かよちんの視力 (82)
初めてラブライブss書きます。おかしいところもあると思いますがよろしくです。
設定は基本アニメ準拠ですが一部オリジナルです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459862669
花陽「おはよう凛ちゃん真姫ちゃん」
凛「おはようかよちん!ってあれ?」
真姫「今日練習あるのにメガネなのね」
花陽「うん、目の調子が悪くって」
真姫「……結構前から気になっていたんだけど、花陽って視力いくつなの?」
凛「そういえば凛も知らないにゃ」
真姫「なんで凛が知らないのよ」
凛「出会った頃からすでにメガネだったから深く考えなかったにゃ」
真姫(そんな昔から目わるいのね)
キーンコーンカーンコーン
凛「やっと英語の授業がおわったにゃ~……」
花陽「お疲れ、凛ちゃん」
凛「かよちんの声には癒されるにゃ~、えへへ」
真姫「大げさなのよ全く、ほら次の授業に遅れちゃうわよ。体育なんだから着替える時間も考えなさいよ」
凛「体育!今日なにやるんだっけ?」
花陽「たしかバレーボールだったはずだよ?」
真姫「……」
先生「よーし全員集まったなー、さっそくだが試合やっていくぞー」
凛「スパイクとかサーブとか練習しなくていいのかにゃ?」
先生「めんどくさい」
凛「理由がひどいにゃ」
真姫「ねぇ花陽、バレーボールもメガネかけてやるの?危ないわよ?」
花陽「うん、メガネないとボール見えなくて……」
真姫(すごく不安だわ……)
花陽「凛ちゃんも真姫ちゃんも同じチームだね」
真姫「考えたら私バレーボールやるの初めてかも」
凛「大丈夫大丈夫、凛に任せるにゃ!」
花陽「凛ちゃんバレーボールやったことあったっけ?」
凛「ないよ」
真姫「なんでそんなに自信満々なのよ……イミワカンナイ
凛「試合が始まったにゃ。両チーム同じぐらいの実力でなかなか点差が広がらず、授業とは思えない接戦になったにゃ。そうなるとお互い熱くなってみんな本気ムードになっていったにゃ。こういうときはえてして事故がおこってしまうものだにゃ」
花陽「……凛ちゃん何喋っているんだろう?」
早く続きを書くんだよオラァン!
宙を舞うかよちんメガネはよ
サーブやスパイク練習なしにいきなりか
真姫「ここまで来たら絶対勝つわよ!」
凛「もちろんだにゃ!」
生徒A「えい!」(サーブ)
真姫「……絶妙なところに撃つわね、花陽とBちゃんの間……しかも取れるか際どいところ」
凛「まずい!ふたりとも横っ飛びして取りにいってるにゃ!危なーい!!」
花陽「えっ!?」
ドシーン!
凛「かよちん!」
真姫「Bちゃん!」
真姫「……ふたりとも気を失ってるわ、脳震盪を起こしたのかも……」
先生「今すぐ救急車を呼ぶわ!今日の授業はここで中止!」
凛(かよちん……)
凛「二日後、かよちんは何事もなかったように帰ってきたにゃ。脳のこととは別の問題を抱えて……」
真姫(何を言ってるのかしら、凛)
穂乃果「やっほーい!あっ、凛ちゃん真姫ちゃん花陽ちゃん!」
凛「穂乃果ちゃん海未ちゃんことりちゃん!」
海未「みなさんこんにちは。……って花陽?」
花陽「ジーー……」
真姫「あー、今花陽コンタクトしてないからよく見えてないの」
ことり「そういえばこの前体育の授業でケガしたって聞いたけど……」
真姫「そう。クラスメイトと頭ぶつけちゃってね。その時にメガネ壊しちゃって」
穂乃果「そうなんだ……練習はどうするの?」
花陽「明日まではダメかな…、頭は大丈夫だけど、足元もよく見えない状態だから……」
海未「そんなに見えてないのですか?」
花陽「うん……」
ことり「でもそこまで見えてないと不便だね~」
凛「凛には想像できないにゃー。昔から学校の視力検査ではオールAだったから。」
穂乃果「そういえばみんな」
ガラッ
絵里「みんな集まってるー?練習するわよ」
花陽「うわあああああ!お化けー!」
にこ・希・絵里「えっ!?」
