赤城「最近加賀さんを誑かす五航戦がいるみたいなの」 (59)

パロネタ
イベント完走の決意表明SS


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翔鶴「えっ」

赤城「翔鶴さん、なにか知らないかしら?」ニコニコ

翔鶴「……えーっと」

翔鶴「知らない、です……」

赤城「ほんとに?」ズイッ

翔鶴「は、は、はい……っ!」

翔鶴(赤城さん、近い近い近い近いっ……!)

赤城「……そう」

翔鶴「えぇ……」ホッ

赤城「加賀さん、いつも瑞鶴さんがどうって話してるから……」

翔鶴「!?」ビクッ




瑞鶴「翔鶴姉ぇ、話ってなに?」

翔鶴「いいからそこに座って!」バンッ

瑞鶴「は、はいっ!」

翔鶴「ねえ瑞鶴……、お願い。まじめに、正直に話してね」

瑞鶴「う、うん……」

翔鶴「加賀さんとは、どういう関係?」

瑞鶴「……」

瑞鶴「……///」カァァ

翔鶴「」


翔鶴(なにその反応っ、どういう関係なの!?)

瑞鶴「ど、どういう関係もなにも、そんなやましいこととか……!」

翔鶴「やましいっ!?」

瑞鶴「やましくないっ、絶対やましくなんかないってば!」

翔鶴「そ、そう……」

瑞鶴「そんな悪いことなんてしてないし、ど、同意の上で……」

翔鶴(同意の上で!?)

翔鶴(なにをしてるの、同意の上でなにをしてるっていうの……!?)

瑞鶴「そ、それよりなんなの突然そんなこと!」


翔鶴「えっ」

瑞鶴「なんで翔鶴姉が加賀さんの話なんか気にするの!」

瑞鶴「もしかして翔鶴姉ぇ、加賀さんのこと好きになっちゃったわけ!?」

翔鶴「えぇっ!?」ガタッ

瑞鶴「いくら翔鶴姉ぇでも、加賀さんは渡さないんだから!」

翔鶴「ちち違うのよ瑞鶴、お願い聞いて……!」

翔鶴「私が欲しいのは加賀さんじゃなくってあか……」

翔鶴「え?」

瑞鶴「ん?」


翔鶴「瑞鶴待って。今、加賀さんは渡さないって……」

瑞鶴「言ってない言ってない!」カァッ

瑞鶴「てゆーか、そういう翔鶴姉だって私が欲しいのは赤城さんって……」

翔鶴「違う違うのよ!」カァッ

瑞鶴「……」

翔鶴「……」

瑞鶴「わ、私そろそろ寝るね!」

翔鶴「えぇ、おやすみ瑞鶴」

瑞鶴「おやすみ、翔鶴姉」

バタン


翔鶴「……」

翔鶴「……」フルフル

翔鶴(ちょっと待って、なんで姉妹そろって一航戦の先輩方なの!?)

翔鶴(なんてこと……ああもうっ、ほんとどうしたらいいの瑞鶴…!?)

翔鶴(だめよそんなの……だって、だってっ!)

翔鶴(だってこのままじゃ私達……)




翔鶴(先輩方に『姉妹丼』を強いることに…ッ!!)シクシク


翔鶴「!」ハッ

赤城『瑞鶴さんと加賀さんがどういう関係なのか、調べておいてくれないかしら』

翔鶴(赤城さんにはなんて報告すればいいの……!)

