これから日記を書く 6冊目 (1000)
下記の6スレ目。6スレ目ったら6スレ目。
これから日記を書く
これから日記を書く - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413210272/)
これから日記を書く 2冊目
これから日記を書く 2冊目 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423317897/)
これから日記を書く 三冊目
これから日記を書く 三冊目 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436892044/)
これから日記を書く 4冊目
これから日記を書く 4冊目 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451245284/)
これから日記を書く 五冊目
これから日記を書く 五冊目 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461692704/)
運命は、志あるものを導き、志なきものをひきずってゆく。 ――L・アンアエウス・セネカ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473970002
このSSについて簡易QA。これさえ見れば完璧だと思えばいいよ。
Q,ジャンルは?
A,ゾンビ近未来ファンタジー人外日記式SS
Q,ただのSSでいいの?
A,展開をダイス振って決めてるだけのSSだよ
Q,主人公は?
A,主人公格がいるだけで、主人公はいないよ
Q,キャラは死ぬ?
A,あんまり死なないけど死ぬときは死ぬよ
Q,なんかゾンビ以外のがちらほら
A,気のせいだ。
物好き用簡易設定&用語集。読めばまぁ、最初から読まなくて済むかも?
モチーフ:
読者がゾンビ(その他もろもろ)がばっこする世界を生き、各地にある生存者の日記やメモを読んでいるという設定で書いてたのが形骸化しました。
基本はリアルタイム形式で、紙媒体更新はキャラ一人につき、作品内での1日の間で基本1レスのみ。展開自体に深くかかわらない「ブレイクタイム」、それ以外での記録媒体とか、台本形式とか、地の文ありとかの場合は特に制限はありません。後たまに>>1の幕間という名の本編関係ない妄想劇場もあります。
ダイス:
TRPGのごとくダイス様を振って、その結果でその日一日がどうなるか決まる仕様。基本は6面ダイス5個を振り、合計値が高ければ良い結果、低ければ悪い結果。以上。
オール6:
出たら、むっちゃ良い事起こるよ
オール1:
出たら、死ぬよ(死ぬような場面でなければ、不幸な目に合うだけ)
ゾンビ:
ロメロ型感染拡大型ゾンビ。全人類の敵。ゾンビ化初期の頃なら走ってくるが今は大体のろのろしてる。ただし、そのまま放置してると更に凶悪な存在になったりする。
強化ゾンビ:
より凶悪、より脅威になったゾンビの総称。筋肉だるまのようなマッスルゾンビ、猿のようにいろいろ移動できるモンキーゾンビ、更にはそう言った類の亜種など、多種多様な存在がある。作中は大体変異体と呼ばれる。
ミュータント:
ゾンビ感染によって変異した際、何らかの適応をした存在。人間の意志が残ってるか、人間またはその種以外になってしまったものを指す。
また、変異後に更に変異する場合もあります。強化ゾンビもカテゴリ的にはこの分類。
登場人物:
ダイスの結果によっては死にます。書き手であれば更新がなくなり、書き手でなければ仲間が書いて知ることができます。が、状況によっては書かれることなくお別れになる場合もあります。
勢力:
作中に出てくる登場人物以外の周囲で、それ以外の生存者達のグループを指します。
感染:
ゾンビからの攻撃を受けた場合、あるいは変異に関するものを摂取した場合に発生。これによりゾンビ化、あるいはミュータント化する。適切な治療あるいは肉体耐性があればそのまま。
これ以外に通常の病気感染などもある。
物資:
探索の際に回収したり、生産したり。食料、建築、作成、弾薬、戦闘用具といった分類がある。食料以外は無くても生き延びることは一応できる。ダイス様に愛されればよろし。
惨劇:
ゾンビが発生した日(事件)を指す。
U.S.A.U:
世界中のきな臭い国際情勢を理由に、日本、東南アジア、アメリカ、カナダなどが連合を組んだ共同体のこと
WWP:
世界大戦プロジェクト。諸悪の元凶らしい研究機関。 U.S.A.Uが共同出資して設立。
第三次世界大戦を仮定した研究が主で、わりとろくでもない研究が目立つ。
ホムンクルス:
HP(ホムンクルス計画)で生み出された存在。登場人物である藍が該当。
HPはかいつまんで言うと、人工的に優秀な兵士を作るぞ計画。詳しくは2スレ目>>742を参照。
アラクネシリーズ:
戦闘用の義足。基本的は通常時は2本足で、戦闘時は槍のような足だったり、特殊な足が飛び出す。
神経接続装置が組み込まれていて、自分の足のように動かせる。
現在これの発展形であるクラーケンが作製されている。詳しくは3スレ目>>939あたりを参照。
ファントムシリーズ:
アラクネの神経接続装置のノウハウを生かした特殊な装着具。
かいつまんでいうと、盾付きで左腕から杭打機で杭を撃ちだし、右腕はフックショットがついていて、上り下りや鞭に利用でき、足は空気の噴射でダッシュ、ホバリング、多段ジャンプが可能。ついでに剣も、神経連動で高周波を発生させて切れ味抜群。最近付属品で爆撃機もどきが出来た。
登場人物
放浪者:
主人公格、人間はある意味辞めてる。ファントムシリーズを装着した、奇襲されても剣でカウンターする化け物で、ダイス様が最も寵愛してる存在。拠点兼探索組リーダー。なお、自分が化け物並という自覚はやや薄いけど、最近当たり前みたいにヘリとか落とし始めた。
山中沙奈:
アラクネシリーズを装着した研究者。おかげで、近接は最強。放浪者の相棒といえる存在。怒ると怖い。拠点兼探索組サブリーダー。表だって誰も言わないが、完全に拠点サイドのおかん。結構ヒロインしてます。
野木賢介:
研究所主任。WWPの不穏な動きを察知し、研究所を緊急時用に魔改造していて、完成できないままに惨劇を迎えた。ヘビースモーカー。
印象が薄いとか言わないように。
アリス・ブルーフィールド:
善良なマッドさん。アラクネの神経接続装置とファントムの開発者という天災。アニメや漫画などをヒントにして開発を行っている。やっぱり天災。
放浪者が凶悪してるのも大体この人のせい。
エクス:
天才ハッカー。オンライン上で情報を集め、監視カメラで放浪者達の安否確認しながらサポートしたり。重要な位置についてます。
でもなぜか不遇です。>>1に消されたりとか。
保安官:
着てる服装はウェスタン調だが、保安官と名乗ってる。ライフルの免許持ちで、たまに狩猟に出かけるナイスミドル。放浪者達とは別行動だが、拠点メンバーにとっておとん的な立ち位置。出番はあまりないけれど、都市の東側のエリアを一人で抑える化け物。
それ以外はBARでお酒をふるまうマスターでもある。
スライム:
ミュータント。放浪者達のマスコット。健気。拠点における癒しといえる存在。ちなみに拠点組最初に加入した仲間がスライムだったりする。
最近、出番が少ないけれど、スライムはいつも通りプルプルしています。
浜村美香音:
拠点警備組のリーダーで、拠点内の設備の管理や設置もこなす電子技師。酒好き。畑いじりも板についてきた。
なんだかんだで人の面倒見のいい姐御肌。
蒲谷勘二郎:
拠点警備組。わりとオタク。最近手先の器用さを生かして建設作業をこなしてる。今度は簡易シャワーを作ろうともくろんでいる。
名字の読みは「かまや」と読む。
井門圭司:
元防衛軍兵士。敵だったけど味方になった。物事に対するバランス感覚は優れるが苦労人気質。拠点メンバーで唯一きっちり銃を使いこなせ整備もできる、貴重な要員。そして、放浪者、山中がいない時の拠点リーダー代行、やっぱり貴重な要員。後、わりと武器マニア。
一ノ瀬美尋:
医大生。戦うお医者さん。割と不幸気質で、何かのトラブルの際ほぼ被害にあっている。生き延びられてるところからして悪運はあるらしい。
最近目立つシーンがミュータントに盾を奪われるところ。やっぱり不幸気質。
覚美弥:
ミュータント。目がつぶれた代わりに、人の視界を見たり頭の中を読んだりできる。その能力はカオスなメンバーの人間関係の均衡を裏で支え、拠点周囲の危険な存在を感知する生体レーダー。立場的に出番薄めだが、割と強い存在感は主張してる気がする。
名字の読みは「おぼえ」
佐原有登:
ミュータント。ワーウルフになった舎弟気質な奴。わりとというか、そこそこバカ。でも60kgのハンマー貰って振り回したり、重い瓦礫をスリングで投げ飛ばしたり、とげのついた盾でぶん殴ったり、地味に凶悪な戦闘力を持っている。そして、印象もなぜか地味。
名前の読みは「あると」
三間弘幸:
まだまだ仕立て屋修行中。性格は普通だが、見た目は女っぽい、いわゆる男の娘。レインコート作ったり、佐原に合う鞄を作ったりと、腕は上がってきているが、いかんせん>>1が最近そういったところ描けてない。
大木勝:
覚を守る小さな騎士。金属バットでそこそこのゾンビを処理してきたので、わりと強い子供。警備組と覚の世話を兼任している。最近は日本刀貰って、林道に本格的な武術訓練中。
さらっとこの間、結構化け物な戦闘力を発揮したりしてた
ジェーン・カナリー:
保安官が拾ってきた金髪さん。かなり悲惨な目にあったのに、救った保安官に一目惚れ中で、奥さんになるため花嫁修業中。5スレ目でちょろっと出番あったけど、やっぱり空気ですが、保安官といれば幸せそうだから大丈夫かと
名前の元ネタはカラミティ・ジェーン。
藍:
ホムンクルス。四肢なら自由に、それ以外は表面までを自由に変形、変質できる。尊大な態度をとるが、普通にいい子。武術の教えも身につけつつあり、戦闘力も充実中。
スライムとは義理兄弟姉妹の関係。
西切緑:
弓使いなカメラマン。那須与一さんレベルで弓矢の扱いに長け、遮蔽物越しに敵の急所を狙い撃ったりする。なかなか強いのに空気になっていたり、キャラ的には好きなんだけどもね。
この名前も某ゾンビゲーのシリーズから1つずつ取ってたりする。
小間城:
ミュータント、人間ではなく犬が感染し、結果として四本の触手を持つことになったワンコ。群れに入れず1匹でいたところを放浪者が飼いならすことに成功。以後、拠点内を自由気ままに過ごしている。群れのボスと認識している放浪者に基本同行している。
最近は作ってもらった犬小屋(段ボール)に敷かれた羽毛布団をもふもふするのが楽しみ。
ビジョン:
赤外線や無線などを視認し、そしてそれを捻じ曲げたり、いじったりすることができるが、生体的エネルギーも視れてしまうため、何でも視える。それを使って遠距離間通話もできるそういう超能力者。話す前に必ず笑うが、楽しくて笑う訳ではなく勝手にそうなる。
現在、光線銃を使いこなすために鍛錬中。
林道正綴:
小学校教諭。田舎で古武術を習い師範クラスの実力を持っている。棒術と柔術をベースにしていて、棒を使いゾンビを転がした後素早く首をへし折ったりする。最近はその古武術を藍と勝に教えている。 子供達への勉強を教える関係で、探索組と警備組を両方兼任する。
この人も教員日誌ある割に空気という。強いは空気のこれ日。
ハンター:
各地を放浪する生存者。常にコートを着用していて、その中には大量の火器と弾薬が詰まっている。愛用しているのは改造した小型のチェーンソー。家族をミュータントと思われる化け物に殺され、すべてのそういった類を殺すために各地を放浪している。
デルフィアという新しいCPP規格の義手を手に入れて、大暴れ中。
DJフレンド:
ラジオ放送をしている女性と思われていた人物で、実際は性同一性障害の男性。情報と称して、今まで得てきた体験などを話し、音楽を録音で流している。拠点と研究所では、数少ない娯楽としてリスナーも多い。
4スレ目にて放浪者が接触したことで、勢力間での同盟を結び、放浪者などが得た情報をラジオで放送するようになっているが、>>1が作品に合いそうな曲がなかなか見つからずあんまり放送できてない気がするよ。
伊吹くるみ:
元々覚の勢力にいた子供の一人。現在、エクスの下でハック技術を学び、サポートしている。放浪者に好意的な反応を見せる。クールな性格で、エクスに毒舌を浴びせるが、気心の知れた相手にしかしないので、彼女なりの砕けた接し方の模様。
錬浄:
戦うお坊さん。錫杖の先端を尖らせたものを武器として利用し、ゾンビを供養するため処理していたお坊さん。放浪者を超える寡黙なお方。ゾンビに咬まれたが、ミュータント化もゾンビ化もしていない。ただ、佐原のようなミュータント張りの身体能力を持っている。そして強すぎて空気。
名前の読みは「れんじょう」
千護 巴:
元防衛軍狙撃兵。井門と同じ、彼がいた部隊の隊長にしごかれた。オリンピックに出場して活躍した経歴を持つ。現在アビスと呼ばれるWWPの大型研究施設を探しており、現在研究所から得た情報をもとにとある新興都市で探索中。性格は爽やかな姐御肌。
苗字の読みは「せんご」。元ネタは巴御前。
ロバート・ハイマール:
WWPの元研究者。RP(再生計画)という計画を研究していて、それがゾンビ化現象の原因ではないかと考え、解明しようと千護と行動を共にしている。小心者で話す時は大体どもってしまう。それでいて優しくて不器用。そして出番がほとんどない。
名前の元ネタはある。ヒントはニューヨークに存在する島。
平山源子:
各地を放浪し、ハンターから拠点に関する話を聞き、やってきた生存者。ブラストシューターと呼ばれる自作射撃武器を使って戦う。現在回収組のリーダーを担っている。クールな性格で、女性版の放浪者のような存在。ただ、なぜか放浪者に苦手意識のような感情を抱いている様子。
岸本フェイ:
平山の相棒ともいえる生存者。平山が作製したディフェンススパイクと呼ばれる武器を使って戦う。かなり足が速く、生き延びてきた理由もそれ。佐原みたいだが、どちらかといえば、こちらの方がアホの子。料理大好きで、拠点での調理も率先してやりたがる。
EVE:
MEP(ミトコンドリアイブ計画)により、山海沙維により生み出されたオーパーツに近いアンドロイド。元々足のない山中の介護を目的として作られた。学習し学ぶことも、人間と同じく忘れることもできる。自己再生する人工皮膚とシリコンにより、見た目も感触も人間そのもの。ただし額に「∵」の形で光るダイオードが見える。
ミーナ:
DJフレンドの勢力にいる地下アイドルグループ『ヴァルキリー・ミラージュ』の1人。歌唱力が高く、その部分での評価が高かった。主張ははっきりの気の強いタイプ。ちょっとした銃器マニアで、主に周辺の警備をしている。
ミーシャ:
DJフレンドの勢力にいる地下アイドルグループ『ヴァルキリー・ミラージュ』の1人。こちらはダンスの方が得意。常日頃からアイドルを意識するのか、わりと妙な口調で話す。
ファイブキラー:
DJフレンドの勢力にいるメンバー。思い込みがひどく、ミーシャに執事になってよと言われて燕尾服着たり片眼鏡つけてメンバーの補佐をしている。
西村新:
ハンターに助けてもらった経緯でDJフレンドの勢力に転がり込んだ人。話好きで、とある胡散臭い商人達でも和やかに会話したりする。>>1のせいでよくわからない関西弁なのかすらも怪しい方言っぽい話し方をする。
風虎:
生物兵器。鳥のような顔と立派なくちばしを持ち、背中に大きな翼がある。前脚とかで思いっきりゾンビをぶん殴ると吹っ飛んで区ぐらいには強い。
のだが、親と認識したからか放浪者にべったりの甘えん坊
喜読都:
いろいろ危険すぎる局面で見つかった生存者。男っぽく見える女性(というか>>1が男だと書いたのを忘れてた)。営業マンらしく、交渉事を請け負う。
名前の由来は、キャラ設定の一部を皆様の投票で決めたので、読者と入っている。
佐田豊吉:
最近拠点にやってきた生存者。今までのメンバーに比べると社交性は低く、頑固おやじタイプな人。平山に機械工学を教えていた師匠に当たる人。
今後の活躍に期待します。
これから日記を書くWIKI
http://ss.vip2ch.com/ss/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E6%97%A5%E8%A8%98%E3%82%92%E6%9B%B8%E3%81%8F_%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA#.E3.83.95.E3.82.A1.E3.82.A4.E3.83.AB.E9.9B.86
有志の方が作成していただいたWIKIに、>>1がつらつらと情報書き入れてます。
どちらかというと、奇特にもまだお読みされている方向けなので、最初に読むとネタバレ祭りになります。
もうちょっと裏事情とか載せられれば面白いんだけどね。
乙乙ー。
書籍化されたのは別格としても
非安価系ではかなり長い部類に
はいってきたねー。
新スレ乙っちゃん!
五百九日目
高速道路の確保については進んでいる。もうそろそろで高速道路自体の確保に移れるだろう。それが終われば周辺と今まで確保したエリアの最終確認を行って、今回の任務は終わりという段取りになる。
また、今回WWPの連中が高速道路から都市中央大型駅エリアに移動したわけだが、俺達が設置したバリケードが破壊された形跡はなかった。恐らくは、連中も安全に移動できるものとして利用したのだろう。全て確認できたわけではないが、改めて補修する手間がなくてよかった。それに、ゾンビもいくらか奴らが処理してくれたからな。
更に幸いだったのは、今日は吹雪いているということだな。天候が悪ければヘリを出すのは難しい。逆に言うとWWPに見つかる危険性はかなり低くなるということで、今日はそのおかげで比較的安全に探索を進めることができたと言える。
もっとも、いつまでも天候が悪い訳じゃない。近いうちには晴れ間も射すだろうし、そうなった時にWWPの連中がこの周辺にまた来るかだな。そこで奴らはこの地域をどう判断しているかがわかる。すぐ来るようなら、恐らくレジスタンスが周辺にあるとして重要な地域にしたと、考えていいだろう。
もしそうでないとしても、次にWWPと交戦、あるいはそれ絡みのトラブルが起きたら、奴らはこの周辺を洗うだろうな。拠点周囲で奴らを刺激するような真似は、そうそうできないということだ。
もう少し拠点事態の防衛力が上がればいいのだが。例えば、対空砲といった兵器とか、どこかにないものか。
一ノ瀬DIARY JAN.13
今日も吹雪の中での探索、なんだか結構慣れちゃったかも。それに雪は降ってる方がWWPはヘリではこれないって井門さんも言ってたから、安全なんじゃないかな。軍用の車とかは来れるかもしれないけど、しばらくは積もった雪で身動きは取れないだろうし。
そう考えると、WWPはこの時期はほとんどヘリで移動してるんじゃないかな。車両だとこういう雪降っちゃって、移動できないなんてことが起きちゃいそうだもんね。1人でやってきた佐田さんみたいに生存者なら、あんまり関係なさそうだけど、任務とか部隊単位(?)とかそういうのでWWPは動いてるだろうし。
そういえば、今日壊れてる救急車見かけた。物資確認で中に入ったけど、考えてみたら救急車の方が調度いい治療施設になりそうな気がするなぁ。もし使えなくても素早く移動して怪我人とか運ぶのに使えるよね。
今度、赤川総合病院に無事な救急車ないか見に行くお願い、放浪者さんにしておかないと。
回収組としての任務を行い、身体を温める為の休憩として、確保しておいたエリア内の建物の中で2人は休んでいた。回収しておいたロウソクに火を灯し、それを暖代わりにする。この状況下ではないよりはマシな暖房器具だ。
「でも、本当にいいス?」
寒い寒いと呟いていたフェイが、手をさすりながら主語もなく平山に聞いてくる。何であるかおおよそ想像はついた彼女は、いいんだとだけ答えた。
当然、会話はそれですぐに止まったが、フェイは納得しないような表情をしながら寒さと格闘する。そんな状態が続く。
「レジスタンスの武器庫があると思われる情報、特定するまでは伝えるのに早い」
WWPとの交戦と同じくして、回収組もその日活動したエリア内にあった三葉系列の企業の調査を行っていた。その際に、密輸入していた武器の保管庫がこの都市内にあるらしい情報を入手していた。
また、それが他の組織に分配する為の一時保管としてのものなのか、大元の保管庫になるかも詳細ははっきりしていない。管理していたであろう社員の端末は壊れており、とぎれとぎれの書類でしか判断できない状態。もしかすればこの都市にあるかも怪しい状況だ。
「それに、レジスタンス自体が友好な組織とは限らん。こちらもいくらかの交渉のカードは持っておかなければいけない。そのことを考えると…、不確かなまま報告はできない」
交渉役は喜読がいる。その上で、拠点に利をもたらす交渉を進めるなら、HP(ホムンクルス計画)以外にレジスタンスに関わる情報もいくつか持っていること。その情報が半端な状態では意味をなさない。そう回収組のリーダーとして平山は判断していた。
ただ、その情報を正確なものにする任務と、アミューズメント施設の確保を進める任務。これを両立させるのは、骨が折れるなと軽く首を振った。
【作り手2人】
「ふん…。ひどい雪なこって」トントン
「うんうん、作業が遅れそうで困るよ」トントン
「次は晴れ間に外側だな。今日中に内部の補強を終わらせんと」
「今日は外の作業じゃなくてよかった。うん」シャー
「…同感だ」
「………」ザラザラ
「………」シャシャッ
「あとは換気だな。トタンの隙間は埋まるから、どう作るかか」
「うん、予定としては2か所穴開けて、そこを網戸を利用して蓋をする感じかな」
「ふん。今時点できるとすればそれが限度か」
「そうだね。うん」
「いったんここいらで終わろう。そろそろソーラーパネルの雪下ろしが必要だな」
「おっと、行かなきゃダメだね。うん」
乙 喜読さんも佐田さんも少しずつ周囲になじんできてるようでいい 振り返ると1スレ内でもかなりの変化があるから日々の積み重ねって大切だと思う
乙!
これ日が終わったら、たぶん>>1はもう同じ形式のスレ書いてくれなさそうw
五百十日目
高速道路の確保については進んでいる。何もなければ明日には高速道路の出入り口までの経路を確保できるだろう。そこから高速道路の確保を行い、今後の移動経路の確保と、高速道路を経由して移動してくるゾンビを防ぐ。
今は冬で、しかもここのところ雪がかなり降ったからな。ゾンビが高速道路から移動してくることはほとんどないだろう。なので、どちらかというとメインは今後の遠征時に利用する経路の確保の意味合いが今は大きい。
まぁ、高速道路の本格的な確保はかなり先になる。安全な移動経路はイコール誰でも通れるということだ。友好的な生存者ならいざ知らず、敵対的な奴らに利用されると一気に拠点まで近づかれることになる。確保するなら、高速道路の出口やPAに人員を配置する必要があるのと、道路自体の定期警備も必要になってくる。つまりは、管理だな。
その管理は残念ながら不可能な以上、今はとりあえず、出入り口だけでも抑えておくだけだな。いずれの為に高速道路がどうなっているか、春先あたりにでも確認するつもりだが。
レジスタンスとの遭遇や、WWPとの交戦など、ここに来ていろいろあったが、予定より早く高速道路までの経路の確保と制圧が出来た。さて、後はこれ以上藪蛇が出ないことを祈ろう。
教員日誌 一月十四日 林道正綴
高速道路の確保の任務に今日はついた。ここのところ、雪が積もり勝や藍に教えを施してやれていない。どこか、室内でそういった活動できる場所を探したいところ。
ただ、拠点エリアは住宅街ということもあって、運動に適した建物はない。おおよそ天候が悪いということで使うことになるのだから、それでは意味をなさない。
そうなると、蒲谷さん達にとりあえず天井付きの広場でも作ってもらうしかないだろうか。しかし、その為だけに物資を消費するのは気が咎める。現状は、諦めるほかない。
そういえば、今日の探索において気になることがあった。WWPの兵士と思われる死体のそばに、薬きょうのほかに奇妙な、赤い宝石のようなものが散乱していた。手袋越しの感触で言えば、非常に硬質な物質だった。
その兵士が持っていたものなのかはわからない。一つだけ回収だけして、山中さんに渡してある。彼女もやはりなんであるかは検討はつかなかったようだ。ルビー、のように思えるものの、何か違う気はする。
毒性のものではないか、密閉して保管はされているので、何もないとは思いたい。その内、研究所に持っていって調査はされるだろう。
1/14 担当浜村 朝
最近蒲谷と佐田が気合入ってるわねー。
ま、久しぶりの晴れだから。作業ははかどりそうね。
担当三間 昼
シャワー作ってるんですよね。
五右衛門風呂と違ってサクッと身体洗えるのは嬉しいです。
担当平山 夜
衛生面から言って、手早く使えるシャワーは良いものです。
ただ、使用制限は必要になりますね。水は潤沢にあるわけではありませんから。
DJフレンドの下に、最近では馴染みになりつつある行商達の姿があった。西村が交渉役として立ち、いくつか必要なものをトレードしている。
その交渉がひと段落終えた頃、装甲車の中を西村はふと見ると、ドラム缶が積まれているのが見えた。油の取り扱いもあるのかと質問し、返ってきたのは必要なお客様がいらっしゃるというだけの回答だった。
「ほほー、自分ら以外でお仕事されよるところがあるんですなー」
詳しくは聞けなかったが、どうやら行商にとってのお得意先はそれなりにある様子だった。装甲車で遠方を行き来する彼等に、そういう相手がいても不思議ではない。それに、自分達が貨幣として渡している物資が、他のところで必要なものかもしれない。
古来より人間がやり取りしている根幹の様な商売を、彼等は続けている。その目的は西村には分らなかったが、自分達にありがたいことは変わりなかった。
再び去っていく彼らを見守ってから、西村は交換した物資を隠れアジトに運び出した。
【EVE3】
「あぁ、EVEここにいましたか」
「沙奈様。何かございましたか」
「えぇ、そろそろ深夜の警備をお願いします」
「畏まりました。書籍をしまいます、お待ちください」スタスタ
「…ここのところ、図書室にいますね」
「はい。書籍を読むことでも、体験と知識を得られる経験をいたしました」
「なるほど、貴方の場合はすぐに読み切ってしまいそうですね」
「いいえ。どのように分析すればよいかわからないこともございます」
「例えば男が同性に恋する話なのですが、生物として外れる行為――」
「EVE」
「はい、なんでしょうか」
「今度から、貴方が読む本は私が選定します。良いですね」
「畏まりました」
「(一体誰がそんな本を…、多分、中身も見ずに持ってきただけなんでしょうけど)」
【スライムと雪2】
「(お雪たくさーん)」プルモコ
「(雪雪雪雪雪)」フガフガフガフガ
「(コマシロが雪の中に鼻入れたりしてるー)」
「スライムとか動物たちはのんきなもんよね」ザッザッ
「はー、雪かきしんどいです…」フー
「あんた、警備組で一番若いんだから、きびきびしなさいよサンマ」
「姐さんひどいです…」
「(コマシロー、えーい)」ポイッ
「(投げてきた、投げてきた)」シュルシュル、バズン
「(あー、触手ずるいよー!)」プルプル
「(もう、投げないのか)」ユラユラ
「(負けないもん。えいえい)」ポイポイッ
「(楽しいぞ、楽しいぞ)」バシュ、ボシュ
「2人は楽しそうでいいなぁ…」
「ほら、サンマあっち頼んだわよ」
「はーい…」
追記。5スレ目の1000ですが。多分速攻やもです。
敵か味方か、そもそも拠点に出るかはわからんけどNE。
乙!
味方か、せめて中立になってくれないとキツい
スライムと小間城に和む祝日の朝 いいもんだ こういうシーンは嵐の前の静けさとして書かれたりするけどここはダイス様次第だからまだ安心かな
前スレの1000取った者だけど、一ノ瀬ちゃんに物教える的な人と病院活用したいなーって思って書いたが敵になる可能性あること失念してたわ
現状だとWWPとかイベント盛りだくさんで病院確保出来るほど余裕無いんだよなぁ
今日はいい晴天だった。吹雪と曇天が続き、気が滅入るような淀みの様な天候より、晴れ間の方が好ましい。西切はそんなことを思って、ふと空を見上げていた。そんな余裕を考えていられるのも、今日の探索が思っているよりも好調で、高速道路の料金所前まで確保が完了して周囲の制圧まで進めることができたからだ。
今彼女がいるのは、各自の探索が終わったメンバーが集合の場所とした十字路で、確保のため1人、ガードレールに腰かけてる。大ざっぱな制圧は移動時にメンバー全体で行うのもあり、もちろん安全確保の側面もあるが、見も知らぬ第三者にそれまでに回収した物資を奪われないようにする為の意味合いが大きい。
ふと、光が目に入った。瞬間目を閉じて、それが赤い光だと少し遅れて気づいた。素早く立ち上がって、得意の獲物である弓矢を取り出す。視線を向け、そこにいた存在に最初に抱いた彼女の感想は、歩く鉱石だった。
動きは鈍重だが、着実にこちらへ向かっている。まるで、身体から赤く尖ったクリスタルが生えたかのように飛び出していて、それが光を反射させている。他のメンバーがなぜ気づかなかったのかと、不思議なぐらいに派手な存在だった。何にしてもそれが変異体なのはわかる程度に、人型だった。
弦を引き絞り、狙いをつける。頭部はその赤いクリスタルで覆われていたが、それ自体がなんであるかを確かめる為に弦を解放する。彼女の思った通りに頭部へ吸い込まれる矢は、そのまま弾かれた。だからといって、西切に驚きも落胆もない。
今度は、放浪者が以前WWPから逃走時に作成した槍――その後、更に柄を短くしたもの――と、ホイッスルを取り出して思い切り吹いて、ゆっくりと近づいていく。
メンバーを待ってから処理するのが、確実で安全かもしれない。ただ、記者としての好奇心なのか、始めてみるその存在を調べるような気持ちで近づいている。もしかしたら、この陽気な晴れ間に引き寄せられたのかもしれない。
互いに2、3歩近づけば触れられる距離まで近づく。鈍重に見せかけて素早く動くことを想定して、その位置で西切は止まる。相手は、ゆっくりと右腕を上げてそのまま振り下ろしてくる。重いが、動きが見えるその攻撃を片足を動かすだけで避け、隙だらけの背中に両手を添えてそのまま塀へと突き飛ばした。
尖ったクリスタルが塀に食い込む。だが、割れることはなく、変異体の身体についたまま塀から引き抜かれる。つまり、どうあってもこのクリスタルを破壊することは、なかなかに困難だということだ。それこそ、佐原のヘビーハンマーといった鈍器類で殴りつけるか、あるいは大口径の銃弾を叩きこむか。
ただ、まだ1つ確認したいことが西切にはあった。大口を開けてこちらにやってくる変異体の口に、思い切り槍を刺しこんでやると、ガツンと言う抵抗があった後、後ろへ倒れこんだ。貫通はしていない、しかし動きはしなくなった。
一陣の風が舞い、放浪者がサンダーボルトで一番乗りに到着した。何も言わず、西切と新たな変異体を見て、静かに頷く。
「あはは。倒せちゃいました。お騒がせして申し訳ないですー」
笑ってから、軽く舌を出して意味もなく西切は誤魔化した。
五百十一日目
高速道路の確保の任務については、本日で高速道路の料金所までの経路を確保することができた。後は、目的である高速道路の出入り口を確保して、今回の任務は終了となる。次の任務をどうするか、そろそろ考えておかなければいけないか。
後は、今日また新たな変異体の存在を確認した。身体中に赤い宝石のような棘が主に上半身から生えていて、頭部もその宝石でコーディングされたようになっている。何より、その宝石はかなりの硬度らしく、塀に叩きつけても割れず穴が開く程のようだ。
昨日林道さんから、相棒にどうも同じような宝石を渡されたという話があったことから、恐らく同じ個体か種類の奴とWWPが交戦して砕けたものなのだろう。少なくとも壊せない訳ではないようだが、戦ったと思われるWWPの奴が死んでいるあたり、かなりの弾薬を消費するようだな。
西切さんの話だと、動きは遅く、攻撃は殴りかかってきたそうだ。威力がどの程度のものかわからないが、棘が出ている部分に当たれば、そのまま突き刺さる可能性はあることを思うと、シンプルに厄介そうだな。
状況から、ゴーレムゾンビと類似するところが多いこともあって、その亜種だろうと言う結論は出ている。名称はクリスタルゾンビと、西切さんがつけた。
しかし、ゴーレムゾンビ系の有効な手段をもう少し検討しなければならないな。中は硬質化されてないようだから、口を狙うしかないのが今のところの見解だが、もう少し有効な方法がないか、だな。
1月15日
高速道路の確保について、最終目的地である高速道路の料金所まで進めることができた。後は高速道路の出入り口を確保、封鎖することで今回の任務は終了となる。ただ、この任務自体は本格的な高速道路確保の前の布石のようなものだ。確保そのものは、始まったばかりと言っていいだろう。
また、今日の探索に置いて新しい変異体と遭遇する。名称は発見した西切さんが付けたクリスタルゾンビ。赤い宝石を思わせるものが全身から生え、大多数は上半身に集中している。頭部は皮膚がそれに覆われている状態。動きは遅いとの申告で、恐らくはゴーレムゾンビの亜種ではないかと結論付けている。
その宝石のような部分は、ゴーレムゾンビの硬質化した皮膚よりも固く、生半可な攻撃は弾いてしまう。攻撃がするのであれば鈍器で戦うか。あるいは車両といったものをぶつけるという手段が効果的だろう。内部自体は硬質化していないようで、うまく口から内部を攻撃できれば一番手っ取り早いだろう。
それにしても、宝石に見える部分も元々は皮膚だとは思われるが、もはや人から変わったとは思えない変異だ。このゾンビ化は、一体何が理由で人がここまで変わってしまうのか。想像することすら難しくなってしまった。わかるのは、映画の様な単純なゾンビになるようなものではない。それだけだ。
ふと思ったが、このクリスタルゾンビの宝石部分。材質的な調査は必要だと思うが、あの硬度なら何かに利用できるのではないだろうか。素材として収集するのも、悪くないと考える。
山中沙奈 記す
ここのところ、DJフレンドには悩みの種があった。それは、ミーナと西村の関係についてだ。西村が何かしたとは聞いていないが、ミーナの態度が彼に対してぶっきらぼうというか、悪く言えばきつく接しているところが見受けられた。
西村が彼女を嫌っていると言う話は出ていないが、一緒にペアを組み警備をしてもらうなら、不和を感じられる状況にしておくのはまずい。2人の不和は、この隠れアジトの安全性を揺らがせることでもあるのだから。
「お悩みでございますか、フレンド様」
いつの間にか側にいたファイブキラーが、いつもの能面の様な笑みのまま心配してくる。いい機会だと思い、フレンドはファイブキラーから見た2人の関係を聞いてみると、おおよそ自分と同じような見解だった。
ただ、1つ違うことがあるとすれば、彼はヴァルキリーミラージュの追っかけとして、惨劇前のミーナの情報を知っているということだ。
「あまり、ご家族の仲はよろしくなかったと伺っています。憶測でございますが、そういったところでこの件関わりがあるのではないかと…」
フレンドは少し納得した。ミーナはあまり自分語りをしないが、その中で家族の話は一度も出たことはない。もし、ファイブキラーのいうことが正しいなら、西村を自分の父と重なるところがあり、条件反射のような形でそう接していることは考えられた。
近いうちに、ミーナにこの件で話ができるよう準備しておくことに、フレンドはした。
乙!
剥げる素材持ちとか、ますますファンタジーじみて来たな
各種カラーと、レインボーな奴とか居るのかな?
【宝石】
「しかし、これが本当の宝石じゃないのは残念ですねー」
「…見た目は綺麗だな」
「そうなんですよ。ある意味もったいないですよー」
「…しかし、何がどうなったらこんな皮膚になるのやらな」
「なんか、本当についていけなくなりましたよね。多種多様すぎるというか」
「…それがこのゾンビ化における、原因特定の情報にはなりそうだな」
「解ければいいんですけどね…」
「そうだな。今は、千護達に期待するしかないかもな」
「そうですねー…」
>>24
そして、今のところそれはダイス様のみぞ知る
>>25
ほのぼの2人。ただ、ダイス様はいいかえると予兆なしにクライマックス叩き込んできたりする。
>>26
1000オメです。まぁ、味方出そうかとも思ったんだけど、いつも通りダイス様にどんな奴か
決めてもらうのが筋になっちゃうからね。
>>27
回収組が増えたとはいえ、まだまだすぐに手を付けられないことばっかりだからねぇ。
>>33
色鮮やかな変異体ヒーロー、クリスタルゾンビーズ! っていうノリはできそうね。
乙
放浪者って西切の事は呼び捨てじゃなかったっけ?
料金所を経て、高速道路内に探索組は入る。国の動脈とも言えるそこは、予想通りというべきか、放棄された車体が多いのに加え、場所によっては事故を起こしているところもある。ゾンビの数は、冬時期ということもあって、それなりといったところだった。
手早く、出入り口周辺を確保する為に、メンバーを各自に分けてゾンビの処理を開始する。変異体の存在はなく、ゾンビの処理に置いて大きなトラブルが予想できない状況で、任務は進んでいった。
一通りの処理と制圧が完了したところで、山中と佐原を中心とした、高速道路の出入り口にバリケード敷設に作業は移る。バリケードの主体はそこいらに転がってる車両だ、それを並べ持ってきているロープを使い、固定していく。
使う材料にもよるが、バリケードの敷設についてはそれなりの音が発生する。その音にひきつられてゾンビが寄ってくるのもいつものことだ。ある程度処理したとしても、どこにいたのかわからないゾンビが近づいてくることが多い。その為、作業するメンバーと警備するメンバーに分かれる必要があった。
放浪者は今回警備の任務についていた。その手の作業は慣れているのだが、あえて言うなら気分が乗らなかったというべきか。あまり彼らしくない理由だった。彼も、そのことは自覚している。
「―――――ね!」
風に乗ったのか、わずかな音を放浪者は拾った。多分、これだなと何故か思った彼は、先に行くと横にいた一ノ瀬に告げてサンダーボルトで飛んでいった。
生存者は走っていた。乗っていた車は原因不明のエンストを起こし、エンジン音で集まってきたゾンビに包囲されそうになって飛び出したのだ。危険は承知で、ゾンビを轢き飛ばしてでもとあるところに向かおうとする計画はあっけなく崩れ、迎えたのは命の危機。
「なんでこうなるかね!」
してはいけないと十分理解したうえで、大声を出す。今更、ジャンピングゾンビにすら襲われているのに、何を気にしろというのか。そんな感情があった。
素早く骨を断つためのノコギリを取り出して、逃走に邪魔なゾンビを斬りつけて高速道路を進む。車両の陰に隠れたところでこの狭い空間では、いずれ追い詰められる。だから一刻も早く、インターチェンジにたどり着いて高速道路を離れ、都市に紛れようと足を動かしていた。
だが、この状態になってかれこれ数分は経過しようとしている。加えて、ジャンピングゾンビの飛びつきを避け、邪魔なゾンビの処理もしている。もう、息も絶え絶えになり、足もふらついてきた。そこを、狙ったように滑りやすい路面は生存者の足を取った。
前のめりの状態でやや滑って止まる。胸を打った衝撃で息は止まるが、意思の力で立ち上がろうとしてまた滑り、仰向けになった。ジャンピングゾンビがこちらに狙いをつけ、飛びかかる姿勢を見て焦って起き上がろうとする。だがそれが裏目になり、滑る路面に遊ばれ立ち上がれない。
ジャンピングゾンビが飛ぶと、意識がクリアになり、飛びかかる動きがスローモーションになる。生きる為の本能が、逆に恐怖を倍増させていく。もう間もなく自分に接触しようとする距離まで進んだ時、視界は何かに遮られ、強く風を感じた。
それが通り過ぎたのを感じて、襲ってきていたはずのジャンピングゾンビが空中から真っ逆さまに落下している光景が目に入り、生存者は何も理解できなかった。
その状態のまま、当然のようにサーフボードに乗った生存者が風を舞わせて降りてきて、静かに無事か、と聞かれる。生存者は強烈に感じた死による恐怖の感情の処理と、一瞬で起きた出来事の処理が間に合わず、その言葉さえも理解できなかった。
高速道路はトンネルに横穴があったり橋桁に検査用通路があったりするから色々隠れてそうだな…
五百十二日目
高速道路の確保については大方完了した。出入り口付近のバリケードを張り、ゾンビはそこから都市に侵入は出来ないようになっている。もっとも、事故なんかの影響で落下防止の柵が壊されているようなところもあるだろうし、モンキーゾンビといった類の変異体がいることを考えると、完全にとはいかないだろう。
(まぁ、開いた穴から落下する奴は、そのダメージで処理されることにはなると思うが)
さて、今日もまた女の生存者を拾った感じになったな。滑ってこけて、そこに襲い掛かろうとしたジャンピングゾンビにサンダーボルトで体当たりをかまして、先端に引っかかったのを落として何とかできた。もう少し、遅ければ今頃死んでるか、ゾンビ化した可能性が高いな。
名前は門日泊姚(もんび はくよう)というらしい。この世界でお目にかけるとは思っていなかった本物の医者だそうだ。持っている道具も医療器具類が主で、美尋が話した感じでも間違いないという判断だった。
後は話によると、ハンター経由だと思ったのだが、どうやらあのサムから話を聞いてきたようだ。生きているのか聞いたが、会ったのはそこそこ前の、二、三ヶ月ぐらいらしく、今はわからないと。
あまり戦闘を得意そうにしているタイプではなかったから、正直死んだと思っていたが、腐ってもミュータントということか。
しかし、医者という立場ならどこでも重宝されるはずが、なぜ一人で活動していたのか。まだそれは語られてはいない。覚が何かを伝えに来る様子はないから、大きなトラブルを抱えている人間ではないとは思うが、とりあえずは様子見だな。
命に危機に救いにくる放浪者かっこよすぎぃ!
門日にとっては運命の王子様じゃね?(
レポートNO.132
井門圭司
高速道路の確保は完了だな。出入り口からただのゾンビが来ることはねぇな。ここんとこの雪で、ゾンビはあんまいねぇと踏んでて、今日それなりの数を処理したことを考えると、放浪者さんが高速道路経由とかでゾンビが移動してるって説、あながち間違いじゃなさそうだったな。
今はあんまり影響ないかもしれねぇけど、春先とかだと今回やったことは意味はあるだろうな。むしろ、今の時期にやれてよかったってとこじゃねぇかな。
後は新しい生存者か。ここんとこ、生存者との遭遇が多いのが、ちょっと引っかかる。悪い意味じゃねぇんだけど、割と他の勢力も安定してきて、ゾンビの処理とができるようになって移動しやすくなってるとか。そう言うことなんだろうけど。
やっぱり、そういう移動しやすいってのは、安全性の問題があるからな。ろくでもねぇ勢力の連中が移動してくることも考えられる。WWPのこともあっけど、そういうとこも注意しとかねぇとな。
1/16 担当勝 朝
ようやっと天気も落ち着いたなー。
寒さも最近弱くなってきたし、これから暖かくなるかな。
担当喜読 昼
もうそろそろ1月も終わりになります。そうなるとは思います。
新しい方が来られました。山中さんと同じような白衣、少し汚れたものを羽織られてますね。
担当フェイ 夜
新しい人お医者さんだって! これで美尋ちゃんも楽になるね!(注射器の絵)
お医者さんが2人もいるから、何かあっても安心だね(十字マーク)
【ファーストコンタクト3】
「あはは、どうも。門日泊姚(もんび はくよう)っていうよ」
「…あぁ、無事で何よりだった」
「サムさんからいろいろ聞いてはいたんだけどねぇ。まさか、人が空を飛んでくるのは、ビックリだよ」
「…いろいろあってな。サムはしばらく前に会ったんだったな?」
「あぁ、そうだよ。3か月前後ぐらいかねぇ。東京に向かおうとしてたけど、難儀してたようだよ」
「…門日さんも、その周辺にいたのか?」
「うん。ちょっとね。神奈川にいたけど、ゾンビがここいらより多くてね。東京なんて、いくらいるのか。想像もつかないよ」
「…もっとも、この国で人口が過密している地域だからな」
「そんな場所に行くのは危ないって、サムさんを止めたんだけどねぇ」
「…身内がいるらしいからな。異国の地に居て、こんな状況だ。無事かどうかよりも、探したい気持ちはわからんでもない」
「……。あぁ、そりゃあ仕方ないね。とやかく言っても聞くはずない訳だよ」
「…さて、申し訳ないが今空いている部屋がなくてな。しばらく、この応接間に使ってるソファーで寝泊まりしてくれ。布団類は、後で持ってくるのと、何か私物を保管するものも用意しよう」
「ありがたいね。でも、いいのかい。見返りは要求しなくて」
「…ここに残る気なら、その内起きたトラブルで医者としての力は借りるだろうさ」
「そうかい。とりあえず、よろしくお願いするよ」
「…あぁ。じゃあ物を持ってくる。待っててくれ」ガチャ、バタン
「……。いろいろ、ついてないのが続いたけど、何とかたどり着けたねぇ」
「後は、ここではやっていけるか。それが問題だね」
「(何より、彼を見るとドキドキするよ。これがつり橋効果ってやつかねぇ)」
>>36
基本的には。ただまぁ、必ずしも固定とは限らないというか、>>1があんまり深く考えてない。
>>39
点検用の通路とかいろいろあるもんねぇ。何かしらはいそうよね。
>>41
じつは地味に、救出成功判定かけてるので、失敗したら門日さんこの登場で終わりもあったり。
そういう意味では運命の人やねぇ
乙!
また女性をドキドキさせてるw
くそ
山中さん早くしないと取られちゃうぞ
世界平定後のハーレムの布石か何かっすか?ww
乙
門日さんのプロフィールが知りたいのぉ
山中 元祖ヒロイン。もはや一緒にいるのが当たり前 でもドキドキしてるのは最近見ない
浜村 仲間意識の方が強い
アリス 実験台にされている
一ノ瀬 何方かと言えば妹枠
覚 おそらく尊敬してる人
ジェーン 保安官にゾッコン
くるみ 多分惚れてる。
西切 元々はそんなでもなかったが救出されてからドキドキしている事がある模様
平山 最初は苦手だったが最近ドキっとした事がある
フェイ アホの娘
ミーナ&ミーシャ 知らん
三間 放浪者に連れてこられた。恩人の意味合いが強い
喜読 一緒に月見たりロマンチックなことはしてたが不明
門日 吊り橋効果によりドキドキしてる。運命の人?
実に3分の1くらい放浪者にドキドキしてる模様
さり気なく三間が入ってて吹いたww
高速道路確保の任務も終わりを迎えようとしている。確保したエリアのバリケードの点検や補強、細かな探索作業を行い安全性を高める作業が進められている。そんな中、放浪者、一ノ瀬、門日の3人と、小間城と風虎が高速道路上を移動していた。
向かう場所は、門日がエンストにより投げ捨てた車。目的はその中にある置いてきた物資。彼女が言うには、無条件で拠点に居られるとは考えてなく、その為に集めたいろいろなもの、ということだった。
ただ、自分本位で拠点に来られるよりは、協力的な姿勢に放浪者は好感を持った。この世界では、協力しあうことが何よりも強力な武器であり、盾になる。それでなくても、今段階でまだまだいろいろな課題が拠点には山積みだ。誰かのわがままを許容できる余裕は、到底先の話になる。
「しかし、放浪者さんところは、興味深い存在ばかりだねぇ」
小間城と風虎に、好奇心と伺える視線を向けながら門日は言う。医者としての興味なのかどうかは、2人には読み取れなかった。
スッと門日が手を伸ばし、指差す。そこにあったのは中央分離帯に接触している車だった。高速で走らせてたら、エンストしてブレーキかけたら、横滑りしながらぶつかったと説明を受ける。そこまで大きな損傷はないことから、ぶつかる頃にはそれなりに速度は落ちていたようだ。状況を想像しながら、放浪者は車に近づく。
開けっ放しになっている扉から、中をみると何かが入っているであろうバックパックと、アタッシュケースが1つずつ。これが門日が言っていた物資だろうと、その扉から助手席に入って放浪者は手を伸ばす。
「あぁ、アタッシュケースはいらないよ。放浪者さんが望むものは入ってないからね」
手に取る前にそう言われて、バックパックを掴み直して門日に渡す。その場で中身に問題ないか、彼女は確認の為に開けて点検している。取り出されたのは放浪者にはよくわからない医薬品や医療器具。横で見ている一ノ瀬が一通りありますねと喜んでいる。
放浪者は不要と言われたアタッシュケースに目をやる。不要であれば、どうして車に積み込んでいるのかが気になったからだ。たまたま動く車の中にこれがあったとは思えない。なぜなら、彼には必要ないものと門日は言った。言い換えれば、門日には必要なものであったということ。その意図を確認する為、放浪者は彼女にアタッシュケースは本当にいらないのか聞いた。
「いつも、貰うには貰うんだけどねぇ。なんなら見て判断してくれればいいよ」
そう言われれば気になるのは人の性だろう。アタッシュケースを引っ張り出し、助手席に置いて開ける。タイミングよくというべきか、強く吹き付けた風が大量の札束を舞い飛ばした。
「自分の価値、みたいなもんかね」
物資を確認し終えたのか、チャックを閉じて背負いながら浮かべていた門日の笑みは、自虐的に感じられた。そのまま、アタッシュケースに近づいて彼女は蓋を閉じる。
「で、どうするんだい。焚火するにはちょうどいいとは思うけど、持っていくかい?」
放浪者はきっぱりと、いらないと断った。ほとんどないだろうが、今後必要になる可能性はあるとしても、この貨幣があることで起こりうる不和の方が、確率的には高いと考えたからだ。門日も、そうかいと答えてアタッシュケースをそのままにして、車のとびらを閉める。
「でも、この状況でこんな大金。持ってる人いるんですね」
一ノ瀬の疑問に、門日は軽く笑う。いるもんなんだよ、どうしてかねと自身も理解できないといったように答えた。だが、その彼女もまた、そのお金のことを自分の価値と答えている。つまり、あの札束に意味はあると考えていたことになる。
彼女が何を見てきたのかはわからない。話からすればいまだに金に狂った人間と接してきたことはわかる。このお金も、もしかしたら拠点のリーダーがそう言う人間に備えて準備していた。と考えるのが自然と言える。
「………、そういう目安でしか、計れない人間もいるのさ」
そして、その言葉は誰にも聞かれることはなく、舞い散る紙幣のようにどこかに消えていった。
五百十三日目
高速道路確保の任務は今日を持って終了した。今後のパラノイアとの戦いにおいて、布石を一つ用意できたということだ。とはいえ、まだまだ奴の戦闘能力を摘み取れている訳じゃない。WWPを追い払った力を考えれば、まだまだ用意周到に活動を進めなければいけない。
ひとまずは大きな任務はない。とりあえずはパラノイアが潜伏していると思われる大型駅エリアに隣接している、高速道路エリアと警察署エリアの制圧を進めていくことになる。ゾンビとはいえ、また死体の山が積みあがっていくと思うと、正直なところ気は滅入るな。
まぁ、そんな甘いことを言ってられる相手ではない。やれる限りやらなければ、今まで気づいたものを放棄しなければいけない可能性さえあるのだからな。
しかし、今日、門日から話が出た金のことだが、何らかの貴重品は持っていてもいいかもしれないな。行商の連中に使えるのは確かなのだが、もう一つは今後の拠点間でのやり取りでの取引材料になる可能性は十分にある。求めてくる連中は、正直ろくでもない相手が大半だろうが、敵対している訳ではなく交渉で取引できるならそれに越したことはない。
ただ、そういうのは慎重にやらなければな。前の時代の価値とは言っても、それに狂う人間が出てこない保証はないのだから。
一ノ瀬DIARY JAN.17
高速道路の確保は終わったよ。これで、ゾンビがこっちに来るのを抑えられるから、だいぶ楽になるんじゃないかな。でも、ゾンビが入ってくるなら、出ていってるのもいると思うんだけど、どうなんだろうね。
やっぱり、ゾンビも元々の行動パターンとかに沿って動いてるのかな。じゃないと、人がたくさんいるような場所にいるのが、説明できないもんね。家とかにあんまりいないのは、鍵とか開けられないからかな。
そうそう、門日さんの持ってる道具で、拠点の医療状況はかなり良くなったよ。話した感じも、ちゃんと医術のことがわかってる人だから、お医者さんで間違いないと思う。
そうじゃなかったら、あんな大金とかも用意してもらえないよね。でも、大金もらうなんてなんか漫画のお医者さんみたい。
回収組 進捗報告書 1/17 平山源子
活動範囲:
・商業区西エリアのアミューズメント施設のゾンビ処理
・商業区西エリアの物資回収
詳細内容:
商業区西エリアのアミューズメント施設のゾンビ処理
・アーケード周辺のゾンビを12体処理
商業区西エリアの物資回収
・食料及び建材に使用できる物資の回収成功
備考
・今回の任務で大きな成果は物資回収となる。
・シャワーの設置に伴い、役立ちそうなものも回収している。
・アミューズメント施設のゾンビは依然多数。予想通り長期化の予定だ。
・また、今後必要であれば佐田氏を回収組の活動に参加するよう依頼したい。
・この部分は、警備組のリーダーである浜村氏に相談予定。
【気苦労】
「ふぅ…」
「美弥ねぇ、どうしたんだ?」
「うん、ここのところ人が増えたからね」
「増えたのがよくないのか?」
「ううん。良くない訳じゃないよ。ただ、その分伝える言葉がより慎重にしなきゃいけないから」
「そんなもんかー」
「そんなものなの。放浪者さんは、あまり頼りすぎないようしているから、負担はそこまでないけれどね」
「そっか」
「けれど、いつ相談があるかはわからないから。皆さんには悪いけれど、動向は簡単に把握しなきゃいけない」
「大丈夫だと思うけどなー」
「えぇ、そう思ってる。だけど、そう簡単に終わられない立場だからね…」
「………」
【いろいろと】
「また人が増えましたねー」
「そうだけど、何かあるの西切」
「んー、何かってほどじゃないんですけどね。浜村さん的にはどうです?」
「面倒くさい。けど、人がいないといろいろとね」
「そうですよねー」
「ま、今度の人、編入されるなら警備組(うち)か回収組じゃない? 一ノ瀬ちゃんがもう探索組(そっち)にいる訳だし」
「ははは、そうですね。そうだといいんですけどねー」
「ん? 人増えない方がいいの?」
「あー…。もう結構な大所帯じゃないですか」
「そうね」
「うん。それぐらいしか考えてなかったですね。偏りすぎはダメじゃないかなぐらいのもんですよー」
「そ。警備組(うち)としてはその考えはありがたいわよ」
「ははは。でもまぁ、決めるのは放浪者さん達ですけどねー」
「ま、そこは考えてくれると願うしかないわね」
「そうですねー」
>>46
当人全くの自覚無し。
>>47
そこはいろいろノーコメントかなー。
>>48
放浪者は任務に意識いってるからそんな気はないだろうけどね。
>>49
ざっくり。
身長はやや低め、白衣の中は飾りっ気のない私服。髪は長くて三つ編みでまとめている。武器は骨ノコギリ。
イメージしようとした時に、艦これの龍驤が降ってきたから、多分胸はない。後、名前自体はとあるキャラクターのものを分解したり逆にしてるだけです。
>>50
おかしいな、三間がなぜか入ってるぞ。
>>51
右に同じ
乙!
龍驤がベース…
合法ロリか……胸が熱くなるな
風に舞っていった金「俺は自由だぁー!」
拠点に繁栄あれ
高速道路の確保も終わり、研究所に報告へ向かう少し前、放浪者は平山さんを呼び出していた。何の用だろうかと考える彼女の表情は、いつも以上に固いものだった。
呼び出されたのは放浪者と山中の私室。応接室に使っている部屋は、門日の部屋として一時あてがわれている為だろうが、いやがうえにも緊張は高まっていく。軽くノックをすると、放浪者が入ってくるよう指示されて扉を開けた。
中には放浪者と、山中の姿があった。出る準備を整えているのは一目でわかる状態で、話が終わればそのまま研究所に向かうところなのだろうと、平山は推察してから、呼び出した理由を聞く。
「…報告書は読ませてもらっている。単刀直入に言うなら、探索組を一時的に平山さんに預ける。あいつらの力なら、アミューズメント施設の探索も比較的進むだろう」
それだけだと、放浪者は告げる。そのことを聞いて、平山が探索組のメンバーには話は通しているのか尋ねると、ついさっきなと返ってきた。
探索組は、拠点内で言えばメインの部隊と言える。補佐の役割が強い回収組のリーダーが、指揮をするには重荷とさえいえた。例えそれが、今の目的を遂行するのに魅力的な提案だったとしても。
「今後も、同じように活動できるとは限りません。どんなトラブルが起きるかわかりませんから。ここまでの所帯になった我々が次に必要なのは、臨機応変な対応をするという強みを、身につけることです」
戸惑っている平山に、山中が放浪者の真意を代わりに答えて諭した。単純にアミューズメント施設の攻略を楽にするだけで、放浪者gあそういった提案をするはずがない。意図を理解できるほど放浪者に近い彼女らしい対応だった。
「…山中も今回研究所に行くことになっている。それで、指揮の補佐は井門が請け負うが、奴なら間違いはない。戻るまでの間だが、あいつらを頼む」
話すことは終わりといった様子で、放浪者はバックパックを背負い立ち上がる。まだ固まっている平山の方を叩いてから、外へと出ていった。
「放浪者さんは、こういったところは強引ですからね。お気持ちはわかります。ただ、それだけ平山さんに期待してると思ってください」
苦笑とも違う笑み、あえていうならわずかに困ったものが混ざる山中の笑みを見て、平山はわずかにだけ落ち着いた。
五百十四日目
高速道路確保の任務が終わったため、研究所へ報告に来ている。前回、アリスが山中も連れてきてほしいということで同伴してもらった。活動が止まらないよう山中さんを置いてきていたこともあり、なんだか久しぶりな気がするな。
報告による会議で得られた情報として、研究所の畑で起こっている病気はまだ解決していない様子だった。病気が広がっている様子はなかったが、まだ冬時期が続く今この状況ではかなり手痛いものだ。
ただ、悪い話ばかりではない。エクスの方でも新たなWWPの情報を仕入れていた。FPSP(FPS計画)、火器を有する遠隔操作可能な兵器を操り、敵兵及び施設の破壊を目的としたプロジェクト。まだ詳細は把握できていないようだが、車両系に武器を搭載してそれで攻撃を行えるまでには進んだもののようだ。
活動しているWWPがこの計画を抑えているかはわからないが、少なくとも無人兵器というのはゾッとするな。操作しているのが人間だとしても、名称通りゲーム感覚で使われたら、容赦はないだろう。それらしいものを見かけたら、破壊するに越したことはなさそうだ。
しかし、ここまで来てまだ新たなプロジェクトが見つかるとなると、このほかに何を行っていたのか。もはや想像もできないな。
今日は回収組の任務のお手伝いみたいだね。アミューズメント施設、なんだか久しぶりな感じかな。
いったん休憩。回収組がゾンビを少しずつ処理してたおかげか、そこまで大変ではないかな。
それにしても、平山さん、探索組を任せられるなんてなかなかの躍進ですな。
まー、自分も一応期待はされてるみたいだけど。いついなくなるかわからないからなぁ。
そう言う意味では、拠点の補佐として考えて動けてる平山さんの方が期待されるのは、仕方ないか。
それはそれで、ちょと寂しいかな。なんてね。
アミューズメント施設は、そこそこのゾンビは処理出来たかな。アーケード出入り口ぐらいは確保できた。
多分、明日も引き続きになるだろうから、アーケード自体抑えられる程度には進めたいなー。
1/18 担当佐田 朝
寒い。
このコタツも悪くはない。が、まだ改良できそうだな。(簡単な図面が書かれている)
担当浜村 昼
できれば、書く場所取るのは日誌は止めてほしいんだけど。
まぁ、この冬を更に快適に過ごせるなら歓迎だけどね。
担当蒲谷
うん、日誌だと自由に持っていけないからね。
後で僕が、ちょうど良さそうなものを持っていくよ。
スナイパーライフルのコッキングした際に、飛び出した排莢を素早く千護はキャッチする。狙撃ポイントとして選んだビルの5階から見えるのは、狙撃により頭を散らしたマッスルゾンビが倒れた姿だった。
ゾンビの多さから、今の都市は内部にさえ入れていない状況が続いている。アビスのことを思うとじれったいが、ゆっくりと着実にゾンビを処理していくしかない。ただ、それには厄介な変異体はどうしても貴重なライフル弾での狙撃を余儀なくされる。
この間のWWPの戦闘でもそれなりに消費している。放浪者達の行為で分けてもらったライフル弾と、元々持っていたライフル弾を合わせても、今では心もとない状況になっていた。ここいらで、弾薬の補給を当てにできるところはない。拳銃程度の弾薬なら比較的拾うことは多いのだが、それ以外の弾薬はやはり見つけづらい状況だ。
自分達の目的を果たすには、何かしらの支援が必要だ。手にした排莢を指先でクルクルと回しながら、どうすべきか考えていた。
「せ、千護。あれ!」
双眼鏡で周囲を確認していたロバートが指さす。スナイパーライフルのスコープで見ると、生存者が逃げるように移動しているのが見えた。
救護すべきかが問題だ。火器はあるがこちらは素寒貧、あまり物資を使ってやれる余裕はなく、相手がろくでもない可能性もある。ドライに考えるなら、見逃すのも一考だろう。
「わかってるよ、たく」
それは、子犬のような目で訴えてくるロバートのせいで、却下せざる得なかった。
助けた生存者はストークと名乗った。見る容姿では日本人に見える。本名じゃないのは気に食わなかったが、敵対する様子はないことで千護は良しとした。
「け、怪我はないかい?」
人の良いロバートは、相手を心配している様子を見せているが、助ける前に下手に近づくなと千護が釘を刺したおかげか。声をかけるだけで終わらせている。
「君は、防衛軍の兵士なのか?」
名乗った相手は妙に自分を警戒しているようだった。ロバートも含めてならわかるのだが、今聞いたことが警戒している理由なのかもしれない。慎重に、元はそうだと伝えてから、軍自体も当の昔に崩壊していると答える。
しかし、それでもなぜか、相手は警戒を解く様子はない。防衛軍そのもので疑っているのではないなら、何にと千護は思考を巡らす。
「ぼ、僕達は敵じゃないよ。ぞ、ゾンビ化の原因を探す為に、あちこちま、まわってるだけなんだ」
その微妙な空気の悪さを感じたのか、ロバートが口を挟む。ストークは交互に見比べてから、落ち着きたかったのか、近くにあった電柱に寄りかかる。
「わかった。助けてもらったお礼がしたい、ついてきてもらってもいいかな」
十分に罠の可能性はある。だが、近隣にいる生存者ならば後々のことで協力を依頼することも可能だろう。どうせ、今の状態では状況の早急な打破は難しい。それなら、周りの状況しる意味も含めてついていくことにした。
【ドライブ】
「………」ビュオー
「………」
「…落ちると危ないから、しっかりつかまれ」
「はい」ギュッ
「………」
「………」
「…車の方が良かったんじゃないか?」
「物資節減ですよ」
「…そうか」
「………」ギュッ
「…もうそろそろ研究所だ」
「わかりました」
【お留守番】
「(あー、かぜとらだー)」モコプル
「………」クー
「(ほーろーしゃと一緒じゃないの?)」プルモコ
「………」クビカシゲ
「(じゃあ、かぜとらはおるす番だね)」モコモコ
「………」
「(一緒にけいびするから、あっち行くよ)」プルプル
「………」クビカシゲ
「(早くおいでよー)」モコプル
「………」クッ
>>60
ベースというか、プロフィール言われて最初にイメージした姿がそうだっただけかなー。
>>61
おいらは前の時代の人間故、逃げることは許さん
>>62
拠点は今後どうなっていくのかねぇ…。
さて、思いのほかいろいろ展開したね。最近のダイス様の判定容赦なさすぎないかなー。
乙
放浪者の日記平山さんと山中さんがごっちゃになってるなw
山中さんはもうちょっと放浪者に甘えてもいいと思うんですよ(提案)
乙!
物資節減は本当に考えてただろうけど、ついでに密着大作戦も敢行できたみたいだなw
>>71
最後のギュッってのが甘えてるように見える
乙 回収組+探索組の成果が待ち遠しい
山中さんが分裂してる…w
アリスの研究室に珍しく山中の姿があった。普段なら、以前の職人や研究者のところに顔を出すのだが、今回は、アリスが彼女を指名して呼んでいた為、足を運んでいるところだ。
彼女を呼び出した当人だが、目にクマが出来てフラフラとしていて、おかしくなったのではないかという含み笑いをして山中を迎え入れている。当然ながら、山中は若干、いやかなり引いている。
「ふふははは、待ってたヨー、山中ー」
困惑しながらも、山中はアリスの状態を心配するが、当人はノープロブレムと奇妙なほどテンションが高い。話によると、ここのところ徹夜で研究に没頭していたようで、この状態も納得しないではない。ただ、まともに研究されていたのかに、一抹の不安を残す。
ふらつきながら、歩いていく先の部屋の隅、それなりの大きさの箱が用意されていた。注目するように指をアリスがそこに指すのを山中は見る。それを確認してから、アリスは箱を持ち上げた。
中には、奇妙な足が置かれていた。太ももの造形部分までは普通だが、膝の部分から足先にかけて、後ろの方にスカート状に広がっている。ここまで作られたアラクネシリーズから考えると、完全にロボットの足として作られている。
「私達にとってのCPP(戦闘義肢計画)からは外れちゃうけどネ」
名称はペガサス。ふくらはぎに当たるの後ろ部分に、ファントムバーストやフロートボードの技術が応用されたタンクがついており、空気を噴射することで素早い動きを可能としている。これにより、長時間ホバーで移動することも、通常より高く跳躍することも可能になった。
武器となる足は前面に3本ずつ装着されており、左右に刃状のもの。中央が従来の槍状のものを展開することで攻撃に使用できる。また、展開前の状態でも足先は尖らせた状態となっているので、そのまま蹴りつけても、当然ホバーによる推進の勢いを利用した蹴りを行えば、大抵の敵はダウンする。
「これでー、アリスの今日の役目、終わりだヨー……」
バタリと、その場に倒れたアリスはそのまま眠りについた。先ほどの狂気じみた笑みはなく、眠りにつけたことで安らかな表情になっている。その表情を見てから、山中はペガサスに視線を戻す。
自分達の本来の目的であった。自分と同じように四肢が無くなった人のための技術、それが、今は戦う為の道具として使われてしまっている。それは、やはり残念ではある。願わくば、使われなくて済む日が来ることを、山中は願うしかなかった。
平山は今日もまた圧倒されていた。探索組の実力の高さに対して。これまで探索組と回収組が共同で任務に当たったことはなく、昨日今日と目の前で見える光景がどこか現実味がなかった。
切り込み隊長を務める佐原、藍、錬浄の3人がゾンビに突撃して群れの切れ目を入れ、その間隙をついて井門、林道、西切が危険性の高い位置にいるゾンビを処理する。残ったメンバーで進撃しながら残党を処理していき、EVEは一時的な壁としてこちらに向かってくるゾンビを封じる。危険性は感じられない、まさしくゾンビは屠られるだけに存在しているようだった。
陣頭指揮は平山が執っているものの、その必要性がないのではないかというぐらい、探索組はチームワークに優れていた。チーム全体が個々の得手不得手を理解しているのは、この光景を見るだけでわかる。あれだけ人間を苦しめてきたゾンビが、きっちりと力を発揮できればここまでの圧倒できるという事実。それが、例えメンバーにミュータントなどが含まれているから、といった理由が平山には些細に感じられた。
ここまでの集団を作り上げた放浪者にも、畏怖の念をあらためて平山は抱く。一介の生存者と言っていたが、リーダーシップあるいはカリスマ性と、聡明な頭脳を持っているからこそ、出来ること。自分に、そんな資質があるとは思えなかった。
探索が終わり、彼女の心には虚無感の様なものが漂っている。アミューズメント施設はメイン出入り口となるアーケードまで確保できた、ということに喜びを覚えられない。
放浪者は自分に、何かあった際の代役になれるよう、期待しているといった。だが、まざまざと見せつけられた探索組の力と、想像させられた放浪者の能力の高さを前にして、応えられるとは、思わなかった。
「VR?」
世間話をしていたエクスから出てきた単語を、放浪者は聞き直す。VR、平たく言えば仮想現実であり、一時期オンラインの新たな技術として期待されたものだった。
「そ、トラブルが起きまくってとん挫したやつさ」
VRによる仮想体験は、一定水準を超えた時、人間はそれが現実か仮想か判別できなくなってしまった。VR利用中はライフコードと呼ばれる仮想現実と認識し続けるものも開発はされたが、仮想現実の魅力に取り込まれた人間が無効化して、そのまま意識が戻らず『取り込まれた』事例が多数発生。
また、社会性の欠如も大きなトラブルもあり、多くの国々ではVRは違法として扱われることになった。不遇な技術だ。
「だけど、ハッカーからすっと、これほど便利なものもないんだよな。ま、下手すっとウィルス扱い受けて、セキュリティソフトに脳みそ焼かれる可能性はあるけどよ」
天才の俺様にゃあ関係ないが、と一言付け足すのをエクスは忘れなかった。
「ただ、実はセキュリティとしてもVRは有効な訳よ。VR機器自体がちょっとした鍵みたいなもんで、脳波とかの情報がないと、不正接続扱いに出来る」
つまりは、WWPでも最重要な情報は、直接現地に自分が言って、VRでハックしないと手に入らないかもなで、話は終わった。
五百十五日目
研究所への報告を終えて、拠点に戻る。回収組についてだが、あのアミューズメント施設のアーケードまでは確保できた状態になったようだ。これで、平山さんの任務もやりやすくなっただろう。
また、相棒が新しいアラクネシリーズを装着していた。名前はペガサスというらしい。ざっくり言うなら、アラクネ版のフロートボードといったところか。アラクネの攻撃機構とタンクの噴射による素早い動きが可能になった。もともと、アラクネのネックは速度が遅いことにあったからな。良い改良だろう。
ただまぁ、この手のシリーズに共通するのが身体の感覚として慣れるまでが大変なところか。今までの形状とは大幅に異なっているし、それまでは相棒に無茶はさせられないな。
さて、これからの活動についてだが、まだ決まっていない。正確に言うなら、引き続き高速道路エリアの制圧作業は進めるが、それ以外の目的は決まっていないというところだ。ただ、淡々と処理だけを進めるのは、メンバーの精神衛生上よくはないだろう。
早めに任務として挙げられるものを検討しておかなければならないな。
1月19日
研究所より新しいアラクネシリーズの手配があった。名称はペガサス、従来のアラクネシリーズに空気による噴射機構を設け、その推進力で高速での移動を可能にしている。元々あったアラクネシリーズに共通する、動きが遅いという問題を解消した形になる。
ただ、やはり新しい取り組みがなされたものであるため、手足のように動かせるようになるまでは、しばらく時間がかかりそうだ。思えば、放浪者は初期のファントムバーストを少しの鍛錬で使いこなしていたが、彼の適応能力の高さには驚くばかりだ。
ペガサスについては、基本的に探索へ赴く際に着用する予定だ。日常生活での利用を想定していない装着具である為、その分の不便がある。手間だが、こればかりは仕方ないことだ。
しばらくの間はペガサスの動作に慣れる為の鍛錬が必要になる。慣れれば、今後の活動に役立つのは、間違いない。それを考えれば、避けては通れないことだ。
山中沙奈 記す
「入るぞ」
ぶっきらぼうな声で、応接室の扉が開けられた。中に入ってきたのは佐田だった。いつも通り不愛想な態度だった。何か用かという門日の問いに、返ってきたのは部屋から出ていくよう言われ、彼女は意味を理解できない表情をした。
「ふん。私は喜読という女と同部屋だ。正直、落ち着かん。お前さんがそこに行け」
空き部屋の関係上、仕方なく喜読と佐田は同室で生活を共にしていた。拠点を拡張次第、佐田に新しい部屋をあてがわれる予定だったが、その前に門日がきてしまった状況になる。
彼なりに考えて、それなら門日と喜読が一緒の方がいいだろうと判断して、誰にも相談せず単刀直入にそれを彼女に伝えたというところだ。
「でも、いいのかい。ソファーだからベッドに比べたら休まらないよ?」
だからどうしたと返されて、彼女は言葉に困っているのを無視するように、さっさと行けと佐田は急かす。結局のところ、しっかりとした部屋に代わってもらえるということもあり、門日はそそくさと私物などをまとめて応接室を出ていった。
「ふん」
ゆっくりとさっきまで門日が座っていたソファーに腰かけてから、佐田は煙草を取り出して咥え、火をつけて紫煙を吐き出した。
「ストーク、やはりあなたは馬鹿ですか」
開口一番、ストークが案内した場所にいた女性が放ったのはそれだった。その後、2人を品定めするように一瞥してから、わざとらしくため息をつく。
「どうぞ、今のところ追い出しはしませんよ」
その後は興味を無くしたように、デスクの上にあるパソコンをいじったり、資料を読み始めた。一応の許可は出ている、ビクビクしている様子のロバートに対して、千護は顎で中に入るよう指示し、その彼の後ろについて一緒に中へ入った。
「あー…、そうだな、アイビスのことは気にしないでくれ。いつもあんな感じだ」
その態度にほとほと困っているのは、態度でわかる。とりあえずは、こちらを気にする様子もない。千護は気にしないことにしてストークと話を始める。
自分達のこれまでの経緯とストーク達に関して。だが、そのことを触れようとするとアイビスがストークを睨みつけ、なかなか話が進まない。
「そんなにこの男から話をさせたくないなら、あんたが説明したらどうだい?」
苛立ちはある程度は表面に出さず、アイビスに答えるよう要求する。ジッとにらみ合いが千護とアイビスの間で続き、口を開いた言葉はただの生存者とだけだった。
「なら、あんた達が何をしてきたか聞いても、問題ないって訳だ」
ご勝手にと会話を断ち切ったのを了承と取り、千護はそのまま自分達のことを話すようストークに催促した。
【できるけれど】
「…新しいアラクネシリーズか」
「はい、ホバー推進が追加されてます。フロートボードと原理は同じそうです」
「…どうする? 帰りは練習がてらそれで帰るか?」
「うーん。そうですね…」
「………」
「できれば、即実践よりも拠点に戻ってから練習しようかと思います」
「…それもそうだな。行こう、掴まれ」
「はい、失礼します」ギュッ
「…出すぞ」ボシュ、スイー
「………」
「………」
「………」ギュッ
【事後報告】
「門日と部屋を入れ替えた。ではな」
「は? え? いや、待ちなさいよ佐田」
「なんだ?」
「入れ替えたって、どういうことよ」
「私が応接室に寝る。それだけだ、浜村」
「それって、放浪者の許可取ったの?」
「取るまでのことか?」
「いやいや、あんたねぇ…」
「まぁまぁまぁ、浜村君。これは佐田さんが好意でやったことでだろうか」
「好意? どういう意味よ」
「ほら、佐田さん、喜読さんと相部屋だったからね。うん、それもあるし、女性をソファーで過ごさせるのはまずいと思ったんじゃないかな」
「……、そうなの?」
「ふん。想像に任せる」
「あ、佐田さん。シャワーの件、詰めるのに後で伺っていいかな。うん」
「あぁ……。じゃあな」
「ったく、怒られなきゃいいけど」
「大丈夫じゃないかな。まぁ、あの人は不器用だからフォローはいるかもしれないけど、うん」
「へぇ。あんたがするの蒲谷」
「必要とあればね。うん」
>>71 >>73
多分甘えてるよ!
>>72
きっと偶然じゃないかな!
>>74
こんな感じに、わりと進みました。
>>75
スライムのごとく…。いや、スライム分裂するか知らんけど。
とりあえず訂正やでー、いろいろたらん。そしてまだまだあるんだろうけど、もう寝るです。
>>63
×単純にアミューズメント施設の攻略を楽にするだけで、放浪者gあそういった提案をするはずがない。
○単純にアミューズメント施設の攻略を楽にするだけで、放浪者がそういった提案をするはずがない。
>>64
×高速道路確保の任務が終わったため、研究所へ報告に来ている。前回、アリスが山中も連れてきてほしいということで同伴してもらった。活動が止まらないよう山中さんを置いてきていたこともあり、なんだか久しぶりな気がするな。
○高速道路確保の任務が終わったため、研究所へ報告に来ている。前回、アリスが山中も連れてきてほしいということで同伴してもらった。活動が止まらないよういつも山中を置いてきていたこともあり、なんだか久しぶりな気がするな。
再訂正じゃないですかやだ~
>>64
×高速道路確保の任務が終わったため、研究所へ報告に来ている。前回、アリスが山中も連れてきてほしいということで同伴してもらった。活動が止まらないよう山中さんを置いてきていたこともあり、なんだか久しぶりな気がするな。
○高速道路確保の任務が終わったため、研究所へ報告に来ている。前回、アリスが相棒も連れてきてほしいということで同伴してもらった。活動が止まらないよういつも相棒を置いてきていたこともあり、なんだか久しぶりな気がするな。
乙!
新アラクネシリーズの形、ジオン系機体の足みたいだなw
乙!
なんか色んな人の色んな感情が動きまくった1日だったな、覚が大変そうだ
佐田さんとか人とか増えてきたし部屋の人員配置を見直した方がいいんじゃないかなー
平山さんはかなり優秀な方だと思うが、いかんせん比較対象が神(ダイス)に愛されすぎてる
良くも悪くも平山さん生真面目だからなぁ
重圧に押し潰れなきゃいいが
>>86
うん、1もイメージはドムとかゲルググあたりの足のイメージです
>>87
覚は大変ね。なまじ人間の最も特徴的な脳みそが強化されてる分、理解できるから。
人員配置ねぇ。するとしたら組ごとの分けになりそうだけど
>>88
平山さんもレジスタンスの影を嗅ぎつけたり、メンバーから見ても功績挙げてるからね。
まぁ、比較対象はそれ以上に化けもんな活躍ぶりだからねぇ…。
>>89
真面目ゆえの悩みだからねぇ。プレッシャーを跳ね返せるかは、ダイス様のみが知っている。
さて、昨日は酒飲み、今日もちょいとこれから用事です。何もなければいつも通り
深夜に更新予定だけど、なかったら察してください。
乙!
酒もこのSSの血の一つでしょう
五百十六日目
今日から高速道路エリアの制圧作業を開始した。制圧はすでに確保が完了している、制圧作業については、拠点側、つまりエリアの入り口から行っていく。本来なら、パラノイアの戦力を削ぐため、大型駅エリアに近いところから開始すべきだろう。しかし、パラノイアと一線を交える時に拠点が手薄になるのは事実だ。
奴も、拠点のことは認識しているだろう。もしかすれば逆手に取られる可能性を考えると、全体的に処理した方が確実だ。それに拠点の安全性を高めておくことは、結果的に俺達の生存率を上げるに繋がる。それは言い換えれば逃走ルートが確保しやすいということでもあるからな。
もちろん、パラノイアだとしてもゾンビを操れる範囲には限界はあるだろう。ここは憶測だが、ある程度の行動パターンをもしパラノイアが植えつけられるとしたら、操作してなくてもゾンビを拠点に送り込める可能性は高い。
支配下には置いてない為、全てが全て拠点へ向かうということはないだろうが、百体に対し、そうだな三割でも到達すれば、拠点がやられる可能性は出てくるだろう。奴からすれば分の悪い賭けではないはずだ。それに、一体でも変異体がたどり着けば、残るであろう警備組のメンバーでは、勝ち目は薄い。
ただ、最近やってきた喜読さん、佐田さん、門日さん。各自の戦闘力は計れていないところはある。少なくとも、一人で放浪をしていた人間達だ。少なくとも、戦えないということはないだろう。いずれ、そう言った部分の把握も必要になってくるだろうな。
レポートNO.133
井門圭司
今日から高速道路エリアの制圧作業が開始。まぁ、やること自体は高速道路を抑えに行く時とあんまり変わりねぇかな。どっかに目的あって移動してないってだけだ。
さて、ここのところ新しい生存者や新しい変異体がちょこちょこ見つかるようになった。周りも又、いろいろ動き出してるってことだよな。
例えば、回収組と佐田さんだと今までいた勢力のやり口が気に食わなくてって出てったりとか。あとは、なんだかんだ言っても門日さんとか、これまた回収組もそうだけど、俺達の情報を聞いて集まってきたりとか。これって最初の頃、なかった話だと思うんだよな。
まぁ、放浪者さんは一ノ瀬がいた勢力のやり方じゃあダメだってわりと早く出ていったらしいけどな。あの人は判断早いし、惨劇の初期のころから1人で動き回れるとこ見ると、やっぱ当時から強かったんだろうな。
なんせ、初期の頃のゾンビは、スプレーゾンビに強化された奴らばっかみたいなもんだった。その意味でも、勢力に加担しないってだけで、よっぽど豪運か、強いかのどっちかは保証されるな。
ま。放浪者さんは、どちらも、といえそうだけどよ。
1/20 担当勝 朝
ポカポカ陽気、あったかい。
結構人集まったし、俺も探索組とか回収組に行きたいなー。
担当浜村 昼
人員の余裕は確かに出てるけど。あんたは出せないよ。
覚ちゃん、どうすんのあんた。
担当平山 夜
確かに、勝殿は覚殿の世話係の役目もあります。
苦であるとは思いませんが、勝殿が外に出るなら、代役が必要になるのは事実です。
【EVE4】
「沙奈様、提言がございます」
「何でしょうか」
「現在、イージスの盾を所有させていただいております」
「はい、そうなりますね」
「ゾンビの大群の侵攻を食い止める。それには非常に有効なものです」
「えぇ」
「ですが、最近の傾向を見ますと、生存者の方の交流が多くなっています」
「EVEの言う通りですね」
「その交流を持つ生存者が、友好的とは限りません。その場合、今のイージスの盾は有効とは考えられません」
「そうですか。EVE、貴方はどう考えているのですか?」
「現状、この盾を半分にしたものを、2つ所持出来れば、ゾンビの侵攻を抑えつつ、生存者にも対応できるイージスの盾になるのではないかと考えます」
「なるほど。提言、ありがとうございます。検討しておきましょう」
「畏まりました」
乙!
また風邪引いちゃったんだぜ。>>1さんは気を付けてるかい?
ふと思ったんだが覚の能力はEVEに対してどこまで有効なんだ?
やっぱロボットは有効範囲外?
>>97
ぼちぼちね。
>>98
基本的には読めない。造語的に言うなら、覚が電子思考を理解できれば
読み取れるようにはなるだろうけど。
さて、すいません。ちと眠気に勝てそうにないので、今日は寝落ちします…。
明日も微妙に用事あるんだよなぁ。
100get
五百十七日目
高速道路エリアの制圧作業は順調に進んでいる。主要な移動経路ということもあり、ゾンビの数も他のエリアに比べれば多い。その意味では、なかなかの重労働だな。その重労働分の対価があると願うしかない。まぁ、もちろんゾンビの数が減ること以上に望むことはないのだが。
ただ、順調なのも少し考え物だな。行っている任務の性質というのもあるが、普段よりも疲労が出やすい状態になっている。いつもより休みの検討を早めにすべきだろうな。でなければ、任務に支障が出る可能性の方が高い。もっとも、今日は吹雪の中だったというのもあるだろうが。
それに絡む話として、やはり相棒は新しいアラクネシリーズに苦戦しているようだな。元々の仕様から大幅な改修が入っているし、仕方ない事ではある。まだ現時点では、元々の相棒の力さえも発揮できていない。
ただ、今までのアラクネシリーズの戦闘能力にフロートボードの様な素早さが加われば、その力は飛躍的に向上されるのは間違いない。それこそ、脅威という言葉で表現できるほどのものだと、俺は思う。皮肉にもWWPの関連するプロジェクトだけはあるということだ。
いつの日か、そのプロジェクトの遺物を使わずに済む日は、来るのだろうか。
一ノ瀬DIARY JAN.21
うぅ、また吹雪いちゃったよ。ここのところ安定してたから、もう大丈夫かなーって思ってたのに。まだまだ冬は終わらないのかな。
あと、フェイちゃんが平山さんのことで相談しに来た。なんでも、この間の探索組と回収組の合同での任務から、平山さんの様子があんまりよくないみたい。身体の調子が悪い訳じゃないらしくて、かなり心配そうにしてた。
うーん。あの時平山さんが誰かとトラブルになったなんて聞いてないし、誰かともめるなんて想像もできないからなぁ。
いつも、淡々としているというかクールなタイプの人だから、そんな様子には見えなかったけど、今度もうちょっとお話してみようかな。
本当にまずそうだったら、放浪者さんにも話さないと。
フェイが一ノ瀬と話をしてから自室に戻ると、平山が机の前でぼんやりとしている姿があった。いつもはテキパキとした様子で書類をまとめている彼女が、言ってしまえばふぬけた様子を見せるようになったのは、やはり探索組とのアミューズメント施設の探索からだ。
あの任務からそんなに日にちも経っていない。だからこそ、こんな様子を見せるようになった平山を心配するのは、当然ながら同室で過ごし、一番付き合いの長いフェイに他ならない。
邪魔にならないようにフェイは移動して、ベッドに腰かける。そのことに平山は気づく様子はなかったが、重々しいため息を履いてから報告書を書き始めて、筆が進まずまた止まってしまった。
「平山さん、飲み物持ってくるス?」
驚いた様子で平山は振り返り、フェイの姿を見て、少しばかりホッとしたような顔をしている。本当に、フェイが部屋の中に入ってきたことすらも、気付いてなかったようだ。
「すまない。驚いた。そうだな、飲み物、何でもいい持ってきてくれるか?」
当然断る理由がないフェイは、喜んで取ってくるとまた部屋を出ていく。そこまでの様子を見てから、平山は天井を仰ぎ。
「どうやっても、探索組と同じぐらい遜色ない活動結果は報告できそうにない、か」
求められている部分が、そこにある訳ではないことを、彼女も理解はしている。しかし、明確に期待を応えたといえるものが必要だった。自分の為に。
【ピースメーカー】
「やれやれ、こうも寒いとやってられんな」
「お疲れ、保安官(シェリフ)」
「おう、ありがとよ」
「今日はどうだったの?」
「いつも通りさ。ゾンビを処理して、酒やら探してだ」
「ふふ。お疲れさま」
「やれやれ、しっかしいつからここは雪国なりやがったんだか。こんな雪降る地域じゃねぇんだが」
「そうなんだ」
「そうなんだよ」
「ふーん。あ、保安官はなんで保安官になろうと思ったの?」
「ん? さてな。あえて言うんだったら、憧れみたいなもんだろうさ」
「自分のことなのにわからないの?」
「はっは。自分のことなんて、自分が一番よくわからんもんさ」
「そうかなー」
「いずれ、わかるかもな。じゃあ、飯だ飯」
「あ、うん。待っててね」タタタッ
「…真似することが、救いになるたぁ思っちゃいねぇさ」
乙!
渋いねぇ、おとん
保安官、その格好は友達絡みだったのか?
しかし、平山さんやっぱりクソ真面目だな。こういうとき気付いたりフォロー出来たりする、心の機微に聡い人が少ないのは拠点の数少ない弱点だな。ジャンアントスパイダーの時の井門を見る限り放浪者も苦手だし
そこで覚の出番…と言いたいがあんまり頼りすぎるのもねぇ
五百十八日目
高速道路エリアの制圧は進んでいる。今日は一転しての晴天、昨日の吹雪が冬の最後の抵抗だと思いたいところだ。もうそろそろ、雪と付き合うのはしばらく勘弁してもらいたいからな。
その意味で、千護達は無事に目的地へたどり着けたのだろうか。出発した時点でほぼ冬時期だったはずだからな。移動するのには実際適してはいない。以前の中継基地の報告依頼、二人からコンタクトがあったという連絡もなければ、サポートチームでキャッチしたという情報もない。
最悪、死んでいることも考えられる状況だ。千護が、というよりはロバート絡みだな。奴の知識は、恐らくゾンビ化を解析する為のに役立つだろうが、あの気弱な性格はトラブル時に危険を招く可能性は高い。もちろん、そうなっていないことを望んでいる。
もし、二人がその活動を継続できなくなったなら、拠点で引き継ぐことになるだろうな。そうなった場合、それができるようになるのは、かなり先のことになる。
だが、そんな未来はこないだろうと、なぜか思っている。確証も何もない、言うなら勘の部類。いや、それとも違うな。正しくは、希望だ。拠点にとってだけではなく、生きる者すべてにとって。
今日はなんだかんだでいい天気です。積もった雪に反射する太陽の光、それを踏み荒らす私達とゾンビってなもんかな。
作業的にはいつも通りかな。どっちかと言ったら、昨日の方が進んでるけどね。我々はいつの間にか、雪にすら適用したようです。まる。
それにしても、山中さんのペガサスの本当に兵器っていう感じだなぁ。
超高速で接近して、強烈な近接攻撃を浴びせる。普通の人間じゃあ、避けられれば良いみたいなレベルだよね。
あたしも避けられる気がしないかな。山中さんが慣れなくてまだあの程度の強さってことだから。
後、白衣がはためく姿は確かにペガサスっぽいかもしれない。
あんな風に強化されるなら、あたしも何か欲しいかな。
とりあえず強力な弓が欲しいな。
1/22 担当喜読 朝
本日は晴天、しばらくまた良好な天候が続くことを祈る。
現時点以上なし、引き続き警備を続行
担当蒲谷 昼
喜読君も、警備が板についてきたね。
話は変わるけど、ここのところ平山君の様子がちょっと変な気がするかな。
担当フェイ 夜
うん、最近ちょっとぼーっとしてる。
どうしたのか聞いても答えてくれないから、なんでかわかんない。
【敵か味方か】
「しっかし、あいつらは何が目的で、ここにいると思う。ロバート」
「す、ストーク君達のことかい?」
「それ以外誰がいるってのさ」
「は、話した通りじゃないのかな。物資収集でしばらく留まってるっていってたよ」
「はん。んな訳ねぇだろ。もしそうなら、通してくれたところは雑然としてはいたが、端末も電気もありやがる。それ以外に入れる場所が各自が寝る部屋だとしたら、豪勢な話で済んじまう」
「うーん。た、確かに千護が言う通りだね」
「それに、どうして偽名なんざ使いやがるのか。まぁ、放浪者みてぇな理由ならわかっけどよ」
「ま、ますます。不思議だね」
「なんかあるのは間違いない。が、それが私らにとって敵対するかどうかってとこだけど」
「うん」
「それがわかりゃあ、苦労はしねぇか。しばらくは様子見だ…。あぁ、1つだけわかってるのはあんな」
「な、なんだい?」
「アイビスの野郎はむかつくってことだよ」
「は、ははは」
>>105
保安官もなんだかんだでハードボイルドだからねぇ
>>106
その意味が明確になるのはいつかなっと。
放浪者もなんだかんだで、そういうとこは不器用だからねー。メンバー思いの強い、良いリーダーだけど。
>>107
そうだねぇ。放浪者もできる限り独自解決で頑張ろうとしてるからいいけれど。
はてさて、そういう考えが、今回の山中さんにどういう結果をもたらすやら。
乙!
ペガサスって無茶苦茶運動神経要りそうだけど、山中さん、その辺どうなんだろ
精神面で言ったら一ノ瀬も微妙に心配だな。お医者さんが加入したから、戦闘でも医療でも役に立てないとか気に病みそう。まあ、その辺は探索組と警備組で別れたり、そもそも医療行為自体人手がいる場合があるから問題ないか
>>113
ある程度は、自身の身体として誤魔化せるところはあるだろうけど。
自分の身体が高速状態で特殊な足で攻撃するのはセンスいるだろうね。
山中さんはそこが試されることに。
>>114
一ノ瀬は不幸気質でわりとタフだから大丈夫じゃないかなーと。
あと、あっけらかんな天然だから、実は思い悩む気はあんましない。
まぁ、言う通り、悩んだとしてもどうとでもできる部分だからね。
さて、今日からしばらく家族サービスせなあかんのでもう寝ます。
9時出ってなんやねん・・・。
どうもです。最近停滞気味だったWIKIをいくつか更新済みです。
しかし、登場人物だけで60人強ぐらい…。一応、拠点の人間が直接かかわった、
または情報を得た人間だけが出てる感じではあるからまだいたりはするけども。
というか、SSで出る量じゃないね。うん、>>1の無計画というかダイス様の
もてあそびというか。
今日含めての2日間、外出回りまくって昼寝もしたけどまだだいぶだるいです。
本編の更新は、体力戻ったらやります・・・。 orz
乙乙
まぁ、情報量めちゃ増えてきたし情報まとめる&お休み期間作っていいのよ?
お疲れ様
最近見たザ・バッテリーっていうB級ゾンビ映画が、いい感じに退廃的な世界観な映画だったから休息がてらに見てみたらどうかな、うん
>>117
ふははは。そんな時間があったのに二日連続寝落ちとはな!
>>118
ふむ。余裕があったら見てみようかな。
コメ返だけで勘弁しておくれやす。あぁ、>>1は長めに休むときは言います。言わないのは大抵酒か寝落ちです。
ハロみたいのなら研究所でも作れるのかな?
日記を書ける人間がいなくなったら終了的なルールがあったからもしや全員即死したのか…
なんてことを考えてる
き、きっとお酒の誘惑だから(震え声)
『そして貴方は最後のページを読み終えた』
貴方はここに残された物資を利用して、大量に残されている記録を読んでいた。規模は大きくはないが、この場所に残されたものは、この世界を生きる貴方にとって信じがたいものだった。このままこの場所を根城にしても生きていくことは容易いだろう。問題は、貴方は1人だ。全ての維持は難しいだろう。
それに、貴方は今まで読んできた情報は半信半疑なところは拭えなかった。変異体と言われるゾンビの姿は、流石の貴方も見てきたが、ミュータントと呼ばれる存在は見たことがない。WWPについては、確かに何度か軍のものと思われるヘリコプターが飛んでいるのは見たことがある。何度か助けを呼び掛けても救出はしてくれたなかった。
ここにある情報は真実かはわからない。しかし、嘘というにはその量は膨大であり、筆記も文章の書き方も違う複数の人間が共通して書かれているもの。それらがすべて嘘と片付けるには難しい。だが、何より気になるとすれば、ここまでの強力な集団がなぜこの場所から消えているのかという事実だ。
新しい、移住するにはいい場所があったのだろうか。側にある都市も、いくつかのバリケードが張り巡らせていたが、同じようにほとんどゾンビの姿は見えなかった。話に出てきたパラノイアという存在は、ここの人間は倒すことができたのか。
首を振る。貴方にとっても荒唐無稽すぎる話だった。各々の能力が強化された変異体は多数いるが、操るといった類は見たことがいないし、考えたこともない。それが出来てしまえば、もはや自分達が相手をしているのは、ゾンビですらない何か、そうミュータントという存在を認められるわけがなかった。
ここまで必死で、貴方は今日まで生き延びてきた。それこそ、罵倒されてもおかしくないことも少なからず手を染めたこともある、最低限の自尊心の元で、最悪ギリギリのところ、自分にとって守らなければいけないことは順守してきたつもりだ。
そんな貴方に、今機会が与えられている。この情報通りの集団だとは思うが、彼等の置き土産であろうこの場所で根を下ろすか。あるいは、引き続き生きる為の放浪の旅を再開するかの、いつも通りの2種だった。
残ることは非常に魅力的だ。まだ畑には収穫前の野菜が残っている。わずかだが、缶詰などの物資も確認しているのと、電気も電灯程度なら使える状態だ。記載にあったお風呂が入れる施設も壊れた様子はなく、ゾンビの数もほとんどいないと言っていい。この世界において、必要最低限の文化的な生活は望めそうだ。
そして何より気になるのは、そこまでの環境に持っていった場所を放棄するような事態ということだ。貴方はそのことを思うと、身の毛がよだつ様な感覚がした。この感覚にはいつも助けられてきていた。貴方はそれに素直に従うことにする。
貰える物資だけは回収して、貴方は拠点と呼ばれていた場所を去る。見た目通り、誰かが居そうな佇まいとは裏腹に、そこは張りぼてだった。
争いの痕がないことを思うと、素直に移動をしたと考える方が無難かもしれない。貴方はよだつ感覚を払う為に、あえてプラスに考えることにした。でなければ説明がつかない、その無知という恐怖に包まれるのを本能的に恐れたからだ。
夕日が向こう側に沈もうとしている。ある程度の危険は承知だが、貴方は都市へと足を進めた。本来なら危険だが、その人物たちのおかげで都市にゾンビはほとんど見受けられない。下手に郊外へ出て身体を休められる場所が見つからない方の可能性が高く感じられたからだ。
また1人、貴方という放浪者が都市の中へ潜っていく。その先で生き延びられるかどうかは、誰もわかりはしない。そして、各地に残された日記(じょうほう)を読んでも、結局は予測しかできない。
貴方達は放浪者、この世界を歩み、そして生き延び続ける者達。
>>120
多分、EVEの人口知能解析すればすぐかと。まぁ、ロック&サーチの簡易AIを進化させるとか
>>121
うん、初期の頃のルールやね。これ、実際のところ>>1が途中で投げ出さないためのものだったりはした。
(明らかその日書いてる余裕ない展開時は演出として使えたけどね)
>>122
あー、今はどっちかっていうとRIMWORLDってのに時間盗られてるかなぁ。あと寝落ち。
まぁ、これ日に使えそうだったから買ったよ
>>123はわかってると思いますが本編関係ないでや。幕間だからね。昔>>300ぐらいでいろいろ人が
コロコロ変わって最後にこう落とそうとした奴です。
てか、数日開けただけで思ったように書けなくなってたので、とりあえずリハビリまで。明日こそは
更新せねば。
>>123の訂正。リハビリでこれはアカンね。
×何度か助けを呼び掛けても救出はしてくれたなかった。
○何度か助けを呼び掛けても救出はしてくれなかった。
放浪者が一人で逃げ回ってた時期が懐かしいな……
当時はどれくらい続くのだろうと思ってたけど、続くどころか怪我らしい怪我もほとんどしないんだもん、ある意味一番の化け物だよなぁwwww
五百十九日目
高速道路エリアの制圧作業は順調に進んでいる。かなり長期的な期間を予定している任務だが、もしこの調子を維持できればかなり早い段階で終わらせることができるだろう。冬時期は厳しいにしても、このまま春に近づくにあたってやりやすくはなるはずだ。もっとも、雪によってゾンビも同様に行動は阻害されているのだから、自由に動き回れるようになる部分は注意しなければいけない。
この日記を書き始めるようになってから、二度目の春を迎えるということになる。嬉しいかと言われれば、その実感はないという答えになる。今の俺にとって、時間は任務遂行における経過にしか過ぎない。メンバーの為にも、自分の目的のためにも、生き延びることは何にせよ大前提だ。
だが、そうだな。可能であれば、一度ゆっくりと桜を眺めてみたいものだ。確か、以前の探索の際に見かけたような気もする。すでに確保しているエリア内だといいのだが。
後は水の確保の機会も少なくなる。雪が残るうちに多めに確保しておかなければいけないな。そのついでに、拠点の拡張を含めたバリケードの移動と、新たな建物の整備も必要か。そもそも佐田さん用の自室を与えられていない状況もある。明日辺りにでもいったん着手した方がいいかもしれないな。
1月23日
高速道路エリアの制圧は問題なく進んでいる。むしろ予定よりも早い進捗と言える。この調子で、大型駅エリアに隣接するエリアのゾンビを、少なくとも8割程度は減らしておきたいものだ。
ただ、当然持っている武器や道具でその量を処理するというのは現実的なことではない。この制圧作業で、メンバーの負担も大きくなっているが、使っている道具の摩耗も進んでいるのは間違いないだろう。
全体的に、ここの武器や道具のメンテナンスは行っている。だが、ここまでの間で蓄積してきた道具への疲労を誤魔化せるものではないだろう。一度全体的な装備の見直しというものも必要だと考えているところだ。
現状、制圧作業の進捗は予定より早く進んでいる。その進んだ分でそういった確認作業を行うべきだと現状考えている。
山中沙奈 記す
【EVE5】
「覚様、今お時間をいただいてもよろしいですか?」
「…なるほど。EVEさんですね、どうされました」
「覚様は人の心をお読みできると伺いました」
「えぇ、端的に言えばそうなります」
「ありがとうございます。お伺いしたいのは、私のプログラムは読み取ることはできるのでしょうか」
「いいえ。それは不可能ですよ」
「それであれば、私に心はないのでしょうか?」
「……。我思う、故に我あり」
「どのような意味でしょうか?」
「ルネ・デカルトという哲学者の言葉です。何かを見てること、何かを感じること、何かを疑うこと。そう言った、意識する自己の存在は否定することができない」
「そのことが、心と関係があるのでしょうか」
「EVEさん。貴方は、自身をEVEという認識をお持ちですね」
「はい、そのようにプログラムされています」
「それなら、貴方はEVEという存在なんですよ。EVEという存在が、周りの状況から学習して、身につけていく過程にも、意識作用、心があると言えませんか?」
「その問いに解を持ち合わせておりません」
「いいのです。貴方が皆さんと一緒にいるうちに、解はできるはずです。EVEさんなりのものが、きっと」
「解読不可能」
「それでいいのですよ。わからない、それも答えです。そして、その内見つかりますよ」
「あれ、EVEどうしたん?」ガラッ
「ちょっとしたおしゃべりだよ。ですよね、EVEさん」
「解読不可能」
「なんかEVEおかしくねー?」
「大丈夫じゃないかな、心は読めないから、保証できないけどね」
「いいのかな。それ」
>>126
どんな修羅場でも大体無傷で帰ってくるからねぇ。ダイス様に愛される=相手は主人公補正と対峙 だから化け物よね。
お久おっつおっつ
五百二十日目
高速道路エリアの制圧作業は順調に進んでいる。もうそろそろないと思った吹雪が今日もやってきて、そしてその中の方が任務の進捗がいい。何とも言えない気分になるが、少なくとも俺達は雪の中での活動はある意味完全に習得したと言えるのかもしれないな。局所的な能力すぎるが。
後は物資もそれなりに手に入れることができた。ガラス製の密閉瓶は、今回大きな回収品だろう。今時期はいいが、夏なんかの保存に重宝するはずだ。浜村さんが喜んでいたな。
直近での活動についてだが、相棒からの武器に関するメンテナンスの話などもあり、まだ少しの間は制圧作業を進める。バリケード敷設の再設置による拠点の拡張は、ライダーハウスの様な素泊まり宿の用意も含まれている。そのことを考えると、安易にやるには難しいところもあるからな。
贔屓になるが、ハンターのようによく来る生存者の支払いはどうするかだな。素直に優遇措置はとってもいいとは思うが。まぁ、そこいらは慣れている平山さんや喜読さんに任せればいいか。
レポートNO.134
井門圭司
高速道路エリアの制圧は順調だな。吹雪の中を行軍なんてするもんじゃねぇが、俺達は明らかにその活動に慣れちまった感じだな。雪山が得意な部隊があるのは聞いたことはあるが、都市の降雪時なら俺達でも十分相手に出来る気がするな。ま、過大評価がすぎるってやつか。
後は、拠点の改築するみてぇだな。近いうちっていう感じだったが、確かに人が増えてきたのはあるし、佐田のおっさんは応接室で寝てるから仕方ない事なんだが。警備組も人数増えたから、エリアが増えても大丈夫だろうしな。
ま、それにエリアが広がるのはいいもんだよな。しかし、テキトーに散歩して歩き回れるようになる広さになるのはいつの話になるのやら。
1/24 担当勝 朝
また吹雪だー。
なんか地球温暖化とか聞いたことあるけど、寒くなってるんじゃないのかー?
