勇者「この幼子を旅の共に?」
大臣「ああ。王直々の御命令だ」
勇者「だが・・・」チラッ
幼女「ふっ、足は引っ張らねえよ。安心しな」
勇者「(なんて喋り方だ・・・育ちが悪いな)」
大臣「まずは隣国の『水の国』へ向かえ」
幼女「おう」
勇者「・・・はあ、分かりました」
勇者「君は何者なんだ?」
幼女「風来坊さ。風のように自由気ままに生きてえなあ」
勇者「いや、知らないよ。そうじゃなくて」
幼女「まあ今はまだ細かいことを気にすんな。旅の途中にでも話してやるよ」
勇者「・・・明日の朝、当初の予定通り国を立つ。じゃあまた」
幼女「おう、また明日」ニヤッ
ーー勇者宅ーー
勇者「薬草と毒薬草、包帯・・・よし、鞄に全部詰め終わった」
勇者「それにしても、あの幼子は何者なんだ?魔王討伐の旅のお供が幼女なんて聞いたこと無いぞ・・・」
勇者弟「何をぶつぶつ言ってんの?」
勇者「あ、声に出ていたか」
勇者弟「うん。愚痴なら聞くよ」
勇者「ありがとう。実はな・・・」
勇者弟「王の命令っていうのが気になるね。もしかして妾の子なんじゃない?」
勇者「かもしれないな」
勇者弟「ねえ、今からでも旅の共を変えてもらった方がいいんじゃ」
勇者「・・・いや、幼子1人守れずに、魔王討伐なんて出来るか」
勇者弟「その理論はおかしいと思う」
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