橘ありす「帰ってきた家電アイドルフレデリカ?」 (50)



前作
橘ありす「ニュースキャスターフレデリカ?」

読んどくと楽しいかも
橘ありす「家電アイドルフレデリカ?」




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―――――事務所―――――


橘ありす(さて……、今日の午後は時間がありますね……なにをしましょうか……)

ありす(……あ、そういえば新曲のサンプルをいただいたんでした)

ありす(休憩しつつ聴いてましょう)

ありす(……)

ありす(……あ、あれ?)

ありす(イヤホン、片方聴こえない……)

ありす(……)

ありす「壊れ……ちゃいました……」

ありす「えっと、たしかあっちの棚に保証書を入れてたような……」ガサゴソ

ありす「……あった! 保証期間は……」ペラッ

『2年以内の故障なら交換無料!』

ありす「よかった……! あれ? 下に小さい文字が……」

『※宮本フレデリカと一緒に来店した場合のみ』

ありす「はあ!?」



ありす「く……、なんで保証に同伴者の指定があるんですか……!」

ありす「無料交換はありがたいですが、そのためにフレデリカさんに同伴を頼むのも癪ですし……」

ありす(ちなみに今日のフレデリカさんの予定は……)チラッ

『午後~:電器屋でお買い物withありすちゃん♪』

ありす「すでにこの展開を予見している!?」



ガチャ
宮本フレデリカ「呼ばれて飛び出てフンフンフフーン!」

ありす「呼んでないです!!!」

フレデリカ「つれないねー?」

ありす「どんなタイミングの良さなんですか……」

フレデリカ「ありすちゃん、今からヒマかな!」

ありす(一応聞くんですね)

フレデリカ「なんと! あの346デンキが“りゅにゅーうゃるうぉーぴゅん”したんだよ!」

ありす「1文字もまともに言えてませんけど」

フレデリカ「噛んじゃった! もう一回いいかな?」

ありす「いや、リニューアルオープンってことは伝わったので別に……」

フレデリカ「にゃんと! あにょ346デンキぎゃ“リニューアルオープン”したんじゃよ!」

ありす「さっき言えてた部分を軒並み噛んでる!!!」

フレデリカ「どうかご慈悲を!」

ありす「そんなに怒ってませんけど!?」



ありす「……あれ? リニューアルオープンだから誘ってるんですか? イヤホンが壊れたからではなくて?」

フレデリカ「え? イヤホン、壊れちゃったの?」

ありす「壊れるタイミングを知ってたのかと思ってしまいましたよ」

フレデリカ「いやいや~、流石に予言は、今日のフレちゃんじゃ無理だよ~」

ありす(今日“の”……?)

