レンタル妹 おまけ (オリジナル百合) (113)
後日談的なのを細々と書きます
兄妹の家
兄「忘れ物した? 何を」
妹「携帯」
兄「ばーかばーか」
妹「少なくともお兄ちゃんよりばかではない」
兄「んだとこらッ、その通りだよ! お兄ちゃんは金しか興味ないクズだよ!」
妹「夜の学校って怖いのよね……バイクあるでしょ? 後ろ乗せてくれない?」
兄「そんなの歩いていけ歩いて」
妹「こんな夜中に?」
兄「あ」
タタタっ
兄「ほら」
カラン
兄「バット持って行け。ただし、人は殺すなよ」
ブンっ
兄「ひいえ!?」
サっ
妹「ほら、非力な私じゃ当たらないんだから意味ないわよ」
兄「試すなよっ。つか、ミリヤに頼めばいいだろ? あいつ、車運転できるし」
妹「先輩とは絶賛喧嘩中だから頼みにくいのよ」
兄「喧嘩?」
妹「そうよ」
兄「めんどくせえやっちゃなあ。そんなの謝ったらいい話だろ」
妹「私は、悪くないもん」
兄(妹が折れないなんて珍しいな。女には甘いのに)
兄「はー……ツケといてやるよ」
ブロロロ――
兄「喧嘩の原因は?」
妹「言わないわよ」
兄「教えてくれたら、この貸しはチャラにする」
妹「なんで、いっつも勘定に入れるのよ」
兄「教えてくれなかったら、女生徒を家に呼んで、兄妹女生徒チキチキ乱交パーティーを」
妹「言います言います!?」
兄(このネタで何度か脅せるな)
妹「先輩が、せっかく勉強教えたのに赤点取っちゃって、夏休み遊びに行こうって約束がおじゃんになっちゃったのよ……」
兄「ふうん」
妹「反応うすっ」
兄「なんでそんなことで喧嘩になるんだよ。お前らカップルか何かか?」
妹「ふえ? あ、いやいやいや……そう言うんじゃないけど」
兄「付き合ってもかまわんが」
妹「え?」
兄「あいつの月収はいくらぐっほ!?」
妹「そのひょろそうなお尻にケツバット決めるわよ」
兄「なんでバット持ってきてんの?!」
妹「護身用に決まってるでしょ、って、前、前!?」
兄「うん? うおっ!?」
キキイっ――ジャリジャリっ
兄「危なく正門とキスする所だったぜ」
妹「キスどころの話じゃないから」
兄「さて、忘れたのはどこだ?」
妹「たぶんうちの教室か、ミリヤ先輩の教室」
兄「手分けして探した方がいいな。俺がミリヤの方探すから」
妹「頼んだわよ」
一階
妹「頼んだわいいけど……やっぱり、職員室に先生が残ってると言ってもこっちは電気消えてるから怖い」
ソロソロ
妹「……あれ、1年の教室一つだけ電気付いてる。誰か残って勉強してるのかな。感心感心」
チラっ
下級生「あれ、先輩」
妹「下級生ちゃんっ」
下級生「ど、どうしてまだ残って、帰られましたよね?」
妹「携帯忘れちゃってね。取りに来たの」
下級生「そうだったんですね。あ、でしたら私も一緒に探します」
妹「え、いいよいいよ。怖いし」
下級生「何言ってるんですか、一人で行く方が怖いですよー」ニコ
ガシっ
妹「なんでこんなにがっしり腕組むのよ?」
下級生「それは……先輩を離さないためですよ?」
妹「……」
下級生「子作りしましょ?」
妹「下級生ちゃん、その言葉はどこまで本気なのかな」
下級生「種は無くてもできるんですよ」
妹「は、離して!」
下級生「ひと夏の過ちってあると思うんです」
妹「や、やだやだやだ!」
ブンブンっ――パっ
下級生「あ」
妹「助けてっ、ミリヤアアっ」
ダダダダっ
下級生「他の女の名前を呼びながらなんて、そういうシチュエーションも嫌いじゃないですよ!」
3階
兄「なんか、今、聞こえたなあ」
兄「ゴキブリでも出たのか」
兄「あれ、ミリヤのクラス電気付いてる。まだ、誰か残ってるのか」
ガラっ
兄「あ」
ミリヤ「……すー」
兄「イヤホン射したまんま寝てらっしゃる」
兄「って、こいつが握りしめてるの……妹の携帯じゃん」
兄「犯人はお前か」
ミリヤ「ふぐ……すー」
兄「なに、声に反応するの?」
兄「おい、チビ」ボソ
ミリヤ「ふがっ!」
兄「……動画に撮ったら、高く売れるんじゃないか。主に、うちの妹に」
ミリヤ「すー……」
兄「よし」
コトっ――ピっ
ジー
兄「妹ですよー」ボソ
ミリヤ「……」ニコ
兄「ははーん……」
兄「ミリヤ先輩ー、だいすきー」(裏声)
ミリヤ「……」フニャ
兄「ついでに喧嘩のことも謝っておいてやるか。なんて優しい兄貴」
兄「ミリヤ先輩、ごめんなさい。私が全面的に圧倒的に悪かったです。喧嘩なんかするつもりなかったの。ただ、一緒に遊べないと思うと私、悲しくて」
ミリヤ「……むにゃっ」
兄「どうしたら許してくれますか」
ミリヤ「……むにゃ、キス……し」
兄「……」
兄(あれ、本当に付き合ってるの? え、マジなの? お兄ちゃん、けっこうびっくりだよ)
ミリヤ「……すー……ふが!?」
ガタっ
兄「お、起きる? やば、どこかに隠れないと」
コソコソっ
ガタっ
ミリヤ「……あれ、ここどこ」キョロ
ゴシゴシっ
ミリヤ「げ、もうこんな時間」
ゴトっ
兄(あ、俺の携帯忘れてたっ)
ミリヤ「なに、これって……あちゃー、妹の携帯渡しそびれてる……」
ミリヤ「明日、渡すか」
ミリヤ「……」ジっ
兄(うん?)
