とある魔術と超電磁砲 (90)

御坂美琴が主人公の禁書SSです。
もしも美琴が最初にインデックスと出会っていたら、という内容の再構成SSとなっております。

このSSには、妄想や捏造設定、キャラ崩壊などの要素が含まれます。
読んでいて、「誰コイツ!?」とか「このキャラはこんな事言わねえよ!」ってなるかもしれません。


「それでも、いいんだよ!」という方はそのまま下へお進みください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470068753

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」 
↓ 
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか? 
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ 
いちいちターキー肉って言うのか? 
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」 
↓ 
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。 
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋 
↓ 
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw 
んな明確な区別はねえよご苦労様。 
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」 
↓ 
>>1「 ターキー話についてはただ一言 
どーーでもいいよ」 
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです 
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ! 
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)


余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww

9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定


この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様

31 ◆xmciGR96ca4q sage saga 2016/07/28(木) 12:50:19.79 ID:g6WSU+sH0
昨夜寝ぼけてスレ立てミスったんで憂さ晴らしも兼ねて久々のロイミュ飯でした。書き溜め半分残り即興なんで色々アレかもしれませんがアレがアレなんでアレしてください何でもシマリス(熱中症

建てたら荒れると判ってるスレを憂さ晴らしに建てる
つまり>>1は自分の憂さ晴らしにs速を荒らして楽しんでる

うーん、いつも通りのクズ>>1で安心するわー





ここは学園都市。

人口230万人の街であり、その8割以上が学生である。
様々な学校や研究機関が集まり、日々最先端の科学研究が為されている巨大な教育研究機関。
外部より数十年進んだ先端科学技術が研究運用されている。
まさに科学の街であった。


そして、この街で最も特筆すべき特徴と言えば、それは超能力である。
ここでは超能力と言う物が、れっきとした技術として確立されているのであった。

学校において、科学的手法で能力開発を受け、その眠れる才能を開花させた者がこの街では大勢いる。
そんな彼らを人々は能力者と呼んだ。

そして、能力者達はその力の強度によって、レベル1からレベル5までクラス分けされている。
その中でも最上位のクラスであるレベル5は学園都市230万人の中でも、たったの7人しかいない。

そんな学園都市の頂点に君臨するレベル5達の中に一人の少女がいた。
レベル5の序列、第三位に名を連ねる者。


彼女の名は御坂美琴である。

エレクトロマスター             レールガン
電 撃 使 い  のレベル5であり、超電磁砲の異名を持つ少女。





これは、そんな超能力少女、御坂美琴の物語である。









その日、美琴は学園都市の、とある場所に足を運んでいた。

そこには多くの墓標が立ち並ぶ、死者の眠る場所。
そんな所に美琴はいた。


美琴「・・・・・・・・・。」


美琴は墓石の前で目を瞑り、合掌して黙祷を捧げた。



そして、しばらく黙祷した後、美琴は目を開く。

美琴(あれからもう6年も経つのか。長かったような、短かったような・・・。)

彼女はここまでの自分の歩んできた人生を振り返る。
その時、美琴の脳裏に、ある言葉が思い浮かんだ。




―― 美琴・・・・・今までありがとう ――




それはかつて、親友から言われた言葉だった。


美琴「あれから私は、変わったんだろうか? ・・・・強くなる事が出来たんだろうか?」


その問いに答える者は誰もいない。



  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


その後、自宅へ帰った美琴。
ここは学生寮の一室である。


部屋に入った美琴は、ふと机の方へ目をやる。
そこには一つの写真立が置いてあった。

その写真には二人の人物が写っている。
一人は幼い頃の美琴。
そして、もう一人は美琴と同じくらいの背丈をした女の子だった。


美琴「・・・・・・・。」

その写真を見ながら、哀しげな表情をした。




美琴「少し・・・風にでも当たろうかしら。」

気分転換に、と思ってベランダに出ようとした。
その時だった・・・・・。








美琴「ん?」

カーテンを開け、窓に手をかけた時、美琴の視界に映ったのは純白の布だった。


美琴「あれ? 布団なんて干してたっけ? ・・・・・・て、え!?」


よく見てみると、そこに干されていた(?)のは、純白の衣を身に纏った少女だった。
気を失った少女が、ベランダの手摺に引っかかっていたのである。

美琴「ベ、ベランダに女の子が干されている!?」

美琴は思わず目を白黒させた。

美琴「この服・・・シスター? 何でこんな所に?」

その衣服は修道服のように見えた。
見知らぬ修道女がベランダに引っかかっているという、全く持って不可解な状況に、思考が追いつかない。

すると・・・・




???「・・・お腹・・・・・減った。」

美琴「えっ!?」

その時、意識を取り戻したのか、少女が口を開いた。
同時に空腹を訴える腹の虫が鳴った。


???「お腹減った。」

美琴「いや・・・・そもそもアンタ誰?」

???「私はインデックスって言うんだよ。」

美琴「インデックス?」

その少女は自らをインデックスと名乗った。
すると、再びグーと腹の虫が鳴る。

インデックス「お腹一杯、ご飯を食べさせてくれると嬉しいな。 もうお腹が空き過ぎて死んじゃいそうなんだよ。」

美琴「急にそんな事言われてもねぇ・・・。」

インデックス「ダメかな?」

美琴「うっ・・・。」

涙目になりながら上目遣いで縋るような目線を向けられ、美琴は思わず、たじろいだ。


すると、美琴はため息をつきながら言った。

美琴「はぁ・・・・仕方がない。このまま追い出して、後に行き倒れなんて事になったら、寝覚めが悪くなりそうだし。」

そう言うと、目の前の手摺に引っかかったままの少女を引っ張り上げた。


インデックス「そう言えば、あなたの名前をまだ聞いてなかったんだよ。」

美琴「え、私? 私の名前は御坂美琴。」

インデックス「みこと、ね。覚えたんだよ。 よろしくね、みこと。」

美琴「はぁ・・・・・なんだかなぁ。」












こうして突然やってきた、インデックスと名乗る謎の少女との奇妙な邂逅。

この出会いが一体何をもたらすのか・・・・それは誰にも分からない。









“科学”と“魔術”が交差する時、物語は始まる。



これは、その序曲である。




短いけど今回はここまでです。
こんな感じに、原作における上条さんポジションに美琴を配置した感じの再構成ものです。

ガルパンの方とも並行して同時進行で制作していきます。

期待

原作の進行方向からすると、科学側が魔術側に対抗できる目がないのですが、大丈夫カネ。

ぶっちゃけ上条さん(かギリギリ一方通行)じゃないと最後のペンデックスは詰むからどうするのか楽しみ

>>11
大丈夫だ。問題ない。(フラグ)


>>12
その無理、私の道理でこじ開ける!!




というわけで、ここから今日の分を投下します。



インデックスと名乗る謎の少女と出会った美琴。

一体何者なのか・・・何故、ベランダに引っかかっていたのか・・・
聞きたい事は沢山あったが、それを聞き出す間もなく彼女が空腹を訴えてきたので、とりあえず先に食事をさせる事にした。

この時間帯なら近場のファミレスに行った方が良い・・・という事で自宅の近くにあったファミレスへ、インデックスを連れて行ったであった。
そこで美琴は驚愕する事になる。








インデックス「ムグムグ・・・これ美味しい~♪ こっちも美味しんだよ♪」ガツガツムシャムシャ

美琴「・・・・・・・・・。」ポカーン

テーブルに並べられた料理を次々と口の中へ吸い込んでいくインデックス。
彼女によって大量にあった料理が瞬く間に無くなっていく。
そんな信じがたい光景を美琴は茫然と眺めていた。

美琴(その体のどこに、そんな容量が!?)