フレデリカ「そっか! じゃあちょうどいいね!」

ありす「でも、リニューアルオープンって……、何が変わったんですか?」

フレデリカ「売り場面積が1.005倍に!」

ありす「よくその規模でリニューアルを名乗れますね!?」



フレデリカ「品ぞろえも充実したんだよ!」

ありす「まあ、そのあたりは現地で説明してもらうとして……」

フレデリカ「うんうん! じゃあ行こっか!」

ありす「そうしましょうか」

フレデリカ「右手を繋ぐ? 左手?」

ありす「なんで手を繋ぐ前提なんですか!」

フレデリカ「あ! タクシーフレデリカをご所望かな? かな!?」

ありす「もう! ふざけてないで早く行きますよ!」プイッ トコトコ

フレデリカ「あ~、まって~!」トコトコ


おう、待ってたぜ


―――――346デンキ・1階―――――


フレデリカ「とうちゃく~♪」

ありす「はいはい、早く1階から説明していってください」

フレデリカ「え!? いいの!?」

ありす「どうせいきなり目的の階に行こうとしても、『1階から解説させて~』とか言うんでしょう?」

フレデリカ「似てないね!」

ありす「似せてません!」



~~~~~

フレデリカ「この階はいろいろあるよ~! まずはこれ!」

ありす「パソコンのマウスですか……、でも色が……穂乃香さんの好きなぬいぐるみの色のような……」

フレデリカ「おお! 勘がいいね! ちょっとクリックしてみて!」

ありす「はい……」カチッ

『ぴにゃっ!』

ありす「……」

フレデリカ「かわいい声でしょ!」

ありす「いや、卯月さんの声……」

フレデリカ「かわいい声でしょ!」

ありす「だから、これ卯月さんの」

フレデリカ「かわいい声でしょ!!!」

ありす「もう! わかりましたから!」



フレデリカ「それだけじゃないよ! スクロールする時みたいにホイールを回してみて!」

ありす「まだあるんですか?」グルグル

『ぴぃ~~~~~~にゃ~~~~~~~ぁぁぁ~~~~~』

ありす「うるさい!!!」

フレデリカ「1個だけ売れたんだよ!」

ありす「誰が買ったのか丸わかりですけど!?」


そのマウス商品化希望


フレデリカ「続いてこの電卓!」

ありす「見た目は普通ですね」

フレデリカ「“1”を押してみて!」

ありす「はいはい」ポチッ

『いち!ニャハハー』

ありす「あ! 志希さんの声……ですか?」

フレデリカ「うん! 次も押してみて!」

ありす「“2”ですか」ポチッ

『に。だろうね』

ありす「飛鳥さんですね」

フレデリカ「そう! その数に対応したアイドルが読み上げてくれるんだよ!」

ありす「へぇ……! これは売れそうですね! 3も押してみましょう」ポチッ

『…………………………………』

ありす「あれ?」

『…………………………………』

フレデリカ「これは美優さんだね!」

『…………………………………』

ありす「……言わないんですか?」

フレデリカ「もうちょい!」

『…………………………………』

『……………………………さん』

ありす「なんか重い!!!」



ありす「いちいち待たなきゃいけないんですか!?」

フレデリカ「まあまあ! もういっかい押してみて!」

ありす「ええ……」ポチッ

『さん!だよっ』

ありす「あれ! 紗南さんの声!」

フレデリカ「そう! “3”は3人からランダムなんだ!」

ありす「ということは……」ポチッ

『さん!人前お願いします!』

ありす「かな子さんになにか恨みでも!?」



ありす「よく引き受けてくれましたね」

フレデリカ「案外ノリノリだったよ~?」

ありす「まあ本人がいいなら……、あれ? うちの事務所に“4”っていませんでしたよね?」

フレデリカ「だからといって、音が出ないのは寂しいから、あるゲストを呼んだよ!」

ありす「え? と、とりあえず……」ポチッ

『よん……分のかっぷらあめんは、3分で作ると少し固麺で美味なのですよ』シジョッ

ありす「わぁぁぁ!!!!!!!」

フレデリカ「びっくりしたでしょ!」

ありす「びっくりってレベルを軽く飛び越えてますよ!!! なにしてくれちゃってるんですか!?」

フレデリカ「この業界から消されるとこだったね!」

ありす「電卓ごときにアイドル生命を賭けないでください!!!」



フレデリカ「“5”は響子ちゃん、“7”は七海ちゃん、“8”はマキノちゃんで、“0”は礼さんだよ!」

ありす「怖いので聞きたくないですが、“6”と“9”は……?」

フレデリカ「“6”はこれ!」ポチッ

『ろっくだねー!』

ありす「よかった……、どうでもいい人だった……」

フレデリカ(さっきのショックが大きすぎて普通に失礼なこと言ってるねー)



ありす「この流れだと、“9”もどうせ晴さんあたりが『きゅうにボールがきたので』とか言い出すんでしょう?」

フレデリカ「ふふふ……、それはどうかな!」

ありす「じらさなくっていいですよ」ポチッ

『きゅう……個の斑点があるこのキノコは、毒があるから気をつけてくれ。』

ありす「わぁぁぁ!!!!!!!」