ミリヤ「……」キョロキョロ
兄(どうした)
ミリヤ「……も、もしもし妹」
兄(なんだ、こいつ痛い子か)
ミリヤ「夏休み補習になってごめん……ホントは、私、もっと一緒に……かーっ、なんて言えるかいってんだ!!」
兄(ミリヤ、乙女なのかおっさんなのかどっちだ)
ミリヤ「あたしのキャラじゃないのよ……謝るならあっちから謝らせないとね。主従関係ってのをはっきりさせとかないと」
兄(うちの妹とどういう関係なんですかねえ)
ミリヤ「んー! 寝すぎて、体痛い」
コキコキ
ガラっ
ミリヤ「うん?」
妹「……うっ」
ミリヤ「い、妹!?」
ガタっ
兄(なんで、この短時間にそんな乱れてんだ色々)
妹「ミ、ミリヤアア……」ジワっ
ミリヤ「先輩をつけなさいよっ」
妹「うわあああんっ」
タタタタっ――ギュウ
ミリヤ「な、なになにっ」
妹「怖かったあああっ!?」
兄(ちょっと暗いだけでんなおおげさな)
兄(あれ、あいつ持ってたバットどこいったんだ)
ミリヤ「……はあ?」
ギュウっ
ミリヤ「ぐえっ……ちょっと、か弱いんだからもっと優しく抱きしめてよね!?」
妹「あ……ごめん」
ミリヤ「たく、何があったの?」
妹「ちょっと、そこで生徒に……襲わそうに」
ミリヤ「なんですって?!」
妹「あ、も、もう事なきを得たんだけど……」
ミリヤ「私の妹に手を出すなんて、許せん」
妹「私のって……」
ミリヤ「あ……」カア
妹「……」
ミリヤ「私の後輩に手を出すなんて」
妹「なんで、そこで言い直すんですかっ」
ミリヤ「だ、だって、よく考えたら妹は私のものじゃないし」
妹「それは、そうですけど」
ミリヤ「て、ていうかいつまで抱き着いてんのよ、暑いってば」
妹「ごめんなさい……」シュン
スっ
ミリヤ「なんでそんなしょげるのよっ」
妹「しょげてません」
ミリヤ「しょげたじゃん。シュンって効果音までつけて」
妹「空耳です。イヤホンし過ぎで耳おかしいんです」
ミリヤ「言ってくれるじゃない」
妹「……ふん。って、あれ、それ私の携帯」
ミリヤ「……あ、これ。私のバックに入ってたのよ」
妹「す、すいませんっ。どっかで滑って入ったのかも」
ミリヤ「もしかして、あんたこれ探しに来たの?」
妹「あ、はい」
ミリヤ(これ掴んだまま寝てたなんて絶対言えないわね)
ミリヤ「はい」
スっ
妹「ありがとうございます……」
ミリヤ「夏祭り」
妹「え」
ミリヤ「夏祭りの日、補習ないから。空けときなさいよ」プクー
妹「なんで、頬っぺた膨らませてるんですか。拗ねてるんですか」
ミリヤ「全く遊べないわけじゃないのに、あんたが怒るからよ」
妹「怒ってなんか」
ミリヤ「怒ってた。今にも押し倒して馬乗りになって身ぐるみ剥がれるかと思ったし」
妹「そんな怒り方してないわよっ!?」
ミリヤ「敬語忘れてる!」
妹「敬うべき時とそうじゃない時ってありますよね?」
ミリヤ「あんたは冗談も通じないんだから」
妹「冗談って、そんなこと言ってたら」
ミリヤ「そんなこと言ってたら? 何よ?」
妹「ほんとにしちゃいますよ!」カア
ミリヤ「やれるもんならやってみなさいよっ。へっ」
妹「……」
グイっ
ミリヤ「ふえ?」
妹「てい」
カクンっ
ミリヤ「ひょわっ」
ストンっ
ドテっ
ミリヤ「な、なになになにが怒ったの……」
妹「先輩軽すぎ……」
ミリヤ「ちょ、どきなさいって」
妹「ミリヤがやれるもんならって言ったのに」
ミリヤ「言ったけど、こんな」
妹「簡単に押し倒されるなんて、気をつけてくださいよね」
ミリヤ「まず、あんたに気をつけることにする」
妹「むう……」
ミリヤ「優等生の皮を被った色情魔」
妹「私は、私だって……年頃の女の子なんだですから、それはそれなりになにで……すもん」
ミリヤ「なんにも理解できないんだけど。ていうか、私は主従で言うなら主の方なの! 本来は逆なのよ!」
妹「主従? いつの間にそんなことに」
サワっ
ミリヤ「ん……ッ」ビク
妹「はっ、ご、ごめんなさいっ」
ミリヤ(へ、変な声出た)カア
妹「い、色っぽい声も出るんですね」
ミリヤ「あんたは、もっとオブラートに包んで言え!」
妹「……」
妹(ちょっと、この光景撮っておきたいかも……って、お兄ちゃんじゃあるまいし)チラ
妹「あれ、これお兄ちゃんの携帯」
ミリヤ「え」
カチャ
妹「録画モードになってる」
ミリヤ「ええ?!」
兄(まずい!)
妹「……?」
ピっ――ピ
兄(ひい)
妹「……」
ジ―
『ふがっ』
ミリヤ「ちょ」
『……』ふにゃ
妹「お兄ちゃん何してるのよ…」
『キス……してくれたら』
ガシっ―ピっ
カチカチカチカチっ
ポイっ――ガコンっ
兄(マイサン!)
ミリヤ「はあ!はあ! なに、誰、誰かしらね!!」
妹「あの、先輩」
ミリヤ「は、はい」
妹「……」
ノソっ
妹「のしかかってすいません。重かったですよね」
スっ――ギュ
ミリヤ「べ、べつに」
スクっ
妹「……ていうか、何ですかあれ」
ミリヤ「知るかっ」
妹「なんで、あんな可愛いこと言っちゃってるんですか!」
ミリヤ「どう見ても、誘導されて言わされてたでしょうが!」
妹「なら、本心ではないってこと?」
ミリヤ「そ、そうよ」
妹「喧嘩したままでもいいの?」
ミリヤ「……それは、夏祭りでケリがついて」
妹「いいけど、それでも……」フイ
ミリヤ「ああ、もう!」
チュっ
妹「……ッ」
ミリヤ「これでいいわけ。あんたは、ホント子どもなんだから」
妹「頬っぺた」
ミリヤ「他にどこがあるのよ」
妹「い、いえ」
ミリヤ「……」
妹「ふふっ……くすくす」
ミリヤ「なーに、笑ってるのかしら?」
妹「ミリヤ先輩って、優しいなって思って」
ミリヤ「なによそれ。頬にキスくらい誰にだってするわ」
妹「ふーん……誰にだってするんですか」
ミリヤ「そうよっ」
妹「……」じっ
ミリヤ「何も特別なことじゃ」
妹「先輩を困らせたいわけじゃないので……それでもいいですけど」
妹「ただの後輩だったから、ただのファンだったから、この距離感がこうやって喋れていることが全部特別なんですよ」
ミリヤ「大げさね」
妹「そうかも……」
ミリヤ「これから嫌でも普通にしてやるわよ」
妹「どうして、そこまでしてくれるんですか?」
ミリヤ「それ、聞く?!」
妹「どうしてです?」ニヤニヤ
ミリヤ「言わない。あんたの茶番に付き合うのはおしまいよ。帰るし」
スタスタっ
妹「えー、先輩」
タタタタっ
兄「ふいー」
ガタガタ
兄「俺の携帯も持って行ったのか」
兄「とんでもないもの見ちまった」
ガラっ
トタトタ――ピタ
兄「…うおっ」
下級生「……」
兄「なにやってんだよ」
下級生「せんぱい、幸せそう」ポロポロ
兄「ケツからバット咲かせて言う台詞じゃねえな」
正門
妹「お兄ちゃん、遅い」
兄「すまんすまん。先生と話してたら長くなった」
妹「これ」
カチャ
兄「おー、俺の携帯じゃん」
妹「おー、俺の携帯じゃん! じゃ、ない!」
兄「まあ、詳しいことは帰ってから聞いてやるよ」
ガチャっ――ブルンっ
妹「もー! それは、こっちの台詞なんですが」
トサっ
兄「出発しまーす」
妹「もうっ」
兄「お前は牛か」
妹「誰が牛よ!」
ブロロロ――
続く?
