優花里「西住殿が逸見殿と付き合い始めました」 (48)

・みほゆか、みほエリSSです

・一応バットエンドとハッピーエンドあり

・仕事の隙間にちょこちょこ書いてくので更新遅めです

それでもよければどうそ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461652677

スタンバイを開始した

期待!

みほ「ねえ、優花里さん。相談したいことかあって…二人きりでお話、いいかな?」

そう西住殿から切り出されたのはもう一ヶ月も前のことでした。西住殿からこんな話を切り出されることも早々ない事で、私はただ事ではないのかもしれないと思いつつも、頼られてるのかもしれないという淡い期待を持ちつつ西住殿の寮へお邪魔したのです。

みほ「ごめんね、優花里さん。戦車道で疲れてるのに付いてきてもらって…」

優花里「いえ!西住殿のためなら不肖、秋山優花里!いつでもお助けする次第であります!」

みほ「うん、ありがとう…ねえ優花里さん」

優花里「はい?なんでしょう?」



みほ「同性愛ってどう思う?」

大胆な告白は女の子の特権


え?
いま、西住殿はなんて言った?

優花里「ど…どうせいあい…?」

みほ「ごっ、ごめんね!いきなりこんなこと言い始めて…わたし、おかしい女の子かもしれない。けど…もう、わたし、どうしたらいいか分かんなくなっちゃって…」ぐすっ

優花里「おおお、落ち着いて下さい!と、とりあえず涙を拭いて…」

とりあえす西住殿を落ち着かせ、ベットに座って頂きました。失礼ながらこのわたしも隣に座ります。

みほ「…わたし、ずっと好きな人がいたの。高校に入ってからだけど…その人、わたしとおんなじ女の子で…」

そう語る西住殿の目にはまたうっすらと涙が浮かんできました。きっと相当思い悩んでいたのだと思います。

優花里「ど、同性愛は昔の軍隊にもよくあったと言われますし…なにより、二人が通じあえば愛は成立するものではないでしょうか?いっそのこと思いをぶちまけてみることもいいと思いますよ!」

みほ「…うん、そう、なのかな。勇気…出したほうがいいんだよね。」

優花里「そうですよ!きっとその人も受け入れてくれるかも…しれませんから!」

優花里(…チャンス、なのかも知れません)

この際なのではっきりと言っておきます。わたしは西住殿に憧れとはまた違う感情…ええ、恋愛感情を抱いています。ずっと思い悩んでいたのはわたしも同じく…ですが今、この瞬間。わたしは思いを正直に伝えるチャンスだと思いました。

優花里「…西住殿。実は…わたしも、好きな人がいるんです。女の人、ですが。」

みほ「えっ…そうなの!本当に!?」

優花里「私は…西住殿に相談を受けるまでは心にしまっておこうとそう決めていましたが…今、覚悟を決めました。自分に正直になります!………ですから…西住殿の好きな人…教えていただけませんか?」

みほ「えっ!あうう///恥ずかしい…けど、いいよ。優花里さんになら…言える」

この時は、本気でそう思っていたのです。

叶うはずもないのに。

みほ「わたしは…わたしは!」

優花里「に、西住殿、わたしは


みほ「エリカさんが好きなの」




優花里「…え」

みほ「ううう///内緒…だよ?」

優花里「………あ」

みほ「?どうしたの?優花里さん。あっ…優花里さんの好きな人って、

優花里「あ、もうこんなじかんですか。にしずみどの、すみません。ようじかあるのできょうはかえります」

驚くほどスラスラと出てきたなと、今でもそう思います。…驚くほど棒読みでしたが。
とにかく、いまはこの場を抜け出したかった。
一刻も早く。

みほ「あっ…ご、ごめんね?こんな時間まで…」

優花里「…失礼、します」

バタン

そこから家に帰るまでの間は何も覚えていません。多分ずっとあの言葉が響いていたのだと思います。…今でもたまに響いています。
純粋無垢な、あの声。

みほ「わたし、エリカさんが好きなの」

逸見エリカ。黒森峰女学院の戦車道に在籍、副隊長を務める方です。
以前は敵対していたように見えましたが、この間の大学対抗戦との試合でも助っ人に来ているということは、和解したのかもしれません。

