~神社~
巫女「はい、ホウキ」
男「なんなんすかいきなり」
巫女「掃除。一人じゃなかなか終わんないのよねー」
男「へー大変っすねー。じゃがんば……ぐえっ」
巫女「手伝いなさいよ。女の子が困ってるのよ」
男「もう女の子って年齢じゃ……ぐえっ」
巫女「手・伝・い・な・さ・い?」グゴゴゴ
男「ひゃい……」
ミーンミーン
男「……あちぃ」
男(せっかくの夏休みだってのに。なにやってんだ俺は)
男(口うるさい親父がいなくなってせいせいしてたのに)
男「はぁ~あ」
~~1週間前~~
父「男、わたしがいないからといって勝手なマネはするなよ」
男「わかってるって」
父「むむ~心配だ。先方には悪いが今回の件はお断りするか」
男「い、行ってきなよ。俺ならだいじょうぶだからさー」
父「むむ~」
男「ほら巫女さんもいるだろ」
父「むむ~わかった。だがやはり心配だ。男、おまえにはこれを渡しておこう」
男「なんだこの紙っきれ」ピラピラ
父「こら罰当たりなことをするな。それは聖なる力を封じ込めたお札だ」
父「困ったときには使え。いいな」
~~~~
ゴソゴソ
男「…………」クシャッ
男「うさんくせぇ……」ピラピラ
<おとこくーん
巫女「どう順調?」
男「ぼちぼちっす」
巫女「そ。それ終わったら本殿の雑巾がけお願いねー」スタスタ
男「…………」
男「うがー!!」
男「掃除なんかやってられるかー! 俺は夏休みを満喫するぞー!」
男「で、ぬけ出してきたわけだが」
男「空!」
男「川!」
男「山!」
男「……以外なんもねえ。さすが田舎だぜ」
男(今から町に行くのもなぁ。さてどうしたもんか)
男「……ん?」
『殺生石』
男「なんだこのでっかい石」
男「拝んどくか。なんかご利益ありそうだし」
パンパン
男(神様仏様イエス様。どうか俺にもかわいい彼女ができますように!)
『ほほう、人間の中にも物の道理がわかるものがおるようじゃの』
男「へ?」
『褒めてつかわす。よい心がけじゃ』
男「ありがとうございま……す?」
男「って!」
男「石がしゃべべべべ……!」
『恐れるでない。儂はお主に感謝こそすれ、害意など抱いておらぬ』
男「は、はぁ」
『そこでお主に頼みがあるのじゃが……』
『この石に札が貼ってあるのが見えるじゃろう?』
男「見えますけど」
『お願いじゃ。それをはがしてくれまいか?』
男「んー……」
ミスった
>>7
×『お願いじゃ。それをはがしてくれまいか?』
○『お願いじゃ。それを破いてくれまいか?』
男「…………」
男「いやっす」
『』ガクッ
『な、何故じゃっ!』
男「や、めんどいし」
『お願いじゃ。このとおり頭も下げる』
男(わかんねーよ)
男「ってか柵があって入れないし」
『お願いじゃ! このとおりじゃ!』
男(だからわかんねーって)
男「じゃあ聞くけどあんた何者なの?」
『儂は……そうじゃ!』
『儂はこの地方に古くから伝わる神じゃ』
男「ふーん。神様がなんでこんなぼろっちい石に封印されてんの」
『うぐっ……ずっと昔に兄弟と大喧嘩をしての。負けた儂が封じられたのじゃ』
男「ふーん。じゃあ深夜神社の神様とは兄弟だったりするんだー」
『おお、そうじゃ! そうじゃ! お主は物知りじゃのー』
男「これでもあそこの神主の息子なんで」
男「あ、ちなみにあそこの神様。兄弟なんて一人もいないから」
『!』
『謀りおったな……!』
男「おあいこでしょ。あんたが正直に話していればこっちもその気になれたのに」
『くっ……!』
男「そろそろ行きますわ」
『ま、待て人間!』
男「ん? まだなにか」
『わけあって名は明かせない。じゃが儂を助けてくれた暁には十分な礼をしよう』
『女、金、地位……お主の望むものをなんでもやろう』
『儂にはそれを可能にするだけの力がある』
男「…………」ピクッ
『どうじゃ?』
男「…………」
男「それは……本当なんだろうな」
『儂も分別を知っておる。恩を仇で返すような真似は絶対にせん』
『お願いじゃ』
男「…………」
男「よし」
スタスタ
『い、行くでない!』
男「すぐにもどる」
男「柵を破る道具をとってくる」
栃木県那須町の狐かぁ
なんか災厄振り撒きそうだなぁ
しかしよく近寄れたな硫黄とかガス半端ない時多いのに
殺生石……玉藻前?
それしかないんだよなぁ
こういうスレタイからの普通の展開多すぎて意外性も何もなくなってるよね
那須の殺生石は今でも近づくと危ないらしいからなぁ
以前見に行った時は傍で狐が死んでて「眷属殺すなよw」と思ったわ
それはそれとして期待
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