今日はここまで
乙
もっと続いてくれ
続けなさい、さらば救われん
俺が。
今夜も暑いのでちょっと続けます
3年生の教室
先生「補習組のみなさん、出席をとります」
先生「粟飯原さん」
はい
先生「小此木さん」
はい
先生「ミリヤさん」
ダダダダっ
先生「ん?」
妹「っせい!」
ブンっ――ゴロゴロっ
グシャっ
ミリヤ「……」シュー
妹「遅れてすみませんっ。じゃあ、頑張ってくださいね。ミリヤ先輩」
ガラガラ――ピシャ
先生「だ、大丈夫ミリヤさん?」ビクっ
ミリヤ「あの女、マジで許さん……」ゆら
先生「無傷……」
ミリヤ「遅れてすみません」
先生「い、いいのよ。では、補習を始めますね」
ミリヤ「はい」
――――
―――
―
グラウンド
妹「はあ、夏休みに学校に来ることになるなんて。図書室目的以外じゃ初めてね」
テクテク
妹「ていうか、補習あるのに寝坊ってどういうことかしら。あのライブバカ」
妹「今日遅刻して、明日の夏祭りに再補修とかになったりとかしたらどうしてくれるのよ」
妹「……」
ケリっ――コロコロ
妹「補習の教室って、確かあの辺か」
トサっ
妹「やることないし、しばらく眺めてよ」
ミーンミーン
妹「あつー」
パタパタ
妹「……でも、どうせ終わるのお昼なのにここで待つ意味よね」
妹「なんで、明らかに無意味なのに……待ってたいって思うのか不思議」
妹「あー、はやくおわれー!」
バタバタっ
女生徒「あら、妹ちゃん」
妹「あ」
女生徒「ミリヤちゃん待ってるの? 暑いのに外でえらいねえ」
妹「いえ、そんな」
女生徒「汗もすごいし、はいハンカチ」
妹「だ、大丈夫です。こんなの水かけといたら」
キュキュっ
ブシャアア!
妹「ぶわあ?!」
ぴちゃぴちゃ
妹「ぺっぺっ」
女生徒「あら、大変。脱がないと」
妹「でも、替え持ってきてなくて」
女生徒「水着ならあるわ」
妹「あ、いいです」
女生徒「遠慮しないでいいよー」
妹「遠慮、してないです」
女生徒「脱いで見せて?」
妹「直球ですね!?」
女生徒「シャワー室でちょっと化粧水の実験台になって欲しいなあ」
妹「化粧水の実験台って、もはやいかがわしい響きにしか聞こえないですけどっ」
女生徒「っていうのは冗談で、今プールが解放されてるから使わない? 気持ちいし、良い暇つぶしになるし、その間に制服も乾くしメリットばかりだよ」
妹「考えさせてもらえたら……」
女生徒「うん?」
寝ます
おやすー
いいね
妹「先輩の目つきとか手つきとかが気になるので」ビク
女生徒「何もしないよ」
妹「あ、何もしないんですね」
女生徒「ちょっとだけ」
妹「ちょっとだけですね」
女生徒「うん」
妹「……」
女生徒「……」
妹「あ、お兄ちゃん!」
女生徒「え?」クル
妹「さらばっ」
シャカシャカっ
女生徒「無駄だよ」
にょきっ
下級生「逃がしません!」
ガシっ
妹「あんた、今、どっから湧いた?!」
女生徒「買収したのー」
下級生「されましたー」
妹「なに、お兄ちゃんみたいなことに」
下級生「妹先輩、固いこと言わずに行きますよ!」
ズルズルっ
妹「昨日お尻にバット一輪挿しされたのに懲りてないの?」
下級生「あんなの、ご褒美です」
妹「制裁だったはずなんだけど」
眠すぎるのでここまで
乙乙
乙
レズレイプはよ
女生徒「そんな楽しいことしてたの? どうしてよんでくれないのー?」
妹「呼びませんから」
下級生「バットは、部屋のベッドの上に置いていつも寄り添って寝てますよ」
妹「……なんてこと」
妹(暑さのせいか、二人の言ってることに全く理解と共感ができない)
女生徒「下級生ちゃん、抜け駆けはよろしくないなあ」
下級生「そんなつもりしかありませんけど」
女生徒「この兄妹を辱めて楽しむのは、一人で十分かな」
下級生「喧嘩売ってます? 買いますよ」
妹(なにこれなにこれなにこれ)
ソロソロ
下級生「逃がしません」
ガシッ
妹「うええっ」
下級生「上半身は譲りますから、下半身はください」
女生徒「……しょうがないねー」
妹「どういうこと? ね、どういうこと?!」
女生徒「分かってるくせに」
妹「わ、わかりませんが」
下級生「なら、分かって頂けるようにするだけですね」
妹「いい、いいわよ、遠慮する」
下級生「はあッ…はあッ」
サワサワ
妹「きゃッ?!」
女生徒「一人で盛り上がってるなあ」
モミモミ
妹「や……めッ、ミ、ミリヤちゃ……助け」
『妹ー!』
妹「え」
女生徒「あれ、この声」
下級生「上の方から聞こえたような」
フイッ
『ちょっと!!』
女生徒「あの窓からこっち向いて叫んでるの、ミリヤちゃんだ」
『何しとんじゃ! おんどら!』
下級生「口、悪ッ」
『人の! 人の……って、あ、先生、すみませんッ、ちが、あ、やめ、ァッ』
女生徒「あ、消えた」
下級生「なんだったんですかね」
女生徒「って、妹ちゃんがいない」
下級生「ちッ、逃げられたか」
女生徒「争ってる場合じゃないから、協力しよっか。私、こっち探すね」
下級生「捕まえたら連絡ください」
女生徒「うん」
タタタタッ
ガサッ
妹「行ってくれた……」
妹「なんで、こんなことに」
妹「でも、ミリヤちゃん凄く怒ってた」
妹「人の、何って言おうとしたのかしら」
妹「学校は危険だし、家に帰ろっかな……」
妹「あ、図書館あるじゃない……」
妹「……先輩の習ってる範囲予習しとくか」
図書室
妹「すずしー……」
妹「さすがにあの二人もここには来ないよね」
下級生「ところがどっこい」
ぬッ
妹「わ!?」
にょきッ
女生徒「そんなこともなく」