にこ「そういうこと……ビックリしたじゃない」
花陽「ご、ごめんね」(アセアセ)
ことり「そういえば穂乃果ちゃん、さっき何か言いかけなかった?」
穂乃果「いや~、単純にみんな視力どのくらいなんだろうって?」
にこ「私はアイドルのDVDとかよく見るけど、視力検査でひっかかることはないわね。」
希「ウチも特に何も言われへんな~」
真姫「私は1.2ぐらいかしら。検査でひっかかることはないわね」
ことり「私もいつもオールAだよ」
海未「私、実は一時的に目悪かったんです。矯正が必要なレベルで」
穂乃果「えっそうなの?」
ことり「それも一時的っていうのは?」
海未「自力で鍛えました。視力が悪いのは弓道でも致命的ですから」
凛「なんか海未ちゃんらしいにゃー」
凛「穂乃果ちゃんは?」
穂乃果「実は私もコンタクトにしてるんだ。つい最近だけどね」
真姫「そうなの。そんなイメージ全然なかったわ」
穂乃果「花陽ちゃんとおそろいだね~」
花陽「穂乃果ちゃん……」(パアア)
にこ「花陽、私は穂乃果じゃないわ」
花陽「あっ、ごめん…」
希「そういえばえりちはどうなん?」
絵里「えっ私?」
海未「そういえばさっきから一言も喋らないですね」
絵里「そ、そうかしら……」
海未「というか絵里、コンタクトしてますよね。それもカラコン」
凛「ホントなの!?ていうかそんなの分かるの!?」
海未「目を鍛えたら恐ろしいほど見えるようになりました」
真姫「ナニソレ、イミワカンナイ」
ことり「というかカラコンって確か……」
希「ええ、音ノ木坂学院では禁止やね」
絵里(ぎくっ!)
希「さっさと外してき」
絵里「わ、私花陽並みに近眼だから」アセアセ
海未「ついでに言うと絵里のカラコンは度なしです」
絵里(ぎくぎくっ!!)
希「えりち~……」
絵里「外してきます……」
凛「絵里ちゃんまさかのエセロシアだにゃー」
穂乃果「というか海未ちゃんの目のほうが怖いよ!」
髪も染めてたり・・・
海未ちゃんすごい…
海未「しかし穂乃果はいいとして、花陽の近眼はなんとかする必要がありそうですね」
真姫「そうね。普段はコンタクトだといってもここまで見えてないとなると緊急時に大変なことになるわよ」
海未「どうです花陽、私がやった視力回復トレーニングに挑戦してみますか?」
花陽「そうだね……なんだかんだでメガネもコンタクトも煩わしいから」
海未「それでは練習のあと私の家に来てください」
穂乃果「穂乃果もそのトレーニングやろうかな!」
海未「穂乃果はダメです」
にこ「え?どうして?やってあげたらいいじゃない」
海未「とても厳しいトレーニングですからね、穂乃果だとリタイアするでしょうから」
花陽「そ、そんなにキツイの?ダレカタスケテー!」
ことり(たぶん海未ちゃん、メガネ姿の穂乃果ちゃんに萌え萌えだから、メガネをこれからも使ってほしいんだろうなー……)
園田家にて
海未「それでは始めましょうか、花陽」
花陽「一体何をするの?」
海未「まあそこまで難しいことではありません。基本的に視力というのは眼の筋肉のピント調整機能が落ちることで低下していきます。ですからその筋肉を鍛えることで視力は回復します」
花陽「それで具体的には?」
海未「やることとしては、まず私が花陽の目の前で拳を不規則に動かします。それを花陽は顔を動かさずに目で追うのです」
海未「それを一分間ほど行い、少し休憩してからもう一回、これを三回繰り返します。これを一日3セット行います」
花陽「へぇ~案外簡単そうだね」
海未「フフ……そう言ってられるのも今のうちです」
花陽「?」
海未「さっそくやってみましょうか。スタート!」(ススッ)
花陽「……海未ちゃん待って!」
海未「どうかしました?」
花陽「裸眼だから、拳が見えない……」
海未「ああ、そうでしたね。それなら私が一時的に使っていたメガネを持ってきましょう。たぶん拳が見えるレベルには矯正できるはずです」
花陽「ありがとう海未ちゃん(海未ちゃんが使っていたメガネかー、どんな感じなんだろう?)」