数分前にファミレスに到着した美琴達。

目を輝かせながらメニューを食い入るように見つめていたインデックスに、美琴は何でも好きなものを注文して良い、と言った。
すると、インデックスは特大ハンバーグを一品注文したのだが、これがまたえらくビッグサイズな代物。

美琴「!?」

華奢な体をしたインデックスのまさかの注文に美琴は驚く。

しかもインデックスはその料理をあっという間にペロリと平らげたので美琴は更に驚く。

美琴「!!?」

そして更に驚くべき事に、それだけの量を食べても、インデックスの空腹を訴える腹の虫が鳴き止まなかった。

インデックス「ご、ご馳走様でした。お腹一杯かも。」グー

美琴「いや、思いっ切りお腹鳴ってるんだけど・・・。別に遠慮しなくていいわよ。」

インデックス「え!いいの!! それじゃあ、お言葉に甘えて・・・これとこれとこれとこれ、あとこれを全部4つずつ。」

美琴「!!!?」



・・・・・と、まあこんな感じで大量の料理が運ばれてきては、片っ端からインデックスの胃袋へと吸い込まれていったのであった。







インデックス「ふぅ・・・生き返った。ご馳走様でした。みことは恩人なんだよ。本当にありがとう。」

美琴「それは、どうも。 それじゃあ、お腹も膨れたところで改めて聞かせてもらうけど・・・・アンタは一体何者?」

インンデックス「私の名前はインデックスっていうんだよ。」

美琴「インデックス? そういえば、そんな事を言ってたわね。あの時は軽く聞き流しちゃったけど、それ偽名でしょ。本名は?」

インデックス「これは偽名なんかじゃないもん。本名なんだよ。」

美琴「え、それって本名だったの!? ・・・ずいぶん変わった名前ね。」

インデックス「禁書目録って意味なんだけど・・・。ちなみに、魔法名はdedicatus545。献身的な子羊は強者の知識を守る、って意味だよ。」

美琴「魔法名?」

彼女の口から出てきた魔法という単語に、美琴は思わず怪訝そうな顔をする。

美琴「それじゃあ、何だってあのベランダなんかに引っかかってたの?」

インデックス「私、追われていてたの。それで逃げていたんだけど途中で力尽きて・・・それで気がついたら、あの場所にいたの。」

美琴「追われてる?いったい誰に?」

インデックス「魔術結社。」

美琴「・・・・・は?」

インデックス「あれ? 私の日本語おかしかったかな? マジックだよ。マジックキャバル。
     そこの魔術師の追手達から逃げてたんだよ。」

美琴「魔術?? その魔術師とやらが何でアンタを狙ってるの?」

インデックス「私の持っている10万3千冊の魔導書が狙いなんだと思う。」

美琴「魔導書???」

インデックス「うん。 エイボンの書、レメゲトン、死者の書・・・・代表的なのはこういうのだけど・・・。」

美琴「・・・・・。」

美琴は閉口した。
そして、その表情はどこか険しそうな顔だった。

美琴(禁書目録・・・・魔法名・・・・魔術・・・・魔導書・・・・。)

彼女の頭の中で、それらのキーワード駆け巡る。




美琴「ねぇ・・・インデックス・・・・。」

すると美琴は意を決して口を開いた。







美琴「ゴメン・・・・・無理。」

インデックス「え!?」

美琴「仮にもここは科学の街、学園都市だというのに・・・あろう事か、いきなり魔術とか言われても・・・・
   ゴメン、無理。ついて行けない。」

お手上げと言わんばかりだった。
ここにきて美琴は完全に話についていけなくなったようだ。

インデックス「あー! 信じてないんだね! 魔術は本当にあるんだよ!」

美琴「そんな事を言われてもねぇ・・・超能力だというのなら分かるけど、よりにもよって魔術って・・・。」

インデックス「超能力は信じてるのに魔術は信じないって、おかしいんだよ!」

美琴「この街では超能力自体は珍しいものじゃないからね。だけど生憎、魔術なんて物は見た事も聞いたも無いから。
   もしここで魔術の一つでも見せてくれたら、信じる気になるかもしれないけど。」

インデックス「私には魔力が無いから魔術が使えないんだよ。」

美琴「駄目じゃん。」

インデックス「で、でも証明する方法ならあるよ。
     見て、この服を。この服は“歩く教会”という名の極上の防御結界。
     魔術、物理を問わず、あらゆる攻撃受け流して無効化できる優れ物で、魔術によって作り出された物なんだよ。」

美琴「あらゆる攻撃を無効化? ふーん。・・・じゃあ例えばこんな電撃とかも?」

そう言いながら美琴は掌の上で、軽くバチバチと紫電を光らす。
しかしインデックスはそれを見ても全く怯まなかった。

インデックス「勿論。なんだったら思いっ切り攻撃してきてもいいんだよ。」

美琴「そう・・・。それじゃあ。」

美琴はインデックスに向かって電撃を放った。
勿論、本気ではなく、出力はちゃんと抑えてある。
軽くビリッとくる程度の弱い電撃だった。

しかし・・・


美琴「え!!」

インデックス「全然効かないんだよ。」

彼女は得意げに言った。

美琴「もう一度いい?」

インデックス「いいよ。何度来ても同じなんだよ。」

美琴は、今度は先程のより少し強めに電撃を放つ。
しかし、それを受けたインデックスは痛がるそぶりも無かった。

インデックス「ね。しっかり無効化出来たでしょ。」

美琴(かなり抑えめにして撃った電撃とは言え、全く痺れるそぶりも無いとは・・・。
   正直、あんまり信じてなかったんだけど・・・どうやら、少なくとも“歩く教会”とやらに関しては本物のようね。)


この時、美琴は理解した。
目の前の少女が只者じゃないという事を。

魔術や魔導書など、最初に言われた時は全く信じられなかったが、今となってはただの妄言と断じる事は出来なくなっていた。

美琴(もしかして魔術とやらも本当に・・・。)

今では魔術と言う物が、超能力とは全く異なる系統の異能の力として、本当に実在するのではないかとすら思えてきた。


そのように美琴が考えを巡らせている時、インデックスは立ち上がった。


インデックス「それじゃあ、私はそろそろ行くね。」

美琴「え?」

インデックス「私は追われてる身だから、いつまでも長居は出来ないんだよ。」

美琴「でも行くって、どこへ? 行く当てはあるの?」

インデックス「この街にも教会はあるから、そこで匿ってもらうんだよ。」

美琴「一人で大丈夫なの? なんだったら、私がそこまで一緒に行こうか?」


心配そうに言った美琴に、インデックスは嬉しそうに・・・それでいてどこか悲しそうな表情をしながら言った。

インデックス「みことは優しいんだね。私なんかにそこまでしてくれるなんて・・・・。でも大丈夫だよ。今までずっと一人でやって来たから。
     それに私なんかと一緒に居たら、みことに迷惑がかかっちゃうから。」

それはどこか自分自身を卑下するような言葉だった。
その事に美琴は何か引っかかりを覚える。


インデックス「ご飯食べさせてもらった上に、これ以上迷惑かけるわけにはいかないんだよ。」

美琴「いや、別に迷惑なんて事は・・・。」

頑なに申し出を断るインデックスだったが、それでも美琴は引き下がらなかった。
自分でもよく分からないけど、何故か目の前の少女を放っておけなかったのだ。


そんな美琴に対し、インデックスは悲しそうな顔をしながら言った。



インデックス「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついて来てくれる?」

美琴「え!?」


突然の、その言葉に戸惑う美琴。


インデックス「なーんてね。冗談なんだよ。」

一転して、笑顔になったインデックス。
しかしそれは、美琴の目には作り笑顔にしか見えなかった。


インデックス「それじゃあ、さようなら。」

そう言って出て行こうとするインデックスに美琴は声をかけた。

美琴「困った事があったら、またうちに来てもいいのよ。」

インデックス「うん。ありがとうなんだよ、みこと。」

そう言って去って行くインデックス。

美琴「・・・・・・・・・・。」

その後姿を、美琴はただ黙って見送る事しか出来なかった。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


アンチスキル。
学園都市治安機関のうちの一つであり、ジャッジメントと共に、この学園都市の治安維持を担当する組織。


そのアンチスキルの第73支部に美琴は足を運んでいた。


ここはアンチスキルの支部の中にある訓練用施設である。
強力な実弾兵器の実射訓練などを行なうために作られた施設であり、当然施設の強度は非常に高い。

美琴は今、この施設で訓練をしていた。

美琴の得意技であるレールガンを実射訓練できる施設は限られている。
そのため以前より美琴は、アンチスキルより特別な許可を取って、よくこの施設を使わせてもらっていた。
ここでの能力訓練が、美琴の日課となっている。


そして、いつもならレールガンの射撃訓練をやっているところだが、この日はいつもとは違う事をしていた。

訓練場の真ん中に立った美琴は、目を閉じ、頭の中であるイメージをしていた。
そして美琴は右手を頭上に真っ直ぐ伸ばした。

すると、その掌の上に球状の光が現れた。

美琴(もっと大きく。)

彼女が頭の中でイメージすると、その光はどんどん大きく膨れ上がっていく。


今、彼女がやっているのは高電離気体・・・つまりプラズマの生成である。

電子を自在に操り、電撃を放つのが彼女の能力であるが、これはその能力の応用であった。
電子を操る能力を駆使して、空気中の分子を電離させ、このようにプラズマを生み出しているのだ。

