ミリP「静かなる祈り」 (17)




最上静香「……大丈夫ですか?」

ミリP(以下、P)「うん。今終わった所だから」

静香「終わったって……」

P「礼拝堂でやることといったら一つじゃない?」

静香「もしかして、祈ってたんですか」

P「もしかして、うずくまってるように見えたか?」

静香「小銭でも拾ってたのかと」

P「……そう」

静香「冗談です」




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静香「広いですね、ここ」

P「そうだな。……静香は初めて、か」

静香「はい。朋花さんのご実家に礼拝堂があるとは、前から聞いていましたが……」

P「なかなか壮観だろ? 日が差してるとな、ステンドグラスがもっと綺麗に光るんだ」

静香「今日は見れないですね」

P「まぁ雨が降ったから来れたんだし、仕方ないさ」

静香「運が良い……んでしょうか?」

P「雨に濡れなかったのは運が良いんじゃない?」





静香「朋花さんは?」

P「ご両親を呼んでくるって」

静香「それで、一人になったからお祈りを?」

P「まあ、たまにはこういう場所でやるのも良いかと思って」

静香「そうですか」

P「静香もどうだ?」

静香「……そんな気軽にしていいものなんですか?」

P「さあ」

静香「さあ、って」





静香「……何を、祈っていたんですか?」

P「知りたい?」

静香「いいです」

P「そうですか」

静香「私には、関係ありませんから」

P「そう思う?」

静香「はい」





静香「祈らなくても、ちゃんと叶えますから」

P「言うと思った」

静香「プロデューサーも、そうですよね?」

P「うーん……」

静香「もしかして」

P「時には、祈りも大事だよ」

静香「……やっぱり、まだ」

P「静香が頼りない訳じゃない」

静香「えっ」

P「そう言うと思ったよ」





P「確かに、祈ってるよりも、自分で叶えた方がいい」

P「それに、祈ったって叶わないこともある」

P「でもさ……いいじゃないか。祈っても」

P「たとえば、明日晴れることを」

P「たとえば、明日少しだけ幸運でいれることを」

P「たとえば、明日誰かが、つつがなく一日を終えることを」

P「そういうことくらいは、さ」

静香「そんな、ことを」

P「たとえ話だよ。本当は小銭が拾えることを願っていたかもしれない」

静香「……成果はありましたか?」

P「一円も拾ってない」


モバ付けろカス




静香「祈り、ですか」

P「……静香も小銭拾いか?」

静香「違いますっ」

P「冗談冗談」

静香「私も、少し、祈ります」

P「ふぅん」

静香「……祈られているだけは、いやですから」

P「何か言ったか?」

静香「いいえ、何も」





P「お」

静香「どうかしまし……た……」

P「雨、上がったみたいだな」

静香「綺麗……」

P「……なんか、ステージに立ってるみたいだ」

静香「私が、ですか?」

P「うーん……俺たち?」

静香「プロデューサーがステージに立つって」

P「ないな」

静香「ないですね」





P「ほら、こっちで見てるから、一曲くらい歌ってもいいぞ」

静香「礼拝堂は騒ぐ所じゃありません」

P「歌くらいならいいんじゃないか? なぁ朋花」

朋花「少しだけなら、構いませんよ~」

静香「朋花さん、いつのまに」

静香「……じゃあ、リクエストにお応えして、少しだけ」


静香「最上静香、歌います」






 ――鮮やかな光の中、静香が息を吸う。

 ――聞いているなら、どうか、叶えてほしい。

 ――彼女の明日が、つつがなく続きますように。

 ――彼女がアイドルとして、最後まで輝けますように。

 ――礼拝堂の中を、彼女の高らかな歌声が満たしていく。

 ――どうか、どうか。明日も、彼女の隣に居れますように。





 以上になります。


 今月のゲッサンを読んだ直後、どうしても最上静香へと何かがしたいと思い、本作を書いた次第です。
 ほんの少しでも、彼女の足取りが軽くなればいいのですが。
 

 それでは、最上静香のこれからが、つつがなく続くことを願って。
 



おつおつ

ゲッサン早く届かないかな………
乙です
>>1
最上静香(14)Vo
http://i.imgur.com/ST3UHF5.jpg
http://i.imgur.com/Czn3H0B.jpg

>>10
天空橋朋花(15)Vo
http://i.imgur.com/Zoo2awy.jpg
http://i.imgur.com/SGZRpab.jpg

おつ



単行本派なので楽しみに待とう

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