―――――
―――――
次の日
食堂の一角

赤城「……それで」

翔鶴「は、はぃ……」

赤城「翔鶴さんは、今朝はなにを食べますか?」

翔鶴「へっ!? ぁ、そうですね。とりあえず朝ごはんなので軽めで!」アセアセ

翔鶴「親子丼とカツカレーとステーキハンバーグ定食を、大盛で頂こうかと……」

赤城「あら随分と少食……、でもそうね。私も今朝はそれくらいにしておこうかしら」

翔鶴「ぜひ注文してお持ちします…!」ガタッ

赤城「そう? ありがとう。せっかくだし、じゃあお願いしようかしら」


赤城「なら私は、代わりに飲み物を持ってくるわね」ニコッ

赤城「コーヒー? お茶がいいかしら?」

翔鶴「あ、じゃあ温かいコーヒーを……」

ポチッ
ズーガラガッシャン

赤城「あ、いつもの癖でブラック押しちゃったんだけど、翔鶴さん大丈夫?」

翔鶴「大丈夫です、ありがとうございます」

赤城「ちなみに妹さんは?」ニコニコ

翔鶴「え」

赤城「瑞鶴さん、コーヒーは普段どうやって飲むのかしら?」

翔鶴「ぁ、えっと……あの子はまだ、ブラックでは……」


赤城「ふふっ、そう」ストンッ

赤城「翔鶴さんも隣、座って?」

翔鶴「……えぇ」スト、ン

赤城「加賀さんってね、コーヒーはいつもブラックなのよ?」

赤城「瑞鶴さん、加賀さんとはだいぶ趣味が違うみたいですね」ニコニコ

翔鶴「そ、そうみたい……です」

赤城「そんな二人なのに、最近すごく仲良しみたいで」

翔鶴「え、えぇ……」ビクッ

赤城「私、すごく気になっちゃったんです」

翔鶴「はい……」

赤城「翔鶴さんも、気になりませんか?」ソッ

翔鶴「!」


赤城「それで、ちゃんと聞いてくれたと思うけど……」

翔鶴(ど、どうしてこんなに顔を近付けてくるの赤城さん……!)

翔鶴「は、はぃ、一応……」カァァ

赤城「あら翔鶴さん、顔が赤いわ。大丈夫?」

翔鶴「だいじょうぶです!」

赤城「そう?」キョト


翔鶴「えっと……その、私……」

赤城「えぇ」ニコニコ

翔鶴「瑞鶴と、加賀さんは……」

赤城「きゃっきゃうふふ?」

翔鶴「えっ」

赤城「……ではないわよね?」ニコニコ

翔鶴(ひゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!)

翔鶴(赤城さんの笑顔がこわい……!)

翔鶴(危ないわ。でも駄目よ翔鶴……!ここは堪えて踏ん張るのよ……!)

翔鶴(もし悲鳴なんて上げたら、私の大事な瑞鶴が…!!)


翔鶴「そ、そうではないと、思い……ますけど」

赤城「……そうなの」

翔鶴「えぇ……」

翔鶴(納得……はしてくれてないかしら)

赤城「……それなら翔鶴さん」

翔鶴「えっ、はい」

赤城「今度、日曜日に加賀さんが瑞鶴さんとお出掛けするみたいだから」

翔鶴「は、はい?」

赤城「着いて行ってみましょうか」ニコッ

翔鶴「えっ」


――――― ――

翔鶴「……」ドキドキ

翔鶴「あ、あれってやっぱり……」

翔鶴(憧れの赤城さんと一緒にお出かけできるってこと!?)

翔鶴「やった……やったわ私!」ぴょんっ

トントン、

翔鶴「はい?」

瑞鶴「翔鶴姉ぇ、あのね、もしデートに行くとしたらどっちの服がいいと思う?」ガチャ

翔鶴「え、っと……」

翔鶴「こっち、かしら……」

瑞鶴「やっぱり翔鶴姉もそう思う!?ありがと!」

バタンッ

翔鶴(……目的は瑞鶴たちの尾行だけど)



日曜日

翔鶴「いってらっしゃい、瑞鶴。楽しんできてね」

瑞鶴「ありがとう!!いってきまーす!」

ガチャッ
バタバタ...

翔鶴(瑞鶴、とうとう行ってしまったのね……)

翔鶴「そして私も……」スーハー、スーハー

翔鶴「待ってて瑞鶴……!あなたのことは、私が必ず守ってみせるわ!」グッ

翔鶴(髪型よし、服装よし……!)

ガチャッ

翔鶴「いってきま……」

赤城「おはよう、翔鶴さん」


翔鶴「……おはようございます」

翔鶴(ど、どうして赤城さんが部屋の前に!?)

赤城「それじゃあ行きましょうか」ニコッ

翔鶴「えぇ……」

翔鶴(ちょっと待って私!これってまるでデートみたいじゃ……!)

翔鶴(舞い上がっちゃだめってわかってるけど……!)