エレクトロマスター
電撃使い  としての能力を極めた、レベル5の美琴だからこそ出来る芸当である。



すると、美琴はそのまま右手を前に突き出す。
その時、球状の光が変形していき、やがて壁のような形になった。

これはプラズマの盾である。
プラズマ生成能力を応用した防御用の技。

美琴(何とかここまで仕上げる事が出来たわ。
   プラズマの生成と制御・・・・電撃やレールガンと比べて演算がやたら複雑だから扱いが難しいけど、とりあえず盾くらいにはなるか。)




その時、訓練場に誰かがやってきた。

「おっ! 今日もやってるじゃん。」

その声に、美琴は振り向く。

美琴「あっ、黄泉川先生。」

黄泉川「相変わらず熱心じゃん、御坂。」

やって来たのは黄泉川愛穂であった。
彼女はとある学校の教師であり、このアンチスキル第73支部に所属する隊員である。
そして、美琴の師でもあった。


黄泉川「それじゃあ、今日もいつものように、組手・・・いってみっか。」

美琴「お願いします、先生。」

すると、二人は構えた。


二人がやろうとしているのは格闘訓練である。
勿論、美琴は能力を一切使わず、純粋な体術だけで行なう組手。
美琴は能力の鍛錬だけではなく、体術の方の鍛錬にも精を出していたのだった。


かつて黄泉川と出会った美琴は、彼女の腕っぷしの強さに憧れた。
その際に、美琴は黄泉川に格闘技を教わるために師事すべく、彼女に頼み込んだ。
それを黄泉川は決して無碍にはせずに、それ以来こうして定期的に稽古を付けてあげている。
黄泉川も熱心な生徒に教えるのはとても楽しかったので、非常に積極的であった。



ファイティングポーズを取って、向かい合う二人。





その時だった・・・・・。







―― 私と一緒に地獄の底までついて来てくれる? ――





美琴(・・・・・ッ!!)

不意にインデックスの言葉が美琴の脳裏をよぎった。
同時に、あの時の彼女の悲しそうな表情がハッキリと思い浮かぶ。

美琴(いけない。今は訓練に集中しないと。)

何とかその事を頭から振り払って、訓練に打ち込もうとした。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


黄泉川「美琴、どうした? 何か今日は身が入ってないじゃん。」

その後、黄泉川との組手をやるが、インデックスの事が美琴の頭から離れなかった。
あの悲しそうな目をしたインデックスが言ったあの言葉が頭から離れない。
そのせいで、組手に集中し切れず、その事を黄泉川に見抜かれてしまった。

黄泉川「何か考え事か?」

美琴「・・・・いえ、何でも・・・。」

そう言うと、美琴は構えを解く。
この日は、どうにも調子が出なかった。

美琴「先生、今日はこの辺にしておきましょう。」

黄泉川「そうか。」


すると、彼女は言った。

黄泉川「美琴・・・・何か悩み事でもあるのか? 私で良かったら相談に乗るじゃん。」

美琴「いえ、大丈夫です。」

そう言うと、美琴は帰り支度を始めた。

黄泉川(言いたくないのなら無理には聞かないが・・・・教師としては相談して欲しかったじゃんよ。)

彼女は寂しげな表情をしながら、美琴を見送った。


  ・

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  ・

  ・

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  ・


アンチスキルの施設を出た美琴はそのまま自宅に帰った。
この時も、美琴はインデックスの事を考えていた。


美琴(どうして、こんなにもあの子の事が気になるのだろう?)

ベランダで夜風に当たりながら、物思いにふける美琴。


あの時、インデックスは助けを求めたりはしなかった。
それどころか、美琴が手を差し伸べようとした際に、これを断り、一人で大丈夫だと言い切った。

そして、笑顔で美琴と別れたのだが、今にして思えばあれは、心配させないための作り笑顔だったような気がしてならない。

美琴(あの子は一体どんな闇を抱えているのだろうか?)


そのように思考を巡らせている、その時だった。





美琴「ん!?」


その時、美琴の視界にあるものが映った。
それは、はるか遠方で一瞬、何かが光ったのだ。

美琴「あれは!?」

かなり遠い所だったので、よく見えなかったが、ほんの一瞬だけ赤い閃光が見えたのである。


美琴「まさか!」

嫌な予感がした。
すると、美琴はすぐさま飛び出す。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

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  ・


寮を飛び出した美琴は、光が見えた方へ全速力で走って行った。

美琴「確かこっちの方だったような・・・。」

一旦立ち止まり、辺りを見渡す。


その時、近くの物陰の方から突如、紅蓮の炎が上がった。

美琴「あっちか!!」

急いでそちらの方へ走り出す。

すると、そこには一人の少女が倒れていた。



美琴「インデックス!!!」

慌てて駆け寄った美琴は、倒れていたインデックスを抱き起こした。

インデックス「みこと・・・。」

美琴「大丈夫?」

一見した所、インデックスの体に外傷は見当たらなかった。
美琴はその事にとりあえず一安心する。


美琴「一体誰がこんな事を・・・。」


美琴が言いかけた時、背後で何者かの気配がした。


「僕達、魔術師だけど?」

美琴「え!?」

美琴が振り向くと、そこには黒衣を身に纏った大柄な男が一人立っていた。

その男は真っ赤な髪に、耳にはピアス、右目の下にバーコードのような黒い縦縞の刺青がある。
更には口には咥えタバコと、いかにも不良神父と言わんばかりの恰好をしていた。

そして何よりも、特筆すべきはその強い威圧感である。
それだけでも只者じゃないと、美琴は理解出来た。


「彼女をこちらに引き渡してもらおう。そうすれば君の事は見逃してあげてもいいよ。」

美琴「アンタは一体・・・。」


それは美琴にとって未知なる敵との遭遇であった。


今回はここまで。

次回はいよいよ敵魔術師との戦闘です。
その男は一体なの者なのでしょう(すっとぼけ)。


いったい誰なんだろうなー(棒)

ペンデックスさん以前に、本気出した神崎さんじゅうななさいにどうやって勝つのか見もの。
音速を超えた人体の動きを見切るとか、どうやってもムリだろ……。

>>25
レーダー使えば対応できるよ(ねーちんに負けたブリュンヒルドと戦った時で互角だったから不安だけど)
あと神崎さんじゅうななさい誰だよwwwwww神裂さんじゅうはっさいだよwwwwwwww

別に神裂は負けても問題なくね?上条さんだって負けてるし

この時期のみこっちゃんは完膚無きまで負けると心折れちゃうからなー

わくわく

>>24
今回、遂にその正体が明らかに(棒)


>>25
その無理、私の道理でこじ開ける・・・事が出来るかな?


>>26
神裂、さんじゅうはっさいwww って、あれ?こんな時間に一体誰だろう?


>>27
神裂さんマヂっょぃ。


>>28
まあ、その辺の事に関しては、何とかなると思いますよ・・・たぶん。




これより投下開始です。




美琴の前で、不敵な笑みを浮かべながら佇む、赤髪の大男。
美琴はその男を睨みつけながら、言った。


美琴「アンタは一体、何者?」

「答える必要はないね。知らない方が身のためだよ。
 そんな事より、そこをどいてくれないか? “それ”を“回収”しないといけないから。」

美琴「は?」

その言葉に美琴は思わず顔を顰めたが、男はその事を気にも留めずに続けて言った。

「まあ、正確に言えば“それ”の持っている10万3千冊の魔導書だけどね。 言っておくが、気を付けた方が良いよ。
 その魔導書は一冊でも目を通せば、廃人コースが確定するような、危険な代物ばかりだからね。」

インデックス「・・・・・・。」

その時、インデックスはビクッと体を震わせた。

美琴「ふざけてるの? そんな物が一体どこに?」

「あるさ。頭の中に。」

男は気怠そうに、フゥとタバコの煙を吐く。

「一度見たものは一瞬で覚え、一字一句を永遠に記憶し続ける能力を持っているから。」

美琴「完全記憶能力・・・・。」

「まあ、そういう事さ。
 その頭は、世界各地に封印され持ち出す事の出来ない魔導書を、その目で記憶し保管している魔導書図書館ってわけなのさ。
 まあ、“それ”自身は魔力を練る事が出来ないから無害なんだけどね。ただ、悪用を目論む魔術師に攫われたりしたら、事だ。
 だから、そうならないように、こうして“それ”を“回収”しにやって来たってわけさ。」