はよはよはなよ
海未「お待たせしました」
花陽「ありがとう海未ちゃん。へえ~縁なしのメガネなんだね。海未ちゃんらしいかも」
海未「そ、そんなことありませんよ。それよりとても似合っていますよ。ずっと使うわけではありませんからあまり関係ないですが」
花陽「そ、そう?なんだか照れるなあ……」
海未「見え方やかけ心地は大丈夫ですか?」
花陽「なんだかメガネ屋さんみたいだね、ふふっ」
海未「そ、そうですか?でも確かにメガネ屋さんの人ってすごく親切ですもんね。それで使えそうですか?」
花陽「うん、これならなんとかできそう。でも私の視力でもそこそこ見えるということは度もそこそこ強めなのかな?」
海未「そうですね……最初はメガネを使うのが恥ずかしくて無理して裸眼で黒板とか見ていたんです……そしたらガンガン視力が落ちていって」
花陽「そっか、私は物心がつく前からメガネだったから特に何も思わなかったけど、でも確かに急に使うとなると恥ずかしいかも」
花陽「でもこういう話、結構好きかも」
海未「そうかもしれませんね。周りに目が悪い人が少なかったですから、共通の話題にはなりませんからね」
花陽「ただこんな話を海未ちゃんとするとはおもわなかった。」
海未「そもそも花陽とこうして話すこと自体あまりなかったのではありませんか?学年も違いましたし、デュエットを組んだわけでもありませんでしたし」
花陽「……」
海未「花陽?」
花陽「海未ちゃん、それだったら今日海未ちゃんの家に泊まってもいい?」
海未「えっ!?」
花陽「あっ…ごめんね、ダメだよね」
海未「い、いえ!そんなことありません!ただ急に言われたものですから……」
海未「構いませんよ、明日は練習も休みですし、たまにはこういうのもいいんじゃないでしょうか」
花陽(パアア……)
海未(……かわいい)
海未「さあ、今日のトレーニングをやってしまいましょう」
花陽「はい!」
トレーニング後
花陽「うう~…思ったより大変なんだね~」
海未「ええ。自分がいかに目を使ってないかがわかるでしょう?」
花陽「でもこれ本当に効果あるのかなあ?」
海未「個人差はあると思いますが私は一週間くらいで普通に過ごすぐらいには回復しました。まあこれはかなり速いスピードだと思います。2~3か月くらいかかるのではないでしょうか?」
花陽「うう……でも頑張ります!」
就寝前
花陽「ねえ海未ちゃん」
海未「なんですか花陽?」
花陽「私、μ’sの一員としてみんなの力になれてるかなあ?」
海未「花陽……」
花陽「μ’sとして長く活動してきたけど、私ってすごくドジだし、泣き虫だし、ダンスも下手だし、みんなの足を引っ張ってばかりだと思うの……」
海未「……」
海未「確かに花陽は半人前のスクールアイドルかもしれません」
花陽「海未ちゃん……そうだよね」
海未「でも……」
花陽「?」
海未「あなたはμ’sのお荷物なんかじゃありません」
花陽「えっ!?」
海未「まずあなたはアイドルを愛しています。それもにことはまた違う愛し方です」
海未「あなたほど自分を知っている人はμ’sにはいません。だからこそあなたは努力することを怠らない。メンバーのみんなもそれは知っていますし、ライブを見に来てくれる人も感じ取っていると思います」
花陽「そ、そんな大したことじゃないよ……努力しているのはみんな一緒だよ……」
海未「なるほど……なら視点を変えてみましょう。花陽はどうしたら……どうなったらいいと思いますか?」
花陽「そうだなあ……海未ちゃんみたいなしっかり者になりたい。真姫ちゃんみたいに歌が上手くなりたい、絵里ちゃんみたいなキレのあるダンスをしたい、穂乃果ちゃんみたいにみんなをグイグイ引っ張っていきたい……完璧なアイドルになりたい」
海未「なるほど、完璧にですか……」
海未「ですが、その先にあなたはいますか?そのアイドルに魅力を感じられますか?」
花陽「……」
