やよい「もう少しだけこのままで」 (42)
冬の日
P「今日は寒いな・・・」
やよい「そうですね・・・」
P「手袋してくればよかったかな、手が氷みたいに冷たくなってるよ」
やよい「そうなんですか?」ギュ
P「ん?」
やよい「ほんとだ、すっごく冷たくなってます」
P「そういうやよいの手は温かいな」
やよい「そうですか?・・・あ、そうだ!プロデューサー、こんな話があるのを知ってますか?
手が冷たい人は心が温かいんだーって。・・・えへへ、だからプロデューサーはいつも優しいんですね!」
P「あはは、ありがとう」
やよい「こちらこそ優しくしてくれてありがとうございます、プロデューサー!・・・って、あーっ!」
P「うわっ!?い、いきなりどうしたんだ、やよい?」
やよい「い、いえ・・・。ということは、私は心が冷たいんでしょうか?」
P「へ?」
やよい「その、もしも手が冷たい人の心が温かいなら、手が温かい人は心が冷たいのかなーって。
さっきプロデューサー、私の手は温かいって言ってましたよね?」
P「ああなるほどな、そういうことか・・・ふふっ」
やよい「ああーっ!笑うなんて酷いです、プロデューサー!」
P「ごめんごめん、けどやよいがあんまりにおかしなことを言うもんだから」
やよい「おかしなこと・・・ですか?」
P「そうだよ。やよいの心が冷たいなんて、そんなことがあるわけないじゃないか。
そんな心配をしなくともやよいの心は温かいよ」
やよい「そ・・・そうでしょうか?」
P「もちろん。やよいが優しい子だ、ってことは俺が保証するよ」
やよい「プロデューサー・・・」
P「・・・ところでやよい、手は大丈夫か?俺の手を握ってたら冷たくないか?」
やよい「いえ・・・大丈夫です!」
P「そうか」
やよい「はいっ!・・・えへへ」ギュ
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春
P「やよい、事務所に着いたぞ。・・・ん?」
やよい「・・・く~」スヤスヤ
P(寝てる・・・最近はかなり忙しかったから、疲れてたんだろうな。
特に今日は昼寝にはもってこいの陽気だし・・・眠くなるのも無理はないか)
P「ま、次の予定までは時間があるしこのまま寝かせておいてあげよう」
P(とは言えこのままここにおいておくわけにもいかないよな・・・。事務所まではおぶっていくか)
P「よっと」ヨイショ
やよい「ん・・・」スヤスヤ
P「・・・起こしてないよな?」チラッ
やよい「く~・・・」スヤスヤ
P(・・・大丈夫そうだな)
P「お疲れ様、やよい」
P「」スタスタ
やよい「・・・ん」
やよい(あれ、私寝ちゃってたのかな・・・ぁ)
P「」スタスタ
やよい(私、プロデューサーにオンブされてる・・・?一体どうして・・・あ、もう事務所についてたんだ。
もしかして、私が寝てたから起こさないようにわざわざオンブしてくれたのかなあ?)
P「」スタスタ
やよい(やっぱり優しいなー・・・プロデューサー)
P「」スタスタ
やよい(プロデューサーの背中・・・あったかい)
やよい「・・・ぇへへ」グリグリ
夏
やよい「・・・」ジー
伊織「やよい、ぼーっとしてどうしたの?」
やよい「あ、伊織ちゃん。実はこの水着、少しきつくなってきちゃった気がして。
それで新しいのを買った方がいいのかなーって」
伊織「ふーん・・・。けどその様子じゃあ、あんまり替えたくはなさそうね?」
やよい「うん・・・そうなんだ。うーん、もう少しなら着られるかな・・・?」
伊織「やよいはその水着、随分気に入っているわよね」
やよい「えへへ・・・。私、この水着の前にはスクール水着しか持ってなかったから」
伊織「思い出の水着、ってわけね」
やよい「うん、だからできれば替えたくないなーって。
・・・それに、プロデューサーも似合ってるって言ってくれたし!」
伊織「そうなの?」
やよい「えへへ、そうなんだ!実はね?この水着って私が前に水着写真の撮影した時に着た水着なんだけど、
その時によく似合ってるーって!ちょっと恥ずかしかったけど、それがすっごく嬉しくって!」
伊織「へぇ・・・」
やよい「それでね?私もこの水着のことすっかり気に入っちゃったんだけど、
そうしたらプロデューサーがそれ持って帰る?って言ってくれて!
