穂乃果「あ、英玲奈さん!いらっしゃい♪」 (44)
英玲奈「こんにちは穂乃果さん」
穂乃果「もうすっかり常連ですね」
英玲奈「ああ、目を瞑っても辿り着けそうだ」
穂乃果「それは危ないような…」
英玲奈「冗談だよ、ほむまん三つ下さい」
穂乃果「まいどあり~♪これってA-RISE3人分ってことですよね?」
英玲奈「そうだな」
穂乃果「でもいつも買いに来るのって英玲奈さんですけど…」
英玲奈「私が勝手に差し入れてるだけだからな。それに…」
穂乃果「?」
英玲奈「いや、なんでも。二人も絶賛していたよ」
穂乃果「えへへ、A-RISEのお墨付き…穂むらもますます有名になれるかも?」
英玲奈「それは我々へのプレッシャーかな?」
穂乃果「ち、違いますってっ」
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英玲奈「ふふ、まあ私としても穂むらが有名になるのは喜ばしいことだ。今後一層努力していこう」
穂乃果「もー…あ、新作のお饅頭良かったら味見していってください!」
英玲奈「いいのか?」
穂乃果「どうぞどうぞ、いつもご贔屓下さる方へのサービスってことで」
英玲奈「ではありがたく頂くとしよう…んっ」パクッ
穂乃果(英玲奈さん、食べ方も上品だなぁ…)
英玲奈「…うん、美味しい。餡の甘みがより際立っているな」
穂乃果「お父さん秘伝の製法らしいですよ」
英玲奈「…なるほど」
穂乃果「良かったらお茶もどうぞ」スッ
英玲奈「ありがとう、至れり尽くせりだな」
穂乃果「いえいえ…あ、でも時間は大丈夫ですか?」
英玲奈「まだ余裕があるから問題ない」ズズ…
穂乃果「もしかしてこれから学校に?」
英玲奈「ああ、ライブが近いのでな」
穂乃果「実はμ’sも今度校内のミニライブがあるんですよ♪」
英玲奈「ほう、今回はどういった衣装を?」
穂乃果「ふっふっふ…なんとヴァンパイアになっちゃうんです!」
英玲奈「穂乃果さんのヴァンパイア、か…それは可愛らしいだろうな」フフッ
穂乃果「あー、英玲奈さんもそう言うんだぁ」
英玲奈「そう言う?」
穂乃果「ことりちゃんがカッコいい衣装作ってくれたから、穂乃果自身もカッコよく見せようと思ってるのに…」
英玲奈「普段の穂乃果さんを見てる人たちからはあまり期待されていないということかな?」
穂乃果「そんなはっきり言わなくても…穂乃果だってやれば出来るはずだよっ」
英玲奈「なら一つカッコいい表情でも見せてくれないか」
穂乃果「ええっ、ここでですか?」
英玲奈「予行練習だよ」
穂乃果「うーん…こんな感じ!」グッ
英玲奈「…なるほど、穂乃果さんだな」
穂乃果「そ、それって褒めてます?」
英玲奈「もちろん、だがカッコいいかと言われれば…やはり穂乃果さんだな」
穂乃果「それってあんまりってこと!?」
英玲奈「別にカッコよさに拘らなくてもいいのでは?ありのままの穂乃果さんは十分魅力的だよ」
穂乃果「そ、そうかな…///」
穂乃果「…で、でもっ。やっぱり良い意味で期待を裏切りたいというか…」
英玲奈「ふむ、そうなると…」
穂乃果(顎に手をあてて思案してる英玲奈さん…仕草の一つ一つがカッコいいんだよなぁ)
穂乃果(穂乃果もあんな風に…ん?)
