男「覚醒の血…が……僕に…?」 (31)

2214年、生物に突如現れたB.O.V.DNA(become conscious of one's own value DNA)。
別名、覚醒の血とも言われている。

B.O.V.DNAを持つ生物はある条件を満たす事で覚醒することができる。
覚醒時は計り知れない程の力を得ることができる。

B.0.V.DNAには2種類のタイプが存在する。

B.O.V.DNA typeA

・自分の意思で覚醒することができる
(体を自由に動かせない場合は不可)

・覚醒時、意識がはっきりとしている

・元々の力が高ければ高い程、大きい力を得ることができる

・寿命が通常人類と同じ

B.O.V.DNA typeB

・自分が危険を感じた時に覚醒することができる
(脳が危機を察知した場合)

・覚醒時の意識が全くない

・元々の力が低い程、大きいを得る事
ができる

・成長が通常人類より少し遅い

・寿命が通常人類の1/2


typeAの方が優秀だと言われているが、まだ判明していない能力も隠されていると思われている。


B.O.V.DNAを持つ生命を発見した場合は、10m程度の距離をあけ、宇野研究所までご連絡ください。
(万が一、襲われるなどの暴行を受けた場合は絶対に傷口を隠し、覚醒者とは目を合わさないでください。)

キーンコーンカーンコーン

生徒達「やったー帰れるぞ」ワイワイ

生徒達「いぇーいー」ガヤガヤ

やがて生徒達がランドセルに荷物を詰め終わり教室には静粛が訪れる。

DQN1「男くん、今日も遊ぼうぜ」

DQN2「今日はメントスコーラな」

DQN3「胃の中で噴射させようぜ」

……僕にとって、放課後は授業より苦しく、辛い行事である。

DQN1「じゃあ、始めようかね」ニタァ

DQN1「……あれれ?男くん、返事がないようだけど?」

男「そっ、そんな」

DQN1「お仕置きだねぇ」ドゴォッ

男「ぐ……ぐはぁ」ビチャッ

DQN2「うわ、こいつ血吐きやがった」

DQN1「きっも、殺すぞ……」

DQN3「ガチで殺すべ?」

DQN2「はい死刑決定~」ボコボコ

男「うぅ……」ウルウル

DQN1「あれ?泣いてんの?」

DQN2「きっも、死ねよ」ペッ

DQN3「うぜぇ……明日も学校来たら殺すぞ」バキッ

男「………」ウルウル

今日もいじめられた。
殴られた形跡はできる限り消した。
親にはバレたくないから。
僕がもっと、強ければ……

男「ハァ~……」トボトボ

僕の家と学校は驚くほどに近い。
だけど家に着くまで何時間も歩いた気がする。

男「お母さん……」ウルウル

男「(駄目だ、バレる、極力明るく…)」グシグシ

ガチャ

男「ただいま!」

母「……おかえりなさい」

男「じゃあ、さっそく勉強するね!」ダダダッ

ガチャ

男「……」

バタン

男「このままで……いいのかな」ボソッ

僕の逃げ道は勉強しかない。
家に帰ってもなんだかバレずに暮らすのは苦しい。

男「もっと……強くなりたい…」ボソッ

男「だっ、だめだめ、さっ、勉強、勉強!」

男「……ハァ」カリカリ

男「……」カリカリ

ひたすらペンを走らせ、かれこれ2時間が経過していた。
母の声で現実に戻された。

母「男ー、ごはんよー!」

男「すぐ行くよ!」


男「このカレー、美味しいね!」

母「……そう、よかった」ゴホゴホ

男「お母さん?どうかしたの?」

母「いえ、何もないわ」ニコッ

男「(何か変だなぁ……)」

男「ごちそうさま」

母「勉強……がんばってね」

母「お父さんみたいにならずにね」

男「……わかった」

父は頭が弱く、詐欺に騙され続け2000万円の借金を負った。
そして父は、僕達を置いて逝ってしまった……
借金を母一人で今も返済している。
当然貧乏で、良い服が着れない。
それと僕は人より成長が遅く、背が伸びない……
僕の人生は、初めから奈落の底に落とされていた……