西住殿は…逸見殿を…

優花里「…ただいま、戻りました」

家に帰って来たのはもう夜の8時でした。
ご飯を西住殿と食べる予定だったのですが、とてもそんなことができる状況ではありません。
とりあえず今日は我慢してベットに寝転がりました。

優花里「…西住殿」

わたしは、西住殿になにも想われていなかったのです。ただの友達でしかないちっぽけな存在だということを認めてしまったその瞬間、たまらなく涙が込み上げそうになって来ました

優花里「告白…しなくて良かったなあ。したら、友達にもしてもらえなくなっちゃうしなあ…」

優花里「うっ…うええぇ…ぐっ…うわああああん…」ボロボロ

そこから何十分泣いたか覚えてません。とにかく悔しくて、惨めで、情けなくて…自分が嫌になってきたのです。

そこからすこし泣き止んで冷静になったあと、わたしは考えていました。

わたしは、西住殿に近づいちゃいけないんだ。
だってそうでしょう?わたしは失恋した。そして危うく調子に乗って告白しそうになり、唯一築けた友人関係や信頼関係すら失いそうになりました。
このまま人付き合いを続けて、西住殿にわたしの思いがバレてしまえば…

優花里「…それだけは、避けなければ」

これは…みんなで戦車道をして行くための、唯一の選択だったのです。

わたしが必要以上に西住殿に話しかけなかれば、関係を持たなければ。
変に意識することもなく戦車道が続けられる。
…仲間の元で。

そして、わたしはその日から西住殿を避けるようになりました。

いきなりレズとか告白されたらドン引きだわ

休憩

沙織「おっはよーゆかりん!」

華「おはようございます、優花里さん」

優花里「おはようございます!お二人とも!」

沙織「いやーそれにしても、またこうやって学園艦に戻れるなんてねー」

あの大学対抗戦から少し月日が経ち、また大洗女子学園は以前の活気を取り戻しました。
少し全校生徒の引っ越しの手続きなどが重なり始業は遅れてしまいましたが…その辺は会長殿が上手くやってくれているようです。

優花里「あれ、冷泉殿は…」

沙織「んーまた遅刻みたい。明日からまた起こしに行かないとだめっぽいなあ…全くもー!」

優花里「あはは…」

みほ「おはよう!みんな!」

優花里「」ビクッ

沙織「おーおはよーみぽりーん!」

華「おはようございます。西住さん。」

優花里「そ、それではそろそろ失礼しますね!また放課後に!」ダッ

沙織「あ…ゆかりん?…なにか用事でもあるのかなー」

華「わたくしたちも教室に行きましょうか」

沙織「うん。行こ、みぽりん」

みほ「あ…うん」

こんな時クラスが違って本当に良かったと思う自分が辛いです。しかし、問題は放課後です…。

授業を受け終え格納庫に向かう途中が恐ろしく感じるのはこれが初めてでしょう。しかしこれからはこの感情と付き合っていかなければなりません。

格納庫に入り、周りを見渡します。わたしが一番乗りなのでしょうか、誰もいません。更衣室に駆け込み西住殿よりも先に着替えて準備をしてしまおうと考えました。
戦車に触れているときくらいは、この恋煩いなど忘れてしまえるような気がするからです。
すぐに着替え戦車の前に立ち、キューポラから履帯に渡る隅々を点検し、格納庫のシャッターをあけます。グラウンドに配備をしなければいけないからです。
装填手のわたしが運転することはあまりないのですが、配備などの準備関連や冷泉殿の朝の迎えのときは運転が出来るので、その時は進んで戦車に乗り込みます。
エンジンを付け、戦車を走らせて、これからの練習内容を頭の中で考えてるうちいつの間にか西住わ殿のことは頭にありませんでした。

