男「魔王倒しに行く」(31)

男「というわけで手伝ってくれ、友」

友「ふざけんな。確実に死ぬだろ」

男「俺だってやだよ。あの馬鹿(王)が『ティンときたからお前勇者な』とかいいやがったんだよ」

友「王の命令は絶対だもんな」

男「魔王倒したら三権分立させる運動始めよう」

友「…今から運動やったほうがよくね? 魔王倒しに行かないで済むし」

男「魔王倒すと一億貰えるからそれを活動の資金にする」

友「王涙目だな」

男「お前が行かないならいいや。1人で魔王倒しにいってくる」

友「…まてよ。いつ俺が行かないと言った?」

男「…もしかして一緒にくるのか?」

友「そうだ。一緒に魔王倒しに行こうぜ」

男「友、お前は…」

友「おいおい、泣くなよ」

男「金の話聞いて決心しただろ」

友「……」サッ

男「目そらすな」

なんとなく友を応援

友「分け前2対8な」

男「やっぱり金か…おい待て。まさか俺が2とか言うんじゃ無いよな?」

友「……」ピュルルー

男「口笛でごまかすな」

友「ちっ」

男「……。まあ、とりあえず魔王倒した後実際に馬鹿(王)が払ってから決めようぜ」

友「そうだな。あの馬鹿(王)ごまかすかもしれんしな。したら革命するけど」

男「凄い金に執着心持ってるな」

友「親父が俺の名前使って借金して夜逃げしたんだよ」

男「…最低な親だな」

友「とりあえず装備を整えてから旅立とう。お前王から何か貰った?」

男「…棍棒だけだ」

友「何これ馬鹿にしてんの?」

男「だから馬鹿(王)なんだろ。あいつ前に100人の傭兵とかに最強装備持たせて魔王倒しに行かせたからな」

友「そいつらどうしてるの?」

男「全員装備売って寝て暮らしている」

友「…よくこの国滅びないな」

男「周りは有能大臣ばかりだからな」

<フィールド>

男「とりあえず魔物ボコって金集めるぞ」

友「魔物は金持ってねぇぞ」

男「魔物の素材売って金にするんだよ」

友「なる程。所で俺達の武器本当に包丁でいいのか?仮にもお前勇者だろ?」

男「棍棒よりかマシさ」

魔物「グルル…」

友「犬みたいな何かだな」

男「毛皮がとれそうだな…所でボール持ってきたんだけど」

友「よしボールを使って…ほら男の所に行け」ポーン

魔物「…! ワンワン!」ダダッ

男「あ、アホだ。この魔物」ザクッ

魔物「…キャイン!」バタン

友「あらら」



どことなく日和臭がする

男「うし。毛皮剥ぐか」ザクザク

友「…おい、最近では魔物をペットにする奴がいるんだな。首輪がついてやがる」

男「飼い主から逃げ出したんだな。名前が書いてあるぞ」

首輪「名前『ケビン』飼い主『王』」

友「……」

男「毛皮剥ぐより証拠隠滅が先だな」

友「だな」

スライム「ぷるぷるー!」

友「おう、ようやく初の戦闘だな。男」

男「そうだな、あれはなかったことだ。とりあえず石でもってぶつけるか」ピシュ

スライム「ぴきー!」バコンッ

友「見た目的に動物虐待に見えなく無いな」

男「魔物だから気にすんな。ほらお前も投げろ」ピシュ

友「そらそら」ピシュ

スライム「ぴき…」フラフラ

男「瀕死だな…トドメさすか」チャキ

「待ってー!」

男友「!?」

「やめてー!お兄ちゃんを苛めないで!」

スライム「…妹! 馬鹿、危険だ! 来るんじゃない!」

スライム妹「これ以上お兄ちゃんを傷つけるなら私が相手だ!」

「…よくいった。私も戦おう」

スライム「…親父?」

スライム父「今まで人間に襲われたやつは見捨ててたが娘の行動で目が覚めた。俺も戦うぞ」

スライム「すげえ! 親父がいると百人力だぜ!」

男「…こいつら何ぷるぷるいってるんだ?」

友「しらね」

男「スライムの体液ってどれぐらいの値段だろうな」

友「さあ? それより城に戻って装備でも買うか?」

男「あと数キロで町につく」

友「そうか。所でここどこ?」
男「『追い剥ぎ森』とか言うらしい。由来は…」

盗賊「ヒャッハー!有り金全部だしな!」

男「盗賊が出没するとか」

友「目の前に盗賊がいるんだが」