・・・・ピピピピピ

男「……うぅ…」

男「…ふぁ~」

男「もう朝か」

ガチャ

【ごはんは机に置いてあるから適当に食べててね。
お母さんは今日も仕事に行ってきます。
少し遅くなるかもしれないけど待っててね】


男「お母さん、仕事で大変だな…」モグモグ

男「やっぱりブルーベリージャムはおいしいなあ」モグモグ

男「おいしい……」モグモグ

男「……」モグモグ

学校へ行く準備を速やかに終わらせた。
DQN達に任された宿題も忘れずに持っていかなくちゃ。

ガチャ

男「おはよう…」ボソボソ

DQN1「宿題やってきたよな?」

男「あ、はい……これです」

DQN1「すまんなぁ」ゲヒヒヒ

DQN2「じゃあ、放課後で!」ゲヒヒヒ

男「ハァ……」


キーンコーンカーンコーン

生徒達「今日すぐ俺の家集合な!」ワイワイ

生徒達「はぁー疲れた!」ワイワイ

皆、幸せそうにしてるなぁ……
だけど、僕だけ……

DQN1「よぉ、チビ、遊ぼうぜぇ」

また、始まった……

DQN2「今日俺等アイツに叱られてイライラしてんの」

DQN2「だからお前今日サンドバックな」ボコッ

DQN1「死ね死ね」ボコボコ

男「うぅ……」

DQN1「死ねやボケェェ!!」ドコォン

男「うぅ……」


かれこれ殴られ続けて1時間が経った。
廊下から足音がしてやっとDQN達が帰った。
家に帰るのが憂鬱で仕方ない……

ガチャ

男「ただいま、今日は宿題が多いから勉強して……」

男「……お母さん、いないのか…」

男「……」

男「何だか寂しいなぁ……」トボトボ

その夜、昨晩母が辛そうにしていた理由がわかった。

病院から母の様子がおかしい、と電話がきてすぐに駆けつけたが一歩遅かった。
母の急死に、借金……
もう、どうすれば…

ドンドンドン

男「……あ、借金取り」

借金取り「オラー!金返せ!」

男「保証金みたいなの、出ないのかな…」

男「保険に入ってないし、無理か……」

借金取り「開けろコラァァ!」ドンドン

ガチャ

借金取り「金返せー!」

借金取り「……んんん?おめぇの母親はどこだよ??」

男「と、突然の急死で……」ビクビク

借金取り「……」

借金取り「適当な事言ってんじゃねぇよ!!殺すぞクソガキ!!」

男「(あぁ、殺される……つまんない人生だったなぁ……)」

借金取り「死ねぇぇぇ!!」バキィ

男「(あぁ……このまま僕は…)」

借金取り「死ねーー!」ゴォォッ

借金取りが大きく腕を振り上げた時、僕の意識が消えた。

借金取り「死ねーー!」ゴォォッ

覚醒男「ぞああああああ!!」シュッ

借金取り「………うわぁっ!」ドクドク

瞬く間に借金取りが血に染まっていく

覚醒男「きぇぇぇぇぇい!!」ボゴォ

借金取り「ガハッ、クソガキ…!」

覚醒男「セイ!!」ボッコォォン

借金取り「ぐはぁぁっ」ドクドク

覚醒男「……」

借金取り「ぐ……うぐ…」バタ

覚醒男「……」

覚醒男「……?」

男「……?」

男「借金取りが……」

男「どっ、どういうこと!?」

パシャ

男「とりあえず警察だ」ピポパ

僕は盗撮された事に気が付かなかった。
借金取りは病院へ連れていかれた。

男「うぅ…ん…」

僕は起きてから拘束されている事に気が付いた。
いきなりの出来事でつい大声を出してしまった。
僕を医者らしき人物と看護婦が取り囲んでいる。

医者「……検索の結果奴はB型だ、拘束を解除しておけ」

看護婦「わかりました」ピッピッ

看護婦が手元の機械をいじり、拘束が解かれた。
とりあえず、一安心した。

医者「すまない、私は宇野だ」

男「あっ」

医者「テレビで見たことあるだろ?」

男「あ、はい」ビクビク

医者「そんなに怖がらなくていい、君は覚醒の血を引き継ぐ者だ!」

男「え、僕からB.O.VのDNAが?」

医者「詳しいな、いかにも。君はB型だがな」

男「(嘘だろ!?僕に覚醒の血があったなんて!もしかして昨日の借金取りは……)」

