秋月「スーパームーン」 (30)
元ネタ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3
今年2016年11月14日に約60年ぶりの巨大な規模のものが観測されたそうです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479202200
【2016年11月14日 日本各地で巨大なスーパームーンが観測された】
秋月「わぁ…ほんとに月が大きい…!」
秋月「すごい、月ってこんなに綺麗だったんだ…!」
秋月「秋にこんなきれいな月を見れるなんて、なんだか私も嬉しくなっちゃいますね」
秋月「照月と初月にも教えてあげよっと」
秋月「照月、初月、外を見て!」
初月「なんだ姉さん。いま僕は照月姉さんと将棋をしてて忙しいんだ」
照月「どうしたの秋月姉?なーに?」
秋月「将棋なんてどうでもいいの!月が大きくなってるから!見て!」
初月「あ?月?」
照月「月が大きいの?そんなに?」
初月「なんだ月くらいで…そんなはしゃぐようなことじゃないだろう…」チラ
初月「うおっ!?なんだあの月は!!でかい!!!」ビクッ
照月「えっ何アレ!?なんであんなにおっきくなっちゃったの!?」
秋月「それは私もよくわからないけど…」
秋月「それでもあの月、綺麗でしょ!こんな大きい月はもう人生で二度と見られないかもしれないんだから!」
初月「なるほど、確かに珍しいな」
照月「大きくてきれいだね!」
秋月に月が綺麗ですねって言われたら俺死んでもいいわ
初月「よし、じゃあ将棋に戻るか」
照月「うん。次は初月の番からだよね」
秋月「えっ!?」
初月「ん?どうした姉さん。まだ何か用なのか」
秋月「いや…なんか見る時間が短いなって思ったから…」
初月「もうこの目にしっかりとあの月を焼き付けたからな。僕はもう満足だよ」
照月「早く次の将棋の手を考えないと私負けちゃうし…」
秋月「でも待って照月初月!ちょっとだけ考えてみて!」
秋月「あの月は『11月』の月なんだよ!何か思うところとかないの?」
初月「…?いや別に…」
照月「うぅん…きれいだなー、くらいしか…」
秋月「うう…」
秋月「いいよ、もう…」
初月「?」
照月「?」
秋月「せっかくの秋の月なのに…」トボトボ
吹雪「…あれ?秋月、こんばんはー」
陽炎「やっほー。こんなところで何してんの?」
秋月「あっ、吹雪さん!陽炎さん!」
吹雪「秋月知ってる?今日はね、スーパームーンっていうすごい月が見れる日らしいよ!」
陽炎「私たちそれを今から見に外まで行くつもりなんだけど、秋月も一緒に来る?」
秋月「!」パァァ
秋月「もちろんです!行きます!!」
この面子は無人島の人かな?