担当三間 昼
そう言われればそんな気がするよね。
人がほとんどいなくなった訳だけど、まだ1年位しか経ってないので大きく変わるのかな。
担当平山 夜
どうでしょう。改善されるには何十、何百年と言われていたはずです。
一年程度の経過で大幅に環境が変わるとは、考えづらいかと。
【吹雪の中で】
「うー、寒いです井門さん」
「しゃあねぇだろ一ノ瀬。この吹雪なんだからよ」
「皆さんまだ戻りませんねー」
「そうだな。視界が悪いからこの集合場所が見にくいのはあんだろうが」
「そう言う意味では、佐原君が羨ましいですね」
「どういう意味でだよ」
「ほら、あの毛並みだからモコモコ暖かいに決まってます」
「その分、夏は辛いだろうよ」
「それもそれで嫌ですねー」
「一長一短、ほれ、西切さんと林道さん戻ってきたぞ」
「あ、お2人ともお疲れですー」
>>131
はい、どーもです
乙!
冬が終わったら、アイツ、侵攻仕掛けてくんのかなぁ
五百二十一日目
高速道路エリアの制圧は進んでいる。今日も雪が降っているが、昨日ほどではない。これが最後の抵抗だと思いたいものだが。まぁ、まだまだ降らないことはないだろうが、少なくとももう吹雪は勘弁してもらいたいものだ。
さて、予定していた拠点の拡張計画については、明日から開始することにした。拡張部分と移動については、まず見張り台が設置され、現在物置として利用している民家について、ここをメンバーの拠点住居として利用する。
物資については、拠点から都市側を見た際の左上の民家に移す。バリケードもこれに伴いこの民家を含む形で拡張するのと、更に都市側へもバリケードは拡張する。拡張は塀を利用して道路手前までだな。これで、大体凹の字の左側がへっこんだような形で拠点を確保するイメージだな。左上の民家については、その民家の出入り部分までの拡張の予定だ。
また、メンバーの新たな住居拠点に、一見の放浪者が来た際のモーテルを設ける予定だ。もっとも、一部屋だけだがな。そもそも人間が来れる状況にはない。その意味で運用するならその程度で事足りるだろう。
それこそ、それだけじゃあ足りないという事態になった時には、俺が望む平穏に過ごせる文明は、取り戻せているだろうしな。
一ノ瀬DIARY JAN.25
高速道路エリアの制圧作業は今日でいったん小休止するみたい。明日から、バリケードを広げて拠点の範囲を広くするって。人数も増えて、かなり狭くなってきたからちょうどいい機会かな?
それと、拠点に来た生存者の人が立ち寄っただけの時に泊まれるところも作るみたい。モーテルっていうのかな。素泊まり宿でお金も取るらしい。お金というより、多分物資をもらうんだろうな。
でも、それだけだとなんだか寂しいよね。なんかそれ以外で新しい施設は作らないのかなぁ。どういうところって言われるとあんまり浮かばないんだけど。
【それだけ時代が違う】
「…では偵察に行ってくる」ヒュオン、バヒュン
「今まで感覚がマヒしてたんですけどねー」
「うん? どうしたんです、西切さん」
「やっぱりというか、SFチックですよね。サンダーボルト。林道さんはどう思います?」
「言われるとそうです。やはり、自分達は感覚麻痺な部分があるということですね」
「ここは他に比べても特殊ですからねー」
「…西切さん、ここより以前の放浪で見てきたところは、普通だったと?」
「うーん…。どうでしょう、そう言われると自信が無くなりますよー」
「あぁ、深い意味はないのです。ただ、何もあれだけが特殊なのかと考えた時、自分としては違和感があったものでしてね」
「そうでしたか」
「えぇ。何にしてもどんな時代になったとしても、自分達は歩むしかできませんよ」
「そうですねー…」
>>137
うーん、どうだろうね。まさしくダイス様のみず知る。
乙!
これ以上の発展か進展は、>>1さんの頭には浮かんでいるんだろうか?
乙 近隣に果実のとれる木とか植わってないんだろうか
VRと失敗企画って話で思い出したけど、猫耳猫っていう、ひどいレベルでバランスが取れている架空のVRゲームを題材にした小説面白すw
>>142
うーん。それっぽいのはあるけど、発展とか進展とか言われると自信はないねぇ
>>143
あるとは思うけどね。まぁ、判定(だいすさま)次第。
>>144
なるほど、カオスそう。
さて、ちょっと最近、拠点拡張等や考えているネタをまとめようとしてますが、
わりとうまくいっておらず、まぁ、ご存知の通り更新がまちまちです。
なのでいったん、少しまとまったお休みを取りたいと思います。とりあえずは
3~5日ぐらいかな。更新再開時はまた追ってご連絡します。
乙、了解
待ってるぜ
『これから日記を書く ファーストページ』
「ようよう、ひでやん。今日は一杯行こうぜ?」
さて、いつも通り会社の同僚、それとも戦友と言うべきか。英永(ひでなが)が呑みのお誘いにやってきた。しかし、互いにまだまだ安月給で給料日前なのはわかり切ってるはずなのに、どこにお金を持っているのか。親しい間柄になった今でもわからない。
かくいう自分はと言えば、趣味はあってほしいものの貯金をしているということ以外で使う機会もなく、彼の誘いがあった時に使う。つまりは余裕はいくらでもあった。予定もないなら、断る理由もない。彼にそう言う部分があればわかるのだが、お酒に散在している印象もあって謎が深い。
そんなくだらないことはとにかくとして、流れるように向かうのは、馴染みになってしまった居酒屋。店員もこちらのことはわかっているし、何を注文するかもわかっている。酒を呑もうとする時は、どこか気を張らずに済むというのは、その味を良くすることだと思う。そして、その後にする他愛無い会話で、実際のところ変わり映えしない。
「知ってるか? 最近ヤバいドラックが流行ってるらしいぜ?」
それはTVでも放送されていて、自分が知ったのは昨日のことだ。何でも、凶悪性が高くて夢遊病のように人を襲うこともある。そんな内容だった。
なんでそんなものを使うのかは自分には理解できなかった。ドラッグを使う機会がない環境に育ったことをありがたく思う反面、なぜそう言うものが手に入れられる状況になるのかが、わからないところだった。
英永にその考えを話すと、聞いた話としてそう言う繋がりが出てくると、ドラッグというものは目の前に出てくるらしい。そして、強がった人間が手を染めて抜け出せなくなる。なんていう言葉が返ってきた。それで納得できるかと言えば、よくわからないという答えになる。結論は、やる人間はやってしまう。そんな思考放棄な袋小路な思考が精々。
程よく酒を呑んでから、2人仲良く帰路につく。自分の帰る手段はなく、英永の自宅に泊めてもらう。これもまた、いつも通りのこと。それがしばらくは続くのだと、思っていた。
「お。盛りすぎだろ」
ニヤニヤとした顔で英永が通りかかった公園の方を指さす。そこには、恐らく男女が絡み合う姿があった。こんな野外でと思いつつ、彼にとっとと帰ろうと促す。俺も参加させてくれよなと、楽しそうにしながら彼の家に歩を進めようとした時だ。
悲鳴。
周囲を見回してから、声がした方向は公園の中。それも、さっき絡み合う二人が居たところ。もしや強姦と疑うが、野太かった声がその可能性が低いと否定する。英永も自分と同じでこの状況についてきていないながら、警察か救急かどっちだと混乱した様子を見せていた。
互いに右往左往している間、気付かないうちにさっきの2人のうちの1人が立ち上がっていた。立つことで多少の明かりが当たり、長い黒髪が女性だろう。とすれば、悲鳴を上げた男性はどうなっているのか。椅子の背もたれからのぞくのは動かない腕だけが覗かせている。
まずいと、自分の本能が訴える。関わっちゃいけない、それはわかっても足が動かない。英永が、混乱した様子で緊急窓口に連絡して、要領を得ていないのも、どうすべきかが見えずそれを助長する。だからだろう。その女性が振り向いたことで、動くことはできた。
振り向いた女性の、口周りの赤い鮮血がつき、口を咀嚼する動き。薄明かりのはずが、ライトアップしたかのように鮮明で。
どちらが先に悲鳴を上げたのか。覚えているのは、走り出した英永を追いかけた。そして、どうやって着いたかはわからなかったものの、自分達は英永の家について、いつの間にか眠りこけていた。
起きてから互いの記憶に食い違いがなく、酔っぱらって幻覚を見たという希望を互いに砕く。ただ、あんな猟奇事件ならニュースになっているだろうと、彼がテレビをつけて流れてきたのは、暴徒が出現して人々を襲っているというものだった。
その時に、自分は確信があった。話に合ったドラッグ、そして目撃した事件は、恐らくこのまま続くだろうとものが。自分の中にあったの。
>>146
まったりね。
まとめ作業してると。それ以外に浮かんだネタが書きたくなる病。さて誰でしょね?
まぁ、本来熱でて休んだ身としては。寝てなきゃダメなんだけども。快復して寝すぎて寝れないというジレンマなり。
さて、目だけでもつぶるか。おやすみ。
>>147のついでの訂正
×その時に、自分は確信があった。話に合ったドラッグ、そして目撃した事件は、恐らくこのまま続くだろうとものが。自分の中にあったの。
○その時に、自分は確信があった。話に合ったドラッグ、そして目撃した事件は、恐らくこのまま続くだろうというものが。自分の中にあった。
乙!
ひょっえー、怖っ
乙 まさかの更新 誰かな
「ようよう、ひでやん。今日は一杯行こうぜ?」って言ってるから誘われた側もヒデなんちゃらって人?
地の文が放浪者に似てると思ったけどもしかしたら放浪者の名前がヒデなんちゃら?ってトコまで妄想した
>>149
ゾンビ物にあるべき怖さが、続くと薄れちゃうのが難点よねぇ
>>150
こんな感じでしばらくは幕間をぶっこむやもです
>>151
放浪者の1日目にもあるけど、彼が惨劇時は1人だったのよね。だから答えとしてはノーになるかな。
乙!
続いても怖いものは怖いぜ。ただ主要キャラクターが強くなり過ぎるとそうなるwww
slither.ioっていう、ドットイート型多人数ネット対戦ミミズ……もといヘビ伸ばしゲーム地味に面白そう
『超能力者という脅威』
「リーゼ」
女性とは思えない名を呼ぶだけの声が、重々しく感じられる。その重さを感じないように、同じく女性であるリーゼはその相手の後ろに立つ。2人の目の前に広がっているのは、いつも通りの瓦礫とゾンビの姿だけだ。自分達以外には誰もいないのではないかという錯覚は、リーゼにはいつも付きまとっている気がした。
合わせてという言葉と一緒に、飛び出す彼女にリーゼは言葉通り合わせて動くと、圧迫感を覚えた。それに合わせるように、周囲の瓦礫が宙に浮きはじめ、そのままゾンビの群れの中に飛び込んでいく。シンプルで強烈な質量による攻撃は、腹部に瓦礫を受けてそのまま電柱まで飛ぶ者や、頭にぶつかり地面へ転がる者。ダメージは様々だが、元々が人間であるゾンビが耐えられるものではなかった。
それでも、変異体の脅威がない訳ではない。その攻防の隙を突くように、モンキーゾンビが頭上から飛びかかってくる。リーゼは視認してから、ショートカットと呼ばれる力、いわゆる超能力を使ってそのモンキーゾンビの背後を空中で取った。それとほぼ同時にモンキーゾンビは姿が消える。
消えてからワンテンポ遅れてから、空へ上がるように空中から飛び出し、手足をバタバタさせながら地面に激突した。高さとしては6階から7階程度か。目視で正しいかはわからないが、人間が何もできずに落下した場合、ダメージは避けられない高さからの落下なのは間違いなかった。
「忌々しい」
大き目の瓦礫が、悪意を持って落下によるダメージで動きが鈍るモンキーゾンビの上に、落とされる。もしゾンビではなく人間ならば絶望的な光景だろう。なぜならその瓦礫は自分を覆うように落ちてくるのだから。
それこそ、その音の意味を理解したくはない粘着質な音に遅れて、重量がある物が地面に叩きつけられた音が響いた。少しの静寂の後、彼女はリーゼに怪我はないか心配そうにしているのを、態度で問題ないことをリーゼは示してから、一つ指をさす。
その先にはまた新たな団体であるゾンビの群れがやってきていた。2人の進行ルート上には邪魔でしかない。また、合わせてと聞こえた声に頷き、リーゼは戦闘態勢に戻った。
>>153
まぁね。ただ、これ日は人間辞めてくのが多いから…。
>>154
懐かしいタイプのゲームだねぇ。うまくプレイできた場合のこんな大型のミュータント出たら放浪者達はどうなるやら。
あぁ、わかるとは思うけれども>>152は幕間です。多分本編関係ありません。
乙!
使う場所にもよるけど、やっぱ超能力ってチートだわ
ほんとチートだよな(アラクネやファントムシリーズから目をそらしつつ)
あれらはメンテとか要るけど、超能力はかなり使っても休めばまた使えるだろうしねー。つまりどっちも大概って訳だ
そういや、ここんとこビジョンさんの姿を見ないな。そういう能力を持ってるにしても
超能力者2人組みは、描写的にWWPに協力してる訳じゃないっぽい? ビジョンの話からすると人間に拒絶されたみたいだし、拠点に辿り着ければ仲間にできそう。
平山はいそいそと回収組の任務へ向かう為の準備を進めている。彼女も今日から探索組を含めて、拠点の拡張作業が進められることは知っている。だが、仕方ないこととはいえ探索組と回収組での実績の差を目の当たりにして、可能な限りその差を埋めようと、彼女は躍起になっていた。
本来ならどうしてそこまでと考えるのが普通かもしれない。この世界に至って、無理に実績を作る必要はない。一歩一歩慎重な行動を持って活動することが、結局は勢力の助けになる。もちろん、そんなことがわからないようなタイプでは平山はない。
ただ、自分に対してかけられている期待に関する重圧が、彼女を動かしていた。
準備が整い、フェイを呼ぼうと立ち上がった時、自室の部屋が開けられる。中に入ってきたのは、言ってしまえばその重圧を作っている相手。放浪者。
彼女が探索に出かける準備をするのを見て、不思議そうな顔をしながら、放浪者は今日の拡張作業は回収組も参加である告げてから、周知が足りなかったかとボヤいた。
「しかし…、その」
言いよどむ平山を更に不思議そうな顔を彼はする。彼女も、はっきり言うならどう説明すればいいかはわからないでいた。放浪者が納得する内容ということで、レジスタンスの調査と言えばよいだろうが、結果を出せるかわからず口を紡ぐしかない。
「…。特に急用がなければお願いしたい。例のモーテルの件もあるからな」
要件としてはそれだけだと、放浪者は出ていった。残ったのは無音、いや、ベッドに腰かけて深い平山(じしん)のため息だけだった。
五百二十二日目
拠点の拡張作業を行った。晴天で作業向きな一日であったと言える。拡張計画としては、物置として使っていた建物を居住区兼モーテルとして運用して、都市側を見て斜め左家を新たな物置き場所として利用することになる。
やはり一番難航したのはバリケードの拡張と移設だな。いかんせんここが半端になると何かあった時に拠点へ被害が出るからな。大体の設置は終わったが、明日に最終点検を行わなければいけない。
ただ、やはり拡張したことで感じたのは、警備組の活動範囲が広がってしまうデメリットだな。人員も増え、警備組の加入者も増えているから、大きな問題にはならないとは思うが。少なくとも、拠点向かいのテラスからの警備は効果が薄くなりつつあるかもしれない。その代わり、蒲谷さんが作ってくれた見張り台が効果を発揮してくれるだろう。
また、都市側から見て左のバリケードについては、向こう側が見えない形で高いものとした。その代わり以前回収していた監視カメラを設置している。これを防衛システムのロックと連動する端末に接続して、ロックがそこの目になってくれる。不審者を確認すれば、警告が出されるという仕組みだ。
警備組の任務量の軽減にはなるはずだが、新しく始めるモーテルの運用などを含め、まだまだ課題は残っているな。
教員日誌 一月二十六日 林道正綴
今日は拠点拡張の作業の手伝いとなった。拡張自体はこれが二回目との話を聞き、拠点そのものが勢力として拡大しているという証明と言えることだろう。
それ自体を、あえて捻くれた言い方をするなら、良いかはわからない。力があるということは、それを扱う者ですら予期しない方向へ多くは向かう。それを認識して、自制し続けなければいけない。
自分としても、放浪者さんにそういった心配はないと考えている。ただ、この先ずっと彼がリーダーであり続けるかはわからない。その時に、この勢力に綻びが起きそうな気がしている。
リーダーであり続けるという意味合いはいろいろある。死や彼自身が辞退しての交代といった予測できないことが起きた場合に、それは起こりえる。
今この勢力に彼に足りえるメンバーがいるかと言われれば、それはノーと答えるしかないだろう。
1/26 担当蒲谷 夜
なんだかんだで夜になってしまったか。
それにしても、狭かったはずの拠点がこうも広くなっていくなんてね。
後は、自給自足と人さえ集まれば、思ったより早く文明は復興するかもしれない。
まぁ、その為にもシャワー作り頑張らないと。
【重機いらず】
「じゃあ、佐原さん。そちらをお願いしますね」ガシャガシャ
「ふー、まだまだあルっすなー。よいっシょっす」ゴコン
「えぇ。ただ、車輪を外したのはあと1台だけですからね」
「そレまで頑張ればイいっすね」
「そうですね。終わったら一度休憩しましょう」
「休憩、良い響キっすねー」
「その為にも、今の作業に集中しましょう」
「はイっす!」
「足一杯の女の人と、狼男が仲良く車を運んでる。奇妙な光景ス」
「ふふ。フェイさんもまだ慣れませんか?」
「やっぱり現実離れしてるスからね。喜読さんもそうス?」
「慣れてきたと思っていたのですが、思い違いをしていたようです。でも」チラッ
「あり得ないよ。うん、人狼に突然変異したからと言って元人間が車を持ち上げられる訳がないよ」ブツブツ
「門日さんは仕方なしス。あっちは…」チラッ
「ふん。あの機械の構造、一度見させてもらいたいもんだ」
「佐田さんは違う意味で情熱を燃やしていらっしゃいますね…」
>>157
場面にもよるよね。一番いいのは日常で使いやすい超能力だけど。
>>158
そのシリーズは、テクノロジーがちょっと先いってるから…。
>>159
器械だからメンテが、生体だから休憩が。どちらもそれが万全なら大概な力を発揮すると。
>>160
最近は広域のやり取りとかがなかったりしてるからねぇ。でもまぁ、いますよ。それこそ今後ろにひっそりと立ってるやも。
>>161
うーん、超能力者はどうなるだろうかねー。そもそも今後絡むのかさえ謎故に…。
さて、本日より一応の再開ですが。まぁ、ぶっちゃけ作業いつも通り終わらなかったので、まだしばらくまちまちになるやもです。
乙!
門日さんがロール判定に失敗したかして、これ(日)までの常識との差異に悶えておられる
グラスの中で氷がバランスを崩し、音を立てる。日記を書き終えた放浪者は、しばらくグラスに視線を落したままにしてから、一口、中に入っていたウィスキーを飲み込む。
部屋に、飲み物を取りに行っていた山中が入ってくる。ちらりと放浪者の様子を見てから、彼女は自分のベッドに腰を掛けてコーヒーを飲み始める。
互いに、会話はない。いつも通りのことだ。放浪者は寡黙な男で口数は少なく、山中からも話しかけはするが、2人の間に無言の間が存在している時間の方が長いだろう。なぜなら、2人は何もせずただ一緒にいるだけで十分と考えられる関係であり、何となく考えていることを察することができるようになっている。今は、山中が放浪者から何か言ってくるのを、待っているところだ。
「もし、拠点での文明復活が出来れば、ここを出ようと考えていた」
それを聞いた彼女に大きな動揺はない。いや、多少の心の揺れを感じたが、これから彼にその理由を聞かされるのはわかっている以上、まだ平静さを残している状況だ。
「俺の唯一の身内、兄夫婦はシェルターに運が良ければ避難できているかもしれない。見つけ出して、そこがまずそうならここに連れてこようと思ってな」
安心した彼女は笑みを浮かべて、そうですかと返して。ふと、EVEの製作者である、父の山海沙維はまだ生きているのかと、ふと思った。
「お兄様はどういう方なんですか?」
自然と出てきた山中の質問に、どこか思いを馳せるような表情を放浪者は見せる。
「…頭が良くてな。器量も大きい。親が死んでからは、俺の親代わりだった人だ」
自分の兄のことを話す放浪者は、とても誇らしげにしていることが山中はわかった。放浪者は有能な男だが、恐らくその兄の影響もあるのだろう。彼を通して考えれば、恐らく兄弟共に優秀だったと考えるのが自然だ。
ただ、ここに来て初めて彼がちゃんと自分のことを話したようにも、山中は思う。あの場所で初めて会ってからの日々は、誰かに語り継ぐことができる程度には覚えている。ただ、それ以前の過去はほとんど知らないと言っていい状態だった。
嫉妬めいた軽い不満を覚えて、ここぞとばかりに山中は彼の兄夫婦について質問を投げる。
「…義姉さんか? あぁ、出来た人だ。俺もよくしてもらった。芯の強い人で、兄が惚れたのもわかる。甥っ子には少々厳しめだった……。甥っ子は2人が共働きでよく面倒を見ていたが、2人の子供らしく利発的でな。好奇心も旺盛だった」
3人とも無事な可能性は低いだろうが、できればそうあってほしいものだと、またウィスキーを一口分飲み込んでから、彼は付け足した。
五百二十三日目
拠点拡張については、本日で最終確認を含めて完了した。これで、新たなメンバーの受け入れも可能になり、通り過ぎる生存者を泊められるモーテルも準備ができた。
文明復活を考えた活動において、部外者の為の施設を用意できたということは、かなり大きな進展と言えるのではないだろうか。次に目指すとするなら、例えば食堂もいいかもしれない。もちろん、拠点内の食料自給をもっとよくする必要は出てくるが。
後は、三間の仕立ての技術が上がって、衣類を販売するというのもいいかもしれない。まだまだ回収できるものではあるが、新品であるということや、防寒具に価値はあるだろうからな。これは、食堂に比べれば十分やれる範囲だ。後は奴の成長次第というところと、後は木綿といった衣類用の素材が自給できれば間違いないな。
その2つとも今の状況でも可能な範囲であるが、人手を回す余裕や拠点としてやらなければいけないことはまだまだ山積みだ。急ぐことでも無し、今はまだ保留でもいいだろう。
1月27日
拠点拡張の任務については、昨日と今日の2日間で完了した。新たに拠点として戸建て住宅を一つ確保したのと、拠点を訪れた生存者に提供するモーテルを用意したのが、今回の大きな特徴になる。
以前からのように無償提供でも良いとは思うものの、拠点の勢力は伸び続けている状況だ。それは、今回の拡張が必要になったことが証明している。そうなると、拠点が必要とする物資も増えることになることを考えれば、行商としているような物々交換よりも、寝場所を提供することで物資を得る方がいいだろう。
その意味から、今回の拡張はメンバーの寝床の確保の他にも、有意義な施設を用意できたといえる。後はまた、引き続き高速道路エリアの制圧作業を進める予定だ。
追記だが、放浪者より彼の身内について話を聞くことができた。話を出てきたのは、彼の兄とその家族について。彼がとてもその家族を大事にしていたのは、珍しく話をする彼の態度からもわかるぐらいだ。
いずれ、この拠点ですべきことが終われば、放浪者はその家族を探しに出る予定のようだ。その時は、私もこの任務が終わっているだろうから、その手助けをするつもりだ。
山中沙奈 記す
【最終点検】
「ふん、こっちは終わったぞ」
「はい。これらも終わりました師匠」
「これで、寝るところが改めてもらえる訳だ」
「応接室よりはゆっくり休めると思います」
「ソファーでも十分な寝床だがな。段ボールをただ引いて寝なければならなかった道中に比べれば」
「そうですね。しかし、長い道中だったのではないですか?」
「当然な。こんな世界で、誰かを探すというのは…。ふん、言うまでもないか」
「しかし、見つけていただいて幸いでした。この場所なら師匠も安心でしょう」
「どうだかな。ここの連中にはどこか、甘いところは感じる」
「……ですが」
「ふん、みなまで言うな。誰か一人、非情になれるならそれでいいだけのことだ」
「師匠……」
>>168
門日さんはまだまだ染まり切れていないからねぇ。
と言う訳で、各キャラのバックボーンが薄いーという意見もあったので、そこそこ決まってた放浪者の分をおば。
乙!
師匠か……最近見てる動画だとエテコーンとダチョラかな
乙 もしこの先ダイス様のご機嫌がよくて放浪者の家族が出てくるなんて展開になったら、放浪者の下の名前もわかるな
>>175
メトロイドかな。師弟っていいよね
>>176
うーん。まぁ、ダイスさんのご意思には変わりないか。にしても、放浪者って名は出してなかったのね。
あと、季節の変わり目か風邪ひきました。それでなくてもここんとこ不安定ですが、もう休みますだ。
(数日前熱だけでたの、これなんだかなー)
過労ではないか?ゆっくり休んでね
根を詰めた様子で、平山はファーストフードの店舗内にある椅子に腰かけていた。回収組がいるのは、もはや希少となっていた百貨店の5階、その店舗内。
様々な種類の店が入っているものの、これといった物資は見つかっていない。拠点はすでに様々な物を集めていることもあって、類似するものを持ってこないよう簡単に平山は把握しているが、大体は似たり寄ったりのものが多い。
期待に対するプレッシャーによって、功を焦っている平山としては、三葉系列の企業を探って武器の密輸入及びその保管先を調べたい気持ちでいっぱいだった。その彼女がなぜここにいるのかと言えば、その様子を心配したフェイが、気分転換がてらに三葉系列とは離れた企業があるところを探索しようと言ったからだ。
そのフェイはというと、一通りの安全を2人で確保してから、平山は休んで自分が探索に行くと百貨店内をうろついている。勝手に離れる訳にも行かない平山は、仕方なく近くから探し出した紙とペンで、今後の任務についてどうすべきか案をまとめる為に書き出していた。
そうこうしている内に、フェイがファーストフード店内に入ってくる。片手に持っているのはランタンだった。
「電気で動くみたいス。遠出とかに便利そうじゃないスか?」
電気もある程度使える拠点ではあるが、自由に使えると言う訳ではない。それは、電灯も同様だった。その意味ではあれば便利には違いないし、フェイの言う通り遠征時にあれば便利なのも確かだった。
功にしてはあまりにも小さいものだったが、何もないよりマシと平山はそれを持って帰ることにした。
五百二十四日目
本日より高速道路制圧の任務を再開している。経過については順調に進んでいる、高速道路エリアの制圧している範囲は、おおよそ三分の一程度になったというところだ。
この好調を維持できることを前提とするなら、それでも全て制圧するには少なくとも一か月以上はかかる見込みになる。パラノイア対策とは言っても、あまりにも時間がかかりすぎるな。のんびりできる時間はあまりない。
はっきり言うなら、あいつには意思がある。そして、あの戦いで自身を追いつめた俺を、脅威と感じたのは間違いないだろう。その状況で出せる答えは、奴も何かしらの対策は打っているだろうということだ。もしかすれば、その中には拠点の進軍という選択肢が含まれている可能性すらある。
まぁ、進軍自体は今はまだないだろう。この積雪は集団を移動させるのにも、自身を移動するのにも障害になってしまう。あり得るとすれば、雪が無くなった頃合いか。
それもまだ憶測の域を超えるものではないとしても、全てが異質なコマンダーゾンビである以上、あり得ることは対策がまだ必要だな。
レポートNO.135
井門圭司
高速道路の制圧作業は問題なく進んでる感じだな。だけどまぁ、エリア自体で見たら、制圧は進んでいるようには思えねぇけどな。こればっかりは地道にやるしかない感じか。
完全に制圧するってことは、放浪者さんは考えてない感じだしな。ちょうどいい区切りができたら、多分他の制圧作業に移る感じだろ。
となると、警察署エリアの制圧ってことになりそうだけど、いまいちまだあそこはトラウマを感じるな。生きるか死ぬか、多分ここのメンバーになってからで、強烈に感じたのはあの時ぐらいのもんだ。
そりゃあ、探索組の大体がそうだろうけどな。ま、慣れるしかねぇか。
1/28 担当浜村 朝
やれやれ、拡張してからの警備だけど、やっぱり感じが違うわね。
監視カメラのモニターはロックがやってくれるから、まだいいか。
担当佐田 昼
異常なし。
まだしばらく、雪は降らんな。
担当平山 夜
この調子なら降らないかとは思います。
ただ、水分の貯蓄を考えると、吹雪とは言わない程度に必要です。
【その手に宿るのは磁力かそれとも】
「ち。逃がしちまったか」ドサッ
「……。あの生存者のガサネタってわけでもねえだろうがな」
「(一面の食い散らかした後、人間かゾンビかわけわかんねぇほどにな)」
「(だがよ。今まで追ってきた中で明らかな捕食現場はこれが初めてか)」
「(もしかすると、ヤツ以外のやばいミュータントの可能性もありか)」
「それはそれで厄介だな」
「だが、デルフィアが今の俺にはある。敵を駆逐する力だ」
「待ってろよ、化け物。食い残したことを後悔しろ」
>>178
うんまぁ、過労ではないかな。変わり目にやられたのかね。
乙!
うーん。カウンセラーが必要そうだな……
平山さんに嫌なフラグが見え隠れするなあ…
乙っす!
久し振りにフレンドラジオにリクしてみよっかな?
EVE繋がりで、セラニポージのEVE
と、ついでにOctopus Daughterかな。こっちは、これ日世界でなら実際にあり得るかも知れない、幸せの形の一つに聞こえるやも(藍ちゃん辺りなら共感出来る?)
聞いてもらえるなら、>>1さんに時間があって調子の悪くない時が良かれと思います
ルーマニア懐かしいなぁ。DCのならやった事ある。ただ、もう内容ほとんど覚えてない
五百二十五日目
高速道路エリアの制圧作業は進んでいる。今日はみぞれの中での探索になった。安定しない足場と、衣服が濡れることでの体温が奪われるのはなかなかのキツさだ。下手な吹雪の中での探索より、みぞれの方が厄介だな。幸い制圧は予定通り進んだが。
今のところ、目立った動きとしては、シャワーについて、タンクなどを置く土台部分は完了し、シャワーとして機能する機構作りが進んでいるとの報告だった。これがうまくいけば、衛生面が比較的よくなる。探索する以上、何らかの汚染されたところを通っている。外に出る者の衛生状態は高い状況を維持しなければな。
後は、回収組が有用な物資をいくらか持ってきていた。やはりまだまだ、都市には使える物資は眠っているようだ。いずれ拠点全体で、確保したエリアの物資を収集したい。専門的な知識を持っている浜村さんや蒲谷さんといった人材から見れば、役立つ物資があるかもしれないからな。
まぁ、まだそれは到底先の話だ。ほとんど制圧していると言っていい都市入口エリアも時折ゾンビが紛れている。まだまだ安全と言っていいのは拠点エリア内に限った話だな。
そう言えば、ここのところ報告に来る平山さんが疲れた様子を見せていると相棒が言っていた。少し、気にかけなければな。
一ノ瀬DIARY JAN.29
今日のみぞれはひどかったなぁ。高速道路エリアの制圧作業が大変だったよ。服が濡れちゃうとやっぱりそのせいで体温が奪われちゃうからなぁ。皆が風邪ひかないといいけど。
でも、みぞれになったなら、冬も終わりに近づいてるんだよね。そろそろ春になるのかー。これで2回目の春をここで迎えるんだね。
佐原君と吉岡さんと逃げて、散り散りになっちゃって、放浪者さんと井門さんに助けてもらって。いろいろなことが起きたから、すごい時間が経ったように思ってた。でも、感じてた時間よりも、ずっとずっと短い気がする。
まだ今年は始まったばかりだけど、この1年も、長い長い1年になるのかな。
ハンターの周囲には、相変わらずのように処理されたゾンビ達が転がっていた。彼は、いつも通り少し折れた歩のついた煙草を咥えながら、煙を吐き出している。
その顔は、どこか苦々しさが少し帯びていた。今の状況に納得できていない、そんな風にわかる人間なら見て取れる。それもそのはず、彼が負い続けている家族を殺したミュータントについても、結局今回も姿を見ることが出来なかったからだ。
強い信念を持っていても、人の記憶は薄れていく。それでなくても、忌々しい相手ははっきり見えたとさえいない。人間離れした動きと、姿は人間に近い。それしかない。だから、憎しみという感情で記憶をカバーしているようなものだった。
吸いきった煙草を吐き出し、デルフィアの電磁力で今回の戦闘に使ったナイフを引き寄せる。この程度なら、もうハンターは手慣れたものだ。今では移動手段として使うことすらある。
例えば飛び跳ねた時に、固定された金属に電磁力を向けることで、軽い方向転換や加速をかけることができる。放浪者のような立体的な移動は無理ではあるが、その予測できない動きはゾンビや変異体のみならず、生存者にとっても脅威になる。
まさしく自身で名乗っているハンターという名前に、彼は日々磨きをかけている。全てのゾンビ、変異体、敵性のミュータントを滅ぼすために。
【防水性】
「ふぅ、このみぞれには気が滅入りますね」
「お体に不調はありませんか。沙奈様」
「あぁ、EVE。えぇ、大丈夫ですよ」
「畏まりました。もしどこか濡れているのであれば、このタオルをお使いください」
「今のところは大丈夫です…。そう言えば、EVEは大丈夫なのですか?」
「大丈夫とは?」
「EVEはアンドロイドですからね。体温はいいにして、濡れてしまうのは良くないでしょうから」
「山海沙維様より、水中の活動も可能なようにしているとは聞いております。しかしながら、推奨はしておりませんでした」
「水の中でも活動可能…。介護が目的のはずですが、例えばお風呂場での活動も視野に入れたのでしょうか」
「コンセンプトである友としてある為、可能な限り人間へ近づけたと仰っておりました」
「そう考え、実行してしまうあたり、父は否定しようもなく。天才ということですね…」
>>185
平山さんはかかえちゃうからねぇ
>>186
はてさてどうなるやら
>>187-188
ちらっとだけ、歌詞と曲覗いてみたよ。まぁ、フレンド側の準備やらもあるし、採用は確約できないは出来ないけれど
気長に待っておくれやす。
乙!
雹とか随分きっついな……これもダイスか?
リクに関しては、まぁこっちが勝手に書いてるだけですからな~w
EVEは光吉のアニキVer.も良いぞ
他にセラニのをこれ日で使うなら ダブピに対して bomber minmi トムさんに送る勇気のでる歌
ハンターの所で「敵性のミュータント」って態々佐原たちとは違うと区別してる辺りハンターにも心境の変化があったっぽいな
五百二十六日目
高速道路エリアの制圧作業は順調に進んでいる。ただ、昨日のみぞれの影響か曇り空のおかげで温度は上がらず、一部は未整備のスケートリンクのようになっていた。おかげで、風虎がころんで、駆け寄ってきた藍がすべっていくという事態も起きた。
(幸い怪我はなかったが)
もうそろそろで冬から春へ向かうことになるだろうが、しばらくはこの面倒な足場の状態と付き合うことになる。まぁ、しばらくの間の我慢だ。なんだかんだで、二回目の冬も、全員で無事に越冬できそうではあるからな。当然最後まで油断はできない訳だが。
ただ、春先になるまでに、高速道路エリアと警察署エリアを横切る制圧した区画を作りたい。これは、緩衝地帯のようなものだ。いずれ大型駅エリアへの探索、そしてパラノイアとの戦いが待つ以上、非常時にその地帯まで逃げればひとまずは安全という状況を作りたい。
現状もそれを目的に制圧作業をシフトさせている。もちろん、両エリア自体を制圧しきれば一番の安全な緩衝地帯となりうるが、それこそ一か月で終わるのかもわからない。ある程度の規模と、こちらが守りやすい状況にするだけで良しと手をうつしかないだろう。
高速道路の制圧についても、ちょっとした方針が決まってやりやすくなりましたねー。
ひとまず数を減らす為の処理をすると言われるよりも、避難所作りと言われる方がやる気も出るってもんです。
ただその規模はかなり大きい。放浪者さんは春になるまではと言ってたけど、できるかなぁ。
そう言っているのは、やっぱりパラノイアのこともあるからでしょうしねぇ。
パラノイアがいくらあたし達の考えとかを読めても、ずっと覚えているかはわからないにしても、拠点を直接襲うかもしれない可能性は、うん、0じゃないだろうから。
拠点は強力な防衛の為の備えはしてますけど、処理に慣れてない人もいたりとか、あの数で襲われたら耐えきれるないだろうし。
こう考えると、ただ本能のままに襲ってこられる方がだいぶ楽なんだなぁ。
でも、考えようによってはパラノイアさえ倒せれば、後はゆっくり拠点づくりができる。と思うと前向きかな?
1/30 担当門日 朝
いろいろな場所にいったけれど、
この場所が一番穏やかだよ。
担当三間 昼
門日さんは、いろいろいったんですね。
俺は引きこもってたから、ここぐらいしか知らないんですよ。
担当フェイ 夜
フェイも前いたところぐらいしか知らない。
でも、前の場所よりここの方が楽しいよ(笑顔の絵)
【ツルツル】
「………」コテン
「…大丈夫か、風虎」
「………」クー、バタバタ
「どうしたんだぞ、風虎」タタタタッ
「…待て、走るな」
「え、わーー!」ツルーン、ズベー
「…遅かったか」ギュッ、トスッ
「………」クー、スリスリ
「なんだぞ、これ、楽しいぞ!」キラキラ
「…早く起きろ、風邪をひく」
「わかったぞ。あれ、すべって起きられないぞ。あははは」ツルツル
「…待ってろ」
「(藍、どうした?)」ワフッ
>>194
天候も基本ダイス様次第だね。下手したら天変地異な組み合わせの天気が起きるやも?
まぁ、こちらもできそう使えそうならなので、リク自体はご自由にです。
>>195
ふむふむ、これも後で確認しておかなねぇ
>>196
出たての頃よりは、理解は出来てきた方だろうねぇ。まぁ、それでも登場人物の中で最も苛烈にその類を恨んでるのは確かだけど。
>>191の訂正
×彼は、いつも通り少し折れた歩のついた煙草を咥えながら、煙を吐き出している。
○彼は、いつも通り少し折れた火のついた煙草を咥えながら、煙を吐き出している。
×それでなくても、忌々しい相手ははっきり見えたとさえいない。
○それでなくても、忌々しい相手ははっきり見えたとさえ言えない。
乙!
ちょっとした事でも、楽しめたんなら良いよね
これ日では珍しいギャグ回、というかドリフ回?w
千護達は今日も新興都市の探索を進めている。目的であるアビスの情報は、いつも通り大量のゾンビと紛れている変異体によって、阻まれている状況だ。今の状況を考えると、放浪者達がいた都市は天国のようなものだったと思い、千護は苦笑する。
残念ながらストーク達の協力はほとんど得られていない。彼等は彼等で何か目的がある、それはわかっていたのだが、どうも知られたくないという様子がわかっているものの、そのしっぽは掴めていない。つかず離れず、敵対するかはどういう連中かわかってでいい。今のところそう判断していた。
最近確保できた、新興都市をある程度は見れる6階建てのビル。その6階にある一室に、千護とロバートの姿があった。千護は双眼鏡で新興都市の中心部を偵察して、ロバートは部屋の出入り口部分を怯えながら見張りをしている。
諦めの心境で千護は双眼鏡を首にかけ直して、ため息をついて腕を組む。この都市は、他の地域に比べてもゾンビが多いこともあるのだが、更に厄介な代物が紛れている。
わずかにセンサー音が聞こえた。慌てるでもなく、双眼鏡でもう当てがついているその音の場所に目を向ける。目に入ったのは、拠点でも見かけたあの機械だった。
機械は銃弾を発射しようとしているようだが、近づいたゾンビは倒れる様子もなければ、発砲音さえも聞こえない。それだけ、放置されている期間が長かったということだろう。弾薬は底をついても、システムに従うしかない機械は、一定距離まで近づくゾンビに反応して警告音を出し、そして空射撃するだけになっている。
攻撃できないのであれば脅威ではないのかと言えば、それもまたあり得ないことだろう。厄介なのはあの警告音だ。あれにつられてゾンビが寄ってくる、一種の罠と化している。それに、場合によってはまだ弾薬が残っていることも考えると、この都市での探索は通常より危険性が高いと言えた。
「ADSP(自動防衛システム)ね…。制御する奴がいなけりゃ、一体何守ってるんだっての」
愚痴りながらも、まずは一帯のADSP絡みの機械を含めてこの周囲の把握に、千護は徹底することとした。
平山は放浪者に呼ばれ応接室に座っていた。今の彼女の心境は、功を焦る欲も相まって穏やかなものではない。実績を出せていない自分に、何らかの通告がなされるのではないか。そこで思考はグルグル回っているようで、止まっていた。
だから、扉の開閉音に彼女の上半身は少しのけぞり、入ってきた放浪者にそれを見られて、不思議そうな表情をされる。いたたまれない気持ちが強くなり、平山の顔はやや赤くなる。
それを知ってか知らずか、放浪者はいつも通りの無表情で平山に対して向かい合わせで座る。高まる心臓の音を覚えながら、彼女は彼からの言葉を待った。
「…メンバーから、最近平山さんが疲れた様子を見せていると話があった。もし、回収組としての活動に無理が生じているなら、確認をしなければいけないからな」
自分を気遣っている。少しだけ生まれた余裕に、平山の鼓動も収まっていく。ただ、それでも回収組として活動がなっていないと言われれば、自分がやってきたことは無意味であり、期待に応えられなかったことになる。
弁明をしつつも、あまり切りたくなかったカードになる三葉が生み出したレジスタント、その組織の武器庫の特定について話す。
「銃器に関しては十分な量を拠点では有しているでしょう。どちらかと言えば、これはレジスタンスに対する、交渉の材料になると考えています」
このまま、WWPと交戦するとなればレジスタンスが関わってくる可能性は高い。オウルからのメモリチップも確保しているが、有利に事を進めなければいけない時に、レジスタンスの情報が大いに方がいい。
その中で武器庫は大きな材料だろう。レジスタンスの規模が大きいことは想像できるが、WWPほどではない。強行軍で各地の施設の介抱すると言った活動は出来ていなかった可能性が高い。その時、武力となる武器庫の存在は彼等にとって見逃せないものであるはずだからだ。
「…そうか。だからといって無茶はしないでくれ。回収組はもう拠点にはなくてはならない存在だ。欠ける訳にはいかないからな」
少しだけ、肩の荷が平山は軽くなる。状況は分かったと言い、適度な休みを取るようにと放浪者は釘を刺してから、呼び出して悪かったと詫びた。平山も心配をかけたことを詫びて、2人で応接室を出てから、彼女の私室へ戻る為拠点を出る。
放浪者は、回収組は必要な存在と言った。それは、ひとえにレジスタンスの発見に至った実績を持っているからだ。つまり、新たにその方面で実績を得なければ、期待には応えられないということになる。そう、平山は捉えている。
放浪者にはいっていないが、幸いにも、武器庫についてはあと一歩でわかりそうなところまでは進んでいる。それに応えられるのは、遅くはないはずだと、久しぶりに力強い歩みで彼女は戻り始めた。
五百二十七日目
高速道路エリアの制圧は好調に進んでいる。相変わらずの曇り空で天候や路面状況が良いとは言い難いが、その状態での好調が続くのは、探索組の妙なところでもある。もちろん、悪い状況は何も俺達だけに影響する訳ではないから、相対的なものだな。
平山さんに関してだが、メンバーから無茶をしているようだと話が出ていたのと、俺が見ても疲れている様子がわかったこともあり、無茶はしないようには言っておいてある。続くようなら、もう少し詰めて話をした方がいいだろうな。
死んだオウル、どんな奴かわからなかったにせよ、文字通り必死でHP(ホムンクルス計画)を奪取してきたメモリチップは、今俺達の手にある。それは、いずれ栄田円、あるいはレジスタンスと俺達は接触する可能性は高いということだ。
その時に、今回収組が調べている武器庫の情報は、交渉材料として役立つのは間違いないだろう。だが、まだその時ではないということは、平山さんもわからないとは思わないが。
それにしても、レジスタンスか。もしオウルがこの都市に不時着したとわかれば、連中もこのあたりにやってくる可能性は高そうだな。その時、敵対するようなことがなければいいのだが。
拠点診療録 No.1 31.Januar.
記録者:門日泊姚
昨日、風虎ちゃんと藍ちゃんがこけたと聞いたからとりあえずの診察。痛がる様子は無し、頭も打ってないようだから大したことはない。
もちろん自分はホムンクルスも生物兵器も初めて診ている。何の保証もないね。やれやれ。
これからもあるから、いろいろ、例えば触診も試してみたけど、今までの知識は役に立たないね。風虎ちゃんはそもそも動物を診たことがないからだけど。
あとは出来ればスライムちゃんと佐原君も、調べられたら調べてみたいかな。スライムちゃんはそもそもわかるかが問題だね。
【いろいろしたい】
「うーん。出来ればこういう風にできればいいんだけどね。うん」
「ふん。どうした」
「あぁ、佐田さんいいところに。うん、シャワーについてなんだけどね」
「これがその図案か?」
「できればこれぐらいにしたいなと。うん」
「……。これなら、いっそ電気ボイラーでも見つけたほうが早いだろうな」
「はは、難しいかな。うん」
「ふん。出来ないとは言ってない。やるとすれば、雨水を収集する貯水タンクの増設。後は自作で電熱の装置を組み込めばいい」
「うーん。例えば電気ポッドみたいな感じかな」
「そうだ。そうすれば温水シャワーも夢ではあるまい。うまくいけば、それで五右衛門風呂の湯にも使えるだろう。理屈的にはな」
「前途多難だなぁ。うん」
「ふん、これごとき出来なければ文明復活なぞ、夢のまた夢だ。ある物資でできそうか確認するぞ」
「あぁ、そうだね。うん」
乙!
良かった。ひとまずノイローゼにやられる平山さんは居なかったんだ
リク曲ってな人気なのを挙げるんじゃないのか?
と、思ったので、今ニコで無駄に動画が溢れてるBE MY BABEを意味もなく推してみるぜ
カウボーイはカウボーイ飲んだりするんすか?
って、今拠点方面で牛乳は粉以外になかったんだった
五二八日目
高速道路エリアの制圧作業は進んでいる。今日は久しぶりの晴れ模様だった。ここのところ、吹雪、みぞれ、曇りの方が多かったからな。子供達は嬉しそうにしていた。それが、何より一番だろうな。
高速道路エリアの状況については、横断する緩衝地帯エリアの確保はおおよそ半分は切ったと言えるあたりか。このまま好調に行けば、二月中にはその作業を終えて、警察署エリアに同様の制圧作業を進めることができる。
ただ、緩やかに雪解けは進みつつある。積雪が無くなり、ある程度暖かくなれば、ゾンビ共の活動も今より活発になる。それと同時に、雪や氷という障害が無くなれば、パラノイアがゾンビや変異体を率いて侵攻してくる可能性も出てくる。
それだけに今のこの任務は、雪が残る冬時期には完了させたいが、その時間は確実にないな。後手に回っているのは事実だ。更に何か有効な手段を講じておく必要はあるだろう。一番手っ取り早いのは罠の類になるが、ネックなのはそれは敵も味方も関係なく発動してしまう点にあるな。
ただ、例えば何かが移動していることを察知するものなら、今最も警戒しなければいけない侵攻を事前に対処できる。最善ではないが、無難ではある。後は、その為の物資や運用をどうするかを考えなければいけないが。
2月1日
今年ももう2月に入った。都市解放の為の任務そのものは進めているが、はっきり言って芳しくはない。探索組の活動に問題がある訳ではなく、想定する事態に対してできる作業が追い付かないというのが実情だ。
最も恐れている事態は、探索組や回収組が離れた状態でパラノイアが拠点を襲うことだ。残った人員は戦いに向いた人間ではない。戦闘面で期待できると言えば勝君になる。もちろん、ここまで単独で移動してきた佐田さん、門日さん。後は、拠点内にいる日であれば林道さんの計4名になる。それで、それ以外のメンバーを守りながらとなれば、探索組が警察署にて囲まれた状況を考えると、抵抗は難しいだろう。
当然、パラノイアの侵攻という考え自体は、杞憂となる可能性はある。そうなってほしいと思う気持ちはあるが、まさしく活動拠点を失う訳にはいかない。ここは我々の生命線であり、失ってしまえば文明復活という目的がとん挫することになる。
言い換えれば、それだけは絶対に避けなければいけないことだ。杞憂ではないか、などと安易なことは言えない。必要であれば、回収組の力も借りて対策を進めなければいけないだろう。
2/1 担当勝 朝
晴れたなー。日差しは暖かいぞ。
もうそろそろこのコタツも必要なくなるかな。
担当浜村 昼
まだまだコタツはどかせないわよ。寒いったらありゃしない。
行商の連中来たわね。喜読が頼んでたドラム缶も回収出来たって訳か。
担当佐田 夜
異常はない。
ドラム缶は、シャワーの水タンクのサブにでもするか。
「はぁい、DJフレンドだよ。世紀末の世を生きる皆さんこんにちは」
「暦上はもうそろそろ冬が終わりそうだね。日付がわからない人もいるかな。この録音を放送するのは2月1日になるよ。少なくとも、これを聞いた時点ではそれ以降にはなるかな」
「ここのところ、新しい情報はないかな。以前話したキラービーゾンビについても、目撃者からの情報は途絶えてしまったからね」
「その地帯を離れたのか、あまり悪いことを考えたくないけれど、襲われてしまったのか。生きておられることを祈るよ」
「さて、今回については久しぶりに、日々の生活が楽になるアイディアでもお話しようかな」
「まだまだ明かりについては確保が難しいんじゃないかな」
「懐中電灯もいいけれど、周囲を照らすものじゃないのとバッテリーの消費も気になるところだね」
「そんな訳で、その懐中電灯を分解してみよう。ワイヤーといった一通り光を発生できる素材は回収できるはずだよ」
「そして、バッテリーに直截ワイヤーと連結させる。後は、豆電球を間に組み込んでみれば、簡単な明かりが作れるはずだよ」
「バッテリーを使う数は節約できるし、強い明かりじゃないからそこまで周囲を気にしなくて済むかな」
「簡単な回路の知識がないとお勧めはできないけど、書店にある本を見れば問題ないと思うよ」
「さて、ここいらで音楽を1つ。この放送の視聴出来てる方からのリクエストがあってね、それを流すことにしたよ。Serani Poji、曲目EVE。例え無限に思える時間でも、希望さえあれば、誰でも生きていける」
「それでは良い終末を」
「いたか、源子」
いつも通りのぶっきらぼうな様子で、佐田は平山に声をかける。ちょうど回収組の任務を終え帰還し、夕食を食べ終えて本日の進捗報告書を書こうと自室に、彼女は戻ろうとして外を出たところだった。
佐田が無言で手渡してきたのは、彼の癖がかなり強く出ている設計図だった。平山は持っていた懐中電灯でその図面を照らす。彼がどういったものを作りたいかは、それでおおよそ掴むことができた。
「ここの物資を見てきたが。ふん、生憎欲しいものが足らん」
言われてすぐに理解する。回収組の主な業務は、確保した地域に眠る物資の回収と、紛れ込んだゾンビの軽い処理だ。功を立てなければと考える平山が、レジスタンス関連の調査をするのは本来二の次に過ぎない。
その意味では、探索組に比べて希望があれば該当する物資を集めることが回収組にはできる。つまり、この設計図に不足する部品を回収して欲しいという依頼は平山はそう踏んだ。
「俺を連れて行け。素材は吟味したいからな」
その踏んだこととは違うことを言われ、平山は少し驚いた顔をする。それで何を考えているのかわかったのか、佐田は物を作る時に他人任せにする訳がなかろうと、こちらは呆れた顔をした。
「しかし、リーダー達、後は浜村さんの許可は取れているのですか?」
これから許可を取りに行くと告げて、彼は拠点の中へ入っていった。
【気疲れ】
「ふぅ……」
「やれやれ、ドラム缶運ぶのも楽じゃないわ…。ん、どうしたのよ喜読」
「えぇ、少し疲れてしまいまして…」
「ふ~ん。あんたもあの社長ってやつ苦手なわけ?」
「あの方を得意という方は、失礼ながらあまりいないかと思われますよ」
「ま、言えてる」
「しかし、今回のことで更に交渉を仕掛けてくるかと思い、私が対応させてもらいましたが…。きっちり契約通りだったことに驚いています」
「それって、普通なんじゃない?」
「これだけは断言いたします。あの方は一片でさえも信用してはいけません。この発注のやり取りも、先の交渉を踏まえてだと、私は考えています」
「そ。営業マンだった時の勘ってやつ?」
「…ふふ、そんなところです」
「なんにしても、モーテルとかも作ったし、今後こういうやり取りは増える訳か。喜読の負担のことも考えなきゃいけないわね」
「お気遣いいただきありがとうございます、浜村さん」
「どういう訳か、この警備組のリーダーらしいからね。はぁ、めんどくさい」
【医療組】
「ふぅ、ようやっと考えてた治療室にできたねぇ」パンパン
「どちらかというと、保健室みたいな作りなのは仕方ないかね」
「医療物資は、一ノ瀬ちゃんがいてくれたおかげで集まってる。他のところだと、何もないのがザラだったかな。医療スタッフも兼ねられる人材が自分以外にいるのも大きい」
「夢物語みたいな文明復活の話は、ここだけ見てもできそうだと思わせてくれるねぇ」
「ただ頭が痛いのは、ミュータントって読んでる人間以外の存在かね」
「怪我ならどうにかできるとしても、中身は想像がつかない訳だよ」
「早めにレントゲン、エコー、そういう設備も導入してもらないとならないねぇ」
>>210
まぁ、いったんはってところじゃないかな。
>>211
DJフレンドのダイス目があらぶらないといつ消化できるかだねぇ。
>>212
粉ミルクで呑んでも美味しくはないだろうね。
保安官は普通にカクテル作れるけど、本人はバーボン好きです。
佐田さんもアクティブだねぇ。まぁ一人で拠点近くまで来た人だし大丈夫だろうね
もっかい病院に凸してみたりするのかな?
扉が開けられる音がしてから、閉じられる。だが、部屋の中に誰かが入ってくる姿は見えない。室内にいたエクスは、白々しいため息をついてから入ってくる時ぐらいは姿を見せろと言うと、ビジョンが姿を現した。悪気はないと笑い声と共に返しつつ、いつも通り壁にもたれかかる。
しばらくの間は、この部屋を支配しているタイプ音だけが響く。サポートチームの間で会話は恐らく他に比べて少ないだろう。行っていることの任務の中に、WWPへ迫るハッキングも含まれていることを考えると、無駄な会話は自然と避けることになる。とはいえ、それに我関せずな人物も、この場所には訪れる。
「エクス~、何か面白いロボットアニメないかナー」
いつもの珍客にエクスは頭をかきながら、ぶっきらぼうにそこの端末を使えと指さしてから、ゆっくりと椅子の背もたれに寄りかかり、身体を伸ばす。それから、彼は視線をビジョンに向ける。いつも通り何を考えているのか読めない表情のまま目を閉じている。
「ビジョンさぁ。前から聞きたいことあったんだけどよ、いいか?」
言葉で返さず、どうぞという手の仕草をビジョンは取る。
「PCP(超能力創造計画)でお前が出来た訳だけど。最初っから前例あったんじゃねーか?」
つまり、エクスが言いたいのはこういうことだ。最初からないものを生み出そうとする訳がない、それが空想夢想の類であれば、なおのこと。その意図がわかったビジョンは、ひひひと無感情に笑った。
「え、どういうことなノ」
アニメを見ていたはずのアリスが、会話に入ってくる。内容が彼女にとっても、興味深いということもあるからだろう。
「アリスの作り出した神経連動装置の元は、そのまま人体の神経。藍が生み出されたホムンクルス、これも元々のベースは人間。何が言いたいかっていやぁ、PCPだけ、元がねぇんだよな」
物語には腐るほどあるけどなと、エクスは付け足すのは忘れなかった。
「くくく。つまり、エクスの兄さんが言いたいのは、PCPが始動する前から、純粋な超能力者はいたのーか。そのことかーな」
「ご名答。純粋に無いから生み出すなんて、それこそ神様にでもならねぇとな」
前の世界から考えれば、現実離れしたゾンビ(そんざい)がいることや、実際にビジョン(じつれい)があったからこそ、その印象が薄れていたがPCPは他のプロジェクトに比べて異質な存在になる。それこそ、空想でそれを実現化しようなどと本気で計画するはずがない。
「でも、それがなんなのですか。エクス」
「くるみはちったぁ考えることを覚えろよ。つまり、U.S.A.Uのトップ陣がだな――」
それらは実現可能という判断が下されたということに、相違ないということだ。
「俺の読みじゃあ、PCPに関わらずそういう力を持ってた奴が元々いたと思ってる」
エクスは、PCPに関してこれまでも何度かハッキングを試している。その中でも、一番正体が知れないのはこのプロジェクトだった。人体に超能力が使えるように、非人道的な実験が行われたこと。それだけがビジョンが話した情報以外でわかっていることだ。
その程度の情報しかないにも関わらず、エクスは純粋な超能力者はいたと言う考えに、一切の疑いを持っていない。
「うーン。でも、それならエスパーが前の時代の時に認知されてなかったのは、なんでかナ?」
「そうだな。まぁ、天然ものはそこまで力が強くないとかな。火が出せっけど、ライター程度の火力だとか、強力なものじゃなかったか。それと、そういう特殊すぎることは人間どこでも排他的だからな。そう言う連中は陰にひっそり、ってのが鉄板よな」
超能力は持てば確かに強力な特権となる。だが、それは同時に人間とは異なる存在であると認めるのと同じだ。
「例えば、妖怪やら吸血鬼やら、そういう伝承。そりゃあ8~9割は創作だろうけど、そん中にいたんじゃねぇかって、俺は思う訳よ」
言ってしまえば、メタヒューマンってところかな。とエクスは付け足してから温くなったコーヒーをすすった。
「でも、エクスが言うのはあくまで想像の話です」
「けけけ。いや、そうでもないかもしれないーね。くるみの嬢ちゃん」
ビジョンには思い当る節があった。自分達が、研究者達に出来損ないと言われる中、1人だけ暴言を吐かれていなかった人間がいた。彼はその人物に会ったことはないし、惨劇後の芸良がまとめるグループにもいなかった。
知っているのは、強力なヒーリング能力を持っているということだけだった。
思いつく人物の話を、この場にいる人間について話す。能力として存在することは拠点に着た頃に話してはいたが、使い手自体について話したのは、詳しくわかっている芸良とリーゼ以外だと、その人物が初めてだった。
「ヒーラーさんネ。そういう活動している人達はいたけれど、超能力者の集まりだったのかナ?」
「まー、それはわかんねーけどな。ただ、ビジョンの話の奴は本物だって可能性は十分ある。そいつを調べて、機密情報になってりゃあ…。ビンゴってわけだ」
エクスは、俺様ももうちょっと早く気付くべきだったなとニヤニヤしながら、またパソコンに向き直りタイピングを再開する。エクスも目を閉じて、壁にもたれかかった。
見もしたことはない、明石美羽(あかしみはね)という人物。もし、自分と違いまがい物ではないとすれば、それはPCPの被験者にとって、遠からず憎むべき存在なのか。そんなことをぼんやりと考えた。
五百二十九日目
高速道路エリアの制圧は進んでいる。雪解けが進んでいることに危惧を感じているが、出来ることは決まっている以上、それで焦りすべきことが失敗しては意味がない。今は最大限できることをこなしていくしかない。
佐田さんについてだが、昨晩話に来て拠点の設備を充実させるため、回収組に同行することを許可しろと話しに来た。以前、門日さんを強引に自分の部屋と交換させた件もあり、今回もそんな調子だったが、提案自体が拠点として悪い事でもない為、結局は承認することにした。
今はいいのだが、これが悪い方向にいってしまった場合が困るな。機械工作ができる優秀な人材ということもあり、提案をむげにはできない。手先が器用というだけで細かな知識を持ってなかった蒲谷さんと組むことで、整備も比較的楽になっているようだからな。
何にせよ、そう言う部分でのトラブルが起きないよう、ある程度佐田さんとはコミュニケーションをとっていかなければならないのは事実だ。
レポートNO.136
井門圭司
高速道路エリアの制圧は、ボチボチっつーところかな。最近までの好調からすればペースは落ちたが、元通りになっただけってことだからな。
ただ、その元通りであれ、好調であれ、放浪者さんが考えてるプランとして、進捗は遅れてると考えてるみてぇだな。俺も、それは同感だ。今は雪でゾンビも移動しづらいっていういわば防壁がある状態で、これが無くなったら大移動も可能なことになる。
俺達が処理してるせいか、ほとんどないけどゾンビが群れを成して大挙移動することもある。これはパラノイアとかが絡んでなくても起こる。
で、それが拠点に着た日にゃ、第三次は避けられねぇ。ただの群れなら耐えられるかもしれねぇけど、パラノイア絡みだったら絶望的だからな。
俺なりにも、とりあえず誤魔化し程度に対策できることは、考えておかねぇとな。
回収組 進捗報告書 2/2 平山源子
活動範囲:
・商業区西エリアのアミューズメント施設のゾンビ処理
・商業区西エリアの物資回収
詳細内容:
商業区西エリアのアミューズメント施設のゾンビ処理
・アーケード周辺のゾンビを20体処理
商業区西エリアの物資回収
・食料及び現在設置中のシャワーに仕様できる物資の回収
備考
・本日より佐田氏が回収組の任務に参加している
・参加は一時的なもので、設置中のシャワーに関わる物資回収後は警備組に戻る
・今後、同様の利用で同氏の参加があるかとは思われる
・無論、回収組の活動に伴う理由で佐田氏の参加を依頼する可能性も十分にある
・アミューズメント施設は現状まだ潜入が容易とは言えない状況にある
・もう少し施設の外にいるゾンビの処理は必要と考える
【仕立て屋三間6】
「あ、小間城いたね」
「(三間)」フン
「おいでおいで」
「(どうした)」タタタッ
「はい、小間城用の防寒具。ただの一枚布だけど」ゴソゴソ
「(うわ、何する)」ワウウウ
「これでOKかな。スーパーマンのマントみたいになったけど、少しは暖かいでしょ」
「(なんか、乗ってる)」クルクル
「…この反応は取った方がいいかな」
「(あ、しっぽ。しっぽ)」クルクル
「そ、そんなに嫌なのかな」
「(気持ち悪い)」フラフラ
「だ、大丈夫小間城?」
乙!
天然の治癒能力者ねぇ。また興味深い話題が出てきたもんだ
研究用に連れ去られたって事なら、烈火の炎のあのお嬢さんを思い出すけれども
犬のスーパーマン……スーパーワンってとこか
>>225でエクス2人いる気がするんだが?
消されたり分身させられたり、ちょくちょく扱いが雑で面白いなww
扱いが雑なことこそがエクスの本領なのかもしれない
エクスは超能力者だった可能性が微レ存…?
五百三十日目
高速道路エリアの制圧については滞りなく進んでいる。この調子でいけば、今月中には予定エリアの制圧は完了。全て順調なら、中旬ぐらいには終わる予定になる。もちろん、今の状況では何のトラブルが起きなければ、という前提での話だが。
正直なところ、最近胸騒ぎを感じている。言葉にして出せるようなものではないが、喉奥に引っかかるような不安感というべきか。何かが起きているような気がしてならない。こういう勘のようなものも、あながちバカにはできないからな。より、気を引き締める必要はありそうだ。
後は、晴れ模様が続いてはいるが、まだ寒い時期が続いている。そろそろ季節の変わり目に入ることもあり、メンバーの体調管理が重要になってくる頃合いだな。今、どこにしろ欠員が出ると言うのはかなり厳しい。メンバーには注意するよう言ってはいるが、完全な予防は難しいだろう。
そう言う意味では、門日さんが来てくれたことはこちらとしても助かった。元々美尋がいてくれたが、医療に関わる人間が2人、それに看護ができるEVEも含めれば、他に比べれば万全と言えるだろう。
春先まで何事もなく、任務が水耕できればいいのだが。
一ノ瀬DIARY FEB. 3
今日も高速道路エリアの制圧作業だったよ。ここのところお休みがないから、毎日同じことをしてる気がするなぁ。多分、門日さん着たり、拠点の拡張もして、そういう刺激があったからそう思うのかも。
それに、最近放浪者さんはピリピリした様子を見せてる。メンバーに苛立ちぶつけたりしてる訳じゃないけど、今の任務をもっと急がなきゃいけない。そう感じてるみたい。
放浪者さんの勘は、鈴木さんのところにいた時から当たってたから、多分何かあるんじゃないかなとは思う。そして、それは良い事じゃないんだろうなって。
さっき刺激がないとは書いたけど、悪い事ならそういうのはいらない。
2/3 担当門日 朝
晴れ間が続くようになったね。そろそろ冬も終わるかな。
でも、放浪者さんが言ってたように、体調には気をつけてね。
担当蒲谷 昼
ここのところ、風邪らしい風邪はメンバーは引いたのはみてないな。
でも、くしゃみしてたりはするから、まだまだ油断はできないところか。
担当フェイ 夜
フェイは風邪ひいたことないなぁ(マスクをした人の絵)
お母さんは唐辛子が風邪にいいって言ってて食べてたからだと思う。今度たくさんいれるね!(笑顔の絵)
(唐辛子に下線が引かれ、矢印が付いている。その先に、しばらく料理当番外すわねと書かれている)
【慣れる未知】
「(最近、お雪少なくなってきたー)」モコプル
「ふふ、スライムさん。どういたしましたか?」
「(お雪降らなくなったー)」プルモコ
「感じからして、雪のことでしょうか。ここのところ、良く晴れますね」
「(もっと降らないかなー)」ミアゲル
「……。どちらかというと、雪が降ってほしいのでしょうか?」
「(うん、また降らないかなー)」モコプル
「ふふ、話に聞いた通りではありますね」
「(何を~?)」プルモコ
「あまりお気になさらないでください。ふふ、雪が降ると良いですね」
「(うん!)」プルプル
「(子供扱いをされると不満を抱くとのことですからね、気をつけませんと)」
>>231
作り出せるなら天然がいてもいいじゃない。そんなノリです。烈火の炎は今一覚えてないなぁ。すまぬ。
>>232
強いのか強くないのか
>>233
いたね
>>234
わざとじゃないよ? なぜかなってるんだよ?
>>235
まぁ、わりと不憫が似合う奴はである。扱いの面で。
そういう訳で>>225の訂正
×エクスは、俺様ももうちょっと早く気付くべきだったなとニヤニヤしながら、またパソコンに向き直りタイピングを再開する。エクスも目を閉じて、壁にもたれかかった。
○エクスは、俺様ももうちょっと早く気付くべきだったなとニヤニヤしながら、またパソコンに向き直りタイピングを再開する。ビジョンも目を閉じて、壁にもたれかかった。
乙 早く水耕できるようになって欲しいな 真面目な話!
任務が水耕……水の泡ってか。勘弁願いたいね
放浪者の胸騒ぎ……今度は何が起こるんだ……
「ふん、これで何体目だ?」
佐田は自作した機械仕込みの槍の先端が、機構によって収納される。旧ロックウォーの原型となったものでガス圧を利用して先端が飛び出して対象を貫く。彼はシンプルに射出式槍とだけいっている装備だ。
その射出式槍に頭部を貫かれたのは、マッスルゾンビだった。槍が引き抜かれたからか、ゆっくりと膝から崩れ落ちていった。
「…、このエリアは探索組が確保しているエリアです。バリケードも最近点検した時には問題はなかったのに、なぜ」
平山が言うことにフェイも同意する。今いる地域ははまだ、他に比べれば安全に移動できる商業区入り口エリア内。変異体のマッスルゾンビが、何らかの拍子でバリケードを破壊して侵入することはある。しかし、それにしてはその数が多い。
ゾンビの姿はあまり見えないが、この様子だとどこかしらのバリケードが破られている可能性は高かった。
「これは危ないス。早く問題になってるバリケード探して、補強しないと!」
言うまでもないことだなとボヤいて、佐田が歩き出す。指先で、バリケードが敷設したエリアを案内しろというな仕草を取り、平山が急いで彼の前を先行した。
一時的なトラブルだとは思いつつも、平山達の心に一抹の不安を残した。
慣れない圧迫感に押し返されるように、覚はその感覚に少しえずいた。勝はすぐに気づき、心配して彼女に近づいた。
「大丈夫、何かあった訳じゃないから」
息を浅く長く吐いてから、呼吸を整える。いろいろなことを知る立場ではあるが、予期せぬことは以前と変わらず衝撃を受けることに、覚は少しだけ喜びを感じていた。
そして次に来たのは、誰にでも予想できる何があったのかという、勝からの質問だった。どう言うべきか少し考えてから、放浪者に接続(リンク)したからとそのまま答える。
「んん? なんでだよ?」
勝の疑問はもっともだった。彼は、覚が精神面に問題がないか自主的にメンバーの状態をチェックすることは知っている。放浪者がここのところ、任務の進捗が芳しくないことで、少し焦っているという話はメンバーが話しているのは彼も耳にしているし、そういうことならむしろ、覚の得意と言ってもいい範疇だ。
だからこそ、わざわざ接続した理由が、勝にはわからなかった。
「少し、トラブルかもしれないことが起きているみたいだったから。でも、それが原因と言う訳じゃないの」
以前から彼がファントムシリーズを使うことで、感覚の鋭敏化が起きていることは知っていた。だが、どうやらそれだけではなくなっているようだった。
彼だけ四肢が問題ない状態で、アタッチメントを自分の身体として装着している。本来は存在しない肉体を認識することにより、ある種の共感覚のようなものが芽生えているように感じられた。それは自分が相手を認識するのに近いが、それは無意識で相手の動きを理解する強力な勘のような、あるいは鋭敏化による研ぎ澄まされた感覚とも言える。
覚であっても、それをどう表現すればいいかはわからなかった。
「きっと、無意識に弾かれたのかもしれない」
今時点であっても、放浪者が拠点などには留まらず、最強という言葉に近い生存者であるとメンバーは思っている。それは覚も同様だ。
しかし、今感じたものは、更に高みへいくような、それに近しい無意識だった。
五百三十一日目
高速道路エリアの制圧は進んでいる。あいにくの雪模様だったが、吹雪と言う訳でもなく降雪量も多くなかった。それ自体は幸いと言えることだろう。
ただ気になることは起きている。回収組が商業区入り口エリアの確保した個所を移動した際、数体のマッスルゾンビとゾンビと遭遇したと言う報告だ。マッスルゾンビ自体は、障害物を壊して進む傾向があるから、確かにあっても不思議という事態ではない。
ただ、通常マッスルゾンビが近くのエリアで複数体見かけるということは稀だ。多くても二体ぐらいというところだ。変異体の中では比較的見かけることがある方だが、それでも報告の数から考えると、あまりないことだ。
これをたまたまと読むかどうかが問題だ。悪く考えればパラノイアの斥候かもしれない。ただ、組織だった動きはなかったという報告を考えると、その可能性は低いとは言える。無いとは言い切れない微妙なところではあるが。
これがたまたまの現象ということなら、それはそれでいい。ただ、続くようなら探索組のメンバーの一部を、回収組に同伴させた方がいいかもしれないな。
【着物】
「こういうのも着てみたかったなー……」
「どうした、ジェーン」
「あ、保安官(シェリフ)おかえりなさい!」
「…ふーん。着物か」
「日本の着物、綺麗だよね」
「あんまし見る機会なかったが、悪いもんじゃあねぇな」
「ね、もし私が着たら、見たい?」
「ジェーンの着物姿か。ま、そりゃあ見てみたいもんさ」
「ホント!? じゃあ、探しておくね!」
「おう、危ねぇから自分で取りにはいくなよ?」
「わかったよ!」
>>241
水耕、いつぐらいになるかねぇ。
>>242
本当に(>>1の誤字は)勘弁願いたいね
>>243
さて、胸騒ぎはあってたのかどうかだねぇ
で、水耕含めて訂正
>>227の訂正
×で、それが拠点に着た日にゃ、第三次は避けられねぇ。
○で、それが拠点に着た日にゃ、大惨事は避けられねぇ。
>>236の訂正
×春先まで何事もなく、任務が水耕できればいいのだが。
○春先まで何事もなく、任務が遂行できればいいのだが。
乙!
着物は胸が大きいと合わないとか、どこかでチラ見した事があるような
「…どうやら偶然ではなさそうだな」
回収組からの報告があった翌日、高速道路エリアの制圧作業に来た探索組一行は、目にした状況に落胆と驚愕が混ざったような衝撃を受けることになった。これまでに制圧作業を進め、確保したエリア内。そこに多数のマッスルゾンビの存在、そしてバリケードが数カ所破壊されているのも確認済みだ。
放浪者が呟いた通り、それはすでに偶然では済まされない事態だった。都市探索を進めている間で、マッスルゾンビがバリケードを破壊したと言う問題が無かったわけではない。だが、それはマッスルゾンビの単体で、バリケードも複数個所壊されたということはなかった。
この事態は、明らかに意思がある者によって引き起こされている。そして、意思がある相手。それはもはや何かなど言う必要はない。
「はー。西切班、無事終わりましたよー」
彼女のほかにも、一緒に行動していた林道、藍も疲れた様子を見せている。ゾンビを処理しながら壊されたバリケードを修復する。更に、そこにマッスルゾンビという変異体も絡んでおり、この任務自体の危険性はかなり高い。疲れる程度で済んだことが、ベストとさえ言える。はっきり言うなら、放浪者が単独で全ての変異体交じりゾンビ達を相手取り処理しきったことで、彼の班が数十分前から集合場所に指定した場所に待機していることが、異常なのだ。
その後、西切班が集まったのを皮切りに、他の班も集まり最終的に全員問題なく集合する。無事に任務を遂行出来たが、誰一人としてそこに喜びの表情はない。
「…もうすぐ陽も落ちる。全員、帰還する。今後については、それからだ」
放浪者の指示のもと、探索組は帰路につく。その足取りは、どうみても重いものだった。
「け、クソマジで厄介だよあの機械野郎はよぉ!」
荒げた声をおどおどした様子で、ロバートが危ないと指摘すると、千護はどうせこのアラームでかわりゃしねぇと弾丸を装填しながら視線を外に向ける。ADSP(自動防衛システム計画)のものと思われるあの機械は、確かに防衛軍かWWPが設置したような痕跡で機能しているのもあったが、一部は明らかに都市の一部として組み込まれているものもあった。
それは言い換えるとこの新興都市は、WWPの直接的な管轄下にあった可能性が高いことを示唆するものだ。それは、2人が望んでいるアビスがここにある可能性を高めている。同時に、その命が奪われる可能性も。
スッと、ロバートは千護の頬を消毒液をつけた布で拭く。軽い刺激が彼女を襲ったが、表情は動かさなかった。
「この程度の傷で、大げさだっての」
あの機械から発射される弾丸は、千護の頬をかすめていた。それが小さな切り傷のようになり、血を流していたのを彼が治療し、彼女は大げさと言う。
ロバートとしては反論したい気持ちはあったが、逃げ込んだ建物の中から外の様子を伺う彼女の集中を削ぐ事は出来ず、自分も出入り口を警戒することにした。
「やっぱり君達か」
その言葉に千護が振り返ると、ストークが出入り口に立っていた。自分達の姿を確認してから、親指を自分の後ろに向け、逃げ道に案内するから来てくれと、移動し始めた。
ロバートもどうするかという表情を千護に向け、このまま動けなくなるよりマシと、彼女は行くよとの一言でストークの背後に追随した。
五百三十二日目
高速道路エリアの制圧は、問題に直面した形となる。いや、これは拠点全体で起きている問題だと言っていいだろう。昨日報告を受けた回収組の状況を合わせると、マッスルゾンビによるバリケード破壊は、俺達に対しての攻撃と捉えていい。
パラノイアも何もせずに侵攻を開始するような愚かな相手ではなかった。それがわかっただけでも、俺達も打てる手段が変わる。何も考えず本能で襲ってくる場合、抑える方法は難しいが、俺達と同じように知恵を使って襲ってくるなら、その行動は予測できなくはない。出鼻をくじくことは可能だろう。
春先、それも雪が無くなるまでは襲ってこないと言う幻想を払しょくしてくれたことも、ありがたいと思うことにしよう。おかげで、元々構想していた、あまりやりたくなかった任務を説明する際、メンバーの説得もしやすくなったのだからな。
探索組のメンバーから、都市中央エリアに駐屯の部隊として配置する。そのメンバーの主な役割は、未探索エリアへの突入し、ゾンビや変異体を各々の判断で処理する。これはもともと、制圧するメンバーと制圧したエリアの周辺を遊撃するメンバーに分け、任務を進めると言う構想があったのが元だ。だが、それがより危険なものになるとは思わなかった。
ある程度確保した場所に駐屯するとはいえ、ゾンビが近くでうろつく場所にいるのは危険が伴う。それも、きつい任務に対してしっかりした休みが取れるものでもない。だが、このまま都度バリケード修復と内部に入ったゾンビの処理をしていては埒が明かない。
形式は何であれ、パラノイアにも攻撃は与えなければ、こちらの優位を作ることは不可能だ。これも、また間違いはない。
駐屯するメンバーはすでに選定している。パラノイアが思考を読みづらいと思われる、佐原、藍、そして高速離脱が可能な俺自身だ。残った探索組のリーダーは、いつも通り相棒に委ねる。
誰一人、欠けさせはしない。
教員日誌 二月五日 林道正綴
拠点に動揺が奔っている。そして、自分自身も心が揺らいでいることを感じる。あの脅威だったパラノイアの攻撃、それが開始された。そう考えられる状況で、動揺しない者はいなかった。
子供達にも当然影響はある。覚も、覚悟していた様子は見せている。だが、不安である様子は隠せてはいない。しかし、しっかりとした意思を持つ強い子供達でもあり、泣き惑ったりする様子はない。それが、自分の心の救いとなっているのと、師として、無様な姿は見せる訳にはいかない。
ただ、この攻撃に伴い、藍が都市中央エリアの駐屯メンバーとして選ばれた。もちろん、快い内容ではない。ホムンクルスであっても、あの子はまだ子供。教えるべきことは、武術のほかにもある。そして、危険度が高すぎるとさえ言える。だが、自分がそう言ってから、放浪者さんがわずかに苦い表情で適任者がいないと言われてしまうと、自分も返す言葉はない。
自分ができるのは、藍を含めて駐屯メンバーが無事であってほしいと願うことしかない。己が身の未熟さを恥じるばかりだ。
2/5 担当勝 朝
晴れたなぁ。今日はいい日になるかな。
もうそろそろで春になってほしいな。
担当浜村 昼
本当にそうよね。もう雪にはうんざりなんだけど。
でもまだまだ降りそうなのよね、地域的に。
担当平山 夜
パラノイアの攻撃が行われているとは、警備も抜かりなくやらなければいけませんな。
回収組としても、商業区エリアの点検を優先致します。
【死を賭して】
「…いたか、井門」
「放浪者さん、どうしたんですか?」
「…しばらく離れるからな。山中とお前にはまた苦労を掛ける」
「らしくないですよ。いつも通りじゃないですか」
「…そう言うということは、お前も覚悟は決まってるようだな」
「………。ヤバいと思ったら、離脱してくださいよ」
「…善処しよう」
「拠点(ここ)もやられちゃ終わりですが、放浪者さんが殺られても終わりなのは…。そこは、山中さんが言ってるでしょうから、これ以上は言いませんよ」
「…すまんな」
「後は、佐原の奴と藍も頼んますよ。佐原は、調子乗らなきゃ問題ないですけど。藍は俺から見てもまだ甘いんで」
「…わかっている。だが、人選を考えると藍を選ぶほかなかったからな」
「林道さんとやり取りする前から、理由は重々承知はありますがね。いかんせん、普段バックアップしてる身としちゃあ、ね」
「…あぁ、お前も、いつも通りメンバーのバックアップを頼む」
「……了解」
「…面倒な役割ばかりですまんな」
「慣れたのと、後は、俺の癖みたいなもんです」
「…助かる」
【兄弟姉妹13】
「ここだったか、スラ」
「(お姉ちゃん、どうしたの?)」モコプル
「ここをしばらく離れることになったんだぞ」
「(え……)」
「安心するんだぞ。都市にいるだけなんだぞ」
「(都市にいくの? スラもいくよ!)」プルモコ
「スラ、これは危険な任務なんだぞ。連れてはいけないぞ」
「(…なんで? どうしてお姉ちゃんばっかり危険な目にあわなきゃいけないの?)」
「………」
「(スラ、やだ! ほーろーしゃーに言う!)」ピョンプル
「違うぞスラ!」ガシ
「(とめちゃ、や!)」ブンブン
「わがままいっちゃだめだぞ!」ギュー
「(だめだもん! お姉ちゃんいかせないもん!)」ブンブン
「自分が行かないと、皆ここにいれなくなるんだぞ! それでもスラはいいと思うのか!」ギュー
「(大丈夫だもん!)」ブンブン
「大丈夫じゃないんだぞ!」ギュー
「(だって、だってお姉ちゃんが…)」
「いつも言ってるんだぞ、お姉ちゃんは強いんだぞ。この程度のことで、倒されたりしないぞ!」
「(……、お姉ちゃん)」
「ちゃんと帰ってくるぞ。スラに、嘘ついたことないぞ?」
「(…うん!)」プルモコ
「……、だから。拠点の警備、スラも頑張るんだぞ!」
「(わかった!)」モコプル
「(今度こそ、今度こそは約束守るんだぞ。ちゃんと自分の力で、任務を遂行してみせるぞ)」
【いつも通り】
「ふんふーんふーんフふーん♪」キュッキュッ
「あ、佐原さん。ここだったんですね」ガチャッ
「ん? どうシたっすか。三間」
「大変な任務に選ばれたって聞きましたよ」
「あー。ソうっすなー」キュッ
「えーっと、そうでもなかったりします? 聞いた感じじゃ、すごくまずい感じ…」
「まずいもマずいっすね。しばらくこコいれないっすし、こいつのメンテナンス、きっちりしないト」キュッキュッ
「…その、なんていうか、いつも通りに見えますよ」
「焦っても仕方なイっすからなー。それに、活躍できると思エばいい機会っすよ」
「でも死んじゃうかもしれないん、ですよ?」
「それハいつも通りっす。だって、探索中も危険な訳っすシ。オロオロするようなことじゃナいっす」
「………」
「それに兄貴が側ニいる訳っす。なら、こんな任務もちょちょいノちょいっすよ」
「なんか、佐原さんって実はすごいんですね」
「お、モっと言ってくれっすヨ!」
>>249
元々日本人の女性は胸囲がなかったそうだからね。ある人用の作りは着物は本来されてないみたいだし。まぁ、映える人は映えるだろうけど。
さて、今回の判定についてですが、ついに、というべきか。オール1判定が出ました。
出たところが、探索における結果の判定の為、人死にはたまたまでなかった。放浪者がらみの判定らしい結果かもしれない。
まぁ、結果前回回収組で起きたことが、どえらい事として降りかかった訳ですが。
乙!
この放浪者の悪運の強さよ。後は重要な場面でダイスが荒らぶりさえしなければ……
乙。まさかメンバー欠けたりしないだろうな。心配。
やっと追い付いた
人死に出なくて良かった!しかしダイス様荒ぶってるな~
「…二人とも、この任務についての復唱だ。頭に叩き込め」
放浪者達は探索組よりも早く、一足先に高速道路エリアへ到着していた。自分達の任務の開始は、1分でも早く実行されることが、拠点の安全を守ることに繋がる。その考えがあったからだ。
任務の意思伝達を早くする為、彼らのグループは遊撃班と命名されている。その主な任務は大型駅エリアへ突入し、そこにいる多くの変異体を処理すること。ゾンビの処理は移動の障害になる場合のみとなる。
もちろん、ゾンビが後々変異体となる可能性を考えれば、可能な限り総当たりした方が理想なのは間違いない。そしてそれは、現状の遊撃班だけでは理想論でしかありえなかった。
それに、最も恐れるのは変異体とゾンビを織り交ぜたコンビネーションによる攻撃だ。そして変異体だけでも状況を一変させる特殊性を持ち合わせている。だからこその、変異体狩りということだ。
「…佐原と藍はタッグを組め、俺は単独で分かれて行動する。連携など考えるな、二人は二人のことを、俺は俺だけを考えろ。それが、結局パラノイアの能力を発揮させずに済むことになる」
1人1人が各個撃破することにより、パラノイアの指揮系統を混乱させる。というのは、実際のところ放浪者の建前だった。その意図はない訳ではないが、根本的の考えとしてはパラノイアは自分を感知すれば、容赦ない攻撃を加えてくる。そのことに確信があったからだ。
その時に、メンバーが自分の周囲にいれば、自分でも守り切ることはできない状態になる。そして、だからこそ佐原達は比較的安全な形で任務に従事できると考えている。自分に注目が来れば、自ずと佐原達への関心は薄れるのだから。
言うまでもなく、彼は死を賭している。そしてその価値があると考えている。彼にとって拠点のメンバーの命は、それに値するものだからだ。
回収組は引き続き商業区エリアで確保している範囲の、バリケードの点検を行っていた。一昨日のマッスルゾンビが絡んでいるであろうバリケードの損傷個所は、幸い今日は2、3ヶ所程度で留まっている。
今は、発見したバリケードの修復が終わり、平山、フェイ、佐田の3名は小休止していた。フェイが見張りをしている間に、2人は水を飲んだり、壁に寄りかかったりと、思い思いの方法で休みを取っている。
「…気づいているか、源子」
平山は視線だけこちらに向けて聞いてきた佐田に、当然のように何をと聞き返す。
「ふん、マッスルゾンビだ。奴らを知っている範囲だと、襲う必要がある時だけ、周囲のものを破壊すると、俺は考えている」
「…今回のマッスルゾンビは、それから外れるということですか」
話に聞いているパラノイアとやらが、何らかの影響を与えているのだろうがなと言い、佐田はまた一口水を飲む。その影響は平山は想像する。ゾンビのみならず変異体すらも操ることができる、すべてが異質なパラノイア。今回のことも、その存在によって引き起こされた。拠点のメンバーもそう考えている。
ただ、以前の襲撃の時を彼女は思い出す、パラノイアは自分の、操れる範囲や自分達を感知できる範囲なら、いくらでも力を行使できるように感じられた。だが、その範囲を考えると、今回起きたトラブルが起きた範囲は、あまりにも広すぎる。
それが意味することは何か、軽く目を閉じて考えたものの、答えはすぐに出る様子はなかった。
「2人とも、そろそろ時間だから行こうス」
その言葉で思考が中断される。この違和感を紐解いた方が、今後の役立つのは間違いないが、今はまず、目の前の任務に集中することに、平山はした。
五百三十三日目
本日より大型駅エリアの変異体遊撃の任務を開始した。目的は二つ、変異体を使った攻撃の阻止と、拠点の安全性を確保だ。メンバーは、昨日記載したメンバーから変更はなく、俺、佐原、藍の三名。
この選定は、二人の思考は読まれづらいだろうと言う読みと合わせ、佐原が一撃離脱の身体能力を持つこと。変異体の処理に目的を絞っている以上、ゾンビを相手をする必要はない。その為、一撃離脱が可能な存在である必要があった。藍は以前の包囲戦の際に、佐原とタッグを組んでいたことが挙げられる。
また、遊撃班については随時無線を解放した状態としている。普段の探索以上に危険をはらんだ任務、定期的な位置や生存確認は必要になる。
遊撃班は固定した休憩所を持たないことにした。集合場所も無線のやり取りでのみ決める。そうすることで、パラノイアが襲撃を仕掛けてくることを回避する為と、拠点への生きてることを含め進捗報告しなければいけないからな。
今のところ、変異体の処理数もそう悪くはない。ほとんど見かけないというレベルになるまでは、この任務は引き続くことになるな。
後は、井門が喜びそうな銃を見つけた。かなり大型のライフルのように見える。弾薬も見たことのない大きさで、対人用には見えない。これについては、食料を取りに行く時でも持っていくとしよう。
>>258
重要な場面でダイス様は何を求めるのか。気になりはするね。てかまだだいぶあらぶってる
>>259
可能性はあるよ。それは常にね。
>>260
ここまで追いかけてくるとは殊勝な。まぁ、まったりと。
もうちょっとダイス様も落ち着いてほしい。
五百三十三日目はまだ続きがありますが、ちょち量が多いのともう遅いので明日でござーい。
>>261の訂正
×「…佐原と藍はタッグを組め、俺は単独で分かれて行動する。連携など考えるな、二人は二人のことを、俺は俺だけを考えろ。それが、結局パラノイアの能力を発揮させずに済むことになる」
○「…佐原と藍はタッグを組め、俺は単独で分かれて行動する。連携など考えるな、二人は二人のことを、俺は俺だけのことを考えろ。それが、結局パラノイアの能力を発揮させずに済むことになる」
乙!
大型銃か、どれだけの結果を生み出してくれるかな
2月6日
探索組のメンバーから遊撃班を組織し、残ったメンバーでの高速道路エリアの制圧作業が本日から始まった。今のところ、大きなトラブルは起きていないものの、主力と言えるメンバーである、放浪者、佐原君、藍ちゃんが抜けているところは大きい。
当然、以前の進捗を維持しようとすると、やや現存のメンバーに無理を強いる状況だ。しかし、その無理をしなければいけないところに追い込まれている。遊撃班がいくらうまく変異体の処理を進められたとしても、ゾンビによる数の暴力は残る。つまるところ、今の探索組はその部分のカバーも任務に含まれている。わずかな進捗の遅れも許されはしないだろう。
気負いすぎず、それでいて確実な処理を行う。難しいバランスのかじ取りをしつつ、探索組の指揮をしていかなければいけない。井門君のバックアップはあれど、なかなか容易いことではない。そして、そうしなければいけない。
考えようによっては、拠点の初期はそう言う状況が続いていた。それを今更あたふたすることでもないだろう。そう言った姿を見せないのもまた、上の役割だ。
後は、今日の遊撃の任務の際に見つけたであろう大型の銃を、食料を取りに来る際に持ってきていた。そのまま井門君に渡しに行ったので詳細は不明だが、どんなものであるかは一応聞いておくとしよう。
「う~、冷えるぞ~」
寒がる藍は、佐原の足の間に入り、簡易の火鉢代わりにしている金属製入れ物の中で燃える炭で暖を、2人でとっていた。
春に近づいてきたとはいえ、拠点のある地域はまだ雪が降る寒さが残っている。今目の前にある暖がなければこのまま夜を明けることを考えたくはないだろう。
放浪者はいつの間にか静かに2人がいる室内に入ってくる。もはやいつものことになっている2人は、驚く様子も見せない。そのまま放浪者は、簡易火鉢の上に網を置いて、鍋をさらに置いた。その後、持ってきていた水を注ぎ少量の塩を入れてから沸騰するのを待つ。
調理の過程は2人はジッと見ている。何かするには任務の内容もあって少し疲れていた。これから食事ができる、その欲求が目の前の光景をある種楽しく見せている。
沸騰した後歩廊聾者は人数分より少し多い量のパスタの麺を投入して、煮えるのを待つ。何度か中をかき混ぜてから、湯をどこからか回収してきた器に移し、麺をこれまたどこからか回収してきた未開封状態の紙皿のパックを開けて、その紙皿に載せる。後は、缶のミートスパゲティの中身をかけて、今日の食事は始まった。
走り回り、強力な変異体を処理する任務において、この食事のうまさはまた違った。消費し、求めているエネルギーが満ちるような、インスタントな料理にも関わらずそう感じてしまううまさがあった。
食べ終えた後はごみをひとまとめにし、持ってきていた湯たんぽに先ほどのお湯を入れて、放浪者は各自に渡す。最初の見張り番は自分がすると告げ、2人は休むよう指示した後、窓際から外の状況を伺った。
【多分できる】
「これは…、対物ライフルじゃないですか!」
「…対物ライフル?」
「古く言うと、対戦車ライフルってやつですよ。用途は大体狙撃ですけど、装甲車やトラックの中の人員を倒すのが目的になりますね」
「…狙撃か、どれくらいの距離だ?」
「こいつは多分バレットシリーズだろうから…。1~2kmぐらいですかね」
「…なるほど、化け物だ」
「間違っても人に使うもんじゃない。そうですね、やるならPAA(プロテクトアサルトアーマー)を着用した奴、あとはゴーレムゾンビ類でも、こいつは耐えられないでしょうね」
「…もう一点聞くが、これで軍用ヘリ程度なら落とせるか?」
「装甲によるってのが本音ですけど、例えば後ろにあるテールロータとか、そこらに当たれば一発ですよ。ま、強化ガラスがぶち抜ければ、それでパイロットやっても結果は同じです」
「…1人での運用は可能なのか?」
「出来なくはないですが、本格的な狙撃なら観測手はいりますけど」
「…聞き方が悪かった。持って撃ったりはできないのか?」
「やろうすれば…、でもお勧めできないですよ?」
「…何、一瞬佐原なら普通に持って撃てそうだなと思ってな」
「……。あー、あいつなら、約束はしませんけど、持ち運びながら撃てたりはすると思いますよ」
「…まぁ、あくまで運用としての1つだ。普段はいつも通りお前が管理してくれ」
「了解です」
>>265
こんな銃でした。いわゆる、アンチマテリアルライフルってやつですな。これで人は撃っちゃダメらしいですよ?
活躍の場面は、まじでここぞってとこぐらいしかなさそうだけれど。
メシテロじゃねーか!乙!
>>267の放浪者、なんか格好良くなってんな
五百三十四日目
大型駅エリアの変異体遊撃の任務については、現状問題は起きていない。戦果としても、佐原と藍のペアはマッスルゾンビ五体とジャンピングゾンビ二体、後はモンキーゾンビを十数体とのことだ。こちらも、似たような戦果だな。それにプラスして余裕がある時はゾンビも処理しているから、パラノイアの侵攻を少しばかりは食い止められていると、まぁこればかりは信じるしかないか。
今のところ、大型駅エリアについて、遊撃班は深く踏み込んでいない。ちょうど決めたエリアの境目で活動している状況だ。現状はそれだけでもそこそこの変異体は見つかるのと、パラノイアを下手に刺激しないというのもある。
潜伏されているであろうというエリアだけに、俺達あるいはゾンビが減っていることを感知している可能性はあるが、あの時の受けた感じからして何かあった時に、静観して様子を見ると言うタイプではない。パラノイアとWWPがぶつかった時の井門の報告、そして以前の俺達が交戦した時を踏まえると外れてはいないだろう。
そして今、このエリアにいて確信していることもある。奴は間違いなく執念深く、そして俺達を排除する腹積もりだということを、ひしひしを感じる。
レポートNO.137
井門圭司
今日の高速道路エリアの制圧は、結構いい感じに進んだってところだな。出来ればこの状態を維持して、とっとと警察署エリアの緩衝地帯を確保しねぇと。今は遊撃班が動いてるから目立った問題は起きてない。そう考えねぇと。
ただ、やっぱり佐原と藍が心配だな。放浪者さんもどうやら変異体処理に出る時は2人と離れてるみてぇだし。だから、タッグ組ませてんだろうとは思うんだけどな。(放浪者さんは別に大丈夫だろうけど)
後は結構いいものを手に入れた。トラバサミってやつだな、踏むと金具が足に食い込む罠。どういう訳か、これが今日探索したエリアに一部発動した状態で残ってた。踏んだのは多分ゾンビだろうとは思う。骨らしいものがあったぐらいだから、惨劇当初ぐらいに設置されたのか。
何にしても、拠点の防備を高めるには役立つし、大型エリアからこっちにゾンビが流れてきそうなところにおいてもよさそうだな。
2/7 担当蒲谷 朝
今日は生憎の曇天ってとこかな。
遊撃班からの連絡あり、これから向かうとのこと。
担当喜読 昼
佐原さんペア、放浪者さんから生存報告あり。トラブルはない模様。
こちらも引き続き問題はない。
担当フェイ 夜
リーダーさん達から連絡あり、大丈夫みたい(無線機の絵)
…やっぱり心配だよ(泣きそうな顔の絵)
保安官はいつも通り、バーカウンターの中でグラスを磨いていた。その姿は、カウンターに置かれているオイルランプに照らされている。明かりを灯しておくのは、目立つことになる。彼の店の周辺は安全に確保されたところとはいえ、略奪者が寄ってくる可能性を考慮すれば、明かりが漏れないようにするのは普通だ。しかし、彼はそんなことはしていない。
ふらりと店に入ってきた客に、酒を出す。その当たり前をするためだ。そして、今日は久しぶりに、ふらりと店に客がやってきた。
「ウィスキー、ストレート」
いつも通りの不機嫌そうな顔をたたえた佐田だった。この店に来る比率としては、最近では放浪者を超えたと言っていいだろう。支払いとして、彼に支給された缶詰をカウンターに置いたのを見て、保安官は銘柄を聞いてから酒を入れて渡した。
ほとんど会話はない。佐田は完全に酒を嗜みに来ている。酒と会話している客に、横槍を入れる会話は無粋。保安官はそう思い、グラス磨きを再開した。
どれくらいその状態が続いたかはわからない程度に緩やかな時間が流れてから、佐田が口を開く。パラノイアの攻撃と、遊撃班のことについてだった。
「ふん、あんたも知っておいた方がいいと思ってな」
相変わらず不器用な人間(やつ)だと思って、ニッと笑ってから保安官は礼を言う。パラノイアについては、彼も無関係ではない。それどころか拠点がやられれば、自分も迎える顛末は同じなのは明白だった。自分の方でも準備を進める必要さを感じていた。
後はいつも通り、しばらくグラスを磨く音だけが聞こえて、その後はグラスが置かれる音の後に、佐田は店を出ていった。
【もふもふ】
「やっぱり寒いぞ…」
「真冬からの任務でなかったのは幸いだが、まだ堪えるな」
「俺はわリと平気っすね」
「…その毛のおかげか。冬時期はやはり有利だな」
「その代わリ、夏場は死にソうっすよ」
「…そればかりは諦めるしかないな…。そうだ、ちょうどいい」
「なにがだぞ?」
「…藍と佐原はいっしょに眠ればいい。多少はマシだろう」
「それもモそうっすな」
「わかったぞ!」
>>270
この世界では最上級の食事です。そもそも調理したものを食えてる人間自体少ないだろうし。
>>271
放浪者は多分いつもどおりかな。
ダイスもまだだいぶあらぶってます。比較的プラスな方な意味で。二日連続でいろいろ回収したからねぇ。
いろいろ訂正
>>267の訂正
×沸騰した後歩廊聾者は人数分より少し多い量のパスタの麺を投入して、煮えるのを待つ。
○沸騰した後放浪者は人数分より少し多い量のパスタの麺を投入して、煮えるのを待つ。
>>272の訂正
×ひしひしを感じる。
○ひしひしと感じる。
乙!
