ナターリア「ペロ……これハ!?」 (17)
静かな事務所に、キーボードを叩く音が絶え間なく響いている。
終わりの見えない仕事を終わらせるべく、プロデューサーは今日もパソコンと睨み合いを続けている。
愛する彼女たちを輝かせるためには仕方のないこととはいえ、
ただでさえ豊富な仕事に自ら立案した企画まで追加していてはさすがに身が持たない。
ふと、時計を眺めて時間を確認する。
そろそろ騒がしくなりそうだな、と独り言をこぼすと、まるでそれを合図にしたかのように扉が開け放たれた。
「オハヨウ!プロデューサー!」
元気のよい挨拶が事務所に響き渡る。
今日も賑やかな一日になりそうだ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461595985
自分以外に休日のこんな時間から事務所を訪れるのは、我らが名アシスタントである千川ちひろか、
今しがた入室してきたナターリアかのどちらかである。
いつもであれば挨拶と同時にこちらに飛びついてくるのだが、どうしたことか今日は扉の付近から動こうとしない。
よくよく見れば彼女の腕の中には何やら蠢く黒い物体が。
「アハッ。くすぐったいゾ、ペロ!」
ペロと呼ばれた黒い物体は、返事をするように一声鳴くと再び豊かな谷間へとその体を預ける。
愛海が見れば歯軋りしそうな光景ではあるが、猫相手では致し方あるまい。
そうして愛しげに黒猫を抱きかかえるナターリアの後ろから、小さな人影がちょこんと顔を出した。
「ペロ……嬉しそう……」
ペロの飼い主である佐城雪美は、愛猫を見つめて柔らかな笑顔を浮かべている。
ナターリアは両手がふさがった状態でどうやって扉を開けたのかと思っていたが、どうやら彼女がその仕事をしてくれたようだ。
ナターリア
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佐城雪美
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「プロデューサー……おはよう……」
ナターリアとは対照的な静かな声での挨拶。何とも珍しい組み合わせである。
彼女たちは挨拶もそこそこに、ソファーへと移動し腰を下ろした。
「ふふ……ペロ……気持ちよさそう……」
「かわいいナー♪ずっと見てても飽きないゾ♪
……でもそろそろ疲れてきたナ」
ソファーに座ってからも彼女たちはペロの話題でもちきりのようだ。
渦中の猫はというと未だにナターリアの腕の中で大人しくしている。
時折身動ぎしているところを見るとどうやら眠っているわけでは無さそうだが、あの様子ではしばらく動きそうもない。
56 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:06:17.33 ID:2vN2clFz0
メモで書いてるから55までレスきてるとは思ってもみなかったwwwww
はえーよw
提督「ほら、間宮券だ」
陽炎「しーれーいーかーん?」
提督「何だよ、高価なもんだろ?」
陽炎「確かに高価だけどさぁ~……あーもういいや、今日は疲れちゃったから間宮さんのところで甘味食べて寝るよ」
提督「おうそうしろ……ところで陽炎?」
陽炎「なに?」
提督「来週にはたくさん間宮が手に入るかもしれんぞ?」
陽炎「……はぁ?それってどゆこと?」
提督「明日には説明するよ。ほら、今日はお疲れさんってことだ」
陽炎「全く意味わかんないけど……はーい」
提督「……あいつなら、あの3人を止められるかもしれないな」
提督「……人間性を捧げよ……か、あいつらは果たして救えるのか……」
提督「大丈夫だろうな、さてと、執務を終わらせるその前に磯風のところに見舞いに行くかな……」
57 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:08:58.72 ID:2vN2clFz0
みなさまお疲れ様でした。
よろしかったらこちらも書いてますのでぜひ参加してください
陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460706468/)
html出してきます
101 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 01:07:00.08 ID:2vN2clFz0
陽炎
102 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 01:08:12.71 ID:2vN2clFz0
ksk
131 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/04/23(土) 01:45:52.94 ID:2vN2clFz0
荒らし止めなよ
迷惑じゃないの?