吹雪「うわーい!月すごーい!でかーい!!」
陽炎「本当に凄いわね…いつもの大きさの倍、いやその倍くらいの大きさはあるんじゃないかしら」
秋月「神秘的ですよね。秋月もどきどきしちゃいます」
吹雪「こうやって大きな月を見るとやっぱり月も星なんだって改めて確認させられちゃうよね。月はいつも当たり前のように見てるからなんかそんな大きな実感わかないや」
陽炎「逆に月の周りにある小さい光の粒の方がちゃんとした星らしさがあるもんね。なんだか不思議だわ」
秋月「わ、私は星じゃなくて人ですよ!」
吹雪「うん知ってる」
秋月「それにしても…」
吹雪「?」
秋月「この『季節』にこんな月を見ることができるなんて」
秋月「秋月、なんだか運命みたいなものを感じちゃいますね」
吹雪「え?運命??なんで??」
陽炎「何なの急に。もしかして秋月に好きな人でもできちゃったのー?」
秋月「え…だって今の季節は…」
吹雪「?」
陽炎「?」
秋月「…」
秋月「…私、用事を思い出したので帰ります…」トボトボ
吹雪「ええっ!?」
陽炎「ちょ、なんで!?」
秋月「ごめんなさい…」
吹雪「あ、ちょっと…」
吹雪「…もー!陽炎が変なこと言ったから秋月怒っちゃったじゃん!」
陽炎「ええ!?やっぱりこれ私が悪いの!?」
秋月ちゃん可愛い
秋月「なんでみんな気づいてくれないのかな…私の名前『秋月』なのに…」トボトボ
提督「…」
秋月「あ、提督…」
提督「ん?秋月…こんな夜に外をほっつき歩いてどうしたんだ」
提督「さてはお前もあの月を見に来たんだな。ここからはなかなかよく見えるぞ」
提督「どうだ、お前も一緒に見るか?」
秋月「!!」パァァ
秋月「はい!是非ご一緒させてください!」
提督「うん…流石スーパームーンを名乗るだけあって美しい月だな」
秋月「はい、秋月もそう思いますよ」
提督「秋月、お前も月が好きなのか?」
秋月「提督が好きなら私も大好きです!」
提督「そうか、そりゃあいい」
提督「ところで秋月、お前少し寒くないか?」
秋月「え?まぁ少し…」
提督「なら俺の近くに寄れ。…はは、一度言ってみたかった言葉なんだ」
提督「一緒にくっつくと結構暖かいぞ。体温は天然のカイロだからな、意外と寒さも気にならない」クイッ
秋月「あっ…」
秋月「…」ドキドキ
提督「うーん…こんな日にはやはり酒か何かを持ってきてゆっくり呑めばよかったかな…」
秋月「あっ!あのっ!!」
提督「ん、どうした秋月」
秋月「提督は…提督は『秋』の月はお好きですか!?」
提督「え?」
提督「中秋の名月のことか?もちろん好きだぞ」
秋月「それだけじゃないです、秋の月すべてのことです!」
提督「ああ。そりゃもちろん」
秋月「え!本当ですか!?」
提督「当然だ。月は風情があって美しい」
秋月「そっか…よかったです…!」
提督「ん?何がだ?」
秋月「実は秋月もあのスーパームーンのように、今日は気持ちが大きくなっちゃってるんです」
提督「そうなのか?」
秋月「提督…あのっ…月が綺麗ですね…」
提督「うん。綺麗だな」
秋月「…?」
提督「?」
秋月「あの、そこは『死んでもいい』って言ってくださいよ」
提督「なんで俺が死刑宣告されないといけないんだ」
秋月「…」
提督「…」
秋月「何か話が噛み合ってませんよね」
提督「それは俺もそう感じるぞ」
秋月「ひどい…!ひどいですっ!こんなに私を弄んで!!」
提督「も、弄ぶ!?」ビクッ
秋月「何ですか何ですか!私だってこんな気分になりたい時があってもいいじゃないですか!」
秋月「だって私の季節にあんな綺麗な月があるんですよ!私にだって舞い上がりたい時もあります!!」
提督「は?秋月の季節?」
秋月「そうです秋です!秋月だってあの大きなスーパームーンに憧れることだってあるんです!」
秋月「秋にスーパームーンですよ!自分の名前と掛け合わせちゃダメなんですか!なのに誰もそれを言ってくれなくって!」
秋月「さみしいです!さみしいです!!ひどいですっ!!!」
提督「え…」
提督「…」
提督「あー…その…」