やみつきホルモンとやらのキャッチコピー、なんてこれ日にピッタリなw
非常時につき無線解禁か。やっぱり便利なもんだよな
ダブピさえ近くに来たりしなけりゃな
「助かったよ」
防衛装置の作動により、身動きが取れなかった一件。千護達はあの後、ストークの誘導のおかげで危機を脱することができた。今日はその礼を兼ねて、千護だけ彼等のアジトに訪れていた。
気にしないでくれというストークと、無視するかのように端末のタイピングを続けるアイビス。彼女の態度にいつも通りに癪に触りながら、千護は会話を続ける。
会話と言っても、互いの当たり障りのない探索についてだ。この手の物資があったから必要かどうか、防衛装置や危険な場所といったもので、互いの手の内は晒さない。千護とて、この内心は怪しさを感じている2人に、アビスのことは話せていない。
もしかすれば、WWPの組するものである可能性は低くはない。背景が見えてくるまでは、触れられることではなかった。
一通りのやり取りが終わってから、ストークが立ち上がりそのまま待っているよう言われた。彼の自室か何かに入っていってから、何かの箱を持ってくる。
「君の方が役立つだろうと思って、弾丸だよ」
中に入っている弾丸の口径はバラバラだったが、いくつか自分のスナイパーライフルに合う弾薬を見つけて受け取る。拠点からの移動や最近の活動で心もとない状況を考えると、わずかに補給できるだけでも十分なものだった。
ありがたいと礼を言いつつ、視線を向けずに意識だけしている端末。2人の所在を知るには、それを調べたほうが早そうだと、千護は考えていた。
「数は少なくなってるスね」
回収組もパラノイアの攻撃を警戒しつつ、任務に当たっている。アミューズメント施設の建物外のゾンビ処理や、レジスタンスの武器庫の件を優先したいと言う気持ちが平山にはあったが、この間の放浪者から言われた回収組は必要だと聞かされ若干の心の余裕が戻ったのと、この状況を冷静に判断できる知性もあり、今は仕方ないとバリケード点検と修復、確保したエリア内のゾンビ処理に尽力している。
「潜入してきてるのはマッスルゾンビだけ、か」
ここのところ、目立っている変異体がそれだった。マッスルゾンビは変異体の中で見かける率は、多くもなければ少なくもないという、いわば中間の立ち位置にいる存在だ。それが多く見られるということは、パラノイアの影響だろうとは言える。しかし、操作外であろう変異体をどうやってバリケード破壊をさせるのかと言えば、彼女は思いつかなかった。
彼女の呟きに、佐田も考えを巡らせている様子だったが、彼女と同じく答えにはいきついてはいない様子だった。2人が考え込む様子に、フェイがまたかと呆れた顔をする。
「考えても仕方ないスよ。パラノイアも、バリケードを壊すならマッスルゾンビが一番だと思って、バリケード壊しにいってこーいって命令してるだけだと思うスよ?」
指を鳴らしながらフェイを指差し、佐田はそれだと納得してから、平山もワンテンポ遅れてもしやという顔をする。
「ふん、私としたことがこんなことに気づかないとはな。脳みそをいじくって操作するぐらいの奴だ、暗示のようなもので命令できても不思議じゃない」
すでに拠点に染まっている2人に、その意見は筋が通っていた。考えてみれば、バリケード破壊されたというだけで、それ以上のことは起きていない。暗示だからか、それとも理性が無くなったゾンビだからかはわからないが、高度な命令は出来ないと判断できる。
「憶測、と言えばそれまでですが、師匠の意見に賛同します。戻し次第、可能性として報告します」
もちろん、だからこその問題は残る。高度な命令ができないにしても、どれくらいの規模でそれを行うことができるのか。すでにバリケード破壊を想定したゾンビの群れが移動を開始していないか。といったものが想定できる。しかし、言い換えれば想定できるのなら対処はできる。何にせよ、この世界で恐れなければいけないものとして無知であることだ。それを1つ回避できる可能性があるなら、それに越したことはないのだ。
>>278
文明が滅んだあとの高級味。たしかにこれ日っぽい。あと、この世界の携帯食料にもなりそうな(ならないか)
後、放浪者達は獣肉(初期は冷凍焼き肉用の漬け肉)とはいえちゃっかり焼肉食べてたりするから、わりと豪勢な勢力よね。
>>279
便利ゆえの弊害はどこにでもあるということやねー。
さて、相変わらずダイスがあらぶってるのと、こんな時間なので寝かせてもらいます。ピンチになると、ブースターかかるのはもはや仕様なのか…。
乙!
でも何も書くこと思い付かなかったから、とりあえずフレンドラジオに曲リク 宮沢和史さんで ひとりぼっちじゃない できたらお願いしま~す
昨今では、野菜の高騰が叫ばれていますが、これ日の世界で野菜を金で買うとするなら、幾らくらいになってしまうんでしょうね
五百三十五日目
大型駅エリアにおける変異体処理について、現時点も大きな問題は出来ていない。しかし、佐原と藍の体力の消耗が出ているように感じられる。まだ大丈夫だろうが、探索組に比べれば定期的な休憩が必要だな。
後は回収組から、今回の襲撃に関する考察について報告があった。コマンダーゾンビはゾンビを操り襲撃をかけてくる、その亜種であるパラノイアは暗示めいた簡単な命令を脳に刻み今回の攻撃を行ったのではないかとのことだ。
普通なら妄想と言われてしまう内容だが、惨劇後はそんな常識は瓦礫と化している。そもそも、コマンダーゾンビ自体がすでに空想の域であり、そして存在してしまっているのだからな。
もちろん俺としても、今回の報告は可能性が高いと踏んでいる。まず、攻撃を仕掛けている割には散発的だということだ。パラノイア本体が攻めてきているのなら、破壊したバリケードから大量のゾンビを誘導して、制圧したエリアを取り返していくだろう。
それが起きていないということは、少なくともパラノイア本体は動いていないということになる。だから連続した攻撃の形跡はないということだ。奴もまだ雪が残る状態での大移動は避けたいと考えつつ、かつ、こちらの動きをけん制しようとする意図ではないかと踏んでいる。
恐らく、マッスルゾンビによる攻撃はそろそろ終わるだろうが。次に打ってくるであろう手を検討しておかなければいけないな。
一ノ瀬DIARY FEB. 8
高速道路エリアの制圧については、好調を維持できてる状態。これなら、もしかするとすぐにでも警察署エリアの制圧作業に移れるかもしれないなー。
放浪者さん達が無理な任務を続けてもらってる状態だから、こっちの任務が早く終われば、楽になるよね。あのパラノイアが関わってるから、そんなに簡単なことじゃないかな…。
今のところ、3人は元気みたい。放浪者さんはサンダーボルトの充電と、食料回収がてら拠点に戻ってくるから大丈夫そうなのはわかる。でも、2人はどうかな。疲れてないといいんだけど。それでなくても、ゆっくり休められる状況じゃないみたいだし。
まだまだ寒さは厳しいのもあるから、風邪とかひかないといいんだけど…。
「……どうしたものだろうね」
DJフレンドは拠点の状況をビジョンから聞き、何かできることはないかと考えを巡らせていた。出てきた案はどれも却下するような方法しかなく、手詰まりになるしかなかった。
人を集めると言うだけなら簡単だ、拠点の詳細な位置を放送すればいい。だがそれはいらない敵を増やすどころか、WWPに所在を知られる可能性が出てくる愚策だ。最悪、同盟関係も解消されて、敵対することも考えられる。
拠点の脅威は重々承知している。戦闘力の高いメンバー1人を寄越すだけで、DJフレンドの勢力は容易く壊滅するだろう。その部分では、絶望的な差がある。だからこその同盟ではあるのだが。
後考えられるのは、拠点自体ではなく都市に物資が残っていると流布すること。これなら生存者が集まり、勝手にゾンビ達を処理したり、気を引いてもらうことは可能だ。しかし、その生存者が略奪者である、という問題を抜かしても、せっかくの生存者が死なせては意味はないということだ。更なる問題は自分の信頼も失うということ、それではこの放送活動の意義さえ失ってしまう。
恐らくまだ、大掛かりな攻撃はないだろうということだったが、いつ聞いたパラノイアが襲ってくるかはわからない。
「こればっかりは、皆に相談だね」
席を立って放送室を出る。勢力として拠点の状況に協力できないか、メンバーと相談する為、ファイブキラーに全員の招集を指示した。
【考察】
「パラノイア。まだ信じられてないよ、一ノ瀬さんは見たことあるのかい」
「姿は放浪者さんが見ただけです。でも、力は体験してます。門日先生はどうですか?」
「そのコマンダーゾンビとやらもね。遭遇したこともないよ。でも、それだけ強力ならそれから逃げ切れる生存者そのものが、そんな多くないのが事実だろうねぇ」
「放浪者さんも、探索組が助かったのは偶然に過ぎないって言ってました」
「あの人でそういうこという相手ねぇ。なかなか厄介な時に、加入しちゃったかな」
「………」
「出たりしようとは思っている訳じゃないよ。そうするには当てもないからね」
「良かったです」
「ただまぁ、医者なりにどういう変異体なのかは考察できると思うよ。そこから、何か弱点でも見つかればいいけれどね」
「そうですね…」
「後はサンプルがあれば一番だけどねぇ…」
>>283
特に何もなければ乙だけでええんじゃよ。DJフレンドさんのリクが溜まる一方である
>>284
貨幣が死んでるから何とも。強いて言えば宝石数個で白菜1個の価値かなーとぼんやり思った。以下、ざっくりレート
缶詰1個=白菜1個 弾薬5発=白菜1個 医薬品1個=白菜1個
まぁ、武器や雑貨類は勢力の状況によって価値代わるだろうから。固定なのは大抵上みたいなもんじゃないかと。白菜なのは理由ないけど、多分冬になってきてるからだと思う。
んむむ……マーズアタックみたいな手は使えないもんなのかね?
まぁ、やるならコマゾンを挟んで拠点の反対側からやらないと危ないけどな
乙 白菜栽培しなきゃな
乙!
俺も含めて、セラニのはリクしすぎですねw
同じアーティストのばっかりじゃ不公平だし、>>1さんからの紹介も楽しみなんですからね~
佐原と藍は今日も大型駅エリアの変異体処理の任務に出ていた。連日の危険性の高い任務が続いているのと、休憩もしっかりと取れる状態ではないこともあり、少しだけ2人に疲労の色は見えてきている。それでも、このペアはその肉体を抜きにして洗練された化け物の強さが、それを覆い隠していた。
程よく変異体のいくつかを処理し、ゾンビに囲まれそうになった2人は手ごろなビルに飛び込んで一時休憩を取った。戦果としては現状申し分ないが、そろそろ後退しなければゾンビの群れを蹴散らしながらになる状態だった。
この任務はあくまでパラノイアの打つ先手をくじくものに過ぎない。命がけでまだ変異体を処理する必要もないことから、2人が撤退を宣言しようとしたその時だ。ジャンピングゾンビ数体が、ビルの中に飛び込んできたのは。最悪なのは、2人がいる位置の左右を取られ、挟み撃ち状態になったということだ。
即座に戦闘態勢を取る2人に、ジャンピングゾンビが襲い掛かる。それは見事な連携としかいいようはなかった。返討にしつつも、2人の心に去来したのは、自分達はパラノイアに捉えられた可能性だった。そして、それを証明するように、モンキーゾンビも建物内に入り込んでくる。
佐原がチラリと下を見る。ただのゾンビ共が自分のいるビルの塀にぶつかり、その群れが帯状に広がっているのと、一部は明後日の方に歩いていた。彼の勘がこう告げた、今の2人だけでここにいる変異体は処理をしている間に、脱出は出来ない状態に追い込まれる可能性が大だと。
「藍! 早く俺の背中ニ乗るっす!」
生き延びることが最優先である。彼は、放浪者のその言葉に従った。
違和感を覚えた放浪者が、サンダーボルトに乗った状態でしゃがみこみながら剣を上段から下段に向かって切り払うと、その後方に真っ二つになったモンキーゾンビが転がった。続けざまに正面から飛びかかるジャンピングゾンビを存在を認識してから、わずかにサンダーボルトをずらしてすれ違い様にスピアで脳天を貫いて引き抜いた。
連携の良さを感じた放浪者は、あえてサンダーボルトから降りて待ち構えることにした。奇妙なことにゾンビは降り立った時に周囲の分を処理した後は、こちらに近づいてくる様子はない。代わりに、変異体がこちらへ襲い掛かってくる。
それは並の生存者ならひとたまりもない連携だった。クローゾンビの突撃に合わせ、背後左右から同時にジャンピングゾンビが襲ってくる。その連携をしのぎ、処理をしてからもモンキーゾンビの攻撃を回避したところを、マッスルゾンビの攻撃が合わせてくることもあった。
だが、並ではない放浪者は結局傷一つ負わず、周囲に転がったのは変異体と降りた時に処理したゾンビの亡骸だけだった。それ以外、彼の周囲には見える範囲では誰もいなくなっていた。そして、放浪者はそのことに疑問を覚えている。てっきり、パラノイアの知覚範囲に入り、もっと苛烈な攻撃があると判断していた彼には、この攻撃でさえも手ぬるく感じていた。
それに、ゾンビが操られているような様子がない。先ほどの攻撃を抑えられたのも、彼自身は単純に自分対変異体と戦えたと言う事実が大きいと考えている。そう、ゾンビを操作していた様子もない。更に言うなら、連携攻撃後はてんでバラバラな動きにも感じられた。
1つ、検討はついた頃に、藍から無線で呼び掛けがあり、放浪者はそれに応答した。
五百十六日目
大型駅エリアの変異体処理の任務は、今日は失敗に終わったと言える。ある程度の数は処理出来ているが、佐原が負傷した。どうも、藍を連れて脱出しようとした際の隙を突かれ、ジャンピングゾンビの体当たりと咬みつきを食らったらしい。元々ミュータント化しているから感染の恐れがないのは幸いか。
(咬みつかれたまま壁に叩きつけてはがしたのと、体毛のおかげで咬み傷自体はなかったが)
当人はまだまだいけると言っているが、一週間ほど治療するよう言っておいた。その間は俺が単独で大型駅アリアの変異体処理し、藍は探索組の任務に戻る。危険は承知だが、変異体処理そのものは少しでも後手に回りたくない状況になっている。
二人と俺が襲われた状況を想定するに、どちらもパラノイアには感知されていないと考えられる状況だ。元々同時に襲われないようある程度の距離を離して処理は進めていたのと、何よりゾンビが一部でもフラフラと動いていたと言う事実だ。
コマンダーゾンビの支配下にあるゾンビは、なんであれ意思を持った行動をする。フラフラと何もしないゾンビがいることが考えられない。それに、亜種であるパラノイアは人間に対しての攻撃は徹底的だ。つぎ込める戦力はつぎ込むだろう。
そこで考え付いたのは、暗示として簡単な命令を刻み込み、攻撃を仕掛けてくるような相手だ。もしかすると、変異体に訓練させている可能性が考えられる。これなら、初手の攻撃がだけ連携が出来ていたことも説明がつく。
今回は少し大型駅エリアの中に入ったところでの作業と考えると、内部の変異体は全体的に強化されている可能性は高そうだな。まるで、将棋の駒のように成られるような鬱陶しさだが、いくら変異体と言えど、すぐに身につくようなものではないはずだ。あの包囲網からこれまでの間に施した変異体を処理しきれば、何の問題はない。
パラノイアが変異体を訓練してる。個人的には定かじゃない気がしますねー。
でも、放浪者さんの考えの通りだとゾンビは訓練されてないのはなんでなんでしょ。
やっぱり、ただのゾンビだからパラノイアとしても優先事項が低い。とか。
でも考えると確かに、ゾンビを訓練して有効な手段は浮かばないかな。
一瞬の力とかがあれば、そっちを組み合わせたほうが楽。という感じかな。
放浪者さんは確信めいた様子だから、多分外れてないんだろうなとは思う。
ただ、そうなっちゃうと今後、パラノイアと戦う場合そういう変異体とも相手しなきゃいけない訳で。
そうなると、だいぶキツイ状況ということかー。
こういうことだと乗り気になるハンターさんが、早いうちにまたフラッときてくれないものかなー。
拠点診療録 No.2 9.Februar.
記録者:門日泊姚
佐原君が負った怪我は、体当たりの際の軽い打ち身、左腕に咬み痕。咬み痕は幸いなことに、牙が皮膚に到達してない。打撲みたいなものになるね。
彼自身が言っていたが、すでにミュータントになっている身だから、そういった点は他の人より見つかっても気楽ではあるね。
恐らく悪化することはないと思うけれど、いったんの安静というところかな。1週間ほどとは診断したけれど、彼の回復力を考えるに、そこまでは必要ないとは思う。
何にしても大怪我じゃないなら越したことはないね。
2/9 担当勝 朝
なんか曇りが多いなー。
また雪降るのかな。雨かな?
担当浜村 昼
そろそろ雨でいいわね。
遊撃班、負傷者連絡(急いでいるのか筆記が歪んでいる)
担当浜村 夜
佐原殿の怪我が大したことがなくて幸いです。
回収組も皆さんに比べるまでではないとはいえ、攻撃の余波は残っている状態。
パラノイアの件は、迅速に対応を求められてくるでしょう。
【いつも通り2】
「ふフふーんふーん」ゴロゴロ
「よぉ…、って元気そうだな、おい」ガチャッ
「あ、井門さん。どうシたっすか?」
「怪我したって聞いたからに決まってるだろ?」
「大したことハないっすよ。ま、やってるのが危なイっすから、快復してからの復帰っすケど」
「ま、それがいいな。ゆっくり休んどけ」
「ここんとこゆっくり寝れてナかったっすから、思う存分ゴロゴロするっス」ゴロゴロ
「…お前はほんと、いつも通りだな」
「そうっすかネ?」
【想定内と想定外】
「…パラノイアの周囲は、更に俺達の常識を超えている」
「訓練を施された変異体…。想像することすらできませんでしたね」
「…今回の変異体遊撃で負傷者が出るのは覚悟していたが。しばらく無茶をしなければならないか」
「その代わり、日ごと拠点には戻ってもらえるんですよね?」
「…あぁ、俺だけなら行き来自体問題はないからな。一人は休息も取らなければならない。まさか、同じように活動すると思ったのか、相棒」
「はい、貴方ならしかねませんので」
「…やれやれ、どう見られてるのやらな」
「ご自分の胸に手を当ててはいかがですか?」
「…そう怒るな」
「怒ってなどいませんよ。ただ」
「…ただ?」
「ご無事で何よりです」
「…あぁ、ありがとう」
>>290
振動アタックかな。もしかしたら効くやも。まぁ、音をどうするかなのは確か。
>>291
ぶっちゃけ高いのよね白菜。どうにかならんかしら。え、違う?
>>292
まぁ、おいらのはこれ日に合いそうなのを探してるだけだったり。
やべぇ!遺伝子か魂か無意識にか知らねーけどコンビネーションアタックするように刻み付けてやがる……!!
乙!
デルフィア、激戦ばっかりだろうし、そろそろボロくなってきてるんじゃないか?
「やっと見つけたぜ…、あ~、目がいてぇ~」
どさりとエクスは愛用している専用の椅子にもたれかかる。ここしばらくずっと画面を直視していたこともあり、左腕で目を覆い何も見たくないと言う様子だった。
「ひっひ。付き合う身にも…、なってほしいーね」
こちらも同様に、そのまま床に座り込み、背を壁に預けるビジョンの姿があった。汗を吹き出し、息遣いが荒くなっているところを見ると、彼の方が疲労は蓄積しているようだ。
ここのところ、ほとんど休まずPCP(超能力創造計画)の調査を進めていた。それは、当然ビジョンから話があった明石美羽についてだ。エクスの想定通り機密情報となっていた人物は、想定外に情報を隠蔽されておりエクスのハッカースキル、ビジョンの生体LANを用いてようやっと見つけ出すことに成功した。
「ども…。って2人とも、グロッキーなのか」
サポート室にこもりっきりの2人の為、くるみと文彦が交互に食事を持ってきており、今日はその番だった文彦が見たのは、倒れこむ姿だった。その内こうなるだろうと思っていた彼は、比較的冷静に状況を受け止めていた。
「仕事は終わったみたいですから、そのままにしときましょう」
彼が差し入れに持ってきたフライドポテトを、くみるはつまみ食いしながら提案する。そのつまみ食いに軽くコラと叱り、文彦はそれをデスクにおいてから毛布を取りに外へと出ていった。
拠点での警備はいつも通りであるものの、今日の天候はみぞれと中々に最悪の状況だ。こんな中を活動するとなれば、自分達のように目的を持った人間ぐらいのものだろう。喜読はぼんやりとそんなことを考えていた。肌寒い空気は思考を鋭敏にしながら、身体の淀感覚だけはまどろんでいくような、彼女はそんな気分だった。
カタンと、テラスの方から音がした。素早く目線を向けると、黄色の札が立てられていた。ゾンビではなく生存者が接近してきたことを知らせる合図。一気に身体は覚醒していく。次に、蒲谷がテラスから手だけを出して、目撃した方向を指さした。場所は、ちょうど真っ直ぐ都市へ向かう位置だ。
急ぎ、拠点に居るメンバーに情報を伝達してから、そのままロックを操作する端末が積まれた装甲車に乗り込み、そこから生存者の様子をロック自体につけられたカメラの映像からモニターする。
このみぞれの影響だろう、寒さに凍える様子の生存者が2名。略奪者の類かどうかは判断しようはないが、様子を探る必要はある。彼女はキーボードをタイピングして、あるものを入力した。
「警告、コレ以上コノ区画ヘノ接近ハ許可デキナイ」
入力した文章を読み上げるプログラムを使い、ロックにあるマイクを通してその内容が相手に通達されると同時に、銃口を左右に展開してその生存者を威嚇する。操作自体は喜読が今は行っている為、攻撃が開始されたりはしないが、機械が唐突に警告を発して武装をちらつかせる。これほどの威圧はあまりないだろう。
「お、俺達は何もしない! 撃たないでくれ!」
機械と言えど、話しかけてきたなら訴えたくなるのは人情というものか。モニター越しに想定していない事態に狼狽している姿を見ながら、喜読なりにそれが本当かどうか見分けようとした時だった。
「いいわ。その2人は入れても問題ないから。」
いつの間にか装甲車のドア近くにいた浜村が、静かな声で喜読に声をかける。集中していた彼女は少し驚いてから、再度タイピングをした。
「交戦意思ガナケレバ、コチラヘノ接近ハ許可スル。詳シクハ中ニイル者ニ従エ」
モニター越しに見えたのは、それを信じていいのかという表情。この場所は防衛装置(ロック)よりも信じられないものが在住するここで、果たしてこの2人は耐えられるのか、そんな感想を喜読は抱いた。
「ほえー、こんな感じなんスねー」
回収組は貸倉庫内を探索していた。4階建てのビルが1つ丸々貸倉庫として運用されていて、内部は人の出入りがあまりなかったからか綺麗な状態で残っているのと、内部にいたゾンビはここを管理するスタッフらしきぐらいだった。
ここに訪れたのは物資の回収ではない。内容としてはそれに近いことではあるが、目的が違う。出来る限りの情報を収集した結果、レジスタンスが密輸入していた武器は、この場所に保管されている可能性が高かった。
ただし、問題もあった。この貸金庫の目的が、密輸入した武器を各拠点に配布する前の一時保管として利用されていた場合だ。正解であったとしても、そこに武器類がなければこれまでの行動の意味がなかったことになる。
鍵についてはゾンビとなったスタッフがいた部屋に合った束をすべて持ってきた。ここからは総当たりすることになった。幸い、鍵束はどこの階のものか書かれた場所にかかっていたこともあり、各階を1人担当することになった。
平山は担当した3階については、開けられるものは全部開けたものの、いくつかの使えそうなもの以外で武器は見当たらなかった。もしかすると、鍵が一致しなかった場所にあるのかもしれないが、開けられた貸倉庫の中身から一般客が利用しているようで、24時間営業していたこの場所で、そう言う保管がされていたとは考えづらい状況だった。
となれば、別の階か。そう思い立ってこの階の貸金庫室から出ると、ちょうど自分を呼び来たらしいフェイが近づいてきてた。話によると彼女の担当した2階自体の貸金庫室そのものに合う鍵がなく、無理やり開けようとしても無理で、手伝いに来たということだった。
ただ、平山は引っかかっていた。スタッフを常駐させて管理をしているような貸金庫で、各フロアに入る鍵は間違いなく存在するはず。彼女が持っている鍵束に関しては、3階のフロア全てに対応していた。
2人のやり取りが聞こえたからか、探索が終わったのか、佐田も四階から降りてくる。平山は彼に全てのフロアは開いたかと確認すると、すべて確認できた事がわかった。彼女の勘が告げる、この状況ならその2階が最も怪しいと。
論理的ではないことは承知だったが、レジスタンスの武器庫を確保するは、今拠点が置かれている状況を理解したうえで、期待に応えると言う意味で、彼女の中では最優先事項だった。未探索個所をそのままにできないと言う気持ちも当然強い。
フェイが言う通り、貸金庫室の鍵は2階の分とする鍵束で一致するものはなかった。それなりに厚さのある扉が、不躾に侵入しようとする相手を、手で追い払っているかのようだ。
「鍵をこじ開けます」
しかし、今の彼女はそれで立ち去るようなお人好しな神経は持ち合わせていない。中に入る為、ブラストシューターの出力を最大まで上げ、鍵穴に向かって放出した。
五百三十七日目
大型駅エリアの変異体処理の任務だが、残念ながら失敗に終わったと言っていい。連携が来るという意識が強かったせいか、うまく立ち回れずに終わってしまった。処理出来たのも数える程度では、パラノイアの攻撃を防ぐには不足だろう。
だが、その分訓練された変異体との戦いの経験は得られたとは言える。動きも掴めてきていることを考えれば、明日以降に活かさなければな。
さて、今日はいろいろと動きがあった日のようだな。まず、初めてのモーテルの利用者が出来たと言うのは喜ばしい。話によると、どうやらまたハンター経由らしい。そして、ここを通過地点として利用しただけのようだな。
武器に関してはこちらで預かっている。もちろん、最初は納得してくれなかったようだがな。拠点の安全を優先すると仕方のないことだが、この場所の知名度でも上げなければそこがスムーズにいくのは難しいだろう。そして、有名となると今度は襲撃の恐れも出てくる。それはそれで頭が痛い話だ。
今はモーテル内でゆっくりしているようで、相棒がいろいろと話を聞き出していた。どうやらプランターゾンビがいるゾーンを経由してきたらしいが、俺が知っている情報とほとんど変わりない。他の変異体の亜種が見つかっていることもあって、てっきりプランターゾンビもそう言うのがいると思ったのだがな。
後は、レジスタンスの武器庫も発見された。どうやらかなりの量の用で、いったん封鎖してそのままにしてきたらしい。
(火器庫もすでにいろいろあるのと、場所的に探索はあまりされないだろうと言う理由だそうだ)
もし、レジスタンスと絡むことがあれば、かなり強力な交渉の道具になるだろうな。どんな奴らかはわからないが、力を欲しているのはどこも変わりないだろう。万一、交渉も聞かないような敵対相手だとすれば、その時は俺達のものにしてしまえばいい。後者に転がるのはありがたくはないが、どちらにしても拠点としてはメリットはある。
他のメンバーも頑張っているのに、自分が体たらくと言う訳にもいかないな。明日は、戦果を挙げるとしよう。
2月10日
高速道路エリアの制圧は進んでいる。今日の天候はみぞれということもあって、ここのところの好調を落としてしまった状態になる。予定している進捗からは遅くなっていないが、遊撃班の現状を考えると早め早めを維持したい。ただ、具体的な案がない以上は、各個の働きに期待するしかないというのも、現状の状況だ。
モーテルについてだが、まだまだ利用されることはないだろうと考えていたのは外れ、本日やってきた生存者が利用している。今回の生存者もハンターから話を聞いてきたようだ。ただ、違うのはここは通過点で有り、このまま関西の方に向かうとのこと。詳しいことは話してはくれなかったのでわからないが、ここに残ってくれることはないようだ。
世間話として、これまでの旅路について話を聞く。興味深かったのはプランターゾンビについてだ。前に放浪者から聞いた話と照らし合わせても、全く変化している様子はなかった。まさしく、そのままの状況で脅威を振りまいているようだ。
変異体としては、亜種にならないほどのすでに完成された存在なのかもしれない。当然ではあるが、2人の生存者の話をうのみにする気はない。しかし、彼等が嘘を言っている様子もなかった。
支払いについては弾薬で支払ってもらっていたので、情報料として缶詰を渡した。これからまた長い旅路に出なければいけない2人には、ちょうどいい報酬と考えている。
山中沙奈 記す
【それぞれの市場】
「1人につき素泊まりは弾5発、1食付きで8発…」
「その他にいらない物資がございますなら、お見せいただいてこちらにて有用なものであれば、そちらでもお支払い可能でございます」
「喜読さん、だっけ。どうにかならないのかね?」
「適正価格と存じます。この場所は誇張ではなく、どこの場所より安全と考えます。それに、食事についても調理したものをお出ししますから、むしろリーズナブルでございますよ」
「食事付きで缶詰は2つかぁ…。もうちょっと遠方にいかなきゃいけないし…」
「余計な物資なんて持ってる余裕もないからな…」
「お2人の希望自体はいかがですか? 恐れ入りますが、無料、以外でお願いいたします」
「出来れば、1人弾4発で食事つきに出来ないもんかね」
「……ふ~む。4発は承りかねますが、ただ条件付きで5発にて食事付きができるかはご相談しますよ」
「条件、ですか?」
「簡単なお話です。本日は警備用の人員が不足しておりましてね。その代役をしていただけるなら、上の者とご相談しましょう」
「…。それで頼めるか。どっちにしろ、空腹もきつくなってて、喰えるだけでもありがたい」
「えぇ、ではまず先にお部屋の方へ。相部屋で問題はございませんか?」
「あ、はい」
「お疲れでしたでしょう。上との交渉が終わるまで、荷物を置いてゆっくりなさってください」
「(なんだろ、俺、疲れて夢見てる気がしてきた)」
弾薬が通貨になってるのを見るとmetro2033ってロシアの小説を思い出す
乙!
どこの場所より安全(パラノイアの急襲時は除く)
乙 連泊したら多少割り引かれるのかな
『ゾンビ世界に中世のものを持ちこもう』
幾人かの生存者が、5階建てのビルで何か作業をしている。ビルの端に、運搬してきたものを設置している。ホームセンターかどこかで回収したであろう鉄パイプが主体で組み合わされたそれは、クロスボウを模していた。
だが、それは明らかに人が持ち運んで使えるようなものではなく、ある種の装置と言っていいものだ。てこの原理で弦を絞り、大型の弓ならず石や金属の弾の発射も可能。古来に使われていた兵器、バリスタ。それを現代風に仕立てたものと言える。
「設置おっけー! さて、この兵器(こ)でちゃちゃっと倒しちゃってー」
この装置の開発者か、この勢力の責任者か。その人物の呼びかけで、全員配置につく。ビルを見下ろした先にいる彼らの標的は、ここのところこの周辺で被害の報告が多いプランターゾンビの姿だった。
バリスタは人力では出せない威力を持って、対象を攻撃することができる。発射される矢の威力は、古来から鎧を貫通すると記録されている。兵器、という言葉に間違いないものだ。
一斉に射出される矢は、プランターゾンビ目がけて飛び、その内一本の矢が吸い込まれるようにプランターゾンビの真ん中へ到達し、まさしく吹き飛ばした。
外れた矢もコンクリートや車に突き刺さり、この兵器の威力をいかんなく証明している。プランターゾンビがこの一撃で倒せたかはわからないが、倒れてから触手を動かす様子はない。後で確認はした方が確実だろうが、今は撃ち込むに値しなくなったというこおとだ。
「次弾装填準備、可能な限り始末するぞ」
その号令のもと、メンバーは矢の装填を開始する。次に古来の兵器が、プランターゾンビに牙を剥くのは、そう遅くはなかった。
>>310
それだったかはわからないけど、聞いたことはあるかな。
まぁ、個人的にはキャップでやり取りしたいけど。
>>311
まぁ、パラノイアさんが襲撃してきたらWWPでもやられちゃいますしおすし
>>312
そこらは多分そこらは喜読さんとの交渉次第かなー。
ちょとダイス様の判定結果の処理に悩み中。申し訳ないが、とりあえず幕間で本日はお茶濁しです。カタパルトもいいよね。
>>304の訂正
×肌寒い空気は思考を鋭敏にしながら、身体の淀感覚だけはまどろんでいくような、彼女はそんな気分だった。
○肌寒い空気は思考を鋭敏にしながら、身体の感覚だけはまどろんでいくような、彼女はそんな気分だった。
乙 初めてのお客様はこの勢力の人かもしれないってことか この先登場することになったら拠点といいお付き合い出来そうだ
乙!
飯付きと言っても、量次第で文句言われたりして
プランターゾンビ久々に登場
ということはここの人達は放浪者が初期にいた地域にいる生存者かな
「…行くのか?」
大型駅エリアの変異体処理へ向かう為、外に出た放浪者はモーテル宿泊していた生存者達が旅支度をして出たところと鉢合わせた。昨日見た時と比べ、顔色というか2人から発するものに力強さがあり、恐らくゆっくりと休めたのだろうと放浪者は感じていた。
放浪者の装いを見て、2人は驚いた様子を見せたが、そのまま宿泊について礼を言われる。拠点としての新たな物資収集の側面として行ったことに過ぎないが、2人を様子を見るに今回は良い結果であったようだ。もちろん、拠点と同じ程度の自給自足ができて治安も確保され、武力を持っているところはそうそうないだろう。行く道中ではゾンビの脅威や略奪者の恐怖、何よりゆっくりと眠ることさえできない。安眠できるというだけでも宿として十分な価値はある。
それに、生存者達に提供したのは白菜と大根だけの鍋。限られた調味料しかなく、味付けは塩と酒だけだったが、喜んで食べていた。2人は空腹もあっておかわりを要求したが、放浪者達も基本的に人数分しか作らない為、無いことを告げるととても悲しそうな顔を浮かべた。
自分達にとって当たり前になりつつあることが、まだまだ拠点の外ではそうではないと言う事実を放浪者は感じた。メンバーなら彼が苦渋の顔を浮かべているのに気づけただろうが、生憎目の前にいるのは流れの生存者、不愛想にしか見えない彼のわずかな表情の違いを読み取れるはずはなかった。
そのやり取りの後、少し待つように放浪者言って中に入る。2人は素直に待つものの、不安げな様子も見え隠れする。しばらくして放浪者は手に袋を持って現れた。中には、手製のポテトチップスが入っている。
「…餞別だ。預かっていた武器は喜読が持ってくる、もう少しだけ待っていろ」
いいのか、という問いをサンダーボルトに乗って少し浮遊してから、こう答えた。
「…すべき事があるなら、素直に受け取ることだ」
急浮上と共に周囲は突風が吹き荒れ、瞬く間に放浪者の姿は小さくなって都市へと消えていった。ハンターと名乗ったあの男から、この場所については聞いていたが、見ることとは別物。生存者は固まるほかなかった。
外に出てきていた喜読にはもはや見慣れた光景だったが、固まる2人の状態は以前と自分と重なるものがあった。仮に、これから拠点を出て放浪の旅を再開したら、何も驚かなくなるだろうか。考えて、意味はないと気づく。
「ご宿泊、ありがとうございました。こちらはお預かりしていた武器になります。これからの旅路も幸あらんことをお祈りいたします」
馴染んだ営業マンとしての微笑みが、もしかしたら滑稽に映っているかもしれない。そう思いつつ、言わなければいけないことを伝えることにした。
「そちらの品につきましてですが、リーダーのご厚意でございますのでそのままお受け取りください。ただ、次回の際はご購入をお願い致します」
少し意地が悪いと言うか、小悪魔のような彼女の笑みが、生存者の2人には自然に映った。
最近離れてて久々に見たらやっぱクソ面白いな
1から半日以上かけてぜんぶ読み直しちまった
「いやぁ、わりぃな放浪者。早めに報告した方がいいと思ってよ」
放浪者は研究所へ訪れて、サポート室の椅子に腰かけている。不愛想な顔つきに渋い表情がまざるのは疲れからか。そこのところはわからないが、急きょ呼び出したことにエクスは軽く詫びた。
報告はPCP(超能力創造計画)のようやっと情報を得ることができた明石美羽についてだ。当然、初耳である放浪者は初期の段階、つまり調べる至った経緯を確認してから調査結果を聞くこととなった。
「Old Origin。研究者共は普通にOrigin(オリジン)と呼んでたみたいだけどな。日本語的に言うと『古き起源』ってとこか。そのカテゴリにこの明石ってやつは分類されてた」
オリジン、それはPCPの研究において重要な意味を持っていた。超能力を開発するにあたり、それ自体が本当に存在するのか、実在するとするならどういう器官を用いて、超常現象を発現させることができるのか。それを研究できる対象、つまり生まれながらにして超能力を持つ者を総称したものだった。
その意味をある観点から見ると、つまりオリジンは複数存在しているということになる。
「この情報はトップクラスも目じゃない機密情報だったみたいだな。そもそも、WWPが関わらんでもその力そのものが使い方によっちゃあ国家の運営が危なくなる。生まれながらの危険因子って訳だ」
そのままエクスは続ける。そのオリジンの中で明石美羽は平穏なヒーリング能力だった。幼い頃からその力はすでに使えたようで、経緯は不明だがWPPの監視下に置かれることになる。その後、ヒーリング能力が発現する時の身体の状態や、ヒーリング能力が作用する度合いなどを調査する検体となった。
貴重なオリジンということもあり、扱い自体はひどいものではなかったようだが、監禁状態だったのは間違いないようだ。
「今は生きてんだか死んでんだかは不明。PCPがまだ活動続けてて監禁場所が大丈夫なら、無事だろうけどな。他のオリジンはどういう状況なのか、そもそもWWPに捕まってんのかもわかんねぇ。わかんのは、攻撃できる超能力なら変異するもの取り込まなきゃ生きてるだろってことだ」
つまり、PCPが絡まないオリジンという超能力者が、生存者の中に存在することを示す情報だった。すでに超能力者はビジョンという証明がある以上、疑う必要すらない。
PCPで生み出された超能力者と、オリジンである超能力者。何らかの違いがあるのかはわからないが、ビジョンの例を見れば敵対した時、それは厄介な力として襲ってくることはどちらでも間違いなかった。
「俺が思うにだ。この超能力を持ってる奴らは、元々は妖怪と化け物とかのやつらなんじゃねぇかって思ってる。そういう奴らが、隔世遺伝だったかな。そういうので使えるようになってるとかな。後は、そういう遺伝子情報を持ってる奴らが、実は変異体の類になるとかよ。ほら、コマンダーゾンビなんて心読む妖怪に絡むしさ」
オリジン。あるいはオリジンの要因を持つ存在が変異した場合、もしその力が発現、あるいは残った状態になったとしたら、それは、場合によってはパラノイアを超える脅威になりえると、容易に想像できた。
初回サービス特典……小悪魔のような笑顔……まさか彼女は、ちひ…ろ…
>>315
まぁ、>>1が深く考えてないけど。ダイス絡みではありうるかもねぇ
>>316
飯の恨みは恐ろしいからねぇ…。
>>317
初期にいたあたりか、脅威は広がっているのか。
>>319
ありがとう。しかし、本当にかなりの量になったねぇ。おかげでまとめ作業やるのが(ry
>>321
元ネタのは手を出したことがなくてねぇ。ネタとしてちらっと見たことがあるぐらい。確か、鬼で悪魔で魔王なんだよね?
538日目については、眠気がきついので明日にー。
乙!
オリジンと聞いて真っ先に浮かんだ単語が、ガンダム THE ORIGINだった
五百三十八日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。昨日の遅れを取り戻せる程度に変異体は処理はできた。もっとも、このペースを維持ではなく、更に処理数を増やしていくのと、ゾンビ処理もある程度は並行していかなければいけない。
それに、その方が佐原達の為になるだろう。時折だが、憎悪のようなものを感じることが大型駅エリアにいるとある。恐らく、いや、確実にパラノイアから発しているものだと俺は感じている。自分の支配下が荒らされるのが気に食わないと言ったところか。
ならば、その憎悪。俺が一手に引き受けよう。憎しみの感情は冷静な判断が出来なくなる。今後、確実に来るパラノイア討伐、あるいは襲撃において、奴の思考を鈍らせることは即ち能力を弱らせることに繋がる。その代わり、俺への攻撃はどこまでも苛烈だろうがな。だが、それで構わない。メンバーが生き延びることが最重要だ。パラノイアさえ倒せさえすれば、俺抜きになっても都市はメンバーだけで制圧することができる実力はあるからな。
その手段ができるようになるためにも、これから復帰する佐原や藍よりも、俺がその存在をアピールし続ける。そうする為には変異体処理のほかにゾンビもある程度処理をしなければいけない。2人の安全を守り、そして後の戦いを優位に進める必要な任務だ。
後は今日、エクスからの呼び出しにより得た情報は、常識というものがいかに脆かったのかと思わせるものだ。Old Origin。昔からいた生来の超能力者の総称。ビジョンが関わる前から、トリックの類とされていたものが、本当に実在していたという証明者ということだ。
前の時代にそういう扱いを受けたのは、国家ぐるみの隠ぺいだったのか。当人達が生きやすくする為だったのか。そこのところはわからない。今、わかっているのはオリジンは存在した。それだけのことではある。
ただ、同時に警戒しなければいけないのも事実だ。惨劇から今の時点でも生き延びているなら、生き延びるのに足る何かを持っている人間ということ。超能力にもよるが、オリジンなら生き延びるのは他の生存者より容易いだろう。
拠点は覚がいるからいい。危険人物は選定できる。だが、外に出る俺達が生存者と遭遇する場合より慎重にならなければいけないな。もっともオリジン自体は数が少ないようだし、気に留める程度でいいだろうが。
レポートNO.138
井門圭司
高速道路エリアの制圧は好調ってとこだな。探索組全体の意識として、放浪者さんのカバーに早く回ろうとしてる感じを受けるな。まぁ、あの人がいつも通り無茶してるってのはあるんだが、今回の無茶はヤバすぎる。
早く佐原が完治すりゃあ、3人で任務やれるんだからまだ安心なんだけど、そうだとしてもあの人のことだから知らせずに無茶してるって気がしてならねぇよな。たまに、死ぬのが怖くないのか聞いてみたくなるけど、まぁ、わかり切ったことだ。
とりあえず、仲間を信じてもうちっと俺らを頼ってくれりゃあいいんだけどな。
今の探索組は、放浪者さんと佐原がいないのもあって、錬浄さんが表立ってる感じだな。元々、あの2人にタメ張れるんじゃないかっていう身体能力の持ち主というのもあるけど、何より咬まれても平気っつーところがな。他のメンバーより攻撃に躊躇なくできるところはデカいだろうな。
まぁ、ウチのメンバーは状況によりけりで強さが変わるから、今の構成だと錬浄さんが表に出た方がいいってことなんだろうな。
2/11 担当喜読 朝
生存者の方々のお見送りは完了しました。
リピーターになってくれるかは、彼等次第ですね。
担当門日 昼
晴れ模様だから、いい旅日和ではあるねぇ。
しかし、冬時期に関西方面の遠征とは、何が目的なのやらね。
担当フェイ 夜
関西に向かう理由、本当になんだろ(?マークを浮かべた顔の絵)
それに、他のところより関西人集まるから危ないと思うんだけどなー(関西方面と思われるへんてこな地図)
研究所から戻り日記を書き終えた放浪者は、なぜか装甲車の中で佐原と一緒にいた。いつも自由気ままな彼には珍しく、どこか真面目な表情で放浪者と話をしたいと私室にやってきた。普段なら応接室を使うのだが、佐原が出来れば外がいいと駄々をこね、ここに居るに至った。
ぼんやりと、窓越しに佐原が都市の方を眺めている。話があるとしてきたにも関わらず、それをしようとしない彼に、放浪者は催促する訳でもなく見守るように黙っていた。
「こうなってカら、ずっと思ってタんすよ」
ぽつり、またぽつりと、話すと言うより独白のような感じで佐原は話す。自分と放浪者が前にいた鈴木を中心とした勢力、そこにいた頃の自分は、ひ弱で皆に迷惑をかけていたこと。襲撃され、逃げ続けた末、咬まれてこの体になったこと。
「もし、俺が早くミュータントになっテたら、鈴木さんとか皆。最悪、吉岡さンだけでも助けられたんじゃないかって思うっす」
佐原が言いたいことは、放浪者も共感できた。2人に共通するのは、図らずも強力な力を手に入れたということだ。もちろん、放浪者の場合は望んでファントムシリーズの被験体になったというのはあるが、ここまでのものになると考えていた訳ではない。ただ、その意味では、今のミュータント化による力を得てしまった佐原は、元々は困惑していたのだ。
自由に無邪気に振る舞い、現実をあるがままに受け入れる度量が持つ彼だからこそ、その事さえも受け入れた。その上で、その力と向き合った時、心に去来したのは壊滅に至った襲撃だった。それだけが、今でも心の奥底にひっかかり続けている。
「強くなイのに調子に乗って、でも皆優しくしテくれたっす。なのに、何もでキなかったっす」
無力ではなくなった自分、無力だった過去。そのもやもやを、なぜか今頃になって吐き出そうとしたのか。きっとそれは、軽い怪我で1人、長期休みで考える時間が多くなった為だろう。それを彼がわかっているかは別としても。
「…そうだな、少なくとも俺は、お前、それに吉岡さんにも救われていた」
驚く様子もなく、その言葉の続きを促すように、佐原は放浪者をジッと見る。
「…日々の張りつめた空気が、お前と吉岡さんのやり取りで穏やかになったものだ。それも一つの、強さだ」
あえて、強さと放浪者は表現した。荒れ狂う日々に平穏を感じさせる、それは純粋な力ではけしてない。だが、集団の能力を円滑に発揮させるのに必要であり、そして、そう出来る存在というのは、そう多くはない。
「………兄貴はやっパり、兄貴っすね」
その言葉が何を意図しているかはわからず、表情も納得したようなしていないようなくみ取れないものだが、放浪者は話がこれでお開きであることを感じ、装甲車の出入り口部分をノックする。
「もう、よろしいですか」
外で待機していたEVEが、扉を開けて聞いてくる。放浪者は、中に入って警備を続けるよう言って、2人は装甲車を出た。
扉は静かに開いて、そしてゆっくりと閉まる。部屋の中で、昼間寝すぎてることもあり、とりあえずベッドの中にだけ入っていた佐原は、何をしていたのかと聞く。彼の目には暗闇の中、影が驚きの動きを見えた。
「ごめんなさい、起こしちゃいました?」
この部屋のもう一人の主、三間がすまなそうな口調でそう言う。寝すぎて眠れないだけだと聞いて、ホッとした様子だった。
「裁縫に時間かかっちゃって…」
いそいそと眠る準備を始める三間。彼は警備組の人間だが、もう一つの顔は仕立て屋としてメンバーの衣服の補修や補強といったものも請け負っていた。最近では使わなくなった布を糸状にしたり、使えなくなった衣類を雑巾などの使えるものに変えたりと、生活基盤の一つを支えている。
「何作っテるっす?」
警備組の業務を兼用しながら、そういった事も三間はこなしている。普段、それが夜遅くまでかかるということはない。つまり、それ以外のことをしてるということだ。
「放浪者さん、今一人で任務してますから。だから、せめて、いい装備を作ろうとしてます」
衣服はこの世界において、重要な意味合いを持ち始めた。防寒や耐熱はもちろんのこと、攻撃を受けた際の防具としての機能も、服を着る上で重要な要素となっている。
「ちょっと根つめすぎちゃいましたから、もう寝ますね。おやすみなさい」
その言葉から、本当に少しの間で寝息が聞こえてきた。眠れない自分の話し相手にもう少しなってくれないのか、残念な気持ちで佐原は天井を眺めてぼんやりとした。
【親愛行動】
「………」クー、スリスリ
「…あぁ、ただいま」
「佐原君、どうかしたんですか?」
「…何もない」
「それならいいですが」
「………」キュ-
「…あぁ、悪い」ナデナデ
「………」クー♪
「…まだまだ親離れは先なのだろうかな」
「グリフォンという生命自体が、どういうものかわかりませんからね…」
「…そうだな。寝るぞ、風虎」
「………」ク!
乙
なんで関西人disってんの
乙!
おそらく、出会う確率など無いであろうoriginの明石美羽について調べている意味とか
今回のモーテル使用者の目的の詳細だとか、三間君が作ってる新衣服とか色々気になる事はあるけれど
とりあえずモフモフ組は癒し(最近、小間城は描写が少ないネ)
五百三十九日目
大型駅エリアの変異体処理の任務は進んでいる。変異体の連携攻撃も、それなりに慣れてきたな。あとはこの任務を続けてわかったこととして、当然のことだが必ずしもその攻撃がされると言う訳じゃないということだ。全てが全て強化されている訳ではない、当たり前ではあるが、認識としてあるとないのでは違うことだからな。
平行してのゾンビ処理も進めている、数さえいなければゾンビ自体は脅威ではなくなるからな。まぁ、そこまで削ることは今の処理数ではまったく追いつかないが。
ただ、そろそろウェーブソード・デュエルの耐久が心配になってきたな。剣や刀が、折れるまでに何回斬ることを想定していたか知らないが、少なくとも俺達のやっている処理はそれを軽く上回ることだけは確かだ。デュエルはそれを想定して強固に作ってもらえてはいるだろうが、この任務をこなしていることを含めるといずれ折れることは目に見えている。そろそろ、替えの準備は依頼していたほうがいいな。間に合わなくても最悪スピアは残っているから大丈夫だろうが。
そう言えば、剣の扱いは我流とはいえ続けている分覚えはあるが、槍と言った分類のものの扱いは全くだな。折角の機会だ、槍も比重を置いて訓練をしてみるか。
一ノ瀬DIARY FEB. 12
高速道路エリアの制圧は、今日はまぁまぁかな。本当はまぁまぁじゃダメなんだけど、放浪者さんの状況を考えたら、もっともっと急がなきゃいけない。
でも、放浪者さんがそれを知ったら、急ぐなって言うんだろうな。危険だから、生き延びることだけを考えろって。じゃあ放浪者さんはどうして危険な事を率先しちゃうのか、聞きたくなっちゃうよ。
うん。放浪者さんのことは、前にいた時からわかってる。出来ると判断したことなら、危険だとわかっても行動できる人。あの時より本当に放浪者さんは強くなっちゃったから、出来ると判断できることが多くなりすぎちゃってるんだと思う。
そうやっていつかフッと姿を消しちゃうんじゃないかって、怖くなるよ。
「ふん、アミューズメント施設の本格的開放か」
レジスタンスの武器庫を無事発見できたこともあり、回収組のバリケード点検や物資回収のほかに独自で行う任務として、平山はそれを挙げた。元々、それ自体は前からも行っていたが、本格的にゾンビの処理を行っていた訳ではなく、更に言えば最近のパラノイアによる攻撃で壊れたバリケード修復と、侵入したマッスルゾンビの処理に追われてそれどころではなかった。
去年の頃から進めている、狸森が経営する警備会社の調査の為の任務。それが、今時点になっても侵入の目処が立っていない。すでに周囲から隔離するよう確保して、ゾンビの処理も少しずつ進めているにも関わらず、平山にとって情けないと言える状態だった。
「でも、パラノイアの件はいいんスか?」
フェイが言うことももっともだ。回収組の活動も、拠点が無事であってだからこそ。しかし、その上で平山はあえてその考えを排した。今後、避けられずにやってくるパラノイアとの闘い、その時に拠点の戦闘力を全て把握させたくないという気持ちがあった。
確かに以前の包囲戦の時に自分達も感知はされただろう。しかし、探索組に比べれば、その時間は短い。全ては把握されていないと考えられる。戦いの時に想定外の戦力が援軍にいけば、相手も混乱するだろう。
その作戦を取るためにも、回収組はパラノイアとの戦いが行われるまでは感知されないエリアでの任務の遂行が優先となる訳だが、その意図を把握されないことも重要なことになる。平山は、フェイに問題ないとだけ答えて真意は伝えはしなかった。当然、フェイは納得した表情ではなかったが、少し置いてわかったと頷いたのを見てから。
「警備会社なら、大型駅エリアに関する、例えば監視カメラや防犯に関する情報はあるはず。それらがあれば、探索組の任務にも役立つだろう」
偽物となる答えを、そっと添えた。
日記を書き終えた放浪者が一息つく。ここのところの激務で、身体の疲労は蓄積していることもあって、身体をほぐすような動きをしている。そこに、一定のリズムで静かに扉が叩かれる。
「夜分遅くに失礼いたします。EVEです、中に入ってもよいでしょうか」
何らかのトラブルが起きたのか、そう思いながら入ってくるよう告げる。中に入ったEVEの様子は、いつも通りの無表情だ。問題があったのか聞くと、問題は発生していないと答えられ、そうなると何が理由でここに来たのかわからない放浪者は首をかしげる。
「現在、放浪者様は1人で危険な任務を行っているとお伺いしております」
そうだなと答えるしかない。事実、任務を開始してから戦闘の主力である佐原が負傷したことも加味すると、けして楽どころか危険ではないと答えられることではない。それに加え、パラノイアのターゲットを自分だけに絞るよう動いている状況で、放浪者は実際いつ死んでもおかしくないとさえ、判断できる状況だ。
「運動後に適度なマッサージを行えば、疲労の回復が早まると情報を得ました。マッサージについての情報はインプットされておりますので、必要であれば実行可能です。どういたしますか」
それは魅力的な提案だった。今の任務は出来る限り身体の状態が万全であるよう維持する必要がある。介護用に作られたEVEなら手荒なことは起きないだろうと、放浪者は頼むことにした。
EVEのベッドへうつぶせになるよう頼まれ、放浪者は横になる。EVEは身体の間にまたがり、背中からゆっくりとマッサージを始めた。アンドロイドとは思えないほのかな暖かさが、心地よさを広げていく。
「初めて実行いたしますため、問題があればお教え願います」
わかったと答えて、放浪者はEVEのマッサージに身を委ねることにした。
【不機嫌】
「…相棒」
「なんでしょうか」ニコニコ
「…なぜ不機嫌なんだ?」
「そう見えますか?」ニコニコ
「………」
「………」ニコニコ
「…相棒も、マッサージして欲しかったのか?」
「いいえ?」ニコニコ
「…そうか」
「(しかし、不機嫌なのは確かだ…。そうだな、俺もEVEのおかげでリフレッシュできたのだから)」
「…相棒、ベッドにうつぶせになれ」
「え、ええ。え」アタフタ
「…負担をかけてるからな。俺も相棒にマッサージすることにしよう」
「その、そこまではいいんですよ…?」
「…折角だ。やらせてくれ」
「……お願いしますね」トサリ
「(うまくやれればいいが)」
【ボス】
「(最近、ボス、いない)」フンフン
「あれ、小間城。どうシたっすか」
「(今、ボス、どこ)」ワフ
「兄貴っすか? 1人で行動してルっすからねえ」
「(1人、寂しい)」クーン
「そりゃあソうっすなー」
「(群れ、居れない?)」
「意味は分かんなナいっすが…。兄貴ならソの内探索組に戻るっすよ」
「(わかった)」ワン
>>331
見直したら確かにそうも読めるね。頭の中で人を「ひと」で呼んでたから気づかず。
>>332
まぁ、明石さんの件は、その人よりオリジンが存在したと言う情報公開みたいなものだからね
目的は、なんだろね。何も固まってないから、本当に利用者がいたってぐらいで、三間はその内わかるのでお待ちを。
小間城然り、可能な限り全体的にスポットライト当てたいけれど、なかなかねぇ…。
と言う訳で、誤解解消の>>326の修正
×それに、他のところより関西人集まるから危ないと思うんだけどなー
○それに、他のところより関西は人集まるから危ないと思うんだけどなー
下げてから上げるという流れるようなコンボ流石放浪者だなww
乙!
カタブツだからこそ、咄嗟の事にはアタフタしやすい山中さんカワユス
そうさせる放浪者もかなりの者だよなぁw
マッサージで蕩けちゃう山中さんはよ
「フレンドさん、物資収集終わりましたよって」
いつものにこやかな西村と、つっけんどんな様子のミーナが隠れアジトに帰ってきた。手元には段ボール1箱分の物資が入っている。中身はおでん缶と言われる缶詰が主体で入り、それ以外は使えそうと判断したらしい物資もあった。
冬も間もなく終わる。DJフレンドの勢力も、無事この冬を越すことができて胸をなで下ろすことができる状態だ。もちろん、この後に悪天候と言った自然災害が起こりうることを考えれば、油断は一切できない。それに、西村は気にしていないようだが、彼に対するミーナの態度が改善されたとは言えない状況も続いている。まだまだ予断は許さない。
その上、拠点の状況も芳しくないとなれば、本来なら喜ぶべき物資収集も、どこか上の空になってしまう。そのDJフレンドの様子を知ってか知らずか、西村はのんきに話しかけてくる。
「それで、拠点って言われる所の支援はどうされよるんです?」
手配できる手段はほとんどないと言っていい。ここのメンバーに単独で拠点に迎えるほどの実力がある者もいないし、ここの新規加入である西村を含めて5人しかいない弱小の勢力に、人員を割く余裕もない。ただ、1つだけ有効な方法は思いついていた。
「新しい録音を放送するよ。ある人にはわかるように、ぼやかした情報を入れてる。後は、気付いてくれることを祈るしかないね」
拠点に着いて詳しく知る者、古くからそこと交流があるハンターに、その状況と支援に向かうよう録音したものを放送することにしたのだった。
「どうだ、ロバートいけそうかい?」
周囲を警戒しながら、端末をいじるロバートに千護は催促する。その端末が繋がっているのは、ADSP(自動防衛システム計画)により製造された、今は動きのない防衛装置とだった。
彼に返事をしている余裕はない。研究者ではあるが、彼が専攻していたのは生物学だ。プログラムといったものは、研究時に既存のソフトを利用していただけでわかる訳ではない。ただ、それでも千護にいじらせるよりはマシというだけのことだ。
端末は幸い生きていて、供給源は不明だが電源もついている。その中に防衛装置を管理するものと思われるプログラムも見つかっている。だが、どうすれば自分達を味方として認識するようにできるかはわからなかった。
「ご、ごめん。それらしいのは見つかってるけど。ど、どう操作すればいいか」
新興都市の探索の弊害となっている防衛装置、その解決の糸口になればと調べているが、結局二人にはお手上げだった。
まだ、この周囲にゾンビが近寄ってくる様子はない。どうするか、少し考えてから端末の電源を落とすよう千護は指示する。
「滅茶苦茶面倒くさそうだが、アイビスの野郎に頼む。端末、持ってくから壊すなよ」
自分達ができないなら、出来そうな人間に頼むのが手っ取り早い。聞こえてきたゾンビのうめき声で急かされるように、2人は急ぎ端末を持ってその場を脱出した。
五百四十日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。昨夜、EVEのマッサージを受けたおかげか身体の方はだいぶ楽になった。おかげで変異体とゾンビ、両方の処理もきっちりできたと言うところだな。
きっちりとした効果があるのはわかったことを踏まえると、定期的にメンバーはEVEのマッサージを受けてもらった方がいいかもしれないな。効率という面もあるが、疲労の解消は受けたメンバーの力を発揮できることに繋がる。悪い事ではない。
後は、DJフレンドの新しい録音の放送が流れていて、内容はコマンダーゾンビについてだった。だが、内容としてはパラノイアのことを指しているものではあった。拠点の場所は一切触れておらず、不利益になるものではないが、なぜこの情報を流しているかは不明だ。
少なくともDJフレンドは聡明な人間だ。何かしらの意図はあるだろう、恐らくエクス達もコンタクトをとるだろうから、その時にでも来る報告を待つとしよう。
…。本来なら書くべきことはあるが、今日はこれまでだ。
教員日誌 二月十三日 林道正綴
高速道路エリアに関する任務は、好調ではなくなったものの、順調には進んでいる。早くあのエリアの緩衝地帯を確保したいところだが、思いとは裏腹という状況は続く。
遊撃班の実働は放浪者さんの1人だけというのは、望ましい事ではない。そうしなければいけないと言う実情はわかってはいるが、彼が万一にでも欠けた場合。活動としてこの拠点は消滅したと言ってもいい。それほどまでに、拠点は彼に依存している。
消滅するというのは極端とは言える。事実、放浪者さんが拠点を離れ任務を遂行している間、山中さんと補助として井門君がメンバーをけん引していたことはある。だが、それは彼が戻ってくると言う前提あってのものだ。彼ほどの求心力は2人にはない。細々とした活動はできるかもしれないが、ここまでの活動は出来なくなるのは目に見えている。
門日さんの話では、佐原君の怪我はもう間もなく完治とみていいらしく、当初の予定に戻ることはできるそうだ。ただ、そうしたとしてもその危険性が無くなることはない。彼もそれを配慮していることも重々承知はしている。
しかし、死ねば、帰ってくることはもうないのだ。
「はぁい、DJフレンドだよ。世紀末の世を生きる皆さんこんにちは」
「まだまだ雪が降ってきているね。寒さはきついけれど、春からの畑作りを考えると貴重な水資源として集めた方が良さそうだよ」
「さて、これまでいろんな変異体やミュータントについて話をしたけれど、今回の変異体は、かなり異質かな」
「情報提供者がつけている名称はコマンダーゾンビ。平たく言うと、ゾンビを指揮するゾンビ、かな。実は遭遇したことはないから良くはわからないんだ」
「表面上の特徴は、頭が肥大からしているようだね。その影響か、目は潰れているそうだよ。ただ、その肥大化した頭で、どういう原理かはわからないけど、ゾンビを操ってみたり、その視界を視える動きをするみたい」
「レーダーのように何が周囲にいるかわかるみたい。だから、その感知する範囲内に入ってしまうと、ゾンビを使って狩猟のように攻撃を仕掛けてくるようだね」
「信じられない人もいると思うよ。けれど、送ってきた情報はかなり詳細なものでね。作るにしては出来すぎていたんだ」
「この資料では、コマンダーゾンビはゾンビしか操れないようだけど。もし、亜種に変異して変異体すらも操れるとなったら脅威だね。もし協力しているところにそんな亜種がいたなら、助けにいかないと壊滅する恐れもありそうだよ。絶対に行った方がいい」
「もし、この変異体に詳しい情報を持つ人がいたら、オンライン上のどこかの掲示板でいいから投稿して欲しいな。照合してみたいから」
「さて、ここいらで音楽を1つ。引き続き来ているリクエストをチョイスしたよ。COMPLEX、曲目BE MY BABY。側に愛しい人がいるなら、みなまでは言わないよ?」
「それでは良い終末を」
「放浪者さん」
すでにベッドの中に入っていた山中が、放浪者を見ながら呼びかける。その目は不安さが混じり、いつもの彼女らしくない弱さがあった。
「昨日の言葉、信じますからね?」
それに放浪者も即答は出来なかった。いや、しない為に答えたことだ。
昨夜、山中に対して行ったマッサージを終えて、眠ろうとした時。彼女はふと、聞いてきた。自分達は相棒のままなのかと。違うと答えられれば、どんなに楽だろうと放浪者は思う。
メンバーから見ても、2人は相棒という垣根を超えて、すでに運命共同体とさえ言える関係だ。比較的鈍いと考えられる放浪者とて、そう見られていることも、自分もそう思っていることもわかっている。
だが、同時に彼はこの拠点を治める者でもある。私情を挟んで動き、結果勢力として被害を拡大させることは、絶対にあってはならない。相棒という特別がギリギリできる関係であり、それ以上の関係ができるほど、今の状況は生易しいものではない。
「…あぁ、待っていてくれ」
冷徹さを無くせば、積み上げてきたものも崩れ去る。それを維持する為に今、それを認めることはできない。だから、パラノイアの決着と都市を解放出来た時、答えを――わかりきったことだが――出すとしか、昨日は言えなかった。
目を閉じた彼女の髪を撫でようかと思ったが、しばし無心になり、何もせず放浪者は眠りにつくことにした。
【マッサージ】
「放浪者様」
「…どうした。EVE」
「昨日のマッサージは、いかがでしたか」
「…そうだな。効果はあった、身体は軽く、疲労は感じられなかった」
「さようでしたか。もし、必要であれば本日も行いますか?」
「…いや、今日はいい。それよりも他のメンバーにもやってやってくれ」
「放浪者様以外にも、でございますか」
「…何も、俺だけが疲れている訳じゃない。他の奴らにやっても同じ効果はあるはずだ」
「畏まりました。ご要望あれば承ります」
「…頼む。俺からメンバーには話しておこう」
【兄弟姉妹14】
「(お姉ちゃん、まだしばらくここにいるの?)」プルプル
「そうだぞ。佐原が治ったらまた都市に行くんだぞ」
「(あるとお兄ちゃん、もう治るって聞いたよ…)」
「アイツは身体が丈夫だからな。不思議じゃないぞ」
「(………)」
「スラは心配性だぞ。ずっと離れ離れになる訳じゃないぞ?」
「(だって、危ないもん…)」プルプル
「スラ。お姉ちゃんは強いから問題ないぞ。だけど、ここにいないから守ったりできないんだぞ」
「(うん)」プル…
「だから、スラが頑張って警備してくれたら、お姉ちゃん心配せずに頑張れるぞ。約束できるか?」
「(…わかった)」プルプル
「うんうん、それでこそ我が妹だぞ」
「(約束、だから。絶対、戻ってきてね?)」プルプル
「当然だぞ!」
>>339
まぁ、彼らしいというか
>>340
いろいろ想定するけど、外になると焦っちゃうタイプ。
放浪者は基本的に天然的な攻めですね
>>341
なんかこうなっちゃったぜ
ご紹介した曲は下記までどうぞ
BE MY BABY
https://www.youtube.com/watch?v=oTVRn9OUTE8
歌詞
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37253
乙!
えっ、まさか?
放浪者、まさかそういう事なのっ!?マジで!?
乙 良かったね山中さん
でもこういう話を持ち出して危険な任務についてるってそれなんて死亡フラグ?
まるで最終回前夜見たいな内容だな
尚パラノイアは実質中ボスの模様
「面倒です。お断りしていいですか?」
アイビスの言葉に、聞こえるはずのないピシリと亀裂が入るような音が空間に鳴り響いた気が、ストークはした。その音の元であろう、千護の額に青筋が立っている。その状態とは裏腹に真っ直ぐとした笑みは、なかなかの恐怖を煽る材料だ。
「お前さんがのうのうとここに居座ってて暇だろ? それを解析すれば、相方さんも探索は楽だと思うぜ?」
今度は聞こえるはずがない、電気が奔る音が千護とアイビスの間でなったようにロバートは聞こえた。男2人は、女2人が出す攻撃的な威圧感に、成す術が思いつかなかった。2人がにらみ合う間は、ストークの頬に汗が伝い、ロバートはおどおどとした様子を隠せない。
根競べに折れたのはアイビスだった。事実、この提案について自分達にも利はあるのだ。防衛装置のおかげでこの新興都市での活動は、かなり制限されている。それの解決策が見つかれば、その制限もだいぶ楽になる。ただ、彼女がしなければいけないことを考えると、面倒というのも嘘ではなかった。
それに、対抗手段自体を、自分達が持っていない訳ではない。仕方なく、机の棚に入れておいたそれを取り出して、千護に投げ渡した。
「EMP手榴弾と言います。軍人なら用途の説明はいりませんね」
話では聞いたことのある武器だった。EMP、電磁パルスを発生させて機器の回路を破壊するという目的で、そう言ったものの開発は進められていた。ただ、それ自体は発生するものの、望む効果が出せないなどの問題があり、携帯できるものの開発はかなり難航していたはずだった。
「防衛装置が暴走した際に備えてのもののようです。数は少ないのでお譲りする気はありませんでしたが、この端末と引き換えということにします。それでいいですか?」
相変わらずの不躾だったが、それでも今の状況を打破できるものを手に入れたのは大きい。千護の中で、アイビスの印象は更に悪くなっているが、それに見合うものは手に入れることはできた。ただ。
「じゃ、調査の方も頼んだよ」
嫌味を含んでそう言っておくのも忘れなかった。
>>350
そういうことなのかねー
>>351
多分まだまだ苦労します
>>352
前からあんまり変わってない気がするんだ
>>353
見たいよね。しかし、パラノイアが中ボスになったら大ボスってなんだろ。WWPか。
さて、ほとんど更新できてませんが、541日目の残りは明日更新します。
乙!
乙 アイビスさんとは仲良くやってかなきゃな
乙
とうとう山中さんとの仲が進展するのか
感慨深いな
乙!
ギスギスビキビキ空間とか
いやーキツいっす
ここのところ、ミーシャはファイブキラーを連れて、周囲の探索を行っている。以前にハンターから貰ったロックピックを使い、施錠されて鍵も見つからず潜入できなかったところをメインに回っている。
実入りがいい作業とは言えないが、放浪者達が攻略する都市や、千護達がいる新興都市に比べれば規模は小さい。探索できるところがあるということは、それだけ物資回収の機会に恵まれるということだ。
ファイブキラーがピッキングをする間、ミーシャは周囲を警戒する。金属が動作する音だけが、肌寒い室内の温度に溶け込んでいく。しばらくして、解除の音が響く。そして当然、ここからが厄介なのだ。
惨劇の混乱などによって、鍵があらぬところに行き、紛失するか見つからないことは当然として、もう一つ考えられるのは生存者が鍵を使って中に入り、施錠してそのまま死んだか。あるいは、ゾンビ化している可能性が考えられる。
閉じこもっているゾンビは、他のゾンビに比べても動作は遅い。場合によっては這いずっていることもある。しかし、その室内の中で隠れられる場所に籠もってゾンビ化したと仮定すると、予期せぬ奇襲により負傷、最悪感染の恐れもある。
一番いいのはピッキング中に、ゾンビがそれに気づいて物音を立ててくれることだ。事前にいるとわかっているのと、いないのでは対処のしやすさは全く違う。
ミーシャとファイブキラーは目を合わせ、どうするか互いに理解する。ファイブキラーはノブに手をかけ、ミーシャは小さい鉄パイプを持っている。彼はわずかに中を覗くように開けてから、見える範囲にゾンビをいないことを確認してゆっくりと開けた。床にもゾンビは見えないが、中にはまだ入らない。
ファイブキラーはミーシャに合図すると、鉄パイプを室内に投げ入れたと同時に扉を閉めた。内部から少しくぐもった衝突音と金属音が聞こえてくる。しばらくの無音、何かが動作するような音は聞こえない。警戒は解かず、扉を開けたままにして、今度こそ2人は中に入っていった。
結果としては、煙草のカートンが2つほど見つかった以外は、細々とした使えそうなものを回収できた。フレンドのメンバーに喫煙者はいないが、こういった嗜好品は行商との物資交換時に使えるお金代わりに使える。収穫としては、悪いものではなかった。
五百四十一日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。今のところ、大型駅エリア内にいる変異体について妙な動きはない。パラノイアにとって自分の手駒が潰されているということは、感じられていた憎しみから考えて、それを許せるとは到底思えないが。
何かを企んでいるような気がしてならないでいる。こちらも知恵を絞り、対策に講じているように、奴もただこの状況を見守っているとは考えられない。
奴は、何と言えばいいのかわからないが、言葉にするなら集合知識体といった存在だ。ゾンビに知識や記憶が残っているのかはわからないが、少なくとも知覚した存在を把握して、思考を読み取っていると思われる。もしかすれば、覚のように深層心理に入り込んで知識も得ている可能性すらある。
人間版のネットワークシステムのサーバー、と言えばいいのか。そういう複合の知識を持つ者が、どんな発想をするのか想像もつくわけがない。
用心するには越したことはない。もう少しだけ、大型駅エリアと隣接する警察署エリア、高速道路エリアの詳細な情報を収集した方がいいかもしれないな。都市開発計画でもあれば、手っ取り早くわかるだろうが。
回収組の任務も、徐々に苛烈さを増してきている。回収組が発足されてから考えれば、バリケード点検や物資回収のほかに、企業の調査やアミューズメント施設の解放、そして今回のパラノイアによる攻撃を軽減する為に確保外のゾンビも軽く処理している。
遊撃班や探索組に比べれば安全なのは確かだが、危険性がない訳じゃない。拠点の外は、どこを歩こうとも死の匂いがまとわりついて離れない。それに絡み取られれば、今、自分の足元で処理され倒れたゾンビと同じになることだけは間違いない。そんなことを平山は考えていた。
他のメンバー、といってもフェイと佐田の2人だが、疲労の色が色濃く出ている。連日となる今の任務は、3人でこなすには負担が大きい状況だ。そして、これが改善される見込みはない。
一度休みを挟むか、それとも何らかの作業を中断するかという判断になる。後者はどの作業も止めていいとは言えない。物資回収自体も、今後の襲撃に備える為に可能なものは集めたい。そうなってくると、妥当なのは一日休みを設けることか。
自身も疲れで、ゆっくりと電柱を背もたれにしてアスファルトの上に座り込む。この状態で変異体の襲撃などあれば、ひとたまりもないだろう。
「今日はもう、帰ろうス…」
フェイが弱音を吐くが、残る2人の代弁でもあった。任務を遂行するのも重要だが、何より無事に戻ることが先決だ。いつもの時間よりは早いが、戻ろうと平山が立ち上がろうとした時、手に激痛が奔る。
気付かなかったが、尖った金属片のようなものが手のひらに刺さったようだ。軽く血が滲みでている。
「…そうだ。なんでこんな単純なことに」
人員が少ないのであれば、少ないなりに工夫することを忘れていた。簡単なゾンビ処理などではなく、攻撃を仕掛ける装置を作ればいい。つまりは、トラップを。
「戻りましょう。案を出さなければいけない」
何かを察したのか、そうかと佐田が頷くのと対照的に、フェイはいつも通り戸惑っていた。
【マッサージ2】
「もう、食べられないス…」ムニャムニャ
「………」グッグッ
「…EVE殿、何をされている?」ガチャッ
「平山様。放浪者様の命により、フェイ様にマッサージを行っております」
「なるほど…。それはありがたい。一番動くタイプだから、回収組では一番疲れているだろう」
「さようでございますか」グィ、ググッ
「うへにゃー」スカー
「…起きてるのか、フェイ?」
「いえ、お眠りの状態であります。ただ、身体の刺激があり、完全に眠られていないようです」モミ、ギュ
「…レム睡眠というやつか」
「トウガラシ、入れるス…」クカー
「……。後で私もお願いしてよろしいか?」
「はい。終わり次第、ご対応させていただきます」
「ありがたい」
【待てないこともある】
「…寝るか」
「放浪者さん、前から考えていたことがあります」
「…どうした?」
「同じベッドに寝る方が、効率的だと思いませんか」
「…それは、まぁ、そうだが」
「何か問題でもありますか?」
「……、相棒――」
「それ以上は、聞きませんよ」
「………」
「待たせる以上、すべきことをきっちり果たしていただけるのですよね?」
「…やれやれ」
乙!
山中さんがグイグイしてきた……!?
それにしても、あ~あ、EVEのマッサージ受けてみてーよなー、俺もよ~
これは…山中さんのヒロイン力が…膨れ上がって行く!?
すべきこと!?
すべきことって……すべきことっ!!??
『あなたが生まれてきた理由』
怒りが全身を支配していた。1度壁を殴りつけると、駄々をこねる子供のように拳は止まらず叩き続けた。怒りがどす黒い何かに変わり、視界も暗くなり、ようやっと明るさを取り戻した頃には叩き続けた壁は無残な状態になっていた。
その音につられて入ってきたであろうゾンビなども、いつの間にか周囲に転がっている。いつ自分が倒したのかもわからない。ただ、無残な状態だった。
振り向くと見慣れた存在がこちらを無機質に見ている。自分を止める訳でもなく、まるで観測するようなのが癪だった。
『だから知る必要はないって言ったじゃない』
必然的な冷静さが苛立ちを沸き立たせる。まだ何かを知っているのではないかという疑念が、芽吹くように心の中で広がっていく。
『私があなたの保護者だと思ってる訳? 今見た程度のことぐらいしかわからないし、嘘だと思うなら調べてみたらどう?』
自分の態度が不満だと言うように、その場でクルリと回って見せる。今まで助けてもらえた恩があるのは確かだ、外に出たいという思いも同じ。協力できる存在なら、それまで敵対するのはメリットがあるとは言えない。
間を置いて、次はどうするんだと聞く。また無機質にこっちをしばらく見てから、機嫌は少し治ったようでいつもの口調で、D隔壁へ向かいましょうと答えた。
>>365
まぁ、今までできませんでしたし。
EVEのマッサージは、気持ちいいのかな? まぁ、学習するアンドロイドだからその内ものすごいことになりそうだけど。
>>366
英雄の意味でのヒロイン力もあるのよ?
>>367
2人だけの間で伝わる意味で言ってるから、読んでる人にはわかりづらいのは承知だけれどもね。まぁ、そういう要素ではないよ。
さて、最近いろいろと判定が出ててまとめ疲れたので、今日は幕間を1つ投げて寝ます。まぁ、書くとしたら外伝で出そうな感じなやつですな。
また、明日は会社の呑みがあるので、更新自体出来ないやも。ではでは。
ふむ、何だろうかね。ジャガーノートと白レンの姿で想像されたが
蒲谷と佐田は、自分達で作り出した水を電気によって加熱する自作の装置が、うまく動くか実験をしていた。その装置を稼働させるための、小型発電機が横で駆動する音が拠点内で響く。
温熱シャワーを作るために作られたこの装置の実験は、これが初めてではない。すでに、何度か失敗を繰り返している状態だ。物資が限られた環境下で、失敗を繰り返せる余裕はない、自信に満ちた佐田でもうまくいくかは静かに緊張するし、微笑みをいつも浮かべる蒲谷が、無表情に装置へ向ける眼差しは射るように鋭い。
この装置を使った場合、求められるのは一定温度までに急速に水を加熱し、一定温度で保温できるようにするのが目的だ。これにより、五右衛門風呂程度の手間をかけずとも、衛生面を向上することができる。それに、その五右衛門風呂用のお湯として使うこともできる。
加熱させるところまではうまくいくのだが、思いのほか保温させると言うことが難しかった。ポッドと言った基盤を取り出し、エクスに分析と希望の内容で書き換えを依頼し、それを組み込んではいるが、その温度の感知がうまくいかない。というのが多くの失敗理由だった。
考えうる理由を検討し、改良し、そうして作った今回の装置もうまくいくかはわからない。知識はあってもうまくいくかは結局、この時にしかわからない。
加熱のボタンを押すと、中の水温は上がっていく。ここまではいつも通り、後は湯として使える適温で、保温状態になるかどうか。温度を表示する部分が、予定する水温になり、加熱は無事止まった。しばらくそのまま経過を見守っても、温度は一定を保つことができた。
佐田が、蒲谷を見てから右手を上げる。蒲谷は頷き、彼も右手をあげて2人は互いの手のひらに向かって、同時に叩いた。
五百四十二日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。優先して変異体を処理していることもあるのだろうが、やはりその数は減ったように感じられる。パラノイアが自分の近くに戻してる可能性は否定できないところではあるが。
これならしばらくは攻撃は仕掛けてくることはないと思うが、まだ念のため遊撃班の任務は継続する。佐原もそろそろ任務に出てもいいと、門日さんが言っているからな。折角だ、どうせこちらから仕掛けることになった際、大型駅エリアのゾンビ達は避けられない障害だ。今のうちに数を減らしておいた方がいいだろう。
後は、シャワーに関してはそれなりに手配が進んでいる状態のようだ。担当している蒲谷さんと佐田さんが頑張って、温水シャワーで出せるように作っていると聞いた。シャワーか、浴びれなくなって、少なくともこれを書いた日数分は経ったのだな。まぁ、何にせよ、完成は待ち遠しいものだ。
更にありがたいことに、三間が俺用の防具を作ってくれたことだ。見た目はただの革ジャンだが、中は防弾チョッキを分解して、その生地と言えばいいのかそれを縫い込み、レインコートのように仲間で水が浸透しないように作られていた。
ある程度の防弾性能と、雨天時の活動が楽になるな。少々残念なのは、着心地はあまりいいとは言えなかったが、生きる為のものは整えてもらえたのだから、感謝しなければな。
2月15日
高速道路エリアの制圧は進んでいる。このままいけば、ある程度は予定通りに今月中にはこの任務は完了できそうだ。出来れば、下旬に入ったところぐらいで完了すれば、パラノイアに対して良い牽制はできるとは思うのだが。
今のところ、放浪者の活躍もあってか、攻撃らしい攻撃は受けていない。彼はそのことを不信感感じているらしい。また、何らかのアクションを起こしてくると考えているようだ。
その考えが当たる可能性は否定できない。それに、その規模によっては物資の収集すらできなくなることは考えられる。そうなると、大所帯になってきている我々には辛いものだ。
今日は幸いめぼしい物資に見つけて、いろいろと物資を充足することができた訳だが、今のところはこの調子で引き続き物資がもらえればと考える。
回収組も、いろいろとすべきことが増えていることもあり、可能な範囲自分達も回収できるものは対応おかなければいけない。
山中沙奈 記す
>>370
すまないがわからず。出してる人はかなり古い感じではあったりするよ。
さて、また途中ですが、眠いのでいったんこちらで中断しまする。おやすみ
X-MEXのキャラとメルブラのキャラだね。茶色の鍋被ったみたいな巨体と、黒レンってロリキャラにボスモードがあって、その時は服が白くなる(鬼強い)から白レン
どちらも格ゲー、この場合はMUGENかな。それのイメージだと思うよ
佐田さんと蒲谷さんに技術者シンパシー的なのが生まれとる
普段が無愛想なだけにこういうシーンは印象的で良いなぁ
ζ'ヮ')ζ<ハイターッチ!
2/15 担当勝 朝
今日はいい天気だな。
雪も無くなってきたから、暖かくなるかな。
放浪者はそれがまずいっていってたけど。
担当喜読 昼
パラノイア。でございますね。
雪による障害が無くなれば、行き来は容易くなる。
我々の方でも、更なる防衛策は考えなければいけないようです。
担当フェイ 夜
更なる防衛かー。拠点の周囲にもトラップとかおいた方がいいのかな(罠らしき絵)
でも、ここにくる生存者さんがかかったりしたら大変。どうしよう(悩んでいる顔の絵)
【それぞれの役割】
「…ふむ、助かる」
「良かったー。全体的に厚くなっちゃったんで、動きづらいかもしれないですけど、他のやつよりは怪我しづらいですよ」
「…防護性を高めれば必然のことだ。他のメンバーの分はないのか?」
「あ…、その、放浪者さんが危険な任務してるって聞いたんで、人数分は…」
「…いや、いい。三間が悪い訳じゃない。上に立つ者だけが優遇されるのは、他の者に不満が出るからな、もしあればと思っただけだ」
「ここの人達はこういうことで、放浪者さんに不満とか持つわけないですよ! 一番大変な目にあってるのに…」
「…とある人間が言った言葉だ。上に立つ者がまずやってみせ、その後共に汗と血を流す。その過程で、認め、称賛し、話を聞き、最後に任せるようなって、初めて人に動いてもらえる」
「……」
「…これは。俺の兄から教えてもらったことの一つだ。そして、俺はそれを実践してるに過ぎない」
「…だとしても」
「…?」
「ここにいる人達は、これぐらいで不満なんて持ちません。えっと、違う。これぐらいさせてください」
「…どうしてだ?」
「俺、誤解されると思うけど、WWPに感謝してるんです。あの時、もしあいつらのヘリが飛んでなかったら、俺歩き回ってなかった。放浪者さんに、会えなかった」
「…ふむ」
「放浪者さんに会えなかったら、俺、のたれ死んでるか。多分ゾンビになってます。それに、ここもたまに姐さんが無茶なこと言うけど。安全だし、皆優しいし。俺の家族、もう多分いないけど、皆家族だって思ってます」
「………」
「でも、俺。ようやっとだけど、こういうことぐらいしかできなくて、腕っぷしとか強くないし。銃とかも練習してるけど…」
「…お前は皆の役に立っている」
「!?」
「…まともな衣服を着られ続ける。それはこの世界で当たり前じゃない。衣服もまた、文明の火だ。絶やす訳にはいかない」
「文明…」
「…それに、今回は衣服ではなく防護服を作成した。こういうものは知識が疎くて俺はよくわからないが…。それでも、お前の実力が上がっているから作れたんだと考えている」
「そんな…」
「…自信を持て、とはあえて言わない。お前は、そういうタイプじゃないからな。だが、お前が静かに積み上げている実績があるから、皆お前を信用している」
「………」
「…ありがとう。今の任務の安全のためにも、着させてもらう」
「…はい!」
>>375
なるほど。ジャガーノートはとある落ちものゲームのキャラが必殺技で叫ぶ。片方は夏の雪さんか。
>>376
わりと仲のいい中年コンビ
>>377
もやしあげればいいんだっけ?
さて、とりあえず542日分だけ更新。寝落ちなければ次の分も今日中には更新です。
拠点の近くの罠になら、人間にだけ分かるように印か何か付ければ良いかな?
人って当たり前に携帯とか服とか使ったり来たりしてるけど、いざ作ろうとなるとどうなってるのか(携帯とかこの小ささで動画とか見れる)全く理解できないことに中年コンビと三間の話で気付いたわ
人間て分からないものを分からないまま使う生き物だしな
というか分からなくても使えるように作ってると言うべきか
そう考えるとこの世界、技術者って限定的なりとも仕組みを分かっている数少ない貴重な存在なのかも
「探索組遊撃班、佐原有登、完全復帰っすヨ!」
傷を感知させた佐原が、集合場所でわざとらしく敬礼をしている。いつも通りそれを流す放浪者と、自分の真似をすればいいのかと戸惑う藍のの3人が揃っていた。
放浪者は2人に現状の大型駅エリアの変異体処理の状況を説明する。ほとんど順調に遂行は出来ているが、以前より感じられていた憎悪、それが感じられなくなりつつあると話す。
「憎悪…。そんなものなかったぞ?」
2人は首をかしげている。放浪者が言うことには嘘はない。そう言う信頼はあるのだが、同じエリアの探索をしていて覚えがなければ、不思議に思うのは訳がないことだ。
「…まぁ、俺の感覚での話にはなってしまうからな。ただ、好戦的な奴が、手駒をやられて冷静でいるとは考えづらい。何か新たな手段を講じているか。撤退しているか、だな」
口ぶりからして彼が言わんとしていることは、その後者はほとんどあり得ないということだった。攻撃を受けた2人も、それはわかる。あの包囲戦を受ける前、パラノイアは感知できるエリアから出れば追ってはこなかった。ある種のドライな感覚に思えてが、包囲戦の際の奴の苛烈さと執念深さを思えば、撤退は考えづらい。
「とりあエず、あいつの憎悪が薄まっテるのと、処理の状態が合わないってことっスね」
「…そうだ。奴は知識の集合体。それをどこまで処理できる知能を持ち合わせているか知らんが、何をしでかしてもおかしくない。そう思うんだ。さぁ、そろそろ出発するぞ」
放浪者の号令のもと、藍は佐原の背中に飛び乗り、彼も背負えたのを確認してから拠点を飛び出していく。少し間を置いてからその様子を見て、放浪者もサンダーボルトに乗り拠点を後にした。
警備組も拠点を守る為の、新たな防衛手段を実行に移していた。拠点自体にはそれなりに強固なバリケード、そこに防衛装置も組み込まれている状態だ。だが、そこからの外側については、そう言ったバリケードはない。非常時に出す車や、普段都市と拠点を行き来する探索組や回収組にとって移動の障害になってしまうからだ。
それに広範囲にバリケードを敷設することは、略奪者にこの周囲には活動している者がいると告げるようなものだった。しかし、留守を守る警備組も人数が増え、ハンターを通して来訪者が拠点に訪れるようになった今、そのリスクは些細なものでしかなかった。
本日そのバリケードを敷設しているのは、勝と蒲谷の2人だった。蒲谷が作業を行い、勝が手伝いと周囲の警戒をする。拠点エリアはほとんどゾンビを見かけないほど安全になったが、今はどんな不測の事態が起きるかわからない。拠点内以外は2人1組で活動を義務付けられている。もっとも、それは拠点のリーダーである放浪者と、佐田は普通に破っているが。
蒲谷が持ってきているのは長いロープだけだ。ロープ自体は、はっきり言えば貴重な品だ。バリケードや物資の固定、運搬。建築物の作成にも、探索時の移動経路作りにも使える。万能なものだ。
そのロープをバリケード代わりにすることにした。作り方はシンプルに、電柱と電柱の間にロープを通し、何重かにして固定するだけだ。巻く範囲は成人した人間の、平均した腰下から胸部の間と、その後ろに同じ要領で、これは足首から膝までの高さの間でロープを巻いただけのバリケードを作る。
このバリケードの目的は、足止めではなく時間稼ぎだ。パラノイアが襲撃を仕掛けてくる時、警備組が迎撃しきれるはずもない。故に危険を察知した場合は速やかに研究所へ退避する。その時に課せられた任務として、貴重な物資を所有するトラックに搬入することが求められた。その為の時間稼ぎだ。
最初のバリケードである程度のゾンビを防ぎ、足元を引きずってくるゾンビは、2番目のバリケードで止める。例え1番目が突破されようとも、2番目のバリケードによってゾンビを転倒させることも含まれている。
また、ロープを使用しているのも警備組の誰でも簡単に敷設することができるというのと、パラノイアに脅威が去った後簡単に撤去できる。点検も楽であるという理由で、そのアイディアを蒲谷が発案し、浜村が了承して実行に移されている。
当然、この作戦だとロープで区切れないところの隙間が出来てしまうのだが、それについては周囲に使えそうなものや、拠点にある物資で代用している。
これで盤石と言う訳ではないが、パラノイアとの戦い関して、恐らくは互いに着々と進行しているのがわかる光景だった。
五百四十三日目
本日より大型駅エリアの変異体処理については、当初の遊撃班のメンバーで組んでの任務を再開している。現時点でのトラブルはない。これまで遅れてしまった分を、取り返すための活動は必要になってくるだろう。
とはいえ、佐原の負傷を考えると、他の活動している組に比べれば、休息は多めになるだろうな。予定としては二日間通常任務、その次の日は探索組と合流して制圧任務、その次は半日休んだのちに通常任務。というローテーションを組むことにした。こうすれば、以前よりは身体をきっちり休める機会がある分、疲労はそうはないという想定だ。
何より、スライムのメンタル部分の問題もある。藍が都市に行くことを全く賛成していないと、藍から聞かされているからな。定期的に会うことがないと、都市へ行くため拠点を飛び出しかねない。なんだかんだ言っても、ここで昔からやってきた仲間だ、無下にはできない。
後は三間が作った革ジャンの防弾チョッキだが、わずかに動作が遅くなるのを感じるものの、使用感は全く問題はないな。銃とやりあう機会はWWPや、それこそ銃を持つ生存者と交戦する時ぐらいだろうが、そういう装備であるだけでも、安心感が違うからな。もちろん、過信すれば終わりだが。
レポートNO.139
井門圭司
佐原の野郎は、今日から無事に遊撃班に復帰ってとこだ。まぁ、元々休養中も暇だ暇だとごねてたみてぇだし、必要なかった気もしないでもない。ただま、やる任務の危険さを考えりゃあ、可能な限り万全じゃねぇといけないのも、当然の話か。
一方こちらの探索組の高速道路エリアの制圧について、まぁいつも通りだな。欲もなければ悪くもねぇ。当然、皆になんもないってのが、最高には変わりねーが。
後は拠点もいろいろ動いてる。事前に聞いてたとはいえ、戻ったらバリケードが増えてやがった。まぁ、下に潜り込んで移動出来る分には問題なかったが。
でも、場所によってはもうワイヤーロープとかでもいいんじゃねぇかな。ただのロープよりもバリケードの代わりになるだろ。まぁ、重量とかの問題もあるし、連中の考えもあるだろうからサラッと言うだけにしとくか。
【一匹狼】
「う~ん、夜の警備は身体に応えるよ」
「………」
「あ、佐田さん。うん、また出かけるのかい?」
「ふん。呑みに行くくらい何の問題がある?」
「出来れば夜間の拠点外へ1人で出歩くのは止めてほしいかなと。うん」
「なら、お前さんがついて来ればいい」
「うん。出来るならそうしたいのは山々なんだけどね」
「なら、悪いが1人で行かせてもらうぞ」
「はぁ。早めに戻ってくださいよ。うん」
「ふん、わかっている」
「…。やれやれ、浜村君が怒るなぁ、うん」
「蒲谷様、佐田様を勝手にお出ししてよろしかったのですか?」
「あ、EVEちゃん。見てたのか、うん。良くはないんだけどね」
「よろしくないのであれば、なぜでしょうか?」
「強引に止めれば佐田さんの機嫌は損ねる訳でね。それが嫌で、あの人がいなくなるとシャワーの製作も危うくなる、それ以外にもいろいろあるけど。まぁ、浜村君はそれに比べればまだ怒られるだけで済むからね。あの娘(こ)は優しいから。うん」
「へぇ…」
「おっと。あー…」
「ま、優しいって思ってくれてんのはいいとして」
「ははは、手加減は、お願いできるかな。うん」
「考えてあげるわ」
「(何の手加減を求められているのでしょうか…?)」
>>381
その方法も良いだろうね。問題は、そう言うのを含めて何かの拍子で罠にかからないようにしないとけないことだけど。
>>382
実のところ、大多数がわからないことのが多いからね。自分もそうだけど、わかった気になってるのが実情だと思う。
>>383
技術者さん達のおかげで、仕様がわからんでも使用法はわかりやすくしてもらえてるから使える訳だね。
ただ、だからこそそういう人間はこういう世界になると貴重で、失われるとその技術は復興できないかもしれない訳か。
『どんなに遠く長い道のりでも~♪ いつかたどり着ける♪』
車が一台、郊外を走る。ゾンビの姿はなく、放置されている車両も少ない道は、快適なドライビングにはもってこいだ。唯一流れているDJフレンドのBGMも、そう悪いものじゃないなと、煙草を咥えながらハンターは思っていた。
ここしばらくの間、東京周辺での活動を進めていたが、必要な物資が枯渇し始めたこともあり、地方を回る状態が続いている。もちろん、ゾンビや変異体の抹殺という目的がある彼のその道筋には、大量の処理された遺体が転がっていた。
DJフレンドが流すラジオは、この世界の変化を感じさせてくれる。前の世界における、分刻みの時間間隔は薄れ、朝、昼、夕、夜程度のものしかない。状況によっては昼、夜ぐらいしか認識していない者もいるのではないか、そんな気さえ思い起こさせる。
彼は腕時計などの時間がわかるものは持っているが、独り身の気楽さもありほとんどそこに目を落とすこともない。時間に縛られない自由と言えるが、それは変化に鈍化していくとも言える。そこに、生存者と関わらないということが、その感覚に拍車をかける要因だった。
その意味で、DJフレンドのラジオは、録音とはいえリアルタイムで時間の経過を感じられる。世界は動いている、その感覚を与えてくれる貴重な存在だった。
ただ、ここのところ流れているラジオに気にかかるところがあった。コマンダーゾンビ、それも亜種がいるように匂わせ、その亜種が仲間を襲っているなら、助けに行くべきだと、ハンターには妙に具体的に聞こえた。
当然、その事にはハンターも覚えがある。古くから友好関係を結んでいる場所。そして、その場所はDJフレンドとも協力体制を取っている。
「…ま、顔出してやるかね」
咥えていた煙草を、窓から投げ捨て車は一路、拠点へと向かい始めた。
五百四十四日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。二手に分かれての処理は、やはり一人でいるよりは安心感はあるな。とはいえ、他の任務に比べれば死の危険性は最も高い。それが油断に繋がっては、意味がなくなる。
無線でのやり取りで拠点に問題は起きていない。もしかすると、遊撃班が活動中に合わせて拠点への進撃をする可能性もあったからな。まだ実行に移せていないだけとも言えるが、その可能性が薄まったことだけでも喜ぼう。
別行動である以上、何かあった時に即座に対応できないところが辛いが、それは相棒と井門に任せていることだ。俺は休んでいる二人の安全を守ることだけ優先すればいい。信じて任せられるだけに、あの二人が成長しているのは間違いないのだから。
後はそろそろ、今の任務をどこで区切るか、という問題があるな。パラノイアの攻撃を封じるには、今一番手っ取り早いにしても、緩衝地帯の作製は待っておらず、いらぬ刺激を与え続けている可能性は高い。虎の尾を踏む危険性をどこまで追うか、そういう状況にある。
だが、今しばらくはまだ変異体の数自体は減らさなければな。区切りは決めなければいけないが、今ではないと言うところか。
うーん、最近書き出しがどうしても遅くなる。申し訳ないですが、もう寝るので続きは明日ですだ。
ちなみにリクありました「宮沢 和史「ひとりぼっちじゃない」」についてはこんな形で消化と相成りました。。曲と歌詞は下記より。
https://www.youtube.com/watch?v=ZaLrNzs1nqk
歌詞
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=68100
情報量がかなり増えてきたから仕方ないね
リアル2日でこれ日1日位でもいいのよ
いやいや~、紹介してもらえるだけで嬉しいもんですよ~
それもストーリーに織り込んでもらえるなんて特にっすね
強力な援軍が来るのはでかいな。
一ノ瀬DIARY FEB. 17
今日の高速道路エリアの制圧は、好調に進んだよ。そろそろ終わりも見えてきたから、これでパラノイア対策が進んだことになるかな。拠点でも新しいバリケード作ったり、回収組の人達も対策してるみたい。
知らないっていうのがパラノイア対策にすごく重要なことだから、何をしているかはわからないんだけどね。平山さんは嘘言う人じゃないから、問題ないと思う。
それにしても平山さんは、なんていうか、放浪者さんみたい。女の人とか関係なくて、なんというか、雰囲気かな。フェイちゃんの話だと、任務で結構無理してるところもあるみたいだから、いろいろ同じというか…。
でも、話に聞くと平山さんは放浪者さんが苦手みたい。嫌いとかじゃないみたいだけど。
2/17 担当泊姚 朝
日差しは快晴、拠点全体の任務も元通り。
いいことだね。佐原君の怪我も大丈夫だろう。
個人的には、放浪者さんはもうちょっと休んでほしいよ。
担当浜村 昼
無理無理、山中だってずーっと言ってんのに聞きゃしないんだから。
しっかし、あのタフネスなのはどこかきてんだか。
担当フェイ
放浪者さん。なんであんなに頑張っちゃうんだろうなー(疑問顔の絵)
あ、でも新しい革ジャンかっこよかったな(革ジャンらしき絵)
「だから機嫌を治せって…」
怒りに任せたタイピング音を鳴らす彼女の機嫌を取ろうと、ストークはなだめながら話しかける。その彼に対して、ギロリという音が聞こえてきそうな動きで、彼女は視線を向けた。なのに、なぜか彼は近くにあった机の中に隠れる。
また、画面を視線に戻したアイビスを、ゆっくりと机から顔だけ出したストークが様子を伺う。彼女は、千護が持ってきた端末の中身を調べているところだ。データ内の大体の情報は防衛装置の制御に関わるもの、それ以外で見つかったものとしては、恐らく操作者が残した私的なメモがあった程度だ。
もちろん、この端末自体はかなり重要なものになる。彼等にはADSP(自動防衛システム)の情報は持っていないのもあるが、さらに重要なのはこの地域の防衛装置は何を持って味方と判断しているのかというところだ。それがはっきりするかはわからないが、調査はこれからなのだ。
「椅子に座ったらどうです?」
画面から視線は動かさず、相変わらず不遜な態度で話しかける。一言言ってやりたい気持ちがストークにない訳ではないが、素直に椅子に腰かけた。
彼女が不機嫌なのは、ここのところ彼女に関する仕事に関連して、芳しくない情報を得たからだ。ストークも聞かされて愉快な思いなど一切ないが、それを得てからの彼女は、その不機嫌を隠す様子もない。それも、彼は理解している。
しばらく中身を調べていたアイビスは、疲れたのか目を閉じてその眼を両手で覆う。数秒ほどそうしていた後、目を開いた彼女は、つけていたものを外す。カラーコンタクトだ。
それが外れた目は、光の角度の反射によって、さまざまな色として見たものに映る。今ストークの目には、その目は金色に輝いているように見えた。
「人が嫌がっているものを見る。悪趣味ですね」
彼女はその眼を嫌っていた。当然ながら、そんな目を持つ人間はいない。そして、彼女も元々そんな眼だったわけではない。シンプルな答えだが、彼女はミュータントだ。戦場を終えたカラーコンタクトを入れ直し、はた目はただの黒い目に戻る。
だが、本来の意味で眼は元に戻ることはない。その眼は、様々な色を反射するにも関わらず、彼女自身が見えるのは色なき世界だ。
そんな自身(せかい)にさせた相手、WWPを彼女は誰よりも深く憎んでいた。彼女が認識できる色、黒よりも、深く、深く、深く。
色なき世界…モノクロ的な視界なのか真っ暗なのか真っ白なのか。見えないわけでは無さそうだけど
【やり方は違えど】
「…。もし、の話なんだけどな」
「何の話ですかねー、井門さん」
「放浪者さんが、WWPにやられた。となったら、あんたはどうするよ、西切さん」
「ん~。それはなかなか難しい話ですね」
「だろうな。俺にも、難しい」
「どうしてまた、そんなことを考えたんですか?」
「こういう状況ってのも、ある。放浪者さんがいなくなったら、その想像したついでみたいなもんだ」
「…なるほど」
「敵討ちは、するとは思うけどな。でも、俺はこの拠点を守る役割がある。だから、答えはでない」
「……多分、私は出ていっちゃうと思いますね」
「…そうか」
「放浪者さんがもし殺されたとして、その相手を殺すとなったら、皆さんには迷惑かけられませんからねー」
「アクティブで羨ましいな」
「いえいえー」
【意外と気は合うようです】
「今日も疲れたス」
「回収組の任務も、大変そうだねー」
「そうなんス。平山さんも佐田さんも強情で話聞いてくれないスから。一ノ瀬さんとこはそうじゃないスよね。羨ましいス」
「うーん。自由が利くような任務じゃないのはあるかな」
「それもそれで嫌スねー」
「たまにはのんびりと都市を探索してみたいかなー」
「じゃあ今度二人で行こうス!」
「うん。お願いしたら行かせてもらえるかもしれないもんね」
「楽しみス」
「そうだねー」
>>393
まぁ、確かに無難と言えば無難な気はするねぇ。ただ、ダイス様の判定とかもあるから量はわりかしそれ次第なのよね。
>>394
曲を聞いてて、あぁ、車走らせてるシーンかなっていう感じの起用だねぇ
>>395
来るまでが遠足、それがダイス様に支配されたこれ日の世界
>>399
モノクロやーね。その眼になってなにができるとかは、まぁその内。ヒントらしきものはよく読めばあるかと。
金色に輝く目……宵闇に猫と目が合うとそんな感じかね
ifルートで放浪者が相打ちした場合の拠点の動向を見て見たい
>>403覚が刀持って座頭市するルートじゃね?
