を持つ、つまり光子が存在する事が確認されました。コンプトン効果は前提としてX線を光子と仮定して、ですが…」
文香「コンプトン効果について軽い説明を…光子が電子と衝突する事により、エネルギーを失って振動数が小さくなり、波長が長くなる現象の事です…」
美波「つまり、それによって光子がエネルギー(E=hv)だけでなく、運動量(p=h/λ)を持った粒子であることも確認されたのね」
朋「三人とも凄く頭良さそうね」
ありす「読んでいるだけですから…」
文香「つまり…光を波動(電磁波)と考えれば、光の強さは電磁波の二乗でした…これが、古典力学の考え方です。ですが、光を粒子(光子)と考えると、光の強さは光子の持つエネルギー(E=hv)の総和、つまりhv×光子の個数となる訳です…」
美波「成る程…別の視点からの考え方の付与、それが量子力学なのね」
文香「と言うよりも…粒子と波動の二重性それぞれを合わせて考えるモノですね…ありすちゃん、まとめの部分を…」
ありす「えー、相矛盾し対立する様な様々な概念、例えば粒子と波動といった様な二つの現象を纏めて明らかにしようとする力学体系が量子力学です」
朋「おー、なんとなく量子力学がわかった気がするわ」
ありす「私は無理です」
朋「…それっぽさが伝わるじゃない?」
文香「ちなみに先程も言いましたが…全ての物質にこの二重性が存在します。波動と捉えられていた光に粒子という性質がある事が明らかになったなら、その逆もまた有り得ますから」
美波「つまり、電荷と質量を持った電子にも波長の性質があるって事ね」
朋「ごめんやっぱり分かんなかった」
朋「そう言えば、このスライド全然式が書いてなかったけどミス?」
文香「その…お恥ずかしいながら、パソコンでの式の作成方法が分からなかったので…」
ありす「それで全部口頭で説明してたんですね…」
美波「あっ、もう時間!」
朋「あたし達はお昼にしよっか」
ありす「でしたら、昼食にパスタを作りましょうか?」
文香「え…ありすちゃんは頑張りましたし、私と朋さんで作りますから…」
朋「イチゴパスタ?なんかヤバイって聞いてるけど…」
ありす「上達しました!それに、味なんて食べてみないと分からないですよね?次回やる予定のシュレーディンガーの猫の様に!」
レポートしんどくて書きましたが、スマホで式を書くのもしんどかったです
個人的な話ですが、徹夜してレポートを書いたら朝電車で寝落ちして遅刻し提出できませんでした
お付き合い、ありがとうございました
乙
量子力学はつまみ食いするだけなら面白いけど本気でやると発狂しそうだな
乙
理系ふみふみ
「レッスン、あんまり楽しそうじゃなかったからねー」
「…どーだろうね。実際杏にも分かんないや」
真面目にそんな事を考えるなんて柄じゃないけど、直接突き付けられると逃げられなかった。
なんで杏は、アイドルを続けようとしてるんだろう。
なんで楽しいって即答出来ないのに、やろうとしてるんだろう。
「楽しまなきゃ損だよー?こんなに今までやった事ない事が出来るんだもん!」
ふふーん、なんて鼻歌まじりにフレデリカちゃんはレッスンルームに戻って行く。
けれど杏は、しばらく動けなかった。
いやー、ほんとにすごい新人だね。
あのプロデューサーじゃなきゃ担当なんて出来ないよ。
さて、まぁここで真面目に自問自答してるとレッスンに遅れちゃうし戻らないと。
取り敢えず飲み物をかってルームに戻る。
なんとか滑り込んで鏡の前に立ち、トレーナーの指示通りのステップ。
実際、こーゆーレッスンを楽しいって思った事はないかな。
やらなくても出来るし、当たり前の事を繰り返してて楽しい訳ないからね。
そんな時、なんとなーく鏡に映ったフレデリカちゃんに目をやると。
物凄く楽しそうな笑顔で、完璧に踊っていた。
ほんとに楽しそうだね。
こっちまでなんだか楽しくなってくるよ。
なんとなく、負けないくらい杏も一生懸命踊ってみた。
そりゃーもう周りを圧倒するくらいに。
これでも割と自信はあったからね、やらないだけで。
周りの人達が動きを止めてる事に気付かないくらい、鏡に映ったフレデリカちゃんに負けんと全力で。
すみませんスルーでお願いします
トンスラが出てきたという事はガジェとかマスクヒーローのいた頃に遊戯してたとみた
乙
朋ちゃんが楽しそうで何より
乙でござい
続き期待してもいいですか
数式にはTeX
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