赤城「今日はいい天気でよかったわ」

翔鶴「……そ、そういえば加賀さん達はどこに行くんですか?」

赤城「え?」

翔鶴「え?」


赤城「……えっと」

翔鶴「……もしかして、加賀さんたちがどこへ行くか」

赤城「ああ、そういえば……」

翔鶴「え?」

赤城「いえ。……ごめんなさい、加賀さんにデートコースを聞くのを忘れていました」

赤城「これは、とんだ慢心ね」フフッ

翔鶴「慢心だなんて、そんな……」

赤城「けどまだ出たばかりだもの、そんなに遠くへは行っていないはずよ!」グッ

翔鶴「そ、そうですよね……!」グッ

赤城「えぇ、だからちょっと急ぎましょうか」

翔鶴「えっ、赤城さん――」

赤城「きっと二人とも、鎮守府からの最寄り駅に向かったはずだから」グィッ

翔鶴(手、掴まれて……)カァァ

――――― ――


翔鶴「はあ、はあ……」

赤城「……ふう、間に合ったみたいね」

翔鶴「えぇ……」

翔鶴(瑞鶴の隣に、たしかに加賀さんがいる――)

翔鶴(瑞鶴……いつの間にこんなことに……)

赤城「電車、乗りましょうか」パッ

翔鶴「あ、はい……」

翔鶴(手、離されちゃった……)


スーッ
ガシャン

翔鶴(……はあ、電車に乗ってようやく落ち着いたわ)

翔鶴(瑞鶴たち、どこへ行くのかしら)

ガタンゴトン、
ゴトンガタン、

赤城「うふふっ、電車ってやっぱり乗り慣れないわね」

翔鶴「え」

赤城「実は私、古参のわりにほとんど鎮守府から出たことがなくて」

翔鶴「あ、そういえば……」

翔鶴(一航戦の先輩方が出掛ける姿って見たことなかったわ、いつも食堂か弓道場に居て……)

翔鶴(そもそも艦娘に外出許可なんて、滅多に下りないけど)

翔鶴(けど、それより……)

赤城「うふふ……今日は楽しみねぇ」ニコニコ

翔鶴(……今日の赤城さんは、また一段と素敵です…)


翔鶴(赤城さんは、いつも素敵な笑顔だけど……)

翔鶴(でも、私は知っているんです)

翔鶴(今日赤城さんの逆鱗に触れたが最後、瑞鶴の命が――!)ガタガタ


『次はー、横浜駅、横浜駅です。お出口は――』

ガタタン、ゴトトン、ガタタッ...

翔鶴「あっ」フラッ

赤城「!」ストンッ

翔鶴「……!…」

赤城「……危なかったわね」ニコッ

翔鶴「ご、ごごごごめんなさいっ///」バッ

翔鶴(よろけて赤城さんのほうに倒れこんじゃうなんて……!)


翔鶴「よろけたところを助けて頂いて、ありがとうございます!」

赤城「いいのよ別に、それくらい。気にしないで?」

赤城「ふふっ……」ジィ

翔鶴「え?あ、あの……?」モジッ

赤城「あ、加賀さんたち、ここで降りるみたい」

スーッ
ガシャン

翔鶴「あ、ほんと……」

赤城「私たちも降りましょうか」

翔鶴「えぇ……」ホッ


トトト...

翔鶴「もう改札から駅を出るみたいですね」

赤城「私たちも出ましょうか」ニコッ

ピー、ピー

赤城「!? 敵襲!?」ペチ、ペチ

翔鶴「なんでしょ――って赤城さん!? 私たちは切符です、切符っ!」

赤城「え? でも、みんな台を叩いて通っていますけど……」オロオロ

翔鶴「そっちはICカード専用です! 私たちはこっち!切符を通すんですっ!」

赤城「あ、あらら……そうだったの。知らなかったわ…」タラリ


赤城「凄いわ、街にはこんなに沢山の人がいるのね」キョロキョロ

翔鶴「迷子になっちゃいそうですね……」

翔鶴(さて、瑞鶴たちは……)

翔鶴「!」ハッ

赤城「加賀たちはどこへ行ったのかしら……」

翔鶴(あの二人……手、手なんか繋いじゃって……!)アワアワ


赤城「翔鶴さん?」

翔鶴(とりあえず、あんな光景を赤城さんが見たらどんなことになるかわからないわ……!)

