山城「もう不幸だなんて言わない!」キリッ! (20)

鎮守府 埠頭


山城「でもやっぱり私は不幸だわ…」ガクー orz


時雨「どうしたんだい山城?」


山城「時雨…。やっぱり私は不幸から逃れられないんだって、思い知らされただけよ…」ズーン…


時雨「…何かあったの?」


山城「えぇ…。実は、昨日映画を見に出かけたのよ」


時雨「あぁ、先週言っていたあの映画の事?」

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山城「そう…。あの映画、私以前から楽しみにしてたのよ。けど…」


時雨「期待外れだったの?」


山城「そうなの。私も最初は頑張って見てたんだけど、あまりのつまらなさに途中から寝てしまっていて…」


時雨「でも、期待していた映画がつまらなかったなんて、往々にしてあることだしそんなに気にする必要も無いんじゃないかな?」


山城「違うのよ時雨…。私が気にしているのは、映画が期待はずれだったことじゃなくて…」















山城「隣で見ていた提督に、寝顔を見られてしまったことよ…」


時雨「…え?」

山城「映画のエンドロールが始まったところで起きたんだけど、その時最初に目に飛び込んできたのは、私を見て笑っている提督の顔だった…」


時雨「」


山城「ヒドイと思わない?後で聞いたら、私が寝てからずっと私の寝顔を見ていたらしいの」


時雨「」


山城「しかもその理由が…、『映画より山城の寝顔を見ていた方が楽しかったから』って言ったのよ…」


山城「きっと私、すごい変な顔して寝ていたに違いないわ…」グスン…


時雨「」


山城「あら…?もうこんな時間…。時雨、聞いてくれてありがとう。おがげで少しはマシになった気がするわ…。それじゃ、今日も頑張りましょう」スタスタ











時雨「は?」ポツーン…

ただのノロケやな(確信

ラッキー不幸

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鎮守府 大食堂


山城「やっぱり私は不幸だわ…」ガクー orz


最上「大丈夫、山城?なんか元気なさそうだね?」つ紅茶ズズ…


山城「ありがとう最上…。やっぱり私は不幸なんだって、改めて思い知らされただけよ…」>オトハタテチャダメヨ


最上「え~?でも、時雨から聞いたよ!この前提督とデート行ったんでしょ?」>ハーイ…ズズ…


山城「そんなんじゃないわよ…。あれはただ、あの日提督も町に車で行く用事があるって言うからたまたまなのよ…」>ハァ…


山城「最寄りの駅までのバスも本数少ないし、駅も電車が少ないだろうからってね」


最上「う、う~ん…。世間一般ではそれをデートって言うんじゃないかな?」


山城「…でも、色々恥ずかしいところも見られちゃったのよ…」グスン…

最上「なんだい、まだそのことを気にしていたのかい?大丈夫だって、山城は美人さんなんだから寝顔だってとってもステキだよ!それは、ボクが保障するよ!」


山城「ふふ…、ありがとう。最上は優しいわね」グスン…


最上「そうだよ!だから山城も元気だしなよ!」


山城「でもね、寝顔見られるだけならマシだったの…。……問題はその後なんだけど」


最上「なんだけど?」












山城「その後行ったテーマパークで、私のヒールが折れちゃってね…。盛大に転んだ後、提督におんぶされて医務室まで運ばれちゃったの…」シクシク…


最上「は?」

山城「大の大人が人前でおんぶされているのよ…。周りの人も、私達を唖然としていたわ…。恥ずかしい…」カァァ////


最上「(いや…、たぶんそれは唖然としてたんじゃなくて、周りは2人に見とれてたんだと思うよ)」


最上「(山城は美人だし、提督だってイケメンの部類に入るからね…。そんな二人がおんぶしてたら、周りの人も…って!)」


最上「えぇぇ!!ふっ、2人でテーマパークに行ったの!?」


山城「ええ、そうよ…?」キョトン…


最上「ちょっと、待ってよ!映画は提督も用事があったついでに、2人で見たんだよね!?」


山城「そうね。提督は用事のついでよ」


最上「なら、なんでその後2人でテーマパークになんて行ったのさ!!提督の用事はどうしたんだよ!!?」


山城「それは私も思ったわ、そしたら提督が…」


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提督『い、いやー!実はさっき思い出したんだが、俺が行きたい店、今日は定休日だったんだよ』アセアセ