その時、美琴の表情が更に険しくなった。

美琴「それ・・・? 回収・・・?」

美琴は、男が口にした、“それ”や“回収”という言葉に反応していた。
インデックスの事を“物”のように扱うような言い草に、美琴は強い憤りを感じていたのである。

故に美琴は目の前の男に食ってかかった。

美琴「さっきから黙って聞いていれば・・・。ふざけるないで! インデックスはモノじゃないわ!!」

インデックス「みこと・・・・。」

インデックスは呟いた。
この時のインデックスは、何故美琴が自分なんかのために怒ったのかが、理解できなかった。
しかし同時に、美琴が自分のために怒ってくれた事を、嬉しく思う気持ちも心のどこかにあったのである。


美琴「アンタみたいな、ふざけた奴なんかに、インデックスは渡さないわ。」

そう言うと、美琴は男の前に立ち塞がった。


「やれやれ・・・・“それ”を大人しく引き渡せば、君の事は見逃してあげると言ってるのに・・・。」

ここにきて、まだインデックスを物扱いする男に、美琴は更に怒りを募らせていく。

美琴「何様のつもりよ!」

「ステイル・マグヌス・・・・・と言っておきたい所だけど、ここはFortis931と言っておこうかな。」

美琴「何?」

ステイル「Fortis931。魔法名だよ。意味は『我が名が最強である理由をここに証明する』。まあ、語源なんかはどうでもいいか。
     重要なのは、僕がここで魔法名を名乗り上げたという事さ。」


すると、突然に場の空気が一変した。

ステイル「これは僕達魔術師にとっては、所謂・・・・殺し名。」

男から突如鋭い殺気が放たれ、一気に張り詰めた空気になっていく。

ステイル「悪く思わないでくれ。こっちだって重要な仕事なんだ。」


インデックス「・・・・ッ!!!」

その空気をインデックスは敏感に感じ取った。

インデックス「みこと! 逃げて!!」

このままでは、無関係な美琴を巻き込んでしまう・・・そう思ったインデックスは叫んだ。


美琴「・・・・・。」

しかし、美琴は逃げなかった。
それどころか、臆する事無く、前へ出る。インデックスを庇うように。





美琴が一歩も退かないのを見たステイルは、完全に戦闘態勢に入る。

彼が頭上に掌をかざすと、突如燃え盛る炎が出現した。
凄まじい高温を周囲に撒き散らしながら、激しく炎上する。

ステイル「炎よ!巨人に苦痛の贈り物を!!」

呪文のような言葉を叫び、薙ぎ払うように腕を振るった。
すると、猛る炎が美琴に襲いかかる。
そして、そのまま炎が美琴を呑み込んだ。



インデックス「みこと!!」

ステイル「ちょっと、やり過ぎちゃったかな? まあ、残念だったね。
     その勇気は評価してあげるけど、そんなんじゃ長生き出来ないって事だ。」

インデックスの悲鳴を他所に、ステイルは余裕の笑みを浮かべながら呟いた。

しかし次の瞬間、その表情は一変する。





美琴「誰が長生き出来ないって?」

ステイル「何っ!?」

インデックス「みこと!!?」

炎が鎮まると、そこには美琴が無傷で立っていた。

ステイル「ちっ。 このおっ!!」

男は再び腕を振るい、美琴に炎を浴びせようとする。
しかしそれに対し、美琴は避けようともせず、ただ腕を前に突き出して掌を前へ向けた。


美琴「無駄よ。」

すると、美琴の前に光の障壁が現れ、迫る炎を遮った。
二撃目も完全に防がれたのである。


今美琴が使ったのは、プラズマシールド。
電子を操る能力を応用し、空気中の分子を電離させてプラズマを生成する事によって、盾を作り出す、防御用の技。
最近美琴が習得したばかりの技だったが、美琴はそれをいきなりの実戦でやってのけたのだ。

美琴「結構使えるわね、この技。」


二度に渡る超高温の火炎攻撃を完全に防がれた事で、さすがにその男も動揺せざるを得なかった。

ステイル「君は一体・・・・。」

美琴「私は御坂美琴。 レベル5の超能力者よ。」

ステイル「そうか。どうやら手加減している場合ではなさそうだね。」


すると、ステイルは次の一手を繰り出す。
ここで彼は切り札の投入を決心した。



ステイル「世界を構築する五大元素の一つ・・・偉大なる始まりの炎よ
     それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり」

彼が呪文を詠唱すると、周囲の温度が急激に高まっていった。

ステイル「それは穏やかな幸福を満たすと同時に、冷たき闇を滅する凍える不幸なり
     その名は炎・・・その役は剣・・・」

その時、先ほどまでとは比べ物にならない程の凄まじい業火が上がる。

ステイル「顕現せよ!我が身を食らいて力と為せ!!  イノケンティウス!!」

その叫び声と共に、炎の巨人が現れる。
それはまるでマグマが人の形を成しているかのようだった。
赤黒い色をしたその巨人は、灼熱の業火を全身に纏い、凄まじい熱を体から放つ。
そしてその腕には、まるで溶鉱炉の中身のような色をした、巨大な十字架が握られていた。

これがステイルの切り札、イノケンティウスである。



美琴「これがアンタの切り札ってわけ?」

ステイル「そうさ。その名はイノケンティウス。『必ず殺す』って意味だよ。」

美琴「随分と暑っ苦しい物を出してくれるじゃない。 でも、そんな目立つ物を出しちゃっていいの?」

ステイル「心配には及ばないさ。周囲に人がいない事はすでに確認済みだからね。」


すると、炎の巨人が動き出した。

ステイル「行け! イノケンティウス!!」


その時、美琴は素早くポケットからコインを一枚取り出す。
そのコインを指で挟み、腕を真っ直ぐ正面に突き出すと、その腕を激しく帯電させる。

今美琴をやろうとしているのはレールガンである。
電磁力によってコインを瞬間的に加速させ、超音速の弾丸として撃ち出す、美琴の得意技。
そのレールガンの発射態勢を取ったのだ。


目前には、迫り来る炎の巨人。
すかさず美琴はレールガンを発射。橙色の閃光を纏った弾丸が空気を切り裂く。

しかし、それに対して巨人は負けじと、赤熱の十字架を振り上げ、弾丸に叩きつけてくる。



その結果、レールガンは炎の巨人を突き破る事は出来なかった。
巨人を僅か後ろに押し戻す程度に留まる。


美琴「チッ!」

そして、そうこうしている間に、巨人は凄まじい勢いで美琴に突進して来た。
触れるだけであらゆる物を焼き尽くす灼熱の巨体。それが繰り出すタックルはまさに脅威的である。

美琴は咄嗟にプラズマシールドを展開して、その突進を受け止める。

美琴「くっ!!」

その巨体を叩きつけられた瞬間に、大きく後ろへ押されるも、辛うじて踏み止まる事が出来た。

美琴(なるほど。確かにこれは厄介ね。)


ここにきて戦いは膠着状態に陥る。

美琴「くぅ・・・・。」

美琴はイノケンティウスを破壊する事が出来ず、その攻撃をシールドで受け止め、押し潰されないようにするので精一杯だった。
それに対するステイルも、美琴の守りを突破できずに、攻めあぐねている。



するとその時、インデックスが動いた。


インデックス「みこと! そのイノケンティウス自体はいくら攻撃しても無意味なんだよ。」

美琴「え!?」

インデックス「それ自体は破壊した所で、何度でも再生しちゃう。だから元を断ち切るしかないんだよ!」

美琴「元?」

インデックス「ルーンの刻印。 その魔術師はルーン文字が書かれた紙を辺り一帯に貼り付けてる。それがイノケンティウスの元なんだよ。
     それを何とかしない限り、イノケンティウスを倒す事は出来ないかも。」

美琴「そのルーンとやらが書かれた物って、それ自体は普通の紙なの?」

インデックス「うん。」

美琴「なら話は早い。」

その瞬間、美琴は勝機を見出した。



ステイル「ちっ、させるか! ・・・イノケンティウス!!」

この時、彼はイノケンティウスで美琴を全力で押さえ込もうとする。
その腕に持った灼熱の十字架を美琴に押し付けてきた。

しかし、美琴はその攻撃をシールドで受け止めながら、不敵に笑う。

美琴「インデックス。ちょっと眩しいから、目を瞑ってて。」

インデックス「えっ! 何をするの!?」

すると、美琴はその身を激しく帯電させた。

美琴「決まってるでしょ。 辺り一帯を電撃で焼き払う。」

ここの周囲に他の人がいない事を、美琴は既に確認済みだった。


次の瞬間、耳を劈かんばかりの轟音が鳴り響き、荒れ狂うような雷が走った。
美琴の能力による、大出力広範囲放電である。

ステイル「うっ!!」

眩い電光に、ステイルは思わず腕で目を庇った。



物陰の地面や壁に貼り付けられていた、無数のルーンの紙が、次々と電撃によって焼かれていった。
すると、その効果はすぐさま現れる。
あれほど燃え盛っていた炎が、突如その勢いを失っていった。
イノケンティウスがみるみる薄くなっていき、やがては完全に鎮火したのだ。

