――酒場にて――
主人「いらっしゃい、あなたを待っていたわ」
勇者「ありがとう、女将」
主人「魔王を倒す仲間を探しているのよね?」
勇者「はい、欲しいのは回復要員と戦闘要員と支援要員です」
主人「だと思ってリストを作っておいたわ」つリスト
勇者「ありがとう……どれどれ」ペラペラ
勇者「回復要員と支援要員は決まった。この子とこの子を頼む」
主人「実際にあってみる?」
勇者「ああ、頼む」
主人「僧侶ちゃんに魔法使いちゃん!」
僧侶「ほいほーい」
魔法使い「はっはい!」
勇者「はじめまして、勇者です」つ握手
僧侶「…僧侶」つ握手
勇者「手から聖なる力を強く感じる……合格だ。今日からよろしく!」
僧侶「ん、ありがと」
魔法使い「あっあの」
勇者「ああ、ごめん、勇者だ、よろしく」つ握手
魔法使い「よっよろしくです!」つ握手
勇者(……まだ発展途上だがいい魔力だ)
勇者「今日からよろしく!えっと…」
魔法使い「魔法使いです!」
勇者「改めてよろしく魔法使い!」
魔法使い「はい!」
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勇者「さて、あと一人か」ペラペラ
勇者「あれ?女将、この人の装備の“ジイ”ってなんだ?」
女将「……あってみます?」
勇者「えっ……はぁ」
勇者(まずかったかなぁ?)
青年「よろしく!君が勇者君かい?」
勇者「ああ、そうだけど…」
勇者(普通の服に普通の装備、しかし武器らしきものは無いと……)
勇者(そんなことより)
勇者「あ、あの、後ろのおじいさんは?」
ジイ「ジイですぞ」キリッ
青年「ジイだけど?」
勇者「はぁ……」
勇者(本当にジイかよ!)
青年「僕は戦闘が苦手ですが勇者様一行に加わりたくてジイをつれてきました!」
ジイ「ワシは強いですぞ」キリッ
勇者「は、はぁ……」
女将「いま戦闘要員で登録しているのこの人しかいないのよ」
勇者「ええっ!?」
勇者(本当だ!ない)ペラペラ
女将「この3人でいい?」
勇者「まあいいでしょう」
女将「ありがとう!じゃあ契約書にサインして……はい、おまたせ」
女将「じゃあ気をつけてね!」
勇者「はい!」
勇者「じゃあ行こうか!」
青年「あっ僕青年っていうんだ」
ジイ「ジイですぞ」キリッ
魔法使い「すごいですね!ぶるじょあっていうものですか?」
青年「まぁいろいろあってね」
僧侶「ジイ、肩たたき」
ジイ「ジイは若のいうことしか聞きませんぞ」
青年「ジイ、新しい仲間だ、粗相のないように!」
ジイ「かしこまりましたぞ」とんとん
僧侶「……いい力加減」
ジイ「胸が大きいからこりやすいかとブベラッ」ドコッ
僧侶「……余計なお世話」
青年「あのジイを吹っ飛ばすとは」ガタガタブルブル
勇者「……さっそく馴染んでるし」ハァ
――宿にて――
勇者「改めて勇者だ、よろしく」
僧侶「……もう全員把握している」
勇者「あっ、そう?」
ジイ「こちらの巨乳のお嬢様が僧侶様、こちらの小柄で可憐なお嬢様が魔法使い様、そしてあなたが勇者様、そして!わが主人青年様!」
青年「いや、はずかしいからね!やめようよジイ」カァァ
魔法使い「青年さん顔真っ赤」クス
青年「あっいやっこれは」
僧侶「……眠いから寝る…zzz」スピー
キャッキャキャッキャ スカー
勇者「……癖ありすぎだろこのパーティ」
――翌日――
勇者「……朝かジイ「おはようございますぞ」ヌッ
勇者「うわぁ!」
ジイ「驚きすぎですぞ勇者様」
勇者「そりゃ驚くわ!何の用ですか!?」
ジイ「わが主人に朝食をどうするか聞きに来たのです」
勇者「えっそんなの適当で…」
ジイ「適当でいいそうですぞぉぉぉぉ」ドドドドド
勇者「……なんだったんだ?」
そして
勇者「なんだこの豪勢な食卓は」
青年「おはよう勇者君、朝食何でもいいって言ってたから卵と肉料理にしちゃったよ」
魔法使い「おいしいですぅ」ハフハフ
僧侶「……あなたはいい主夫になれる」ガツガツ
ジイ「流石若!鼻が高いですぞ」
青年「主人、店の食材ありがとうございます」
主人「いや、これはこちらが礼を言わんといけないな…見ろこの行列、お前の食事目当てだぞ」
ガヤガヤワイワイ マダー?