杏「おー秋山ちゃん、一番乗りで感心だねえ」

優花里「あ、会長殿!お疲れ様です!」

なんと二番目に来たのは会長殿と河嶋殿と小山殿、生徒会の面々でした。
IV号のよこに戦車を付け、配備を完了させると戦車から降りて干し芋を齧っていました。

杏「そういやー秋山ちゃん、今日は顔色悪いねえ。具合悪いのー?」

優花里「あ、いえ、そんなわけでは…」

…上手く戦車に関わることで隠せていると思ったのですが、身体は正直という奴のようです。確かに昨日の夜からずっと身体は重いままでした。
けれど、西住殿の幸せやこれからの戦車道のことを考えると仕方のないことです。

杏「あ、そうだ。にしずみちゃんには昨日言っといたんだけど…後から発表することだけど今聞いときたい?」

そう言われてしまうと聞きたくなってしまうものです。

優花里「?是非聞きたいです」

杏「来週の火曜日なんだけどさ。黒森峰と練習試合あるんだよね」

優花里「え」

杏「にしずみちゃんのお姉さんから練習試合しないかだってさ〜。殲滅戦の予定だけど戦車の台数はこっちに合わせてくれるらしいね。」

優花里「あ、あ」

だから、だったんです。黒森峰が来ると昨日知った西住殿はチャンスだと思いきや覚悟をきめきれず…”信頼できる”わたしに相談してきたのだと思います。

吐き気がする。

杏「…ちゃん、秋山ちゃん?どったの?」

優花里「あ、いえ…なんでもないです。練習の、準備してきます」

杏「?ま、いいか」

その後の練習の内容は全く覚えてません。お咎めが無かったのでたぶん失敗はしてないと思いますが、戦車道ですらわたしの悩みを忘れさせることはできなかった、ということなのでしょうか。
来週…西住殿は、逸見殿に告白する。
それを考えるだけで身体中に悪寒が走る。

沙織「…りん…ゆかりん!」

優花里「はえっ」

冷泉「…秋山さん、今日ずっとボーッとしてないか?」

沙織「麻子はいつもボーッとしてるでしょ!」

華「顔色が悪いようですが…大丈夫ですか?」

みほ「…」

優花里「い、いえ、大丈夫です」

いつの間にかみんなと帰路についていたようです。すでに陽が落ちかけていました。

沙織「ほら、シャンとしなよ!ゆかりんっぽくないよ?」

優花里「そ、そうです、ね。申し訳ありません…」

沙織「そういや、黒森峰と練習試合かあ」

華「前回はフラッグ戦でしたが…殲滅戦となるとやはり黒森峰に分がありそうですね」

優花里「…そうですね。けど、きっと大丈夫ですよ」

多分そんなことは全く思ってはいなかったと思います。黒森峰との試合は多少なりとも心配だったと思いますが何より…前のわたしならここで西住殿やみんながいるし、という受け答えをしていたのでしょう。

みほ「…ねえ、優花里さん」

優花里「…!」ビクッ

みほ「帰り…寄ってくれないかな?」

優花里「あ、あの」

みほ「お願い」

今更つき合う義務などないのですが、そこで断れないのはなぜ、と聞かれると分からないのです。
きっと今でも、その答えは分かりません。

優花里「あの…なん、ですか?」

みほ「来週…練習試合が終わった後に…告白、したいの。」

ああ。やっぱり。

優花里「頑張ってくださいね。応援してます」

みほ「そこで…付いてきてほしくって」

は?