フレデリカ「そのリアクション! さっきも見た!」ケラケラ

ありす「笑ってる場合ですか!!!」



ありす「明らかに男性の声でしたし! 他の事務所を巻き込むのはダメですって!」

フレデリカ「声だけだしー?」

ありす「そういう問題ではなく!」

フレデリカ「次いこっか!」

ありす「あ! 逃げた!」



フレデリカ「次はこのパソコンだよ~」

ありす「これも普通に見えますが……」

フレデリカ「これは比奈ちゃんの要望で、一定期間ログインしないと、中のデータを全部消しちゃうパソコンなんだって!」

ありす「……え?」

フレデリカ「フレちゃんもよくわかんないんだけど……」

ありす「なんのメリットがあるんですか……?」

フレデリカ「さあ?」

ありす「そんな“見られて困るものが入ってる”わけじゃあるまいし」

フレデリカ「ね! “まるで自分の意志で消せない状況”を考えてるみたいだね!」

ありす「まあ、次に行きましょうか」

フレデリカ「はいはーい♪」



~2階~

ありす「前回はカメラを見たフロアですね」

フレデリカ「今回も活きのいいのが入ってるよ!」

ありす「どこの世界にカメラに活きを求める人がいるんですか」

フレデリカ「七海ちゃんプロデュースのピチピチカメラ!」ピチピチ

ありす「うわぁ!? キモッ!!!」

フレデリカ「なんでこんなの作ったの?」

ありす「こっちのセリフです!!!」



フレデリカ「次~」ポイッ

ありす「投げるな!」

フレデリカ「次はこれ!」

ありす「ピンクのカメラ……。やけにキラキラしてますね」

フレデリカ「『ガールズパワー』の3人が考えた、『女子力☆メガ盛りカメラ』だよ!」

ありす「なんとなく効果がわかるような……」

フレデリカ「ヒトの顔を検知して、目をおっきくしてくれたりするの!」

ありす「でもまあ、一定の需要はありそうですね」

フレデリカ「でも、これで小梅ちゃんを撮ったら、周りに目だけたくさん出てきたとかなんとか……」

ありす「……じ、冗談ですよね?」ゾクッ

フレデリカ「“生きてるヒトの顔”とは書いてないもんね!」

ありす「つ、次! 次にいきましょう!!」

フレデリカ「あー! 怖いんだー!」ガクガクガクガク

ありす「そっちの方がよっぽど震えてますけど!?」



フレデリカ「この階はね! アウトドア用品もあるんだけど、この懐中電灯が面白いんだよ!」

ありす「見た目に変なところは……、あれ? スイッチがないですよ?」

フレデリカ「よくぞ気付いたね! 懐中電灯を持って、思いっきり握ってみて!」

ありす「え?」ギュッ ピカー

ありす「あ、ついた!」

フレデリカ「これは、握力のトレーニングにもなる懐中電灯なの! 夜の散歩とかのついでにね!」

ありす「へえ……、あ、こっちは色違いですか?」ギュッ

ありす「あれ? つかない……」

フレデリカ「あ! それは有香ちゃんモデルだよ! 最低握力50だから、ありすちゃんにはまだ早いね!」

ありす「あの人本当にアイドルって肩書きであってます?」



ありす「じゃあこっちも別の人モデルですか……?」ヒョイ ピカー

ありす「あ、あれ? 持っただけでつきましたけど」

フレデリカ「そっちはライラちゃんモデル! 最低握力は3だね!」

ありす「弱っ!!!」



~3階~

フレデリカ「家電のフロアだよ!」

ありす「前回は酷かったですけど」

フレデリカ「まずはこの洗濯機! 響子ちゃんのプロデュースで、とにかく汚れが落ちるんだって!」

ありす「ああ、響子さんなら安心ですね。性能もまともそうですし……」

フレデリカ「でも、毎日洗濯しないと『なんでお洗濯しないんですか?なんでお洗濯しないんですか?』って唱え続けるらしいよ!」

ありす「怖っ! あの人もたまにネジが外れちゃいますね!?」



フレデリカ「このサイキック電子レンジもすごいの!」

ありす「名前だけでここまで不安を掻き立てる商品もそうないですけどね」

フレデリカ「中に食べ物を入れるだけで、温度とか重さを察知して最適な温めをしてくれるんだよ!」

ありす「……あれ? 意外にマトモですね?」

フレデリカ「でも9割8分2厘の確率でブレーカーが落ちる!」

ありす「もう裕子さんは開発グループから外したほうがいいですよ」



フレデリカ「これからの季節にピッタリの扇風機はいかが?」

ありす「扇風機ですか、これからの必需品ですね」

フレデリカ「ボタンを見て!」

ありす「えっと……、『弱・中・強・世』……世!?」

フレデリカ「世界レベル!」

ありす「と、とうとう来ましたか……」

フレデリカ「じゃ、押してみて!」

ありす「は、はい……」ポチッ

ブォォォォォォォーーーーーーーーー………… …… …

ありす「……どっか飛んでいっちゃいましたけど!?!?!?」

フレデリカ「さすが世界レベル~♪」

ありす「言ってる場合ですか!?」

フレデリカ「どうせほたるちゃんあたりに当たって止まるって~」

ありす「ほたるさん!!!」



フレデリカ「次はみなさんお待ちかね! こずえちゃんの実演コーナー!」

ありす「ま、また包丁とか持たせてるんですか!?」