盗賊「ヒャッハー!有り金全部だしな!」

友「同じ言葉ばかりいうんじゃねぇ。機会か、てめーは」

盗賊「うるせえ!ほら!有り金だしな!」

男「金無いんですけど」

盗賊「何? …なら装備品をだしな!」

男「…ほら1つしかないけど」

盗賊「何これ…ふざけてるの?」

友「文句いうなら馬鹿(王)に良いな」

盗賊「ちっ…。おっ、ジュースがあるじゃねぇか。よこしな!」

男「もうとってる癖に…」

盗賊「うるせえ!…丁度喉がかわいてたんだよ…ブフォ!」

友「スライムの体液飲んだやつ初めてみたよ」

男「とっとと逃げるぞ」

友「おう」

<町>

男「盗賊が馬鹿で助かったな」
友「そうだな。で、これからどうするんだ?売るもん全部盗賊に持ってかれたし」

男「酒場に行って仲間を集める」

友「へえ…けど俺らに雇えるやついるの?刺身包丁しか持ってないんだぜ?」

男「まかせろ。仮にも勇者だからな、馬鹿(王)の計らいで仲間はタダで雇える」

友「マジかよ。やったな!後ろで楽できんじゃん」

男「役に立つ馬鹿で助かったよ」

<酒場>

男「勇者ですけど仲間お願いします」

受付「チッ…。あっちの勇者専用仲間部屋にいるやつから好きに選びな」

友「おい、こいつ舌打ちしたぞ」

男「…嫌な予感しかしない」ガチャ

爺戦士「へ、ヘルニアが…」

僧侶「呪ってやる呪ってやる呪ってやる…」ブツブツ

賢者「魔王さま!今からこの町を焼き払えばよろしいんですね?」

友「ひでえ…いらないやつばかり集めた感じだな」

男「あの奥の男女なんか注射器の打ち合いしてやがる」

友「どうする?諦めるか?」

男「いや、とりあえず探してみる。意外な掘り出し物があるかもしれない」

友「掘り出し物って、物じゃ無いんだから」

男「魔法使いとかいないかな…。おい、魔法使えるか?」

僧侶「魔法じゃなくてヤクなら使えるぜ!」ガハハ

男「ダメだこいつ…」

友「おい、男。魔法使えるとか言うやつがいたぞ」

男「それはただの童貞だ」

男「やはりいないか…」

友「というかまともなやつがいないとはどういうことだよ」

男「あの馬鹿(王)のせいで勇者が頻繁に出てくるからな、酒場も優秀な人材をタダで持ってかれるのが嫌になったんだろ。多分」

友「そうか、馬鹿(王)のせいか」

男「とりあえず最後だ。あっち辺りにいる仲間でも探すか」

友「おう。…おっ、エルフがいる。しかも女」

男「本当だ。しかもすげぇ美人だ!よし、こいつ仲間にしよう」

友「おい、顔できめるのかよ」
男「あの後ろの奴らよりかましだろ」

爺戦士「……」チーン

僧侶「呪ってやる呪ってやる呪ってやる…」ブツブツ

賢者「はい、今から町を燃やしに行ってきます!」

友「確かにな。…いま誰か死ななかったか?」

男「気のせいだろ」

男「というわけで交渉だ。おい、仲間になってくれないか?」

エルフ「ふざけないで!人間の仲間になるなんで死んでもごめんだわ!」ピコピコ

友「…エルフの耳ってこんなにピコピコ動くもの何だな」

男「こいつ本当は仲間になりたいんじゃないのか?」

エルフ「ふざけないで!誰が人間なんかと…」ピコピコ

友「また動いた」

男「面白いな」

エルフ「帰れ!」ピコピコ

男「仲間に出来なかったな」

友「そうだな。帰るか」

受付「仲間が見つかったみたいすね」

男「見つけてないが」

受付「後ろ後ろ」

エルフ「……」

友「帰れと言った癖にどういうことだよ」

エルフ「気が変わったのよ。たまには人間と組んでも良いと思って」

友「で、本音は?」

エルフ「1億貰って豪遊する」

男「やっぱり金かよ」

男「よし仲間も増えたし後は金だな」

友「宿代すら無いからな俺達」

エルフ「勇者の癖に金欠?人間の勇者っておかしいわね」

男「おかしいのは馬鹿(王)の方だがな」

友「棍棒持たせて魔王倒しに行かせるマジキチだからな」

エルフ「何それ…死ねって言ってるようなモノじゃない。よく行く気になったわね」

男「俺は命令で」

友「俺は金に釣られて」

男友「「そして装備はこの包丁だけさ」」

エルフ(…本当に勇者なの?)