海未「人を見習うことは大事なことです。でもあなたはあなたであって私にはなれない。絵里にはなれない。穂乃果にはなれない。その逆も然りです」
海未「各々の武器は本人にしか使いこなせないのです」
花陽「武器……そんなものが私なんかにあるのかなあ……」
海未「もちろんです。ただそれが何なのかを花陽自身は知らないほうがいいのかもしれませんね。そのほうが花陽の持ち味が出せる気がします」
花陽「……ありがとう海未ちゃん。なんだか力をもらえた気がする」
海未「……そうですか、力になれてなによりです」
海未(花陽はまだまだ未完成……だからこそ、だからこそ、彼女はμ’sに必要な存在になれる。そう信じています)
凛「久しぶりの登場だにゃ。あれからかよちんはトレーニングを続けていったにゃ。ただ海未ちゃん以上の近眼ということもあってなかなか結果はでてこなかったにゃ。ただ三年生が卒業してμ’sが解散して間もないころ……」
真姫「また言ってる……」
花陽「おはよう凛ちゃん、真姫ちゃん」
凛ちゃん「おっはよーう、かよちん!」
真姫「おはよう花陽」
花陽「聞いて二人とも!今私コンタクトしてないんだよ!」
凛「えっそうなの!?」
真姫「例のトレーニングの効果がようやくでてきたのね」
花陽「うん!まだメガネは必要なレベルなんだけど、今までみたいなことはもうないよ」
にこ「ふーん、ということは授業中にメガネをかけるという「時々メガネ」というギャップ技が使えるということね!」
真姫「……なんでにこちゃんがここにいるの?音ノ木の制服を着て……」
にこ「私全然出番がなかったじゃない?留年すれば出番が増えるんじゃないかと思ってね」
凛「本当は?」
真姫「本当は?」
にこ「な、なによ!ちゃんと言ってるじゃない!」
花陽「本当は……?」ウルウル
にこ「留年……してしまいました……成績不振で……」
にこ(何今の花陽の目……、嘘をつき通す気にならなかった……)
放課後
穂乃果「ほえ~ちゃんと結果がでるものなんだね~」
ことり「なかなか時間はかかったけど、良かったね花陽ちゃん」
花陽「うん、でもそれだけじゃないの」
ことり「え?どういうこと」
海未「私から説明しましょう。私はもともと花陽の視力を回復することを目的にしていたわけですが、それがそもそも私の勘違いだったようです」
穂乃果「よく分からないよ~」
海未「私の場合、視力が回復したのではなく、極端な洞察力を手にしたということ。花陽は花陽の瞳を見せることで相手を素直にさせる力を手にしたということです」
にこ「私が朝嘘をつけなかったのはそういうことだったのね……」
海未「もっとも花陽の場合、目の筋肉を鍛えた分、視力はある程度回復したみたいですがね」
真姫「何その漫画みたいなシチュエーション……イミワカンナイ……」
数分後
凛「よーし、そろそろ練習、いっくにゃー!」
にこ「あんたたちはまた次のラブライブがあるんだから、頑張りなさいよ」
海未「にこはさっさと勉強してください」
にこ「うっ……」
数か月後、ロシアにて
希「えりち……こんなところで何をするつもりなん?」
絵里「来てくれたのね、希」
希「大学に進学したあとすぐに海外留学したって聞いてたんやけど……」
絵里「留学……か、そんなバカな事してた時期もあったわ。でもね、そうやって海外を渡り歩くうちに気づいてしまったの……」
希「……」
絵里「この世界はすでに廃れてしまった。私はこの世界を浄化する!」
絵里「そのためには希、あなたにも協力してほしいの」
(会話中……)
希「……、……えりち、その話は受けられへん……」
絵里「そんなこと言ってていいのかしら?」
希「……!」
数日後
穂乃果「おっはよー!にこちゃん!」
にこ「ああ穂乃果、おはよー」
穂乃果「どうしたのにこちゃん?元気ないねえ?」
にこ「……ちょっと気になることがあってね」
にこ「絵里や希と連絡とれないのよ」
穂乃果「二人とも大学生だから忙しかったんじゃないかなあ?」
にこ「だといいんだけど……」
(ドカーーーン!!)