翔鶴(なんとか見せないようにしなきゃ……!)

翔鶴「あああ赤城さん! 加賀さんたち、あのお店入って行ったのが見えました!」

赤城「えっと、どのお店ですか?」

翔鶴「えっとえっと……!」

翔鶴(とりあえず気を逸らして――って、ほんとにそのお店行っちゃうの!?)ガーン!?

赤城「……」ニコニコ

翔鶴「……」チラッ

赤城「二人とも、とても仲がいいみたいね」

翔鶴「え、えぇ……」


赤城「……私たちも行きましょうか」

翔鶴「お、同じお店に?」

赤城「えぇ、もちろん」

トトト...

翔鶴「ぅぅ……お願い瑞鶴、どうか一日無事でいて……」クスン

翔鶴「あの、赤城さん本当に――」クルッ

翔鶴「……って、あら?赤城さん?赤城さんどこですかー!?」ポツーン

>>プリンの露店販売デース/
>>買います買いまーす!/

翔鶴「ちょっと赤城さんっ!?」

翔鶴(もうっ!あの人、本当に瑞鶴たちを追いかける気あるんですか!?)

翔鶴(うぅっ……、瑞鶴も赤城さんも世話の焼ける!)

翔鶴(こうなったらもう、とことん赤城さんと瑞鶴たちを見守るしかないわ……!)

―――――
 ―――――


赤城「見付からないようにしなきゃね」モグモグ

翔鶴「えぇ……」コソッ

翔鶴(瑞鶴たち、服を見てるみたいね……)

翔鶴(瑞鶴ったら、ほんとに楽しそう……。加賀さんに『似合ってる』って言ってもらって、照れちゃってるわ……)

翔鶴(……私の妹ながら本当に可愛い……)フフッ

赤城「翔鶴さん」

翔鶴「えっ、はい!」

赤城「翔鶴さん、この服いいと思わない?」

翔鶴「あ、えっと、赤城さんにですか?」

赤城「じゃなくって、翔鶴さんによ」

翔鶴「私?」ドキッ

赤城「似合うと思ったのだけど」


翔鶴「……そ、そうですか?」

赤城「えぇ、きっと似合うわ」

翔鶴「あ、ありがとうございます……」

翔鶴(私の趣味とは少し違うけど、赤城さんに言われたら欲しくなっちゃう不思議……)

赤城「ふふっ、翔鶴さんとのデート、楽しい♪」

翔鶴「で、デート!?」

赤城「しーっ」

翔鶴「あっ……」

翔鶴(きゅ、急に赤城さんがデートって言うから……)ドキドキ


翔鶴「そ、そろそろ違うところへ行くみたいですよ、行きましょう!」

赤城「えぇ~……お洋服もうちょっと見たいです……」シュン

翔鶴「二人のこと見失っちゃうからダメです!」

赤城「私たちのペースで楽しみましょうよー…」

翔鶴「いけません!!」

赤城「追いかけるのももう止めたいです…」

翔鶴「いいから行きますよ!」グイッ

赤城「うぇぇぇん…」ズルズル…


翔鶴(どうしよう、デートなわけじゃないのに)

翔鶴(赤城さんの隣にいるだけで、心臓がうるさい……///)

赤城「あ……また口喧嘩してます。二人は相変わらずねぇ」

翔鶴「えっ」

翔鶴「……そう、ですね…」

翔鶴(色んなお店、冷やかすだけ冷やかして)

翔鶴(瑞鶴はきっと、加賀さんのことが好きなのね)

翔鶴「本当のデートかぁ……」

翔鶴(……瑞鶴が、ちょっと羨ましいかも)


????? ??