みほ「あ、いやその!付いてくるといっても、そばで見てくれてるだけでいいの!エリカさんの見えないところで…」

優花里「…わたしがついていって何が変わるんですか?」

みほ「優花里が側にいると、勇気が湧いてくる気がして…お願い!」

ああ。そうか。この人はわたしのことを友達として見てるんだった。叶わぬ恋なのは分かってたけど、まだ心の底で期待してたところはあったのかもしれない。それが崩れてきたのは今日、黒森峰の練習試合を聞いた時だ。

それが今、完全に崩れた音がした。

優花里「…わかりました。お供させて…頂きますね」

違う。わたしの言いたいことはこんなことじゃない。

みほ「ほんとに!?ありがとう、優花里さん!」

違うんです。待ってください。

優花里「西住殿のためですから」

わたしは…あなたのことが…。

みほ「じゃあ、今日は帰るね!ごめんね、時間取らせちゃって…」

優花里「ええ、お疲れ様でした。西住殿」


好きなのに。

今日はここまで
更新ペース遅くてごめんなさい

支援
秋山殿・・・

あいあいいいい
見てて苦しくなるぅー
でも続きが気になるから待ってます乙です

それから試合の日になるまでは酷いものでした。
何回吐いたことが覚えてません。
西住殿が好きだという思いは伝わらず、その上わたしの恋敵への告白を応援している。わたしの思いがバレてしまえば間違いなく距離を置かれ、今後の戦車道すらままならなくなる。
何が正しい選択だったのでしょう。そもそも西住殿を好きになることが間違いだったのでしょうか。
しかしそれを認めたくない自分がいるということがより気持ち悪くて、辛くて。
そうこうしてるうちに試合がやってきました。

みほ「今回は殲滅戦ですが、戦車の性能は間違いなくあちらに分があります。持久戦に持ち込んで絶対に走行不能にならないよう逃げながら戦います。回り込みや挟み撃ちを受けないように市街地の道を把握し、通信で相手の位置を正確に知らせるようにして下さい!」

西住殿が作戦を説明しています。今でも西住殿の作戦のお陰で大洗の勝利を支えてきました。

「「「はい!!」」」

今回は5両編成での殲滅になるそうです。相手の精鋭を集める変わりにこちらも5チーム戦力順に出てこい、ということのようです。
今回出ることになったのはあんこう、カメ、アヒル、カバ、ウサギさんチームに決定しました。

杏「作戦名は〜?」

みほ「えっ!あっ…その…うーん…では、カサカサ作戦で!」

沙織「やだ〜ゴキブリみたい!」

…今までも何度か考えたことなのですがどうも西住殿も少しズレてる方のようです。

麻子「相変わらずそのネーミングセンスはなんなんだ」

華「今回は沙織さんが鍵ですよ、頑張りましょうね」

沙織「ま、任せといてよ、あはは…」

麻子「顔が引きつってるぞ」

沙織「う、うるさーい!」

そんなこんなで試合が始まりました。
とにかくわたしは試合に集中するようにして、なんとか西住殿を頭から消すように装填主の役目を全うしました。

沙織「うう…負けちゃったあ…」

華「惜しかったのですが…致し方ありませんね」

みほ「うん…けど、みんなありがとう。みんなが指示通りに動いてくれなかったらここまで食い下がってなかったと思う」

試合は黒森峰三両、大洗全車走行不能という結果に終わりました。しかし完全な格上との試合、しかも殲滅戦で健闘したことにみんな多少なりとも満足感はあるようでした。
全国大会が以上だったのかもしれませんが。

杏「にしずみちゃんのおねーさんさー、このあと予定通りでは大洗に私たちと一緒に停泊するんだよね?」

まほ「ああ、来週からゴールデンウイークだしな。2日大洗での観光、そしてそこからは各自そのまま帰省する形になる」

西住殿の姉上、西住まほ殿。西住流を完璧に受け継ぐ西住流家元の娘で、過去9連覇の黒森峰を引っ張ってきた現隊長です。
試合ではこの人の戦車と、もうひとつ…。

エリカ「隊長、そろそろ学園艦に戻る準備を…」

……逸見、エリカ……。

みほ「優花里さん」

優花里「!っはい…」

みほ「行ってくるね…わたし。応援、しててね?」


行かないで

行かないでよ、西住殿


優花里「 応援、してます 」


わたしはどこまで愚かなのでしょう。
西住まほ殿が去って一息ついているエリカ殿に声を掛ける西住殿を、こんな悔しくて、気持ち悪くて、泣きたくなる気持ちを抑えながら見ているしかない。

ふと。
そんなわたしに、ある考えが過ぎりました。

西住殿が、振られればいい。
そうしたら…わたしは、西住殿と。

みほ「エリカさん、あの…その…」

エリカ「な、なによ!はっきり言いなさいよ!」

みほ「ずっ…ずっと好きでした!付き合ってください!!」

断れ

断れ!