妹「きゃッ!?」
下級生「じゃ行きましょうか」
ガシッ――ずるずる
妹「や、やめ」
ずるずるずるずる――
眠すぎるのでここまで
この妹はどんだけ魔性の女なんですかねえ…
妹「そんなに絡み合いたいなら、二人でしたらいいじゃないですか!」
下級生「私は妹先輩しか」
女生徒「ああ、確かに」
下級生「……うん?」
女生徒「嫌がる妹ちゃんもいいけど、他に好きな人がいるのに体をゆだねてしまう下級生ちゃんも見てみたい……な?」
下級生「な、って」
妹(先輩、ほんとにみさかいない)
妹「じ、ゃあ、あとは若いお二人にお任せするわねー……」
下級生「ま、待って」
女生徒「プール、行こうか」にこ
下級生「ふ、ふえ」びく
がしっ
下級生「せ、せんぱ」
女生徒「先輩は助けてくれないよー」
妹(ごめんなさい、下級生ちゃん)
お昼
図書室
妹「あー、やっと勉強できた……って、もうこんな時間」
妹「ミリアちゃんもう終わってるくらいか……」
カタン
妹「飲み物でも買ってあげ」
妹(あ、そういえば私ミリアちゃんの好きなもの知らない。プロフィールではおつまみが好きって書いてあるけど、あれじゃ味の好みが判断できないわよ)
妹(2、3本買っていってあげるか)
3年の教室
妹「ミリヤ先輩?」
ミリヤ「おう……」グテ
妹「半日椅子に座ってただけで、だらしないなあ」
ピトっ
ミリヤ「冷たっ」
ガバッ
妹「ジュース、甘いのと、炭酸と、お茶どれにします?」
ミリヤ「気が利くじゃない。お茶がいいわ」
カシュッ
グビグビ
ミリヤ「くーっ、体にしみるわ!」プハッ
妹「ライブじゃ、あんなに可愛いのに」
ミリヤ「な、今は可愛くないって言うの?」
妹「そういうわけじゃないですけど」
ミリヤ「……」じっ
妹(言って欲しいのかな)
妹「世界一可愛いくて、特別です。」じっ
ミリヤ「そ、そう」
妹「ミリヤ先輩」
ミリヤ「そ、そうだ、勉強した所でよく分からないことがあってさ、教えてほし」
むぎゅ
妹「先輩、なんでそんなにちっちゃくて可愛いんですか……」
グリグリ
ミリヤ「……っ」びく
妹「抱っこしたくなるじゃないですか」
ミリヤ「もうしてるんですけど」
妹「えへへ……ほんとだー」
ミリヤ「誰か来たらどうするのよ」
妹「来て困るようなことですか? じゃれあってるだけにしか見えないのに。まあ、でもミリヤ先輩に近づく人が減るかも?」
ミリヤ「私はファンには平等に接したいわけよ。なのにあんたときたら、人の目がないときだけは強気なんだから」
妹「ミリヤ先輩」
ミリヤ「そ、そうだ、勉強した所でよく分からないことがあってさ、教えてほし」
むぎゅ
妹「先輩、なんでそんなにちっちゃくて可愛いんですか……」
グリグリ
ミリヤ「……っ」びく
妹「抱っこしたくなるじゃないですか」
ミリヤ「もうしてるんですけど」
妹「えへへ……ほんとだー」
ミリヤ「誰か来たらどうするのよ」
妹「来て困るようなことですか? じゃれあってるだけにしか見えないのに。まあ、でもミリヤ先輩に近づく人が減るかも?」
ミリヤ「私はファンには平等に接したいわけよ。なのにあんたときたら、人の目がないときだけは強気なんだから」
妹「そうでしたっけ」
ミリヤ「そーよ。どっちが可愛いんだか」
妹「変な所見てるんですね」
ミリヤ「目につくわ。嫌でもね」
妹「ミリヤ先輩でも、そういうこと分かるんだ……」
ミリヤ「失礼な奴め……」
妹「じゃあ、今なんで抱っこしてるか当ててみてください」
ミリヤ「触ってると落ち着くから」
妹「……」
ミリヤ「違うの?」
妹「そうですよ。なんでそう思ったんですか?」
ミリヤ「あんた分かりやすいのよ。甘えん坊」
妹「妹なので」
ミリヤ「しゃーないわね」
ぎゅう
妹(抱き締め返してくれた……嬉しい)
ミリヤ「……あつ」
妹(さっきからミリヤちゃんから、甘い匂いが)
ぽふ
すんすん
ミリヤ「ん……ちょっと胸に顔埋めて人の体嗅がないでよ」
妹(吸い込まれる)
妹「こっち向いてくれませんか」
ミリヤ「いいけど」チラ
妹「触れたい所があるんです。ミリヤ先輩は、嫌かもしれないですけど」
ミリヤ「そんなの、やってみないと分からない話よ」
妹「いいんですか」
ミリヤ「う、ええ」
妹「じ、じゃあ」
クイ
ミリヤ「なんで顎つかむわけ」
妹「え、キスしようと思って」
ミリヤ「げ!?」
妹「なんでそんなに驚くんですか。しかも、まったく色気なく」
ミリヤ「せ、せいぜい頭撫でるくらいかと」
妹「いや、うーん」
ワシャワシャ
ミリヤ「なでるんかい」
妹「先輩のお子さま思考」
ミリヤ「ちっ、ほっぺた貸しなさいよ」
妹「はい」
スッ
ミリヤ「……」
チュ
妹「もう一回」
ミリヤ「ぐ」
チュ
妹「まだ、足りない」
ミリヤ「あたしのキスはそんなに安くないんだからね……」
妹「はい……」にこ
ミリヤ「ちゃんとねだってみなさい」
妹「言うじゃないですか……じゃ、唇にお願いします」
ミリヤ「……」ドキ
妹「ここに、欲しい」
トン
ミリヤ「甘えん坊」
チュ
ミリヤ「……っ」
チュパッ
ペロッ
妹(柔らかくて溶けそう)
ミリヤ「はぁ……っ」
妹「ん……」
ピチャッ
レロ
ミリヤ「ぁ……っ」
妹(舌、当たった)
ミリヤ「ふ……っ」
妹(憧れだったミリヤちゃん。届かないと思ってたのに)
ミリヤ「ねえ」
妹「はい」
ミリヤ「キスっ、止まらない、ごめん」
チュポッ
チュル―
妹(あれ、なんかさっきより舌の動き……やらし)
今日はここまで
乙
生殺しー
ふぅ…
ミリヤ「は……っ」
妹(……嬉しい、はずなのに、あれ……なんか違う?)