そのおかげで、それから私プールに行くのがすごく楽しみになったんだ~・・・えへへ」
伊織「ふむ・・・」
やよい「・・・あ、そうだ!それとね、後でその時の撮影スタッフさんから聞いたんだけど、この水着ね?
ほんとは事務所のものじゃなかったんだけど、プロデューサーがその時頑張って買い取ってくれたんだって!
私、それを聞いてこの水着のことますます大好きになって!それとねそれとね・・・」
伊織「・・・」
伊織「・・・ねぇ、やよい?それってその水着の前に持っていたのがスクール水着だけだったから替えたくない、
っていうんじゃなくて・・・」
やよい「?」
伊織「・・・ううん、なんでもないわ。とにかく、やよいはその水着をまだ着ていたいのよね?」
やよい「うん・・・どうかな?」
伊織「そうね・・・。ま、見たところは問題ないみたいだし、もう少しの間なら無理に替えなくてもいいんじゃないかしら」
やよい「そ、そうかな?」
伊織「うん、大丈夫だと思うわよ」
やよい「そっか・・・えへへ。よかったぁ・・・」
伊織「・・・」
秋の事務所前
やよい「うーん・・・」
P「ん?どうしたんだ、やよい?」
やよい「いえ、事務所の前、落ち葉でずいぶん散らかってるなーって」
P「・・・確かにそうだな」
やよい「プロデューサー、私ちょっとお掃除してもいいですか?」
P「ああ、いいよ。それじゃあ俺も一緒にやろうか」
やよい「え、ほんとですか?」
P「もちろん。少し待っててくれ、箒取ってくるよ」
やよい「はいっ!それじゃ、一緒に頑張ろーっ!」
P「・・・こんなものかな。お疲れ様、やよい」
やよい「はいっ、プロデューサーもお疲れ様です!・・・ありがとうございます、プロデューサー!
プロデューサーが手伝ってくれたおかげで、お掃除すぐに終わりました!」
P「いや、お礼を言うのはこっちの方だよ。確かにここら辺、大分散らかっていたな。
ありがとう、やよいが気づいてくれて助かったよ」
やよい「そ、そうですか?えへへ・・・。じ、じゃあ私、えらいですか?」
P「ああ、えらい」
やよい「ほ、ほんとですか?そ、それなら・・・そのー・・・」
P「・・・やよい、こっちへおいで」
やよい「ぁ・・・はいっ!」トコトコ
P「・・・ありがとう、やよい」ナデナデ
やよい「ん・・・」
P「やよいのおかげで助かったよ・・・」ナデナデ
やよい「えへ、えへへ・・・。どういたしまして、お兄ちゃん」
やよいとテーマパーク
やよい「プロデューサー!あと少しで開園時間ですねっ!」
P「ああ、そうだな」
やよい「まだかなっ、早く開かないかなっ?うっうー、楽しみーっ!」
P「今日は楽しもうな」
やよい「はいっ!プロデューサーも一緒に、楽しみましょーっ!」
入園後
やよい「わぁー・・・!」キョロキョロ
P「さてやよい、なにか行ってみたいアトラクションはあるか?」
やよい「行ってみたいアトラクションですか?
うーん、あれも行ってみたいし、これも行ってみたいし、けどあっちも行ってみたいし・・・。
うぅー、どうしましょうプロデューサー!決められませんーっ!」
P「だったらまずは後で混みそうなものから行こうか、今ならまだどこもそんなに混んでないだろうしな」
やよい「あ・・・そうですね!確かに混みそうなものから先にまわった方がいいですよね!」
P「後はその時々で行きたいものに行こう。もしどこか特に行きたいところが決まったら言ってくれ」
やよい「はいっ!」
P「えーっと、後で混みそうものというと・・・」
やよい「あ、そうだプロデューサー。
私高いところとか怖いところとかは苦手なので、そういうところは外してもらってもいいですか?」
P「ああ、いいよ」
やよい「すみません、ありがとうございます」ガルーン
やよい「・・・けどプロデューサー、ほんとに一緒に来てもらってもよかったんですか?