穂乃果「…あ、そうだ!」
英玲奈「…突然大声を出さないでくれないか」
穂乃果「あ、あはは、つい…。ってそれよりも!」
穂乃果「英玲奈さん、まだ時間大丈夫ですよね?よかったら家に上がっていってください!」
英玲奈「藪から棒になんだ…」
穂乃果「おかーさーん!お客さん上げるから店番抜けるねー!」
英玲奈「おい穂乃果さ…」
穂乃果「さあさあ、こちらへどうぞ♪」グイグイ
英玲奈「…まったく」
~~~
穂乃果の部屋
英玲奈「…で、人を部屋に連れ込んで何を企んでるのかな?」
穂乃果「ち、ちょっと人聞き悪くないですか?」
英玲奈「事実を述べたまでだ」
穂乃果「そりゃあ多少強引だった気もしなくもないですけど…」
英玲奈「多分に、な。誰かさんを思い出すよ」
穂乃果「誰かさん?」
英玲奈「言い出したら聞かない所が…っと、それより私に何を?」
穂乃果「あ、そうそう…」ゴソゴソ
穂乃果「じゃーんっ♪これが明日着る衣装です!」
英玲奈「例のヴァンパイア衣装か…なるほどこれは良く出来ているな」
穂乃果「ですよね!ことりちゃんいつにも増して気合入れて作ったみたいなんだ♪」
英玲奈「…羽のデザインもさることながら、帽子の装飾に至るまで独自の工夫が施されている。流石だ」
穂乃果「ウチの自慢の衣装係ですからっ」フフン
英玲奈「ぜひA-RISEにも一着お願いしたい」
穂乃果「ことりちゃんなら頼めば何でも作ってくれるかも?」
英玲奈「そうか、そしてそのままUTX専属の衣装係になってもらおう」
穂乃果「ちょ、それはダメぇ!?」
英玲奈「冗談だよ…半分」
穂乃果「半分は本気なの!?」
英玲奈「さあどうかな?それはともかく、連れてきたのは私に衣装を見せるために?」
穂乃果「あ、それもありますけど…英玲奈さんに教えてほしいなぁって」
英玲奈「何を?」
穂乃果「どうやったらカッコよくなれるのか…です!」
英玲奈「…なぜ私なんだ?μ’sにもそういう人はいるだろう。綾瀬さんとか園田さんとか」
穂乃果「さっき思い出したんです。英玲奈さん、ハロウィンライブの時こんな感じの仮装してましたよね?」
英玲奈「ハロウィンライブ?…ああ、あれか」
穂乃果「えーと…あ、ほら!画像も残ってますよ」スマホポチポチ
英玲奈「…ああ、紛れも無く私だ」
穂乃果「改めて見るとやっぱりカッコいいなぁ…本物のヴァンパイアみたい♪」
英玲奈「いや、ただそれっぽい悪魔の仮装ってだけで…」
穂乃果「もうこの人しかいない!穂乃果カッコいい計画には英玲奈さんの協力が必要なんです!」
英玲奈(人の話を聞かない子だな…)
穂乃果「不肖高坂穂乃果、そう思った次第であります!!」ビシッ
英玲奈「敬礼されても…はあ、誰かさん以上に強引だな」
穂乃果「うー…ダメですか?」
英玲奈「…具体的には何をすればいい?」
穂乃果「…えへへ♪じゃあとりあえずヴァンパイア衣装に着替えますね」ゴソゴソ
英玲奈(ここで着替えるのか)
穂乃果「あっ、き、着替え中はあんまり見ないで頂けると…///」
英玲奈「…わかっている」
穂乃果「…よし、お待たせしました!」バッ
英玲奈「…ほう、よく似合っているよ」
穂乃果「ほんとですかっ?」
英玲奈「君の魅力を十二分に引き出している、幼馴染のことりさんだからこそ出来る代物だな」
穂乃果「えへへ…じゃあ早速ご指導よろしくお願いします!」
英玲奈「…ご指導と言われても」
穂乃果「」キラキラ
英玲奈「…なら適当にいくつかカッコいいポーズでも」
穂乃果「はい!…こうでしょうか!」グッ
英玲奈「それはさっき見た」
穂乃果「なら…こう!」ファイトダヨッ!