フレデリカ「ううん! 今回は扇風機!」

ありす「せ、扇風機の実演……?」

フレデリカ「あ! あそこだよ!」

遊佐こずえ「ふわぁーーーー……」ブーン

ありす「風を浴びてるだけに見えますが……」

こずえ「せんぷうきー……買ってー……買えー……?」

「「「きゃー!!!!」」」ドドドドドド

フレデリカ「あれだけで売り上げが50倍だって!」

ありす「ちょっと消費者はちょろすぎるのでは!?」

フレデリカ「こずえちゃんがいなかったらこの電器屋は潰れてる説もあるみたい!」

ありす「経営層は恥ずかしくないんですか!」



~4階~

フレデリカ「ようやく、オーディオビジュアルのフロアに着いたね!」

ありす「本当にろくな商品がないんですね。感心しますよ」

フレデリカ「えへへ……」

ありす「一切褒めてないですから」

フレデリカ「あ! イヤホンの前に、このテレビだけ説明させて!」

ありす「なんなんですか……」

フレデリカ「名付けて『菜々ちゃんが自爆しそうな話題の時だけ音量が2倍になるテレビ』!」

ありす「やめてあげてください!!!」



フレデリカ「今回は以上だよー!」

ありす「まったくもう……、イヤホンの交換がようやくできますよ……」

フレデリカ「!」ピーン

フレデリカ「ありすちゃん! ちょっと保証書見せて?」

ありす「へ……? は、はい」ペラッ

フレデリカ「はっくしょん!!!!」ビリビリー

ありす「あああ!!!! な、なにしてるんですか!!! いくらフレデリカさんでもやっていいことと悪いことがありますよ!!!」

フレデリカ「店員さーん! あれ、お願いしまーす!」

ありす「ちょっと! 聞いてるんですか!?」

フレデリカ「あー、確かにホントは来週だけど……」

フレデリカ「ま、フレちゃん権限で前倒ししちゃって♪」

フレデリカ「ありがとー♪ はい、代金ねー」チャリン


ありす「……?」


あ、次回作のオチか導入だな(扇風機とほたる)


フレデリカ「ありすちゃんが壊しちゃったイヤホンなんだけど、実は来週に新モデルを発売するんだ!」

ありす「そ、そうだったんですか」

フレデリカ「もちろんフレちゃんデザインでねっ! これ!」

ありす「……!(前回と違って、黒を基調にしたカッコいいデザイン……!)」

フレデリカ「いいでしょ~!」

ありす「ま、まあ悪くないんじゃないですか? じゃあ、来週また買いにこなくちゃですね」

フレデリカ「ありすちゃん」

ありす「……?」

フレデリカ「はいっ! これ、プレゼント!」

ありす「……え?」



フレデリカ「いつもありがとうね!」

ありす「え……で、でも、お金……」

フレデリカ「プレゼントに代金なんていりませーん! もともと前回のやつもプレゼントするつもりだったもん! ようやく叶った!」

ありす「……」

フレデリカ「その代わり、大事にしてねー?」

ありす「ずるいですよ……、こういう時だけ……」

フレデリカ「はいはい! 受け取って受け取ってー!」

ありす「はい……! ありがとうございます……!」

フレデリカ「うんうん! こっちこそ!」



フレデリカ「さて! ご飯を食べに行こー♪」

ありす「そういえば、レストラン街もリニューアルしたんですか?」

フレデリカ「うん! 『天ぷら専門店“揚げぽよ~”』と『賭けに勝てれば代金無料!“兵藤食堂”』どっちがいいかな?」

ありす「選択肢!!!」



おわり




あの電卓、『÷』を押したら植木鉢の割れる音がするとかしないとか


過去作

藤居朋「あたしの道標」(シリアス系)

智絵里「水着と!」ほたる「海と!」朋「LackLuck!」

藤居朋・本田未央・橘ありすの苦労人シャッフル

などもよろしくお願いします




このシリーズ好きだよ

ぴにゃマウス普通に売れるよな、おれらに

荒木せんせー考案のPCマジで欲しい

九十九先生がいる

Mマスからも引っ張ってくるとはたまげたなぁ…

美優さんは
「………さん……個ほしいんですか?このいやしんぼ、バレンタインは大切な一つだけじゃないんですか?そういう人だったんですね」
じゃないと

くどい

ワンパターン

冗長

この橘さんも文香さんのことになると頭のネジ外れちゃうよね

>>41
思いっ切りブーメランで笑ってしまった

なにその美優さん面倒くさっ、大好き

>>43
使い方間違ってる

>>45
ブーメランをしらないんだろ

くどくてワンパターンだけど冗長ではないもんな、言った子本人は

ワンパターンだけどくどくは無いだろ
慣れると流石に笑える程では無くなってくるけど

苦労人はパラガスみたいな中毒性無いからなぁ

「上手いけど面白くない」って笑点のピンクみたいだな

流れるように対立煽り

まったくだよ
笑点のピンクが何したってんだ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年07月19日 (火) 21:23:20   ID: Axt8fI2T

ほたるちゃん!!!

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