幼馴染「男の童貞もらいに来ました」男「はい?」(24)

男「え?今何て?」

幼馴染「男の童貞もらいに来ました」

男「え?」

幼馴染「男の童貞もらいに来ました」

男「いや、別に聞こえなかった訳じゃないよ?」

幼馴染「二度あることは三度あると言います」

男「いや、一回目も二回目も聞こえなかったんじゃなくて何を言ってるんだかわからなかったから聞き返したんだけど」

幼馴染「?そのままの意味です」

男「あ、うん。今日って四月一日だっけ?」

幼馴染「七月七日です。七夕です。祝いましょう」

男「いやまだ朝早いですよまだ深夜二十四時ですよ何考えてるんですか幼馴染さん?」

幼馴染「よく噛みませんでした。偉いですね。では童貞をもらってあげましょう」

男「どうしたの!?本当におかしいよ!?」

幼馴染「?」

男「いや、首をかしげられてもね?」

幼馴染「私はいつも通りです」

男「いや、絶対いつも通りじゃないよね?」

幼馴染「いえ、いつも通りです」

男「はぁ、まあとりあえず僕の上から退いてくれない?」

幼馴染「そうですね布団の上に乗っていてはやることもやれませんもんねやっとその気になってくれましたかでは脱ぎます」

男「やめてよ!?あと長い台詞を噛まずに言える滑舌と肺活量が羨ましい!!」

幼馴染「では、私を布団から下ろして私が服を脱ぐのも止めるなんて一体何をするんですか。ナニですか?」

男「違うよ!?僕は幼馴染とそういうことするつもりはないからね?」

幼馴染「どうしてですか?あんなに童貞を棄てたがっていたのに」

男(まさか今日...いや、昨日か。昨日二人で行ったカラオケのときにイクシオンサーガDTのOPと紺のキャラソンを歌ったのがまずかったのか?)

男「いや、確かに棄てたいけど...けど、そう言う行為はきちんと愛を持ってやらなきゃダメだと思うんだ」

幼馴染「?私は愛を持っています。好きです、愛しています」

男「!?あ、いやそ、そういうんじゃなくってさ...」

幼馴染「では、どういうことですか?」

男「ほ、ほら!例えばふられるかもしれないっていうドキドキを心に秘めて告白をする、それから何度もデートを繰り返して仲良くなって、それで...」

幼馴染「それで?そのあとはナニをするんですか?」

男「その発音、言ってるような物だよね!?」

幼馴染「おっと、すいません。で、何をするんですか?」

男「その、あれだよ。...童貞を棄てる行為?」

幼馴染「その名前は?」

男「せっ......、って別に言わなくてもいいじゃん!?今、それについて話してたんだし」

幼馴染「ちっ......それもそうですね」

男「今舌打ちしたよね!?してないなんて言わせないよ!?」

幼馴染「えっ......言わせないって、つまりお前の口を無理矢理塞いでやるぞって言うことですかそうですかでは恥ずかしいですかどうぞ」

男「いや、そういうことじゃないよ!?顔近い!」

幼馴染「そうですか...残念です」

男「っていうかさっさと帰ってよ。僕、眠いんだけど」

幼馴染「嫌です」

男「帰りなさい」

幼馴染「嫌です」

男「帰れ」

幼馴染「ひどい!?......ぞくぞくします」

男「聞こえたよ!?止めてよ、そういうの!」

幼馴染「はあ、どうしても帰れと言うんですか?」

男「うん。どうしても帰って」

幼馴染「そんなことを言ってしまう悪い子にはお仕置きをします」

男「え?僕が悪いの?ここ僕の部屋なんだけど?」

幼馴染「じゃあ男が私にオシオキをするんですか?」

男「目をキラキラさせて聞いてこないで。まあしないけどってあからさまにがっかりしないでよ」

幼馴染「ふん、じゃあいいです。私にも考えがあります」

男「一応聞くだけは聞いてあげるよ」

幼馴染「全くもう、何を言ってるんですか。期待してるクセに!この!この!」

男「追い出すよ?」

幼馴染「ごめんなさい」

男「うん、それでよし。で、なんなの?僕は早く寝たいんだけど」

幼馴染「ふっふっふ......聞いて驚くがいい」

男「?」

幼馴染「『ぼくパヤたん』を男がたとえ寝たとしてもずっと流し続けます」

男「ごめんなさい。ここにいていいです。いえ居てくださいお願いします」

幼馴染「それがいいです。男は機械音痴だからうまく使えないですもんね」

男「今ほどもっと機械にさわっていればよかったと思った時はないよ...」

幼馴染「ふっ、さあ男?夜は長いですよ?」

男「そうだね」

幼馴染「!?あの男がすんなり受け入れた!?もしや私にフラグがたったのでしょうか!?」

男「いや立ってない立ってない」

幼馴染「そうですか...」

男「うん、そうだよ」

幼馴染「ああ、やっとこれで男は幼馴染ルートに入ることができたんですね...」

男「聞いてないし......寝よ」

幼馴染「ここまで長かった...後輩ルートや男の娘ルートに何度も入りそうになるし...」

男(そろそろ機械の操作出来るようにしないとな......)