チュ
妹(一生懸命に……してくれて、私のしたいようにしてくれてるわよね)
チュ
ミリヤ「なに、ぼけっとして? 私のキスそんなに良かった? うん?」ドヤ
妹「はい……」ゾク
妹(なにがいけないの。私、何に満足できてないの)
ミリヤ「じゃあ、どうして、不満そうなの」
妹「え、そんなことないです」
ミリヤ「あんたからねだっておいて、全くなんなのよ」
妹「あ」
ミリヤ「ん?」
妹「そっか」
ミリヤ「おーい?」
妹「私、ねだりたいわけじゃないんだわ。ねだられたいんだ」
ミリヤ「し、しないわよ」
妹「まだ、何も言ってないじゃないですか」
ミリヤ「腹黒い顔した」
妹「してませんよ」
ミリヤ「いーや、したわ」
妹「だから、ただ私は……されるだけなのって性に合わないなって」
グッ
ミリヤ「なんでそこで、強く手を握る?」
妹「逃げないように?」
ミリヤ「……」
カツカツ―
妹「靴音……ミリヤ先輩、廊下の方のに来て」
グイグイ
ミリヤ「妹、あの、お腹すいたから、あたしご飯食べたいのよねー……?」
妹「えっと」
ミリヤ「だめ?」ニコ
妹「もう少し空かせましょうよ」ニコ
ちょっとここまで
乙
ゆっくりでいいからじっくりたっぷりやってくれよな~頼むよ~
ミリヤ「ちょ、ちょっとなんで急に立場が逆転するわけ」
妹「こんなに可愛い先輩に攻められるのって、ちょっと納得いかなくて」
ミリヤ「だから」
妹「しッ」
ギュ
ミリヤ「わ……ッ」
ドサッ
カツカツカツ――
先生「誰かいるのか?」
ミリヤ・妹「「……」」
先生「気のせいか」
カツカツ――
眠気に勝てないのでねます
おぅふ、いいところでぇ
いいねー
ミリヤ「……」ゴク
妹「ミリヤ先輩、心臓の音凄いですよ」
ペた
ミリヤ「触んなッ」
ぺちぺち
妹「いたいいたい」
ミリヤ「この変態」
妹「先輩だってさっきキス止まらないって言ってたくせに」
ミリヤ「あー、あー、聞こえない」
妹「うわ、それする人始めて見た」
コショコショ
ミリヤ「どわッは!?」
妹「くすぐったいです?」
ミリヤ「なにすんのばか!」
コショコショ
妹「あひゃひゃッ!?」
―――
――
―
妹「はあッ……はあッ」
ミリヤ「あんた、自分から雰囲気ぶち壊しにきてんじゃないわよッ……はあッ」くて
妹「おかしい。こんなはずじゃないのについ体がむずむずして」
ミリヤ「ガキねー……っと」
スクッ
ミリヤ「あっつー、もお汗かいちゃったじゃない」
パタパタ
ミリヤ「ほら、手」
妹「あ、はいッ」
ギュ――スクッ
ミリヤ「脳みそも体もくたくたよ」
テクテク
妹「ごめんなさい……えへへ」
ミリヤ「ま、いいけどね」
妹「……」ニコ
次の日
兄妹の家
ミーンミーン
兄「ミーン、ミーン」
妹「お兄ちゃん何してるの」
兄「セミのマネ」
妹「ふーん、うるさいから止めて」
兄「はい」
妹「あ、それと下駄どこだっけ」
兄「下駄? なんに使うんだそれ」
妹「もー、今日夏祭りに行くって言ったでしょ」
兄「ああ、そういや」
妹「使えないんだから全く」
兄「妹よ、お兄ちゃんにはたこ焼きを頼む」
妹「は? お兄ちゃん、行かないの?」
兄「誰からも誘われてないのにか?」
妹「ほら、女生徒さんとか後輩ちゃんとか」
兄「いや、あいつらとそういう仲じゃないし」
妹(……今さらだけど、お兄ちゃんの将来が心配)
兄「兄を下等な生き物のような目で見るな」
妹「み、見てないし」
兄「動揺するなばかやろう」
ピンポーン
妹「あ、ええ?! うそ、もうこんな時間?! お兄ちゃんのばか!」
兄「俺のせいじゃなかろう」
妹「浴衣にも着替えてないのにッ」
兄「任せろ」
妹「え」
兄「お兄ちゃんは、こう見えて浴衣の着付けができる」
妹「マジか」
兄「浴衣はどこに?」
妹「え、あ、そこ」
兄「うむ」
シュルル――
妹「ま、まって、お、おに」
兄「ミリヤが待ってるんだろう」
妹「う、うん、そうなんだけどね」
兄「可愛く着付けてやるから、安心しなさい」ニコ
妹「ひいッ」
数分後――
妹「……うえ」
ふらふら
兄「苦しいか?苦しかろう。しかし、着崩れする方が困るのだぞ」
妹「可愛く帯がアレンジされてるのがむかつく……」
兄「ほーれ、行って来い」
パンッ
妹「わッ」
トン、トントン
兄「俺の分まで楽しんで来いよ」
妹「……は、はあ」
妹(変なお兄ちゃん)
―――
――
―
トタトタッ
ガチャ
妹「す、すいません、ミリヤ先輩」
ミリヤ「おっそいわね」
チリンッ
妹「……わあ、可愛い」
ミリヤ「当たり前よ。あんたもまあまあじゃない」
妹「あ、私なんてそんな」
妹(兄に、着付けてもらったなんて言えない)
ヒョイッ
兄「だろう? なにせこの浴衣は俺が着付けてやったからぐは!?」
ドサッ
妹「行きましょうか」
ミリヤ「ひえッ……」ブルブル
カコンカコン
妹「手、繋ぎましょうよ」
ミリヤ「人目に付く所はいや」
妹「えー」
ミリヤ「ぷッ、冗談よ。って、あんた背中に何か張ってあるわよ」
妹「え」
ペラっ
ミリヤ「たこ焼き……」
妹「……」