断れ!!









エリカ「…あ、ありがとう、みほ…」






みほ「い、いいの?エリカさん…」

エリカ「…あんたに先越されちゃったわね。本当は…私から言い出したかったのだけど」

みほ「エリカ…さん…」

エリカ「…」ぎゅっ

みほ「ひゃっ///」

エリカ「これから…よろしくね?」

みほ「は…はい///」


吐き気がする。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。……

優花里「…」ふらふら

沙織「あ、いたいたゆかりん!もうすぐ帰るよー?」

優花里「…う」

沙織「え?」

優花里「おええええええっ!」

沙織「ちょっ…ゆかりん!?どうしたの!?ちょ、ねえ!!」

桃「お、おい!早く…早く保健室へ連れて行くぞ!急げ!」

杏「…」

麻子「…西住さんはどこへ行ったんだ、こんな時に」

華「分かりませ…あ、戻ってきましたよ!」

みほ「あ、あれ…みんな、どうしたの?」

華「急に優花里さんが吐いて倒れたんです…」

沙織「そういや最近顔色悪かったもんね…」

みほ「え…ゆ、優花里さん!」







優花里「……う、こ、ここは…」

気が付けばわたしは白い天井を眺めていました。恐らく病院なのでしょうか、わたしの腕には点滴が繋がれています。
必死になぜこんな状況になったのかを思い出そうと考えていた時、病室のドアが開きました。

沙織「ゆ、ゆかりん!気が付いたんだね!よかったあ…」

病室に入ってきたのは武部殿でした。なにやら不安そうな顔をしています。…なぜわたしはここにいるのでしょう?

優花里「…あ、た、武部殿!わたしは…」

沙織「ゆかりん、試合が終わって片付けをしてたときに急に倒れたんだよ。保健室から救急車呼んで学園艦の病院に運んでもらったんだ。…栄養失調だって。」

そう少し早口で言い終わるとベッドの横の椅子に掛けました。

優花里「そう、だったのですか…うう、思い出せないです。」

沙織「最近ゆかりん顔色悪かったし、どこか魂が抜けたみたいだったし…疲れてるんなら、そう言ってくれればいいのに…」

優花里「…なぜ、栄養失調なんかに…うぐ、お、思い…出せない…?」

…思い出せない、のではなくて、思い出したくない、深く考えたくないという気持ちが出てきました。
するとまた病室のドアが開きました。今度は誰なのでしょう…。

みほ「あ、優花里さん!良かった…」

沙織「あ、みぽりん!」

西住殿…?
西住殿といえば…


……あ。

そう だった。

わたしは…わたしは…

この人達のせいで






優花里「に、にしずみ、どの」

みほ「本当に…本当に心配したんだよ…?」

優花里「西住殿…」

「違う」

「優花里、目を覚ませ」

声が聞こえる…だれの、声?