英玲奈「ヴァンパイアはファイティングポーズしないと思うが…」
穂乃果「むむ…キシャーッ!」クワッ
英玲奈「どこの怪獣だ」
穂乃果「が、ガオーッ!」クワワッ
英玲奈「恐竜…あーとりあえずそれっぽいセリフを言ってみてくれないか」
穂乃果「えーと…あなたの血を吸っちゃうぞー!」ワーッ
英玲奈「いたずらっ子みたいだな」
穂乃果「うぐぐ、血が、血が足りぬ…」ガクッ
英玲奈「ダイコン」
穂乃果「へへ…お嬢さん、今日の血液何色…」ジュルリ
英玲奈「変態親父か、ある意味怖いが」
穂乃果「んもー!急に言われてもわかんないよー!」ジタジタ
英玲奈「駄々っ子ヴァンパイアか、新しい境地だな」
穂乃果「もういいですってば!…なかなか上手くいかないなぁ」
英玲奈「穂乃果さんはヴァンパイア映画を見ないのか?それらを参考にすればいい」
穂乃果「気付いたら寝…」
英玲奈「ああわかった、もういい」
穂乃果「ちょっと早くないですか!?」
英玲奈「まあヴァンパイア映画は基本シリアスでテンポもゆったりだからな、仕方ない」
穂乃果「そりゃあ確かに苦手ですけど…英玲奈さんは好きなんですか?」
英玲奈「ああ、好きだよ」
穂乃果「…」
英玲奈「…なにかおかしいか?」
穂乃果「え!?い、いや別に…」
穂乃果(ちょっとビックリしちゃった…映画の話なのに)
英玲奈「ふむ、ならば次は…」
穂乃果「あ、じゃあ試しに英玲奈さんのお手本見せてください!」
英玲奈「私の?」
穂乃果「技術は盗んで覚えるものだ…ってお父さんも言ってたし」
英玲奈「…そうか、わかった」
穂乃果(あれ、即決…?)
英玲奈「ならマントだけでいいから貸してくれ」
穂乃果「はいどうぞ!あ、せっかくだから牙も♪」キュポ フキフキ
英玲奈(…あまり気にしないタイプなのか、まあ私もだが)
英玲奈「わかったよ…あむ」カプッ
穂乃果「マント着けちゃいますね」シュルル
英玲奈「…なるほど、こんなものか」
穂乃果「おおっ、出で立ちから漂うオーラ!マントと牙だけなのにこんなに違うんだぁ」キラキラ
英玲奈「…そんな羨望の眼差しで見るな、少々恥ずかしい」
穂乃果「えーいつもこれくらい注目されてるじゃないですかぁ」
英玲奈「君ほど素直に感情を表す人はそういない、例え今は君だけでも照れるものは照れるんだ///」
穂乃果「…そうなんですか」
穂乃果(英玲奈さんが赤くなってるのは穂乃果のせい…そう考えるとちょっと嬉しいかも?)
英玲奈「では適当にポーズを決めればいいのか?」
穂乃果「あ、そうですね。よろしくお願いします!」
英玲奈「やれやれ、そうだな…」
英玲奈「例えば…こう」バサッ
穂乃果(マントを翻して…カッコいい…)
英玲奈「逆にこういうのも…」ファサ…
穂乃果(マントごと体を抱くポーズ…切なげで、でも決まってるなぁ)
英玲奈「…なにか言ってくれないと」
穂乃果「あっ、その、思わず見惚れてたというか…あはは///」
英玲奈「…そうか」フッ
穂乃果「…今の表情も良い。英玲奈さんって切れ長の目だし、元々こういうのがすっごく似合ってますよね」
英玲奈「…逆に可愛い衣装はそうでもないがな」
穂乃果「そうかな?可愛いのだって絶対似合いますよ♪」
英玲奈(…よく言う。いや、本当にそう思ってるのだろう)
英玲奈(私自身と、周りが固めた統堂英玲奈というイメージ…彼女はそんなものに引き摺られず、真っ直ぐに人を見ているということか)
英玲奈(嬉しい反面…少し苛めたくなってしまうな)
英玲奈「…フフ」スゥ…
穂乃果「…!」ゾクッ
穂乃果(なにこれ…空気が変わった…?)