ステイル「なっ! イノケンティウス!? ・・・イノケンティウス!!!」

術者は慌てて叫ぶが、イノケンティウスが再び現れる事は無かった。






するとその時、美琴がインデックスに、背中越しに話しかけた。

美琴「そう言えば、あの問いに対する答えをまだ聞かせてなかったわね。」

インデックス「えっ!?」

美琴「『一緒に地獄の底までついて来てくれるか』ってやつ。」

すると、美琴は一歩前へ踏み出す。


美琴「悪いけど地獄の底について行くなんて事は出来ない。だから・・・・・」

その拳を強く握りしめる。


美琴「だから、アンタを地獄の底から引っ張り上げる! 力づくでも!!」

そして地面を蹴って、駆け出した。









ステイル「くっ・・・灰は灰に、塵は塵に! 吸血殺しの・・・」

美琴「遅い!!」

美琴は高速で敵の懐に飛び込んだ。
そして、その握りしめた拳を、全力で男の顔面に叩きつける。

ステイル「ぐあっ!!」

そのまま拳を振り抜く美琴。
男は殴られた勢いで、数メートル後ろへ飛ばされる。

ステイル「くっ!おのれ!!」

それでも男は、まだ抗戦しようとした。
ポケットの中から一枚のカードを取り出し、魔術を発動させようとする。

しかし、美琴はそれをさせなかった。
再び一気に間合いを詰めると、その腕を素早く掴んだ。
同時にもう一方の手で、首元の布を掴むと、自分の足を相手の軸足に引っ掛ける。
そして、そのまま勢いよく相手を引き倒した。



ステイル「うおっ!!」

自分よりも遥かに小柄な少女に倒された事に、男は驚愕した。


これは美琴が黄泉川から教わった柔術である。
彼女から教わった格闘技が、ここで生かされたのだった。


美琴「ゲームオーバーよ。」

そう言うと、美琴は倒れた男に止めの電撃を浴びせた。


男が気絶したのを確認した美琴は戦闘態勢を解く。


美琴「終わったよ。インデックス。」

インデックス「みこと・・・。」


こうしてステイルとの戦いは、美琴の勝利によって幕を閉じた。



今回はここまで。
うちのミコっちゃんは原作より強化されています。

イノキンティウス「迷わず燃えろよ! 燃えれば分かるさ!」

多分美琴にとっての最大の壁になるのは神裂の聖人としての力とかじゃなくて人払いの魔術だと思われ

電気レーダーでもしてれば人払いにも対応可能じゃね

七閃の糸は金属だからねーちんへの対策結構あるかも

七閃は金属の糸だから、タネさえ割れれば磁場で防ぎきれるな。
問題は唯閃出されたらどう防ぐか……。
プラズマ張ろうが七天七刀が溶けきる前に振り抜かれるだろうし、全方位電撃でも止まらないだろうし。
やっぱり七閃使われてるうちにそげぶするしかないのかな?

開幕唯閃はしないだろうし、撃つ前に七天七刀取り上げればワンチャン?
聖人の力以上の磁力出せるか分からんが

はよ

生存報告。
現在進捗率70パーセント。

近いうちに投下します。

おぉ、楽しみに待ってます

近いうちに投下するといったな。あれは嘘だ。


という冗談はさておき、生存報告です。
現在進捗率90%。
思いのほか手古摺ってしまいました。

お待たせしました。
やっと投下準備が出来ましたよ。

11月3日の23時くらいに投下します。


>>38
摂氏3000度ェ・・・。


>>40 >>41
みこっちゃんなら・・・みこっちゃんなら何とかしてくれる。


>>42 >>43 >>44
やっぱり、神裂さんじゅうはっさいが難敵ですね。
間違っても彼女の年齢の事に触れてはいけませんね。
ブチギレて一気に本気モードに突入しちゃいます。下手すると唯閃が・・・。





悪ィが、こっから先は本編だ。
大人しく尻尾ォ巻きつつ泣いて、無様にもとの居場所へ引き返しやがれェェェ!


というわけで始めます。



炎の魔術師との戦いを制した美琴。

美琴(この男が、インデックスの言っていた、例の魔術結社の刺客?
   やはり狙いはインデックスの言ってた通り、10万3千冊の魔導書か。)

美琴は、気絶しているステイルを見下ろしながら思考を巡らす。

その時だった・・・・


美琴「!!」


その時、美琴の後ろで何かが倒れる音がした。
すぐさま美琴は振り向く。

美琴「インデックス!!?」

すると、そこには地面に倒れているインデックスの姿があった。
美琴は即座に彼女に駆け寄り、抱き起こす。

美琴「インデックス! どうしたの!? しっかりしてインデックス!!」

インデックス「み・・・・・こ・・・と・・・。」

苦しそうに呻くインデックス。
このままでは危険だと判断した美琴は、すぐさま動き出した。

美琴「待っててね、インデックス。今連れて行くから。」

すると、美琴はインデックスを背負って、走り出した。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


とあるマンションの一室。
そこに美琴達は来ていた。

美琴はインターフォンのボタンを押す。
すると、中から一人の女性が出てきた。


黄泉川「はいはーい。・・・て、あれ!? 美琴じゃん!」

そこにいたのは黄泉川だった。

美琴「黄泉川先生。」

黄泉川「美琴、どうかしたじゃん? もしかして新聞屋のバイトでも始めたのか?」

美琴「いやいや・・・どこの世界にシスターを抱えながら勧誘する新聞屋がありますか。」

そう言われて黄泉川は、美琴が背負っていた少女の事に気づく。

黄泉川「おい、美琴!? その子は一体・・・?」

美琴「いきなりで悪いんですが、ちょっと上がらせてください。」

そう言うと、美琴は中に入っていった。


美琴はリビングに行くと、そこにインデックスをそっと横たえる。

黄泉川「美琴・・・その子、どうかしたのか?」

美琴「分かりません。突然倒れたんです。」


するとその時、インデックスが苦しそうな声を上げた。

インデックス「うぅ・・・・。」

美琴「インデックス!!」

インデックス「・・・・・みこと。」

美琴「インデックス! しっかりして!!」

黄泉川「大丈夫か!? しっかりするじゃん!!」

インデックスの苦しげな声に、二人の表情には焦りの色が浮かんだ。
突然、倒れたその原因は不明である。
もし、それが命に係わるような重大なものだったら・・・そう思うと、落ち着いてなどはいられなかった。

特に美琴は、インデックスを助けると心に決めただけあって、必死である。

美琴「インデックス!! インデックスッ!!!」

美琴は懸命に、インデックスに声をかけた。

黄泉川かね




その時である。









グゥ~・・・・・・









美琴「・・・・・・・えっ!?」

黄泉川「えっ??」

美琴と黄泉川は思わずきょとんとする。
インデックスの腹が鳴ったのだ。


美琴「い、インデックス??」


すると、インデックスが口を開いた。



インデックス「お・・・お腹・・・・減った。」

美琴・黄泉川「「て、オイイイイイ!!!」」

その瞬間、美琴と黄泉川は盛大にズッコケた。
何と、インデックスが倒れた原因はただの空腹だったらしい。
あまりの紛らわしさに、美琴と黄泉川は思わず叫んだ。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


インデックス「ムグムグ・・・う~ん♪ これ美味しいんだよ♪」ガツガツムシャムシャ

美琴「全く、紛らわしいんだから、もぅ・・・。」

黄泉川「まあ、大事に至らなくてよかったじゃんよ。」

二人は今、インデックスに食事を与えている所である。
相変わらずインデックスの食欲は旺盛で、皿に盛られた料理を凄まじい勢いで平らげていく。


そして、その後しばらくして、インデックスの腹は満たされた。

インデックス「ふぅ・・・・・ご馳走様でした。」

黄泉川「お粗末さま。中々良い食いっぷりじゃんよ。」

テーブルの上にあった料理が綺麗サッパリ無くなっていた。



黄泉川「さて・・・・・この子の食事が終わった所で・・・美琴、お前に聞いておかなければならない事があるじゃん。」

美琴「何です?先生・・・。」

すると黄泉川は美琴の目を見ながら言った。

黄泉川「この子は一体何者なんだ? 美琴とは一体どういう関係じゃん?」

美琴「あっ・・・・。」

美琴はこの時、内心「しまった!」と思っていた。

突然インデックスが倒れた時、美琴は慌ててしまっていたせいで、後先考えずに行動してしまっていたのだ。
後先考えずに、近くにあった黄泉川の家に駆けこんだ美琴。
しかし、そうなれば当然、黄泉川にインデックスの事を問い質される事は明白だった。

