島風「提督には謎が多すぎる…」 (33)

注意
・1はSS初心者です。
・キャラ・口調がおかしい所があります。特に島風が暗い、提督が万能すぎる等

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島風(ここへ来てからと言うもの提督がどんな人なのか分からなくなった)

島風(………………………………)

島風(提督は優しくて…)



回想

提督「ここにいたのか…島風」

島風「何ですか?」

提督「島風はここにはもう慣れたか?」

島風「うん…」

提督「寂しくはないか?」

島風「………」

提督「島風は姉妹艦いないから、寂しいかなと思ったんだ」

島風「…うん、みんなが羨ましい」

提督「じゃあ、秘書艦の補佐(秘書艦は吹雪)をやってくれないか?そうすれば島風も寂しくなくなるって話だ」

島風「え?いいの?」

提督「島風がよければ」

島風「頑張る!」

島風(料理も上手くて……)


回想
廊下

赤城「お腹すいた……」

加賀「赤城さん。まだヒトヨンマルマルよ。それに先程食べたばかりですよ」

赤城「でも………」

提督「お二人さん。どーしました…?」

島風「まさか、赤城さん。もうお腹すいたのですか?」

赤城「」グゥー

提督「お腹で返事とはさすが一航戦だこと…」

提督「だが生憎、間宮さんは買い出しに行ってしまった…」

赤城「提督……何か作って下さい」

加賀「提督は甘やかs提督「いいぞ」え!?」

提督「スープくらいなら作ってやるぞ。味の保障はしないがな」

赤城「えーーーー!?スープ!?」

提督「嫌ならいいぞ」

赤城「お願いします!!」

加島(切替速い……)

食堂

島風「美味しい!」

加賀「まさか、私にまで振る舞って頂くとは……」

提督「いいっていいって。食事は大勢の方が美味しいからな。こんなのでよかったらいくらでも作るよ」

島風「赤城さんは一心不乱にバケツで飲んでいるし……」

赤城「」ゴクゴクゴクゴクゴクゴク…

加賀「ところでこのスープの材料は勝手に使って良いのですか?」ズズズズ

提督「大丈夫だ。何せ材料はそこら辺に生えてる『草』だからな…」

3人「」ブフー!

島風(おまけにピアノも上手い)

回想
倉庫

雪風「しれぇ。こちらです」

提督「これか…」

島風「これ何ですか?」

提督「これはピアノだ。楽器の一つだ」

島風「楽器…ドラムとか木琴とかのような物?」

提督「まぁ…そんなところだ。懐かしいな」

雪風「しれぇは使えるのですか?」

提督「どうかな?聞いてみたいか?」

島風「聞きたい!」

雪風「聞きたいです!」

提督「ようし。では弾いてみますか(上手くできるといいな…)」

https://youtu.be/9mr_zBT1e0I

演奏略

提督「こんなもんかな。どうだ島k…」

島風「( ゚Д゚)ポカーン」

雪風「( ゚Д゚)ポカーン」

提督(あれ………)

島風(でも、みんなの話を聞いていると訳分からなくなってきた………)

島風(一旦、みんなの話をまとめてみよう)



Case1 勇気と無謀

提督「来たか、天龍、龍田」

天龍「俺達を呼び出してどうしたんだ?」

提督「二人共、この間の遠征はご苦労だった」

龍田「もしかしてまた遠征?」

提督「可能なら……な」

天龍「どういう事だ?」

提督「天龍、お前は頻繁に大破、良くて中破だ。お前、もうちょっと慎重にできないのか?」

天龍「けっ………そんなじっとしていられるかよ」

提督「いいか天龍。ゴミ掃除をするのは別に構わん。しかし、掃除をするのにお前がゴミだらけになっては元も子もない」

天龍「どうした?まさか掃除するにも、汚くなるからとでも?そんなことで勇気がいるのかよ?」

提督「…………お前が傷つくのは見てられないんだ……」

天龍「は?」

龍田「!」

提督「天龍の言う勇気は『勇気』じゃない……『無謀』なんだ…」

天龍「提督。何が言いたいか分からんが、俺達は『艦娘』で、兵器だ。勇気とか無謀とかどうでもいい。
俺達は信念をもって戦うんだ。死ぬとか痛いとかそんな事に怯える気はない。そんな事で戦えるかよ。
俺達はいつ死ぬか分かりはしないんだ」

提督「お前は……轟沈してもいいと?」

天龍「何を今更………」

提督「お前みたいな大馬鹿は初めてだ………」

天龍「何だと!?」

提督「お前がいなくなったら、お前が好きな奴ら、慕っている奴らは悲しむんだぞ!!!!!」

天龍「!?」

提督「あぁ………すまん。いきなり大声を出して…その……」

龍田「そうね。天龍ちゃんがいない日なんてつまらないし、想像もできないよね」

龍田「もし、これ以上心配させたりしたら、どうしましょう?」

天龍「龍田……何だか怖い……」

提督「…そういうことだ天龍。そういう訳で暫く、頭冷やしてこい。それから龍田…」

龍田「分かっていますよ。きちんと見張っておきますから」

提督「言うまでもなかったか。最後に二人に言っておきたい事がある」

二人「?」

提督「みんながそろって鎮守府は成り立つ。良いな?」

島風(私が執務室に入ろうとした時、二人が出てきた。二人が提督とどんな話をしていたのか気になって仕方なかった)

島風(次の日に何があったのか聞いてみたら、そんな話を聞いた。正直提督が怒った所は見たことがない)

島風(提督はみんなの事を大切に思っている。でも、そんなみんなに怒るなんて考えられなかった……)

島風(………………………………………………)

島風(そういえば…)

Case2 美しい人

提督「如月は相変わらず髪が綺麗だな~」

如月「ありがとう司令官。でももっと、褒める場所は沢山あるでしょ?」

提督「おいおい、それを自分で言うか?」

如月「だって、そうでもしないと司令官褒めてくれないじゃない?」

提督「それではまるで、如月の事何も分かっていないと言われている感じだな」

如月「ええ。だから私をもっと見てほしい。私のことをもっと知ってほしいの」

提督「ということは、この間の出撃で髪の事を気にしている隙に、敵に後ろを取られ、大破し危うく轟沈しそうになった事は知らないとでも?」

如月「!?」

提督「如月。綺麗好きである事は結構。だが、やるべき事をきちんと片付けないと…足元を掬われるぞ」

如月「それは……反省しているわ。あれでみんなに迷惑かけて、睦月ちゃんに怒られたわ……」

提督「反省しているようだな。すまんな、こんな話してしまって」

如月「……………」

提督「なぁ如月」

如月「何?」

提督「この世で一番美しい生き方って何だろうな?」

如月「急にどうしたの?」

提督「実はな、この間那珂のライブに行ってきたんだ」

如月「那珂さんの?」

提督「あぁ、どこであったと思う?」

如月「知らないわ。そんな話、全然聞かないもの」

提督「俺も今まで知らなかったが……実は近くの『大病院』だったよ」

如月「えぇ!?ライブステージとかじゃないの!?」

提督「俺もそう思ったよ。でも、那珂はそんな話を今までしなかった」

提督「随分前に『那珂はアイドルだろ。色々活動やステージの準備とか協力して欲しいことがあれば
遠慮なく言ってくれ』って言った」

提督「那珂も『その日が来たら言うからね』と言った。だが、それ以来アイドル活動の話は全くなかった」

提督「俺は不審に思ったよ。それから片っ端から那珂についての情報を集めた。
そして、次のライブ場所が大病院だと知った」

提督「俺はこっそりとライブを見たよ。歌もファンとの触れ合いも、食事会もしていた。
途中で俺の存在に気づかれたが那珂は嫌な顔はしなかった。あんなに輝いている那珂は見たことがなかった」

提督「その日のスケジュールが全部終わったら、那珂に何故今までこの事を黙っていたのか、
何故ライブは此処なのか?」

提督「那珂はこう言ったよ。『那珂ちゃんはみんなのアイドルだよ。
アイドルはみんなの笑顔、希望を与えるのが役目だよ。そして不安や絶望は全て消すのも役目。
だから心配かけたくなかったの』」

提督「『それにここ(大病院)なのはね、もしライブステージだったら、お金のない人や
怪我や病気で行けない人はどうすればいいの。がっかりさせるの?それに那珂ちゃんは健康にも気を
使っているから大丈夫』」

提督「『そもそも、夢や希望は与えるのであって、売るためにやっているんじゃないの。
そんな偽善活動はこっちからお断りよ!』ってな」

如月「……」

提督「俺はそれ聞いて涙が止まらなかった。その後に改めて協力したいと言ったら
『提督は提督の役目があるでしょ。私のことよりも大事な事があるでしょ』
と言われてさらに涙が止まらなかった」

提督「今思えば俺が泣いてしまうなんて笑っちまうよな。でも那珂に教わったんだ。
『誰かのためにどんなに汚れても一生懸命になれる事は素晴らしい』ってな。
あぁ、援交とかはさすがにダメだがな」

提督「まぁ、なんだ……俺が言いたいのは如月はもっと周りをみろって話だ。長々と話てすまなかったな」

如月(誰かのために…か……)

島風(その後、如月ちゃんも那珂ちゃんのライブに行ったみたい)

島風(それからと言うもの如月ちゃんはどんどん成果を残していった。
そして那珂ちゃんの噂は広まって私も見に行った)

島風(那珂ちゃんは最初は怒っていたけど、日に日に怒りも収まり、本当のアイドルになった気がする)

島風(でも、提督が泣いてしまうのは考えられなかった………)

島風(あんなに笑顔を絶やさない提督が泣くなんて想像もつかない……………)

島風(…………………………………………………)

島風(意外だな……………………………意外と言ったら…………)

島風(私が最初にここへ来て一ヶ月した辺り……)

Case3 過信

執務室

島風「提督!」

提督「どうした島風?」

島風「私いつになったら出撃させてくれるのですか?」

提督「出撃か…そういえばまだ一度も出してなかったな」

島風「え!?忘れてたんですか!?」

提督「それはないぞ。決して秘書としての役目を教えていたことに没頭していた訳では……あ………」

島風「酷い!忘れてたなんて!」

提督「すまんすまん。だがな、こっちの事情もあるんだ?」

島風「?」

提督「実はな、二週間後に演習があるんだが、それに島風をだそうかと思っているんだが…」

島風「本当ですか!?」

提督「ただ条件がある」

島風「条件?」

提督「ちょっとついて来い」

島風(?)

運動場

島風「提督?ここで何かするのですか?」

提督(島風から離れて)「島風!今から自分の持つ力を出して…」

提督「この俺を倒せ…!」

島風「!?」

提督「今のお前は今艤装はつけていないが、それに頼らずに俺を倒せなかったら、 艤装は宝の持ち腐れだ。つまり、出撃しても轟沈するだけだ」

島風「うん。でもいいの?私は艦娘で提督は人間よ。それに私はとっても速いのよ」

提督「ということは俺は島風より弱いと?まだやってもいないのに何故そう決められるんだ?」

島風「提督の事が心配だからこう言っているんです!」

提督「島風は優しいな…だがな、俺がこうやっているんだ。大怪我しても島風のせいにはしないよ」

島風「もう知りませんよ!」シュバ…

提督「そうこなくっちゃ!」

島風(私は誰にも負けない速さがある。それがあれば提督なんかに負けない)ダダダダ…

島風(だから、提督の後ろを取れば楽勝よ)

島風(…もらった!提督の頭を蹴飛ばしてやる!)

提督「ところがぎっちょん!」ガシ

島風(足を捕まれた!?)

提督「それ!叩きつけてやる」

島風「ひゃう!?」バン!

島風「………痛たたた……」

提督「どうした島風。もう終わりか?だらしないな…」ツンツン

島風「なにをー!?」ガバッ

提督「よし来い!」シュタ

島風(だったら…)

島風(足元から…)シュバ

提督「おっと!そう来たか!」ピョン

島風(かわされた!?)

提督「こっちのターンだ!」バシ

島風「がはっ……」ズサー

提督「あー、さすがに女の子の顔を蹴り飛ばしたのはやり過ぎたか…島風!大丈夫か?」

島風「」ギロリ

提督「あー、あれはもうダメだな…」



島風(あれから私は冷静になれなかったのか、とにかく一回でも提督に攻撃を当てようしようとしたけど、
かわされるか逆に攻撃されるかのどっちかだった…)

島風「」チーン←中破

提督「あーあ、いくらなんでもここまで酷いとは思わなかったな…こりゃ当分出撃も演習も駄目だな」ポリポリ

提督「島風!立てるか!しっかr!?」

島風「ひっく…………………ひっく………………」ポロポロ

提督「島風…」

島風「何で……………何で……………攻撃できないの……………」ポロポロ

島風「何で………………全部………………避けられるの………………」ポロポロ

提督「島風。お前は入渠しなさい。話はそれからだ」

島風「……………」ポロポロ



しばらくして…
執務室

提督「さっきはやりすぎて悪かった。おかげで憲兵さんに連れていかれてこってりと絞られたよ……もう大丈夫か?」

島風「うん………」

提督(うわ…落ち込みが凄い)

島風「提督は……本当は強いの?」

提督「俺は強くないよ」

島風「嘘だよ。艦娘の私をこてんぱんにしたんだから…」

提督「俺は本当に強くないよ。強いて言えば士官学校で鍛えられてただけだ。だが、もうそれは1年以上も前だ」

提督「俺は島風に気づいて欲しかったんだ。『過信は良くない』と」

島風「過信?」

提督「島風は誰よりも速いと思っていただろう。速ささえあればそれでいいと…」

島風「うん…」

提督「だが、『そう過信するのは自分の成長を止めてしまう事だ。島風の自慢の速さもな』」

島風「!!」

提督「だがこれで分かっただろう。速さだけが全てじゃないって。大事なのはこれからどう自分を鍛えていくかなんだ」

提督「そして、もう一つ。島風に今秘書の補佐を務めてもらっているが、どうして俺が島風に補佐を頼んだか分かるか?」

島風「ここ(鎮守府)に慣れるため?」

提督「それもあるが、もっと重要な理由がある。分かるか?」

島風「…………分からないよ」

提督「それはな、速ければ良いという事ではない。お前には一度立ち止まって周りを見る事をして欲しかった」

提督「書類だってそうだ。一つ一つ目を通すのは面倒だ。だが、もしそこで見落としがあったら……最悪取り返しのつかない事になる」

島風「例えば?」

提督「俺がここから出ていくとかな…」

島風「!!」

提督「今のは例えだが、時と場合による。何がどうなるか未来は誰にも分からない。
だが悪いことが今防げるなら、全力を尽くす。いいな?」

島風「うん。もっとゆっくり歩いてみるよ………」



島風(あれからというもの、私は速さにこだわるのをやめた。私が何をするにしてもゆっくり丁寧にするようにしていった)

島風(植物の成長がゆっくりなように、私もゆっくりと成長…できてたらいいな)

島風(もしかすると、私は何かに焦っていたのかもしれない…………)

島風(今となっては何に焦っていたかは分からないけど…)

Case4 自覚

食堂

提督「青葉、お前の作った記事は一体どういう事だ?」

青葉「何って、『歌う司令官の謎』ですよ」

提督「『ですよ』じゃない。あんなデタラメな記事今すぐ取り消せ」

青葉「デタラメとは酷いですよ!私は真実しか書きません」

提督「じゃあ、一通り聞いていいか?」

青葉「いいですよ」

提督「まず俺は歌ってはいけないのか」

青葉「滅相もないです。ただ、司令官があんな歌を歌うなんて可笑しくてwww」

提督「いいじゃないか、好きなんだから。というか俺あんまり歌わないぞ」

青葉「そうなんですか?じゃあ、 第六駆逐隊のこの映像を見て何とも思わないんですか?」

提督「何時撮ったんだ?!」

青葉「つい先程です!撮れたてホヤホヤです!ながしますよ」カチッ

https://youtu.be/yzUTa1tF7sM

暁「パタパタパタッポーン♪」

4人「ウー ヤッホイホイ♪」

響「パタパタパタッポーン♪」

4人「パパパパーヤー♪」

雷「パタパタパタッポーン♪」

4人「ドゥドゥービ デューワー♪」

電「パタパタパタッポーン///♪」

4人「ジャンジャジャン ジャジャーンジャン♪」

カチッ

青葉「もう良いのですか?(司令官が真顔に…)この歌は司令官も歌っていたのでは…………」

提督「青葉、プライバシーって知っているか?」

青葉「もちろんです。しかし、そんな物を気にしていたら取材はできません。大丈夫ですよ限度は弁えていますから」

提督「今の映像は4人に許可を取ったか?」

青葉「えーっと…………」

提督「もしこの映像を他の子達に見せて、4人の心に傷負わせたらどうする気だ?」

青葉「大袈裟ですよ。こんなの「ほーむびでお」程度ですよ………………」

提督「…………………………」

青葉(司令官が怖い………………)ブルブル

提督「青葉………」ガシッ

青葉「は、はい…」ガタガタ

提督「お前今から『解体処分』な」(冷たい声で)

青葉「え」

衣笠「え」

艦娘全員「え」

衣笠「たんまたんまたんま!提督、もう一度考え直そうよ!」

提督「衣笠……青葉は今まで何をしてきたと思う?」

衣笠「え?そりゃ、面白そうな子を取材して、取材したらそれをみんなに分かるように書いて、それから………」

提督「青葉は記者として重大なミスを犯している。それが何か分かるか?」

衣笠「重大なミス?あぁ、司令官や暁ちゃん達の事を勝手に取材したこと?もう、そうならそうと言って下さいよ。
ほら、青葉も謝ってほらほらほら………」

青葉「えーっと、許可なく記事にしてしまい申し訳ありませんでした。以後気をつk提督「今まで何人そうやって来たんだ?」え!?」

提督「青葉の言う通り、取材は相手の事を気にしすぎたら、できるものではない」

提督「しかし、取材というのは、取材した相手に傷を負わせる、もしくは掘り返す事でもある。お前は相手が傷を負ったら責任は取れるのか?」

青葉「?」

提督「さらに記事にするというのは誰かに読ませることは言うまでもないが、読み手が取材された人に対して傷を負わせてしまう可能性も生む」

提督「下手をすると、取材された人はその記事に縛られながら生きなければならなくなる」

提督「だから『許可』が必要なんだ。『許可』はどんな事があっても自分で責任が負えるという『覚悟』の表れ。だがお前は今まで無許可で取材してきた。俺が言いたい事が分かるよな?」

青葉「」パクパク

提督「一度今までやってきたことを振り返れ。そして、次に記事を作りたかったら、俺に話せ。もし俺の許可なく作ったら容赦なく解体してやる。いいな?」

青葉「は、はい……………」

島風(『解体』………それは艦娘にとって第二の死刑宣告)

島風(一部の鎮守府では解体が行われるそうだ)

島風(提督が好きなみんなにとって、『解体する』と言われたら青葉ちゃんのように、絶望するよね…………)

島風(あの言葉は、衝撃だった………………………)

島風(あの後しばらくは新聞記事は作られてない)

島風(私は…………みんなは提督に信頼されているのかな?)

島風(自分のやっていることが、他人から見たら嫌な物だったと気づくのは難しいな……………)



Case 5 寛容

執務室

卯月「っぴょー(バシン)痛っ!何するぴょん!?」

提督「おめーの行動は既に分かっていたぴょん」

卯月「マネするんじゃないぴょん!」

提督「どうせ構って欲しくて来たんだろう。これから仕事だ。うーちゃんは部屋でお餅でもついてなさい」

卯月(もういいぴょん!腹いせにそこにあるお水飲んで出ていくぴょん)ゴクゴク

ガチャ

卯月「あーあ、司令官は最近冷たいぴょん。卯月は寂しくなると死にそうだぴょん…ぷっぷくぷ~……」

数分後

島風「提督…この容器どうしたの?」

提督「あれ、この容器空だな………」

容器「C3H5(ONO2)3」

提督「げ…まさか…あのワルガキツッパリシウスめ……」

バタン

島風(置いてかれた………)

提督「卯月!」

提督「あいつ、どこに行った?」

卯月「っぴょーん!」

提督「うぉ!そこにいたのか!?」

卯月「どぉーしたの?もしかして寂しくなったぴょん?」

提督「卯月。さっきは悪かった。だから、こっちに来てくれ」

卯月「やーだぴょーん!寂しかったら、捕まえてみーるぴょーん!」タタタタ

提督「卯月!悪ふざけはよせ!!」ダダダダ



コッチダーピョーン マチンシャーイ ツッカマラナーイピョーン ドコイクトネー
ミッ!ミッ! オマエウサギダロー イイカゲンセンカー! オマエッテサイテー!



卯月「提督?もう疲れたぴょん?」タタタタ

提督「ぜぇ………ぜぇ…………(クソ、日頃の運動不足が………)」

提督「あ、あそこにいるのは『龍驤』!?」

龍驤「キミ達さっきから騒がしいで」

提督「龍驤!そいつを止めてくれ!」

卯月「誰にもつっかまらなーいぴょーん!」

龍驤「面倒ごとに首突っ込むのは嫌や」

龍驤(と、言いつつ足を引っ掛けるっと)ヒョイ

卯月「!?」ドン

提督「!?」



ドカーーーーーーーーーン!!!!!!

提督(咄嗟に伏せた)「おい!!大丈夫か?!」

卯月「」チーン←大破

龍驤「な、何があったんや………」←大破

提督「これはひどい…………」



しばらくして………

島風「………そんな事が……………」

提督「全く手間かけさせやがって」

龍驤「なんやねん、その言い草。ウチは被害者や」

提督「分かっているって。全ては卯月が蒔いた種だ」

卯月「ごめんなさい…」

龍驤「この所、卯月のイタズラは酷いからな。良い薬になったと思うで」

提督「そうだといいな」

卯月「……………………」

島風「で、卯月ちゃんをどうするの?」

提督「どうしようか考えていたんだが、何にも思いつかん」

龍驤「なら、ウチが考えてもええで。被害者のウチなら罰を決める権利はあるやろ」

提督「いや待て。もしこのまま罰を与えても、卯月はまた何かしでかすに違いない」

提督「龍驤の言う通り、この所の卯月のイタズラは酷かった。この間は雪風のお気に入りの双眼鏡のレンズを外したり、
まるゆに重いウェイトベルトつけて動けなくしたりと酷かった」

龍驤「いくらなんでもあんまりや」

島風(ウェイトベルトって何?)

提督「…卯月、今から言う俺の質問に正直に答えろ」

卯月「………」コクリ

提督「睦月型のみんなとは仲良くやっているのか?」

卯月「………………………」

提督「その様子だと、相手にされなくなったようだな。さしずめ、イタズラをやり過ぎて無視されてたんだろうな」

卯月「!」

龍驤「う、嘘やろ。あんなに仲良かったのに…」

提督「親しき仲にも礼儀あり。あまりにもやり過ぎて構ってもらえなくなり、他の子に振り向いて欲しくなった。
愛情に飢えた子の典型的パターンだ」

龍驤「そこまで言えるキミは一体何者や!?」

提督「本で読んだ事があるだけだ」

提督「どうやら原因は卯月ではなく、姉妹艦に任せっきりな俺に原因があったようだ………」

卯月「…………………」

提督「卯月」ナデナデ

卯月「!」

提督「今まで気付かなくてごめんな」ナデナデ

卯月「……………………………………………………」ウルウル

卯月「う…………………うわぁーーーーーーーーん!!」ブワッ

卯月「おじょーい!にゃんでもっどはやぐきづいでぐれなっがたの!?許ざないがらー!!」

龍驤「えぇー!ってそういう事なら何でもっと早く言わんのや?
皆から嫌われたら一人ぼっちになってどうしようもないで」

卯月「だって………」



島風(その後、提督は卯月ちゃんを連れて、みんなの所に連れていき説明した)

島風(みんなも今まで無視してきた事を謝り、『もうイタズラはしないなら、また仲良くするよ』と言った)

島風(それから提督は自分の仕事は早く終わらせるようにして、私と一緒にみんなの部屋を訪れていった)

島風(巻き込まれた龍驤ちゃんも提督と行きたがっていた漫才コンテストに出場した。結果は予選落ちだったけど)

島風(あの時、提督は『本で読んだことがある』と言ったけど、私は提督が本を読んでいる所は見たことがない)

島風(それどころか本は軍関係以外の物以外は提督の部屋にはない)

島風(提督……………………………提督には何かあったのかな………………………)

Case6束縛

鎮守府入口前

提督「」ボケー

提督(久しぶりの休日……とはいえ何にもする気が起きん)

提督(島風は吹雪達とどこかに行ってしまったし…)

提督(かといって誰かを誘ってどこに行きたいかというのもない…………)

提督(適当に散歩でもするか…………)

大井「あ、提督」

北上「こんにちは」

提督「おお、お二人さん。そのバスケット……もしかしてピクニックかい?」

大井「ええ、これから北上さんと行くんですよ」

提督「そうか。今日はいい天気だ。ゆっくりしてくるといい」

大井「言われなくてもそのつもりよ。さぁ、行きましょう北上さん」

北上「うん。行こう」

提督「気をつけてなー」



提督(北上のやつ、随分やつれたな………)

鎮守府の近くの木陰

木曾「こんな所にいたのか…」

提督「先生…………花瓶割ったの僕じゃありません…………zzz…………」

木曾「…………………………………」

提督「…………んあ、木曾か……どうした?」

木曾「お目覚めか…………全くだらしないな…………今から、目の覚める一発をしようと思ったが…………」

提督「やめてくれ。せっかくの休日なのに痛いのはごめんだ」

木曾「ははは……ところで相談があるんだが…」

提督「何だ?お前らしくない…」

木曾「俺だって誰かに頼りにしたい時があるんだ。貴様もそうだろ?」

提督「そうだな………。で、相談とは何だ?」

木曾「実はな、北上と大井の事なんだが…………」



提督「……なるほどな。大井の北上への執着心が強すぎて、北上に声をかけるどころか目を合わせるのも許してもらえないとな…」

木曾「あぁ…おかげで会話するのも一苦労。さらには北上の事は考えずにやりたい放題。
俺も見てられなくてな。貴様にその事を前から言おうと思ってたが『北上さんの悪口は許さない』と言って、
魚雷ぶっ放されそうになった…」

木曾「二人が出て行った隙を見て、貴様を探しに行こうとしたが、思ったより早く見つかって良かった」

提督「そうだったのか…。俺も同じだったから、北上の事心配してたんだ。あいつの性格上、大井には何にも言えないからな」

木曾「このままだと北上は孤立する一方だ。なぁ頼む」

提督「言われなくてもそのつもりだ。だがそのためには策、そして北上自身の協力もいる」

木曾「どういう事だ?」

提督「いくら俺達が何を言おうが北上自身がその場を変えたいという意志がなければダメって話だ」

木曾「なるほどな」

提督「さて……どうするかな…………」

島風(二人で考えた作戦は、間宮さんが作ってくれる料理に睡眠薬を入れる。
大井さんは北上さんと同じものを頼むが、先に北上さんに料理を渡すのは分かっていたので睡眠薬を
両方に入れる必要はなかった)

島風(その後大井さんが眠った後に、椅子に座らせ身動きできないように紐で縛る。
そして二人っきりになれるような部屋を作る。そして北上さんの気持ちを素直に言うように説得し、
目が覚めた時が勝負と伝えたそうだ)

島風(ただ、普通に伝えるだけじゃインパクトがないので……………)


20:00

大井「ん…………………あれ!?縛られてる!?北上さん!?!?」

北上「呼んだ?」

大井「北上さん、この紐解いて」

北上「いいよ。と言いたいけど……………」

大井「北上さん…まさか、今日は私がイタズラされるの!?///////」

パシッ!

北上「大井っち……………いや、あんたの脳天気さには呆れるわ」

大井「北上さん……………………」

北上「北上さん北上さんうるさいんだよ!」

大井「!?」

北上「あんた、私を人形だと思ってない?確かにあんたは私の事だけを考えているって言うけど、他の人には挨拶するのも駄目、目を合わせるのも駄目。おまけに一人にさせることも駄目。私だって誰にも知られたくない事だってあるのに……………」

大井「だって、北上さんにもしもの事があったりしたら私…」

北上「自覚ないのね………あんたのやって来たこと全部私を苦しめる事だったのよ…………」

大井「そんな!?!?」

北上「黙っていたけど、私ここにいる皆に避けられているんだよ…………あんたのせいで、私の居場所はなくなったのよ」

大井「…………………嘘」

北上「………………………………………」

大井「ごめんなさい。私が北上さんを苦しめていたなんて」ポタポタ

北上「私も言い出せなくてごめん。でも、もういいの」

北上「私はこの後解体されるから」

大井「!?!?!?!?」

北上「でも、皆から変な目で見られたくないから…………」

ガチャ

大井「北上さん!?待って!?!?」

北上「さようなら。あんたのこと、絶対に許さないから」

ヒュン……………………バン!

大井「北上さあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

バチン

大井「!!」ガクッ

提督(スタンガン所持)「木曾、北上は無事か?」

木曾「あぁ、大丈夫だ」

北上「痛たたたた……………マットぐらい敷いてよ…………………」

提督「悪いな、マットはここには無いから、なるべく多くの葉っぱを敷いたが意味なかったな」

北上「…………………………………………大井っち」

提督「罪悪感でいっぱいか。だが、これで良いんだ。こうでもしないとお前が苦しむからな」

北上「………………………………………………………これでいいの?」

木曾「良いんだ、これで」

提督「後は明日、ネタばらしと最終警告だ」

北上「最終警告?」

提督「なぁ~に、また変なことしたら本当に絶縁するとでもいえば良いだけの話さ」

木曾「これで分かっただろう。自分一人でどうにかなる問題も、放っておけば周りにも迷惑がかかる。いいな?」

北上「ごめん……………ヒック………………」ポロポロ

提督&木曾(無言で拳を突き合わせる)バシ



島風(翌日、大井さんに全ての事を話し謝った。大井さんは北上さんとはさらにベッタリとなった)

島風(でも、以前のような執着心は見せることはなくなった)

島風(提督も誰かを傷つけるような事はしたくなかったんだろうけど…………………………)

島風(提督は一体どういう人なの?提督には一体何があったの?)

島風(私はずっと一緒にいたのに………………)

Case7 成長

17:00

島風(吹雪ちゃんなら、提督の事何か知っているかな)

島風(探しに行こう。何か分かるかもしれない)



しばらくして

島風「吹雪ちゃん」

吹雪「島風………ちゃん?どうしたの?元気ないね」

島風「ちょっと良いかな?」

吹雪「いいよ。(悩み事かな?)」



波止場

吹雪「………そっか。島風ちゃんは司令官の知らない所をたくさん聞いたんだ」

島風「ずっと秘書艦やって来たけど、何時もの提督とは違うような事ばかりで………」

島風「私、いつか提督に置いて行かれるんじゃないかって…不安で」

吹雪「それは絶対にないよ。司令官はみんなの事を大事に思っているよ。誰も置いていったりしないよ」

島風「そうかな?」

吹雪「そうだよ。本当に大事じゃなかったら、誰かが轟沈しても気にしないし、容赦なく解体したり、差別は酷いかも知れなかった」

吹雪「それにさ、島風ちゃんはここへ来てまだ半年も経ってないから、司令官の全部を知ったと考えるのは早すぎるよ」

島風「だって…………」

吹雪「それにね、司令官がここへ来たばかりの時は、硬い感じで、挨拶回りしてた時に、間宮さんのお気に入りの花瓶割っちゃったんだよ。あの時の司令官は顔真っ青にしたっけ…」クスクス

島風「そういう吹雪ちゃんは最初失敗ばかりで、近くのバス停にはえてた苔に話しかけてたって聞いたよ」

吹雪「私そんな事してないよ!」

島風「本当に?」ニタニタ

吹雪「してないって言っているでしょ!というかそれ誰の情報?!」

島風「噂だから分からないよ」

吹雪「……………確かに最初は失敗ばかりだったよ。でもその度に司令官が励ましてくれた。
『またやり直せるから落ち込むな』って」

吹雪「『本当にやり直せなくなった時は吹雪達がいなくなった時と俺がとんでもない事しでかした時ぐらいだ』って」

島風(花瓶の事反省してないのはツッコむべき!?)

吹雪「島風ちゃんの話は驚いたけど、司令官はみんなの事を考えているから、つい口が悪くなるんだよ」

吹雪「それに多分、司令官も成長しているって事かも」

島風「成長……?」

吹雪「誰も完璧にはできない。だからこそみんなで協力して成長するんだよ。私も島風ちゃんも司令官もみんなも」

吹雪「昨日までの私達と今日の私達が違うように、昨日の司令官と今日の司令官も違う」

吹雪「そういうこと」

島風「そっか!」

吹雪「やっと笑顔になったね」

島風「ありがとう吹雪ちゃん!」

吹雪「さあ、帰ろう!」

島風「うん!」

提督「やっと帰ったか。危うく大騒ぎになるところだったぜ」

ヲ級「…………………」

提督「で、今日はなんの用だ?」

ヲ級「別レニキタ」

提督「ほう、どういう事か聞いていいか?」

ヲ級「全テ思イ出シタンダ。私ハカツテハ艦娘ノ一人ダッタ。アル時、私ハ轟沈シテ『深海棲艦』トナッタ」

ヲ級「シカシ、私ハソレニ気付カズニ、艦娘ニ近ヅイタ。
私ハ元イタ場所ニ帰リタカッタ。ソレナノニアッチハ艤装ヲ向ケ撃ッテキタ」

ヲ級「私ハ成ス統ベモナク沈ンダ。沈ンダ私ハ既ニ用済ミナノカ…………ソウ思ウトトテツモナイ怒リガ湧イタ。ソレカラハ、見ツケタ艦娘ヲ片ッ端カラ襲ッタ。ソシテ、何度モ沈ンダ」

提督「なるほどな。しかし、そんな状態だったのにどうして俺のところに来ようと思った……ってそうか、俺の歌を聞いたからか」

ヲ級「ソウダ。聞イテイルト心ガ落チ着ク。何度モ聞イテイルウチニ、ズット聞イテイタイト思ウヨウニナッタ」

提督「そういう事だったのか。あの時『もっと聞かせて』と言ったのはお前だったのか。最初は怖くて逃げ出したぜ」

ヲ級「今考エルト、オカシイナ」フフッ

提督「ほう、笑う所を見れるとは明日は雪だな」

ヲ級「マタ聞カセテクレイカ?」

提督「あぁ、いいぜ」

提督(なんだ、深海棲艦も可愛いところあるじゃねーか)

ヲ級「ドウシタ?ナニカツイテイルカ?」

提督「いや、何だか懐かしくてな。最初に会ったときはまともに会話できなかったのに、今じゃなんて事なく話している。不思議だな」

ヲ級「成長カモナ」

提督「そうかもな」

ヲ級「………今日ノ夕日ハ何時モヨリ、キレイダナ。コノ夕日ハ絶対ニ忘レナイ」

提督「(………そうか、別れってそういう事か)あぁ、そうだな」

https://youtu.be/y70xmTieBg8


ヲ級「ありがとう」

提督「ん、お前急に言葉が流暢になったな」

ヲ級「ようやく解放されたんだ。私を包んでた負の感情が溶けた」

提督「(光に包まれていく………)そうか、長かったな」

ヲ級「でもやっと終わる。そしてやっと帰れた」

提督「…………生まれ変わったら、また会おうな…………」

ヲ級「約束だ……………」

シュバ

提督「わ!?」



提督「……………あぁ、眩しかった。最後くらい迷惑かけるなよな」

提督「お、この花……………紫苑か…」




次の日
https://youtu.be/HaObDMnkscc

島風「提督、おっはよーーーーーー!」

提督「おはよう、今日は元気がいいな」

島風「今日は早く仕事終わらせて遊びたい!」

提督「そうか、このところ元気がなかったようだけど、元に戻って良かった良かった」

島風「うん!」

提督「もしかして、何か良いことがあったのか?」

島風「内緒!」

提督「えー、教えてくれたっていいのに……」

島風「私だって知られたくない事があるの」

提督「そうか、ならば聞くのは止めるか」

島風「ところで提督?それは何?」

提督「これか?これは押し花と言って、植物を乾燥させて作ったものだ」

島風「誰から貰ったの?」ムスー

提督「それはなー…」

島風「それは?」

提督「内緒!」

島風「えーーーーーーーーーーーー!!!!!!」






終わりです。いろんなSSを見ていたら作りたくなったので書いてみました。
結構、難しいですね。最初はギャグにするつもりだったのに、いつのまにかにこんな感じに…

読んで頂き、ありがとうございました



悪くないな。また書いてみるといい
書き手側というのも、結構良いもんだろ?



だけどヲ級ちゃんが転生して提督のもとに戻ってくるまで書かなきゃ!

待ってます

ヲ級転生って書くと技みたいだな…

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