沙織「…ゆかりん?ど、どうしたの?」

「目を覚ませ。この女は、お前を…」

優花里「や…やめてっ…」

みほ「ゆ、優花里さん!?」

「本心ではどうとも思っちゃいない、お前を裏切った女なんだよ」

優花里「おええええええっ…」

沙織「わわっ!ゆかりん!ゆかりん!!」

みほ「だ…だれかっ!看護師さん!!」
どうして…。
わたし、自分で自分を傷つけてるんだろう…。

優花里「…」

しばらく吐いて泣き叫んだ後、また目をさますと同じ場所でしたが今度は夜でした。手鏡が側の机に置いてあったのでふと、自分の顔を見ていると、まるで痩せこけた別人でした。

優花里「もう…吐く、ものがないですね…」

コンコン

みほ「…優花里さん…入っても…いい、かな?」

断りたかったのですがわたしにはある程度気持ちの整理がついていました。それが出来てるかの確認のためにも、了解を出します。

優花里「…どうぞ」

みほ「お邪魔、するね」

西住殿を中に入れて椅子に掛けさせます。

みほ「…優花里さん。もしかして、原因はわたしにあったりするのかな…?」

優花里「…なぜ、そう思うのですか」

みほ「だ、だって、エリカさんの話をし始めたその日から窶れてきたから…」

その通りです、とは言えないので適当に誤魔化す事にします。

優花里「そんなことないですよ。たまたま具合が悪くなった日と重なっただけです」

正直もう自分の中ではどうでもいい、と諦めが付いているのだと思います。叶わない恋でこんなに苦しまされるのなら、わたしはきっぱりと諦めてやろうと。

みほ「…それなら、いいの。ごめんね?変なこと言っちゃって」

そう言うと西住殿は少し微笑みまた話し始めました。

みほ「わたしね、エリカさんの告白、上手くいったんだ」

優花里「そうですか。良かったですね、西住殿」

作り笑いは出来ているだろうか少し心配になりましたが、なんとか笑みを作って誤魔化しました。

みほ「それでね、…優花里さんにも応援してほしいなって思って…」

これ以上この人は何をわたしに求めるのだろう。あなたが原因なんだとはっきり言えればいいのですがそうは行きません。わたしのこれからこの人に対する選択で今後の戦車道が決まるのですから…。

みほ「エリカさんのこととか、いろいろこれからも相談に乗ってほしくって…」

ああ死にたい。気づいて欲しい。

優花里「……いいですよ。ほら、今日はもう遅いので帰ったほうがいいですよ」

みほ「う、うん、じゃあね。お大事に、優花里さん!」


優花里「どうして…どうして、気づいてくれないの…?」

気がついたら来てたやん・・・
ゆかりんがどんどん病んでく

鮮血の結末を迎えそう

バットとハッピーは安価かな

いつ終わるんだろうな

悪意持ちが誰も居ないのがいいね

>>1です
仕事が長引き、よりによって明日が早出なので今日の更新は厳しいかもしれません
ルートは安価したいと思ってます

みほ「……それでね?今日はエリカさんとデートしたんだよ!すっごく可愛くて…」

優花里「…」

それからというもの西住殿は毎日毎日毎日毎日逸見エリカ殿との交際の経過を話しに来ました。
上手く作り笑いが出来ているか心配になります。
あれから吐くことは無くなりましたが体重は落ちるところまで落ちて、自分でも誰だか分からない顔になりました。
そして、一ヶ月たち、ついに限界が来ました。

優花里「……西住殿、どうしてわたしなんですか?」

みほ「…え?」

優花里「どうして、わたしに逸見殿との事を話しにくるんですか?」

みほ「え…それは、優花里さんを励まそうと思って…」

優花里「励ませるんですか?それで?」

みほ「お、応援してくれるって言ってくれたから…」

優花里「西住殿は、なぜわたしが栄養失調になって…こんな醜い姿になったか。その原因、思い付きますか?」

みほ「…!」

そうわたしが一気に言うと、西住殿は少し涙目になり椅子を立ち、病室のドアに手を掛けました。

みほ「…ごめん、なさい。またくるね」





みほ「あっ、エリカさ、そんな…」

エリカ「みほ…みほ…!」

みほ「んっ…あぅ…

エリカさん、大好き…///」


優花里「うわあっ!」ガバッ

優花里「…また、ですか」

毎晩見る夢。西住殿と逸見殿が愛し合う夢。それを遠くから見るわたし。
今までは不鮮明な夢でしたが、西住殿が病室に来るようになってからはっきりとした映像になってきました。