勇者「……なにこの無駄なハイスペック仕様」
勇者「よし、今度こそ行くぞ!」
魔法使い「青年さん、今度もう一回作ってくださいね!」
勇者「それは置いといて」
僧侶「……勇者も満足してた」
勇者「まぁそうですけど」
ジイ「鼻が高いですぞ」
勇者「えっとうるさいんで黙っててください」
青年「それでこれからどちらに?」
勇者「そうそれ!俺たちは次の町に行きたいの!」
魔法使い「次の町はどんなところですかぁ?」
勇者「緑豊かな田舎町だよ、牛と野菜が有名だね」
青年「道順はわかるんですか?」
勇者「この森をぬけてすぐのはずだったが」
青年「いよいよ魔物との戦闘ですか……」
ジイ「ジイにお任せあれですぞ」
青年「ありがとうジイ」
勇者「それで各々のやれることを確認したい」
僧侶「……確認するのがおそい」
勇者「昨日したかったのにできなかったんだよ」
魔法使い「使える技はファイアボールとウインドカッターです」
僧侶「……私はファーストエイドとヒールを」
青年「荷物番で」
ジイ「自慰でも自爆でもなんでもしますぞ」
勇者「うんそれらは絶対しないでくださいね」
テイルズです。すみません、ドラクエ最期にやったの5年前なんで
勇者「……こうして森に入ったはずなんだが」
魔法使い「魔物はでませんねぇ」
青年「いいじゃないですか!こっちのほうが平和ですよ」
僧侶「……全体的に力不足」
ジイ「ジイはステ完ですぞ」
勇者「はぁ」
スライム「ピギィ」
勇者「魔物だ!」
青年「いけ!ジイ!10万ボルト!」
勇者「おお!!」
ジイ「かしこまりましたぞぉぉぉぉ」グルグルグルグル
クルクルクルクル
スライム「……ピギィ?」
勇者「……えっと、青年、彼は何を?」
青年「えっと、電気を作るためにモーターを回しています」
勇者「どれくらいかかる?」
青年「10分くらいかと」
勇者(役たたねぇ!!」
青年「口に出てますよ」
勇者「えっあぁごめん」
魔法使い「ファイアボール」ボボン
スライム「ピギィ」ジュワジュワ
魔法使い「勇者様!倒しましたよ!!」
勇者「よくやった!」
ジイ「ふむ、ジイの出番はなかったようですな」ほっほっほ
勇者(うぜぇ)
――夜――
勇者「今夜はここで野宿か」
僧侶「……ふつうならついてた」
青年「すみません、うちのジイが腰痛めちゃって」
ジイ「」チーン
勇者「いや、いいさ、おかげでこんなにうまい飯にありつけるんだし」
青年「おかわりもありますよ」
魔法使い「森の食材でこんなにおいしいものが作れるなんて」ハフハフ
僧侶「……料理人だったの?」ムシャムシャ
青年「趣味です」
僧侶「……お店作るべき」
魔法使い「それよりも青年さん、さっきのジイさんのクルクル回していたのはなんですの?」
青年「モーターって言って自分で考えた発明品なんだけど電気を作る装置でね、本来なら明るくしたり物を動かしたりするんだけど」
魔法使い「電気ですか!?風の高等魔術の!?」
青年「そうそう、僕は発明も好きなんだ」
勇者「そんなすごい装置だったのか……でも実用性はないんだな」
青年「敵を倒すとなると膨大な量作らないといけませんから」
勇者「なるほど、じゃあこの料理も……」