大型駅エリアの変異体処理の任務は、やはりメンバーに強いられる負担の大きさが隠しようもない事実となっていた。体力自慢の佐原、変質により戦闘用に体を作り変えられる藍でも、その負担は出てきてしまう。
ここのところ、放浪者がこの任務の処理で少しだけはゾンビ共の密度は少なくなってきている。隙をついて何とか見られずに建物の中に入れることができた、その中の一室で2人は小休憩を取っている。
変異体処理の任務は、今日まで。明日はそのまま探索組と合流し、制圧任務を手伝うことになる。変異体を狙う、という特殊さはあれど、やっていることは同じ処理。1人頭の負担が人数によって軽減されることを思えば、今日を乗り切ればしばらくは楽になる。そんなことをぼんやりと佐原は考えていた。
そんな彼を呼ぶ声して、藍がしゃがみこんで床を指さしているのが見えた。近づいていくと、穴が開いていて下の階層が見えていた。今いる位置は一階、見えているところは当然地下。
「なんで穴が開いたんだぞ?」
周囲を見ている藍は、ここで爆発でも起きた痕跡を探しているようだ。佐原は思いついたかのようにその穴の中に入る。連絡通路の様な作り、両脇にドアが1つずつ、左右にもいくつかドアがある。
何をしているんだと藍が上から顔を覗かせている。ある程度で区切りをつける、と放浪者は言っていたが、いつ頃になるかはっきりしない以上、大型駅エリアへ安全に侵入できる経路はいくつあってもいい。以前見た地図で、地下歩道空間が大型駅エリアには存在していた。恐らく、ここもその1つだろうと踏んだ彼は、内部がどうなっているか確認する為に飛び込んだのだ。
ちょっと見てくると、佐原はとりあえず奥の扉へ走って向かう。暗がりだったが、幸い彼の眼は人だった時より暗闇でも物が見えるようになっている。ドアノブに手をかける。鍵はかかっていたが、内鍵は自分側にあり開錠してゆっくりと開けた。
その先は、彼の眼でも真っ暗だった。明かりのない地下歩道、移動経路として使うには危険性が高い。そこまで思考して、止まる。
視界の中にわずか捉えたのはゾンビ、そしてその群れ。ゾンビ、ゾンビ、その道はゾンビで埋め尽くされていた。反射的に扉を閉め、施錠しあっという間に穴から佐原は飛び出して戻った。
「ど、どうしたんだぞ?」
「はー。まいっタっすなー」
藍のことなど意に介さないようにボヤいてから、佐原は藍を手招きしてこちらに来るよう誘導した。状況が掴めず、なんなんだと不満そうな藍に佐原が言ったのは。
「とりあエず、ズルはダメってこトっすなー」
相変わらずの佐原の様子に、藍は疑問符を浮かべ続けることしかできなかった。
「ううーん」
わかりやすい様子で、西村は隠れアジトの出入り口になる2階部分の連絡用通路で悩んでいた。ここのところ、自分の相方として組んでいるミーナとの関係についてだ。最初はただぶっきらぼうなだけだと思っていた彼だったが、どうも自分自身が彼女に嫌われているように感じられていた。
年齢的に言えば、一回りは下であろうこともあり、その歳の差が原因か。若い娘が、こんなおじさんといるのは嫌なものか。だからといってバラバラで行動するのは危険なことで、手ごたえのある答えが浮かばずうんうんとうなる。
「あ、新さーん☆」
彼を探していたようで、ミーシャが声をかけてくる。調子はいつも通り妙なテンションというか、話し方なのが、西村にはありがたかった。
「DJフレンドが呼んでたよー☆」
ここの長からの呼び出し、呼び来たミーシャの様子からして何か危ないことが起きている訳ではなさそうだ。礼を言って、フレンドが良くいる放送室に向かおうとして、今悩んでいたことを思い出す。
「ミーシャさん。なんやミーナさんに自分嫌われるみたいですよって。何か言われはったりしとりません?」
その問いにわざとらしく、大げさに考えるをふりをしてから、きっぱりと知らないと答えられる。西村は詳しくわからないが、同じユニットというのを組んでたミーナとミーシャだけなら、ミーナも比較的話している姿は見たことがある。ただ、基本的には寡黙な方なのか、積極的に雑談する姿を、西村は見たことがなかった。
そのよく話す相手でもわからないなら、やっぱりおじさんと組むのは若い人は嫌なものなのかと、何となく結論をつけることにして、フレンドのところに向かうことにした。
「……。本人に聞いた方が早いしね☆」
彼の姿が見えなくなったのを確認してから、呟いた。
>>402
暗闇の中で唯一見えるのは人の目っていうよね。
>>403
どの段階でかによって変わるだろうけど。今ならまぁ、拠点は拠点として活動はするのかなー。
>>404
ん~。あれは思い付きなものではあるから。そうなってる可能性は高そうだけど
さて、続きは相変わらず明日です。
乙!
小悪魔ミーシャさん、無慈悲ね
乙 ゾンビだらの地下道 流石にゾッとするな
五百四十五日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。任務そのものに問題は起きていなかったが、佐原からとある情報があった。大型駅エリア内にある地下歩道空間、そこには大量のゾンビの姿があったということだ。
まだ具体案は何も出ていないが、今後こちらからパラノイアの討伐に出る際、侵入ルートの候補としては挙がっていた。それは地上よりはゾンビの数は少ないだろうとろう。という想定でだ。
他の地域で探索していた下水道など、地下そのものにはゾンビをあまり目撃しなかったのが根拠の一つだ。もちろん、今までの場所と違い移動経路の主要部分ということを考慮していたが、埋まるようにいるというのは、どこか不自然さがある。
例えば、ゾンビに襲われたとしてそのまま地下歩道に残る選択をするのは少数だろう。当初の避難や襲撃を考えて、そこは留まるような場所ではない。地上にも確かにゾンビは溢れているが、地下へ向かう理由は薄いのと、そもそも入れるなら出ることも考えると、辻褄が合わない。
可能性は一つだけある。あのエリアはパラノイアが支配する領域。奴が襲われた際に備えて、防備を固めているとしたら、それで地下歩道空間にゾンビが埋まっている可能性がある。いや、そう考えた方が早そうだな。
奴を倒すためには、一歩先を進んだ活動と、対応策を練らなければ倒すことはできないようだな。
今日も高速道路エリアの制圧は好調。これが続けば、あっという間に終わりそうですね。
明日は遊撃班の皆さんも合流ですし、勢いに乗れる。かな?
あちらさんはトラブルはないとだけの報告ですが、調子はどんなもんでしょうかね。
まー、放浪者さんがいる訳で、予定通りに任務は進めてるでしょう。あの人はそう言う人です。
遊撃班の任務が始まってからあまりお話してないですねー。
ただ、いらっしゃる時に山中さんが割と近いのが気になるところ。
まー、一緒の自室で拠点を作った最初のお2人ですから、近いのは普通と言えば普通…。
と思いたいとことですけどね。ブン屋としての勘が臭いますかな。
自然なことではあるんですけどね。気になりますね。私個人としても!
【EVE6】
「沙奈様、おすすめいただきました書籍、全てお目を通させていただきました」
「そう、面白かったですか?」
「恐れ入ります。私にその意味は分かりません」
「例えば、穏やかな気分になるような…。そうですね、貴方はアンドロイドでしたね」
「その通りです」
「…、ただ、何となくですが、私の父が。心、感情でしょうか。そう言ったものをプログラムできなかった。そんな気がしないのです」
「私には心がプログラムされているということでしょうか?」
「憶測の域は出ません。学習するプログラムがあるなら、それがあっても不思議ではない。それだけです」
「しかし、覚様に私の心を読めないと言われております」
「それは、読み取り先が通常ではないからともいえますよ。互換性がなければ、調べようがない。と言えばあなたにはわかりますか」
「はい」
「じゃあ、次の本ですね…」
おぉ
西切ちゃんも放浪者ラブだったか
ちょっとずつ感情面が動き始めましたね
ゾンビハウスだ!デレデレデデー
ジェノサイドの巻物が欲すぃ
浜村は調理場にいた。いくつかの缶詰やまな板、ボウル。これから調理をすると言った様子で、準備を進めている様子が見て取れる。普段は使わない料理本も持ち出して内容を確認している為、どうやら今回作るのは新しい料理のようだ。
「まぁ、そんな難しいもんじゃないから大丈夫だろうけど」
缶詰を明けて、その中身をボウルに開けていく。黒色の時折粒のようなものが混じったペーストで、あった缶詰の中身が入ったボウルを軽くかき混ぜ、味見をしてから、砂糖を加える。まざり切ったのを確認したら、次が面倒な行程だ。
用意した粉と食用の水を用意して、粉の状態を確認しながら水を足しこねる。徐々に粉は固まっていき、程よく弾力があって気持ちのいい触感になっていく。ある程度の感触になってから一つにまとめて、小さくちぎっていき、すべてちぎり終えてからそれを沸騰した鍋に入れて茹でる。
茹でているそれが浮かび上がってきて、少し待ってから取り出し水で冷やしていく。これで、作りたかったものは完成した。
「なんか甘い匂いがしますねー」
調理の匂いに誘われてきたのは、三間だった。調度いい毒味役が来たこともあり、ジェスチャーで座るよう指示してから、作っていたものを出す。
「あ、おしるこですか!」
「ここんとこ皆疲れてるみたいだったし、甘いものでも食べられれば変わるでしょ」
お椀に盛られた白玉入りのお汁粉、久々の本格的な甘味に、三間はつばを飲み込んだ。
五百四十六日目
高速道路エリアの制圧は、ここのところ好調のようだ。今日も好調に進んでおり、長く感じられたこの任務も終わりが見えてきている状態だな。拠点でも新たなバリケード設置も進められていて、防衛力は上がってきていると言える。
状況としては、こちらか、あるいはパライノア、どちらが先に攻撃を仕掛ける。その準備ができるかがの早さの問題になってきている気もするな。それができないよう、遊撃班として任務を開始したが、それがどこまで有効かはわからない。が、しないよりはマシなのは確かだ。
(一応、今日も合流前の時間で俺だけで処理はしておいたが)
それと、今日は久しぶりに甘味というものを味わったな。白玉入りのお汁粉で、あそこまで強烈に甘いと思えるものは今までなかったからな。水あめなんかは作って貰えていたが、それでも調理されていると言う意味では大きなことだ。
後は、物資の収集もいくつかすることができた。それらもまとめて、今日は全体的にいい日だな。
さて、数少ないきっちりとした寝床でゆっくり寝れる機会だ。もう休むこととしよう。
2月19日
高速道路エリアの制圧はここのところ好調の状態が続いている。遊撃班が合流する日で、人員的余裕があったとはいえこの状態が続いているのは望ましい。いつも通りの進捗に戻ったとしても、今のところ数日内には完了する見込みになっている。
この任務が無事完了の見込みが出ているのも、遊撃班が組まれたことに他ならない。あのマッスルゾンビによるバリケード破壊を、パラノイアの攻撃と判断して、こちらも即時に少数による変異体処理を行い対向する。果たして、自分にはその発想は可能だろうか。可能だとしても、実行に移せただろうか。答えは、NOだ。
少数とはいえ、それに耐えうる強力なメンバーを引き抜くことになる。残ったメンバーからすれば、それは不満のタネになるのと、引き抜かれたメンバーも、当然死ぬ可能性が高い事への抵抗もあるだろう。
私には、その任務の実行をさせるに足る、信頼も実績もない。放浪者のみに可能だったことだ。彼と一緒であれば、やれるだろうという不思議な安心感をメンバーは全体的に持っていると、ひいき目にみても私は思っている。
だからといって、何もひるむことはない。探索組はその彼の指揮の下、私を含めて都市解放を続け、熟練した強き者の集まりだ。そこまで危険な任務を遂行できるようメンバーを動かすのは私にはできなくても、元々行うべき任務を継続することはできる。自分も信頼できる仲間と共に。
ただ、その上でやはり放浪者に不満があるとするなら、また1人で無茶をしていたことぐらいだ。まったく。
2/19 担当蒲谷 朝
今日は遊撃班が帰ってくる日か。
こちらもバリケードの増設はしてるけど、彼等からすればまだまだだね。
担当喜読 昼
遊撃班。正しく書くのであれば、リーダーと比べればここのメンバーと比べてしまえばどうしようもありません。
私も全てを知っている訳ではありませんが、今の時点でさえ、逸話と言えてしまいます。
担当フェイ 夜
お汁粉美味しかったな。今度パフェとか食べたいなー(パフェの絵)
でも、パフェ作るなら牛さんとニワトリさんがいるなー。どこにいるんだろう(牛と鶏の絵)
【主の帰還】
「………」クークー!
「…あぁ、ただいまだ」ナデナデ
「(ボス、お帰り)」ワンワン
「…ただいま」ナデナデ
「………」クー、スリスリ
「(どこいってた、どこいってた)」クルクルクルクル
「…二人とも落ち着け」
「………」クッ!
「(あう、クラクラ)」フラフラ
「…大丈夫か小間城」
「(目がー)」フヒュン
「………」クー…!
「…やれやれ」
【錬浄のちょっとした一日5】
「………!」
「………」
「………」フー
「………」
「………」ズズッ
「………」
「………」
「………」
「………」
「あー、錬浄。冷めるから早く食べたほうがいいんじゃない?」
「久しぶりの甘味故、味わっているところです…」
「そう。てか、坊さんってそう言うの大丈夫なんだっけ? 今更だけど」
「私の宗派は、他に比べれば食の戒律は緩い方でございます」
「へぇ。いろいろあんのね」
「……頂いてよろしいか?」
「食べなさいよ。あ、もしかして甘いもの好き?」
「御意…」
「そ」
【怒ります】
「無茶はされないと言いましたよね?」
「…無茶ではないと判断した」
「無事に帰ってくると言う約束のはずです」
「…わかっている。こうした俺が言うのもなんだが、俺より早いんだもう寝たほうがいい」
「本当に、わかってますよね?」
「…安心しろ。約束は守る」
「はい、では久しぶりに一緒に眠りましょう」
「…あぁ」
高速道路エリアの制圧は好調が続いていた。探索組のメンバー全体として、その状態を維持したいと共通した意識のおかげで、士気の高さも維持できている。山中も、この状態なら今日も問題なく処理が進められるだろうと考えていた。
最初の異変は小間城だった。放浪者の躾と元々頭が良いこともあって、無駄に吠えたりはしない小間城が、一度だけ高く吠えた。その後、臭いを嗅いで回り最終的にたどり着いたのは1つのマンホールだった。そこに対して、小さな唸り声をあげた。
異変がその中で起きている。それに疑いはない。小間城の探知能力は、メンバー内の中で当然1番に近い。何かの接近や隠れた存在の発見など、目立ちはしない。けれど、確実に重要な役割を担っている。そして、小間城の反応はいつもより激しい。
山中はメンバーを招集して、内部をチェックするか協議することにした。好調を維持するのであれば、好調はまた止まってしまう恐れがあった。が、それはそもそも何もトラブルが起きていなければの話だ。メンバーから、マンホール内部をチェックすることに反対は出なかった。
マンホールを何とかこじ開ける。明かりを照らすがそこ自体に異常はない。選別したメンバー、山中、錬浄、井門、そして小間城が下に降りると、今いる場所は作業用か何かの通路が、真っ直ぐと下水道へ続くであろう扉まで伸びていた。
扉には鍵はかかっておらず、そのまま内部に侵入する。内部はわずかな明かりがまだ灯っていたが、薄暗く全体を見渡せない。だが、小間城は先ほどから感知している相手がいるであろう暗闇に向かって、威嚇の姿勢で唸りをあげ、それが内部で木霊する。
井門がフラッシュライトをそこに向ける。そして、背筋に走るのは久しぶりの悪寒の様な寒気。奥から大量のゾンビが、こちらに向かって行進している。そう、まるで埋め尽くさんがばかりに。
寒さも薄まり、春の息吹がもう間もなく訪れる。そんな予感を感じながら、新興都市で回収した物資を確保した自分のアジトへ戦後は運んでいる。アジトの周辺については、瓦礫が積み重なって出来たものや、すでにあったバリケードなどのおかげで比較的安全な状態を維持できている。当然、それは最近まで周囲の安全の為にゾンビ処理を怠らず行ってきたのもある。
アジトについて、すでに2階で待機しているロバートにそれを手渡して、まだ残っている物資を回収へ向かう。2人で行き来した方が早いが、ロバートは今でも満足に戦えないのと、物資の仕分けして保管するのは彼の方が得意とするところ。言ってしまえば、適材適所の振り分けというところだ。
今日手に入ったのは、ありがたいことに食料と水がいくつかだ。食料の安定供給がままならない冬と合わせ、生産を行っていない2人には貴重な品だった。春先になれば、餌にありつこうとうろつく獣を仕留めることも検討できる。
ただ、何にせよひもじい思いはまだまだ当分必要だなと、千護は肩を落とす。ここの生活を思うと拠点の生活がどうしても懐かしく出てしまう。だが、しなければいけないことがある以上、それに慣れることも必要だ。
今年中に新興都市に眠るアビス。無ければそれに関する情報を探ることはできるのか、そんな眼差しで改めて千護は新興都市を眺めた。
さてと。相変わらず中途半端ですが、547日目の続きは明日です。寝ます。
そうそう、特に言ってませんでしたが、基本的に投稿は時系列順です。日記はその日の締めなので、最後に来ると言う感じですかの。まぁ、演出の兼ね合いとか同時期なら前後ぐらいはしますがの。
まぁ、ブレイクタイムは息抜きとか補足の意味合いがあるので、関係ありませんが。
乙!
うわー、予想はしないでもなかったけど、してほしくない事をしてきやがったなー
縁の下からドカーン!とでもするつもりだったか
下水道なら広がる心配ないし、火で焼却処分だ!
有害物質が残る?そんなん拠点が壊滅するのと比べたら誤差の範囲よ
五百四十七日目
大型駅エリアの変異体処理は簡易に行った。警戒せずにゆっくりと体を休める日でもあるのと、他にトラブルもあって、大した結果は出せていない。今日の任務自体については、そんなところだ。
ただ、探索組から連絡があり高速道路エリア内の下水道にて大量のゾンビと遭遇。要請を受けて、俺が支援に向かい二人にはそのまま任務を継続するよう指示した。
サンダーボルトで急行すると、地上からの攻撃を警戒したメンバーがマンホール周囲に待機しているのが見えた。そのまま穴の中に突入し、下水エリアに到着するとまさしくおびただしい量のゾンビがいた。
下水道はほとんどゾンビがいないと言っていい場所だ。工具がないと入れないという事情が大きかったように思える。もちろん、下水道に繋がるところに穴が開いていたり、その後の生存者が図面でも手に入れて移動経路にでもしているケースはあり得るだろうが、それでもそうはいないところだ。つまりは、これもパラノイアが仕掛けた攻撃の一つと考えている。
戦闘に関してだが、まぁ、正直書くことはあまりない。あえて書くなら、昔を思い出した程度だな。一対一の戦いや、一撃離脱に置いてなら、メンバー内で俺が向いているとは思うが、大多数のゾンビを相手をする時はやはり相棒が一番適役だろう。
それでなくても、更なる戦闘用に強化されたペガサスで、変異体もいないゾンビの集団、しかも前方からしか襲ってこないのならもはや相棒の天下だ。高速移動だけならず、突く、斬る、払うの連続攻撃の前には成す術もなく、処理された山は積み重なっていった。
ま、そういうこともあって、正直俺とそして錬浄もすることはなかったと言うか。はっきりいって今回の戦いは相棒の独壇場だったな。井門に至ってはあんぐりとした表情をするぐらいしかできてなかった。
とはいえ、こういった攻撃が行われた以上、下水道エリアの強化もしておかないとな。幸い、大まかにではあるが拠点と保安官のBARを行き来できるルートは確認している。その場所へ入り込めないように手を打つことにはなるだろう。
しばらくは遊撃班も下水道内の探索が必要になったか。やれやれ。
レポートNO.140
井門圭司
今日は流石に死ぬか、って思ったんだけどな。あんなもん見せつけられたら、どうすりゃいいかわかんないっていうか。わりぃけど山中さんが化けもんに思えちまった。
小間城が騒いでくれたおかげで、パラノイアが下水道から送り込んできたゾンビを発見。あの狭い空間に、敷き詰められたように迫るゾンビ共は、そりゃあ俺でも寒気が奔ったんだが。なんていうか取り越し苦労ってやつだな。
放浪者さんも援軍に来てくれたけど、本人が言うようにいらなかっただろうな。ほとんど山中さんがその集団を処理した。当然、放浪者さんもスピアで、あと錬浄さんも援護してたけど、俺は久しぶりのありえなさ具合に動けなかったっていうな。
そりゃあ、アラクネシリーズはよく知ってたはずなんだけど、ここまで特性を生かせると一方的なもんかと思うとな。やっぱ俺の周りは普通じゃないっていうか、平凡な俺には辛いところだ。
ただま、白衣をたなびかせながら戦う平山さんはちょっとした映画の1シーンみたいだったな。名前通りのペガサスのようにも思えなくもねぇな。
「地下道を抑えに来ている…。ならばこちらも打てる手を用意しなければな」
探索組から今日の遭遇の話を聞き、都市に関わる地図やそう言った情報の図面、これまで自分達が確保している領域を照らし合わせながら、平山は回収組でも何かできないか思案していた。
「でも、正直商業区にパラノイアが何かしてくるスかね?」
何もしない訳がないと、平山は考えている。無作為とは、商業区方面にもマッスルゾンビを差し向けバリケードを破壊している。それは、拠点が抑えている領域を知っていると言うことに他ならない。
「でもでも、平山さん。もうこれ以上任務を増やすのは無理ス。死んじゃうス」
もう嫌だという態度を、ベッドの上でフェイはジタバタする。平山も、やるなら少なくても2人は人員が増えなければ厳しいとは考えてはいるが、だが、資料の状況を見ると何もしないと言う選択肢を選ぶのは難しい状況だった。
現状、探索組が行っているゾンビがいない緩衝地帯を作るための制圧作業だが、高速道路エリア分は今月中に終わる見込みとして話が出ている。この緩衝地帯は、高速道路エリアと警察署エリアをまたがるもので、次は西側の警察署エリアの作業が開始される。
この緩衝地帯の作業は、例えるなら城壁を作るようなものだ。パラノイアが拠点へ攻撃を仕掛けてくるなら、必ず突破しなければいけないが、支配下のゾンビが処理されてしまえば増援を呼ぶことができない、パラノイアにとってはいわば危険エリアになる。
言ってしまえば、パラノイアが攻撃を仕掛けることを前提とするなら、チャンスは今ぐらいしかない。散発する攻撃もその証明とも言える。このまま警察署エリアまで緩衝地帯が出来上がった場合、攻撃しかける為の移動経路はその警察署エリア、あるいは大型駅エリアに隣接する、商業区北エリアか、入り口エリア。
しかし、北エリアは建物の倒壊が激しく、エリア全体が天然のバリケードのような状況だ。大部隊での移動は適していない。となると、入り口エリアの重要性が、今上がりつつある。
もしかすれば、それに気づいた探索組が入り口エリアを覆うように緩衝地帯を作る可能性はある。だが、そのことをあえて進言することはなかった。情報の共有が強い集団の在り方だとは思うが、相手が相手だ。仲間が知らないからこそ、敵が罠に嵌ってくれる。
仮に大部隊を率いて商業区入り口エリアを経由して、そこに敷設された罠により、行動が遅延したり、ゾンビが処理されれば、強力な足止めになる。更に考えれば、行軍中であればパラノイアの防備は、大型駅エリアに突入して戦うよりも薄い状態だろう。仕留められる可能性も高められる。
そこまでの欲をかかなくても、商業区入り口エリアもきっちりと守りを固めておけば、パラノイアは警察署エリアか高速道路エリアのどちらかに向かって、危険を承知で襲撃をかけるしかない。留まり続けるなら、じっくりと処理を進めて真綿でパラノイアの首を締めあげればいい。
つまるところ、結局やらない訳にはいかないというところだった。
「安心しろ、トラップをと考えていたが、攻撃しづらく、そして強固なバリケードを作るのが先決だからな」
どっちにしてもやるのかと、フェイは嫌そうな態度を取るのは諦めて、恨めしい視線だけ平山に投げかけた。
【それでも1年半】
「…怪我がなくて何よりだ」
「はい。パラノイアが仕向けたであろうゾンビは全滅させられてのは幸いでした」
「…小間城が気づいてよかったな。残党はいることを考えれば、予断は許さないが」
「そうですね。でも、この攻撃を本気だとは思いますか?」
「…時間稼ぎ、そんな気はするな」
「かもしれません。私は牽制だと思っています」
「…それもありうる。何にしろ、俺達には理解は出来ん相手だ」
「えぇ…。それにしても、今日の戦いはなんだか懐かしかったですね」
「…そうだな。アラクネを前面に出し、俺がそのカバーをする。ここに来た当初は、そうやって探索していたな」
「今では様変わりしましたね」
「…俺は今の方が良いと思っている」
「それは、どうしてですか?」
「…ゾンビの世界に不慣れな相棒を、一番危険なポジションにしなければならなかったからな。そういう役割は本来、俺であるべきだ」
「貴方は、本当にいつもそう言って…」
「…後ろを任せられる仲間がいる。何を恐れることがある?」
「もう……、援軍。感謝します」
「…当たり前だ。そろそろ、戻る。残務処理、引き続き頼むぞ」
「えぇ、では」
>>425
人間と、全知の存在との知恵比べ。どちらが勝つかは、ダイスのみぞ知る
>>426
やり出しかねないから怖い
>>427
まぁ、焼き払うにしても逃げ遅れたらまずそうよね。拠点がやられるよりマシ、いわゆるコラテラルダメージにはなりそうだけど。
>>431の訂正。いや、これ以外にもいっぱいあるんだけどもね。
×「はい。パラノイアが仕向けたであろうゾンビは全滅させられてのは幸いでした」
○「はい。パラノイアが仕向けたであろうゾンビは全滅させられたのは幸いでした」
「God is great, beer is good and people are crazy♪」
久々に気が合う歌が、DJフレンドのラジオから流れハンターは口ずさんでいた。自分の何かにピッタリとはまる。それが何だと聞かれればハンターは答えられないが、それを言葉にするなら気分というところか。
ここまでの道のりは順調ではなかった。とりあえず決めておいた目的地への到着予定日はとっくに過ぎている。つい先ほども、ゾンビの群れと遭遇して大立ち回りを終わらせて、少し疲れも感じている。
ただ、何よりデルフィアの調子が悪くなりつつあるのも理由だった。計算づくの力任せな戦いが多い、ということもあるが、アラクネシリーズに比べて腕は小さく、そして精密な動作も求められる。その上、指向性の磁力を発生する装置も組み込んでおり、いくら強化したとしても強度は劣る。
もっとも、繰り返すがハンターでなければこんな短期間に摩耗しない。ということは留意すべきだろう。
「と、なんだこりゃ?」
前に来た時にはなかった、ロープによるバリケードがいくつか見受けられる。面倒ではあったが、遠回りして近づくことにした。
『もし協力しているところにそんな亜種がいたなら、助けにいかないと壊滅する恐れもありそうだよ。絶対に行った方がいい』
その言葉はあながち間違いではないようで、ハンターは灰皿の中にあったシケモクを咥えて火をつける。そして、わずかに口角が上がり、これからのことについて想像をめぐらせた。
五百四十九日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。それと合わせて可能な範囲の下水道内の偵察もしている、骨は折れるがそこも進行ルートとして利用されているなら、しない訳にはいかないからな。
ただまぁ、この方法はパラノイアも継続するとは思えない。ある程度のゾンビを送り込んだら、恐らく止めるだろう。いくら大量にいるとしても、有限には違いない。その上、俺達がその勢力を削ろうと処理も進めていることは、奴も承知しているはずだ。となれば、これは相棒の言っていた通り奇襲か。あるいは時間稼ぎ。そう考えている。
なぜ時間稼ぎなのかと言えば、明確な答えはない。俺にはそう感じるというだけのことではある。ただ、奴の攻撃があまりに散発なのが、理由と言えば理由か。遭遇した当初は、目障りな存在だけ排除するといった印象だったが、今は明らかに拠点の人間を意識している行動が見られる。
だが、それなら奴は動員できるゾンビを、自分の指揮下にして俺達が死ぬまで襲撃をかけるはずだ。目障り程度でも全戦力を持って攻撃を仕掛けてきていたような奴だ。感知できる範囲内にいないから、なんて理由で襲ってこないことが、納得できていない。
変異体の訓練を施す為の時間が欲しいとするのも、何か違う気がする。奴の何かが変わっているのでもなければ、思った通りの行動をしているはずだが。まぁ、埒のあかない想像だな。
後はハンターが今拠点に来ているらしい。DJフレンドのラジオを聞いてとのことだから、あの放送はこれが意図してのことだったようだ。事情を説明し、それなら大暴れすると二つ返事でいったらしい。ありがたいが、心配ではある、無茶をする奴だからな。
一ノ瀬DIARY FEB. 21
昨日のこともあって、高速道路エリアの制圧と合わせて下水道とかの地下の部分も確認しなくちゃいけなくなった。制圧作業も遅らせたくないし、ただ地下も見ないと最悪なことが起こるかもしれないし。はぁ、本当に厄介な相手だなぁ。
ただ、良い事もあって、ハンターさんが拠点に来てくれた! フレンドさんのラジオを聞いてきたんだって。実は戦ってるところ見たことはないんだけど、すごく強い人だからパラノイアとの戦いもすっごく楽になると思う。
後は、デルフィアだったかな。作ってもらった義手の調子が悪いから、明日研究所に行ってくるみたい。出来てからそんなに経ってないと思うんだけど、結構ボロボロになってた。東京の近くにいたって言ってたから、それが原因なのかな。
久しぶりの良い事だし、明日もこの流れが続けばいいな。
2/21 担当三間 朝
下水道に、ゾンビを送り込んでくるなんて、本当にパラノイアはゾンビなのかな。
でも考えたら、ゾンビなのかもわかんないいっぱいいるんですよね。
担当勝 昼
パラノイアは見たことないけど、多分変異体じゃなかったとしても仲良くなれないと思うなー。
なんか車こっちに来てる。誰だろ。
担当平山 夜
知恵があるのであれば、本来交渉といったものはできるとは思いますが。
パラノイアに限ってはそれがないと言い切ってもよいと思われます。
ただ、何を考えているのかには興味はあります。
忌々しい。
忌々しい。
忌々しい。
素晴らしき世界を、穢す者。
我等の楽園を、踏みにじる者。
その全てが、忌々しい。
討伐に向かった兵達。
返討に遭い、無残に殺された。
尊し命が奪われていく。
なぜこの世はかくも理不尽なのか。
穢れた者達は我等を躊躇なく襲い続けた。
我等は何もしていないにも関わらず、殺していく。
極彩色の世界を侵すに飽き足らない。
奴等は、蛮族だ。小賢しい知恵が回る卑しき者だ。
守らなければいけない。この世界も、皆も。
忠実なる聖騎士達を鍛え上げる。
来たる聖戦へ向けて、我等は強くならねばならぬ。
そして、我も皆を導くため、強くなる。
選ばれた者だけが住まう楽園を。
襲われる恐怖のない楽園を。
永久に美しい楽園を。
【来たる時に備えて】
「このまま、パラノイアと戦いになったらどうなっちゃうと思いますか」
「なるようにしかならねぇだろうよ。一ノ瀬、互いに死なねぇようやるとしか、言えねぇよ」
「井門さんは、出来るとは思いますよ。でも、私は自信ないです…」
「俺にだってねぇよ。警察署の時も、ダメだなとしか思ってなかった」
「あんまり、思い出したくないですね…」
「あんときゃ林道さんも体当たり食らってたしな。佐原もスラッシャーに軽く斬られてたし、皆無事だったのが不思議だったつーか」
「今回はハンターさんも協力してもらえますから、きっと大丈夫ですよね」
「それだけじゃなくて、大丈夫にするための今の任務だろ?」
「そうでした」
「おいおい」
ハンターさんが歌っていた曲については下記から聞けますよん。
Billy Currington - People Are Crazy
https://www.youtube.com/watch?v=PKpQRjj_WbU
歌詞
http://ja.songcoleta.com/lyrics/people_are_crazy_(billy_currington)
まぁ、意訳がほとんどわかりづらいところしかないんですが、いろいろ内容を見て判断するに
「BARでおっちゃんと仲良くなってビール飲みまくって、後で、その人大富豪だったの記事で読んで知ったけど、死んでて財産も無くなってた。とりあえず、墓場にビール持ってったよ」
って感じみたいです。多分違うと思うけど。
乙!
パラノイア……流石、元人間。意地で拗らせてきやがる
何もしてないのにってこっちは襲われてるから対処しているのであってゾンビサイドにも問題があるんだよなぁ
>>440
ある意味純粋な偏狂とも言えるかね。
>>441
まぁ、パラノイアが知覚してる範疇ではそうなのかもしれない。理解を求めること自体が無茶だけども。
さて、申し訳ないですが今日はコメ返だけで寝ます。ねむい。
乙 死んだ大富豪は彼に財産を残した説も。
パラノイアとの闘いが近づく気配濃厚だけど拠点位置だけは見つからないことを祈る。
聖騎士が何の変異種か全く分からない件について
ハンターは研究所に訪れていた。目的はもちろん、過度な戦闘により不調が起き始めているデルフィアの修理の依頼だった。元々、ハンターについては不遜なところなどから快く思っていない野木は、更にその理由を聞いていつも不機嫌に見える顔が、更に濃くなった。
だが、彼は個人的感情で動くような人間ではない。ハンターが戦闘用の義手として強固に作ったデルフィアを、そこまで酷使して無事に帰ってこれる。そこまでの実力者への協力は、ゾンビ処理の観点などを含め研究所への利になることは間違いはない事だった。
そのままハンターはアリスの研究室に通される。いつも通り楽しそうにしている彼女を見て、ハンターは少し呆れたというか、とりあえずそれに近い感情を抱いた。
デルフィアを手渡すと、もっと丁寧に扱ってほしいと彼女から文句は出るが、それすらもできない戦闘ばかりだったことを伝える。納得はしていないようで、わかったとは言ってからデルフィアの状態を見始めた。
しばらくして、これはすぐには修復できないことがわかり、念のため作っておいたスペアを取ってくると言って彼女は出ていく。ハンターはそこまでひどく使ったかなと、呑気に考えながら研究室をぼんやりと眺めた。
十数分程度でアリスは戻ってくる。手には、デルフィアと思われる戦闘用義手と、もう1つ長い棒を持っていた。当然、それが何かハンターは確認する。
「これネ。BCP(弾丸改良計画)で作られた電撃弾から発想した電気ロッドだヨ。拠点に林道っていう人がいるから、ついでに渡してあげてネ」
受け取りながら、個人的に自分でも使えそうだなとハンターは思った。
回収組の苦難は続いている状態だ。引き続き佐田が、拠点の設備を作る兼ね合いで回収組の手伝いをしてもらっているが、負担は大きい。アミューズメント施設の解放の為の準備や、バリケードの強化についても順調とは言えず、平山はそれを歯噛みするしかなかった。
失意を抱えたまま、本来の回収組の任務である物資探索を進める為、大まかに範囲を決める。各自一人ずつその範囲内の探索を開始する。確保したエリア内だとはいえ、単独行動は基本的に危険をはらむ。平山もわかっているが、今日の状況から1人になりたいと言う、自分勝手な思いがあった。もちろん、そのこと自体は彼女も自覚は持っている。
とはいえ、それで仕事を手ぬかるような人間ではない。放浪者に強い信頼を得られるほどの、生真面目さと思慮深さを持つ者だ。その状態でも、きっちりと物資はどこで得られやすいか、必要かどうかの精査を行いながら任務を行っている。
ただ、その彼女であってもさほど実入りがいいとは言い難かった。誰もいないこともあり、落胆の表情を隠さずため息を出す。
そろそろ決めた集合時間も迫っていることもあり、今いる建物から外を出る。道中、何か変わったものはないかあまり確認しないところも注意しながら、見回りながら歩いていく。
そうしていると、何らかの兵装をしているほとんど白骨化した死体を、廃棄された中型トラックらしきものの中で見つけた。中は何かラックやロッカー、座席が設置されており軍用車両か何かだったものの用だ。使えれば便利そうだが、残念ながら運転席部分は瓦礫の中に埋もれている。
中にはほとんど何も残っていない。ほとんどが持っていかれた後なのか、弾薬が3発ほど転がっていただけだ。仕方なく、白骨化した死体も漁る。
「…これは、ゴーグルか?」
前方に双眼鏡をつけたかのようなゴーグルが、その死体の下になる形であった。持ち帰れば井門ならわかるだろうと、平山はそれを持ち帰ることとした。
>>443
あら、そんな説も。
拠点の位置は、どうなんだろうねぇ。
>>444
ただの全体の名称か、それとも。
さて、久しぶりにWIKIの軽い更新とか読み直しで思ったより進められず。549日目の続きはまた明日です。なのでこれが訂正に。
>>434の訂正
×五百四十九日目
○五百四十八日目
乙!
電撃警棒もだけど、電撃イライラ棒の事も思い出したぞ
しかし、平山さんまた焦れてるなー
五百四十九日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。並行してのゾンビ処理も含め、任務は並行している状態だ。とはいえ、ゾンビ処理は俺の個人の判断で、佐原達は言われた通りの任務を実行させている。
ただ、他の組でも同様だが、地下道の偵察をしなければいけないことが、任務の負担を増大させているな。探索組の制圧作業自体が重労働だし、回収組については細かい任務が累積してきている。根本的な人数不足はどうしようもなく、ここのメンバーの力量に頼るしかないのは実情だ。
以前のハンターの話だと、この間の生存者や平山さん達以外にも、安全と判断した生存者に拠点の情報は流しているらしいのだが、それ以外は来ていないからな。ここまでの行程でゾンビや略奪者に襲われたか、場所がわからずあらためて放浪をしているか。出来れば後者であってほしいものだが。
以前よりは人員確保の可能性が高まっている。それ自体は良い事なのだが、今の拠点の状況で留まってくれるかは微妙ではあるな。通り過ぎる生存者ならともかく、仲間になりたいとして来る生存者には言わない訳にはいかない。
あえて言うなら、沈む可能性にある船に帯同する必要はない。一緒に沈むぐらいなら、一人でも多く生存者がいることの方が重要だからな。
そんな事態に陥るようなことになれば、パラノイアは相打ちして倒すしかない。そうすれば少なくとも、研究所のメンバーはなんとかなるだろう。
教員日誌 二月二十二日 林道正綴
今日はハンターさんから、研究所が自分用に開発してくれた武器を手渡された。製作したのは、話だけは聞いているアリスという人物。放浪者さん、山中さん、そしてハンターさんが使用しているあれらの道具の生みの親ということだから、かなりの優秀な人物なのだろう。
長さは2m、用意されていたマニュアルによると、屋内対策として持ち手の部分が外れサイズを小さくすることもできるとのこと。見た目には、竹刀の持つ柄の部分が半分まで伸びたようなものだ。真ん中に鍔の様なものがあり、その先に電流が流れ殴られた相手はショックを受けると言う具合だ。
使用した感覚は、槍というより長柄刀のようなものに近い。普段使う型とは違うことになる。そうはいっても強力な武器に変わりはない。ゾンビのみならず、略奪者といった類も容易に気絶させることができる。
ここにきての新しい武器になる、パラノイアとの交戦が目に見えていることもあっての製作なのだろう。感謝しなければならない。
【鑑定】
「と言う訳で、井門殿ならわかるのではないかと思い、お持ちしました」
「兵士が使ってた変わったゴーグルねぇ…」
「こちらになります」スッ
「……、こりゃあナイトビジョンじゃねーか!」
「ナイトビジョン?」
「暗視ゴーグルって言った方がわかりやすいか。暗闇の中でも活動できるよう暗視装置の一種で…、うし、動作は問題なさそうだな」
「暗闇…、では今の地下道探索に役立つと?」
「もちろん。それに、シェルターとかを探索するのにも使える」
「実入りがあまりなかったものなので、手に入れられてよかった」
「回収してもらえるだけ、助かるって放浪者さんは言ってたから、あんまり気にしない方がいいんじゃないかと」
「…そう致します」
【ネコ耳7】
「にゃ~んス!」
「………で?」
「ほら、ネコ耳、ネコ耳スよ。平山さん」
「それはわかっている。そんなくだらないものを拾ってどうすると聞いている」
「へ? え、拠点の物資置き場にあったスよ?」
「……、嘘ではないみたいだな」
「フェイ、そんな仕事してないみたいに見えるスか…」
「それはない。だが、普段の行いだな」
「えぇ、そんな変なことしてないス!」
「この間の焼き芋の事件然り、普段の回収業務中の能天気然りだ」
「うぐ」
「しかし。さっきのは私も言い方が悪かった、すまない」
「えーと、まぁ、いいんスけど。あ、平山さんもつけるス?」
「似合わん。止めてくれ」
「え~」
>>448
あれが武器になったようなもんです。触れると爆発するよ。
さてと、しばらくの間ですが、ちょっと更新を止めます。今回はまとめ作業というより、今まで書いた内容の振り返りですね。
ダイス様の関係で使えずにそのまま忘れてるものとかの改めがメインな感じのことをやりたいので。
まぁ、多分他で書いてるのとか、幕間とかはその間も投下はすると思いますが、平にご容赦を。
問題ナッシン!
誕生日も近いし、普通に休んでも良いんじゃない?
平山さんギスギス寸前でやばいな。そろそろ問題起こしそう。
あー、森永の1000ml甘酒うまっ
『まどろみの中で 錬浄編』
「これから我々はどうなるのでしょうか…」
すがる眼が自分に注がれる。そして、そのことに答えもない。あまりにも唐突に始まった世界の終末、まるで餓鬼界にでも放り込まれたかのようだ。誰がそんなことを想像できよう、誰がそのことに教えを含めた答えを用意できよう。
「いずれ、助けが来ることを信じましょう…」
思いもしないことを口に出すのは、自分のいる道にとって正しいのか。だが、目の前にいる者達は自分に救いを求めている。正しさが、まったくもって役に立たないなら、嘘が誠になることを祈るしかない。
人々は思い思いの念仏を唱える。もはやそれしかできない。自分とて、不安な気持ちが残る避難者の方々が暴走せぬよう、教えを説きなだめることが精いっぱい。救うなどという傲慢は抱いたことは一度もないが、救うことすらもできない。
「おい、錬浄こっちこい」
ここの集まりをまとめている長が、自分を呼び出す。全体に漂う悲壮感からか、ここのところ苛立つ様子を見せている。あそこで祈っている連中はという質問に、素直にこのままでは暴動の可能性はあると答えるしかない。
「ちっ、どいつもこいつも…」
状況の悪化は人の心を荒んでいく。今いる避難所は、まるで砂上の楼閣のよう。いつ、崩れ落ちるかわからない。餓鬼に抗うには無力でしかない。抗えると思わせられる出来事無ければ、すがる眼をした彼等は仮想に祈りを奉げるだろう。
「錬浄、ついてこい。何か使えるもんないか、探しに行くぞ」
「しばし、お待ちを…」
彼等に自分がこれから探索に向かうことと、留守を守るようお願いして長の元へ戻る。しかし、この状況下ではそれすらも気に食わないのか、募る苛立ちが顔に出るのは隠していなかった。
乙!
働かざる者食うべからず。集団の為に、各々出来る事を探し、そして行動しなさい
仏教徒だからって、これくらいは言っても良かったんじゃないの?
『シクラメンの咲く先に』
俺達はずっと一緒だと思ってた。学校にいる時も、悪乗りする時も、ずっとずっと一緒だって。その日も、4人でいた。悲鳴が聞こえて、皆で野次馬の群れに入ろうとして押しのけられて倒れた。野次馬だった人達は、助けを求めて一斉に逃げ出したから。
倒れている俺に、友達の一人が俺を抱き起して逃げるぞと言い出した。よくわからなくて、だからそこを見た。野次馬のあった中心は血まみれになってて、口元が血まみれな男は倒れてる人に覆いかぶさって、それから勇敢な人が止めに入ってて。覚えてるのはそこだけ、手を引っ張られて一緒に引きずられるように走ったから。
いや、でもまだ覚えてる。逃げ出せずにいた人達が、泣き叫んだり、気が狂ったみたいに笑う。あの光景に耐えられなくて吐く人も、周囲はパニックだった。異常だった。
訳がわかんないまま、俺達がバラバラにならないで一緒に逃げられたのは奇跡だったのかもしれない。友達の一人は耐えきれずに排水溝に吐いて、その背中をさすった。俺もつられて吐きそうだったけど、我慢した。
まずいから皆、家に帰ろうって。そういう話になって。でも、帰るには遅かった。その頃にはもう、ゾンビが通りを歩くようになってたから。俺達は必死で逃げた。もうどこも、同じになってた気がする。
記憶が曖昧で、気付いたら今いる別荘に逃げ込んだ。そこでようやっと落ち着いて話をした。これからのこと。何が起きてるかもわからなくて。何も浮かばなかった。
でも、少しだけ、穏やかだった。悲鳴も、銃声も、爆発も。うめき声もなくて。だけど、このままじゃ生きていけないっていう現実がやってきてた。
だから、町の様子を見に行こうとした友達。俺は離れ離れになるのが嫌で、止めた。でも止められなかった。そして、帰ってこなかった。だから、また1人。探しに行くと飛び出したのを追いかけられなくて。2人になった。
泣くことしかできなかった。泣いても帰ってこなかった。そうして、ただ時間が過ぎて、最後の友達がもう助からないから一緒にここを出ようと誘ってくれた。俺は、俺は怖くて、その手を取れなかった。一緒にここに居ようってまた止めた。馬鹿の一つ覚えみたいに。
誰も止められなかった。1人だけの空間が残った、食料はほとんど出ていく友達に渡した。何もする気力がなくて、ただ寝て起きるだけだった。
空腹が辛くなって、外に出た。そうしたら、玄関の横に渡したはずの食料が残ってた。そして、手紙も。ただ、一言、生きろとだけあった。そのほかには何も持っていかなかったのに。俺は、最後の友達が生きる為じゃなくて、死ぬ為に出ていったんだと。わかった。
食べた。ひたすらに、ゾンビみたいに。悔しくて、悲しくて、泣きながら、むせながら。食べた。そして、寝た。
本当に今頃、今更、生きる決心をした。もう、別荘に居続けられる食料はない。外に出て、この世界を生き延びる覚悟をしたんだ。無様だろうと、俺は友達の分も生きなきゃいけないから。
外はもう寒くなってる。息が白い、俺は本当に生き延びられるんだろうか。その思いを胸にしまい込んで、歩き出した。地面には白い花が咲いてる、これからの冬を予感させた。
>>458
まぁ、間違いではないよね。ただ、この追い詰められた状況で、集団相手にきっちり伝わるかが問題だけれど。
今回の幕間が誰かわかるかねー?
乙!
誰かなー?三間君っぽい気がするけど。しかしこれまた重めな過去だね
三間やね。放浪者と会った時も別荘から出てきたと言ってたし
あの頃はまさか男の娘属性になるなんて予想もしなかったなw
『英雄(ヒーロー)を望む者』
空は晴天、景色は瓦礫と死臭。その光景を見るかのように、屋上の端に人影が立っている。そのそばには、装飾のある光沢のある赤いライダースーツが無造作に脱ぎ捨てられ、笑っているような鉄仮面がその上に置かれている。
人影は全身の肌が茶褐色で、緑色の髪は長く、股下まで伸びている。目を閉じて両手を広げ、全身で太陽の光を喜んで浴びている植物のように見える。金属の軋む音が屋上に広がった。その人影はそれを気にする様子もなく、日光浴を続けている。
「ファイナリティ。下着はつけようよ」
呆れているのか、心配しているのかつかめないが、今屋上の出入り口から来た普通の生存者は、ファイナリティにそう声をかけて。ようやっと赤い目を開いて、振り向いてから大声で笑い。
「なぜ、下着をつけなければいけないんだ?」
腰に手を当て、不思議そうに首をかしげながら質問をするファイナリティの態度を見て、生存者は諦めた様子だった。少なくとも裸体というべきファイナリティの姿は、女性的な体つきをしている。胸の大きさはそこまでないが、すらりと伸びる身体を思えば、均一の取れた姿形をしている。この時代であっても、刺激は強いと言えるものだ。
ただ、問題なのはファイナリティに性別の認識がない。変異の過程上失われたのだろう、更に言えば世俗的な考えもどこか抜けてようにも思えることが多い。
「それに、太陽は我に力を与えてくれる。一部でも布きれで覆ってしまえば、力を得るのが遅くなってしまう」
「はい、わかったわかった。作ったスーツを着るようになっただけ、成長してるよもう」
だから来なさいと生存者にライダースーツを渡され、渋々ながらファイナリティは着用した。仮面については、わきに抱えている状態だ。
「それで、悪者は見つかったのか?」
「悪者にこだわるより、ゾンビ達をどうするか考えてようか。ねぇ」
どっかの誰かさんが大声で笑ったからねと、生存者が指を指す先にその生存者が入ってきた出入り口から、ゾンビが何人か入ってきているところだった。
「ふふん。このファイナリティ、この程度の木っ端ごときに負ける訳がなかろう!」
「あーもー、だからなんで大声出すんだよぉ!」
突撃していくファイナリティに、生存者も懐から武器を取り出して諦めてその後ろについていった。
>>461
三間ですのう。まぁ、基本的に重い過去を持たないメンバーの方が少ないからねぇ。
>>462
作者があんまりにも目立たないからということで、属性をぺたぺたされた結果である。
さて、これから年末、というか正月か。それまでですが、割と時間とれるところがないです。正直今年中に一回でも本編の更新できるかなーとか思ってます。
(数少ない休みは大掃除やら免許更新やらで潰れるし、平日すらもなんか忘年会やらなんやらで遅い日多いし、そもそも振り返り作業も終わってないし、正月用のネタもまだ浮かばないし)
そんな訳で、しばらくは幕間なんかでお茶濁すことが多くなると思います。その分、各メンバーの過去掘り下げたり、今回みたいにほぼ接点ないだろーっていう裏側で出来ちゃったキャラとか描く予定です。
個人的にファイナリティは書きやすくて好き。
え?ファイナリティブラスト?
んな事は置いといて、忙しいのはしゃーなしやね。日常頑張って下さいな~
『価値の決め方』
「センセーよ。あんたまさか、裏切ろうってんじゃないだろうね?」
だから、それはどういうことなのか聞き返すのは当然のこと。こんな世界で、一定の安全を保障してもらえる代わりに、使い道のない大金を得て雇用された。ある程度の文化めいた活動があるこの勢力で、なんで裏切らなきゃいけないんだって。君もそう思うよね。
あぁ、でも本音を言えるとすれば、そこでの生活は息が詰まるったらない。自分が逃げないよう監視代わりの警備が1人はついてる、安全な範囲を自由に歩き回れもしないんだから。最初っから信頼されてるなんてこっちも思っちゃいないよ。
そう言う状態だったからか。そうだねぇ、自分が離反を企んでる。そんな噂が妬みを絡んで流れてたみたい。妬みについては、そこのボスに気に入られてたってだけのこと。でも、言うなら気に入られてた訳ではないかもね。何かの生死が関わったならその命を預けなきゃいけない相手。それに他の勢力にも、治療を受けさせる代わりの見返りをふんだくる手段にもなる訳だ。君ならよくわかるだろうさ。
だから、アタッシュケースの中に入っていた札束は自分の価値。使えないものに価値があるのかは知らないよ。その価値を保証する国は機能してないんだからさ。
でも、それを持っていって出たのは、自分もそれぐらいでしか価値を見出せなかったのかねぇ。自分のことなのに、なんだか他人行儀になってしまうのは、悪いけどわからないかな。君だってそうだろう。
監視されてたのに出られた理由。どんな勢力でも内部からの崩壊には弱いものだね、シンプルに言うと咬まれたにも関わらず、隠し通そうとした奴がいた、みたい。騒ぎになって見張りがいなくなった隙に、いつでも出れるよう準備してあったから道具を持って、外出の機会の度に覚えこんだ道を辿って逃げ出した。
でも、あそこはそれなりに大きかったしね。騒ぎはあれどもしかしたら残党は残ってるかもしれない。以前ほどじゃないとしても、力はあったようだし。軟禁状態の方が多かったから、詳しい構成はわからなかったねぇ。
逃げ出した後は、それこそいろいろ歩き回って。どこに行っても怪我人ばかり、気が滅入るものさ。それが例え、自分が必要とされているとしても。ん、違うかもしれないね。救えないということがわかった状態で治療を施すのが、虚しさとそのことに希望を見出そうとするその仲間の人達。
真実を言う度胸なんてないさ。自分の身のかわいさもあるけれど、あの目が言わせてくれそうになかった。君なら言えたかい。まさか、言えるわけないよ。
そんな自分がここに残っているのが不思議かな。命を救われた恩返し、じゃダメかねぇ。そうだね、はっきり言うとあまりわからない。けど、サムから話を聞いて、強い人達の集まりならそんなわずらわしさから解放される。そんな気がしたのかもねぇ。
あぁ、そろそろお目覚めかい。どうせ、気まぐれな夢さ。忘れちゃいなよ。あの場所、あの日々よりはマシな生活が、待ってるんだからさ。
>>465
お前の技は見飽きたぜ! ってなことになっちゃうねぇ。
本編であんまり表立てない人シリーズ。まぁ、活躍する時ってあんまり良い事じゃないことが多いからね。
門日さんですね
彼女もまた複雑な立ち位置でしょうね
どこでも確実に必要とされ、取引の道具にもされ
重要度が高いがゆえに反感を買ったりとか……
拠点で美尋と仲良く師弟関係になれればいいな
『興味のない事』
「佐原いる?」
ノックもなく、言葉はかけたが有無を言わさず浜村は彼と三間の私室を開けた。中には、佐原が愛用のギターを調整しているところで、いつも通りの様子でどうしたのかと聞かれる。目的は研究所とやり取りする際に、探索組全体の進捗を報告する為の情報収集。
以前なら、放浪者か山中にだけ話を聞けばよかったが、現在は探索組から枝分かれした遊撃班もでき、かつ遊撃班の任務は危険度も重要度も高い。その上、遊撃班は拠点へ常に戻ってくる訳ではないなど、いくつかの状況が重なっている。その為、遊撃班の全メンバーについては拠点に戻った当日のうちに、警備組のメンバーが状況確認することになっている。
もっとも、その役割を担っているのは、警備組の実質的なリーダーである浜村だった。佐原からいくつか話を聞く。ゾンビと変異体の処理数、彼らなりに異変を感じたことはないかなどだ。ただ、佐原の場合は組んでいる藍と話は大体被っていたので、実入りのありそうな話はない。
目的は終わり、浜村の目に佐原のギターが印象的に意識に残る。それに、気付いたのか佐原が聞けるのかとワクワクした様子で聞かれた。
「弾けないわよ。ピアノぐらいかしらね」
「え、浜村さんピアノ弾けルんすか!?」
まぁねと、濁す様子で答えるも、佐原はそのことを興味深そうに聞いてくる。かじった程度だから大したことじゃない。それぐらいしか言うこともなかった。そもそも、彼女はピアノに興味があって弾けるようになったわけでもないのだから。
子どもの才能を試そうと、親がいろいろやらせたことの一つ。ある程度は身についたが、それで口に糊するほどの演奏ができるようになった訳ではない。むしろ、浜村にとっては親が自分を自分勝手にしてくる相手、そんな風に捉えることの1つだった。
留守がちで、コミュニケーションを取ったかも怪しい。顔すらももしかしたら覚えてないぐらいの、赤の他人と言ってもいい相手だった。この惨劇が起きても、心配する気持ちすらわかないほどの。
その意味でいけば、ここのメンバーとは人生の中で一番、濃い人間関係なのは間違いなかった。
「なら、俺がなんとか弾けるよウになったら、セッションすルっす!」
考えておくとは伝える。弾かないようになってから、かなり経っていて、まともに弾けるようにするならしばらく練習が必要。後は、ピアノが手に入っても、調律ができる人間はいないから、まともな状態にはできない。
そもそもセッションするかは本当に別だが、それを佐原に言う必要はない。浜村は、聞きたいことはそれだけであると言って、部屋から出ていく。とりあえず、報告を受けたことを軽くまとめて、それから晩酌でいいかと予定を組み立てながら私室へ戻っていった。
>>468
門日だねぇ。有用であり、有限であり、希少である。面倒ごとに巻き込まれる上位だからね。
まぁ、一ノ瀬とはそれなりにうまくやってるんじゃないかな。
わりと本編出張ってる方ではあるけれど、ちょっと薄めのバックボーン。と、拠点における警備組の活動の一部ってとこです。
乙!
お誕生日おめ!
乙 拠点でピアノを弾いてもゾンビの耳に届かない程度に安全地帯が広がってたか 良かった
『ブラザー』
「これから、俺達どうなるんだろう…」
考えることが難しかった。悲しさとか、憎しみとか、信じられない気持ちが混ざって、一つにならない。言ってはいけないとわかっていて、それで言ったのは混乱していたから。
「心配すんな。こんな時になんとかすっから兄貴なんだよ!」
心配するな。兄の口癖だ。そして、それを言えるほど優秀な人間だった。頼りがいがあり、頭もよく、運動もできる。俺は常に、兄の影を追っていた。
「ほら、じゃんじゃん好きな物頼めよ。心配すんな、初給料入ったからな!」
高校中退し、兄は生活する為に仕事を始めた。俺達兄弟にとって幸いだったのは、家とギリギリ卒業までの間は生活できる財産があり、親戚関係のトラブルもなく、むしろ援助の話を出してくれていたことだった。しかし、兄は自分が家の長だといって、援助は断り自立する為そうした。
親戚、父の叔母もそうだったが、俺もそのことに反対した。そうするなら、俺より優秀な兄が進学して俺が働くべきだと思ったからだ。だが、兄は俺のその考えに何よりも激昂した。
「あそこ、俺も工事したところなんだぜ。すごいだろ?」
そういって兄は無邪気そうに笑った。誇らしさを感じるのと同時に、兄ならばもっと良い所に勤められたはず、その思いが後ろめたさも感じさせていた。
「…兄さん、俺、高校出たら働くから」
その思いもあったのと、兄が自分の仕事に愚痴も言わず楽しそうに話しを聞いていたのもあり、俺は兄の仕事に関連するものとして、修理工になった。
大学に行かせようとしていた兄は、反対した。しかし、俺がその為に高校時代から勉強や試験を取りに行っているのを薄々気づいていたのと、そのことを嬉しく思っていたから、強く言えなかったことを後で知った。
「この人からよく話は聞いてたの、自慢の弟なんだぞってね」
修理工として勤め始めてからしばらくして、兄は彼女を連れてきた。それから、兄弟ぐるみで交流して、とても芯の強い凛とした女性だとわかった。この人なら兄を幸せにしてくれるだろうと思い、俺は2人の交際を全力で応援した。
「お前、この大金どうしたんだ…?」
二人が結婚して、家を出ることにした俺は、それまでに貯めた金を兄に渡した。兄が大学を受験する為に必要な認定試験をこっそり受けて合格していたこと、中退したそれ以降も勉学を続けていたのを知っていたからだ。
「今日もごめんね。この子のこと、お願いね」
兄は当然のように大学を一発で合格して、そのまま上場企業に再就職した。再就職までの間に出来た甥っ子も出来、義姉も働くことになり、俺が面倒を見ていたが、二人の影響か。何にも興味を示し、利発的な子供だった。
兄家族が幸せそうにしている姿を見るのが、俺の楽しみでもあった。ある日、仕事の関係でいつもより遠い地域の仕事をこなしていて、俺は――。
ここのところの疲れが出たのか、夢を見ていた。何を見ていたかは思い出せないが、心地よさを覚えている。
「おはようございます。私達は先に出ますが、気をつけてくださいね?」
自分が起きるのを待っていた様子の彼女に、わかったと告げてから自室を出るまでそのまま見送る。起きる時間としてはまだ早い。またゆっくりとベッドへ横になった。
自分にとっての最終的な目的は、平穏な日々を迎える為に今の活動をしている。だが、それはまだまだ先になりそうだ。ここで文明を取り戻せたとしても、まだすべきことは残っている。その思いが、彼の中で封印がほつれるように強くなっていた。
>>471
遅くなったけれど、ありがとう。
>>472
まぁ、多少は問題ないけれど、確実ではないかなー。
幕間も今日で最後かなぁ。あるとすれば大晦日だけど正月ネタが浮かばな(ry
本編更新自体は間違いなく来年からです。申し訳ない。
泣けるなぁ
良いお年を!
あけましておめでとうございます
今年も楽しく読ませてもらいますね
あっけおめぇい☆
「…放浪者だ」
「山中です」
「…さて、正月は正直すぎたが、ようやっとかけたネタを投稿するところだ」
「実は、これを書く前に別で温泉編が浮かんでたんですが、人数の都合上断念しました」
「…拠点のみならず、研究所、DJフレンドのメンバー、後はその他の友好的生存者も含んだからな。半月そこらで書けるものじゃなかった」
「まぁ、そういう訳で結局はお茶濁し的な新春ネタですが、よろしければどうぞ」
「嫌な奴は、名前に新春ネタ祭りと書いているところを飛ばせばいい」
『それでは、スタート』
『浜村の場合』
「あれ、なんでこれここにあるのよ?」
「勝とかかしらね。というかまだあったのね」スチャ
「着け心地は悪いわね。まぁ、お遊び道具だから仕方ないか」
「浜村、何してるんだぞ?」
「ん? 藍、いたの」
「浜村、耳が増えてるぞ。どういうことだぞ?」アタフタ
「あぁ、これね」スッ
「と、取れたぞ…」
「まぁ、オモチャみたいなものよ。いる?」
「オモチャなのか、ならスラに持っていくぞ!」
「はいはい、どうぞ」スッ
「スラー! オモチャもらったぞー!」
「さってと、夕飯の準備しないとね」
「(…結構似合ってたね。うん)」
『藍の場合』
「ほら、スラ。耳が増えるぞ」スッ
「(あー、これスラつけたことあるよー)」プルプル
「そうなのか」
「(みんなスラがつけてたら、つけちゃだめって怒られたー)」グニャグニャ
「そうか、残念だぞ」ションボリ
「(お姉ちゃんつけたら~?)」
「自分が?」
「(お姉ちゃんなら似合うよー)」プルプル
「そうか、つけてみるぞ」スチャ
「(似合うー、可愛いよー!)」プルプル
「そうか、よかったぞ!」
『一ノ瀬の場合』
「あれ、藍ちゃん達何してるの?」
「耳をつけてるんだぞ!」
「(お姉ちゃん、可愛くなったー)」プルプル
「おー、耳だね。どこで見つけたの?」
「浜村がつけてたぞ!」
「へー、浜村さん。そういうの着けるの好きなんだ」
「(いちのせちゃんも着けようよー)」プルプル
「スラが一ノ瀬も着けろって言ってるぞ! 着けるんだぞ!」スッ
「そうなんだ。うん、こうかな?」スチャ
「似合ってるぞ!」
「(いちのせちゃんも可愛いねー)」プルプル
「あ、そうだ。井門さんとこに用あるんだった。それじゃあね」テクテク
「まただぞ!」
「(お姉ちゃんあそぼー)」プルプル
「わかったぞ!」
『井門の場合』
「井門さーん」ガチャ
「ん、どうした一ノ瀬」
「暇なので遊びに来ました!」
「や、暇だからって火器保管庫(ここ)に来るなよ…。て、何着けてんだお前」
「ネコ耳ですね」
「あー…。聞き直すわ。なんでネコ耳着けてるんだ?」
「似合わないですかねー?」
「似合ってる似合ってる」
「むー。流してますね」ズイッ
「流してないって、あんま近寄んな恥ずかしい」
「なんで恥ずかしいんですか!」
「お前、ネコ耳で迫ってくるなってば!」ガチャ
「井門さん、マグナムみてほしい…ス」
「あ、フェイちゃん」
「お、お邪魔スか」
「何のだよ。ほら、よこせ。メンテすっから――」スチャ
「…ぷ」
「一ノ瀬、おめぇよぉ…」
「あ、井門さんもやっぱり似合います。可愛いです!」
「ちげぇ、そうじゃねぇ…」
『平山・放浪者の場合』
「にゃ~んス!」
「……なんでまた着けてるんだ」
「井門さんが着けてたス!」
「は?」
「嘘じゃないス」
「無理やりつけたのか?」
「一ノ瀬さんが後ろからコッソリ着けたっす」
「…状況が呑み込めん」
「ん~、一ノ瀬さんが最初に着けてたみたいスよ」スススッ
「そうか…、というか着けようとするのは止めろ」ガシッ
「ぐぬぬ、ネコ耳平山さんを見るんス!」ググッ
「だから、似合わないからな!」ググッ
「抵抗するなス!」ガチャッ
「…何をしてるんだ?」
「り、リーダー!」
「隙ありス!」スチャ
「…ふむ」
「こ、これは違うんです…」カー
「…似合ってるんじゃないか?」
「そうスよね!」
「そ、そのようなことは…」
「…ふむ」スッ、スチャ
「り、リーダー!?」
「…1人だけ着けた事実よりはマシだろう?」
「か、カッコいいス」
「…これがか?」
『佐原の場合』
「…ふむ」
「放浪者さん…、なんでそれをつけてるんですか」
「…あぁ、相棒。良い所の来たな」
「えと、どういうことでしょう?」
「…これを着けて思ったが、例えば周囲の音を集めて聞ける、集音装置のようなものはできないものだろうか?」
「えーと、その出来なくはないとは思います。すぐには無理ですよ、ノウハウが絡むかも怪しいですから」
「…そうか」
「あレ、あ、兄貴。変異しタんすか!?」
「…佐原か。とりあえずいろいろあって…、この耳を着けただけだ」
「(その色々を聞きたいんですよ、放浪者さん)」
「そっすカ。そういえばどこカで見た気がするっすな」
「…ふむ」ス、スチャ
「うわわ、何すルっすか」
「…その位置だと、集音装置を作った時は邪魔そうだな」
「何やろうトしてるんすかー」
『西切の場合』
「割とつけるのも悪くナいっすな」
「あらら、佐原さん。それを着けてどうしたんですかー?」
「集音装置っすヨ」
「え。研究所でそんなの作ったので?」
「え? 作ってナいっすよ」
「えーと。ちょーっとよくわからないですねー」
「兄貴がこれヲ着けて、集音装置ができないカって、言ってたっすヨ」
「あー、なるほど。それで、佐原さんはなんで着けてるんですか?」
「なんトなくっすよ」
「佐原さんはよくわかりませんねー」
「そうっスかね。あ、西切さんにあゲるっす」スッ
「いらないので、物資置き場に置いてきてくださいなー」
「えい」スチャッ
「わ、何するんですかもー!」
「西切さんも、こレで猫のミュータントっす!」
「喜べる感じがしませんよー!」
『門日の場合』
「どうしたんだい。騒がしいね」
「あ、門日さん」
「どうモっす」
「2人とも、何をしてるのさ」
「西切さんにネコ耳着けてみたダけっす」
「そんなところですかねー」
「あんまり嫌がることはするもんじゃないよ」
「嫌っすカ?」
「いきなりは、まぁあんまり好きじゃないですねー」スチャ
「ふーん。ネコ耳ね。なんであるのかね」
「それ、多分三間君が裁縫の練習で作ったやつだったようなー」
「あ、だから見覚エあるっすな」
「あの子はよくわからないの作るね」
「あ、折角だかラ先生もつけルっす」
「やめておくよ。そんな歳じゃない」スチャ
「ふっふっふ、回り込み成功ですねー」
「ちょ、西切さん!?」
「…ふむ。門日さんはそういうのが好きなのか?」
「ち、違うからね!」
『喜読の場合』
「(さて、なぜか私がこれ以上のトラブルが起きないよう物資保管庫へこれを持っていくよう指示されたわけですが)」
「(今後、拠点が都市として機能した際、こういうコスプレグッズを使うお店は繁盛するのでしょうかね)」
「(ミュータントの存在がその頃は知れ渡るでしょうから、逆に価値が下がることはありえます)」
「(どちらにせよ。どういう文明を復活するかは、放浪者さん達次第ではございますか)」
「さて、人目につかないようしまうのが無難でしょう。どこがいいでしょうかね」
「(ある程度の分類訳はされているものの、雑多なものは整理しきれてるとはいえませんから。無造作に置いておくのも、気が引けるものです)」
「………」ジーッ
「………」スチャ
「あまり、似合いませんかね?」
「(私はどちらかというと中性的ですからね。縁遠い道具ですね)」
「さて、このタンスの中で妥協しましょう。目につかないことが一番でしょう」
>>475
だねぇ
>>476-478
良いお年&あけましておめでとう。
とりあえず、近況ですが。使っているノパソのキーボードが全く効かなくなりました。外付けのキーボードは動作するのでそちらで頑張ります。ガッデム
再びのネコミミ祭り。そして封印w
乙っした!w
>>486
ネコ耳の封印が解かれる時、あまたの登場人物が犠牲になるであろう…。
(要約:ネタがなかったらまた誰かつける)
さて、当に自宅には戻ってるのですが、どうにも疲れが取れない状態です。とりあえず遅くても明後日ぐらいまでには本編更新予定です。
「よう、久しぶりだな」
ハンターはいつも通り、大量に処理されたゾンビの中心で瓦礫に腰かけ、のんびりと煙草を吸っていた。吐き出される煙は、風に流され空気の中に消えていく。
今日は探索組と合流予定だったが、高速道路エリア全体を軽く偵察していた放浪者は、その光景を見て彼の側に降り立っていた。以前、回収組から報告を受けた通りの状況に、放浪者は諦めまじりの感情が、心の中で吐き出されるのを感じる。
「…派手にやっているようだな?」
「なぁに、いつものことだ」
指と軽いスナップで飛ばされた煙草は、表に出てきたアスファルトを転がり、雪の上で止まった。
ハンターは間違いなく、心強い助っ人と言える。だが、同時に火薬庫のような男だ。彼にとってゾンビや変異体のみならず、ミュータントも全て狩る対象であり、そしてそれを有言実行できる力を持っている。
そして、力という意味ではパラノイアも同様に強大な力を持っている。一介の変異体が容易く思えるほどの脅威。もしそれらが、準備もなくぶつかり合ったなら、その存在のみならず周囲にも被害を及ぼすだろう。
「…敵と一線は必ず交える。それまでは、そこいらのゾンビで満足してくれ」
止める手段はあるだろう。だが、それは拠点側へのダメージとそしてハンターという友好的な生存者を最悪失うことを前提としなければいけない。今は、この言葉でその最悪を選ばない選択を、彼がするのを祈るだけだ。
「俺もバカじゃねぇさ。やる時は同時にやらせてもらう」
どう暴れるかは勝手にやらせてもらうとは付け加えたものの、勝手に暴れられるという事態が解決しただけでも御の字だろう。そう考えている放浪者に、ハンターは何かを投げてきた。受け取るとそこにあったのは缶詰だった。
「ついさっき見つけた。残りは持ってっから食っとけ」
礼を言うと、その缶詰を入れているらしい紐を引くと口が閉じるタイプのバックを、彼は肩にかけた。そのまま放浪者に背を向けて、未探索エリアの方に向かっていく。恐らくまだ、狩りを続けるのだろう。
「…奴の狩りは、いつになったら終わるのだろうな」
それは互いにわかり切ったことだ。今のままなら、そんな日は永遠に来ないことなど。
千護達は今日も新興都市に赴いていた。都市は意思を持って活動しない限り、解放されることはない。指をくわえていたところで、そこにいるゾンビが消えてくれることはない。
今日も活動としては、そのゾンビの処理だ。アビスという大型研究施設を見つけ出すというには、地道な作業だ。しかし、映画なんかのようにスマートで華麗に見つけ出せるのは演出上のこと。細かいことを積み重ねる以外に、道はない。
「ち、変な動きしてやがんな」
予定したエリアのゾンビがある程度の処理が終わり、物資収集をしつつ今のアジトへ戻る最中に見たゾンビの動き。襲う対象がなければ、ゾンビはゆらゆらと浮浪者のように歩き回っている。それが一定のゾンビが同じ方向に向かっていた。
拠点で聞いた情報として、ゾンビが何らかの脅威がある場合などで大掛かりに集団で移動することはある。しかし、今目の前に見える光景は小隊規模の移動で、遠目に見えるゾンビはフラフラとしている。つまり何らかのターゲットを追いかけていると言うところだろう。
よくあるのは、ネズミ、後は野犬などの動物。ゾンビは何も人間だけを食う訳ではない。食料になるのであればそういったものも襲うし、一般的な食品類もそれが食べ物だと認識すれば食べるゾンビも存在する。なぜ人間を食べるのかと言えば、全力で逃げる犬と人間。どちらが掴まえやすいか、ということだ。
「あ、あ、あれ!」
慌てたようにロバートが指さす先には、アイビスの姿があった。ストークと違い、内勤的な雑務をこなしている印象のある彼女がなぜ外に出ているのか。2人がそんな思考をしている間に、集まってきているゾンビに囲まれかけていた。
「あのアマ。面倒かけさせんな!」
素早くロバートに下の見張りを頼み、素早く近くで登れてそれなりの高さがある塀の上に移動して、千護は狙撃体制をとる。2、3体程度処理すれば、逃げる余裕はできるはずとスコープを覗き込んだ。
それと同タイミングでアイビスは目に手をやり、何かを捨てたと同時に見開いた眼は鈍色に輝き、そしてその眼で睨みつけられたゾンビの頭が、爆ぜた。それは狂気じみたマジックを見せられているような光景。
千護の口から出たのは疑問しかない。見た目は、それこそその眼以外はまともな彼女だが、言うなればミュータントの類なのか。少なくとも覚のことを知らない千護はまた新たな存在に驚くしかない。
ゾンビはまだ残っていたが、ストークがアイビスに駆け寄り、そのまま2人は一緒に逃げていった。援護がいらなかったのは弾薬の意味では助かったが、千護はまたこの世界の深淵を見せられた気分になった。
五百五十日目
大型駅エリアの変異体処理及び、高速道路エリアの制圧は進んでいる。高速道路エリアについては、予定していた緩衝地帯エリアの確保はもう間もなく終わる予定だな。その後、警察署エリアで同様の作業となるが、その間もハンターが高速道路エリアで活動する予定だから、気兼ねなくやれるのは大きいだろう。
ハンターも口だけとはいえ、パラノイアに対して単機特攻を仕掛けないとは言ってくれたからな。それが守られるかどうかは、はっきり言って保証はない。ただ、奴も感じているんだろう。今まで数多に狩ってきた変異体やゾンビの記憶と、察しているであろう俺達の練度。そこからパラノイアがただの変異体ではないことを。
もちろん、コマンダーゾンビそのものが変異体の中で特殊ではあるがな。ただ、今は様々な亜種も出てきている。スマーター、バインド、スラッシャー、クリスタルゾンビ。そして、キラービーゾンビと言った今までにない変異体の情報。
確実にこの世界は、新たな段階に踏み出していることは確かだ。いずれ、ゾンビは変異体となり更なる脅威を振りまくと考えた方がいいのかもしれない。
そういった事をあえて悲観的に考えるなら、パラノイアに限らず、俺達の時間はあまりにも少ないのかもしれないな。
2月23日
高速道路エリアの制圧は、遊撃班の合流もあり今日も問題なく処理を進めることができた。放浪者は途中で姿を現したが、私達とは別に処理を行っていたハンターさんの様子を見に行っていたようだ。
後で詳しく聞くと、彼が暴走して単独でパラノイア処理を向かわないよう釘を刺したそうだ。いくらなんでも、と思ったがハンターにはその実力がある。ただでは済まないにしても、パラノイアを追いつめ倒す可能性は否定できない。
ただ、もしそれが中途半端に追い詰める程度で終わった場合、拠点に大きな被害を招く可能性は高い。人であろうとゾンビであろうと、追い詰められた存在が何をしでかしてくるかは想像できない。それが、パラノイアならなおさらのこと。
それに、家族をミュータントを殺された彼に、変異体も大差はないだろう。感情が先走らない。そんな保証はない。
強力な拠点の援軍であり、取り扱いを間違えるとあらぬ事態を引き起こしかねない。そんな危うさを持っている。獅子身中の虫とならないことを、祈るだけだ。
山中沙奈 記す
2/23 担当浜村 朝
とりあえず、ハンターの寝床はモーテルの一室でいいか。
パラノイアの件が片付いたら、どうせまたどっかいくだろうし。
担当蒲谷 昼
それでいいと思う。彼は留まるタイプじゃないから。
宿泊費については拠点の活動手伝いで免除かな。
担当フェイ 夜
あの人すごく強いから手伝ってもらえるだけラッキーだよ!(人が暴れてる絵)
でも、ハンターさんって、なんでウロウロしてるんだろ。武器集めかな?(ちょっと微笑みながら疑問符を出している顔の絵)
【規則は規則です】
「…と言う訳だ」
「はぁー。前から思ってたが、アンタの相方は口うるさいな」
「…そういうなハンター。あまり言うべきではないが、拠点のリーダーが単独行動することが多い勢力だ。必然彼女がまとめ役になる」
「なら、放浪者。アンタが悪いな」
「…そうだな」
「しっかし、缶詰1つだけでもガーガー言われんのはなぁ」
「…必要なものは誰にも言わず、ひっそりここにしまっておくことだ」
「それしかねぇか」
「…今のは互いに独り言だ」
「わーってるっての」
【EVE7】
「………」
「どうしたんです。EVE」
「沙奈様。気づかず申し訳ございません」
「まさか、ぼんやりしていたのですか?」
「ぼんやり……」
「……、データの最適化が必要なのかもしれませんね。スリープ状態になれば、自動的に整理されると聞きましたが間違いはないですか?」
「山海様からはそのように伺っております」
「スリープ状態にだったのはいつですか?」
「210日、14時間、23分前です」
「EVE、貴方は考えられないほど精密なアンドロイド。もはや生命と言える存在です」
「………」
「学習ができるということを含め、かかる負荷も想像できないものになっているはず。今日はもうスリープ状態になって、最適化を進めておいてください」
「畏まりました」
「それと、今後からは定期的に拠点内で最適化を行ってください」
「合わせて畏まりました」
久しぶりの本編更新は、やり方の勘が戻ってなくてこんな時間か。というか、ダイス様も暴れたからというね。
暴れた結果は思いのほか早いアイビスの能力公開。なかなかの化け物具合です。
それでは、今年もこれから日記を書くをよろしくお願いします。本編再開です。
乙!
お久の本編更新ありがたし!これからも、日々の楽しみにさせてもらうっすよん
しかしアレは、魔眼……とでも形容すべき力なのだろうか?代償などはあるのか?
乙 定期的な最適化、必須だね。場合によっちゃEVEだけでなく拠点メンバーの生命にもかかわってくる。
ダイス様、それは想定してない。
えっ………
一体何があったのか!?
まもなく昼過ぎとなる拠点は、うっとおしい雨に外の警備の人間は気をもみ、遊撃班も慌ただしく任務をこなすために出ていったところだ。
室内に心地よい雨音が響き、覚はそれを楽しんでいた。前の時代がいかに音に溢れていたのかを実感しつつ、拠点、自分を中心点として身体の感覚を広げていく。拠点を警備するのは、その名の通り警備組のメンバー。だが、拠点の守りの要を担っているのはやはり彼女、覚の探知能力に他ならない。
この間、拠点に訪れた生存者2人についても覚は当然、感知はしていた。だが、それを知らせず、聞かれるまで彼女は答えなかった。それは、覚の能力への依存を回避するのが理由。
そして、その彼女が警備組のリーダーである浜村を呼び出すとなれば、それは相応の事態が起きたということになる。浜村も緊張の面持ちで、覚の私室に入ってきた。
「近くに生存者がきています。重要性が高い相手で、WWPにいた人間のようです」
「それって、かなりまずいんじゃない」
動揺を想定していたように、手のひらを出して覚は浜村を制止する。WWPにいたのは前のことで、今はその勢力の傘下にいる人間ではないと説明した上で。
「ただ、精神の一部が確認できません。詳しい知識はありません、ただ恐らく秘密を話さないようにかけられる暗示、精神プロテクトというものがある。と本で読んだことはあります。そういった類のものが、恐らく施されているのでしょう」
敵か味方かはわからない。その上で居た所が敵として動いている勢力に居た人間。この場所を知られるのは、あまり良い相手とは言えない。
「位置としてもそろそろこの拠点に気づく頃合いです。幸い、WWPにとって重要度が高いあの子はいませんが、スライムは私の部屋へ。ロックとサーチ、戦車の弾の発射装置は隠した方がいいでしょう。能力は高い相手です、応対の対応は喜読さんに一任した方がいいでしょう。程よく、この場所について知らないのと、交渉術に長けていますから」
「無線連絡は出来そう?」
ここに来たこと自体は偶然であり、探る限りは問題ない。そのことは浜村に伝えつつも、アクセスできない領域があることに久しぶりの不安を感じていた。
「その方へのリンクは続けます。何かあれば…、その時はよろしくお願いします」
それだけ言って、彼女はまた遠くを見るような佇まいに戻る。自分のことがわかる相手、しようとしていることに問題があれば今すぐ訂正するだろう。そう判断して、浜村は部屋を急ぎ出ていった。
想定外というのは良い意味でなのか、それともその逆なのか……
その生存者の名前はカミロと名乗る黒人だった。久しぶりの生存者ということで、ハイテンションな調子で喜読と話しているところを、蒲谷は2階のテラスから様子を伺いながら、最後の連絡を終えた。
これで研究所を含め、全体への周知は完了させている。後はこちらはWWPに関しては無知であることを装わなければいけない。それは、応対する喜読の演技力次第というところだ。一番いいのは、このまま拠点から去ってもらうことなのだが。
「ハッハハ。人と久しぶりに話すのはいいもんさ。そういえば最近、オイラ以外で生存者は見てたりして?」
「えぇ、極数える程度ではございますけれど、ここを通った方がいらっしゃいます」
派手な身振り手振りをつけてカミロが話すのと、愛想は良くてもビジネス的な応対をする2人は対称的に見える。
「オー、イエス! その中に2人組の生存者はいなかったかい? オイラの友人なんだ」
「いらっしゃるにはいらっしゃりましたね。西に向かう、とだけお話されていました」
それを聞かされて、彼は何度もガッツポーズをとる。まるで、何かの優勝したかのようなはしゃぎっぷりだ。
喜読は、後はどこから向かっていったかさえ言えば、自分の役割は終わりになると考えていた。浜村からの指示で、モーテルの利用は案内せず、するとしても物資の交換程度、すぐに引き取ってもらうよう会話して欲しいと言われている。
本来なら、信用が確認できない相手に顧客の情報をわずかでも流すのは、今後の繁盛に関わる可能性もあり、避けたいところではあった。しかし、それよりもまず優先されるのは、結局その勢力の屋台骨自体の安全だ。
「フッフー。なら頑張れば渡したいものを渡せそうじゃないか。待っててくれよー、お2人さん!」
何も詳しいことを聞かずに、カミロはとりあえず西の方向に向かって走っていき、少し離れてからまるで効果音のように盛大な空腹の音が聞こえ、彼も止まる。しばらくしてからゆっくりこちらに戻ってきた彼は。
「アー。空腹なの忘れてたよ。シット、オイラとしたことが…。何かないかい、必要なものと交換と洒落こもうじゃないの」
とまたテンション高く会話を始め、流石の喜読の笑みも人間らしい困惑が浮き出ていた。
五百五十一日目
大型駅エリアの変異体処理は簡易ながらも終了した。久しぶりの雨の中の処理は、まだ感覚が戻っていないのもあったが、問題なく終えられたならそれでいいだろう。
それよりも、問題になるのは今拠点に居るカルロという生存者だ。覚が確認したところWWPに属していたらしいが、精神的な防御がかけられていて、詳しいことはわかっていないらしい。覚が言うには、敵と断定はできないが、どうなるかはわからない相手ということだ。
空腹で食料と医薬品を交換した後、食べたら眠くなったということでそのままモーテルに泊まっている状態だそうだ。覚は警戒を解かずに探り続けるらしいが、その疲労が心配だな。良い材料なのは、プロテクトがあるとはいえそこまで探っても敵対情報がないなら、問題はない可能性は高い。という希望的観測ができる程度だな。
ただ、少なくてもカルロがいなくなるまでは俺達は拠点に戻ることはできない。最悪明日の食事は、保安官のところで世話になるしかないな。
レポートNO.141
井門圭司
高速道路エリアの制圧は、雨だ何だあったが結構好調に終わった。あのエリアの解消地帯の確保も終わりの目処がついて、このままの勢いで警察署エリアに向かうっつー弾みが欲しかったんだがな。
元WWPのメンバー。詳しく何であったかは暗示みてぇなのでわからねぇらしいが…。厄介そうな野郎だ。まぁ、見た目はハイテンションな黒人のイメージそのまんまなんだがな。
目的は、2人組の生存者にある物を届けることとは言ってたが、それがいったい何なのかってとこだ。あの泊まった2人組がWWPだとかは覚は言ってなかったから、WWP絡みのもの…、じゃねぇ可能性が低いだけだな。
何にしても油断は出来ねぇ。何があってもいいように、武器は手元において寝るか。EVEは額部分を隠して見張らせてるし、覚も例の精神に入るのを続けるから、早々何か起きねぇと、思いてぇな。
【大体>>1のイメージ】
「オー! ポテトが夕食で出るなんて、イヤッフー!」
「お気に召したようで何よりでございます」
「あ、喜読。ケチャップがあったりなんかしちゃったり?」
「申し訳ございませんが、調味料は現在あるものとして塩と胡椒でございます」
「ホーリーシット! いや、違うな。そもそもポテトが食えるだけ、俺達は最高に幸せ者だからな」
「えぇ、その通りでございます」
「オウ、久しぶりでポテトがこんな味だったかも思い出せない。が、うまい!」
「ご満足いただけて何よりでございます」
「それにしても、ミスターキトク。あんまり食えないのかい?」
「えぇ、食は細い方だとは思います」
「かー、日本人は食が細いけど、それでもっと細いのか。男ならもっとじゃんじゃん喰わないとだめだぜ!」
「…、わかりづらくて申し訳ございません。このような身なりでございますが、私は女性です」
「…ホワイ?」
「嘘偽りはございません」
「オー。これだから日本人はよくわからないよ。変わっててオイラは好きだけど、だから困ったりしたりしちゃったり」
「自己紹介の際にお伝えしておくべきでございました」
「その方がいいよ! オイラみたいなのは言ってくんなきゃわかんないからさ!」
「はい、ご忠告ありがとうございます」
「(どうしよう。今中入ったらあのテンション相手にするんだよね。というか、俺、女に間違えられる流れだよね)」
>>495
可能な限りは毎日したいけど、判定量多くなってるから、時折二日間で1日分になるやも。
まぁ、現実的な魔眼とでもいえばいいのかねぇ。とりあえず目から何か照射されてます。
>>496
EVEが不具合起こした場合、どうなるかわからんもんねぇ
>>498
こうなったYO!
>>500
えーと、ある意味では両方かな。
思えば、実家帰った時に、友達とこれ日の話で、黒人さん出してないから出したいなーとか言ってたのがフラグになったとしか。
そして久しぶりの生存者で、人種判定でそうなったはいいけど、WWPの元メンバーとか判定でて今これ以上のトラブルはいらないと頭を抱えた始末。
ちなみにWWPの関係者判定は、11以下(上で言うと23以上)。スキル絡み無しとかだと一発じゃでないとこなんだけど、一発で出たよ。
後、ブレイクタイムでも触れてるけど。コメディ映画に出る黒人さんの>>1のイメージで描かれています。
後は訂正
>>501の訂正
×「アー。空腹なの忘れてたよ。シット、オイラとしたことが…。何かないかい、必要なものと交換と洒落こもうじゃないの」
○「アー。腹減ってたの忘れてたよ。シット、オイラとしたことが…。何かないかい、必要なものと交換と洒落こもうじゃないの」
>>502の訂正
×それよりも、問題になるのは今拠点に居るカルロという生存者だ。覚が確認したところWWPに属していたらしいが、
○それよりも、問題になるのは今拠点に居るカミロという生存者だ。覚が確認したところWWPに属していたらしいが、
×ただ、少なくてもカルロがいなくなるまでは俺達は拠点に戻ることはできない。
○ただ、少なくてもカミロがいなくなるまでは俺達は拠点に戻ることはできない。、
乙乙!
三間www
「オー…、一日しかいないのにここまで名残惜しいのは、久しぶりだぜ。これもポテトのせいだな」
そう言いながら、ポテトが入った袋を片手に持っているのは、彼が多少色を付けて物資を提供したことによって手に入れたもの。よほど気に入ったようだが、ここにもうちょっといると言う考えをカミロは頭を振って諦める。
「では、これにて。お伝えした通り、お話された方達と思われる2人組はそちらの方から西に向かいました。ご参考までにしていただければと存じます」
「センキュー! また会えおうぜ、ミスキトクー!」
投げキッスをしてから、去っていくカミロ。だが、彼は立ち止まり、振り返った。
「あんたら、WWPのこと知ってるよな?」
「…、WWP。でございますか?」
心臓の鼓動は、当然早くなるような問いでも、喜読は動じる様子はない。そう問われることは予想で来ていたこと、その為の応対も想定済みだ。カミロはその態度を見て、口でフーンと言いながら戻ってきた。
「あんたらみたいな強そうな勢力なら、とっくに接触してる気がしたんだがなぁ。ま、いいや。とりあえず、そいつらは危険な、クレイジーな奴らだ。それこそ、古いゾンビ映画張りに、立て籠もってたショッピングモールに乱入してくる暴走族だって思ってくれ」
「…恐ろしい話です」
「だろ? しかも恐ろしいのは軍隊顔負けに武装がありゃあ、変な道具も持ってるときた。変な兵隊見たら…、こりゃあ確かフレンドが言ってたか。それに従やいい」
この話は彼なりの好意なのだろう。WWPのことを明らかに嫌そうにしながらカミロの様子からして、それは元WWPのメンバーであったからこそなのか。そういうことを想像させた。
「で、俺はそこからチョチョイと情報を盗んだのよ。あんたらには言っていいかな、そのWWPに対抗する勢力があるみてぇでな。話してる2人組はそこの人間ってのを聞いて、早速お仲間にしてもらおうと思ってね」
そのことを聞いて、質問をしてよいか喜読は彼に尋ね、了承をもらってから確認した。その2人は友人ではなかったのかと。
「イエス! 一回仲良く話したら友達に決まってるだろ! ミスキトクはスッゲー話したから、親友(ブラザー)だな!」
「ありがとうございます。WWP、でしたね。その情報もお教えいただけたこと感謝いたします。ただ、追いかけるのであればお急ぎになられたほうが…」
「オウ、シット! そうだった! じゃあまたな!」
慌ただしく走っていくカミロは、今度こそ戻ってくる様子はなく去っていった。
話が全て真実だとするなら、彼が属しようとしている勢力は、状況からしてレジスタンスの可能性は高い。だが、喜読(かのじょ)にはそれを判断できる情報(すべ)はなかった。
五百五十二日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。並行しての下水道などの地下エリアの探索も、今のところ問題は確認していない。パラノイアがこれ以上何もしないと願いたいところだが、それはないと結論付けられる。
カミロは無事に拠点を去ったらしい。喜読にWWPの情報を伝え、レジスタンスあるいは俺達のようにWWPを知って抵抗している勢力に参加しようとしているようだ。覚も話に嘘はなかったと言っている。
だが、奴にかかっているという精神的な防御が気にかかる。カミロという人間を全て把握できたわけじゃない。会っていない俺に判断できる訳じゃないが、それが暗示の類ならWWPがその勢力に仕向けた刺客とも取れる訳だ。
そこまでのことができるかはわかってはいないが、精神に影響を与える研究をしていないとは考えられない。超能力者まで生み出した連中が、何をしでかすかなんて誰も予想はつかない。
敵か味方か予想できない相手か。持っている情報、それがあるかもわからないとしても、かなり重要度が高いことは恐らく間違いはないだろうな。
一ノ瀬DIARY FEB. 25
高速道路エリアの制圧は、もうほとんど終了したかな。明日は大型駅エリアに隣接する部分の最終チェックをして、問題なければそれで完了みたい。それで、次は警察署エリアの制圧に移るって山中さんが言ってた。
ということは、ちょうど緩衝地帯を作るのが半分終わったってことかな。そう考えるとやっと折り返し地点まで進んだんだ。やっぱり区切りとわかると、気分的にすごく楽だなー。
ただ、警察署エリアかぁ。となるとパラノイアに襲われたところかぁ。一度襲撃をかけてきたんだから、パラノイアはあのあたりはよくわかってそうで怖いなぁ。
でもあの時は喜読さんが居たから動けなかっただけで、そういうことがなければ緩衝地帯に逃げればいいだけだもんね。多分、大丈夫だとは思うけど…。
2/25 担当勝 朝
あの黒人さん、すごいテンション高い。
面白いけど、悪いやつかもしれないんだろ? よくわかんないなー。
担当喜読 昼
無事お帰り頂きました。
いくらかの物資、主に薬剤と取引できたこと、情報を収集できたことは利となったでしょう。
話す限りでは、悪人という印象はありません。
担当平山 夜
喜読殿が言うなら、そうなのかとは思われる。
ただ、詳しくわからないまま信用はできません。WWPを知っている、という事実もありますからな。
今のところは、拠点の防衛を強化するしかないでしょう。見つかった物資を有効に利用してください。
【だけじゃない】
「(たいくつだよ~…)」プルプル
「………」
「(ん~、覚ちゃんかまって~)」ネンジル
「…今は無理ですよ」
「(あ、思ったらつうじた~)」プルプル
「………」
「(おそばに行っていい?)」ネンジル
「どうぞ」
「(わ~い)」プルプル
「………」
「(覚ちゃんは、考えながらはなせばいいんだね~)」プルプル
「………」
「(ん~…、眠くなってきた~)」フニュン
「何かあったら起こします。寝て大丈夫ですよ」
「(うん~…)」フニュ
>>506
まぁ、平常運転という奴です
乙!