とある神社
ガヤガヤ
妹「うわあ、人多いですね」
ミリヤ「はぐれないようにね」
妹「あ、はい」
ミリヤ「あんた、今、それ私の台詞とかって思ったでしょ」
妹「そんなことないですよ。先輩の自意識過剰」
ミリヤ「ぬわんだとッ」
妹「あ、焼き鳥あるッ、焼き鳥食べましょう」
カッカッカッ
グイ
ミリヤ「あ、もうッ」
おっちゃん「はい、タレと塩ね」
ガサッ
妹「わーいッ」
ガサガサッ
妹「はい、先輩口開けてー」
ミリヤ「あー」
妹(……え、そこは恥ずかしがる所では)
ミリヤ「何してんのよ」
パクパク
妹(金魚みたいで可愛い)
妹「あーん」
スッ
ミリヤ「あむッ」ムグムグ
妹(あーんは、先輩の中では普通なのか…メモしとこう)
ミリヤ「ほら、口開けなさい」
妹「あ、は、はい」んが
ミリヤ「ほれ」
スッ
妹「あむ……」スカッ
ガチガチッ
妹「あれ?」
ミリヤ「……あむ」モグモグ
妹「あー! ひどーい!?」
ミリヤ「ひっかかったわね!」
妹「ま、まさか、このためにあえてあーんをしたの?!」
ミリヤ「そうよッ」
妹「先輩、可愛い!」
ぎゅッ
ミリヤ「んがッ」
―――
――
二人の後方
兄「さーて、カメラ起動っと」
ジー
兄「今日はさぞ良い映像がとれるはず」
兄「友がいい値で買い取ってくれれば、これもいい商売になるぜ」
カコンッ
後輩「兄先輩、まだそんなせこいことしてたんですか」
兄「げッ、後輩ちゃん」
女生徒「兄君も、今日はお金のこと忘れて夏祭りを楽しもうよー」
兄「俺に金を使わせる気か」
後輩「なに言ってるんです。ほーら、エスコートしてください」
グイッ
兄「こ、こら」
女生徒「お二人の邪魔しちゃ悪いし」
後輩「そうですよ」
兄「女生徒はまだいいとして、後輩ッ、お前はそんなキャラじゃなかっただろッ」
後輩「私? 私は、お姉様に良くして頂いてるんですから、お姉様の言うことに従うだけですもん」
兄「え、なにそれ」
後輩「ね、お姉様」
女生徒「うれしいなー、ありがとうね」ニコ
兄「怖い怖い。それを世間では洗脳って言う」
女生徒「違うよ?」
兄「……」
女生徒「違うでしょ?」
兄「あ、ハイ」
―――
――
―
妹「もぐもぐ……」
ミリヤ「あんたよく食べるわね。焼きそば、フランクフルト、きゅうり、コーン、たこ焼き……」
妹「育ちざかりですので。先輩こそ、全然食べてないじゃないですか、はい」
ミリヤ「あんたが食べすぎなのよ。見てるだけでお腹いっぱいよ」
妹「えー」
ミリヤ「好きなだけ食べなさい」
妹「一人でデブれってことですね……分かりましたよ」もぐ
ミリヤ「んなこと言ってないっつの」
ガサガサ
ミリヤ「あ」
妹「なんですか」
ミリヤ「りんご飴買い忘れてた」
妹「ああ、なんだか物足りないと思ったら」
ミリヤ「ちょっと待ってて。すぐそこにあったから買ってくる」
妹「え、いいですよ。私、買ってきます」
ミリヤ「両手に食べ物しっかり握ってんじゃないの。物足りないんでしょ? 行ってくるわ」
妹「あ、ありがとうございますッ」
――――
―――
――
妹「フー……あ、けっこう良い感じに」
ポンポン
妹(口の周り、ソースとかついてないわよね)
パカッ
妹(良かった。ついてない)
妹(浴衣もちょっと苦しいの慣れてきた……けど、あれ、これ緩んできてる?)
ガサッ
犬「わんッ」
妹「あ、かわいい、柴犬だ。首輪してる……あれ、迷い犬?」
犬「っはっは」
タタタッ――ピョンッ
妹「きゃッ」
どさッ
妹「もお、急にだめじゃないッ」
ペロン
妹「わッ」
犬「っへっへ」
妹「やりおったなーッ…ワシャシャッ」
しゃかしゃかッ
犬「くうんッ」
ブルブルッ
妹「どわ、唾がッ」
どさッ
妹「こやつめえ」
犬「クン?」
―――
――
―
ミリヤ「……あんた、何やってんのよ」
妹「どうしてこうなったのでしょう」
犬「ワン!」
タタタッ
妹「あ、ばいばいッ」
ミリヤ「浴衣着崩れちゃってるじゃないッ」
妹「は、はい」
ミリヤ「そこのトイレかなり込み合ってたから、打ち上げ花火の時間まで間に合わないかもしれないわねえ……」
妹「このままでも全然かまわないけど」
ミリヤ「それで人にぶつかり続けたら、大胆なことになるわよ」
妹「そ、それは嫌かも」
ミリヤ「でしょ? あそこ、茂みと木の影で周りから見えないし、ちょっと直してあげるから行くわよ」
妹「先輩、頼りになるッ」
ミリヤ「まあね」
シュル
妹「……」
妹(脱がされてるみたい……あはは)
ミリヤ「脱がしてるみたいね」
妹(心読まれたッ)
ミリヤ「……」
シュルシュル
妹「ん?」
シュルシュル
ミリヤ「えい」
ギュッ
妹「えっと、なんで腕ごと縛るんですか、先輩ったらお茶目さんなんだから」
ミリヤ「口閉じなさい」
チュッ
妹「わッ」
ミリヤ「ちょっと、キスしたい気分になっただけよ……」カア
妹「……や、やだなあもお」ドキ
ミリヤ「ごめん」
妹「そんな風に言われたら嬉しくて泣いちゃいますよ」ドキドキ
妹(あ、やばい。人生で一番ドキドキしてるんじゃない?)
