モバP「夢を見ているシンデレラストーリー」 (26)

・モバマスssです

・地の文、会話文半々くらいです

よろしくお願いします

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目を覚ますと目の前には高い天井

どうやらいつの間にかこたつで眠ってしまったらしい

…いつ?

俺はいつ寝たんだ?

いやそもそもどうしてこたつで寝てたんだ?

いやいやそんなことよりも…

「どこだ、ここ…」

見知らぬ部屋がそこにあった

「あ、ぷ、プロデューサーさん」

ふと、足もとから声がかかる

聞き慣れた声に体を起こすと

「お、おはよう…ございます」

「……小梅、か」

こたつの向かいには自分が担当しているアイドルの姿があった

「え、えへへ…」

「えっと、小梅?」

「こ、ここは私の…夢です…よ」

「え?夢?小梅の?」

「え、えっと…そうです」

質問したかった内容を先に答えられてしまった

そうか、夢か

自分の頬をつねってみる

……痛いじゃん

「え、えっと…本当…ですよ?」

「あ、ああ…別に小梅を疑ってる訳じゃないんだが…」

どうにも実感がわかないな…

まわりは何の変哲もない普通の洋室だ

片付いていて、整理整頓が行き届いている

こたつの上にはみかんがおいてある…誰かが食べたようだ、皮が散らばっている

大きな窓があり、開かれたカーテンの間から明るい日差しが降り注いでいる

「それで、小梅」

「は、はい。な、なんでしょう…か」

「どうやって、俺を小梅の夢に呼んだんだ?」

他人の夢の中に入るなんて、普通ではない

「そ、それは…あ、あの子に…お願い…したんです」

「あの子?」

「あ、い、いえ…今は…この子…です」

彼女が視線を向けた方に目をやると

「…」

もくもくとみかんの皮をむいている少女がこたつにいた

目が合うと、

「…」

フワッとした笑顔を見せてくれた……気がする

「はぁ…なんてこった…」

ため息をついて、体を横に投げ出す

…高い天井が再び見える

「あ、あの…プロデューサーさん」

「…ん?なんだ?」

「も、もしかして…迷惑…でした?」

少し心配そうな声色

「そういう訳じゃないが…」

聞きたい事がまだある事に気付く

「小梅はどうして俺を呼んだんだ?わざわざこの子にお願いまでして」

幽霊少女の横顔をちらりと見る

「…」モグモグ

……口いっぱいにみかんを頬張っているようだ

「え、えっと…プロデューサーさん」

「ん?」

「そ、そっちに…行っても…いい…ですか?」

「……ああ、おいで」

「え、えへへ…ありがとう…ございます」

もぞもぞと足下を伝う感触

「ぷはっ」

とこたつの中から少女が顔を出す

「こら、お行儀が悪いぞ」

「え、えへへ…ごめんなさい」

少し乱れている髪を撫でながら整える

「…♪」

嬉しそうで何よりです、はい

しばらくしたところで

「ぷ、プロデューサーさん」

小梅が顔をあげて言う

「ん?なんだ?」

「す、少し…行きたい…ところが」

「ああ、かまわないよ」

「つ、ついてきて…ください」

立ち上がって部屋のドアに向かう

ドアにはカレンダーがかけてあった

様々な書き込みがされてあったが

一日だけ赤いペンで囲ってある日がある…

「…」フリフリ

後ろを見るとあの子が手を振っていた

「…それじゃ」

小さく手を振り返して部屋を出た

部屋を出るとそこは雪国であった

目の前には銀色の大雪原と満天の星空が広がっている

月に照らされて輝く、幻想的な風景だ

「ぷ、プロデューサーさん」

声がかかる

辺りを見回すが、目に入るのは何匹かの白いウサギや空を飛ぶ鳥達だけだ

いま出てきたはずのドアもない

「ぷ、プロデューサーさん!」

「いてっ」

腰の辺りを軽く叩かれたような感触

「こ、小梅か」

「そ、そう…です」

小さくて視界に入らなかったなんて、言えない…

「小梅、その格好…」

「え、えへへ」

青く白く透き通るような衣装に身を包んだ姿があった