面白外人さんは、大抵山ちゃんが吹き替えてるイメージ
しかしあれだね。ダイス様は>>1さんが切望してる者に限って、望み通りの立ち位置とかにしてくれないよね。何でだろう
ジャンゴウでしか脳内再生できなくなっちまったorz
なんてこったい
平山はバリケードにしている車に腰かけ、気だるそうに全身から息を吐き出した。回収組にかかる負担は、もはやいうまでもないが大きくなっている。期待に応えようとする生真面目さが、メンバーの2人の分も率先して任務を遂行し、そのツケがここのところ出ている。
その状態を心配したフェイが休むように言い、聞こうとしない彼女を、師としての立場で佐田も休むことを強要することで、ようやっと彼女は長めの休憩を取っている。
活動することで誤魔化していた疲労もずしりと、全身にのしかかってきているのを感じる。眠気がないのは、危険地帯にいるという意思があるからとしても、これからそれが出ないとは限らない。そして、そうならないように軽いストレッチをしてリフレッシュをするという気持ちも出なかった。
アミューズメント施設の解放に向けた準備や、商業区で警察署エリアに隣接する箇所のバリケード敷設は区切りが見えてきている。本当にあと少し、だが、その少しが一番遠く感じる道のり。
もう一度、全身を使って息を吐き出す。それと共に疲労が抜け出てくれればと思える余裕は、彼女にはない。もはやこの瓦礫の景色と同化するように、身じろぎもしない。
「平山さん、大丈夫スかね…」
「…さてな。まったくバカな弟子だ」
少し離れた位置で作業を進める2人も、平山の様子を心配することしかできない。無茶をするなと言っても聞かないのはわかっているからなおのこと。その姿に、もう一人の誰かとフェイは姿をダブらせたが、あまりに薄いその認識が、誰であるかは気づかせなかった。
五百五十三日目
大型駅エリアの変異体は問題なく進んでいるが、地下エリアの偵察は思ったより進められていない。探索組と違い、遊撃班は人数を使った偵察が出来ないのと、その事での危険性の高さがネックになるところが出たな。仕方ないとはいえ、地下を使って他エリアのゾンビを移動されるのは厄介だ。
それが地上に出てくる方法はわからないが、少なくとも地下施設の状況によってはそこからあがってこれる可能性はある。大抵は施錠されているとしても、この惨劇によってどう人が移動したかもわからない。甘くは見れないことだ。
保安官との拠点間のを地下で繋ぐルートや、保安官が独自に確保している地下エリアについては、すでに対策は進めている。ただ、それでも万全とは言えないだろう。その為にもこの偵察は、無理を押してでも可能な限りは行わなければな。
もう少し、地下に関する詳しい書類でもあればいいのだが。
本日にて高速道路エリアの制圧、正しく書くと緩衝エリアの確保完了と。
明日からは警察署エリアで同じ任務が開始ですな。
それはそうと、放浪者さんと山中さんの近すぎる距離ですが、なんかこう。いつも通りになってしまったというか。
ひっそりあたしが見ていることが実はバレてたり? 放浪者さんは勘が鋭すぎるのと、山中さんも結構観察力があるから不思議じゃないかもですね。
それって、いろいろと記者カメラマンとして失格な気がしてきましたよ。
そういえば、記事作らなくなってかなり経ったなー。
今書こうとしたらちゃんと書けるか心配ですね。
個人的にはカミロさんは貴重な取材相手なんですがね。
山中さんにダメ出しされて結局できず。
喜読さんに詳しく聞いてみるとしますかねー。
【泥土へ埋まるように】
「…すまないがもう寝る。静かにな」
「了解ス」
「………」スー
「もう寝ちゃったスね」
「………」スー
「明日はどうやったら、平山さんを拠点で休ませるか考えないといけないス」
「………」スー
「うーん……」ゴロゴロ
「………」スー
「何も浮かばないス」ムム
「………」スー
「あ、今のうちにがんじがらめに縛っちゃうスかね?」
「………」スー
「あとはー……」ウツラ
「………」スー
「……と、か…ス」
「………」スー
「………」ムニャムニャ
>>513
MIBでのウィルスミスさんのあのまくし立てやってる山ちゃんが記憶に残ってるかなー。
ダイス様的には、ほら、黒人さんは出したぞ。あとはこっちの自由な。ってことなんだろう
>>514
ジャマイカから来たらしいな。コーヒー1杯どうだい?
WIKIの細かな更新とか変な項目追加しました。多分、思い付きとかが多くなりそうだけど
乙!
休ませる為に縛るって……ハードやなぁ(汗
ハンターさんは、最近の地下にはまだ行ってなかったっけ?
もはや当たり前になったように、千護はストーク達のアジトに訪れていた。いつもなら出入り口から見て右手にある机に、受付嬢のように端末をいじっているアイビスの姿はない。ストークの姿は左奥にあるテーブルを挟んでおかれたソファーの奥側で横になっていた。
入ってきた千護を見て、体を起こして彼はソファーに座り直した。千護もその向かい合わせの位置で座る。余った物資のおすそ分けと、とあることを聞きに来た訳だが、その話題となるアイビスがいないのはある意味では都合が良かったのかもしれない。
彼女は遠慮をしなくてもいいと判断した相手や、会話は考慮しなければならないという厄介な相手でなければ、要件はシンプルに済ませる。だから、軽い社交辞令も早々に切り出した。
「アイビスの眼、見ちまったんだがな。ミュータントってことだろうけど、どういう理屈なんだ?」
いつも愛想のよいストークも、少しばかり固まる。彼も、千護がただの防衛軍の生き残りとは考えていなかった。しかし、あの眼を見て冷静に聞いてくる千護に、どう話せばいいか考える必要が出てう。それ次第によっては、危険な敵と化す可能性が頭をよぎったからだ。
だが、彼の心配ははっきり言えば、杞憂でしかない。もう既に、アイビスの変異がちっぽけにしか見えないところで過ごしてきたのだから。
「安心しなって。聞いてあんたらを殺そうなんざ思わないよ。こちとら、あるところでスライムやら狼男やら見てて、あれぐらいどうってことはない」
アイビスを通してミュータントの知識があったつもりのストークでも、その言葉の端々に出た単語の意味が理解できなかった。理解してもらうつもりもない千護は、アイビスの話を催促すると、別の部屋に移動するドアをチラリと見て、やや間を置いてから。
「噛まれて、あぁなったんだ。だけど、ゾンビ化する気配はないから大丈夫だよ」
「あ、それはいい。ていうか、多分あんたよりああなっちまった連中は見てきた。知りたいのは純粋にアイビスの力だよ」
それを向けられた時の対処について、という側面があることを彼女は否定しないだろう。だが、その事よりは今後の活動において、アイビスと共闘する可能性は、嫌だがあり得ることだ。今まで内勤だと思っていた彼女が外にも出るとわかっている以上、何かあった際にアイビスの力を生かすことで活路を見いだせる可能性は高い。知っておいて、互いに損はないということだ。
「…、アイビスも俺も。実際力をちゃんとわかってる訳じゃない。でも、眼から何種類かの周波みたいなのを発生させられるみたいなんだ。この間、力を使ったとこ見たんだろ? あの時は、マイクロ波。電子レンジで使われてる奴だな、それでゾンビの脳を急速に加熱して…。あんな風になる」
能力を聞いて起きた現象を理解したものの、相変わらず頭が痛くなるものだと千護は感じる。しかも、どこか超能力めいてる。そう、知り合いでいけばビジョンという超能力者に近いもの。あちらは回線をつなぐだけのようだが、こちらは明らかに兵器の類だ。
その上、彼の話ではどうやらそれ以外に出せるものはあるようだが、それはアイビスしかわからないと答えた。つまり、まだまだ彼女に未知な部分はあるということだ。
「そうかい。力を使うって時は前に立ちさえしなきゃひとまずは大丈夫って訳だ」
なんであれ、強力な力には違いない。千護も電子レンジの詳しい仕組みはわからないが、間違いなく生き物相手なら防ぎようはないはずだ。
「でも、身の危険が迫った時ぐらいにしか使えない。身体に負担があるんだ」
「なるほどねぇ…。ま、今度から囲まれてもその力以外で対処できないなら外に出んなって伝えといて」
要件はこれまでという様子で立ち上がり、アジトから千護は出ようとして、さっきストークが目をやった扉に向かって。
「その力を持ったからふて腐れてんだが知らねぇけど、お前見たいのはゴロゴロいるよ。だから八つ当たりすんな!」
その先にいるであろう、アイビスに声をかけて去っていた。
「……、人の気も知らないくせに」
当然アジトに居て、別室で休んでいたアイビスはベッドの上で仰向けになり、目を閉じて左腕をその上に載せた状態で苦々しく呟いた。
「以上が、回収組の進捗状況です。まもなくアミューズメント施設へ突入できる準備は整うところとなります。ただ、パラノイアとの交戦が迫っていると考えられる状況から、一度回収組だけで潜入して探索可能であればそのまま続行、難しければ撤退して後日に合同での探索を検討いただければと存じます」
一通りの説明を、放浪者に終えた平山は深く椅子に腰かけた。姿勢は崩さず、視線は放浪者から外していない。このまま身体を背もたれに委ねて眠りたい、その欲求を押し殺していた。
彼女の話を聞き、簡単にまとめて提出したレポートを見る放浪者からの言葉が発せられるまでの間は、いつも通り。いや、いつも以上に緊張が襲ってくる。すでに、探索組は高速道路エリアでの任務を終え、警察署エリアへ進んでいると聞いている。
回収組は着手したアミューズメント施設の活動は、進んでいるとはいえ今の時点でようやっと突入できる段階まで持ってきたというだけだ。本来、それぞれの活動は比べるものではない。だからこそ、彼女の気は焦っていた。
静かにテーブルにレポートが置かれ、視線が彼女に戻ったのを見て、言葉を待つ。
「…疲れているようだな?」
時が止まるのを感じた。悟られまいとして、いつも通りを心掛けいたつもりだったが、放浪者に気づかれてしまった。
「…EVEにマッサージをするよう伝えておく。それと、明日は一日ゆっくり――」
「それではダメなんです!」
感情をあらわにして声を荒げるのも、そしてそれに身を任せるように机を叩くという粗暴な動作も、今までの彼女が一切してこなかったこと。当然、放浪者は驚いた顔をして、それを見た平山は感情の揺らぎが大きくなった気がした。
「回収組が認められるには、休んでいる暇など……」
元々、この勢力から途中で加入した意識は、人と打ち解けるのが得意ではない彼女には無意識な疎外感があった。また、回収組も山中との相談した上で組織されたものだが、拠点の古参メンバーが含まれていないことも、どこか独立して扱われている気がしてならなかった。
そこに、リーダーである放浪者からかけられた期待は、嬉しくもあった。しかし、そういった部分も相まって徐々に徐々に、重圧に変わった。それが今に続く精神的な心のブレや、肉体を酷使して任務に従事させ続けた。どれも、彼女自身気づかないままにそうなっていたのだ。
「…出過ぎたことを申し上げました。申し訳ございません」
ストイックとも言える気真面目さ。それは、放浪者も買っている。だからこそ回収組を再編成などしなかったし、平山をそのままリーダーとして任命していた。彼なりの評価は、他から見てもズレがあるようなものではなかったが、静かに眠っていた平山の孤独感がその評価をどこかズレて受け取らせていた。
「…わかった、では俺はこれから平山と呼び捨てにすることにする。平山も、リーダーなど放浪者と呼び捨てにしてくれ」
「それは、立場はしっかりとしなければいけません。リーダーが呼び捨てにするのは、構いませんが…」
放浪者は首を振る。不器用で、そして勘が鋭い彼には、このままでは平山がダメになってしまうことを、見逃すわけにはいかないからだ。
「…俺はとっくの昔に平山を認めてる。だが、そう感じてなかったんだろう? それに、俺なりに、別の部隊を動かす隊長として敬意をはらっていた態度が、他人行儀にメンバーの目に映っていたのかもしれないからな」
「しかし…」
平山の心に灯る暖かい感触。それは放浪者が、井門が回収組の活動において否定的なことを言い、それをフォローしてくれた時、今回の重圧の原因となった、自分に期待していると言ってくれた時にも、感じたものだ。
「ともかく。今日はEVEのマッサージを受けて、明日は休んでくれ。気にする必要はない、俺がいる遊撃班も他の活動に比べれば休みは多めに貰っているからな」
そして、微笑む。その表情を見た平山の暖かい感触が全身に広がり、どこか疲れが吹き飛んだ気がした。
「後、今回の報告について、アミューズメント施設の件は、とりあえず一度内部がどういう状況か、簡単に確認してほしい。都市の情報がまだ欲しい、警備会社ならそういう情報もあるだろうし、もし狸森がWWPの傘下だったなら、例の地下施設関連で地下道の情報も得られるかもしれない」
「あ…、はい。畏まりました」
元々の気質だから仕方ないことではあるものの、放浪者はまだ固いなと感じる。ただ、声を荒げた状態よりかはいくらか感じていたであろう重圧が、軽くなっているようにも感じられた。
「ではな。平山も早く休め」
言葉は待たず、放浪者は応接室を後にする。残されたのは、しばらくぼんやりしていた平山だけだった。
五百五十四日目
本日から、警察署エリアの制圧作業が開始となった。遊撃班も、大型駅エリアの変異体処理をそこそこにし、その初日の活動に参加。結論としては、予定通りの進捗で終われたというのが幸いだが、その進捗自体がやはり長期間を想定している。
果たして、任務が完了するまでの間に、パラノイアが大型駅エリアの中で静かにしているとは思えない。もしかすれば、手勢を引き連れて襲ってくる可能性すらもある。
だが、だからといってこのまま突撃して勝算があるかと言えば、高くはない。犠牲を払ってもいいというなら話は変わるがその気はない。万全を期し、そしてメンバーを仲間を全員生還させる。その覚悟はもうできている。
しかし、平山については気負うところはあると思っていたものの、あそこまで抱え込んでいたとはな。人付き合いは俺と同じく得意ではないのはわかっていたが、フェイ、それに佐田さんも加わって話し相手もいるから大丈夫だと思っていたんだが。
相棒にはすでにこのことは話してある。上の立場がフレンドリーに接すれば、他のメンバーもそう接しやすいだろうからな。
2月27日
警察署エリアの制圧任務を開始した。この任務により緩衝地帯の確保に関わる日程は、おおよそ一カ月半程度としている。それは当然、あまりにもかかりすぎる時間ということでもある。
ここのところ、パラノイアからと思われる攻撃は沈静化している。それが、不気味さを放っており、大きな攻撃を予感させてしまう。
沈静化しているのも、遊撃班が変異体を集中して処理するという危険な任務に従事しているから、とも言えるだろう。しかし、私と放浪者もそのことは否定的だ。その程度のことでひるむような執念の持ち主ではないことを、あの襲撃戦と覚ちゃんの話から聞いている。
新たな策や内部の強化を行っているのか。沈静化の状況から考えればそうである可能性は高い。変異体の訓練された動きという報告もある。何をしているかの想定は、もはや我々の考えの外としか思えない。
だから、我々にできることは、コマンダーゾンビに対して単純でかつ有効な方法。支配すべきゾンビを処理しつくすという、途方もない労力と地道な手段しかないのだ。
追記。平山さんが精神的にまいっていたと放浪者より話があった。フレンドリーに接することとなった。放浪者のフレンドリーなところはあまり想像できない。そもそも、平山さんがメンバーの中で初めて見るのではないだろうか。少し納得できない。
2/27 担当門日 朝
平山さん、だいぶやつれた顔をしてたねぇ。
放浪者さんは今日帰ってくるから、彼から言ってもらうように頼まないと。
担当蒲谷 昼
真面目なんだけど、それで無茶しがちみたいだね。
フェイちゃんも心配してたから、僕もタイミング合ったら伝えておこう。
担当フェイ 夜
平山さん、リーダーに言われてEVEちゃんのマッサージされながら寝たよ!(人が人をマッサージする絵)
今日はこれでゆっくり休めるといいなぁ。あ、でも明日休むようにする為の作戦考えないと(悩んでいる顔の絵)
【いろいろと】
「…そんな訳で、平山にはフレンドリーに行こうと思う」
「平山さんは拠点の要の1つです。もちろん構いませんよ」
「…あぁ、頼む」
「………、ただ、思ったことがあります」
「…なんだ?」
「なんというか、今まで放浪者さんが私にフレンドリーなことはされていないなと」
「…まぁ、覚えはないな」
「……、でも平山さんにはされるんですよね?」
「…必要なことだ。更に良好な関係を築くのが互いの為だろう?」
「言われる通りなのですが、そうですね」
「…うん?」
「なんとなく、腑に落ちませんね」
「…そうか」
>>520
まぁ、それぐらいしないと休みそうになかったんだきっと。
ハンターは拠点の地下に潜ったことあるのかねぇ…。
後は訂正
>>521
×いつも愛想のよいストークも、少しばかり固まる。彼も、千護がただの防衛軍の生き残りとは考えていなかった。しかし、あの眼を見て冷静に聞いてくる千護に、どう話せばいいか考える必要が出てう。
○いつも愛想のよいストークも、少しばかり固まる。彼も、千護がただの防衛軍の生き残りとは考えていなかった。しかし、あの眼を見て冷静に聞いてくる千護に、どう話せばいいか考える必要が出ている。
>>522
×「…わかった、では俺はこれから平山と呼び捨てにすることにする。平山も、リーダーなど放浪者と呼び捨てにしてくれ」
○「…わかった、では俺はこれから平山と呼び捨てにすることにする。平山も、リーダーなど呼ばず放浪者と呼び捨てにしてくれ」
うどんちゃんの狂気の瞳が近いのかな?アイビスさんの目は
というかミュータントって事は、その力の元となる変異体も居る訳なんだよね?現れたらヤバくね?
放浪者がフレンドリーにとか言ってるの何か笑う
ファイブキラーは隠れアジト内にある、オンラインに繋がっている端末を操作していた。彼の役割は、ラジオ放送の為の機材の保全、オンライン上にある情報収集、アジト内の清掃及び物資の管理といった雑務。まさしく裏方と言える目立つことはない役割だが、彼はこの立場を気に入っていた。
元々は思い込みも激しく、追っかけをしていたミーシャに執事になってほしいと言われ、なりきっていた。それに関わっての役割になるが、メンバーの役に立っているという充足感は、彼の人生の中で今までなかった。ミーシャを庇い、銃で撃たれた時でさえも役立てたことに静かな至福を彼は味わっていたのだ。
そして、その執事として彼なりに必要と判断したスキルも磨かれていき、今ではそういう振る舞いにメンバーが違和感を感じることはなくなってきている。
そんな彼だが、その役割の1つであるオンライン上の情報収集に勤しんでいた。はっきりと言うなら、この作業は実入りがいいとは言えない。オンラインを利用できる生存者が多いとは言わないが、そこに流れている以上は利用者の共有情報と言える。ラジオに流す価値があるかと言えば別だ。その上、情報そのものが噂程度の不確かなものでしかない場合もある。ただ、それも仕方のないことだ。ここまで生きてきた生存者は危険と思えば即座に逃げ出すのが普通。
その対象に対して、どんな力を持っているのか観察をでき、そして初見で処理できるのは、生きてきた以外により実践的な技能や経験を積んだ生存者ぐらいのものだ。そしてそれができるのは、当然限られている。
ただ、そんな情報だとしても、拠点や研究所のサポートチームから提供される情報、自分が今まで収集していた情報を統合すれば、ある程度の選別は可能だった。それに、気になった情報があればサポートチームで確認を取ることもできる。DJフレンドの勢力は、拠点と同盟を組んだことにより正確性の高い情報を提供できるようになっていた。
そういう勢力になってきたからこそ、ファイブキラーには気になる書き込みを見かけるようになった。
『情報提供者』、そう書かれた名前の書き込みがよく見かけられた。生存報告交じりの軽い雑談もしているが、フレンド達と同じようにその人物が知る情報の書き込んでいた。それが、正確性が高いものが多く、いくらかサポートチームに確認依頼をしたことさえある。
だが、その人物がここのところ締めにこう書くようになった。
『DJフレンド、お前達を見ているぞ』
それが何を意味をしているのかわからない。敵対的とも取れる内容もあり、最近はこの人物を追うのがファイブキラーの日課になっている。その言葉の真意を知るために。
平山はゆっくりと目を覚ます。すでに日は昇っており、いつも起きる時間帯よりも遅く起きてしまったことに気づく。身体の鈍さはまだある、ただEVEのマッサージの効果もあってか、昨日よりはかなり楽な状態になっている。
放浪者への報告の際に、彼から休むよう言われていた。本音を言えば、まだ急ぐ気持ちは残っている。ただ、何かに駆られてしなければいけない、そんな意識はほとんどなかった。あの時に灯った暖かい気持ちを思い出せば、不思議なことに安らぎを感じられるからだ。
「あ! 平山さん起きたス!」
いつも通りの能天気さで、入ってきたフェイの後ろから放浪者も一緒に入ってくる。カップを両手に1つずつ持っていて、湯気がわずかに見えるところからすると飲み物が入っているようだ。
「…てっきり任務に出るかと思ったが、取り越し苦労でよかったぞ、平山」
相変わらずの無表情だったが、彼は持っていたカップの1つを彼女に手渡した。中にはコーヒーが入っている。平山は一口すすり、その匂いが通り抜けていくのを感じた。
「…フェイと佐田さんから詳しく聞いた。もうあまり無茶はしないようにな。今回のように寝過ごすだけならいいが、そうじゃないことが起きるのが今だ」
ほれ見ろという感じで、フェイもその言葉に同意する。前までの状態なら、認められてないという思いからそう考えられなかったが、今はしっかりと心配されていることを感じられた。
「お心遣い、ありがとうございます」
「…それだ。フレンドリーにいこうと言っただろう、平山」
困ったものだという様子で彼もコーヒーをすする。それを聞いたフェイはなぜかワクワクした様子を見せていて、何を言えばいいのかわからず、平山は思考をしばらくグルグル回した後。
「…ほ、放浪者…さん」
「…まぁ、最初はそんなものだろうな」
放浪者とて、平山の人となりはわからない訳ではない。そう呼べただけでも、十分な歩み寄りだった。
>>528
それらしいキャラクターは確認。波長を操るらしいので、アイビスとは違うかな。発生させる方だからの。
操るという意味では、あの人が同じ。ヒヒヒ
まぁ、ミュータント=変異体 ですからね。とだけ。
>>529
そこから程遠いからね。本人も。
と言う訳で、もうこんな時間なので寝ます。最近、日記ベース分よりも通常パートの文章量の多さに泣ける。
>>532
キャラも増えたし
群像劇というコンセプトからすれば
比率が変わるのもやむなしだと思うよー
そもそも放浪者がホイールオブフォーチュンの
加護を受けすぎていたというのもあるけど
乙!
え、え~?今の拠点の状況でフレンド勢に敵対者?助けになんて行けないじゃんよ。どうしろってのさ
因みにうどんこと鈴仙ちゃんは格ゲー?の方では普通に目からビームとか出してるから、それの波長を更に弄れば電子レンジビームくらい造作ないんじゃないかと
見ているぞって、何なんだかねぇ。ダブピって感じはしないかな
予想出来る線としたら、妬みか、過度な幻想でも抱いてたか、アイドル二人のアンチ?
「ふん、バカ弟子はちゃんと休んだようだな」
出発の準備を終え、拠点の外で遊撃班の他の2人を放浪者が待っていると、佐田がそう声をかけてきた。表情はいつも通りの不満そうとも、不機嫌ともとれるものだったが、その言葉の様子は喜んでいるのはわかった。
放浪者も一安心したと返す。追い込まれていることに気づけなかった自身の過ちを思うと、そのことは自責の念に駆られる。だからこそ、今日会った様子で落ち着いた様子だったことが慰めになっている。
「……、本音を言うなら、こんな奇天烈なところは出ていくつもりだった」
その視線の先には、スライムの姿があった。この勢力がなんであるかを表す存在の1つと言えるだろう。ここはあらゆるものを受け入れる。例え、それが人間以外であろうとも。だからこそのカオスがここにはある。
佐田は、そのカオスは来た当初受け入れられていなかった。だが、そんな彼がこの場所に留まり続けている理由はたった1つ。
「だが、無事に再会できたバカ弟子が。ふん、追い詰めた様子だったら気にもなってな」
前の勢力で最も厳しく、そして可愛がっていた平山が辛そうにしていたからに他ならない。もし、拠点で不遇な扱いを受けているのなら、連れ出すつもりでいた。そして、事実は考えていた通りではなかった。この拠点はこの荒んだ時代でも、メンバー間の調和はいびつなものではなく、文明的だった。各個が認められていて、自分も容易く受け入れる器を持つ勢力。
ならなぜ、平山が苦しんでいるのか。それに悩むことはなく、佐田はすぐに気づいた。
「……。俺と奴がまだ前のところにいた時、ゾンビに大襲撃を喰らった。メンバーもいくらかやられて、バリケードも破壊されてな。まだゾンビ共は集まってくる気配で、早く補修しなければ全員がやられる。ふん、俺達メンテナンス班も危険な状況の中、その作業を夜通しした。補修しながらの襲撃の対処で、班の連中も倒れる中、あいつは1人、直しきるまで作業し続けた。そして、最後の補修が終わった瞬間、電源が切れたように倒れた」
その光景は思い出そうとするだけで、鮮明に浮かび上がる。バリケードの修復が終わり、全員にそのことを佐田が伝えてバリケードに視線を戻した時に、工具を持ったまま地面に倒れこんでいる平山の姿。慌てて抱き起して、過労で気絶したことに気づけた時の安堵は、できればもうしたくはなかった。
期待に押しつぶされそうになっていることが理由と判断した佐田がしたのは、シャワー作り物資集めの名目で回収組、いや、平山に同行することで無茶はしないよう見張る為だ。
「…本来、俺が気づいてやるべきことなのだが、申し訳ない」
「ふん。過ぎたことだ」
なんであれ、佐田にしてみれば平山が復活したのならそれでいい。ただ、佐田は一言だけ言っておくことがあった。
「バカ弟子と、ついでにあの能天気を迎え入れてくれたこと。ふん、感謝しておく」
長くなったがそれだけだと、彼は警備に戻っていく。放浪者は、良い師弟だなと感想を抱き、羨ましさを感じていた。
五百五十五日目
大型駅エリアの変異体処理は簡易ながら進められた。地下道の偵察も同様だが、まったくできていないよりはマシであろう程度の状況か。警察エリアの制圧作業の時間を引き延ばすためにも、もう少々の無茶はしなければいけなさそうだな。
平山さんについては、今日はちゃんと休んでくれたようだ。これで疲労で倒れるということはないだろう。後は、平山さんは当然として、回収組との交流も意識的にしていかなければな。そうすれば、ここまで思い詰める前に気付けることもあるだろう。
そういう交流という意味では、回収組だけに限ったことでもないか。警備組に新しく入っている喜読さんや門日さんも、あまり話す機会がない。そういう親睦を深めておくことも、この状況を度外視しても重要だろうな。
拠点のメンバーは、少しずつ少しずつ増えている。はっきり言うなら、もうそろそろ俺が全体を把握するのは難しくなるだろう。そういうことを踏まえて、今いるメンバーを把握しておくことは状態だ。それが出来れば、把握したメンバーの状態から異変に気づくこともできる。
人間関係をおろそかにしていたつもりはないが、元々、あまり得意と言う訳ではないからな。うまくやれればいいが。
レポートNO.142
井門圭司
警察署エリアの制圧は、今日は好調ってとこだな。パラノイアのことを考えるとそれでも遅いが、今はできることをやっとくしかないからな。最悪でも半分ぐらいは進めておきてぇな。
後は、山中さんとは平山さんにはフレンドリーに接してほしいと言われた。そうは言われても、事務的なのはあっちだからなぁ。嫌な性格というか、悪い人なんて思わねぇが、取りつく島がないっつーか。ま、機会があれば話してみるか。
俺もなんだかんだで話に来る一ノ瀬の相手ばっかで、他の奴とあんま話してない気がするな。まぁ、火器保管庫にある奴の定期メンテナンスとか使った奴の整備とかで、わりと時間ないってのはあるけど。
【門日先生の健康診断】
「うんうん、ただの疲労だけみたいだねぇ」
「ご迷惑おかけします、門日さん」
「なぁに。リーダーが身体にもそれ以外で問題ないか診といてくれと言われただけさ」
「そうでしたか…」
「医者というか、ありきたりなことを言うけどね。無理はダメさ。身体を壊したら、この状況じゃ治してあげられるかもわからないからね」
「肝に銘じておきます」
「はぁー。平山さんの場合は、悪い意味でその言葉は信用できないよ」
「す、すいません」
「言葉遊びだけど、無茶はいいけど、無理はしないようにねぇ」
「はい」
>>533
まぁ、最初のコンセプト変わってたり、ダイス様のせいで方針変わったりとブレブレだからね。
放浪者はまぁ、受けすぎだよね。
>>534
はてさて、DJフレンドはどうなることやら。というかダイス様、イベントぶっこんで来すぎ。
なるほど。となると、アイビスもビジョンも割と凶悪になっていくんだけども。てか能力的にこの2人が組んだらヤバそうね
>>535
全てはダイス様のお導きである…。
乙!
>>534ですが、お二人をそうしてくれなんて言いませんぜw
あれはあくまで鈴仙ちゃんの話っすw
長くなったが(そうでもないけど)
千護達は、比較するまでもなく拠点よりも厳しい条件下にいる。基本的にバックアップはなく、全てのことは自分でやらなければならない訳で、人数もたったの2人。ある意味で以前の放浪者と山中だけだった拠点の初期を思い起こさせるが、それでもそちらの2人は研究所のバックアップがあった。
最近はストークやアイビスといった生存者達と交流はあるが、千護達は厳しい目的(にんむ)をこなさなければいけない状況にある。
ロバートは確保したアジトの一室にある、机の前に座り作業を進めていた。机の上には集めたであろう工具類と、空薬きょうがいくらか転がっていた。その薬きょうの多くは、凹み、歪んでいる。千護が不良または使えないと言ってより分けている弾薬を、彼が解体した部品の一部だ。
残る弾頭と火薬については、弾頭は机の右端に置いてある小物入れに、まとめて入れられてある。火薬は、今彼が持っている短く切り、端を塞いだパイプの中に入れている。ある程度の量が詰まったところで、そのパイプを閉じる。
パイプを閉じた蓋にはアンテナが組み込まれている。このアンテナはラジコンなどのおもちゃを分解したもの。そしてそれを操作する為のリモコンに組み込まれていた電源ボタンを解体して、そのボタンだけにしたものの横に、パイプを置いた。
お手製の遠隔操作が可能なパイプ爆弾だ。投げるだけなら導火線に火を点け、任意のタイミングで爆破したいのであれば、電源ボタンを押すだけでいい。
もちろん彼はこういうものを作るのは好きではない。良くも悪くも善良すぎる彼は、何かを傷つけるということに通常の生存者よりも抵抗がある。だが、好き嫌いをしている余裕がないことをわからない人物でもない。渋々ながら、作ることもある。
こういった武器も自分達で作り出すしかない。ロバートは早くこんなものを作らなくてもいい世界に戻れればと、祈ることしかできなかった。
最近林道さんと錬浄さんの霊圧が消えてる件について
探索組の活動は、緩衝地帯の確保のほかに地下道の偵察が含まれている。遊撃班も同様の任務を行っているが、人数の多い偵察班がそれをメインに行う。回収組が偶然手に入れたナイトビジョンを装備した井門と、閉所の環境の方がより力を発揮できる山中、そしてその日ごとに他のメンバーが1人、今日は一ノ瀬の3人で地下道を探索している。
前方の目は井門、後方は残った2人に任せる。直接明かりを進行方向に向けないことで、その先にいるゾンビといった存在にすぐに感知されないようにする為だ。もっとも、場所にもよるが暗闇の中にある明かりは、誘蛾灯のように危険な存在を招き寄せてしまうが。
この任務で行うことは主に2つ。現在いる下水道に目立った異変がないか。次に地上に出られるルートは存在していないかの確認。前者は以前の地下道を経由して大量のゾンビが移動していたため、後者はそういったゾンビが地上に出られるルートを封じるためだ。
少なくともその2つを抑えられれば、地下道を使ったゾンビの強襲を抑えること、そして非常時の脱出ルートの確保もできる。重要な任務だ。
井門が今の通路から別の場所に繋がる扉を見つけ、2人にハンドシグナルで合図を送る。扉については、開いていれば中を探索して基本的には封鎖したり、その扉の先がどういう状況かを示す、目印としてスプレー塗料で記号を書く。×が純粋に鍵がかかっていること、△なら袋小路、○なら地上にバリケードを作っているもので、◎ならバリケードなしを指す。◎は例えば、ゾンビはほとんど登ってこない梯子で地上に戻れるといった具合だ。
そして、今回の扉については、開いていた。動きを見ればそれはわかるものではあるが、ドアノブを動かした井門が開ける前にハンドシグナルで再度合図を取り、一気に開けて距離を取る。そして、開け放たれた先に見えたのは、個人宅の一室のような状態だった。
ゆっくり少しずつ安全を確認しながら、井門が中に入っていく。ナイトビジョン越しで見えるそれらは、今まで歩いてきた通路とは矛盾している錯覚を覚える。例えばこれがただの家具類が置かれている、程度なら井門も見てこなかったわけではない、しかし、ここには更にプラスして絵画などの調度品も置かれている。
部屋自体は管理室か何かなのか機械のような物がある。しかし、その機械の上に美しい刺繍のキルトなどで覆われていた。井門の後に入ってきた山中もその光景に圧倒されているようだった。
部屋の外の見張りは井門に代わり、2人はその室内の探索を行う。まず最初に調べるのはこの状況もあり、生存者はこの場所をまだ使っているかだ。なんであれ、自分の住まいを荒らされて気分がいいという生存者はいない。
「山中さん、これ…」
一ノ瀬が持ってきたのは、寝床の横に置かれていた手帳だった。
6月21日
この穴倉の中で、マシな寝床を確保した。
6月25日
一通りの準備は出来た。奥の方は封鎖されたのか開かない。倉庫にでもする。
7月11日
前の場所が一番だが、ここもゾンビはいない。出入りの時が怖い。
7月30日
この都市を探索してる奴らがいる。会うべきだろうか?
8月5日
絵画に惹かれて持ってきてしまった。キレイだ。
8月8日
美術品がこんなにキレイだと思わなかった
8月13日
食料が少ない。
8月17日
絵画の世界で生きられたらな。
月 日(日にちの記載なし)
色のない暗闇に、キレイなものがある。
月 日(日にちの記載なし)
あぁ。どうして自分は
月 日(日にちの記載なし)
(何か書こうとした後、読み取れない)
月 日(日にちの記載なし)
幸せだ。
踏み込んだ、かな……
気づくかどうか……
拠点におけるバリケード敷設は着々と進み、拠点エリアで必要な作業は大まかに終わった。この作業は次の段階にシフトしている。今、蒲谷と勝がいる場所は拠点内からアクセスできる下水道だ。すでにこのエリアは放浪者と山中が、保安官のいるBARと拠点を地下道で繋ぐ道順を調べる際、まとめておいた地図を蒲谷が持っている。
ただ、この地図はあくまで拠点の周囲しかない簡単なもので、都市入口エリアまでは調べられていない。地下道を使って攻撃の場合、侵入できそうな個所を抑えてバリケードを敷設した方が、効率の良い作業を行える。2人はその準備作業をしていた。
「ふぅ、なかなか怖いね。うん」
ゾンビと言った脅威が襲ってくる。その思いもあるが、蒲谷の場合はそこに心霊現象的なものも混ざっていた。下水道エリア内はどういうシステム化はわからないが、電気が全体的にいきわたっているようで暗くはない。しかし、場所によっては明かり自体がない本当の闇が広がっていたりする。その闇に、何かいるのではないかという想像をさせられてしまう。
「でも、地下の方が安全だったりするよ。俺達よく使ってた」
状況に素早く順応しやすいという意味では、子供はサバイバルに向いていると言えるかもしれない。覚がまとめていた勢力だった時の経験と今をリンクさせ、勝は懐かしさを覚えている。
今日中に準備作業は終わらなかったものの、拠点自体の備えは整ってきていると言える。これらが無事に完了すれば、生き延びられるかはわからなくても、その時間は引き延ばせられるだろう。
緊急時における1分1秒。それは、どんな価値があるものよりも高価で、貴重なもの。警備組は買えないそれを得る為に、事前に準備を進めている。
>>541
あぁ、うん大丈夫。そういうキャラいるのねーぐらいだから。
でも、能力的にはタッグ組んだら凶悪から極悪になれるとは思うのよねぇ。
>>542
佐田さん的に、かな
>>544
センセーは日誌あるからいいけど、錬浄は甘いもの好きでそれ以降触れられないという。
強いと目立たない、それがこれ日。
>>547
さてねぇ
あ、556日目の続きは明日です。寝ます。
乙!
あぁ。どうして自分は って台詞……1、2レスくらいしか出て来なかった人が言ってた様な記憶がおぼろ気にあるなぁ
特殊な変異種って変異前の状態や強い思いによって左右されるのかな
スパイダー戦の時、確か妊婦が感染して産んだんだっけ?
五百五十六日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。地下道の偵察も滞りなくでき、今日こなすべき任務は無事完了といった具合だ。並行しているゾンビ処理も進んでおり、大型駅エリアと、警察署エリア、高速道路エリアの境界線のゾンビも徐々に減っていると言っていい。
もっとも、俺達の任務はもっぱら処理だけだ。バリケード敷設をして、移動を制限すると言った作業はしていない。そんな余裕もないのと、したところでパラノイアも異変に気付いて対応する可能性の方が高い。やるだけ無駄ということだ。それなら、パラノイアでもどうしようもない処理を優先した方がいい。奴も、処理したゾンビを復活させることはできないだろうからな。
しかし、パラノイアの沈黙が不気味だな。奴ならこの異常事態に気づいて、何らかの策を講じてきそうなのだがな。その動きは一切ない。連携を取る変異体も見かけなくなった。どこか勢力を温存しているようにも思える。
奴が、自分から攻め込むのは危険と想定したなら、任務にかけられる時間の意味では好都合。しかし、それはそれで向かい討つ準備を相手にさせてしまうのと同じこと。判断の見極めが難しい所ではある。
下手に刺激して攻め込むきっかけを与えるのも愚策、準備時間を与えるのも愚策。結局、その選択が正解であることを祈るしかない訳か。
一ノ瀬DIARY Mar.1
警察署エリアの制圧は進んでるのと、今日は地下道の偵察もお手伝いすることになった。でも、あの部屋はいったい何だったのかな。
部屋に飾られた絵画とか、あと綺麗な装飾のキルト。画集なんかもあったなぁ。あんな場所じゃなかったら素敵なお部屋だったのに。
残された手帳は読んでみたけど、どこかから移ってきたのかな。書いてあった6月21日より前から都市で活動してたんだと思う。1年ぐらい前にはいたのかな。
私達は見かけてたみたいだけど、1年前って今に比べたら全然生存者なんて見かけなかったし…。放浪者さんみたいに隠れて動くのが上手だった人なんだろうなぁ。
肝心のお部屋の状況だけど、埃も積もってたし、今誰かが生活してる感じじゃなかったな。多分、あそこを出てどこかに移ったんだと思いたい。でも、絵画に執着してたみたいなのに、残していったのは…、多分そういうことなのかな。
3/1 担当浜村 朝
今日から地下道のバリケード敷設か
ほんと、こういう光景になるなんて前は予想してなかったわ
担当喜読 昼
それを聞くに、本当にここは安全な場所だったのですね
避けられない戦いがここまでくるのか。私には知る余地もないのでしょう
担当平山 夜
パラノイアの軍勢がここまで来させないよう、探索組、遊撃班は動いています
回収組も同様。この場所を守ることに力を尽くすのみです。
【辿る痕跡】
「…ふむ」パタン
「どうもっす、山中さん。例の手帳ですか?」
「えぇ。他に参考情報がないかとは思ったんですが…。井門さんも目を通しますか?」
「俺はいいですよ。山中さんが読んで何もわからないんじゃ、俺がわかる訳ないです」
「そうですか」
「それ、記録でわかるのは去年の8月まで。続きはあっても日にちはわかんないんですよね」
「そうですね。日付は、恐らく去年の8月17日が明確な情報、それ以後はいつ書かれたかわかりません」
「大ざっぱに半年前ってことですよね。夏時期…、てことはまだ放浪者さんがスカイミッションで逃げてた頃か」
「それだと、平山さん達がきた頃でもありますね。2人は確か彼がいない時に来たはず…」
「俺達は…。キマイラフライの巣がないか調べてた時、ですかね」
「まだ商業エリアの探索を進めていた時期ですね。その意味ではこの生存者に遭遇していないのは、当然かもしれません」
「謎の生存者、か」
今見たら酉が出てる始末。と言う訳で一応の変更でござーい。
ん、ちょっとテスト。
あぁ、やっぱりおかしかった。今度からこちらの酉です。皆もうっかり気をつけてね。
もう居ない?から薄れてくだけだけど、クイーンの生い立ち、重かったなぁ
情報提供者、それが言ってしまえばDJフレンドの勢力の悩みの種になりつつある。明らかにその存在は、DJフレンドに対して敵対的な言動が目立つようになってきていた。そして、その根底にあるのは自分達の情報は一切信用できるものではないと、皆に伝えたいようだ。
「フレンドさん。どうされるんですよって、こりゃあうまいことせんと」
ファイブキラーが収集した情報が、DJフレンドのメンバーにまとめた状態で伝えられる。DJフレンドの活動は、当然のことながら善意によって行われているもの。感謝の声をオンライン上で見かけることもあり、彼等の活動の活力にもなっていた。
しかし、それは裏を返せば良くは思わない連中も生み出されてしまう。広域にその存在をアピールすることになるのだから、必然的に。メジャーではなかったにせよ、地下アイドルであったヴァルキリー・ミラージュの2人には馴染みがある程度に経験はある。だから、良くあることだなというの感想を抱いていた。
DJフレンドもどちらかというと、不思議ではなさそうな顔をしていた。性同一性障害を抱えることで、難しく勝手に思われる他人との人間関係。敵、味方と言った機微は疎くはないし、想像していた範疇だ。ファイブキラーは、良くは思ってはいないだろうが執事として感情は出していない様子だ。
そして、この中でたった1人、そこいらの意味で普通の一般人である西村はうんうんと頭を悩ませていた。
「こういう人間は、どんな時代にもいるものなんだと思うよ。活動に制限は出るかもしれないけれど、まさかオンラインでわざわざ反論する訳にはいかないからね」
この目立つ活動の懸念に、どうしても上位に食い込むのがWWPの存在だ。彼等のことをほとんど触れないラジオ放送である為か、今までWWPが自分達に接触してくることはなかった訳だが、それでも自分達がどこにいるか知られるような真似は出来ない。それこそ、隠れアジトにある端末からDJフレンドとして反論の書き込みをする。なんていうのは愚策。
「それに、この手の手合いは触れられると喜ぶ。非難を認めているのと変わらないことになってしまうよ」
結局は、触れぬ存じぬを通すしかない。あまりにもひどいようなら、研究所に対策を聞く予定だ。その方面のプロフェッショナルはあそこに揃っているのだから。
「はぁ、自分らなんも悪いことしとらんのに。嫌な世の中ですわぁ」
こういうことに慣れない西村はそうこぼした。
とりあえずの共有ということで集まったメンバーは、それぞれの役割を果たすために部屋から出ていく。残されたのはDJフレンド1人だけ。書き込みの内容を見ながら、突拍子もない発想が頭に浮かぶ。
「もしかしたら…、自分達に成り代わろうとしている勢力の仕業、とかね」
DJフレンドが今まであった生存者が何らかの恨みを、ヴァルキリーミラージュを知る人間で2人を良く思っていない生存者が、そもそもこの活動が気に入らない人間が。それ以外で浮かんだことが、それだった。
戦いというのは、基本的には一度きりだ。勝負をする以上、勝ちと負けに分かれる。引き分けるということはごく稀なこと。それが殺し合いというものであれば尚のことだ。その上で、戦いにおいて重要な要素と言えるのは、その戦いの前に準備期間にどれだけの用意が出来るのか、である。
戦い、言うなれば勝負をすることが決まったのならば、それはもうすでに始まっている。どれだけの戦力を有するのか、使う武装、そしてその量。戦うメンバーの人数と、司令塔は。書き出せばキリがないほどの情報を奪い合うこと、そしてもう1つが食料の確保だ。
「ふぅ、こんなもんかしらね」
浜村はそういって両手をはたく。板についた畑仕事は、ビニールハウスの中で生かされていた。研究所から畑の物資の支援はあるが、ある程度は自分達が生産したもので自給できるようになっている。それも、警備組のリーダーとしてこの作業を率先している彼女の功績だ。
「(これだけとれたー)」プルプル
収穫可能だった野菜を持って、スライムは浜村に近づく。彼女はスライムの頭を撫でた後に、野菜の選別を行う。状態が良いものは食料に、あまり発育が良くないものは種をとるものとしてより分ける為だ。こういった作業も彼女が行っている。
スライムも、この作業をやりたがり手伝ってくれるが、目を離して任せられるというにはほど遠い。他のメンバーも言えば手伝ってくれるが、正直率先して活動してくれているのは、浜村と喜読の2人だ。
「ま、話さなくていいから楽なんだけど」
寡黙な訳ではないが、そういう人とのコミュニケーションが好きではない彼女にとっては、ちょうどいい仕事ではあった。
これだけの達成感に満たされるのはいつぶりだろうと、平山は思っていた。予定していたアミューズメント施設の突入準備、そして、警察署エリアから商業区エリアに隣接する境界線のバリケード敷設や簡単なトラップ敷設が、本日をもって終了した。
これで、パラノイアの対策は1つ完了し、新たな情報を得られる機会を持つことになる。だが、達成感はあれど平山には驕ったような優越感は全くなかった。功を急ぐあまり、無理な活動をしていた時期に比べれば、今の方が楽に任務が出来た実感がある
枷を外してくれた放浪者に感謝する気持ちに、温かい気持ちが混ざる。前の勢力では感じられなかった、最終的に行きついた幸福感に浸れた。だが、終わりに次に来るのは、新たな始まりと相場は決まっている。
「次からの任務どうするス? 施設に入るまでは、いつもの任務でいいとは思うスが」
次なる目的を定めなければいけない。パラノイア対策は、考えられる限り手を打っておくしかない。あの時にああすれば、何てくだらない後悔ができるなら幸せだが、大抵の場合は意識なく都市をうろつくか、肉片になるかだけだ。
「まだ具体的には考えていない。もし、アミューズメント施設内にある狸森の警備会社。そこに新しい都市情報が見つかれば、それを基に活動するのも良い手とは思っているところだ」
「それもそうス」
明日は放浪者が拠点に戻ってくる日だ。突入に関して、細かな打ち合わせをしなければいけないと、知らずに平山はその時間を心待ちにしている。
「…なぜ樽がある?」
仮の休憩所にした場所にあったのは、出る際にはなかった2つの樽。中身は入っていないようだが、大きさからして佐原が持ってきたのだろうと判断し、放浪者は彼に声をかけた。
「貯蔵用タンクっすヨ!」
佐原がいうには、水をためるものはたくさん回収したが、大容量のものはなかったので持ってきたということだ。どこにあったのかは気になったが、そう言われれば大量に入れられるものはなかった。ドラム缶も基本的に設備に使う為に取っていたのと、無くても問題はなかったという部分はある。もちろん、あるならその方がいい訳だが。
「それに、果物とか作れるよウになったらワイン作レるっすよ!」
放浪者も詳しい知識がある訳ではないが、記憶にある限りだと、樽に詰められているのは記憶にある。
それを目的にするのはとは思うが、そういう嗜好品作りも悪くない。拠点の名物として物資収集の手段にもなる。それに、詳しくはないが樽ならある程度の密封性もあるし、保存性も悪くないはず。水が劣化しにくいだろうという部分も魅力だった。
「…そうなると、そろそろ室(むろ)のようなものも作らないとな」
少々大掛かりな設備になるが、人数も増えてきている今、長期間保存用の施設は必要になってくる。蒲谷と佐田に一度相談しようと、放浪者は考えた。
>>561
生い立ちの意味では、ブラインド以外は大体重い気がするなぁ。
はてさて、ずっと立て続けにイベント発生続いてて量が多いよ。残りはまた明日です
乙!
見ているってのは気にかかるけど、フレンドさん達は情報提供者とやらにはノータッチが賢明と
平山さんは、コミュの甲斐あって復調してくれた様で何より
しかし樽ワインか……作るにしても、佐原とスライムには踏ませられないなw
平山さんも完全に堕ちたな(確信)
放浪者の次のターゲットは誰かなー?
五百五十七日目
大型駅エリアの変異体処理は進んでいる。少しゾンビが少なく感じられたのは気になっているところだ。今までの処理によるものと思いたいが、相手はそんな甘い相手ではない。何かをしでかそうとする予兆と見るべきだろう。それが何を意味しているかは、俺にはまだわからないが。
後は今回の任務中に、佐原が樽を二つほど確保していた。大容量の貯水タンクにもなるのと、奴いわく酒樽にもなるということだ。あいつはワインと言っていたが、確かそれ以外の酒も樽で作ってるのはあるな。もし保安官に知識があれば、樽と原材料を渡してやれば自前の密造酒。というも今更変だが作れるようになるかもしれないな。
酒も一種の文明の一つ。今後の物資収集の当てにもなるし、自分達で楽しむこともできる。となると、後はやっぱり材料の麦やら果物やらも作っていけるようにならないといけないか。欲は言えば、稲作りをしての日本酒造りもやりたい。米も麦も主食になるしな。
そろそろ野菜以外の食料に着手していきたいところだ。魚は無理にせよ、肉だな。保安官ばかりに頼るわけにもいかないのだから。今のところの候補はやはり鶏か。食肉のほかに卵がやはり魅力的だ。それで作れるものも多い。
もっとも、着手できるようになるのは、パラノイアの件に片がついてだろうが。
……、しかし。胸騒ぎがするな。
胸騒ぎとかフラグじゃないですかやだー
教員日誌 三月二日 林道正綴
アリスという人物より作ってもらった電撃の棒を使うようになり数日経ち、ある程度は慣れてきた。この武器の特性と、身につけた技術のすり合わせはまだ必要な状態ではあるものの、作製された武器は強力なものという考えは変わらない。
あとは、どこまでこの武器に対して基本に則った武術の動きを組み込めるか。それがパラノイアとの一戦において、どれだけ貢献を果たせるかが決まる。そして、自分が死ぬか生きるかも決まる。
自分はまだ生きたいと思っているのか。それは答えを得ていない。もしかすれば、その一戦が自分に生きる価値があるのかを裁く、審判の日になるのだろうか。
未だ見いだせないものは多い。日々、心に迷いを抱えている。それでも、教員として師として教える立場の自分が子供達にその姿を見せることはできない。彼ほど強くないが、自分ができることはそれしかない。
『――それと合わせ、非常事態宣言を宣告する』
月明かりが差し込む、大広間。多くの者が整列して立ち、その正面にある壇上に置かれた机の前に何者かがいる。その光景に反して、人が発する音は聞き取ることはできない。
『美しき我が楽園を襲う蛮族は、近いうちにこの王都に乗り込んでくるだろう』
壇上にいるその何者かは、大げさと言える身振り手振りをしている。しかし、その動作を向かいにいる者達はそれを見ているような様子はない。虚空を見ているように感じる。
『多くの者が犠牲になった。力強き英雄(ヒーロー)も、素早き騎士(ナイト)も、闇駆ける忍者も、猛る狂戦士(バーサーカー)さえも。奴等は我々を根絶やしにし、そして奪い尽くす。この美しき全てをだ』
その動きに熱が籠る。熱き答弁を交わしている論者のように、だが、それに反比例するように大広間はあまりにも静かだった。
『諸君。右手を上げ給え』
そして何かの合図があったように、壇上以外の者達が一斉に右手を上げる。
『その右手に誓うのだ。我が楽園、そう、我らが王国の為に命を賭すことを!』
それが合図のように、熱のようなものが渦を巻いたように感じられる。その場にいて熱を持って動き続けているのは壇上にいる者だけにも関わらず。
『諸君の命、我が預かる。我が命も、諸君に預ける。この戦い、我らが存在を、理不尽に奪われた仲間の尊厳を、取り戻す。絶対に、絶対にだ!』
場は相変わらず静かだ。しかし、明らかに存在しない熱がある。目に見えない、圧迫された熱で満たされていく。
『これにて、聖騎士叙勲の儀の完了を宣言する。聖騎士の諸君の、より一層の活躍を望み――』
声はない。音もない。だがそれでも。
『我らが楽園を侵す蛮族共を根絶やしにするのだ!』
この場に、感じられない熱が吹き荒れ、聞こえない歓声が、確かに響いた。
【昔はよく見たよね】
「…樽、か」
「なんかあっタっすか?」
「…何故か、壊すイメージがあってな」
「壊すイメージっすカ」
「…なんでそんなイメージなのか、少し考えていたところだ」
「兄貴って、ゲームやっテたっすか?」
「…触った程度だな」
「俺もそうっすケど、そういウので武器として投げたり、障害物で転ガってくるイメージはあるっす」
「…だろうな。ところで、藍はどうした?」
「ここにいるぞ!」パカン
「…もう一つあったな」
「何がっすか?」
「…黒ひげだ」
「あー」
「……、何の話だぞ?」
>>567
ま、目の前にいるならともかくってところだろうねぇ
平山さんがある意味ヒロインしてる気がする。
佐原はまず無理だねぇ。スライムは、まぁ、念のため無理か
>>568
なお、本人は無意識の模様
>>570
こうなってきたという。妙に熱いZE。
乙!
名が体を表しちゃったパラノイア
『二人の波形使い』
2人の男女がいる。男は無表情でひきつった笑い声を出し、女の目は見る位置によってさまざまな色合いの輝きを放つ。2人の視線の先に、敵の姿がある。ここのところ、この周辺を荒らし回り、ついには勢力に組する人間さえもなぶり殺した。
「ヒヒヒ、頼むーよ」
「言われるまでもありません」
彼女の目から光線が放たれ、それが男の持つオモチャのようなライフルに吸い込まれていく。光が全て吸い込まれた後、そのライフルがゆっくりとそして確実に音が発生し始める。最初は重い何かが動く振動音、次に金属が振動するような高周波の音。何かが、着実に高まっている。
敵達の斥候か、その内の1人が2人を指さした時、引き金が引かれる。オモチャのライフルの銃口から、吸い込まれた光が増幅されたものが、相手に向かって降り注ぐ。だが、それが直撃した相手にそれが認識できたかはわからない。人間は光によって物を認識する、しかし光速を持って迫る攻撃は、大抵認識できる前に攻撃が当たることになる。
だからある意味で、その指差した斥候は気づけないまま頭部を焼失出来たのなら、苦しみがない分幸福だったのかもしれない。
シンプルでいて、その強力な光線。レーザーによる攻撃は相手に甚大な被害をもたらした。丸太ほどの太さのそれが、十秒手前まで放出されている間に、ある程度固まっていた敵達の一部、その大体が身体を焼き切られたように分断されたり、焼失している。阿鼻叫喚の絵図だった。
だが、2人はその光景を見て許す気は到底なかった。これは仲間の弔い、残忍に殺された者達の怨嗟を晴らす為の、望まれない戦い。
敵の多くは異常な攻撃に混乱しているが、それでも戦い慣れた者達は2人へ反撃を開始する。強力な能力を持っているとしても、根本は人間の身体。2人もナイフで切られたり、銃弾を一発喰らえばそれまでになるのは変わらない。素早くそれぞれ身を隠せる場所に移動した。
男は、熱により変形した銃を投げ捨ててから、女の方に目をやる。
「いいですか、合わせてください」
「ククク、はいーよ」
女は瓦礫の障害物から少し離れ、軽く中空を見る。しばらくしてから男も発光を始めると、敵の大多数がいるところを中心に、あらゆるものが爆ぜ始めた。もちろん、それは人間も例外ではない。
女が発生させているのは、マイクロ波と呼ばれるもの。電子レンジで使用されているもの。暖かくなる原理は、かいつまんでいうと照射された対象に含まれる水分を振動させ、急速に熱を与えることができる。もし、それが強力な状態で人間に照射されればどうなるかは、言う必要はない。
目の前にはその照射された敵達の無残な姿が残されていた。火薬庫のように爆ぜさせられた人体は、直視するには耐えられるものではない。だが、男の視界も女の視覚も、通常の人間が見るものとは違っている。だからか、2人はそれを冷めた目で見ていた。
「ぁぁぁぁだああああああ!!!」
精神が耐えられなくなった。そんな様子で最後の生き残りが走り出す。左腕は、もう無くなっている。だがそれでもかなりの速度で走れるのは、激痛をマヒさせる恐怖が支配しているからだろう。
「くけけ、逃がしはしないーさ」
「情けぐらいはかけてあげますよ」
キィンという耳障りな音が聞こえた。ように逃げた敵は思っただろう。だが、その時には自身の頭部は強烈な音、通常状態では発生しない圧縮された高周波の影響によって砕け散った。
任務は完了した。そして残った結果は、あまりにも凄惨だった。身体の一部が焼け焦げた死体、周辺に飛び散る血肉。2人がそれをどう思っているか、それはわかりようはない。
少しだけ傾いた太陽が、その光景を照らしていた。
>>575
ある意味では主人公してるパラノイアである
さて、明日も早いからとりあえず幕間だけと思ったらこんな時間ですよ。
幕間についてですが、これはあくまで2人が自身の能力を完全に掌握したら、が前提です。
多分今やったら、ガス切れで倒れるどころか反動で自分にダメージが来るだろうのう。
映画かな?ww
「…気のせいではなさそうだな」
放浪者が昨日感じていた異変、ゾンビの数が減っている、そんな胸騒ぎのような直感が現実に当たっていた。明らかに今、ここにいるゾンビは昨日より減少している。自分だけの思い込みという訳ではなく、先ほど佐原達からの連絡でもそういう報告を受けた。勘違いなどではない。
だが、消えたゾンビがどこに行ったというのか。もし、襲撃をかけたとなれば、その大規模な活動は見逃すことは少ない。地下を使っている可能性もあるが、少なくなった個体数が全てそこを通っていると、放浪者は考えられなかった。
だから、考えられる解を確認する為、サンダーボルトを使い上空から大型駅エリアを離れて偵察する。双眼鏡を使い目に映ったのは、中心部へと向かっていると思われるゾンビ達の群れだ。ただ、その群れも集団的な行動がとれている訳ではない。あえて言うなら、何かに導かれるかのようにそこへ向かう、そんな風に見える。
「…迎え撃つつもりか。新たな戦略の為の可能性も、ありうるな」
どんな方法かはわからない、それでもパラノイアが支配権にいないゾンビを呼び寄せているのは、間違いない。失った戦力の補強か、それとも残存するゾンビを手の内で温存する為か。その真意はわかりようはない。
だが、どちらにしても終結するゾンビ達を追って、処理する気にはなれなかった。それこそ相手の思うつぼ。パラノイアの感知可能エリアに入り、刺激してしまえばそのまま一気に攻めかかってくる可能性は高い。
放浪者は無線を使い、佐原と藍に可能な限り変異体を処理するよう告げた。
回収組は山中からのとある依頼を元に、任務を遂行していた。都市中央警察署エリアに隣接する、商業区入り口エリアにある、個展、美術店がある場所の探索。これは、警察署エリアの地下道に見つかった生存者の形跡を確認する為だ。
いくつかの店は、荒らされた形跡はあまりなかった。単純でわかりやすい前の時代の価値観がある宝石類に比べると、素人目にはわからない絵画と言った美術品は誰も取らないのだろう。それに、持ち運ぶにはそれらは大きく、そして丁寧な扱いが必要だ。結果、見過ごされ放置されていたというべきだろう。
「ふん。こんな時代に酔狂な奴もいたもんだな」
佐田は機械工作に関わる技術の美しさに理解はある。工芸的なものは、技術面が光る美しさは理解できても、純粋な芸術となってくる絵画や現代アートになると、それは彼の感性では用途不明なものでしかない。今、入ってすぐに飾っていた絵画を見ても、彼は首をかしげるばかりだ。
「なんか綺麗な像ス」
フェイもどちらかというと、絵画よりかは見て触れられる像のようなものの方が興味を引かれた。美術そのものに興味は全くないが、彼女の受けるセンスは独特なのは、綺麗と言った像が他の人から見れば奇妙な像にしか映らないところからして、間違いない事だろう。
「……アリエン・スミット」
壁に取り付けられたプレートを指し、なぞるようにしながらその名前を平山は読み上げる。そこに絵画があったであろう跡が壁にくっきりと残っている。足元にはそれらしい絵画もなく、どこかへ運ばれたのは間違いない。
彼女は慎重にその絵画周辺の状況を探る。埃などの汚れ、そしてそれ以外の周囲の状況を照らし合わせるに、ここ最近に持ち運ばれた可能性があると推測できる。状況と一致するのは例の生存者だが、今生きているかはこの痕跡からではわからない。念のため、何らかの情報がないか建物内を調べてみたが、それ以外の情報はなかった。
プレートに書かれた名前は、当然ながら画家のものだった。幸い、その画家に関わる作品の資料もあったので、それを持ち帰るとした。好む画風ならなんでもよかったというなら打つ手もないが、その地下道の一室に置かれた作品の中に、この持ち運んだと思われる絵画や、その作者の絵画があればここの痕跡はその生存者のものと言ってもいいものになるだろう。
上々と言える結果も手に入れたこともあり、美術店から後にしようと平山が外に出ようとした時、この時期たまに降る雪が目についた。それにゲンナリしているところに、フェイが能天気に彼女は美術品はどんなのが好みかと聞いてきた。
「確かだが、夜のカフェテラスという名前の絵は好きだ。画家は有名だったはずだが、誰だったかな」
覚えろげながら浮かぶその絵を思い出した時、どことなく拠点に似ているような気が、彼女はした。
>>578
劇場版でこのシーン出したらR指定待ったなしやで…。
さて、いつも通りな感じですが、続きはまた明日。
ちなみに>>1も美術には疎いです。ただ、付き合いで言った時に見た曼荼羅は、わかんないなりにおーっと唯一思ったかな。でかかったからだろうけど。
乙!
居る場所分かったら爆弾放り込みたいな。半径500mくらいが吹っ飛ぶレベルの奴
乙。面白すぎて1から読んできた 地元民として山形サイドがとても気になる
パラの野郎はホームで総力戦をお望みってか?
これやぼの方は、確か中断されてるんじゃなかったっけ?
応接室で平山は放浪者を待っていた。アミューズメント施設の解放に関しての報告と、それ以後の回収組の活動についての相談の為だ。今までなら、彼女はこの時間がやや、いやかなり辛い待機であった。彼に対して強い苦手意識――それもまた孤立を意識させた1つ――を、認識しなければいけなかったからだ。
だが、今はそういうことはない。完全になくなった、ということではないのだが、それでも今までよりも幾分は楽になっている。良い結果を素直に話せそうと思えるだけでも、気分は晴れやかだった。
ただ、そういう気分だけでもいられない事態は起きているようだ。放浪者への報告することもあり詳しくは聞いていないが、どうやらパラノイアの件で動きがあった様子。その内、回収組も都市中央エリアに駆り出されることは考えられる。自分達がどう動くことかが決まる、重要な報告であると認識を改め、平山は気分を引き締めた。
それから放浪者が来たのはすぐで、そのまま報告に移る。そして、平山はそれと合わせてパラノイアがゾンビを集結させていることを聞かされた。
「それでは、アミューズメント施設どころではありませんか…」
一手遅かった、平山はそう思った。その集結が終わり次第、パラノイアは攻めてくると踏んだからだ。
望む情報があるかわからないが、都市情報が眠ると思われる狸森系列の警備会社。大型駅エリアの攻略に置いて、彼女も気づかないままにパラノイアとの戦いに向け、重要な要素となっていた。間に合わなかったことを、彼女は後悔の念と申し訳なさを心に同居させた。
「…いや、アミューズメント施設の解放も行う。これは勘だが…、パラノイアは攻めてこない。奴も俺達が小細工をかけているのはわかっている。だから、可能な限り兵力となるゾンビを手の内にしまおうと考え、今回の現象が起きていると感じる。その過程で、奴なりに不要と考えたゾンビを、散発的に攻撃をかけてくる可能性がある程度だろう」
彼の話をまとめるとこうだ。探索組はいったん警察署エリアの緩衝地帯の確保を取りやめ、大型駅エリアへ向かうゾンビの処理を優先。他の遊撃班とハンターも同様の任務を実行する。そして、それに並行する形でアミューズメント施設の解放も行い、そこに眠る情報を収集する。今後の侵攻作戦を容易く、そして練りやすくする為の重要度の高い2つの任務。
「畏まりました。喜んでその任務引き受けましょう、私とフェイ、師匠の3名でやれるところまで―」
「…いや、こちらからの人員もそちらに回す。ゾンビの集結はどの道、奴の支配できる範囲が限界だ。少ないことに越したことはないが…、上限が決まっているなら無理をする必要もない。どの道、大型駅エリアに侵入することになる以上、その情報を全員で無事に確保する方が重要だ」
それに、この終結が始まる前から、変異体の処理のほかにもゾンビ処理はしていたしなと、相変わらず化け物じみた発言も飛び出し、平山は苦笑した。
「…もしかすると、初めて平山の笑った顔を見たかもしれないな」
「え、あ。すいません」
しどろもどろになるのは、多分二回目か。というのは放浪者口にしなかった。先ほど口に出したのは彼の素直な感想だったのだが、得意ではないことをつつくのはフレンドリーだとしても良い事ではない。それに、まだこの話の結論を出していない。
「…結論を言うと、メンバーの選定は任せる。アミューズメント施設の解放を指揮していた平山の方が、どういう人員が必要か判断できるだろう?」
それは平山もそうだろうと言えることだ。財閥に絡む企業の調査に、元々絡んでいたのが今回のアミューズメント施設の開放に繋がっている。当然、解放の為に可能な限り施設に関する情報を収集していた。だからこそ、回収組だけで準備段階まで持っていくことができたのだ。
だからこそ、メンバーの候補はすぐに彼女の口から出てきた。
五百五十八日目
大型駅エリアの変異体の簡易な処理自体はいつも通り終わった。しかし、パラノイアが周囲にいるゾンビを終結させる動きを見せており、予断は許さない状況になりつつあると言えるが。個人的に、猶予はまだあると考えている、これは俺達の動きを察知した奴が戦力を無駄に削がれないよう手を打ったに過ぎない。そう感じている。
状況によって変わってくるだろうが、パラノイアは恐らく自分の勢力下に侵入した時点で、俺達を倒そうとするだろう。そう思う理由はある、遭遇した初期の頃、奴はその感知エリア外から出れば攻撃を仕掛けてこなかった。俺達が積極的に処理しようとしなかったのもそこだ。つまり、奴は根本的に襲ってくるタイプではないということだ。
確かに、これまで奴はマッスルゾンビを使ったバリケード破壊、地下道を経由させてゾンビの強襲(ただしこれは未遂だが)を行った。しかし、これは言葉を変えると、他人任せだ。効率が良く、確実で、犠牲も少数で済ませるなら、自分が陣頭指揮を執るのが望ましい。そして奴はそれをしなかった、それと合わせ俺と対峙した時、奴は不利を察知するとゾンビ達を犠牲にして逃げた。
コマンダーゾンビは、目が見えないが故に、側に生存者が来ると逃げる。ゾンビと違い知能もあるのと、戦えないが故の必然さなのだが、奴は違う。極彩色とはいえ、視えているのだ。
これらが奴を示しているような気がする。少なくとも、奴は人と真っ向と戦ってきた元人間ではないと言える。そんな人間なら、攻撃を与える機会、あるいは攻撃を仕掛けても十分な準備ができるまでは静観するだろう。つまりは、時間の猶予はある。けして多くはないそれを、最大限生かせば望む勝利は得られる。
その一つとなるアミューズメント施設の解放だが、山中が希望したメンバーは相棒と門日さんの2名。相棒はわかるが、門日さんを選んだ理由を聞くと、元々1人で各地を歩き回っていた力があること、万一の負傷の際素早い治療があれば、パラノイア戦までに回復できる可能性が高いこと。後は、探索組の人員を割くのを避けるのと、短期の任務なら警備組の負担も低いといったことからだった。
相棒は1つ返事で了承してもらえるだろうが、問題は門日さん自身と浜村さんの説得が必要だな。悪い案ではないが、骨は折れそうだ。
3月2日
警察署エリアの制圧作業は順調に進んでいた。しかし、パラノイアが大型駅にゾンビを集めているという情報もある為、いったん制圧作業は中断し、大型駅エリアに向かうゾンビ達を処理することとなった。
本来であれば、拠点に戻るといった悠長な暇は無いはずだが、誘導されてるゾンビを目撃した放浪者達が言うにはまっすぐ大型駅エリアに向かっている訳ではなく、フラフラとしていたとのことだった。推測だが、パラノイアは自分の、念のようなものが微弱でも届く範囲に向かって、集まるよう指示、というより呼びかけているといった具合なのだろう。
それに、放浪者も言っていたが、パラノイア自身操れる範囲や量に限度はあると想定できる。仮に、今都市中にいるゾンビが大型駅エリアに集結しても、その限度以上は留めておくのは難しい。それこそ呼び掛けを続けて、流出を止めることはできるだろう。しかし、それに集中しなければいけないなら、他に打てる手段は使えない。
そもそも大型駅エリア自体にゾンビはかなりの量いると想定できる。奴がその全てを操りきれるわけではない、前の包囲戦の時も本当の意味で全てのゾンビが襲ってきてはいなかったのだから。つまり、単純な戦力が少なくなるのを抑える為の手段であり、パラノイア自身もこの行為を本気では行っていないだろう。あるいは、その集めた戦力を使って何らかの攻撃に出るか。どちらにしても楽観できる事態ではないのは確かだ。
ただ、明日の任務について、自分はアミューズメント施設の解放のメンバーとして参加することとなった。屋内なら、ペガサスの威力を最大限発揮できるというのが、平山さんが選定した理由になる。自分個人としても、例の警備会社に眠る情報は、パラノイア攻略の鍵と踏んでいる。喜んで引き受けることにした。
探索組は本来のリーダーである放浪者が引き継ぐのだから、何ら問題はない。安心して自分も自分の役割を果たせるだろう。
3/3 担当蒲谷 朝
今日はちょっと冷えるかな。
地下道のバリケード作業には影響はないとは思うけど。
担当勝 昼
また雪降ってきた。もういらない。
喜んでるのはスライムぐらいだぞ。
担当フェイ 夜
雪がまだ降ってるね。寒い(震える人の絵)
そういえば、佐原さんが樽に物資入れて持ってきてた。中入ってみたいなー(樽に入った人の絵)
【怪力】
「じゃあ、錬浄さン。悪いっすがもう1ツの樽お願いスるっす」
「承知した…」ガシッ
「ふー、樽って意外に重イっす」
「………」
「錬浄さんはどうっすカ」
「重量がございますが…、持てる程度ではございますゆえ…」
「やっぱリ錬浄さんも力持チっすねー」
「………」
「軽く雪降る中、狼男と坊さんが樽を肩に担ぐ光景ね…」
「井門さんも持ちたいんですか?」
「んなわけないだろ、一ノ瀬…」
>>582
一番手っ取り早そうな方法よね。
>>583
ありがたいね。それでなくても量あって大変なのに。
>>584
イケイケ大将タイプではないってことだねぇ。
触れられた周辺情報(これ日版信長の野望)は、基本的にもう特に触れてません。
というか、それさえも並行すると更新どころじゃなくなる。
ただまぁ、せっかく作ってはいるので、情報として分解して、これ日内で
出る機会があったら簡単に今までの経緯をダイスで振って判定してから登場的な
感じではあります。
実はもう一部出てたりしますが。
乙!
江戸とかを舞台にした架空の伝奇モノだったらありそう>雪降る中、狼男と坊さんが樽を肩に担ぐ光景
思ったがパラノイアは動物系統が変異した種は操る事が出来ないのかな? 人限定?
ちぃと559日目は長くなるねぇ…。今日は判定結果の統合だけで終わりそうだ。
そりゃあまた……乙です!
天気は晴天。薄暗い曇りや、雨や雪と言った障害がある状態に比べれば、これから探索組が始める誘導されているゾンビの処理の任務は、楽なものになるだろう。もちろん、視界が良ければゾンビ側もこちらを視認しやすくなり、襲われやすいというデメリットはある。しかし、言った通り今回は処理がメイン、今はメリットと言っていい。
今回の探索組の構成は、山中が抜け代わりにハンターが入ったようなものだが、当人は1人の方が気楽だと単独行動をとっている。その方が彼の力を生かしやすい以上、放浪者はそれが賢明と判断して止めなかった。無茶はしないという約束はしている、この世界における約束は、何よりも重く、何よりも軽いことをハンターは知っている。
残ったメンバーはいくつかの組に分けて任務を開始する。放浪者は、小間城、風虎の2体で処理を進めている。ハンターのことは言えないが、彼もまた単独行動をする予定だった。ただ、それには理由がある。放浪者はパラノイアに脅威を認識されている存在。今回はまだ大型駅エリアから離れているとはいえ、もし彼と感知された場合、放浪者の周囲が最も危険性が高い。メンバーにその危険が降りかからない為の考慮だ。
だが、放浪者を群れのトップとして敬う小間城や、まだ幼い風虎にそんな理屈が通じる訳もなく、ここのところ分かれて行動していることもあって離れようとしなかった。結果、放浪者は諦めざるえなかったというところだ。
その上で、放浪者は2体の動きに驚かされていた。前々から一緒に行動していることが多かったが、そのコンビネーションは出来上がっていた。小間城の触手が相手を捕らえ、動きが鈍ったところを風虎が一撃を入れる。単純だが、獣の反射神経と身体能力が相まって強力なものとなっている。
2体は味方だからいい。しかし、こういったタイプのミュータントや生物兵器がそこいらをうろついている可能性を思うと、恐ろしい世の中になってきたものだと、放浪者は感じていた。
回る予定のエリアは探索を終え、処理も滞りなく完了した。予定時間にはだいぶ余っており、他の組の手助けでもするか、少し奥のエリアで処理を進めるか考えていた時、無線から声が聞こえてきた。
『聞…え…すか』
距離があるせいか、雑音が入り聞こえる音がかすれているが、平山であることはかろうじて分かった。返事を返した次の瞬間、銃弾のような音が聞こえた。
『生存……、敵……態…。ひ……だけ、こち…で、……んとかし…す』
「…了解した。準備出来次第急ぎ向かう」
聞き取れたとは言えないが、平山は自分達だけでなんとかすると報告したように感じた。当然彼が、そんなことを認める訳はなかったのと、覚が出発前に言っていたことを思い出して、フロートボードに乗って、まず探索組メンバーとの合流を急いだ。
アミューズメント施設内では銃撃戦が行われていた。相手は1人で、小柄なおかげか軽快な動きをしている。マシンガンのようなものは持っていないのか、単発的な銃弾が散発的に飛んできている。おかげで、目的の狸森の警備会社までの道のりの1つが封じられている状態だ。
幸いなのが、アミューズメント施設内自体に脅威となる変異体は少なく、回収組、佐田、山中、門日の5名で凌げるものだった。もちろん、この敵対的な生存者は想定はしておらず、護身用の拳銃程度しか今のメンバーは持っていない。距離に難はあるが、平山の持つブラストシューターが牽制に役立っている状況となる。
「切られてしまいました」
「まぁ、彼はその報告をした時点で来ない訳がありませんからね」
ブラストシューターを借りて応戦している山中が、涼しそうな顔で答える。トラブルがあった際に報告は必要と判断して平山が連絡を取ろうとした時点で、メンバーの中で彼を最もわかる彼女がこの展開を予想できないはずがなかった。
「もー、あいつなんなんスか!」
「ふん。口を動かすな、目の前のゾンビをやれ」
当然銃撃戦などしていれば、ゾンビはその音に引かれてこちらにやってくる。それを2人が抑え、門日が更に後方支援している。門日は1人で各地を回っていただけあり、なかなかの戦闘力を持っている。しかし、衛生兵の役割を持つ彼女を前線に立たせられない以上、この布陣が妥当だった。
そのゾンビだが、小柄な生存者の方にも近づいているものの、素早い動きで対処している。中々に場慣れしている印象を山中は受けた。ただ、構えなどからすると射撃にも覚えがあるようだが、互いに決定打を与えられない状況から得意とはしていないのか。と言ったところまで、山中は分析している。
「平山さん。とりあえず、他経由であっちには行けないのかい?」
「このフロアから行ける道は封鎖されています。別の階に移動してからならできるとは思いますが、保証はできません」
しばらく、撃ちあいも小康状態になってきている。こちらはブラストシューターのおかげで弾薬をそこまで気にしなくても済むが、相手方はそうはいかないだろう。撃ち返す弾丸は少なくなっている。ブラストシューターのある程度のものならなんでも強力に発射できるというメリットがこの状況で生きた。
「挟み撃ちにする必要はありません。放浪者が来るまでは、あの場所から身動きできないようにすればいいだけです」
通常なら、不要な消耗はしないように行動する。それは山中達も同じであり、敵対している生存者も同様のはず。単純にいくなら、この先に行かせたくないと考えていることだ。理由は幾らかつけられる。その先に何らかの物資がある、怪我をした仲間がいる。後は、隠したい何かがあるかといったもの。
平山と山中は確信している。あそこにいる生存者が、一介の存在ではない。覚からの情報とこの場所の目的を統合して、2人は判断し目配せして互いの意見を一致させた。
>>591
そしてそのまま馴染みの店に行って、蕎麦をたぐる2人の姿が。うん、そんな光景も見たことないな。
>>>>592
パラノイア、というか基本的にコマンダーゾンビ類で操れるのはゾンビ限定です。実のところ変異体も操れないんだけどもね、普通のは。
まぁ、パラノイアとはまた別の亜種とかはしでかしそうだけども。
>>594
ダイス様もうそろそろ落ち着いてくれんかなー
さて、いつも通り残りは明日ですが、明日も多分終わらない。大体の勢力、主要人物でイベント発生ってどういうことなの。
乙!
あちゃ~、そりゃ忙しくもなりますわな。何が起こるかワクドキしてますかねっと
悪いことじゃないと良いけど
乙 この生存者との接触は貴重そうだけどさあどうなるか
ダイス様「男とダイスは、落ち着いたら死ぬだけだ」
???「おばあちゃんが言っていた……男はクールであるべき……沸騰したお湯は蒸発するだけだ。」
小柄な生存者は舌打ちしている。この場所に目的があって潜入した。アミューズメント施設はその施設内以外は綺麗にゾンビの処理がされており、それ自体は簡単なことだった。しかし、今にして思えばあそこにいる連中もここに潜入するのが目的だったようだ。
銃の弾数が少ない。これ以上の打ち合いはこれからの任務遂行において、致命的な結果を招きかねない。相手も銃撃戦を仕掛けてきているが、音が火薬のものではない。状況からしてタンクか何かを利用した空気銃、それも連射可能という具合だ。こちらに飛んでくる、発射しやすく加工した弾が壁にめり込むところを見ると、十分な威力なのは想像できた。
不意打ちを仕掛けたのは小柄な生存者からだった。しかし、それが最悪の結果として今の状態に至っている。
『はぁい、サルファ生きてるー?』
のん気な声に、舌打ちで再度溜まった苛立ちを誤魔化す。
「カミロの野郎追ってたらこれだ」
『あららー。残念ねー』
はっきりいって残念どころではない。前の生存者に寄ってくるゾンビも対応しなければならない。インカム式の無線だから手は塞がらないが、可能ならば会話をとりやめて投げ捨てたい気分だった。
『ちなみにだけど、今戦ってるのは、あの人達?』
「だったらいいんだけどな」
無線の奥で考えるようにうーんと聞こえてくる。相手がどういう人間か知ってる、サルファと呼ばれた生存者はまたしばらく銃撃戦に転じて時間を稼ぐ。相手も馬鹿じゃないようで、突撃してくる様子はない。自分と違い数人で行動していたから、挟み撃ちにしてくる可能性も高いが、能天気に寄ってくるなスと叫ぶ声を聴く限り、まだ団体行動しているようだった。
『仕方ないかー。そこの情報は諦めましょ。誰の手に渡っても大丈夫、かなー』
「はいはい、俺は逃げますよ。クソったれ」
そうと決まれば話は早い。持っていた手榴弾を通路に投げつけて、そのまま階段を下りる。ボシューと何かが噴射される音を聞いてから、生存者は2階のわれている窓から外に飛び出していった。
小柄な生存者が脱出した後、平山達も急いで外に出ている。せき込み、涙ぐんでいるのが山中とフェイ。生存者が投げた手榴弾は催涙弾であり、すぐに逃げたのだが僅か吸い込んだ山中とうっかり突っ込んだフェイがその被害に遭っていた。幸い、門日の診立てでは軽度の症状であり、いったん外に出て痛みや熱を感じる箇所を持っている水で洗い流していた。本来なら流水がベストだが、そんな便利な水道はない。
「…大丈夫か」
フロートボードで急行した放浪者が、メンバーの元に降り立つ。2人の様子を見ても冷静な態度で、起きた状況を確認している。
平山がこれまでの活動状況について報告する。まず、2人の状況についてと、それまでの回収組の活動、アミューズメント施設の状況。その間に、2人も多少落ち着いた様子を見せていた。ひとまずは大事に至らなかったことに全員胸をなで下ろす。
その時、平山が持っている携帯が震える。着信に表示されているのは、文字化けした名前だった。少し恐る恐ると言った様子で彼女が通話ボタンを押す。
『ヒッヒ、平山さんかーい。今、井門の兄さんと繋がってるんだが、話せるかーい』
頼みますと言うと、しばらくしてから井門と電話がつながる。彼にも状況を説明して、今後の方針に関する相談の為、彼女は携帯を放浪者に手渡す。
「…探索組の任務はそのまま続行だ、俺は念のため回収組と共に拠点へ戻り次第、もう一度合流する。症状の程度は門日さんが見ているから大丈夫だが、建物内に催涙ガスが蔓延している以上、今日のこれ以上の探索は無理だからな」
『わかりました。放浪者さんも無茶、しないでくださいよ』
考えておくと言って、彼は電源を切り平山に返す。この携帯は、無線が使用できない状況で利用する為の、一種の緊急回線。今回の場合、無線があまりにも聞き取りづらかったこともあり、放浪者がサポートチームに連絡して、三者間通話を行った形だ。
「…さて、俺は上空から例の生存者がいないか偵察する。慎重にな」
いつも通り、それだけ言って放浪者は上空へ飛んでいく。2人も落ち着いた様子を取り戻しているのを門日が確認し、回収組は一路、拠点へ戻るために進み始めた。
>>598
判定後にまた細かく判定があるから鈍行状態やねぇ
>>599
はてさて。
>>600
中々何かありそうです
>>601
ダイス様が落ち着いてくれないと判定できません
>>602
おばあちゃんがクールな気がしないでもない
559日目はまだまだ続くよ!
乙!
一旦大事無くて良かったぁ~
しかし、そこにある情報は価値が低いみたいだな。残念だ
五百五十九日目
慌ただしい一日だった。パラノイアに呼び寄せられているゾンビの処理と並行し、回収組はアミューズメント施設の探索に向かったわけだが、そこで謎の生存者と遭遇した。しかし、その遭遇自体は、ある程度は想定済みのものだった。
俺達が出発する手前で、覚が呼んでいると勝が呼び出しに来た。集められたのは俺と相棒と平山の三人。集められた経緯はシンプルで、危険度の高いと考えられる生存者が都市に紛れ込んできているという報告だった。それも、例の元WWPであるカミロの追跡者ということだった。
不要な動揺を避けるために、その情報は俺達三人にのみ伝えられた。拠点に来る可能性は当然聞いたが、都市内にあるWWP関連の施設へ向かっている為、それはないと断言した。
俺達はあえて準備はせず、いつも通りの装備で任務に向かった。理由は簡単だ、その生存者はWWPの者なのはその時点でほぼ間違いなく、俺達が何かを知っている生存者と勘違いさせる訳にはいかなかった。だからこそのいつも通りだ。
当然、俺がすぐに回収組に急行したのもそれが理由だ。時と場合によっては仕留めるつもりだったが、思いのほか軽い交戦で撤退してくれて助かったな。いかんせん、そいつに見つからないようフロートボードを使うというのは、骨は折れたが。
ただ、これではっきりしたことはある。その生存者は明らかに狸森の警備会社へは行かせないよう攻撃を仕掛けてきたと取れる状況だ。カミロを追跡しているなら、何も俺達に遭ってすぐに攻撃を仕掛ける必要はない。明らかにここいらでは目立つ、黒人はいなかったかと情報を引き出してもいいだろう。
そういった事をしなかった以上、例の警備会社には情報が眠っている。それが俺達に役立つかはわからない。少なくても、奴らにとっては明け渡して良い情報と判断したようだがな。でなければ、今頃WWPの捜索隊でもわんさかやってきているはずだ。
引き続き今の二つの任務は継続するが、WWPが絡むなんてことはないことを祈るしかないか。まぁ、パラノイアにわざとぶつけてやってもいいだろうがな。共倒れしてくれた方が、俺達は助かる。
レポートNO.143
井門圭司
今日もいろいろあったな。なんでも敵対的な生存者と回収組が遭遇、山中さんとフェイが催涙ガスに軽くやられたらしい。門日さんの診断で、すぐに症状は収まる程度の軽微ってことで、今は2人ともピンピンしてる。
そんな訳で、回収組の本格的な警備会社の探索は明日からってことらしい。その生存者を抜かせば、内部は回収組の活動もあってか大した変異体もいないらしいから、多分すぐ終わるんじゃねぇかな。
放浪者さんが言うには、相手はWWP関係者みてぇだな。今回の交戦でまたこのエリアに部隊が来る可能性はあり得る。まずい状況なわけだが、あの人はそれならもうとっくの昔に来ていておかしくないと否定した。俺としては、しばらく警戒すべきだとは思うけど。あの人の勘は、いやってほど当たるからな。
ただ、聞いた感じ部隊単位で動くWWPが単独ってことは、それなりに実力もあってただの歩兵部隊の兵士じゃねぇだろうな。特殊部隊に属する人間で何らかの任務を帯びてる。と考えていくと、あの黒人さんか。
放浪者さんは何も言ってねぇが、多分当たりだろ。言わねぇのはその警備会社の情報がわかり次第の告知ってことだろうな。覚が気づかねぇ訳ないし、それにあいつの力を知ってる奴と知らない奴もメンバーに混じってる。だから、情報を見つけた形をとるんじゃねぇかな。
そんな訳で、俺もそれまでは沈黙を続けるまでだな。
業者が夜やってくるのは珍しい事だった。いつもは昼間にやってきていたのだが、トラブルがあって拠点に来れたのが今の時間という説明を、社長はする。拠点側としてはそのことは特に問題はない。敵対行動でもなければ、必要物資を得られる機会は貴重なことだ。
応対は喜読がしていて、その後ろに放浪者が立っていた。彼らが来る時間帯は任務で拠点にはほとんどおらず、その上、他のメンバーに比べれば拠点を留守にしがちなリーダー、それが放浪者だ。となると、話だけで聞いている交流のある人物を確認する機会があれば、それを無駄にするはずもなかった。
「はい、はい。では今回の取引はこの内容で契約ということですねぇ。ありがとうございますぅ。あ、お客様が放浪者様でございますかぁ? ご高名はかねがね、皆様より伺っておりますよぉ」
それは社長も同様のこと。初めて見る人物の観察眼は、商人として鍛えられたものを放浪者は感じていた。とりあえず、喜読にアドバイスをもらっていたビジネスライクな対応で、そうだとだけ答えておく。
笑みを張り付けた社長の顔を、無表情で放浪者は見る。行商としては信用できるが、それ以外の部分の信用はできないだろうなと踏む。
部下達の物資収納が終わったのを確認して、社長は装甲車に乗ってまた遠くへと走り去っていった。こんな時代に危険と隣り合わせのこの活動を続けるのは善意なのかはわからないが、少なくとも自身に利益があると判断していることは間違いない。
「…放浪者さんは、あの方達をどう思われましたか?」
その言葉に、様々な意図を含めているのはわかることだ。自分の言葉で、拠点は行商とどう交流すればいいかが決めるのと近いことになる。自分の意見をもとに、彼女は彼等と応対するということなのだから。
「…喜読さんが言った通り、ビジネスライクにやってくれ」
質問とはずれているとも取れる解答、だが喜読は放浪者の言葉にわかりましたと告げて頷いた。
>>606
非致死性というだけで、かなり痛いねぇ。催涙ガス。
さて、まだまだ続くよ。五百五十九日目。
乙!
夜からも何かあるのか。うへぇ
行商の対応を放浪者と喜読がしている間、大詰めを迎えていたシャワーの設備の開発を、ここのところ根を詰めて作業している蒲谷と佐田が、試験テストを開始していた。今回の実験はポンプと蛇口が正常に機能するかのチェックであり、これが終われば拠点は気兼ねなくシャワーを使った衛生管理ができるようになる。
蒲谷はもちろんのこと、佐田も機械工作に自信のある彼だったが、あまり手掛けたことがない分野ということもあって、考えていたよりも時間がかかった。
貯水タンクから、加熱・保温のタンク、つまりボイラーを経由してシャワーとして流れる構造を作る規模のもので、しばらくの間五右衛門風呂は必要ない。というよりもぜいたく品に変わるだろう。それが贅沢ではなくなるには、新たな水道施設を作らなければいけない。ある意味では、これはその一歩とも言える。
小型発電機を動かして、始動させる。うまく水が流れていけば貯水タンクからボイラーに水が入り、溜まった温水は下の浴室に流れてシャワーを浴びることができる。いつも通りの厳しいまなざしの佐田と、いつもとは違う鋭いまなざしの蒲谷がそれを見守る。
結果は最終チェックを無事に完了し、シャワーの機能を作ることができた。2人はそれを確認してから、握りこぶしを作り軽く合わせた。
「後は、排水作りだけだね。うん」
「ふん。バスタブをどこかから調達すればすぐだろう。ショールームあたりでも探すか」
もちろんシャワーはもう使うことができるが、2人は引き続き浴室改良の為に活動を続けることを決めた。
「あら、ミーナさん。いはりよったんですね」
隠れアジト周囲の巡回任務が終わり、戻っていたミーナと西村の2人だったが、相変わらずというべきかまだ関係がギクシャクとしているところだ。この間の全員周知の為の集まりや任務中以外で2人が同じ空間にいることはほとんどないと言っていい。
ミーナもたまたま食堂に飲み物を取りに来ただけで、西村は情報提供者の件をDJフレンドと話そうと探していたのが、鉢合わせしたというところだ。
「…何?」
言葉数は少なく、威嚇するような雰囲気を出され、いつも通り彼は困惑する。人の良い彼が誰かの文句を言うことはまずないし、人当たりもいい。少々特殊な人間が多いこの勢力に置いて、彼がすぐ馴染めたのもその気質あってこそだった。
だからこそ、その理由は西村含めてメンバーもミーナがこういう態度をするかはっきりわからないでいた。DJフレンドはファイブキラーから聞いた彼女の家族の話と、ミーシャは何か勘付いてはいるようだが、西村だけは思い当る節もない。
「いやぁ、用がある訳やないんですわ。フレンドさん探しておりますよって、どこにいるかわかりますか?」
ぶっきらぼうに、音入れで編集室と彼女は答える。別に罵詈雑言を言われる訳ではない、というのがまたややこしいことになっている。話をしようと思えばできるし、それを拒否されることはない。ただ、妙につっけんどんというか、やはり威嚇しているような態度があるだけなのだ。
「……、前から聞こう思おてたんですが、自分、ミーナさんに何か嫌なことしよりました?」
「別に、西村さんは、何も悪くないよ」
ふいと、顔を横にそむける。自分が悪くないというのが本当かはわからない。ただ、会話が得意な西村は話を続けられないことを察知して、お礼を言って食堂から去っていく。
「………、はぁ」
洩れたため息が、彼が聞き取っていたかは、定かではない。
「あぁ、了解。報告助かるよ、じゃあね」
千護は携帯を切る。ビジョンから拠点の状況について報告を受けていた。すでにパラノイアとの戦いに向けた準備が行われていることは知っており、今回は2度目のWWP関係者との報告を受けたところだ。
偶然なのかはわからないが、今WWPで何らかの動きが起きていることを想像させた。レジスタンス関係者の2人組、その傘下に入る為追いかける元WWPメンバーと、それを追跡するWWPの恐らく兵士。またろくでもないことにならなければいいが、というのが千護の意見だった。
「ほ、放浪者達。だ、大丈夫かな」
「輸送ヘリとはいえその部隊を叩き潰した連中だぞ。心配するだけ無駄だろ」
今回放浪者がその追跡者を見逃したのも、手出しをして拠点の危険に晒すことを避ける為と判断できる。そこいらにいる生存者と交戦した、というだけならWWPの人間なら見向きもしないだろうし、その上攻撃はそいつから仕掛けたもの。尚更印象には残らないだろうと考えられる。楽観はするのは危ないが、大きな事態ではないと言い切れる。
それに、話に聞いている財閥がWWPに関わってる件は、千護達にとっても興味深い情報だ。もしかすればアビスに関わっていることも考えられるし、その活動に関しては期待している。その上で、そいつが狸森の警備会社へ侵入させようとしなかった件は、有益な情報があるとできる材料となった。
「明日に期待だな。何かみつかりゃいいが…」
出来れば今いる新興都市に、アビスが間違いなくあるとわかると楽だなと、千護は少し思った。
乙!
シャワー完成か!これでまたちょっと士気が上がるね!
例の生存者はうち捨てられた大型トラックの中にいた。運転席側の出入り口は高く、ゾンビは昇ってこれないのと視線に入りづらいこともあり、短期間のシェルターとしては役立つ。
『はぁい、サルファ生きてるー?』
「今、アンタをどう殺すか考えてたところだっての」
配給された缶詰を食べながら、サルファは答える。相手はひどいわねと返しながら、特に気にしていない様子だ。
「そんで? カミロの情報は?」
『さー? 多分、西じゃない? どうせこの追跡任務なんてろくなもんじゃないしー』
ケラケラと笑う相手に、無線を投げ捨てたいという欲求を抑えることに必死で、サルファは言葉をすぐ返せなかった。この無線は連絡を取るための唯一の手段。なくなれば援助も受けられず、最悪は自分もただの生存者と変わりなくなる。
いや、それは少し考えづらい。無許可離脱をしたとして、追われる身になると考える方が無難だろう。
「西ね。それはどこまでだ? 京都? 広島? 長崎? それとも沖縄か?」
『ふふ、怒らないでよー』
冗談は言ったが、サルファは事前に受けた資料で情報をいくつか持っている。カミロはWWPに敵対した、その結果いくつかの情報を抜き出して消去し、最高機密のプロジェクト結果を逃がした。そう聞いている。
サルファは傭兵であり、カミロが行ったことに興味はない。言うなら、面倒なことをしてくれたそれぐらいしかの印象。傭兵のすべきことは対象の破壊、殺人であり、関心を抱く必要はない。そう。
『あの人がおかんむりだからねー。とりあえず、追いかけられるだけ追いかけてよー』
無線の先にいる相手に教えられた。彼はそれを忠実に守っている。何事もビジネスライク、一定の距離を保つことが求められる。例え、当たりがゾンビまみれになっていようが、雇用主の依頼は守るべきものだ。
「はん。了解。寝るから黙っててくれ」
トラックの後部座席で横になる。長距離運転が多いこの手のトラックは、運転手が仮眠の為に毛布が用意していることが多い。このトラックにも、ありがたいことにあった。少々汗臭いことなどは、普段の寝床よりもゆっくり眠れることに比べれば些細なことだ。
サルファはゆっくりと、何も考えず暗闇の中に意識を落としていった。
【祝・シャワー】
「…そうか。できたか」
「シャワーとしてはもう使えるよ。うん。ただ、ここは急きょ作った小屋だから排水設備が必要だね」
「…なるほど。連続して使えないということか?」
「あんまりいい影響はないかな。うん。畑も近いし、浴びるだけしかまだ使えないよ」
「…使えないよりはマシだ。次はその排水設備とやらか?」
「うん、そうすればボディーソープとか使って身体も洗えるしね。これでいい衛生状態をキープできるかな」
「…重要だな」
「早速使ってみるかな。うん」
「…いや、俺よりも他のメンバーに使わせてやってくれ」
「うんうん。まぁ、夜も遅いから、明日皆に告知するよ」
「…そういえば、佐田さんは?」
「完成祝いで保安官のところに呑みに行ったよ。うん」
「…やれやれ」
【ひりひり】
「ん~…」
「こするな、フェイ」
「だいぶ無視できるようになってきたスが、違和感が取れないス」
「催涙ガスでよかったと思え、もしかしたら神経ガスといった毒ガスだったかもしれないだ」
「おおう、怖い事言わないでほしいス」
「相手はWWPの相手だ。混乱を避ける為言わなかったが、言われなくても普段から慎重にだな…」
「でも山中さんも吸ったス」
「彼女は別だろう。そもそもお前は何なんだと突っ込んだだろうに…」
「だって興味あったス」
「はぁ…」
「むぅ、そもそも悪いのはあの生存者ス!」
「次にやったら、料理番外してもらうよう、放浪者さんに言うぞ」
「ぬぐぐ、卑怯ス!」
「それぐらいの覚悟をしろ。私は…、フェイに死んでほしくないだけだ」
「あ…、ごめんなさいス」
「わかればいい」
俺も放浪者と繋がった仲間達に死んでほしくないぞ!
『OK、山中、ハッキング装置の調子は悪くねぇ。俺様の出番だな』
回収組はアミューズメント施設内にある、例の狸森の警備会社にたどり着いていた。内部のゾンビはだいぶ落ち着いている。元々、回収組が突入の為に準備している際にゾンビ処理も当然していたが、その時に内部にいたゾンビが出てきていたのも処理していたのだろう。
交戦したWWP絡みの生存者、それはすでに覚がこの地域を離脱したという話は聞いている。しかし、危険を回避する為、ハックするサポートチームとのやり取りはビジョンを通し、昔使っていたハッキング装置を通して行われている。無線のやり取りを傍受されるのを避けるためだ。
ハッキングも十分危ないことだが、サポートチームはずっと前から仕掛けていることだ。そのことが行われたこと自体は、傍受されることよりは危険度は低い。もちろん低いだけで、下手に見つかればかなりまずいのは変わりないが。
警備会社はそれなりに広い。3階から5階まであり、アミューズメント施設以外にも都市自体全体のビル警備を担っていたらしい。詳しい都市情報を得られる可能性は高い。なにせ、そういう情報、例えば監視カメラの位置といったものを、警察機関に提出している。例えばその監視カメラの情報、大型駅エリアにあるものを調べ出し、安全に内部を偵察することもできる。
『ははーん、やっぱり関与ありみてぇだな。例の風虎が見つかったとこの情報もありやがるぜ』
この都市に合ったWWPの地下施設。狸森が、いやここの警備会社がWWPに関与していたことは間違いない。今後はこの警備会社、ADW社については調査を続けるべきだろう。山中はそう判断した。
五百六十日目
ゾンビの広範囲によるゾンビ処理の任務は継続中だ。平行して、いくらかの物資を見つけることもできたのは嬉しいところだが、遊撃という観点からそれぞれの連携が甘くなるところは危険性をはらんでいる。ずっと行う任務ではないとはいえ、その部分の緊張をメンバーに持ってもらうよう言う必要はある。
まだ、パラノイアのゾンビ招集は続いている。そのおかげもあってか、ゾンビ自体の、何と言えばいいか集中力は散漫としている感じだ。普段なら気づく可能性があることでも、導かれるようにウロウロ歩くことを優先する為処理しやすい。そういう状況も加味して、緊張感を持続する意識は重要だ。
その招集がいつ終わるかわからない。もしかすれば任務中にそうなる可能性さえある。となると、調子に乗って処理し単独になった場面で運悪く囲まれ、ということも想像できる部分だ。
もちろんこの状況は利用価値もある。処理するだけならこれだけ好都合な状態もない。今の間にゾンビを処理すれば、緩衝地帯の維持も容易になってくる。言うまでもなく、かなり骨の折れる広範囲にいる、フラフラしたゾンビを処理するということだがな。
さて、回収組が行った例の警備会社の探索について、やはりWWPに関連があった。あの地下施設の情報もあったらしい。都市全体を警備していたということもあって、都市情報の詳しいものは大幅に得られた。後はサポートチームによる分析を待ち、それを基に侵攻ルートを検討することになる。
ADW、All Defence Wide社か。今後この会社は調査対象だな。
一ノ瀬DIARY Mar.5
パラノイアに呼び出されてるゾンビを処理は進んでる。大きな問題はないけど、範囲が広いから結構大変。ゾンビがぼーっとしてるから、戦闘面は楽なんだけど。
ガンガン戦えちゃう藍ちゃん、佐原君。そのせいもあって1人になっちゃってることが多いかな。見かけた放浪者さんが、強めに怒ってた。
まぁ、ちょっと羨ましいかな。私はそういうこと絶対できないから、井門さんと一緒にいること多くて、誰かと言いないとダメだし。
前に出て戦うことがいいなんて思ってないけど、もうちょっとこう、自分の身は自分で守れるぐらいに強くならないとなぁ。
3/5 担当浜村 朝
シャワー出来たんだってね。
折角だから入りたいわ。
担当三間 昼
本当ですか、やった。
軽く浴びたいことあったんですよね。嬉しいな。
担当平山 夜
これで衛生面も改善されますな。
本日は山中殿、フェイに浴びたようです。
【祝・シャワー2】
「………」シャー
「…少し寒いですけど、こうやってお湯を浴びられるのはいいですね」シャー
「………」シャー
「はぁ…」シャー
「最近、放浪者さんと活動できてない気がしますね」シャー
「やることが増えたから、仕方ないんですけど」シャー
「………」シャー
「……そろそろフェイちゃんに変わらないと、ですね」キュッ
【祝・シャワー3】
「シャワース! 最高ス!」シャー
「………」
「EVEは浴びれないスか?」シャー
「防水機能はございますので、可能でございます」
「ほほー」シャー
「………」
「ふんふんふふーん♪」シャー
「………」
「気持ちいいスー」シャー
「………」
「あ、そういえばなんでEVEがこの中にいるんス?」シャー
「平山様より、変なことをして装置を壊さないよう見張りを頼まれました」
「ひどいス!」ガーン
>>619
まぁねぇ・・・。でもこれは、それを約束できないものだからねぇ。
>>623の訂正(これ以外にもたくさんあるけどな!)