だが、当時の美琴はそこまで頭が回らず、インデックスの事を黄泉川にどう説明するかを考えてなかったのだ。
ベランダに引っかかってた少女を保護しましたとか、謎の魔術師に追われていたとか、
10万3千冊の魔導書を持っていて、それを狙われている・・・とは言えなかった。

美琴「えっと・・・その・・・・」

返答に窮した美琴。



すると、彼女はこう言った。


美琴「・・・・・・・・・・・・・・・妹です。」

黄泉川「ほぅ・・・・・・ずいぶんと大胆な嘘だな。
    この私に向かって、そんな堂々と嘘を吐くとは良い度胸じゃん、美琴。」

勿論、そんな嘘で誤魔化せる筈も無かった。
それどころか下手な嘘を吐いたせいで、怒らせてしまったようだ。
その時の黄泉川の表情は笑っていたが、その目は全く笑っていなかったのである。
それを見た美琴は、背筋が凍り付くような感覚に襲われた。

美琴「す、すいません!ごめんなさい! 嘘を吐いてました。すいません。」

美琴は思わず頭を下げて必死で平謝りをした。
いくらレベル5の美琴でも怖いものは怖いのである。




すると、黄泉川は溜息を吐きながらも、改めて美琴に問い質した。

黄泉川「ハァ・・・・で、本当の所はどうなんじゃんよ?」

美琴「それは・・・・・」

その時、美琴は口籠った。

もし、ここで本当の事を言ってしまえば、下手をすると黄泉川を巻き込んでしまう、という考えが美琴の中にはあった。
美琴自身、インデックスの事情に関して、正確に把握出来ているわけではない。
しかし、それでもインデックスが相当強大な敵に追われているという事は直感で察しがついていた。
美琴は、出来る事ならそこに黄泉川を巻き込みたくなかったのである。


黄泉川「美琴がどんな問題に巻き込まれているかは知らないが、それが学園都市内で起こった以上、解決するのは教師の役目であり、
    大人の義務じゃんよ。
    美琴が危ない橋を渡ろうとしているのを黙って見過ごすわけにはいかないじゃん。」

黄泉川は諭すように美琴に言った。


しかし、それでも美琴は黄泉川に本当の事を言う事が出来なかったのである。

美琴「先生・・・・・。先生が赤の他人だったら遠慮無く巻き込んじゃっている所なんですが、先生には恩があります。
   だから、出来る事なら巻き込みたくないんです。」

意を決したように美琴がはっきりと言った。



黄泉川(美琴・・・・・・・。)

すると、黄泉川は少し考え込むような仕草をする。

黄泉川「やれやれ・・・・」

そう言うと、黄泉川は腰を上げた。

美琴「先生、どこへ?」

黄泉川「ちょっと夕飯の材料を買い出しに行ってくるじゃん。それまでは、とりあえず執行猶予だ。
    私が買い物に行っている間に、何をどう説明するかちゃんと考えておくじゃんよ。
    あと、買い物に夢中になって、うっかり忘れちゃうかもしれないが、その時も必ずしっかり報告するじゃん。
    ズルすんなよ。」

そう言い残し、黄泉川は玄関から外へ出て行った。



インデックス「言いたくなければ無理して言う事は無いって、そう言ったように聞こえちゃったんだけど・・・。」

美琴「奇遇ね。私にもそう聞こえたわ。」

美琴はホッと一息つく。


こうして部屋の中には、美琴とインデックスの二人きりとなっていた。


インデックス「良い人だったよね・・・あの人。」

美琴「そうね。」

そう言うと、美琴はゆっくりとソファに腰かけた。

美琴「これ以上は先生を巻き込むわけにはいかないわね。」

インデックス「そうだね。あの人はこれ以上、この件には関わらせない方が良いんだよ。 それに・・・・」

すると、インデックスは美琴の方へ向き直って、言った。


インデックス「ねえ、みこと。」

美琴「ん? 何?」

インデックス「みことはいいの? 今ならまだ引き返せるよ。」

その言葉に、美琴は眉を顰めた。

美琴「何よ。それって、今さら私にこの件から手を引けって事?」

インデックス「それは・・・・・確かに今回は敵の魔術師を、無傷で退ける事が出来たけど、次も上手くいくとは限らないんだよ。」

美琴「心外ね。 私はそんなにも頼り無いかしら?」

インデックス「いや、そんな事は無いよ! 確かに美琴は強い。だけど、敵の中にも恐ろしく強い者がいるの。」


するとインデックスは目を伏せながら言った。

インデックス「もし、そんな敵と戦って万が一、美琴が傷付くような事になったら・・・・・・私は・・・・」


その時のインデックスは震えていた。

インデックス「私はそんな事は絶対に嫌なんだよ。」

美琴「・・・・・。」

体を震わせながら訴えかけてくるインデックスに、美琴は思わず表情を険しくした。


こんな状況下でも、インデックスは自分の事より他者の心配をしているのだ。
美琴がインデックスと最初に出会ってから今に至るまで、インデックスは一度も「助けて」とは言わなかった。

凄絶な逃亡生活の果てに学園都市の辿り着き、そこでも敵に執拗に追い回されてきたインデックス。

美琴は想像した。
辿り着いた異国の地で・・・仲間なんてどこにもいない見知らぬ土地で、敵に追われて一人孤独に逃げ回るというのが、どういう事なのかを。

どれだけ恐ろしかったか。
どれだけ心細かったか。

なのにインデックスは美琴に決して「助けて」とは一言も言わなかった。
それどころか泣き言の一つも言わず、こうして自分の事よりも他者の心配をしているのである。

そして自分に対して、心の底から頼ろうとはしてくれない。
その事に対して美琴は苛立ちを覚えた。




―― 私なんかと一緒に居たら、みことに迷惑がかかっちゃう ――


―― これ以上迷惑かけるわけにはいかないんだよ ――



美琴の脳裏をよぎった、インデックスの言葉。
その言葉を言ったあの時、インデックスは美琴に気遣い、心配させまいとして作り笑顔すら見せた。
とても悲しそうな作り笑顔である。
それは今でもハッキリと思い出せるのであった。

インデックス「ごめん。ここまでお世話になっておきながら、今さら勝手だけど、やっぱり私はここから出て行くよ。」

美琴「・・・・・・・。」

インデックス「私なら大丈夫なんだよ。」

そう言ってインデックスは、美琴を安心させようとしたのか、笑顔を浮かべた。
あの時に見せたのと同じ、作り笑顔である。


その時、美琴の苛立ちは頂点に達した。


インデックス「心配はいらないんだよ。これでも逃げ足は誰にも負けない自信があるから。
     だから、ここからは私一人で・・・・」


インデックスの言葉が途中で途切れた。


インデックス「え?」

気づくと、インデックスは美琴に抱きしめられていた。
美琴はインデックスを抱きしめ、そして慰めるようにそっと頭を撫でる。

インデックス「みこと・・・?」

突然の事にインデックスも戸惑う。
しかし、そんな彼女に美琴は諭すように話しかけた。

美琴「もうこれ以上は無理をしないで、インデックス。そんな悲しそうな作り笑顔なんか見せられても、正直辛いわ。
   少しくらい私に甘えてもいいのよ。それを決して迷惑だなんて思ったりはしないから。」

インデックス「・・・・ッ!!」

インデックスは目を見開いた。


美琴「それに私の心配ならいらないわ。これでも私はレベル5の第3位なのよ。
   どんな魔術師が襲ってきたって、ノーダメージで返り討ちにしてやるわ。」

インデックス「みこと・・・・・・。」

美琴「私が傷付く所を見るのが嫌だというのなら、約束するわ。絶対に傷なんて負わないって。 だから・・・・・・」

すると美琴はインデックスを抱きしめながら言った。


美琴「だから、もっと私を頼ってよ。 インデックスは私が必ず守ってあげるから。」

インデックス「・・・・・・・。」

その言葉に、インデックスは思わず涙ぐんだ。

インデックス「うぅ・・・みことぉ・・・・」

次第にインデックスの瞳には涙が溢れてきた。
そして・・・・・



インデックス「うぅ・・・・うああぁぁぁぁぁぁ!!」

堰を切ったように声を上げて泣き出すインデックス。

美琴「・・・・・・・・。」

そんなインデックスを、美琴はただ黙って抱きしめていた。

インデックス「あああぁぁぁぁ・・・・。」

嗚咽が止まらなかった。


インデックスは今までずっと我慢していたのだ。
誰にも頼る事が出来ず、ひたすら敵の魔の手に怯えながら、逃げ続けてきた。
その恐怖に、インデックスは身も心も疲れ切っていたのである。