穂乃果「えっ何!?」
にこ「音ノ木からだわ!」
音ノ木にて
にこ「……こんなことって……」
花陽「穂乃果ちゃん、にこちゃん!」
穂乃果「みんな!いったい何があったの!?」
凛「それが……急に隕石みたいなのが校庭に落ちてきて……」
真姫「しかもその隕石が真っ二つに割れたと思ったら、その隕石の中から人影が飛び出してきて……」
にこ「人影……?」(ヒュン!)
ドボオッ!
にこ「ぐえっ!なんなのよ~痛っ……」
凛「にこちゃんしっかりして!」
海未「……いったい誰が……希!?」
希「……久しぶりやね、みんな」
ことり「希ちゃん!?なんでこんなことを……?」
希「……この世界にはもう絶望しかない、こんな世界はもう、壊すしかない……ただそれだけのこと」
穂乃果「そんな、そんなの希ちゃんじゃないよ!」(ダッ!)
海未「穂乃果!今の希に近づいてはいけませ 希「遅い!」」
ドグシャ!
ことり「穂乃果ちゃん!」
希「えりちから手に入れたこの力……負ける気がしない……」
海未「絵里が、絵里が絡んでいるのですか!?」
絵里「その通りよ!」(ビュン!)
海未(……なんてスピードの蹴り……よけるのが精いっぱいです、鍛えた洞察力が役に立ちました)
絵里「さすが海未ね、完全に決まったと思ったのに」
絵里「まあいいわ、あなたたちとの決着はあとでつけるわ、戻るわよ希」
希「ウチらは北海道の稚内で待ってる、そこに来るんやで」
花陽「……行っちゃった」
真姫「とりあえず穂乃果とにこちゃんを病院に連れていきましょう。骨折しているわ」
海未「作戦会議です!」
凛「とは言ってもどうするの?あんな身体能力を相手にしたら本当に死んじゃうよ!」
海未「そうですね、ですからケガをしている穂乃果とにこはお留守番ですね」
にこ「そうね……行ったところで足手まといだわ」
真姫「にこちゃんは単に怖いだけでしょ?」
にこ「そ、そんなわけないでしょ!?花陽の目を見ても真実よ!」
海未「逆に私と花陽は二人のもとへ向かいます。まともに戦えるのは私だけですし、二人の説得に花陽の力は必要です」
海未「あとは凛にも来てほしいですね。凛の身体能力も高いですから」
ことり「私と真姫ちゃんは?」
海未「片方が私たちと一緒に来て私たちがケガした時の看病、もう片方がここに残って穂乃果たちの看病や情報交換などをしてもらいます。どちらも身体能力にそこまで差はありませんから二人で話し合ってください」
ことり「だとしたら真姫ちゃんが残った方がいいね。けが人は穂乃果ちゃんやにこちゃんだけじゃないから、病院でお手伝いできる真姫ちゃんは離れないほうがいいんじゃないかな?」
真姫「私は構わないけど、ことりはいいの?」
ことり「うん!」
穂乃果「ごめんね、リーダーの私が何もできなくて……」
花陽「あ、謝らないで穂乃果ちゃん!こんなの予想外すぎるし……」
真姫「そうよ、今は二人を取り戻すことだけを考えましょ」
次の日
海未「花陽、凛、ことり、準備はいいですか?」
海未「真姫、穂乃果とにこを頼みます」
真姫「なにかあったらすぐ連絡しなさいよ。最悪私だって駆けつけるから」
凛「真姫ちゃんが来る頃にはとっくに片付いているにゃ」
穂乃果「みんな、気を付けてね」
凛「こうして凛たちは飛行機に乗って稚内に向かったにゃ。絵里ちゃん希ちゃん、すぐに正気に戻してあげるにゃ!」
ことり(誰に話しているんだろう……?)