優花里「…もう、いや…」


翌日の朝、西住殿は朝早くから病室に来ました。

みほ「…優花里さん、おはよう」

優花里「…おはようございます」

そう言うと椅子に掛けて顔を近づけてくる。

優花里「…なっ、なにを」

みほ「おしえて、優花里さん。あなたをそうさせたのは…”誰”なの?」

そこでわたしの我慢の限界が来たようです。
わたしは西住殿をベットに引っ張り、ベットから抜け出し身体を回転させ押し倒すような形にしました。身体が痩せこけたとはいえ、装填主の力を舐めては行けません。

みほ「ゆ、優花里さん…?」

優花里「…はーっ、はーっ」


ハッピーエンド 1

バットエンド 2

???エンド 3

>>31

ミス
>>35

3

???ルートいきます

優花里「…はーっ…はーっ…西住殿、わたしは…わたしは…!」

もう、我慢が出来なかった。この人には口で言うのではなく、

みほ「身体で解らせる?」

優花里「え?」

い、いま…西住殿は…なんて?

みほ「やーっと、自分に正直になってくれたね、優花里さん」

優花里「ど、どういうこと…ですか…?」

みほ「わたし、知ってたんだよ?優花里さんがわたしに気があることを。けどね、そのころエリカさんからも優花里さんと同じものを感じてて…その時思ったの。…意地悪しちゃおうって」

みほ「結果は大成功だったよ。けどね、わたし流石に可哀想だったんだ。だって栄養失調だよ?流石にやり過ぎかなと思ったの。けど自分から意地悪をバラすのもアレだし、優花里自身に気付いて貰おうって思って、毎日エリカさんとの事を話しに来てたの!」

優花里「西住…殿…あ、あなたは…」

みほ「あ、もちろん話してた内容はほんとだよ?エリカさんのこと好きだし。けどね、優花里さん」


みほ「あなたも、意地悪しちゃうくらい大好きなの」

みほ「さあ

わたしに何をしたい?」

そこからの事は覚えてません。ただただ言うがままにされたというか、わたしの今までの重荷が悪い方向に晴れたというか…
西住殿は、これを全て計算して行ってたということ、なのでしょうか。

一ヶ月後、あれからわたしたちは付き合い始めました。逸見殿が1号、わたしが2号というかたちで。それからは毎晩が凄かったのですが、ひとつ、理不尽に気になることがありました。

優花里「あ、あの…西住殿」

みほ「なあに?優花里さん」

優花里「なぜ、わたしに意地悪をする必要があったのですか?」

みほ「え?それはね?

犬は服従させるときには最初、力を見せつけなきゃだめでしょ?」

優花里「に、にしずみどの…」

みほ「さ、今日はエリカさんがいない日だから、いーっぱい可愛がってあげるからね…?」

優花里「は、はいぃ…///」


終わり
クレイジーサイコみほエンド

安価
>>40

2
美味しいものは最後に残そう

全部やるなら安価とる意味無くね
安価も遠いし

>>38
同感

というわけで2で

×優花里 ○優花里さん
安価遠かったですねごめんなさい

バットエンドルートいきます 鬱注意

優花里「はーっ、はーっ」

もうそこからは理性なんてお構いなしでした。自分自身を止めることがわたしは出来ませんでした。怒りと愛情のようなものが二つ絡み合い、自分の中でも判断できるものではありませんでした。

