音無「なぁ、ゆり」
ゆり「ん、音無くん。どうかした?」
音無「ちょっと、頼みたいことがあるんだ」
ゆり「頼みたいこと?」
音無「あぁ。今回の天使エリア侵入作戦なんだけど、悪いけど俺をメンバーから外してくれないかな?」
ゆりにそう頼むと、見る見るうちに不機嫌そうな顔に変わった。
ゆり「なによ、音無くん。怖気づいたの?」
音無「いや、そういうわけじゃない。ただほら、今回はさ、ガルデモの方にも護衛?がついた方がいいんじゃないかなと思ってさ
ほら、告知無しでのゲリラライブだったら、もしかしたら天使だけじゃなくnpcの先生も止めに来るかもしれないだろ?
そういった時の為の予防策だよ」
ゆり「……なるほどね。確かにnpcへの対策は必要かもしれないわね」
ゆりはなんとなくだが納得してくれているみたいだった。
音無「だろ?それに俺、正直ガルデモの事をよく知らないからさ。その護衛のついでにどんな風な陽動をしてるのかも見ておきたいし」
ゆり「……ん、そうね。わかったわ。今回の天使エリア侵入作戦、音無くんはメンバーから外してあげる。その代わり、きちんとガルデモのみんなを守ってあげなさいよ?」
音無「ああ、任せとけ!」
なんとかゆりを説得することができた。
ゆりから承諾を得ることができたので、その事を伝えるために再度練習している教室を訪ねた。
中は相変わらず練習中だ。先ほど了承を取れたこともあり、教室の中に入りその練習風景を見せてもらう。
岩沢「ふぅ…」
ひさ子「岩沢、今日はこれで終わりにする?」
岩沢「うん、そうだな。もう日も落ちてきたし、後は時間まで休憩だ」
ひさ子「了解」
どうやら練習は終わったようで、ひさ子らは道具をもって解散していった。
音無「お疲れさん、岩沢」
岩沢「ああ。で?なんでまた戻ってきたんだ?」
俺の隣に腰掛けながら、再度訪ねて来た理由を聞いて来る。
音無「いや、今日の天使エリア侵入作戦の時に、お前達の護衛も必要なんじゃないかって思ってな。
それで、ゆりにその了承を貰いに行ってたんだ」
岩沢「あたしたちの護衛?なんでまた」
音無「作戦実行中にお前達が捕まったら大変じゃないか?」
岩沢「……まぁ、一応ここは学校だし、捕まったところで大したことにはならないと思うけれど」
音無「そう言うなよ。俺の行動の意味がなくなるじゃないか」
岩沢「ははっ、それもそうだな。なら、頼りにしてるよ、護衛くん!」
笑顔を見せながら、背中をポン、と叩いて来る。
abか懐かしい④
音無「それより岩沢」
岩沢「うん?」
音無「前に、新曲だとかで作戦本部で歌ってた歌、あるだろ?」
岩沢「ああ、ゆりに却下を食らった奴だな」
音無「あの歌、聴きたいなーって思ってさ」
俺がそういうと、岩沢は一瞬だけ驚いた顔をして、その後すぐに笑顔になる。
岩沢「気に入ってくれたのか。それはあたしも嬉しいよ。うん、待ってな。今、歌ってやるから」
そういうと立ち上がり、セットの方へと向かう。俺はその場に座ったまま、岩沢の姿を眺めていた。
岩沢「苛立ちを どこにぶつけるか―――」
歌い始める。ゆりはバラードはしんみりするからダメだと言っていたが、これはこれで注目を集められていいと思うんだけどな。
でも、確かに聴き入ってしまう危険性はある。
岩沢「………。どう?」
歌い終えて、感想を求めて来る。
俺はそれに対し、拍手をしながら答えた。
音無「いい歌だな。ゲリラライブの最後に、サプライズでそれも歌えばいいんじゃないか?」
岩沢「それはダメだな。リーダー様が許しちゃくれない」
音無「うーん……俺からゆりに話をしてもいいんだけど」
岩沢「遠慮しておくよ。それに今回はゲリラライブだ。盛り上げてナンボのライブだからな、どっちにしてもこの歌は毛色が合わない」
音無「そうか……残念だな」
日が暮れ、天使エリア侵入作戦の時間になった。
ゆり「それじゃ音無くん。ガルデモのみんなをよろしく頼むわよ」
音無「ああ。そっちも、気をつけてな」
見たことのない天使エリアへと、ゆりたち作戦実行班は向かって行った。
音無「……さて、俺も体育館に行かないと」
踵を返し、体育館へと向かう。
『体育館―――』
ワァァァァ―――
音無「うおぉぉっ……まだ始まってないってのに、なんて熱気だよっ……」
体育館の中は、その半分以上がnpcで埋まっていた。
探せば、この中にも人間がいるかもしれない、なんて考えてしまう。
音無「いや、今回の目的はそれじゃない。あくまで、ガルデモの陽動の援護だぞ、俺!」
パン、と自分の両頬を叩き、気合いを入れる。
音無「うしっ!来るなら来い、npc!」
すごい今更だけど、天使エリア侵入作戦の時ってゲリラライブじゃなくて告知ライブだったな
上のゲリラライブ、全部告知ライブで書き直すか
好きにしろ
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