美琴の言った優しい言葉は、そんなインデックスの心に染みた。
そしてその腕で抱きしめられ、温かく包み込まれた事によって、それまでずっと堪えてきた涙が一気に溢れ出す。


インデックスは美琴の腕の中で泣き続けた。


  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・

  ・


それから数分後。

インデックスは泣き止んだ。
泣き腫らしたその目は少し赤くなっている。

美琴「大丈夫?」

インデックス「うん。ごめんね・・・・急に泣いたりしちゃって。」

美琴「いいのよ。」

思いっきり泣いて、心の中に溜まっていたものを吐き出したインデックスは落ち着きを取り戻した。


インデックス(みことの腕の中・・・・とても温かい。心が落ち着く。)

インデックスは美琴の腕の中で温もりを感じながら、心地の良さを感じる。
そして次第に、もう少しこのままでいたいと思うようになっていった。

インデックス(良い匂いがするんだよ。)



しかし、そこでインデックスはハッとする。

インデックス(あれ!? やだ!! 私ったら変な事を考えちゃっている ///////)ドキドキ

その時、彼女は自分の胸の鼓動が高鳴っている事に気づいた。
そして、顔がカァと熱くなる。
そんな自分自身に戸惑うインデックス。

インデックス(一体どうなってるの!? 確かにみことは優しくて強くて格好良くて男前(?)だけど、れっきとした女の子なんだよ!
     そんな女の子同士なのに・・・・そんな・・・・ ///////)

そう思いながらも頬が紅潮したままである。


すると、美琴はインデックスの頭を撫で、そっと微笑んだ。

美琴「落ち着いた?」

インデックス「う、うん。 もう大丈夫なんだよ。//////」

その笑顔を見て、インデックスは更に頬を赤くしながら、何とか答えた。

インデックスが落ち着いたのを確認した美琴は彼女から離れる。
その時、インデックスは名残惜しさを感じた。






そんな中、美琴はある話を切り出した。


美琴「そう言えば、インデックスが追われている理由なんだけど・・・・
   あの魔術師の男は10万3千冊の魔導書と完全記憶能力が云々って言ってたけど、実際の所どうなの?」

インデックス「それは、あの男の言ってた通り。
     私は完全記憶能力を持っていて、魔導書の中身を一字一句全部覚えさせられたの。
     私の頭の中に記憶されている魔導書の知識・・・あの魔術師はそれを手に入れようとしているんだよ。」

美琴「その魔導書って、そうまでして欲しがる程の凄い物なの?」

インデックス「ありとあらゆる魔術の知識・・・それが10万3千冊の魔導書なんだよ。
     その知識の全て使えば、この世界の全てを捻じ曲げる事だって出来てしまう。」

美琴「その魔導書とやらって、そんなにもヤバイ代物だったの!?」

インデックス「そうなんだよ。」

美琴「それであの魔術師は、インデックスの頭の中にある、その知識を手に入れたがっていると・・・そういうわけね。」

インデックス「うん。 魔導書というのは、それだけ危ない物なの。それは言うなれば爆弾・・・いや、穢れとも言うべき物。」


すると、インデックスは自嘲気味に言った。

インデックス「私はその穢れを一手に引き受ける者・・・謂わば、この世で最も穢れた存在なんだよ。」

その言葉は、どこか自虐的だった。


すると、その時・・・・

美琴「コラッ!!」

インデックス「えっ!?」

美琴がインデックスに、ずいっと顔を近づけた。

インデックス「なっ! み、みこと!?」

美琴「いちいち自分を卑下するんじゃない。」

インデックス「あぅ・・・! ///////」

その時、美琴の真剣な眼差しをした顔が、インデックスの間近にあった。

インデックス(うわぁ!顔が近いんだよ、みこと ///////)ドキドキ

インデックスの顔がみるみる真っ赤に染まり、心臓の鼓動が早まる。

インデックス「ご、ごめんなさい。 ///////」

美琴「うん。分かればよろしい。」

そう言って美琴は離れた。
しかし、その後もずっとインデックスの胸はドキドキしっぱなしだった。

インデックス(美琴・・・・恐ろしいんだよ。 ///////)


  ・

  ・

  ・

  ・


その後、黄泉川が買い物から帰ってきた。
彼女は帰って来ると、さっそく夕飯の準備に取りかかった。

その際、黄泉川は美琴達に何も聞かなかったのである。
インデックスの素性や、どんな事件に巻き込まれているのか等・・・黄泉川はその事を何も聞かなかった。
本当にうっかり忘れてしまったのか、それとも美琴達の意思を尊重してあげたのか・・・それは定かではない。


こうして激動の一日終わり、夜は更けていったのであった。


今回はここまで。

ここでは、黄泉川先生は小萌先生ポジションに付いています。

そしてみこっちゃんは見事にインデックスを攻略しました。(笑)


尊い

ねーちんは楽に対処できるな。
七閃に電気流せばいいし。

まだか

反応ないしやっぱエタったのかな

生存報告。

現在進捗率40%です。

遅れた  乙ー!
え?攻略ってことはこれからどんどんフラグ上がるってことか!?

期待せずに待ってるよん

エタった?

生存報告。
現在進捗率50%です。

すいません。全然進んでません(泣)。
出来るだけ早く投下できるように善処します。

次回更新
2017 2/16

>>74
流石にそれはないだろ。
生存報告しか出来ないんだから。
11/3が最終回だよ

エタったな
禁書系は大抵そうだ

お待たせいたしました。


まずは、レス返しからです。


>>66
それはどうでしょう。
常人が相手だったら、それだけで確実にノックアウトだけど、この場合相手は聖人なんで・・・。



>>70
その辺の事はノープランです。
私の頭の演算能力はレベル0ですので、先の事はどうなるかは、ぶっちゃけ分かりません。





というわけでレス返しが終わった所で、ここからは本編です。




その日、美琴と黄泉川はインデックスと一緒に、アンチスキルの訓練所に来ていた。

美琴にとって、アンチスキルの訓練所に足を運んで鍛錬をしたり、黄泉川に稽古をつけてもらったりするのは、もはや日課のようなものだった。
ただ、インデックス一人を家に置いておくわけにはいかないので、ここに連れてきたのである。


インデックス「すごーい! この建物とっても広いんだよ。 何だかワクワクするかも。」

美琴「遊びに来たんじゃないんだからね。大人しくしてなきゃ駄目よ、インデックス。」

インデックス「むっ! 子供扱いしないでほしいんだよ。」

美琴「大人しくしてたら、後でアイスを買ってあげるから。」

インデックス「わーい♪」

美琴(ちょろい。)

黄泉川(ずいぶんと扱いが上手いじゃんよ、美琴。)






そして、美琴は更衣室へ行き、そこで体操着に着替えた。
同じく更衣室に来ていた黄泉川はスポーツウェアを身に纏う。

そして二人とも、その拳にグローブを装着した。
その事からも、二人がこれから何をしようとしているのかが窺い知ることができる。

これから二人は格闘訓練をしようとしていたのである。
美琴は黄泉川に出合い、彼女に師事するようになってから今日まで、黄泉川に格闘技の稽古を付けてもらってきた。
勿論、美琴は能力を一切使わない、体術の鍛錬である。



準備が出来た美琴と黄泉川は、訓練室に来た。


黄泉川「さあ、美琴。始めるじゃんよ。」

美琴「はい、先生。」


インデックス「みことー。 頑張ってー。」

インデックスの声援の中、二人は向かい合って、ファイティングポーズをとる。




黄泉川「よし・・・・・・来い!!」

黄泉川が一声が開始の合図であった。


その直後に美琴は動いた。
素早く間合いを詰めると、拳打を繰り出す。

美琴「ハアッ!!」

次々と打ち出されるその拳の一発一発が、非常に鋭くて、そして速い。
その事からも、美琴が今までどれだけ鍛えられてきたかが窺える。


黄泉川「まだまだじゃん、美琴。」

しかし、その速い拳打を黄泉川は難なくいなしていった。
拳打の軌道を完璧に見切って、身を躱したり、手で払いのけて受け流したりしていく。

流石は師だけあって、その身のこなしは一級品と呼べるほどのものだった。


黄泉川「今度はこっちから行くじゃん!」

そう言うと、黄泉川は美琴めがけて拳を打ち込む。
先ほど美琴が繰り出した拳打よりも、更にスピードのある打撃だった。

美琴は咄嗟にガードする。


美琴「くっ!!」

何とか防御するが、その拳の威力にやや押され気味になっている。


すると、黄泉川が拳を大振りして、曲線的な軌道で打ち出してきた。
それは所謂、フックブローというものである。
その大振りの一撃を叩きつけられ、美琴のガードが崩れた。
美琴は体勢を大きく崩してしまう。