穂乃果(こっちを見てる英玲奈さん…あの鋭い目、まるで別人みたい)
英玲奈「君は本当に純粋だな…」ジィィ…
穂乃果「あ…その…」
穂乃果(目が離せない…吸い込まれそうな瞳…)
英玲奈「そんな君の血はさぞ美味だろう…」ガシッ
穂乃果「ひゃ…」
穂乃果(こんなに近くに…すごい、間近で見るとはっきりわかる…)
穂乃果(色っぽい口元…キメ細かな肌…スッと通った鼻筋…長い睫毛に泣きぼくろまで、全部計算されてるかのような…整った顔立ち)
穂乃果(これがアイドル…)
穂乃果(これが、英玲奈さんなんだ…)
英玲奈「味見させてもらおうか…」ソー…
穂乃果(ああ、穂乃果吸われちゃうの…?)ドキドキ…
穂乃果(でも、それも…)ドキドキドキドキ
ぷにっ
穂乃果「ひゃあっ///」
英玲奈「…甘噛みだ、本気で噛み付くわけないだろう」
穂乃果「あ、あは、あははは…そうですよねっ///」
英玲奈「…私に魅了されたのかな?」ニヤッ
穂乃果「そそ、そりゃああんな真に迫られたら…」
英玲奈「ふふ、少し本気を出しすぎたようだ。さあ、次は君の番だぞ」キュポ フキフキ
穂乃果「は、はい!…よーし!穂乃果だって負けないぞ!!」カプッ
英玲奈「その意気だ、ほらマント」シュルル
穂乃果「…ふっふっふ」ガシッ
英玲奈「…何故私の肩を?」
穂乃果「…美味しそうな血だぁ」ジュルリ
英玲奈「え、おい…」
穂乃果「味見しちゃうぞぉ!」カプッ
英玲奈「こらっ、目的が違うだろっ!?」
穂乃果「純粋な甘噛みなのだよっ」チューチュー
英玲奈「意味がわからんっ、というか普通に痛い!やたらに吸い付くな馬鹿者…!」
ガラッ
雪穂「お姉ちゃん貸してた漫画かえ、し…て…?」
英玲奈「あ」
穂乃果「」チュウチュウ
雪穂「…んん!?英玲奈さん!?あれ!?おねえちゃ…え!?え!?なにこれ、うぇぇ!!??」
英玲奈「い、一旦落ち着こうか雪穂さん。深呼吸だ」
雪穂「すぅぅ…はぁぁ…」
雪穂「ってうぇぇ!?どゆことどゆこと!?お、おねえちゃーん!!!」
英玲奈「君もいい加減離れんか!」グイッ
穂乃果「っぷあ…あ、雪穂だ」
雪穂「そうだよ雪穂だよ!ちょっと頭パニックになってるから説明してよ!!」
穂乃果「ちょっと落ち着きなよ雪穂」
雪穂「これが落ち着いていられるか!!」ダンダン
英玲奈(ちょっと面白い…)
~~~
雪穂「…はあ、練習ですか」
英玲奈「そういうことだ、ムリヤリ部屋に連れ込まれてな」
雪穂「お姉ちゃん…」ジトー
穂乃果「ちょ、言い方言い方!?」
英玲奈「間違っていないと思うが」
穂乃果「そりゃそうかもですけど…」
雪穂「まあつまり、カッコよくなる方法を英玲奈さんに教わっていたってことだよね」
穂乃果「そ、そういうこと。流石ユッキー話が早い!」
雪穂「それでなんで英玲奈さんの首筋をしゃぶってたの?」
英玲奈「それは私も聞きたい」
穂乃果「や、あれはその…所謂目的と手段の入れ替わりと言いますか…」モジモジ
英玲奈「要は私の真似をしてみたというわけだな」
雪穂「え!?英玲奈さんもあんなことを…!」
英玲奈「…私は正しいヴァンパイア像を提示しただけだ。後はわかるな?」
雪穂「…あーなるほど、いつものお姉ちゃんの暴走か」
穂乃果「納得しないでよぉ!これでも頑張ったんだからね!!」プンプン
英玲奈「徒労の果てに残ったのはこの首筋の痕、か」
穂乃果「だ、だからそれは…ごめんなさい」
英玲奈「…まあ気にするな、熱意は伝わったよ」ナデナデ
穂乃果「そ、そうですか…?」ンー
英玲奈「カッコよくはないがな」
穂乃果「ですよね…」
雪穂「あ、あのー…私も英玲奈さんのヴァンパイア見てみたいんですけど…」
穂乃果「あ、そうだね!ということで妹のためにももう一度お手本お願いします!」キュポ
英玲奈「調子のいい事を…わかった」カプッ
雪穂(あれ、今普通に…)