稚内にて
ことり「な、なにこれ……」
凛「大きなお城だにゃ~……」
海未「この異様な雰囲気……ここに絵里たちがいるとみて間違いなさそうですね」
花陽「……」
花陽「ねえ、みんな……なんでこんなことになっちゃったんだろう……?」
凛「かよちん……」
花陽「絵里ちゃんたちが卒業するから私たちは解散して、三年生たちはそれぞれの進路に進んで、その結果がこれなんだよね?」
花陽「久しぶりに絵里ちゃんと希ちゃんと会えたと思ったら今までの二人じゃなくなっているし、にこちゃんにしても留年しているし……」
花陽「私たちが決めたことって、間違いだったのかなあ……?」
ことり「花陽ちゃん……」
海未「……確かに、スクールアイドルにこだわらず、今もμ’sとして活動していたら、と考えることは今でもあります」
海未「でも、たとえそうしていたとしても、この未来は変わらなかったかもしれない。逆にもっと悪い未来が待っていたかもしれない」
海未「二人に会いに行きましょう。そうすれば答えはでるはずです」
花陽「……そうだよね、まずは二人を止めることだよね!」
花陽「私ちょっと弱気になってた。でももう覚悟を決めたよ!頑張る!」
凛「それじゃあ二人のところにいっくにゃー!」
凛「こうして凛たちは城の中へ入っていったにゃ。その先に待ち受けるのは……」
海未「……もうつっこみませんよ」
いや突っ込みどころ満載やがな
ことり「なんだか薄暗いね~」
凛「気味が悪いにゃ~……」
海未「……三人とも、ここから離れて!」
花陽「えっ!?」
ヒュウウウ……ドオオオン!
凛「上から何か落ちてきたにゃ!……希ちゃん!」
希「しっぽ巻いて逃げるかと思ってたけど、ようここまで来たなあ、感心感心♪」
希「しかし海未ちゃんの洞察力はさすがやね。この暗い中事前にウチの動きを見切った……」
希「……それなら、逃げられへんようにしたらええんやね♪」
ドン!
ことり「地面を殴って……ゆ、揺れてる!身動きが……」
海未(とれない!)
ズン!(海未の腹を殴る音)
花陽「海未ちゃん!」
海未「くっ、なんのこれしき……」
希「へえ、まだ立てるんや……さすがやん♪」
海未「希……あなたを倒す方法は分かっています。あなたの弱点は胸をわしわしすること」
希「どうしてそれを!?」
海未「私の洞察力を舐めないでください」
凛「チートすぎないかにゃ?その洞察力」
希「ふうん、でもそれがわかっても……」
希「これほどのパワーをもつウチの身動きを止められるかな?」
海未「……集中、集中……」
海未(パンチが飛んでくる、ここだ!)
がしっ!
ことり「掴んだ!」
花陽「今だよ凛ちゃん!わしわしだよ!」
凛「にゃ、にゃ~~~!」
ボイン!
凛(くっ!なんて大きさだにゃ!)
希「く……はうう……」
海未(弱点をついているというのに、タフですね希……)
海未(駄目です!これほどの力、抑えきれない!)
ドン!(希が海未と凛を弾く!)
希「所詮は烏合の衆……虫ケラが束になっても私には敵わない!」
希「だからあなたたちは、この世界は醜い!腐っているんや!だからウチとえりちで浄化するんや!」
ことり「希ちゃん!本気で言ってるの!?」
花陽(……私にはわかる。希ちゃんの本心じゃない。たぶん絵里ちゃんに無理やり言わされてるんだ……)
花陽「希ちゃん!」
海未(花陽?)
花陽「さっき言ったこと、希ちゃんの本心じゃないよね?」
希「なっ!そんなわけないやん!」
花陽「……海未ちゃんとの視力回復トレーニングで、私は嘘をついているかどうかわかるようになったの。そして本心を言わせることもできる……」
花陽「希ちゃん、私の目を見て」
希「目を……?」
希(……なにこれ!?不思議な気分……今にも本音を言ってしまいそう……)
希(でもそれを言って何になるん?)