これは中々wwww耳ピコピコかわいいな

男「しかし、どうやって金を手に入れようか?」

友「勇者ということを利用して貢がせるか?」

男「馬鹿、こんな装備で『俺は勇者だ』とか言って見ろ?牢にぶち込まれるに決まってんだろ」

友「包丁じゃ強盗にしか見えないよな」

エルフ「…酒場に盗賊の討伐依頼があったわよ」

男友「「馬鹿か?包丁だけで討伐出来るわけねーだろ!」」

エルフ「…私魔法使いなんだけど?盗賊なんてイチコロよ」ピコピコ

友「まさかどっかの僧侶みたいに即死魔法連発するわけないよな?」

エルフ「なにそれ?」

男「よし、早速盗賊討伐に行こうか」

友(エルフがへましたら二人を壁にして逃げよ)

エルフ「…ここに盗賊がいるらしいわ」

友「おい、あの体液飲んだ盗賊と会った場所じゃねえか」

男「あいつどうしてるんだろな。…あ」カランカラン

「侵入者だ!殺せ!」

エルフ「ちょっと!いきなり罠に引っかからないでよ!これだから人間は…」

友「とりあえずいつでも魔法撃てるようにしとけ。背後は俺が見る」

男「…お前逃げる気満々だろ」
友「はあ!?逃げる気なんてないし」サッ

男「こっちみやがれ」

エルフ「うるさいわよ!呪文噛んじゃったじゃない!」

「死ねい!」バッ

男友エ「「「!」」」

男「あぶねえ!」

友「おい、大丈夫か?」

盗賊「かわしたか…。あっ、お前は変なジュースを持ってた奴!」

男「…なんだお前か。あれスライムの体液だぞ」

盗賊「何だと!だから腕がこんなドロドロに…」

友「えっ」

男「勝手に飲んだお前がわるいだろ」

盗賊「うるせえ!殺してやる!うおおお!」ダダッ

男「完全な八つ当たりじゃねえか!」

エルフ「また呪文噛んだー!」

友「どうでもいいからはよ男をたすけろ!」

エルフ「ええい、呪文を破棄して…ファイア!」ピカー

友「炎じゃねえ!何か光線が出やがった!」

盗賊「ぐわっ!…あれ、腕が治ったぞ!」

男「まじかよ」

盗賊「いやー。腕を治してもらってありがとう」

子分「「「ボスの腕が治ってよかったっす」」」

盗賊「これからは心入れ替えて子分達と一緒に真面目に生きるわ。二度とあれにはなりたくないからな」

男「炎出すはずが治癒魔法出すとはな」

エルフ「呪文言わないとだいたいこうなるのよ。いいじゃない結果オーライよ」

友「お前呪文唱える間ずっと耳ピコピコ動いてたな」

エルフ「ふん!うるさいぞ人間め!」ピコピコ

男「…マジで死ぬかと思った」

男「さて討伐も一応成功して金も手に入れたな」

友「装備品も手に入れたな。…2人とも防具だけだが」

エルフ「私は自前のがあるわよ」

男「まあ、これで旅の準備は揃ったし魔王討伐に乗り出すか」

友「借金返済の為に」

エルフ「豪遊する為に」

男「…馬鹿(王)の命を果たす為に」

友「こうしてみると男だけ真面目に見えるよな」

男「逆らったら処刑されかねんからな」

エルフ(そんな国はいやだわ…)

<道中>

男「迷った。やっぱり勘で動くものじゃないな」

友「…おい、まさか勘で魔王の所まで行こうとしたんじゃないよな?」

男「そうだよ」

エルフ「…これから馬鹿(男)と呼んだ方が良いわね」

男「うるせえ。冒険は寄り道が基本だろが」

友「俺は冒険より魔王の首を換金したいんだか」

エルフ「そうよ、そうよ」

男「金に目を奪われやがって…」

友「軍資金を欲しがってたお前がいうな」

\助けてー!/

エルフ「悲鳴が…。助けに生きましょう。助けて金品を要求するのよ!」

男「やだよ。素通りしようぜ」

友「…死体から奪ったほうがよくね?」

男「おい」

男「無理やり行かされた…」

友「4人対12人か。普通に行ったらやられるな」

男「なら奇襲だな。エルフ、任せた」

エルフ「私だけ!?あなた達も働きなさいよ!」

男「一発打つだけでいいんだよ。ほら、早く」

エルフ「わかったわよ。………」ピコピコ

男「本当に呪文言ってるとき耳動いているな」

友「だろ」

エルフ「……ファイア!」ボンッ

友「おお、予想外な攻撃で驚いてるな」

男「よし…。諸君、君達は包囲されている。大人しく私の指示に従え!」ササッ

エルフ「あら、1人だけで前に出ているけど大丈夫かしら?」

友「もし男がやられたら逃げようぜ」

エルフ「結構酷いわね、あなた」

男「いいか?二度は言わない。大人数の方のグループは今すぐ遠くにいけ」

小男「…囲んでいるなんて嘘をつくな!殺されてえか!」

男「やってみろ!囲んでいる8千人の部下が黙ってないぞ!」

友「それ嘘つきの奴の台詞じゃん」

小男「死にやが…うわっ!」

エルフ「4人組がここぞとばかりに仕掛けてきたわね」

友「全員男の方を向いてたしな」



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