真宵「…………」

春美「あら……真宵さま？ どうかしました？」

真宵「はみちゃん……」

春美「ほらほら、もうすぐ毎週楽しみにしてるドラマが始まりますよっ。先週はどんな終わり方したんでしたっけ？」

真宵「……」

春美「ああそうそう、確か時効が成立してしまいそうな未解決事件についに解決の兆しが見え、とうとう事件に終止符を……！ と思ったら予想外に時間がオーバーしてて時効か成立しちゃったんでしたねっ！」

真宵「そうだっけ……」


春美「……真宵さま、元気ないですね。何かお悩みですか？」

真宵「悩みというか……まあ……」

春美「そういえばなるほどくんの姿が見当たりませんね。このドラマ楽しみにしてたのに……」きょろきょろ

真宵「……なるほどくん、トイレ掃除してるよ」

春美「なんだ、そうでしたか。でもそんなのドラマが終わってからでもいいと思いますけど」

真宵「……はみちゃん」こそこそ

春美「はいっ？」


真宵「なるほどくん……トイレ掃除しすぎだよね……？」ひそひそ

春美「は、はぁ」

真宵「今週に入ってもう何回してるかな……明らかに変だよ……」

春美「いいんじゃないですか？ お掃除にやりすぎなんてないですもの」

真宵「確かにそうかもしれないけど……おかしいよ……」

真宵「なるほどくん、一回トイレ掃除始めたら30分くらい出てこないし……トイレ使う時間よりトイレ掃除してる時間の方が長いよ」

春美「確かに……」


真宵（考えられることは……）

春美「なにか、トイレ掃除以外のことをやってるんですかね？」

真宵「あ……///」

春美「真宵さま？ どうしました？」

真宵「い、いや、なんでも……」


真宵（はみちゃんとこんな話できないよ……！）ぶんぶん

真宵（でも、本当にそうなのかなぁ……もしかしたら本当にトイレだけお掃除したがりな性格かもしれないし……）


真宵（いやいや、でも明らかにこの頻度はおかしい……やっぱり私の想像通りのことしてるんじゃ……///）はぁ


春美「……よしっ、私見てきます！」すくっ

真宵「え！」

春美「なるほどくんがおトイレで何をしてるか確かめてくればいいんですよね？ わたくし行ってきます！」

真宵「ちょちょちょ、だめだよ！ そんなことしちゃだめ！」ばっ

春美「だって真宵さま、元気ないですもん……それならわたくしが原因解明にひと肌脱ぎますとも！」

真宵「いいって！ はみちゃんは気にしないで！」

春美「だめです！」

春美「なるほどくーん？」こんこん

真宵（あわわわ……）


『ん……なにー？』

春美「なるほどくん、何してらっしゃるのですか？」

真宵（そ、そんなストレートな！///）


『トイレ掃除だよ。もうすぐ終わるから』しゅっしゅっ

春美「本当におトイレ掃除なのですか？ 何か他のことをしているんじゃあ……」

『どういうことだい？』

春美「……いえ、わたくしの思い違いでしたっ。早くしないとドラマが始まってしまいますよー」

『ああ、今いくよ』

春美「……とのことです。なるほどくんはお掃除好きですねー」

真宵（そんなわけないじゃん……だったらもっと事務所全体を掃除してほしいよ……）

春美「まあまあ真宵さま。なるほどくんと一緒に過ごす時間をトイレなんかに奪われてさぞかしご立腹かもしれませんが……綺麗好きなのは悪いことではありませんよ？」

真宵「いや……絶対掃除なんかしてないんだって……」

春美「でも今確かめてきたら、確かに “しゅっしゅっ” と何かをこするような音が聞こえましたよ？」

真宵「何かを…… “こする” ……？」

春美「きっとおトイレを磨いていたのです！」

真宵（そうかなぁ……違う気がするよぉ……）

期待

自分が用を足した直後に掃除って嫌だな

期待

おいおいまだかね