雪原のなか、妖艶な輝きを放っている

「ぷ、プロデューサーさんがくれた…衣装…です」

「…ああ」

もちろん覚えているとも

「とても…きれいだよ」

思わずそんな声が零れる

「え、えへへ」

雪の妖精は少し頬を染めてはにかんだ

「小梅、その格好…」

「え、えへへ」

青く白く透き通るような衣装に身を包んだ姿があった

雪原のなか、妖艶な輝きを放っている

「ぷ、プロデューサーさんがくれた…衣装…です」

「…ああ」

もちろん覚えているとも

「とても…きれいだよ」

思わずそんな声が零れる

「え、えへへ」

雪の妖精は少し頬を染めてはにかんだ

「あ、あの…プロデューサーさん」

「ん?なんだ?」

「さ、さっきの…質問の…答え…だけど」

さっきの質問?

ああ、たしか

「どうして俺を呼んだかって質問か?」

「そ、そう…です」

少し深呼吸をして、小梅は話し出す

「わ、私…プロデューサーさんに…お礼が…言いたくて」

「お礼?」

「そ、そう」

小さく頷いて続ける

「ぷ、プロデューサーさんは…今日が…何の…日か…おぼえてる…?」

「今日……ああ、そうか」

さっきの部屋にあったカレンダーを思い出した

「今日は小梅と、初めて会った日、だったな」

「!は、はい…そうです」

嬉しそうに跳びはねる少女を見ながら
その日の事を思い出していた

「そうか…もうそんなに経ったんだな」

「そ、それで…です…ね…プロデューサーさん」

小梅と目が合う

「わ、私…」

「あ、アイドルに…なれて…本当に…よかった…です」

「じ、自分が…歌うこと…好き…だって…気づけた」

「ふぁ、ファンの…みんなの前で…歌うのは…本当に…楽しい!」

「し、CDまで…出せた」

「い、今の私が…あるのは…プロデューサーさんの…おかげ」

「だ、だから…」

「……ありがとう」

そう言うと、少女はにっこりと微笑んだ

「小梅…」

て、照れてねぇし

とりあえずナデナデしとくか…

「え、えへへ」

「小梅」

「な、なんです…か?」

「お礼を言うのは俺の方だ」

アイドルになってくれて

歌を好きになってくれて

そして…

「信じてついてきてくれて、ありがとう」

「は、はい!」

「そして!」

一拍おいて言う

「これからも…よろしくな!」

「も、もちろん…です!」

雪の妖精の笑みは輝きを増して…………

………さん………い

…サーさん


誰かに呼ばれている

この声は…

「プロデューサーさん!起きて下さい!」

「ふにゅあ!」バサッ

我ながら間抜けな声が出てしまったな

いかんいかん、シャキッとしなくては

「おはようございます、ちひろさ…ん?」

そこには腹を抱えて笑みをうかべるちひろさんの姿が…

「ふ、ふにゅあ!って!」

…どうやらその間抜けな声がつぼに入ったご様子で

仕方ない、しばらく放っておく事にしよう

ちひろさんが用意してくれたコーヒーをすすりながらスリープモードに入っていたパソコンを起こした

昨晩はどうやら寝落ちしてしまったようだ

最近になってさらに勢いを増して忙しくなっていて、嬉しい悲鳴をあげる毎日だ

疲れが溜まっているのだろうか、とても変わった夢を見た

だがまあ、今は胸に閉まって置くことにしよう

やるべきことが山ほどあるのだから

そろそろ今日朝イチで仕事があるアイドルが来る時間のはずだ

支度をしなくては…

ガチャ

扉の開かれる音が事務所内に響く

「お、おはよう…ございます」

「ん、おはよう!朝早くからすまないな」

ちょうど来たようだ

ドアをくぐる彼女の影にどこかで会ったことがある少女が見えたような気がしたが

……気のせい…だな



おわり

短いですが終わります

続き物に出来たらな…
とか思ってるのでまたいずれその時に

ありがとうございました


見てる人、居たのでしょうか…

ありがとうございます

それでは依頼を出しますね

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