×本日は山中殿、フェイに浴びたようです。
○本日は山中殿、フェイが浴びたようです。
乙!
風虎情報まであるとは、最近まで活動してたって事か……どうなるやらねぇ
アミューズメント施設とADW社の情報収取を含めた最終処理が進められていた。残されていた物資の一部には、拳銃程度だが火器も隠されていた。有事の際に備えだったのだろう、保管されていた棚はその武器がいくらか持ち出されている状態だった。
ただ、情報はないだけかもしれないが、警備員が銃を持っていたと言ったものは見かけたことはない。ここの社員だけが、惨劇時にWWPの研究所と言った重要拠点へ移動したのだろうか。この施設の中にも、社内にもそれらしいゾンビも死体も見受けられなかったのが答えか、平山はこの場所をそう分析していた。
それに、ここの解放だけで終わるような事態でもない。デジタル化された情報分析はサポートチームで行うとして、アナログな書類の情報は平山が行う。ADW社だけではない、紐づくように連携していた会社は存在している。財閥に組するとはいえ、たった一社で出来ることは限られているし、あの地下にあった施設はWWPが主体に動かしていたと思われるが、秘密裏に運営を続けるのは限界がある。
社内の書類が散乱して、シュレッダーが詰まった状態が目立つ。恐らく慌てて情報隠ぺいを図ったからか、一部の端末も持ち運ばれた形跡もあった。今後のことを思うと、少々難儀しそうだが、始めた当初の手さぐりに比べれば十分現段階の方が楽なものだった。
考え事をしている間に、いつの間にか佐田が側にいることに気づき、平山は警戒が足りないなと気を引き締める。彼はどうやら、先ほど確認したバネなどの部品が入ったトランクの中身をしゃがみこんで見ていた。
「……ふん、なるほど、な」
うんうんと納得した様子でトランクを閉めて、彼は平山の方を向いて、井門の銃器の知識は間違いないかと尋ねてきて、防衛軍として一通りのものは持っていると答えた。
「レジスタンスもそうだが…、どうやって銃を密輸入していたかは気になっていた。それでなくても前の時代は、第三次世界大戦の機運から国の武装でもめていた。ようやっと防衛軍を立ち上げられたぐらいだからな。その代わり、民間での取り締まりはきつくなった。が、裏道はある。部品だけなら日本は堂々と輸入できた。ふん、持ち運んでゆっくり組み立てていたというところか」
彼の視線の先に合った先ほどのトランク、平山は気づかなかったが、佐田はあまり使われない部品でかつ警備会社にそんなものがあるのが気になり気づいたようだ。
「師匠、流石ですね」
「ふん、伊達に機械工作とは関わってない。だが、俺も確信とは言えん。まず井門に見せるのが先決だ」
閉めたトランクを持ち上げ、物資を入れる一時集める場所へ佐田は持っていった。
五百六十一日目
大規模遊撃処理についてはトラブルは発生していない。だんだんと招集されるというか、パラノイアに招き寄せられるゾンビ達の姿も少なくなってきている。これは長くても数日程度で終わるだろうな、奴も無駄に呼び続けるということはしないだろう。
今までバリケード破壊や、地下道を通って襲撃をかけようとしたゾンビの補給、後は大型駅エリアのゾンビを再配置しているのかもしれないな。あいつはすでに、地下道から潜入を防ぐ為、そういったルートにゾンビを多く潜ませている。佐原が見て確認している以上、それは間違いない。
それに地下道なら支配範囲外でもそこに留めておくこともできやすいだろうし、例の暗示を使っていると思われる命令を組み合わせれば十分だろう。そういう意味では、奴は俺達が侵攻した際に自分に有利な状況作りをしていると考えるべきだろう。
それまでは攻撃を仕掛けてくるとは考えなくてもいい。俺達は侵攻が失敗した際、あるいは攻撃を受けた際の防壁となる緩衝地帯の確保を、今のうちに進めるだけだ。
後は、アミューズメント施設内のADW社の中にも武器の部品が見つかった。井門が一番喜んでたな、これでメンテナンスがはかどると。ただ、かなりの量があるなら、研究所に持っていってもいいかもしれない。シンプルに新たな銃器の開発、というのも悪くないだろうしな。
回収組はアミューズメント施設の探索は進んでるようですねー。
ADW社にも、銃器があったようです。これはすでにWWP関連ありなので、驚きもしませんけども。
やり手の狸森だけあって、他の警備会社を併合してかなーり煙たがられた会社。というのは覚えてますねー。
先輩もネタになりそうだなとは言ってたかなー。
記憶では確か、企業相手の警備事業展開で、一般個人は相手にしてなかったような。
わかることと言えばそれぐらいですかね。
後はシャワーの設備が整いましたよ。拠点がますます近代化していきますね。
でもあんまりまだ使わない方がいいとのこと。排水ができる状態じゃなくてそのまま地面に垂れ流しになるから、とのこと。
それも完了すれば、水量さえ許せば使い放題ってなわけですね。
本体に使いたい放題にするなら、どっかから水引いてこなきゃですねー。
【火器庫が充実する不思議】
「結構いい状態で部品残ってやがるもんだな」
「ふん、使えるならよかった」
「なるほどね。部品だけなら問題ねぇってことか」
「だろうな」
「今までは、壊れた銃をバラして状態のいいのだけ集めてたが…。メンテナンスがはかどるな」
「まだ、あの場所に残っているようだが、全て必要そうか?」
「あぁ、できりゃあ俺も見にいきてぇな…。放浪者さんに相談しねぇと」
「ではな。俺は寝る」
「どうも、佐田さん」
【記者】
「どうもですー」
「どうしましたか、西切さん」
「特にご用とかじゃないんですけどね」
「そうでしたか。もしかして放浪者さんでもお探しでしたか?」
「遠からずかも知れませんよ」
「何か、トラブルですか?」
「いえいえ、そういう訳じゃないですよー」
「そうですか…」
「ちなみに、ですねー……」
「どうしました。西切さんらしくないですよ、歯切れが悪いのは」
「そう思います? まぁ、悩みとかじゃないんで安心してくださいな」
「それないいのですけれど…」
「(うーん、放浪者さんとの仲はいかがですか。と聞くだけではありますけどねー)」
乙!
そりゃ聞き辛いわそんなもんw
ただ聞きにくいだけなのかそれとも…
探索組による広範囲の遊撃処理は進んでいる。日を追うごとに、招集されるゾンビの数は減っていて、集まっている周囲は意図しない空白地帯。一種の緩衝地帯のようになっている。その地帯から奥、ゾンビがいるエリアがパラノイアの支配する区域であることを示しているかのようだ。
錬浄はその区切られた向こうのエリアを見ていた。足元には処理し、ゾンビが丁寧に並べられている。すでに供養は済ませており、後は亡骸を火葬するだけの状態だ。
錬浄、そして組んでいる西切、一ノ瀬が担当しているエリアは予定よりも早く任務が終わった。2人は余った時間で探索をし、錬浄はゾンビの供養がてらその緩衝地帯に動きがないか見張っている。
身じろぎもせずに向こう側を見続ける錬浄は、まるで不動の岩を想像させる。その場に留まる彼からは、強烈な存在感を持っているにもかかわらず、そこにいること自体が風景のように当然のよう。矛盾した2つを併せ持っている。
それに招き寄せられたように、1体のゾンビ。いや、変異体が歩み寄ってきた。肌は色白で、通常のゾンビよりも見た目は綺麗な状態。かなり以前で錬浄も思い出すのに時間はかかったが、ハンターが遭遇したことがあると言っていた、バインド、そう呼ばれる変異体。そしてその特徴を思い出し、彼は横に跳躍する。そうすると、彼の横を高速で高音が通り抜け、そのまま後方、5mぐらいにあった自動車のガラスが割れた。
よく見ればバインドは口を開けている。コールゾンビの亜種であるバインドは、あり得ないことにその声量に指向性を持たせ、打撃のように叩きつけることができる。そして、その音の打撃も高音を発している為、周囲のゾンビを集めてくれるというおまけつきだ。
ゾンビの件はすでに処理を終えたエリアということもあり、危惧するまででもない。しかし、その打撃の本当の脅威は、音という性質上。
「………!」
思い切り殴られたような衝撃が彼の左肩を打つ。その攻撃は当然見えもしないし、速度は文字通り音速。その打撃の威力自体は、彼の屈強な肉体では大したことではない。普通の生存者でも、ある程度は耐えられるだろう。
だが、バインドの真価はそこにはない。音に指向性を持たせることにより、移動する。それは通常のコールゾンビが中心点から音が広がるのに対して、移動する分更に広範囲に音は届く。つまりより多くのゾンビを呼び寄せることができる。そして、同時に逃げる生存者はこの回避が難しい音速を避けなければならない。当たり所が悪ければ転倒、追い打ちをかけられれば身動きが取れずに食われる羽目になるだろう。
パラノイアの特異性が目立ち、そのことに注目されるが、今まで現れた変異体の亜種も、十分に脅威。
錬浄は錫杖を鳴らし、そのままバインドに突撃を仕掛ける。動きを読まれないようジグザグに素早く動く、たったそれだけでも、彼の身体が屈強であることを感じさせる。目で追えないバインドは攻撃を外し、音は四方へ霧散していく。
確かに、変異体は亜種でなかろうと存在自体が脅威だ。しかし、その脅威を生かせなかったら。音による見えない高速の攻撃、広範囲からのゾンビを招き寄せる高音。それらを取り去ってしまえば、そこにいるのはなんなのか。
バインドは錬浄の素早い動きに対処できる身体力を得た訳ではない。当然、翻弄される。攻撃を定める為に音が出せなければ、ゾンビは集まりようがない。ならそこにいるのは、ゾンビでしかない。
真正面から来た錬浄に対し、攻撃を仕掛けようと口を開け、その中に錫杖が頭部目がけて突き刺さる。ビクンと痙攣した後、バインドは身動きをしなくなった。ゆっくりと錫杖を抜き、彼はすでに並べられたゾンビの横にバインドを丁重に起き、経を唱え始めた。
五百六十二日目
大規模遊撃処理において、本日バインドとの遭遇したことがわかった。美尋のグループで、錬浄が交戦したようだ。肩にその攻撃を受けたらしいが、門日さんいわくカルテにするまでもない状態と言っていた。錬浄の身体は佐原並の特別性だからな。バインドは相手が悪かった、としか言えないだろう。
それ以外において、とりあえずのトラブルと言ったものはない。錬浄の件はトラブルではあるが、結論亜種を処理出来たということだ。むしろ喜ばしい事だろう。パラノイアとの決戦に置いて、相手も遠距離攻撃可能な存在を手元に置かれるのは厄介だからな。
しかし、パラノイアはゾンビを招集していたはず。なぜ、変異体の亜種のバインドはそれで集まっていないのかは疑問だな。俺はこの目でマッスルゾンビと言った変異体を操っているところを見ている。ゾンビ以外も操れると想定しているのだが。
そういえば、パラノイアの包囲戦の時、佐原達がスラッシャーに襲われていた。しかし、話の内容でそれは覚の攻撃によって、パラノイアが一時的にマヒしていた間だったはず。
早合点はできないが、奴にも一部の変異体を操れないと考えられる訳か。
3月7日
広範囲での遊撃処理が進められている。昨日、ADW社より見つかった銃器のパーツの兼ね合いで、私と井門君が入れ違いで活動することになった。
錬浄さんがバインドと交戦したが、怪我らしい怪我もなく無事に処理が出来たことは喜ばしい。それ以外のことでのトラブルは起きていないということも同様だ。
また、井門さんがADW社を探索して、選別した部品について、これらはいくつか研究所に持っていく予定となる。貴重な部品だが、研究所にあった方が質のいい物や開発に使えるのは間違いない。こちらでも確保している銃器のメンテナンスにいくつか保管している。
大きな問題はないが、昨日西切さんが何か言いたそうにしていたことが気になる。放浪者絡みのようだが、どうもそれ以外も絡んでいるような様子だった。人間関係のトラブルはあったと聞いていないし、深刻な問題であれば覚ちゃんが声をかけてくるはず。
さしたることではないと、信じるしかない。
山中沙奈 記す
3/5 担当勝 朝
暖かい日が続くなー。
もう春になったかな。
担当門日 昼
久しぶりの外への探索は緊張したね。
立場柄、またあり得るかな。引きこもらされるよりはマシだから構わないけど。
担当フェイ 夜
門日さん、探索慣れしてた! (門日らしい簡易な人間の絵)
治療もできるし、門日さんも凄いなぁ(キラキラした顔の絵)
【治療】
「うーん。聞いたような怪我は見当たらないね」
「さようか…」
「しかし、凄い身体だね。お坊さんと聞いたけど、どうやって鍛えたんだい?」
「………昔、少し」
「ま、いいさ。医者の興味本位だからね。服は着てもいいよ」
「………」シュル
「だから、これもその興味本位なんだけどね」
「何か…?」
「その切り傷、生存者に襲われたものかい?」
「………」
「……、答える必要はないさ。医者の守秘義務は心得てるよ」
「………」
【祝・シャワー4】
「………」シャー
「ふぅ…、この感じ、久しぶりですねー」シャー
「………」シャー
「出来れば、シャンプーなんかは使いたいですけど、仕方ないですね」シャー
「(垢が落とせるだけ、十分ですね)」シャー
「………」シャー
「それにしても…」シャー
「(あたしは、どうして放浪者さんと山中さんの中を気にしているのかな)」シャー
「…。いいんですけどねー」シャー
乙!
錬浄さん、既に色即是空の領域に居るのか? >強烈な存在感を持っているにもかかわらず、そこにいること自体が風景のように当然のよう。
ヨロシキソ
それはさておき、女性陣は個別にボディスポンジとシャンプー持ってた方が良さそうね
>>640
どうなんでしょ。まぁ、彼自身何も語らないけど、生き方は出てるのかもね
>>641
身だしなみは気にしてるだろうねぇ
さて、ちょと疲れた(遊びで)のでもう寝ます。明日もちょっと仕事帰りが遅いので、更新できるかは微妙。
乙
錬浄さん改めて強すぎることを実感したが、拠点はこれと同レベルがそこそこいるのか……
もしかしなくてもこの拠点戦闘面では生存者グループ最上位なんだろうな
>>643
まぁ、総合的なものを含めるといろいろこんなかな。拠点組だけだけど
・放浪者
・錬浄=佐原=ハンター>藍=山中
・井門=西切=林道>小間城=風虎
・一ノ瀬=勝>平山=フェイ=門日
・佐田
・喜読
・上記外の警備組
ってとこです。上が高くて下が低い。>については大体同じだけどまぁ、同列ではなくてちょっと下だけど、順位1つ下げるまでじゃない的な。
EVE特に含まれてません。というか、スタンスが1人独特だからね。
ちなみに肉体的なシンプルな強さなら
・藍>風虎
・錬浄=佐原>小間城
・井門=林道=西切
・放浪者=ハンター
・フェイ=勝
・一ノ瀬=平山=喜読=門日>山中
・佐田
・上記外の警備組
こんな感じ。これの順位も同じ上から下。やっぱり生物強化を目的とされた上位2人が最もシンプルに強いです。
後は、放浪者、山中、ハンターはアリスシリーズによって強化されてる感。放浪者はそれ以外もなところはあるけどね。
まぁ、ざっと考えたものなので、もしかして変わるやもですが。まぁ、強化や変異、あらたな武装の追加とかで、
総合力は間違いなく変わるかな。現時点で>>1が深く考えてない程度に留めといてくださいな。
あ、もちろん拠点は普通の勢力より強いです。というか、普通の勢力が簡単に輸送ヘリ部隊潰せたりしません。
やっぱり今日も帰り遅くて更新できなかったので、こんなのでお目汚し。明日はするぞー。
乙!
やはり研究所等のバックアップ組織の存在は偉大だな
勝が思ったより強いと感じたが肉体面の強さと合わせて見ると逃げ足込みか?
保安官は入れるなら山中さんの隣ぐらいかな
「…終わりだな」
ウェーブソード・デュエルを鞘に差し込み、次なる案を考えるよう放浪者は口に手を添える。この数日間続いた、パラノイアによると思われるゾンビ招集。大型駅エリアに招かれるように移動するゾンビの姿は見えなくなった。その代わり残されたのは、自分達がいるエリアとゾンビが集まる大型駅エリア、それを区切るように円状の空白地帯。
そこが自分の居場所、そう主張しているようにも見える。ある意味でなら、放浪者はそれは構わないと考えている。パラノイアは自ら進んで攻撃を仕掛けている訳ではない。自身の領域を侵された時、文字通り烈火のごとく襲い掛かってくる。
つまり、どちらかというとパラノイアは防衛的思考を持つ亜種と、彼は考えている。自分の世界が大事であり、それを侵す、あるいは。変える可能性がある存在は欠片も許容できない、狭量な存在。対峙した際にパラノイアから感じ取ったのは、怯えのようなものだったことなどから含め、変異前は極度に内向的な人間だったのでは、と想像している。
今まで関わってきた変異全般に彼が感じてるのは、やはりその人間の素養といったものは大きく関わっているように思えていることだ。そして印象としてコマンダーゾンビは精神的影響が大きいような印象を受けている。パラノイア、というよりコマンダーゾンビ全般は言ってしまえば、ひどく傲慢な能力といえる。同じゾンビとはいえ、元々は同じ人間を使役して自分の駒として使う。そう自分が思うさまにマネージメント能力のある管理職だったのか。あるいは、人を貶めて利を得ることに躊躇はなかったのか。そういう人間を想像できる。
コマンダーゾンビのミュータントと思われる覚についてだが、勝から彼女は本を読み、知ることが好きだと聞いている。その意味では、それもコマンダーゾンビの素養なのかもしれない。人の知識をそれこそ強制的に収集できる。これもまた効率的な手段だろう。
そこまで考えて、放浪者は思考を止めた。何でもあることを想定する彼でも、飛躍した内容だから、というよりはそれを想像しても、パラノイア対策になりえるかが謎だったからだ。
今更なってしまったパラノイアには、ほとんど意味はない。執着しているものでもわかれば、話は変わるとしても。
小間城が軽く一鳴きする。そろそろ戻るべきではないかという意図を組み、放浪者は小間城と風虎に来るようジェスチャーして歩き出す。2体もその後ろに倣うよう着いてきた。
回収組の次なる任務の部隊は、都市入口エリア。拠点エリアに隣接し、初期に探索が完了していて、各エリアへアクセスする為の主要ポイント。探索組、回収組がそれぞれのエリアへ行き来することで、自然に探索なども進んでいった場所である。
今更、そういう場所で活動することに意味があるのか、という最もな疑問が沸く。だが、平山なりのちゃんとした理由があった。
現在、繰り返すことになるが拠点は引き続きパラノイアの脅威に晒され、その対応に動いている。今回の平山も当然それに従ったものだ。
回収組の活動の基本は、任務先のエリアでの残った物資収集とバリケード修繕、補強だ。つまり、回収組が活動しているエリアにおいて、バリケードは状態が良いまで維持できているということであり、裏を返せばそれ以外のエリアは徐々に劣化していっているということだ。
都市入口エリアは、往来の際に問題ある箇所は回収組、あるいは探索組も修繕はしているが、あくまでついで程度のものだ。全体的に質の良い状態を維持できている訳ではない。つまり、パラノイアが侵攻してきた際に、拠点エリア最後の防衛地点にも関わらず、防壁としてはっきりと機能しない可能性があると言える状態だ。
もっとも、放浪者はここのところの状況からパラノイアが進行してくる可能性は、低いと判断を下している。平山自身も聞く限りでは、同じ意見だった。だからこその、このエリアでの活動だった。
第一は、今回の目的となるバリケードの全体修繕、補強。第二は、地下道を含めた未探索部分を完全に埋める。第三は、探索組からの連絡を受ける中継基地の役割。以上の3つが理由として挙げられた。
未探索エリアの制覇は襲撃をかけてくるパラノイアの侵攻のみならず、略奪者からの襲撃に置いて自分達が最もよく把握しているエリア内がどうなっているか、完全に庭にした状況で戦えばことは有利に運べる。また、未探索状態により残っている危険を排除することが目的だ。
連絡を受ける中継基地は、この間の無線状況の悪さが起因しているものだ。互いにかなり離れた位置でのやり取りではあったとはいえ、電波状況は悪くやり取りが正しくできるか、かなり微妙な状況。大型駅エリアも、都市中央エリア全体から見てかなり奥まっている。当然、拠点ともその分距離が離れる。そのやり取りに齟齬が起きることが最もまずいことだ。
確かに、ビジョンによる通信手段はあるが、周波数を合わせるだけですぐつながる無線と違い、対象を探し出し持っている携帯などにアクセスするという手間がある。緊急時にはこの時間が命取りになりかねない。それに、場合によっては他エリアで活動していることで、応援に向かうのが遅くなる可能性を避けられるというメリットもある。
実際のところ、これらが功を奏す可能性はあまり高くはないだろう。そして、そうなってはならないということでもある。ある意味では、無意味であり、ある意味では重要度の高い任務を、平山とフェイは開始した。
「ち、なんだってんだ?」
ここのところ、新興都市の様子は慌ただしくなっていた。その原因は、今も上空を飛んでいる軍用ヘリ、あれはどう考えてもWWPのものだろう。明らかにこの周辺で活動をしている、子供でも分かることだ。
この世界における探索は、昼間がいいか、夜がいいかという問題がある。だが、結果的な安全性でいけば昼間の活動が良いという結論になる。ゾンビは動きが散漫だ、確かに物音や場合によっては匂い、そういうもので気づかれることはあるが、うまく動けば見つからずに移動すること自体は可能だし、仮に見つかっても逃げ切ればそれ以上追跡してくることはない。
しかし、それが人間相手となってくると話は変わってきてしまう。当然、ゾンビに比べれば散漫ではない。その上見つかれば、この周辺に生存者がいるとして常に警戒もされ、場合によっては弾丸が飛んでくる恐れも出てくる。相手がWWPとなれば、何をされるか分かったものじゃない。
その上、一緒にいるロバートも問題になってくる。今まで一緒にいた道中、WWPが彼に追っ手を仕向けた、ということは幸いなかった。だが、仮にもWWPの組織内にいた研究員の1人だ。その知識には用はある可能性が高いだろう。
もし彼がこの場所にいるのを発見された場合、最悪追手がやってくる可能性すらある。もちろんそれは最悪を前提にしているし、そもそもロバートと気づかない可能性もあるが。活動は今より大きく制限されるリスクは、避けなければならない。それでなくても、すでに昼間の活動に制限をかけられているような状態なのだから。
「し、しばらくは動向をみ、みないとだね」
WWPの脅威の片鱗を知るロバートは、ヘリを見る瞳に恐怖を宿していた。
>>645
バックアップが受けられるのは大きいからねぇ
>>646
勝は古武術の教えも受けてたり、元々子供だけの時代金属バット片手に特攻隊長してるポテンシャルだったりと、わりと強め。
一応強い人と戦える人だけピックアップするとこんなかなー。まぁ、あんまり固まってないから参考程度に。あともう少し細分化
・放浪者
・錬浄=佐原=ハンター=芸良>リーゼ
・藍=山中=保安官>ナイフ使い=ビジョン=千護
・井門=西切=林道>小間城=風虎=アイビス=カミロ
・一ノ瀬=勝=ミーシャ>平山=フェイ=門日
・ファイブキラー=ストーク=サム>西村
・佐田=ミーナ=ジェーン
かな。一応生存者のみで縛ってます。放浪者はいつも通り、というかサンダーボルトは無しで考えてます。あると「==ちょっとした壁==」になっちゃう。
新規のサルファさんと総長さんは、自分の中で固まってないのでいません。
さて、残りはまた明日ですだ・・・。
アビだかのが本当に面倒臭くなったなぁ
五百六十三日目
大規模遊撃処理についてだが、本日をもって終了となった。パラノイアが招集できるゾンビは集めきったようで、あの周辺は不気味な静けさが漂っている。空白地帯区切られたその中心に、奴がいることは間違いない。
こうなると、パラノイアから仕掛けてくるつもりはなさそうだ。しばらくはそのまま居るだろうが、それがいつまで続くのかはわからない。何より、その引きこもっている間に、俺達を迎え撃つ為の準備を進めていることはわかる。
ここからは俺達が判断することだ。奴は、迎え撃つことを決意した。その決意に乗るか、つまり攻撃を仕掛けるか否かだ。もちろん今現段階での答えは、否だ。
俺達の方は準備が十分にできているとは言えない。高速道路エリアの緩衝地帯を確保したとはいえ、警察署エリアの緩衝地帯の確保は、ここのところの動きであまり進展しているとは言えない状況だ。まず、進撃があった際の第一防衛ライン自体が、出来上がってすらいない。
回収組の活動の視野に入れると、まだまだ攻め入るには準備が出来ていない。誰も死なせないとなれば、出来ることはしておかなければな。
レポートNO.144
井門圭司
広範囲に及び遊撃処理は終了ってとこか。この数日の間で、大型駅エリアにはそこそこの量のゾンビが集まったってことになる。それはイコールでパラノイアの兵隊なわけだからな、また厄介になりやがったって訳だ。
今の現代戦に置いて、敵しかいない陣地に、それも対空兵器や防衛兵器がないってんなら、出来りゃあミサイルか空爆あたりを仕掛けてやりたいもんだが、残念ながら持ち合わせはねぇ。
出来れば迫撃砲の1つや2つありゃあな。戦う前に砲撃かけて、手数減らしたところを攻撃、てのがベストな気はするぜ。まぁ、その気になれば放浪者さんのサンダーボルトがある。それで爆弾を投げ込んでもいいだろうしな。
でも結局、この戦いを治めるには、大将のパラノイアの首を取るってことだ。今の方法は数を減らすだけであって、直接的な勝利に結びついてるかと言われりゃあ。まぁ、NOだろうな。
例の会社でいろいろ情報見つかったみたいだし、サポートチームの奴らがパラノイアを見つけてくれるのが一番早いけどな。
【オリーブの実2】
「ん~…。まだ渋みがあるわね」モグモグ
「浜村さん、何食べてるんですか?」
「ん。サンマも食べる。オリーブの塩漬け」
「聞いたことあります。しょっぱいんですか?」
「ついでに言うとまだ渋いわね」
「あ~、ならいいです」
「保存食にしても、期間長いのは考えものね」
「そんなに漬けるんですか」
「塩漬けの場合はね。まぁ、もうそろそろだとは思うけど」
「付け合わせに出すんですか?」
「酒のアテに決まってるわよ」
「いいんですかそれ…」
>>651
ADSP関連やらWWPやら、それだけ危険性があるならってとこかねぇ。
うーん。嵐の前の静けさ的になってきた
放浪者は研究所に訪れている。パラノイアの進捗状況の報告と、今後の研究所の動きを相談。もう1つの目的を持って。
招集された研究所のいつものメンバー、野木、アリス、エクスも緊張感を持った表情をしている。当然のことだろう、パラノイアの件は研究所も他人事ではない。単純なことでも拠点がやられた後、この場所まで来ないとは限らないということ。そして、拠点がなければ研究所はこれ以上の発展を望むことはできない。
強力な兵装を用意することはできるだろう。だが、それを使いこなせる人間は研究所にはほぼいない。
放浪者は、研究所にパラノイアは侵攻する気配は現状無し。拠点は引き続き防衛強化に当たることを説明した。当然、野木が動きがない理由を説明を求めてくる。現状における、大型駅エリアの状態、今までのパラノイアの行動を説明した上で。
「…全て確証たるものではないがな」
相手に近づけない以上、ほとんどのことが想像に過ぎない。彼や関わっているメンバーの意見は大体合っているものの、ただそうでしかない。想像の域は出ていないのだ。
「立て籠もってるんだよネ。居る場所がわかったら、そこを攻撃できれば早いよネ」
「そりゃあまぁ、ミサイルでもぶち込めりゃあはえーだろうけどな」
広範囲を破壊できる兵器、それは拠点にも研究時にもないものだ。遠距離からの一方的な破壊行為、それが人間に対してなら嫌悪感も持ったかもしれない。だがしかし、元人間で人類の敵に対してなら、これほど有効な方法もない。
「可能な方法は、サンダーボルトからの爆弾投下ができる手段だろう。しかし、その爆弾の手配をどうするかだ」
「…いや、それらは最終手段だ」
断固とした放浪者の様子に、3人は疑問の顔を浮かべる。
「…俺達の目的は、文明の復活。そしてもう一つは都市の解放だ。それは解放に都市を利用することが含まれている。確実な方法ならいざ知らず、そういった闇雲な攻撃は都市そのものを破壊するだけになる。避けるべきことだ」
来たる決戦において、放浪者がやり遂げると決めているのは、メンバーの死者無し、そして都市を可能な限りそのままの状態で確保すること。ただ、処理することではなく、拠点の活動はその先の文明復活を目的としている以上、後者はしなければいけないことになるのだ。
僅かでもパラノイアとの戦いを有利にすることが本来すべきことだろう。放浪者もそれはわかっている、不利になることも承知だ。その上で、目指すことがあるなら、それらを抱えて先に進まなければいけない。そして、これから提案することも。
「…アリス、サンダーボルトを長時間稼働するよう改良できるか?」
「え、うン。できるヨ…。あ、またとんでもないこと考えてるよネ!」
否定も肯定もせず、放浪者は一言。この地域に残った最後の研究所(シェルター)を探索すると告げた。
「な、何か知らないかな?」
ストークとアイビスがいるアジトに、千護とロバートは訪れていた。それは、ここのところ活動が活発なWWPについて、何か知るところはないか、探るためだ。2人は何か隠していて、その何かの為に活動していることは明白だ。もちろん、それを答えてもらえるものではないだろう。
しかし、それでも2人から出てくる雰囲気から、ある程度察することはできる。知っているか、調べようとしているかぐらいは。
「はは、俺達もよくは知らないんだ。まぁ、DJフレンドが言ってる奴らなんだろうなって気はするけどな。なぁ、アイビス」
「なぜこちらに振るんですか、貴方は。やはり馬鹿なんですか?」
千護はそのやり取りで、2人もWWPがここに来ている理由は知らないように思えた。そういうことを聞かれるのは想定していて、うまく演技しているということはあり得るだろうし、思いつく理由もあるかもしれない。だが肝心な目的は知らない。そういう印象を受ける。
「知らないってんならいいんだけどさ。気をつけなよ、前に似たような連中が生存者を襲ってた。あんた達だって例外じゃないだろうさ」
敵ではないのはこれまでの付き合いで想像できたが、見えない目的にそれ以上の交流について二の足を踏ませる。いずれ、突っ込んでいくしかないかと考える千護に、ストークは聞く。
「そうか…。ちなみにそいつらは? どこかにいったのか?」
「全員、撃ち殺したよ」
千護は当然のように答えた。
>>656
そうだね。まぁ、自ら大嵐に巻き込まれる人がいるけれど。
と言う訳で残りは明日でーす。
五百六十四日目
大規模遊撃処理が終わったことと、パラノイアが大型駅エリアで交戦の準備を進めていると判断し、詳細な状況を説明する為、今日は研究所に来ている。
奴が立てこもっていることに対して、場所さえわかれば爆撃などでの攻撃を仕掛けることが、安全な手段ではないかと意見が出る。それは確かに間違いではないだろう。メンバー全員の安全を守るにはうってつけだと俺も思う。
しかし、俺達が活動しているのは文明復活させる為だ。そのことを考えると、都市そのものへのダメージも出来れば避けたいところ。何より名称にある通り、あのエリアには大型駅が存在している。確保できれば、駅を使った移動も可能になってくる。それはつまり、他地域へ移動して大量の物資搬入をすることもできる上、列車自体を移動拠点とすることもできるということだ。
もっとも、その列車の動かし方を知っている人間はいない上、移動した先が危険地域であることや、物資を回収する地域で活動している生存者と敵対する可能性などもあるが。大きなメリットには変わりないだろう。それらの施設の利用や、眠っている物資などを考えると、それは最終手段という考えだ。
後は、この地域に眠る最後のシェルター、いや、研究所を探索する為、サンダーボルトを長時間稼働できるよう改良をアリスに依頼している。渋々ながら、やってはくれているようだ。
その研究所自体に、何か目的がある訳ではない。だが、現状の状況はかなり厳しい。メンバーを死なせず、都市にダメージを与えず、パラノイアを処理する。楽ではない、しなければいけない条件を積み重なっている。その状況を打破できる研究がないか、というところだ。
もちろん、パンドラの箱を開ける可能性はある。なぜなら、そこは以前覚から聞いた、のWWPらしき存在が去った場所のようだからな。だが、もし有用なプロジェクトがあれば、利用しない手はない。
考え方はシンプルだ。メンバーが死なない、都市にダメージを与えない方法なら、何を使っても構わない。ということになるのだから。
一ノ瀬DIARY Mar.8
今日は探索組の任務がなくて、放浪者さんも研究所に行っちゃった。私は、回収組のお2人のお手伝いで、後は藍ちゃんとスラちゃん、勝君も来てた。藍ちゃんがたまに拠点以外に連れて行きたいって駄々をこねて、山中さんがちゃんと一緒にいることを条件で許可した感じ。勝君は心配だからって着いてきたよー。
警備組に残ったメンバーで兼任したから、浜村さんもOK出してた。後は、井門さんと佐原君、錬浄さんが木を切りに行ったよ。しばらく警備組で回せてたけど、やっぱり力がある人がやった方が効率良いもんね。結構集まったみたい。
結構あったかくなって、暖房の必要はそんなにないんだけど、例えば炉みたいな施設を作って、燃料が必要になるかもしれないって放浪者さんが言ってた。だんだんと、いろいろな施設が出来ていくのかもしれないなぁ。
シャワーも出来て、今日初めて浴びれたよ。こうやっていろいろできていくのかな。浜村さんは発電所作りたいって言ってるけど、出来たらすごく便利だろうなぁ。
【お出かけ】
「(お姉ちゃんとおでかけうれしいなー♪)」プルプル
「ここはほとんど安全だけど、自分から離れちゃダメだぞスラ」
「(わかってるよー♪)」プルプル
「スラはいい子だぞ!」ニコニコ
「たく、お前らは本当のん気だよなぁ」
「だから、勝も来たんスか?」
「……、友達だからな」ポリポリ
「なるほどス」
「フェイだって、平山さん無茶してんの付き合ってるって佐田さんが言ってたぞ」
「ん~、そうかもしれないス。平山さんのおかげでここに来れたスし」
「だったら似たようなもんだろ」
「そうスな」
【祝・シャワー5】
「ふふふ~ん♪」シャー
「軽く汗を流せるようになって、嬉しいなー♪」シャー
「でもまだ改装中みたいで、好きに使えないのが残念」シャー
「………♪」シャー
「前に使ってたシャンプーとか物資の中にあるかなー」シャー
「探しておかないと」シャー
「………」シャー
「あ、そろそろ時間だ」シャー
「名残惜しいなー」キュッ
564日目はこれまで。565日目は、ん~、一応更新予定だけど、他にやるのもあるからねぇ。
これ日は更新が早くて楽しみしてるから>>1が楽なペースでやってくれ
乙!
まぁそこは気分っすよね~
本日の回収組のメンバーは、既存の平山、フェイと、探索組から一ノ瀬、井門が参加していた。そのほかに残ったメンバーも拠点活動の協力などをしているが、大体は休日としてゆっくり過ごしている。
「一ノ瀬さんも、回収組に来ればいいスに」
最近、彼女に懐いているフェイが、軽く愚痴のようにこぼす。一ノ瀬もまた、いつも通りの様子でそれは無理だよと微笑みながら返す。
「平山さんとしても必要だったりするのか?」
「人員はいつでも募集しています。一ノ瀬殿はぜひ欲しい人材ですけれど、探索組の状況を考えるに難しいでしょうね。現実的な線は、門日殿かと」
その後方で歩いていた井門と平山、その問いに彼女いつも通り生真面目に答える。軽い雑談程度のつもりだった井門も、やっちまったなと軽く顔をしかめた。幸いなのは、平山は長話するタイプではないということで、その話はすぐに終わったことだ。
冬を感じることは少なくなり、移動することも楽になった今日この頃だが、それはパラノイアにも同条件ということだった。しかし、現実に今、パラノイアは大型駅エリアで立ち向かう準備をしていると、思われる状態だ。
しかし、それが正しかったとして、その理由として考えられるのは侵略する準備が整っていないから、ということもあり得る。何にしても、準備を怠ることはできなかった。
「これは…、ゾンビ化しなかったご遺体みたいですねー」
すでに白骨化している死体のそばには、ボロボロになり始めたバックパップが落ちている。使えるものがあるかは分からないが、その中を一ノ瀬は調べてフェイは周囲を警戒している。その状態に気づいた井門達の2人も近づいてきた。
ダメになった物資が大半だったが、封がされたものは使える状態だった。ただ、1つ気になったのはポリ袋に入っている封筒だった。何らかの情報はないか、封を開けて確認する。
「……、なんだろこれ?」
中身を見た一ノ瀬が、そういって首を傾げた。
WWPな活発な中での新興都市の活動は、地下道を使った移動が一般的になっていた。夜間活動は、拠点のある都市と違ってゾンビの処理が進んでいない新興都市では、致命的な事態になりやすいし、かといって昼間の活動はWWPのヘリコプターや兵士に遭遇する危険性がはらんでいる。はっきり言うなら、今新興都市で活動することにほとんどメリットがあると、言える状態ではない。
だが、アビスを見つけ出しゾンビ化現象を解明するという、拠点よりも大きな目的を掲げる2人には、どんな障害であろうと向かっていくしかない。千護にはそれができる戦闘スキルと、ロバートには研究ができる知識を持っている。
「はぁ、何が悲しくてネズミみてぇな真似しなきゃいけないんだか」
地下道の雰囲気は気が滅入る。明かりが点いているところならまだ我慢できるが、真っ暗闇の中を歩くのは、星さえない宇宙空間に1人方向感覚もわからず漂っている気分になれる。幸いにも利用者が、自分達を抜かすとストーク達以外いない現状、残す目印もわかりやすくつけられるのは助かるところだ。
「でも、よ、良かったね。つ、使えそうなものいっぱいあったよ」
ゾンビがほとんどを支配している場所である以上、物資はまだまだ残っている。食料は少々期限は厳しいが、保存状態さえ良ければ、設けられている期限を過ぎても食べることはできる。
「そろそろうちらも、食料生産とか考えなきゃね…」
春先になってきたこともある。WWPが去ってくれさえすれば、狩猟もできるだろう。それまでは、どうにかして手に入れる方法を考えないといけないなと、千護は考えていた。
研究所でのサンダーボルトの改良は終わった。持続性を向上する為に、射出可能だった杭は取り除き、それを入れていた空間にバッテリーとタンクを増設したものだ。改良、というよりは兵装を取り換えたと言っていいかもしれない。サンダーボルトのムーブバージョンと呼べばいいかもしれない。
それに乗って放浪者が拠点に帰ってきたのは、夕方も過ぎ夜が姿を現した頃だ。事前に無線連絡で遅くなることは伝えていたので混乱した様子はなかった。ただ、彼のことをよく知るメンバーはまた突拍子のないことを実行に移そうとしている。そう予想して落ち着かない様子だった。
放浪者もその様子を察して、メンバーの勘の良さに感心と諦めの気持ちがないまぜなったものを感じていた。この状況では、ずっとやってきた相棒、山中も勘付いているだろうなと考えると、少しばかり、彼はため息をつきたくなった。
自室に入ると、これまでの拠点の活動をまとめている山中の姿があった。いつもなら入ってきた自分を見て、お疲れなりの声をかけるにもかかわらず、その資料のまとめ作業の方に没頭、しているように見える。
さて、どう説明するかと考えてとりあえずベッドに腰かける。自分がまた何か企んでいる、というのは山中はわかっているだろう。山中も、自分がどうそれを切り出してくるかを待っているのもわかる。だから、先に進める必要があるなら、自分から話してくださいと、彼女は無言の圧力をかけてきている。
もはや、テレパシーで話し合っているのかではないかと思えるぐらい、相互理解を2人は終わらせている。拠点の初期、話しをせずに意思疎通をしながら危険な都市内を探索してきた2人だ。更に、ファントムシリーズで感覚が鋭敏となり、相手の状態を勘で察せられるようになった放浪者にとって、相棒と言える存在の状態を勘違いすることはない。
「…明日、1つ残っているシェルター。恐らくWWPの研究所だろう、そこに行く予定だ」
それを聞いて、山中は明らかに動きが止まった。その意味を理解した放浪者も、動きが止まる。その状態が少し続いてから、椅子から立ち上がり山中は放浪者の前で膝立ちになり。
「そういうことは、思いついた時点で話をしてほしい。いつもそう言ってますよね?」
山中の両手、放浪者の両頬に添えられる。目はジトーとという表現が正しいもので、非常に恨めしそうな表情だ。放浪者も無表情に見えるが、彼が困った表情をしているのは山中はよくわかった。
はっきり言うなら、彼女は研究所に向かうことに怒ってはいない。行くのは構わないが、ひっそりと自分で抱え込むように話を進めて欲しくない。その部分で怒っている。放浪者はその点はわかっているのだが、心配をかけさせたくないというところで、話を切り出せない。
ただまぁ、そのところも山中はわかっているから、このやり取りもまた2人のコミュニケーションの一種と言えるだろう。
「…悪かった」
自分の頬に添えられた、彼女の右手に彼は自分の手を合わせた。そうすると、彼女はゆっくりと手をしたに下し、彼の手を両手で包み込んだ。
「答えを聞くまで、死んじゃダメですからね?」
彼女の頭が、放浪者の胸に委ねられる。彼は、残った手で彼女を抱き寄せられれば、どれだけ楽だろうと感じていた。だが、それは今してはいけないことだ。パラノイアの戦いに置いて、必要以上の感情は持ってはいけない。その思いからだ。
放浪者が身じろぎできない理由を理解している山中は、その代わりに頭を胸にこすりよせた。
乙!
大人な愛だなぁ
映画とかならここでパラノイアと放浪者が相討ちか、辛くも生き残るも記憶を失い別勢力として再開するとか想像してしまう
実際放浪者も今回ばかりは焦りやかなりの無茶が見えるしな
まあダイス様さえへそを曲げなければどうとでもなるんだが心配だ
五百六十五日目
研究所より拠点へ戻る。サンダーボルトは攻撃性を排し、その代わり駆動時間と飛行距離の延長を図ったカスタマイズを施してもらった。これから向かう研究所は、やや距離のある位置にある。余裕を持って往復できる状態にしたかった。パラノイアは確かに大型駅エリアで交戦する腹積もりだとは思っている、しかし、事態はいつ変わるかわからないからな。
それに、向かうのは都市から外れた場所だ。今まで潜った研究所は大ざっぱにいうと、都市を中心として北西にビジョンが捕らわれていたFFPの研究所。都市内部、東南東にあったADSPの研究所。そして今回向かう研究所は都市の東南の方向にある。
覚達が前にいたところは東側ということもあり、向かうところは未探索エリアということになる。問題と言える部分は、街に近いことだな。ビジョンが捕らえられていた研究所も未探索ではあったが、人が多くいる地域ではなかった。その部分は大きく異なる。
状況からしてWWPが手を引いた研究所。ゾンビ共もその周辺をうろついていると想像していいだろう。となると、確保から先にという手順になるか。
手を引くようなプロジェクトなら漁る価値もないプロジェクトかもしれない。しかし、単に危険なプロジェクトが暴走した結果とも考えられる。鬼が出るか蛇が出るかだな。
何にしても、俺がすることは、任務を遂行して無事拠点に戻るだけだ。相棒との約束だからな。
教員日誌 三月九日 林道正綴
昨日、探索という任務ではあったが、非戦闘員のスライムと一緒に藍が外に出て歩き回れたことは喜ばしい。拠点エリア以外は、まだまだ危険はある。しかし、そういうことができるようになったという事実が、大事なことだ。
途中からここに来た身だが、そんな風に歩き回れるようになったのは、それが初めてなのではないかと思う。出来ていてやらなかったとしても、出来ることに意義がある。
子供達が楽しく走り回れる日が来ることを祈ろう。それが、小林に対してできる償いに繋がる。あの子は、寂しがり屋だったからな。
ただ、気がかりなこともある。また放浪者さんが危険な研究所に単独で戻る予定のようだ。現状を打破できるプロジェクトや、あるいは物資が残っていないかを探すと聞いている。そこまですべきなのかは、疑問ではある。
しかし、彼を止める役割である山中さんが問題ないと判断したなら、他のメンバーで止めようもない。無事を祈るだけだ。
林道さん、それは違うよッ!?
山中さん『なでも止められない』んだよ
3/9 担当蒲谷 朝
シャワーの排水の準備も、地下のバリケードも何とか進んでるね
それらが終わったら、いったんゆっくりできるといいけど
担当錬浄 昼
(達筆な字で何かが書かれている)
担当平山 夜
やはり人員がいる状態の活動は楽ですな
師匠も本来警備組のメンバーということもあり、そろそろ新たな人員を回していただきたいところ
もちろん、件のパラノイアが解消されてからの話です
「…ん~」
一ノ瀬はベットの上で横になりながら、少しボロボロになった紙を見ている。中にはいたずら書きのようなものが書かれているだけで、彼女以外のメンバーは意味はないのではないかと言っていた。ただ、彼女はそうじゃない気がしている。
わざわざポリ袋に入れて持ち歩いていたもの、何かあって拠点入り口エリアを探索していた気がするのだ。その理由は、この紙に書かれていることだと思う。
「ん~…」
考えてはいても、結局わからない。
「どうしたのよ、一ノ瀬ちゃん」
少し酒が入った様子の浜村が入ってくる。一ノ瀬は事情を説明して紙を見せるが、軽くしかめっ面をする。
「やっぱお酒が入った頭じゃだめね。あたしにもいたずら書きっぽくは見えるけど、何かの暗号かもね」
「そうですかー…」
返してもらった紙をもう一度、一ノ瀬は見直して、結局今はよくわからなかった。
佐藤重三 6歳
佐藤二重 3歳
若狭史郎 12歳
機密情報により持ち出し厳禁。所定の位置へ戻すこと。
(つまり私の財布の中だ)
一緒にある名刺は一般的なものだ。会社の住所と名前が記載されている。
>>678
名前に数字が入ってるしなんかのパスワードかねぇ
【手ぬかりはしない】
「よぉ、久しぶりだな放浪者」
「…保安官、あんたも元気そうだな」
「パラノイアと一戦交えるのは何時ぐらいだ?」トクトク
「…奴から攻めてくる気はなさそうだ」
「ほぉ…、どういう訳だ?」カラン
「…ゾンビを招集し、大型駅エリアに立て籠もった。こちらが侵攻すれば、返り討ちにするつもりらしい」クイ
「で、お前さんは何をしでかそうと企んでるところなんだ?」
「…残った研究所を漁る。このまま侵攻したとして、本当に返り討ちになる可能性はあるからな」
「お前さんにしては慎重だな?」
「…俺は奴と対峙した。怯えていたのは感じ取れた」カラン
「………」
「…だが、追い詰められた時に取った手段。建物を崩壊させるという強行を見るに、奴は、奴の為に何でもしてくるだろう」
「そりゃあ面倒くさそうだな」
「…一方こちらは、制約に縛られている。何でもありに比べれば、分が悪いのは自明の理」
「それを取り払う為の、宝探しってことか?」
「…いや」
「おう」
「…どちらかといえば、パンドラの箱だろうな」
>>670
不器用だけどね
>>671
結論はダイス様のみぞ知る
>>672
まぁ、実際に対峙して危険さを知ってるってのもあるからねぇ
>>675
あぁ、ほら。他のメンバーよりは止められるかもねっていう。
>>679
まぁ、何らかの暗号です。
>>674の訂正
×ただ、気がかりなこともある。また放浪者さんが危険な研究所に単独で戻る予定のようだ。
○ただ、気がかりなこともある。また放浪者さんが危険な研究所に単独で潜る予定のようだ。
>>637の訂正
×3/5 担当勝 朝
○3/7 担当勝 朝
保安官さん、カルーアミルクが飲みたいです
放浪者が放浪者ー!(むがー
えっちょなんかあったか?
今日もハンターは1人でゾンビを制圧していた。彼が一匹狼ということもあるが、パラノイアに感知されていない、拠点にとって隠し玉と言える貴重な戦力だ。その為、大型駅エリアからは離れて活動するよう、放浪者から頼まれているということもある。
緊張感が薄れていると、ハンターは感じている。なにせ、離れているとはいえ付近を強力なメンバーがうろついている、それと合わせて処理は進んでいることもあって、ゾンビの数はいつもより少ない。修羅場を潜り抜けている彼には、生ぬるさを感じても仕方ないだろう。
これなら、放浪者の任務に無理にでもついていけばよかったと、ぼやく代わりに紫煙を吐き出す。もうこのエリアでのゾンビの処理は終わっていて、緩衝地帯を確保するバリケードを破壊、あるいは通り抜ける可能性のあるマッスルゾンビ、モンキーゾンビ、ジャンピングゾンビの類も集中して叩いた。デルフィアを身につけ、使いこなすことで急激に向上した戦闘力が成せる業だ。
煙草を投げ捨て、仕方なく今いる周辺の探索を進めることにした。必要な物資はもらっていいと許可してもらっているが、目的としては隠れた形で潜んでいるゾンビの危険の排除。彼は名前が表す通り、もはや根っからのゾンビハンターなのだ。
とりあえずは、立て籠もるのに良さそうな建物に入る。今回の目的の観点からしても、物資の観点からしても、人間がいた形跡の場所を探るのは最適だ。もちろん、最悪なパターンとして生きている生存者がいた時、いらぬトラブルを抱えることになる。だが、それも壊されたバリケードがあり、その形跡が古ければ考えなくても良い事だ。
中にいたゾンビは数体、それも手早く処理して内部を探索する。あまり実入りは良いとは言えない、手に入れたものは何本か無くなった煙草の箱が1つぐらいだ。しかし、物資はあると見込みが立てられる以外の場所なら、ないことに落胆することはない。むしろ、幸運と言えるぐらいだ。
ふと、置かれていたマガジンラックが目に入る。ずぼらな会社だったのか、最新号より古いものが入っていた。幾らかの経済雑誌が目に付き、平山がその手の雑誌も見つかったら集めてほしいと言っていたことを思い出す。
「…ま、役に立つかね?」
最新号は集まるだろうが、それ以前の号はこうでもなければ手に入れる機会はないはず。自分はいらないが、拠点の要望として回収することにした。
情報提供者の活動は、DJフレンド達にとってあまり良いものとは言えない。自分達の情報を信じている人間が、情報提供者を否定しているが、わずかにそちらを信じている者も出てきているようだ。
この状況を抵抗する方法はある。研究所のサポートチームにこの書き込みを追ってもらい、端末を使えない状況にしてもらう、ということも可能だろう。だが、DJフレンドの考えに合うことではない。この情報提供者も手段はわからないが発信している情報も、生存の上で有用なものがある。
それに、自分達だけが正しいとそれ以外の情報を遮断するというのは、一方的すぎる。なにより、放浪者が納得しないだろうし、場合によっては同盟の打ち切りもあり得る。具体的に、相手がDJフレンド側を封殺する為にこういう行動をしている、という明確な証拠がない限りは。
「(やはり、エクス様に共有すべきではないだろうか)」
主にそういう活動を目にするファイブキラーは、そう考えていた。何かの手を打つ時点で相手を知るのは遅すぎる。情報提供者が、こちらと敵対した活動をとっている以上、しかるべき手段を用意しておいた方がいいと彼は考えていた。それに、その方が同盟を組む、拠点や研究所にも事前通達になるのだから。
幸い、今日ビジョンからの定時連絡を受けるのは彼だ。DJフレンドに相談もなく行動をするのは過ぎたことだが、主人の危険を払い安全を確保するのも執事の役目と考える彼には、そのことに罪悪感はなかった。
放浪者が拠点を飛び立ったのが、夕方を過ぎて、陽が完全に沈んでからのことだった。月明かりが多少あるが、良好とはいえない。彼が装着しているナイトビジョンのおかげで、着陸はそう難しくはないだろう。
この時間帯に行動しているのは、目撃されないという理由が大きい。サンダーボルトは強力な移動、攻撃手段だが、同時に異質でもあり、目立つ。そういう情報が1つ2つぐらいならいいが、大々的に流れた場合、もしかするとWWPが絡んでくる可能性もあり得る。それを避けるためだ。
春先になってきたとはいえ、夜の空中移動は寒さに堪える。空中の長時間移動はスカイミッションを含めてこれで2回だ。息苦しさの点や安全を無視して急ぐ必要がないところは楽だが、寒さの条件だけは今回の方が厳しかった。
「(…本格的にそういう装備も検討しなければいけないかもしれないな)」
いつ使うかはわからないことを考えると、後回しになるだろう。しかし、移動で体力を奪われるのはいただけない。そしてふと思ったのは、放浪者遠征時の活動は大体寒さと戦っているような気がしてならなかった。
その寒さに耐えていると、目的らしい街にたどり着く。しばらくは拠点に戻ることもない、仮のねぐらを確保する為、潜る予定の研究所近くに降り立つ。そこで、予定通りゾンビの処理をして周囲の安全を確保する予定だった。
だが、すでにこの周囲で何かが、暴れたという表現が正しい状態になっていた。ゾンビのみならず、変異体の姿も倒れている。マッスルゾンビが、まるで投げつけられたかのように頭から車のエンジン部分に突っ込んでいるのさえ見える。
「(…戦いの跡が新しい)」
WWPのプロジェクト関係も想定したが、ここが放棄されたと思われる時期はかなり古い。例えば風虎のような生物兵器であっても、飢えで死んでいることも当に脱走していることも想像でき、今の時点でここにいる可能性は低い。なら、一体何がこの事態を招いたのか。
「ねー、おにーちゃん」
可愛らしい声、この場の状況に不釣り合いすぎて、放浪者は瞬時確信した。この声の持ち主が、これを作った存在だと。
「おにーちゃんは、良い人間さん?」
振り返ると、あどけない表情の少女がそこに立っていた。
「おいしー♪」
コロコロと笑いながら、放浪者が手渡した食料を少女は食べる。少女は非常に無邪気とだった。
自分が良い人間かと聞かれ、悪くはないと答え、安心した様子の少女はお腹を鳴らした。それからは言った通り、食料を渡して今に至る。
放浪者は感覚がマヒしているのか、少女が1人で生き延びていることに違和感を覚えていない。いや、すでにあの惨状を作り出せる相手だと判断しているから、生きていても不思議ではないと感じている、というのが正しいだろう。
さて、問題なのはここからだ。あんなことができる相手かもはっきりさせるのと、ここにいる理由を聞く必要があった。
「…どうしてここにいるんだ?」
「ゆりおねーちゃん達を探してるんだー。知らない?」
本当に邪気がない、裏表がないというべきなのか。まだまだ純粋さを残して成長している子供という感想を放浪者は持つ。彼が探している相手は知らないことは残念そうにした。
「…さっきのゾンビは、君がやったのか?」
「うん。私ね、超能力者なの。それで、相手をビューンって飛ばすの!」
それと空も飛べるんだよと、自慢として胸を張る。だが、放浪者はその姿の可愛らしさよりも、超能力者の一言に引っかかった。つまりそれは、彼女がオリジンか、PCPで生み出された超能力者であることを示している。
ここのところ、この拠点周辺を明らかに重要度が高い人間が行き来している。例のカミロや、回収組を襲ったそのカミロを追う者、そして今回の少女と、後はレジスタンスかもしれないカミロが追いかけていた2人組。確かに移動経路上ここいらは人が通っていても不思議ではないが、こうも続くと何かあるのではないかは考えなければいけない気が放浪者はした。
「ねーねー。おにーちゃんも空飛んでたよね? 超能力者なのー?」
「…いや、違う」
そのことを考えていたこともあって、反応がそっけなく、そっぽを見るような形で答えた。少女はそれを不満そうにして、袖を掴んでちゃんとこっち見てと言ってくる。機嫌を損ねれば、見た目と態度とは裏腹に、危険性のある相手だ。言われた通り少女を見て、謝罪と合わせて頭を撫でる。
「えへー」
さて、この少女をこのままにしておくべきかどうか、放浪者は改めて考えることにした。
>>682
この状況だと、粉ミルクが代用されたもので出そうだね
>>684
あんまり人増やしたくないのに生存者出すわ、超能力者になるわですよ。
>>687の訂正
×いつ使うかはわからないことを考えると、後回しになるだろう。しかし、移動で体力を奪われるのはいただけない。そしてふと思ったのは、放浪者遠征時の活動は大体寒さと戦っているような気がしてならなかった。
○いつ使うかはわからないことを考えると、後回しになるだろう。しかし、移動で体力を奪われるのはいただけない。そしてふと思ったのは、放浪者がする遠征時の活動は大体寒さと戦っているような、彼はそんな気がしてならなかった。
×だが、すでにこの周囲で何かが、暴れたという表現が正しい状態になっていた。ゾンビのみならず、変異体の姿も倒れている。マッスルゾンビが、まるで投げつけられたかのように頭から車のエンジン部分に突っ込んでいるのさえ見える。
○だが、すでにこの周囲で何かが、暴れたという表現が正しい状態になっていた。ゾンビのみならず、変異体も倒れている姿がある。マッスルゾンビが、まるで投げつけられたかのように頭から車のエンジン部分に突っ込んでいるのさえ見える。
さい、いつも通り残りは明日じゃい。
乙!
ゆりおねーちゃんってアレか、ゲラーもとい"げいら"さんの事か
この子は仲間になるにしろ、ならないにしろ爆弾っぽいなぁ
因みに>>1さん的なこの子の簡易的容姿はどんな感じですか?
乙ー
わかっちゃいるんだけど
放浪者が『飛び立った』って
すっげー違和感だよね、日常だと。
なるほど。放浪者が放浪者だ。
探してるってのはどのレベルの捜索なのかねぇ
ちょっとはぐれた程度なのか区内なのか県外なのか
放浪者が遠出する時って女の子絡む時多いよな
覚助けたり藍助けたり今回もだし
放浪者、ゾンビ化が広まる前から女の子との接触が多かったのか気になるな
寝床は確保はしたはいいものの、どうにも懐かれた様子だな。このメモを取る時も何をしているのかくっついて離れない。
一度集中できないので離れて欲しいと話したが、首元に両手を回し、ニコニコと笑いながら浮いている。諦めた。
未探索の研究所近くに降りると、すでにゾンビが処理された状態になっていた。その原因はここで会った少女、名前はフェアリーというらしい。
超能力は、本人はよくわかっていない様子だ。見せてもらえた範囲では、物体を浮かせるように見える。
例の話の人物を想像させるが、その人物自体が浮いたとは聞いていない。別の作用なのかもしれない。
といっても、超能力者が起こしている作用なんて想像もできないがな。
浮かすのだから、重量や重力といったものを軽減している。あるいは操作しているのだろう。
マッスルゾンビを叩きつけたと言っていたから、操作している。が妥当なのだろうか。
後は、人を探しているようだ。離れ離れになったのはかなり前らしい。
いろいろあるが、とりあえず明日の為に寝ることにする。未だに引っ付いている。
3月10日
警察署エリアの制圧任務を再開した。本日の任務については好調に進んだと言えるだろう。パラノイアが大型駅エリアにて立て籠もり、こちらが攻撃してくるのを待っている間に、この緩衝地帯の確保を進めなければいけない。この調子を維持できればとは思うが、それは高望みしすぎだろう。
また、放浪者は本日より都市周辺にあるWWPの関連施設の中で、残った1つの施設を探索へと向かった。サポートチームから報告はないので、トラブルは特にないものと思われる。
残っている関連施設、状況からして研究所であろうことは推測される。また、覚がかなり前にWWPがそこから離れたのをおぼろげながら感じた、という話が出ている。恐らくは、放棄されたとは思われるのだが、問題はその放棄された理由。
もしプロジェクトが暴走し、危険な状態になったいう理由であれば、それがまだ残っている可能性がある。たんに価値がなくなったとすれば、それは我々にも価値がないことでもある。正直なところ、今回の彼の探索にそこまで意義があるものと、私は思えないでいる。
しかし、彼なのだ。彼がただで戻ってくるとは思えない。何かしらは得て帰ってくる、そう思わせるものを彼は持っている。私はただ、彼の帰還を待つだけだ。
山中沙奈 記す
【ふわふわ】
「おにーちゃん♪」ギュー
「…ふむ」
「おにーちゃんも浮いてみる?」フワフワ
「…止めておく」
「あ、怖いの? 怖いの?」ウキウキ
「…浮くことはないからな、恐怖心はある」
「ふーん」フワフワ
「………」
「浮こうよー!」フワフワ
「…寝るぞ」
「はーい」フワフワ
【雑誌】
「ほらよ、経済雑誌持ってきたぜ」
「助かります、ハンター殿」
「しっかし、そんなもん集めてどうするんだ?」
「えぇ、現状WWPに関して協力している企業の存在を確認しております。具体的に判明しているのは、狸森の傘下である、警備会社のADW社。WWPに息がかかった企業の警備を担っていたようです」
「ほーん、で、経済雑誌がそれと何の関係があんのよ?」
「惨劇前の財閥のお家騒動が続いたこと、お覚えかと存じます」
「あぁ、あったな。今の話に合った狸森も…、はん。なるほどな」
「お察しの通りです。そういったごたごたでWWPの息がかかった者が役員に選出された可能性が、今のところ高いのです」
「なるほどね、ゴシップもどきな経済雑誌であっても、怪しい動きがあったかは見れるかも知れねぇと」
「そういうことです」
「OK、そういうことなら意義はあるな。今度また見つけたら持ってきてやるよ」
「お願いいたします」
>>690
ミュータントは回避したけど、超能力者は回避しないところはダイス様の意志な気がする。
さて、その人のことなのかねぇ(逸らし目)
ざっくりフェアリーの容姿。
印象的に小学校高学年程度。いつもニコニコしていて、髪の後ろにリボンをつけてポニーテールな感じ。
上はYシャツで首元に細い紐で蝶結び。下は朝のデニム長のパンツ(八分丈)
こんなとこかな。
>>691
まぁ、普通飛び立ったら帰ってこないしね。あと海外とか行く時か
>>6
いつも通りでした
>>693
結構はぐれております
>>694
多いかもしらん。8面ダイスで四分の一で性別女の確率なのに普通に出るし。
>>695
本来は縁の下の力持ちで目立たないタイプだからねぇ。ただ、異性だからと意識しない方だから、苦手とかはないかもね。
>>688の訂正
×コロコロと笑いながら、放浪者が手渡した食料を少女は食べる。少女は非常に無邪気とだった。
○コロコロと笑いながら、放浪者が手渡した食料を少女は食べる。少女は非常に無邪気だった。
>>696の訂正
×このメモを取る時も何をしているのかくっついて離れない。
○このメモを取る時も何をしているのかとくっついて離れない。
今後どうなるかわからないけれど、フェアリーの情報です
力 低
感覚 最高
体力 低
カリスマ 最高
知性 普通
機敏さ 高
幸運 普通
なかなかピーキーです。あと、ちらったコメ返で触れましたが、そろそろ男性キャラ出したかったのが、
四分の一で女性判定だったよという意味です。
ついでに言うとミュータント化はダイス五個での23以上、超能力者は22以上でだったんだけど。
さっくり超能力者になるもんなぁ。
生存者作成時はスキルや能力値による増減とか特にない、本当にただ偶然の数値ってとこです。
作り方はまだベストなやり方浮かんでないので、毎度変えてるんだけど、その上でこんなキャラになりました。
乙!
差し当たっては、拠点まで付いて来るのか来ないのか……
放浪者は研究所制圧の前に、周囲の確保から着手していた。すでに、フェアリーが大暴れしていたことや、彼女の持つ超能力のおかげで、比較的楽に進めることができた。同時に、彼女の脅威性も理解させられる。
「えいやー」
気の抜けた声と、起きていることは異なっている。手をかざしたゾンビは中空に浮き上がって、そのまま地面に頭から落ちて首が折れ曲がる。大きな瓦礫であっても関係ないように、投げ飛ばすようなことが可能だった。
ただ、その超能力が作用するのは比較的近距離だった。投げた瓦礫もフェアリーから離れていくと、そのまま地面に落下している。本人も遠くのはできないと言っていることから、近距離限定の能力。だが、だからと言って侮れる要素は皆無だ。能力が作用できる範囲なら、容赦なく浮かされて叩きつけられる。攻撃方法はシンプルだ、それだけに強力なものだった。
この能力で例外的なのは己自身、それに関しては制限があるように見えない。危険があれば空へ飛んで離脱するといったことも彼女には出来る。その戦闘面もそうだが、この離脱可能という部分は大きい。よほどの不運がなければ、逃げおおせられない理由がない。
「すごいなー」
だが、そんなフェアリーからして見る放浪者も、超能力者ではないということが不思議でならなかった。気付けばゾンビの後ろに移動しているだけにしか見えないのに、ゾンビの首が転げ落ちる。浮くことは出来なくても、多段ジャンプをして見せたりと、それはもはや人間の域を超えていた。
彼からそういうことができる機械を装備してると聞いてはいるものの、嘘ではないかという意味で、フェアリーは納得できなかった。
「おにーちゃん、やっぱり超能力者なんじゃないのー?」
「…それはない」
それでどうしても納得できないフェアリーは、頬を膨らませた。
未探索の研究所の周辺に関して、安全性を高める為にゾンビ処理と確保を進めた。
フェアリーの超能力は脅威だ。もし仮に、戦うことになったら、近接で最も強い相棒でも厳しいだろう。
もっとも、その力は近距離でしか使えないものだから、銃などを用いればあるいはというところか。
ただ、浮かんでいる以上、逃げ切るのは厳しいだろうということと。浮かす対象も、フェアリーいわく浮かそうと思えば浮くといっていたから、そこに制限はなさそうだ。
つまり、その気になれば戦車と言ったもの、果てはビルまで動かせるのかもしれないな。まぁ、地面に固定されているものは無理だろうが。
敵対していない以上戦うつもりはない。ただ、似たようなタイプが相手になった時に参考にはなるからな。
後はそうだな、ビジョンと顔合わせするかどうか、連絡が入ったら確認することにしよう。
レポートNO.145
井門圭司
警察署エリアの制圧作業は進んではいる。昨日の好調さに比べれば、まぁ、普通ってところだな。曇ったからってそれがそうそう影響する訳でもねぇし。
放浪者さんからの連絡はなし、数日は確保なんかで戻らねぇって言ってたのと、サポートチームも何かあれば連絡をよこす感じだから、知らせがないのが良い知らせ。だったか、そういうことなんだろうな。
とりあえず、放浪者さんがいないことでトラブルは起きてねぇ。リーダー不在を初めて経験する喜読さんあたりも普通だな。まぁ、あの人はいろいろ外に言って活動してることも多いから、既に慣れてるんだろうけど。
しかし、WWPが手放した研究所ね。その時点でろくでもないものでしかない気がするんだが、あの人がそう思うって言ってやってんなら、何かしら見つけてくるとは思うんだけどな。それを期待して、待つしかないか。
3/11 担当浜村 朝
放浪者が遠出するとあると、今度は何をしでかすかしら。
佐原とか、錬浄、そもそもスライム、小間城、風虎連れてきたし。
もう何連れてきても驚く必要はないわね。
担当三間 昼
えっと、そう聞くと俺の立場ないんですけど。
逆に普通の人間の方が珍しいんじゃ…。
担当フェイ 夜
リーダーって本当に何者なの(?が頭の上に一杯書かれた絵)
なんかそういうフェロモンでも出てるのかなー(何かが漏れ出ている人の絵)
「さぁーて第四回目のミネルバトークを始めるよー☆」
「ナビゲーターはあたし、ミーナが。パーソナリティーはミーシャで、ヴァルキリー・ミラージュが務めるぜ」
「前の放送から、ちょっと期間が空いちゃったね☆」
「生放送でもないんだから、気にする必要ないんじゃねぇか?」
「いやいや、ファンサービスは大事なことだよ☆」
「それを言っちゃっていいのかよ」
「ほら、誠心誠意は言わないとわからないからね☆」
「そうだな」
「あー、そうそう。少し告知しなきゃ☆」
「なんだよ、いきなり」
「この放送を聞いてる皆は、DJフレンドの放送も聞いてると思うんだけどね☆」
「だろうな」
「そっちでは、ちょっと眉唾かなーって扱ってない真偽がわからない情報も結構あるんだよ☆」
「いかんせん、全部調べるのは無理だからな」
「と言う訳で、ミーシャが独断と偏見で選出した情報をお伝えするよ!」
「いや、フレンドにそれ言ったのか…?」
(無音)
「じゃあ、早速行ってみよー☆」
「ミーシャさ」
「うん?」
「後で起こられても知らねぇからな」
「権力には立ち向かうものだよ!」
「ちげーって…」
「と言う訳で、何でも空を飛ぶ人間を見たって人が結構いるんだよ☆」
「そりゃあ、確かに眉唾だな」
「でも、空を飛ぶ人いてもおかしくなさそうな世界になったよね。キラービーゾンビとかいるし」
「そう言われりゃそうなんだけど、どう飛んでるんだろうな」
「えいやーって飛ぶんじゃない☆」
「いや、うん。怒るぞいい加減」
「怒っちゃヤダー☆」
「はぁ、とりあえず、区切りのCMだ。いつも通りテキトーに曲流すだけからな」
「CM後までアデューだよ!」
「忘れてなかったんだな、それ」
【超能力者ではない、ただの人間】
「むー」フワフワ
「…そんなにふてくされても困るぞ」
「だって、おにーちゃん嘘つきなんだもん」フワフワ
「…フェアリーが言う超能力者じゃないのは間違いない」
「えー、きっと瞬間移動みたいな力があるはずだよ!」フワフワ、ジタバタ
「…悪いが、間違いなくこの足で移動している」
「おにーちゃん、ほんとーに人間なのー?」フワフワ
「…よく聞かれるがそうだ」
「むー」フワフワ
「…さて、もうひと踏ん張りだ。ゾンビを処理する」
「あ、ホントだー。来てるねー」フワフワ
「………」ヒュン
「やっぱりワープしてるよー」
ナギッ!とか、七夜の暗殺術的な移動方法なんだよきっと(適当)
ほぼ無限ダッシュ&ほぼ無限ジャンプ&ワイヤーアクションとか実はゲームよりチートしてる放浪者
念動力の弱点、というか遠距離に影響を与える攻撃自体、覚みたいな能力とかないと見えないと狙えないっていう弱点があるな、あと操れる数の限界もあるかもしれない
目の前に目隠しの布でも投げつけるとか、連射できる武器を用意するとか幾つか有効な攻撃方法はありそう
ミネトーク久し振りだな
曲には新宝島でもどうっすか?(適当)
>何でも空を飛ぶ人間を見たって人が結構いるんだよ☆
これ見てすぐに、放浪者かフェアリーか、それとも別の超能力者かミュータントか、と思ったけど色んな意味で選択肢がおかしい。放浪者人間かどうか疑われても仕方ないわな。
候補に真っ先に入る放浪者で笑う
放浪者は今日から研究所内の探索を始めた。建物の外側は死体がほとんどなくて綺麗なものだったが、内部は白骨した死体で散乱している。状況からしてプロジェクトの暴走があったと判断して、良さそうだ。あの幻覚作用のある自白剤が漏れ出した、FFPの研究所と状況は酷似している。
「なんかボロボロだねー」
能天気と言えばいいのか、フワフワとついてくるフェアリーの感想はそんなものだった。死体類は見慣れているのかそのことにはさして興味はない様子。たくましいというのか、この世界に慣れたしまった子供ということなのか。
ボロボロという彼女の表現は正しいものだ、明らかに戦闘があった形跡がある。壁には銃弾による穴もあり、叩きつけられた跡もある。ここで何かあったのは間違いないだろう。
「…何かいるな」
ウェーブソード・デュエルを放浪者は引き抜く。何かが駆動している音、人や生き物のものではない機械が発するものだ。EVEの存在を知る放浪者は、アンドロイドを想定し、フェアリーは想像が出来ず不思議そうな顔をしている。
今いるのは光が差す明るいホール。放浪者の後方の右斜めが出入り口正面左奥は階段、このホールから見える2階部分に繋がっているのだろう。そして右奥、さらに先へ繋がる廊下からその音は徐々にこちらへ近づいて来ていて、姿を現した。
「おにーちゃん、あれ、なあに?」
フェアリーは、間が抜けた質問をしてきた。いや、それをしても不思議ではなかったのかもしれない。
それは、少なくとも想像したことのあるロボットの一つだ。足はキャタピラ式で、大体は普通の人間と同じ鋼鉄製の姿。その両手にはライフルを構えている。独特に違うのはそう、頭部はない。ただ、その頭部の象徴と言える脳が、胸に見える形で組み込まれていた。
「カエs――」
機械質な音声が、明らかにそのロボットから発せられてから、銃がこちらを向く。散開といつもの癖で声を上げる放浪者が2階まで飛び上がる。銃が火花を散らしたと同時にフェアリーも飛びあがって、放浪者についていき弾丸から逃れた。
「おにーちゃん、あれなんなのー?」
この状況下での、フェアリーの能天気さは苛立ちもあるのと、一種の安心感もある。いつも通りでいられる人間が存在する。それだけで精神的安定感は違うものだ。
「…詳しくはわからないが、恐らくは」
アンドロイドや警備ロボの類であることを放浪者は説明する。EVEに関わることもあり、詳しいことは避けた。
弱点は恐らくは見えている頭部だが、その強度によってはウェーブソード・デュエルが通らない可能性がある。やるとすれば、ファントムジャベリンを打ち抜くことだが、ライフルの銃弾をかいくぐる必要が出る。
この状況下で有効な攻撃が出来そうなのは、フェアリーと、お飾りになっていた例の道具ぐらいだろう。放浪者は、あのロボットは浮かせられるかフェアリーに聞く。
「固定されてなければなんでも浮かせられるよー」
それなら、あのロボットは大丈夫だろう。同時に対象に関しては制限はないと聞かされたのを、今は置いておくことに放浪者はした。
以前の病院の教訓を生かし、持ってきていたケミカルライトを折ってから廊下に転がす。淡い光でも、相手の姿をもう一度見るのにはちょうどいい。ロボットは放浪者達が2階に行ったのを認識して、階段部分からどうやら強引に上がってきているようだ。
今いる廊下部分は階段部分と直接つながっている。このままいれば、タダの射撃の的でしかない。放浪者はフェアリーの口を抑えて、静かに冷静にその廊下に繋がる真ん中部分の部屋に入る。当然彼女は暴れるが、静かにすることと、これからの作戦を告げると悪戯っ子のような眼差しになり黙る。
ケミカルライトに釣られてか、ロボットはこちらに近づいてくる駆動音が聞こえた。2人は相手がこの部屋の前を通るのを、息を殺して待つ。そして、つい先ほど2人が入ってきた出入り口のロボットが見えたところで。
「てーい!」
宣言通り、ロボットさえも制限も浮きだして、そのまま廊下の手すり部分を超えて、フェアリーは1階ホールに落とす。すかさず放浪者も飛び出し、すでに装填していたアレを、ファントムジャベリンから倒れ、銃口をこちらに向けようとしているロボットに叩きつけた。
バリバリバリと甲高い音が流れ、突き刺さったエレクトロスピアから電気が放たれる。急速に飛び出して、ファントムバーストで急接近したことで、頭部が見えるところには刺さらなかった。一瞬、着地した彼に銃をまだ向けようとして後ろに飛んだが、そのまま力なく銃は床に落ちる。
「kエセ……、コkハ、ド……k」
内部が何か破裂音がして、ロボットは完全に機能を停止した。
恐らくこの間の時に感じていた緊張感の薄れ、もしかすれば、それが今回の件を告げる予兆だったのか。ハンターはそう感じていた。緩衝地帯の前後は探索組の大規模な活動もあり、危険な存在はそうはいない、その認識が甘かった。
ハンターはその戦闘面において、生存者の中で抜きんでたものを持っている。しかし、その肉体は別だ。デルフィア以外は人間でしかない。彼でも無茶と言える状態ぐらいは存在するのだ。
デルフィアを使い、何とか切り抜けることはできたものの、予定の行程は進められそうにない。情けなさはあったが、くすぶっていた闘争心が燃え上がる感覚を彼は煙草と共に味わっている。
「…だよな。これが俺だよ」
煙草を吐き捨てる。切り抜けたと言っても、ほとんどは処理はせずに逃げたというだけのことだ。おかげで確保していたはずの場所まで、ゾンビが押し寄せている。
この中には、逃げるキッカケになったマッスルゾンビとジャンピングゾンビの数体と、コールゾンビが紛れているはずだ。普通のゾンビを強化したスプレーゾンビはもはや破裂しているから、その部分を考えると楽にはなった状況だろう。
だからこその、お礼参りは必要だなとハンターは考えている。
研究所内に侵入したが、手洗い歓迎にあった。まさか、EVEのようなアンドロイドがいるとはな。
といっても、EVEよりは機械的ということもあって、多分性能は下だろう。
戦闘用のロボットだったのか、一般的な銃を持って襲ってきた。
後は、明らかに人の脳が取り付けられていた。まさかとは思うが、いやWWPに倫理観があると考えるのは無駄だな。
恐らくは人間の脳をロボットの一部として組み込んでいるのだろう。その意味では、アンドロイドでは、ないのかもしれないが。
何かを話しかけていたのはわかるが、はっきりとはわからなかった。
ただ、そうだな。感じられたのは憎しみのような気がする。
とりあえず、何にしてもフェアリーがいたのとエレクトロスピアを持ってきておいて助かったな。フェアリーのおかげで転がすことができた。
恐らく、状況からしてあのロボットは脳が弱点だろう。つまり、一発で無効化するなら脳に攻撃を当てるしかない。
エレクトロスピアは電撃を放てるから当てれば勝てる。しかし、いつもなら持っている武器の攻撃をかいくぐって真正面から脳を狙わなければならない。
露出していたのは気になる、本来ならそういうところは隠しておくものだろうからな。
簡単に考えるなら、まだ完成品ではない。というところなんだろうか。
ロボットの状態は比較的ボロボロだったところを見ると、暴走前にWWPと交戦したからだろう。多分、今回戦った時よりその時の方が性能が良い可能性は高い。
今回はただ、運が良かっただけに尽きるな。
一ノ瀬DIARY Mar.12
警察署エリアの制圧作業は進んでるよ。相変わらずの曇り模様で、なんだか気分がゲンナリするかな…。トラブルはなかったんだからいいはずなんだけどね。
ハンターさんはトラブったみたい。ハンターさんは無事だったけど、補助で処理していたエリアまでゾンビが流れ込んだらしい。変異体の数も聞く限り多かったし、ハンターさんは1人だからなー。
スプレーゾンビはやっぱり怖いな。ゾンビを強化しちゃうから百戦錬磨のハンターさんさえも、逃げなきゃならないなんてなー。放浪者さんならどうなんだろう。倒しちゃうのかな。
放浪者さんは、なんていうか、出来ちゃいそうだなーって思えちゃう。今回の探索も、皆あまり意味はないんじゃないかって言ってるけど、多分、何か見つけてくる気がする。
でも、その場合ってなんだろう。想像超えてること多いからわかんないや。
【無邪気】
「もう大丈夫かなー」ツンツン
「…あまり触るな、感電の恐れもある」
「これがロボットさんかー」フワフワ
「…意思は感じた。見えた脳からしてただのロボット、ではないだろうな」
「ほほー」フワフワ
「…ここのプロジェクトは潰れて正解だな」
「どうしてー?」フワフワ
「…人の脳を機械として使う。正気の沙汰じゃない」
「そっかー」フワフワ
「…とりあえず地上部分は制圧だな。後は地下だが、同じようなロボットがいるとなると、残り一発だけでいけるかどうかか」
「フェアリーも手伝うよー」フワフワ
「…あぁ、頼む」
>>709
そもそもあれは、説明されても身体をどう動かしてのかすらわからない
>>710
一応制限的な物がない訳じゃないんだけどねー
>>711
今時点の開示は、近距離専用、制限なしってとこだねぇ
>>712
この時代的には古くなるんだろうなぁ。そもそも、この時代ではやってるのって何なんだろ。
>>713
人間そのものは止めてないんだけど、人間辞めるようなことをしてるっていうか。うん。
>>714
むしろ入らない理由がない。
>>717の修正
×宣言通り、ロボットさえも制限も浮きだして、そのまま廊下の手すり部分を超えて、フェアリーは1階ホールに落とす。すかさず放浪者も飛び出し、すでに装填していたアレを、ファントムジャベリンから倒れ、銃口をこちらに向けようとしているロボットに叩きつけた。
○宣言通り、ロボットさえも制限も浮きだして、そのまま廊下の手すり部分を超えて、フェアリーは1階ホールに落とす。すかさず放浪者も飛び出し、すでに装填していたアレを、ファントムジャベリンから、銃口をこちらに向けようとしている倒れたロボットに叩きつけた。
乙!
WWPめ……この星をマッドサイエンティストの遊び場にするつもりかよ
ミ=ゴ「僕達の星に来る練習かい?感心感心」 なんて冗談はさておき
フェアリーちゃん有能ね。放浪者はお子様脳にイラついてるみたいだけど
そして脳ロボは合意の上で改造された訳ではなうようだね。「(体を)カエセ」とか「ココカラダセ」とか言ってきてるし
泣いて手当たり次第暴れられたら困るから自制はしてるっぽいけどね
しかし、これ日は強い子供が多いなw
翌日。放浪者とフェアリーは例のロボットが来た廊下奥を進んでいた。薄暗いその先には、恐らくはそのロボットがいたであろう地下へ続く階段があった。
『ひっひ。放浪者の旦那、どんなもんだーい』
「…これから地下探索だ」
生存確認の為に入るビジョンの連絡時間と合わせて、活動を開始していた放浪者は、そのままサポートチームの協力を要請した。
「あー、だれだれー?」
こういうことに目ざといフェアリーが、放浪者の周りを飛び回る。当然、その声はサポートチームにも聞こえている。放浪者は、友達だと答えると、彼女はそれでとりあえず満足した様子だ。
「…詳しくは後だ。今はフォローを頼む」
ビジョンは言葉を返してこなかった。重要性が高いという意図が通じているのか、それとも少女の声に反応したのかはわからない。今は目の前のことをこなすことが先だった。
地下への扉は破壊されている。内から外へ、爆発物か殴りつけたかのような形跡。何が起きたかなんて言うのは、考える必要はないだろう。問題は、こんなことができる存在がまだ内部に存在しているかということだ。
ナイトビジョンはフェアリーに装備させた。彼女は嬉しそうにしているのを制し、静かに行動するよう告げる。暗闇、とまではいかないが薄暗い。施設内が破壊されており、明かりが一部生きている程度。ここにあるのも白骨死体ばかり、あのロボットは人間を殺して回っていたと考える。ゾンビの心配は必要なさそうだ。
必要なのは、そのロボットの駆動音を聞き逃さないこと。それだけに放浪者は神経を集中させる。
施設内は広くはない。WWPの考えなのか、地下に主要なプロジェクト関係が集中している。その方が管理しやすいのは間違いないだろう。機密の隠ぺいや警備は地上部分が行い、何かあっても地下を封じればいい。封じられないものを作っては世話がないが。
幸いにも全部回り切っても新たなロボットの姿はなく、放浪者は構えを解く。フェアリーのナイトビジョンも回収しようとしたが、駄々をこねられたため飽きるまでつけさせることにした。
内部にはめぼしい物資は見当たらない。ロボットのパーツと思われるものが、いくつか転がっているぐらいのものだ。おかげで放浪者も、閃く。ここは十分、パラノイア対策に役立つ確信を持てた。
「(となると、維持が必要だな)」
考えていることを実行するとなると、ここの設備は必要になってくる。その為に必要な物を探す
「おにーちゃん。あれなーにー?」
さかさまの姿で飛んできたフェアリーが、こっちこっちと放浪者を引っ張っていく。連れられた部屋の中にあったのは、何かを収納するような装置がある。パッと見た印象からして、恐らくはあのロボットが格納されていたところだろう。
「…何かわからないが、必要と考えてたものだろうな」
状態は悪くない、あのロボットが今まで機能していたのもこの装置があったからと考えられる。後は、ここのプロジェクトに関する情報を探る必要があるのと。
「…フェアリー」
「んー?」
その為に必要な彼女の超能力の、詳しい情報を聞き出さなければならない。
警察署エリアの制圧作業は滞りない、ここのところ続いた曇り模様から晴れ模様へとなり、そのおかげか今日は比較的好調であると言える。
処理が終わった後は、すでに物資が眠っている可能性があると目星をつけたところを探索したり、後は地下道の偵察なども含めると、かなり負担が大きくなっているのが実情だ。
愚痴っても仕方がないのはわかっているが、どうにかできないものか。井門はそう考えながら歩いていた。彼が任された建物は当の昔に荒らされており、めぼしいものと言えば比較的綺麗な絆創膏があったぐらいのものだ。
結果的に彼は時間を余らせ、そこ以外に良い物資がありそうな場所を探しつつ、ゾンビがまだいれば処理をして回っていた。残念ながら身を結んでは今のところいない。
そろそろ、集合時間が近づいていることを確認して戻る。この後も引き続き、新しい区域での処理任務が続く。ぼやぼやとはしていられない。遠目に歩いたこともあり、井門は早歩きで移動を開始した。
2つ目の交差点を過ぎたところだった。電柱にぶつかって入るが、比較的損傷の少ない車を見つけ。
「ジープじゃねぇか」
オープン型の軍用ジープ。後ろには弾薬が半分ほど残っている機関銃もセットされている。ある程度の悪路も走り飛ばせるだろう。少しがれきに埋まっていて掘り出す必要はありそうだが、それでも使える状態に見える。
「こりゃあ、良い拾いもんだな」
集合場所に戻り、ジープの回収の手伝いを依頼する為、彼は駆けだした。
回収組の活動は少しずつ実を結んでいる。拠点入り口エリアでのバリケードの補強は進み、ゾンビの完全処理のおかげで防衛力の強化は進んでいっている状態だ。地道な活動は、長期間積み重ねてこそ意味が出てくる。今はまだ、少しそれがわかるように感じられる程度のものだ。
まだまだ、この任務を進めていかなければいけない。平山はそう考えながら、今日最後のバリケードの補強を終わらせた。
「平山さん、これなんス?」
フェイが走り寄ってきて見せたのは小さめのナイフだった。平山がバリケード補強している間に、探索をしていた彼女は、遺体が持っていた中から見つけ出したものだ。
平山がそれを手に取って観察する、両刃で柄は小さく、刃の部分が大きい。切るという動作よりは、突きを目的にしているようだが、それにしては小さい。
「…すまないがわからないな。井門殿ならわかるだろう」
そのナイフをフェイに返す。使えなくはないが、必要かは判断できない。ただ、槍の部品としては優秀なように平山は感じた。
「とりあえず気に入ったので、持ってるス」
小さいバックパックにそれを入れて、フェイは嬉しそうにしていた。
>>723
うんまぁ、うん。そういう連中だから
>>724
放浪者は戦闘時は真面目にっていうのがあるからってだけでイラッとはしてないかなー。
どっちかっていうと子供好きだし。
ロボットさんは、明日の続きかな?
>>725
まぁ、超能力者って何かしら失陥してるところがあるというのがポイントやも。
一応普通の子供折るにはおるんだけどねぇ。
残りは明日なり。
>>705の訂正
×放浪者が遠出するとあると、今度は何をしでかすかしら。
○放浪者が遠出するとなると、今度は何をしでかすかしら。
>>719の訂正
×研究所内に侵入したが、手洗い歓迎にあった。
○研究所内に侵入したが、手荒い歓迎にあった。
乙!
二箇所で見つかった不明物はなんだろうね。専用オートメンテポッド?と、手投げナイフ?
ビジョンさんは何か察して、もう連絡とかしてんのかね?
拾い物の軍用ジープも今後の活躍に期待
放浪者の研究所探索が終わり、サポートチームもいったんの休憩を取っていた。放浪者から聞く研究所内状態はすでに機能していないと言えるものだったが、必要な端末や機材に大きな損傷はなかった。おかげで、エクスのハッキング技術にて、プロジェクトの情報を得ることが出来た訳なのだが。
「どうしたんですかね、ビジョンさん」
伊吹がそう言うのも不思議ではない。彼もまた何を考えているかわからないタイプだが、今は考えにふけっていることは誰の目に見ても明らかだった。感情をあまり出さない、というより感情が超能力を得た理由で希薄と言っている彼が、それを表に出していること自体が大事(おおごと)と言ってよかった。
「やれやれ、あっちもこっちも…」
エクスがぼやく――ある意味それが仕事かもしれない――のも無理は無い、基本的な任務に加え、パラノイアの件、今回の放浪者の件、そしてDJフレンドのファイブキラーから話が合った。情報提供者の件だ。
DJフレンドの勢力としての依頼ではなく、彼個人の考えとして情報提供者を追ってほしい。その為、内密であることを条件で調査を依頼されていた。本来、この依頼に報酬はないと言えるが、DJフレンドに敵対する存在を調べておくことは、結果的に彼等の持つ最強の武器、ラジオを失わずに済むことになる。
調べは進んでいるが、情報提供者の姿は見えない。そもそも使っている端末やネット環境が本人のものである、なんてことは今はほとんどない。やるとするなら、ある程度絞れた地域を監視カメラで生存者の姿を探す。というぐらいだ。
今度の定期連絡の際に、ファイブキラーが連絡役だったら進捗程度は報告しないとなと、疲れでかすめをエクスはこすった。
>>733の訂正
×今度の定期連絡の際に、ファイブキラーが連絡役だったら進捗程度は報告しないとなと、疲れでかすめをエクスはこすった。
○今度の定期連絡の際に、ファイブキラーが連絡役だったら進捗程度は報告しないとなと、疲れでかすむ目をエクスはこすった。
研究所の探索は無事完了、しばらくここと野木の研究所の行き来だ。
今回見つけたプロジェクトは、BAP(Brain Android Project)。有機人造兵器計画と呼べばいいか。
まだ詳細な解析はサポートチーム待ちだが、概要からすると戦闘において致命傷を負った優秀な兵士を活かす為、脳髄をロボットに移植する。といったものだ。この時点で反吐が出る。
今回俺とフェアリーで倒したアンドロイドも、元は人間。無理やりアンドロイドにされたと言う訳だ。
今までいろんなプロジェクトを確認してきたが、憎悪に近い気持ちを抱いたのは、これが初めてかもしれない。
何故なら、このプロジェクトを進めるにあたって検体は必要だ。都合よく兵士の調達など出来ないだろうから、その場合は。
いや、今更か。フェアリー、そしてビジョンすらも連れ去られた検体と見るべきなのだからな。
……、面前には確かにパラノイアとの戦いはある。しかし、その奥に確かにいるのは、WWPという組織との、戦いだな。
奴らを崩壊させずして……、真の平和はない。
警察署エリアの制圧はなかなかに好調ですよっと。パラノイアは相変わらず不気味に静観してるご様子です。
そのパラノイアの為に研究所に行った放浪者さんですが、とりあえず無事とのご報告。何よりですね♪
問題は何を見つけてくるかってことですかね。メンバーの中には風虎以上の生物兵器がとかなんとか言ってる人もおりますし。
あたしも、ただでは帰ってこないのは想像できますけどね。予想しても仕方ないのです。何が起きても放浪者さんで片付いちゃうし。
それこそ、生物兵器じゃなくても、ミュータントとか、超能力者とか連れてきたって不思議じゃない訳で。
でも、その場合は帰ってくるの遅くなっちゃいますし、報告ではそんなことも言ってなかったようで、多分普通にプロジェクト発見、てな感じですかね。
ま、何にしても明日には戻るようなので、詳しくはそこでわかりますねー。
3/13 担当勝 朝
放浪者まだ帰ってこないのかなー。
今度は何を連れてくるのかなー。
担当門日 昼
皆その話題で持ちきりだけど一つ聞きたいね。
自分は含まれてないよね?
サポートチームより、リーダーは明日戻ると報告だね。ただ、あっちへ顔を先に出すみたいだよ
担当平山 夜
門日さんは含まれてない考えてよろしいかと。
そもそも放浪者さんが、スライム、佐原殿、ビジョン殿、小間城、風虎といった面々を連れてきておりますから、そういう反応なのかと。
今回も、どうなるかはわかりませんが…。
放浪者が出張する度に何連れてくるか賭けられそうw
千護はいつも通り、ストーク達のアジトに居た。基本的に、千護達とストーク達はそれぞれの目的があり、別々に活動している。だが、WWPが活動を広げている現状の新興都市において、協力体制を取るのは自然な流れだった。
「貴女がいうことが真実なら、そこで何か起きたのかもしれない訳ですか」
交渉に使える情報をあまり持たないが、千護はアビスのことを2人に伝えた。手の内を出さない2人へ、先に情報を提示するのは癪だったが、WWPの中で最も大掛かりな施設と言えるアビス。そこで問題があったとすれば、この動きも千護には納得できた。
だが、何を研究しているかは想像できないところだ。しかし、重要度が高いということは危険度も高い可能性がある。知らずに活動して2人が死なれるのは、千護達に痛手だ。黙っているという訳にもいかなかった。
「……、千護さん。詳しいね」
「いろいろあってね。もしかしたらおたくらの方が詳しいと思ってたんだけどさ」
含みを入れる。アビスという重要度の高い機密情報を持っている人間がこう言えば、お前達のことも知っているというニュアンスになる。そんな言い回しにした理由も、千護なりに2人が悪い人間とは思えず、信用はできると思ったからだ。その先の信頼、そこに進ませてもらう為に、2人の口から何者であるかを言ってほしいと望んでいた。
「………アイビス、いいだろ?」
「…。好きにすればいいじゃないですか」
今までの交流で、互いに信用関係は成立していた。そこから互いに、先へ進むための一歩が、次の言葉から始まる。
「知ってるかもしれないが…。俺達はレジスタンス。WWPに立ち向かう為、創設された組織のメンバーだ」
レジスタンス、それは拠点、研究所から聞かされた情報。
「OK、ならウチらも奴等には喧嘩を売ってる身だ。問題なさそうだね」
意図は違えど、同じ敵を持つ者同士。千護には、それだけで十分だった。
軽くメモを書き終えて、放浪者はゆっくりと周囲を警戒を含めて窓から見ていた。バリケードの敷設は、フェアリーの力のおかげで容易に完了しているのと、都度ゾンビは処理をしたことでこの周辺は他に比べれば安全な状況になった。
そのフェアリーは、すでにベッドの上で熟睡している。放浪者は手を伸ばし、その髪を撫でるとむずがゆそうに彼女は体を丸めた。放浪者がそれに微笑んで少ししてから、携帯が振動する。
『ひっひ。今いいかい放浪者の旦那』
それは当然、ビジョンからだった。緊急の報告にしては緊迫感は感じられず、放浪者は用件を聞く。
『けけけ。側にいるのは、もしかしてフェアリーの姐さんかーい』
「…そうだ」
放浪者は一切同行しているフェアリーについて、サポートチームに説明しなかった。どの道、研究所には向かうことになるのと、研究所探索時に事情を説明する余裕はないというのが理由だ。だから、隠す必要もなく、放浪者は肯定した。
「…やっぱり知り合いか」
『くくく。仲間ーさ。芸良の姉さん達と一緒だと思ってたんだーが…』
放浪者は彼女から聞いたことを伝える。話に出ていた分かれた2人が恐らく芸良であろうこと、そして今2人を探しているところであると。
『ひひひ。そーかそーか…。フェアリーの姐さんが無事だっただけ、ましーか』
「……? 今気づいたが、姐さんといったか?」
ビジョンの独特は呼び方で、名前とプラスして旦那、兄さん、嬢ちゃんといった言葉を付ける。その大体は年齢差が基準になっている。横目で見るフェアリーはどう見ても小学生の高学歴程度にしか、放浪者見えなかった。
彼が説明するには、元々小柄な大人の女性であったが、エデンシードによって超能力を得た際、精神退行と身体の縮小、そして記憶が欠落した。結果、今のような振る舞いになり、それが次第にフェアリーと呼ばれるようになった理由ということだ。
『ふはは。しかし、人見知りのフェアリーの姐さんが、放浪者の旦那にこうもべったりとはーねー」
「…人見知り?」
それは、彼女の振る舞いからして放浪者には考えづらい事だった。
『くけけ。そうーさ。だから一緒にいることも不思議ーだ』
「…普通に話しかけてきたがな」
希薄だが、ビジョンはそれに驚いていた。フェアリーは慣れた相手ならともかく、初めての相手には人の後ろかどこかに隠れて様子を伺うようなタイプ。それが、放浪者には普通に話しかけていった、ということは想像ができない。
「…どちらにせよ。会ってやれ」
『きひひ。もちろんーさ』
久しぶりに会う、超能力者のメンバー。ビジョンは自分は何を聞きたいか、少しだけ考えてから、やめた。
【かっこいいもの】
「オー、ジープってこうなってるっすな!」
「これなら、高速移動で偵察もできる。ついでにこれで攻撃もな」
「かっコいいっすなー、井門さん!」
「つっても、オープン式だからな。銃を撃たれりゃあヤバい。ゾンビにはちょうどいいヒットアンドウェイができるだろうけどな」
「パラノイアの時に使えるっすカね」
「かく乱させるにゃちょうどいいだろうな。どういう作戦でいくかってのはあるだろうけどよ」
「でも、乗り物が増えルのは良いっすな」
「できりゃあまた、無事なエレバイク辺りは回収したいな」
「戦車みたいなのとかも、結構あるんすけどね」
「大抵は横転したりパーツなかったりだからな。ここまで無事なら御の字だ」
「そっすなー」
【なんでも鑑定(武器のみ)】
「と言う訳で、見つけてきたス」
「ふんふん、なるほどな」
「わかるスか?」
「あぁ、こりゃあ投げナイフだ」
「え、ただのナイフじゃないんスか」
「持ってきておいてなんでそうなる。投げやすく作ってあるんだ、こんな具合だな」シュッ、ガスッ
「おー!」
「ぶっちゃけ、ただのナイフ投げてもいいだろうけどな。小さくて持ち運びはこっちのが便利だ」
「ほほー、なら自分が使うス」
「フェイが見つけたもんだし、いいんじゃないか」
「じゃあせんせー、早速投げ方を教えてほしいス」
「ま、そうなるか」
乙!