花陽「……希ちゃん、たとえ私たちではどうしようもないことだとしても……言ってほしいの!一緒に背負ってあげたいの!私たち……μ’sでしょ!?」
希「!!」
凛「かよちん……」
希「……う、うるさーい!」
凛(そういって再びパンチを繰り出す希ちゃん。しかし凛でも分かるくらい希ちゃんは明らかに動揺していたにゃ。迷いを乗せたその拳を見切れない海未ちゃんじゃなかったにゃ)
海未「希……泣いているのですか?」
希「……殴れるわけないやん……、μ’sの仲間なんよ……?」
海未「話してください、何があったのか……」
希「……私のお母さん、お父さんが人質にとられたの……えりちに……」
ことうみりんぱな「!!??」
希「ウチ、一週間ぐらい前にえりちと久しぶりに会ったんよ。その時からすでにえりちの様子は変やった。聞くと、えりちは海外留学から帰ってきたところやったみたい」
花陽「そういえば卒業式のときそう言ってたね」
凛「……言ってたっけ?ことりちゃん」ボソボソ
ことり「言ってたよ!忘れちゃったの!?」ボソボソ
希「そこでえりちは多くのものを見てきたらしいんや。学習意識の低い学生、利己的な大人、遊ぶことも親に甘えることも許されないかわいそうな子供たち、病気に苦しむ途上国に住む人、戦争に巻き込まれる無関係で何も悪くない人、お隣さんとも仲良くできない人たち、その全てに絶望したそうなんや……」
海未「だから、その全てを、この世界を潰そうと?」
希「そうや。そしてその手始めにμ’sを、音ノ木を潰そうとした」
ことり「どういうこと?」
希「えりちは自分の目的に、かつて廃校の危機から救った音ノ木を、そしてその原動力となったμ'sが最大の壁になると思って、情が移ってしまう前に潰したかったんやろうなあ」
希「……最初は断るつもりやった。でも両親が人質になっていることを知って……それに」
??「ずいぶんよく喋るお口ねえ」
ことうみのぞりんぱな「!?」
ドヒュン!
凛「がっ……は……!」ドサッ
ドヒュン!
ことり「きゃあああ!」ドサッ
海未(花陽が危ない!)
ドヒュン!
海未「……効きますね、希の比にならない……」ドサッ
??「あらあら、海未と真剣勝負がしたかったのに、花陽をかばって倒れちゃったわね」
花陽「なんでこんなことするの……絵里ちゃん!」
絵里「……何よ、私に口答えするの?」
ギン!(絵里が希をにらみつける)
希「!……う、ああ……」
絵里「私は目が合ったひとをにらむことで、恐ろしいほどの恐怖を植え付けることができるの。そうなれば精神が崩壊して一時的に何もできなくなる」
花陽「……そんな、海未ちゃんや私と同じような力を絵里ちゃんも持っているなんて……」
絵里「まあ花陽に使うまでもないけどね。終わりよ!」
ゴウ……(絵里のパンチの音)
ガシッ!
絵里「……まだ立てるのね、海未」
海未「ハアハア……」
絵里「でも無駄よ」ドシィ!(蹴りを入れた音)
海未「くっ……」
花陽「海未ちゃん!」
海未「……意識がなくなる前に話しておくことがあります」
花陽「!?」
海未「絵里の弱点は……両ひざです。花陽一人に任せるのは非常に申し訳ないのですが……何とか止めてください……」ガクッ
花陽(海未ちゃん、みんな……)
花陽(わたし、みんなに助けてもらってばかりだね……海未ちゃんには特に)
花陽(私なんかに絵里ちゃんを止められるのかなあ……)
花陽(…………違う、できるかどうかじゃない。止めるんだ!)
花陽(絶対に絵里ちゃんを止めて見せる!)