更に黄泉川は美琴めがけてストレートを放った。


黄泉川「ムッ!!」

しかし、その拳が空を切った。
黄泉川の放ったストレートを、美琴は上体を大きく後ろに反らす事によって回避する。
更に美琴は後ろに跳び、そして地面に手をついて、体を一回転させた。
バク転である。

黄泉川「やるじゃん、美琴。」


美琴はバク転によって後退し、一旦間合いを外した。


インデックス「みこと、凄いんだよ! 格好良いかも!!」

美琴のアクロバティックな動きに、インデックスは興奮気味に叫ぶ。



その後、体勢を立て直した美琴はすぐに再び黄泉川に突進する。


インデックス「行けー、みこと! そこ! そこなんだよ!!」

見ていたインデックスが熱くなり、夢中で応援する中、美琴は間合いを詰め、黄泉川に拳打を叩きつけていった。

美琴「ハアアッ!!!」

黄泉川「上達したな。でも、まだ負けてやるわけにはいかないじゃんよ。」

しかし美琴の拳は全く黄泉川に届かない。
打ち出した拳は尽く見切られ、いなされてしまう。
黄泉川は美琴の拳を手で払って受け流していく。

その時の黄泉川には明らかに余裕があった。


黄泉川「まだまだぁ!!」

美琴「ぐっ!!」

それに対し、美琴は黄泉川が攻撃してきた際に、それをガードで受け止めるのが精一杯だった。
明らかに美琴は黄泉川に押されている。

しかし美琴もただ闇雲にやっているわけではなかった。


美琴(これまで先生は、大振りのフックブローを多用してきている。 威力はあるけど、その分隙がある打撃。
   ならば、その隙を突く!)

この時に美琴が狙っていたのはカウンターである。

美琴は腕を上げてガードしながらも、その目でしっかりと相手の動きを冷静に観察していた。
そして黄泉川が大振りの一撃を繰り出そうとして隙ができる瞬間・・・そこを見極めて狙い打つつもりである。




美琴は防御に徹しながらも慎重にその時を待った。


するとその時、黄泉川が大きく踏み込んで、右フックを打ち出してきた。
美琴が狙っていた、"隙"ができた瞬間である。


美琴(ここだ!!)

美琴は即座に動いた。
曲線的な相手の拳の軌道・・・その内側の空間を刺すかのように、真っ直ぐ拳を突き出す。
相手の顎を目がけて放ったカウンターパンチである。


美琴(やった!)

美琴の狙い通りに、その拳は黄泉川の顎に命中。
完璧にカウンターが決まったかに見えた。



黄泉川「惜しかったな。」

美琴「なっ・・・!!」

美琴は目を見開く。
一瞬、決まったと思ったカウンターパンチは、よく見ると黄泉川の左手で受け止められていた。


美琴(やばっ!!)

美琴はすぐに次の防御体勢取ろうとしたが、遅かった。
その時には、すでに黄泉川の打ち出した拳が目の前まで迫っていた。




黄泉川「勝負ありじゃん。」

美琴「・・・・・・・・・・。」

黄泉川の拳が美琴の顔面スレスレの所で寸止めされる。

勝負はついた。
黄泉川の勝ちである。






美琴は力が抜けたかのように、地面に膝をつく。


美琴「はぁ・・・・・今日こそは一本取れるって思ったのに・・・。」

がっくりと肩を落とす美琴。
そんな彼女に、黄泉川は手を差し伸べる。
美琴はその手を握って、立ち上がった。

黄泉川「まあ、でも結構いい線いってたじゃんよ。 その調子で精進していけば、いつかは・・・。」

そう言いながら、黄泉川は美琴の肩を軽く叩く。


インデックス「でも戦っている時のみこと、凄く格好良かったんだよ!」

インデックスはいまだ興奮冷めやらぬ様子である。




こうして、この日の美琴の特訓は終わった。


  ・

  ・

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その後、美琴とインデックスは二人で帰路についた。

その帰り道での事である。



美琴「インデックス。」

インデックス「ん? 何?」

美琴「これから、ちょっと寄って行きたい所があるんだけど・・・。」

インデックス「えぇ~・・・もう、お腹空いた。 早く家に帰りたいんだよ。」

美琴「すぐ終わるから。」

盛大に腹の虫を鳴かぜながら不満気に言うインデックスを宥めつつ、美琴はある場所へ向かった。

インデックス「どこに行くの?」



すると美琴は言った。


美琴「ちょっとね・・・・昔の友人に会いに行くのよ。」

その時の彼女の表情はどこか悲しげだった。





そして、人通りのほとんど無い道を行く二人。
しばらくすると、目的地に到着する。



そこにあったのは立ち並ぶ墓標であった。


インデックス「ここは・・・・。」

その時、彼女は察した。
そこが墓地である事も・・・・そして美琴の言う友人というのが、もうこの世にはいないという事も・・・。



ここは学園都市第十学区にある墓地である。


美琴が墓地の中を歩いて行き、インデックスもそれについて行く。

美琴「・・・・・・・。」

インデックス「・・・・・・・。」

二人は無言のまま歩いて行った。
そして、美琴はある墓石の前で足を止める。

インデックス(この人が、みことの友達?)

美琴「・・・・・・・。」

二人とも一言も発しなかった。


すると、美琴は墓の花立を取り出し、中の水を替える。



そして、それが終わると、墓石の前でしゃがんだ。

美琴は目を瞑り、合掌して、黙祷した。
それを見たインデックスも倣い、顔も見た事がない美琴の友人に黙祷を捧げたのであった。




しばらくの間、沈黙が続く。


すると美琴は目を開き、立ち上がった。

美琴「帰りましょう。」

インデックス「うん・・・・。」

彼女達はそのまま墓地を後にした。






そして、その帰り道・・・・

美琴「・・・・・・・。」

インデックス「・・・・・・・。」

二人とも無言のままである。


そんな中、先に口を開いたのはインデックスの方だった。

インデックス「ねぇ、みこと。」

意を決した彼女が話を切り出した。

インデックス「その・・・・さっきの人って、病気だったの?」

美琴「ええ、そうよ。 難病だったの。」

そう言った彼女の表情はどこか曇っていた。

美琴「まだ10歳にもなっていなかったのよ。彼女は何も悪い事なんてしてなかった・・・・それなのに・・・・。」

俯きながら、美琴は言う。

美琴「もし神なんてのが実在するのなら、その神ってのは本当に惨い事をするわ。」

沈痛な面持ちから深い悲しみが伝わってくる。



すると、美琴はハッとした。
いつの間にか自分が悲痛な顔をしてしまっていた事に気づく。
すぐに表情を直して、言った。

美琴「あっ・・・ごめんなさい。 つまらない愚痴を聞かせてしまったわね。」

インデックス「みこと・・・・・。」

するとインデックスがそっと美琴の傍に寄った。


インデックス「愚痴でも何でもいいよ。 もし悩みがあるのなら、私に言ってみて。
     言ったら、少しは気が楽になるかもしれない。」

美琴「インデックス・・・・・・。」

インデックス「あの時は、みことが親身になって私の相談に乗ってくれた。だから今度は私が相談に乗る番なんだよ。」


そう言ったインデックスは優しい目をしていた。




美琴「・・・・・・・。」

その目を見ながら少しの間、沈黙していた美琴。


すると彼女は微笑しながら言った。

美琴「いつの間にか立場が逆になっちゃったわね。」

インデックス「まあ、これでも私は一応は聖職者だし、迷える子羊は放っては置けないんだよ。」

美琴「聖職者・・・そう言えば、そうだったわね。すっかり忘れてたけど・・・。」

インデックス「むぅ! それは、そこはかとなくバカにした言い方なんだよ。」

美琴「あはは。ごめんごめん。」


すると、美琴は昔の記憶を辿りながら言った。

美琴「それじゃあ、お言葉に甘えて、聞いてもらおうかしら。
   決して面白可笑しい話なんかではないんだけど。あれは・・・・・。」





それは今より時を遡ること、6年前の事であった。




今回はここまでです。

唐突ながら次回からは過去編になります。

次は4月くらいかな

>>86
来年のな

生存報告です。
現在進捗率50%です。


>>87
さすがにそんなには、かかりません(震え声)

生存報告です。
大変遅くなってしまって、申し訳ありません。

微妙だな

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