私と一緒にテーマパーク来ても、あんまり楽しくなかったりしませんか?」
P「そんなことはないけど・・・どうして?」
やよい「だって私、ジェットコースターとかは高いから苦手だし、お化け屋敷とかは怖いから苦手だし・・・。
私と一緒だとあんまり面白いところ行けないんじゃないかなーって。
やっぱりテーマパークって言ったら、ジェットコースターとかお化け屋敷だったりするんですよね?」
P「別にそんな心配しなくともジェットコースターやお化け屋敷以外にだって面白いアトラクションはあるさ、
俺は今から遊ぶの楽しみだぞ?逆にやよいはジェットコースターやお化け屋敷に行けなくて、
それでテーマパークがつまらなさそうだって思うのか?」
やよい「あ・・・そうですね!私も今から、遊ぶのすーっごく楽しみです!」
P「よし、それじゃあ行こうか。まずはあのアトラクションからかな」
やよい「はいっ!」
ゴーカート
P「ここなんかはどうだ?」
やよい「ゴーカート・・・車に乗れるんですか?」
P「ああ、興味ある?」
やよい「はいっ!私、乗ってみたいです!」
P「よし、それじゃあ行ってみようか。並ぶのはあそこだな」
やよい「車かぁ・・・えへへ、楽しみ~!」
乗り始め
係員「はい、シートベルト締めてね。それで右のペダルがアクセル、左のペダルがブレーキだから。それじゃあ行ってらっしゃい」
やよい「ええと、右がアクセル、左がブレーキだから、こっちをふめば・・・」グッ ウィーン
やよい(よかった、動かせた)ホッ
乗り終わり
P「どうだった?」
やよい「えへへ・・・楽しかったです!」
P「そうか、それはよかった」
やよい「けど緊張しました~・・・。最初どう運転していいかわからなかったから、このまま動かなかったらどうしよーって」
P「そうだな、俺も一番最初に乗った時は戸惑った記憶があるよ」
やよい「そうなんですか?・・・えへへ、だったら私と一緒ですね!」
やよい「そういえばプロデューサー。ゴーカートって、小さい車のことなんですよね?」
P「ああ、そうだよ。それがどうかしたのか?」
やよい「いえ、少し気になったんですけど・・・。ほんとの車の運転もあんな感じなのかなーって」
P「なるほどね。・・・うん、そうだな、大体は同じかな?実際の車の場合だともう少しすることは増えるけど、
運転の基本はゴーカートと変わらないよ」
やよい「そうなんですか・・・。だったら、いつか車を運転するのも楽しみかも!」
P「やよいは運転、気に入ったみたいだな」
やよい「はいっ!ちなみにプロデューサーは運転するの好きなんですか?」
P「ああ、俺も好きだよ。まぁ今は自分の車を持ってないから、自由にドライブする機会はあまりないんだけどな」
やよい「へぇ~・・・」
メリーゴーラウンド
やよい「あ、プロデューサー!私、次はあれに乗ってみたいです!いいですか?」
P「あれ・・・ああ、メリーゴーラウンドか。俺はいいけど・・・大丈夫か?あの馬の上、ああ見えて結構高いけど」
やよい「え、そうなんですか?うーん、けど・・・あれくらいなら大丈夫じゃないですか?」
P「ま、そうかもな。よし、それじゃあ行ってみる?」
やよい「はいっ!」
乗ってみて
やよい「ど、どうしましょう、プロデューサー!確かにここ、思ってたよりも高いです!」
P「大丈夫かー?」
やよい「あ、あんまり大丈夫じゃないかもーっ!?落ちたらすごく痛そうだし、
それにこの馬さんどうして上がったり下がったりするんですかーっ!?」
P「落ち着いて、しっかり首のところに掴まっておくんだ!そう簡単には落ちないし、もう少ししたら終わるから!」
やよい「は、はいーっ!」