花陽「絵里ちゃん!」
絵里「……何よ?」
花陽「辺りを見渡してみてよ!これが絵里ちゃんが望んだ結果なの!?こんなのでなにが変わるの!?」
絵里「……」
花陽「こんなことになるんだったら解散なんてしなきゃよかった!μ'sなんて入らなきゃよかった!アイドルなんてやらなきゃよかった!!」
絵里「井の中の蛙大海を知らず……とはよく言ったものね。世界を知らない花陽には関係ない……」
絵里「私が絶対的な力を得て、世界の頂点に立つ。それ以外の手段はないわ!」
花陽「そんなことない!世界はまだやり直せる!こんな人を傷つけるような方法、私は認めない!」
絵里「そのへらず口、二度と開けないようにしてやるわ!」
??「そんなことさせません!」
ドシーン!(誰かが絵里の足にタックルをぶちかます)
花陽「!?海未ちゃん!?」
絵里「くっ……足がしびれて動かない……」
海未「うまく弱点を突くことができました……」
花陽「モウイシキガモドッチャッタノオ!?」
海未「え?」
花陽「なんだかさっきもう起き上がってこれないと思ってしみじみしちゃったのにこんなすぐ起き上がっちゃダメだよ!私のさっきの決意を返して!」
海未「ええ~なぜか怒られてしまいました……」
花陽「……でもありがとう、海未ちゃん。このチャンス、絶対ものにするよ!」
タッタッタッタ……
海未(花陽……いまこそみんなの役に立つときです。あなたにしかできない役目ですよ……)
海未(花陽……私は……)
花陽「絵里ちゃん!私の目を見て!」
絵里「それがどういうことか、分かっているのかしら?」ギン
花陽「目の力なら、私も負けない!」
絵里(な、なにこの気分!?……心が洗われるような)
花陽(苦しい、希ちゃんがなす術なく従わされるのも分かる。でも……)
パアアアア…………
絵里「……ん、うう……」
穂乃果「あ、気が付いたの?絵里ちゃん!」
絵里「穂乃果、みんな……?」
凛「えーりちゃーん!」
にこ「やっと目を覚ましたのね。ほんと、世話が焼けるわね~」
真姫「ま、無事でなによりね」
ことり「久しぶりだね、こうして集まるなんて」
希「ほんとやね、ことりちゃん」
絵里「み、みんな……私のことを、許してくれるの……?」
凛「もちろんだにゃ!今はもう元の絵里ちゃんだもん!」
穂乃果「そうそう、あれは本当の絵里ちゃんじゃないんだよね?だったらもう水にながすってことで!」
絵里「そんな……あれだけみんな傷つけたのに……」
ことり「確かにみんなボロボロにはなったよ。真姫ちゃん以外は」
真姫「まあそこは私の病院の力で完治させたのよ」
にこ「それより海未と花陽に会ってあげて。屋上にいるから」
屋上にて
花陽「絵里ちゃん!」
海未「絵里!もう体は大丈夫なのですか?」
絵里「ええ、もう大丈夫よ」
絵里「二人には本当に迷惑をかけたわ……ごめんなさい」
花陽「そ、そんなことないよ!確かに、絵里ちゃんがあんなこと考えていたのはちょっとショックだったけど……」
花陽「でもね、だからこそμ'sを解散させても良かったって気づいたの」
絵里「あら、意外ね」
花陽「絵里ちゃん、海外留学でいろんな人と出会ったって言ってたよね?そういった人たちと真剣に向き合ういいきっかけにはなったんじゃないかなって。もし今もμ’sとして活動していなかったら、絵里ちゃんが留学するひまなんてなかったもん」
花陽「それに、今回の事件があったからこそ、私にも大事な役割があるって気づくことができたの。私の目でみんなの心をつなぐっていう役割を……」
絵里「花陽……」
花陽「それでね絵里ちゃん、私なりに考えたの。みんなが幸せになれる方法を」
絵里「というと?」
花陽「私がいろいろな国に行って、みんなの心をつなぐの」
海未「今の花陽なら、目の力を使わずとも、それが可能ですから」
絵里「グッドアイデアね、結構大変そうだけどね」
海未「絵里を止められたのですからきっとできます」
絵里「間違いないわね」
絵里「そろそろ降りようかしら。二人は?」
花陽「もう少し話してから降りるね」
海未(?)
絵里「そう、ならまた後でね」
花陽「……海未ちゃん」
海未「どうしましたか、花陽?」
花陽「…………私、海未ちゃんのことが好き」
海未「後輩にそう言ってもらえるのはとてもうれしいです」
花陽「違うの!私……ひとりの女性として海未ちゃんのことが好きなの!」
海未「!」
花陽「どんなときも海未ちゃんは私のことを助けてくれた……勇気をくれた……その姿に私、恋に落ちたの……だから!」
花陽「私と付き合ってください!」
海未「……」
花陽「やっぱりダメだよね、女の子同士じゃ……」
海未「そんなことありません」
花陽「え!?」
海未「あなたのひたむきに頑張るその姿に、私もいつの間にか惚れてしまいました。だから……」
海未「……これから、よろしくおねがいします」
~Fin~
ここまでお付き合いありがとうございました。駄文申し訳ないです。
次はもっとレベルアップして書きに来ます
起承転結すらできえねえのかよこいつ
急展開過ぎて頭ががが......
まきちゃん
もう少し頑張りましょう
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