青年「はい、電気の力で調理しました」
勇者「意外なところでジイが役に立ったな」
僧侶「……ごちそうさま」
勇者「ごちそうさま、明日も早いからもう寝よう」
僧侶「zzz」
魔法使い「僧侶さん、食べてすぐ寝たらおなかに悪いですよ」
ジイ「……わが一生に一片の悔いなし……」zzz
勇者「……俺の立場って勇者なんだよな」
勇者「やっと着いたか」
魔法使い「のどかな町ですね」
ジイ「若!新しい街ですぞ!」
青年「街じゃなくて町だね」
僧侶「……ごはん」
勇者「そうだな、まず宿にでも…」
町の住人「ようこそ田舎の町へ!あなた方は?」
勇者「えっと、私たちは旅の…」
ジイ「勇者一行ですぞ!」
町の住人「ええ!?そうなんですか!?」
ジイ「はい、この方が勇者様ですぞ!」
勇者「おいジイさん、あんまり大事には……」
町の住民「村長!勇者様が来ましたぁ!」
村長「なんと!?勇者様が!?」
勇者「あーあーあーあー、人がどんどん集まってくる…」
村長「勇者様、お願いがあります!聞いてください!」
ジイ「いいですぞ!」
勇者「おっおい、なんであんたが…」
村長「村のもの!勇者様を歓迎するのだ!」
ワーワーワー
僧侶「……勇者!」
魔法使い「なっなんですか!?」
青年「すみません、うちのジイが…」
勇者「不思議と慣れてきたよ」
勇者「……で、洞窟にいるドラゴンを倒しに来たわけだが」
ジイ「あれがドラゴンですかな!」
青年「ジイ!声がでかいよ!」
魔法使い「おっきい……」
勇者「なぜかすんなりと奥まで来れてしまった」
僧侶「……くる」
ドラゴン「なんのようだ人間よ」
魔法使い「はわわ!ドラゴンがしゃべりました!」
ジイ「あれくらい大きくなりたいものですな」
青年「いや、無理だからね」
ドラゴン「そう緊張するな、で、何の用だ?」
勇者「…以外にフレンドリーだし」
ジイ「悪いのですがここを立ち退いてほしいのですぞ」
勇者「なんて無謀な事を・・・ドラゴン「いいだろう」
勇者「へ!?」
ドラゴン「最近の魔王城の居心地が悪くてここに来ただけだ」
勇者「そんなのアリかよ」
青年「どうして居心地が悪くなったのですか?」
ドラゴン「前魔王様が封印されて新魔王になったのはしってるか?」
勇者「はい、一応俺たちは魔王を討伐する予定ですし」
ドラゴン「でな、新魔王が頭の固いやつでな、しきりに人間を殲滅するとしか言わないわけよ」
魔法使い「まぁ」
ドラゴン「我らも人間に依存しているのにバカなやつだ」
青年「それでここに来たと」
ドラゴン「まぁ村人に迷惑をかけたことは悪いと思ってる」つ宝石
勇者「そちらは?」
ドラゴン「英知の魔石だ」
勇者「伝説のアイテムじゃないですか!?」
ドラゴン「前魔王からいただいたものだがもういらんからくれてやる」
勇者「ありがとうございます」
ドラゴン「ではさらばだ」バサッバサッ
勇者「行っちゃったよおい」
ジイ「やりましたな!」
魔法使い「なんだかよくわかりませんか戻りましょうよ勇者様」
勇者「あっ、あぁ」
勇者(まだみんな初期ステからほとんど変わってないよな……)
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