乗り終わり
やよい「ふぅー、怖かった~・・・」
P「落ち着いたか?・・・ごめんな、俺がもっとしっかり止めておけばよかった」
やよい「ど、どうしてプロデューサーが謝るんですか?」
P「いや、結構高いことは知ってたんだし、悪いことしたかなと思って」
やよい「そんな、もともと私が乗りたくて乗ったんですし・・・。
それに確かに怖かったけど、ああやってまわりながら景色を見るのは少し楽しかったかも!」
P「そうか・・・。だったら、1つ気に入りそうなアトラクションがあるけど」
やよい「そうなんですか?」
P「ああ。どうする、行ってみる?」
やよい「はいっ!」
コーヒーカップ
P「そんな訳でここはどうだろう」
やよい「コーヒーカップ、ですか?」
P「ああ、テーマパークといえば定番のアトラクションだけど」
やよい「どんなアトラクションなんですか?」
P「ハンドルで回転する大きなコーヒーカップに乗るアトラクションだよ。
そのコーヒーカップもメリーゴーラウンドみたいに周回してるから、
そこから景色を楽しんだり、カップを回転させて遊んだりするんだ」
やよい「へぇ~・・・。なんだか楽しそうかもっ!」
P「乗ってみる?」
やよい「はいっ!それじゃ、行きましょーっ!」
乗ってみて
やよい「このまんなかのがハンドルですか?」
P「そうだよ。それをまわすとカップが回転するんだ」
やよい「わかりました!それじゃ、やってみよーっ!」グッグッ
やよい「・・・あんまり速く回りませんね?これくらいしか回らないんですか?」
P「いや、もっと速く回るはずだよ」
やよい「本当に?」
P「ああ。けどあまり速く回しすぎると止められなくなることもあるから・・・」
やよい「よーしっ!だったら、もっともっと回さなくちゃっ!」グッグッグッ
P「お、おい、やよい・・・」
ギュイーン!
やよい「はわわっ、どうしましょうプロデューサー!速すぎて目が回りますーっ!」
P「とりあえずどこかに掴まって、そのまま大人しくしていれば・・・」
やよい「あっ、そうだ!だったら逆側に回してみれば・・・」グッグッグッ
P「お、おい、やよい・・・」フイィーン…
やよい「ふぅ、よかった、これでゆっくりに・・・」
ギュイーン!
やよい「ふわぁーっ!?ど、どうして今度はこんなすぐに速くなるんですかーっ!?」
P「そういうものなんだ!」
やよい「じ、じゃあどうすれば!?」
P「ハンドルを回さないで、しばらくどこかに掴まって待つんだ!そうすればいずれゆっくりになるから!」
やよい「は、はいーっ!」
乗り終わって
やよい「うあー・・・目が回りました~・・・」
P「大丈夫か、やよい?」
やよい「あ、大丈夫です!目が回るのは、もうダンスでも慣れっこですから!」
P「そうか、大丈夫ならよかった」
やよい「はいっ!むしろ最後の方は回るのも楽しくなってたりしてっ!
これもプロデューサーに鍛えてもらったおかげですね!」
P「楽しめたのならよかったよ」
やよい「えへへ・・・。けど~、その、プロデューサー?」
P「ん?」
やよい「さっきのはちょっと回りすぎで、あんまり周りが見えなかったので・・・。
もう一回、乗りに行ってみてもいいですか?」
P「ふふっ・・・ああ、いいよ。それじゃあもう一回行こうか」
やよい「はいっ!ありがとうございます、プロデューサー!」
ステージ
やよい「あ、プロデューサー。この後ステージでヤキニクマンのショーがあるみたいです。見に行ってみませんか?」
P「そうなのか?よし、それじゃあ行ってみようか」
やよい「はいっ!」
見終わって
P「面白かったな」