みほ「ゆ、優花里さん?」

優花里「あなたは…最後まで!最後までわたしを苦しみ続けてるんですよ!」

みほ「や、やめてよ優花里さん!痛い!」

優花里「バレてはいけないと思って、わたしはずっとずっとずっと我慢してたのに!あなたは!それを…嘲笑うかのように…!」グググ

わたしは西住殿の首を思いっきり締めました。
どうにもならないなら…いっそ、自分のものにしてしまおう。そしてわたしも死のう。

みほ「かっ…かはっ…ゆ、ゆかりさ…っ」

優花里「わたしは…あなたのことが……」

ガララッ

そこに、助けに来たかのように武部殿達が来ました。最悪のタイミング、というやつです。

沙織「ゆかりーんお見舞いに…!!な、なに…してるの…!?」

華「み、みほさん!くっ…」

優花里「がはっ!げほっげほっ…」

わたしは五十鈴殿にベットから突き落とされ、その拍子に椅子に鳩尾を打ってしまいました。

沙織「みぽりん!みぽりん返事して!大丈夫?ねえ!!」

麻子「秋山さん…いったい、何を…」

みほ「はあ…はあ…うっ」ダッ

沙織「ど、どこにいくの?みぽりん!」

そこでようやく、わたしは自分が何をしていたのかに気付いてしまいました。冷静になった、とまでは言えませんが、事の重大さを理解することは出来ました。

優花里「まっ、まって!にしずみ、どの!!」

麻子「秋山さん!」

わたしは西住殿を追いかけて走りました。
西住殿は階段を登り屋上まで走りました。

屋上に少し遅れてつくと、西住殿は屋上の手すりに近い位置からこちらを振り向きます。

みほ「ごめんね、優花里さん。わたし…気づかない内に、そんなに優花里さんを気付けてたんだね…ごめ、んね」ボロボロ

西住殿は手すりに手をつけ身体を乗り上げました。まさか、…そんな。

優花里「ま、まって、違うんで…





みほ「さよなら、優花里さん」



優花里「あ、ああ」

西住殿が視界から消え、真っ逆さまに落ちていきました。下では悲鳴のようなものが複数聞こえました。

優花里「わたしの、せいだ」

優花里「わたしのせいで、にしずみどのが」

気がつけばわたしは手すりを掴んでいました。そして上を見上げて呟きました。

優花里「ごめんなさい、いま、いきます
一生ついて行きます、西住殿」

沙織「まって、ゆかりん!!!」

うしろから聞き覚えのある”仲間”の声が聞こえた気がしました。しかし、その時にはもうわたしは宙に浮いていました。下を見ると、西住殿が近づいてきます。

優花里「ああ、やっと

やっと、ふたりで」


バットエンド終わり

最後ハッピーいきます

ハッピーエンド

優花里「う、うう…」

わたしは西住殿を掴んでた手を離し、溢れる涙を抑えました。

優花里「やっぱり….やっぱり、出来ません…わたしには、無理です…」

みほ「優花里…さん…」

優花里「御察しの通り…わたしを苦しめていたのは、あなたと…逸見殿です」

ここまでくるとなにも隠すことなどありません。わたしは包み隠さず西住殿に全てを打ち明けました。

みほ「そっか…そんな、ことが。ごめんね…ごめんね、優花里さん…」ポロポロ

優花里「…もう、終わりです。打ち明けてしまった以上、わたしはこれから…」

みほ「ううん、ちがうよ。優花里さん」ギュッ

優花里「え….?」

そういうと西住殿はわたしを抱きしめました。

みほ「わたしは、優花里さんのことを嫌いになったりしない。優花里さんの気持ちに応えられなかったのは、残念だけど…わたしたちはそんなことで千切れる仲間なの?」

優花里「…え」

そういうとまた西住殿は泣き始め抱き締める強さが強くなりました。

みほ「お願いだから…そんなこと言わないでよ…」

優花里「…西住殿、う、うええ…」ポロポロ


それからというもの、憑き物が晴れたようにわたしは回復し、戦車道を続けることが出来ました。
あれからも西住殿との関係は変わってません。
友達以上恋人以下、大切な”仲間”です。

みほ「そろそろ試合だよ、いこ!優花里さん」

優花里「…西住殿」

みほ「?」

優花里「一生…一生ついて行きます!」

おわり

おわり
すげー疲れた 駄文でごめんなさい
HTML化依頼明日には出してきます

乙。3が一番ハッピーエンドかもしれんなw

乙ですね

おつでした

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom