雪風「えっ!山城さんが田んぼの様子を?」 (49)
扶桑「そうなの……」
扶桑「鎮守府でお借りしてる田んぼが、雪に埋もれちゃったらしくて……」
扶桑「今月は田植えを控えてるから、今朝あの子が見回りにいったんだけど……」
扶桑「さっき、あの子の携帯から帰れなくなったって連絡があったの……」
雪風「なにがあったんでしょう?」
扶桑「えぇ……」
扶桑「無事なことは無事みたいだから、安心はしたけど……」
雪風「ひとあんしんです!」
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ずいぶん早いな田植え まだ苗代も作ってないだろ普通
扶桑「あの子の代わりに、また出撃することになったから……」
扶桑「私は迎えに行けないのよ……」
雪風「じゃあ、私がむかえにいきますね!」
扶桑「ほんと……?いつもごめんね……」シュン
雪風「ぜんぜん!へーきです!」
扶桑「帰ったら……間宮さんでなにかごちそうするわ……」フフ
雪風「わーい!」ニコッ
雪風「では、さっそくいってきますね!」
扶桑「うふふ……よろしくね」ニコ
ザラ「あら!」
初雪「……あ」
ザラ「グラーチェ!」ペコ
初雪「こん……にちは」ペコ
ザラ「……」
初雪「……」
ザラ「え……えと……!」オロオロ
初雪「……」
初雪(……き、気まずい)
早い(>>1の仕事が)
初雪(ザラさん……来た、ばかり)
初雪(外国の子、話のタネがない……)
初雪(初雪……会話、苦手)
初雪(……ごめん)
初雪(このまま……部屋戻る……)シュン
トテトテ…
雪風「あっ!」
雪風「初雪とザラさん、こんにちは!」
初雪「あ、雪風……」スッ
ザラ「グラーチェ!」ペコ
雪風「……」ジー…
初雪「……どうした?」
雪風「ザラさんの髪型って、すっごくかわいいです!」ニコッ
ザラ「えっ、本当ですか?」
雪風「はい!ふわふわでお人形さんみたいです!」
ザラ「嬉しい……ありがとっ」ニコ
初雪「…………」シュン
ザラ「でも、ハツユキみたいなニホンらしい髪の降ろし方も……」
ザラ「ザラ、一度やってみたいな……」フフッ
初雪「!」
雪風「雪風はどっちもできません」シュン
雪風「では、雪風は今からおむかえにいきます!」
雪風「もし髪をおろしたら、雪風にも見せてくださいね!」
ザラ「もちろん!」ニコッ
初雪「……いってら」フリフリ
雪風「いってきます!」
トテテ…
初雪「……よかったら」
初雪「おろし方……教える」
ザラ「え、本当!?」パァァ
ザラ「是非お願いしたいな!」ニコ
初雪「いい、よ」
初雪「部屋来て……」ニコ
チラ… チラ…
雪風(まだ雪がちらついています!)
雪風(つもった雪はだいぶ溶けましたが……)
ツルツル
雪風(踏み固まってこけそうです!)
雪風(手に“かさ”ももってますから……)
雪風(気をつけて歩きます!)
……
…………
………………
ズガガッ ドサッ
男(あぁーもう、やってられないよ!)
男(雪国でもないのに、若いのが雪かきをやらされるなんて……)ガッ
男(ちくしょう、だから僕はこんな田舎がいやなんだ……)ズガガ…
男(町内会も年寄りばっかりだし)
男(そのくせ“若いもん”は大事にしない……)ドサッ
男(……でも、もうすぐだ)
男(街にある大学への入学が決まっている)
男(大学の寮への下宿が始まれば、こんな未来の無い田舎とはおさらばだ!)
男「わははは!」ズガガッ
ドサッ
雪風「きゃっ!」
男「あっ!」
男「ご……ごめん、大丈夫!?」
雪風「はい!かんいっぱつです!」ニコッ
男「そか、よかったぁ」ホッ
鎮守府でってことは日記のより前か
ぎっくり腰の後くらいか?
雪風「何をしてるんですか?」
男「これは雪かきだよ」
男「めずらしく雪が積もったからね、こうやって道を作ら“されて”るんだ」
雪風「そうなんですか!」
雪風「ありがとうございます!」ペコリ
男「えぇ、なんでお礼してくれるの?」
雪風「さっきまで、道がつるつるしていたので……」
雪風「私もみんなも、転んでけがをしなかったのは」
雪風「こうして雪かきをして“もらった”おかげなんです!」
男「!」
雪風「では、私はこれで!」
雪風「作業の方もおきをつけて!」
男「うん、君もね」フフ
スタスタ…
男「……」
老人「……若いの」ボソッ
男「!」
老人「すまないな……」
男「……いえ、そんな」
男(いつの間に後ろにいたんだろう……)
ヨロ…ヨロ…
男(……危なっかしいなぁ)
男(……この村)
男(僕みたいな若いのがみんな出て行ったら、この先どうなるんだろうな……)
男(…………)
男(……僕が、ここを一旦出るのはやめない)
男(……でも大学で勉強したことは、ここの役に立てよう)
男(僕が今まで育てて“もらった”村なんだ)
男(今度はもっと若い人も住んでくれるような村に、僕がしていけばいいんだよな)
男「……さぁ、残りもがんばるぞー!」グッ
………………
…………
……
雪風「」グゥー…
雪風(おなかがすきました!)
雪風(天気はくもり、でも……)
雪風(ちょうど雪もやんだので……)
雪風(雪風が握ったおにぎりを、いまからどこかで食べます!)
雪風(えぇと……いい場所いい場所……)キョロキョロ
地蔵「……」
雪風(ありました!)
雪風(おじぞうさまのすぐとなりが座れそうです!)
雪風「おとなり失礼しますね!」チョコン
地蔵「……」
雪風「……あれっ」
地蔵「……」
雪風(“やね”がこわれて、おじぞうさまに雪が積もってます)ジー…
雪風(なんだかとても、寒そうです……)
地蔵「……」
雪風「……あっ!」ピコーン
雪風(そうです!雪風も雪かきしちゃえばいいんです!)
雪風「こーやって、こうやって……♪」サッ サッ
地蔵「……」
……
…………
………………
雪風「できましたっ!」ニコッ
地蔵「……」
雪風「……はむっ」
雪風「……うん!おいしい!」モグモグ
地蔵「……」
雪風「そういえば、おじぞうさま」
雪風「おそなえ物は……?」
地蔵「……」カラッポ
雪風「……誰にももらえなかったんですね」シュン
雪風「じゃあ、雪風のおにぎりを一つおそなえします!」ニコッ
地蔵「……」
雪風「これはシーチキン入りですけど」
雪風「もしお口にあわなかったらごめんなさい!」ペコ
雪風「でも、雪風ががんばって作ったから」
雪風「きっと、おいしいですよ!」
雪風「……はい!どうぞ!」ス…
地蔵「……」
雪風「“やね”も壊れたままだと、なんだかこころもとないですね!」
地蔵「……」
雪風「でも、雪風は大工さんじゃないので直してあげられません……」シュン
地蔵「……」
雪風「ですからこれ、子ども用の“かさ”でよかったらお貸しします!」
カチャ
雪風「これでひとあんしんですね!」ニコッ
地蔵「……」
雪風「……あっ!」
パァァ…
雪風「すごい!くもがきれて、おひさまが出てきましたね!」
地蔵「……」
雪風「とてもあたたかいです!」ニコッ
雪風「今のうちに山城さんのところへむかいましょう!」
雪風「それでは、おじぞうさま!」
雪風「おひるごはんにつきあってもらって、ありがとうございました!」ペコッ
地蔵「……」
トテテ…
地蔵「……」
………………
…………
……
ピョン ピョン
雪風(わっ!虫がたくさん出てきました……)
雪風(そういえば、初春がもうすぐ“けいちつ”だと言っていました!)
雪風(あたたかくなって、たくさんの生き物が土の中からでてくるそうです!)
雪風(雪風も、なんだかげんきになった気がします!)
雪風(さて、もうすぐ“かしすいでん”ですね!)
……
…………
………………
なぜザラの挨拶がgrazie(ありがとう)なんだ
こんにちはならBuon giorno(ボンジョールノ)かCiao(チャオ)だぞ
女「……はぁ」
女(都会に行ってしまったあの人に届けようと)
女(今も田舎にいる私の想いを綴ったこの手紙……)
女(三日間かけて、がんばって書いたのに……)プルプル
女(この目の前の赤いポストに、投函するだけなのに……)
女(どうしてそこに手が伸びないの……)
女(付き合うとか、付き合わないとか)
女(そんな話もしたことないのに……いきなり好きだなんて)
女(今どき手紙で想いを伝えるなんて……)
女(そんなことされても、困るよね……)
女(怖いよ……)
女(出したくないよ……)ガタガタ…
ザラ「あら!」
初雪「……あ」
ザラ「チャオ!」ペコ
初雪「こん……にちは」ペコ
ザラ「……」
初雪「……」
ザラ「え……えと……!」オロオロ
初雪「……」
初雪(……き、気まずい)
初雪(ザラさん……来た、ばかり)
初雪(外国の子、話のタネがない……)
初雪(初雪……会話、苦手)
初雪(……ごめん)
初雪(このまま……部屋戻る……)シュン
トテトテ…
雪風「あっ!」
雪風「初雪とザラさん、こんにちは!」
初雪「あ、雪風……」スッ
ザラ「チャオ!」ペコ
女(付き合うとか、付き合わないとか)
女(そんな話もしたことないのに……いきなり好きだなんて)
女(今どき手紙で想いを伝えるなんて……)
女(そんなことされても、困るよね……)
女(怖いよ……)
女(出したくないよ……)ガタガタ…
台風に巻き込まれるんじゃないのか
雪風「あっ……!」パクパク
女「……え?」
女(女の子?)
女(どうして私を指さしてるんだろう……)
女(やっぱり、私なんかが手紙なんて……ダサいんだろうな……)シュン
雪風「おねーさん、下!した……!」
女「……え?下?」チラ
まむし「」ニョローン
女「っ!!」ビクッ
女「キャ――――!!」ポイッ
―――スコンッ
女「キャー!キャァァァ!!」
雪風「きゃー!!」
女「きゃああああああ!!」
「「キャ―――――!!」」バタバタバタ…
……
…………
………………
女「やっと戻ってきた……」ハァ…ハァ…
女(やっぱり、下には落ちてない……!)
女(……ということは……)ハァ…ハァ…
女「……」ジッ
ポスト「……」
女(入っちゃった……のかぁ)
信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)
女「……ふふっ」
女(そっか、入っちゃったのか……)クスッ
女(じゃあもう……前に進むしかない、よね……)
女(……大丈夫、きっと伝わるよ)
女(私の精一杯の気持ちを綴ったの……)
女(だからなにがあっても、もう後悔しないわ……!)
………………
…………
……
雪風「はぁ……はぁ……」
雪風「まむしは噛まれると大変です……」
雪風「……はぁ……はぁ……」
雪風「山城さん……」
雪風「だいじょうぶでしょうか……」
山城「……ふぇーん……」ポロ…ポロ…
山城「……だれか……たすけてぇぇ……」グスッ
山城(……雪解けのせいで、ぬかるんだ土にはまって動けなくなるなんて……)
山城「……やっぱり……不幸だわ……」グスッ
雪風「あぁ、いましたっ」
雪風「山城さーん!」
山城「そ、その声は……雪風!」
山城「ゆきかぜぇ……そこから引っ張ってぇ……」グスッ
雪風「わかりました!今引き揚げますね!」
グググ……
ツルッ
雪風「きゃっ!」
バシャッ
山城「あ……」
山城「た、助かったぁ……」ヘナッ
雪風「ふぅ……疲れましたぁ……」ヘナッ
山城「ごめんね雪風……あなたまでどろんこになっちゃったわ……」
雪風「えへへっ」
雪風「これで私たち、“おそろい”ですね!」
山城「……そっか」クス
山城「私たち、おそろいかぁ……」
テクテク…
山城「あっ……雪風、見て!」
雪風「え?」
山城「お地蔵様のまわりに……椿がたくさん咲いてるわ……」
雪風「わぁ……!」
雪風「すごく……綺麗です!」
山城「えぇ、ついに春がやってきたんだわ……」
山城「でもなんだか、例年より早い気がするね」
雪風「あ!たしかに……」
雪風(それにさっきまで咲いてなかったような……?)
雪風(……でも、いいんです!)フフッ
雪風「雪風はあたたかい方がすきです!」
山城「ふふ……私も」ニコッ
雪風「えへへ!」ニコッ
山城「なんだか、お地蔵様も幸せそう……」ニコ
地蔵「……」
――――――――fin―――――――――
この話は、これで以上になります。
今回、ザラの挨拶を間違えると言う頭の悪いミスを犯してしまい、大変申し訳ないです……
こちらは今朝雪が降りましたが、皆様のお住まいの方はいかがだったでしょうか
ここまで読んでくださった方、楽しく書かせていただきありがとうございました
乙
ほっこりすりゅ
乙!
乙
山城と田んぼでDASH鎮守府かと思ったwwwwww
スレタイで笑わせに来るのは反則だぜよ。
ぽかぽか
乙!
ぎっくり腰云々の人ですよね?今回も素敵な話をありがとうございました!
このSSまとめへのコメント
癒されるなあ