やよい「そうですね!ヤキニクマン、かっこよかったです!」
P「それじゃあそろそろ行こうか。やよい、次はどこに・・・」
やよい「・・・」ジー
P「・・・?どうしたんだ、やよい?何か気になるものでもあったのか?」
やよい「あ、いえ。ちょっと、前にここで歌った時のこと思いだしてて」
P「散歩した時のこと?」
やよい「はい。・・・あの時はこうやって家も楽になって、ここに遊びに来れるとは思ってなかったから。
なんだか不思議な感じだなーって」
P「・・・今日は、楽しめてる?」
やよい「はいっ、すっっっごくっ!!」
P「そうか、それはよかった」
やよい「えへへ・・・。ありがとうございます、プロデューサー!・・・私を、ここまで連れてきてくれて」
観覧車
やよい「あ・・・ここって、あの観覧車が名物なんですね?」
P「ああ、そうだよ。確かここら辺では一番大きい観覧車だったかな」
やよい「景色、綺麗だって書いてあります」
P「そうらしいな、街が一望できていい眺めだとか」
やよい「・・・」ジー
P「・・・?どうしたんだ、やよい?何か気になるのか?」
やよい「いえ・・・プロデューサー。私、あの観覧車に乗ってみたいです。いいですか?」
P「あの観覧車に?・・・もちろん乗ること自体はいいけど、大丈夫なのか?高いところ、苦手なんだろ?」
やよい「はい。ですけど私、このままじゃダメだと思うんです。今回はこうやってプロデューサーと一緒に来てますけど、
次は家族ともテーマパークに行くかもしれませんよね?」
P「それはそうだな」
やよい「もしもその時に高いのに乗れなかったら、妹や弟たちが観覧車とか乗りたいって言い出した時に困るかなーって。
やっぱりあの子たちだけで乗り物に乗らせる訳にもいきませんし・・・」
P「ああ、確かにそうかもな」
やよい「だから、まずはあの観覧車で慣れておこうかなーって。それに、景色の方も気になるし!」
P「なるほどね。わかったよ、そういうことなら乗ってみようか」
やよい「はいっ!」
乗ってみて
やよい「」ジッ
P「・・・やよい?怖いのはわかるけど、そうやって膝を抱えてたら外は見られないぞ?」
やよい「わ、わかってます、わかってますけどー、顔を上げると・・・」ヒョイ
やよい「や、やっぱり怖いーっ!」ガバッ
P「大変そうだな・・・」
やよい「うぅー・・・プロデューサー?こっちに来て手を繋いでくれませんか?
そうすれば少しは怖いのも収まると思うんですけど・・・」
P「ああ、いいよ。それじゃあそっちに行くな。少しゴンドラ揺れるかもしれないけど我慢してくれよ」
やよい「は、はい~・・・」
P「よっ、と・・・」スッ グラグラ
やよい「うぅ・・・」ジッ
P「・・・ほら」ギュ
やよい「ふぅ・・・ありがとうございます、プロデューサー」ホッ
P「・・・ん?おお」
やよい「プロデューサー?どうかしたんですか?」
P「いや・・・。外、確かにいい眺めだと思ってな」
やよい「そうなんですか?」
P「ああ。そろそろ一番上だからな、遠くまでよく見えて感動するよ」
やよい「へぇ~・・・。景色、私も気になるかも~・・・」
P「顔、上げられそう?」
やよい「う、う~ん・・・」チラッ
やよい「だ、ダメです、やっぱり怖いです~っ!」
P「そうか・・・」
やよい「うぅ・・・プロデューサー。私、このままじゃ怖くて外見れそうにないです。
何か、怖いのがなくなるいい方法はありませんか?」
P「そうだな・・・。だったら、ここは深呼吸をしてみるんだ」
やよい「深呼吸、ですか?」
P「ああ。呼吸が落ち着けば、怖いのも少し落ち着くものだから」
やよい「わ、わかりました。それじゃ、やってみます!