提督「よしよし、言いたいことがやっとわかった」
提督「つまりお前はあの月とお前自身を重ね合わせて、比喩的なメッセージを送ってたって訳だな」
秋月「そうですよ!悪いですか!」
提督「いや別に悪くはないけど…」
提督「ちょっとだけ、一つだけこっちからも言わせて貰っていい?」
秋月「?」
提督「確かに11月は現代で言うと秋のことを言う」
提督「…けどな、秋月(しゅうげつ)っていうお前の季節は…つまり旧暦の秋の時期で言うとな、それは7月から9月までのことを言うんだ」
提督「要するに10月から12月の間は冬になって、11月という今の時期はな、秋月じゃなくて冬月っていうことになるんだ」
提督「…なんかごめん。こっちもお前の言いたいことわかってあげられなくって…」
秋月「…」
提督「…」
秋月「え?」
秋月「ええええーーーーっ!?!?」
月いつもと変わらなかった気がするんだよな
悲しいなあ
秋月「冬なのに秋アピールって…!そんなの気づいて貰えるわけないじゃないですか…!」カァァァ
提督「そんなに耳まで赤くして丸まって…そこまで凹むミスじゃないだろう」
秋月「だってだって、私!提督にあんな恥ずかしいことを…!」
秋月「それだけじゃなくて妹や吹雪さんにも構ってちゃん攻撃してしまいましたし、私、もう今日は立ち直ることができません…!」
提督(俺以外の奴にも言ってたのか…)
秋月「ううう…思い出すだけで死にたい…」
提督「とりあえず外でそんなことしてたら風邪ひくぞ。せめて俺のコートでも羽織っておけ」
秋月「ううう…ううう…」モゾモゾ
提督「頭から被るんじゃなくて」
吹雪「あっ!司令官!」
秋月「」ビクッ
提督「ん?なんだ、吹雪に陽炎か」
陽炎「司令、秋月見なかった?私たち、秋月に用事があるんだけど…」
吹雪「どこにいるか知りません?」
提督「あぁ、秋月ならこの俺の横で丸まってるのが秋月だ」
秋月「…」モゾモゾ
吹雪「秋月、なんでそんなことしてんの…」
陽炎「えーっと秋月…よね?ごめんね、さっきは怒らせるようなこと言っちゃって…」
陽炎「ほら、お詫びのお饅頭買ってきたの!これで機嫌治して!これ食べながら一緒に月を見ましょう!」
吹雪「お月見と言えば秋の月だけど、冬月でもちゃんとお月見できるはずだよ!」
提督「そうだな。冬の寒月は見事なものだ。秋月もいい加減起き上がって月を見たらどうだ」
秋月(秋の月じゃないって吹雪さんたちもわかってたんだ…あああ…)カアァァァァァ
陽炎「コートから出て。お饅頭よ」
秋月「うう…」
陽炎「はい、あーん」
秋月「…甘くておいしいです」モムモム
陽炎「そっかー!よかったー!」
吹雪「司令官、ちなみにこのお饅頭は経費から落としてますからね」
提督「えええ!?何だと!?」
吹雪「でも司令官も月を見ながら何か食べたいって思ってたところでしょ。私、提督のそういうとこ知ってますから」
提督「…むぅ、そう言われると反論できない」
陽炎「季節外れだけど司令も一緒にお月見しましょう!」
提督「ああ。そうさせてもらおうか」
初月「あぁ、月を見ながら食べる饅頭はとても美味い!」モグモグ
照月「私たちもごちになりますね、提督!」モグモグ
秋月「初月!?照月!?どこから出てきたの!?」
陽炎「まぁいいじゃない。人数は多いほど楽しいって言うじゃない」
提督「どうせ鎮守府の経費だしな。好きなだけ饅頭を食っていくといい」
吹雪「よーし!今晩は月が沈むまで騒ぐぞー!」゙
【翌日】
提督「…」ズビ
吹雪「司令官…風邪ひいちゃいましたね」
陽炎「ろくな防寒してなかったからよ」
秋月「すみません…コートを…」
おしまい
私のいたとこは雨でスーパームーン見れませんでした(絶望)
依頼行ってきます
乙
おつおつ
殆ど雲で見えなくて、でもやっと少し見えたけど
普段見てないから大きいのかどうか分からなかったわ
月が出てるんだろうなぁって妄想するのが日本の風流ってもんよ()
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