201 ◆bcl3OxnGHI sage 2016/04/23(土) 21:40:51.18 ID:2vN2clFz0
今日の更新はお休みさせていただきます
荒らされてるから気の毒だと思ってたらこいつ自演作者じゃねえか
これは荒らされて当然だし荒らしはもっと荒らせよ
「ペロとナターリア……仲良し……私も……嬉しい……」
そう言って雪美はペロの頭を優しく撫で、ペロもそれに応えるかのように頭を寄せた。
それを見たナターリアは我慢ならないといった様子で頬を膨らませる。
「アー!ズルイ!ズルいゾ!!ナターリアもペロ撫でたイ!」
頭上で騒ぎ立てるナターリアに耐えかねてか、ペロはゆっくりと身を起こし、雪美の膝へと飛び移った。
再び身を丸めた愛猫を、雪美は慈しむように撫でていく。漆黒の美しい毛並が指の動きに合わせてふわりと波打つ。
「ヤッタ!これでナターリアもペロを撫でられル!おまたせだナ、ペロ!かわいがっテあげるゾ!」
解放されたナターリアの両腕がここぞとばかりにペロを襲う。
唐突なかわいがりに黒猫は驚き身をすくめる。整った黒塗りの毛並が乱暴な指の動きにより乱されていく。
膝上で繰り広げられる暴挙に、慌てて雪美が待ったをかける。
「乱暴……ダメ……ペロ……怖がってる……」
静止を受けたナターリアが困惑した様子で手を離すと、ペロはあからさまに不機嫌そうな顔でそちらを見やる。
もしここが雪美の膝の上でなければ、即座に逃げ出していただろう。
そんなペロをなだめる様に、雪美はその背中を撫でながら静かに話し始めた。
「撫でるときは……ゆっくり……やさしく……ね……」
「ゴメンネ……ペロ」
「強くしちゃダメ…………毛並にそって……心をこめる……」
雪美の献身的な愛撫の甲斐あってか、ペロは機嫌を直しゆっくりと尻尾を揺らしている。
それでもナターリアへの視線は相変わらず冷たく、警戒するように彼女を見つめ続けている。
「ペロ……ナターリアも……触りたいって…………うん……次は……大丈夫だから……」
悲しそうにペロを見つめるナターリアを見かねたのか、雪美はペロにゆっくりと語りかける。
ペロもそれに応えるかのように何度か鳴き声を上げ、渋々といった様子で頭を下げた。
「ナターリア……ペロ……撫でていいって……」
「エ!?本当カ?」
「うん……でも……優しくね……?」
「わ、わかったゾ。よろしくナ、ペロ」
ナターリアは恐る恐るペロへと手を伸ばし、その背に触れる。
ペロは片目を開けて監視を続けているものの、一応はそれを受け入れてくれているようだ。
雪美の手つきを真似するように優しく背を撫で続けていると、やがてペロは気持ちよさそうに両目を閉じた。
ナターリアは始めこそぎこちない様子だったが、次第に慣れた手つきで嬉しそうにペロの感触を堪能していった。
雪美のアドバイスを受けながら、頭、顎下、前足と次々にその手を伸ばしていき、今ではペロの肉球に夢中になっている。
本来猫は前足を掴まれたり肉球に触られたりするのを嫌がることが多いらしいのだが、ペロは平気な様子で彼女に身を任せている。
上機嫌になったナターリアは、ペロの両手を左右に振りながら楽しそうに歌を口ずさみ始めた。
ペロは表情こそ険しいものの、心地よさそうに彼女の歌に合わせて尻尾をゆらしている。
気に入ってもらえたことが嬉しいのか、ナターリアはペロに聞かせるかのように声を上げて歌い始めた。
楽しそうなのはなによりだが、曲が『猫ふんじゃった』なのはいかがなものだろうか。
先程から雪美も何か言いたげにナターリアを見つめている。
その視線に気づいたのか、ナターリアは歌を止めて彼女を見た。
「ユキミ?どうかしたのカ?」
「ううん……なんでもない……よ……」
「それならいいんだけド……あ!もしかしてまたワタシ変な事しちゃったのカ!?もしそうなら教えてほしいゾ!」
「違うよ……そうじゃない……ナターリアの声……綺麗だなって……」
「エ……そ、そうカ?そう言ってもらえると嬉しいナ!」
「もっと……聞きたい……他の歌も……聞かせて……」
突然の褒め言葉に思わずたじろぐナターリア。
半ば無意識に歌っていたであろうものをまっすぐに褒められてしまい、流石の彼女も珍しく赤面している。
しばしの間恥ずかしそうに視線を左右させていた彼女であったが、
ペロが催促するように前足で叩き始めたのを見て、覚悟を決めたかのように立ち上がり大きな声で歌いだした。
堂々と、響き渡るような声で歌うナターリアを、雪美は感激したように見つめ続ける。
少し離れたこのデスクにもはっきりと聞こえる程の声量ではあるものの、
決して耳障りではないその歌声は、聞いているだけで気分が高揚してしまいそうな程である。
歌い終えたナターリアを雪美の小さな拍手が出迎えた。
ペロも先程までのふてぶてしい表情とは打って変わって目を見開き彼女を見据えている。
「ありがとう…………ナターリアの歌……素敵……」
「こっちこそありがとうだナ!ちょっと恥ずかしかったけど気持ちよく歌えたゾ!」