提督『あー、、ほんとに俺もついうっかりしちゃって…』


提督『あっ!そういえば、財布の中にこの前貰ったテーマパークのチケットが2枚あるんだった!』


提督『しかも使えるのは、今週までだし…せっ、せっかくだから、その…』ドキドキ…

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山城「それで、そのまま帰るのもなんだからテーマパークによって行ったの」


最上「」


山城「でも、提督も不幸よね…。せっかくのお休み行こうとしていたお店が定休日なんて…」>ウフフ


最上「」


山城「まあ、一番不幸なのは衆目を集めて笑われた私なんだけどね…」>ハァ…


最上「」


山城「あら…?もうこんな時間…。最上、愚痴に付き合ってくれてありがとう。それじゃ、午後の任務も頑張りましょうね」スタスタ






最上「」



最上「」つ紅茶



最上「」つ紅茶…ズズ…カチャン…



最上「えぇ…?」ポツーン…

弥生の堪忍袋が弾け飛ぶレベル

おつ
球磨達の語尾が取れる勢いだわ


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鎮守府 大浴場

山城「不幸だわ…」カポーン…


満潮「あーもー!今日は一段と酷いわね!もっとシャキっとしなさい!シャキっと!」


山城「ごっ…ごめんなさい、満潮…」


満潮「謝るくらいなら、最初から言わないの!…まったく…!アンタは戦艦なんだから、もっと自分に自信を持ちなさい!」


満潮「山城の実力はうちの鎮守府の中でも指折りだし、黎明期から提督を支えてきた功労者じゃない!提督だって、そんな山城を頼りにしているっていつも言ってるわ!」


満潮「だからそんなしょぼくれてないで、もっと自信を持ちなさいよ…まったく…」プンプン

山城「ありがとう、満潮…。そうよね、私がしっかりして、艦隊のみんなを引っ張っていかないとね…!」


満潮「そうよ!その意気よ山城!」


満潮「私達、西村艦隊だけじゃなくて、この鎮守府を、司令官を引っ張るのがアンタの役目よ!」


山城「そうよね、この鎮守府も、提督も…提督も…提督…ていと…








はぁ…」orzドヨーン…

満潮「えぇ!なんで、そこでまた元気無くなるのよ!」アセアセ


山城「いえ…、すべて悪いのは私…。勝手に傷ついてる私が悪いのよ…」グスン…


満潮「で、でも、時雨と最上から聞いたわよ…?山城昨日の司令官と一緒に映画見て、その後テーマパークでデートしたんでしょ?」


山城「だから、それは提督の用事のついでにたまたま一緒に行っただけよ…」


満潮「どこの世界に、付き合ってもいないのに2人で映画とテーマパークに行くヤツがいるのよ!」


山城「ここに居るのよ…、それに、あれはデートなんかじゃないってわたしは確信しているわ、だって…」


満潮「だって何よ…?何かあったの…?」

山城「ええ…、テーマパークの帰り道、提督か寄りたいお店があるって言うから一緒に行ったのそしたら…









ジュエリーショップだったの…」グスン…


満潮「……はぁっ!?」


山城「しかも、相手に渡す時の参考にしたいから、サイズと私が良いなと思う品を教えてくれって…」シクシク…


満潮「」


山城「本当、私って馬鹿よね…。提督の年齢であれば、結婚相手くらい、居てもおかしくないのに…。勝手にショックを受けて…」

山城「…でも提督には、私が本当に欲しいと思った物を勧めたわ…。少しでも、、提督の、、お役に立てるように…」


満潮「」


山城「…満潮、ごめんなさいね…私、そろそろあがるわね」


山城「それじゃ、また明日ね」ヒタヒタ…


満潮「」


満潮「」


満潮「えぇ……?」








満潮「えぇ………?」カポーン…

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鎮守府 戦艦寮

山城「…と、昨日の提督との外出は散々だったんです…姉様…」


扶桑「山城…、アナタ本気で言っているの?冗談ではなくて…?」


山城「…姉様!冗談だなんて酷いです!私は本気で悩んでいるんですよ!」


扶桑「(あぁ…。私の妹がこんな鈍感な子だったなんて…)」


山城「今だって、この後提督に夕食に誘われていますけど、受けて良いものか真剣に悩んでいる最中なんです!」


扶桑「(確かに妹可愛さに、山城に言い寄る男性達を遠ざけてきた私も悪いわ……、というか全部私が悪いわよ…、でも物には限度が…って!)」


扶桑「山城!今アナタなんて言ったの!?」

まだ?

はよ

期待

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