穂乃果「よかったね雪穂、間近で英玲奈さんの決めポーズが見れるよ!」キャッキャッ
英玲奈「特に君は良く見ておくようにな、技術は盗んで覚えるのだろう?穂乃果さん」
穂乃果「う…はい」
雪穂(…なんか先生っぽい、というか)
雪穂(お姉ちゃんにお姉ちゃんが出来たみたい…)
~~~
英玲奈「…おっと、もうこんな時間か。そろそろ戻らなくては」
穂乃果「え、もう?まだコツが…」
雪穂「もうありのままのお姉ちゃんでいいじゃん、そのままでも可愛いんだし」
穂乃果「それはさっきも聞いたよっ」
英玲奈「…思うに君は小手先の技術を覚えるより、感覚に委ねた方が上手くいくと思う」
穂乃果「かんかく…?」
英玲奈「想像してみろ、ということだ。自分を本物のヴァンパイアに置き換えてな」
穂乃果「それってやっぱり血を吸うとか?穂乃果もそれくらいなら…」
英玲奈「吸血行動はただ飢えや渇きを癒すためのものではない」
英玲奈「吸血したものを自分の配下にしたり、同じ吸血鬼にしたりも出来るという」
穂乃果「漫画でもそんな感じのがあったような…」
英玲奈「例えばそれは愛する人…孤独を癒す唯一の存在…」
英玲奈「だが相手を傷つけてでも自分の物にしたいのか…永きを生きるヴァンパイアにとっては、苦悩と欲求の板挟みだ」
英玲奈「物語にはそういった悲哀の面もある、そんな背景に裏打ちされてにじみ出るものがカッコよさだと、私は思う」
穂乃果「…わかったようなわからないような」
英玲奈「ふふ、ならば単純に穂乃果さんが自分の物にしたいと思うものを思い描けばいい。どんな手段を使っても手に入れてやる…という感じにな」
穂乃果「それって悪役みたい」
英玲奈「良い悪役は得てしてカッコいいものだろう?」
雪穂「あー確かに」
穂乃果「じゃあもしかして、英玲奈さんもそんなこと考えてたんですか?」
英玲奈「…まあ、そこまで悪役じみた考えではないが」
雪穂「へー、英玲奈さんにもそういう人がいるんですねー」ニヤニヤ
英玲奈「…まあ、ココにいると余計にな」ゴニョゴニョ
穂乃果「え…ここにって…」
穂乃果(も、もしかして…この家にそんな人がいるってこと?)
穂乃果(…)
穂乃果(それって穂乃果のことじゃ…!?)
穂乃果(お店に来ると大抵穂乃果とお喋りするし、普段の面識だって…!)
穂乃果(う、うわわ…!ど、どーしよーっ!?///)ドキドキドキ
英玲奈「と、とにかくそういうことだ。参考程度に覚えておくといい」
英玲奈「じゃあ、私は帰るよ。急がなければ遅れてしまう」スクッ
雪穂「あ、じゃあ見送りしますよ。…ってお姉ちゃん?」
穂乃果「…」ポー…
~~~
ほの母「…あら、統堂さんだったの。いつもご贔屓にありがとね」
英玲奈「いえ、こちらこそ美味しいお饅頭をありがとうございます。皆からも大好評ですよ」
ほの母「あらそう?ふふ、その調子でウチの味をじゃんじゃん広めていってね♪」
雪穂「お母さんがめつい」
ほの母「商魂逞しいと言いなさい。…それより穂乃果は一体どうしちゃったの?」
穂乃果「…」ポー…
雪穂「さあ?さっきからあのまんまなんだよね」
穂乃果(そっかそっかぁ…英玲奈さん、穂乃果のこと…)
穂乃果(さっきの小芝居も穂乃果相手だったから…んもうっ、英玲奈さんったら♪)ヤンヤン
穂乃果(また来てくれるようにお願いしなきゃ。そして次は穂乃果から…///)モンモン
英玲奈「では、お邪魔しました」
穂乃果「あ、英玲奈さん!また…」
ほの父「…」ヌゥ
英玲奈「…!!??」
穂乃果(…あれ、英玲奈さんの様子が)
ほの母「あらお父さん珍しいわね、表に出てくるなんて」
英玲奈「あ…こ、こんにちは…」
ほの父「…」ガサッ
英玲奈「え、これは…」
雪穂「差し入れ?いつも贔屓にしてくれてるからって?」
ほの父「…」ウム
英玲奈「き、きき、恐縮ですっ///」
穂乃果(…あれー?何で赤くなってるのかなー?)