・・・すぅー、はぁー・・・すぅー、はぁー・・・」
P「どうだ?」
やよい「あ・・・なんだか、怖いの少し収まったような気がします。
今ならひょっとしたらいけるかも・・・」
P「外、見てみる?」
やよい「はいっ!・・・でも~、プロデューサー?」
P「ん?」
やよい「その・・・手は、ちゃんと繋いでてくださいね?」
P「・・・ああ、わかったよ」ギュ
やよい「よーしっ、それじゃ、やってみます!」
P「頑張れ、やよい!」
やよい「はいっ!・・・せーっ、のっ!」バッ
やよい「わぁー・・・!」
P「どうだ?」
やよい「うっうー!すごいです、プロデューサー!これ、景色すっっごく綺麗です!」
P「そうだな、流石に名物なだけはあるよな」
やよい「そうですねっ!こんなに綺麗な景色見るのは初めてかも!私、ほんとに感動しました!」チラッ
やよい「・・・けどやっぱり怖いぃーっ!」ダキッ
P「おっと」ボフッ
やよい「うぅー・・・、やっぱり観覧車ってすっごく高いんですね。私、今下を見ちゃいました・・・」
P「大丈夫か?」
やよい「あ、あんまり平気じゃないかも~・・・。すみませんプロデューサー、このまましばらく掴まっててもいいですか?」
P「ああ、いいよ。それくらい別に遠慮する事じゃないさ」ナデナデ
やよい「ぁ・・・えへへ。ありがとうございます、プロデューサー!」グリグリ
やよい「」グリグリ
P「」ナデナデ
やよい「」ピタッ
P「」ナデナデ
やよい「・・・」クンクン
P「」ナデナデ
やよい「すぅー・・・はぁー・・・」
P「・・・やよい、そこで深呼吸されたらくすぐったいって」
やよい「は、はわわっ!ごめんなさーいっ!」
乗り終わって
やよい「ふぅー・・・これでやっと一安心、って感じ~」
P「高いところ大変そうだったけど、どうだった?」
やよい「そうですね、確かに高いのは怖かったけど・・・。でも景色はほんとに綺麗でした!」
P「そうだな、あの眺めは名物になるのもよくわかるよ」
やよい「ありがとうございます、プロデューサー!私一人じゃあの景色はきっと見られなかったと思うから。
今日はプロデューサーが一緒でほんとによかったです!」
やよい「でも結局高いところは怖いままだったな・・・よーしっ。プロデューサー、ちょっといいですか?」
P「ん?どうしたんだ、やよい?」
やよい「今回はダメでしたけど・・・。でも私、やっぱり高いところに行っても平気なようになりたいです。
だから、今日みたいにまた、高いところに慣れるための特訓につきあってくれませんか?」
P「そういうことか。ああいいよ、それくらいならお安いご用だ」
やよい「ほんとですか?ありがとうございます、プロデューサー!」
やよい「高いところでも、プロデューサーが一緒なら心強いです!今日だってプロデューサーのおかげであの景色を見られたし・・・」
P「高いところ、平気になれるといいな」
やよい「はいっ!けど、プロデューサーが一緒なら高いところだってすぐへっちゃらになれたりしてっ!
私、プロデューサーがいてくれるならどんなことだってできるような気がするんです!」
帰りの電車
やよい「今日は楽しかったですね!」
P「そうだな。俺もこんなに楽しんだのは久しぶりだよ」
やよい「ほんとですか?・・・えへへ、なら私と一緒ですね!」
P「次はやよいの家族とも予定が合えばいいな」
やよい「はいっ!その時はプロデューサーもまた一緒に来ましょう!」
P「え、俺も?俺はいいけど・・・いいのか?家族水入らずを邪魔することにならないかな」
やよい「家族とも相談してみますけど、きっとまた歓迎してくれると思います!だから、その時はぜひっ!」
P「わかったよ、その時は一緒に来ようか」
やよい「はい、約束ですよ?・・・その、プロデューサー?」
P「ん?」
やよい「私、今からその時がすっっごく楽しみです!えへへ・・・」
ある夜の事務所
P「えーっと、ここの資料は・・・」パラパラ
やよい「ただいま帰りましたーっ!」
P「お、やよいか。おかえり」
やよい「あ、ただいま!プロデューサー!」
P「ああ、おかえり、お疲れ様。やよい、今日はこれで帰りだったっけ?」
やよい「はいっ!」
P「そうか、それじゃあ気をつけて帰れよ」
やよい「はいっ、それではプロデューサー!今日もお疲れ様でした!」
P「ああ、また明日な」
P「」パラパラ
やよい「・・・」ジー
やよい「・・・プロデューサーはまだお仕事ですか?」
P「ああ、もう少しだけ仕事が残っててな。今やってることが終わったら帰るつもりだよ」
