ゴトゴト……
男「フゥ~……よく晴れた、いい昼下がりだ……」
男「こうして荷馬車に乗って、市場(いちば)に行くには絶好の気候といえるだろう……」
子牛「…………」
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スレタイだけで草
男「この子牛……いったい幾らになるんだろうなァ~?」
男「今、市場じゃ牛の価格が高騰してるというし、かなりの価格になるのは間違いない」
男「ンフフフ……この『市場へ続く道』はまさにッ! 俺の『栄光へのロード』といっても過言ではなかろうッ!」
子牛「……なァ」
男「――あん? なんだ?」
子牛「オレは……市場に売られた後、一体どうなるんだ?」
男「さぁな、そんなことは知らんよ」
男「おそらくは解体されて、『食肉』にでもされるんだろうよ」
男「あとはまあ……鍛えられて『闘牛』にされるとか、あるいは『剥製』っつーオチもあるかもなァ~」
男「いずれにせよ、ろくな末路じゃない。マジに心から同情させてもらうよ……」
子牛「…………」
子牛「頼みがある」
男「なんだ?」
子牛「荷馬車を引き返してくれないか? オレは牧場(まきば)に帰りたいんだ」
男「ハハハ、なにをいうかと思えば……」
草
男「ンなことできるワケねーだろーがよォ! このダボがッ!」
男「こちとらこれが商売なんだ! てめーは大人しく荷馬車に乗ってやがれッ!」
子牛「『悲しそうな瞳(スペースリパー・カーフアイズ)』」ズギュン
男「うおッ!?」
男(この子牛ッ! なんて悲しそうな瞳をしてやがるッ!)
男(『あなたはなんの罪もないボクを売り払う気なのかい?』って瞳で見てきやがるッ!)
男「――だがッ!」
男「俺とてこれまで何十頭もの家畜を市場に売り払ってきた男ッ!」
男「今さらこの程度のことで『罪悪感』など感じぬッ!」
子牛(この男ッ! 完全に『良心』を捨て去っているッ!)
子牛(もしオレがこの男の命の恩人だったとしても、こいつは迷わずオレを市場に売り払うだろうッ!)
子牛「だったら……仕方ない」
男「フン、やっと諦めたか」
子牛「ああ……あんたに牧場に『引き返してもらう』のは諦めたよ……」
子牛「オレは自分で牧場へ帰る……あんたを『倒して』な……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
男「!?」
男(こいつの目……本気だッ! 本当に俺を倒して『牧場に戻る』って感じの決意の目だ!)
男(まだ食用肉に加工されてもないのに『スゴ味』があるッ!)
男「いいだろう、荷馬車から降りろォッ!」グイッ
子牛「!」ドザァッ
男「俺はお前を『市場』へ売り払いたい、お前は『牧場』へ帰りたい……」
男「平行線である以上、戦うしかあるまい」
男「お前を再起不能にした後、市場に売り払ってやるッ!」
男「俺の『荷馬車さばき』を思い知りやがれェ―――――ッ!!!」ドドドドドッ
子牛(荷馬車を操って、こっちに突っ込んできたッ!)
ドドドドドッ!
子牛「くっ!」サッ
子牛(もう少しで轢かれるところだったぜッ……!)
男「どうだッ! この荷馬車テクはッ!」グインッ
男「馬の『パワー』と『スピード』に加え、俺の手綱による『精密動作』ッ!」グイッ
男「俺は新米御者が絶対縁石に乗り上げるような『S字クランク』でさえ最高速で通過できるッ!」グイッ
男「『人間サマ』と『牛っころ』の格の違いっつーやつを、たぁ~~~っぷり教えてやんぜェーッ!!!」ドドドドドッ
子牛「ぬおおっ!」サッ
子牛(このド迫力! 正面からぶつかったら確実に敗北する!)
男「どうした、どうしたァ!?」ドドドドドッ
男「逃げるだけかァ!?」ドドドドドッ
子牛「ぐっ……!」サササッ
男「もらったァァァァァッ!」ドドドッ
ドガァッ!
子牛「ごばっ……!」ドザァッ
男「直撃は避けたか……悪運の強いヤツ!」
男「だが足に『ダメージ』を負ったようだな……その足では次の一撃はかわせまい……」
男「しかぁしッ! 油断はしないッ! 最高速による一撃でトドメを喰らわせてくれるッ!」
男「ゆけいッ! 我が荷馬車よッ!」グイッ
ヒヒィーンッ! ドドドドドッ!!!
子牛(この足じゃ左右どちらに逃げても、すぐに追いつかれてハネ飛ばされる……)
子牛(かといって、正面から突っ込んでも荷馬車にフッ飛ばされて終わりだ……)
子牛(オレは牧場に帰ることができないのか……!)
子牛「…………」チラッ
子牛(オレの命運が尽きようという時にも、空はいつものように青く、風はそよいでいやがる……)
子牛(あれは……『ツバメ』ッ!?)
子牛(もしも、オレにも翼があったら、楽しい牧場へ帰れるものをッ!)
子牛「――――!」ハッ
子牛(そうかッ! 一つだけあったッ! あの馬車をかわす方法がッ!)
男「この距離ッ! もはや左右どちらにもかわせまいッ! 勝ったッ!」ドドドドドッ
荒木絵で脳内再生されるwwwww
原曲要素ちょくちょく入れるの本当卑怯
子牛「ドナァッ!!!」バッ
男「何ィィィィィッ!? 跳躍だとォォォォォッ!? あの傷ついた足でッ……!」
男「しかもこいつ……俺が座ってる席へ飛び移ってきやがったァ―――――!!!」
子牛「やれやれ……こうしちまえば、『馬はかわせる』『お前に近づける』……一石二鳥ってやつだ」
子牛「さて、これからオレはこの足でお前を攻撃するわけだが……」
子牛「どうやらこの『市場へ続く道』は、お前の顔面が『落ち葉のように朽ち果てる道』だったようだな」
男「こッ……このクソ牛がァァァ―――――ッ!!!」
子牛「ドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナ」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
男「ぶげっ! ぐげげっ!」
子牛「ドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナ」
ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
男「おげっ! ぎゃぺえーッ!」
子牛「ドナドナドナドナドナドナドナドナドナドナァーッ!!!」
ドゴォッ!!!
男「ぐげァ~~~~~~~~~ッ!」
子牛「ドナーヴェデルチ!(荷馬車が揺れる)」
男「ぎゃっぱァ~~~~~ッ!!!」
ドガッシャァァァァァンッ!!!
子牛「やれやれ……これでやっと楽しい牧場に帰れるぜ」
←To Be Continued…
牧草生える
正直すこ
脳内再生余裕だな
続くのか(困惑)
悔しいけど正直すき
ジョジョっぽいけど人間VS動物だとドルチの方連想する
スレタイだけでは終わらない確かな満足
乙
子安(cv.子牛)
乙
ストーリーも雰囲気も読みきりっぽいよね
すばらっ!
上手くジョジョのノリを再現できてる
スゴ味があるッ!
sageろよゴミが
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