再びペロを撫でるべく腰を下ろしたナターリアは、何かを思いついたように悪戯っぽく笑みを浮かべた。
「そうダ!次はユキミの歌が聞きたいナ!」
「え………でも………」
「ナターリアだってユキミのお願い聞いたし、今度はユキミがお願いを聞いて欲しいナ!」
雪美は困惑するように下を向く。目があったペロが語りかけるように鳴き声を上げる。
それを見たナターリアは慌てて先程の言葉を訂正する。
「もちろん嫌だったらいいんだゾ!困らせちゃってゴメンナ……」
「違う……嫌じゃない、けど……」
嫌がる、というよりも何かを迷っているように雪美は視線を泳がせる。
そんな彼女を見上げていたペロは、何を思ったか突然ナターリアの腕の中に飛び込んだ。
「キャッ!?びっくりしたナ……」
ナターリアは驚きつつも、飛び込んできたペロをしっかりと抱きかかえ、ソファーへと腰を下ろす。
彼女の腕の中で雪美へと向き直ったペロは、待ち望んでいるかのようにじっと彼女を見つめ始めた。
しばらくの間ペロと見つめあっていた雪美は、観念したかのようにゆっくりと立ち上がると、大きく息を吸い込み歌いだした。
静かに、しかしはっきりと耳に届くその歌声は、透き通るように空間を満たしていく。
声量こそナターリアに及ばないものの、確かな存在感を感じさせるそれは、彼女の在りようを映しているかのようだ。
歌い終えた雪美が口を閉じると、心地の良い静寂が広がった。
それを切り裂くようにナターリアが軽快な拍手をすると、合わせるようにしてペロが長い鳴き声をあげた。
「凄いナー!すっごく綺麗な声だったゾ!!」
ナターリアのまっすぐな賞賛の言葉を受け、雪美の白い頬が朱を帯びていく。
それを隠すように座りこんだ彼女は、呟くようにして言葉を返す。
「ありがとう……上手に……歌えたかな……?」
「とっても上手だったゾ!ユキミの囁くような歌い方、優しくて素敵だナ!」
「やさしい……歌……ちゃんと歌えてた……?もしそうなら…………嬉しいな……」
「ナターリアも、ユキミみたいにテイネイに歌えるようになりたいナー!考えながら歌うの、難しいんだよネ……」
「でも……私……大きい声……苦手だから…………ナターリア……羨ましい……」
「そうカ?そう言ってもらえると嬉しいナ!……フフッ。ワタシたち、お互いに欲しいもの持ってるナ!
それなら一緒に歌えばカイケツするナ!」
「いっしょに……歌うの……?」
「ナターリアの足りないトコロ、ユキミが埋めル。ユキミに足りないモノ、ナターリアが出すんダ。
今はまだいろんなことはできないけど、お互いのできるトコロを出し合えば、もっと楽しく歌えるはずだゾ!」
そう言ってナターリアは雪美へと手を伸ばす。
雪美はその手をすこしばかり見つめた後、ゆっくりと握り返した。
「うん……わかった…………でも……私の声……届くかな……?」
「大丈夫だヨ!人に届くのは大声だけじゃないゾ!小さい方が届くときだってあるサ!
それに、ワタシたちは戦うわけじゃないからナ。一緒に、歌うんダ!」
「そう……だね…………歌おう……いっしょに……」
二人が手を繋ぐのを見届けると、ペロはナターリアの膝から飛び降り、向かい側の椅子へと飛び移った。
彼女たちを一望できる特等席に座り込むと、始まりの時を待つかのようにゆっくりと尻尾を揺らめかせた。
「ふふ……ペロ……お客さま……?」
「さあ、ファンもお待ちかねだゾ!張り切ってガンバロー!!」
お互いをちらりと見やると、二人は声を合わせて歌い始めた。
儚く繊細な雪美の歌声を、ナターリアの力強い声が後押しする。
雪美の囁くような旋律はかき消されることなく、その美しさを保ったままより広域へと広がっていく。
ややもすれば粗暴ともとらえられかねないナターリアの歌声も、包み込まれるようにして繊細さを増していく。
独唱では成し得ない圧倒的な完成度の戦慄が、空間を埋めていった。
歌い終えた彼女達に惜しみない拍手を送ると、二人は嬉しそうにはにかんだ。
感慨にふけっているのか、それとも物足りなかったのか、ペロは先程から顔を起こして二人を見つめている。
ひょっとしたら次の曲を待ち望んでいるのかもしれない。
そんなペロを少しばかり眺めた後、二人はどちらからともなく歌い始めた。
事務所内の空間が、再び二人の歌声に彩られていく。
偶然生まれたデュオユニットに確かな手ごたえを感じたプロデューサーは、この声を世に広めるべくパソコンへと向き直った。
仕事はまだまだ、終わりそうにない。
以上です
ナターリアの歌聞きたい……
ナターリアの歌聞きたくない……?
あと少し、あともう少し頑張れば声が付く。
ぜひとも応援よろしくお願いします。
HTML化依頼してきます。
ゆきみん疲れたろ……?僕の膝の上においで…………
乙
なんか藻類の匂いがするな
デレマス界のオコエすき
おつ
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