赤城「あ、もうお昼みたいですね」

翔鶴「そういえば……」ぐぅ~

赤城「お昼ご飯、お腹いっぱい食べたいですねー」クスッ

翔鶴「あの二人は……ぁ、ファーストフード店に入って行きましたよ?」

赤城「ふぁすとふ-ど?」

翔鶴「えっと……たしか、早く食事が出てくるお店のことです」

赤城「あらっ、いいですね! なんていい心掛けのお店なんでしょう」

赤城「さすが加賀さん、店選びも上々ね」

赤城「私たちも食べに行きましょうか」

翔鶴「はいっ。結構歩いたからお腹減っちゃったかも……」

赤城「ふふっ、そうね」


――――― ――

赤城「私、お金払うの初めてなんです」ウキウキ

赤城「注文は、鎮守府の食堂でやってる感じでいいのかしら?」

翔鶴「あれよりは少し複雑ですけど、だいたい同じですよ」

赤城「そうなのね…。分かったわ」

翔鶴「あ、飲み物どうします?この中から選んでください」

赤城「ドリンク、はー…っと。あら? この、コーラって何かしら?」

赤城「あ…、ポーラさんと似てるから、きっとお酒の名前ね」フフッ

翔鶴「いえ、ソフトドリンクです」

赤城「あらそう?うーん、難しいから翔鶴さんのおすすめで」

翔鶴「私の……ですか?」

赤城「はい、お任せです」

赤城「期待、してますね♪」

翔鶴「ま、任せてくださいっ!」

翔鶴(赤城さんに格好いいとこ見せなきゃ!)グッ


翔鶴「メガマックのセットを百個ください!」

店員「はいビックマックのセットをひゃ……百個ぉぉおっ!?」

赤城「あ」

翔鶴「はい?」

赤城「加賀さんたち、お店で食べるわけじゃないみたいですね」

翔鶴「外で食べるんでしょうか?もう瑞鶴ったら、お行儀の悪い……帰ったら叱らないと……」

赤城「ふふっ、でもテラスでだなんて、素敵なランチタイムね」

翔鶴「赤城さん、私たちはどうしましょう?」

赤城「中で食べましょうか、中からでも加賀さんたちが見えないわけでもないし」

ポスッ

赤城「翔鶴さんはこっち」

翔鶴「あ、はい……」


翔鶴(赤城さんの隣……こういうお店のカウンターって、なんだか距離が近いような気がするのはどうしてかしら……)

赤城「いただきます」パンッ

翔鶴「あっ、いただきます」パンッ

翔鶴(外でもきちんと手を合わせるんだぁ……私一人じゃ省いちゃうかも)

翔鶴(って、加賀さんまで……瑞鶴も釣られちゃってる)クスッ

翔鶴(けど、ベンチの距離感がなんとも微妙な……!もうちょっと近付いたっていいんじゃ……!あ、でも赤城さんが見てるから……)

赤城「うふふっ、青春ですねぇ」

翔鶴「そ、そうですねっ」ビクビク


翔鶴(ああ、瑞鶴を応援したいけど……!)

翔鶴(って、なにやってるのあの二人は!?)

翔鶴(あれじゃカップルみたいじゃない……!も、もうそうなのかもしれないけど!)カァァッ

赤城「……」ニコニコ

翔鶴「あ、赤城さん!」ハッ

赤城「え?」

翔鶴「えっとえっと!」アワアワ

ゴトンッ

翔鶴「あっ」


翔鶴(ジュースが!)

ピシャーッ

赤城「だ、大丈夫!?」ガタッ

翔鶴(ああもう、私の不幸艦!なんてベタな……服は濡れなかったけど、手がベタベタに)

赤城「ちょっと待って、拭かなきゃ」ズイッ

翔鶴「え、赤城さん……」キュン

翔鶴(って、私ったらなに考えてるの!はしたないわ……!)


赤城「ハンカチ使って」キュッ

赤城「洗いに行ったほうが早いけど、とりあえず」

翔鶴「あ、ありがとう……ございます」

翔鶴(赤城さんの手が私の手に……!)

赤城「ふふっ、ちゃんと気をつけなきゃね」ナデ

翔鶴「は、はぃ……///」カァァッ




翔鶴(はあ……さっき一瞬恋人繋ぎされたのかと思っちゃったわ……)

翔鶴(……恋人)ポー

赤城「ごめんなさい、お待たせ」

翔鶴「あっ、はい」スタッ

赤城「加賀さんたちは……」

翔鶴「まだ本屋さんにいるみたいですよ」

赤城「そう、よかったわね」

翔鶴「……えぇ」

赤城「……」

赤城「翔鶴さん、どうかした?」

翔鶴「えっ、ど、どうしてですか?」


赤城「なんとなく、かしら」

翔鶴「えっと……」

翔鶴(瑞鶴たちのこととそれから私たちのこと、考えて少しナイーブになってたなんて、言えるわけなんてないし……)

翔鶴(恋人になってくださいなんて……そんなの)シュン

赤城「……ごめんなさい。私に言えないことならいいんだけど」

翔鶴「ご、ごめんなさい……」

赤城「謝ることじゃないわ。私も言い出しづらいこと、あるもの」

翔鶴「そう、ですか……」

赤城「えぇ」


翔鶴(赤城さんのこと、そういうことも含めてなんでも知りたいと思っちゃうのは……)

翔鶴(きっと、私のわがままよね)

翔鶴(……だって、自分の気持ちすらも伝えられないんだもの……)

赤城「あ、加賀さんたち」

翔鶴「へ」

赤城「そろそろ帰るみたいですよ」

翔鶴「そういえば、もう夕方ですね」

赤城「今日は一日、とっても早かった気がするわ」

翔鶴「……私もです」


赤城「なら良かったわ」

翔鶴(……このまま今日が終わらないでほしいな、なんて)

翔鶴(瑞鶴たちには、悪いけど)

翔鶴(だって今日が終わったら、赤城さんとまた二人で遊びに来れるはずなんてないもの)

赤城「私たちも出ましょう」

翔鶴「……」コクリ

―――――
 ―――――



トトト...

翔鶴(こうして妹の背中を見て歩くのって初めてかも……)

翔鶴(私たち姉妹はいつだって隣にいたんだもの)

翔鶴(頼れる背中……。瑞鶴も改造を重ねて、だんだん、大人になっていくのよね……)

翔鶴(大人に……って)

赤城「……加賀さん」ピタ

翔鶴「あ、あああの子……!///」

翔鶴(加賀さんを引き寄せてこんな道端でなななななにを……!)

赤城「あらあら加賀さんったら……」ニコニゴゴゴゴッ

翔鶴「!?」


翔鶴(あ、赤城さんの表情が固まってる……!)

翔鶴(やっぱり怒ってるのかしら……)

翔鶴(すごく割って入りたそうにしてる……けど、でも)

翔鶴「あ、あの!赤城さん!」

赤城「……え?」

翔鶴「も、もう二人を追いかけるのはやめましょう」


赤城「……」

翔鶴(うっ)

翔鶴(けど私、怯んじゃだめ……!)

翔鶴「加賀さんも、瑞鶴も、幸せそうですし……」

赤城「えぇ」

翔鶴「私たちは、同じ部隊の仲間として見守るべきじゃないかなって……!」

翔鶴(こうして赤城さんと一緒に居られるのは楽しかった、嬉しかった)

翔鶴(今日が終わってほしくない)

翔鶴(でも……)

翔鶴(妹の逢瀬を追いかけるなんて理由で、一緒にいたくない!)