やよい「もう少し・・・ですか?」
P「まぁね。えーと、これの書類はどこだったかな・・・」ゴソゴソ
書類「」ドッサリ
やよい「・・・」
後日の事務所
やよい「小鳥さん、私に事務のお仕事を教えてくれませんか?」
小鳥「え?いきなりどうしたの、やよいちゃん?」
やよい「プロデューサー、最近すっごく忙しそうですよね?」
小鳥「そうね。事務所のみんなも人気出てきてるしね」
やよい「私、思ったんです。今はプロデューサーのやってることで、私にも何かできることがあるんじゃないかーって。
例えば自分のスケジュールの管理だとか・・・私にもできることがあるなら自分でやってみたいんです。
そうすればプロデューサーの負担も少しは減らせますよね?」
小鳥「それで、事務の仕事?」
やよい「はい。ダメでしょうか?やっぱり私には任せられないー、とか・・・」
小鳥「ううん、そんなことはないわ。むしろ手伝ってくれるなら大歓迎よ。それじゃあ教えてあげる」
やよい「ほんとですか?ありがとうございます、小鳥さん!」
小鳥「いえいえ。こちらこそ助かるわ、やよいちゃん。じゃあ早速簡単なのからやってみる?」
やよい「はいっ、よろしくお願いします!・・・よーしっ。それじゃ、頑張ってプロデューサーの負担を減らそーっ!」
小鳥「うふふ・・・やよいちゃんはプロデューサーさんの力になってあげたいのね」
やよい「はいっ!だって、プロデューサーにはこれまでずっと助けてられてきたし・・・。
それに私、プロデューサーのこと大好きだから!」
小鳥「・・・へぇ」
やよい「あ、もちろん小鳥さんのことも大好きですよ?なにか手伝えることがあったら、なんでも言ってくださいね!」
小鳥「・・・うふふ。ありがとう、やよいちゃん」
更に後日の事務所
小鳥「・・・」ジー
P「・・・?音無さん、どうかしましたか?俺の顔に何かついてますか?」
小鳥「いえ・・・プロデューサーさん」
P「はい?」
小鳥「覚悟、しておいた方がいいかもしれませんよ?」
P「?」
ライブ前
やよい「会場、満員ですかっ!?・・・よーしっ!それじゃ、頑張ろーっ!」
P「硬くなってはないみたいだね」
やよい「はいっ!もう私、今から歌うの楽しみでわくわくしてます!」
P「そうか。・・・うん、最近自信がついてきたみたいだな。堂々としてていい感じだ」
やよい「そ、そうですか?・・・えへへ、だとしたらそれはプロデューサーのおかげですね!」
P「俺のおかげ?」
やよい「はいっ!プロデューサー、この前に言ってくれましたよね?
私は、日本で最強のステージにだって負けてないって・・・私にふさわしいステージはここだーって。
プロデューサーがそう言ってくれる私を、私、信じてますからっ!」
P「・・・そうか」
やよい「・・・ありがとうございます、プロデューサー!」
P「ん?」
やよい「私、デビューする前にはこんな風になれるなんて思ってもませんでした。
それがプロデューサーと会って、こうしてアイドルになって、人気が出て、家のことも楽になって・・・。
今は満員の会場をみて、それでこんなにわくわくできるようになって!
アイドルで大ブレイクするなんて、昔はただの夢だったのに・・・」
P「・・・」
やよい「プロデューサーが、私をここまで連れてきてくれた・・・。
プロデューサーのおかげで、私はここまで強くなれた・・・。
私が今こうしてここにいられるのは、全部ぜーんぶ、プロデューサーのおかげです!」
P「・・・やよい」
やよい「えへへ・・・。プロデューサーがいてくれたから、私は夢を叶えることができました。
私、プロデューサーが私のプロデューサーでほんとによかったです!」
P「やよい・・・ありがとう。けど、それは俺も一緒だ。
俺もやよいのことをプロデュースできて、本当によかったって思ってるよ」
やよい「え、ほ、ほんとですかっ?・・・えへへ、うれしいな」
やよい「あ・・・そろそろ時間!プロデューサー!私、行ってきます!」
P「行ってこい、やよい」
やよい「私にできる、最高のステージをみんなに!
・・・見ててください、プロデューサー!私のこと、ずっと!」
P「ああ、まかせておけ!」
やよい「うっうー!それじゃ、プロデューサー!ハイ、ターッチ!」パンッ!
やよい「いぇい!」
終わり
これで終わりです
読んでくださった方、本当にありがとうございました
乙
おつ
ええぞ!
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