英玲奈「あの、その、今日も…た、大変凛々しいお姿で…///」
雪穂「ただ仏頂面なだけだよ」
ほの父「…」ポカッ
雪穂「…もー、ほんとのことじゃん」イテテ
英玲奈「で、では私はこれで…さようなら!!///」バヒュン!
ほの母「あらあら、元気ねぇ」フリフリ
ほの父「…」フリフリ
穂乃果「…」フリ…フリ…
穂乃果「………ねえ雪穂、英玲奈さんってさ」
雪穂「相変わらずだよねー、ああ見えて渋いオジサマ好みなんて。ほんと意外っていうか」
穂乃果「………そうなの?」
雪穂「えっ、お姉ちゃん気付いてなかったの?」
穂乃果「………雪穂は知ってたんだ」
雪穂「初めて来店したときたまたまお父さんが表にいてさ、見た瞬間カチコチになっちゃってたよ」クックッ
穂乃果「………それ穂乃果いない時だよね」
雪穂「そうだっけ?まあそれ以来ちょくちょく来るようになったけど、あれはあわよくばお父さんを見られればって感じだよね。間違いなく」
穂乃果「………そっかぁ」
ほの父「…」
穂乃果「お父さん」
ほの父「…?」
穂乃果「…お父さんのバーカ!!!」
ほの父「…!!??」ガーン
ほの母「…遅れてきた反抗期?」
~~~
数日後
ことり「今日のライブすっごい盛り上がってたね♪」
海未「ええ、特に穂乃果のヴァンパイアが大好評のようでした」
穂乃果「えへへ…頑張った甲斐があったよ」
凛「それにしても今日の穂乃果ちゃんカッコよかったにゃ♪」
花陽「うんうん!普段と全然違うんだもん、ビックリしちゃったよ」
にこ「あんたいつの間にあんな顔出来るようになったのよ!」
穂乃果「ふふん、想像だよ想像」
真姫「想像?何を?」
穂乃果「ヴァンパイアって噛み付いた人を自分の物に出来るって言うでしょ?」
希「それってつまり、穂乃果ちゃん自分の物にしたい人がおるってこと?」
絵里「なっ…それは聞き捨てならないわね。相手は金髪?」
海未「きっと文武両道の大和撫子でしょう」
ことり「お菓子作りと衣装作りが得意な子じゃないかな♪」
にこ「あんたら…」
穂乃果「?多分全然違うよ」
絵里「」
海未「」
ことり「」
真姫「予想されたオチね」
穂乃果「んー…今は別の方に目が行ってるみたいなんだけどね」
穂乃果「いずれは穂乃果の物にしてみせるから…フフ」ペロッ…
凛(なんか牙を舐める穂乃果ちゃん…恐ろしく色っぽいにゃ)
花陽(そしてあの鋭い目つき…まるで獲物を付け狙うヴァンパイアそのもの…)ガクブル
穂乃果「…お父さんなんかに負けてられない」スゥ…
穂乃果「今度は穂乃果の本気のカッコよさで…」ニヤッ…
穂乃果「英玲奈さんの全部、頂いちゃうよ…!」バサァッ
おまけ
あんじゅ「ちょっと英玲奈、なにその首筋の痕!?」
英玲奈「ん?ああこれは…」
ツバサ「もしかして…キスマーク?穏やかじゃないわねー」ニヤニヤ
あんじゅ「ちっちゃい痕が二つ…誰にマーキングされたわけ?」
英玲奈「いや、それは穂乃果さんの家に行ったとき…」
あんじゅ「えぇ!?じゃあこれ穂乃果さんがつけたの!?」
ツバサ「」
英玲奈「まあそうだがそうじゃなくて…ムリヤリ吸い付かれたというか…」
あんじゅ「むしゃぶり尽かれたぁ!?どこまでいってんのよあんた達!?」
ツバサ「」
英玲奈「そうじゃない!私と同じことをしようとして…」
あんじゅ「英玲奈が手ほどきしたってこと!?」
英玲奈「お前わざとだろ!!」
ツバサ「」
おわり
ハロウィン英玲奈も思い出してあげてねってことで
乙!まさかのほのえれ…だと…!?新しい世界に目覚めそうだ
珍しいな乙やで
お気に入りにいれとこう
珍しくてワロタ
乙
続編見たいです
ゴミはゴミ箱へ
ふむ、ほのえれ有りだな
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