向井拓海「アタシがアイドルだァ!?」 (25)
アイドルマスターシンデレラガールズSSです
勝手に設定が増えていますが、気にせずどうぞ。
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~事務所~
モバP「と、いう訳でちひろさん、新しい子をスカウトしてきたので登録お願いします」
ちひろ「今度は不良少女ですか……」
モバP「はい、チーム同士の抗争してるところに突っ込んで確保してきました」
ちひろ「よく無事でしたね」
モバP「いつものことじゃないですか」
ちひろ「……確かに」
モバP「じゃあ、登録お願いしますね。俺は拓海を連れて挨拶回りしてくるんで」
ちひろ「わかりました」
ちひろ(あの人が連れてくる子はなんでいつも個性的なんでしょうか)
~待合室~
モバP「おまたー」
拓海「……言っとくが、アタシは本気でアイドルなんて目指さないからな」
モバP「まだそんなこと言ってんのか? 親御さんも拓海がようやくまともになってくれるって喜んでたぞ? それにお前の大好きなお婆ちゃんも喜んでんだろ? てか、お婆ちゃん子なんだな、ギャップの塊か、お前は」
拓海「う、うるせェ! くそっ、なんでこんな目にッ!!」
モバP「俺の力量かな」
拓海「ぶっ飛ばすぞッ!? 両親とかお婆とか、外堀から埋めてきやがって!!」
モバP「初めて会った時に義理堅い奴だと感じたから、そこが弱点だと思ってな」
拓海「○ねェ!!」ブンッ!
モバP「ぐはっ! ……しかし、プロデューサーである俺にはそんなパンチでは倒れないぞ?」
拓海「なッ!? アタシの本気の一撃が……」
モバP「さ、先輩アイドルたちに挨拶しに行くぞ」グイ
拓海「ちょ、ひ、引っ張んな!!」
~レッスンスタジオ~
モバP「どーもー」
早苗「あ、プロデューサー……と、誰かな? 不良っぽいけど」
モバP「ああ、こいつ新しくパッションアイドルにした向井拓海です。ほら、挨拶」
拓海「誰だ、このオバ――」
早苗「シッッッッ!!」ブンッ!
拓海「あ、あれ……なんでアタシ倒れて……」
モバP「おお、早苗さんの小手返し……」
早苗「拓海ちゃん、だっけ? なにか言った?」
拓海「な、なんも言ってないッス」
早苗「次、アタシの前でその言葉を言ったら本気でシメるからよく覚えといてね☆」
拓海「う、うす」
早苗「じゃ、アタシはレッスンに戻るよ」
拓海「な、なんなんだ一体」
モバP「片桐早苗、元警察官。諸々の格闘技の有段者、つまりは武術のスペシャリストだな」
拓海「なんでそんな奴がアイドルを」
モバP「俺がスカウトしたんだ。ちなみに早苗さんは28歳だ」
拓海「え、やっぱオバ――――」
ダッダッダッダッダッダ
シメテヤルゾー
ギャースンマセンシター
~社内喫茶店~
拓海「イテテ、酷い目にあった……」
モバP「お前な、28歳はオバサンではないだろ」
拓海「ま、まあそうだな。今後は気を付けよう……」
モバP「そうだな、少し認識を改めた方がいいな」
菜々「あ、プロデューサーさんじゃないですか!」
モバP「菜々さん、今日はこちらでバイトですか」
菜々「ハイ! 今日はオフなので。ところでこちらは……?」
モバP「ああ、こいつは新しくアイドルに――」
拓海「な、ナナさん!? ナナさんッスよね!?」
菜々「え、ええ」
モバP「知ってるのか?」
拓海「知ってるもなにも、アタシが中学の時に関東全域に幅効かせてた兎羅威暗狂(トライアングル)の初代総長だぞッ!? ナナハンに跨って総長ながら敵陣に自ら突っ込むその姿に全国の不良が憧れたんだ!! そんな菜々さんがアイドルやりながら喫茶店でバイトしてるなんて……」