妹「えへへ……」カア
妹(頬、あっつーい……)
ミリヤ「もう一回いい?」
妹「どうぞ」
ミリヤ「……ん」
チュ――チュパッ
妹「腕ほどいてもらってもいいですか?」
ミリヤ「だめ」
妹「なんでッ」
ミリヤ「もうちょっとだけ」
妹「ええ――んむッ」
ミリヤ「可愛いわよ、妹」ニヤ
妹(えー、私が言いたいのにッ)
ミリヤ「はあッ……」
妹「ッぁ……む」
ミリヤ「キス…気持ちい」
カプッ
妹「み、みみッ……や、だめ」
カクンッ
トサッ
ミリヤ「そお、そこが弱いのね」
妹「ちが」
カプッ
ペロッ
妹「ひあッ」ゾクゾク
ミリヤ「……」
ペロペロ
妹「あ、あ」ゾクゾク
ミリヤ「その顔、そそるわよ」
妹「何言ってッ」
ミリヤ「ふふふッ、あんたのその余裕ぶった皮を剥いでやるわ」
ペロペロ
妹「ひやあッ」
ミリヤ「ここがええのんかッ」
妹「先輩、やめッ……はあんぅ」
妹「誰か、来たらッ」
ミリヤ「どの口が言うのかしらね」
妹「く、くそおッ」
ミリヤ「あっはは、辱められて悔しがりなさいッ」
ペロペロ
フニフニ
妹「ちょ、んッ……あうッ……はあッ」
ミリヤ「……っはは」ピタ
妹「はあッ……はあッ」
ミリヤ「すごい恰好」
妹「先輩のせいですからねッ」
ミリヤ「……襲ってるみたい」
妹「その通りですよ?!」
ミリヤ「だって、あんたが強がってくるからついいじめたくなるのよね」
妹「今じゃなくてもいいじゃないですかッ」
ミリヤ「この後ならいいの?」
妹「お、おう」
ミリヤ「おうって」プッ
妹「うー……」
ミリヤ「ま、この辺にしといてあげる」
シュル
妹(……ここで止められるのもそれはそれで困る……)
ヒュルルウ―――
ミリヤ「うん?」
ドンッ
パッ
妹「あ」
ミリヤ「花火のことすっかり忘れてたわね」
ポンッ
妹「先輩ッ」
ミリヤ「はいはいッ」
シュルシュル
ギュッ
妹「うえッ」
―――
――
―
ヒュルル
ドンッ
パアッ
ミリヤ「綺麗……」
妹「はい」
ミリヤ「抱き着かないのね」
妹「節操ない人みたいに言わないでくださいよ」
ミリヤ「こうやって、あんたの隣で見ることになるなんて思わなかった……」
妹「彼女になるんですかね」
ミリヤ「彼氏?」
妹「あ……好きな人ですね」
ミリヤ「うん……まあ、そうね」
妹「先輩」
ミリヤ「うん?」
チュ
ミリヤ「……ん」
妹「ッ……」
ミリヤ「……そう言えば聞いたことなかったけど、妹って、私のこといつから好きなの」
妹「え、そうですね……先輩が路上ライブしてた頃くらいから」
ミリヤ「その頃か。ありがとうね」
妹「私は何もしてないですよ?」
ミリヤ「ううん、今の私があるのはあんたたちのおかげ。それから」
トンッ
妹「先輩?」
ミリヤ「……この気持ちはあんたのおかげ」
妹「……それは、私も先輩のおかげです」
ミリヤ「今まで、誰か一人を好きになるなんて無かった。我がままで馬鹿なあたしのこと知って離れない人なんて、マネージャー達くらいだった」
妹「みんな見る目ないんです」
ミリヤ「あんた、ほんと私のこと好きね」
妹「ダメですか?」
ミリヤ「なわけないでしょ」
ギュッ
妹「嬉しいです、とても」
ギュッ
ミリヤ「……妹、今日、帰らないで」
妹「え、えっと」
ミリヤ「お願い」
妹(初めて、おねだりされた……)ゾク
妹「はい……」
帰り道
妹「あ」
ミリヤ「なに」
妹「お兄ちゃんにたこ焼き買い忘れてました」
ミリヤ「……今は他の人のこと考えない」
グニッ
妹「ひゃ、はい」
ミリヤ「あと、手、繋ぎなさい」
妹「よ、喜んで」
ギュッ
妹(先輩の手、ちょっと汗ばんでる……緊張してるの?)
ミリヤ「ちょっと、コンビニ寄って行くわよ」
妹「はーい」
コンビニ
妹「なに買ったんですか」
ミリヤ「家に飲み物とかないから、お水とか」
妹「一人暮らしされてるんですか?」
ミリヤ「そうよ」
妹「すごい」
ミリヤ「家にいたって、親以上になんてなれないもの。あたしはもっと羽ばたきたい」
妹「……」
ミリヤ「妹?」
妹「カッコいい……」
ミリヤ「もっと、褒めていいのよ」
妹「調子に乗るので止めておきます」
ミリヤ「こなれてきたわね……」
妹「ふふふッ」
とあるマンション
ミリヤの部屋
妹「お邪魔しまーす」
ガチャン
カチンッ
妹「オートロック……すごーい」
ミリヤ「妹」
チュ
妹「んッ」
ミリヤ「……可愛い」
妹「ミリヤ……せんッ」
チュパッ
妹「ここ、玄関ッ」
ミリヤ「あんたがあたしを子ども扱いして煽るから……いけないのよ」
シュルルル――
ミリヤ「人がどれだけ我慢してあげたと思ってるの。浴衣、全部脱ぎなさい」
妹「え、あの」
ミリヤ「早くしないと酷いわよ?」
妹「で、でもここ玄関で」
ミリヤ「遅い」
グイッ
プルンッ
妹「きゃ!?」
ミリヤ「いい? 私を全力で受け止めなさい」
ペロ
妹「み、耳はぁ…」
カクンッ
ミリヤ「……あむ」
はむはむ
ペロペロ
妹(さっきの刺激で、敏感にッ)ビクン
ミリヤ「耳でも、イケる人っているみたいよ」
妹「ま、まさかだめむりですッ、これ以上は」
ミリヤ「だーめ」ニコ
妹「……ァ」
ペロペロ
妹「……ッぅア」ビビク
サワサワ
クリッ
妹「ひんッぁ」ビク
ミリヤ「乳首コリコリじゃない……ほぐしてあげる」
クリッ
クリッ
妹(それ逆、効果ああ!?)
妹「むりッ、むりですッ……ァ!?」
ペロッ
チュパッ
妹「だめだめだめッ!?」
ミリヤ「だめだめ、うるさい」
あむ――ちゅる
妹「んうッ!」
ミリヤ「あんた、私の方が一年長く生きてること忘れ過ぎなのよ」
スリ――ヌル
妹(だって、こんなに上手いなんて…思わな)
妹「せ、先輩そこきたな」
ミリヤ「下着までしみ込んでぬるぬるね」
ヌルヌル
妹「そここすらないでッ先輩ッ」
ミリヤ「ぷっくりして、触って欲しそうだけど?」
妹「そんなこと……ッぁ」
ヌルヌル
ペロペロ
妹「いっぺんに触らないでッ……変になるッ……からぁ」ビク
ミリヤ「どれくらいいじったらイクのかしらね?」ニヤ
ペロペロ
妹「ッ……」ギュ
ミリヤ「声、我慢するの?」
コリコリ
ヌルヌル
妹「……ッ」
ミリヤ「私を本気にさせた罪は重いわよ」
ヌルヌル――ツネッ
ぎゅッ
妹「……ひあ!?」ガクガクッ
ミリヤ「つねられると、すごいでしょ?」
妹「ほんとに、もう、むりです……ッもやめ」