赤城「……翔鶴さん」

翔鶴「加賀さんは、きっと瑞鶴が幸せにします」

赤城「……」

翔鶴「ですから、瑞鶴を許してあげて、ほしいんです……」

赤城「…………」

赤城「……私も、そこまで我侭じゃないもの」

翔鶴「えっ?」

赤城「加賀さんがあんなに幸せそうだって、ちゃんとわかったから……もう平気」

赤城「言われなくても、安心して瑞鶴さんに加賀さんを任せられるわ」ニコッ

翔鶴「赤城さん……?」


赤城「そもそもね。今日の私の目的は、加賀さんだけじゃなかったから」

翔鶴「へ?」

赤城「普段、翔鶴さんに『私なんかが赤城さんとご一緒するなんて……』って壁を作られていたから……」

赤城「だから私、いつもあなたと仲良くなるきっかけを探してたの……」

赤城「そんな時に、いつも一緒だった加賀さんが、急に私を置いて外出するって聞いて……びっくりしちゃって」

赤城「それで……ズルいって……」

赤城「私も……あなたと、翔鶴さんとお出掛けしてみたいのに、って」

赤城「そう、思ってしまったのよ」フフッ

翔鶴「……///」カァァッ


赤城「普段は、ひたすら食べて、寝て、訓練して過ごすくらいしかない私だけど……」

赤城「今日は、急なお誘いに付き合ってくれてありがとう」

赤城「翔鶴さんと同じ時間を過ごせてよかったわ」

翔鶴「……赤城さん」

赤城「……その、それでね、翔鶴さん」

翔鶴「は、はいっ」

赤城「また、良かったら一緒に、どこかへ、お出掛けしない?」

翔鶴「えっ……」


赤城「もちろん提督の外出許可が下りないと行けない」

赤城「これから始まる秋イベントを、生きて乗り越えないといけないわ」

赤城「とても大変なことだけど、……それでもまた翔鶴さんとお出掛けしたいの」

赤城「あなたとの未来が欲しい……」

赤城「だ、だめかしら……」

翔鶴「そ、そんな、だめなんかじゃないです……!」

翔鶴「……嬉しい、です…」カァァッ

赤城「……」

赤城「良かった」ホッ



翔鶴(―――瑞鶴聞いて、私ね……)

翔鶴(……瑞鶴たちには全然、まだまだ及ばないけど)ドキドキ


赤城「ありがとう、翔鶴さん」

翔鶴「わ、私こそ!」

赤城「……」ギュ

翔鶴「……///」ギュ

赤城「さて、帰りましょうか。みんなが待ってるわ」ニコニコ

翔鶴「はい……!」


翔鶴(深まる理解とともに、親愛がある)

翔鶴(今はただ、深まる先の……未来を信じて―――)




終わり


―――――
 ―――――


赤城の部屋。

赤城「……」ポス

翔鶴『……嬉しい、です…』カァァッ

赤城「……ふふ」

コンコン

加賀「赤城さん、今日も一日お疲れさまです」

赤城「あら、加賀さん。お疲れさまでした」

赤城「あ、加賀さんの場合は……」

赤城「お楽しみでした~~、かしら♪」

加賀「!?」


加賀「……見てらしたんですか?」

赤城「ええ、少しね。少し」

加賀「……」

赤城「ほ、ほんとよ?」アセアセ

加賀「まあ、いいけれど」

加賀「ですが私の心配をする前に、自分の心配をするべきでは?」

赤城「……」


赤城「……実はね、今日は、加賀さんたちをだしに使わせて貰ったのよ?」

加賀「あら……どうりで仲睦まじい二人が、いつまでも後ろから消えなかったわけね」

赤城「バレてましたか」

加賀「かといって、隠れるつもりもなかったのでしょう?」

赤城「まあねぇ……」

赤城『加賀さんを誑かしてる五航戦がいるみたいなの』

赤城「なーんて、ね」

赤城「ふふっ、今から五航戦にアプローチ掛けようとしてる一航戦が、何を言っているのかしらね……」


赤城「……加賀さん」

加賀「はい」

赤城「イベント、必ず勝ち抜きましょうね」

加賀「当然です。一航戦の誇りに掛けて、必ず完走するわ。……赤城さん?どうかしたの?」

赤城「いいえ、ごめんさない。ただ……」

赤城「こんな不純な気持ち、初めてだから……戸惑ってしまって」ウフフッ

加賀「そう……」

赤城「もっともーっと……仲が深まればいいですねぇ……」ギュゥゥ

加賀「……そうね」フフッ


―――――
 ―――――



―――指令室


コンコン

加賀「失礼します、提督」

提督「加賀……?どうした、今日の秘書はお前じゃないだろう」

加賀「ええ、ですがイベントが始まる前に直々にお話しがあります」

提督「なんだ、言ってみろ」

加賀「今回のイベント、必ずや、誰一人轟沈することなく終えましょう」

提督「無論そのつもりだ。……なんだ、それをわざわざ言いに?」

加賀「ええ、大事なことですから」

加賀「そして、その先に見える――」




加賀「暁の水平線に、勝利を刻むのよ」


以上です。
秋イベント頑張りましょう!

乙!

赤城さんはほんま不器用なお人や…でもそこがいい
乙乙

瑞鶴と加賀が誘導してんのかとおもったら向こうも普通にデートだったね

翔鶴が怯えてた赤城さんの笑顔も、実は赤城さんなりに頑張ってフレンドリーになろうとしてただけ

とかだったら最高

赤翔ほんと好きです
ありがとー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月21日 (月) 13:11:32   ID: NEiwA7e1

瑞加賀もお願いします!

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