幼馴染「そんな男がとうとう正妻である私、幼馴染のルートに入ったなんて...ああ、信じられません」

男(今度後輩か男の娘に教えてもらおう)

幼馴染「ああ、今までの努力が報われた......」

男(こいつさっきかり何ぶつぶつ言ってるんだろう。うるさくて眠れない。ああ、幼馴染みポディションが幼馴染じゃなくて後輩か男の娘だったらな...)

幼馴染「ああ、何年男を追い続けたんだろう......」

男(あいつらは性格良いもんな。後輩はなんかよくわかんないけどとにかく可愛いんだよな。男の娘は性格サイコー!)

幼馴染「ああ、男の使い古しの枕ももう必要なくなるのかな?これからは男が一緒だし...」

男(なんだ、こいつ?使い古しの枕なんてあげた覚えないぞ?)

幼馴染「男のパンツであんなことやこんなことをしなくても、男がしてくれる......」

男(うわなにこいつ、こわっ。......もう今日は眠くてなんもやる気出ないな...無視して寝るか)

男(......どうか寝てるときにぼくパヤたんが聞こえて来ませんように)

幼馴染「zzz...」

男「zzz...」

幼馴染「はっ!?」

男「zzz...」

幼馴染「......」

鳥「チュンチュン」

幼馴染「布団も乱れてるしまさかこれは......」

男「......」

幼馴染「朝ちゅん!?」

男「違うよ」

幼馴染「!?あ、男おはようございます」

男「おはよう。結局ここで寝ちゃったんだね」

幼馴染「気がついたら、もう......」

男「へえ、すごいね幼馴染。気がついたら僕の布団の中に潜り込んで僕に抱きつけるんだ」

幼馴染「照れるぜ」

男「照れないで」

幼馴染「でも、布団が乱れてますし、やることはやったんでしょ?」

男「やってない」

幼馴染「男、覚えてないだけですよ。責任、とってくださいね?」

男「顔を赤らめて言わないで。ほら、幼馴染。右を見て」

幼馴染「?」

男「右はお箸を持つ手がある方だよ」

幼馴染「私左利き」

男「嘘つけ」

幼馴染「ごめんなさい」

男「まあいいよ。ほら、右見て。これだよ」

幼馴染「?あ、妹ちゃん」

男「そ、こいつがいるんだ。何かできるはずがない。そんなに動いたら起きるだろうしね」

妹「ん、ぅう・・・お兄ちゃん?」

男「ああ、そうだ。お前のお兄ちゃんだよ?寝ぼけてるのか?」

幼馴染「私もいますよ。妹ちゃんのお姉ちゃんの幼馴染ですよ」

男「違うよ!?僕の幼馴染の幼馴染だよ?」

妹「ん、ぅうう?あれ?なんでいるの?」

幼馴染「私は男の童貞をもらいますので」

妹「どーてー?なに、それ?」

男「妹は知らなくていい!」

男「ちょっと、幼馴染!なんてこというのさ」

幼馴染「顔を近づけられると照れてしまいます、男」

妹「ぅう...。うるさいよ......。お兄ちゃんはなんでわたしの布団に?」

男「妹?ここ僕の布団だよ?」

妹「......?......!?」

男「いや、周り見渡して首をかしげて何か思い付いたようにこっち見て軽蔑するような目で見ないで!体を押さえるのも止めて!!違うから!全く......!」

幼馴染「妹ちゃん、童貞と言うのはですね」

妹「うん」

男「そもそも僕が妹に何かするわけないだろうが......」

幼馴染「男と女のアレをしたことのない男の人のことを言うんです」

妹「アレって、アレ?」

幼馴染「ええ、それです」

男「僕と妹がいくら血が繋がってない......って!?幼馴染、なに教えてるの!!」

幼馴染「なにって、童貞についてですよ」

男「何教えちゃってるの!?せっかく今まで純粋な子になるように育てて来たのに!!」

幼馴染「ですが、妹ちゃんは童貞を棄てる行為については知っていたみたいですよ」

男「はぁ!?ほ、本当か、妹!?」

妹「え......その......」

男(顔を赤らめてうつむいた、だと......!?)