医者「今から君を調べさせてもらう、服を脱いでくれるか」

男「…え」

医者「……看護婦さん、お願いね」

看護婦「わかりました」ピッピッ

男「え!?ちょっと、訴えますよ!?」

医者「どうせ君はいまから……」

男「?」

医者「いや、なんでもないさ」

僕の意識は無くなったが、覚醒はしそうになかった。

男「……」

また目が覚めた

医者「ありがとう、君のおかげだよ、これでB型の血液をA型に変える事ができるということがわかった」

医者「だから今からき」

看護婦「先生!!それ以上喋ると、覚醒する可能性が!」

医者「おっと、すまないね……」

は?え?どういう事だ?今から僕は殺される!?
嘘だろ……
……何で覚醒しない?

医者「覚醒しないね」

看護婦「脳が嘘だと思ってるんじゃないですか?」

看護婦「それと、服を……」ソワソワ

医者「ああ、着せろ」

看護婦「わかりました」ピピッ

医者「それと、A型のゲジゲジ、全部しまっといて」

看護婦「わかりました」トテトテ

ガシャーーン

看護婦「キャッ」

医者「まずい、ゲジゲジが覚醒した!」

僕の大嫌いなゲシゲジが僕の首筋に上がってきた。
そして、僕の記憶は消えた。

覚醒男「うぴぁぁぁぁぁ!!」ドドドドン

覚醒ゲシゲジ「……」ポロポロ

覚醒男「シェイ!」ピッ

覚醒ゲジゲジ「……」ボン

医者「うわぁ!ゲジゲジが引火した!」

看護婦「宇野さん!ヤバイです!」

医者「拘束しろーーー!!」

看護婦「無理ですよーー!」

翌日、研究所はボロボロになり発見された。
中からはドラッグや、許可を得ずに動物を飼っていたことが判明した。

やがて、覚醒時は覚醒した僕の記憶が存在するようになった。

それから何度かピンチに至り、覚醒した。その時、耳にしたのは東京都の地下で、覚醒者最強を決める大会が開かれるらしい。
曜日は、明後日である。

翌日、僕は女性が高校生くらいのDQNに襲われているのを見た。
その高校生を僕が見ていると高校生は標的を俺に変え襲ってきたので覚醒し、女性を助けた。

やがて、付き合う事になった。
僕が大会に出る事を言うと、応援しにいくと言ってくれた。

大会当日

僕は超弱小なので、覚醒すると一気に強くなる。
B型の特徴だ。

A型には嘲笑われたが、A型以上の力を発揮し、決勝まできた。
B型は子供の方が有利だった。

A型「てめぇみたいなガキが決勝までくんのかよ」ペッ

男「……」ビクビク

A型「殴ると覚醒するからな」

A型「一発でケリをつけてやる」ブォン

男「ひっ……」

……フッ

意識が消えた。
殴られる前に危険を察知した。

覚醒男「……」ガンッ

A型「……なっ」

覚醒男「きえええい!」ボボボン

A型の顔に秒速340kmのマッハパンチが当たった。

A型「クッソ…」

A型「許さん……」

明らかにA型の目付きが変わった。

A型「しねぇぇ!」ヴォン

覚醒男「……」サッ

A型「……とみせかけて」ババッ

A型「お前の彼女、頂き!」

A型「これだからB型は、馬鹿だなぁ」

覚醒男「……」

彼女「男くん、助けて!」

A型「これで出だしでき」

A型の体が一瞬現れた。
それを逃さず僕は殴った。
いつものパンチより早かったと思う。
あっけなくA型を打ちのめした。

B型には、もうひとつ特徴があったようだ。
「大切な人が危険な目にあった時、誰にも止められないほどの力を発揮する。」ということだ。

なんでこんなにおもろいのに人こないん?
俺の中では傑作だよ
人こないし最後雑になった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月28日 (木) 14:38:05   ID: KYbXVyv2

最後グダグダにならなかったら傑作かもな

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