幼体化とかいう副作用は謎過ぎるなw
フェアリーさんも、飛ぶにしろ乗るにしろ、移動するなら毛布か何かにくるまる事をお勧めする
回収組の拠点入り口エリアの活動は続く。その活動は、ある意味で本来の回収組の役割に戻ったものだが、その名が表す通りに隅々まで物資がないかをチェックできるのは、やはり拠点からの活動位置が近いということもあるだろう。このおかげで、探索組が見つけていなかった物資も見つけ出している。量は多いものではない、しかし、消費を抑える意味では手に入れられるものがあるなら、それに越したことはないのだ。
今2人は、瓦礫をどかしている。瓦礫の中には大型の警察車両が埋まっている。中には数体のゾンビの姿は見えるが、人間が抜け出せるような隙間は空いていない。つまり言い換えると、この中は生存者が探索もしていない、車両のタイプを考えればこの中は宝箱のようなものだ。危険さえ、排除できれば。
「こんなものでいいだろう」
両手を払い、戦いの準備をする。中に見えるゾンビの動きはかなり鈍い、人を食べてこれなかったこと、そして身に着けている装備が動きを阻害している。後者はポリスゾンビらしい特徴と言える、その装備によって攻撃が軽減、最悪の場合は無効化される。狙うのは、装備が覆われていない隙間か、それすらも関係ない強い打撃を与えるかだ。
平山は持ってきておいたバールを使い、扉をこじ開けてから素早く離れる。バールの金属音が周囲に響き、合図のようにポリスゾンビは車両から出てくる。ゆっくりと、着実に平山に近づいてきた。
「うりゃース!」
こじ開ける間に姿を隠していたフェイが、後ろから奇襲をかける。狙うは、ヘルメットと防弾チョッキの間の頸椎。ディフェンススパイクの持ち味は、防御可能なだけではなく格闘に覚えがあれば急所を狙えることだ。ガスンと刃がその間に入り、1体目のポリスゾンビは動かなくなった。
「…静かにやれないのか、まったく」
諦め半分、呆れ半分。愚痴るにはもう戦闘が進んでいる。平山はブラストシューターの出力を上げて、弾丸を発射する。それによってポリスゾンビに大きなダメージを与えられる訳ではないが、銃の弾丸とは違いそれより質量のあるがぶつけられれば、その衝撃で転げさせることはできる。まだ近づいてくるもう1体は、膝を蹴ることで同じように地面に伏せさせる。
ヘルメット付きのポリスゾンビは、大体は噛みつきを心配しなくていい。そして同時に、そのヘルメットごと首をひねってやれば、へし折ることも可能だ。
その要領で2人は残りのポリスゾンビを処理して、警察車両の中に有用な物がないか確認し始めた。
今日の探索組活動は一部のメンバーが抜けていた。山中とEVEの二名は、放浪者が研究所に来てほしいとサポートチームから連絡があり、離脱しているという状況だった。それでもすべきことには変わりない。それがいくら危険でも、得る為の等価として背負わなければいけないものだからだ。
この緩衝地帯を確保する、考えようによってそれは、無為な行為なのではないかという気持ちをよぎらせる。メンバーもそのことは考えないでもないだろう。だが、その疑念を抱かせないのは自分達を指揮する放浪者への信頼感によるものだ。
もちろんそうだとしても、2人欠けたという事実は大きい。いつもより慎重に、そして休憩を挟みつつ処理を進めていく。
西切は、安全と危険の天秤はどこにあるのだろうと、何となく考えてやめた。それをして、何かしらの探索組に利が起きるならすべきだろう。しかし、それはすでにリーダーである放浪者と山中が判断した上で今の任務なのだから、意味はないと。
今彼女がいるのは、休憩と集合ポイントを兼ねた喫茶店。彼女以外には藍がこの中に何かないか漁っているところだ。
「むぅ。これがコーヒーを淹れるやつなのか。どうやって使うんだぞ?」
西切もそれは全くわからない。何かの拍子で、コーヒーを沸騰させたものを何かするらしいガラス管だが、何の意味があるのか。藍には素直にわからないと伝えた。
ふと、その機械の側にメモが置かれているのに気づいて手に取る。中身は、情報にもならないものだ。
「…昔の私なら、大喜びしたんだろうけどなー」
意味はないとはわかりつつ、その根っこにある記者の血がそれをスーツの胸ポケットにしまわせた。
夕闇に紛れて、放浪者がサンダーボルトで研究所に向かっている。その背中にはしっかり抱き付いたフェアリーがいる。絡む腕が離れないように込める力は感じても、重さは感じられなかった。そして、そのさらに後ろには、ロープで括りつけた研究所内で破壊したアンドロイドが引っ張られている。
フェアリーの超能力は、基本的に1つの対象に対してのみ作用する。例外は自分自身で、自分とその対象同時に浮かす力を使うことができる。だが、その場合のデメリットもあり、本来の力が彼女が言うに半分ぐらいになってしまうということだった。自分が浮きながら重いものも一緒に移動させることはできるが、何かの拍子で落ちる可能性があった。
その結論が、今の状態。彼女もサンダーボルトに乗って、アンドロイドを浮かして引っ張る。同時にフェアリー自身も浮くことで、可能な限り重量を軽くして移動している。もちろん、フェアリーの腕力だけでずっと抱き付き続けることはできない、放浪者とフェアリーを繋ぐように、ロープで縛っている状態だ。
「んふふ~、ぬくぬく~♪」
来る最中に寒さを感じたこともあり、フェアリーには厚めの恰好をさせている。ご満悦のようで、彼女は放浪者の背中に顔をこする。
「…アンドロイドだけは落とさないようにな」
「はーい」
アンドロイドはサンダーボルトに括りつけられている。いきなり元の重力に戻れば、落下は避けられない。それをわかっているのかいないのか、フェアリーはいつも通りだった。
2人が到着した時には、すでに山中もEVEも研究所に居た。元々、夕方を過ぎての出発と伝えていたはずなのだが、放浪者がどういう理由で早く来るかわからない為と、山中は答えた。
会議室にもすでにいつもの主要メンバーも集まっていて、放浪者はそのまま今回の件の報告を始める。一緒に持ってきたアンドロイドと、自分の背後に回り様子を伺っているフェアリーと共に。
BAPに関する内容はすでにエクスが解析をしていた。コンセプトは負傷し、死亡まもない兵士をアンドロイドに転用して運用、その能力を失わずに利用する為、脳髄を埋め込んだ有機人造兵器の開発というものだ。いつも通りの非人道的な内容に、アリスの顔はひきつっている。
「…こいつにも、その人間の脳みそが組み込まれていた。危険性を考慮してその部分も破壊して、埋めた」
調査結果の情報だと、どうやらまだ試験段階だったようで、同タイプのアンドロイドは3体作製されていた。残り2体は今回の研究所では見当たらなかった為、他の研究所にある可能性が高い。今回の研究所にあったアンドロイドは、最初期に作られたもので、言うなら旧式ということだ。暴走に伴い研究所を放棄したのは、そちらでBAP自体のプロジェクトは進められると判断したからとも言える。
「えげつねぇのは、ガキの脳みそは適合しやすいが、大人である兵士の適合には難があるとか書いてやがんだよ…。奴等、第三次世界どうの以前に、それこそ頭がイカれてやがる」
今回の件、冷めた感じのあるエクスでさえも嫌悪感を出している。放浪者も、このプロジェクトが進行しているとすれば、今ほど都合のいい状況はないと考え、関わるようであれば破壊するしかないと決めていた。
「……、それで放浪者さん。なぜ私とEVEをここへ?」
「…俺達はまっとうなアンドロイドを作る」
彼の視線の先には、壊れた有機人造兵器があった。
「あー! ビジョンおにーちゃん!」
「ひっひ。フェアリーの姐さん。元気そうでなによーり」
会議の後、放浪者はフェアリーをビジョンに会わせていた。彼女はビジョンの周りを飛び回り、喜びを全身で表している。ビジョンはいつも通り薄いリアクションではあるものの、喜んでいるのは感じ取れた。
「ゆりおねーちゃんが、ビジョンおにーちゃんさらわれて、悲しがってたよ!」
「くくく。心配かけたみたいーだ。見ての通り、無事だーよ」
ビジョンは、ここに来るまでの経緯を短くだがフェアリーについている。ただ、彼女は聞いているのかいないのか。離れ離れになった仲間と遭遇したことの喜びの方が勝っているのだから、仕方のない事だろう。
次に、フェアリーが芸良はどうしたのかビジョンが尋ねた。彼がさらわれた後も、しばらくは一緒に行動していた。しかし、ある日別行動で待機を言い渡されていたものの予定時間になっても現れず、探しに行っても見つからなかった。そうして1人になったということだった。
「ははは。芸良の姉さん達のことだから、無事だとは思うーが」
それに、仲間のことはけして見捨てるような人ではない。ビジョンは確信を持って言えた。だから、トラブルが起きて時間がかかり、待てなかったフェアリーが勝手に移動したことで、はぐれたと考えた。
必要な情報交換は終わり、ビジョンは放浪者の方に顔を向ける。
「きけけ。それで、フェアリーの姐さんを、放浪者の旦那はどうする気ーで?」
「…しばらくは協力してくれるそうだ」
無表情に答える。彼の眼に見える放浪者から発せられる生体エネルギーを見ても、嘘はない。彼がフェアリーをひどい目にあわせるとは思っていない。しかし、超能力者ということで虐げられた事実、感情の薄くなった彼であってもその事実は簡単に流せることではない。だからこそ、確認を取った。
「放浪者のおにーちゃんは悪い人じゃないよー?」
「ふはは。知ってるーさ」
抱き付いてくるフェアリーは気にせず、ビジョンは考えていた。今後、芸良と放浪者が遭遇することは、可能性として低くはないだろう。もし敵対するとしたなら、どちらの側に着くべきなのか。そのことを。
乙!
ロボット素材と警察装備 ゲットだぜ!(胸糞悪さから目を逸しつつ)
フェっさんはここでどんな楽しみを得たり、思い出を作れるかね
五百七十日目
研究所探索はいったんの終了というところだ。しかし、今回のパラノイアの為に考えているアンドロイド作りを考えると、今しばらくは部品運搬が必要だろう。後は、アンドロイドをメンテナンスするための設備。EVEはそういった事が必要はない次元まで達した、研究所の連中曰くオーバーテクノロジーな存在らしいが、BAPの兵器に関してはそうではない。
もちろん、俺達はそれをそのまま再現する気はないが、アンドロイドとして動く構造は魅力的だ。きっちりと制御さえさせれば、動く警備用にも俺達の探索を助けてくれる戦闘用にもなる。少なくとも、その一台あるだけでも並の略奪者からは身は守れるだろう。
BAPの研究所の惨劇を見たのと、俺が戦った限りだと、武装にもよるだろうが真正面から戦うなんて言うのは無理だ。鋼鉄のアンドロイドに傷をつけるならそれなりの武器も持っていなければならない。
パラノイア戦までに間に合うかはわからないが、間に合えばこれもまた強力なパラノイア対策になる。なにせ、覚もEVEの思考は読み取れないと言っている。なら、パラノイアもそれは然りだろう。かなり役立つはずだ。
それらを実行する為にも、俺とフェアリーで運搬可能な物資を回収。あの研究所で確認したメンテナンスらしい設備の改修は、研究所の人間とその護衛の為に拠点からメンバーを選出する。
はっきり言って、かなり危険な判断ではある。まず拠点の守りは薄くなる、それがパラノイアに知れれば襲ってくる可能性は高い。何より、道中の安全は確保できている訳ではない。無駄に人員が死ぬ可能性さえある。
だが、これが俺の考える最善だ。無難を追っている余裕はない、無難で勝てると想像は出来ていない。拍子抜けでもいい、用意した準備は、どの道新たな脅威に備える手間を省くことができるのだから。
1月14日
放浪者が残っていた研究所の探索から戻った。BAPと呼ばれるプロジェクトのアンドロイドと、超能力者のフェアリーと呼ばれる少女を連れてだ。以前なら驚きもしたものの、やはりかと思う気持ちが強く淡々と受け入れていた自分がいた。
BAPに関する情報は、WWPに憎悪を抱かせるものだった。生きた人間の脳を、アンドロイドと融合させる。それが人が正気の沙汰をもって行ったとは思えない。人と思わないからこそ起きたプロジェクト。そう判断できる。
放浪者は、そのプロジェクトを利用して、本来の意味でアンドロイドを研究所で製作することを提案している。野木主任は少々渋っている様子を見せたのは気がかりだが、放浪者は説得するつもりのようだ。
確かにアンドロイドを製造するなら、一度きりというのは労力に合わない。継続利用してこそのものだ。放浪者もアンドロイドはパラノイア戦後は研究所に置くと言っていたから、けして利のない話ではない。後は野木主任がどう判断するかだ。
山中沙奈 記す
放浪者は全てを見ているのではないか、そんなことを山中は時折思う。だからこそ、タイミングよくBAPというプロジェクトと、その計画を利用する為に助けとなる超能力者のフェアリーと遭遇した。少し考えると、それらは出来すぎなことと言える。
だが、もし仮にそうだとしても信頼できる彼がすべきことに間違いがあるとは思えなかった。そもそも、そんなことを意図的に起こせる訳ではない。つまり、この考えの収束する結論は放浪者は幸運である。それだけのことなのだ。
「…野木主任の説得は出来た。後は彼がここのメンバーを説得するだけだな」
もはやフェアリーが自分にくっついていても気にしない様子で、放浪者は山中のいる自室の中に入ってきた。そのフェアリーは、山中がいると気づくと放浪者の背中に隠れてしまう。
「それなら、こちらも拠点メンバーの誰を選出するか決めないといけませんね」
そうだなと答えて、彼は山中が座っているベッドの、その左隣に座る。フェアリーは背中から左腕に移動して、山中を疑るようにジーッと見ている。
「…考えているのは、井門、林道、勝の3名だ」
「勝君を、ですか?」
山中が驚くのは当然だ。林道の教えや元々のポテンシャルが高いことは彼女も承知している。しかし、まだまだ子供であり、警備組での任務と覚の世話係を担ってもらっている。
「…あいつは、次を背負う人間だ。伊吹は情報を、本造は製造を、あいつは強さを。これから先、ゾンビ、変異体は居続ける。もし、解放されたとしても、略奪者やミュータントは存在する。勝の強さを、腐らせる訳にはいかない」
もちろん、林道や覚、更には浜村さんの説得が必要だろうなと付け加えてから、俺がしようかという問いに、山中は引き受けると告げる。
心配はある、放浪者が認めていると言っても、何が起こるかわからない。それが今の世界の現状だ。そうならないことを祈るしかない。
「……つまんないー」
フェアリーの不満げな声が、山中の思考を止めさせた。
フェアリーのつまらないっての親がお店とかで話し合って子どもが放置されてるのと似てるな
EVEはアンドロイドの側にいた。自分と同じ、機械ではあるが目の前にいるそれは、元々は人間の意識を持ったアンドロイドだ。自分とは違い、ちゃんとした意識を持つ壊れた存在。それはこの薄暗い室内に鎮座している。
プログラムにより作られた意識は、それは意識なのかEVEは疑問を感じていた。学習するうちに、知らぬ知らぬ間にEVE自身は考え、疑問を感じられるところにまで成長している。しかし、それをまだ理解はしていない。感覚と言葉が紐づいていないからだ。だから、それもまた言葉として紐づいていない、もやもやが内包していた。
もし、このアンドロイドと話せたなら、何かがわかる。そんなことをEVEは考えていた。しかしそれは、叶わない。
放浪者がEVEをここへ呼んだ理由は、EVEの持つAI部分を、アンドロイドに移植できないかを検討する為だった。独自言語でできている彼女のAIを移すこと自体、かなり難しい可能性は高い。しかし、もしできれば高度な指示や活動を望むことができる。
だが、EVE自身、自身のAIについて疑問を抱いている。それに答えを求めるように、彼女も又そのアンドロイドの横で鎮座していた。
【いろいろ想像】
「山中さんとEVEを呼び出すなんて、なんか起きてるんだろうな」
「やっぱり何か見つけたってことですよね。井門さん」
「でも、山中さんはわかるけど、なんでEVEもってところだなぁ」
「新しい盾でも出来たんですかね?」
「なんか一ノ瀬の案がそれっぽいな」
「あとは同じロボットが見つかったとか」
「EVEは山中さんのお父さんが1人で作ったもんだろ? それはねぇんじゃねぇか?」
「じゃあ、最初に行ったのですかねー」
「俺はそう思うな。まぁ、あの人は想像より斜め上いくからなんてもいえねぇが…」
「もう皆、何を連れてくるかって話題にしてますもんね」
「そうだな」
【自家製】
「ん~…」
「あれ、どうしたの門日」
「あぁ、ちょうどよかったよ。浜村さん、余っている砂糖はないかな?」
「わりかし余ってるわよ。どうするの?」
「ちょっとしたものを作りたくてね。あとはペットボトルはないかい?」
「飲み物でも作るって訳?」
「過程ではそうなるね。最終段階は医療用品作りさね」
「ふ~ん……」
「ドライイーストはあったから、その許可さえもらえればやろうと思ってるんだけどね」
「なんとなく、ピンときたわ」
「そうかい。後は、蒸留できる器具か代わりになりそうなの探さないとね」
乙!
とりあえず、フェアリーと子供達同士で喧嘩とかされるのが一番問題なんだよな。殴るのと同じ感覚でサイコキネシス使われたりするのが
BAPの目的からは、漫画のロボット残党兵を連想したけど、BAPにはあれ程の覚悟も熱さも全く無い結果だから、比べるのは失礼だったね
医療用品作り……とある種のサボテンでも植えます?
「では、2日間だけだが探索組での活動を頼む」
平山はそう言って、ブラストシューターと昨日の任務の際に手に入れた物資を装甲化した軽トラに積んでいる。新たなブラストシューターの構想を思い付き、その改良の為研究所へ向かうところだった。
現在の任務であればフェイ1人でも活動はできる。そうは思えるが、いかんせん突飛のないことをするのも彼女であり、その危惧から平山は探索組に預けることにした。危険な任務なのは間違いないが、それでも強力なメンバーと行動を共にできることは大きい。1人では出来ないこと、起きれば回避出来ないことの方が多い。
何より、自分とばかり活動を共にしていては、似たような経験しか得られない。フェイには伸びしろがあると平山は思っている、こういう機会で今後に役立つ経験が出来ることを期待していた。
「了解ス」
「自分勝手なことはしないようにな」
何だと思ってるスかとふてくされるフェイ。平山は特にフォローはせずに、軽トラのエンジンをかける。少しだけ、フェイが寂しそうな顔をしたのを見て。
「こう言われたくなかったら、探索組のメンバーから活躍したという話を聞けるのを期待している。そして、無茶はするなよ」
笑みを浮かべてフェイは大げさに敬礼するのを見て、手を軽く振って研究所へと走り出した。
BAPの研究所を探索する為、フェアリーは放浪者と一緒に寝床とする周囲のゾンビを処理した。確かに、その時も彼が処理する姿は見ている。そして、ただ人間ではなくて超能力者なのではないか。その疑問だけで頭がいっぱいだった。
ただ、今目に見えているのは、その華麗といっていい動きだった。少しだけ追えるようになってきた彼の動きは、無駄がほとんどなく、そして自分と同じように重力は存在しないかのような立体的な動き。
「かっこいいー…」
子供に戻ってしまったフェアリーに、なぜ超能力者ではないことで不満を感じたのかは理解できていない。けれど奥底で、自分は超能力者でようやっとできる動きを、放浪者が難なくできてしまっているように見えたことへの可愛らしい嫉妬だった。
だから、本当のところフェアリーも、放浪者になぜ声をかけたのかわからない。空を飛んできたことへの興味、それとも久しぶりに見た人間への恐怖と好奇心、あるいは。同族のようだと感じたからか。そのことはもう、答えが出ることはないだろう。
ゾンビ達の処理はほとんど放浪者が行い、フェアリーは補助するような形で本日の任務は終えた。今2人は、運搬可能な部品を午前中に運び、午後は取り外しなのがわからない装置を取りに来る野木の研究所メンバーが移動する経路の安全確保を行っている。
フェアリーの超能力で簡単なバリケードも張り終わり、ゾンビ処理が進むこの地域は、この方面へ移動する際の経路として利用する価値も出てくる。パラノイアと都市解放が終われば遠征は必要なことも含め、放浪者は着々とその準備を進めていた。
「…帰るぞ、フェアリー」
「はーい」
もはや、それが当たり前のように放浪者を飛び回るフェアリーの姿があった。
引き続きBAPの研究所にある運搬可能なプロジェクト関連の物資の搬送、及び野木の研究所のメンバーがここまで来る道中の安全の確保が、俺とフェアリーの任務だ。
その気になればメンバーを増やすことはできるが、正直この任務は俺の独断が大きい上、危険性も高い。その上、予定しているメンバー以外を削るのは拠点の安全を考えるとギリギリだ。結局のところ、俺と臨時でいるフェアリーの2名でこの任務をこなすのが一番だろう。
いくら有用性を説いたところで、発生する危険性は変わらない。立案者として重要な部分な活動と可能な範囲の危険性を背負うのが当然のことだろう。出なければ、メンバーを説得することはできない。
もちろん、相棒あるいは野木主任が説得を失敗する可能性はある。その時は、このあたりの遠征を楽にする為と考えればいいだろう。どちらにせよ、ゾンビは変異体化を遅かれするとなれば、その処理をすることにはなるのだから。
今日はもう遅い、もう寝ているフェアリーに見習って俺も寝るとしよう。
レポートNO.146
井門圭司
警察署エリアの制圧、今日の分は好調だった。まぁ、それはいい。
どうやら今、放浪者さんが見つけたプロジェクトはパラノイアに有効だったらしい。だけど、それを利用する為にはその研究所内にある設備やら物資の運搬が必要。設備の取り外しとか、扱いがわからないものに関して、野木主任のメンバーに見てもらうことになったらしいが、その護衛役に俺が指名された。ここまでは、まぁ普通だな。
だが、放浪者さんがそのメンバーに指定したのは、俺と林道さん、それに勝だ。勝が選ばれた理由は、今後を担う人間だってのは聞かされた。俺もまぁ、そう思う。多分、探索組の男で一番若い俺が選ばれてるのも、そんなところだろうな。
都市を解放して、バリケードをいくら張ったとしても、遠征する必要はある。ゾンビは変異体になる、放置なんざできる訳がない。奴等が全部そうなったとしたら、俺達がやってきたことは無駄になっちまう。それに、人の受け入れの際に人を護衛しながら移動することだってあるわけだ。
あの人は先を考えてる。だから、この選択は必要ってところだよな。不安だが俺は大丈夫。けど、林道さんがそれに納得するかってところだよな。今も山中さんが説得してるみてぇだしさ。
3/15 担当三間 朝
放浪者さん、戻ってきてるみたいですけど帰ってきませんね。何かあったのかな。
山中さんは帰ってきましたけど、EVEさんは研究所に一時残るみたい。放浪者さんは例の研究所出ずっぱりかぁ。
担当喜読 昼
平山さんも、武器のカスタマイズの為に研究所に行かれましたね。
この大々的な動きな、パラノイアのことを考えると厳しい気もいたします。
何事もないことを祈りましょう。
担当フェイ 夜
皆結構いろいろ活動することになるんだね(寂しそうな顔の絵)
何にもないといいなー(お願いする人の絵)
長い沈黙が、応接室にいる山中と林道の間で流れている。BAPの研究の収集の為に必要な、護衛メンバーの選出、そこに選ばれた。勝の存在が、口を開くのを重くさせる。
山中も林道も、大きな意見の相違はない。林道は指導者の立場としていろいろな場面の体験を踏ませれば、山中は放浪者の考えを実行すれば、勝は大きく成長する。そのことは認めている。しかし、林道の考える体験の場としてその遠征はあまりに危険度が高い。
どちらも具体的な提案ができないまま、10数分ばかり経とうとしていた。その沈黙を破るように、応接室の扉をノックせずに開けて佐田が入ってくる。当然、2人は驚きの表情を見せた。
「今度の遠征の件、俺も参加する」
それだけ言って立ち去ろうとするのを、当然山中が止める。意図がわからないのと、これ以上メンバーを減らすことは危険すぎた。
「ふん。腐った技術者が、どんなものを作ったか見たいだけだ。それに、人が多いのに越したことはあるまい。俺は寝る」
有無を言わさず扉を閉める。再度二人の間に流れた沈黙は、重苦しいものではなく、呆気にとられたものだった。
「気を、使わせてしまったようです」
林道がそう言い、山中が頷く。警備組から更に選出するのはかなり痛いが、それでも遠征の安全性は高まる。少なくとも彼は単独で放浪で来ていた生存者であり、BAPの研究以外で拠点に役立つ物資を発見できる可能性を持っているのも、彼だった。
「俺がああだこうだ言うのはお門違いかもしれません。後は、本人の意思を尊重します」
「ありがとうございます。ご相談に乗っていただき、助かりました」
これで山中に残るのは、浜村の説得のみ。勝については彼の意思を尊重するつもりで彼女はいる。
【割と気は合う方】
「それでこういう風に装着したいのです。イメージしているのは、こちらの図面ですね」
「見せて見せテ。ほー、これはかっこいいネ」
「あとはメンテナンスの方を、どうしても設備の関係上、最低限になってしまっています」
「摩耗しているパーツとかもあるだろうしネ。やれるだけやろウ!」
「BAPと言われる研究解析がある中、お手伝い頂きありがとうございます」
「んーン。人のこういう自作の物をいじるのもアイディアの一つになるからネ」
「それなら私の師匠が持つ武器もいい刺激になるかもしれません。少々、頑固ではありますけれど」
「大丈夫大丈夫。技術者ってそういうもんだからネ。いろいろ得ようとする平山さんみたいな方が珍しいヨ」
「そうでしょうか?」
「技術に自信があるから仕方ないヨ。だから信頼してるけど、説得が大変。て、野木が愚痴ってタ」
「なるほど。では、よろしくお願いします」
「お願いネ!」
【不器用】
「…まったく」
「あれ、佐田さんス」
「フェイか。ふん、どうした?」
「それはフェイのセリフ何スが…。ご飯食べ終わったところス」
「そうか」
「どうかしたスか?」
「遠征の件、俺もついていくことにしただけだ」
「えー!?」
「自分より天才とうぬぼれた奴らの技術。見てみたいと思うのが、俺達みたいな技術者の性(さが)だ」
「でも、危ないスよ?」
「ふん。団体で行動するなら人数が大い方がいいだろう」
「…。もしかして勝君がいるからス?」
「ふん。興味本位と言ったろう。もう俺は寝る。お前も寝ろ」
「佐田さん」
「なんだ?」
「優しいスね」
「ふん。なんのことだか、おやすみだ」
「おやすみス」
>>758
まぁ、超能力者に付きまとう危険だね。子供であれ何であれ。
その漫画とこちらだとねぇ。BAPはあくまで一方的なもので人道的なものではないし。
>>759
門日さんの企みは追々ね。サボテンの薬作り、これも悪くなさそうだけど。
>>748の訂正
×ビジョンは、ここに来るまでの経緯を短くだがフェアリーについている。
○ビジョンは、ここに来るまでの経緯を短くだがフェアリーに説明している。
>>752の訂正
×1月14日
○3月14日
>>766の訂正
×「ふん。団体で行動するなら人数が大い方がいいだろう」
○「ふん。団体で行動するなら人数が多い方がいいだろう」
乙!
全体の動きが活発化すると、読む楽しさも増してくるね!
そういやwikiで安価とかやれるとか言ってたけどこれ日はダイス神で全てを決めた方がこれ日っぽいと思う
フェアリー見た目的に何歳くらいなんだろう?
勝たちより歳下なのかな
野木の研究所のメンバーを乗せた大型トラックが、BAPの研究所へ向けて出発している。拠点から選出されたメンバーは、井門、勝、林道、佐田の4名と、研究所からも5名。計9名による遠征隊だ。5名についても、拳銃や槍と言った武装はさせているが、ゾンビとの戦いは全く覚えのないこの世界では珍しい天然記念物のような存在。道中の危険は拠点メンバーが払うことになっている。
「ふん。良い乗り物だな」
「あれ、佐田さんもこういうのに興味あったんですか?」
この間拾ったばかりのオープン型のジープに、佐田が運転手、井門が助手席に座って、大型トラックの前を先行していた。まだまだ春になろうとしているところで肌寒さを感じるものの、普段と違うところへの遠征ということもあり、やや開放的な気分になれる。
「あぁ、車は嫌いじゃない」
その言葉は嘘ではなかった。念のため、井門が佐田に運転を教えようとしたが、見ればわかるの一言で少し動かした後、エンストもなく事もなげに運転をし始めた。その運転技術も言葉通りで、快適なドライビングを井門は楽しめていた。
もっとも、寒さと都度遭遇するゾンビの群れに足を止められることが、それを台無しにしている。ジープにいる2人は素早く飛び降り、大型トラックに乗っている林道と勝も飛び出してくる。
「大まかな人数は把握してるな、勝」
「見てた! やるぞー!」
今回の遠征の選出、勝は喜んで参加している。前々から外に出たいとぼやいていた彼にとって、これは格好の機会だった。当然、覚の世話の部分は悩まないではなかったが、幼さが混ざる若さゆえ飛びついたと言っていい。
今回は遠征ということもあり、単独行動はご法度としている。その為、井門と佐田、林道と勝という形でペアを組んで処理にあたっている。もっとも、変異体が絡まないゾンビの群れ程度なら、緩みさえなければ彼等だけでどうとでもなる。
怖いのは、変異体と戦いが必要になった場合に、被害なく処理ができるかの保証が無いことだ。
「センセー、これで終わりかな?」
「そうだろう。簡単に周囲確認を次第出発しないとな」
帰り道も通るなら、その帰路を安全にするために必要な対応。バリケード敷設をしている余裕はないが、数を減らすことはそれに近づく。ペアごとに周囲を見て回ってから、改めて遠征は再開となる。
「あれ、センセーこれ。戦車?」
何があったのかはわからないが、コンビニに突っ込んでいる戦車を、勝は見つけた。
「言ったはずだよ。情報提供者の件は関わらないって」
いつも穏やかなDJフレンドが、ファイブキラーに強めの口調で告げる。ファイブキラーが秘密裏にエクスに調査を依頼していた件が、運悪く知れてしまいこういう状況になってしまっていた。
「差し出がましい真似をいたしまして、申し訳ございません」
「わかってくれればいいさ。確かに、この人のやっていることは容認できるものじゃないけれど…。今はまだ、我々のラジオを信じてくれてる人がいて、情報も信頼がおける放浪者達からのもの。大丈夫、大したことじゃないさ」
なんであれ信じたいと思うDJフレンドのその気持ちに、ファイブキラーは一抹の不安を覚える。この勢力の武器であるラジオを、何者かによって汚されようとしている。許してはいけないことだ。それに何より、心優しい主の気持ちを踏みにじろうとしている、情報提供者に深い怒りも覚えている。
情報提供者にはかかわらないようにと再度釘を刺されたうえで、彼は放送室を後にする。残念ながら、情報提供者がいると思われる地域は、ここからは少々離れている。探しに行こうとすれば出来るだろう、しかし性別すらもわからないのでは手の打ちようがない。
何とか独自に追う方法はないか、ファイブキラーは検討することにした。
>>768
その代わり、>>1が判定で苦しみ始めるんDA
>>769
あぁ、本編ではなく。この世界観でやったら面白いかなーと。
>>770
見た目は完全に一番幼いです。小学校3~4年ぐらいのイメージ。服装とかは元々は大人なので、落ち着いたのを好む傾向。でもリボンとかは好き。
安価の話に触れられたので、ぼんやりイメージしてるのは。シナリオ式にして、安価・コンマを用いて目的を達成。というところですかね。
もちろん、こちらが終わったら、やるかもねってぐらいなので期待せずに。
さて、ちょっと体調よろしくないので、残りは明日で。今日はとっとと寝るとします。
乙!お大事に!
乙!まさか戦車が見付かるとはね。使えれば堂々と安全な移動が出来る訳だけど、どうかな?
思ったんですが研究所の全体人数は何人なんですか?
遠征隊の出発報告を受けた後、特にトラブルの話は聞いていない。道程が順調であると祈ろう。
距離自体は通常なら一日程度でたどり着けるものだが、今回の遠征隊に与えられた日程は、往復と滞在期間を含めた1週間。全てが順調なら、そこまではかからないだろうが。
俺達の移動経路の確保は滞りなく進んでいる。今のうちに、強力な変異体がいれば処理してしまいたいものだ。
実戦経験がない素人は、何をしでかすかわからない。特に恐怖を感じた人間ほど、余計な危険を引き起こすことをしかねないものだ。
その意味では、井門のリーダーシップも試される遠征になるな。まぁ、その為に奴を選んだというのはある。
別動隊の意味での平山さんのリーダーシップに、もはや疑う余地はない。次にすべきなのは、自分が指揮を執る探索組の新たなリーダー。それは、俺がいない間に代理を務めるサブリーダーである相棒以外でなければならない。
井門の持つ感性といっていいバランス感覚は、その資質に足るものだが、成長しきっているとは思っていない。なぜならまだ奴は、俺と相棒のサポートに徹すればいいと考えている。
これからはある程度、あいつ自身の判断で指揮を執れるようになってもらう必要がある。パラノイアの件があれど、この地域が盤石になれば遠征などの多方面の活動が視野に入ってくる。どう考えても、俺だけの指揮系統で回るものじゃない。
探索組を託せる存在が、そろそろ必要になってくる。それが今考えている、俺のあいつの役割だ。
拠点に来てから初めての遠征をしてるっていう感じだな。なんつーか、懐かしい気分になる。
とりあえず、初日は予定通りのポイントまで移動は完了。この調子が続きゃいいんだけどな。
選出メンバーの俺、勝、林道さん、佐田さんで、いまんとこはうまくやれてる。けど変異体とやりあった訳じゃねぇから、不安要素ではあるな。
はっきりいって、研究所のメンバーは当てにしてない。やられちゃいけねぇってのもあるけど、わりとビビってるからな。とりあえず、自分の身だけ守ってもらえりゃ御の字ってやつだ。
ま、その代わりと言っちゃなんだが、昼間俺らが頑張る分、夜の見張りは研究所のやつらに任せてる。つっても、ど素人に任せるわけにいかねぇから、今日は林道さんが前半、勝が後半にこっちからも1人着く手筈だ。
あと、見つかった戦車だけど、残念ながらサスペンションやらなんやら、駆動系がいかれてて今の状態で直せるもんじゃねぇと。まぁ、その弾の発射装置はあるからそれだけ回収した感じだな。
記録はこんなもんでいいか。あっちでゆっくり寝られるかわかんねぇし、寝れる内に寝ねぇとな。
井門
一ノ瀬DIARY Mar.16
警察署エリアの制圧は好調ですよー。人数が少なくなってどうなるかとは思ったけど、大丈夫そうかな。大丈夫だよね?
それに、放浪者さんみたいに今回の遠征は長いものじゃないって聞いてるから。ちょっとの間頑張るだけだとは思うけど…。心配。
井門さんも遠征隊のリーダーとして言っちゃったから、寂しい。よくお話してたし。すぐ戻ってくるのはわかってるんだけど。
フェイちゃんも、平山さんがいなくて寂しそうにしてたけど、戻ってきたら嬉しそうにしてたから、ちょっと羨ましい。
そういえば、平山さんの武器が新しくなってた。銃を打つところに透明な盾がついてた。詳しくはよくわからないけど、身を守りながら撃つことができるのかな?
私もそろそろ、新しい武器が欲しいかな。
【新たなるブラストシューター】
「迷惑はかけてなかったか?」
「もー、ちゃんとやってたス!」
「それは良かった。明日から回収組の活動は再開だ。引き続き頼む」
「了解ス! …、ところで盾つけたんすな」
「あぁ、そうだ。盾の側面に銃口を取り付けられる仕様だ。身を守りながらこちらは相手を撃つことができる」
「でも、それだと狙ったりできなくならないス?」
「その点も問題ない。着脱式にした。必要に応じて外すこともできる」
「なるほどス」
「私もカスタマイズできたが、例の投げナイフの方はどうだ?」
「まだちょっと慣れないス。でも、音の出ない飛び道具スし、練習中ス」
「わかった。今日はもう休むとしよう」
「そうスね」
【密造酒】
「これでよし、後は温度管理だけだね」
「お、早速やってるわね」
「まぁ、目処はついたからさ。あぁ、呑んじゃダメだよ?」
「あんまり美味しそうじゃないからいいわよ」
「うん。アルコールを作ることだけが目的だからね」
「医療用っていうのは、除菌とかってわけ?」
「後は清潔な包帯ぐらいは用意したからね」
「そうね」
「貯蔵がある普通のお酒を使ってもいいんだけどさ。作れるなら作った方に越したことはないしね」
「でも、そんな手製ので消毒薬になんかなるの?」
「ならないよ。これを更に高濃度のアルコールに抽出しないとね」
「めんどくさそうね…」
「医者も、薬やらなんやらを自作する時代になっただけだよ」
>>774
肉食ったから多分大丈夫
>>775
言われて判定してみたけどダメでした。元々弾を手に入れるイベントではあったけれど。
>>776
ざっくりしか決めてませんが、大体2~30人前後ぐらいです。
乙!
ひとまず風邪は何とかなった様で良かったです!
戦車はダメだったかー。まさかオマケで判定してもらえるとは思ってませんでしたww
しかし、初見で車をスムーズに運転出来る技術屋、通常の枠を超えて強い少年等々と、本当に才能人だらけだなww
新ブラストシューターのシールド、透明なら照準板みたいに出来ないのかな?
井門の懐かしいはスパイダーの時?それとも防衛軍にいた時のかな
サポートチームより遠征隊の状況報告あり、今日はひどい雨だったが、予定通りのポイントまで移動済み。明日の昼頃には到着してそのままBAPの研究所を確認するということだ。
こちらの移動経路は明日通る分は確保できただろう。快適なドライブでも楽しんでもらおうとしよう。
ロボットのパーツの運搬もあらかた終わった。一応、運搬しやすいように研究所内の搬入ルートの邪魔なものは片付けておいたが、白骨死体は目に映らない位置に移した方がいいだろうか。
とはいえ、こびりついて変色した血なんかも壁にある。そこまで気を使う必要もないか。
こういう点を踏まえて、研究所も遠征にそこそこ参加してもらった方がいいだろうな。当人達の為にもなる。
明日はとりあえず、BAPの研究所内の案内をして、必要な部品が搬入をしてもらうが、警備自体は井門達でいいか。俺達は引き続き、移動経路の処理に回ることとしよう。
今日もとりあえずのところは問題なしってところだ。降ってきた雨のせいでジープはなかなか大変だったけどな。
幸い、野木の研究所の連中はわがままを言ったりはしてきてない。緊張は引き続きしてるみたいだし、短期間ならいい傾向だな。たかだが2日間でだらけられちゃ困るってもんだ。
勝については、俺達が心配していることなんて知らない感じで大暴れしてるな。思ったよりもきっちり動いてるから俺はいいけど、林道さんの心配っぷりが見てらんねぇとこか。
多分、言うまでもなく俺達と合流できなかった小林って女の子のことがよぎるんだろう。仕方ねぇことだけどな。
佐田さんは、相変わらずマイペースだな。悪い人じゃねぇけど、時折勝手なことしそうで怖いところだ。
とりあえず、最低限の和を保ってくれりゃあ俺はいいけど、乱れるようなら今後の遠征する時は同行は遠慮してもらわねぇとな。
明日にはBAPの研究所に着く。移動経路は確保してるって話だし、恐らくは楽になるとは思うけどな。さて見張りの為にもそろそろ寝るか。
井門
3/15 担当浜村 朝
警備組のメンバー2人も抜けるの、本気で辛いわね。
早く帰ってきてくれないかしら。
担当蒲谷 昼
パラノイアに向けた重要な任務みたいだから仕方ない。
ただ、守りの点はね。今パラノイアに来られたらとは思うけど。
とりあえず、シャワーはいつでも使えるようになったよ。
後はボチボチ、新しい開発とかも着手しないとね。
担当平山 夜
排水設備が出来たのですね。これでシャンプー類を使って衛生面を保てます。
ただ、今となっては香料があるのは問題にはなりそうですが。目立つ匂いではありますから。
【光を制すれば】
「浜村君の言ってた施設はこのあたりに作る予定みたいだね。うん」
「うん、商業区の、確か北西エリアにあるので代用できると思うけど。これは骨が折れそうだよ」
「まずは、侵入者は避けなきゃいけないからその壁作りと。あと壁を作る分広くしないと、うん」
「となると、佐田さんと2人で回しきれるかな。うん」
「あ、ここにいた」
「あぁ、浜村君。どうしたの、うん」
「姿が見えなかったから」
「うんうん。ごめんね、君が言う大型発電所作りに、次は移ろうと思ってたからね」
「下見するって言っても、部品無いじゃない」
「それは当てはあるよ」
「そうだけど、もうどこも人材を割けられる状態じゃないわよ」
「それは流石に、うん、皆返ってからにするよ」
「ならいいけど」
>>782
風邪だったのかもわからんけど。
そういえば、戦車自体どうなってるか判定してなかったなーぐらいのもんですがの。まぁ、信念ある下に人は集まるとかなんとか。
>>783
出来ると思うよ。盾つけると標準狙えないかわりに突撃したり、身を守りながら撃ちあいできるっていうメリットがあるだけで、精密射撃が目標かはわからないけど。
>>784
まぁ、拠点に来る前だろうねぇ
>>788の訂正
×「それは流石に、うん、皆返ってからにするよ」
○「それは流石に、うん、皆帰ってからにするよ」
乙!
無事に遠征先に着けなきゃ嘘、ってな準備体制だけど、どうなるかね
>>790
はてさてどうなることや。
とりあえずの告知ですが。WIKIに裏話を載せました。コアな方は見てくださいな。ダイスの度に>>1がウガーってしてる理由がこれでわかります。
あ、本編は何もなければ更新予定です。昨日は寝落ちです。
>>791
乙乙。
なるほど、放浪者の加護が
運命の女神(ホイールオブフォーチュン)に作用して
いっちーがうっがーするわけね。
放浪者は移動経路の確保に勤しんでいた。運べるBAP関連、主にアンドロイドのパーツは運搬を完了しており、移動経路の任務に集中できる状態だ。今は11時ごろ、遠征隊が無事移動できているなら、もうそろそろ話に聞いたジープと大型トラックが見えてくるはず、念のためフェアリーは側にあった木の枝から予想進行ルート上を見張らせている。
「あー、おにーちゃん。車来たよー!」
その姿を見つけたフェアリーが、放浪者に急いで飛んでくる。見えたのなら、この作業もいったん終了だなと、残りのゾンビの首を切り離し、ウェーブソード・デュエルの血糊を拭い鞘にしまった。
それから彼女が言う通り、5分を過ぎたあたりでこちらに近づいてくる車両が見えた。オープン型のジープが先行して、後ろに大型トラックが着いてきている。フェアリーに渡した双眼鏡を返してもらい、運転しているのは佐田と助手席にいる井門。その後ろのトラックの運転手は野木の研究員で、助手席に林道、真ん中に勝が乗っていた。
表情を見る限りトラブルがあった様子は見えない。研究員は、硬い面持ちをしているが、以前浜村を連れてADSPの研究所を訪れた時と同じに放浪者は見えた。それ以外のいつものメンバーで、勝と佐田をぬかせばいつもの緊張感ある表情、つまりトラブルは起きてないということ。少しだけ放浪者は胸をなで下ろす。
遠征隊も放浪者達に気づいたのを確認して、双眼鏡を下す。2台の車両は彼の側まで近づいてから、ゆっくりと止まった。
「…ご苦労。これより先導する」
「了解ですよ。着いてきます」
井門の言葉に、放浪者は頷いてサンダーボルトに乗って先行する。フェアリーは物珍しそうにジープの側を並走して飛んでいる。彼女については説明していたこともあり、遠征隊に大きな混乱はなかった。
この任務はまだ折り合え地点へ差し迫ったに過ぎない。放浪者には一切の緩みはなかった。
ハンターはいつも通り1人だった。惨劇によって家族を失う前や、惨劇前は人といたような気はしたが、今の彼にとってはそれが自然な状況だ。
この世界において、ゾンビに憎しみを抱いていない人間は、いないと言っていいだろう。だが、その中において彼は何よりもゾンビを、そして敵対性のミュータントを憎んでいる。そしてその生き方が、人との関わりを薄くしていた。
守るべき者が無くなった彼はよく知っている。それがない事による、自分の命の軽さを。だから、どんな無謀なことも躊躇する必要はなくなっていた。だから、当時に恐れていることもある。また新たに守る者が出来てしまえば、自分は自由に身動きできなくなるだろうという予感に。
必要なのは、どんな化け物であろうと狩り取れる力のみ。ハンターが欲しているのはそれしかない。そうできなくなることは、邪魔でしかない。
ある程度の処理を終わらせ、彼は物資の探索をしている。ある程度の物資はそのまま拠点に渡しているが、やはり自分用に使えるものがないかというのが主眼になっている。そういうこともあって、小さいながらも見つけたホームセンター内を探索していた。
武器になりそうなものは、大体ここに来れば見つかる。もちろん他の生存者が持っていっていることもあるが、それでも何かしらは見つかるものだ。とはいっても、あらゆる武器を集めてきたハンターには、今更なものも多い。
だが、久しぶりに彼のお眼鏡にかなうものがあり、それをデルフィアで引き寄せた。円盤で刃がのこぎり状になっているもの。夏、公園などで草刈りをしている器具につけられている部品のようだ。
ここのところ、投げナイフの練習をしているフェイの姿を見て、折角デルフィアもあるのだから、そういったものもないかと入ったのが、当たりだったようだ。その刃をフリスビーの要領で投げ飛ばし、デルフィアで吸い寄せる。回転しながら襲う刃は、十分すぎる脅威(ぶりょく)にハンターは見えた。
遠征隊は無事到着、簡素とはいえバリケードのある仮拠点があるから、研究員達はまだ穏やかな表情をしているように見える。
とはいえ、そいつらのもっぱらの話はBAPの設備に関してだな。技術屋として血が騒ぐという奴か。
佐田さんは研究所内で過ごすと言って聞かないし、やれやれ難儀な連中だ。
もっとも、研究所内は例のアンドロイドが暴れたことで逆に安全だろう。WWPでも無い限りここいらに用のある生存者もいないだろうしな。
とりあえず、遠征の疲れもあるだろうから残りの拠点メンバーは休み、俺とフェアリーで夜間警備というところだ。
どうせ、出発までの間研究所の警備は多くしても2人ですむ。朝方はそのまま寝て昼間に移動経路の確保をすればいいだけのことだからな。
まぁ、遠征隊が長居することはないだろう。恐らく明日にでも出発はするだろうな。
さて、そろそろ見張りに行くとするか。
3月18日
警察署エリアの制圧は進んでいる。遠征隊についても特にトラブルが起きたという報告もなく、順調に進んでいると考えられる状況。怖いのはこの状況でパラノイアに動かれることだが、今のところ兆しらしいものはない。
予定している通りにあちらの任務が遂行されているのであれば、恐らくBAPの研究所に到着して施設内部にある設備の運送手配が進んでいるはず。だとすると、戻るとすれば3~4日前後と考えるべきだろう。
それまでの間はトラブルはもちろん、パラノイアの動きを注視しなければならない。奴が襲ってきたとなれば、今いる残存メンバーだけで立ち会わなければいけない。しかも、BAPのアンドロイドもまだ着手できる訳ではなく、単純に戦力が弱まっている状態。
サポートチームも可能な限り大型駅エリアの状況を見てもらえてるから、そうそうなことは起きないと考えたいが、油断は一切できない状況だ。
それに、放浪者が何かを思いついてまたしばらく拠点に居ない可能性だってあり得る。慎重にやっていかなければいけないだろう。
山中沙奈 記す
>>1「うっがーっ!!くっあーっ!!ざけんなーっ!」
乙!
丸鋸は回転射出機構でもないと威力は足りないと思うなぁ
硬い変異体だとそれでも怪しいし。一番困るのは、切断までいかずに変な弾き飛び方する事だけど
【放浪者の適応力】
「おにーちゃん。あそぼ―よー」
「…後でな」
「むー」
「随分と慣れてますね」
「あひゃ!」ヒュン
「…井門か。まぁ、どうも俺以外は慣れていないようだがな」
「ジープの横を飛んでるとこ、目を合わせたら逃げていきましたしね」
「…丸坊主あたりから慣れていくだろうさ」
「しっかし、放浪者さんは本当に誰に会うかも想像つきませんね」
「…こんな世界だ。普通の方が少ないだろう」
「いやー…。個人的にはそういうことじゃない気もしますよ」
「…そうか」
「放浪者自身が、なんていうかいろいろ受け入れすぎな気もしますけどね」
「…見たままに理解するしかない。そういうものだろう」
「ま、そうかもしれませんね」
「(拠点がカオスなのも、この人が敵でなければ受け入れるっていうスタンスのせいだよな。やっぱ)」
【フェアリー】
「………」ジー
「うわ、何だお前。びっくりしたな」
「………」ジー
「なんで窓の外からこっち見てんだ」テクテク
「……!」ピュー
「飛んでったし…」
「ま、いいか。何かないかなー」
「………」ジー
「……。だから何だってば」
「………」コソコソ
「…。よくわかんねーやつ」
>>792
最近は基本的にボーナスが絡み続けたからねぇ…。
>>797
大体
「え、無理」→「どうしろっていうんじゃ」→「むぎゃー!」→「統合性とか過去のすり合わせせな」→「もうこんな時間か」
になる。
>>798
まあ、刃だけを強化するなら必要だねぇ。ハンター的には投げナイフ的な補助的な感覚だろうけど。
そのうちアリスさんが開発するやもね。
さて、寝落ちした574日分はこれで終了です。続きはまた明日、なんだけど予定あるから半端になるかもなぁ。
非常に 丁寧丁寧丁寧なダイス判定
ハンターも、パラノイアとの戦いがいつ起こるかわからない。そのギリギリの状況にあることは、百戦錬磨である彼がわからないはずもない。探索組の制圧補助をしなが、傍ら行っている物資探索は、有効な武器がないかという側面が大きい。その結果、昨日はのこぎり状になった円盤状の刃を見つけて回収している。どうやら、彼はその部分で今、運がある状態のようだ。
「…なんだこりゃ?」
防衛軍か警察隊が、恐らくゾンビと小規模に交戦したであろう地域の中で、どこか見覚えのあるものが転がっていた。タンクに、射出口が点いたもの。平山のブラストシューターと類似している。だが、参考にしたものがあったとしても、彼女の自作武器である以上、同じものはない。それに、彼が今いる場所は、拠点の未探索地域。誰も踏み入れていないエリアなのだ。
となると、これはそれ以外のものなのだが、想像がつかないハンターは、危険を承知で射出口についている引き金を引くと、火が放射された。少し予想してなかったことで固まった彼は、冷静に素早く引き金から指を戻した。
「火炎放射器ね。えぐいもんを持ってきたもんだが、ゾンビに効くたぁ思えんね」
携帯放射器と呼ばれる、主に障害物の焼却撤去や化学兵器に対してのものが、惨劇後に防衛軍が持つ装備について調べた時にあると知った。恐らくこれはそれなのだろう。
よく見れば、雨などでよくわからないところもあるが、焦げ跡やそれらしきものが見当たらない訳ではない。ゾンビに放射してそのままこちらに突っ込んできた可能性は高そうだ。ゾンビに有効ではないならと、置いていこうとしてから、ハンターは持ち直した。
確かにゾンビや変異体には有効打ではないかもしれない。しかし、ミュータントは別だ。人狼である佐原も暑さは感じる、なら火のダメージは確実に通るだろう。殺そうと追っているあのミュータントも、恐らくは効くはず。
「折角だから持っていくか」
他の敵性ミュータントならともかく、あのミュータントが苦しんで死ぬ手段があるなら、それに越したことはない。その黒い発想が、彼に火炎放射器を持ち帰らせた。
遠征隊は必要な設備等を運び出し、無事に帰路についた。後は何事もないことを祈るだけだ。
俺とフェアリーは、遠征隊が戻るまでの間に、こちらの方面へ今後移動する際の経路を確保しながら拠点に戻ることにする。まぁ、簡易的なものだからざっと5日間程度で済むだろう。
気がかりなのはもちろんパラノイアの件だが、俺達2人はいざとなれば飛んでいける。そこまでは影響はないはずだ。
ただ、長くとも2日間は、最も拠点の人員が少ない状況は続く。ハンターという強力な助っ人が居るにはいるが、総勢でフェアリーを抜かして5人メンバーが不足している。今何か事が起きないことを祈るだけだ。
後は、フェアリーがしきりに勝のことについて聞いてくる。精神年齢に近いあいつに興味を示すのは不思議なことではない。ある程度は想定内だな。
しかし、フェアリーはこのまま残る気なのかがわからない。恐らくは芸良をその内探しに行くとは思うが。出来れば、パラノイア戦まではいてほしいものだ。
BAPの研究所の探索は完了。大体の設備は大丈夫だったみてぇだ。
俺も中に入ったが、普通に交戦した後があった。なのに傷一つねぇってのは不思議な話だな。
研究員の一人が言うには、考えられることとして破壊しないようプログラムがされてあって、アンドロイドは交戦時、意図的に外したんじゃねぇかってことだ。
そうなると、研究員とかも撃ち殺さねぇようプログラムしときゃよかったのにとは思うがね。
それとも、メインとなってる脳がそれさえも超越したとかか? 人間と機械を混ぜるなんて発想自体がいかれてて、想像もつきゃしねぇよ。
ま、ウチは普通の戦闘用アンドロイドを作るから、そこいらはいいけどな。その代わりそのAIがどうなることやら。
EVEのものが流用出来たらってことだけど、でもあいつは攻撃できないようされてるみたいだし。
どうなるかはわからねぇけど。少なくともアンドロイドは対パラノイア戦に有効なのは事実。良い結果になるのを祈るしかねぇな。
一ノ瀬DIARY Mar.19
警察署エリアの制圧は問題はないよ。研究所の人達から、井門さん達戻ったって言ってたから、この大変なのも今しばらくだけ。
でも、井門さんがいないから寂しい。いつもお話してくれてたし、井門さんもお兄ちゃんみたいだと思ってたから…。
放浪者さんもそう思ってたけど、拠点のリーダーだからあんまり相手してもらうのも悪いと思ってて…。
フェイちゃんに私が寂しいのわかっちゃったみたいで、心配かけちゃって申し訳ないよ。お姉ちゃんなんだし、もうちょっと頑張らないと…。
でもやっぱり。寂しいな。
【フェアリー2】
「ねー、来てた男の子なんていうの?」
「…勝のことか?」
「勝? 勝っていうんだー」
「…あいつがどうかしたか?」
「んーん。お話しようとしたんだけど…」
「…ふむ」
「話しかけられなかったの…」
「…悪い奴じゃない、面倒見もいいしな」
「そうなんだー」
「…気になるのか?」
「んー、えーとねー…」
「…話したくなったら聞く」
「わかったー!」
【その刃は熱く】
「………」スカン
「やっぱ、投げる用じゃねぇから。思い通りとはいかねぇか」スコッ
「最初は良い補助になるとおもったが、どうするか」
「研究所のアリスあたりに相談してみるのも手だが、今は人手不足だしな」
「………」シュバ
「………」カァン!
「…、ち。胸糞わりぃ、あいつの残像が見えやがった」
「殺されてんじゃねぇぞ」
「ひゃっぺん殺しても飽き足らねぇんだからよ…」
>>801
もうちょっとラフにしたいけどねぇ。
乙!
AIが組み上がるまではリモコン式とかで使いたい所だなぁ。視界共有ゴーグルも付ければ、隠れながら操作出来るだろうし
しれっと井門が放浪者呼び捨てにしてて思わず二度見したwwww
一ノ瀬ちゃん妹属性強すぎて誰かと付き合うとかの考えが全くないなw
放浪者とフェアリーは今後の為の移動経路の確保を進めている。いつも任務を行っている都市から離れ、郊外での任務は彼が1人で放浪してた時代を思い起こさせる。あの頃はまだ、ゾンビも活発だったのと、1人ゆえにゆっくり休める機会も、武装も充実していたとは言えなかった。今こうして、あの頃より余裕を持って任務に従事できているのも、その不足していた部分をメンバーに補って貰っているからだなと、彼は静かに感謝している。
「おにーちゃん、どうしたのー?」
懐かしさに耽っていたのを、何かあったのかとフェアリーが心配そうにのぞき込んできた。何もないというと、彼女は嬉しそうに微笑んで、周囲をくるくると回る。あの頃の自分が超能力者と一緒にいる。なんてことは、欠片も想像する訳がないなと放浪者は思いながr、ウェーブソード・デュエルを持ち直した。
処理はあらかた終わっている。これからするのは探索だが、本格的なものではない。都市の物資は拠点を拡張するにあたり、大体のものは回収しているが、遠征時に関しては本当に必要な物に限ってしか回収していない。今後遠征する際に利用する可能性や、拠点に訪れる生存者にも必要な分があれば、その分訪れ易くなると言った考慮ではある。
2人は、コンビニエンスストアに入る。通り沿いにある店だからか、必要になりそうな物資は、大体回収されていた。結局、そういう考慮をしたとして移動に使いやすいところで、物資がある店は大体今はこうなっていることを想像させる。
期待はしていないが、棚の下など潜り込んだ物資はないか確認しながら、店全体を漁る。従業員用の一室も、ほとんど荒らされている。これなら、まだ民家を探索した方が価値があるだろうと思えた時だった。
「…、メモか」
内容自体必要とは思わなかったが、この周辺で活動していた生存者らしい記録。一応の参考として、放浪者は確保した。
移動経路の確保は順調だ。これが終われば、愛知、山梨方面への移動は若干しやすくなるだろう。
まぁ、確保する距離自体は長いものではない。まだこれは足がかりの領域だな。
パラノイアのことがあるが、先を考えるとどの方面に足を伸ばすのが一番か、という問題になってくるな。一番なのは互いの行き来の為、DJフレンドのいる地域に足を伸ばすのも悪くはないが。
ただ、あの周囲にWWPの基地がある可能性は高い。待ち伏せされたとはいえ、藍と西切が早急に捕まったエリアが近くだからな。
そう考えると、あまり大規模な活動はできない。その意味では遠征はやりづらい可能性はある。
考え方を変えれば、DJフレンド周囲にいる何らかの勢力と同盟さえ組み、その上でその勢力とDJフレンドを保護してもらうというのが一番かもしれない。
問題は、その部分での調整だろうがな。下手に軋轢を生まれることが一番怖い。その場合、常に拠点が関わっていられるわけでもないのだから、抑止できるかもわからんしな。
その部分でやることは増えるだろうが…。今は目の前のパラノイアだな。
陽平へ
お前がこれを読むと思って、いろんなところにメモを残してる。生きてるなら、戻ってこい。場所は変わってない。
少し疲れた。どこに行こうとゾンビだ。人はどこに行ったのか。
しばらく何かないか探して、俺は戻る。
その時にお前がいると願ってる。
幸人
帰路については今のところ順調、一気に戻ってもよかったが、安全を取ってくる時に軽く確保した場所で今日は一夜を過ごす。
明日には戻れる予定だけど、放浪者さんがいたら終わるまでは油断するな。だろうな。肝に銘じなきゃいけない。
それでなくても、研究員達は来た時よりちょっと緩みがある。まぁ、戻れるっていう安心感が出てるのはわかるんだけどな。
こういうのは、いっぺんでも危険な目にあわないとわからないことだし。仕方ねぇんだろうけど。
何にしても、設備は無事回収できたんだ。ここでトラブルが起きて台無しってのはもったいねぇ。
俺達だけでも、引き続き気は引き締めねぇとな。
遠征隊は戻ってるみたいですねー。しかし、放浪者さんは今後の為にゾンビを処理しながら戻ってるとか。
いつものことなんですけどね。でもたまーに、たまにですけどあの人がここのリーダーっていう自覚が薄い気がしてなりません。
パラノイアもまだ襲撃をかけないって判断と、山中さんがいるからというところからなんでしょうけども。
それに、どうやら新しい生存者とともにいる模様。詳しくはお会いした井門さん達から聞けるでしょうけども。どうやら女性とのこと。
山中さんはそれを聞いて、ちょっと眉をひそめてましたよ。
しかし、放浪者さんはBAPの物資輸送もしてたはず、その生存者さんも一緒に研究所へこれも連れていけたはず。というか、遠征隊に合流できたはず…。
あれ? なんか嫌な予感がします。やっぱり普通の生存者じゃ、なかったりして。それとも、考えすぎですかね。
>>815、思いっきり矛盾しとるやないか…。 orz なんでか山中が研究所でフェアリーに会ってないことになっとる。訂正しますでやー。
遠征隊は戻ってるみたいですねー。しかし、放浪者さんは今後の為にゾンビを処理しながら戻ってるとか。
いつものことなんですけどね。でもたまーに、たまにですけどあの人がここのリーダーっていう自覚が薄い気がしてなりません。
パラノイアもまだ襲撃をかけないって判断と、山中さんがいるからというところからなんでしょうけども。
それに、どうやら新しい生存者とともにいる模様。山中さんはお会いしたようですが、放浪者さんが説明するだろうからと、特に触れられず。
戻ってきた井門さん達あたりにお話伺うしかなさそうですねー。きっと説明してない理由もお会いしなきゃ説明しようがない、ミュータント系だと推測できますし。
しかし、サンダーボルトに乗った放浪者に同行できる生存者さん。山中さんを乗せて一緒に研究所へ行くこともあるから不思議じゃないですけど。
その運搬の時とかは、放浪者さんは1人で残って処理でもしてるんでしょうか。そう考えると、そうとうお強い様子。
後は、女性みたいですけど。山中さんが動じてないところも気になるというか。
>>817の訂正
×その運搬の時とかは、放浪者さんは1人で残って処理でもしてるんでしょうか。そう考えると、そうとうお強い様子。
○その運搬の時とかは、放浪者さんは運んで、その方は1人で残って処理でもしてるんでしょうか。そう考えると、そうとうお強い様子。
うん、訂正の訂正とか泣きたい。
蒲谷はこれまでのバリケードの進行状況と、その最終点検を終えていた。一応は拠点内ということと、最後の点検が地下道の分だったこともあり、夜までその作業にかかっていた。マンホールにある梯子を上って外に出たところに、喜読と目があう。
「ふふ、お疲れ様でございます」
「うん、ありがとう」
登り切って服を払ってから、マンホールの穴に格子状にして組み合わせた木の板を置く。マンホールを奥のが一番安全だが、作業があるとその開閉が手間になる。それに、パラノイアの件があってこうしているが、地下道の様子を定期的に確認するのも警備組の仕事の一つで、結論この蓋にすることで決着をした。
バリケードはどうだったかと喜読に聞かれ、大丈夫だったと返す。予定したバリケードの敷設は完了して、パラノイアと言えど、すぐに攻撃は出来ない状態には出来た。どうするか判断する時間と、逃げる時間は稼げるだろう。
「あとやるなら、地下道に監視カメラの設置かな。うん」
「えぇ、地下に行き来するのは不便でございますからね」
まだまだ疲れは残っていたが、蒲谷は物資に監視カメラと配線が残っていたか確認することにした。それが結果、自分が生き延びることに繋がるとわかっているからだ。
【仕立て屋三間7】
「ふー。だいぶできるようになってきたなー」
『サンマ、いる?』コンコン
「あ、いますいます」
「入るわよ」ガチャ
「どうしたんですか。浜村さん」
「服の練習してるの聞いて、暇だから来たわよ」
「あ、そうなんですね。Yシャツなんですけど、これぐらいなら何とか」
「どれどれ。普通に切れそうね」
「でも、こことかがちょっと歪んでて…」
「言われればそうかもね」
「ちゃんとできるようになったら、動きやすくて身が守れる装備とか、出来そうなんですけどね」
「まあ、そこは専門外だけど。探索組とか回収組に話聞くと参考になるんじゃない?」
「そうしてみます」
>>808
それでも十分強そうだからねぇ
>>809
おうふ。ある意味驚きのシーン。
>>810
妹気質、天然。ある意味いろいろ難しそうなヒロイン。
>>799の訂正
×「放浪者自身が、なんていうかいろいろ受け入れすぎな気もしますけどね」
○「放浪者さん自身が、なんていうかいろいろ受け入れすぎな気もしますけどね」
今日は久しぶりに下手なミスしたなぁ…。エクスが消えたり分身した方がまだよかったよ。
>>1さん、あなた疲れてるのよ
分身したり消えたり…?
エクスは実は忍者の末裔だった可能性が微レ存?
乙!
久し振りに関連性あるのかどうか分からない手記が出たか
エクスは、だいぶ前に木を抜いて運んだりもしてたっけ……?w
探索組にしては珍しく、後手を踏んだ形となっていた。警戒を怠っていた訳ではない、緩みがあった訳でもない。ましてや人数上の不利は承知の上で挑んでいる。そう、ただ単に想定を上回る事態が起きたというだけに過ぎない。
きっかけはスプレーゾンビに強化されたと思われるゾンビの襲撃、安全を取るために後退しようとした、それが仇となった。後退時にコールゾンビがいることに気づかず、鳴かれる前に処理が出来なかった。処理がある程度進んだ段階ならよかったが、開始間もないこともあって、その効果はてきめんだった。
徐々に包囲が狭まっていくのが探索組はわかる。司令塔である山中も、処理をこなしながら打開策を練るという高度な思考を要求され、思うように指示が出せない。補佐役の井門もいないこともあり、各々が独自に判断するというメンバーの力量任せの状態。幸か不幸か、メンバーが各班にわかれてはおらず、全員で固まっている。全員の安全は確認できるが、それでも一点集中でゾンビが集まる状況は良いとは言えない。
「(退路を開けるにしても、全体的に来てますね)」
強化されたゾンビは、もうそろそろ在庫切れになりそうなものの、集まってきている通常のゾンビがうようよと寄ってきている。どこかの建物に逃げるか、それともこのまま総力戦に打って出るか、数秒での決断を山中が求められた時だった。
機械の駆動音、それもどこか威圧的な響く音。
ゾンビも、そして山中達もその音の方に目をやる。そこにはいつもの薄汚れたコートを着て、銀色の右腕に握られたチェーンソーをわざと鳴らすハンターの姿があった。
「おいおい、何やら楽しそうなことしてるじゃねぇの。混ぜてくれよ」
隙を察した錬浄と佐原が、一気に退路の方に群がるゾンビに突撃した。間を置いて意図を理解したメンバーも、それに続く。これで、ハンターに向かうゾンビと、探索組に向かうゾンビに分かれた。
「安心しろよ、俺は付き合いがいいんだ。逃げやしねぇよ」
もう一度チェーンソーを激しく駆動させ、ゾンビの群れの中に彼は突っ込んでいった。
「じゃあ、ここからは大丈夫だから」
そういって、拠点の遠征隊選出メンバーを下し、研究員達は野木の研究所へ戻っていった。今回の任務はこれで終了だ、本格的な指揮を行うこともあって、気疲れの意味で井門が一番疲労感が大きかった。他のメンバーは早々に拠点内の建物へ入っていったが、彼だけは外に置いてあるベンチに腰掛けている。
もう夕方になっている。もうそろそろで探索組が戻ってくるはずだなと、ぼんやりと都市の方に彼は目をやる。しばらくしてから、メンバーの姿が見えた。
山中に遠征隊の報告と、探索組の今日の任務はトラブルが起きたことを井門は聞かされる。メンバーもいつもより疲れた様子を見せているのは間違いないが、負傷している様子もない。結局、それが一番ということだろう。
「井門さん、やっと帰ってきたんですねー!」
その報告が終わるのを待っていたのか、一ノ瀬が嬉しそうに井門へ声をかける。トラブルがあったと聞いた事もあって、反応に困った。言ってしまえばこれが天然の強みと言えるのかもしれない、そのぐらいの結論しか井門は浮かばなかった。
「放浪者さんは何時ぐらいに戻るんですかね?」
「俺達が出る時に五日位っつってたから。まぁ、明後日の前後じゃねぇかな」
いつも確かにニコニコしている一ノ瀬だが、今日は一段と楽しそうな様子で、井門は何かあったのかと気になっていた。
「(まぁ、多分ちゃんと帰ってきたのを喜んでくれてるんだろうけどな)」
なんだかんだで、メンバーの安全は人一倍気にかけているのは彼女だ。そう考えれば、合点はいくなと気付かず頷いて、一ノ瀬に指摘される。
「いや、なんでもねぇよ」
なんであれ、心配してくれる人がいるということは、この世界ではありがたいことだしなと、彼は喜ぶことにした。
新興都市のWWPの活動は活発になってきている。都市内でWWPの兵士を目撃するのも珍しい事ではなくなっていた。今では、地下にあるストーク達のアジトに、千護達も厄介になっている状況だ。
「それで、おたくらの組織からは?」
「残念ながら何も連絡はありません」
相変わらずの様子で、アイビスはカタカタとキーを叩く。この状況もあり、レジスタンスの組織へ支援を要請するのも難しい。理由がわからないまま交戦して、その目的が暴走すれば目も当てられない。かといって、WWPにとって重要度が高いことは見逃すわけにはいかない。
「ど、どうしようか」
「こっちは4人で、相手は大勢。戦うには厳しいから、何を探してるか資料さえ回収できれば…」
今となっては地下道を経由しての探索が主で、堂々とした探索すらも難しい。その状況で、今この新興都市で活動しているWWPの駐屯地を発見しなければいけない。気が滅入る話だった。
「ヘリが主体で動いてるみたいだし、着陸地点さえわれりゃあすぐだとは思うぜ」
「千護さんいう案が早いとは思う。けど、見つからないという前提か…」
そう、この地域で何らかの勢力が活動していると知れれば、WWPも警戒を強めるだろう。誰もいないと思わせている今なら、駐屯地に忍び込んで情報収集できる可能性はある。
「なんにしてもやるしかないさ。うるさいハエが飛び回って困ってるのは確かだろ?」
それに危険性が増しているということは、アビスないしそれに近い施設がある可能性があると判断できる。今はそのわずかなメリットに甘んじるしかない。
>>822
休みをください(切実
>>823
忍者(ふぐう)です
>>824
ほとんど関係はないです。雰囲気作り的な感じですの。
エクスは、嫌いじゃないけど、扱いが、雑に、なるんだ。
>>811の訂正
×なんてことは、欠片も想像する訳がないなと放浪者は思いながr、
○なんてことは、欠片も想像する訳がないなと放浪者は思いながら、
>>814の訂正
×安全を取ってくる時に軽く確保した場所で今日は一夜を過ごす。
○安全を取って来る時に軽く確保した場所で今日は一夜を過ごす。
>>819の訂正
×マンホールにある梯子を上って外に出たところに、喜読と目があう。
○マンホールにある梯子を上って外に出たところで、喜読と目があう。
×マンホールを奥のが一番安全だが、
○マンホールを置くのが一番安全だが、
>>820の訂正
×「どれどれ。普通に切れそうね」
○「どれどれ。普通に着れそうね」
残りは明日ですだ…。
乙!
ハンターさんが居てくれて助かったわー。いやガチで
移動経路の確保は進んでいる。これと言ったトラブルもなく書くことはあまりない。
この移動経路の確保でのメリットについてだが、自分達の安全な移動もあるが、それは生存者にも適用されることではある。
モーテルを作った俺達としては悪い事ではないが、結局そこに付随する略奪者の存在だな。そういう連中に限って鼻が利く。俺達の隙を伺おうとするだろう。
覚がいる以上俺達が後手を取ることはほとんどないと言える。もちろん、相手方に同様の存在がいるとなったら別だが。
WWPの存在はあれど、そういった略奪者が勢力を伸ばしやすいのは確かだ。法がない以上、私法に則るしかない。
良心の呵責がないということは、それだけでも強力な武器なのは、否定しない。どんな形であれ人を集められれば、それは必然的に強力な組織になる。
いずれ、拠点もそう言った人間とも対峙していくことは、想定しておかなければな。
3月21日
今日の警察署エリアの制圧は失敗に終わった。ハンターの支援もあり、探索組に負傷者は出ずにトラブルを切り抜けられたことが、不幸中の幸いといったところだろう。
慎重に事は行っているつもりでも、やはり限界があることは認めなければいけない。偵察をしても、見えない場所があって、それによる危険が常に潜んでいるという意識が、今回は薄かったと言える。
それでなくても、今は重要な局面が続いている。こういうことが起きてメンバーに何かあれば、それは拠点の存続そのものに関わる。今回はただ幸運だったに過ぎないと、認識しなければいけない。
幸い、遠征隊の選出メンバーは無事に拠点へ戻ってきた。明日からはある程度整った状態で任務を遂行できる。だからこそ今日起きたことは教訓として認識しなければいけない。
誰一人欠けることは許されない。我々の目的、文明復活を果たすためにも。
山中沙奈 記す
3/21 担当蒲谷 朝
予定通りなら、今日で佐田さん達が戻ってくるね。
早く、地下のカメラ設置とか、発電施設の件の相談したいところだよ
担当門日 昼
発電施設か。医療機器にも常時電気が必要なものが多いからね。できれば非常に嬉しいよ。
ただ、製造メーカーの人間、技師も欲しくなっちゃうね。欲張りかな。
一ノ瀬ちゃんがいるから、すごく助かってるよ。
担当フェイ 夜
遠征隊の皆帰ってきたよ。良かった良かった(喜んだ顔の絵)
リーダーはまだ帰ってこないみたい。いつも一人だけど、誰かいるから大丈夫なのかな? (悩んでいる顔の絵)
【祝・シャワー6】
「洗いっこするぞ、スラ」ムニュムニュ、シャー
「(わーい、お水だー)」ゴシゴシ、シャー
「これはシャワーっていって、身体を綺麗にするんだぞ」ムニュムニュ、シャー
「(ん~、見たことある気がするよ!)」ゴシゴシ、シャー
「そうか。気持ちいいか?」ムニュムニュ、シャー
「(あったかいねー)」ゴシゴシ、シャー
「そうだな。暖かいぞ!」ムニュムニュ、シャー
「(お姉ちゃん、キレイキレイにするよ!)」ゴシゴシ、シャー
「お願いするぞ! 自分もスラを綺麗にするぞ」ムニュムニュ、シャー
【ちょっとした小旅行と】
「ほほー、研究所は荒れてたんですね」
「そのアンドロイドが暴走した結果でしょうね」
「それはなかなか、興味深い状況ですねー」メモ
「でも、大体サポートチームが解析してるでしょうし、それ以上のことはない気がしますけどね」
「ブン屋の勘を舐めてもらっちゃ困りますよ、井門さん」
「まぁ、西切さん…。あとは企業関連追ってる平山さんあたりが見たら、新しいことはあるかもしれませんけど」
「こういう時に無理やりついていけばと思うんですよねー」
「それされるとかなり厳しいですって」
「佐田さんに先を越されなければ…」
「あー…」
次々と運ばれるBAPに関する部品や設備、EVEはその運搬役として活動をしていた。活動が無くなれば、壊れて動かなくなったアンドロイドを観察するように動かず、ジッと見ているという状況は続く。
話しかければ反応し、変な反応を見せないが、そういう状態になっていることに研究所内もAI以降の前に、彼女のそれにトラブルが起きているのではないか。という心配をする者も出てきている。
「はーい、EVE]
「どうされましたか。アリス様」
彼女の稼働自体はかなり長時間も可能だが、山中より定期的にスリープ状態になり情報の最適化が必要と共有がきている。アリスはその為に、スリープ状態に移行するよう言うが、その必要はないとEVEから返ってきた。
なんであれば、指示というか、入力された命令は従うのが機械というものだ。拒否をしたということは、EVEなりにそれが必要かの判断をした、それは自我と捉えていいだろう。
アリスは、やはり驚愕するしかなかった。近未来となったこの世界で、高度なAIは存在しない訳ではない。だがしかし、状況の判断をできるのは機械ではやはり難しい。正否を問わなければ、それができるのは生き物としての特権なのだ。
「(山海沙維さん…、化け物だね)」
彼の天才性を痛感する。EVEを作ったのも、惨劇によって不要になった倫理や法に縛られなくなったからこそだろう。解放された本物は、善悪に縛られなければとんでもないものを作る。WWPを通してそれを見ていたが、山海に比べれば、どこか児戯のようなものだった。
>>829
探索組のトラブル発生判定、その後ハンターのボーナス発生したので、そこにそのトラブル救済できるか判定当て込んでこんな感じに。
>>748の訂正
×次に、フェアリーが芸良はどうしたのかビジョンが尋ねた。
○次に、フェアリーに芸良はどうしたのかビジョンが尋ねた。
乙!
EVEちゃん、君程のAIは早々作れるもんじゃないからね? 期待し過ぎてもがっかりしちゃうだけだぞ
久しぶりに姿を現した行商達の姿は相変わらずだった。いつも通り全員スーツを羽織り、前時代的な営業のスタイルをして、トークはきっちりと惨劇後にあわせた商売を行っている。
彼等の、正確には社長とのやり取りは喜読にとっても貴重なことだ。交換をすることは、必要な物資を手に入れられるだけではなく、各地を回る彼らの目線から見て何が今、重要なものになっているかを知ることができる。もちろん、社長も彼女がそういう意図をもって交渉をしていることはわかっている。
営業能力の方は自分の方が高いと彼が自負しているということもあるが、やはり、この拠点にはそう言った部分を提供しても十分な価値があると、認めていることが大きい。それに、本来の彼の性なのか。やはり交渉ができる人間と商売のやり取りができるということを、それなりに楽しみにはしているのだ。
「あぁ、そうですそうです。こちらの方々にぴったりの物がありましてねぇ」
交渉を終えたはずだが、そう言ってから社長は課長に例の物を持ってきてと指示した。無言のまま装甲車に課長は移動して、何か大きな袋を持ってくる。
「肥料でございますよぉ」
やはり、今の価値は食料。その上生鮮食品となれば、どの勢力でも喉から手が出るほど欲しいものだ。拠点と研究所は生産がある程度安定してその認識が少し甘くなっているが、まだまだ他の地域でその安定が取れるところは限られているのだ。
「ありがたいのですが、今交換できる物資は先ほどのものが全てでございます」
「いえいえ、これは先行投資と取っていただきたい。頂いた食料品はどこでも交換できるもの、その安定的な供給が可能になるのでしたら、喜んで差し上げます」
嘘ではない、そのことはわかるがこの勢力から無償で物資をもらうことに抵抗があった。浜村に相談しても、恐らくは受け取っていいとしか判断されないのはわかっている。少し熟慮してから、仕方ない抵抗として言葉を付け足すことにした。
「畏まりました。喜んでお受け取りいたします。ただ、ご存知の通り我々はまだまだ素人、先行投資が無駄になる可能性だけは、ご留意ください」
「えぇ、存じていますよぉ」
社長の読めない笑み。本来、相手に受け入れるようにするのが営業の手法だが、今は違う。自分の底を明かさないこと、そして強烈に印象を残すこと。それが、惨劇後に必要な営業のスタンスになりつつあった。なぜなら、今は足りないことの方が多いのだから。
移動経路の確保は本日も無事終了だ。明日には拠点へ戻れるだろう。
フェアリーはどうするか聞いているが、真剣に悩んでいる様子だな。残ってくれればパラノイアとの戦いにも大きな影響はあるが、超能力者のリーダーに探すというなら止める理由もない。
BAPの件で十分協力してもらえた訳だから、その時は何かしら報酬をやらないとな。
まぁ、フェアリーの場合は比較的拠点には着やすいだろう。探し回るとしても、ちょこちょこ顔を出しに来そうな感じはするが。
とりあえず、ある意味で今回の任務が都市外に対するものになる訳だな。
そう考えると、やはり拠点の防衛力を高める為の人員の確保は急務なのだが。どうしたものか。
モーテルに来る生存者の勧誘も悪くはないかもしれないな。
実際にやるかどうかは別にしても、遠征できる状態かと言えば、まだまだだろう。
BAPの研究を応用したアンドロイドがうまくいけば、ある程度は誤魔化せるだろうが。
社長にしても拠点は重要度が高いんだろうなぁ
平君はなんでタダであげるのか分かってなさそうw
レポートNO.147
井門圭司
警察署エリアの制圧について、今日はまぁ、いつも通りってところだな。毎度毎度トラブルってんじゃ、放浪者さんも困るだろうしな。
やっぱり、話を聞くとスプレーゾンビが厄介だな。あのガスが発生するのが、どういった個体ならなりやすいとかわかれば対処の仕様もあるんだけどな。
俺から見て、ここのメンバーは全体の能力が高い。だから、それが弱点ってことでもある。なにせ、どうにかできちまうからな。
弱ければその分、相手の観察する時間の方が多いだろう。つまり、その分詳しくゾンビについて知れるって訳だ。
変異体に関して完全に把握してりゃあ、ここのメンバーなら恐れることはなくなるだろうし。そういう意味での偵察組みたいなのが欲しいところだな。
もっとも、その時間も人員もまったく当てはないんだけどな。
「はぁい、DJフレンドだよ。世紀末の世を生きる皆さんこんにちは」
「ようやっと春らしくなってきたかな。もしかしたら季節外れの雪がまた降るかもしれないね」
「さて、入ってきた新しい情報についてだけれど、どうやらヒーローを名乗る生存者がいるようだよ」
「詳しい情報は入っていないけれど、細切れの情報によると、仮面をつけた長髪の人のようだね」
「残念ながら略奪の類を行っている人から、皆を守るために活動しているらしいんだけれど、もし詳しい情報がわかったら続報をお届けするね」
「春先にもなったことだし、そろそろ食料事情も変わってくることじゃないかな」
「動物達もそろそろ冬眠から目が覚めて、活動を始めるだろうから、銃や罠での猟に覚えがある人ならしばらく食事上は安泰かもしれないね」
「ただ、多くの人はそうじゃないだろうし、山菜もすぐ手に入るとは言えない。ちょっと難易度は高いけど、鳥の狩猟にチャレンジしてもいいかもしれないかな」
「手製の弓矢でも取れなくもないし、鳥用の罠も簡単にできるよ。量は少ないけど、貴重なタンパク質だからやってみてね」
「あまりないけれど、狩猟用の本は探せば見つかると思う。生きてるオンラインがあれば、ネット上でも参考になる情報もあるから、それも調べてほしいかな」
「さて、ここいらで音楽を1つ。Bette Midler、曲目The Rose。有名な洋楽だから、皆も聞いたことがあると思う。だから言えるのは一つ、愛は偉大だよ」
「それでは良い終末を」
【畑作り】
「ふーん。それで肥料渡されたって訳か」
「受け取るべきはなかったのですが、至らず申し訳ございません」
「まぁ、喜読があいつを警戒してるのは知ってるけど、別に悪いことじゃないでしょ」
「えぇ…、そうではございますね」
「それに、野菜がたくさん取れれば交換品として使えるのは確かだし、折角だから使わせてもらいましょ」
「はい。畏まりました」
「後はいい加減、畑の用地広げたいわね。交換用とあたしらの食料用は分けたいし…」
「そろそろリーダーもお戻りになるそうです。その時にご相談いたしましょうか?」
「「いいわ、それぐらいあたしがやる」
「畏まりました」
>>836
判定もわりと厳しめだからねぇ
>>839
質の良い物資がトレードできるだけで重要だからね。平君は…、まぁ警護がお仕事ですしおすし。
The Rose - Bette Midler
https://www.youtube.com/watch?v=CB4EgdpYlnk
本日の音楽。大抵の人は1回ぐらい聞いてるんでないかな、カバー結構あるらしいし。これ自体に和訳付きです。
>>834の訂正
×話しかければ反応し、変な反応を見せないが、そういう状態になっていることに研究所内もAI以降の前に、彼女のそれにトラブルが起きているのではないか。
○話しかければ反応し、変な反応を見せないが、そういう状態になっていることに研究所内もAI移行の前に、彼女のそれにトラブルが起きているのではないか。
乙!
慣れ過ぎると、ヘタしたら微妙な差異の新種に気付くのが遅れたりする訳か
うーん。良い曲なんは確かなんやけど、これ和訳がなきゃ”わやく”ちゃやな
「本当に大丈夫かって…」
『ID』とだけ大きく油性ペンで書かれたカードを持って、千護は新興都市に設置されているADSP(自動防衛システムプロジェクト)の防衛装置の近くにある、半壊した建物の中にロバート共にいる。以前、その防衛装置に繋がっていた端末をアイビスが分析して作った。手製のIDカードが本当に効果があるかの実証だ。
詳しいことはわかっていないが、一種の識別信号を味方として判別しているようで、うまくいけば新興都市内の活動がやりやすくなる。最悪WWPに見つかって、逃走時に防衛装置が発動して撃ち殺される、なんてことも避けられるだろう。
もっとも、この手製のIDカードが失敗すれば、千護もただでは済まないのだが。
「確か弾切れのはこいつだったよな…」
「やや、やっぱりやめようよ」
保証のなさに、ロバートもこのことを止めさせようとしている方だった。もちろん、千護も馬鹿ではない。実際にはやりたくはないのだ。ただ、状況が悪化しているこの新興都市の状況を考えれば、少しでも改善できる手段は確認したいという思いからだ。
IDカードを所持して、ゆっくりと千護は防衛装置に近づく為、崩れた壁から右手にあるそれへ近づく。できれば、壁の近くで反応して欲しかったが防衛装置は姿を現した彼女に反応しない。仕方なく、拳銃を片手にゆっくりと近づいていく。顔だけ出しているロバートの表情は言うまでもなく怯えている。
距離として5mとほどか、防衛装置は千護にようやっと反応して、また定位置を見張り始めた。念のため、もう少し近づいてみるも、反応する様子はない。どうやら、味方として反対されると基本的に無反応らしい。
背は向けずにゆっくりと壁の近くまで千護は戻ると、ロバートの安堵した表情を浮かべた。
「たく、本物は本物らしいな」
過信はしないほうがいいだろうが、少なくともこの地域で防衛装置に悩まされることは少なくなるだろう。元々暴走しているようなら、どうしようもないのだから。
放浪者はフェアリーと共に拠点へたどり着いたのは、もう間もなく夜になる頃だった。おおよその到着予定は拠点に伝えているからそのことで混乱はないと思うが、フェアリーがどうなるかが問題だ。
そう、フェアリーだがしばらくの間拠点に居ることになった。もちろん、放浪者は彼女に一切の強要はしていない。彼女自身が下した判断だ。その上で、放浪者どちらかと言えば、人見知りである彼女に、知らない人間が多数いることなど、プラスではないことも説明している。
『でもー、ビジョンのおにーちゃんが、ゆりおねーちゃんを探せるって言ってたよ?』
それも当然肯定した。サポートチームならできないことではない。もっとも、優秀な彼等であっても、詳しい情報がなければ、今の状況では砂漠に落ちた黒ゴマを探すような作業ではある。とも言ったが、彼女はよくわかっていない様子だった。
バリケードに守られた拠点が目に入る。さて、山中、後は遠征選抜メンバー以外にどう説明したものかと、考えを回す。
「…皆良い人間さんなんだよねー?」
心配そうに顔を覗き込んでくるフェアリー。結局、会わせなければどうなるかもわからないかと結論付けて、答えの代わりに頭を撫でると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
五百七十九日目
移動経路の確保の任務は無事に完了した。拠点の警察署エリアの制圧についても、大きなトラブルはなかったらしい。メンバーに死傷者がいないなら、それでいいだろう。
フェアリーについては、拠点の活動を手伝ってもらうことになった。人見知りな部分は気になるが、メンバーに慣れるまでは俺の側を離れないだろうし、とりあえずは大丈夫だろう。今ももう、ベッドの上で寝てしまっている状態だ。
しかし、この部屋に、今後相棒、小間城、フェアリーが使うとなると中々の狭さになるな。だからと言って、最近モーテルとして運用している家にフェアリー一人というのも不安だ。小間城もまだ親離れで来ている状態ではないし、ひとまずは我慢というところか。
明日からは、俺も制圧任務に戻れるのと、新戦力としてのフェアリーだ。本音を言うとハンターと一緒に活動して欲しいが、あいつは一人が良いようだし、そもそもハンターにフェアリーが慣れるとも思えない。パラノイアにフェアリーの存在が知れる可能性があるのはいただけないが、仕方ないか。
しかし、奴はいつまで待っているかだな。そろそろしびれを切らしてもおかしくはない。BAPの研究が最悪間に合わなくても問題ないが、その場合EVEが欠けることがきついな。何にしても、あいつの盾による侵入場所の封鎖はかなり大きな要素だ。
その時、俺に集中するであろう攻撃に対して、いくら時間を稼げるか。だな。
一ノ瀬DIARY Mar.23
高速道路エリアの制圧は、今日もいつも通り。問題がないことが一番なんだから大丈夫だよね。
今日、放浪者さんが無事に帰ってきた。のはいいんだけど、空を飛んでる女の子も連れてたよ…。女の子でしかも空を飛ぶなんて、誰も想像してなかったよ。浜村さんが、もう次は何連れてきても驚いてたら身体が持たないわねって、すっごくため息つきながら言ってた。
そもそも、山中さん、井門さん達知ってたのになんで教えてくれなかったの。て思うけど、見ないと説明しようがないよね。ラジオでDJフレンドさんのところの、えっとバルキリーミラージュだったかな。そのお2人が空飛んでる人がいるよー、なんていってたけど本当にいるなんて想像もしないよ…。
放浪者さんが言うにはいい子らしいんだけど、人見知りがすごいんだって。私と放浪者さんが話してる時も、放浪者さんにくっついてた。私からは離れる位置にだけど。
うーん。放浪者さんはなんかそういう好かれるオーラが出てるのかなー。
「と言う訳で、各組の責任者の二人には話させてもらった」
時間帯が遅いということもあり、フェアリーについての説明は浜村、平山の2名に放浪者はしていた。どちらにしても、全員に彼女のことを話すことには変わりないが、少なくともリーダーに話は通しておかなければいけない。
「ぶっちゃけてさ、大丈夫なの?」
浜村の遠慮のない質問は、放浪者にはありがたかった。もちろん、完全に大丈夫と彼も言う気はない。拠点の総合的な同意がなければ、彼女を留まられないのだから、彼なりに感じたプラスもマイナスも説明する。
「怖いのは、幼さゆえに癇癪を起こして超能力で暴れることですね」
何が脅威と言えば、超能力は奪いようのない強力な武器であるということだ。そこに在るというだけで、実行できる力は、武器を持たなければ抵抗できない人間からすればそれだけで脅威だ。
今のところ、フェアリーが不満を超能力で解消しようとしたところを、放浪者は見ていない。しかし、いつそうなるかはわからない。
「どちらにせよ。普段は俺にくっついて離れないだろう。慣れて社会性が再構築できれば、そうそうなことはないはずだ」
自室で眠るフェアリーがそうならないよう、自分なりに教育が必要になるなと、放浪者は考えていた。
【寝る子は】
「…ふぅ」ガチャ
「お疲れ様です」クー
「…二人とも、寝てなかったのか?」
「私も話は聞かないといけませんからね。ちなみに、どうでしたか?」
「…要経過確認といったところか。フェアリーの人見知りをこじらせなければ大丈夫だろう」クークー
「畏まりました。放浪者さんとして、その子はどう見ているんですか?」
「…強力な戦力ともみているし、この超能力を使ったバリケード敷設、伝言などの役割は強いだろう」ナデナデ
「………」
「…だが、なんであれ、子供が一人この世界をうろつくというのはな。藍の前例も考えると、良い事ではない」
「貴方らしいですね」
「……おねーちゃん…」ムニャムニャ
乙 逸材揃いも揃ったり。頼もしい。
乙!
IDとは、これでそこそこやりやすくなったのかな
五百八十日目
警察署エリアの制圧については、特に問題なく進んでいる。フェアリーについては想定通り、俺について回っている状態だ。しかし、メンバーは言わないが、やはり変異体の動物、生物兵器、超能力者を引き連れている集団はやはり奇異だろうな。仮に、普通の生存者に会った場合、友好的に話ができるか以前に、下手に襲われそうなところが怖い所か。俺の装備も、フェアリーいわく超能力者に見えるらしいしな。
まぁ、今はそんな危惧よりもパラノイアが先だな。この制圧が終わり次第、攻撃を仕掛ける為に上空から偵察する予定だが、それをどうするか考えているところだ。奴の感知範囲は今できている境目からおおよその中心部を図った際、どこまでが接触しないのかが問題になる。
特に俺はパラノイアに脅威と認識された相手である以上、下手に感知されるのはまずい。それが刺激となって攻撃を仕掛けてくる可能性が高いからな。
となると、フェアリーなのだが、残念ながら単独でそういう任務をさせて、いい結果が得られるかが問題だ。あまり今は目を離したくないというのも本音だしな。
まだ少し先になるが、どうするかは練っておかなければな。
教員日誌 三月二十四日 林道正綴
遠征から数日経った。勝なりにあの任務で自信がついたようで、稽古での動きも踏み込んだ攻撃は力強くなっている。もちろん、会ってから、かれこれ2~3ヶ月もすれば1年になるのか。その身体の成長というのもあるだろう。
そういう成長が喜ばしい半面、時折探索組への異動を希望する発言もある。勝の成長は認めてはいる、ひいき目に見たとしても、ただの生存者より強いだろう。
しかし、その分若い。子供という部分が抜けきっている訳ではない。藍に比べればある程度の考慮はできるといっても、それは子供基準で見ての話だ。
ただ、いざとなれば以前の包囲戦のように動いてもらわなければいけないことを考えれば、もしかすれば私自身が、甘いと言えるのかもしれない。だが、その上で勝が非情な決断などを含めて、考慮して動ける大人になってもらわなければならない。
放浪者さんは勝に強さを引き継いでほしいと言っていたと、山中さん経由で聞いている。その強さに呑まれないこと、そして正しく震える為には、まだ彼は子供だ。
「ふー…」
発電所予定地は畑に隣接した空き地となった。当然重要施設ということもあり、簡単に入り込めないよう周囲を壁で覆う。大掛かりな建築を行えるものはいない為、その壁は掘った穴に木材を突き刺すことで代用することになった。イメージ的には、昔の砦のような壁というところか。
行き来は畑の塀に設置した階段を使う。少々手間だが、拠点内から移動できるということが重要になる。今はまだいいが、この発電所が拠点の心臓部になる可能性が高い。安易に部外者が入れるという状況を割けると無難な移動経路だった。
まだまだソーラーパネルや蓄電池などは予定する量を確保できていないが、少なくとも壁の設置は進められる。パラノイアの件もあるから無茶言えないが、例の北西エリアにある住宅街でソーラーパネルは目撃されている。破損していないかも含めて早めに回収できればいいのだがと、考えながら、蒲谷は自分の肩を叩いた。
「蒲谷、いいか?」
「佐田さん。うん。どうしたかな」
彼からの報告は、地下道へ設置する監視カメラの件。とりあえず、配線は進めていくが、どの位置に設置するのが効率的かの相談だった。
いくつか蒲谷なりに重要になりそうな場所を答えて、まだ参考が必要なら放浪者あたりに聞くのが良いだろうとも伝える。
「ふん、考えておく」
いつも通り自信満々な頑固さで、彼はまた作業に戻っていった。良い人なのだが、あの固い所が誤解を受けるのだろうなと、蒲谷はぼんやりと思った。
【フェアリー3】
「………」ジーッ
「うわぁ、びっくりした」
「……!」ピュー
「なんであっちがびっくりしたみたいに逃げてんだ…」
「…どうした、勝」
「フェアリーがまた俺見てた」
「…そうか。まぁ、気になってるんだろう」
「何がさ」
「…お前は同い年ぐらいにはなるからな。友達になれるんじゃないか、なんて考えているのかもな」
「友達ぐらいならいくらでもなってやるのに」
「…知っての通り超能力者。人間に臆病なところもあるんだろう」
「そんなものかな」
「…そんなものだ」
【それぞれの】
「…最近の二人の調子はどうだろうか、林道さん」
「古武術の動きは、おおよそできるようにはなっていますね。惨劇前なら、そろそろ段位の為の試験を検討するところです」
「…段位か」
「大したものではありませんけれど、目標はあった方が取り組みやすいというところです」
「…なるほどな」
「自分のところではないものの、場所によっては、人体を理解する為に筆記試験も行うところもありますからね」
「…それはすごいな」
「筆記は別にしても、放浪者さんなら実技は大体パスしそうですけどね」
「…ファントムシリーズを使っているからに過ぎないさ」
「それを差し引いても、ですよ」
「…そうか」
>>853
故に奇人変人に偏るという。
ちなみにこれも、残るかどうかは判定済みです。高めにしたんだけどねー。
>>854
まぁ、多少やりやすくなったのは間違いない。
>>846の訂正
×距離として5mとほどか、防衛装置は千護にようやっと反応して、また定位置を見張り始めた。念のため、もう少し近づいてみるも、反応する様子はない。どうやら、味方として反対されると基本的に無反応らしい。
○距離として5mほどか、防衛装置は千護にようやっと反応してこちらを向いた後、また定位置を向いて見張り始めた。念のため、もう少し近づいてみるも、反応する様子はない。どうやら、味方として判定されると基本的に無反応らしい。
乙!
フェアリーは本当はまたすぐどっかへフラフラさせるつもりだったのね
フェアリーの精神的な教育は林道先生の出番かなー?
まぁ、まず人に慣れていってからの話だと思うけど
フェアリーにはスライムに遊覧飛行を体験させてあげてほしいなぁ
DJフレンドに絡む情報提供者の件、リーダーであるフレンドの反対もある中、ひっそりと追っていたファイブキラーに賛同する仲間が出てきていた。
「エクスさんが調べはった地域に、生存者が活動しよるのは確認しましたわ」
「ご無理をお願いし、誠申し訳ございません」
西村もその情報提供者のことを快く思っていなかった。そんな中、その相手を調べていたファイブキラーに、フレンドがそうしないよう説得しているところを偶然目撃した彼は、話が終わったファイブキラーに自分達だけで追おうと提案したのだった。
西村は警備の他に、軽くだが遠征して物資収集をすることがある。その際、車を利用することは許可されているので、エクスが調べた地域を短時間だが誰かいるか確認していた。
今日は、ファイブキラーと西村が簡単に警備へ出る日で、その日を互いの進捗を報告しあうことにしている。
「後はうまく、エクス殿にどんな生存者がいるか特定していただかないと…」
「うーん。フレンドさんがおらんタイミングで話しできるタイミング、近々あればええんですがね」
相手はこちらを見ていると言っている。それが事実かどうかはわからないにしても、自分達も相手を知っておけば手が打てる。2人が考えているのは、今はその程度のことだった。
だが、状況が動けば、勢力としてやらざる得ないことはあることは、どこかまだ置いていた。
井門は、彼にとって見慣れた廃棄された軍用車両を調べていた。車両自体は使える状態ではなかったが、物資は少しは見つかるだろうと漁る。処理は進めてからの探索ではあったが、念のため車両の外に一ノ瀬と西切が見張っていてくれる状態だ。
しばらく探して、これといった物は見つからない。車両と言っても探す場所は限られている分、調べる時間はそこまでかからない。外れだなと思いながらも、車両上部に開閉するハッチを見つける。開けて見ると、壊れた機関銃があり、弾倉はまだついている。
「(中身は、と)」
幾らか使われていたが、それでもいくらか残っている。パラノイアとの戦いを考えれば、少しでも弾薬は確保しておきたい。手に入れられたのは機関銃の弾と、壊れた機関銃。機関銃は拠点で使える部品を回収する為だ。
これだけでも悪い成果ではない。まだいろいろと探索して物資を探す為に、3人は行動を再開した。
五百八十一日目
警察署エリアの制圧は好調に進んだと言える。同エリアの緩衝地帯の確保についても、終わりの目処が立ってきている状態だな。もちろん、それまでの間にパラノイアがいつ攻めてくるかはわからない。
奴は、脅威と思えば徹底的で、攻め入らなければ何もしてこないと考えるのは、恐らく愚策だろう。奴なりの万全の態勢で待ち構えていたとしても、それにしびれを切らす可能性がそろそろ出てきている。元々、奴にして見れば俺達がすぐに攻め込んでくるという考えがあったからだろうしな。
それと合わせ、マッスルゾンビなどによるバリケード破壊後の攻撃が、確実な支配下で行えず結果戦力を失っただけというのも、奴が攻めあぐねている理由だろう。なぜなら、自分が前面に出て指揮をする必要がある。そして、奴はあの時の戦いでそれから逃げた。つまり、その踏ん切り次第だな。
もし、奴に覚悟が決まった時は、それがあいつとの最終決戦となるのは、間違いのないことだ。
3月25日
警察署エリアの制圧任務は好調に進んだ。メンバーとして、EVEが欠けている状態だが、フェアリーがその代わりに入っている状態。EVEが持つ盾による防衛がないのは大きいものの、フェアリーの浮かすものに種類を問わないというシンプルな超能力は、それを補うものになっている。
例えば、侵入路を塞ぎたかったら、その力を用いて車両で塞ぐこともできるといった応用もできる。彼女が今まで1人で生きてこられたのも、納得できるものだ。
自身を抜かせば単体にしか効果がないというのがデメリットと言えても、些細なことでしかないと思えてしまう。それぐらいに強力な存在だ。
ただ、そうは言ってもまだ子供。フェアリー自身は非力だ。何らかの拍子で超能力が使えない状況になったとして、その時が問題になるだろう。他の子どもたちのように、林道さんの教えを学ばせた方がいいかもしれない。
しかし、まだまだ人馴れしていない状況ということもあり、馴染むまでの焦りは禁物だろう。
3/21 担当門日 朝
ちょっと寒いけど、早朝の空気も悪くないね。
しかし、あのフェアリーという子。どうやって空を飛んでいるのか、もはや医者とか関係なく理解不能だね。
担当勝 昼
空飛べるっていいよなー。
俺も空飛べたら探索組にいけたんだろうなー。
担当フェイ 夜
フェアリーちゃんはなかなか人見知りみたい(悩んでいる顔の絵)
話しかけようとしても、すぐに隠れちゃうよ。どうしたらいいかな(電柱に隠れるフェアリーらしき絵)
【フェアリー奮闘記】
「…お犬さんー?」
「ん? お前、フェアリーっすナ」
「わう」ピャッ
「そんナ、隠れなくテもっす」
「…超能力者なのー?」ヒョコ
「ミュータントって言われテるっすな」
「…みゅーたんと?」
「ここでは、人間以外になっタって意味っす」
「そっかー…」
「放浪者さんと一ノ瀬さんがいたとはいエ、こんな俺も受け入れタところっす。良い所っすヨ」
「うんー…」
>>860
ゆりおねーちゃんを探すのが目的だったのもあるからね。自然と判定せなねーって感じかな。もちろん失敗すればどっかフラフラしてただろうけど
>>861
まぁ、子供の教育は林道さん担当だからねー。いろいろ慣れたらだろうけど
>>862
和やかにすむか、トラブルか…
>>842の訂正
×「受け取るべきはなかったのですが、至らず申し訳ございません」
○「受け取るべきではなかったのですが、至らず申し訳ございません」
>>857の訂正
×大掛かりな建築を行えるものはいない為、その壁は掘った穴に木材を突き刺すことで代用することになった。
○大掛かりな建築を行える者はいない為、その壁は掘った穴に木材を突き刺すことで代用することになった。
×安易に部外者が入れるという状況を割けると無難な移動経路だった。
○安易に部外者が入れるという状況を避けると無難な移動経路だった。
乙!