菜々「ま、ままままま、ま、待ってください!」
モバP「バッカお前、ウサミンこと安部菜々が元ヤンな訳ないだろ? だいたい彼女は17歳。ちょっと腰が弱いだけでお前より年下だぞ?」
菜々「そ、そうですよ! ウサミンは永遠の17歳です! キャハッ☆」
モバP「うわ、キッツ……」
菜々「え? なにか言いました?」
モバP「いや、菜々さんは今日も輝いてるなーって」
菜々「そうですか! ありがとうございます!」
拓海「……」
モバP「どうした、拓海」
拓海「こんなの……」
菜々「こんなのアタシが憧れたナナさんじゃねェェェェエエエエ!!」ダダダダダダ…
モバP「行っちゃいましたね、兎羅威暗狂初代総長」
菜々「ええ……って、えぇ!?」
~休憩所~
モバP「探したぞ、拓海」
拓海「憧れのナナさんが……憧れのナナさんが……」
モバP「まあ、落ち着けって。確かに菜々さんは兎羅威暗狂の初代総長でお前の憧れだったのかも知れないが、菜々さんにとっての憧れはアイドルだったんだ。憧れた人が夢を叶えて頑張ってんだ、受け止めてやってくれないか?」
拓海「でもよォ、楽しそうに喧嘩して返り血浴びてたあのナナさんがウサ耳付けて歳偽ってアイドルやってんだぞ? 許容範囲超えてんだろ……」
モバP「ふふっ……ま、まあそう言われると」
瑞樹「ハロー、プロデューサー君。それと、そっちの不良っぽい落ち込んでる子は……」
モバP「新人アイドルの向井拓海です」
瑞樹「で、拓海ちゃんは一体どうしたのかしら?」
モバP「憧れの人のショッキングな姿を見てしまって……」
瑞樹「……! ああ、菜々ちゃんのことね?」
モバP「よくわかりましたね」
瑞樹「なるほどね、昔の”ナナ”ちゃんに憧れてた、と」
モバP「なんで知って……ああ、同世代、というか以上ですもんね」
瑞樹「年齢についていじるつもりなら早苗ちゃん召喚するわよ」
モバP「か、勘弁してください」
拓海「……ところで、そこのオバ……お、お姉さん? は、事務員か何かか?」
瑞樹「あら失礼ね、早苗ちゃんと同い年だけど私もれっきとしたアイドルよ」
拓海「……アイドルってなんだっけか」
楓「あら、こんにちはプロデューサーさんと瑞樹さん、それと……」
瑞樹「楓ちゃんじゃない。新人の子らしいわ」
モバP「新人の向井拓海です」
楓「そうなんですか、今後とも宜しくお願いしますね。ところで拓海ちゃんの趣味はなんですか?」
拓海「……バイク、かな」
楓「やはりそうでしたか。なら、拓海が巧みにバイクを操っているんですね?」
拓海「……ハァ?」
楓「あら、気に入りませんでしたか? じゃあ、自己紹介も込めて私の名前で一つ」
拓海「なんだこいつ……」
楓「ガチャ、楓がかえっできたぞー、うふふふふ」
モバP「楓さん、もしかして酔っぱらってます?」
楓「まさかー」
瑞樹「……その手に持ってる紙コップを渡しなさい」
楓「ダメ、ですよー」
瑞樹「いいから! ……やっぱり、これ日本酒だわ」
モバP「楓さん!! っていない!!」
楓「ではではー、おさけに失礼しまーす! うふふ」タッタッタ…
瑞樹「待ちなさーい!」タッタッタ…
モバP「楓さんの酒好きには困ったものだなぁ」
拓海「……」
モバP「どうした?」
拓海「アタシこの世界で生きていけんのかな」
モバP「ま、大丈夫だろ」
その後、藤本里奈と木村夏樹と出会った拓海はユニットを組んでブレイクした。
完
乙!
まん!
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