男「知ってた、のか......」

妹「ごめんなさい...」

男「......まあ、いいよ。僕はそういうこと知ってるのに妹には教えないっていうのも間違いだしね」

妹「お兄ちゃん......!」

男「妹......」

幼馴染「それはエゴだよ。ですね。まあ教えたの私ですけどね」

男「いも...おい幼馴染てめぇ」

幼馴染「きゃん、私に乱暴するつもりですか!性的な意味で」

男「暴力的な意味でね!?」

幼馴染「言葉の暴力......言葉責めですね?」

男「違う!肉体的に!」

幼馴染「SMプレイですか......。いいです、私も男のためならSにでもMにでもなります!」

男「なんでそっちの意味で捉えるの!?」

妹「お兄ちゃん?そろそろ時間」

男「幼馴染は僕の教育方針知ってたで......本当だ。そろそろご飯食べないと」

男「じゃあまたね、幼馴染」

妹「じゃ」

男「さ、行こっか。妹」

妹「うん!」

男「......」

幼馴染「......」

男「......」

幼馴染「......」

男「......なんでついて来るの?」

幼馴染「着替えてないですよ?」

男「後で着替えるよ!」

幼馴染「あ、そっか。男は汚すのが怖いんでしたっけ」

男「う、うるさい!」

妹「さ、行こ?」

幼馴染「そうですね」

男「ちょっ!?幼馴染、僕に出した余分な服片付けさせないでよ!」

妹「あー、人段ひっくひかえしたのかな?」

男「そうみたいだよ!あーもう!朝から......」

幼馴染「自分の物ぐらい自分で片付けなさい」

男「出したのそっちだよね!?」

幼馴染「......」

男「ちょっ!?無言で妹に手を回して歩いていかないで!?」

幼馴染「......行くぞ」

男「そっちを直すんだ!?出来ればてつだつてほしいんだけど」

幼馴染「妹ちゃん、行こ?」

男「ちょっと!?片付け手伝ってよ!?」

幼馴染「行くぞ、妹よ」

男「手伝ってー!」

男「全く、幼馴染は......」

男「シワになっちゃうよ......早く片付けないとなぁ」

男「あれ?」

男「......これ、僕のじゃない?」

男「っていうか女物......」

男「まさか僕は女装の性癖が!?」

男「いつの間に買ってたんだろう」

男「いや、これは妹かもしれない」

男「いや!幼馴染のだよ!」

男「違う!妹の!!」

幼馴染「妹ちゃん!あれは私のです。勝手に変な台詞にしないでください!」

妹「お姉ちゃんこそ!あれは私の!!」

男「......」

幼馴染「男は私のパンツを持って顔を赤くしてるんです!」

妹「私のだよ!」

男「ねえ、二人とも」

幼・妹「!?」

男「いや、驚かれても困るんだけどさ、僕の部屋ってドアと壁薄いんだよね」

男「だからさっきから何を言ってるんだかわかってたんだけどさ......」

男「で、これはどっちの?」

妹「......私のじゃない」

幼馴染「?私のでもないです」

男「と、すると......?」

幼馴染「男は私以外の女のパンツで興奮してたんですね......」

男「いや、してないよ。幼馴染のでも」

妹「じゃ、じゃあ私のは......?」

男「もっとない」

幼・妹「ガーン」

男「口で言われてもね......。これ、誰のだろ」

???「私のですよ、先輩」

男「こ、後輩!?」

後輩「そうです!先輩、私のパンツ盗むなんて、どういうことですか!」

男「え、じゃ、これは......」

幼馴染「男、顔を赤くしないでください」

後輩「え?私のパンツで興奮してるんですか?ごめんなさい、気持ち悪いです」

男「してないよ!」

妹「でも、顔が赤いよ?」

男「これは、その......持ち主が前にいて気まずいだけだよ!」

幼馴染「今考えましたよね?」

後輩「やっぱり興奮していたんですね。気持ち悪いです」

妹「悔しいけどお兄ちゃんが顔を赤くして興奮してるのは事実」

男「誤解だよ!それと妹、悔しいってなに!?何を悔しがってるの!?」

後輩「興奮してるのは否定しないんですか?」

男「さっきやったよ!」

男(あれ、後輩ってこんなやつだったかな?ノリはよかったけど......パンツでちょっと嫌われたのか?)

男「で、なんで後輩のパンツがここにあるの?」

後輩「私が聞きたいですよ!盗んだんでしょ!?」

男「盗んでないよ!」

幼馴染「そうですよ、男は私のパンツが一番興奮するって言ってましたから」

後輩「うわ、先輩最低ですね。一体何人のパンツを取ったんですか?」

男「ゼロだよ!」

妹「私のパンツ、たまになくな」

男「らないよね!?あったとしても自分で無くしてるだけだよね!?」

幼馴染「私のパンツは、たまに男の部屋から......」

後輩「うわ、最低ですね」

妹「私のパンツも実はお兄ちゃんの部屋から」

男「二人とも僕の部屋によくおきに来るもんね?いらないからね?」

後輩「ま、まさか先輩が二人を脅して無理矢理パンツを盗ってただなんて」

男「脅してないよ!そんなことしないよ、僕は」

幼馴染「ま、冗談はここまでにしましょう」

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