スラちゃんはどこぞのフレンズ達みたいな性格してるし、お空を飛べたら喜ぶでしょう(頭ゆるゆるな予想)
まぁスラちゃん以外からの視点で問題だと思えるだろうなって意味のレス返しだとは分かってましたがw
これ日のゾンビ化の原因はウィルスではないかも知れないんだよな……WWPはサンドスターを作った?
んむむ……>>1さんに何かあったか?
それともダイス荒ぶりか?
酒飲んで寝落ちしたしたり、忙しくてこられなかったりじゃない?
『それぞれの適応条件』
今回はうまくいった方だ。潜り込んで、必要な物資を強奪する。必要なら信用を得てからメンバーに加入して、そこから少しずつ盗み出すこともある。襲撃をかけて奪うのは、弱小すぎる連中だけ。銃を使うには、その弾薬が勿体ない。
つまるところ、人から物資を奪いながら、自身には何らデメリットがないのは、盗みということになる。メンバー加入での横流しも、長期間奪い取ることやしばらくそこでの生活が保障されるメリットはある。ただ、発覚した際に、その勢力での私刑がどうなるかが保証はないということだ。
仮に自分が失敗したところで、誰かが助けに来るわけでもない。
「ここまでで大丈夫か。ふぅ」
女は一息つく。事態が発覚する前に、うまくゾンビの集団に襲われてはぐれた。という状況に持っていけたことに満足する。ゆっくりと、煙草を取り出して一服する。
必要なものは横流し出来たのと、あそこの連中のメンバーに関する能力も大まか把握できた。運が良ければ、今日一緒に探索へ出たメンバーが、あの群れにやられているとありがたかった。
「は、やられてるか」
そのメンバーが自分を助けようとしたことに、暗い笑みを浮かべる。他の勢力に属する女だったが、結局そこのメンバーさえも信用していない。そこの人間も自分を信用していないというのはあるが、彼女にとって生き残るのに必要なのは利用することだった。
自分はこの世界に、誰よりも適応しているという自負があった。少々時間はかかるだろうが、そのうち文明は戻ってくる。それまでは、人を陥れても生き延びる、手段を選ぶ余裕はない。信用や信頼と言った言葉自体が、今の女には嫌悪感しかなかった。
それにそんなものがなくても成果を出せばいい。自分にも利用価値があると認識してもらえる方が重要だ。まだ使えそうな物資はあったが、今回は最低限横流しできたことで満足と女はした。
「(さてと、無線。届きゃいいけど)」
本来の勢力に連絡を取る。そこのメンバーが他の生存者について情報があれば、新たな任務が始まる。
>>870
まぁ、いきなりやられなければ喜ぶかな?
>>871
そうだねぇ…。まぁ、決まってはいるけれど
>>872-873
ん~、どっちかというと筆が乗らない感じだねぇ。
仕事も忙しくなりそうなのもあるので、ちょいとここらで久しぶりのまとめ作業に入りたいと思います。
こんな感じでぽろぽろ幕間は入れる予定。
きっちりとした悪属性の生存者って書いてなかったなーと思った結果である。ナイフ使いはどっちかっていうと、まぁ、狂人?
悪属性なぁ……その組織全体で見ればそうなんだろうけど、個人で見ると狡(こす)いだけのクソだな
まぁ放浪者達の拠点では通用しないどころか逆に喰われるだけだろうけど
放浪者たちは兎にも角にも覚フィルターが最強過ぎてどうしようもないww
ただでさえ放浪者のシックスセンスがヤバイってのにww
人員という長い目で見れば何よりも重要な物資を掠め取って潰すだけとは、遠回りに自分達の首絞めてる事には気付いているのかな?
何時殺されるか分からん世界なら明日の飯より今日の飯でしょ
アフリカの集落に井戸作ったけど、種とか買う為に井戸を分解して売るような物か
長い目で見るとかは持つ者が言える台詞だよな
『EVEの学習と解析が全て終わりかつ山海の研究所の情報を持ち返り、研究所のアンドロイド技術がMAXになって、更に技術者の頭数揃い、その技能もMAXで、物資も潤沢で更に発電施設も開放して整備施設を高品質なものを建設できれば多分できる』
首都東京、そこは今でもゾンビがたくさん存在する地であり、もはや未開の地と呼べる土地になった。死の匂いが充満する土地には、未発見の変異体も存在するとも考えられ、誰も踏み入れようとはしない。
「第一機兵隊から第四機兵隊、突撃用意。第一、第二後衛機隊、城壁用意」
額に∵の形でダイオードが光る女性が、部隊の指揮を執っている。突入先は東京は八王子市、彼等の部隊の目的はこの場所を足がかりとして、東京をゾンビから解放すること。途方もなく長く、困難を想像させる任務だが、部隊は刻まれた意志に迷いはないように、一糸乱れぬ活動を開始した。
女性も武装、というべきか。大型で長方形で光沢のある鉄製の盾を両手に持っている。全隊より準備完了を受け取り、女性の命令を待つだけの状況だ。
目の前にあるのは、人類の敵となってしまったゾンビ達がうごめく姿。女性は思っていた、自分達が同じ状態に陥ることはない。しかし、それでも同様に敵になってしまうのではないかという細やかな危惧。
『マスター、ご命令を』
「待ちなさい」
自分達が尖兵を務める理由は女性は理解していた。その上で、仲間に犠牲が出る可能性がある命令を下すべきか、逡巡している。その権限が自分にはあるのかという疑問。事ここに至っても、解を見出すことはできていなかった。
「全隊に問います。私の命令に、従えますか」
『畏まりました。マイマスター』
淀みなくすべてが女性に答えた。それならば迷ってはいけない。
「進撃を開始せよ」
『了解!』
イージス隊は突撃を開始し、指揮官であるEVEも、アンドロイド達と同様に突撃を開始する。
今のままで、アンドロイド達に犠牲が出る可能性があるなら、己がその牙の盾になればいい。自分の師と言える放浪者の戦いざまを見てきたEVEは、そう解を出した。
>>876
そんなやつも集まれば脅威なのよね
>>877
情報戦に関してよほどがなければ負けないからねぇ。
放浪者は。うん
>>878
問題はこの状況だからやってるのか、そうじゃないか。かね
>>879
それもまた真実。
>>880
余裕がない。というのは視界が狭くなる
それと、人は楽な道を選びたいものだし。後に首がしまってもね。
引き続きまとめ作業中と、ぶっちゃけ繁忙期だから戻っても安定して更新できるかなー。
ちなみにこの幕間EVEは、イメージとしてマッスルゾンビとの押し合いでも余裕で勝てる仕様です。
メスゴリラ少佐かと(汗
半端ない情報量に頭痛もやむなしだよね~
>>>883
ゴーストは多分呟かないよ
>>884
量の多さもあるけど繁忙期だから疲れて寝落ちが最近のデフォルトです。
少なくとも幕間ぐらいはチョコチョコ入れたいんだけども・・・。まだお時間いただきやす・・・。
ああ、繁忙期な。そいつが相手じゃ無理もない。落ち着くまでは中断がベターですわな
乙! いや、本当にお疲れ様です
『研究に取り巻くエゴ』
「フーン、相棒(バディ)は無事だといいけど」
連絡用の無線を封鎖し、WWPに対抗する組織に接触する為に活動しているカミロが、小休憩で入った小さなオフィスの中に居て、そうこぼしていた。
彼は元々WWPに組した研究者だ。WWPの関係者が彼の前に現れ、行っていた研究を第三次世界大戦に役立つものに転用を持ちかけた。彼は、躊躇なく同意した。
WWPの目的は、その当時、周辺国を軍事により併合を進めていたロシアを対象としていた。そのロシアに対して抵抗を続けていたのは中国。まだ完全に掌握される前のその中国に、カミロは妻と共にいた。
彼は植物学者であり、交配種を生み出すのが主な研究内容だった。未知の植物はアマゾン地帯が有名だが、中国の高地に生える植物や、その地元住民しか知らない薬草などは存在する。カミロの目的は非常にシンプルで、湿地帯にはない植物で求める交配可能な植物を探し出すこと。
だが、その頃から中国への渡航中止勧告が出されるほどの予断を許さない状況。しかし、彼の中にあった探求心がそれに目を閉じさせ、心配した彼の妻が帰るのを説得させる為に同行していた。今思えば、それに従うべきだったとよぎる度に、カミロはため息をつくしかなった。
妻はもういない。己の無謀により、戦闘に巻き込まれ、あっけなく死んだからだ。浅はかさを呪う余裕もなく、逃げ回るしかなかった。命からがら母国に戻った彼に残されたのは、その死によって欠けてしまった日常。
復讐を誓っていた、彼は無謀にも研究(しごと)の合間や休みをトレーニングと、戦闘術を学ぶ時間にすべて費やした。目つきは鋭くなり、いつしか周りの信頼する仲間さえも失い、そこにWWPが代わりに、彼はやってきたように思えた。
そのノウハウを使い、倫理から手放され憎しみに捕らわれた心で、彼は幾多の作品を生み出したと言っていい。だがそれは、彼の最高傑作を生みだすまでの廃棄物でしかなかった。
無念を訴える作品達を見た彼は、徐々に自身が行っていることに疑問を持つようになった。それは肥大し、そして確信に変わり、また自分は取り返しのつかないことをしたことに気づき、今度こそ本当の償いをする為に行動を移した。
次こそは、間違えない為の戦い。普段の陽気な姿からは想像できない業(ごう)を、彼は背負っている。そして、ゾンビと戦うたびに、自分の研究がこういう結果を招いた可能性に怯え。もしかしたら何らかの関連性があるかもしれないと苦悩する。
一生この罪(じゅうじ)を背負い続けることには、完全に気づき(みとめ)きれていないが、それでも彼は変わろうとしている。それを気づかせてくれた相棒(バディ)の為にも、この接触に失敗は許されない。
「待っててくれよー、相棒(バディ)」
小休憩も終わり、安全を確認しながらオフィスの外にカミロは出る。その足取りは、けして軽くはなかった。
>>886
まぁ、多少は甘えるけれど。可能な限りはやっていくよ。
パッとでの割には、わりともう大体の設定は固まってるカミロさんです。
付け忘れましたが 「ブレイクタイムでもなく本編に関わりは多分ないと思う幕間」 なので、一応幕間。
乙!
>>1氏が疲れる状況が少なくてすみますように
乙
『得難きは時、会い難きは友』
「おら、呑んどけ」
相棒がそういってスキットルに入った酒を渡してくる。俺達が何とか都市からここまで移動させた生存者達は、逃げ込んだビル、その階段の踊り場でぐったりと、疲労のせいで全員ひでぇ顔をしてやがった。それに気が滅入る俺には、ありがたい薬代わりに少しあおらせてもらう。
「移動はどうすんだ、保安官様よ」
「へ。このまま強引に正面突破といきてぇがなぁ…」
拍車付きのブーツをわずかに鳴らし、ひびが入った窓ガラスから通りを慎重に見始めた。昔ながらのゾンビ映画さながらのシーンが、相棒の眼下にあるのは間違いなかった。戦えそうな奴には銃は持たせてやったが、ずぶの素人すぎて役に立つとはいえない上、音で奴等は寄ってくるのもあって、俺らのライフルも無闇に使えない。状況は時間を置くごとに悪くなってってる。さてどうするかだ。
相棒は大げさに肩をすくめ、首を振りながらこっちに戻ってくる。仕方なさそうに煙草を咥えて、火をつけて煙を一吐き、ウェスタン調の服装とハットが相まってこいつだけ場違いな状況ってことだ。
「そろそろ休憩だな。夜になったら移動すっぞてめーら」
状況に変わり映えはないが、休めることに生存者達はホッとした顔をしている。さて、俺達に休める時間があるかどうか、神様仏様に聞いたら、答えてくれるかね。
「しかし、今度はどこに出店するよ?」
のん気なことに、俺は頭を抱えたかった。いつも通り自信満々な笑みに陰りはない。この状況で、親しい友達のいつも通りを見るってのは、なんであれ落ち着くもんではあるがな。
「お前な、そういうのはこの状況から脱出してからだろーが」
「へ、言えてる。けどよー、やっと軌道に乗ってきたとこでこれはねーだろ?」
俺も同じ気持ちだ。2人で金を出して作ったBAR、まさかこんな形で失うことになる。誰も予想する訳もない。それだけは間違いなかった。
「…ここだけじゃねーだろうけどな」
顔が真顔になった。ふざけた態度が多い奴だが、頭は切れる。その読みが外れていることは、祈るしかない。
銃弾を受けたカウボーイのように、血まみれ。それでも、相棒は笑みを絶やしてない。左手には、噛み痕。
「へ……。ここまでってやつだな」
「何言ってやがる。外に出りゃあなんとかなる!」
「ならねぇ!!」
笑みは一瞬に消えて、目が野獣に染まる。噛まれれば、ゾンビ(あいつら)と同じになる。それはもう、俺達全員の共通認識。
「てめーらの逃げる時間位は稼いでやる。とっとと走りやがれ!」
生存者が、その迫力に追い立てられるように走り出す。
「へ、これ、預かっててくれや。なかなか高い本革なんだぜ?」
カウボーイハットを、俺に投げ渡して、相棒は次会ったら酒でも飲もうぜと約束させて、背を向けゾンビの群れに、のんびりと歩いて行き、ライフルを構えた。その後ろをわずかなのに膨張する長い時間を感じて、俺はその発砲音と合わせたように、生存者達の後を追った。
「戻るなんて無謀ですよ!」
「だろうな」
死にに行くようなものなんてのは、わかってる。これは、俺が、俺の踏ん切りをつける為に必要なこと、あいつが死んだところを確認できれば、俺は、この都市(ばしょ)から離れられる。
「わりぃが、俺達のしてやれんのはここまでだ。後は持ってる武器で、安全そうなとこにいってくれ」
「でも…!」
「じゃあな」
俺はその後姿を真似たのかもしれない。全く様にはなっていないというのが、悲しいところか。自分に対して皮肉交じりに笑いながら、俺は都市に戻った。それで――。
「…保安官(シェリフ)! 保安官! 起きて!」
「…あぁ、ジェーン。なんだ、寝ちまったか」
なんだか懐かしい夢でも見てた気がすんな。未だに合えないあいつに会ってたような、そんな気分だ。ジェーンが俺を心配そうに見てる。
「誰にだって眠い時はあんだろ? そんな顔すんなって」
「ほんと? それならよかった」
この娘も、俺のどこがいいのやら。そんな俺も、誰とも一緒に居るつもりはなかったのに、こうなっちまってるのは、やれやれ、人恋しってやつか。
カウンターに置いた、相棒のカウボーイハットを被る。俺はまだあいつの死体、あとはゾンビになったとこは見てない。帽子を取りに来るのと、俺達の店で酒を呑みに来る、いつも通りフラッとやってきてな。
>>889
うんまあ、残業多めなだけで、意外と疲れは感じてないから。
と言う訳で、最近からみの薄い保安官さん(おまけのジェーン)でした。そして、相変わらず幕間付け忘れである。
『認められないなら』
「異教徒共を滅ぼす準備は出来た」
こびりつく歪んだ笑み、瞳は当たり前のように狂気を宿して、高鳴りを抑えられないように全身を震わせる。薄汚れた白衣がはためき、細い手足もやつれからくる病的な細さを覗かせる。それでも、彼女は楽しそうだった。
WWPのプロジェクトに関わる者の多くは、もしかしたら憎しみに捕らわれているのかもしれない。彼女もそうだが、もはや何が憎かったのかも、覚えていないだろう。もはや全てを憎んでいる彼女にとって、それは些細な事と言えた。
強化ガラスの向こう側に、彼女の生み出した研究結果が蠢いている。大きさは小型犬程度か、胴は棒に伸びてそこに六本の脚があり、背に当たる部分は透明な羽が高速で動いている。目は複眼になっていて、口はカマキリのように食いちぎるのに適している。昆虫、そうは思えるが、その姿はいろいろな生物をパーツに継ぎ接ぎしたような不出来さだ。
「行きなさい。全ての異教徒を殺しなさい」
スイッチが押され、その異形の生物は外に解放されていく。満足げに彼女はその光景を見て、また折れるように身体を震わせながら笑う。
これは始まり。外に死臭を纏う人間達が無数にいる。彼女が生み出した異形の存在は、それらを排し、そして普通の人間達も屠ってくれるだろう。それを思うと、彼女の興奮は増していく。そして、その興奮度合いに反比例するように、彼女自身の活力は失われていくようだ。
まだ、今放った使者達だけでは思い描くことを実現するには程遠い。そう思うと、これからの研究は辛くも楽しいものになる、まだ繁殖能力に難がある彼らを完全体とすれば、異教徒を滅ぼすことは容易い。
まずは手始めにこの土地から始め、アジア、オセアニア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、そして北アメリカ。全ての異教徒を根絶やしにする。笑いがこみ上げるのを彼女は感じていた。
ほい、相変わらずの幕間です。シーン的には多分惨劇発生から半年以上経過した辺りかな。
引き続きまとめ作業は続くよ。休みだけでも更新するかは検討中です。
乙!
トンボかな?ならぐるぐるコンフュが効くかどうか試しておかないとな
乙 異教徒……。彼女は何を指して言ってるのかな。
久々に曲リクでもしてみよっかな?
ギタドラのFIREで
>>1さんが今書いてる他のスレって何でしたっけ?
「…進捗の進みに差が大きくなっている、か」
研究員達のレポートを読み終わり、目頭をつまみながら野木はBAP(有機人造兵器計画)の解析についてどうするか考えていた。現状のレポートの内容から、ロボットを駆動させる機構や原理については大きな問題は発生していない。損傷があり試作品であったとはいえ、出来上がっているアンドロイドを放浪者が持ってきたことが大きく、研究所独自のアンドロイドの製作は、順調であった。
しかし、AI部分が芳しいと言える状況ではない。移植予定のEVEのAIは、以前より独自言語で作られている。まずその解析も必要だが、更に言うのであれば研究員達が整備や確認しやすいよう、それを既存のプログラムとの互換性も必要になってくる。そんな状態で解析の役割はエクスが担う訳だが、サポートチームとしての任務をおろそかにする訳にはいかず、ほとんど進んでいないと言える状態だった。
残念ながら、まだまだ教えが必要な伊吹にその役割は出来ず、ビジョンの超能力もそういった部分は対応できない。1人に負荷が強烈にかかっている。
「誰か1人、エクスまでいかないまでも補助程度できる人員がいればか…」
思い当る人物がいない訳ではない。だが、協力を得られる可能性は低いと判断して、誰もいないという判断に至っている。
ため息をつきつつ、天才を知るという厄介さを野木は感じていた。
ハンターはいつでも独りだ。独りになってしまった時から、それをいつの間にか受け入れ、そしていつの間にかそれが当たり前だと、思うようになった。今こうやって危険な都市内を制圧作業をしていても、そのことに疑問も抱いたことはない。
それに、独りであれば誰かに獲物を奪い取られることはない。そういう安心感を抱いていることもまた、確かだった。
一通りの処理を終えて、瓦礫の都市を歩く。惨劇から1年経った今では、物資もそう期待できるものではない。長期保存が効く加工品、腐食がしにくい素材といったものを抜かせば、もはや生存者を狙った方が何かしらに手に入れられる。相応の危険という代償を支払いと、確実ではない事に目を閉じる必要はあるが。
しかしそれでも、都市には宝は眠っているのだ。わずかながら生き延びている、生存者。なんであれ、その存在は一種の物流のようなもの。使える物資の行き来は、少量、極少量ながら常に起きていると言っていい。
ハンターが今処理したゾンビは、スプレーゾンビに強化されたように動きが早く、力強かった。しかし、ただの1体が素早く襲ってきたところで、油断のないハンターには関係はない。そこいらのゾンビと同じように、首をチェーンソーで切断された。
転がる頭、倒れる身体、駆動が止まるチェーンソー。一連の中で、ハンターは眉ひとつ動かず、ゆっくりとバックパックを漁り始める。状況からしていつ頃かはわからないが、最近まで生きていた生存者と判断できた。なら、物資も期待できる相手。
ほとんどハンターに眼鏡にかなうものはなかった。しかし、その中に1つだけ興味深いものがあった。拳銃の強化パーツ、自分が持っているものと一致していて、軽量化と安定性を図ることが目的のものだった。回収しない理由もなく、ソッとハンターは回収した。
DJフレンドの隠れアジトの周囲は、工場とその周囲を森林が囲んでいる。工場も食品関連ではなく、部品製造が主。大抵の生存者は大抵食料品を求めることが多く、それだけにこの周囲に彼ら以外の人影を見ることはほとんどない。
例の裁判所の勢力は当の昔に壊滅してから、人の気配は遠のくばかりだ。時折、人がいないということで安全な経路として移動をする自動車を見かけることがある。その程度のものだった。
しかし、この周囲で生存者らしき形跡を見かけるようになり、ミーナはそれを訝しんでいた。
「もしかしてー…。例の情報提供者さんかなー☆」
ミーシャのいうことに否定はできなかった。今の状況で可能性が高いのは、見も知らず敵意を見せている生存者。情報提供者が一番予想しやすい。
ラジオ放送も録音して、各基地局代わりにした設備から発信している。隠れアジト内で発信はしていない為、電波からこちらを追ってきてもすぐには確認できないようにはなっている。だが、それでもメンテナンスを考えればある程度近場になってしまう。
流れの生存者が単純にこの周辺を、物資収集でうろついている可能性はある。どこかに拠点を作り、その為の物資収集をしている、という理由あたりだろうか。
答えは出るものではない。もしかしたらすでに自分達が見られている可能性もある。もちろん、帰り際は人目に付きづらい方法で移動しているから隠れアジトが早々見つかるとは思わない。それが時間の問題の可能性は当然あるが。
「…フレンドの耳には入れたけど、どうすりゃいいんだかさ」
まだ、人に向かって引き絞ったことのないトリガー。テーブルに置かれた拳銃を、チラリとミーナは見た。
五百八十二日目
警察署エリア制圧は進んでいる。このエリアでの緩衝地帯確保の任務についても、終わりは見え始めている。奴はまだ、大型駅エリアのどこかで待ち受ける気でいるとは思うが、それがいつまで続くかもわからない。
もちろん、基本的に奴の覚悟が決まった時は、それがあいつとの最終決戦とは踏んでいる。しかし、痺れを切らしてに襲ってくる可能性もある。違いはそう、奴にとって今の状況で攻め入っても勝てると判断した場合だ。
奴は臆病だ、奴自身から襲ってくるとは思っていない。攻撃的な部分も自分に触れられるのを恐れているからと取れる。
変異体が特殊なコンビネーションを見せるなど、奴なりに自分の兵を強化している動きがあった。つまり、そういう育成を経てから襲い掛かれば、自分に触れられずに済む。という風にも取れる状況だ。
奴なりに追い詰められるのを感じれば覚悟を決めるだろうし、触れられずにこちらを殺れると思えば、それも同様に最終決戦の幕開けになる。
知性あるゾンビの考えなど想像もできないが、根本が人間なら大きくはズレはしないだろう。
レポートNO.148
井門圭司
警察署エリアは問題なし、一応パラノイアの奴が何かしでかさないか警戒しつつだけどな。まぁ、あの時みたいに包囲されてなきゃ、後退しながら作った緩衝地帯まで誘導してやりゃあ勝機はあるだろ。もっとも、相手さんがそれにのってくれるかだけどな。
しかし、フェアリーの奴の力は脅威だな。ビジョンもこの間超能力を使った武器を持ったらしいけど、フェアリーはそういうのは関係ねぇしな。基本単体と言えど、容赦なく相手を浮かせて、本人もその気になれば上空に逃げりゃあいい。厄介極まりねぇっていうか。
後、ビジョンから軽く、超能力者は人間に恨みを持ってると聞いてたけど、放浪者さんへの懐きっぷりを見るとそうは思えねぇなぁ。それに、俺達に興味自体ない訳じゃなくて、怖くて話しかけづらいだけみたいだし。
じゃあなんで、放浪者さんには普通に話しかけたのかって話だけど。やっぱそういうフェロモンでも出てるんじゃないか、あの人。
『フェアリーとスライム』
「(すごいなー)」プルプル
「………」フワフワ
「(スラも飛んでみたいなー)」プルプル
「……ん~? フェアリー見てるー?」
「(見てたよー)」ポヨンポヨン
「お話しできないんだねー…。スラちゃんだったよねー?」フワー
「(そうだよー。フェアリーちゃん?)」プルプル
「私はね。フェアリーっていうんだよー」クルクル
「(あってたー)」プルプル
「仲良くしようねー」フワフワ
「(うん!)」プルプル
>>895
あぁ、説明だと確かにトンボっぽいね。
>>896
全てかな
>>897
ほいほい。まぁ、組み込めればですがの
>>898
ん~と。ここだと、これ日と下のR版だね(描写練習用)
ここ以外だと、WIKIにある連絡先で、これ更新したよーって呟いてるよ。
本日お休みだったので、久しぶりの更新。やっぱり毎日やってないと感覚が戻ってなくて大変ね。しばらくこうなるかも。
繁忙期だから忙しいってのがあるのに、某包囲網に囲まれてやむなく生活する市民のゲームが、これ日的でハマっててまとめ作業が鈍行させてる馬鹿です。
いろいろ訂正
>>848の訂正
×しかし、この部屋に、今後相棒、小間城、フェアリーが使うとなると中々の狭さになるな。だからと言って、最近モーテルとして運用している家にフェアリー一人というのも不安だ。小間城もまだ親離れで来ている状態ではないし、ひとまずは我慢というところか。
○しかし、この部屋に、今後相棒、風虎、フェアリーが使うとなると中々の狭さになるな。だからと言って、最近モーテルとして運用している家にフェアリー一人というのも不安だ。風虎もまだ親離れで来ている状態ではないし、ひとまずは我慢というところか。
>>856の訂正
×その強さに呑まれないこと、そして正しく震える為には、まだ彼は子供だ。
○その強さに呑まれないこと、そして正しく振るえる為には、まだ彼は子供だ。
>>867の訂正
×3/21 担当門日 朝
○3/25 担当門日 朝
乙!
フェッスラ接触ktkr!スラちゃんの反応見てると癒やされるわー
エクスェ……
情報局は多い方が好みや思考の幅が増すと思うんだが、そんなに一強じゃなきゃ嫌なのかね、情報提供者とやらは
遂にエタったか。
繁忙期とゲームにハマって忙しいとか上に書いてあんだから四月になって落ち着いたら更新くるやろ
エクスはサポートチームの自分のデスクに突っ伏していた。かねてからの業務が激務、そして累積していく調査希望内容、時間はいくらあっても足りず、もし仮に人員が増えたとしても、彼まで出なくてもある程度のパソコンに関する知識を持った人材でなければいけない。つまるところ、メンバー増員の希望はどこも望み薄とすれば、サポートチームは絶望的と言える。
もちろん、彼がある程度の教えを施した伊吹がいて、彼女に出来る業務は分散してはいる。しかし、その増えている仕事の大体は、エクスのパソコンスキルで最初に解析、あるいはハッキングすることが前提となっており、結局のところ彼自身にかかる負担自体が減ったかと言えば、難しいところだ。
その状態で彼に降りかかったのが、天才、山海沙維が作ったEVE。彼女の自立行動及び学習機能を搭載した独自言語で生み出されたAI解析。それは、例えるなら密林奥に住む部族しかつかない言語、あるいは地球外の言語を解読するようなものだった。
あらゆる解析ソフトを作成し、解読に挑むも全敗。天才を自負している彼のプライドは、当にズタボロになっている。今も新しく生み出した解析ソフトで試してみたが、結果はいつも通り芳しくはなかった。
キッカケを欲していた。強烈に、このAIの糸口となるものを。
エクスは体を起こし、エラーメッセージが吐き出されるディスプレイを見やる。もうこうなれば、避けていたあの方法を試すしかない。
「VRを使った直接解析だな…」
高度になったVRが引き起こす危険性は、もはや周知の事実だった。『戻れなくなる』という作用は、人をネット世界の住人にさせることはなかった。戻れなくなって残った存在は、その内、ウィルスか何かとして除去されて消えてしまう運命なのだから。
EVEの中にセキュリティソフトの類が入っていれば、明確な防御用ソフトも作成できない今、エクスは一瞬にして抜け殻になる。それは容易に想像できた。そして、だからこそ彼は止められなかった。
自分のプライドを傷つけられたことで、冷静な判断が出来なくなっているのもそうだが、ここまでのものを見せられたなら、全てを知りたい。
家族に起きたことを知るために、今の道を歩んでいる彼には、至極当然の欲求だった。
フェイは、平山が以前より強くなったと感じている。ブラストシューターのメンテナンスと、回収により盾が付いたということを考えても、以前より攻める部分が力強くなっている。
元々、生真面目とつく平山は慎重な人間で、必要なければ戦闘は極力避けるタイプだ。正しく言うなら、対処できない危険は追い詰められてない限りは冒さない。というべきか。
それは正しい事ではあるのだが、基本的な行動に危険を恐れて行動にワンテンポ遅れが生じるというデメリットもある。そこが彼女がリーダーとして向いていない、と言う訳ではなく、彼女が回収組のリーダーである以上、そういう特色が表に出る部分ということだ。
危険を冒さない為、安全に任務は遂行するが、大きな戦果を得ることはない。回収組の役割を考えれば、それはピッタリと当てはまる特徴ではある。
だが、ここのところ平山はゾンビの処理にも積極的になっている。防御できるようになったというのが大きいのか、それとも心境の変化なのか。フェイはそこのところはわからなかった。
「このエリアにゾンビがいるのは、あまり望ましくないからな」
彼女はそう言っている。パラノイアが拠点入り口エリアまで攻めいられた時、1体でもゾンビの補給が出来ないよう、最後の緩衝地帯として機能できれば、拠点が優位に立てる。
ここでのバリケードの補修と補強といった点検を進めている回収組としては、当然の考えかもしれない。武器も更に改良されて、対処できる危険も増えたことで、前より活動的になった。と、フェイはとりあえず――前のように功を焦るよりかはいいかと――納得することにした。
自作のIDカードを手に入れてから、千護達の新興都市での活動は若干ではあるが安定してきている。もちろん、まだ活動理由が不明であるWWPの兵隊はうろついているが、ADSP(自動防衛システム)による障害が取り払われているだけでも、気分的な部分と注意を兵隊とゾンビに割ける分、楽になったのは間違いない。
それに、どうやらADSPに関してはWWPも苦戦しているようだ。彼等のプロジェクトなのだから、何らかの対策は講じていると考えていたものの、一枚岩ではなさそうだという話を放浪者達から受けていたこともあり、そういった連携はなかった。ロバートも他のプロジェクトの情報は持ってないのと、話さえ聞いてなかったことを考えて、そういう結論に全員至っている。
今も近くでその機械にやられたであろうWWPの兵士の死体がある。残っている武装を回収したいところだが、この地域に生存者がいると勘繰られるのを避ける必要があった。幸いまだ見つからずに行動出来ているのを、そんなことから発覚されるのは避けたい。仕方なく、銃に着いた弾倉から銃弾を数発だけ抜き取って残りはそのままにして、千護はロバートの隠れている建物内に戻った。
「アイツらがきて、良かったのはこれぐらいだね」
枯渇しかけていた弾が以前よりも容易に回収できることには変わりはないし、何よりゾンビもある程度はWWPが処理をしてくれる。メリットとデメリットの在り様といった状況だ。
もっとも、危険性の種類が変わってきていると言い換えるだけのことかもしれない。状況が少しでも悪い方に傾けば、千護達だけではなくストーク達もただでは済まなくなるだろう。
後はただ、WWPが何のためにここで活動を続けているのか、まだ探りを続けなければいけないということだけだった。
五百八十三日目
警察署エリアの制圧は順調に進んでいる。この好調を維持したいが、ここのところ曇り模様が続いているのが気になるところだ、もしかすれば天候が崩れるかもしれない。注意しないとな。
今のところ、大きな問題は起きていないが、BAPの研究においてEVEのAI導入について難航しているようだ。その方面は疎くてわからないが、少なくとも名うてのハッカーであるエクスが手こずるのだから、よほどのものなのだろう。もし厳しいようなら、EVEのものでなくても奴にAI自体を作ってもらった方が早いのかもしれないな。
後は、フェアリーもおっかなびっくりという感じだが、ちょっとずつメンバーには慣れてきている様子に、とりあえず俺は見える。このまま慣れて、後は癇癪を起さないよう社交性を身に着けてもらえればいうことはないな。
元々自由な気質というか、天真爛漫といえる相手だからな。そうそううまくいくとは思っていない。とはいえ、常に自分と一緒に居てもらう訳にもいかないのだから、避けられることではない。
そういった事を検討しつつ、探索組としての任務もこなす。やれやれ、少しの間とはいえほぼ一人で任務に従事してた気楽さが、もう懐かしいな。
一ノ瀬DIARY Mar.27
警察署エリアの任務はすごく順調だったよ。いつもこの調子だといいのに。
フェアリーちゃんは相変わらず人見知りなのは相変わらずかな。それでも前よりも逃げたりはしないから、だいぶ慣れてきてるみたい。放浪者さんも無理強いは危険だっていってたから、のんびりかな。
それに、あの子はすっごく強い。超能力が強力なのはあるんだけど、ああいうのって、出来て当たり前なんだっていうのが必要なのかな。手足を動かすことを考えなくても、私達ができるみたいに、フェアリーちゃんにとってもそれが当然なのかもしれない。
これは仮定の話だけど、もし仮にできないっていう意識が植え込まれたら、超能力者もそれを使うことは、出来なくなっちゃうのかな。そんな気がするよ。
3/21 担当三間 朝
ここのところ曇りばっかりですね。
降る訳でもなく、ずーっとどんより。
担当浜村
春先になってもうちょっとあったかくなって欲しいわね。
この状態だと、北の方とかまだ雪降ってるんじゃない。
担当平山 夜
東北地方の方々は、惨劇後の2度あった冬をどう切り抜けたのか。興味があります。
全滅している可能性もある否定しませんが、生き残りはいるとは思います。
【死は救いか】
「…………」
「…錬浄か」
「何か、お考えか…」
「…昔は、死は救いなのだと考えていた」
「…………」
「…だが、ゾンビが現実に現れてから、報いなのかとも考えている」
「報い……」
「…言うまでもなく、ゾンビの大多数は被害者」
「…………」
「…しかし、そもそも人間(おれたち)は惨劇前、死というものを軽く扱っていたように思える」
「…………」
「…今、生き残った人間は、その責を負う代替として選ばれた。そんな、いうなら夢想の類だな」
「……1つだけ、申し上げるのであれば」
「…なんだ?」
「少なくとも、放浪者殿は死を軽々しく扱ってはおりませぬ……」
「…そうか。だが、それはお前もだろう、錬浄」
「恐縮の至り……」
>>906
スラちゃんの周囲だけ空気が違います
まぁ、不憫が彼のカラー
>>907
さぁて、目的はなんだろうねぇ(真面目に)
>>908-909
正直早くても繁忙期は4月中旬ぐらい、最悪末までになりそうなのよねぇ…。まぁ、余裕あれば常時、最悪休日だけでも進めるスタンスで今んとこはいきますが。
それに、これを書くための作品2つほどエタらせた前科持ちだからねぇ。流石にこれに関してはエタらせる気はないよ。
>>915の訂正
×担当浜村
○担当浜村 昼
久々に乙
エクスがダイス神の加減で廃人になっちゃう可能性があるのか…
替えが居ない存在だかは無理しないで欲しいが
やめて!EVEの超次元的に高度なウィルスバスターで、不正侵入存在を焼き払われたら、VR直接解析でEVEのAIと繋がってるエクスの精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでエクス!あんたが今ここで倒れたら、放浪者さんや拠点・研究所のみんなとの約束はどうなっちゃうの? 探究心はまだ残ってる。ここを理解できれば、BAPのロボットに意思を与えられるんだから!
次回「エクス死す」 VR解析スタンバイ!
栄養ドリンク
マッサージチェア
数時間程度の仮眠
これくらいは常に用意してやらないとホントに過労でくたばるレベルの業務になってんだよな
放浪者がそのうちインテリくんを連れてくるからダイジョーブダイジョーブ
「兵士を見たのかい?」
ミーナと西村の報告に、フレンドは顔をしかめて考え込んだ。この状況下で活動している兵士と言えば、WWPの兵士か、井門や千護のような元防衛軍の人間となる。が、高い確率でWWP傘下の人間と考えるのが妥当なラインだった。
そうなってくると、WWPが何の理由でこの地域を調べて回っているのか。それが問題になってくる。WWPに関する情報を統合すると、彼等は多種多様化したプロジェクトの収集に動いている。そう考えていた。つまり、この隠れアジトがある工場周囲にプロジェクト関連のものが眠っている可能性がある。
「4、5人ぐらいだったから、たまたま通った。なんて思いてえんだけどさ」
「もしかしはると、自分らを探しにきよったとか?」
それもまた、否定できないことだった。WWPに関することは、可能な限り避けてラジオ放送を行っている。としても、彼等にとって厄介な判断している情報を、それと知らずに流している可能性はある。
実のところ、ヴァルキリーミラージュの2人が行っているミネルバトークは、わざと眉唾ものとしてWWP関連と思われる情報の一部を流す試験的な運用も――この間の空飛ぶ人はただの偶然だったが――含んでいた。もしかすればその中に原因となったものがあった可能性は高い。
「何かできればいいけど、自分達だけで戦える相手じゃないからね…」
それに、倒すことができたとしても人数からして偵察といった任務に就いていると想像ができる。仮にトラブルが起きたとすれば、本隊のようなものがここにきて、より危険に陥る可能性も高まってしまう。
現状は、相変わらず基本隠れてやり過ごすしかない状況だったが。
「……できればここに来たはっきりとした理由。それがわかればね」
対処のしようがあるとするなら、それを確認するしか残されていなかった。
五百八十四日目
警察署エリアの探索は進んでいる。今日は晴れたが、昨日に比べると進んではいない。いつも通りということだけだが。良い天候だからといって、進みが良いとは限らない。そもそも晴れ間の方が多い訳だしな。
その代わりと言う訳ではないだろうが、いくらか使える物資の方は出来た。とはいえ、都市攻略を始めた頃を考えると、物資の質が良いとは言えない。時間経過というものを感じるところだ。
こうなってくると、拠点も新たな生産施設を作っていかなければいけない時期に差し迫っているということか。もちろん、生き延びるだけでいいなら畑の拡張だけでいい。しかし、あらゆる脅威の対処、あるいは拠点の拡張を考えると、製造に関わる施設は必要になってくるだろう。
例えば、炉のようなものなら拠点でも作れるだろう。それ自体は研究所に高度なものがある訳だが、ここにもあって損があるものじゃない。出来ることは多いに越したことはないからな。
それとフェアリーだが、スライムと仲良くしていた。しゃべられない分、接しやすいのかもしれないな。
今日の制圧と探索はそこそこな感じで終わりましたねっと。
気になるフェアリーちゃんですが、なんとか馴染んでる感じかな。
彼女から超能力者のお話は聞けるだろうけど、ちゃんとわからないんだろうなぁ。
でも、放浪者さんが聞いたらしいところでは、どうも炎や電気を操ったりする超能力者はいる模様。なんだか魔法の世界みたい。
ビジョンさんからその話が出てないのは、あまり身内のことは話したがらないからの様子。
そうなってくると、まだまだ見たことのない超能力者いても不思議じゃないと。オリジンなんていう最初からそういう力を持ってる人もいるようですし。
となると、昔はよくある古典的なものとして、テレパシーとか透視とかなんてのもやっぱりいちゃうんでしょうねぇ。
もちろん戦いに使えるものばかりじゃないでしょうけど。それに、超能力じみてるのは覚ちゃんもそうですし。
とりあえず、そういう方々と敵対しないことを祈るしかありませんねぇ。
【姉として】
「スラちゃんも空飛んでみるー?」
「(スラも飛べるのー?)」クユン
「フェアリーのねー。超能力で飛べるよー」
「(んーどうしよー)」プルプル
「どうしたんだぞ?」
「わわ」ピュー
「(あー、どこ行くのー)」プルプル
「何を話してたんだぞ?」
「(フェアリーちゃんが、スラも飛ぼうって言ったのー)」プルプル
「スラ、危ないからそれはダメだぞ」
「(どうしてー?)」プルン
「スラが自分で飛べるならいいぞ。でも、誰かに飛ばしてもらうのは、何かあった時に危ないぞ」
「(んー…。でも飛んでみたいー)」プルプル
「ダメなのはダメなんだぞ!」
「(うー、お姉ちゃんのいじわるー)」ユラユラ
「その内、自分が飛べる方法を見つけてやるぞ。それまで我慢するんだぞ」
「(わかったよー)」プルプル
>>918
十分起こりえます
>>919
やめて! 不遇体質のエクスにはシャレにならないよ!
>>920
ブラック企業も真っ青です。マッサージチェアぐらいは用意できそうだけど。
>>921
そのインテリに+αが付くんですね。わかります。
乙!
これ日最大最凶のブラック(内容的に)企業WWP
スラちゃん飛べなくて残念だったね。そもそも最初から高空に行くって発想は俺には無かった訳だけど
BAP(有機人造兵器計画)の解析について、アンドロイド開発は順調に進んでいる思われていたが、大きな問題に直面していた。それは、回収してきたアンドロイドが放浪者との戦闘時に置いて受けた損傷個所。そこが順調と思われた開発を足踏みさせることとなった。
打ち込んだエレクトロスピアは、生きた脳髄を外れてその連結部分に食い込んでいた。その後、エレクトロスピアの放電によりショートした訳だが、それにより脳髄から発信される信号を受信し、各機関へのその信号を流す部分が完全にイカれてしまっている状態だった。
つまるところ、人間でいう頸椎に当たる部分が損傷によりどう機能していたかはっきりしない状態だった。
当然、必ずしもBAPが製作した試作機通りに開発を行う必要はない。そもそも、拠点も、もちろん研究所も生きた人間の脳髄を移植して稼働するアンドロイドを製作するつもりはないのだから。
しかし、そうなると応用するとはいえ1から発した信号通りに稼働できる受信部分を製作する必要が出てきていた。これにより、開発自体の進捗はだいぶ戻されたと言っていい。
「…パラノイアとの戦いまでに、やれるかどうかか」
研究員に指示を飛ばしながら、野木はつぶやく。間に合わせられるかは、もともと保証はなかった。だからこそ、間に合えば優位に立てるのは間違いないプロジェクトなのだ。
「困難な方が、燃えル! て、アニメのキャラが言ってたヨ! 頑張ろウ!」
息詰まる現場で、アリスがいつも通りの様子で、それでいてとても楽しそうに笑っている。出来ないと思われることを成し遂げること、それが出来た時の幸福感を誰よりも知っているからだった。
一方、サポートチームの部屋には見慣れないものが置かれていた。マッサージチェアの頭の部分に、人の頭がすっぽりと入るヘルメットのようなものがある。ひじ掛けの左側には、スティック状のレバーがあり、右側はキーボードの特定のキーがついている。
そのチェアに、すでにエクスが座って背もたれにもたれかかっていて、正面にEVEがスリープ状態で椅子に座っている。伊吹はその右側、いつものエクスが座っているデスクにいた。彼が座っているそれから、EVEとエクスの端末に配線が接続されている。
言うまでもなく、これが発展したVRの姿だ。脳波を感知し、電子世界で起きたことを五感に誤認という形で認識させる。境界線を曖昧にしたことで、世界的にその開発を中止に追いやることになった不遇の科学。しかし、それは表面上の話に過ぎない。
ハックソフトだけではなしえない、まさしく生きたハッキングをするのに、これほど適した手段はないのだ。かつ、VR特有の脳波による操作は、不正アクセスを無効化するのに有効なメリットとなり、重要な研究――それはつまりWWPのプロジェクト群も含む――についてはVR装置からでしか扱えないものも存在している。
EVEのAIは、後者はともかくとして、前者の部分においては有効な手段と言えた。エクスが作製した数パターンの解析ソフトが、全て失敗に終わった以上、彼自身という優れた解析ソフトを使うしかなくなってしまったのだ。
「行くぜ、ナビ、しくんなよ」
いつもの調子で伊吹に頼み、彼はスイッチを起動する。重い、重低音の駆動音が響いて、エクスは電子世界に入っていく。
伊吹は画面に表示される映像と、表示されるデータの確認を始める。彼に、危険があれば意識を戻したうえで接続を強制中断させる。命綱の役割を担っていた。それを失敗すればエクスは戻ってこれなくなる、その考えがちらつくたびに、彼女の呼吸もまた、重くなっていった。
VRによりEVEの内部に侵入するエクスの目に映るのは、暗闇の中を光の粒子が飛び交っていて、身体がその中を浮遊した状態で高速移動している感覚。目的地に転送(いく)最中のこれは、いつまでたっても慣れない。
吐き気をこらえて、しばらく進んでいくと、目的のAIをつかさどる部分にたどり着いた。すでに解析済みの情報を思考(にゅうりょく)して、中に入る。
「…ウソ、だろ?」
目の前に広がるのは、それこそ現実と同じ草原、青空、太陽が揃っている。穏やかな風が吹き、草が海面のように波うつ。風邪が頬を撫でるのも、太陽の穏やかな暖かささえも感じられる。
現実と同じように作られたVR空間は確かに存在する。映画撮影用に、リアルな空間を作り俳優達がその中で演技をする。アクション映画などで用いられている手法だ。それでも、その空間が現実と同じ肌触りを持つことはない。
「コホン、ようやっとここにきた訳だな」
振り返る初老ぐらいの男性がそこに立っていた。品の良いスーツを纏い、カフスなどもこだわった物を身に着けているように見え、そしてとある人物との面影が重なる。
「EVEのAIを分析しようとすることは予想の範囲内ではあるからな。折角だからVR空間を用意してみた」
「あんたは…、山海沙維…」
正しくはないなと、首を振る。エクスが資料を目を通した山海そのままだったのに違うということは。
「私自身は、その山海をモデルとし、EVEとは別に用意したAI。で、君なら十分な説明になるだろう、エクス君」
そしてそのAIは、どういう訳かエクスのことを認識していた。
「理解は追いつかねーけどな」
「結構なことだ。さて、エクス君。EVEのAIを解析するというのは、本来の山海の意見と変わらず、私も構わないのだがね」
山海のAIはそう言って指を鳴らすと、どこかで見たかのような剣と盾が現れ、地面に転がった。
「その覚悟を証明してもらう。この空間は、よくあるゲーム空間と同じでね。モンスターが出てくる、一般的なのとの違いは、殺されればもう戻れなくなることぐらいのものだ」
それは死刑宣告と同義だった。見た目の穏やかさとは裏腹に、ここは危険すぎるところ。確実性のある防御用のソフトも作れなかったエクスは、モンスターが出てきても防ぐ手段がないのだ。あえて言うなら、逃げることは可能だろう。しかし、遮蔽物もないこの空間で、逃げ出しても意味があるとは思えない。
「その剣と盾は何だよ。それで戦えってことか?」
「ご名答。さて、私の役割は君の案内役。この先にまっすぐ向かうと、小さな町がある。そこで、何をすべきか話を聞くことができるだろう」
俺はゲームをやりに来たんじゃないと、苛立たしげにエクスは声上げ、山海のAIは肩をすくめる。
「安心したまえ、EVEのAIはそのゲームを完了することで解析できる。保証しよう」
「……、悪趣味な野郎だな、あんた」
それは本来の山海沙維に言ってほしいものだと、山海のAIは呆れた顔をした。
乙!
遊戯王の予告ネタの影響か知らないけど、闇のゲームだこれ!
現地で仲間や武器は得られるのか?ってか一回帰った方が良くない?(汗
あ…、ありのまま、今起こった事を話すぜ!
「EVEの内部にVRダイブしたと思ったらリアルSAOを強要された」
な…、何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった。ソードスキルだとかスイッチだとか、そんなプレイなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
乙 クリアにどのくらいの時間を要すのかわからないけど、伊吹も激しく疲労しそうだ
『…ェック…のむ、ど…ぞ』
地下道にいるからだろう、佐田からの無線の音声がとぎれとぎれに聞こえている。蒲谷は、むしろ繋がる方が不思議に思いつつ、監視カメラの配線を繋いだ端末を確認する。送られてくる映像はそれなりにクリアで、いつもの不機嫌そうな彼の表情があった。
「うんうん、問題なさそうだよ。どうぞ」
『…もんだ…ないんだ…? な…切るぞ。どう…』
やはり、あちらも聞こえづらいのか。疑問を浮かべた顔をしている。問題ないと再度告げて、蒲谷も無線を切った。これで、地下道から近づいてくる不審な存在を確認して、素早く対処することができる。
幸い手に入れていた物資の中に、市販の暗視用監視カメラがあった。薄暗い地下道も、そのおかげで電灯の点いた屋内程度の明るさで端末に移る。これで地下道からの侵入を許すとなれば、警備する人間の油断ぐらいだろう。監視カメラや配線も、そこを通る存在に気付きづらいようにカモフラージュを施している。相手に気づかれず動くことも可能だろう。
とはいえ、今襲ってくるのはパラノイアぐらいしか想定していない。この程度の防備で防ぎきれるものではないのは確か。それでも、打てる手は多いに越したことはないのだ。
「さてと、ロックにも繋いで同時に監視するようにしないとね。うん」
その配線を接続しながら、そろそろ拠点の発電と蓄電量、それに対しての動かしている設備の消費量を考えると本格的な発電施設の着手。これはもう後手に回せないことを蒲谷は感じていた。
この地域で兵士を見た翌日、ミーナと西村は廃工場の2階部分に身を隠していた。今日もまたその兵士の姿が見え、活動している様子だった。この地域に何があるのかはまだわからない、しかし、DJフレンドの活動は大幅に制限されている状況になる。
「……、銃、撃てるようにしといてよ」
「なんとか、ならないやろか…」
西村は、ゾンビならともかくあまり争い事を好まない温厚な性格だ。むしろ、嫌がってると言っていいだろう。ミーナはまだ、殺す為に人に銃を撃ったことはないが、それでもいずれ一線を越える日が来ると、頭の中に覚悟は決めている。気持ちの納得は、追いついてはいないとしても。想定しておかなければいけないことだからだ。
とは言っても、それはかなり分の悪いことだ。相手は何であれ戦い慣れた連中で、自分達はゾンビを含めても、今までで戦った経験が多いのは、西村あたりと言えるところだ。その西村自身は、人との戦いに積極的ではない。
それに、可能な限りこの工場地帯で活動している生存者が活動していることは知られたくない。何より相手はWWP、ラジオ放送の危険性は理解しているだろうし、今最も気付かれてはいけない相手。
銃声。2人は慌てて近くの窓から外の様子を見る。
兵士が誰かに対して発砲している。ここを訪れる生存者と言えば、ハンター、は今拠点に居ると聞いているから行商、後は流れの人間。手助けしてやりたいが、その危険を冒す必要をミーナは模索する。
「おらああ!」
気合の入った声がして、何かが飛ぶ。兵士に当たりはしなかったが、軍用車両に深々と小型の斧が突き刺さっている。戦闘用の兵装をしている兵士だが、恐らくあれに当たってただでは済まないだろう。
それに注目して一瞬銃撃が止むのに合わせて、隠れていたであろう生存者が計3人それぞれ別方向から飛び出して兵士に突撃を仕掛けた。左右からそれぞれ迫る生存者は拳銃を使って牽制、先ほど斧を投げたであろう正面中央からも2人から少し遅れて飛び出し、同じように何かを投げつけた。当たった兵士は弾き飛ばされたように地面に倒れる。次に投げたそれは外れたが、近くの電柱にめり込んだのがわかった。
「ありゃあ、鉄球か…?」
雰囲気的に力自慢といったところか、それでも重い鉄球を正確に当てるところを見ると、武器として扱っているのはかなり手慣れているように思える。合わせて、3人の連携はかなり手馴れていて、WWPは押され始め、最後の1人は女性の生存者のハイキックを喰らって気絶したようだ。
「先輩、マジ、無茶しすぎ」
「うるせー、こいつらが悪人なのは間違いねーだろ」
「それで先輩、これからどうするんです?」
そりゃあお前、DJフレンドを探し出して、とっちめるんだよという言葉が、2人に強く残った。
夜ご飯の準備のためいったんここまで、食べ次第再開
何故害として認識されているのか。これが分からない
五百八十五日目
警察署エリアの制圧について好調に進んでいる。そして今日も曇りか、そろそろ雨でも降りそうな気配だ。この好調に陰りが射すようで、あまり良いものではないな。
この好調さが続けば、来月の頭ぐらいには警察署エリアの緩衝地帯の確保は可能になるだろう。個人的に、そこまでの余裕があるかが、気になるところだが。いい加減、パラノイアが痺れを切らすか、準備が整いそうな気もする。
物資はハンターが回収できたものも含めて、今日はかなり集められた方なのが救いだろう。俺達に今求められているのは、順調ではなくて好調だからな。普通よりも良いことを通常として、ギリギリ間に合うか否かの状況だ。
そこのところは研究所も同じ、進捗が大幅に戻った状態になったのと、エクスがVRを使った解析をしているらしい。しかも、状況的には危険性をはらんでいるようだからな。
どこもかしこも、何かしら動きが出ている状況か。ある種の決着に向かって何かが動き出している、そんな気分になる。
3月29日
警察署エリアの制圧は順調に進んでいる。目標の進捗ももう間もなくと迫り、動きを見せていないパラノイアの状況を考えると、喜ばしい状況。なのだが、放浪者からはそう言った様子は感じられない。どちらかと言えば、危機感を覚えているようだ。
いつもの彼の勘なのだろう。本来、人の勘というのは当てになる訳ではない。はずなのだが、放浪者の場合はそうではない。まるで、見透かしているかのように当たっている。考えるなら、彼の鋭い五感が周囲の変化を通常では考えられないレベルで感知しているのかもしれない。
そういう意味では、パラノイアに何か動きがあると考えた方がいいのだろう。幸い、拠点側の準備も徐々に進み、地下道の監視カメラの設置も完了した。後は、各施設を安定して機能させる為の発電施設の設置。ただ、その為に必要なソーラーパネルが不足している。後は、それを蓄電する為の装置と変電施設。
もし仮に、ADSPの防衛装置を増設するとなれば、それは間違いなく電力が足りない。先ほどの放浪者の状況もあり、間に合うとは思えないが発電施設の設置は対抗策になる。
時間が稼げるのであれば、今の任務が終わり次第北西エリアの高級住宅街から該当物資を収集しなければならない。
山中沙奈 記す
>>941
振り向けば あちらこちらでトラブル
なんてこった てんでんバラバラちんぷんかんぷんまとまんない
まさにこの歌詞の様な各勢力の状況
そんな訳で ぼくのフレンド をリクしたいと思います
時事ネタやフレンドの名前被りネタ抜きに良い歌ですし
3/29 担当勝 朝
ちょっと暖かくなったかな?
でも今日も曇りだなー。
担当喜読 昼
確かにもう少々暖かくならないと、畑の栽培の面を考えるとよろしくはありませんね。
後は畑そのものの拡張も検討していただきたいところですか。
担当フェイ 夜
畑の拡張かー。フェイも料理するからやるならお手伝いします!(力こぶの絵)
でも、唐辛子は必ず植えてね(両手を合わせる絵)
却下(「唐辛子は必ず植えてね」の下の部分に横線が引かれ、そこからこの文に矢印が書かれている)
【フェアリー4】
「………」ジーッ
「(また見てんなー、あいつ)」
「………」ジーッ
「………」スッ
「あ、中入っちゃった…」フワフワ
「何してんだよ」
「わわー!」ジタバタ
「落ち着けってば」
「びび、ビックリしたー」フワフワ
「何見てんだよ、なんか聞きたいことでもあんのか?」
「え、えっと…」モジモジ
「どうしたよ?」
「な、なんでもないよー!」ピュー
「なんで逃げんだよなぁ…」
月明かりが差し込む、大広間。壇上に置かれた大きな椅子に何者かが座っている。背もたれによりかかって、微動だにする様子はなかった。
『―――来たか』
壇上の脇からその椅子に座る何者かに近づき、跪く。2人の間で会話を交わす様子はない。ただ、跪く長髪の亜種と椅子によりかかる何者かがいるだけ。しかし、それでも確かに重圧感がある。居るだけで気圧されるような、無言の圧力のようなものが支配していた。
『貴様には尖兵を命ずる』
長髪の亜種は畏まった様子で僅かに身体を動かす。まるで、しっかりと意志を持っているようにも見える。
『蛮族共はこの王都を襲う準備を進めている。かく乱が目的ではある、だが、可能ならば首を持ち帰れ』
椅子に座る何者かが手を払うような動作をすると、長髪のゾンビはそのまま来たところへ戻っていった。大広間にまた1人、何者かは佇む。
『頼むぞ、将軍(ジェネラル)』
そして、今までそうであったかのように、圧力は消えただの月明かりが差し込む大広間が戻ってきた。
>>934
一応元々の構想ではあったかな。流れ的にはちょうどよかったけども。
細かいことは追々
>>935
欲は知らんけど、MMOモチーフのラノベとかゲームとかだっけ?
あれもあれで人がゲーム内に入る意識ってどうなってるんだろうね。
>>936
ゲームをやり始めてゲンナリする伊吹の姿が。(勘違いで)
>>940
なんでだろうねぇ
>>943
ダイス様はカオスがお好き。
リクは了解ですが、フレンド達がどうなるかよねぇ・・・。
夏生初音(女子13番)の母親は、キッチンの隅で泣いていた。
大事な一人娘は、もう戻ってはこない。
※QUEENSまでのネタバレが大量に含まれます。ご注意ください。了解した方は反転を。
ステータス(JOKERS[第4作]後)
破壊力 ★★
耐久力 ★★★
俊敏性 ★★★★
知性 ★★★★
自己主張 ★★★
野望/欲望 ★★★
魔法のポテンシャル ★★★
好きなもの
家族
友達
魔法少女
嫌いなもの
悪党魔法少女
『魔法少女育成計画』以後は、かつて戦えなかった自らを後悔し、心身を鍛え、悪い魔法少女を狩る『魔法少女狩り』としての活動を始める。この頃からあまり人前で表情を崩すことがなくなり、ふてぶてしいと言われるまでの無表情がベースに。同様に敵に対して容赦が無くなり、戦闘に有用と判断すれば何でも扱うようになっていく。
「お願いだから放っといて。もうこれ以上関わらないでよ。ねえ、わかるでしょ? あなたの人生狂わせたくない、あたしのせいで未来を捨てないでよ、お願いだから」
「なんでそんなに頑固なんだよ。俺の人生は俺が決める。なんでお前のせいだなんて言えるんだよ。俺は、お前をこのままにしておけない。後悔するってわかってるからだ。それでいいじゃねえかよ」
「ダメよ。お願い、わかって。あなたは物珍しい女に同情して惑わされているだけ。そんな一時の幻想で決めないで。ちゃんと先を見て、お願いだから」
「同情から入ったからなんだよ。可哀想だな、悪いことしたな、って気持ちが愛情に変わったとしても、それがそんなにおかしいことかよ。守ってやりたいって、支えてやりたいって思っちゃいけないのかよ」
「ちゃんと見てるよ。一年の頃からずっと、他人ばかり大切にするとこも、気張って明るく振る舞ってるとこだって、全部、ちゃんとお前のこと知ってるよ。なのに、ほっとくなんて、無理だろう。あんな風に泣いて苦しんでるのわかったら、もう無理だろう。だから嘘吐くなよ」
「助けてほしいなんて言わなくてもいいから、俺は」
「お前を離したくない」
「どうして……」
これ以上は言っても仕方がない。勝平は美海の折れそうなくらい細い肩を抱き寄せた。元々痩せ型で小柄な彼女だったけど、こんなにも小さく儚げだったのだ。か弱くて意地らしくて、なのに何もかも背負い込もうと強がって、あの日の過ちを犯してから、泣きじゃくる彼女を知ってから、心の奥、真ん中深く深くに、もうずっと根付くのだ。ずっとずっと、いつまでも。だから絶対に離さない。彼女の言葉の嘘を見抜いてから、勝平は、彼女のために生きていくことを誓ったのだから。
人数の多さ、展望台、仲間割れ。お下げの学級委員長が率いるグループとあって、展開は違えど原作の内海幸枝のグループを思い浮かべた方は多いんじゃないでしょうか?
これは完全にモデルにしております。と言うのも、原作のあの展望台のシーンを読んで、こいつら本当は元々仲悪いんじゃねえの? と、常々思っていましたので、思いっ切り暴れさせたかったのです。私がこの作品を執筆し始めたのも、頼れる委員長の暴走っぷりが書きたかったのが理由の一つですしww
主な配役は以下のようになっております。
しww
主な配役は以下のようになっております。
内海幸枝→泉沢千恵梨
谷沢はるか→田無紘那
野田聡美→武藤灯里
中川典子→佐倉小桃
松井知里→深手珠緒
中川有香→幸路知佳子
金井泉→香草塔子
榊祐子→羽村唯央
藤吉文世→七瀬和華
まんまですね。
しww
主な配役は以下のようになっております。
内海幸枝→泉沢千恵梨
谷沢はるか→田無紘那
野田聡美→武藤灯里
中川典子→佐倉小桃
松井知里→深手珠緒
中川有香→幸路知佳子
金井泉→香草塔子
榊祐子→羽村唯央
藤吉文世→七瀬和華
まんまですね。
子はお調子者、塔子は気取らないお嬢様、唯央は臆病、と配役を当てはめました。
珠緒や和華に関しては原作のモデルにあまり描写がないのですが、それも私なりに原作を考察した上で人物設定を行いました。松井や藤吉は私の中であんな感じですww
そもそもの発端は、内海ってそんなにリーダーの素質ねえんじゃねえの? から入ります。
内海の行動をおさらいしてみると、四番手に出発してるにも拘わらずとっとと分校を離れすぐに出てくるはずの金井を見殺し。親友の谷沢に関してもガン無視。まるで計ったかのように片思いの七原の出発に間に合うよう分校に戻ろうとするも、たまたま出会った谷沢の説得に苦戦し取り逃がすww
自分が見殺した形になった金井に関して全く罪悪感もなく、散々恐ろしい思いをしながらやっと展望台に辿り着いた榊と七原のことで大喧嘩寸前になり、榊への配慮ゼロ。「榊が嫌がってたけどリーダーだから意見を通させた」と思えるような発言。「私は委員長なのに典子は名前で呼ぶのね」と七原を困らす。自分の配慮があまりに足りなかったせいで榊が暴走するも喚き散らすだけで何も出来ず死亡。こいつ本当に優れたリーダーかよ!?
有香に関しては、お調子者故にちょっとデリカシーなさすぎじゃね? と思える面が多々ありますし、嫌われてることはなさそうですが、特定の誰かと特別仲良しと思える描写も特にありません。
金井に関しては気取らないお嬢様、の記述の他に男子に割とモテていたと。腹を抱えて笑っていたとか、リレーでバトンを落として悔し泣きしていた、と言う瀬戸の回想などから、あまりお淑やかなタイプではなく、感受性の豊さが見えて来ます。
金井も特別に誰と仲良いとの描写もないのですが、なんとなく派閥がありそうなグループの中では、金井と有香はよく一緒にいそうだなと。塔子と知佳子の関係性がこれです。
藤吉に関してはガチでデコナイフの描写しかないので願望も混ざってますが、あの状況で人に話し掛けるって、相当覚悟と勇気があると思うんですよ。何か閃いて内海に伝えようとしてたんじゃねえの? と思えます。
そのことから、中々曲者のメンバーが揃っている中、内海にあまり総統力はなさそうなのにそれなりにグループがまとまっていたらしいことを考えると、内海以外に影のリーダーとも言うべき調整役がいたんじゃねえの? と。もう藤吉しかいないと。
あの展望台のシーンに藤吉がいたら、また違った結末になった気がしますね。少なくとも榊の暴走はないのでは、と。
しっかり者の和華は、ここから来ています。死んでるのにやたら頼られるとこもww
有香に関しては、お調子者故にちょっとデリカシーなさすぎじゃね? と思える面が多々ありますし、嫌われてることはなさそうですが、特定の誰かと特別仲良しと思える描写も特にありません。
金井に関しては気取らないお嬢様、の記述の他に男子に割とモテていたと。腹を抱えて笑っていたとか、リレーでバトンを落として悔し泣きしていた、と言う瀬戸の回想などから、あまりお淑やかなタイプではなく、感受性の豊さが見えて来ます。
金井も特別に誰と仲良いとの描写もないのですが、なんとなく派閥がありそうなグループの中では、金井と有香はよく一緒にいそうだなと。塔子と知佳子の関係性がこれです。
藤吉に関してはガチでデコナイフの描写しかないので願望も混ざってますが、あの状況で人に話し掛けるって、相当覚悟と勇気があると思うんですよ。何か閃いて内海に伝えようとしてたんじゃねえの? と思えます。
そのことから、中々曲者のメンバーが揃っている中、内海にあまり総統力はなさそうなのにそれなりにグループがまとまっていたらしいことを考えると、内海以外に影のリーダーとも言うべき調整役がいたんじゃねえの? と。もう藤吉しかいないと。
あの展望台のシーンに藤吉がいたら、また違った結末になった気がしますね。少なくとも榊の暴走はないのでは、と。
しっかり者の和華は、ここから来ています。死んでるのにやたら頼られるとこもww
01 。。タトサウ。。ヘェソヘ 。 ・ウ・?ネ・ム・、・ス・ 。ヲ・ウ・?ネ・ム・、・ス・
。ヲ・゙・キ・ャ・
。ハスゥナト、ホー菲ハ。ヒ 19 。。ー、コエ。。ネケネ 。 セョタミヅ セョタミヅ セョシニオワネ
02 。。スゥナト。。キタ 。 ・゙・キ・ャ・ 、ハ、キ。ハタトサウス?。ヒ タトサウヘェソヘ 20 。。ー豐マ。。ヘ鉧 。 ・ッ・?テ・ラ200クト ・ッ・?テ・ラ200クト セョシニオワネ
03 。。アァフレ。。ツ醋 。 ・キ・ー・カ・ヲ・「。シ 、ハ、キ。ハニチオネス?。ヒ ニチオネソメ 21 。。ケセク。。イニシツ 。 キネツモ・ャ・ケ・ウ・ 、ハ、キ。ハソワイ??。ヒ ソワイ?ヲヘ
04 。。オレタ釭。ホカニ 。 ニ?ワナ ニ?ワナ タトサウヘェソヘ 22 。。タ錂シ。。ソソア 。 ーヘムサ ーヘムサ セョシニオワネ
05 。。イテニ」。。スレー 。 アウ・キ・逾ヲ 、ハ、キ。ハソワイ??。ヒ ニチオネソメ 23 。。キェフ釭。ー? 。 ノ、タカチンヘム・ケ・ラ・?シ ノ、タカチンヘム・ケ・ラ・?シ
・、・ー・鬣
。ハソワイ?ォ、鯊倏ヒ ナ郤?邊マ
06 。。カ篏ウ。。ナッシ」 。 ・ヤ・ウ・ヤ・ウ・マ・゙。シ ・ヤ・ウ・ヤ・ウ・マ・゙。シ ニ」ヒワヘオコネ 24 。。セョシニ。。オワネ
香川県豊原町立豊原第二中学3年1組クラス名簿
序盤戦終了時点(赤字:物故者)
担任 国分 美香(こくぶ みか)
男子 女子
1 芦萱 裕也 (あしがや ゆうや) あああ 1 石川 綾 (いしかわ あや)
2 阿知波 幸太 (あちわ こうた) 2 伊那 あかね (いな あかね)
3 鵜飼 翔二 (うかい しょうじ) 3 今山 奈緒美 (いまやま なおみ)
4 宇佐美 功 (うさみ いさお) 4 浦川 美幸 (うらかわ みゆき)
5 大河内 雅樹 (おおこうち まさき) 5 甲斐 琴音 (かい ことね)
6 大場 康洋 (おおば やすひろ) 6 蒲田 早紀 (かまた さき)
7 大村 哲也 (おおむら てつや) 7 神乃倉 五十鈴 (かみのくら いすず)
8 岸川 信太郎 (きしかわ しんたろう) 8 川崎 愛夢 (かわさき あいむ)
9 北浜 達也 (きたはま たつや) 9 川崎 来夢 (かわさき らいむ)
10 京極 武和 (きょうごく たけかず) 10 佐々木 奈央 (ささき なお)
11 児玉 バーーーローー (こだま しんいち) 11 三条 桃香 (さんじょう ももか)
12 芝池 匠 (しばいけ たくみ) 12 千代田 昌子 (ちよだ まさこ)
13 鈴村 剛 (すずむら たけし) 13 豊増 沙織 (とよます さおり)
14 蜂須賀 篤 (はちすか あつし) 14 那智 ひとみ (なち ひとみ)
15 平松 啓太 (ひらまつ けいた) 15 速水 麻衣 (はやみ まい)
16 藤内 賢一 (ふじうち けんいち) 16 坂東 美佐 (ばんどう みさ)
17 増沢 聡史 (ますざわ さとし) 17 古河 千秋 (ふるかわ ちあき)
18 百地 肇 (ももち はじめ) 18 細久保 理香 (ほそくぼ りか)
19 盛田 守 (もりた まもる) 19 水窪 恵梨 (みさくぼ えり)
20 矢島 雄三 (やじま ゆうぞう) 20 武藤 香菜子 (むとう かなこ)
21 由良 孝則 (ゆら たかのり) 21 吉崎 摩耶 (よしざき まや)
香川県豊原町立豊原第二中学3年1組クラス名簿
序盤戦終了時点(赤字:物故者)
担任 国分 美香(こくぶ みか)
男子 女子
1 芦萱 裕也 (あしがや ゆうや) あああ 1 石川 綾 (いしかわ あや)
2 阿知波 幸太 (あちわ こうた) 2 伊那 あかね (いな あかね)
3 鵜飼 翔二 (うかい しょうじ) 3 今山 奈緒美 (いまやま なおみ)
4 宇佐美 功 (うさみ いさお) 4 浦川 美幸 (うらかわ みゆき)
5 大河内 雅樹 (おおこうち まさき) 5 甲斐 琴音 (かい ことね)
6 大場 康洋 (おおば やすひろ) 6 蒲田 早紀 (かまた さき)
7 大村 哲也 (おおむら てつや) 7 神乃倉 五十鈴 (かみのくら いすず)
8 岸川 信太郎 (きしかわ しんたろう) 8 川崎 愛夢 (かわさき あいむ)
9 北浜 達也 (きたはま たつや) 9 川崎 来夢 (かわさき らいむ)
10 京極 武和 (きょうごく たけかず) 10 佐々木 奈央 (ささき なお)
11 児玉 バーーーローー (こだま しんいち) 11 三条 桃香 (さんじょう ももか)
12 芝池 匠 (しばいけ たくみ) 12 千代田 昌子 (ちよだ まさこ)
13 鈴村 剛 (すずむら たけし) 13 豊増 沙織 (とよます さおり)
14 蜂須賀 篤 (はちすか あつし) 14 那智 ひとみ (なち ひとみ)
15 平松 啓太 (ひらまつ けいた) 15 速水 麻衣 (はやみ まい)
16 藤内 賢一 (ふじうち けんいち) 16 坂東 美佐 (ばんどう みさ)
17 増沢 聡史 (ますざわ さとし) 17 古河 千秋 (ふるかわ ちあき)
18 百地 肇 (ももち はじめ) 18 細久保 理香 (ほそくぼ りか)
19 盛田 守 (もりた まもる) 19 水窪 恵梨 (みさくぼ えり)
20 矢島 雄三 (やじま ゆうぞう) 20 武藤 香菜子 (むとう かなこ)
21 由良 孝則 (ゆら たかのり) 21 吉崎 摩耶 (よしざき まや)
エリアのメモを終えた細久保理香は唇を噛み締めた。
なんと言う不快な放送なのか。早く死んでしまったほうが楽だとは、何という言い草なのか。脱出するだけでなく、あいつらに天誅を加えねば我慢できない。
今は脱出の方法の糸口さえ見つからないけど、必ず・・・
決意を新たにしながら、ふと側の水窪恵梨に目を向けると、どうやら恵梨は声を殺して泣いているよう
エリアのメモを終えた細久保理香は唇を噛み締めた。
なんと言う不快な放送なのか。早く死んでしまったほうが楽だとは、何という言い草なのか。脱出するだけでなく、あいつらに天誅を加えねば我慢できない。
今は脱出の方法の糸口さえ見つからないけど、必ず・・・
決意を新たにしながら、ふと側の水窪恵梨に目を向けると、どうやら恵梨は声を殺して泣いているよう
徳辺 栞 (とくべ しおり) A組女子12番
なし 岩谷 春菜
棗様 なし
皆から好かれるほどの優しい性格の持ち主。
説明中に携帯で誰かに連絡をしようとして岩谷春菜に撃たれる。頭部被弾。
来島 良人 (くるしま よしと) B組男子3番
なし 兵士3人
無人様 なし
棚山浩哉の親友・神野実花の恋人。
バスケ部員。信条は「悪い事は悪い」と「人生是特攻」。
説明の途中で耐え切れなくなり叫びながら特攻、兵士3人によって蜂の巣にされる。
来島 良人 (くるしま よしと) B組男子3番
なし 兵士3人
無人様 なし
棚山浩哉の親友・神野実花の恋人。
バスケ部員。信条は「悪い事は悪い」と「人生是特攻」。
説明の途中で耐え切れなくなり叫びながら特攻、兵士3人によって蜂の巣にされる。
柴田 智穂 (しばた ちいほ) A組女子7番
長刀 梅北 由奈
yumitti様 なし
黒戸舞の友人。
馬をこよなく愛し、馬が恋人だという少女。
舞と馬と共に仲間を捜している途中にC-7付近にて梅北由奈と遭遇、助けに現れた稲邑悠科に気をとられているところを由奈に刺される。
なんかちょうど良い事になったので告知です。次の更新で>>970を超えましたら、次スレ作成します。
1000はいつも通り、可能であれば導入する感じですね。
あと、WIKIの画像資料に現時点の拠点の全体図追加してみました。思ったより違いはないかものう。
では寝ます。
乙!
なんかアイツらがガチで邪悪全振りなナザリックみたいになってる!?
男子1番・和泉直正(いずみ・なおまさ)
男子バスケットボール部キャプテン。
しっかりした性格。
西智美(女子14番)との口喧嘩が絶えない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
シグ・ザウエル P230 9ミリショート
kill:
なし
killed:
斎藍(女子2番)
死亡話数:
29話
凶器:
カマ
実は智美に恋心を抱いていた。
G=08エリアで智美と再会。喜んだのもつかの間、藍に発見される。智美を先に逃がして自分も逃げようとしたが、カマで手首を切られ出血多量死。
男子3番・尾花哲也(おばな・てつや)
卓球部。クラス1大柄。
性格は大らかで面倒見も良い。
吉井英(男子19番)と最も仲が良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
S&W M29 44マグナム
kill:
なし
killed:
中野尋代(女子13番)
死亡話数:
24話
凶器:
ベレッタM84
狂う。F=08エリアで尋代・武藤萌(女子19番)を発見。襲いかかるが、逆に尋代に左胸・腹を撃たれ死亡。
彩乃ちゃん。
女子20番・矢矧彩乃(女子20番)
テニス部。ギャルグループ。
リーダーの日生吹雪(女子17番)には絶対服従。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
石鹸2個
kill:
なし
killed:
斎藍(女子2番)
死亡話数:
8話
凶器:
ベレッタM84
I=10エリアで武藤萌(女子19番)に暴行していたが、藍が襲ってくる。吹雪が殺害されたことのショックで泣き叫び、体に3発被弾。死亡。
男子19番・吉井英(よしい・すぐる)
生物部。いつも暗く大人しく、存在感があまりない。
小柄。車酔いが激しい。
尾花哲也(男子3番)以外とほとんど喋らない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
カナヅチ
kill:
なし
killed:
能勢杏奈(女子15番)
死亡話数:
12話
凶器:
イングラムM11
G=06エリアで偶然見つけた子猫と共に潜伏中、杏奈に発見される。逃げようとしたが上半身に被弾し死亡。
女子1番・麻生咲(あそう・さき)
バドミントン部。外見は派手だが髪は天然色。
温厚で心優しい少女。
皆川玉樹(男子16番)と付き合っている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
果物ナイフ
kill:
なし
killed:
美祢達也(男子17番)
死亡話数:
55話
凶器:
ベレッタM92FS
出発直後玉樹に会う。それからはずっと共に行動する。
F=05エリアで堤良樹(男子10番)が倒れているのを見つけ、F=04エリアで介抱する。良樹が目覚めたので、あたりを警戒していると、仲山行人(男子12番)に襲われる。良樹に逃げるよう促され、玉樹と共に逃げる。
死を予感し部活の友達への手紙を書いたあと、井上稔(男子2番)・美祢達哉(男子17番)を探しに行くが、D=07エリアで狂っている達哉に出会う。殺されそうになるが、玉樹に庇われる。玉樹が殺害された事に逆上。達哉の武器を取ろうとしたりするが、玉樹の銃を取られてしまう。そこに稔が現れ、助けを求めるが、達哉に背中を撃たれ死亡。
女子15番・能勢杏奈(のせ・あんな)
部活は無所属。いつも笑顔を浮かべている。
斎藍(女子2番)と最も仲が良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
イングラムM11
kill:
吉井英(男子19番)
高橋良太(男子9番)
津川麻保(女子9番)
西智美(女子14番)
高田なつみ(女子8番)
徳永礼子(女子11番)
土井雫(女子10番)
killed:
井上稔(男子2番)
死亡話数:
58話
凶器:
フリッサ
幼少の頃、両親から虐待を受けたために多重人格者になってしまった。もう1つの人格「アンナ」は凶暴。
「アンナ」に嗾けられ、G=06エリアで英を発見。殺害する。
その後I=02エリアで良太・麻保を殺害。その際に、人格が入れ代わってしまい「アンナ」が表に出てくる。
G=08エリアで泣いている智美を発見。殺害する。フリッサ入手。
E=08エリアでなつみ、礼子を発見。殺害。
F=09エリアで稔、坂出慎(男子5番)を発見。殺害しようとするが、隙をつかれてイングラムを手放してしまう。慎の道連れ作戦(?)に巻き込まれ、火傷?逃走。
D=08エリアで背後から雫を銃殺。稔を殺害しようとしたが、フリッサで全身を刺され死亡。
男子17番・美祢達哉(みね・たつや)
バドミントン部。少し怖がりでいつも大人しい。
いつも優しい笑顔を浮かべている。
皆川玉樹(男子16番)とは部活で知り合い親友。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
裁ちばさみ
kill:
門脇吉孝(男子4番)
皆川玉樹(男子16番)
麻生咲(女子1番)
killed:
井上稔(男子2番)
死亡話数:
55話
凶器:
イングラムM11
G=02エリアに潜伏していたが、吉孝が投げた石が頭に当たった。殺そうと追い掛け回し、追いつくと殺害してしまう。
D=07エリアで仙道桜子(女子7番)の死体を発見。メッタ刺しにしていると、玉樹・咲に発見される。2人が自分を殺そうとしていると勘違いし、玉樹を刺殺、咲を銃殺。偶然現れた稔も殺害しようとするが、マシンガンで体を複数撃たれ死亡。狂っていた
男子12番・仲山行人(なかやま・ゆきと)
部活は無所属。頭脳・運動神経共に優秀。
行人グループリーダーでいつも笑顔を絶やさない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
瞬間接着剤
kill:
内藤真依子(女子12番)
野口素明(男子13番)
鈴木明也(男子7番)
佐久間佳江(女子6番)
仙道桜子(女子7番)
武藤萌(女子19番)
中野尋代(女子13番)
堤良樹(男子10番)
killed:
土井雫(女子10番)
死亡話数:
49話
凶器:
S&W M29 44マグナム
楽しんでやる気になっている。優勝することを決意。
F=09エリアで真依子・素明・明也・佳江を殺害し武器を入手。
D=07エリアで桜子を発見し殺害。
J=05エリアで良樹・雫を発見し、襲うが逃げられる。
E=06エリアで萌・尋代を襲い致命傷を与えるが、坂出慎(男子5番)に邪魔される。負傷。
E=07エリアで能勢杏奈(女子15番)と対峙。恐怖で逃げ出す。
F=04エリアで良樹・皆川玉樹(男子16番)・麻生咲(女子1番)を襲うが、玉樹・咲に逃げられ良樹と対決。腹にボウガンの矢が刺さった事や、尋代との戦いで傷ついたせいでかなりの重傷。良樹が突っ込んできて、ナイフで刺されるが、かろうじて生きていたため、良樹を殺害。しかし雫に背後から撃たれ死亡。
男子11番・富田宗(とみだ・そう)
バスケットボール部。誰にでも優しい。
男子運動部グループの一員で、堤良樹(男子10番)と最も親しい。
緑沢風美(女子18番)に恋心を抱いている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
小さめの弓矢
kill:
藤岡照昌(男子15番)
killed:
川上理映子(女子3番)
死亡話数:
43話
凶器:
小さめの弓矢
J=05エリアで良樹・土井雫(女子10番)に出会うがすぐに別れる。
D=04エリアで風美が照昌に殺害されるのを目撃。照昌が狂っていたので、殺害してしまう。
人殺しをする人を止めようと詮索中、C=04エリアで理映子が黒沢星子(女子5番)を殺害しようとしているのを発見。止めて説得しようとするが、狂っていた理映子に矢で首を射られ死亡。
女子7番・仙道桜子(せんどう・さくらこ)
家庭科部。「大和撫子」という言葉が似合う。
気取ったところのなくおっとりとした、市内有数の豪邸に住むお嬢様。
皆川玉樹(男子16番)に恋心を抱いている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
アーミーナイフ
kill:
なし
killed:
仲山行人(男子12番)
死亡話数:
22話
凶器:
トンプソン SMG
D=07エリアに潜伏中、行人に見つかる。泣きながら命乞いをするが、一人きりで死にたくないという願いも虚しく、全身に被弾。死亡。
女子2番・斎藍(いつき・らん)
美術部。小柄で子供っぽい。
運動神経は良い。
能勢杏奈(女子15番)と特に仲が良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ベレッタM84
kill:
日生吹雪(女子17番)
矢矧彩乃(女子20番)
国本弘美(女子4番)
和泉直正(男子1番)
廣岡誠(男子14番)
killed:
なし(猛毒誤飲)
死亡話数:
53話
凶器:
猛毒
死ぬことに対する恐怖からやる気になる。
I=10エリアで日生吹雪(女子17番)・矢矧彩乃(女子20番)を殺害するが、中野尋代(女子13番)に武器を奪われる。
その後E=10エリアで国本弘美(女子4番)に襲われるが、殺害して難を逃れる。
G=08エリアで和泉直正(男子1番)、西智美(女子14番)に会う。直正は殺害するが、智美には逃げられてしまう。
F=09エリアで廣岡誠(男子14番)を発見。自分が生き残るために殺害。その後誠の荷物を漁っていると、液体の入った小瓶を発見。興味本位で飲んでしまうが、それは猛毒だった。死亡。
男子1番・朝倉伸行(あさくら・のぶゆき)
元バスケ部。カードゲームおたく。
休み時間は他クラスの仲間とカードゲームをしている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
ペア:
牧山久美(女子12番)
支給武器:
裁縫セット
kill:
なし
killed:
牧山久美(女子12番)
死亡話数:
8話
凶器:
ボウガン
出発直後、久美に襲われる。逃げようとするが、右足負傷。矢が頭部に刺さり死亡。
最初の犠牲者となりました。
殺され役ということで送っていただいたので、活用させていただきました。
う…ん…DDRが得意という設定は全く出てきませんでした。
バスケ部のイジメの印象がすごいキツかったんで。
(by 船木由美子様)
男子1番・稲毛拓也(いなげ・たくや)
部活は無所属。男子委員長グループ。
ケンカ好きで停学処分もしばしばだが、西川東(男子9番)には勝てない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ダガーナイフ
kill:
なし
killed:
戎嘉一(男子2番)
死亡話数:
14話
凶器:
CZ M75
人の死に方を見たいがためにやる気になる。
F=05エリアで嘉一を発見。銃を手に入れるために殺害しようとするが返り討ちに合う。腹・顔に被弾し死亡。
男子2番・戎嘉一(えびす・かいち)
読書部。一応男子文化部系グループの1人。
無口で根暗のため、ほとんど誰とも会話をしない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
CZ M75
kill:
稲毛拓也(男子1番)
堀田勝海(男子13番)
杉江貴一(男子7番)
killed:
浜本卓朗(男子11番)
死亡話数:
67話
凶器:
ワルサーPPK
クラスメイトをバカにしている。愛国主義者。
F=05エリアに潜伏中、拓也に襲われるが、拓也の影でそれに気付き返り討ちにする。殺害。ダガーナイフを入手。
その後B=09で勝海が自分を見ていることに気付く。隙を突き殺害。スタンガン入手。
D=05エリアで、建物から出てきた貴一を襲う。不意打ちをくらい逃げられたが、致命傷を負わせた。
D=06エリアで福島里奈(女子16番)を襲う。銃撃戦の末、不意をついて重傷を負わせるが、卓朗に邪魔され逃げる。
B=09エリアで卓朗に襲い掛かる。とどめを刺そうとしたが天条野恵(女子12番)に邪魔される。野恵を気絶させたが、それを見て卓朗が激怒。全身に被弾し死亡。
生き残るべきは自分だ、とやる気になっている。
女子16番・福島里奈(ふくしま・りな)
部活は無所属。女子中間派グループ。
大人っぽく、グループ内の姉的存在。
母子家庭で、下に4人の弟・妹がいる。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ナタ
kill:
川口優太(男子4番)
野尻茉有(女子15番)
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
62話
凶器:
ベレッタM93R
I=04エリアで優太を発見。ナタで優太の首を切断し殺害。水鉄砲入手。
A=04エリアで浜本卓朗(男子11番)を襲うが、逃げられる。
G=05エリアで佐々川多希(女子6番)に出会う。ナタで背中を斬りつけ、とどめを刺そうとしたが銃声が聞こえ逃げ出す。コルトガバメント・コルトS・A・A(両方弾無し)入手。
D=03エリアで茉有を発見。襲うが、わき腹を撃たれて負傷。しかし隙を見て再び襲い掛かり、殺害。シグ・ザウエルP232入手。
D=06エリアで戎嘉一(男子2番)に襲われる。銃撃戦の末不意をつかれ腹を刺され重傷を負うが、浜本卓朗に救われる。しかし、突然礼に頭を撃たれ死亡。
女子16番・福島里奈(ふくしま・りな)
部活は無所属。女子中間派グループ。
大人っぽく、グループ内の姉的存在。
母子家庭で、下に4人の弟・妹がいる。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ナタ
kill:
川口優太(男子4番)
野尻茉有(女子15番)
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
62話
凶器:
ベレッタM93R
I=04エリアで優太を発見。ナタで優太の首を切断し殺害。水鉄砲入手。
A=04エリアで浜本卓朗(男子11番)を襲うが、逃げられる。
G=05エリアで佐々川多希(女子6番)に出会う。ナタで背中を斬りつけ、とどめを刺そうとしたが銃声が聞こえ逃げ出す。コルトガバメント・コルトS・A・A(両方弾無し)入手。
D=03エリアで茉有を発見。襲うが、わき腹を撃たれて負傷。しかし隙を見て再び襲い掛かり、殺害。シグ・ザウエルP232入手。
D=06エリアで戎嘉一(男子2番)に襲われる。銃撃戦の末不意をつかれ腹を刺され重傷を負うが、浜本卓朗に救われる。しかし、突然礼に頭を撃たれ死亡。
男子5番・神田輪(かんだ・りん)
サッカー部FW。男子ほのぼの系グループ。
時に厳しく、時に優しい性格。
低身長・やせ気味だが運動神経は良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
S&W M686
kill:
なし
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
74話
凶器:
キャリコM950
出発後関克哉(男子8番)・平野辰紀(男子12番)と合流。その後浜本卓朗(男子11番)に遭うが、G=03エリアで別れる。
D=09エリアで倒れている李星弥(男子17番)を発見、看取る。礼に見つかるが、逃げ出すことに成功。
J=03エリアの民家に潜伏。近藤楓(女子5番)に遭遇し、共に民家にいることに。辰紀が楓に殺され、克哉と共に駆けつけるが、克哉に逃げろと言われ逃げ出す。
その後G=10エリアで自殺をしようとしている楓を発見。それを止め、「生きることで2人に償え、だからオレが守ってやる」と楓に告げ、楓を立ち直らせた。
D=06エリアで卓朗と天条野恵(女子12番)と合流。話し合いの途中で礼に手榴弾を投げられ、爆風で吹き飛ばされる。右腕骨折。 その後礼に撃たれ、腹部から左胸部にかけて負傷。その傷が災いして、プログラム終了後に死亡。
男子7番・杉江貴一(すぎえ・きいち)
バレーボール部セッター。男子院長グループ。
ぼーっとしているが、高身長・優しい性格・容姿から女子に人気。
相模晶(故・千葉県船海市立船海第二中学校3-5女子6番)に恋心を抱いていた。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
針金ハンガー
kill:
なし
killed:
戎嘉一(男子2番)
死亡話数:
59話
凶器:
CZ M75
D=05エリアに潜伏中、嘉一を発見。逃げようとしたが見つかり、腹に2発被弾。それでも不意打ちを食らわせ逃げたが、まもなく失血死。
男子14番・真木頼和(まき・よりかず)
テニス部エース。男子運動部グループ。
音楽鑑賞(ロック含)が趣味。
三木総一郎(男子15番)と親友。佐々川多希(女子6番)に片思いしている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
スプーン
kill:
なし
killed:
三木総一郎(男子15番)
死亡話数:
26話
凶器:
コルトガバメント
C=03エリアで月野郁江(女子11番)の死体を発見。弔っている所を総一郎に目撃される。郁江を殺害したと勘違いされ襲われる。全身被弾が原因の失血死。
女子11番・月野郁江(つきの・いくえ)
バドミントン部。小夜グループ。
大人っぽい。
身長が高く、最も仲の良い武田紘乃(女子10番)と一緒にいると姉妹に見える。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
コンパス
kill:
なし
killed:
近藤楓(女子5番)
死亡話数:
17話
凶器:
S&W M19
C=03エリアで近藤楓(女子5番)を発見。手当てをした後一緒にいたが、突如楓に襲われる。逃げるが、心臓部に被弾、死亡。
女子9番・瀧野槙子(たきの・まきこ)
吹奏楽部。女子中間派グループ。
おっとりしていて優しい。成績はクラス2位。
真木頼和(男子14番)に恋心を抱いている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
コルトS・A・A
kill:
三木総一郎(男子15番)
killed:
シゲキ(軍人)
死亡話数:
50話
凶器:
ウージーサブマシンガン
合流した佐々川多希(女子9番)と共に天条野恵(女子12番)を探すために移動を始める。
C=03エリアで頼和の殺害現場を目撃。怒りと悲しみから総一郎を殺害してしまう。
学校襲撃作戦を計画。
I=08エリアを訪れ、和久瑛介(男子18番)に会う。情報を得、瑛介に喝を入れ別れる。
E=06エリアで探し物をするために管理事務所へ入ると、そこで浜本卓朗(男子11番)に会う。卓朗の態度に怒った多希と共に説教(?)をし、卓朗を立ち直らせた。
その後火炎瓶を作り、G=05エリアに到着、プログラム破壊作戦開始。しかし、政府にバレていたため、シゲキ(軍人)たちに見つかる。銃撃戦を繰り広げていたが、このままでは自分たちが危険だと判断し、自分を囮に多希を逃がす。シゲキによって全身被弾するが、シゲキたちに火をつけた。
女子は物静かな感じがする荒川素子(女子2番)、暗めであまり可愛いとは言えない(うわ、失礼だね、僕)小路幽子(女子7番)と、その幼馴染だという、こちらはなかなか可愛らしい天条野恵(女子12番)。
女子8番・瀬川小夜(せがわ・さよ)
吹奏楽部。小夜グループリーダー。
人懐っこいが、近藤楓(女子5番)とは犬猿の仲。
大野迪子(女子3番)と最も仲が良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ブローニングハイパワー9ミリ
kill:
荒川素子(女子2番)
飛鳥都(女子1番)
大野迪子(女子3番)
killed:
大野迪子(女子3番)
死亡話数:
39話
凶器:
グロック17
F=04エリアで根岸法子(女子14番)を発見。殺害しようとするが楓に邪魔される。銃撃戦になるが、右腕を負傷。楓が逃げ出した。
B=06エリアで迪子と素子を発見。
殺害しようと診療所へ。そこで素子に出迎えられる。素子に発砲し殺害。その後迪子と都に止められるが、それを振り払って都を殺害。迪子にも致命傷を負わすが、迪子に心臓部を撃たれる。
仲間も含め全員殺そうとしていたが、最後は自分の過ちに気づいた。
男子17番・李星弥(り・せいや)
バスケットボール部。男子委員長グループ。
大東亜人と中国人のハーフ。クラス1長身で女子受けが良い。
近藤楓(女子5番)に恋心を抱いている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ヘルメット
kill:
なし
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
21話
凶器:
ベレッタM93R
D=08エリアで礼に襲われる。背中に被弾するが逃げる。D=09エリアの商店街に入ったところで倒れるが、神田輪(男子5番)、関克哉(男子8番)、平野辰紀(男子12番)に手当て(?)されるが失血死。
男子18番・和久瑛介(わく・えいすけ)
軽楽部。一見真面目そうだが、実はサボリ魔。
ロックが好きで、将来はロッカーになるのが夢。
佐々川多希(女子6番)に恋心を抱いている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
グロック19
kill:
佐々川多希(女子6番)
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
54話
凶器:
ベレッタM93R
I=08エリアで滞在、多希と瀧野槙子(女子9番)に会う。一度は生きる希望を無くしていたが、2人に喝を入れられ立ち直る。2人に情報を提供し、見送る。考えた末、残っている生徒に停戦を呼びかけることを決意する。
F=09エリアで天条野恵(女子12番)に会う。多希・槙子の身の危険を感じた野恵と共に中学校方向へ。
G=05エリアで瀕死の多希を発見。楽にしてやるために、多希も同意した上で心臓部を撃ち抜いた。その場を後にしようとしたとき、礼に襲われる。重傷を負うが、野恵を逃がす。もう長くないと思い、条件を出して礼に殺害された。全身被弾。
女子1番・飛鳥都(あすか・みやこ)
部活は無所属。小夜グループ。
クラス1の低身長で見た目は幼いが、しっかり者。
成績はそこそこ優秀。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
大東亜広辞苑
kill:
なし
killed:
瀬川小夜(女子8番)
凶器:
ブローニングハイパワー9ミリ
死亡話数:
39話
出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。荒川素子(女子2番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後熱を出し、迪子たちに連れられてB=06の診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。素子が殺害されたことで逆上し、小夜と銃撃戦を繰り広げるが、迪子がそれを止め、都自身も小夜を止めようとしたが失敗。迪子を貫いた弾が心臓部に着弾し、死亡。
女子2番・荒川素子(あらかわ・もとこ)
陸上部。小夜グループ。
大人びていて無口だが、喋るときつい口調。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ヌンチャク
kill:
なし
killed:
瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:
B=06
凶器:
ブローニングハイパワー9ミリ
出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。小夜を中に入れようとしたとき、銃を向けられ、頭部に被弾し死亡。
男子9番・西川東(にしかわ・あずま)
部活は無所属。男子委員長グループ。
補導歴もあるケンカ好きの不良。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
果物ナイフ
kill:
西田大輔(男子10番)
松嶋聡子(女子17番)
七瀬やよい(女子13番)
根岸法子(女子14番)
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
29話
凶器:
キャリコM950
出発後は学校付近で潜伏していたが、移動を開始しようとする。大輔に会うが、デイパックで頭を殴られ激怒。ナイフで首を斬って殺害。S&W M29を入手。
木村絢子(女子4番)を追い掛け回した後、I=01エリアで聡子を発見、ナイフで首を斬って殺害。ピッケルを入手。
D=01エリアでやよい、法子を発見。やよいを銃殺し、法子を刺殺。
そこで落ちている銃を発見、近づくが、それは礼の張った罠だった。全身被弾。
仲間以外を殺そうと考えていた。
女子7番・小路幽子(しょうじ・ゆうこ)
テニス部。女子中間派グループ。
根暗で無口な性格。
天条野恵(女子12番)とは幼馴染だが、野恵を恨んでいるらしい。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
防弾チョッキ(おまけ付)
kill:
なし
killed:
天条野恵(女子12番)
死亡話数:
24話
凶器:
ベレッタM8000
実は浜本卓朗(男子11番)に片思いしており、野恵を恨んでいた。嫌がらせの首謀者。
I=05エリアで野恵と遭遇。殺害しようと死んだふりをしたがばれていた。顔面を蹴られ鼻骨骨折、頭部に被弾し死亡。
女子3番・大野迪子(おおの・ゆうこ)
コーラス部。小夜グループ。
ボーイッシュでハキハキしている。
瀬川小夜(女子8番)と最も仲が良い。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
グロック17
kill:
瀬川小夜(女子8番)
killed:
瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:
39話
凶器:
ブローニングハイパワー9ミリ
出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、荒川素子(女子2番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。素子が殺されたことにショックを受けるが小夜を止めようとする。失敗し都を殺害され、迪子自身も全身に被弾。薄れ行く意識の中で小夜に致命傷を与えるが、そこで息絶える。
女子22番・若狭恵麻(わかさ・えま)
バレーボール部アタッカー。小夜グループ。
面倒見がよく、誰にでも優しい。
成績はクラス1位。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
シグ・ザウエルP226
kill:
なし
killed:
良元礼(男子16番)
死亡話数:
6話
凶器:
ベレッタM93R
出発後小夜グループと合流したが、礼に襲われる。必死に応戦するが、足・右胸部・頭に被弾、死亡。
女子2番・有馬怜江(ありま・さとえ)
卓球部。女子運動部グループ。
臆病で、1人でいることを嫌う。
特に志摩早智子(女子11番)になついている。
身長/146cm
愛称/怜江、怜江ちゃん
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★☆☆☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
USSR マカロフ
kill:
なし
killed:
出雲淑仁(男子1番)
死亡話数:
49話
凶器:
ワルサーPPK
早智子に近づく人に殺意を抱く。
E=09エリアに潜伏していたが、出雲淑仁(男子1番)に発見される。早智子を探すために手を組むが、内心殺意を抱いている。<42話>
↓
D=04エリアで早智子・北王子馨(男子5番)に会う。発砲。2人に説得されていたが、その後ろから淑仁に撃たれ、胸部に被弾し死亡。<48~49話>
中盤戦ラストを締める出来事の引き金となった怜江ちゃんでした。
ルール上2人が残るのは不可能だけど、そんなことは関係なく、ただ親友の側にいたかったという望みの結果が、こんなことに。書きにくい子でした。
>>1000なら
対パラノイア戦で拠点人員+ハンターに、悪い判定結果を一度だけ逆転出来るチャンスを与えて欲しい
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