ミリヤ「……そうね、じゃあ」
妹「あ」ほッ
ミリヤ「もう少し続けてあげるわ」
コシュコシュッ
ヌルヌル
妹「うんんッ!?」
ぱッ
ミリヤ「なんてね」
妹「はあッ……はあッ…ふッ」
ミリヤ「可哀想だからいったん休憩」
妹「せ、先輩」
ミリヤ「嫌なのに無理させちゃったわね」
妹「……ッ」
妹(わざとだ。わざとやってる。先輩は、やっぱりめんどくさい性格だった……)
ミリヤ「喉かわいたでしょ? お水飲む?」
トタ――
ギュッ
ミリヤ「なによ?」
妹「ばかッ……ミリヤ先輩のばかッ……」
ミリヤ「ばかだもーん」
妹「その開き直り方やめてくださいっ……ぷ」
ミリヤ「で、なに」
妹(言わせる気しかないくせに……)
ミリヤ「おねだり、されたいの? したいの?」
妹「……う、し、したい方です」
ミリヤ「聞いてあげようじゃない」
妹「……ぐう、やっぱりなんでもないです」
ミリヤ「あら、そう」
トタトタ―
妹「う、嘘ですッ、ごめんなさいッ、もっと……ちゃんと触って、お願い」
ミリヤ「優等生にしては、及第点ね」
ぺち
妹「う」
ミリヤ「じゃあ、汗もかいたし続きはお風呂で」
妹(私、焦らされてる……)モジ
風呂場
シャアア――
チュパッ
チュルッ
妹「ん……」
ミリヤ「足、開いて」
妹「えっと」
ソッ
ミリヤ「あむ」
ピチャピチャッ
妹「舐め?! ま、さすがにそッンアこは!?」ゾクゾク
ガシッ
ミリヤ「いみゃさりゃね」ペロ
ピチャッ
妹「刺激ッ……強すぎてッ」
妹(なのに、ミリヤ先輩がしてくれてるって思うだけで、拒めないッ……)
ミリヤ「舌、入れへるのわはる?」
グニグニ
妹「……ッ」コクコク
ミリヤ「可愛い声なんだから、もっと聞かせなさいよ」
妹「声、余裕……ないですッ」
ミリヤ「だから、その余裕のないのがいいんじゃない」
ペロペロ
妹「ばかあッ」ビク
ミリヤ「好きよ、妹」
妹「そんな所に告白しないでええッ」カア
ミリヤ「クリトリスじゃ、物足りなさそうじゃない」
妹「クリ……ッ」カア
ミリヤ「指、入れてあげる」
ツプッ
妹「わッ!?」
ミリヤ「大きな声出さないでよ」
妹「入れ、入れたッ!?」
ミリヤ「入ってまーす」
妹「びっくりした。びっくりしたじゃないですかッ」ポロ
ミリヤ「な、泣くことないじゃない」
妹「へ、あ、これはびっくりして……さっきから脳が追いついてなくて……」
ミリヤ「あー……ごめんごめん。一辺にし過ぎた」
ヨシヨシ
ポンポン
妹「ずるい…」ゴシゴシ
ミリヤ「何が」
きょうはここまで
やっぱりもうちょい続けます
妹「急にお姉ちゃんになるのずるいッ」
ミリヤ「はあ?」
妹「ずるいわよ……」ポロポロ
ミリヤ「泣くな泣くな」
妹「ていうか…もう立ってられない」
カクンッ
ミリヤ「わ、と!」
グラッ――ガシ
トサッ
ミリヤ「あぶな」
妹「……先輩、ほんと胸ない」
ミリヤ「あるわよ! 触ってみなさいよ!」
妹「うん」
フニ
ミリヤ「ほら」
妹「うん」
グリグリ
ミリヤ「ちょっと、急に顔押し付けて……」
妹「うん……」
グリグリ
ミリヤ「甘えん坊ね。家でもそうなの?」
妹「お兄ちゃんが、あんなんだから、甘えたことなんてないですよ……」
ミリヤ「なら、今日は特別。いっぱい甘えなさい」
妹「うん……」
ミリヤ「顔、上げて」
妹「先輩」
スッ――チュ
妹「好き……好き」
ミリヤ「ええ」
チュパッ
妹「……ん」
ミリヤ「もっとして欲しい?」
妹「……うん」
ミリヤ「のぼせないでよ?」
クチュッ
―――
――
―
翌朝
カリカリ
妹「ん……」
ミリヤ「起きた?」
カリカリ
妹「なに……してるの」
ミリヤ「ちょっと、良いフレーズ思いついたから、書き溜めてる」
カリカリ
妹「そっか…‥」
ミリヤ「あんた、まるっと見えてるわよ」クス
妹「あ」カア
バッ
ミリヤ「全部見せてもらったけどね」
妹「ミリヤ先輩のバカ」
ミリヤ「先輩……つけなくていいわよ」
妹「でも」
ミリヤ「あんたとは対等でいたい。敬語もなし」
妹「ミリヤ……ちゃん」
ミリヤ「ちゃんもなし」
妹「ミリヤ……」
ミリヤ「そうそう」
カリカリ
妹「……」
ミリヤ「なに、キスして欲しいのかしら?」
妹「違いま……うわよッ」
ミリヤ「なに? いまの何語?」クスクス
妹「ッむう」
ミリヤ「あんた、ほんと妹でも良かったくらい……ふふ」
妹「……妹は、いや」
ミリヤ「あら」
妹「妹じゃ、昨日みたいなことできないし」
ミリヤ「あたしは、別に気にしないけど」
キイ――カタン
トタトタ
ミリヤ「太もも、座っていい?」
妹「聞かなくても座るんでしょ?」
ミリヤ「そうよ」
ストン
妹(小悪魔……)
ミリヤ「責められて涎をたらして喜ぶ妹、可愛かったわね」
妹「た、たらしてないわよッ」
ミリヤ「下の口から」
妹「ミリヤッ!」
ミリヤ「あははッ」
ピョン――
タタタッ
妹「ちょ、待ちなさいッ」
ミリヤ「きゃー、全裸の人が追いかけてくるッ」
妹「あー、もうッ」
ゴソゴソッ
タタタッ
ミリヤ「おっぱいぷるんぷるんッ」
妹「この、オヤジッ」
バタバタッ
ミリヤ「あ」
ガッ――ドテ
ミリヤ「いったあ……」
妹「何やってるの、もー」
ミリヤ「ん」
妹「?」
ミリヤ「起こして」
妹「はいはい」
ギュッ――ヒョイ
ミリヤ「あー!」
妹「な、なにいきなり……あー!」
ミリヤ・妹「「補習!!」」
ミリヤ「やばいやばいッ」
ドタバタ
妹「服、服ッ」
ミリヤ「いや、あんたは急がなくていいんだからッ」
妹「あ、そっか」
ミリヤ「カギ、玄関の靴箱の上にあるからね」
妹「はーい」
ミリヤ「いてもいいし、帰ってもいいし」
妹「うーん……待ってるわ」ニコ
ミリヤ「そう……」
―――
――
ガチャ
妹「行ってらっしゃい」
ミリヤ「……」
チュッ
妹「……ン」
ミリヤ「行ってきまーす」
タッ
妹「うん」ニコ
妹「……ミリヤ!」
ミリヤ「んー?」
妹「大好きッ!」
ミリヤ「ええ」ニコ
おわり
このタイトルでここまで読んでくれた方ありがとう。
久々にヤンデレしなかったわ。
おまけが本編
控えめに言って素晴らしい
思い切り言って最高
乙
乙
乙
本当におまけが本編だったww
乙
よかった
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません